JPH09245322A - 磁気センサおよび磁気ヘッド - Google Patents
磁気センサおよび磁気ヘッドInfo
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- JPH09245322A JPH09245322A JP8055178A JP5517896A JPH09245322A JP H09245322 A JPH09245322 A JP H09245322A JP 8055178 A JP8055178 A JP 8055178A JP 5517896 A JP5517896 A JP 5517896A JP H09245322 A JPH09245322 A JP H09245322A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高分解能化のためにサイズを小型化しても、
感度劣化を防止する。 【解決手段】 印加磁場の磁化方向の変化に応じて磁化
方向が変化する可変磁化膜1と、非磁性膜2と、固定磁
化膜3とが巨大磁気抵抗効果を示すように互いに積層さ
れ、上記固定磁化膜3が、非磁性膜2に面する第1磁性
膜4と、上記第1磁性膜4に面する第2磁性膜6とを、
互いに反強磁性結合させて有している。
感度劣化を防止する。 【解決手段】 印加磁場の磁化方向の変化に応じて磁化
方向が変化する可変磁化膜1と、非磁性膜2と、固定磁
化膜3とが巨大磁気抵抗効果を示すように互いに積層さ
れ、上記固定磁化膜3が、非磁性膜2に面する第1磁性
膜4と、上記第1磁性膜4に面する第2磁性膜6とを、
互いに反強磁性結合させて有している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印加磁場強度の変
化を、抵抗値の大きな変化に変換し検出する巨大磁気抵
抗効果を有するスピンバルブ型の磁気センサおよび磁気
ヘッドに関するものである。
化を、抵抗値の大きな変化に変換し検出する巨大磁気抵
抗効果を有するスピンバルブ型の磁気センサおよび磁気
ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気センサとしては、通常の磁気
抵抗効果より大きな磁気抵抗変化率を示す巨大磁気抵抗
効果を示すスピンバルブ型の4層膜構造のものが知られ
ている(特開平4-358310号公報参照)。
抵抗効果より大きな磁気抵抗変化率を示す巨大磁気抵抗
効果を示すスピンバルブ型の4層膜構造のものが知られ
ている(特開平4-358310号公報参照)。
【0003】このような磁気センサは、例えば図11お
よび図12に示すように、略長方形板状に形成され、金
属磁性薄膜11、非磁性薄膜12、金属磁性薄膜13、
反強磁性薄膜14および一対の各電極15を、上記の順
序にて互いに積層した状態にて有している。
よび図12に示すように、略長方形板状に形成され、金
属磁性薄膜11、非磁性薄膜12、金属磁性薄膜13、
反強磁性薄膜14および一対の各電極15を、上記の順
序にて互いに積層した状態にて有している。
【0004】金属磁性薄膜13は、反強磁性薄膜14と
直接接触しており、両膜13・14の間の磁気的結合で
ある交換相互作用により上記金属磁性薄膜13の磁化の
方向は、磁気センサの長手方向に対し、直角となるよう
に上記反強磁性薄膜14によって固定されている。一
方、非磁性薄膜12で分離した金属磁性薄膜11は、印
加磁場としての信号磁場H1 の磁場方向の変化に応じ
て、その磁化方向が変化するようになっている。
直接接触しており、両膜13・14の間の磁気的結合で
ある交換相互作用により上記金属磁性薄膜13の磁化の
方向は、磁気センサの長手方向に対し、直角となるよう
に上記反強磁性薄膜14によって固定されている。一
方、非磁性薄膜12で分離した金属磁性薄膜11は、印
加磁場としての信号磁場H1 の磁場方向の変化に応じ
て、その磁化方向が変化するようになっている。
【0005】つまり、金属磁性薄膜13は、信号磁場H
1 と比べて大きな保磁力を有し、一度設定された磁化方
向を、信号磁場H1 の変化に対して保つように設定され
る一方、金属磁性薄膜11は、信号磁場H1 と比べて小
さな保磁力を有し、信号磁場H1 の変化に応じて上記金
属磁性薄膜11の磁化方向が変化するように設定されて
いる。
1 と比べて大きな保磁力を有し、一度設定された磁化方
向を、信号磁場H1 の変化に対して保つように設定され
る一方、金属磁性薄膜11は、信号磁場H1 と比べて小
さな保磁力を有し、信号磁場H1 の変化に応じて上記金
属磁性薄膜11の磁化方向が変化するように設定されて
いる。
【0006】また、金属磁性薄膜11の磁化M5 の方向
は、磁気センサに印加される信号磁場H1 がゼロの場合
に、金属磁性薄膜11の磁気異方性により、磁気センサ
の長手方向に平行となるように、言い換えると金属磁性
薄膜13の磁化M6 の方向に対し直交するように設定さ
れている。
は、磁気センサに印加される信号磁場H1 がゼロの場合
に、金属磁性薄膜11の磁気異方性により、磁気センサ
の長手方向に平行となるように、言い換えると金属磁性
薄膜13の磁化M6 の方向に対し直交するように設定さ
れている。
【0007】このような磁気センサでは、信号磁場H1
の変化により、金属磁性薄膜11の磁化の方向が変化
し、金属磁性薄膜11の磁化M5 、および金属磁性薄膜
13と磁化M6 との間の相対角度に対応した磁気抵抗変
化となって検出される。
の変化により、金属磁性薄膜11の磁化の方向が変化
し、金属磁性薄膜11の磁化M5 、および金属磁性薄膜
13と磁化M6 との間の相対角度に対応した磁気抵抗変
化となって検出される。
【0008】この構造の磁気センサの性能を十分に引き
出すためには、信号磁場H1 がゼロの場合に両金属磁性
薄膜11・13の各磁化の方向が実際に上記の設定どお
り、互いに直交するようになっていることが必要であ
る。
出すためには、信号磁場H1 がゼロの場合に両金属磁性
薄膜11・13の各磁化の方向が実際に上記の設定どお
り、互いに直交するようになっていることが必要であ
る。
【0009】これは、次の理由に基づくものである。金
属磁性薄膜11と金属磁性薄膜13との磁化方向が、互
いに180度逆、つまり互いに反平行のときに、上記磁
気センサの電気抵抗値は最大になる。これは、金属磁性
薄膜11と金属磁性薄膜13との内、片方の膜から他方
の膜へと移動しようとする電子が、上記反平行の状態に
よって、非磁性薄膜12/各磁性薄膜11・13の各界
面にて散乱するからである。
属磁性薄膜11と金属磁性薄膜13との磁化方向が、互
いに180度逆、つまり互いに反平行のときに、上記磁
気センサの電気抵抗値は最大になる。これは、金属磁性
薄膜11と金属磁性薄膜13との内、片方の膜から他方
の膜へと移動しようとする電子が、上記反平行の状態に
よって、非磁性薄膜12/各磁性薄膜11・13の各界
面にて散乱するからである。
【0010】一方、金属磁性薄膜11と金属磁性薄膜1
3との磁化方向が、互いに同一、すなわち互いに平行と
なる場合、非磁性薄膜12/各磁性薄膜11・13の各
界面における移動する電子の散乱が最も低減されるの
で、磁気センサの電気抵抗が最小となる。
3との磁化方向が、互いに同一、すなわち互いに平行と
なる場合、非磁性薄膜12/各磁性薄膜11・13の各
界面における移動する電子の散乱が最も低減されるの
で、磁気センサの電気抵抗が最小となる。
【0011】このような金属磁性薄膜11の磁化方向の
変化に対する上記電気抵抗の変化をグラフにて示すと、
上記グラフが略S字状となり、上記変化率が最も大きく
なる、つまり上記グラフにおける変化率の変化を示す傾
きが最も大きくなる点は、上記金属磁性薄膜11と金属
磁性薄膜13との相対角度が90度、つまり直交するよ
うに設定されたときである。
変化に対する上記電気抵抗の変化をグラフにて示すと、
上記グラフが略S字状となり、上記変化率が最も大きく
なる、つまり上記グラフにおける変化率の変化を示す傾
きが最も大きくなる点は、上記金属磁性薄膜11と金属
磁性薄膜13との相対角度が90度、つまり直交するよ
うに設定されたときである。
【0012】このことから、上記スピンバルブ型の4層
構造では、信号磁場がゼロのときに、上記金属磁性薄膜
11と金属磁性薄膜13との相対角度が90度、すなわ
ち互いに直交するように、上記金属磁性薄膜11と金属
磁性薄膜13との各磁化の方向がそれぞれ設定されてい
る。
構造では、信号磁場がゼロのときに、上記金属磁性薄膜
11と金属磁性薄膜13との相対角度が90度、すなわ
ち互いに直交するように、上記金属磁性薄膜11と金属
磁性薄膜13との各磁化の方向がそれぞれ設定されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
スピンバルブ型の多層膜を用いた磁気センサでは、信号
磁場がゼロのときにおける金属磁性薄膜11の磁化変化
に関して、以下の2点、すなわち、感度の低下と、設計
自由度の低下という問題を生じている。
スピンバルブ型の多層膜を用いた磁気センサでは、信号
磁場がゼロのときにおける金属磁性薄膜11の磁化変化
に関して、以下の2点、すなわち、感度の低下と、設計
自由度の低下という問題を生じている。
【0014】まず、感度低下を招来する第1の問題は、
磁気センサの高分解能化の要求に対応して、磁気センサ
の素子幅Wは狭く設定される傾向にあり、1μm以下の
ものも作成されている。このような幅Wの狭小化に伴
い、反強磁性薄膜14により固定されている金属磁性薄
膜13の反磁場は増大し、反強磁性薄膜14の膜厚によ
っては数100エールステッドにも達することがある。
