JPH09299077A - アポトーシスを調整するための方法および組成物 - Google Patents
アポトーシスを調整するための方法および組成物Info
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- JPH09299077A JPH09299077A JP9012932A JP1293297A JPH09299077A JP H09299077 A JPH09299077 A JP H09299077A JP 9012932 A JP9012932 A JP 9012932A JP 1293297 A JP1293297 A JP 1293297A JP H09299077 A JPH09299077 A JP H09299077A
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- cell
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アポトーシスを調整するための方法およびア
ポトーシスに関与する薬剤を提供すること。 【解決手段】 適切な細胞において、U1-70を含む腫瘍
壊死因子レセプター(TNF-R)経路により調節される細
胞機能を調整する方法であって、該細胞にCrmA生物学的
活性を有する核酸分子を導入する工程、および該核酸が
該細胞中で転写および翻訳されるような適切な条件下で
該細胞を増殖させる工程、を包含する方法。
ポトーシスに関与する薬剤を提供すること。 【解決手段】 適切な細胞において、U1-70を含む腫瘍
壊死因子レセプター(TNF-R)経路により調節される細
胞機能を調整する方法であって、該細胞にCrmA生物学的
活性を有する核酸分子を導入する工程、および該核酸が
該細胞中で転写および翻訳されるような適切な条件下で
該細胞を増殖させる工程、を包含する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願は、それぞれに、1995
年2月13日および1995年6月1日に出願された米国特許出
願番号第08/389,812号および同第08/457,731号の一部継
続出願であり、その内容は、本明細書に参考として援用
されている。
年2月13日および1995年6月1日に出願された米国特許出
願番号第08/389,812号および同第08/457,731号の一部継
続出願であり、その内容は、本明細書に参考として援用
されている。
【0002】本発明は、米国国立衛生研究所からのそれ
ぞれに認可番号CA64803号およびCA61348号のもとに、米
国政府より一部援助を得ている。従って、米国政府は本
発明に特定の権利を有する。
ぞれに認可番号CA64803号およびCA61348号のもとに、米
国政府より一部援助を得ている。従って、米国政府は本
発明に特定の権利を有する。
【0003】本発明は、哺乳動物細胞死経路のエフェク
ター成分であるプロテアーゼに関する。さらに詳細に
は、本発明は、プロテアーゼをコードする核酸分子、組
換え産生プロテアーゼ、精製プロテアーゼ、およびその
プロテアーゼの使用に関する。さらに、本発明は、細胞
集団のアポトーシスを調節する方法に関する。
ター成分であるプロテアーゼに関する。さらに詳細に
は、本発明は、プロテアーゼをコードする核酸分子、組
換え産生プロテアーゼ、精製プロテアーゼ、およびその
プロテアーゼの使用に関する。さらに、本発明は、細胞
集団のアポトーシスを調節する方法に関する。
【0004】
【従来の技術】アポトーシス、すなわちプログラム細胞
死(PCD)は、胚形成、組織ホメオスタシスの維持、多
細胞器官の正常細胞発生、ウイルス感染細胞の除去、お
よび免疫系の発達を含む生物学的プロセスに対して基本
的に重要である(Ellisら、(1991) Ann.Rev. Cell Bio
l. 7:663-698)。これは、例えば生物学的に重要なホメ
オスタシス機能をなす、遺伝子指向性の細胞自己破壊の
能動的なプロセスである点で、退化的な死または壊死と
は基本的に区別される細胞死の型である。反対に、壊死
は、感染細胞の環境下での、重篤な創傷的変化の結果と
して生じる細胞死である。アポトーシスの概説について
は、Tomei, L.D.およびCope, F.O. Apoptosis: The Mol
ecular Basis of Cell Deth (1991) Cold Spring Harbo
r Press, N.Y.; Tomie, L.D.およびCope, F.O. Apoptos
is II: The Molecular Basis of Apoptosis in Disease
(1994) Cold Spring Harbor Press, N.Y.;およびDuval
lおよび Wyllie (1986) Immun. Today 7(4):115-119を
参照のこと。
死(PCD)は、胚形成、組織ホメオスタシスの維持、多
細胞器官の正常細胞発生、ウイルス感染細胞の除去、お
よび免疫系の発達を含む生物学的プロセスに対して基本
的に重要である(Ellisら、(1991) Ann.Rev. Cell Bio
l. 7:663-698)。これは、例えば生物学的に重要なホメ
オスタシス機能をなす、遺伝子指向性の細胞自己破壊の
能動的なプロセスである点で、退化的な死または壊死と
は基本的に区別される細胞死の型である。反対に、壊死
は、感染細胞の環境下での、重篤な創傷的変化の結果と
して生じる細胞死である。アポトーシスの概説について
は、Tomei, L.D.およびCope, F.O. Apoptosis: The Mol
ecular Basis of Cell Deth (1991) Cold Spring Harbo
r Press, N.Y.; Tomie, L.D.およびCope, F.O. Apoptos
is II: The Molecular Basis of Apoptosis in Disease
(1994) Cold Spring Harbor Press, N.Y.;およびDuval
lおよび Wyllie (1986) Immun. Today 7(4):115-119を
参照のこと。
【0005】形態学的に、アポトーシスは、膜の保持を
伴う細胞の迅速な凝縮により特徴づけられる。クロマチ
ンの圧縮と同時発生的に、数種の生物学的変化が細胞内
で生じる。核DNAは、ヌクレオソーム間のリンカー領域
で切断され、特徴的なラダーが展開されるアガロースゲ
ル電気泳動によって容易に実証されるフラグメントを生
じる。
伴う細胞の迅速な凝縮により特徴づけられる。クロマチ
ンの圧縮と同時発生的に、数種の生物学的変化が細胞内
で生じる。核DNAは、ヌクレオソーム間のリンカー領域
で切断され、特徴的なラダーが展開されるアガロースゲ
ル電気泳動によって容易に実証されるフラグメントを生
じる。
【0006】細胞死を誘導する多数のアポトーシスのト
リガーが、同定されている。Fas抗原(CD95/APO-1)
は、腫瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリ
ーのメンバーである。Fas抗原は、広範な組織分布を有
する貫膜タンパク質である。リガンドあるいはアゴニス
ト性抗Fas抗体へ結合する活性化に際して、Fasは、アポ
トーシスをトリガーする。細胞傷害性Tリンパ球は、標
的細胞上のFasを活性化して細胞溶解を誘導する。TNFも
また、そのリガンドまたはアゴニスト抗体と架橋結合さ
れるとアポトーシスを誘導することが知られている。
リガーが、同定されている。Fas抗原(CD95/APO-1)
は、腫瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリ
ーのメンバーである。Fas抗原は、広範な組織分布を有
する貫膜タンパク質である。リガンドあるいはアゴニス
ト性抗Fas抗体へ結合する活性化に際して、Fasは、アポ
トーシスをトリガーする。細胞傷害性Tリンパ球は、標
的細胞上のFasを活性化して細胞溶解を誘導する。TNFも
また、そのリガンドまたはアゴニスト抗体と架橋結合さ
れるとアポトーシスを誘導することが知られている。
【0007】上記同定された多くの生物学的プロセスに
結び付けられることに加えて、アポトーシスはまた、CD
4+Tリンパ球(T細胞)のヒト免疫不全ウイルス(HIV)
感染の結果として生じる。事実、AIDSの主な特徴の1つ
は、疾患発達時のCD4+Tリン球の斬進的な減少である。
アポトーシスを含む数種のメカニズムが、CD4+減少の原
因であることが示唆されている。CD4+T細胞の減少は、
細胞性免疫応答の悪化をもたらす。不適切な活性化誘導
性T細胞PCDが、患者の免疫系をほぼ崩壊へ導く、HIV感
染患者からのTH細胞の機能的および数的な異常を引き起
こすことが、提唱されている。それによってFas抗原が
アポトーシスカスケードを開始するメカニズム、および
その種々の成分が、十分に解明されないままである。し
かし、本発明は、アポトーシスカスケードの数種の成分
およびアポトーシスを調節する方法を同定した。
結び付けられることに加えて、アポトーシスはまた、CD
4+Tリンパ球(T細胞)のヒト免疫不全ウイルス(HIV)
感染の結果として生じる。事実、AIDSの主な特徴の1つ
は、疾患発達時のCD4+Tリン球の斬進的な減少である。
アポトーシスを含む数種のメカニズムが、CD4+減少の原
因であることが示唆されている。CD4+T細胞の減少は、
細胞性免疫応答の悪化をもたらす。不適切な活性化誘導
性T細胞PCDが、患者の免疫系をほぼ崩壊へ導く、HIV感
染患者からのTH細胞の機能的および数的な異常を引き起
こすことが、提唱されている。それによってFas抗原が
アポトーシスカスケードを開始するメカニズム、および
その種々の成分が、十分に解明されないままである。し
かし、本発明は、アポトーシスカスケードの数種の成分
およびアポトーシスを調節する方法を同定した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題の
解決を課題とするものであり、その目的とするところ
は、適切な細胞において、U1-70を含む腫瘍壊死因子レ
セプター(TNF-R)経路により調節される細胞機能を調
整する方法、U1-70経路の活性化を阻害することによ
り、適切な細胞においてアポトーシスを防止および阻害
する方法、適切な細胞においてアポトーシス経路に関与
する薬剤を同定する方法、アポトーシス経路において生
物学的機能を有する候補薬剤をスクリーニングする方
法、および上記の方法により同定される薬剤を提供する
ことにある。
解決を課題とするものであり、その目的とするところ
は、適切な細胞において、U1-70を含む腫瘍壊死因子レ
セプター(TNF-R)経路により調節される細胞機能を調
整する方法、U1-70経路の活性化を阻害することによ
り、適切な細胞においてアポトーシスを防止および阻害
する方法、適切な細胞においてアポトーシス経路に関与
する薬剤を同定する方法、アポトーシス経路において生
物学的機能を有する候補薬剤をスクリーニングする方
法、および上記の方法により同定される薬剤を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、適切な
細胞において、U1-70を含む腫瘍壊死因子レセプター(T
NF-R)経路により調節される細胞機能を調整する方法で
あり、該細胞にCrmA生物学的活性を有する核酸分子
を導入する工程、および該核酸が該細胞中で転写および
翻訳されるような適切な条件下で該細胞を増殖させる工
程、を包含する。
細胞において、U1-70を含む腫瘍壊死因子レセプター(T
NF-R)経路により調節される細胞機能を調整する方法で
あり、該細胞にCrmA生物学的活性を有する核酸分子
を導入する工程、および該核酸が該細胞中で転写および
翻訳されるような適切な条件下で該細胞を増殖させる工
程、を包含する。
【0010】好ましい実施態様によれば、上記細胞機能
は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)により調節される
細胞機能を含む。
は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)により調節される
細胞機能を含む。
【0011】好ましい実施態様によれば、CTL媒介経路
はCTL媒介性アポトーシスである。
はCTL媒介性アポトーシスである。
【0012】好ましい実施態様によれば、CTL媒介経路
はカルシウム(Ca2+)依存性CTL媒介殺傷である。
はカルシウム(Ca2+)依存性CTL媒介殺傷である。
【0013】本発明の方法は、U1-70経路の活性化を阻
害することにより、適切な細胞においてアポトーシスを
防止および阻害する方法であり、該細胞にCrmA生物学的
活性を有する遺伝子産物をコードする核酸分子の有効量
を、U1-70の切断が防止されるかまたは阻害されるよう
な適切な条件下で導入する工程を包含する。
害することにより、適切な細胞においてアポトーシスを
防止および阻害する方法であり、該細胞にCrmA生物学的
活性を有する遺伝子産物をコードする核酸分子の有効量
を、U1-70の切断が防止されるかまたは阻害されるよう
な適切な条件下で導入する工程を包含する。
【0014】本発明の方法は、適切な細胞においてアポ
トーシス経路に関与する薬剤を同定する方法であり、以
下の工程: a)アポトーシスを媒介する細胞表面レセプターを有する
細胞培養物または組織培養物を提供する工程; b)該細胞培養物または組織培養物を、アポトーシスに必
要とされる予備的な条件に曝す工程; c)該細胞培養物または組織培養物を、試験サンプルおよ
びコントロールサンプルに分ける工程; d)試験される該薬剤を、該試験サンプルの該細胞培養物
または組織培養物に接触させる工程; e)該コントロールサンプルに対してCrmA生物学的活性を
有する遺伝子産物をコードする核酸分子またはCrmA遺伝
子産物を、アポトーシスを阻害する条件下で、該コント
ロールサンプルの該細胞培養物または組織培養物と接触
させる工程; f)該試験サンプルを、該細胞のアポトーシスを阻害する
条件下で、該試験サンプルに対してCrmA生物学的活性を
有する遺伝子産物をコードする核酸分子またはCrmA遺伝
子産物と接触させる工程; g)工程e)およびf)のサンプルを、アポトーシスを阻害す
る条件下で培養する工程;および h)工程g)のサンプルを、U1-70kDAタンパク質の切断につ
いてアッセイすることにより、アポトーシスについてア
ッセイする工程;を包含する。
トーシス経路に関与する薬剤を同定する方法であり、以
下の工程: a)アポトーシスを媒介する細胞表面レセプターを有する
細胞培養物または組織培養物を提供する工程; b)該細胞培養物または組織培養物を、アポトーシスに必
要とされる予備的な条件に曝す工程; c)該細胞培養物または組織培養物を、試験サンプルおよ
びコントロールサンプルに分ける工程; d)試験される該薬剤を、該試験サンプルの該細胞培養物
または組織培養物に接触させる工程; e)該コントロールサンプルに対してCrmA生物学的活性を
有する遺伝子産物をコードする核酸分子またはCrmA遺伝
子産物を、アポトーシスを阻害する条件下で、該コント
ロールサンプルの該細胞培養物または組織培養物と接触
させる工程; f)該試験サンプルを、該細胞のアポトーシスを阻害する
条件下で、該試験サンプルに対してCrmA生物学的活性を
有する遺伝子産物をコードする核酸分子またはCrmA遺伝
子産物と接触させる工程; g)工程e)およびf)のサンプルを、アポトーシスを阻害す
る条件下で培養する工程;および h)工程g)のサンプルを、U1-70kDAタンパク質の切断につ
いてアッセイすることにより、アポトーシスについてア
ッセイする工程;を包含する。
【0015】本発明の適切な細胞においてアポトーシス
経路に関与する薬剤は、上記の方法により同定される。
経路に関与する薬剤は、上記の方法により同定される。
【0016】本発明の方法は、アポトーシス経路におい
て生物学的機能を有する候補薬剤をスクリーニングする
方法であり、以下の工程: a)有効量のU1-70を活性化薬剤とともに、U1-70を40kDa
型に切断するのに適切な条件下でインキュベートする工
程;および b)U1-70の切断が生じたか否かを決定するためにアッセ
イする工程;を包含する。
て生物学的機能を有する候補薬剤をスクリーニングする
方法であり、以下の工程: a)有効量のU1-70を活性化薬剤とともに、U1-70を40kDa
型に切断するのに適切な条件下でインキュベートする工
程;および b)U1-70の切断が生じたか否かを決定するためにアッセ
イする工程;を包含する。
【0017】本発明のアポトーシス経路において生物学
的機能を有する候補薬剤は、上記の方法により同定され
る。
的機能を有する候補薬剤は、上記の方法により同定され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、Yama、プロYama、活性
化Yama、p20 Yama、p11 Yama、および変異体Yamaと称す
るタンパク質をコードする、非天然の、および単離され
た、天然の核酸分子(ポリヌクレオチド)を提供する。
化Yama、p20 Yama、p11 Yama、および変異体Yamaと称す
るタンパク質をコードする、非天然の、および単離され
た、天然の核酸分子(ポリヌクレオチド)を提供する。
【0019】本発明はまた、図1に示される核酸分子配
列を有する、組換え核酸分子を提供する。さらに、本発
明によって、上記核酸分子のフラグメントが提供され
る。1つの実施態様では、このフラグメントは、プロー
ブまたはプライマーとしての使用のための、少なくとも
8核酸塩基を有する。これらのフラグメントの特定の例
は、本明細書においてp20 Yamaおよびp11 Yamaと称され
るポリペプチドをコードする核酸分子である。また、こ
れらの核酸分子に相補的なDNAおよびRNAポリヌクレオチ
ドが提供される。
列を有する、組換え核酸分子を提供する。さらに、本発
明によって、上記核酸分子のフラグメントが提供され
る。1つの実施態様では、このフラグメントは、プロー
ブまたはプライマーとしての使用のための、少なくとも
8核酸塩基を有する。これらのフラグメントの特定の例
は、本明細書においてp20 Yamaおよびp11 Yamaと称され
るポリペプチドをコードする核酸分子である。また、こ
れらの核酸分子に相補的なDNAおよびRNAポリヌクレオチ
ドが提供される。
【0020】また本発明によって、図2に示されるアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドまたはこのアミノ酸配列
あるいはポリペプチドのフラグメントをコードする、組
換え核酸分子が提供される。さらに本発明によって、変
異体CrmAタンパク質および優勢阻害性Yamaをコードす
る、非天然の核酸分子が提供される。これらの核酸分子
を含有するベクターおよび宿主細胞が、さらに提供され
る。
ノ酸配列を有するポリペプチドまたはこのアミノ酸配列
あるいはポリペプチドのフラグメントをコードする、組
換え核酸分子が提供される。さらに本発明によって、変
異体CrmAタンパク質および優勢阻害性Yamaをコードす
る、非天然の核酸分子が提供される。これらの核酸分子
を含有するベクターおよび宿主細胞が、さらに提供され
る。
【0021】プロYama、活性化Yama、p20 Yama、p11 Ya
ma、変異体CrmA、および変異体Yamaと称する、精製およ
び組換え産生されたタンパク質およびポリペプチドもま
た、本明細書において提供される。
ma、変異体CrmA、および変異体Yamaと称する、精製およ
び組換え産生されたタンパク質およびポリペプチドもま
た、本明細書において提供される。
【0022】本発明はまた、変異体CrmAタンパク質をコ
ードする非天然の核酸分子、およびこの分子に相補的な
核酸分子(RNAおよびDNA)ならびにこれらによってコー
ドされるポリペプチドを提供する。
ードする非天然の核酸分子、およびこの分子に相補的な
核酸分子(RNAおよびDNA)ならびにこれらによってコー
ドされるポリペプチドを提供する。
【0023】これらの核酸分子は、ベクターに挿入され
得、そしてこのようなベクターはさらに本発明によって
提供される。また、本明細書において、挿入されたこれ
らの核酸分子を含有する宿主細胞、すなわち原核生物細
胞および真核生物細胞が提供される。
得、そしてこのようなベクターはさらに本発明によって
提供される。また、本明細書において、挿入されたこれ
らの核酸分子を含有する宿主細胞、すなわち原核生物細
胞および真核生物細胞が提供される。
【0024】1つの実施態様では、本発明のYamaタンパ
ク質は、活性化に際してアポトーシスを促進するSDS-PA
GEにより測定したところ、見かけの分子量約32kDaを有
する、実質的に精製された天然のチモーゲンポリペプチ
ドである。別の実施態様では、Yamaタンパク質は、活性
化に際してアポトーシスを促進するSDS-PAGEにより測定
したところ、見かけの分子量約32kDaを有する、非天然
のチモーゲンポリペプチドである。さらなる実施態様で
は、Yamaタンパク質は、図2に示される配列を含むアミ
ノ酸配列を有する、非天然のポリペプチドである。さら
なる実施態様では、Yamaタンパク質は、SDS-PAGEにより
測定したところ見かけの分子量約20kDaおよび11kDaを有
するフラグメントを含む、非天然のポリペプチドであ
る。これらのポリペプチドの実際の分子量は、それぞれ
に17kDaおよび12kDaである。
ク質は、活性化に際してアポトーシスを促進するSDS-PA
GEにより測定したところ、見かけの分子量約32kDaを有
する、実質的に精製された天然のチモーゲンポリペプチ
ドである。別の実施態様では、Yamaタンパク質は、活性
化に際してアポトーシスを促進するSDS-PAGEにより測定
したところ、見かけの分子量約32kDaを有する、非天然
のチモーゲンポリペプチドである。さらなる実施態様で
は、Yamaタンパク質は、図2に示される配列を含むアミ
ノ酸配列を有する、非天然のポリペプチドである。さら
なる実施態様では、Yamaタンパク質は、SDS-PAGEにより
測定したところ見かけの分子量約20kDaおよび11kDaを有
するフラグメントを含む、非天然のポリペプチドであ
る。これらのポリペプチドの実際の分子量は、それぞれ
に17kDaおよび12kDaである。
【0025】本発明はまた、CrmAポリペプチドとYamaと
称するタンパク質とを含む複合体を提供する。
称するタンパク質とを含む複合体を提供する。
【0026】Yamaタンパク質またはポリペプチドを産生
するプロセスもまた提供される。このプロセスは、宿主
細胞(ここで、この宿主細胞は、Yamaタンパク質をコー
ドする核酸分子を含有し、そしてここで、この該核酸分
子は、RNA転写のプロモーターに作動可能に連結され
る)の前記核酸が転写され、そしてYamaタンパク質また
はポリペプチドタンパク質に翻訳されるような適切な条
件下で、この宿主細胞を増殖させる工程を必要とする。
本発明の別のプロセスは、一定方向のアミノ酸配列に従
って、Yamaタンパク質またはポリペプチドを産生するに
適切な条件下で、アミノ酸を化学的に連結することによ
って、Yamaタンパク質またはポリペプチドを化学的に合
成する工程を提供する。さらに、一定方向の核酸配列に
従って、この核酸を産生するに適切な条件下でヌクレオ
チドを化学的に連結することによって、Yamaタンパク質
またはポリペプチドをコードする核酸分子を、化学的に
複製する方法が提供される。
するプロセスもまた提供される。このプロセスは、宿主
細胞(ここで、この宿主細胞は、Yamaタンパク質をコー
ドする核酸分子を含有し、そしてここで、この該核酸分
子は、RNA転写のプロモーターに作動可能に連結され
る)の前記核酸が転写され、そしてYamaタンパク質また
はポリペプチドタンパク質に翻訳されるような適切な条
件下で、この宿主細胞を増殖させる工程を必要とする。
本発明の別のプロセスは、一定方向のアミノ酸配列に従
って、Yamaタンパク質またはポリペプチドを産生するに
適切な条件下で、アミノ酸を化学的に連結することによ
って、Yamaタンパク質またはポリペプチドを化学的に合
成する工程を提供する。さらに、一定方向の核酸配列に
従って、この核酸を産生するに適切な条件下でヌクレオ
チドを化学的に連結することによって、Yamaタンパク質
またはポリペプチドをコードする核酸分子を、化学的に
複製する方法が提供される。
【0027】適切な細胞におけるFasレセプター経路に
よって調節される細胞機能を調節する方法もまた、本発
明によって提供される。1つの実施態様では、この方法
は、Fas調節核酸分子を細胞へ導入する工程、およびこ
の細胞において核酸が転写され、そしてFas調節タンパ
ク質へ翻訳されるような適切な条件下でのこの細胞を増
殖させる工程を必要とする。これらのタンパク質の2つ
の例は、Yama核酸およびCrmA生物学的活性を有する核酸
である。細胞への導入は、インビトロ、インビボ、また
はエクスビボでもたらされ得る。
よって調節される細胞機能を調節する方法もまた、本発
明によって提供される。1つの実施態様では、この方法
は、Fas調節核酸分子を細胞へ導入する工程、およびこ
の細胞において核酸が転写され、そしてFas調節タンパ
ク質へ翻訳されるような適切な条件下でのこの細胞を増
殖させる工程を必要とする。これらのタンパク質の2つ
の例は、Yama核酸およびCrmA生物学的活性を有する核酸
である。細胞への導入は、インビトロ、インビボ、また
はエクスビボでもたらされ得る。
【0028】また、本明細書において、CrmA生物学的活
性を有する遺伝子産物をコードする核酸分子の有効量
を、そしてアポトーシスが防止されるかまたは阻害され
るような適切な条件下で、細胞に導入することにより、
適切な細胞におけるアポトーシスを防止するかまたは阻
害するための方法も提供される。この核酸分子の例は、
牛痘ウイルスCrmA DNAまたはその生物学的に活性なフラ
グメントである。あるいは、その方法は、優勢阻害性Ya
maをコードする核酸分子を使用して実施され得る。
性を有する遺伝子産物をコードする核酸分子の有効量
を、そしてアポトーシスが防止されるかまたは阻害され
るような適切な条件下で、細胞に導入することにより、
適切な細胞におけるアポトーシスを防止するかまたは阻
害するための方法も提供される。この核酸分子の例は、
牛痘ウイルスCrmA DNAまたはその生物学的に活性なフラ
グメントである。あるいは、その方法は、優勢阻害性Ya
maをコードする核酸分子を使用して実施され得る。
【0029】さらに、ヒト免疫不全ウイルスに感染した
被験体でのT細胞生存性を維持する方法が、その被験体
にCrmA生物学的活性を有する遺伝子産物の有効量を、そ
してT細胞が生存したままであるような適切な条件下で
投与することにより、本明細書において提供される。こ
の方法はまた、優勢阻害性Yamaをコードするポリヌクレ
オチドを含む核酸分子を使用して実施され得る。
被験体でのT細胞生存性を維持する方法が、その被験体
にCrmA生物学的活性を有する遺伝子産物の有効量を、そ
してT細胞が生存したままであるような適切な条件下で
投与することにより、本明細書において提供される。こ
の方法はまた、優勢阻害性Yamaをコードするポリヌクレ
オチドを含む核酸分子を使用して実施され得る。
【0030】Yamaタンパク質またはそのフラグメントを
特異的に認識して結合する抗体もまた、本明細書におい
て提供される。この抗体は、ポリクローナルまたはモノ
クローナルであり得る。本発明はさらに、これらの抗体
のフラグメント、およびこの抗体または抗体フラグメン
トを含む組換え分子またはキメラ分子を提供する。これ
らの抗体の抗イディオタイプ抗体、および請求の範囲の
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株も
また、本明細書において提供される。これらの抗体を含
有する組成物もまた提供される。
特異的に認識して結合する抗体もまた、本明細書におい
て提供される。この抗体は、ポリクローナルまたはモノ
クローナルであり得る。本発明はさらに、これらの抗体
のフラグメント、およびこの抗体または抗体フラグメン
トを含む組換え分子またはキメラ分子を提供する。これ
らの抗体の抗イディオタイプ抗体、および請求の範囲の
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株も
また、本明細書において提供される。これらの抗体を含
有する組成物もまた提供される。
【0031】適切な細胞におけるアポトーシス経路に関
連する薬剤を同定する方法が、本明細書において提供さ
れる。この方法は、(a)アポトーシスを媒介する細胞表
面レセプターを有する、細胞培養物または組織培養物を
提供する工程;(b)この細胞培養物または組織培養物
を、アポトーシスに必要である予備的条件へ曝露する工
程;(c)この細胞培養物または組織培養物を、試験サン
プルとコントロールサンプルとに分割する工程;(d)試
験されるべき薬剤を試験サンプルの細胞培養物または組
織培養物と接触させる工程;(e)コントロールサンプル
の細胞培養物または組織培養物でのアポトーシスを阻害
する条件下で、CrmA生物学的活性を有する遺伝子産物ま
たはCrmA遺伝子産物をコードする核酸分子を、コントロ
ールサンプルに接触させる工程;(f)試験サンプルを、
細胞のアポトーシスを阻害する条件下で、試験サンプル
を、CrmA生物学的活性を有する遺伝子産物またはCrmA遺
伝子産物をコードする核酸分子と接触させる工程;(g)
アポトーシスを阻害する条件下で、工程(e)および(f)の
サンプルを培養する工程;および、(h)工程(g)のサンプ
ルを、アポトーシスについてアッセイする工程、を必要
とする。この方法の1つの実施態様では、アポトーシス
を増加し、そしてCrmA遺伝子産物により阻害される因子
を、アポトーシス性形態学的変化または試験サンプルの
細胞死の阻害の非存在によって、同定するさらなる工程
が包含される。PARPまたはU1-70kDAタンパク質の切断に
ついてのアッセイは、アポトーシス活性について、およ
びその薬剤がアポトーシスカスケードを改変するかどう
かを試験するための、1つの手段である。
連する薬剤を同定する方法が、本明細書において提供さ
れる。この方法は、(a)アポトーシスを媒介する細胞表
面レセプターを有する、細胞培養物または組織培養物を
提供する工程;(b)この細胞培養物または組織培養物
を、アポトーシスに必要である予備的条件へ曝露する工
程;(c)この細胞培養物または組織培養物を、試験サン
プルとコントロールサンプルとに分割する工程;(d)試
験されるべき薬剤を試験サンプルの細胞培養物または組