磁気センサの高分解能化の要求に対応して、磁気センサ
の素子幅Wは狭く設定される傾向にあり、1μm以下の
ものも作成されている。このような幅Wの狭小化に伴
い、反強磁性薄膜14により固定されている金属磁性薄
膜13の反磁場は増大し、反強磁性薄膜14の膜厚によ
っては数100エールステッドにも達することがある。
【0015】この場合には、反強磁性薄膜14と、金属
磁性薄膜13との間の磁気結合より反磁場の方が大きく
なるため、信号磁場がゼロのときにおいて金属磁性薄膜
13の磁化M6 の方向は、磁気センサの長手方向に対し
平行な状態となり、よって、金属磁性薄膜11の磁化方
向と平行となるので、磁気センサとしての感度が極めて
低下することになる。
磁性薄膜13との間の磁気結合より反磁場の方が大きく
なるため、信号磁場がゼロのときにおいて金属磁性薄膜
13の磁化M6 の方向は、磁気センサの長手方向に対し
平行な状態となり、よって、金属磁性薄膜11の磁化方
向と平行となるので、磁気センサとしての感度が極めて
低下することになる。
【0016】また、金属磁性薄膜13の磁化方向の全体
が、金属磁性薄膜11の磁化方向と平行とならない場合
でも、図13に示すように、反磁場が強く現れる磁気セ
ンサの幅方向端部13aにおいては、信号磁場がゼロの
ときでも、金属磁性薄膜13の磁化の方向が、磁気セン
サの長手方向に平行となる方向M8 に沿うように変動す
るという現象が生じる。
が、金属磁性薄膜11の磁化方向と平行とならない場合
でも、図13に示すように、反磁場が強く現れる磁気セ
ンサの幅方向端部13aにおいては、信号磁場がゼロの
ときでも、金属磁性薄膜13の磁化の方向が、磁気セン
サの長手方向に平行となる方向M8 に沿うように変動す
るという現象が生じる。
【0017】このような磁気センサを、磁気ヘッドに用
いた場合、磁気センサ内において幅方向端部は、信号磁
場である信号磁場の変化に対する感度の最も高い場所で
あることから、上述の現象は磁気ヘッドの感度を大幅に
劣化させる。従来、このような劣化に対応するために
は、金属磁性薄膜13の磁化方向を固定する、つまりピ
ン止めするエネルギーを高く設定すればよいが、現実の
磁性材料では実現が困難であった。
いた場合、磁気センサ内において幅方向端部は、信号磁
場である信号磁場の変化に対する感度の最も高い場所で
あることから、上述の現象は磁気ヘッドの感度を大幅に
劣化させる。従来、このような劣化に対応するために
は、金属磁性薄膜13の磁化方向を固定する、つまりピ
ン止めするエネルギーを高く設定すればよいが、現実の
磁性材料では実現が困難であった。
【0018】設計自由度の低下という第2の課題は、図
11および図12に示すように、金属磁性薄膜13の磁
化M6 の方向が、磁気センサの幅方向に設定されている
ため、磁化の方向が自由に変化する金属磁性薄膜11に
対しバイアス磁場が、金属磁性薄膜13により印加され
ることになる。
11および図12に示すように、金属磁性薄膜13の磁
化M6 の方向が、磁気センサの幅方向に設定されている
ため、磁化の方向が自由に変化する金属磁性薄膜11に
対しバイアス磁場が、金属磁性薄膜13により印加され
ることになる。
【0019】したがって、金属磁性薄膜11の磁化方向
の変化の中心が、金属磁性薄膜13の磁化方向に対し直
交する位置からずれることになり、信号磁場がゼロのと
きに金属磁性薄膜11の磁化方向と、金属磁性薄膜13
の磁化方向とを互いに直交させる前述の理由によって、
磁気センサにおける感度低下を招来するという問題を生
じている。
の変化の中心が、金属磁性薄膜13の磁化方向に対し直
交する位置からずれることになり、信号磁場がゼロのと
きに金属磁性薄膜11の磁化方向と、金属磁性薄膜13
の磁化方向とを互いに直交させる前述の理由によって、
磁気センサにおける感度低下を招来するという問題を生
じている。
【0020】そこで、従来では、上記問題を回避するた
めに、上記バイアス磁場を、磁気センサに通電されるセ
ンス電流によって発生する電流磁場と相殺する等の手段
が考えられた。
めに、上記バイアス磁場を、磁気センサに通電されるセ
ンス電流によって発生する電流磁場と相殺する等の手段
が考えられた。
【0021】しかしながら、上記の手段を用いた場合で
は、所定の電流磁場を発生させるために、センス電流値
を所定の固定値に設定したり、金属磁性薄膜13のサイ
ズを所定値に設定したりする必要があるといった磁気セ
ンサ設計上における設計自由度に対し大きな制約を生じ
ている。
は、所定の電流磁場を発生させるために、センス電流値
を所定の固定値に設定したり、金属磁性薄膜13のサイ
ズを所定値に設定したりする必要があるといった磁気セ
ンサ設計上における設計自由度に対し大きな制約を生じ
ている。
【0022】本発明の目的は、上記従来のスピンバルブ
型の磁気抵抗センサが有する課題を解決し、高感度かつ
設計自由度の高い磁気センサおよびそれを用いた磁気ヘ
ッドを提供することである。
型の磁気抵抗センサが有する課題を解決し、高感度かつ
設計自由度の高い磁気センサおよびそれを用いた磁気ヘ
ッドを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
磁気センサは、以上の課題を解決するために、印加磁場
の磁場方向の変化に応じて磁化方向が変化する可変磁化
膜と、非磁性膜と、固定磁化膜とが巨大磁気抵抗効果を
示すように互いに積層されている磁気センサにおいて、
上記固定磁化膜は、非磁性膜に面する第1磁性膜と、第
2磁性膜とを、互いに反強磁性結合させて有しているこ
とを特徴としている。
磁気センサは、以上の課題を解決するために、印加磁場
の磁場方向の変化に応じて磁化方向が変化する可変磁化
膜と、非磁性膜と、固定磁化膜とが巨大磁気抵抗効果を
示すように互いに積層されている磁気センサにおいて、
上記固定磁化膜は、非磁性膜に面する第1磁性膜と、第
2磁性膜とを、互いに反強磁性結合させて有しているこ
とを特徴としている。
【0024】上記の請求項1記載の構成によれば、印加
磁場の磁場方向の変化に応じて変化する可変磁化膜の磁
化方向と、上記印加磁場の変化に対して磁化方向が固定
された状態を保持する固定磁化膜の第1磁性膜の磁化方
向との間の相対角度の変化に応じて、可変磁化膜、非磁
性膜および固定磁化膜の全体としての電気抵抗が、巨大
磁気抵抗効果によって大きく変化して、上記印加磁場の
変化を、上記電気抵抗の変化によって、より確実に検出
することが可能となる。
磁場の磁場方向の変化に応じて変化する可変磁化膜の磁
化方向と、上記印加磁場の変化に対して磁化方向が固定
された状態を保持する固定磁化膜の第1磁性膜の磁化方
向との間の相対角度の変化に応じて、可変磁化膜、非磁
性膜および固定磁化膜の全体としての電気抵抗が、巨大
磁気抵抗効果によって大きく変化して、上記印加磁場の
変化を、上記電気抵抗の変化によって、より確実に検出
することが可能となる。
【0025】その上、上記構成では、固定磁化膜は、第
1磁性膜と第2磁性膜とが反強磁性結合しているので、
第1磁性膜による磁場と、第2磁性膜による磁場とを互
いに相殺できて、固定磁化膜における全体的な飽和磁化
である合成飽和磁化の値を、第1磁性膜の飽和磁化の値
より小さくできる。
1磁性膜と第2磁性膜とが反強磁性結合しているので、
第1磁性膜による磁場と、第2磁性膜による磁場とを互
いに相殺できて、固定磁化膜における全体的な飽和磁化
である合成飽和磁化の値を、第1磁性膜の飽和磁化の値
より小さくできる。
【0026】このことから、上記構成では、固定磁化膜
の反磁場の強度は、上記固定磁化膜の合成飽和磁化の値
に比例するため、上記固定磁化膜による反磁場の値も大
幅に低減できる。これにより、上記構成では、上記反磁
場による、第1磁化膜における磁化方向の不安定化を抑
制できるので、可変磁化膜の磁化方向と、第1磁化膜の
磁化方向との設定を最適な状態に維持できて、上記設定
が最適値から外れることに起因する印加磁場の変化を検
出する感度低下を回避できる。
の反磁場の強度は、上記固定磁化膜の合成飽和磁化の値
に比例するため、上記固定磁化膜による反磁場の値も大
幅に低減できる。これにより、上記構成では、上記反磁
場による、第1磁化膜における磁化方向の不安定化を抑
制できるので、可変磁化膜の磁化方向と、第1磁化膜の
磁化方向との設定を最適な状態に維持できて、上記設定
が最適値から外れることに起因する印加磁場の変化を検
出する感度低下を回避できる。
【0027】さらに、上記構成では、固定磁化膜におけ
る合成飽和磁化の値を軽減できることから、上記固定磁
化膜から可変磁化膜に対し印加されるバイアス磁場も大
幅に低減できるので、上記バイアス磁場に起因する可変
磁化膜に生じる磁化方向の偏りを抑制できる。
る合成飽和磁化の値を軽減できることから、上記固定磁
化膜から可変磁化膜に対し印加されるバイアス磁場も大
幅に低減できるので、上記バイアス磁場に起因する可変
磁化膜に生じる磁化方向の偏りを抑制できる。
【0028】したがって、上記構成では、第1磁化膜の
磁化方向との設定を最適な状態に維持できて、上記設定
が最適値から外れることに起因する印加磁場の変化を検
出する感度低下を回避できる。
磁化方向との設定を最適な状態に維持できて、上記設定
が最適値から外れることに起因する印加磁場の変化を検
出する感度低下を回避できる。
【0029】その上、上記構成では、従来のように、バ
イアス磁場を、磁気センサに通電されるセンス電流によ
って発生する電流磁場と相殺する手段を用いて、センス
電流値を所定の固定値に設定する必要があるといった磁
気センサ設計上における自由度に対し大きな制約を生じ
ていた場合と比較して、上記バイアス磁場の発生を大幅
に低減できるので、上記自由度の制約を軽減することが
できる。
イアス磁場を、磁気センサに通電されるセンス電流によ
って発生する電流磁場と相殺する手段を用いて、センス
電流値を所定の固定値に設定する必要があるといった磁
気センサ設計上における自由度に対し大きな制約を生じ
ていた場合と比較して、上記バイアス磁場の発生を大幅
に低減できるので、上記自由度の制約を軽減することが
できる。
【0030】本発明の請求項2記載の磁気センサは、請
求項1に記載の磁気センサにおいて、磁性体からなる固
定用膜が、固定磁化膜の磁化方向を上記固定用膜の磁化
方向に基づいて固定するように固定磁化膜に対して積層
されていることを特徴としている。
求項1に記載の磁気センサにおいて、磁性体からなる固
定用膜が、固定磁化膜の磁化方向を上記固定用膜の磁化
方向に基づいて固定するように固定磁化膜に対して積層
されていることを特徴としている。
【0031】上記の請求項2記載の構成によれば、固定
用膜によって、固定磁化膜の磁化方向が、印加磁場の変
化に対して、より安定に固定されるので、上記固定磁化
膜の磁化方向の変動に基づく、印加磁場の変化を検出す
る検出感度の低下を抑制できる。
用膜によって、固定磁化膜の磁化方向が、印加磁場の変
化に対して、より安定に固定されるので、上記固定磁化
膜の磁化方向の変動に基づく、印加磁場の変化を検出す
る検出感度の低下を抑制できる。
【0032】本発明の請求項3記載の磁気センサは、請
求項1または2に記載の磁気センサにおいて、金属非磁
性体からなる結合膜が、第1磁性膜と第2磁性膜との間
の反強磁性結合を大きくするように上記第1磁性膜と第
2磁性膜との間に積層されて設けられていることを特徴
としている。
求項1または2に記載の磁気センサにおいて、金属非磁
性体からなる結合膜が、第1磁性膜と第2磁性膜との間
の反強磁性結合を大きくするように上記第1磁性膜と第
2磁性膜との間に積層されて設けられていることを特徴
としている。
【0033】上記の請求項3記載の構成によれば、結合
膜によって、第2磁性膜の磁化の強度を低く設定して
も、上記第2磁性膜によって設定できる第1磁性膜の磁
化の強度を向上できる。
膜によって、第2磁性膜の磁化の強度を低く設定して
も、上記第2磁性膜によって設定できる第1磁性膜の磁
化の強度を向上できる。
【0034】このことから、上記構成では、上記第1磁
性膜および第2磁性膜の膜厚をそれぞれ薄く、あるいは
上記第1磁性膜および第2磁性膜の磁性材料の選択範囲
を広げることができるので、上記第1磁性膜および第2
磁性膜の膜厚をそれぞれ薄く、あるいは上記第1磁性膜
および第2磁性膜の磁性材料に安価な材料を用いること
ができて、コストダウンを図ることができる。
性膜および第2磁性膜の膜厚をそれぞれ薄く、あるいは
上記第1磁性膜および第2磁性膜の磁性材料の選択範囲
を広げることができるので、上記第1磁性膜および第2
磁性膜の膜厚をそれぞれ薄く、あるいは上記第1磁性膜
および第2磁性膜の磁性材料に安価な材料を用いること
ができて、コストダウンを図ることができる。
【0035】本発明の請求項4記載の磁気センサは、請
求項3に記載の磁気センサにおいて、結合膜は、第1磁
性膜と第2磁性膜とを反強磁性的に結合する範囲内で薄
くなるように設定されていることを特徴としている。
求項3に記載の磁気センサにおいて、結合膜は、第1磁
性膜と第2磁性膜とを反強磁性的に結合する範囲内で薄
くなるように設定されていることを特徴としている。
【0036】上記の請求項4記載の構成によれば、結合
膜を薄く設定できるので、上記結合膜を形成する際の手
間や材料を抑制できて、上記構成を作製するときにコス
トダウンを図ることができる。
膜を薄く設定できるので、上記結合膜を形成する際の手
間や材料を抑制できて、上記構成を作製するときにコス
トダウンを図ることができる。
【0037】本発明の請求項5記載の磁気センサは、請
求項1、2、3または4に記載の磁気センサにおいて、
固定磁化膜は、第1磁性膜および第2磁性膜の各飽和磁
化と、第1磁性膜および第2磁性膜の各膜厚とによっ
て、上記固定磁化膜における合成飽和磁化の値が低減さ
れていることを特徴としている。
求項1、2、3または4に記載の磁気センサにおいて、
固定磁化膜は、第1磁性膜および第2磁性膜の各飽和磁
化と、第1磁性膜および第2磁性膜の各膜厚とによっ
て、上記固定磁化膜における合成飽和磁化の値が低減さ
れていることを特徴としている。
【0038】本発明の請求項6記載の磁気センサは、請
求項2、3または4に記載の磁気センサにおいて、上記
固定用膜および固定磁化膜における合成飽和磁化の値が
低減されるように、固定用膜、第1磁性膜および第2磁
性膜の各飽和磁化と、固定用膜、第1磁性膜および第2
磁性膜の各膜厚とが設定されていることを特徴としてい
る。
求項2、3または4に記載の磁気センサにおいて、上記
固定用膜および固定磁化膜における合成飽和磁化の値が
低減されるように、固定用膜、第1磁性膜および第2磁
性膜の各飽和磁化と、固定用膜、第1磁性膜および第2
磁性膜の各膜厚とが設定されていることを特徴としてい
る。
【0039】本発明の請求項7記載の磁気センサは、請
求項5または6に記載の磁気センサにおいて、固定磁化
膜の見掛け上の飽和磁化の値が、ほぼゼロとなるように
設定されていることを特徴としている。
求項5または6に記載の磁気センサにおいて、固定磁化
膜の見掛け上の飽和磁化の値が、ほぼゼロとなるように
設定されていることを特徴としている。
【0040】上記の請求項5、6および7に記載の構成
によれば、固定磁化膜における合成飽和磁化の値の低減
によって、固定磁化膜の反磁場の強度は、上記合成飽和
磁化の値に比例するため、上記固定磁化膜による反磁場
の値も大幅に低減できる。
によれば、固定磁化膜における合成飽和磁化の値の低減
によって、固定磁化膜の反磁場の強度は、上記合成飽和
磁化の値に比例するため、上記固定磁化膜による反磁場
の値も大幅に低減できる。
【0041】これにより、上記構成では、上記反磁場に
よる、第1磁化膜における磁化方向の不安定化を抑制で
きるので、可変磁化膜の磁化方向と、第1磁化膜の磁化
方向との設定を最適な状態に維持できて、上記設定が最
適値から外れることに起因する印加磁場の変化を検出す
る感度低下を回避できる。
よる、第1磁化膜における磁化方向の不安定化を抑制で
きるので、可変磁化膜の磁化方向と、第1磁化膜の磁化
方向との設定を最適な状態に維持できて、上記設定が最
適値から外れることに起因する印加磁場の変化を検出す
る感度低下を回避できる。
【0042】さらに、上記構成では、固定磁化膜におけ
る合成飽和磁化の値を軽減できることから、上記固定磁
化膜から可変磁化膜に対し印加されるバイアス磁場も大
幅に低減できるので、上記バイアス磁場に起因する可変
磁化膜に生じる磁化方向の偏りを抑制できる。
る合成飽和磁化の値を軽減できることから、上記固定磁
化膜から可変磁化膜に対し印加されるバイアス磁場も大
幅に低減できるので、上記バイアス磁場に起因する可変
磁化膜に生じる磁化方向の偏りを抑制できる。
【0043】したがって、上記構成では、上記偏りの抑
制により、第1磁化膜の磁化方向との設定を最適な状態
に維持できて、上記設定が最適値から外れることに起因
する印加磁場の変化を検出する感度低下を回避できる。
制により、第1磁化膜の磁化方向との設定を最適な状態
に維持できて、上記設定が最適値から外れることに起因
する印加磁場の変化を検出する感度低下を回避できる。
【0044】その上、上記構成では、従来のように、バ
イアス磁場を、磁気センサに通電されるセンス電流によ
って発生する電流磁場と相殺する手段を用いて、センス
電流値を所定の固定値に設定する必要があるといった磁
気センサ設計上における自由度に対し大きな制約を生じ
ていた場合と比較して、上記バイアス磁場の発生を大幅
に低減できるので、上記自由度の制約を軽減することが
できる。
イアス磁場を、磁気センサに通電されるセンス電流によ
って発生する電流磁場と相殺する手段を用いて、センス
電流値を所定の固定値に設定する必要があるといった磁
気センサ設計上における自由度に対し大きな制約を生じ
ていた場合と比較して、上記バイアス磁場の発生を大幅
に低減できるので、上記自由度の制約を軽減することが
できる。
【0045】本発明の請求項8記載の磁気ヘッドは、請
求項1ないし7の何れかに記載の磁気センサと、磁気セ
ンサに通電する電源と、磁化方向の変化により情報が記
録された記録媒体が、磁気センサに対して相対移動する
ことによる上記磁化方向の変化に基づく、磁気センサに
対する印加磁場の変化に起因する磁気センサの電気抵抗
の変化を、上記電源の通電によって検出する検出手段と
を有することを特徴としている。
求項1ないし7の何れかに記載の磁気センサと、磁気セ
ンサに通電する電源と、磁化方向の変化により情報が記
録された記録媒体が、磁気センサに対して相対移動する
ことによる上記磁化方向の変化に基づく、磁気センサに
対する印加磁場の変化に起因する磁気センサの電気抵抗
の変化を、上記電源の通電によって検出する検出手段と
を有することを特徴としている。
【0046】上記の請求項8記載の構成によれば、記録
媒体が磁気センサに対して相対移動することによる印加
磁場の変化に起因する磁気センサにおける電気抵抗の変
化の大きさを、前述のように、従来より、大きくできる
ことから、上記検出手段によって検出できる記録媒体に
おける磁化の領域を、より小さく設定できる。
媒体が磁気センサに対して相対移動することによる印加
磁場の変化に起因する磁気センサにおける電気抵抗の変