織培養物と接触させる工程;(e)コントロールサンプル
の細胞培養物または組織培養物でのアポトーシスを阻害
する条件下で、CrmA生物学的活性を有する遺伝子産物ま
たはCrmA遺伝子産物をコードする核酸分子を、コントロ
ールサンプルに接触させる工程;(f)試験サンプルを、
細胞のアポトーシスを阻害する条件下で、試験サンプル
を、CrmA生物学的活性を有する遺伝子産物またはCrmA遺
伝子産物をコードする核酸分子と接触させる工程;(g)
アポトーシスを阻害する条件下で、工程(e)および(f)の
サンプルを培養する工程;および、(h)工程(g)のサンプ
ルを、アポトーシスについてアッセイする工程、を必要
とする。この方法の1つの実施態様では、アポトーシス
を増加し、そしてCrmA遺伝子産物により阻害される因子
を、アポトーシス性形態学的変化または試験サンプルの
細胞死の阻害の非存在によって、同定するさらなる工程
が包含される。PARPまたはU1-70kDAタンパク質の切断に
ついてのアッセイは、アポトーシス活性について、およ
びその薬剤がアポトーシスカスケードを改変するかどう
かを試験するための、1つの手段である。
【0032】本発明はまた、アポトーシス経路において
生物学的機能を有する候補薬剤についてのスクリーニン
グ方法を提供する。この方法は、(a)プロYamaの有効量
を、Yamaを活性化する適切な条件下で、活性化薬剤とイ
ンキュベートする工程;(b)活性化されたYamaを、少な
くとも2つの反応溶液に分割する工程;(c)活性化され
たYamaを、試験されるべき薬剤の有効量と接触させる工
程;(d)活性化されたYamaのそれぞれを、Yamaが阻害さ
れるような適切な条件下で、CrmAの有効量と接触させる
工程;(e)有効量のPARPを、工程(c)および工程(d)の溶
液と接触させる工程;および、(f)工程(e)の溶液を分析
して、その薬剤がPARPのその85kDa型への切断を阻害す
るかどうかを決定する工程(85kDa型の非存在は、その
薬物がアポトーシス経路において生物学的機能を有する
候補物であることを示す)、を必要とする。この方法は
また、本明細書において記載されるU1-70kDaタンパク質
とインキュベートし、そしてアッセイしてその薬物がタ
ンパク質の40kDa型への切断を阻害するかどうかを決定
することによって実施され得る。この方法によって同定
される薬物は、本発明の範囲内である。
生物学的機能を有する候補薬剤についてのスクリーニン
グ方法を提供する。この方法は、(a)プロYamaの有効量
を、Yamaを活性化する適切な条件下で、活性化薬剤とイ
ンキュベートする工程;(b)活性化されたYamaを、少な
くとも2つの反応溶液に分割する工程;(c)活性化され
たYamaを、試験されるべき薬剤の有効量と接触させる工
程;(d)活性化されたYamaのそれぞれを、Yamaが阻害さ
れるような適切な条件下で、CrmAの有効量と接触させる
工程;(e)有効量のPARPを、工程(c)および工程(d)の溶
液と接触させる工程;および、(f)工程(e)の溶液を分析
して、その薬剤がPARPのその85kDa型への切断を阻害す
るかどうかを決定する工程(85kDa型の非存在は、その
薬物がアポトーシス経路において生物学的機能を有する
候補物であることを示す)、を必要とする。この方法は
また、本明細書において記載されるU1-70kDaタンパク質
とインキュベートし、そしてアッセイしてその薬物がタ
ンパク質の40kDa型への切断を阻害するかどうかを決定
することによって実施され得る。この方法によって同定
される薬物は、本発明の範囲内である。
【0033】本発明はさらに、遺伝子産物をコードする
核酸分子、または、誘導されたアポトーシスが防止され
るかまたは阻害されるようなCrmA生物学的活性を有する
遺伝子産物を、適切な細胞に導入することによって、こ
の適切な細胞内でのアポトーシスを防止するかまたは阻
害するための組成物および方法を提供する。この方法に
適切な核酸分子は、限定されないが、優勢阻害性Yamaま
たはCrmA遺伝子産物を示す。
核酸分子、または、誘導されたアポトーシスが防止され
るかまたは阻害されるようなCrmA生物学的活性を有する
遺伝子産物を、適切な細胞に導入することによって、こ
の適切な細胞内でのアポトーシスを防止するかまたは阻
害するための組成物および方法を提供する。この方法に
適切な核酸分子は、限定されないが、優勢阻害性Yamaま
たはCrmA遺伝子産物を示す。
【0034】ヒト免疫不全ウイルスに感染したまたは感
受性の被験体に、アポトーシス生物学的活性を有する遺
伝子産物をコードする核酸分子またはこの遺伝子産物の
有効量を、この被験体に投与することによって、この被
験体中でT細胞生存性を維持する組成物および方法が、
本発明によってさらに提供される。これらは、例えば、
CrmA核酸、優勢阻害性Yama核酸、またはこれらの核酸分
子の遺伝子産物であり得る。
受性の被験体に、アポトーシス生物学的活性を有する遺
伝子産物をコードする核酸分子またはこの遺伝子産物の
有効量を、この被験体に投与することによって、この被
験体中でT細胞生存性を維持する組成物および方法が、
本発明によってさらに提供される。これらは、例えば、
CrmA核酸、優勢阻害性Yama核酸、またはこれらの核酸分
子の遺伝子産物であり得る。
【0035】本出願を通して、種々の刊行物、特許、お
よび公開特許出願が、特定化する引用でいわれる。これ
により、これらの刊行物、特許、および公開特許出願の
開示は、本発明が属する技術分野の状態をより十分に記
載するために、本出願に参考として援用される。
よび公開特許出願が、特定化する引用でいわれる。これ
により、これらの刊行物、特許、および公開特許出願の
開示は、本発明が属する技術分野の状態をより十分に記
載するために、本出願に参考として援用される。
【0036】当業者に公知のように、アポトーシスは、
遺伝子に支配される細胞自己破壊の活性なプロセスであ
る。本発明は、適切な細胞または適切な細胞集団におけ
るアポトーシスを防止または阻害するための組成物およ
び方法を提供する。1つの実施態様では、方法は、CrmA
生物学的活性を有する遺伝子産物をコードする核酸分子
の有効量を、細胞(単数または複数)に導入する工程を
包含する。方法はまた、遺伝子産物自体を使用して実施
され得る。アポトーシス誘導因子(例えば、抗TCR、腫
瘍壊死因子(TNF)、HIV、SIV細胞傷害性Tリンパ球(CT
L)、または抗Fas抗体のようなレセプターリガンド)の
存在下であっても、本発明の方法が、アポトーシスを阻
害することに留意することが重要である。従って、この
方法は、先行技術の方法に対して改良を提供し、ここ
で、アポトーシスは、リガンド誘導レベルで誘導経路を
妨害することによって(例えば、その細胞表面レセプタ
ーへのリガンドの結合を妨害するための抗体または抗リ
ガンド抗体を提供することにより)阻害され得る。しか
し、本発明は、アポトーシスを阻害するためにこのよう
な先行技術の方法の使用と組み合わされ得る。本発明は
また、アポトーシスを阻害することがまた示されている
bcl-2型因子、核酸など(Lacronique, V.ら、(1996) Na
ture Medicine 2(1):80-86)の投与と適切に組み合わさ
れ得る。
遺伝子に支配される細胞自己破壊の活性なプロセスであ
る。本発明は、適切な細胞または適切な細胞集団におけ
るアポトーシスを防止または阻害するための組成物およ
び方法を提供する。1つの実施態様では、方法は、CrmA
生物学的活性を有する遺伝子産物をコードする核酸分子
の有効量を、細胞(単数または複数)に導入する工程を
包含する。方法はまた、遺伝子産物自体を使用して実施
され得る。アポトーシス誘導因子(例えば、抗TCR、腫
瘍壊死因子(TNF)、HIV、SIV細胞傷害性Tリンパ球(CT
L)、または抗Fas抗体のようなレセプターリガンド)の
存在下であっても、本発明の方法が、アポトーシスを阻
害することに留意することが重要である。従って、この
方法は、先行技術の方法に対して改良を提供し、ここ
で、アポトーシスは、リガンド誘導レベルで誘導経路を
妨害することによって(例えば、その細胞表面レセプタ
ーへのリガンドの結合を妨害するための抗体または抗リ
ガンド抗体を提供することにより)阻害され得る。しか
し、本発明は、アポトーシスを阻害するためにこのよう
な先行技術の方法の使用と組み合わされ得る。本発明は
また、アポトーシスを阻害することがまた示されている
bcl-2型因子、核酸など(Lacronique, V.ら、(1996) Na
ture Medicine 2(1):80-86)の投与と適切に組み合わさ
れ得る。
【0037】本発明はまた、精製あるいは組換え産生さ
れた、Yamaと呼ばれるプロテアーゼを提供し、これは、
哺乳動物細胞死経路およびこのプロテアーゼをコードす
る核酸分子に関与する。精製Yamaが、活性化に際し、ポ
リ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を構造(signa
ture)85kDaアポトーシスフラグメントに切断する、タン
パク質分解反応型を担うチモーゲンであることが示され
ている。PARPは、アポトーシスの間に特異的に切断され
る死基質として同定された。Kaufmannら、(1989) Cance
r Res. 49:5870-5878および(1993) 53:3976-3985は、11
6kDa核タンパク質が特異的に切断されて、細胞株におい
て化学療法剤によって誘導されるPCDおよび胸腺細胞に
おいてデキサメタゾンによって誘導されるPCDを包含す
る多くの型のPCDにおいて、85kDaフラグメントを産生す
ることを報告する。後に、Lazebnik、Nature (1994) 37
1:346-347により、切断が、無細胞系においてAspのC末
端で生じること、およびプロテアーゼが、化学インヒビ
ターに対するその感受性においてICEと確実に類似する
精製ICEがPARPを切断しないためにICEとは異なることが
報告された。Yamaは、そのタンパク質分解活性およびア
ポトーシス活性が、精製CrmAにより阻害されるが、しか
しCrmAの不活性な点変異体の当量では阻害されないこと
でさらに特徴付けられる。以下の実施例の節に詳細に記
載されるように、CrmAは、アポトーシスの進行が誘導さ
れた細胞においてPARPのタンパク質分解切断をブロック
した。
れた、Yamaと呼ばれるプロテアーゼを提供し、これは、
哺乳動物細胞死経路およびこのプロテアーゼをコードす
る核酸分子に関与する。精製Yamaが、活性化に際し、ポ
リ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を構造(signa
ture)85kDaアポトーシスフラグメントに切断する、タン
パク質分解反応型を担うチモーゲンであることが示され
ている。PARPは、アポトーシスの間に特異的に切断され
る死基質として同定された。Kaufmannら、(1989) Cance
r Res. 49:5870-5878および(1993) 53:3976-3985は、11
6kDa核タンパク質が特異的に切断されて、細胞株におい
て化学療法剤によって誘導されるPCDおよび胸腺細胞に
おいてデキサメタゾンによって誘導されるPCDを包含す
る多くの型のPCDにおいて、85kDaフラグメントを産生す
ることを報告する。後に、Lazebnik、Nature (1994) 37
1:346-347により、切断が、無細胞系においてAspのC末
端で生じること、およびプロテアーゼが、化学インヒビ
ターに対するその感受性においてICEと確実に類似する
精製ICEがPARPを切断しないためにICEとは異なることが
報告された。Yamaは、そのタンパク質分解活性およびア
ポトーシス活性が、精製CrmAにより阻害されるが、しか
しCrmAの不活性な点変異体の当量では阻害されないこと
でさらに特徴付けられる。以下の実施例の節に詳細に記
載されるように、CrmAは、アポトーシスの進行が誘導さ
れた細胞においてPARPのタンパク質分解切断をブロック
した。
【0038】定義 用語「タンパク質」、「ペプチド」、および「ポリペプ
チド」は、互換的に使用され、そしてペプチド結合を介
して直鎖状に結合されたアミノ酸を含有する、精製およ
び組換え産生された分子を包含することが意図される。
本発明のアミノ酸は、ポリペプチドの生物学的活性が維
持されている限り、L型またはD型であり得る。例え
ば、タンパク質は、組換え産生または精製のために細胞
から分泌されるように改変され得る。本発明のタンパク
質はまた、グリコシル化、アセチル化、およびリン酸化
を包含する反応によって、翻訳後に修飾されたタンパク
質を包含する。このようなポリペプチドはまた、野生型
または天然に存在するタンパク質に比較して、タンパク
質の生物学的または機能的活性に影響しないアミノ酸誘
導体または非アミノ酸部分を含有し得る、アナログ、対
立遺伝子、および対立遺伝子変異体を包含する。用語
「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸、ならびにTy
rMeおよびPheClのようなそれらの誘導体、ならびに利用
可能なカルボキシル基およびアミン基の両方の存在によ
って特徴付けられるその他の部分をいう。このようなポ
リペプチド中に含有され得る非アミノ酸部分は、例え
ば、アミノ酸模倣構造を包含する。模倣構造は、アミノ
酸と実質的に同じ反応基の空間配列を示すが、しかしア
ミノ酸の特徴であるα-アミノ基およびα-カルボキシル
基の両方を必ずしも有さない構造である。
チド」は、互換的に使用され、そしてペプチド結合を介
して直鎖状に結合されたアミノ酸を含有する、精製およ
び組換え産生された分子を包含することが意図される。
本発明のアミノ酸は、ポリペプチドの生物学的活性が維
持されている限り、L型またはD型であり得る。例え
ば、タンパク質は、組換え産生または精製のために細胞
から分泌されるように改変され得る。本発明のタンパク
質はまた、グリコシル化、アセチル化、およびリン酸化
を包含する反応によって、翻訳後に修飾されたタンパク
質を包含する。このようなポリペプチドはまた、野生型
または天然に存在するタンパク質に比較して、タンパク
質の生物学的または機能的活性に影響しないアミノ酸誘
導体または非アミノ酸部分を含有し得る、アナログ、対
立遺伝子、および対立遺伝子変異体を包含する。用語
「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸、ならびにTy
rMeおよびPheClのようなそれらの誘導体、ならびに利用
可能なカルボキシル基およびアミン基の両方の存在によ
って特徴付けられるその他の部分をいう。このようなポ
リペプチド中に含有され得る非アミノ酸部分は、例え
ば、アミノ酸模倣構造を包含する。模倣構造は、アミノ
酸と実質的に同じ反応基の空間配列を示すが、しかしア
ミノ酸の特徴であるα-アミノ基およびα-カルボキシル
基の両方を必ずしも有さない構造である。
【0039】「ムテイン」は、例えば、部位特異的変異
誘発またはその他の操作により;転写または翻訳での間
違いにより生じる、アミノ酸配列において小さな改変を
有するタンパク質またはポリペプチド;あるいは比率設
計によって合成的に調製された、アミノ酸配列において
小さな改変を有するタンパク質またはポリペプチドであ
る。これらの小さな改変は、タンパク質またはポリペプ
チドの生物学的活性が、野生型または天然に存在するポ
リペプチドまたはタンパク質に比較して改変されたアミ
ノ酸配列をもたらす。ムテインの例は、本明細書中に記
載のCrmA変異体およびYama変異体を包含する。
誘発またはその他の操作により;転写または翻訳での間
違いにより生じる、アミノ酸配列において小さな改変を
有するタンパク質またはポリペプチド;あるいは比率設
計によって合成的に調製された、アミノ酸配列において
小さな改変を有するタンパク質またはポリペプチドであ
る。これらの小さな改変は、タンパク質またはポリペプ
チドの生物学的活性が、野生型または天然に存在するポ
リペプチドまたはタンパク質に比較して改変されたアミ
ノ酸配列をもたらす。ムテインの例は、本明細書中に記
載のCrmA変異体およびYama変異体を包含する。
【0040】本明細書で使用されるように、用語「ペプ
チド結合」または「ペプチド連結」は、1つのアミノ酸
のカルボキシル基と別のアミノ酸のα-アミノ基と間の
アミド連結をいう。
チド結合」または「ペプチド連結」は、1つのアミノ酸
のカルボキシル基と別のアミノ酸のα-アミノ基と間の
アミド連結をいう。
【0041】本明細書で使用されるように、用語「疎水
性の」は、非極性であるアミノ酸、アミノ酸誘導体、ア
ミノ酸模倣物、および化学部分を包含することを意図す
る。疎水性アミノ酸は、Phe、Val、Trp、Ile、およびLe
uを包含する。本明細書で使用されるように、用語「正
の電荷を有するアミノ酸」は、正の電荷を有するアミノ
酸、アミノ酸誘導体、アミノ酸模倣物、および化学部分
をいう。正の電荷を有するアミノ酸は、例えば、Lys、A
rg、およびHisを包含する。
性の」は、非極性であるアミノ酸、アミノ酸誘導体、ア
ミノ酸模倣物、および化学部分を包含することを意図す
る。疎水性アミノ酸は、Phe、Val、Trp、Ile、およびLe
uを包含する。本明細書で使用されるように、用語「正
の電荷を有するアミノ酸」は、正の電荷を有するアミノ
酸、アミノ酸誘導体、アミノ酸模倣物、および化学部分
をいう。正の電荷を有するアミノ酸は、例えば、Lys、A
rg、およびHisを包含する。
【0042】タンパク質またはポリペプチドをいう場
合、「精製された」は、それらが精製された状態で存在
するので、天然または天然に存在するタンパク質または
ポリペプチドと区別できる。これらの「精製された」タ
ンパク質またはポリペプチド、あるいは本明細書中に記
載の意図される任意の改変体は、狭義には、化合物また
は分子が、その天然または天然環境において、通常、化
合物に会合される夾雑物を実質的に含まないことであ
る。用語「実質的に純粋な」および「単離された」は、
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドと天然ではポリヌ
クレオチドまたはポリペプチドに会合されない物質との
混合物を除外することを意図しない。
合、「精製された」は、それらが精製された状態で存在
するので、天然または天然に存在するタンパク質または
ポリペプチドと区別できる。これらの「精製された」タ
ンパク質またはポリペプチド、あるいは本明細書中に記
載の意図される任意の改変体は、狭義には、化合物また
は分子が、その天然または天然環境において、通常、化
合物に会合される夾雑物を実質的に含まないことであ
る。用語「実質的に純粋な」および「単離された」は、
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドと天然ではポリヌ
クレオチドまたはポリペプチドに会合されない物質との
混合物を除外することを意図しない。
【0043】「天然の」ポリペプチド、タンパク質、ま
たは核酸分子は、天然または「野生型」で存在する供給
源から取り出されるポリペプチド、タンパク質、または
核酸分子をいう。
たは核酸分子は、天然または「野生型」で存在する供給
源から取り出されるポリペプチド、タンパク質、または
核酸分子をいう。
【0044】「組成物」は、活性な薬剤と、不活性(例
えば、検出剤または標識)または活性なその他の化合物
または組成物(例えば、アジュバント)との組み合わせ
を意味することを意図する。
えば、検出剤または標識)または活性なその他の化合物
または組成物(例えば、アジュバント)との組み合わせ
を意味することを意図する。
【0045】「薬学的組成物」は、活性な薬剤と、不活
性または活性なキャリアとの組み合わせを包含すること
を意図し、これにより、インビトロ、インビボ、または
エクスビボでの診断的使用または治療的使用に適切な組
成物を作製する。
性または活性なキャリアとの組み合わせを包含すること
を意図し、これにより、インビトロ、インビボ、または
エクスビボでの診断的使用または治療的使用に適切な組
成物を作製する。
【0046】本明細書で使用されるように、用語「薬学
的に受容可能なキャリア」は、任意の標準的な薬学的キ
ャリア(例えば、リン酸緩衝化生理食塩溶液、水、およ
び油/水または水/油エマルジョンのようなエマルジョ
ン)、ならびに種々のタイプの湿潤剤を包含する。組成
物はまた、安定剤および保存剤を包含し得る。キャリ
ア、安定剤、およびアジュバントの例は、Martin, Remi
ngton's Pharm. Sci.,第15版(Mack Publ. Co., Easton
(1975))を参照のこと。
的に受容可能なキャリア」は、任意の標準的な薬学的キ
ャリア(例えば、リン酸緩衝化生理食塩溶液、水、およ
び油/水または水/油エマルジョンのようなエマルジョ
ン)、ならびに種々のタイプの湿潤剤を包含する。組成
物はまた、安定剤および保存剤を包含し得る。キャリ
ア、安定剤、およびアジュバントの例は、Martin, Remi
ngton's Pharm. Sci.,第15版(Mack Publ. Co., Easton
(1975))を参照のこと。
【0047】用語「核酸」は、1本鎖および2本鎖のDN
A、cDNA、ゲノム由来DNA、およびRNA、ならびにアンチ
センスRNAを含む互いに相補である核酸の正鎖および負
鎖を意味する。「核酸分子」は、「ポリヌクレオチド」
と互換的に使用される用語であり、そして各々は、リボ
ヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれ
かの任意の長さのヌクレオチドのポリマー型、あるいは
それらのアナログをいう。それはまた、公知のタイプの
修飾(例えば、当該分野で公知である標識(例えば、Sa
mbrookら(1989)後出)、メチル化、「キャップ」)、1
つ以上の天然に存在するヌクレオチドのアナログでの置
換、ヌクレオチド間修飾(例えば、非荷電連結を有する
もの(例えば、メチルカルバメートなど)、ペンダント
部分を有するもの(例えば、タンパク質(例えば、ヌク
レアーゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチドなどを包
含する))、インターカレーターを有するもの(例え
ば、アクリジン、ソラレンなど)、キレーターを含有す
るもの(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金
属など)、アルキレーターを含有するもの、修飾連結を
有するもの(例えば、αアノマー核酸など))、ならび
に非修飾型のポリヌクレオチドを包含する。ポリヌクレ
オチドは、化学的または生化学的に修飾され得るか、あ
るいは非天然または誘導体化ヌクレオチド塩基を含有し
得る。ヌクレオチドは、ポリペプチドをコードするmRNA
に相補的であり得る。これらの相補的ヌクレオチドは、
三重ヘリックスを形成し得るヌクレオチドおよびアンチ
センスヌクレオチドを包含するが、これらに限定されな
い。そうでなければ、天然に存在しないその他の配列を
有する組換えポリヌクレオチドもまた、本発明によって
提供される。これは、野生型ポリヌクレオチド配列の改
変物であり、1つ以上のヌクレオチドの欠失、挿入、お
よび置換による改変物、またはその他のポリヌクレオチ
ド配列との融合による改変物を包含するが、これらに限
定されない。
A、cDNA、ゲノム由来DNA、およびRNA、ならびにアンチ
センスRNAを含む互いに相補である核酸の正鎖および負
鎖を意味する。「核酸分子」は、「ポリヌクレオチド」
と互換的に使用される用語であり、そして各々は、リボ
ヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれ
かの任意の長さのヌクレオチドのポリマー型、あるいは
それらのアナログをいう。それはまた、公知のタイプの
修飾(例えば、当該分野で公知である標識(例えば、Sa
mbrookら(1989)後出)、メチル化、「キャップ」)、1
つ以上の天然に存在するヌクレオチドのアナログでの置
換、ヌクレオチド間修飾(例えば、非荷電連結を有する
もの(例えば、メチルカルバメートなど)、ペンダント
部分を有するもの(例えば、タンパク質(例えば、ヌク
レアーゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチドなどを包
含する))、インターカレーターを有するもの(例え
ば、アクリジン、ソラレンなど)、キレーターを含有す
るもの(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金
属など)、アルキレーターを含有するもの、修飾連結を
有するもの(例えば、αアノマー核酸など))、ならび
に非修飾型のポリヌクレオチドを包含する。ポリヌクレ
オチドは、化学的または生化学的に修飾され得るか、あ
るいは非天然または誘導体化ヌクレオチド塩基を含有し
得る。ヌクレオチドは、ポリペプチドをコードするmRNA
に相補的であり得る。これらの相補的ヌクレオチドは、
三重ヘリックスを形成し得るヌクレオチドおよびアンチ
センスヌクレオチドを包含するが、これらに限定されな
い。そうでなければ、天然に存在しないその他の配列を
有する組換えポリヌクレオチドもまた、本発明によって
提供される。これは、野生型ポリヌクレオチド配列の改
変物であり、1つ以上のヌクレオチドの欠失、挿入、お
よび置換による改変物、またはその他のポリヌクレオチ
ド配列との融合による改変物を包含するが、これらに限
定されない。
【0048】ポリヌクレオチドは、その天然状態または
当業者に周知の方法によって操作される場合に、それが
転写および/または翻訳されてポリペプチドまたは成熟
タンパク質を産生し得るならば、ポリヌクレオチドを
「コードする」といわれる。従って、用語「ポリヌクレ
オチド」は、コード配列に加えて、プロセシング配列お
よび成熟タンパク質のアミノ酸をコードしないその他の
配列を包含するべきである。このようなポリヌクレオチ
ドのアンチセンス鎖もまた、配列をコードするといわれ
る。
当業者に周知の方法によって操作される場合に、それが
転写および/または翻訳されてポリペプチドまたは成熟
タンパク質を産生し得るならば、ポリヌクレオチドを
「コードする」といわれる。従って、用語「ポリヌクレ
オチド」は、コード配列に加えて、プロセシング配列お
よび成熟タンパク質のアミノ酸をコードしないその他の
配列を包含するべきである。このようなポリヌクレオチ
ドのアンチセンス鎖もまた、配列をコードするといわれ
る。
【0049】用語「組換え」ポリヌクレオチドまたはDN
Aは、遺伝子工学法または化学合成法によって単離され
たDNAのセグメントの人工的操作によって達成される2
つの、そうでなければ分離された配列のセグメントの組
み合わせによってつくられるポリヌクレオチドをいう。
そうすることによって、所望の機能のDNAセグメントを
一緒に連結させて、所望の機能の組み合わせをつくり得
る。
Aは、遺伝子工学法または化学合成法によって単離され
たDNAのセグメントの人工的操作によって達成される2
つの、そうでなければ分離された配列のセグメントの組
み合わせによってつくられるポリヌクレオチドをいう。
そうすることによって、所望の機能のDNAセグメントを
一緒に連結させて、所望の機能の組み合わせをつくり得
る。
【0050】DNA、RNA、またはポリヌクレオチドの「ア
ナログ」は、形態および/または機能(特に、相補的ポ
リヌクレオチド配列の塩基対への、配列特異水素結合を
保証する能力)において、天然に存在するポリヌクレオ
チドに類似するが、しかし例えば、普通でないまたは非
天然の塩基あるいは改変された骨格を有することにおい
てDNAまたはRNAとは異なる高分子をいう。例えば、Uhlm
annら(1990) ChemicalReviews 90:543-584を参照のこ
と。
ナログ」は、形態および/または機能(特に、相補的ポ
リヌクレオチド配列の塩基対への、配列特異水素結合を
保証する能力)において、天然に存在するポリヌクレオ
チドに類似するが、しかし例えば、普通でないまたは非
天然の塩基あるいは改変された骨格を有することにおい
てDNAまたはRNAとは異なる高分子をいう。例えば、Uhlm
annら(1990) ChemicalReviews 90:543-584を参照のこ
と。
【0051】核酸分子に関していう場合の「単離され
た」は、天然または野生型のDNAまたはRNAに、細胞内で
通常会合しているその他の細胞成分から分離されたこと
を意味する。
た」は、天然または野生型のDNAまたはRNAに、細胞内で
通常会合しているその他の細胞成分から分離されたこと
を意味する。
【0052】「ハイブリダイゼーション」は、異なる
「ストリンジェンシー」の条件下で実施され得るハイブ
リダイゼーション反応をいう。ハイブリダイゼーション
反応のストリンジェンシーを増す条件は周知であり、そ
して当該分野で公表された:例えば、Sambrookら、後出
を参照のこと。適切な条件(ストリンジェンシーを増大
させるめ)の例は、以下を包含する:25℃、37℃、50
℃、および68℃のインキュベーション温度;10×SSC、6
×SSC、1×SSC、0.1×SSC(ここで、SSCは、0.15MNaCl
および15mM クエン酸緩衝液である)の緩衝液濃度およ
び他の緩衝液系を用いるそれらの等価物;0%、25%、
50%、および75%のホルムアミド濃度;5分から24時間
のインキュベーション時間、および継続時間の増加し
た、回数の増加した、または緩衝液濃度の減少した洗
浄。
「ストリンジェンシー」の条件下で実施され得るハイブ
リダイゼーション反応をいう。ハイブリダイゼーション
反応のストリンジェンシーを増す条件は周知であり、そ
して当該分野で公表された:例えば、Sambrookら、後出
を参照のこと。適切な条件(ストリンジェンシーを増大
させるめ)の例は、以下を包含する:25℃、37℃、50
℃、および68℃のインキュベーション温度;10×SSC、6
×SSC、1×SSC、0.1×SSC(ここで、SSCは、0.15MNaCl
および15mM クエン酸緩衝液である)の緩衝液濃度およ
び他の緩衝液系を用いるそれらの等価物;0%、25%、
50%、および75%のホルムアミド濃度;5分から24時間
のインキュベーション時間、および継続時間の増加し
た、回数の増加した、または緩衝液濃度の減少した洗
浄。
【0053】「Tm」は、ワトソン-クリック塩基対合に
よって、逆平行方向に水素結合された相補鎖からなるポ
リヌクレオチド2重鎖の50%が、実験条件下で1本鎖に
解離する、摂氏度の温度である。Tmは、標準式に従って
予測され得る:例えば、 Tm=81.5+16.6log〔Na+〕+0.41(%G/C)−0.61(%F)−
600/L ここで、Na+は、mol/Lの陽イオン(通常はナトリウムイ