化の大きさを、前述のように、従来より、大きくできる
ことから、上記検出手段によって検出できる記録媒体に
おける磁化の領域を、より小さく設定できる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の磁気センサは、図1および図2に示すように、
印加磁場としての信号磁場H1 の磁場方向の変化に対
し、大きな電気抵抗の変化を示す巨大磁気抵抗効果を有
するものであって、略長方形板状の基板(図示せず)上
に、可変磁化膜1と、金属非磁性薄膜からなる非磁性膜
2と、固定磁化膜3と、硬質磁性体からなる磁化固定用
膜(固定用膜)7と、上記電気抵抗の変化を検出するセ
ンス電流を通電するための電極導体薄膜8とが、順次、
パターン化されて成膜されているスピンバルブ型の多層
薄膜を有するものである。
ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明の磁気センサは、図1および図2に示すように、
印加磁場としての信号磁場H1 の磁場方向の変化に対
し、大きな電気抵抗の変化を示す巨大磁気抵抗効果を有
するものであって、略長方形板状の基板(図示せず)上
に、可変磁化膜1と、金属非磁性薄膜からなる非磁性膜
2と、固定磁化膜3と、硬質磁性体からなる磁化固定用
膜(固定用膜)7と、上記電気抵抗の変化を検出するセ
ンス電流を通電するための電極導体薄膜8とが、順次、
パターン化されて成膜されているスピンバルブ型の多層
薄膜を有するものである。
【0048】上記巨大磁気抵抗効果とは、非磁性膜2を
間に挟んだ可変磁化膜1と固定磁化膜3との電気抵抗
が、信号磁場H1 の変化に応じて磁化方向が変化する上
記可変磁化膜1と、信号磁場の変化に対して磁化方向が
固定されている固定磁化膜3との間の各磁化の方向間に
おける相対角度の余弦に比例して変化し、かつ、従来の
異常磁気抵抗効果と比べて、信号磁場H1 の変化に対す
る電気抵抗値の変化が数倍に達して、信号磁場H1 の変
化の検出感度が向上したものである。その上、上記巨大
磁気抵抗効果は上記電気抵抗値の検出のために印加され
る電流方向とは無関係なものである。
間に挟んだ可変磁化膜1と固定磁化膜3との電気抵抗
が、信号磁場H1 の変化に応じて磁化方向が変化する上
記可変磁化膜1と、信号磁場の変化に対して磁化方向が
固定されている固定磁化膜3との間の各磁化の方向間に
おける相対角度の余弦に比例して変化し、かつ、従来の
異常磁気抵抗効果と比べて、信号磁場H1 の変化に対す
る電気抵抗値の変化が数倍に達して、信号磁場H1 の変
化の検出感度が向上したものである。その上、上記巨大
磁気抵抗効果は上記電気抵抗値の検出のために印加され
る電流方向とは無関係なものである。
【0049】上記可変磁化膜1には、信号磁場H1 の変
化に応じて磁化方向が容易に変化するように透磁性の高
い軟質磁性材料が用いられる。上記非磁性膜2は、可変
磁化膜1と固定磁化膜3とが非磁性膜2を介して、反強
磁性的に、かつ強磁性的にも磁気的に強く結合すること
を抑制、あるいは防止するように設定されている。これ
により、可変磁化膜1の磁化方向の変化に対する、固定
磁化膜3の磁化方向の変化が回避され、信号磁場H1 の
変化に対して固定磁化膜3の磁化方向が維持される。
化に応じて磁化方向が容易に変化するように透磁性の高
い軟質磁性材料が用いられる。上記非磁性膜2は、可変
磁化膜1と固定磁化膜3とが非磁性膜2を介して、反強
磁性的に、かつ強磁性的にも磁気的に強く結合すること
を抑制、あるいは防止するように設定されている。これ
により、可変磁化膜1の磁化方向の変化に対する、固定
磁化膜3の磁化方向の変化が回避され、信号磁場H1 の
変化に対して固定磁化膜3の磁化方向が維持される。
【0050】そして、上記固定磁化膜3は、非磁性膜2
に面した金属磁性薄膜である第1磁性膜4と、金属非磁
性薄膜からなる結合膜5と、磁化固定用膜7に面した金
属磁性薄膜である第2磁性膜6とを、この順序にて互い
に積層して有している。第1磁性膜4は、可変磁化膜1
の磁化方向と第1磁性膜4の磁化方向とが、信号磁場H
1 がゼロのときに互いにほぼ直交するように設定されて
いる。
に面した金属磁性薄膜である第1磁性膜4と、金属非磁
性薄膜からなる結合膜5と、磁化固定用膜7に面した金
属磁性薄膜である第2磁性膜6とを、この順序にて互い
に積層して有している。第1磁性膜4は、可変磁化膜1
の磁化方向と第1磁性膜4の磁化方向とが、信号磁場H
1 がゼロのときに互いにほぼ直交するように設定されて
いる。
【0051】その上、上記結合膜5の膜厚は、第1磁性
膜4と、第2磁性膜6とが、上記結合膜5を介して、最
も強い反強磁性的な磁気的に互いに結合するように、か
つ、最も薄くなるように設定されている。
膜4と、第2磁性膜6とが、上記結合膜5を介して、最
も強い反強磁性的な磁気的に互いに結合するように、か
つ、最も薄くなるように設定されている。
【0052】上記実施の形態の構成によれば、第1磁性
膜4の磁化M2 と、第2磁性膜6の磁化M3 とは、結合
膜5による反強磁性的な結合のために、互いに反平行の
状態になる。
膜4の磁化M2 と、第2磁性膜6の磁化M3 とは、結合
膜5による反強磁性的な結合のために、互いに反平行の
状態になる。
【0053】そして、上記の両磁性薄膜4・6の間にお
ける磁気的結合エネルギーは、多層膜を構成する材料、
膜厚の選択により、磁場の値に換算すると、最大、数1
0(キロエールステッド)にも及ぶため、通常、用いら
れるように信号磁場H1 を印加しても、両磁性薄膜4・
6の磁化M2 ・M3 は、反平行の状態に固定され、上記
信号磁場H1 の磁場方向の変化に対する磁化方向の変化
が防止される。
ける磁気的結合エネルギーは、多層膜を構成する材料、
膜厚の選択により、磁場の値に換算すると、最大、数1
0(キロエールステッド)にも及ぶため、通常、用いら
れるように信号磁場H1 を印加しても、両磁性薄膜4・
6の磁化M2 ・M3 は、反平行の状態に固定され、上記
信号磁場H1 の磁場方向の変化に対する磁化方向の変化
が防止される。
【0054】一方、硬質磁性体からなる磁化固定用膜7
に接触している第2磁性膜6の磁化M3 の方向は、磁化
固定用膜7と第2磁性膜6との間における交換相互作用
によって上記磁化固定用膜7によってピン止め、つまり
固定される。したがって、上記磁化固定用膜7の磁化の
方向に基づいて、第1磁性膜4の磁化の方向が固定され
ることになる。
に接触している第2磁性膜6の磁化M3 の方向は、磁化
固定用膜7と第2磁性膜6との間における交換相互作用
によって上記磁化固定用膜7によってピン止め、つまり
固定される。したがって、上記磁化固定用膜7の磁化の
方向に基づいて、第1磁性膜4の磁化の方向が固定され
ることになる。
【0055】これに対して、軟質磁性体からなる可変磁
化膜1の磁化M1 の方向は、印加された信号磁場H1 の
磁場方向の変化に対応して、磁化M2 に対して直交した
初期状態の磁化M1 (図中、初期状態の磁化M1 を二点
鎖線にて示した)から、可変磁化膜1の厚さ方向端面に
沿って回転するように変化する。
化膜1の磁化M1 の方向は、印加された信号磁場H1 の
磁場方向の変化に対応して、磁化M2 に対して直交した
初期状態の磁化M1 (図中、初期状態の磁化M1 を二点
鎖線にて示した)から、可変磁化膜1の厚さ方向端面に
沿って回転するように変化する。
【0056】このため、可変磁化膜1と第1磁性膜4と
の各磁化M1 ・M2 の各方向の相対角度は、外部からの
信号磁場H1 の変化に応じて、信号磁場H1 がゼロのと
きの直交した状態を中心として、各磁化M1 ・M2 の相
互間が平行・反平行となる範囲内で変化することにな
る。
の各磁化M1 ・M2 の各方向の相対角度は、外部からの
信号磁場H1 の変化に応じて、信号磁場H1 がゼロのと
きの直交した状態を中心として、各磁化M1 ・M2 の相
互間が平行・反平行となる範囲内で変化することにな
る。
【0057】このことから、上記構成においては、信号
磁場H1 の変化に対して、各磁化M1 ・M2 の各方向の
相対角度が直交した状態を中心として、つまり相対角度
の変化に対し、最も電気抵抗の変化が大きな点である直
交した状態を中心として変化することから、信号磁場H
1 の変化に対して、電気抵抗の変化が、通常の磁気抵抗
効果と比べて数倍大きな巨大磁気抵抗効果が発現するこ
とができる。
磁場H1 の変化に対して、各磁化M1 ・M2 の各方向の
相対角度が直交した状態を中心として、つまり相対角度
の変化に対し、最も電気抵抗の変化が大きな点である直
交した状態を中心として変化することから、信号磁場H
1 の変化に対して、電気抵抗の変化が、通常の磁気抵抗
効果と比べて数倍大きな巨大磁気抵抗効果が発現するこ
とができる。
【0058】その上、上記構成では、上記固定磁化膜3
が、上記結合膜5を介して、互いに、強く反強磁性的に
結合した第1磁性膜4と第2磁性膜6とを有しているた
め、上記固定磁化膜3の飽和磁化の値は、見掛け上、信
号磁場H1 に対し、上記両磁性薄膜4・6の差となるよ
うに振る舞う。このため、両方の磁性薄膜4・6の飽和
磁化と膜厚の各積を、互いに概略相等しくなるように設
定することにより、上記固定磁化膜3の合成飽和磁化の
値を低減、例えばほとんどゼロにすることができる。
が、上記結合膜5を介して、互いに、強く反強磁性的に
結合した第1磁性膜4と第2磁性膜6とを有しているた
め、上記固定磁化膜3の飽和磁化の値は、見掛け上、信
号磁場H1 に対し、上記両磁性薄膜4・6の差となるよ
うに振る舞う。このため、両方の磁性薄膜4・6の飽和
磁化と膜厚の各積を、互いに概略相等しくなるように設