オン)濃度であり;(%G/C)は、2重鎖の全残基中のパ
ーセントとしてのGおよびC残基の数であり;(%F)は、
溶液中のパーセントホルムアミド(wt/vol)であり;そし
て、Lは、2重鎖の各鎖におけるヌクレオチド数であ
る。
よって、逆平行方向に水素結合された相補鎖からなるポ
リヌクレオチド2重鎖の50%が、実験条件下で1本鎖に
解離する、摂氏度の温度である。Tmは、標準式に従って
予測され得る:例えば、 Tm=81.5+16.6log〔Na+〕+0.41(%G/C)−0.61(%F)−
600/L ここで、Na+は、mol/Lの陽イオン(通常はナトリウムイ
オン)濃度であり;(%G/C)は、2重鎖の全残基中のパ
ーセントとしてのGおよびC残基の数であり;(%F)は、
溶液中のパーセントホルムアミド(wt/vol)であり;そし
て、Lは、2重鎖の各鎖におけるヌクレオチド数であ
る。
【0054】ポリヌクレオチドの「安定な2重鎖」、ま
たは生化学反応において任意の2つ以上の成分の間で形
成される「安定な複合体」は、2重鎖または複合体の形
成とその後の検出との間に持続するために、十分に長く
持続される2重鎖または複合体をいう。2重鎖または複
合体は、どのような条件が存在しても、またはどのよう
な条件が形成時と検出時との間に導入されても、実施さ
れるアッセイまたは反応の作用であるこれらの条件にも
抵抗できなければならない。随意に存在し得、そして2
重鎖または複合体を除去し得る干渉条件は、洗浄、加
熱、反応混合物へのさらなる溶質または溶媒の添加(例
えば、変性剤)、およびさらなる反応種との競合を包含
する。安定的な2重鎖または複合体は、不可逆または可
逆的であり得るが、しかしこの定義のその他の要求を満
たさなければならない。従って、一過性の複合体が反応
混合物中で形成され得るが、しかし、もし自発的に、ま
たは、検出前に導入される新たに課される条件または操
作の結果として解離するならば、安定的な複合体を構成
しない。
たは生化学反応において任意の2つ以上の成分の間で形
成される「安定な複合体」は、2重鎖または複合体の形
成とその後の検出との間に持続するために、十分に長く
持続される2重鎖または複合体をいう。2重鎖または複
合体は、どのような条件が存在しても、またはどのよう
な条件が形成時と検出時との間に導入されても、実施さ
れるアッセイまたは反応の作用であるこれらの条件にも
抵抗できなければならない。随意に存在し得、そして2
重鎖または複合体を除去し得る干渉条件は、洗浄、加
熱、反応混合物へのさらなる溶質または溶媒の添加(例
えば、変性剤)、およびさらなる反応種との競合を包含
する。安定的な2重鎖または複合体は、不可逆または可
逆的であり得るが、しかしこの定義のその他の要求を満
たさなければならない。従って、一過性の複合体が反応
混合物中で形成され得るが、しかし、もし自発的に、ま
たは、検出前に導入される新たに課される条件または操
作の結果として解離するならば、安定的な複合体を構成
しない。
【0055】安定な2本鎖が、2つの1本鎖ポリヌクレ
オチド間の逆平行配置で、特に、高ストリンジェンシー
な条件下で形成されるとき、その鎖は本質的に「相補
的」である。2本鎖ポリヌクレオチドは、安定な2本鎖
が第一ポリヌクレオチドの1つの鎖と第二ポリヌクレオ
チド鎖間で形成され得るとき、もう1つのポリヌクレオ
チドに対して「相補的」であり得る。1本鎖ポリヌクレ
オチド配列から推測される相補的配列は、一般的に受け
入れらる塩基対形成法則に従い、1本鎖ポリヌクレオチ
ドと水素結合を形成することが予測される標準的なヌク
レオチドの最適配列である。
オチド間の逆平行配置で、特に、高ストリンジェンシー
な条件下で形成されるとき、その鎖は本質的に「相補
的」である。2本鎖ポリヌクレオチドは、安定な2本鎖
が第一ポリヌクレオチドの1つの鎖と第二ポリヌクレオ
チド鎖間で形成され得るとき、もう1つのポリヌクレオ
チドに対して「相補的」であり得る。1本鎖ポリヌクレ
オチド配列から推測される相補的配列は、一般的に受け
入れらる塩基対形成法則に従い、1本鎖ポリヌクレオチ
ドと水素結合を形成することが予測される標準的なヌク
レオチドの最適配列である。
【0056】同一状況に使用されるときの「センス」鎖
および「アンチセンス」鎖は、互いに相補的である1本
鎖ポリヌクレオチドをいう。それらは、2本鎖化ポリヌ
クレオチドの対立鎖であり得るか、または、一方の鎖
は、一般的に受け入れられる塩基対形成法則に従い、も
う一方から予測され得る。特定または暗示されなけれ
ば、1つまたはもう一方の鎖を「センス」または「アン
チセンス」として割当てることは、任意的である。
および「アンチセンス」鎖は、互いに相補的である1本
鎖ポリヌクレオチドをいう。それらは、2本鎖化ポリヌ
クレオチドの対立鎖であり得るか、または、一方の鎖
は、一般的に受け入れられる塩基対形成法則に従い、も
う一方から予測され得る。特定または暗示されなけれ
ば、1つまたはもう一方の鎖を「センス」または「アン
チセンス」として割当てることは、任意的である。
【0057】ヌクレオチドの直鎖状配列は、各配列中の
ヌクレオチド順序が同一であり、置換、欠失、または実
質的な置換がなければ、他の直鎖状配列と「同一」であ
る。類似した構造を有する、プリンおよびピリジン窒素
性塩基は、ワトソン-クリック塩基対形成に関して機能
的に等価であり得る;そして、同様の窒素性塩基(特に
ウラシルおよびチミジン)の相互置換、または、メチル
化によるような窒素性塩基の修飾は、実質的な置換を構
成しない。RNAおよびDNAポリヌクレオチドは、RNAに対
する配列がポリリボヌクレオチド中の窒素性塩基の順序
を反映するとき、DNAに対する配列がポリデオキシリボ
ヌクレオチド中の窒素性塩基の順序を反映するとき、お
よび、この2つの配列がこの定義のもう一方の要求を満
たすときに、同一の配列を有する。少なくとも1つの配
列が、多義的な残基を有する縮重したオリゴヌクレオチ
ドであるとき、2つの配列は、縮重したオリゴヌクレオ
チドの少なくとも1つの代替形態が、比較されている配
列と同一であるとき、同一である。例えば、AYAAAは、A
YAAAがATAAAおよびACAAAの混合物であるとき、ATAAAと
同一である。
ヌクレオチド順序が同一であり、置換、欠失、または実
質的な置換がなければ、他の直鎖状配列と「同一」であ
る。類似した構造を有する、プリンおよびピリジン窒素
性塩基は、ワトソン-クリック塩基対形成に関して機能
的に等価であり得る;そして、同様の窒素性塩基(特に
ウラシルおよびチミジン)の相互置換、または、メチル
化によるような窒素性塩基の修飾は、実質的な置換を構
成しない。RNAおよびDNAポリヌクレオチドは、RNAに対
する配列がポリリボヌクレオチド中の窒素性塩基の順序
を反映するとき、DNAに対する配列がポリデオキシリボ
ヌクレオチド中の窒素性塩基の順序を反映するとき、お
よび、この2つの配列がこの定義のもう一方の要求を満
たすときに、同一の配列を有する。少なくとも1つの配
列が、多義的な残基を有する縮重したオリゴヌクレオチ
ドであるとき、2つの配列は、縮重したオリゴヌクレオ
チドの少なくとも1つの代替形態が、比較されている配
列と同一であるとき、同一である。例えば、AYAAAは、A
YAAAがATAAAおよびACAAAの混合物であるとき、ATAAAと
同一である。
【0058】比較がポリヌクレオチド間でなされると
き、相補鎖は容易に作成され、比較されるポリヌクレオ
チド間での同一性の程度を最大にするセンス鎖またはア
ンチセンス鎖が選択されるか、または予測されること
が、暗黙的に理解される。例えば、比較されるポリヌク
レオチドの1つまたは両方が2本鎖である場合、第一ポ
リヌクレオチドの1つの鎖が、第二ポリヌクレオチドの
1つの鎖と同一であるとき、その配列は同一である。同
様に、ポリヌクレオチドプローブが、その標的と同一で
あるように記載されているときには、そのポリヌクレオ
チドプローブは、プローブと標的と間のハイブリダイゼ
ーション反応に関与する標的の相補鎖であることが理解
される。
き、相補鎖は容易に作成され、比較されるポリヌクレオ
チド間での同一性の程度を最大にするセンス鎖またはア
ンチセンス鎖が選択されるか、または予測されること
が、暗黙的に理解される。例えば、比較されるポリヌク
レオチドの1つまたは両方が2本鎖である場合、第一ポ
リヌクレオチドの1つの鎖が、第二ポリヌクレオチドの
1つの鎖と同一であるとき、その配列は同一である。同
様に、ポリヌクレオチドプローブが、その標的と同一で
あるように記載されているときには、そのポリヌクレオ
チドプローブは、プローブと標的と間のハイブリダイゼ
ーション反応に関与する標的の相補鎖であることが理解
される。
【0059】ヌクレオチドの直鎖状配列は、両配列がハ
イブリダイゼーションによって同一相補的ポリヌクレオ
チドと2本鎖を形成し得るとき、他の直鎖状配列と「本
質的に同一」であるか、または「等価である」。出願者
は特定の核酸分子に言及することを常に明確に述べては
いないが、その等価物もまた意図されることは理解され
るべきである。より高度のストリンジェンシーな条件下
でハイブリダイズする配列が、より好ましい。ハイブリ
ダイゼーション反応が、核酸配列中の挿入、欠失、およ
び置換に適応し得ることは、理解される。従って、ヌク
レオチドの直鎖状配列は、いくつかのヌクレオチド残基
が、正確に対応または整列しなくても、本質的に同一で
あり得る。本明細書中に開示される発明に、より密接に
対応または整列する配列は、同等により好ましい。一般
的に、約25残基のポリヌクレオチド領域は、その配列
が、少なくとも80%同一であるときに、より好ましく
は、それらが少なくとも90%同一であるとき;より好ま
しくは、それらが少なくとも95%同一であるとき;さら
により好ましくは、それらが100%同一であるときに、
本質的に他の領域と同一である。40残基以上のポリヌク
レオチド領域は、相同部分の整列後、その配列が、少な
くとも約75%同一であるとき;より好ましくは、それら
が約80%同一であるとき;より好ましくは、それら少な
くとも約85%同一であるとき;さらに好ましくは、それ
らが少なくとも約90%同一であるとき;よりさらに好ま
しくは、その配列が100%同一であるときに、他の領域
と本質的に同一である。
イブリダイゼーションによって同一相補的ポリヌクレオ
チドと2本鎖を形成し得るとき、他の直鎖状配列と「本
質的に同一」であるか、または「等価である」。出願者
は特定の核酸分子に言及することを常に明確に述べては
いないが、その等価物もまた意図されることは理解され
るべきである。より高度のストリンジェンシーな条件下
でハイブリダイズする配列が、より好ましい。ハイブリ
ダイゼーション反応が、核酸配列中の挿入、欠失、およ
び置換に適応し得ることは、理解される。従って、ヌク
レオチドの直鎖状配列は、いくつかのヌクレオチド残基
が、正確に対応または整列しなくても、本質的に同一で
あり得る。本明細書中に開示される発明に、より密接に
対応または整列する配列は、同等により好ましい。一般
的に、約25残基のポリヌクレオチド領域は、その配列
が、少なくとも80%同一であるときに、より好ましく
は、それらが少なくとも90%同一であるとき;より好ま
しくは、それらが少なくとも95%同一であるとき;さら
により好ましくは、それらが100%同一であるときに、
本質的に他の領域と同一である。40残基以上のポリヌク
レオチド領域は、相同部分の整列後、その配列が、少な
くとも約75%同一であるとき;より好ましくは、それら
が約80%同一であるとき;より好ましくは、それら少な
くとも約85%同一であるとき;さらに好ましくは、それ
らが少なくとも約90%同一であるとき;よりさらに好ま
しくは、その配列が100%同一であるときに、他の領域
と本質的に同一である。
【0060】ポリヌクレオチド配列が、本質的に同一で
あるかどうかを決定する際、比較されるポリヌクレオチ
ドの機能性を保持する配列が、特に好ましい。機能性は
異なるパラメーターにより決定され得る。例えば、ポリ
ヌクレオチドが、他のポリヌクレオチドとのハイブリダ
イゼーションに関係する反応に使用されるとき、好まし
い配列は、同様の条件下で同一標的にハイブリダイズす
る配列である。一般的に、DNA2本鎖のTmは、ミスマッ
チ残基の位置に依存して、200残基以上の2本鎖につい
て、配列同一性が1%減少するごとに約10℃減少し、40
残基未満の2本鎖については約50℃減少する(例えば、
Meinkothらを参照のこと)。約100残基の本質的に同一
または等価な配列は、Tmより約20℃低いところで互いに
個々の相補的な配列によって安定な2本鎖を形成する;
好ましくは、それらは約15℃低いところで安定な2本鎖
を形成する;より好ましくは、それらは約10℃低いとこ
ろで安定な2本鎖を形成する;より好ましくは約5℃低
いところで安定な2本鎖を形成する;よりさらに好まし
くは、それらは約Tmで安定な2本鎖を形成する。他の実
施例では、ポリヌクレオチドによりコードされるポリペ
プチドが、その機能性の重要な部分であるとき、好まし
い配列は、同一または本質的に同一のポリペプチドをコ
ードする配列である。従って、保存性アミノ酸の置換を
引き起こすヌクレオチドの相違は、非保存性の置換を引
き起こす相違以上に好ましく、アミノ酸配列を変更しな
いヌクレオチドの相違がより好ましいが、一方、同一の
ヌクレオチドが、より好ましい。ポリペプチド中の挿入
または欠失をもたらすヌクレオチドの挿入または欠失
は、位相を異にする下流コード領域をもたらすもの以上
に好ましい;挿入または欠失を有さないポリヌクレオチ
ド配列がより好ましい。ハイブリダーゼーション特性お
よびポリヌクレオチドのコードされるポリペプチド配列
の相対的重要性は、本発明の適用に依存する。
あるかどうかを決定する際、比較されるポリヌクレオチ
ドの機能性を保持する配列が、特に好ましい。機能性は
異なるパラメーターにより決定され得る。例えば、ポリ
ヌクレオチドが、他のポリヌクレオチドとのハイブリダ
イゼーションに関係する反応に使用されるとき、好まし
い配列は、同様の条件下で同一標的にハイブリダイズす
る配列である。一般的に、DNA2本鎖のTmは、ミスマッ
チ残基の位置に依存して、200残基以上の2本鎖につい
て、配列同一性が1%減少するごとに約10℃減少し、40
残基未満の2本鎖については約50℃減少する(例えば、
Meinkothらを参照のこと)。約100残基の本質的に同一
または等価な配列は、Tmより約20℃低いところで互いに
個々の相補的な配列によって安定な2本鎖を形成する;
好ましくは、それらは約15℃低いところで安定な2本鎖
を形成する;より好ましくは、それらは約10℃低いとこ
ろで安定な2本鎖を形成する;より好ましくは約5℃低
いところで安定な2本鎖を形成する;よりさらに好まし
くは、それらは約Tmで安定な2本鎖を形成する。他の実
施例では、ポリヌクレオチドによりコードされるポリペ
プチドが、その機能性の重要な部分であるとき、好まし
い配列は、同一または本質的に同一のポリペプチドをコ
ードする配列である。従って、保存性アミノ酸の置換を
引き起こすヌクレオチドの相違は、非保存性の置換を引
き起こす相違以上に好ましく、アミノ酸配列を変更しな
いヌクレオチドの相違がより好ましいが、一方、同一の
ヌクレオチドが、より好ましい。ポリペプチド中の挿入
または欠失をもたらすヌクレオチドの挿入または欠失
は、位相を異にする下流コード領域をもたらすもの以上
に好ましい;挿入または欠失を有さないポリヌクレオチ
ド配列がより好ましい。ハイブリダーゼーション特性お
よびポリヌクレオチドのコードされるポリペプチド配列
の相対的重要性は、本発明の適用に依存する。
【0061】ポリヌクレオチドは、最大ストリンジェン
シーの類似の条件下で、両方が特定の第三ポリヌクレオ
チドと安定な2本鎖を形成し得るとき、同じ特徴を有す
るか、または他のポリヌクレオチドの等価物である。好
ましくは、類似のハイブリダイゼーション特性に加え
て、ポリヌクレオチドはまた、本質的に同一ポリペプチ
ドをコードする。
シーの類似の条件下で、両方が特定の第三ポリヌクレオ
チドと安定な2本鎖を形成し得るとき、同じ特徴を有す
るか、または他のポリヌクレオチドの等価物である。好
ましくは、類似のハイブリダイゼーション特性に加え
て、ポリヌクレオチドはまた、本質的に同一ポリペプチ
ドをコードする。
【0062】ポリヌクレオチド配列の「保存(され
た)」残基は、比較される2つ以上の関連の配列の同じ
位置で変化せずに存在する残基である。相対的に保存さ
れている残基は、配列中のどこかほかのところに出現す
る残基よりも、より関連する配列間に保存されている残
基である。
た)」残基は、比較される2つ以上の関連の配列の同じ
位置で変化せずに存在する残基である。相対的に保存さ
れている残基は、配列中のどこかほかのところに出現す
る残基よりも、より関連する配列間に保存されている残
基である。
【0063】「関連(の)」ポリヌクレオチドは、同一
残基の主要な部分を共有するポリヌクレオチドである。
残基の主要な部分を共有するポリヌクレオチドである。
【0064】本明細書中に使用される「縮重(した)」オ
リゴヌクレオチド配列は、以下のような少なくとも2つ
の関連の起源ポリヌクレオチド配列由来の、設計された
配列である:起源配列中に保存されている残基が、縮重
配列中に保存されているが、起源配列中に提供されてい
ない残基は、縮重配列中でいくつかの代替物として提供
され得る。例えば、縮重配列AYASAは、起源配列ATACAお
よびACAGAから設計され得る。ここで、YはCまたはTであ
り、SはCまたはGである。YおよびSは、「多義的な」残
基の例である。縮重セグメントは、縮重配列を有するポ
リヌクレオチドのセグメントである。
リゴヌクレオチド配列は、以下のような少なくとも2つ
の関連の起源ポリヌクレオチド配列由来の、設計された
配列である:起源配列中に保存されている残基が、縮重
配列中に保存されているが、起源配列中に提供されてい
ない残基は、縮重配列中でいくつかの代替物として提供
され得る。例えば、縮重配列AYASAは、起源配列ATACAお
よびACAGAから設計され得る。ここで、YはCまたはTであ
り、SはCまたはGである。YおよびSは、「多義的な」残
基の例である。縮重セグメントは、縮重配列を有するポ
リヌクレオチドのセグメントである。
【0065】縮重配列を含有する合成オリゴヌクレオチ
ドは、多義的な位置を除いて、事実上、同一配列を共有
する密接な関連オリゴヌクレオチドの混合物であること
は、理解される。このようなオリゴヌクレオチドは、多
義的な位置でのヌクレオチドの可能な全組み合わせの混
合物として、通常合成される。混合物中の各オリゴヌク
レオチドは、「代替型」と呼ばれる。
ドは、多義的な位置を除いて、事実上、同一配列を共有
する密接な関連オリゴヌクレオチドの混合物であること
は、理解される。このようなオリゴヌクレオチドは、多
義的な位置でのヌクレオチドの可能な全組み合わせの混
合物として、通常合成される。混合物中の各オリゴヌク
レオチドは、「代替型」と呼ばれる。
【0066】本明細書中で使用されるポリヌクレオチド
「フラグメント」または「挿入断片」は、一般的に、全
長型の小区域を示すが、全長ポリヌクレオチド全体もま
た包含され得る。
「フラグメント」または「挿入断片」は、一般的に、全
長型の小区域を示すが、全長ポリヌクレオチド全体もま
た包含され得る。
【0067】異なるポリヌクレオチドは、1つが根本的
に他のものに由するとき、互いに「対応する」。例え
ば、メッセンジャーRNAは、それが転写される遺伝子に
対応する。cDNAは、例えば、逆転写反応によって、また
はRNA配列の知識に基づくDNAの化学合成によって、それ
が産生されるRNAに対応する。cDNAはまた、RNAをコード
する遺伝子に対応する。ポリヌクレオチドもまた、比較
される異なる種、株、または変異体で、同様の機能(例
えば、関連ポリヌクレオチドをコードする)をなすと
き、互いに「対応する」。
に他のものに由するとき、互いに「対応する」。例え
ば、メッセンジャーRNAは、それが転写される遺伝子に
対応する。cDNAは、例えば、逆転写反応によって、また
はRNA配列の知識に基づくDNAの化学合成によって、それ
が産生されるRNAに対応する。cDNAはまた、RNAをコード
する遺伝子に対応する。ポリヌクレオチドもまた、比較
される異なる種、株、または変異体で、同様の機能(例
えば、関連ポリヌクレオチドをコードする)をなすと
き、互いに「対応する」。
【0068】ポリヌクレオチド操作の状況において使用
されるときの「プローブ」は、標的とハイブリダイズす
ることにより、目的サンプル中に存在する可能性のある
標的を、検出するための試薬として提供されるオリゴヌ
クレオチドをいう。通常、プローブは、標識、または、
ハイブリダイゼーション反応の前または後のいずれか
で、標識が結合され得る手段を含有する。適切な標識と
して、放射性同位元素、蛍光色素、化学発光化合物、色
素、および酵素を含むタンパク質が挙げられるが、これ
らに限定されない。
されるときの「プローブ」は、標的とハイブリダイズす
ることにより、目的サンプル中に存在する可能性のある
標的を、検出するための試薬として提供されるオリゴヌ
クレオチドをいう。通常、プローブは、標識、または、
ハイブリダイゼーション反応の前または後のいずれか
で、標識が結合され得る手段を含有する。適切な標識と
して、放射性同位元素、蛍光色素、化学発光化合物、色
素、および酵素を含むタンパク質が挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0069】「プライマー」は、標的とハイブリダイズ
することにより、目的サンプル中に存在する可能性のあ
る標的と結合し、その後、標的に対して相補的なポリヌ
クレオチドの重合を促進する、一般的に、遊離3'-OH基
を有するオリゴヌクレオチドである。
することにより、目的サンプル中に存在する可能性のあ
る標的と結合し、その後、標的に対して相補的なポリヌ
クレオチドの重合を促進する、一般的に、遊離3'-OH基
を有するオリゴヌクレオチドである。
【0070】同一ポリヌクレオチドの複製コピーを産生
するプロセス(例えば、PCRまたは遺伝子クローニン
グ)は、本明細書では集合的に、「増幅」または「複
製」と呼ばれる。例えば、1本鎖DNAまたは2本鎖DNAは
複製されて、同一配列を有する他のDNAを形成し得る。R
NAは、例えば、RNA特異的RNAポリメラーゼによるか、ま
たはDNAを逆転写し、そしてPCRを行うことにより複製さ
れ得る。後者の場合、RNAの増幅コピーは、同一配列を
有するDNAである。
するプロセス(例えば、PCRまたは遺伝子クローニン
グ)は、本明細書では集合的に、「増幅」または「複
製」と呼ばれる。例えば、1本鎖DNAまたは2本鎖DNAは
複製されて、同一配列を有する他のDNAを形成し得る。R
NAは、例えば、RNA特異的RNAポリメラーゼによるか、ま
たはDNAを逆転写し、そしてPCRを行うことにより複製さ
れ得る。後者の場合、RNAの増幅コピーは、同一配列を
有するDNAである。
【0071】「ポリメラーゼ連鎖反応「PCR」」は、複
製コピーが、1つ以上のプライマーを用いる標的ポリヌ
クレオチド、および、逆転写酵素またはDNAポリメラー
ゼおよび特に熱に安定なポリメラーゼ酵素のような重合
触媒からなる反応である。一般的に、PCRは、繰り返し
行われる3工程を包含する:「アニーリング」、その工
程において、オリゴヌクレオチドプライマーが増幅され
るべきポリヌクレオチドと2重鎖を形成し得るように、
温度が調整される;「伸長」、その工程において、2重
鎖を形成したオリゴヌクレオチドが、それらが鋳型とし
て2重鎖を形成したポリヌクレオチドを用いて、DNAポ
リメラーゼによって伸長されるように、温度が調整され
る;および、「融解」、その工程において、ポリヌクレ
オドおよび伸長したオリゴヌクレオチドが解離するよう
に、温度が調整される。次いで、所望量の増幅ポリヌク
レオチドが得られるまで、このサイクルが繰り返され
る。PCR法は、米国特許第4,683,195号(Mullis)および
第4,683,202号(Mullisら)に教示されている。
製コピーが、1つ以上のプライマーを用いる標的ポリヌ
クレオチド、および、逆転写酵素またはDNAポリメラー
ゼおよび特に熱に安定なポリメラーゼ酵素のような重合
触媒からなる反応である。一般的に、PCRは、繰り返し
行われる3工程を包含する:「アニーリング」、その工
程において、オリゴヌクレオチドプライマーが増幅され
るべきポリヌクレオチドと2重鎖を形成し得るように、
温度が調整される;「伸長」、その工程において、2重
鎖を形成したオリゴヌクレオチドが、それらが鋳型とし
て2重鎖を形成したポリヌクレオチドを用いて、DNAポ
リメラーゼによって伸長されるように、温度が調整され
る;および、「融解」、その工程において、ポリヌクレ
オドおよび伸長したオリゴヌクレオチドが解離するよう
に、温度が調整される。次いで、所望量の増幅ポリヌク
レオチドが得られるまで、このサイクルが繰り返され
る。PCR法は、米国特許第4,683,195号(Mullis)および
第4,683,202号(Mullisら)に教示されている。
【0072】遺伝子内のエレメントとしては、限定され
ないが、プロモーター領域、エンハンサー領域、リプレ
ッサー結合領域、転写開始部位、リボソーム結合部位、
翻訳開始部位、タンパク質コード領域、イントロンおよ
びエキソン、ならびに転写および翻訳停止部位が挙げら
れる。特定のポリヌクレオチドの「アンチセンス」コピ
ーは、ポリヌクレオチドと水素結合し得、従って、ポリ
ヌクレオチドの発現を調整し得る相補的配列をいう。こ
れらは、DNA、RNA、またはそれらのアナログであり、上
記のように、縮重骨格を変更したアナログを含む。アン
チセンスコーピーが結合するポリヌクレオチドは、1本
鎖型または2本鎖型であり得る。
ないが、プロモーター領域、エンハンサー領域、リプレ
ッサー結合領域、転写開始部位、リボソーム結合部位、
翻訳開始部位、タンパク質コード領域、イントロンおよ
びエキソン、ならびに転写および翻訳停止部位が挙げら
れる。特定のポリヌクレオチドの「アンチセンス」コピ
ーは、ポリヌクレオチドと水素結合し得、従って、ポリ
ヌクレオチドの発現を調整し得る相補的配列をいう。こ
れらは、DNA、RNA、またはそれらのアナログであり、上
記のように、縮重骨格を変更したアナログを含む。アン
チセンスコーピーが結合するポリヌクレオチドは、1本
鎖型または2本鎖型であり得る。
【0073】本明細書に使用される用語「作動可能に連
結された」は、DNA分子が、必要な調節配列(例えば、
プロモーターまたはエンハンサー)に関して、プロモー
ターが、安定または一時的な様式で、DNAからのRNA転写
に向けられるように、配置されることを意味する。
結された」は、DNA分子が、必要な調節配列(例えば、
プロモーターまたはエンハンサー)に関して、プロモー
ターが、安定または一時的な様式で、DNAからのRNA転写
に向けられるように、配置されることを意味する。
【0074】「ベクター」は、宿主細胞内および/また
は宿主細胞間に挿入核酸分子を転移させる、自己複製性
の核酸分子を意味する。この用語は、細胞内に核酸分子
を挿入するために主に機能するベクター、核酸複製のた
めに主に機能する複製ベクター、および、DNAまたはRNA
の転写および/または翻訳のために機能する発現ベクタ
ーを包含することを意図する。上記の1つ以上の機能を
提供するベクターもまた意図される。
は宿主細胞間に挿入核酸分子を転移させる、自己複製性
の核酸分子を意味する。この用語は、細胞内に核酸分子
を挿入するために主に機能するベクター、核酸複製のた
めに主に機能する複製ベクター、および、DNAまたはRNA
の転写および/または翻訳のために機能する発現ベクタ
ーを包含することを意図する。上記の1つ以上の機能を
提供するベクターもまた意図される。
【0075】「宿主細胞」は、ベクター、または、外因
性核酸分子および/またはタンパク質の取り込みのため
の受容体であり得るかまたは受容体である、個々の細胞
または細胞培養物を包含することを意図する。それはま
た、単一細胞の子孫を包含することを意図し、その子孫
は、自然の、偶発的、または意図的な変異のために、も
との親細胞と完全に一致すること(形態学またはゲノム
もしくは全DNA相補性において)を必ずしも必要とし得
ない。
性核酸分子および/またはタンパク質の取り込みのため
の受容体であり得るかまたは受容体である、個々の細胞
または細胞培養物を包含することを意図する。それはま
た、単一細胞の子孫を包含することを意図し、その子孫
は、自然の、偶発的、または意図的な変異のために、も
との親細胞と完全に一致すること(形態学またはゲノム
もしくは全DNA相補性において)を必ずしも必要とし得
ない。
【0076】「抗体」は、抗原に結合し得る免疫グロブ
リン分子である。本明細書中で使用されるこの用語は、
完全な免疫グロブリン分子のみならず、抗イディオタイ
プ抗体、変異体、フラグメント、融合タンパク質、ヒト
化タンパク質、および、所望の特異性の抗原認識部位を
有する免疫グロブリンの改変体を、包含する。
リン分子である。本明細書中で使用されるこの用語は、
完全な免疫グロブリン分子のみならず、抗イディオタイ
プ抗体、変異体、フラグメント、融合タンパク質、ヒト
化タンパク質、および、所望の特異性の抗原認識部位を
有する免疫グロブリンの改変体を、包含する。
【0077】「抗体複合体」は、抗体(上記定義された
ような)とその結合パートナーまたはリガンドとの組み
合わせである。
ような)とその結合パートナーまたはリガンドとの組み
合わせである。
【0078】本発明の目的に「適切な細胞」は、限定さ
れないが、Fasレセプターを発現する細胞、例えば、骨
髄細胞、内皮細胞、乳ガン細胞、繊維芽細胞、上皮細
胞、上皮腫瘍細胞(Spriggs, D.R.ら(1988) J. Clin. I
nves. 81:455-460を参照のこと)、T細胞(TCR+、CD
8+、またはCD4+T細胞)、末梢血リンパ球、白血球、お
よび混合白血球培養物(MLC)、B-リンパ腫細胞(ATC
C、A202J)、結腸細胞、小腸細胞、卵巣細胞、精巣細
胞、前立腺細胞、胸腺細胞、脾細胞、腎細胞、肝細胞、
肺細胞、脳細胞、および単球を包含する。Fas(APO-1/C
D95)細胞表面レセプターは、神経増殖因子(NGF)/腫
瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリーのメ
ンバーであるので、このファミリーのレセプターを有す
る任意の細胞が、本発明の範囲内に包含されることが意
図される。FasおよびTNFのレセプター発現はまた、多数
の組織で同定された:例えば、Watanabe-Fukunagaら(19
92) J. Immun. 148:1274-1279およびOwen-Schaub, L.B.