定することにより、上記固定磁化膜3の合成飽和磁化の
値を低減、例えばほとんどゼロにすることができる。
【0059】このことから、上記構成では、磁性薄膜の
反磁場の強度は、上記磁性薄膜の飽和磁化に比例するた
め、上記固定磁化膜3による反磁場の値を、大幅に低
減、例えばゼロにできることになる。
反磁場の強度は、上記磁性薄膜の飽和磁化に比例するた
め、上記固定磁化膜3による反磁場の値を、大幅に低
減、例えばゼロにできることになる。
【0060】ところで、従来では、これにより、上記構
成では、信号磁場H1 の変化を高分解能に検出するため
に、可変磁化膜や固定磁化膜等の各膜の幅を狭く、例え
ば1μm以下に設定した場合、上記固定磁化膜に生じる
反磁場が増大化することから、信号磁場H1 の変化を検
出する感度が上記反磁場によって低下していた。
成では、信号磁場H1 の変化を高分解能に検出するため
に、可変磁化膜や固定磁化膜等の各膜の幅を狭く、例え
ば1μm以下に設定した場合、上記固定磁化膜に生じる
反磁場が増大化することから、信号磁場H1 の変化を検
出する感度が上記反磁場によって低下していた。
【0061】しかしながら、上記構成では、上記反磁場
の値を、大幅に低減、例えばゼロにできるから、上記反
磁場による、第1磁性膜4における磁化方向の不安定化
を抑制できる。このことにより、可変磁化膜1の磁化方
向と、第1金属磁化薄膜4の磁化方向との相対角度の設
定を最適な状態に維持できて、上記設定が最適値から外
れることに起因する信号磁場H1 の変化を検出する感度
低下を回避できる。
の値を、大幅に低減、例えばゼロにできるから、上記反
磁場による、第1磁性膜4における磁化方向の不安定化
を抑制できる。このことにより、可変磁化膜1の磁化方
向と、第1金属磁化薄膜4の磁化方向との相対角度の設
定を最適な状態に維持できて、上記設定が最適値から外
れることに起因する信号磁場H1 の変化を検出する感度
低下を回避できる。
【0062】また、上記構成では、同様に、固定磁化膜
3から可変磁化膜1に印加されるバイアス磁場も大幅に
低減、例えばゼロに設定できるので、上記バイアス磁場
に起因する可変磁化膜1に生じる磁化方向の偏り、前記
の初期状態からのずれを防止できる。
3から可変磁化膜1に印加されるバイアス磁場も大幅に
低減、例えばゼロに設定できるので、上記バイアス磁場
に起因する可変磁化膜1に生じる磁化方向の偏り、前記
の初期状態からのずれを防止できる。
【0063】したがって、上記構成では、可変磁化膜1
の磁化方向と第1磁性膜4の磁化方向との相対角度の設
定を最適な状態に維持できて、上記設定が最適値から外
れることに起因する信号磁場H1 の変化を検出する感度
低下を回避できる。
の磁化方向と第1磁性膜4の磁化方向との相対角度の設
定を最適な状態に維持できて、上記設定が最適値から外
れることに起因する信号磁場H1 の変化を検出する感度
低下を回避できる。
【0064】ところで、従来のスピンバルブ型の磁気セ
ンサでは、固定磁化膜からのバイアス磁場を、センス電
流により発生する磁場により相殺するように磁気センサ
の構造を設定することにより、上記バイアス磁場の悪影
響を抑制し、信号磁場がゼロのときに、可変磁化膜の磁
化の方向を素子長手方向に設定、つまり、固定磁化膜に
対し直交するように、上記センス電流による磁場によっ
て設定することが知られている(例えば、IEEE Trans.
Magn. vol.30, pp. 3801 (1994) "Design, Fabrication
& Testing of Spin-Valve Read Heads for High Densi
ty Recording"参照)。
ンサでは、固定磁化膜からのバイアス磁場を、センス電
流により発生する磁場により相殺するように磁気センサ
の構造を設定することにより、上記バイアス磁場の悪影
響を抑制し、信号磁場がゼロのときに、可変磁化膜の磁
化の方向を素子長手方向に設定、つまり、固定磁化膜に
対し直交するように、上記センス電流による磁場によっ
て設定することが知られている(例えば、IEEE Trans.
Magn. vol.30, pp. 3801 (1994) "Design, Fabrication
& Testing of Spin-Valve Read Heads for High Densi
ty Recording"参照)。
【0065】しかしながら、上記本願の構成では、固定
磁化膜3の見掛け上の飽和磁化の値を自由に最適設定で
きるため、従来のように、磁気センサの構造やセンス電
流をバイアス磁場と相殺するように設定するという従来
の磁気センサにおける設計自由度上の制約を回避できる
から、上記バイアス磁場の悪影響を抑制した優れた特性
を実現しながら、磁気センサの設計の自由度を大幅に向
上させることが可能となる。
磁化膜3の見掛け上の飽和磁化の値を自由に最適設定で
きるため、従来のように、磁気センサの構造やセンス電
流をバイアス磁場と相殺するように設定するという従来
の磁気センサにおける設計自由度上の制約を回避できる
から、上記バイアス磁場の悪影響を抑制した優れた特性
を実現しながら、磁気センサの設計の自由度を大幅に向
上させることが可能となる。
【0066】ところで、信号磁場H1 の変化に対する感
度を最も高くするために、信号磁場H1 がゼロのときに
可変磁化膜1と第1磁性膜4とを、それらの各磁化方向
が互いに直交するように設定した場合、このような可変
磁化膜1に対し、固定磁化膜3からのバイアス磁場によ
る悪影響を生じ易くなっている。
度を最も高くするために、信号磁場H1 がゼロのときに
可変磁化膜1と第1磁性膜4とを、それらの各磁化方向
が互いに直交するように設定した場合、このような可変
磁化膜1に対し、固定磁化膜3からのバイアス磁場によ
る悪影響を生じ易くなっている。
【0067】しかしながら、上記構成では、上記構成の
ようにバイアス磁場を略ゼロに設定できることから、高
感度を維持しながら、上記悪影響を回避でき、本発明の
効果を最も顕著に発揮できる。
ようにバイアス磁場を略ゼロに設定できることから、高
感度を維持しながら、上記悪影響を回避でき、本発明の
効果を最も顕著に発揮できる。
【0068】その上、上記構成では、固定磁化膜3の見
掛け上の合成飽和磁化を低下させることにより、信号磁
場H1 の変化に対する第1磁性膜4の磁化方向の変化を
抑制できるので、磁化固定用膜7と固定磁化膜3との間
の結合磁場を小さく設定しても、上記第1磁性膜4の磁
化方向を固定した状態にて安定化できる。
掛け上の合成飽和磁化を低下させることにより、信号磁
場H1 の変化に対する第1磁性膜4の磁化方向の変化を
抑制できるので、磁化固定用膜7と固定磁化膜3との間
の結合磁場を小さく設定しても、上記第1磁性膜4の磁
化方向を固定した状態にて安定化できる。
【0069】このことから、上記構成は、巨大磁気抵抗
効果をより安定に発揮しながら、磁化固定用膜7や固定
磁化膜3の材料や膜厚等の設計上の自由度を大きくでき
るものとなっている。
効果をより安定に発揮しながら、磁化固定用膜7や固定
磁化膜3の材料や膜厚等の設計上の自由度を大きくでき
るものとなっている。
【0070】次に、上記磁気センサを用いた本発明の磁
気ヘッドについて、図3ないし図5に基づいて説明する
と、以下の通りである。本発明の磁気ヘッドには、図3
ないし図5に示すように、磁気センサ50と、上記磁気
センサ50をその厚さ方向の両側からそれぞれ挟む各シ
ールド54・54が、記録媒体として例えばハードディ
スク52からの信号磁場H1 のみを磁気センサ50に導
入し、上記信号磁場H1 と異なる雑音となる外部磁場の
影響を遮断するために設けられている。
気ヘッドについて、図3ないし図5に基づいて説明する
と、以下の通りである。本発明の磁気ヘッドには、図3
ないし図5に示すように、磁気センサ50と、上記磁気
センサ50をその厚さ方向の両側からそれぞれ挟む各シ
ールド54・54が、記録媒体として例えばハードディ
スク52からの信号磁場H1 のみを磁気センサ50に導
入し、上記信号磁場H1 と異なる雑音となる外部磁場の
影響を遮断するために設けられている。
【0071】そして、磁気ヘッドには、磁気センサ50
にセンス電流を通電する電源51と、信号磁場H1 の変
化に起因する磁気センサ50の電気抵抗の変化を、上記
電源51の通電によって検出する検出器(検出手段)5
3とが設けられている。
にセンス電流を通電する電源51と、信号磁場H1 の変
化に起因する磁気センサ50の電気抵抗の変化を、上記
電源51の通電によって検出する検出器(検出手段)5
3とが設けられている。
【0072】このような磁気ヘッドは、次のように用い
られる。まず、図5に示すように、ハードディスク52
には、所定幅の記録トラック52aに沿って、磁化52
bの各方向の変化により情報が記録されている。よっ
て、磁気ヘッドは、磁気センサ50の長手方向が記録ト
ラック52aの幅方向に沿うように、かつ、磁気センサ
50の厚さ方向が記録トラック52aの長手方向であ
る、記録トラック52aの移動方向に沿うように、その
上、磁気センサ50の幅方向が記録トラック52aの記
録面に対して垂直となるように設定される。
られる。まず、図5に示すように、ハードディスク52
には、所定幅の記録トラック52aに沿って、磁化52
bの各方向の変化により情報が記録されている。よっ
て、磁気ヘッドは、磁気センサ50の長手方向が記録ト
ラック52aの幅方向に沿うように、かつ、磁気センサ
50の厚さ方向が記録トラック52aの長手方向であ
る、記録トラック52aの移動方向に沿うように、その
上、磁気センサ50の幅方向が記録トラック52aの記
録面に対して垂直となるように設定される。
【0073】このような磁気ヘッドに対する、ハードデ
ィスク52の移動に伴う信号磁場H1 となる磁界方向の
変化は下記の3点の状態の間にて変動する。
ィスク52の移動に伴う信号磁場H1 となる磁界方向の
変化は下記の3点の状態の間にて変動する。
【0074】まず、第1点は、図5(a)に示すよう
に、ハードディスク52の移動に伴って、信号磁場H1
としての信号磁界52cが磁気センサ50の幅方向に沿
い、かつ、ハードディスク52の記録面である記録トラ
ック52aに向かって磁界方向が形成されているときで
ある。
に、ハードディスク52の移動に伴って、信号磁場H1
としての信号磁界52cが磁気センサ50の幅方向に沿
い、かつ、ハードディスク52の記録面である記録トラ
ック52aに向かって磁界方向が形成されているときで
ある。
【0075】次に、第2点は、図5(b)に示すよう
に、ハードディスク52の移動に伴って、信号磁界52
cが磁気センサ50の厚さ方向に沿い、かつ、記録トラ
ック52aに対し略平行に磁界方向が形成されていると
きである。
に、ハードディスク52の移動に伴って、信号磁界52
cが磁気センサ50の厚さ方向に沿い、かつ、記録トラ
ック52aに対し略平行に磁界方向が形成されていると
きである。
【0076】最後に、第3点は、図5(c)に示すよう
に、ハードディスク52の移動に伴って、信号磁界52
cが磁気センサ50の幅方向に沿い、かつ、記録トラッ
ク52aから垂直方向に外方に向かって磁界方向が形成
されているときである。
に、ハードディスク52の移動に伴って、信号磁界52
cが磁気センサ50の幅方向に沿い、かつ、記録トラッ
ク52aから垂直方向に外方に向かって磁界方向が形成
されているときである。
【0077】上記構成によれば、ハードディスク52が
回転駆動されることにより、磁気センサ50がハードデ
ィスク52に対して相対移動すると、各磁化52bによ
って生じる各信号磁界52cが、信号磁場H1 として磁
気センサ50内を通過することになる。このとき、上記
信号磁場H1 における磁気センサ50の幅方向の成分
が、可変磁化膜1の磁化方向M1 に対して影響し、上記
磁化方向M1 を変化させる。
回転駆動されることにより、磁気センサ50がハードデ
ィスク52に対して相対移動すると、各磁化52bによ
って生じる各信号磁界52cが、信号磁場H1 として磁
気センサ50内を通過することになる。このとき、上記
信号磁場H1 における磁気センサ50の幅方向の成分
が、可変磁化膜1の磁化方向M1 に対して影響し、上記
磁化方向M1 を変化させる。
【0078】上記構成では、磁気センサ50における前
述の反磁場やバイアス磁場の悪影響を防止できるので、
ハードディスク52が磁気センサ50に対して相対移動
することによる信号磁場H1 の変化に起因する磁気セン
サ50における電気抵抗の変化の大きさを、前述のよう
に従来より、大きく、かつ、安定化できることから、上
記検出器53によって検出できるハードディスク52に
おける記録領域である磁化52bの領域を、より小さく
設定できる。
述の反磁場やバイアス磁場の悪影響を防止できるので、
ハードディスク52が磁気センサ50に対して相対移動
することによる信号磁場H1 の変化に起因する磁気セン
サ50における電気抵抗の変化の大きさを、前述のよう
に従来より、大きく、かつ、安定化できることから、上
記検出器53によって検出できるハードディスク52に
おける記録領域である磁化52bの領域を、より小さく
設定できる。
【0079】このことから、上記構成は、磁化52bの
方向による情報の記録密度を、さらに高めたハードディ
スク52から、上記情報をより確実に検出することがで
きて、ハードディスク52に記録された情報の高密度化
に対応できると共に、上記情報の検出を確実化できるも
のとなる。
方向による情報の記録密度を、さらに高めたハードディ
スク52から、上記情報をより確実に検出することがで
きて、ハードディスク52に記録された情報の高密度化
に対応できると共に、上記情報の検出を確実化できるも
のとなる。
【0080】
【実施例】 〔第1実施例〕本発明の一実施例を、第1実施例として
図1、図2および図6に基づいて説明すれば、以下の通
りである。本発明の第1実施例の磁気センサでは、図1
および図2に示すように、可変磁化膜1は、Co, NiFe,
NiCo, NiFeCo等の磁性材料からなる薄膜をスパッタ、蒸
着等の手段により形成され、1〜10nmの厚さを有する
ことが望ましい。この可変磁化膜1は、高透磁率と高磁
気抵抗変化を具備しなければならないため、上記各磁性
材料の複合膜であってもよい。可変磁化膜1として、具
体的には、NiFeスパッタ膜を厚さ5nmにて用いた。上
記可変磁化膜1の保磁力は、1.5エールステッド、飽
和磁化の値は10,000ガウスであった。
図1、図2および図6に基づいて説明すれば、以下の通
りである。本発明の第1実施例の磁気センサでは、図1
および図2に示すように、可変磁化膜1は、Co, NiFe,
NiCo, NiFeCo等の磁性材料からなる薄膜をスパッタ、蒸
着等の手段により形成され、1〜10nmの厚さを有する
ことが望ましい。この可変磁化膜1は、高透磁率と高磁
気抵抗変化を具備しなければならないため、上記各磁性
材料の複合膜であってもよい。可変磁化膜1として、具
体的には、NiFeスパッタ膜を厚さ5nmにて用いた。上
記可変磁化膜1の保磁力は、1.5エールステッド、飽
和磁化の値は10,000ガウスであった。
【0081】非磁性膜2は、スパッタ、蒸着等により成
膜されたCu, Au, Ag等の材料からなるものであることが
望ましい。非磁性膜2の膜厚は、可変磁化膜1と第1磁
性膜4との間の磁気的結合が大きくならない範囲で、か
つ、電流路の分路(シャント効果)による磁気抵抗の変
化の低下が最小となるように選択され、具体的には、1
〜10nmになるように設定されることが望ましい。非磁
性膜2として、具体的には、Cuスパッタ膜を厚さ2nm
にて用いた。
膜されたCu, Au, Ag等の材料からなるものであることが
望ましい。非磁性膜2の膜厚は、可変磁化膜1と第1磁
性膜4との間の磁気的結合が大きくならない範囲で、か
つ、電流路の分路(シャント効果)による磁気抵抗の変
化の低下が最小となるように選択され、具体的には、1
〜10nmになるように設定されることが望ましい。非磁
性膜2として、具体的には、Cuスパッタ膜を厚さ2nm
にて用いた。
【0082】固定磁化膜3を構成する第1磁性膜4、結
合膜5および第2磁性膜6の組み合わせ、およびそれら
の膜厚は、第1磁性膜4と第2磁性膜6との間の反強磁
性結合が強くなるようにそれぞれ選択される。
合膜5および第2磁性膜6の組み合わせ、およびそれら
の膜厚は、第1磁性膜4と第2磁性膜6との間の反強磁
性結合が強くなるようにそれぞれ選択される。
【0083】上記固定磁化膜3を構成する組み合わせ
は、Co/Cu/Co, Co/Re/Co, Co/Mo/Co,Co/Rh/Co, Co/V/Co
の組み合わせのスパッタ、蒸着等の手段により形成さ
れることが望ましい。第1磁性膜4および第2磁性膜6
の膜厚は、1〜10nmの厚さに設定されることが望まし
い。
は、Co/Cu/Co, Co/Re/Co, Co/Mo/Co,Co/Rh/Co, Co/V/Co
の組み合わせのスパッタ、蒸着等の手段により形成さ
れることが望ましい。第1磁性膜4および第2磁性膜6
の膜厚は、1〜10nmの厚さに設定されることが望まし
い。
【0084】第1磁性膜4および第2磁性膜6の間の磁
気的結合は、結合膜5の膜厚の増加に伴って、図6に示
すように、強磁性結合と反強磁性結合との間で交互に振
動しながら、順次、上記第1磁性膜4および第2磁性膜
6の間が離間することにより小さくなるものである。
気的結合は、結合膜5の膜厚の増加に伴って、図6に示
すように、強磁性結合と反強磁性結合との間で交互に振
動しながら、順次、上記第1磁性膜4および第2磁性膜
6の間が離間することにより小さくなるものである。
【0085】このような結合膜5の膜厚としては、通
常、反強磁性結合エネルギーの極値を生じる各膜厚の中
で最も薄い膜厚である第1ピーク(1st ピーク)と称さ
れる膜厚に設定することが好ましく、通常、0.3 〜2n
m程度にスパッタ、蒸着等により成膜される。
常、反強磁性結合エネルギーの極値を生じる各膜厚の中
で最も薄い膜厚である第1ピーク(1st ピーク)と称さ
れる膜厚に設定することが好ましく、通常、0.3 〜2n
m程度にスパッタ、蒸着等により成膜される。
【0086】第1磁性膜4として、Coスパッタ膜を、膜
厚3nm(保磁力50エールステッド、飽和磁化170
0ガウス)にて用い、第2磁性膜6として、Coスパッタ
膜を、膜厚3nm(保磁力50エールステッド、飽和磁
化1700ガウス)にて用い、結合膜5としてCuスパッ
タ膜を用いたとき、結合膜5の膜厚は、第1ピークを示
すときが1nmであった。
厚3nm(保磁力50エールステッド、飽和磁化170
0ガウス)にて用い、第2磁性膜6として、Coスパッタ
膜を、膜厚3nm(保磁力50エールステッド、飽和磁
化1700ガウス)にて用い、結合膜5としてCuスパッ
タ膜を用いたとき、結合膜5の膜厚は、第1ピークを示
すときが1nmであった。
【0087】第2磁性膜6の磁化方向を固定する磁化固
定用膜7は、反強磁性薄膜であって、FeMn, NiO, NiMn
の10〜100 nmのスパッタ膜、または、蒸着膜で、第2
磁性膜6に対するピン止め効果が高いような条件で形成
される。具体的には、FeMnスパッタ膜を厚さ15nmに