ら(1994) Cancer Res. 54:1580-1586; Dheinら(1995) N
ature 373:438-441; Brunnerら(1995) Nature 373:441-
444;および、Juら(1995) Nature 373:444-448を参照の
こと。誘導または活性化(例えば、TCR-TNF-Fas-関連ア
ポトーシス)に感受性がある、さらなる「適切な」細胞
を同定するためのアッセイは、当業者に周知である(例
えば、Opipariら、J.Biol. Chem.(1992) 267:12424-124
27; Yoneharaら、J. Exp. Med.(1989) 169:1747-1756;
Dheinら(1995)前出; Brunnerら(1995)前出;および、Ju
ら(1995)前出を参照のこと)。
れないが、Fasレセプターを発現する細胞、例えば、骨
髄細胞、内皮細胞、乳ガン細胞、繊維芽細胞、上皮細
胞、上皮腫瘍細胞(Spriggs, D.R.ら(1988) J. Clin. I
nves. 81:455-460を参照のこと)、T細胞(TCR+、CD
8+、またはCD4+T細胞)、末梢血リンパ球、白血球、お
よび混合白血球培養物(MLC)、B-リンパ腫細胞(ATC
C、A202J)、結腸細胞、小腸細胞、卵巣細胞、精巣細
胞、前立腺細胞、胸腺細胞、脾細胞、腎細胞、肝細胞、
肺細胞、脳細胞、および単球を包含する。Fas(APO-1/C
D95)細胞表面レセプターは、神経増殖因子(NGF)/腫
瘍壊死因子(TNF)レセプタースーパーファミリーのメ
ンバーであるので、このファミリーのレセプターを有す
る任意の細胞が、本発明の範囲内に包含されることが意
図される。FasおよびTNFのレセプター発現はまた、多数
の組織で同定された:例えば、Watanabe-Fukunagaら(19
92) J. Immun. 148:1274-1279およびOwen-Schaub, L.B.
ら(1994) Cancer Res. 54:1580-1586; Dheinら(1995) N
ature 373:438-441; Brunnerら(1995) Nature 373:441-
444;および、Juら(1995) Nature 373:444-448を参照の
こと。誘導または活性化(例えば、TCR-TNF-Fas-関連ア
ポトーシス)に感受性がある、さらなる「適切な」細胞
を同定するためのアッセイは、当業者に周知である(例
えば、Opipariら、J.Biol. Chem.(1992) 267:12424-124
27; Yoneharaら、J. Exp. Med.(1989) 169:1747-1756;
Dheinら(1995)前出; Brunnerら(1995)前出;および、Ju
ら(1995)前出を参照のこと)。
【0079】本方法を実施するために適した細胞または
「標的細胞」はまた、限定されないが、HIV、抗TCR抗
体、TNFおよび抗Fas抗体のような内因性因子によってPC
Dへ誘導される細胞を包含する。1つの実施態様におい
て、これらの細胞は、サイトカイン腫瘍壊死因子(TN
F)または細胞死伝達レセプターFasもしくはTCRのいず
れかまたは両方に対するレセプターを構成的にそして誘
導的に発現し、これは、それぞれのリガンドによって活
性化された。最近、3つの別のグループが、Fas誘導ア
ポトーシスがT細胞死に関連することを報告した。詳細
には、1つのグループは、連結されたときに潜在的なア
ポトーシスシグナルを伝達し得るFasレセプターが、T
細胞ハイブリドーマ上で活性化された後に迅速に発現さ
れることを示した。このことは、Fasレセプター-リガン
ド相互作用が、細胞自律様式で細胞死を誘導することを
示唆した。Dheinら(1995) Nature 373:438-441; Brunne
rら(1995) Nature 373:441-444;およびJuら(1995) Natu
re 373:444-448を参照のこと。
「標的細胞」はまた、限定されないが、HIV、抗TCR抗
体、TNFおよび抗Fas抗体のような内因性因子によってPC
Dへ誘導される細胞を包含する。1つの実施態様におい
て、これらの細胞は、サイトカイン腫瘍壊死因子(TN
F)または細胞死伝達レセプターFasもしくはTCRのいず
れかまたは両方に対するレセプターを構成的にそして誘
導的に発現し、これは、それぞれのリガンドによって活
性化された。最近、3つの別のグループが、Fas誘導ア
ポトーシスがT細胞死に関連することを報告した。詳細
には、1つのグループは、連結されたときに潜在的なア
ポトーシスシグナルを伝達し得るFasレセプターが、T
細胞ハイブリドーマ上で活性化された後に迅速に発現さ
れることを示した。このことは、Fasレセプター-リガン
ド相互作用が、細胞自律様式で細胞死を誘導することを
示唆した。Dheinら(1995) Nature 373:438-441; Brunne
rら(1995) Nature 373:441-444;およびJuら(1995) Natu
re 373:444-448を参照のこと。
【0080】細胞は、モルモット細胞、ウサギ細胞、サ
ル細胞、マウス細胞、ラット細胞、ニワトリ細胞、また
はヒト細胞のような哺乳動物細胞または動物細胞であり
得る。それらは、継続培養されるか、または動物または
ヒトから単離され得る。本発明の別の実施態様では、神
経学的細胞は、特に除外される。
ル細胞、マウス細胞、ラット細胞、ニワトリ細胞、また
はヒト細胞のような哺乳動物細胞または動物細胞であり
得る。それらは、継続培養されるか、または動物または
ヒトから単離され得る。本発明の別の実施態様では、神
経学的細胞は、特に除外される。
【0081】核酸分子の「生物学的等価物」は、本明細
書中では、参照核酸分子と本質的同一性を有するものと
して定義される。参照核酸分子のフラグメントは、生物
学的等価物の一例である。
書中では、参照核酸分子と本質的同一性を有するものと
して定義される。参照核酸分子のフラグメントは、生物
学的等価物の一例である。
【0082】ポリペプチドまたはタンパク質の「生物学
的等価物」は、システイン残基が触媒性であり、かつ参
照タンパク質またはポリペプチドと同一特徴をとどめ
る、活性ペンタペプチドQACRGを含有するものである。
それはまた、参照タンパク質またはポリペプチドのフラ
グメントを含有する。
的等価物」は、システイン残基が触媒性であり、かつ参
照タンパク質またはポリペプチドと同一特徴をとどめ
る、活性ペンタペプチドQACRGを含有するものである。
それはまた、参照タンパク質またはポリペプチドのフラ
グメントを含有する。
【0083】「優勢阻害性」タンパク質またはポリペプ
チドは、システイン残基が、触媒活性は消失している
が、タンパク質あるいはポリペプチドがまだその細胞内
標的と結合するように、変化されたのもである。例え
ば、その触媒性システインについてアラニンまたはメチ
オニンへの置換は、その触媒活性を消失するが、まだ結
合特性をとどめる。
チドは、システイン残基が、触媒活性は消失している
が、タンパク質あるいはポリペプチドがまだその細胞内
標的と結合するように、変化されたのもである。例え
ば、その触媒性システインについてアラニンまたはメチ
オニンへの置換は、その触媒活性を消失するが、まだ結
合特性をとどめる。
【0084】「CrmA生物学的活性」は、本明細書中に記
載のような様式で、Fas誘導アポトーシスを阻害する能
力を有することを意味する。優勢阻害性Yamaタンパク質
またはポリペプチド(および、このタンパク質またはポ
リペプチドをコードする核酸)は、CrmA生物学的活性を
有する因子の一例である。
載のような様式で、Fas誘導アポトーシスを阻害する能
力を有することを意味する。優勢阻害性Yamaタンパク質
またはポリペプチド(および、このタンパク質またはポ
リペプチドをコードする核酸)は、CrmA生物学的活性を
有する因子の一例である。
【0085】アポトーシスに適用されるとき、用語「阻
む」または「阻害する」は、細胞死数の減少、または1
つの細胞または複数細胞の生存期間の延長を意味するこ
とが意図される。それらはまた、通常アポトーシスに関
連する形態学的および/または生化学的変化の出現の減
少または遅延を意味することが意図される。従って、ア
ポトーシス細胞死の「増大」は、細胞死の総数の増加、
または細胞の生存期間の減少を意味する。「増大」はま
た、細胞のアポトーシス因子との接触後、アポトーシス
に通常関連する形態学的および/または生化学的変化の
出現に対する時間の減少を意味する。アポトーシスは、
プログラム細胞死(PCD)と見なされ、多数の形態学的
変化および生物化学的変化によって検出され得、そして
モニターされ得る。これらの変化をモニターおよび検出
するために有用である方法は、光学顕微鏡法、潜在的お
よび実際の腫瘍のダブリングタイム間の測定、放射標識
DNA前駆体の消失、DNA断片化の測定、またはFCMによる
測定を包含する。これらの方法は、VermesおよびHaanen
の「健康および疾患におけるアポトーシスおよびプログ
ラム細胞死(Apoptosis and Programmed Cell Death in
Health and Disease)」Adv. in Clin. Chem. (1994)3
1:177-246、および本明細書中に引用される参考文献に
総説されている。光学顕微鏡法、および実際の腫瘍容積
ダブリングタイムに対する潜在的腫瘍ダブリングタイム
は、哺乳動物の病理学において最も適用される。この状
況に使用されるときの「阻害」は、アポトーシスまたは
PCDを経る細胞数の減少、あるいは、細胞またはコント
ロール集団に比較して処理細胞集団の生存期間または増
殖速度の増加を意味する。「増大」は、アポトーシスま
たはPCDを経る細胞数の増加、あるいは、細胞またはコ
ントロール集団に比較して処理細胞集団の生存期間また
は増殖速度の減少を意味する。「処理細胞」は、タンパ
ク質または抗体に曝されたか、あるいは、任意数の方法
によって本発明の核酸分子がその中に挿入された、細胞
または細胞集団である。
む」または「阻害する」は、細胞死数の減少、または1
つの細胞または複数細胞の生存期間の延長を意味するこ
とが意図される。それらはまた、通常アポトーシスに関
連する形態学的および/または生化学的変化の出現の減
少または遅延を意味することが意図される。従って、ア
ポトーシス細胞死の「増大」は、細胞死の総数の増加、
または細胞の生存期間の減少を意味する。「増大」はま
た、細胞のアポトーシス因子との接触後、アポトーシス
に通常関連する形態学的および/または生化学的変化の
出現に対する時間の減少を意味する。アポトーシスは、
プログラム細胞死(PCD)と見なされ、多数の形態学的
変化および生物化学的変化によって検出され得、そして
モニターされ得る。これらの変化をモニターおよび検出
するために有用である方法は、光学顕微鏡法、潜在的お
よび実際の腫瘍のダブリングタイム間の測定、放射標識
DNA前駆体の消失、DNA断片化の測定、またはFCMによる
測定を包含する。これらの方法は、VermesおよびHaanen
の「健康および疾患におけるアポトーシスおよびプログ
ラム細胞死(Apoptosis and Programmed Cell Death in
Health and Disease)」Adv. in Clin. Chem. (1994)3
1:177-246、および本明細書中に引用される参考文献に
総説されている。光学顕微鏡法、および実際の腫瘍容積
ダブリングタイムに対する潜在的腫瘍ダブリングタイム
は、哺乳動物の病理学において最も適用される。この状
況に使用されるときの「阻害」は、アポトーシスまたは
PCDを経る細胞数の減少、あるいは、細胞またはコント
ロール集団に比較して処理細胞集団の生存期間または増
殖速度の増加を意味する。「増大」は、アポトーシスま
たはPCDを経る細胞数の増加、あるいは、細胞またはコ
ントロール集団に比較して処理細胞集団の生存期間また
は増殖速度の減少を意味する。「処理細胞」は、タンパ
ク質または抗体に曝されたか、あるいは、任意数の方法
によって本発明の核酸分子がその中に挿入された、細胞
または細胞集団である。
【0086】本明細書中で使用されるプロYamaタンパク
質、活性化Yama、p20 Yamaおよびp11 Yamaは、野生型ま
たは天然に存在するタンパク質、ならびに変異体(例え
ば、優勢阻害性Yama)、アナログ、生物学的等価物、お
よびそれらのフラグメントを包含することが意図され
る。いくつかの実施態様では、その用語はまた、抗Yama
抗体および抗イディオタイプ抗体、ならびに抗体または
抗体フラグメントを含むキメラを包含する。
質、活性化Yama、p20 Yamaおよびp11 Yamaは、野生型ま
たは天然に存在するタンパク質、ならびに変異体(例え
ば、優勢阻害性Yama)、アナログ、生物学的等価物、お
よびそれらのフラグメントを包含することが意図され
る。いくつかの実施態様では、その用語はまた、抗Yama
抗体および抗イディオタイプ抗体、ならびに抗体または
抗体フラグメントを含むキメラを包含する。
【0087】タンパク質およびポリペプチド 本発明は、天然環境から精製されたあるいは組換え的に
得られた、プロYama、p20 Yama、p11 Yama、活性化Yam
a、および変異体Yamaと呼ばれるタンパク質あるいはポ
リペプチド、ならびにそれらの生物学的等価物を提供す
る。生物学的等価物は、本明細書に記載のアッセイによ
って決定されるような、同一かあるいは本質的に類似す
る生物学的活性を有するタンパク質またはポリペプチド
である。特に同定されないとき、用語Yamaタンパク質ま
たはポリペプチドは、本明細書中に記載の全ての型およ
び生物学的等価物を包含すべきである。タンパク質およ
びポリペプチドは、動物源(例えば、ラット、ニワト
リ、ヒト、またはマウス)から精製され得る。組換え型
は、多数の原核生物および真核生物の組換え系から得ら
得るか、あるいは、化学合成され得る。本発明はさら
に、アポトーシスを阻害しない変異体CrmAタンパク質を
提供する。
得られた、プロYama、p20 Yama、p11 Yama、活性化Yam
a、および変異体Yamaと呼ばれるタンパク質あるいはポ
リペプチド、ならびにそれらの生物学的等価物を提供す
る。生物学的等価物は、本明細書に記載のアッセイによ
って決定されるような、同一かあるいは本質的に類似す
る生物学的活性を有するタンパク質またはポリペプチド
である。特に同定されないとき、用語Yamaタンパク質ま
たはポリペプチドは、本明細書中に記載の全ての型およ
び生物学的等価物を包含すべきである。タンパク質およ
びポリペプチドは、動物源(例えば、ラット、ニワト
リ、ヒト、またはマウス)から精製され得る。組換え型
は、多数の原核生物および真核生物の組換え系から得ら
得るか、あるいは、化学合成され得る。本発明はさら
に、アポトーシスを阻害しない変異体CrmAタンパク質を
提供する。
【0088】プロYamaは、「活性化」に際して、PARPを
切断して85kDa型をつくる、チモーゲンである。1つに
実施態様において、プロYamaは、PAGEで測定されるよう
に約32kDaの見かけの分子量を有する。別の実施態様に
おいては、それは、図2に示される277アミノ酸配列を
有する。活性化Yamaは、p20 Yamaおよびp11 Yamaからな
るとして本明細書中で示される2つのサブユニットから
なる。このサブユニットの実際の分子量は、それぞれ、
図38および図42に示されるように、17および12kDa
である。プロYamaは、ICEによってアスパラギン酸の後
で切断されて、p20およびp11サブユニットからなる活性
化Yamaを形成する。従って、本発明はまた、天然環境か
ら精製されるか、または組換え的に得られるp20 Yamaお
よびp11 Yamaを提供する。活性化Yama(p20 Yamaおよび
p11 Yama)は、Fas関連アポトーシスのようなFasレセプ
ター経路に関連する細胞機能を調整する生物学的または
機能的能力を有することに特徴づけられる組み合わせに
おいて、ヘテロ二量体ポリペプチドである。特に、p20
Yamaおよびp11 Yamaヘテロ二量体は、適切な細胞でアポ
トーシスを促進し、その活性は、CrmAで阻害されるが、
変異体CrmAでは阻害されない。それらはまた、CrmAと阻
害性複合体を形成するが、変異体CrmAとは形成しない。
切断して85kDa型をつくる、チモーゲンである。1つに
実施態様において、プロYamaは、PAGEで測定されるよう
に約32kDaの見かけの分子量を有する。別の実施態様に
おいては、それは、図2に示される277アミノ酸配列を
有する。活性化Yamaは、p20 Yamaおよびp11 Yamaからな
るとして本明細書中で示される2つのサブユニットから
なる。このサブユニットの実際の分子量は、それぞれ、
図38および図42に示されるように、17および12kDa
である。プロYamaは、ICEによってアスパラギン酸の後
で切断されて、p20およびp11サブユニットからなる活性
化Yamaを形成する。従って、本発明はまた、天然環境か
ら精製されるか、または組換え的に得られるp20 Yamaお
よびp11 Yamaを提供する。活性化Yama(p20 Yamaおよび
p11 Yama)は、Fas関連アポトーシスのようなFasレセプ
ター経路に関連する細胞機能を調整する生物学的または
機能的能力を有することに特徴づけられる組み合わせに
おいて、ヘテロ二量体ポリペプチドである。特に、p20
Yamaおよびp11 Yamaヘテロ二量体は、適切な細胞でアポ
トーシスを促進し、その活性は、CrmAで阻害されるが、
変異体CrmAでは阻害されない。それらはまた、CrmAと阻
害性複合体を形成するが、変異体CrmAとは形成しない。
【0089】本発明の1つの実施態様において、活性化
Yamaタンパク質をコードするDNAの過剰発現は、アポト
ーシスを促進する。このようなタンパク質の例は、限定
されないが、p20 Yamaおよびp11 Yamaを包含する。別の
実施態様において、p20 Yamaもしくはp11 Yamaタンパク
質またはその等価物の生物学的活性は、本明細書中に記
載されるCrmAによって阻害され得るが、変異体CrmAには
阻害されない。CrmA遺伝子または核酸は、Pickupら(198
6) PNAS 83:7698-7702に記載されるように、天然あるい
は本来の供給源から単離され得る。当業者は、Tewariら
(1995) J. Biol. Chem. 270:3255-3260に開示される方
法、あるいは下記の方法を用いて、タンパク質の生物学
的活性がCrmAによって阻害されるとき、および阻害され
るか否かを決定し得る。
Yamaタンパク質をコードするDNAの過剰発現は、アポト
ーシスを促進する。このようなタンパク質の例は、限定
されないが、p20 Yamaおよびp11 Yamaを包含する。別の
実施態様において、p20 Yamaもしくはp11 Yamaタンパク
質またはその等価物の生物学的活性は、本明細書中に記
載されるCrmAによって阻害され得るが、変異体CrmAには
阻害されない。CrmA遺伝子または核酸は、Pickupら(198
6) PNAS 83:7698-7702に記載されるように、天然あるい
は本来の供給源から単離され得る。当業者は、Tewariら
(1995) J. Biol. Chem. 270:3255-3260に開示される方
法、あるいは下記の方法を用いて、タンパク質の生物学
的活性がCrmAによって阻害されるとき、および阻害され
るか否かを決定し得る。
【0090】YamaおよびYamaサブユニットは、Chiangお
よびRoeder(1993) Peptide Research 6(2):62-64に開示
される方法を用いて、293T(ATCC)細胞で高度に発現され
るエピトープ標識体(epitope tagged versions)を用い
ることによって、適切な細胞溶解物から単離され得る。
よびRoeder(1993) Peptide Research 6(2):62-64に開示
される方法を用いて、293T(ATCC)細胞で高度に発現され
るエピトープ標識体(epitope tagged versions)を用い
ることによって、適切な細胞溶解物から単離され得る。
【0091】本発明によってさらに、精製または組換え
産生されたプロYama、活性化Yama、p20 Yama、またはp1
1 Yama、あるいは図2に示されるアミノ酸配列を有する
タンパク質のポリペプチドフラグメントが提供される。
これらのペプチドは、アポトーシスを促進する型(活性
化Yama)へ活性化されるか、または、活性化細胞でアポ
トーシスを促進し得るかのいずれかにより特徴づけられ
る。このようなフラグメントの1つは、ペンタペプチド
QACRGであり、ここで、システインが触媒性である。
産生されたプロYama、活性化Yama、p20 Yama、またはp1
1 Yama、あるいは図2に示されるアミノ酸配列を有する
タンパク質のポリペプチドフラグメントが提供される。
これらのペプチドは、アポトーシスを促進する型(活性
化Yama)へ活性化されるか、または、活性化細胞でアポ
トーシスを促進し得るかのいずれかにより特徴づけられ
る。このようなフラグメントの1つは、ペンタペプチド
QACRGであり、ここで、システインが触媒性である。
【0092】上記に定義されたYamaタンパク質の機能的
等価物はまた、本発明の範囲内であることは理解され
る。例示目的のみのために、機能的等価物としては、Ya
ma融合タンパク質6×His-Yamaまたはアミノ酸以外の化
学構造を有するもの、任意の精製プロYamaの生物学的活
性を機能的に模倣するもの、その対立遺伝子変異体、活
性化Yama、精製p20 Yama、精製p11 Yama、それらの組換
えホモログ、あるいは図2に示されるアミノ酸配列を有
するタンパク質(「アナログ」)で、対応の精製または
組換えのタンパク質またはポリペプチドの生物学的活性
をとどめるものが挙げられる。アナログのさらなる例
は、Yamaまたはそのフラグメントに結合される別のタン
パク質またはポリプチド(例えば、GST融合タンパク
質)を含有するタンパク質またはポリペプチドであり、
図2に示されるアミノ酸配列由来の本発明のタンパク質
の一次配列を変える等価物である。しかし、本発明の1
つの実施態様において、CPP32β、Mch2、Ced-3、Nedd-
2、TX/ICH2、ICE rel-III、およびICE-rel IIと呼ばれ
るタンパク質は、特に除外される(Fernandes-Alnemri
ら(1994) J. Biol. Chem.269:30761-30764を参照のこ
と。)活性化Yamaまたはp20および/またはp11 YamaのC
rmAへの結合を阻害する能力を有することで特徴付けら
れる因子もまた、本発明によって提供される。このよう
な因子は、限定されないが、抗CrmA抗体、または任意の
CrmAの優勢阻害性フラグメント、あるいは、p20、p11ま
たはプロYamaを包含する。本発明の「優勢阻害性フラグ
メント」は、限定されないが、それぞれ、細胞内CrmAま
たはp20およびp11 Yamaヘテロ二量体複合体に、不可逆
的に結合するムテインを包含することが意図される。Ya
maの優勢阻害性ムテインの例は、p20およびプロYama中
の機能的に重要なシステイン配列QACRGが、アラニンま
たはメチオニンに変異されているものである。これらの
変異体は、それらのアポトーシス能力を欠くが、依然と
して、それらの基質に結合し、そのことによって内因性
の本来のYamaおよびその生物学的活性または機能を阻害
する。これらのYamaムテインは、図2に示されるアミノ
酸配列、および、本明細書中に提供される方法の変法お
よび後出のHiguchiら(1988)の方法によって作成され得
る。
等価物はまた、本発明の範囲内であることは理解され
る。例示目的のみのために、機能的等価物としては、Ya
ma融合タンパク質6×His-Yamaまたはアミノ酸以外の化
学構造を有するもの、任意の精製プロYamaの生物学的活
性を機能的に模倣するもの、その対立遺伝子変異体、活
性化Yama、精製p20 Yama、精製p11 Yama、それらの組換
えホモログ、あるいは図2に示されるアミノ酸配列を有
するタンパク質(「アナログ」)で、対応の精製または
組換えのタンパク質またはポリペプチドの生物学的活性
をとどめるものが挙げられる。アナログのさらなる例
は、Yamaまたはそのフラグメントに結合される別のタン
パク質またはポリプチド(例えば、GST融合タンパク
質)を含有するタンパク質またはポリペプチドであり、
図2に示されるアミノ酸配列由来の本発明のタンパク質
の一次配列を変える等価物である。しかし、本発明の1
つの実施態様において、CPP32β、Mch2、Ced-3、Nedd-
2、TX/ICH2、ICE rel-III、およびICE-rel IIと呼ばれ
るタンパク質は、特に除外される(Fernandes-Alnemri
ら(1994) J. Biol. Chem.269:30761-30764を参照のこ
と。)活性化Yamaまたはp20および/またはp11 YamaのC
rmAへの結合を阻害する能力を有することで特徴付けら
れる因子もまた、本発明によって提供される。このよう
な因子は、限定されないが、抗CrmA抗体、または任意の
CrmAの優勢阻害性フラグメント、あるいは、p20、p11ま
たはプロYamaを包含する。本発明の「優勢阻害性フラグ
メント」は、限定されないが、それぞれ、細胞内CrmAま
たはp20およびp11 Yamaヘテロ二量体複合体に、不可逆
的に結合するムテインを包含することが意図される。Ya
maの優勢阻害性ムテインの例は、p20およびプロYama中
の機能的に重要なシステイン配列QACRGが、アラニンま
たはメチオニンに変異されているものである。これらの
変異体は、それらのアポトーシス能力を欠くが、依然と
して、それらの基質に結合し、そのことによって内因性
の本来のYamaおよびその生物学的活性または機能を阻害
する。これらのYamaムテインは、図2に示されるアミノ
酸配列、および、本明細書中に提供される方法の変法お
よび後出のHiguchiら(1988)の方法によって作成され得
る。
【0093】本発明のタンパク質およびポリペプチド
は、当業者に周知の多数のプロセスによって得られ得
る。それは、精製、化学合成、および組換え法を包含す
る。全長のプロYama、活性化Yama、p20 Yama、およびp1
1 Yamaのタンパク質は、Fas+細胞または組織の溶解物か
ら、適切な抗体による免疫沈降法のような方法、および
標準的な技術(例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマト
グラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティー
クロマトグラフィー)によって、精製され得る。このよ
うな方法論については、Deutscherら、Guide to Protei
n Purification: Methods in Enzymology (1990)第182
巻、Academic Pressを参照のこと。従って、本発明はま
た、本発明のタンパク質およびポリペプチドを得るプロ
セス、ならびに本プロセスにより得られ得るおよび得ら
れる産物もまた、提供する。
は、当業者に周知の多数のプロセスによって得られ得
る。それは、精製、化学合成、および組換え法を包含す
る。全長のプロYama、活性化Yama、p20 Yama、およびp1
1 Yamaのタンパク質は、Fas+細胞または組織の溶解物か
ら、適切な抗体による免疫沈降法のような方法、および
標準的な技術(例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマト
グラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティー
クロマトグラフィー)によって、精製され得る。このよ
うな方法論については、Deutscherら、Guide to Protei
n Purification: Methods in Enzymology (1990)第182
巻、Academic Pressを参照のこと。従って、本発明はま
た、本発明のタンパク質およびポリペプチドを得るプロ
セス、ならびに本プロセスにより得られ得るおよび得ら
れる産物もまた、提供する。
【0094】タンパク質およびポリペプチドはまた、商
業的に入手可能な自動ペプチド合成機(例えば、Applie
d Biosystems, Inc., Foster City, CAによって製造さ
れている Model 430Aまたは431A)、および、図2およ
び図22に示されているアミノ酸配列を使用する化学合
成によって得られ得る。合成されたタンパク質およびポ
リペプチドは沈澱され得、そして、例えば高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)によって、さらに精製され得
る。従って、本発明はまた、タンパク質の配列(例え
ば、Yamaについて図2、および変異体CrmAについて図5
および図22)、および試薬(例えば、アミノ酸および
酵素)を提供すること、ならびに適切な配向および直鎖
状配列でアミノ酸を供給することによって、本発明のタ
ンパク質を化学合成するための方法を提供する。
業的に入手可能な自動ペプチド合成機(例えば、Applie
d Biosystems, Inc., Foster City, CAによって製造さ
れている Model 430Aまたは431A)、および、図2およ
び図22に示されているアミノ酸配列を使用する化学合
成によって得られ得る。合成されたタンパク質およびポ
リペプチドは沈澱され得、そして、例えば高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)によって、さらに精製され得
る。従って、本発明はまた、タンパク質の配列(例え
ば、Yamaについて図2、および変異体CrmAについて図5
および図22)、および試薬(例えば、アミノ酸および
酵素)を提供すること、ならびに適切な配向および直鎖
状配列でアミノ酸を供給することによって、本発明のタ
ンパク質を化学合成するための方法を提供する。
【0095】あるいは、タンパク質およびポリペプチド
は、例えば、SambrookらのMolecular Cloning: A Labor
atory Manual 第2編(Cold Spring Harbor Laboratory
(1989)に記載の周知の組換え法により、例えば、下記
および以下の例示の宿主細胞およびベクター系を使用し
て得られ得る。本発明はさらに、所望のタンパク質をコ
ードする核酸分子(この核酸はRNA転写のプロモーター
に作動可能に連結されている)を含有する宿主細胞を増
殖することによって、プロYama、活性化Yama、p20もし
くはp11 Yamaのタンパク質、アナログ、ムテインまたは
それらのフラグメントを産生するための方法を供給す
る。宿主細胞は適切な条件下で増殖され、その結果、核
酸はタンパク質へ転写および翻訳される。
は、例えば、SambrookらのMolecular Cloning: A Labor
atory Manual 第2編(Cold Spring Harbor Laboratory
(1989)に記載の周知の組換え法により、例えば、下記
および以下の例示の宿主細胞およびベクター系を使用し
て得られ得る。本発明はさらに、所望のタンパク質をコ
ードする核酸分子(この核酸はRNA転写のプロモーター
に作動可能に連結されている)を含有する宿主細胞を増
殖することによって、プロYama、活性化Yama、p20もし
くはp11 Yamaのタンパク質、アナログ、ムテインまたは
それらのフラグメントを産生するための方法を供給す
る。宿主細胞は適切な条件下で増殖され、その結果、核
酸はタンパク質へ転写および翻訳される。
【0096】本発明によってまた、診断方法における使
用のための検出可能な薬剤に結合される、本明細書中に
記載のタンパク質が提供される。例えば、p20およびp11
ヘテロ二量体Yamaを含有する検出可能な標識タンパク質
およびポリペプチドは、カラムに結合され得、そしてCr
mAの検出および精製に使用され得る。それらはまた、下
記の抗体産生のための免疫原として有用である。本発明
のタンパク質およびフラグメントは、アポトーシスのよ
うなFas関連機能を阻害するか、または増大する因子あ
るいは薬物についてスクリーニングするため、および、
この経路に関連する異常(例えば、lps、免疫抑制、CD4
+T細胞の涸渇、および発癌性)に対する可能な治療を
試験するための、インビトロアッセイ系において有用で
ある。
用のための検出可能な薬剤に結合される、本明細書中に
記載のタンパク質が提供される。例えば、p20およびp11
ヘテロ二量体Yamaを含有する検出可能な標識タンパク質
およびポリペプチドは、カラムに結合され得、そしてCr
mAの検出および精製に使用され得る。それらはまた、下
記の抗体産生のための免疫原として有用である。本発明
のタンパク質およびフラグメントは、アポトーシスのよ
うなFas関連機能を阻害するか、または増大する因子あ
るいは薬物についてスクリーニングするため、および、
この経路に関連する異常(例えば、lps、免疫抑制、CD4
+T細胞の涸渇、および発癌性)に対する可能な治療を
試験するための、インビトロアッセイ系において有用で
ある。
【0097】より詳細には、インビトロ細胞法は、TC
R、TNFレセプター、またはFasレセプターのようなアポ
トーシスを媒介するいずれかの細胞表面レセプターを有
する細胞培養物または組織培養物を提供する工程を包含
する。細胞は、条件(温度、増殖または培養培地、およ
び気体(CO2))下で、および、濃度依存的な抑制なしに
指数関数的増殖に達するのに適した時間の間、培養され
る。次に、細胞は、アポトーシスに必要な予備条件に曝
される。例えば、有効量の誘導剤(inducing agent)(例
えば、TCRリガンド、HIV、CTL、SIV、TNF、または抗Fas
抗体のようなFasリガンド)が培養物に添加される。抗F
as抗体およびマイトジェン(ConA)は、当業者に周知で
ある(Itoh, N.ら(1991) Cell 66:233-243およびYoneha
raら(1989) J. Exp. Med. (1989) 169:1747-1756)。そ
して、これらの細胞は、アポトーシスへ「誘導され
る」。細胞は、適切な温度および時間の条件下で、再度
培養される。1つの実施態様においては、HIVあるいはS
IVが、培養物に添加される。その他の実施態様において
は、試験されるべき薬物あるいは薬剤が、濃度を変え
て、誘導剤と同時に、その前に、あるいはその後の時間
に添加される。
R、TNFレセプター、またはFasレセプターのようなアポ
トーシスを媒介するいずれかの細胞表面レセプターを有
する細胞培養物または組織培養物を提供する工程を包含
する。細胞は、条件(温度、増殖または培養培地、およ
び気体(CO2))下で、および、濃度依存的な抑制なしに
指数関数的増殖に達するのに適した時間の間、培養され
る。次に、細胞は、アポトーシスに必要な予備条件に曝
される。例えば、有効量の誘導剤(inducing agent)(例
えば、TCRリガンド、HIV、CTL、SIV、TNF、または抗Fas
抗体のようなFasリガンド)が培養物に添加される。抗F
as抗体およびマイトジェン(ConA)は、当業者に周知で
ある(Itoh, N.ら(1991) Cell 66:233-243およびYoneha
raら(1989) J. Exp. Med. (1989) 169:1747-1756)。そ
して、これらの細胞は、アポトーシスへ「誘導され
る」。細胞は、適切な温度および時間の条件下で、再度
培養される。1つの実施態様においては、HIVあるいはS
IVが、培養物に添加される。その他の実施態様において
は、試験されるべき薬物あるいは薬剤が、濃度を変え
て、誘導剤と同時に、その前に、あるいはその後の時間
に添加される。
【0098】細胞が構成的にYamaを発現するとき、プロ
Yamaの添加は必要でない。その他の実施態様において
は、プロYama核酸分子またはタンパク質を、有効量およ
び細胞が核酸またはタンパク質を内在化する条件下で、
培養物に添加する。いくつかの実施態様においては、IC
EまたはICE核酸の有効量が、プロYamaを活性化するため
に添加される。細胞は、アポトーシスを誘導するために
適切な温度および時間条件下で培養される。細胞は2つ
のサンプルに分割される。最初のセットは、CrmA核酸ま
たはタンパク質が、試験されるべき薬剤の前に、それと
同時に、またはその後に、添加され得る。細胞は、当業
者に周知の方法および本明細書中に記載の方法を用い
て、アポトーシス活性についてアッセイされる。すくな
くとも2つの細胞培養物が、試験集団として処置されな
ければならず、そして維持されなければならないことは
当業者には明らかである。1つは、バックグランド放出
を測定するために誘導剤を添加せずに維持され、第二番
目は、試験されるべき薬剤は添加されない。第二の細胞
集団はコントロールとして作用する。
Yamaの添加は必要でない。その他の実施態様において
は、プロYama核酸分子またはタンパク質を、有効量およ
び細胞が核酸またはタンパク質を内在化する条件下で、
培養物に添加する。いくつかの実施態様においては、IC
EまたはICE核酸の有効量が、プロYamaを活性化するため
に添加される。細胞は、アポトーシスを誘導するために
適切な温度および時間条件下で培養される。細胞は2つ
のサンプルに分割される。最初のセットは、CrmA核酸ま
たはタンパク質が、試験されるべき薬剤の前に、それと
同時に、またはその後に、添加され得る。細胞は、当業
者に周知の方法および本明細書中に記載の方法を用い
て、アポトーシス活性についてアッセイされる。すくな
くとも2つの細胞培養物が、試験集団として処置されな
ければならず、そして維持されなければならないことは
当業者には明らかである。1つは、バックグランド放出
を測定するために誘導剤を添加せずに維持され、第二番
目は、試験されるべき薬剤は添加されない。第二の細胞
集団はコントロールとして作用する。
【0099】組成物および方法のインビトロ使用は、こ
れらの細胞内でのCrmAおよびYama機能のアゴニストある
いはアンタゴニストである薬物についてスクリーニング
するための有力なバイオアッセイを提供する。従って、
アポトーシスを予防するかまたは阻害するために、CrmA
と同様の能力または高まった能力、あるいはアポトーシ
スを誘導するためにYamaと同様の能力を有する薬物につ
いてスクリーニングされ得る。当業者は、この方法が、
アポトーシス的形態学的変化の非存在を注目することに
よって、または、より単純に、細胞死の非存在によって
成功裏に実施され得たとき、測定し得る。本発明の方法
が、個体におけるアポトーシス的細胞死に関連している
被検体の病理学的症状または疾患を処置するのに有用で
あるかどうか決定するためのアッセイもさらに、このイ
ンビトロ方法が提供する。
れらの細胞内でのCrmAおよびYama機能のアゴニストある
いはアンタゴニストである薬物についてスクリーニング
するための有力なバイオアッセイを提供する。従って、
アポトーシスを予防するかまたは阻害するために、CrmA
と同様の能力または高まった能力、あるいはアポトーシ
スを誘導するためにYamaと同様の能力を有する薬物につ
いてスクリーニングされ得る。当業者は、この方法が、
アポトーシス的形態学的変化の非存在を注目することに
よって、または、より単純に、細胞死の非存在によって
成功裏に実施され得たとき、測定し得る。本発明の方法
が、個体におけるアポトーシス的細胞死に関連している
被検体の病理学的症状または疾患を処置するのに有用で
あるかどうか決定するためのアッセイもさらに、このイ
ンビトロ方法が提供する。
【0100】例えば、JurkatのようなT細胞ハイブリド
ーマ細胞株系は、CrmA発現構築物、プロYama、活性化Ya
ma、CrmAまたは変異体Yamaを含有する発現ベクター、あ
るいはベクターのみによって、安定的にトランスフェク
トされ得、そして、クローン細胞系が誘導され得る。エ
レクトロポレーションによるJurkat細胞のトランスフェ
クションは、Lahertyら、J. Biol. Chem.,(1993)263:50
32-5039に記載のように実施され得る。細胞は、51Cr標
識され、そして未処理または抗CD3(細胞株145-2C11(AT
CC)から入手可能である)処理の組織培養プラスティッ
クプレートに播種(5×105/ml)される。非被覆細胞上
で培養された細胞は、バックグランド放出を測定するの
に使用される。細胞死の割合は、培養された後の種々の
時間で、式に従って測定される:実験グループから放出
されたc.p.m.からバックグランド放出c.p.m.を差し引い
た値を、0.5% Triton X-100により放出された(完全に
溶解)c.p.m.からバックグランド放出のc.p.m.を差し引
いた値で除する。次に、薬剤を培養物に添加し、外因的
に添加されるCrmA、Yama、変異体Yamaの核酸またはタン
パク質を伴うか伴わずに、アポトーシスに対する効果に
ついて測定される。上記の方法を用いて、種々の薬剤
が、アポトーシスを阻害する、予防する、または増大す
る能力について、試験され得る。
ーマ細胞株系は、CrmA発現構築物、プロYama、活性化Ya
ma、CrmAまたは変異体Yamaを含有する発現ベクター、あ
るいはベクターのみによって、安定的にトランスフェク
トされ得、そして、クローン細胞系が誘導され得る。エ
レクトロポレーションによるJurkat細胞のトランスフェ
クションは、Lahertyら、J. Biol. Chem.,(1993)263:50
32-5039に記載のように実施され得る。細胞は、51Cr標
識され、そして未処理または抗CD3(細胞株145-2C11(AT
CC)から入手可能である)処理の組織培養プラスティッ
クプレートに播種(5×105/ml)される。非被覆細胞上
で培養された細胞は、バックグランド放出を測定するの
に使用される。細胞死の割合は、培養された後の種々の
時間で、式に従って測定される:実験グループから放出
されたc.p.m.からバックグランド放出c.p.m.を差し引い
た値を、0.5% Triton X-100により放出された(完全に
溶解)c.p.m.からバックグランド放出のc.p.m.を差し引
いた値で除する。次に、薬剤を培養物に添加し、外因的
に添加されるCrmA、Yama、変異体Yamaの核酸またはタン
パク質を伴うか伴わずに、アポトーシスに対する効果に
ついて測定される。上記の方法を用いて、種々の薬剤
が、アポトーシスを阻害する、予防する、または増大す
る能力について、試験され得る。
【0101】別の実施態様においては、CEM(ATCC)と呼
ばれるT細胞株が得られ、そして使用される。なぜな
ら、HIV感染に際してPCDを経ることが示されたからであ
る。CEM細胞は、CrmA発現構築物およびコントロールと
してベクターのみで、エレクトロポレーションによって
トランスフェクトされる。クローン株を誘導し、そし
て、HIVによる種々の感染多重度の割合で、感染され
る。細胞傷害効果を、顕微鏡観察によってアッセイし、
ヨウ化プロピジウム染色後にアポトーシスを定量する。
上記の方法を用いて、種々の薬剤が、アポトーシスを阻
害または予防する能力について試験され得る。
ばれるT細胞株が得られ、そして使用される。なぜな
ら、HIV感染に際してPCDを経ることが示されたからであ
る。CEM細胞は、CrmA発現構築物およびコントロールと
してベクターのみで、エレクトロポレーションによって
トランスフェクトされる。クローン株を誘導し、そし
て、HIVによる種々の感染多重度の割合で、感染され
る。細胞傷害効果を、顕微鏡観察によってアッセイし、
ヨウ化プロピジウム染色後にアポトーシスを定量する。
上記の方法を用いて、種々の薬剤が、アポトーシスを阻
害または予防する能力について試験され得る。
【0102】本発明のタンパク質はまた、滅菌溶液また
は水溶液、薬学的に受容可能なキャリア、懸濁液、およ
びエマルジョンのような種々の液相キャリアと組み合わ
され得る。非水性溶媒の例として、プロピルエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、および植物油が挙
げられる。抗体を調製するために使用されるとき、キャ
リアはまた、特異的免応答を非特異的に増大するために
有用であるアジュバントを包含し得る。当業者は、アジ
ュバントが要求されるかどうかを容易に決定し、そして
1つを選択する。しかし、例示目的のみのために、適切
なアジュバントとして、限定されないが、フロイントの
完全アジュバントおよび不完全アジュバント、ミネラル
塩、およびポリヌクレオチドが挙げられる。
は水溶液、薬学的に受容可能なキャリア、懸濁液、およ
びエマルジョンのような種々の液相キャリアと組み合わ
され得る。非水性溶媒の例として、プロピルエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、および植物油が挙
げられる。抗体を調製するために使用されるとき、キャ
リアはまた、特異的免応答を非特異的に増大するために
有用であるアジュバントを包含し得る。当業者は、アジ
ュバントが要求されるかどうかを容易に決定し、そして
1つを選択する。しかし、例示目的のみのために、適切
なアジュバントとして、限定されないが、フロイントの
完全アジュバントおよび不完全アジュバント、ミネラル
塩、およびポリヌクレオチドが挙げられる。
【0103】本発明はまた、任意のタンパク質、アナロ
グ、ムテイン、ポリペプチドフラグメント、抗体、抗体
フラグメント、または本発明の抗イディオタイプ抗体
の、単独で、またはそれぞれもしくは他の薬剤との組合
わせ、および受容可能なキャリアとの組合せを含有す
る、薬学的組成物を提供する。これらの組成物は、種々
の診断法および治療法において有用である。
グ、ムテイン、ポリペプチドフラグメント、抗体、抗体
フラグメント、または本発明の抗イディオタイプ抗体
の、単独で、またはそれぞれもしくは他の薬剤との組合
わせ、および受容可能なキャリアとの組合せを含有す
る、薬学的組成物を提供する。これらの組成物は、種々
の診断法および治療法において有用である。
【0104】核酸 プロYama、活性化Yama、Yamaムテイン、CrmAムテインア
ナログ、p20またはp11Yamaポリペプチド、抗体、抗イデ
ィオタイプ抗体、および抗体フラグメントに対応するア
ミノ酸配列をコードする核酸分子および単離核酸分子、
ならびにこれらの配列の相補体もまた、本発明によって
提供される。図1、図5、および図22に示されてる配
列に加えて、本発明はまた、アンチセンスポリンクレオ
チド鎖(例えば、アンチセンスRNA)を提供する。アン
チセンスRNAは、例えば、図1に示される配列、およびV
ander Krolら(1988) Bio Techniques 6:958に記載の方
法論を用いて得られ得る。特に同定しない限り、用語
「Yama」核酸は、本明細書中に記載されている全てのYa
ma核酸分子を包含すべきである。
ナログ、p20またはp11Yamaポリペプチド、抗体、抗イデ
ィオタイプ抗体、および抗体フラグメントに対応するア
ミノ酸配列をコードする核酸分子および単離核酸分子、
ならびにこれらの配列の相補体もまた、本発明によって
提供される。図1、図5、および図22に示されてる配
列に加えて、本発明はまた、アンチセンスポリンクレオ
チド鎖(例えば、アンチセンスRNA)を提供する。アン
チセンスRNAは、例えば、図1に示される配列、およびV
ander Krolら(1988) Bio Techniques 6:958に記載の方
法論を用いて得られ得る。特に同定しない限り、用語
「Yama」核酸は、本明細書中に記載されている全てのYa
ma核酸分子を包含すべきである。
【0105】本発明の1つの局面において、Yamaタンパ
ク質あるいはポリペプチドをコードする核酸分子は、図
1に示されている全配列またはその一部であると定義さ
れる。さらに、ペンタペプチドQACRG、ならびに本明細
書中に記載の優勢阻害性ポリペプチドおよびタンパク質
をコードするオリゴヌクレオチドを有する核酸分子が提
供される。これらの核酸分子のDNAおよびRNA相補体もま
た、本発明の範囲内に含まれる。
ク質あるいはポリペプチドをコードする核酸分子は、図
1に示されている全配列またはその一部であると定義さ
れる。さらに、ペンタペプチドQACRG、ならびに本明細
書中に記載の優勢阻害性ポリペプチドおよびタンパク質
をコードするオリゴヌクレオチドを有する核酸分子が提
供される。これらの核酸分子のDNAおよびRNA相補体もま
た、本発明の範囲内に含まれる。
【0106】本発明はまた、上記の核酸分子とは異なる
が、対立遺伝子のような同一表現型効果を与える核酸分
子を包含する。これらの変化したが、しかし表現型的に
等価物な核酸分子を、「等価核酸」という。本発明はま
た、本明細書中で核酸分子と比較されるとき、それから
産生されるポリペプチドの表現型を変えない、非コード
領域での変化に特徴づけられる核酸分子を包含する。本
発明はさらに、ストリンジェンシーな条件下で、本発明
の核酸分子にハイブリダイズする核酸分子を包含する。
図1に示される配列と異なる配列を有するが、増進また
は減少した生物学的活性を有するタンパク質を産生する
核酸分子もまた、本発明の範囲内である。
が、対立遺伝子のような同一表現型効果を与える核酸分
子を包含する。これらの変化したが、しかし表現型的に
等価物な核酸分子を、「等価核酸」という。本発明はま
た、本明細書中で核酸分子と比較されるとき、それから
産生されるポリペプチドの表現型を変えない、非コード
領域での変化に特徴づけられる核酸分子を包含する。本
発明はさらに、ストリンジェンシーな条件下で、本発明
の核酸分子にハイブリダイズする核酸分子を包含する。
図1に示される配列と異なる配列を有するが、増進また
は減少した生物学的活性を有するタンパク質を産生する
核酸分子もまた、本発明の範囲内である。
【0107】1つの実施態様において、CPP32β、Mch
2、Ced-3、Nedd-2、TX/ICH2、ICE-relIII、およびICE-r
el IIと呼ばれるタンパク質をコードする核酸分子は、
特に除外される。
2、Ced-3、Nedd-2、TX/ICH2、ICE-relIII、およびICE-r
el IIと呼ばれるタンパク質をコードする核酸分子は、
特に除外される。
【0108】核酸分子は、細胞において、Yamaをコード
する遺伝子の核酸および/または発現を検出するため
に、検出マーカー(例えば、酵素標識または放射性同位
元素)に結合され得る。簡単には、本発明はさらに、相
補的1本鎖核酸分子のハイブリダイゼーションが可能な
条件(好ましくは、ストリンジェンシーなハイブリダイ
ゼーション条件)下で、少なくともYamaタンパク質の一
部であるアミノ酸配列をコードする1本鎖核酸分子に相
補的である標識された1本鎖核酸分子(プローブまたは
プライマー)に1本鎖核酸分子を接触させることによっ
て、少なくともYamaの一部であるアミノ酸配列をコード
する1本鎖核酸分子を検出するための方法を提供する。
ハイブリダイズした核酸分子は、1本鎖核酸分子と分離
される。ハイブリダイズした分子は、当業者に周知の方
法、および例えば、前出のSambrook(1989)に記載の方法
によって検出される。
する遺伝子の核酸および/または発現を検出するため
に、検出マーカー(例えば、酵素標識または放射性同位
元素)に結合され得る。簡単には、本発明はさらに、相
補的1本鎖核酸分子のハイブリダイゼーションが可能な
条件(好ましくは、ストリンジェンシーなハイブリダイ
ゼーション条件)下で、少なくともYamaタンパク質の一
部であるアミノ酸配列をコードする1本鎖核酸分子に相
補的である標識された1本鎖核酸分子(プローブまたは
プライマー)に1本鎖核酸分子を接触させることによっ
て、少なくともYamaの一部であるアミノ酸配列をコード
する1本鎖核酸分子を検出するための方法を提供する。
ハイブリダイズした核酸分子は、1本鎖核酸分子と分離
される。ハイブリダイズした分子は、当業者に周知の方
法、および例えば、前出のSambrook(1989)に記載の方法
によって検出される。
【0109】本発明の核酸分子は、実施例の節に記載の
方法によって単離され得、PCR(Perkin-Elmer)を用い
て複製され得る。例えば、配列は、オリゴヌクレオチド
合成との組み合わせで、DNA配列の容易な再作成を可能
にするPCRを用いて化学的に複製され得る。PCR技術は、
米国特許第4,683,195号、同第4,800,159号、同第4,754,
065号、および同第4,683,202号の主題であり、PCR: The
Polymerase Chain Reaction Mullisら編、Birkhauser
Press, Boston (1994)および本明細書中に引用される参
考文献に記載されている。あるいは、当業者は、本明細
書中に提供されている配列および市販DNA合成機を使用
してDNA複製し得る。従って、本発明はまた、ポリヌク
レオチド、ヌクレオチド、適切なプライマー分子、酵素
のような化学物質、ならびに、ポリヌクレオチドを得る
ための適切な配向でのそれらの複製およびヌクレオチド
を化学的に複製または連結するための指示を提供するこ
とにより、本発明のポリヌクレオチドを得るためのプロ
セスを提供する。別の実施態様においては、これらのポ
リヌクレオチドもさらに単離される。さらに、当業者
は、複製および増幅のために、核酸を適切な複製ベクタ