て用いた。上記各薄膜1〜8は、フォトエッチングによ
り、図1に示すような形状に加工される。
定用膜7は、反強磁性薄膜であって、FeMn, NiO, NiMn
の10〜100 nmのスパッタ膜、または、蒸着膜で、第2
磁性膜6に対するピン止め効果が高いような条件で形成
される。具体的には、FeMnスパッタ膜を厚さ15nmに
て用いた。上記各薄膜1〜8は、フォトエッチングによ
り、図1に示すような形状に加工される。
【0088】〔第2実施例〕本発明の他の実施例を第2
実施例として、図7および図8に基づいて説明すれば、
以下の通りである。なお、第2実施例では、上記第1実
施例と同様の機能を有する部材については、同一の部材
番号を付与して、それらの説明を省いた。
実施例として、図7および図8に基づいて説明すれば、
以下の通りである。なお、第2実施例では、上記第1実
施例と同様の機能を有する部材については、同一の部材
番号を付与して、それらの説明を省いた。
【0089】本発明の第2実施例の磁気センサは、第1
実施例における反強磁性薄膜である磁化固定用膜7に代
えて、図7および図8に示すように、CoPt, CoP, NiCo
等の高保磁力磁性薄膜である磁化固定用膜27を用いた
ものである。具体的には、CoPtスパッタ膜を厚さ15n
m(保磁力1800エールステッド、飽和磁化400ガ
ウス)にて用いた。
実施例における反強磁性薄膜である磁化固定用膜7に代
えて、図7および図8に示すように、CoPt, CoP, NiCo
等の高保磁力磁性薄膜である磁化固定用膜27を用いた
ものである。具体的には、CoPtスパッタ膜を厚さ15n
m(保磁力1800エールステッド、飽和磁化400ガ
ウス)にて用いた。
【0090】そして、第1磁性膜4の磁化M2 と第2磁
性膜6の磁化M3 とが互いに反平行、第2磁性膜6の磁
化M3 と磁化固定用膜27の磁化M12とが互いに平行に
なっているので、M2 =M3 +M12となるように、上記
各磁性薄膜4・6、および磁化固定用膜27の飽和磁化
と膜厚とをそれぞれ設定することにより、固定磁化膜3
および磁化固定用膜27の総体としての外部に対する見
掛け上の磁気的影響を示す合成飽和磁化を概略ゼロとす
ることが可能となる。したがって、上記第2実施例にお
いても、前記第1実施例と同様の効果を有するものとな
る。
性膜6の磁化M3 とが互いに反平行、第2磁性膜6の磁
化M3 と磁化固定用膜27の磁化M12とが互いに平行に
なっているので、M2 =M3 +M12となるように、上記
各磁性薄膜4・6、および磁化固定用膜27の飽和磁化
と膜厚とをそれぞれ設定することにより、固定磁化膜3
および磁化固定用膜27の総体としての外部に対する見
掛け上の磁気的影響を示す合成飽和磁化を概略ゼロとす
ることが可能となる。したがって、上記第2実施例にお
いても、前記第1実施例と同様の効果を有するものとな
る。
【0091】さらに、上記構成では、固定磁化膜3およ
び磁化固定用膜27の総体としての見掛け上の合成飽和
磁化を低下させることにより、信号磁場H1 の変化に対
する第1磁性膜4の磁化方向の変化を抑制できるので、
磁化固定用膜27と固定磁化膜3との間の結合磁場を小
さく設定、つまり磁化固定用膜27の保磁力を小さく設
定しても、上記第1磁性膜4の磁化方向を固定した状態
にて安定化できる。
び磁化固定用膜27の総体としての見掛け上の合成飽和
磁化を低下させることにより、信号磁場H1 の変化に対
する第1磁性膜4の磁化方向の変化を抑制できるので、
磁化固定用膜27と固定磁化膜3との間の結合磁場を小
さく設定、つまり磁化固定用膜27の保磁力を小さく設
定しても、上記第1磁性膜4の磁化方向を固定した状態
にて安定化できる。
【0092】このことから、上記構成では、巨大磁気抵
抗効果をより安定に発揮しながら、磁化固定用膜27に
おける材料や膜厚の設定の自由度を大きくできる。
抗効果をより安定に発揮しながら、磁化固定用膜27に
おける材料や膜厚の設定の自由度を大きくできる。
【0093】〔第3実施例〕本発明のさらに他の実施例
を第3実施例として、図9および図10に基づいて説明
すれば、以下の通りである。なお、第3実施例では、上
記第1および第2実施例と同様の機能を有する部材につ
いては、同一の部材番号を付与して、それらの説明を省
いた。
を第3実施例として、図9および図10に基づいて説明
すれば、以下の通りである。なお、第3実施例では、上
記第1および第2実施例と同様の機能を有する部材につ
いては、同一の部材番号を付与して、それらの説明を省
いた。
【0094】本発明の第3実施例の磁気センサは、第1
実施例における反強磁性薄膜である磁化固定用膜7およ
び第2磁性膜6に代えて、図9および図10に示すよう
に、高保磁力磁性膜35を用いたものである。上記高保
磁力磁性膜35としては、CoPt, NiCo, CoP 等の1〜20
nmの膜厚においても十分な保磁力の大きな材料が選択
される。具体的には、CoPtスパッタ膜を厚さ5nm(保
磁力1800エールステッド、飽和磁化400ガウス)
にて用いた。
実施例における反強磁性薄膜である磁化固定用膜7およ
び第2磁性膜6に代えて、図9および図10に示すよう
に、高保磁力磁性膜35を用いたものである。上記高保
磁力磁性膜35としては、CoPt, NiCo, CoP 等の1〜20
nmの膜厚においても十分な保磁力の大きな材料が選択
される。具体的には、CoPtスパッタ膜を厚さ5nm(保
磁力1800エールステッド、飽和磁化400ガウス)
にて用いた。
【0095】第1磁性膜4および結合膜5については、
第1実施例と同様に、第1磁性膜4と高保磁力磁性膜3
5との間の反強磁性結合が最大となるように、上記各薄
膜4・5・35の各膜厚、各材料が選択される。
第1実施例と同様に、第1磁性膜4と高保磁力磁性膜3
5との間の反強磁性結合が最大となるように、上記各薄
膜4・5・35の各膜厚、各材料が選択される。
【0096】すなわち、第1磁性膜4としては、1〜10
nmのCo, NiCo, FeNiCo, NiFe等からなるスパッタ膜、
または蒸着膜が好ましい。具体的には、Coスパッタ膜を
厚さ1.5nm(保磁力50エールステッド、飽和磁化
1700ガウス)にて用いた。結合膜5としては、 0.2
〜2nmのCu, Re, Mo, Rhからなる膜が望ましい。具体
的には、Cuスパッタ膜を厚さ1nmにて用いた。
nmのCo, NiCo, FeNiCo, NiFe等からなるスパッタ膜、
または蒸着膜が好ましい。具体的には、Coスパッタ膜を
厚さ1.5nm(保磁力50エールステッド、飽和磁化
1700ガウス)にて用いた。結合膜5としては、 0.2
〜2nmのCu, Re, Mo, Rhからなる膜が望ましい。具体
的には、Cuスパッタ膜を厚さ1nmにて用いた。
【0097】また、前記第1および第2実施例と同様
に、固定磁化膜3の全体としての磁化が外部に対して見
掛け上、概略ゼロとなるように、高保磁力磁性膜35の
磁化M15と、第1磁性膜4の磁化M2 とは、相互いに概
略等しく、かつ、各磁化方向が反平行となるように設定
される。したがって、上記第3実施例においても、前記
第1実施例と同様の効果を有するものとなる。
に、固定磁化膜3の全体としての磁化が外部に対して見
掛け上、概略ゼロとなるように、高保磁力磁性膜35の
磁化M15と、第1磁性膜4の磁化M2 とは、相互いに概
略等しく、かつ、各磁化方向が反平行となるように設定
される。したがって、上記第3実施例においても、前記
第1実施例と同様の効果を有するものとなる。
【0098】さらに、上記構成では、固定磁化膜3の見
掛け上の合成飽和磁化を低下させることにより、信号磁
場H1 の変化に対する第1磁性膜4の磁化方向の変化を
抑制できるので、高保磁力磁性膜35の保磁力を小さく
設定しても、上記第1磁性膜4の磁化方向を信号磁場H
1 の変化に対して固定した状態にて安定化できる。この
ことから、上記構成では、巨大磁気抵抗効果をより安定
に発揮しながら、高保磁力磁性膜35における材料や膜
厚の設定の自由度を大きくできる。
掛け上の合成飽和磁化を低下させることにより、信号磁
場H1 の変化に対する第1磁性膜4の磁化方向の変化を
抑制できるので、高保磁力磁性膜35の保磁力を小さく
設定しても、上記第1磁性膜4の磁化方向を信号磁場H
1 の変化に対して固定した状態にて安定化できる。この
ことから、上記構成では、巨大磁気抵抗効果をより安定
に発揮しながら、高保磁力磁性膜35における材料や膜
厚の設定の自由度を大きくできる。
【0099】
【発明の効果】本発明の磁気センサは、以上のように、
印加磁場の磁化方向の変化に応じて磁化方向が変化する
可変磁化膜と、非磁性膜と、固定磁化膜とが巨大磁気抵
抗効果を示すように互いに積層され、上記固定磁化膜
が、非磁性膜に面する第1磁性膜と、第2磁性膜とを、
互いに反強磁性結合させて有している構成である。
印加磁場の磁化方向の変化に応じて磁化方向が変化する
可変磁化膜と、非磁性膜と、固定磁化膜とが巨大磁気抵
抗効果を示すように互いに積層され、上記固定磁化膜
が、非磁性膜に面する第1磁性膜と、第2磁性膜とを、
互いに反強磁性結合させて有している構成である。
【0100】それゆえ、上記構成では、第1磁性膜と可
変磁化膜との間の磁化方向の相対角度の変化によって、
可変磁化膜、非磁性膜、および固定磁化膜における電気
抵抗が大きく変化するという巨大磁気抵抗効果を発揮で
きる。
変磁化膜との間の磁化方向の相対角度の変化によって、
可変磁化膜、非磁性膜、および固定磁化膜における電気
抵抗が大きく変化するという巨大磁気抵抗効果を発揮で
きる。
【0101】その上、上記構成では、固定磁化膜におけ