ーに挿入し得、そしてそのベクターを適切な宿主細胞
(ヒトB細胞またはBJABまたは293 T細胞)に挿入し得
る。増幅されたDNAは、当業者に周知の方法によって細
胞から単離され得る。核酸分子がこの方法によって得ら
れるプロセスもさらに、本明細書中に提供され、ならび
に、核酸分子も得られる。
方法によって単離され得、PCR(Perkin-Elmer)を用い
て複製され得る。例えば、配列は、オリゴヌクレオチド
合成との組み合わせで、DNA配列の容易な再作成を可能
にするPCRを用いて化学的に複製され得る。PCR技術は、
米国特許第4,683,195号、同第4,800,159号、同第4,754,
065号、および同第4,683,202号の主題であり、PCR: The
Polymerase Chain Reaction Mullisら編、Birkhauser
Press, Boston (1994)および本明細書中に引用される参
考文献に記載されている。あるいは、当業者は、本明細
書中に提供されている配列および市販DNA合成機を使用
してDNA複製し得る。従って、本発明はまた、ポリヌク
レオチド、ヌクレオチド、適切なプライマー分子、酵素
のような化学物質、ならびに、ポリヌクレオチドを得る
ための適切な配向でのそれらの複製およびヌクレオチド
を化学的に複製または連結するための指示を提供するこ
とにより、本発明のポリヌクレオチドを得るためのプロ
セスを提供する。別の実施態様においては、これらのポ
リヌクレオチドもさらに単離される。さらに、当業者
は、複製および増幅のために、核酸を適切な複製ベクタ
ーに挿入し得、そしてそのベクターを適切な宿主細胞
(ヒトB細胞またはBJABまたは293 T細胞)に挿入し得
る。増幅されたDNAは、当業者に周知の方法によって細
胞から単離され得る。核酸分子がこの方法によって得ら
れるプロセスもさらに、本明細書中に提供され、ならび
に、核酸分子も得られる。
【0110】RNAは、単離DNAを用い、それを宿主細胞に
適した制御領域に作動可能に連結し、宿主細胞に挿入す
ることによって得られ得る。この目的に適する細胞とし
ては、限定されないが、ヒトB細胞、BJAB、または293
T細胞が挙げられる。DNAは、任意の適切な方法(例え
ば、適切な挿入ベクターの使用またはエレクトロポレー
ション)によって挿入され得る。細胞が複製し、そして
DNAがRNAに転写されるとき、そのRNAは次に、当業者に
周知な方法、例えば、前出のSambrookら(1989)に記載の
ような方法によって、単離され得る。
適した制御領域に作動可能に連結し、宿主細胞に挿入す
ることによって得られ得る。この目的に適する細胞とし
ては、限定されないが、ヒトB細胞、BJAB、または293
T細胞が挙げられる。DNAは、任意の適切な方法(例え
ば、適切な挿入ベクターの使用またはエレクトロポレー
ション)によって挿入され得る。細胞が複製し、そして
DNAがRNAに転写されるとき、そのRNAは次に、当業者に
周知な方法、例えば、前出のSambrookら(1989)に記載の
ような方法によって、単離され得る。
【0111】本発明はさらに、RNA転写プロモーター、
ならびにDNAまたはRNAの複製および/または一時的もし
くは安定な発現のための他の調節配列に作動可能に連結
された核酸分子を提供する。本明細書中で使用される用
語「作動可能に連結された」は、プロモーターが、DNA
分子からRNA転写をめざすような様式に配置されること
を意味する。このようなプロモーターの例は、SP6、T
4、およびT7である。特定の実施態様において、細胞特
異的プロモーターが、挿入核酸分子の細胞特異的発現の
ために使用される。停止コドンおよび選択マーカー配
列、ならびにDNAの挿入断片をプロモーターに作動可能
に連結し得るクローニング部位とともに、プロモーター
またはプロモーター/エンハンサーを含有するベクター
は、当該分野において周知であり、商業的に入手可能で
ある。一般的な方法論およびクローニング戦略について
は、Gene Expression Technology, Goeddel編、Academi
c Press,Inc.,(1991)およびそれに引用されている参考
文献、Vectors: Essential DataSeries GacesaおよびRa
mji編、John Wiley & Sons, N.Y.(1994)を参照のこと。
これは、マップ、機能特性、販売業者、および種々の適
切なベクターのGenEMBLアクセス番号に対する参照を含
む。好ましくは、これらのベクターは、インビトロある
いはインビボでのRNA転写を可能にする。
ならびにDNAまたはRNAの複製および/または一時的もし
くは安定な発現のための他の調節配列に作動可能に連結
された核酸分子を提供する。本明細書中で使用される用
語「作動可能に連結された」は、プロモーターが、DNA
分子からRNA転写をめざすような様式に配置されること
を意味する。このようなプロモーターの例は、SP6、T
4、およびT7である。特定の実施態様において、細胞特
異的プロモーターが、挿入核酸分子の細胞特異的発現の
ために使用される。停止コドンおよび選択マーカー配
列、ならびにDNAの挿入断片をプロモーターに作動可能
に連結し得るクローニング部位とともに、プロモーター
またはプロモーター/エンハンサーを含有するベクター
は、当該分野において周知であり、商業的に入手可能で
ある。一般的な方法論およびクローニング戦略について
は、Gene Expression Technology, Goeddel編、Academi
c Press,Inc.,(1991)およびそれに引用されている参考
文献、Vectors: Essential DataSeries GacesaおよびRa
mji編、John Wiley & Sons, N.Y.(1994)を参照のこと。
これは、マップ、機能特性、販売業者、および種々の適
切なベクターのGenEMBLアクセス番号に対する参照を含
む。好ましくは、これらのベクターは、インビトロある
いはインビボでのRNA転写を可能にする。
【0112】図1に示されているポリヌクレオチドのフ
ラグメントもまた、本発明の範囲内に包含され、好まし
くは少なくとも8ヌクレオチド、より好ましくは少なく
とも10または18ヌクレオチドを有する。これらは、ハイ
ブリダイゼーションプローブおよびPCRプライマーとし
て有用である。
ラグメントもまた、本発明の範囲内に包含され、好まし
くは少なくとも8ヌクレオチド、より好ましくは少なく
とも10または18ヌクレオチドを有する。これらは、ハイ
ブリダイゼーションプローブおよびPCRプライマーとし
て有用である。
【0113】1つの実施態様において、これらのフラグ
メントは、活性化Yama、またはp20Yamaおよびp11 Yama
と呼ばれるタンパク質、およびペンタペプチドQACRGを
コードする核酸分子である。核酸分子は、活性化細胞内
でヘテロ二量体化し、CrmAに結合し、アポトーシスを誘
導するポリペプチドをコードする。このこと、および本
発明のさらなるフラグメントは、本明細書中に記載のよ
うな診断および治療の有用性を有するタンパク質につい
てコードするために有用であり、ならびに、存在し得る
かまたは存在し得ないタンパク質の転写物を同定するた
めのプローブとして有用である。これらのポリヌクレオ
チドフラグメントは、例えば、図1の核酸分子の制限酵
素分解によって調製され得、次に、周知の方法を用い
て、放射性同位元素のような検出マーカーで標識され得
る。あるいは、ランダムフラグメントが、分子のニック
トランスレーションを用いて作成される。このようなフ
ラグメントの調製のおよび標識のための方法論は、Samb
rookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual Cold
Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor, N.Y.(198
9)を参照のこと。ポリヌクレオチドフラグメントもま
た、新規ペプチドを作成するために有用である。次に、
これらのペプチドは、ポリクローナル抗体およびモノク
ローナル抗体を作成するための免疫原として有用であ
る。
メントは、活性化Yama、またはp20Yamaおよびp11 Yama
と呼ばれるタンパク質、およびペンタペプチドQACRGを
コードする核酸分子である。核酸分子は、活性化細胞内
でヘテロ二量体化し、CrmAに結合し、アポトーシスを誘
導するポリペプチドをコードする。このこと、および本
発明のさらなるフラグメントは、本明細書中に記載のよ
うな診断および治療の有用性を有するタンパク質につい
てコードするために有用であり、ならびに、存在し得る
かまたは存在し得ないタンパク質の転写物を同定するた
めのプローブとして有用である。これらのポリヌクレオ
チドフラグメントは、例えば、図1の核酸分子の制限酵
素分解によって調製され得、次に、周知の方法を用い
て、放射性同位元素のような検出マーカーで標識され得
る。あるいは、ランダムフラグメントが、分子のニック
トランスレーションを用いて作成される。このようなフ
ラグメントの調製のおよび標識のための方法論は、Samb
rookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual Cold
Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor, N.Y.(198
9)を参照のこと。ポリヌクレオチドフラグメントもま
た、新規ペプチドを作成するために有用である。次に、
これらのペプチドは、ポリクローナル抗体およびモノク
ローナル抗体を作成するための免疫原として有用であ
る。
【0114】上記のように、本発明の核酸分子は、RNA
転写プロモーター(誘導性または非誘導性プロモータ
ー)に作動可能に連結され得る。これらの核酸分子は、
Yamaタンパク質およびポリペプチドの組換え産生のため
に、あるいは、遺伝子治療用のベクターとして有用であ
る。従って、本発明はまた、挿入される上記の核酸分子
を有するベクター(挿入、複製、あるいは発現ベクタ
ー)、例えば、ウイルスベクター(バクテリオファー
ジ、バキュロウイルス、およびレトロウイルス)、また
はコスミド、プラスミド、YACS、酵母、および他の組換
えベクターを提供する。核酸分子は、当該分野で周知の
方法によって、ベクターゲノム内に挿入される。例え
ば、挿入断片およびベクターDNAはともに、制限酵素に
曝されて、両分子で互いに塩基が対になる相補末端をつ
くり、次いで、リガーゼで連結される。あるいは、合成
核酸リンカーは、ベクターDNAでの制限部位に対応する
挿入DNAに連結され得、次に、特定のヌクレオチド配列
を認識する制限酵素で消化される。さらに、停止コドン
および適切な制限部位を含有するオリゴヌクレオチド
は、例えば、以下のいくつかまたは全てを含有するベク
ターへの挿入のために連結され得る:哺乳動物細胞にお
ける安定または一時的トランスフェクトの選択のための
ネオマイシン遺伝子のような選択マーカー遺伝子;高レ
ベル転写のためのヒトサイトメガロウイルス(CMV)の
極初期遺伝子由来のエンハンサー/プロモーター配列;
mRNA安定性のためのSV40由来の転写停止およびRNAプロ
セッシングシグナル;SV40ポリオーマの複製起点および
適切なエピソーム複製のためのColE1;多目的多重クロ
ーニング部位;および、センスおよびアンチセンスRNA
のインビトロ転写のためのT7およびSP6 RNAプロモータ
ー。
転写プロモーター(誘導性または非誘導性プロモータ
ー)に作動可能に連結され得る。これらの核酸分子は、
Yamaタンパク質およびポリペプチドの組換え産生のため
に、あるいは、遺伝子治療用のベクターとして有用であ
る。従って、本発明はまた、挿入される上記の核酸分子
を有するベクター(挿入、複製、あるいは発現ベクタ
ー)、例えば、ウイルスベクター(バクテリオファー
ジ、バキュロウイルス、およびレトロウイルス)、また
はコスミド、プラスミド、YACS、酵母、および他の組換
えベクターを提供する。核酸分子は、当該分野で周知の
方法によって、ベクターゲノム内に挿入される。例え
ば、挿入断片およびベクターDNAはともに、制限酵素に
曝されて、両分子で互いに塩基が対になる相補末端をつ
くり、次いで、リガーゼで連結される。あるいは、合成
核酸リンカーは、ベクターDNAでの制限部位に対応する
挿入DNAに連結され得、次に、特定のヌクレオチド配列
を認識する制限酵素で消化される。さらに、停止コドン
および適切な制限部位を含有するオリゴヌクレオチド
は、例えば、以下のいくつかまたは全てを含有するベク
ターへの挿入のために連結され得る:哺乳動物細胞にお
ける安定または一時的トランスフェクトの選択のための
ネオマイシン遺伝子のような選択マーカー遺伝子;高レ
ベル転写のためのヒトサイトメガロウイルス(CMV)の
極初期遺伝子由来のエンハンサー/プロモーター配列;
mRNA安定性のためのSV40由来の転写停止およびRNAプロ
セッシングシグナル;SV40ポリオーマの複製起点および
適切なエピソーム複製のためのColE1;多目的多重クロ
ーニング部位;および、センスおよびアンチセンスRNA
のインビトロ転写のためのT7およびSP6 RNAプロモータ
ー。
【0115】本発明のベクター構築物のさらなる例は、
lacプロモーターのようなプロモーター、および、転写
開始のためのShine-Dalgarno配列および開始コドンAUG
を含む、細菌発現ベクターである(SambrookらA(1989)
前出)。同様に、真核生物発現ベクターは、RNAポリメ
ラーゼIIの異種または同種プロモーター、下流ポリアデ
ニル化シグナル、開始コドンAUG、および、リボソーム
から脱離のための停止コドンである。このようなベクタ
ーは、商業的に入手され得るか、または、本明細書中に
記載の配列を用いて組み立てられ得る。本発明の1つの
実施態様においては、発現ベクターは、T細胞に特異的
に標的づけられるべきである。これらの方法について
は、DNAがT細胞において高度に活性であるプロモータ
ーに作動可能に連結されることが、意図される。このよ
うなプロモーターとして、限定されないが、IFN-α;IL
-2;IL-3;IL-4;IL-5;IL-9;IL-10;TNF-β;GM-CS
F;CD4、CD8およびIL-2プロモーターが挙げられる。
lacプロモーターのようなプロモーター、および、転写
開始のためのShine-Dalgarno配列および開始コドンAUG
を含む、細菌発現ベクターである(SambrookらA(1989)
前出)。同様に、真核生物発現ベクターは、RNAポリメ
ラーゼIIの異種または同種プロモーター、下流ポリアデ
ニル化シグナル、開始コドンAUG、および、リボソーム
から脱離のための停止コドンである。このようなベクタ
ーは、商業的に入手され得るか、または、本明細書中に
記載の配列を用いて組み立てられ得る。本発明の1つの
実施態様においては、発現ベクターは、T細胞に特異的
に標的づけられるべきである。これらの方法について
は、DNAがT細胞において高度に活性であるプロモータ
ーに作動可能に連結されることが、意図される。このよ
うなプロモーターとして、限定されないが、IFN-α;IL
-2;IL-3;IL-4;IL-5;IL-9;IL-10;TNF-β;GM-CS
F;CD4、CD8およびIL-2プロモーターが挙げられる。
【0116】これらの核酸を含有する発現ベクターは、
本明細書中に記載のYamaタンパク質およびポリペプチ
ド、ならびに変異体CrmAのようなタンパク質を産生する
ための宿主ベクター系を得るために有用である。これら
の発現ベクターは、エピソームまたは染色体DNAの必須
部分のいずれかとして、宿主生物中で複製されなければ
ならないことは当然である。適切な発現ベクターとし
て、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイ
ルス、コスミドなどを含むウイルスベクターが挙げられ
る。アデノウイルスベクターは、それらの高レベル発
現、および、インビトロおよびインビボ両方での効率的
な細胞の形質転換のために、インビボで遺伝子を組織に
導入するために特に有用である。核酸が適切な宿主細胞
(例えば、原核生物または真核生物細胞)に挿入され、
その宿主細胞が複製するとき、タンパク質が組換え的に
産生され得る。適切な宿主細胞は、ベクターに依存し、
周知の方法を用いて構築された、哺乳動物細胞、動物細
胞、ヒト細胞、サル細胞、昆虫細胞、酵母細胞、および
細菌細胞を包含し得る。前出のSambrookら(1989)を参照
のこと。外因性核酸の細胞への挿入のためのウイルスベ
クターの使用に加えて、核酸は、細菌細胞に対する形質
転換;哺乳動物細胞に対するリン酸カルシウム沈殿物を
用いるトランスフェクション;または、DEAE−デキスト
ラン;エレクトロポレーション:または、マイクロイン
ジェクションのような当該分野で周知の方法によって、
宿主細胞へ挿入され得る。この方法論については前出の
Sambrookら(1989)を参照のこと。従って、本発明はま
た、宿主細胞、例えば、Yamaタンパク質もしくはポリペ
プチドをコードする核酸分子、またはYamaタンパク質も
しくはポリペプチドもしくは抗体を含有する哺乳動物細
胞、動物細胞(ラットまたはマウス)、ヒト細胞、また
は細菌細胞を提供する。
本明細書中に記載のYamaタンパク質およびポリペプチ
ド、ならびに変異体CrmAのようなタンパク質を産生する
ための宿主ベクター系を得るために有用である。これら
の発現ベクターは、エピソームまたは染色体DNAの必須
部分のいずれかとして、宿主生物中で複製されなければ
ならないことは当然である。適切な発現ベクターとし
て、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイ
ルス、コスミドなどを含むウイルスベクターが挙げられ
る。アデノウイルスベクターは、それらの高レベル発
現、および、インビトロおよびインビボ両方での効率的
な細胞の形質転換のために、インビボで遺伝子を組織に
導入するために特に有用である。核酸が適切な宿主細胞
(例えば、原核生物または真核生物細胞)に挿入され、
その宿主細胞が複製するとき、タンパク質が組換え的に
産生され得る。適切な宿主細胞は、ベクターに依存し、
周知の方法を用いて構築された、哺乳動物細胞、動物細
胞、ヒト細胞、サル細胞、昆虫細胞、酵母細胞、および
細菌細胞を包含し得る。前出のSambrookら(1989)を参照
のこと。外因性核酸の細胞への挿入のためのウイルスベ
クターの使用に加えて、核酸は、細菌細胞に対する形質
転換;哺乳動物細胞に対するリン酸カルシウム沈殿物を
用いるトランスフェクション;または、DEAE−デキスト
ラン;エレクトロポレーション:または、マイクロイン
ジェクションのような当該分野で周知の方法によって、
宿主細胞へ挿入され得る。この方法論については前出の
Sambrookら(1989)を参照のこと。従って、本発明はま
た、宿主細胞、例えば、Yamaタンパク質もしくはポリペ
プチドをコードする核酸分子、またはYamaタンパク質も
しくはポリペプチドもしくは抗体を含有する哺乳動物細
胞、動物細胞(ラットまたはマウス)、ヒト細胞、また
は細菌細胞を提供する。
【0117】上記の宿主ベクター系を使用して、組換え
Yama、アナログ、ムテイン、または抗Yama抗体、または
それらの活性フラグメントまたは変異体CrmAを産生およ
び/または得るためのプロセスが、本明細書中に記載の
宿主細胞を、Yamaまたは抗Yamaタンパク質、ポリペプチ
ド、または抗体をコードする核酸が発現されるような適
切な条件下で増殖することにより提供される。適切な条
件は、当業者に周知の方法を用いて決定され得る。例え
ば、前出のSambrookら(1989)を参照のこと。次に、組換
え産物は、細胞抽出物から精製される。従って、本発明
はさらに、外因的に加えられた本発明の核酸分子を有す
る宿主細胞、ならびに、本発明のタンパク質、ポリペプ
チド、および抗体を、上記の工程を実施することによっ
て組換え産生するためのプロセス、ならびに、そのよう
に産生された産物を提供する。
Yama、アナログ、ムテイン、または抗Yama抗体、または
それらの活性フラグメントまたは変異体CrmAを産生およ
び/または得るためのプロセスが、本明細書中に記載の
宿主細胞を、Yamaまたは抗Yamaタンパク質、ポリペプチ
ド、または抗体をコードする核酸が発現されるような適
切な条件下で増殖することにより提供される。適切な条
件は、当業者に周知の方法を用いて決定され得る。例え
ば、前出のSambrookら(1989)を参照のこと。次に、組換
え産物は、細胞抽出物から精製される。従って、本発明
はさらに、外因的に加えられた本発明の核酸分子を有す
る宿主細胞、ならびに、本発明のタンパク質、ポリペプ
チド、および抗体を、上記の工程を実施することによっ
て組換え産生するためのプロセス、ならびに、そのよう
に産生された産物を提供する。
【0118】Yama、活性化Yama、抗Yamaタンパク質、Ya
maアンチセンスRNAをコードする核酸を含有するベクタ
ー、YamaアンチセンスRNAまたは抗体をコードする核酸
分子もまた、アポトーシスおよびFas経路に媒介される
免疫異常のような細胞機能を、調整または調節するため
の遺伝子治療に有用である。用語「Fas細胞機能」は、
その細胞外リガンドに対するレセプターの結合によっ
て、すなわち、単独または互いの組み合わせで、影響さ
れる細胞機能を意味する。いくつかの場合、例えば、新
生物または癌細胞で、Fasアポトーシス機能を増大して
アポトーシスを誘導することが望まれる。これは、プロ
YamaならびにICEまたはp20およびp11ヘテロ二量体Yama
タンパク質のような活性化剤、または生物学的活性を有
するポリペプチドおよびタンパク質をコードする核酸分
子を、細胞に導入することによって達成され得る。他の
場合では、Fas細胞機能をダウンレギュレートすること
が望まれる。これは、活性化Yamaまたはp20もしくはp11
Yamaの優勢阻害剤である抗体フラグメント、Yamaアン
チセンスRNA(または、それをコードするDNA)またはCr
mAタンパク質またはこれらの薬剤をコードする核酸分子
を、細胞へ導入することによって達成され得る。さら
に、アンチセンスYama RNAは、プロYamaタンパク質の産
生を阻害するために使用され得る。この治療は、細胞内
のFasシグナル化を阻害または制御し、従って、HIV感染
T細胞でのような、アポトーシス細胞死を回避すべき治
療において有用である。
maアンチセンスRNAをコードする核酸を含有するベクタ
ー、YamaアンチセンスRNAまたは抗体をコードする核酸
分子もまた、アポトーシスおよびFas経路に媒介される
免疫異常のような細胞機能を、調整または調節するため
の遺伝子治療に有用である。用語「Fas細胞機能」は、
その細胞外リガンドに対するレセプターの結合によっ
て、すなわち、単独または互いの組み合わせで、影響さ
れる細胞機能を意味する。いくつかの場合、例えば、新
生物または癌細胞で、Fasアポトーシス機能を増大して
アポトーシスを誘導することが望まれる。これは、プロ
YamaならびにICEまたはp20およびp11ヘテロ二量体Yama
タンパク質のような活性化剤、または生物学的活性を有
するポリペプチドおよびタンパク質をコードする核酸分
子を、細胞に導入することによって達成され得る。他の
場合では、Fas細胞機能をダウンレギュレートすること
が望まれる。これは、活性化Yamaまたはp20もしくはp11
Yamaの優勢阻害剤である抗体フラグメント、Yamaアン
チセンスRNA(または、それをコードするDNA)またはCr
mAタンパク質またはこれらの薬剤をコードする核酸分子
を、細胞へ導入することによって達成され得る。さら
に、アンチセンスYama RNAは、プロYamaタンパク質の産
生を阻害するために使用され得る。この治療は、細胞内
のFasシグナル化を阻害または制御し、従って、HIV感染
T細胞でのような、アポトーシス細胞死を回避すべき治
療において有用である。
【0119】インビボまたはエクスビボでの遺伝子治療
のために使用されるとき、薬学的に受容可能なベクター
は、例えば、複製不能レトロウイルベクターが好まし
い。本発明の核酸を含有する薬学的に受容可能なベクタ
ーは、挿入核酸分子の一時的または安定発現のために、
さらに改変され得る。本明細書で使用される用語「薬学
的に受容可能なベクター」は、限定されないが、選択的
に標的し、そして核酸を分裂細胞に導入する能力を有す
るベクターまたは送達ビヒクルを包含する。このような
ベクターの例は、感染宿主細胞において、ウイルスタン
パク質を産生する能力がなく、ベクターの拡散を不能に
することによって定義される「複製不能」ベクターであ
る。複製不能レトロウイルスベクターの例は、LNL6であ
る(Miller, A.D.ら(1989) Bio Techniques 7:980-99
0)。遺伝子マーカーのレトロウイルス媒介遺伝子転移
のために複製不能レトロウイルスを使用する方法論は、
十分に確立されている(Correllら(1989) PNAS USA 86:
8912; Bordignon (1989), PNASUSA 86:6748-52; Culve
r, K.(1990), PNAS USA 88:3155;および、Rill. D.R.
(1991) Blood 79(10):2694-700)。臨床研究は、ウイル
スベクターに関連する副作用は全くないか、またはほと
んどないことを示した。例えば、Anderson (1992) Scie
nce 256:808-13を参照のこと。
のために使用されるとき、薬学的に受容可能なベクター
は、例えば、複製不能レトロウイルベクターが好まし
い。本発明の核酸を含有する薬学的に受容可能なベクタ
ーは、挿入核酸分子の一時的または安定発現のために、
さらに改変され得る。本明細書で使用される用語「薬学
的に受容可能なベクター」は、限定されないが、選択的
に標的し、そして核酸を分裂細胞に導入する能力を有す
るベクターまたは送達ビヒクルを包含する。このような
ベクターの例は、感染宿主細胞において、ウイルスタン
パク質を産生する能力がなく、ベクターの拡散を不能に
することによって定義される「複製不能」ベクターであ
る。複製不能レトロウイルスベクターの例は、LNL6であ
る(Miller, A.D.ら(1989) Bio Techniques 7:980-99
0)。遺伝子マーカーのレトロウイルス媒介遺伝子転移
のために複製不能レトロウイルスを使用する方法論は、
十分に確立されている(Correllら(1989) PNAS USA 86:
8912; Bordignon (1989), PNASUSA 86:6748-52; Culve
r, K.(1990), PNAS USA 88:3155;および、Rill. D.R.
(1991) Blood 79(10):2694-700)。臨床研究は、ウイル
スベクターに関連する副作用は全くないか、またはほと
んどないことを示した。例えば、Anderson (1992) Scie
nce 256:808-13を参照のこと。
【0120】本発明の核酸分子を含有する組成物もま
た、単離型あるいはベクターまたは宿主細胞内に含有さ
れて、提供される。これらの組成物が、薬学的に使用さ
れるときには、それらは、薬学的に受容可能なキャリア
と組み合わされる。
た、単離型あるいはベクターまたは宿主細胞内に含有さ
れて、提供される。これらの組成物が、薬学的に使用さ
れるときには、それらは、薬学的に受容可能なキャリア
と組み合わされる。
【0121】抗体 本発明により、本発明のタンパク質、ポリペプチドおよ
び核酸分子との複合体を特異的に形成し得る抗体もま
た、提供される。これらは、プロYama、活性化Yama、QA
CRG、優勢阻害性ポリペプチドおよびタンパク質、Yama
のフラグメント(例えば、p20 Yamaおよびp11 Yama)、
ならびに抗体をコードする核酸分子を包含するが、これ
らに限定されない。これらの核酸分子を含有するベクタ
ーおよび宿主細胞もまた、本発明により包含される。用
語「抗体」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナ
ル抗体を包含する。抗体は、マウス抗体、ラット抗体、
ウサギ抗体またはヒト抗体を包含するが、これらに限定
されない。
び核酸分子との複合体を特異的に形成し得る抗体もま
た、提供される。これらは、プロYama、活性化Yama、QA
CRG、優勢阻害性ポリペプチドおよびタンパク質、Yama
のフラグメント(例えば、p20 Yamaおよびp11 Yama)、
ならびに抗体をコードする核酸分子を包含するが、これ
らに限定されない。これらの核酸分子を含有するベクタ
ーおよび宿主細胞もまた、本発明により包含される。用
語「抗体」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナ
ル抗体を包含する。抗体は、マウス抗体、ラット抗体、
ウサギ抗体またはヒト抗体を包含するが、これらに限定
されない。
【0122】本明細書中で使用される「抗体」または
「ポリクローナル抗体」は、抗原またはレセプターでの
免疫に応答して産生され、かつその意図された目的に対
して効果的な特異性および親和性により抗原と反応する
タンパク質を意味する。用語「モノクローナル抗体」
は、単一クローンの細胞由来の免疫グロブリンを意味す
る。このクローン由来のモノクローナル抗体のすべて
は、化学的および構造的に同一であり、そして単一の抗
原決定基に対して特異的である。モノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマ細胞株もまた、本発明の範囲内
である。
「ポリクローナル抗体」は、抗原またはレセプターでの
免疫に応答して産生され、かつその意図された目的に対
して効果的な特異性および親和性により抗原と反応する
タンパク質を意味する。用語「モノクローナル抗体」
は、単一クローンの細胞由来の免疫グロブリンを意味す
る。このクローン由来のモノクローナル抗体のすべて
は、化学的および構造的に同一であり、そして単一の抗
原決定基に対して特異的である。モノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマ細胞株もまた、本発明の範囲内
である。
【0123】ポリクローナル抗体およびモノクローナル
抗体を産生するための実験室方法、ならびにそれらの対
応する核酸配列を推定するための実験室方法は、当該分
野で公知である。HarlowおよびLane、Antibodies;A La
boratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Ne
w York (1988)、米国特許第5,411,749号およびSambrook
ら(1989)前出を参照のこと。本発明のモノクローナル抗
体は、Yamaタンパク質またはそのフラグメントを動物
(例えば、マウスまたはウサギ)に導入することによ
り、生物学的に産生され得る。動物における抗体産生細
胞を単離し、そしてミエローマ細胞またはヘテロミエロ
ーマ細胞と融合し、ハイブリッド細胞またはハイブリド
ーマを作製する。従って、本発明のモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマ細胞もまた、提供される。
抗体を産生するための実験室方法、ならびにそれらの対
応する核酸配列を推定するための実験室方法は、当該分
野で公知である。HarlowおよびLane、Antibodies;A La
boratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Ne
w York (1988)、米国特許第5,411,749号およびSambrook
ら(1989)前出を参照のこと。本発明のモノクローナル抗
体は、Yamaタンパク質またはそのフラグメントを動物
(例えば、マウスまたはウサギ)に導入することによ
り、生物学的に産生され得る。動物における抗体産生細
胞を単離し、そしてミエローマ細胞またはヘテロミエロ
ーマ細胞と融合し、ハイブリッド細胞またはハイブリド
ーマを作製する。従って、本発明のモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマ細胞もまた、提供される。
【0124】従って、Yamaタンパク質またはそのフラグ
メント、および周知の方法を使用して、当業者は、Yama
と結合する能力を有する抗体について、本発明のハイブ
リドーマ細胞および抗体を作製およびスクリーニングし
得る。
メント、および周知の方法を使用して、当業者は、Yama
と結合する能力を有する抗体について、本発明のハイブ
リドーマ細胞および抗体を作製およびスクリーニングし
得る。
【0125】試験されるモノクローナル抗体がYamaタン
パク質またはポリペプチドと結合する場合、試験される
抗体と本発明のハイブリドーマにより提供される抗体と
は等価である。試験される抗体は、本発明のモノクロー
ナル抗体が、Yama(これと、本発明のモノクローナル抗
体が通常反応する)と結合することを妨げるか否かを決
定することにより、本発明のモノクローナル抗体のよう
に、抗体が同じ特異性を有するかを、過度な実験を行う
ことなく、決定することも可能である。本発明のモノク
ローナル抗体による結合の低下により示されるように、
試験される抗体が本発明のモノクローナル抗体と競合す
る場合、2つの抗体は、同じかまたは密接に関連するエ
ピトープに結合するようである。あるいは、本発明のモ
ノクローナル抗体を、それが通常反応するYamaタンパク
質とプレインキュベートし、そして試験されるモノクロ
ーナル抗体が抗原と結合するその能力において阻害され
るか否かを決定し得る。試験されるモノクローナル抗体
が阻害される場合、十中八九、その抗体は、本発明のモ
ノクローナル抗体と同じかまたは密接に関連するエピト
ープ特異性を有する。
パク質またはポリペプチドと結合する場合、試験される
抗体と本発明のハイブリドーマにより提供される抗体と
は等価である。試験される抗体は、本発明のモノクロー
ナル抗体が、Yama(これと、本発明のモノクローナル抗
体が通常反応する)と結合することを妨げるか否かを決
定することにより、本発明のモノクローナル抗体のよう
に、抗体が同じ特異性を有するかを、過度な実験を行う
ことなく、決定することも可能である。本発明のモノク
ローナル抗体による結合の低下により示されるように、
試験される抗体が本発明のモノクローナル抗体と競合す
る場合、2つの抗体は、同じかまたは密接に関連するエ
ピトープに結合するようである。あるいは、本発明のモ
ノクローナル抗体を、それが通常反応するYamaタンパク
質とプレインキュベートし、そして試験されるモノクロ
ーナル抗体が抗原と結合するその能力において阻害され
るか否かを決定し得る。試験されるモノクローナル抗体
が阻害される場合、十中八九、その抗体は、本発明のモ
ノクローナル抗体と同じかまたは密接に関連するエピト
ープ特異性を有する。
【0126】用語「抗体」はまた、すべてのイソタイプ
の抗体を包含することを意図する。モノクローナル抗体
の特定のイソタイプは、最初の融合物からの選択により
直接的に調製され得るか、または、Steplewskiら(1985)
Proc. Natl. Acad. Sci. 82:8653またはSpiraら(1984)
J. Immunol. Methods 74:307に記載される手順を用い
て、クラススイッチ(class switch)変異体を単離するた
めの同胞選抜技術(sibselection technique)を用いるこ
とによって、異なるイソタイプのモノクローナル抗体を
分泌する親のハイブリドーマから間接的に調製され得る
かのいずれかである。
の抗体を包含することを意図する。モノクローナル抗体
の特定のイソタイプは、最初の融合物からの選択により
直接的に調製され得るか、または、Steplewskiら(1985)
Proc. Natl. Acad. Sci. 82:8653またはSpiraら(1984)
J. Immunol. Methods 74:307に記載される手順を用い
て、クラススイッチ(class switch)変異体を単離するた
めの同胞選抜技術(sibselection technique)を用いるこ
とによって、異なるイソタイプのモノクローナル抗体を
分泌する親のハイブリドーマから間接的に調製され得る
かのいずれかである。
【0127】本発明はまた、上記のポリクローナル抗体
およびモノクローナル抗体の生物学的に活性なフラグメ
ントを提供する。これらの「抗体フラグメント」は、そ
の抗原または免疫原と選択的に結合する能力をいくらか
保持している。このような抗体フラグメントは、以下を
包含するが、これらには限定されない: (1)Fab、インタクトな軽鎖および一部分の1つの重鎖を
得るための酵素パパインでの消化により産生される抗体
分子の1価の抗原結合フラグメントを含有するフラグメ
ント; (2)Fab'、インタクトな軽鎖および一部分の重鎖を得る
ために、ペプシンでの処理、およびその後の還元により
得られる抗体分子のフラグメント;抗体1分子あたり2
つのFab'フラグメントが得られる; (3)F(ab')2、その後の還元を伴わない、酵素ペプシンで
の処理により得られる抗体のフラグメント;F(ab')
2は、少なくとも1つのジスルフィド結合により結合し
た2つのFab'フラグメントのダイマーである: (4)Fv、2つの鎖として発現される、軽鎖の可変領域お
よび重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作されたフラグ
メントとして定義される;および (5)SCA、遺伝子的に融合された単鎖分子として、適切な
ポリペプチドリンカーにより連結される、軽鎖の可変領
域、重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作された分子と
して定義される。
およびモノクローナル抗体の生物学的に活性なフラグメ
ントを提供する。これらの「抗体フラグメント」は、そ
の抗原または免疫原と選択的に結合する能力をいくらか
保持している。このような抗体フラグメントは、以下を
包含するが、これらには限定されない: (1)Fab、インタクトな軽鎖および一部分の1つの重鎖を
得るための酵素パパインでの消化により産生される抗体
分子の1価の抗原結合フラグメントを含有するフラグメ
ント; (2)Fab'、インタクトな軽鎖および一部分の重鎖を得る
ために、ペプシンでの処理、およびその後の還元により
得られる抗体分子のフラグメント;抗体1分子あたり2
つのFab'フラグメントが得られる; (3)F(ab')2、その後の還元を伴わない、酵素ペプシンで
の処理により得られる抗体のフラグメント;F(ab')
2は、少なくとも1つのジスルフィド結合により結合し
た2つのFab'フラグメントのダイマーである: (4)Fv、2つの鎖として発現される、軽鎖の可変領域お
よび重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作されたフラグ
メントとして定義される;および (5)SCA、遺伝子的に融合された単鎖分子として、適切な
ポリペプチドリンカーにより連結される、軽鎖の可変領
域、重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作された分子と
して定義される。
【0128】「生物学的に活性な抗体フラグメント」の
特定の例は、抗体のCDR領域およびVH領域を包含する。
これらのフラグメントを作製する方法は、当該分野では
公知である。例えば、HarlowおよびLane、(1988)前出お
よびDaviesら(1995) Bio/Technology 13(5):475-479を
参照のこと。
特定の例は、抗体のCDR領域およびVH領域を包含する。
これらのフラグメントを作製する方法は、当該分野では
公知である。例えば、HarlowおよびLane、(1988)前出お
よびDaviesら(1995) Bio/Technology 13(5):475-479を
参照のこと。
【0129】本発明の抗体はまた、キメラ抗体およびヒ
ト化抗体を創出するために改変され得る(Oiら(1986) B
io Techniques 4(3):214)。キメラ抗体は、抗体の重鎖
および軽鎖の種々のドメインが1種以上に由来するDNA
によりコードされる抗体である。
ト化抗体を創出するために改変され得る(Oiら(1986) B
io Techniques 4(3):214)。キメラ抗体は、抗体の重鎖
および軽鎖の種々のドメインが1種以上に由来するDNA
によりコードされる抗体である。
【0130】本発明のモノクローナル抗体の特異性を有
するモノクローナル抗体を分泌する他のハイブリドーマ
の単離もまた、抗イディオタイプな抗体を産生すること
により、当業者により達成され得る(Herlynら、(1986)
Science 232:100)。抗イディオタイプ抗体は、目的
の抗体により産生されるモノクローナル抗体上に存在す
る独特の決定基を認識する抗体である。これらの決定基
は、抗体の超可変領域内に位置する。所定のエピトープ
に結合するのはこの領域であり、従って、この領域は抗
体の特異性を担う。抗イディオタイプ抗体は、目的のモ
ノクローナル抗体を用いて動物を免疫することにより調
製され得る。免疫された動物は、これらのイディオタイ
プ決定基に対する抗体を産生することにより、免疫する
抗体のイディオタイプ決定基を認識および応答する。第
2の動物の抗イディオタイプ抗体(これは、第2の動物
を免疫するために使用された単一のハイブリドーマによ
り産生されるモノクローナル抗体に特異的である)を使
用することによって、免疫のために使用されるハイブリ
ドーマの抗体と同様のイディオタイプを有する他のクロ
ーンを同定することが現在可能である。
するモノクローナル抗体を分泌する他のハイブリドーマ
の単離もまた、抗イディオタイプな抗体を産生すること
により、当業者により達成され得る(Herlynら、(1986)
Science 232:100)。抗イディオタイプ抗体は、目的
の抗体により産生されるモノクローナル抗体上に存在す
る独特の決定基を認識する抗体である。これらの決定基
は、抗体の超可変領域内に位置する。所定のエピトープ
に結合するのはこの領域であり、従って、この領域は抗
体の特異性を担う。抗イディオタイプ抗体は、目的のモ
ノクローナル抗体を用いて動物を免疫することにより調
製され得る。免疫された動物は、これらのイディオタイ
プ決定基に対する抗体を産生することにより、免疫する
抗体のイディオタイプ決定基を認識および応答する。第
2の動物の抗イディオタイプ抗体(これは、第2の動物
を免疫するために使用された単一のハイブリドーマによ
り産生されるモノクローナル抗体に特異的である)を使
用することによって、免疫のために使用されるハイブリ
ドーマの抗体と同様のイディオタイプを有する他のクロ
ーンを同定することが現在可能である。
【0131】2つのハイブリドーマのモノクローナル抗
体間のイディオタイプの同一性は、2つのモノクローナ
ル抗体が同じエピトープ決定基のそれらの認識に関し
て、同じであることを示す。従って、モノクローナル抗
体上のエピトープ決定基に対する抗体を使用することに
よって、同じエピトープ特異性のモノクローナル抗体を
発現する他のハイブリドーマを同定することが可能であ
る。
体間のイディオタイプの同一性は、2つのモノクローナ
ル抗体が同じエピトープ決定基のそれらの認識に関し
て、同じであることを示す。従って、モノクローナル抗
体上のエピトープ決定基に対する抗体を使用することに
よって、同じエピトープ特異性のモノクローナル抗体を
発現する他のハイブリドーマを同定することが可能であ
る。
【0132】エピトープを模倣するモノクローナル抗体
を産生するために、抗イディオタイプ技術を使用するこ
ともまた可能である。例えば、第1のモノクローナル抗
体に対して作製された抗イディオタイプモノクローナル
抗体は、第1のモノクローナル抗体により結合されるエ
ピトープの鏡像である結合ドメインを超可変領域内に有
する。従って、この例では、抗イディオタイプモノクロ
ーナル抗体は、これらの抗体の産生のための免疫のため
に使用され得た。
を産生するために、抗イディオタイプ技術を使用するこ
ともまた可能である。例えば、第1のモノクローナル抗
体に対して作製された抗イディオタイプモノクローナル
抗体は、第1のモノクローナル抗体により結合されるエ
ピトープの鏡像である結合ドメインを超可変領域内に有
する。従って、この例では、抗イディオタイプモノクロ
ーナル抗体は、これらの抗体の産生のための免疫のため
に使用され得た。
【0133】本発明で使用される用語「エピトープ」
は、本発明のモノクローナル抗体について特異的親和性
を有する任意の決定基を包含することを意味する。エピ
トープ決定基は、通常、化学的に活性な表面の分子群
(例えば、アミノ酸または糖の側鎖)からなり、そして
通常、特異的な3次元構造特徴ならびに特異的な電荷特
徴を有する。
は、本発明のモノクローナル抗体について特異的親和性
を有する任意の決定基を包含することを意味する。エピ
トープ決定基は、通常、化学的に活性な表面の分子群
(例えば、アミノ酸または糖の側鎖)からなり、そして
通常、特異的な3次元構造特徴ならびに特異的な電荷特
徴を有する。
【0134】組換え産生されるか、生化学的に合成され
るか、化学的に合成されるか、または化学的に改変され
たタンパク質またはポリペプチドで、天然のポリクロー
ナル抗体またはモノクローナル抗体に対応する、プロYa
ma、p20 Yama、またはp11 Yama、あるいはそれらのフラ
グメントと結合する能力を保持するタンパク質またはポ
リペプチドもまた、本発明により包含される。
るか、化学的に合成されるか、または化学的に改変され
たタンパク質またはポリペプチドで、天然のポリクロー
ナル抗体またはモノクローナル抗体に対応する、プロYa
ma、p20 Yama、またはp11 Yama、あるいはそれらのフラ
グメントと結合する能力を保持するタンパク質またはポ
リペプチドもまた、本発明により包含される。
【0135】本発明の抗体は、検出可能な薬剤またはハ
プテンに連結され得る。この複合体は、標準的な免疫化
学技術(例えば、HarlowおよびLane (1988)前出により
記載される免疫組織化学)を用いて、サンプル中のFas
レセプターまたはYamaタンパク質またはフラグメントを
検出するために、またはYama-Fasレセプター結合を妨害
する薬剤を検出するために有用である。本発明のモノク
ローナル抗体を利用し得る免疫アッセイのタイプの例
は、直接形式または間接形式のいずれかにおける、競合
的免疫アッセイおよび非競合的免疫アッセイである。こ
のような免疫アッセイの例は、酵素結合免疫アッセイ
(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)およびサンドイッ
チ(免疫測定)アッセイである。本発明のモノクローナ
ル抗体の検出は、生理学的サンプル上での免疫組織化学
的アッセイを包含する、おもて様式(forward forma
t)、うら様式(reverse format)または同時様式(sim
ultaneousmode)のいずれかで行われる免疫アッセイを
利用することで行われ得る。当業者には、過度な実験を
伴わずに他の免疫アッセイ形式が公知であるか、容易に
認められ得る。
プテンに連結され得る。この複合体は、標準的な免疫化
学技術(例えば、HarlowおよびLane (1988)前出により
記載される免疫組織化学)を用いて、サンプル中のFas
レセプターまたはYamaタンパク質またはフラグメントを
検出するために、またはYama-Fasレセプター結合を妨害
する薬剤を検出するために有用である。本発明のモノク
ローナル抗体を利用し得る免疫アッセイのタイプの例
は、直接形式または間接形式のいずれかにおける、競合
的免疫アッセイおよび非競合的免疫アッセイである。こ
のような免疫アッセイの例は、酵素結合免疫アッセイ
(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)およびサンドイッ
チ(免疫測定)アッセイである。本発明のモノクローナ
ル抗体の検出は、生理学的サンプル上での免疫組織化学
的アッセイを包含する、おもて様式(forward forma
t)、うら様式(reverse format)または同時様式(sim
ultaneousmode)のいずれかで行われる免疫アッセイを
利用することで行われ得る。当業者には、過度な実験を
伴わずに他の免疫アッセイ形式が公知であるか、容易に
認められ得る。
【0136】より高感度な結果もまた得られ得る他の技
術は、抗体を低分子量ハプテンにカップリングすること
からなる。次いで、これらのハプテンは、第2の反応に
より特異的に検出され得る。例えば、ビオチン(これ
は、アビジンと反応する)、またはジニトロフェニル(d
initropherryl)、ピリドキサール、およびフルオレセイ
ン(これらは、特異的な抗ハプテン抗体と反応し得る)
のようなハプテンの使用が普通である。HarlowおよびLa
ne (1988)前出を参照のこと。
術は、抗体を低分子量ハプテンにカップリングすること
からなる。次いで、これらのハプテンは、第2の反応に
より特異的に検出され得る。例えば、ビオチン(これ
は、アビジンと反応する)、またはジニトロフェニル(d
initropherryl)、ピリドキサール、およびフルオレセイ
ン(これらは、特異的な抗ハプテン抗体と反応し得る)
のようなハプテンの使用が普通である。HarlowおよびLa
ne (1988)前出を参照のこと。
【0137】本発明のモノクローナル抗体は、多くの異
なるキャリアに結合され得る。従って、本発明はまた、
抗体および他の物質(活性または不活性)を含む組成物
を提供する。周知のキャリアの例は、ガラス、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、
ナイロン、アミラーゼ、天然および改変セルロース、ポ
リアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱を包含す
る。キャリアの性質は、本発明の目的のために、可溶性
または不溶性のいずれかであり得る。当業者は、モノク
ローナル抗体を結合するための他の適切なキャリアにつ
いて知っているか、または日常的な実験を用いて、この
ようなものを確かめ得る。
なるキャリアに結合され得る。従って、本発明はまた、
抗体および他の物質(活性または不活性)を含む組成物
を提供する。周知のキャリアの例は、ガラス、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、
ナイロン、アミラーゼ、天然および改変セルロース、ポ
リアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱を包含す
る。キャリアの性質は、本発明の目的のために、可溶性
または不溶性のいずれかであり得る。当業者は、モノク
ローナル抗体を結合するための他の適切なキャリアにつ
いて知っているか、または日常的な実験を用いて、この
ようなものを確かめ得る。
【0138】当業者に公知な多くの異なる標識および標
識方法がある。本発明において使用され得るこのタイプ
の標識例は、酵素、放射性同位体、蛍光性化合物、コロ
イド金属、ケミルミネッセンス化合物、および生物発光
化合物が包含される。当業者は、モノクローナル抗体を
結合するための他の適切な標識について知っているか、
または日常的な実験を用いて、このようなものを確かめ
得る。さらに、当業者にとっては普通である標準的技術
を用いて、本発明のモノクローナル抗体に対するこれら
の標識の結合が行われ得る。
識方法がある。本発明において使用され得るこのタイプ
の標識例は、酵素、放射性同位体、蛍光性化合物、コロ
イド金属、ケミルミネッセンス化合物、および生物発光
化合物が包含される。当業者は、モノクローナル抗体を
結合するための他の適切な標識について知っているか、
または日常的な実験を用いて、このようなものを確かめ
得る。さらに、当業者にとっては普通である標準的技術
を用いて、本発明のモノクローナル抗体に対するこれら
の標識の結合が行われ得る。
【0139】本発明の目的のために、Yamaは、生物学的
液体および組織において存在する場合、本発明のモノク
ローナル抗体によって検出され得る。検出可能量のYama
を含む細胞または組織の溶解物の任意のサンプルが使用
され得る。
液体および組織において存在する場合、本発明のモノク
ローナル抗体によって検出され得る。検出可能量のYama
を含む細胞または組織の溶解物の任意のサンプルが使用
され得る。
【0140】抗体、そのフラグメントまたは抗体を産生
する細胞株を含む組成物は、本発明に包含される。これ
らの組成物が薬学的に使用される場合、組成物は薬学的
に受容可能なキャリアと一緒にされる。
する細胞株を含む組成物は、本発明に包含される。これ
らの組成物が薬学的に使用される場合、組成物は薬学的
に受容可能なキャリアと一緒にされる。
【0141】組成物 本発明はまた、任意の上記のタンパク質、ムテイン、ポ
リペプチド、核酸分子、ベクター、宿主細胞、抗体およ
びそのフラグメント、ならびに受容可能な固体または液
体キャリアを含む組成物を提供する。組成物が薬学的に
使用される場合、組成物は、診断使用および治療使用の
ための「薬学的に受容可能なキャリア」と一緒にされ
る。これらの組成物はまた、Fasレセプターおよびアポ
トーシス的(apoptotic)経路に関連する病理の診断およ
び処置用の医薬品を調製するために使用され得る。
リペプチド、核酸分子、ベクター、宿主細胞、抗体およ
びそのフラグメント、ならびに受容可能な固体または液
体キャリアを含む組成物を提供する。組成物が薬学的に
使用される場合、組成物は、診断使用および治療使用の
ための「薬学的に受容可能なキャリア」と一緒にされ
る。これらの組成物はまた、Fasレセプターおよびアポ
トーシス的(apoptotic)経路に関連する病理の診断およ
び処置用の医薬品を調製するために使用され得る。
【0142】産業上の適用性 上記の組成物は、適切な細胞においてFas関連アポトー
シスのアゴニストまたはアンタゴニストである薬剤また
は薬学的化合物についてスクリーニングするためのアッ
セイ用の成分を提供する。適切な細胞は、Fas/CD95また
はTNFレセプターを含む細胞であるか、または、内在性
因子(例えば、HIV、CTL、抗TCR抗体、Fasアゴニスト、
TNF、または抗Fas抗体)によりアポトーシスまたはPCD
を誘導する細胞である。1つの実施態様において、これ
らの細胞は、サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)
または細胞死形質導入レセプターであるFasまたはTCRの
いずれかまたはその両者のレセプターを構成的または誘
導的に発現する。そして、これは、それぞれのリガンド
により活性化される。近年、3つの異なる研究者のグル
ープは、Fas誘導アポトーシスはT細胞の死に関与する
ことを報告している。特に、1つのグループは、結合し
た場合、Fasレセプターは潜在的なアポトーシスシグナ
ルを変換し得るが、T細胞ハイブリドーマ上での活性化
の後にFasレセプターが急激に発現されることを示し
た。Fasレセプター−リガンド相互作用は、細胞自律様
式で細胞死を誘導することが示唆された。Dheinら(199
5) Nature373:438-441;Brunnerら(1995) Nature 37
3:441-444;およびJuら(1995) Nature 373:444-448を
参照のこと。
シスのアゴニストまたはアンタゴニストである薬剤また
は薬学的化合物についてスクリーニングするためのアッ
セイ用の成分を提供する。適切な細胞は、Fas/CD95また
はTNFレセプターを含む細胞であるか、または、内在性
因子(例えば、HIV、CTL、抗TCR抗体、Fasアゴニスト、
TNF、または抗Fas抗体)によりアポトーシスまたはPCD
を誘導する細胞である。1つの実施態様において、これ
らの細胞は、サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)
または細胞死形質導入レセプターであるFasまたはTCRの
いずれかまたはその両者のレセプターを構成的または誘
導的に発現する。そして、これは、それぞれのリガンド
により活性化される。近年、3つの異なる研究者のグル
ープは、Fas誘導アポトーシスはT細胞の死に関与する
ことを報告している。特に、1つのグループは、結合し
た場合、Fasレセプターは潜在的なアポトーシスシグナ
ルを変換し得るが、T細胞ハイブリドーマ上での活性化
の後にFasレセプターが急激に発現されることを示し
た。Fasレセプター−リガンド相互作用は、細胞自律様
式で細胞死を誘導することが示唆された。Dheinら(199
5) Nature373:438-441;Brunnerら(1995) Nature 37
3:441-444;およびJuら(1995) Nature 373:444-448を
参照のこと。
【0143】例示のみの目的のために、適切な細胞の例
は、Tリンパ球(T細胞、例えば、TCR+、CD4+およびCD
8+T細胞)、白血球および混合白血球培養物(MLC)、B
リンパ腫細胞(例えば、A202J(ATCC))、末梢血リンパ
球、結腸細胞、小腸細胞、卵巣細胞、精巣細胞、前立腺
細胞、胸腺細胞、脾臓細胞、腎臓細胞、肝臓細胞、新生
物細胞、カルシノーマ細胞、肺細胞または脳細胞を包含
する。これらは、それぞれ哺乳動物種(例えば、マウ
ス、ラット、サルまたはヒト)由来の細胞である。
は、Tリンパ球(T細胞、例えば、TCR+、CD4+およびCD
8+T細胞)、白血球および混合白血球培養物(MLC)、B
リンパ腫細胞(例えば、A202J(ATCC))、末梢血リンパ