る第1磁性膜と第2磁性膜とが、互いに反強磁性結合し
ているので、上記第1磁性膜および第2磁性膜の各磁化
が互いに反平行にできる。
る第1磁性膜と第2磁性膜とが、互いに反強磁性結合し
ているので、上記第1磁性膜および第2磁性膜の各磁化
が互いに反平行にできる。
【0102】このことから、上記構成では、上記固定磁
化膜における外部に対する見掛け上の飽和磁化を、上記
の反平行にしたことから抑制することが可能となるの
で、固定磁化膜に生じる反磁場を、特に、印加磁場の検
出の高分解能化のため、サイズが微小化されたときで
も、抑制できる。
化膜における外部に対する見掛け上の飽和磁化を、上記
の反平行にしたことから抑制することが可能となるの
で、固定磁化膜に生じる反磁場を、特に、印加磁場の検
出の高分解能化のため、サイズが微小化されたときで
も、抑制できる。
【0103】このことから、上記構成では、印加磁場が
ゼロのときに、第1磁性膜の磁化膜の磁化方向と、可変
磁化膜における磁化方向との相対角度を最適に設定、例
えば上記相対角度を直交するように設定したときに、上
記反磁場に起因する上記設定に対する変動、すなわち固
定磁化膜の磁化方向の不均一、所定の方向からのずれ等
の悪影響を軽減できるため、印加磁場の検出の高分解能
化を図りながら、印加磁場の変化を検出する感度を改善
できるという効果を奏する。
ゼロのときに、第1磁性膜の磁化膜の磁化方向と、可変
磁化膜における磁化方向との相対角度を最適に設定、例
えば上記相対角度を直交するように設定したときに、上
記反磁場に起因する上記設定に対する変動、すなわち固
定磁化膜の磁化方向の不均一、所定の方向からのずれ等
の悪影響を軽減できるため、印加磁場の検出の高分解能
化を図りながら、印加磁場の変化を検出する感度を改善
できるという効果を奏する。
【0104】その上、上記構成では、固定磁化膜による
可変磁化膜へのバイアス磁場の印加を低減できることか
ら、上記バイアス磁場による前記設定に対する変動、す
なわち可変磁化膜の磁化方向の不均一、所定の方向から
のずれ等の悪影響を軽減できるため、印加磁場の検出の
高分解能化を図りながら、印加磁場の変化を検出する感
度を改善できるという効果を奏する。
可変磁化膜へのバイアス磁場の印加を低減できることか
ら、上記バイアス磁場による前記設定に対する変動、す
なわち可変磁化膜の磁化方向の不均一、所定の方向から
のずれ等の悪影響を軽減できるため、印加磁場の検出の
高分解能化を図りながら、印加磁場の変化を検出する感
度を改善できるという効果を奏する。
【0105】本発明の磁気ヘッドは、上記磁気センサ
と、磁気センサに通電する電源と、磁化方向の変化によ
り情報が記録された記録媒体が、磁気センサに対して相
対移動することによる上記磁化方向の変化に基づく、磁
気センサに対する印加磁場の変化に起因する磁気センサ
の電気抵抗の変化を、上記電源の通電によって検出する
検出手段とを有する構成である。
と、磁気センサに通電する電源と、磁化方向の変化によ
り情報が記録された記録媒体が、磁気センサに対して相
対移動することによる上記磁化方向の変化に基づく、磁
気センサに対する印加磁場の変化に起因する磁気センサ
の電気抵抗の変化を、上記電源の通電によって検出する
検出手段とを有する構成である。
【0106】上記構成によれば、記録媒体が磁気センサ
に対して相対移動することによる印加磁場の変化に起因
する磁気センサにおける電気抵抗の変化の大きさを、前
述のように、従来より、大きくできることから、上記検
出手段によって検出できる記録媒体における情報の記録
領域となる磁化の領域を、より小さく設定できる。
に対して相対移動することによる印加磁場の変化に起因
する磁気センサにおける電気抵抗の変化の大きさを、前
述のように、従来より、大きくできることから、上記検
出手段によって検出できる記録媒体における情報の記録
領域となる磁化の領域を、より小さく設定できる。
【0107】このことから、上記構成は、磁化方向によ
る情報の記録密度を、さらに高めた記録媒体から、上記
情報をより確実に検出することができて、記録媒体に記
録された情報の高密度化に対応できると共に、高密度化
された情報の検出を確実化できるという効果を奏する。
る情報の記録密度を、さらに高めた記録媒体から、上記
情報をより確実に検出することができて、記録媒体に記
録された情報の高密度化に対応できると共に、高密度化
された情報の検出を確実化できるという効果を奏する。
【図1】本発明の磁気センサの要部破断斜視図である。
【図2】上記磁気センサの正面図である。
【図3】本発明の磁気ヘッドの要部破断斜視図である。
【図4】上記磁気ヘッドの正面図である。
【図5】上記磁気ヘッドの動作状態を示す要部斜視図で
ある。
ある。
【図6】上記磁気センサにおける、結合膜の厚さの変化
に対する第1金属磁性薄膜と第2金属磁性薄膜との間の
磁気的結合の変化を示すグラフである。
に対する第1金属磁性薄膜と第2金属磁性薄膜との間の
磁気的結合の変化を示すグラフである。
【図7】本発明の他の磁気センサの要部破断斜視図であ
る。
る。
【図8】上記磁気センサの正面図である。
【図9】本発明のさらに他の磁気センサの要部破断斜視
図である。
図である。
【図10】上記磁気センサの正面図である。
【図11】従来の磁気センサの要部破断斜視図である。
【図12】上記磁気センサの正面図である。
【図13】上記磁気センサにおける反磁場の形成を示す
説明図である。
説明図である。
1 可変磁化膜 2 非磁性膜 3 固定磁化膜 4 第1磁性膜 5 結合膜 6 第2磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中林 敬哉 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】印加磁場の磁場方向の変化に応じて磁化方
向が変化する可変磁化膜と、非磁性膜と、固定磁化膜と
が巨大磁気抵抗効果を示すように互いに積層されている
磁気センサにおいて、 上記固定磁化膜は、非磁性膜に面する第1磁性膜と、第
2磁性膜とを、互いに反強磁性結合させて有しているこ
とを特徴とする磁気センサ。 - 【請求項2】磁性体からなる固定用膜が、固定磁化膜の
磁化方向を上記固定用膜の磁化方向に基づいて固定する
ように固定磁化膜に対して積層されていることを特徴と
する請求項1に記載の磁気センサ。 - 【請求項3】金属非磁性体からなる結合膜が、第1磁性
膜と第2磁性膜との間の反強磁性結合を大きくするよう
に上記第1磁性膜と第2磁性膜との間に積層されて設け
られていることを特徴とする請求項1または2に記載の
磁気センサ。 - 【請求項4】結合膜は、第1磁性膜と第2磁性膜とを反
強磁性的に結合する範囲内で薄くなるように設定されて
いることを特徴とする請求項3に記載の磁気センサ。 - 【請求項5】固定磁化膜における合成飽和磁化の値が低
減されるように、第1磁性膜および第2磁性膜の各飽和
磁化と、第1磁性膜および第2磁性膜の各膜厚とが設定
されていることを特徴とする請求項1、2、3、または
4に記載の磁気センサ。 - 【請求項6】固定磁化膜における合成飽和磁化の値が低
減されるように、固定用膜、第1磁性膜および第2磁性
膜の各飽和磁化と、固定用膜、第1磁性膜および第2磁
性膜の各膜厚とが設定されていることを特徴とする請求
項2、3または4に記載の磁気センサ。 - 【請求項7】固定磁化膜の見掛け上の飽和磁化となる合
成飽和磁化の値が、ほぼゼロとなるように設定されてい
ることを特徴とする請求項5または6に記載の磁気セン
サ。 - 【請求項8】請求項1ないし7の何れかに記載の磁気セ
ンサと、 磁気センサに通電する電源と、 磁化方向の変化により情報が記録された記録媒体が、磁
気センサに対して相対移動することによる上記磁化方向
の変化に基づく、磁気センサに対する印加磁場の変化に
起因する磁気センサの電気抵抗の変化を、上記電源の通
電によって検出する検出手段とを有することを特徴とす
る磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8055178A JPH09245322A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 磁気センサおよび磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8055178A JPH09245322A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 磁気センサおよび磁気ヘッド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09245322A true JPH09245322A (ja) | 1997-09-19 |
Family
ID=12991478
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8055178A Pending JPH09245322A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 磁気センサおよび磁気ヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09245322A (ja) |
-
1996
- 1996-03-12 JP JP8055178A patent/JPH09245322A/ja active Pending
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