球、結腸細胞、小腸細胞、卵巣細胞、精巣細胞、前立腺
細胞、胸腺細胞、脾臓細胞、腎臓細胞、肝臓細胞、新生
物細胞、カルシノーマ細胞、肺細胞または脳細胞を包含
する。これらは、それぞれ哺乳動物種(例えば、マウ
ス、ラット、サルまたはヒト)由来の細胞である。
【0144】以下にさらに詳細に記載されるように、タ
ンパク質およびそのフラグメントは、Fasレセプター経
路およびアポトーシスを阻害するかまたは増強するかの
いずれかの薬剤および薬学的化合物についてスクリーニ
ングするため、およびこの経路に関連する障害(例え
ば、lps、免疫抑制、CD4+T細胞の涸渇および発ガン)
のための可能な治療を試験するための無細胞インビトロ
アッセイ系および細胞性インビトロアッセイ系において
有用である。胚発生もまた、調整され得る。
ンパク質およびそのフラグメントは、Fasレセプター経
路およびアポトーシスを阻害するかまたは増強するかの
いずれかの薬剤および薬学的化合物についてスクリーニ
ングするため、およびこの経路に関連する障害(例え
ば、lps、免疫抑制、CD4+T細胞の涸渇および発ガン)
のための可能な治療を試験するための無細胞インビトロ
アッセイ系および細胞性インビトロアッセイ系において
有用である。胚発生もまた、調整され得る。
【0145】無細胞スクリーニングは、本質的に下記に
示されるように行われる。例えば、有効量のプロYama
は、反応緩衝液中で37℃でICEとともにインキュベート
することにより活性化される。活性化後、反応液を2つ
の部分に分割する。一方の部分に、試験すべき薬剤の有
効量を添加する。もう一方に、有効量のCrmAを添加す
る。各反応混合物を、約30分間インキュベートする。有
効量のPARPを各混合液に添加し、そして溶液を、有効量
の時間または約2時間、37℃でさらにインキュベートす
る。このインキュベーション後、各反応混合物からのサ
ンプルを、抗PARPモノクローナル抗体(例えば、C-2-1
0)を用いる免疫ブロッティングにより、またはゲル電
気泳動により分析し、PARPがその特徴的な85kDa型に切
断されるのをこの薬剤が阻害するかどうか調べる。この
85kDa型の存在は、薬剤が阻害性薬剤でないことの指標
である。そして、この85kDa型が存在しないことは、薬
剤がFas関連機能(例えば、アポトーシス)を阻害する
ための候補物であることの指標である。本方法はまた、
PARPを有効量のU1-70kDaタンパク質に置き換えることに
よっても実施され得る。40kDa型への切断(これは、抗
体の使用により検出され得る)は、薬剤がアポトーシス
を阻害する候補物でないことを示す。
示されるように行われる。例えば、有効量のプロYama
は、反応緩衝液中で37℃でICEとともにインキュベート
することにより活性化される。活性化後、反応液を2つ
の部分に分割する。一方の部分に、試験すべき薬剤の有
効量を添加する。もう一方に、有効量のCrmAを添加す
る。各反応混合物を、約30分間インキュベートする。有
効量のPARPを各混合液に添加し、そして溶液を、有効量
の時間または約2時間、37℃でさらにインキュベートす
る。このインキュベーション後、各反応混合物からのサ
ンプルを、抗PARPモノクローナル抗体(例えば、C-2-1
0)を用いる免疫ブロッティングにより、またはゲル電
気泳動により分析し、PARPがその特徴的な85kDa型に切
断されるのをこの薬剤が阻害するかどうか調べる。この
85kDa型の存在は、薬剤が阻害性薬剤でないことの指標
である。そして、この85kDa型が存在しないことは、薬
剤がFas関連機能(例えば、アポトーシス)を阻害する
ための候補物であることの指標である。本方法はまた、
PARPを有効量のU1-70kDaタンパク質に置き換えることに
よっても実施され得る。40kDa型への切断(これは、抗
体の使用により検出され得る)は、薬剤がアポトーシス
を阻害する候補物でないことを示す。
【0146】本発明により、これらの方法により検出さ
れる薬剤、それらをコードする核酸分子、ならびに本明
細書中に記載される治療方法においてこれらの薬剤およ
び核酸分子の使用もまた、包含される。当業者には明ら
かであるように、上記の組成物は、市販の入手可能なス
クリーニング用キットを提供するために、使用説明書と
一緒にされ得る。
れる薬剤、それらをコードする核酸分子、ならびに本明
細書中に記載される治療方法においてこれらの薬剤およ
び核酸分子の使用もまた、包含される。当業者には明ら
かであるように、上記の組成物は、市販の入手可能なス
クリーニング用キットを提供するために、使用説明書と
一緒にされ得る。
【0147】上記の方法はまた、例えば、CrmAと比較し
て、アポトーシスを防止または阻害する同程度または高
い能力を有する薬物についてスクリーニングを可能にす
る。
て、アポトーシスを防止または阻害する同程度または高
い能力を有する薬物についてスクリーニングを可能にす
る。
【0148】細胞のインビトロ方法において、適切な細
胞培養物または組織培養物が提供される。これらの細胞
を、条件(温度、増殖または培養培地およびガス(C
O2))下、そして適当量の時間培養し、密度依存性拘束
(density dependent constraints)を伴わずに指数関数
的増殖を得る。次いで、細胞は、アポトーシスに必要な
予備的な条件に、例えば、有効量の誘導因子(例えば、
TCRリガンド、HIV、SIV、TNF、CTL、またはFasリガンド
(例えば、抗Fas抗体))が培養物に添加されて曝され
る。抗Fas抗体およびマイトジェン(ConA)は、当業者
には周知である(Itoh, N.ら(1991) Cell 66:233-243
およびYoneharaら(1989) J.Exp. Med. 169:1747-175
6)。これらの細胞が、現在アポトーシスに「誘導」さ
れる。あるいは、細胞を、Yama核酸および薬剤でのトラ
ンスフェクション後、誘導因子と接触させ得る。細胞
を、適切な温度および時間条件下で再度培養する。この
系においてアポトーシスを阻害すると考えられる薬剤の
有効量を、細胞培養物に添加する。例えば、プロYama、
p20 Yamaまたはp11 Yamaをコードする核酸分子の有効量
を、核酸を挿入するために細胞または組織の培養物と接
触させる。あるいは、有効量のポリペプチドまたはタン
パク質の産物を細胞培養物に添加する。細胞を、挿入さ
れた核酸分子の発現のために再度培養する。次いで、試
験すべき薬剤の有効量を、種々の濃度で細胞または組織
培養物に添加する。細胞がYamaを構成的に発現する別の
実施態様において、この方法は、細胞の添加を伴わずに
実施され得る。
胞培養物または組織培養物が提供される。これらの細胞
を、条件(温度、増殖または培養培地およびガス(C
O2))下、そして適当量の時間培養し、密度依存性拘束
(density dependent constraints)を伴わずに指数関数
的増殖を得る。次いで、細胞は、アポトーシスに必要な
予備的な条件に、例えば、有効量の誘導因子(例えば、
TCRリガンド、HIV、SIV、TNF、CTL、またはFasリガンド
(例えば、抗Fas抗体))が培養物に添加されて曝され
る。抗Fas抗体およびマイトジェン(ConA)は、当業者
には周知である(Itoh, N.ら(1991) Cell 66:233-243
およびYoneharaら(1989) J.Exp. Med. 169:1747-175
6)。これらの細胞が、現在アポトーシスに「誘導」さ
れる。あるいは、細胞を、Yama核酸および薬剤でのトラ
ンスフェクション後、誘導因子と接触させ得る。細胞
を、適切な温度および時間条件下で再度培養する。この
系においてアポトーシスを阻害すると考えられる薬剤の
有効量を、細胞培養物に添加する。例えば、プロYama、
p20 Yamaまたはp11 Yamaをコードする核酸分子の有効量
を、核酸を挿入するために細胞または組織の培養物と接
触させる。あるいは、有効量のポリペプチドまたはタン
パク質の産物を細胞培養物に添加する。細胞を、挿入さ
れた核酸分子の発現のために再度培養する。次いで、試
験すべき薬剤の有効量を、種々の濃度で細胞または組織
培養物に添加する。細胞がYamaを構成的に発現する別の
実施態様において、この方法は、細胞の添加を伴わずに
実施され得る。
【0149】活性化されたYamaまたはp20およびp11 Yam
aの活性は、CrmAにより阻害され得るため、比較として
作用し得る細胞の別の培養物を、薬剤よりはCrmA核酸が
培養物に添加されることを除いて、上記と同一の条件下
で培養する。CrmA核酸またはタンパク質が有効量で培養
物に添加され、そして細胞を、アポトーシスを阻害する
適切な温度および時間条件下で培養される。CrmA核酸ま
たはタンパク質は、誘導因子に先だって、誘導因子と同
時に、または誘導因子の後で添加され得る。
aの活性は、CrmAにより阻害され得るため、比較として
作用し得る細胞の別の培養物を、薬剤よりはCrmA核酸が
培養物に添加されることを除いて、上記と同一の条件下
で培養する。CrmA核酸またはタンパク質が有効量で培養
物に添加され、そして細胞を、アポトーシスを阻害する
適切な温度および時間条件下で培養される。CrmA核酸ま
たはタンパク質は、誘導因子に先だって、誘導因子と同
時に、または誘導因子の後で添加され得る。
【0150】さらに別の細胞培養物を維持することもま
た、所望される;1つは、バックグラウンド放出を測定
するために、誘導因子を添加しないものであり、もう1
つは、試験すべき薬剤を添加しないものである。
た、所望される;1つは、バックグラウンド放出を測定
するために、誘導因子を添加しないものであり、もう1
つは、試験すべき薬剤を添加しないものである。
【0151】次いで、細胞の各サンプルを、当業者に周
知であり、本明細書中に記載される方法を用いてアポト
ーシス活性についてアッセイする。本スクリーニングの
例を以下に提供する。
知であり、本明細書中に記載される方法を用いてアポト
ーシス活性についてアッセイする。本スクリーニングの
例を以下に提供する。
【0152】本明細書中で提供される組成物は、Fasに
調節されるアポトーシスまたは細胞の増殖および分化を
防止もしくは阻害することにより、Fasレセプター経路
およびこの経路に関連する細胞機能を調整するのに有用
である。本明細書中で使用する用語「Fasレセプターに
媒介または調整される細胞機能」には、その細胞外およ
び/または細胞内リガンドに対するFasまたはFas/TNFレ
セプター複合体の結合に関連する任意の細胞応答または
機能が含まれ得る。アポトーシス細胞死は、このような
応答の1つである。
調節されるアポトーシスまたは細胞の増殖および分化を
防止もしくは阻害することにより、Fasレセプター経路
およびこの経路に関連する細胞機能を調整するのに有用
である。本明細書中で使用する用語「Fasレセプターに
媒介または調整される細胞機能」には、その細胞外およ
び/または細胞内リガンドに対するFasまたはFas/TNFレ
セプター複合体の結合に関連する任意の細胞応答または
機能が含まれ得る。アポトーシス細胞死は、このような
応答の1つである。
【0153】細胞機能(例えば、アポトーシス的な細胞
死)を調整する方法が、本明細書中で提供される。これ
らの方法は、被験体(例えば、動物またはヒト)に有効
量のプロYama、活性化Yama、p20および/またはp11 Yam
aの核酸、抗体またはタンパク質を投与する工程を包含
する。あるいは、この方法は、阻害性の核酸、抗体また
はタンパク質を用いて実施され得る。細胞機能がアポト
ーシス細胞死の増大である場合、プロYamaまたはp20お
よびp11 Yamaをコードする核酸分子またはそれらのタン
パク質産物の有効量が被験体に投与され得る。細胞機能
がアポトーシス細胞死の阻害または防止である場合、ア
ンチセンスYama RNA、抗Yama抗体フラグメント、優勢な
阻害性Yama、CrmAをコードする核酸分子、またはそれら
のタンパク質産物の有効量が被験体に投与される。
死)を調整する方法が、本明細書中で提供される。これ
らの方法は、被験体(例えば、動物またはヒト)に有効
量のプロYama、活性化Yama、p20および/またはp11 Yam
aの核酸、抗体またはタンパク質を投与する工程を包含
する。あるいは、この方法は、阻害性の核酸、抗体また
はタンパク質を用いて実施され得る。細胞機能がアポト
ーシス細胞死の増大である場合、プロYamaまたはp20お
よびp11 Yamaをコードする核酸分子またはそれらのタン
パク質産物の有効量が被験体に投与され得る。細胞機能
がアポトーシス細胞死の阻害または防止である場合、ア
ンチセンスYama RNA、抗Yama抗体フラグメント、優勢な
阻害性Yama、CrmAをコードする核酸分子、またはそれら
のタンパク質産物の有効量が被験体に投与される。
【0154】インビボで実施される場合、組成物および
方法は、レセプター関連の機能障害を患っているか、ま
たは患う傾向のある被験体または個体おいてFasレセプ
ターに誘導される機能を調整または調節するために、あ
るいは異常なリンパ球の死(例えば、HIV感染に関連す
るCD4+T細胞の涸渇)を患っているか、または患う傾向
にある被験体もしくは個体におけるT細胞の生存性およ
び機能を維持するために特に有用である。本方法がヒト
患者においてインビボで実施される場合、誘導因子を提
供する必要はない。なぜなら、誘導因子が、患者の免疫
系から提供されるからである。本方法がインビボで実施
される場合、運搬ベクター、ポリペプチド、ポリペプチ
ド等価物、または発現ベクターは、薬学的に受容可能な
キャリアに添加され、そして被験体、例えば、ヒト患者
または動物(例えば、マウス、モルモット、サル、ウサ
ギまたはラット)に全身投与され得る。あるいは、腫瘍
内へのマイクロインジェクションまたは局所的投与によ
り細胞内に直接注入され得る。T細胞を標的化するため
のT細胞特異的リガンドを含む融合タンパク質もまた、
構築され得る。このようなT細胞特異的リガンドは、抗
CD3、抗CD4、抗CD28および抗IL-1レセプターの抗体を包
含するが、これらには限定されない。
方法は、レセプター関連の機能障害を患っているか、ま
たは患う傾向のある被験体または個体おいてFasレセプ
ターに誘導される機能を調整または調節するために、あ
るいは異常なリンパ球の死(例えば、HIV感染に関連す
るCD4+T細胞の涸渇)を患っているか、または患う傾向
にある被験体もしくは個体におけるT細胞の生存性およ
び機能を維持するために特に有用である。本方法がヒト
患者においてインビボで実施される場合、誘導因子を提
供する必要はない。なぜなら、誘導因子が、患者の免疫
系から提供されるからである。本方法がインビボで実施
される場合、運搬ベクター、ポリペプチド、ポリペプチ
ド等価物、または発現ベクターは、薬学的に受容可能な
キャリアに添加され、そして被験体、例えば、ヒト患者
または動物(例えば、マウス、モルモット、サル、ウサ
ギまたはラット)に全身投与され得る。あるいは、腫瘍
内へのマイクロインジェクションまたは局所的投与によ
り細胞内に直接注入され得る。T細胞を標的化するため
のT細胞特異的リガンドを含む融合タンパク質もまた、
構築され得る。このようなT細胞特異的リガンドは、抗
CD3、抗CD4、抗CD28および抗IL-1レセプターの抗体を包
含するが、これらには限定されない。
【0155】本発明はまた、AIDS患者のリンパ球の死ま
たは免疫抑制を防ぐために特に有用である。アポトーシ
スを防止または阻害することにより、細胞死が防止され
るだけでなく、細胞に機能性(例えば、免疫増殖能)が
回復され、そして応答性免疫系が持続または回復され
る。従って、本発明の組成物および方法は、HIVの感染
性および複製を防止または阻害する組成物および方法と
適切に組み合わされる。
たは免疫抑制を防ぐために特に有用である。アポトーシ
スを防止または阻害することにより、細胞死が防止され
るだけでなく、細胞に機能性(例えば、免疫増殖能)が
回復され、そして応答性免疫系が持続または回復され
る。従って、本発明の組成物および方法は、HIVの感染
性および複製を防止または阻害する組成物および方法と
適切に組み合わされる。
【0156】本方法はまた、Lumら(1993) Bone Marrow
Transplantation 12:565-571に記載の方法の変法また
は米国特許第5,399,346号に記載の方法の変法を用い
て、エクスビボで実施され得る。一般的に、細胞(例え
ば、骨髄細胞またはMLC)のサンプルは、被験体または
動物から、当業者に周知の方法を用いてから取り出され
得る。有効量のCrmAまたはYamaの核酸分子または発現ベ
クターが細胞に添加され、そしてこの細胞は、細胞によ
り核酸を内在化するに好ましい条件下で培養される。次
いで、形質転換細胞を、有効量でそして適切な薬学的な
組成物およびキャリアと組み合わせて、同一の被験体も
しくは動物(自系の)または同じ種の1つ(同種異系
の)に戻されるか、または再導入される。
Transplantation 12:565-571に記載の方法の変法また
は米国特許第5,399,346号に記載の方法の変法を用い
て、エクスビボで実施され得る。一般的に、細胞(例え
ば、骨髄細胞またはMLC)のサンプルは、被験体または
動物から、当業者に周知の方法を用いてから取り出され
得る。有効量のCrmAまたはYamaの核酸分子または発現ベ
クターが細胞に添加され、そしてこの細胞は、細胞によ
り核酸を内在化するに好ましい条件下で培養される。次
いで、形質転換細胞を、有効量でそして適切な薬学的な
組成物およびキャリアと組み合わせて、同一の被験体も
しくは動物(自系の)または同じ種の1つ(同種異系
の)に戻されるか、または再導入される。
【0157】あるいは、哺乳動物または患者から単離し
た新鮮な末梢血単核細胞(MNC)を、Ficoll-Hypaque密
度勾配遠心分離により赤血球および好中球から分離す
る。次いで、MNCを洗浄し、計数し、そして約1×106細
胞/ウェルで24ウェル組織培養プレート内で、2mMグル
タミン、50U/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシ
ン、2.5μg/mlファンギゾンおよび25〜1,000U/mlのIL-2
(Cetus)を有するAIM-V(GIBCO)からなるAIM-V中で培
養した。細胞を、加湿したインキュベーター内で、5%
CO2で37℃にて培養した。
た新鮮な末梢血単核細胞(MNC)を、Ficoll-Hypaque密
度勾配遠心分離により赤血球および好中球から分離す
る。次いで、MNCを洗浄し、計数し、そして約1×106細
胞/ウェルで24ウェル組織培養プレート内で、2mMグル
タミン、50U/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシ
ン、2.5μg/mlファンギゾンおよび25〜1,000U/mlのIL-2
(Cetus)を有するAIM-V(GIBCO)からなるAIM-V中で培
養した。細胞を、加湿したインキュベーター内で、5%
CO2で37℃にて培養した。
【0158】T細胞が増殖を開始した後、CrmAまたはYa
maの核酸分子を含有する適切な挿入ベクターを細胞と接
触させて、Yama核酸を増殖細胞に挿入する。細胞のトラ
ンスフェクションを複数回行うことが、必要であり得
る。細胞を、さらに2〜7日間、新鮮培地とともに、そ
して細胞が指数関数的増殖を回復する条件下で維持す
る。約0.1〜2.5×1010個のT細胞(または、全培養物の
80%)が、哺乳動物または患者に注入され、そして残っ
た細胞は、将来の注入のために低温保存され得る。細胞
のサンプルはまた、Yama核酸分子の挿入のサザン分析お
よびノーザン分析を用いるその発現のために取り出され
得る。
maの核酸分子を含有する適切な挿入ベクターを細胞と接
触させて、Yama核酸を増殖細胞に挿入する。細胞のトラ
ンスフェクションを複数回行うことが、必要であり得
る。細胞を、さらに2〜7日間、新鮮培地とともに、そ
して細胞が指数関数的増殖を回復する条件下で維持す
る。約0.1〜2.5×1010個のT細胞(または、全培養物の
80%)が、哺乳動物または患者に注入され、そして残っ
た細胞は、将来の注入のために低温保存され得る。細胞
のサンプルはまた、Yama核酸分子の挿入のサザン分析お
よびノーザン分析を用いるその発現のために取り出され
得る。
【0159】インビボおよびエクスビボの目的のため
に、本明細書中で使用される用語「投与する」は、被験
体に、Fas関連の細胞機能を調整する(例えば、標的細
胞のアポトーシスを防止、阻害または増大させる)に有
効的な核酸分子またはポリペプチドの有効量を提供する
ことを意味する。薬学的組成物を投与する方法は、当業
者には周知であり、そしてマイクロインジェクション、
静脈内投与または非経口投与を包含するが、これらに限
定されない。組成物は、局所(topical)投与、経口投
与、または局部(local)投与、ならびに静脈内投与、経
皮投与、または筋肉内投与が意図される。投与は、処置
課程全体において連続的または断続的に行われ得る。投
与の最も有効な手段および用量を決定する方法は、当業
者には周知であり、そして治療のために使用されるベク
ター、治療のために使用されるポリペプチドまたはタン
パク質、治療目的、処置される標的細胞、および処置さ
れる被験体により変化する。単回投与または多数投与
が、処置する医師によって選択される用量レベルおよび
用量パターンで実施され得る。例えば、組成物は、アポ
トーシスに関連する疾患または病状を既に患っている被
験体に事前に投与され得る。この状況において、組成物
の有効な「治療量」は、アポトーシスおよびそれに付随
する病理(例えば、HIV感染個体における免疫抑制)を
防止するか、また少なくとも部分的に抑止するために投
与される。
に、本明細書中で使用される用語「投与する」は、被験
体に、Fas関連の細胞機能を調整する(例えば、標的細
胞のアポトーシスを防止、阻害または増大させる)に有
効的な核酸分子またはポリペプチドの有効量を提供する
ことを意味する。薬学的組成物を投与する方法は、当業
者には周知であり、そしてマイクロインジェクション、
静脈内投与または非経口投与を包含するが、これらに限
定されない。組成物は、局所(topical)投与、経口投
与、または局部(local)投与、ならびに静脈内投与、経
皮投与、または筋肉内投与が意図される。投与は、処置
課程全体において連続的または断続的に行われ得る。投
与の最も有効な手段および用量を決定する方法は、当業
者には周知であり、そして治療のために使用されるベク
ター、治療のために使用されるポリペプチドまたはタン
パク質、治療目的、処置される標的細胞、および処置さ
れる被験体により変化する。単回投与または多数投与
が、処置する医師によって選択される用量レベルおよび
用量パターンで実施され得る。例えば、組成物は、アポ
トーシスに関連する疾患または病状を既に患っている被
験体に事前に投与され得る。この状況において、組成物
の有効な「治療量」は、アポトーシスおよびそれに付随
する病理(例えば、HIV感染個体における免疫抑制)を
防止するか、また少なくとも部分的に抑止するために投
与される。
【0160】しかし、アポトーシス関連性疾患発症の疑
いまたは危険性のある被験体あるいは個体にこの組成物
を投与して病理学的細胞死を防止し得る。1つの実施態
様において、HIV関連リンパ球機能異常の疑いのある被
験体にこの組成物を投与して、リンパ球細胞の機能およ
び生存性を維持し得る。これらの実施態様において、組
成物の「治療有効量」が、細胞の生存性および機能をほ
ぼ感染前のレベルに維持するように投与される。
いまたは危険性のある被験体あるいは個体にこの組成物
を投与して病理学的細胞死を防止し得る。1つの実施態
様において、HIV関連リンパ球機能異常の疑いのある被
験体にこの組成物を投与して、リンパ球細胞の機能およ
び生存性を維持し得る。これらの実施態様において、組
成物の「治療有効量」が、細胞の生存性および機能をほ
ぼ感染前のレベルに維持するように投与される。
【0161】本発明の組成物および方法は、被験体また
は個体における望ましくない細胞死を防止または阻害す
ることにより、細胞のアポトーシスにより特徴づけられ
る疾患に関連する症状を処置、防止または改善するため
の方法をまた提供することはいうまでもない。このよう
な疾患としては、AIDS、急性および慢性炎症性疾患、白
血病、心筋梗塞、発作(stroke)、外傷性脳傷害、神経変
性疾患、筋肉変性疾患、老化、腫瘍誘導性の悪液質およ
び脱毛症が挙げられるが、これらに限定されない。
は個体における望ましくない細胞死を防止または阻害す
ることにより、細胞のアポトーシスにより特徴づけられ
る疾患に関連する症状を処置、防止または改善するため
の方法をまた提供することはいうまでもない。このよう
な疾患としては、AIDS、急性および慢性炎症性疾患、白
血病、心筋梗塞、発作(stroke)、外傷性脳傷害、神経変
性疾患、筋肉変性疾患、老化、腫瘍誘導性の悪液質およ
び脱毛症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0162】本発明はまた、アポトーシスを防止または
阻害し、適切な細胞中の細胞の機能および生存性を維持
するために使用され得る医薬品、または標的細胞の望ま
しくない死により特徴づけられる疾患の処置のために使
用され得る医薬品の調製に有用な、ベクターおよひタン
パク質組成物を提供する。
阻害し、適切な細胞中の細胞の機能および生存性を維持
するために使用され得る医薬品、または標的細胞の望ま
しくない死により特徴づけられる疾患の処置のために使
用され得る医薬品の調製に有用な、ベクターおよひタン
パク質組成物を提供する。
【0163】本発明の組成物および方法を、CrmA、抗イ
ディオ型TCR抗体、アンタゴニストおよびFasレセプター
の使用のような、他の適切な組成物および治療と組み合
わせることもまた意図される。
ディオ型TCR抗体、アンタゴニストおよびFasレセプター
の使用のような、他の適切な組成物および治療と組み合
わせることもまた意図される。
【0164】本発明の1つの局面は、牛痘ウイルスCrmA
遺伝子産物が、細胞表面レセプターのそのリガンド(例
えば、TCRリガンド、CTR、HIV、FasリガンドまたはTN
F)への結合により誘導されるアポトーシスの、非常に
強力なインヒビターであるという本出願人らの発見に基
づく。
遺伝子産物が、細胞表面レセプターのそのリガンド(例
えば、TCRリガンド、CTR、HIV、FasリガンドまたはTN
F)への結合により誘導されるアポトーシスの、非常に
強力なインヒビターであるという本出願人らの発見に基
づく。
【0165】CrmAタンパク質の標的として唯一報告され
ているのは、システインプロテアーゼインターロイキン
-1β転換酵素(ICE)である。TNF経路およびFas経路を利
用する1つの実施態様において;CrmAは、死を刺激する
薬理学的用量においてさえ、細胞死プログラムをブロッ
クし得る。CrmAは牛痘ウイルス遺伝子であり、サーピン
(serpin)ファミリーのプロテアーゼインヒビターをコー
ドする。CrmAの核酸配列および対応するアミノ酸配列は
既に報告されており(Pickupら、Proc. Natl. Acad. Sc
i. (1986) 83:7698-7702)、そしてこれを図22に示
す。しかし、本出願人らは、CrmAがアポトーシスの非常
に強力なインヒビターであることを見出した。それゆ
え、CrmAの新たな重要な機能は、リガンド誘導性アポト
ーシスまたはサイトカイン誘導性アポトーシスの防止ま
たは阻害である。さらに、このデータは、ICEまたは関
連するCrmA阻害タンパク質のいずれかのプロテアーゼ
が、Fas誘導性細胞死経路およびTNF誘導性細胞死経路の
構成要素であることを示唆する。したがって、本発明
は、リガンド誘導性アポトーシスまたはサイトカイン誘
導性アポトーシスを防止または阻害するための組成物お
よび方法、アポトーシスを促進または防止または阻害す
る薬物または薬剤の決定についてのアッセイ、アポトー
シスの結果生じる疾患または病理学的状態に関連する症
状(例えばAIDS)を処置または改善するための薬物につい
てのアッセイ、Fas誘導性細胞死経路およびTNF誘導性細
胞死経路に関与するプロテアーゼの検出についてのアッ
セイ、ならびにこの方法を用いて発見したプロテアーゼ
を提供する。
ているのは、システインプロテアーゼインターロイキン
-1β転換酵素(ICE)である。TNF経路およびFas経路を利
用する1つの実施態様において;CrmAは、死を刺激する
薬理学的用量においてさえ、細胞死プログラムをブロッ
クし得る。CrmAは牛痘ウイルス遺伝子であり、サーピン
(serpin)ファミリーのプロテアーゼインヒビターをコー
ドする。CrmAの核酸配列および対応するアミノ酸配列は
既に報告されており(Pickupら、Proc. Natl. Acad. Sc
i. (1986) 83:7698-7702)、そしてこれを図22に示
す。しかし、本出願人らは、CrmAがアポトーシスの非常
に強力なインヒビターであることを見出した。それゆ
え、CrmAの新たな重要な機能は、リガンド誘導性アポト
ーシスまたはサイトカイン誘導性アポトーシスの防止ま
たは阻害である。さらに、このデータは、ICEまたは関
連するCrmA阻害タンパク質のいずれかのプロテアーゼ
が、Fas誘導性細胞死経路およびTNF誘導性細胞死経路の
構成要素であることを示唆する。したがって、本発明
は、リガンド誘導性アポトーシスまたはサイトカイン誘
導性アポトーシスを防止または阻害するための組成物お
よび方法、アポトーシスを促進または防止または阻害す
る薬物または薬剤の決定についてのアッセイ、アポトー
シスの結果生じる疾患または病理学的状態に関連する症
状(例えばAIDS)を処置または改善するための薬物につい
てのアッセイ、Fas誘導性細胞死経路およびTNF誘導性細
胞死経路に関与するプロテアーゼの検出についてのアッ
セイ、ならびにこの方法を用いて発見したプロテアーゼ
を提供する。
【0166】本発明の1つの実施態様において、発現ベ
クターはT細胞を特異的に標的化される。これらの方法
において、CrmA DNAは、T細胞中で非常に活性なプロモ
ーターに作動可能に連結されることが意図される。この
ようなプロモーターとしては、IFN-α、IL-2、IL-3、IL
-4、IL-5、IL-9、IL-10、TNF-β、GM-CSF、CD4、CD8お
よびIL-2プロモーターが挙げられるが、これらに限定さ
れない。
クターはT細胞を特異的に標的化される。これらの方法
において、CrmA DNAは、T細胞中で非常に活性なプロモ
ーターに作動可能に連結されることが意図される。この
ようなプロモーターとしては、IFN-α、IL-2、IL-3、IL
-4、IL-5、IL-9、IL-10、TNF-β、GM-CSF、CD4、CD8お
よびIL-2プロモーターが挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0167】これらの方法は、好ましくはCrmA遺伝子を
用いて実施されるが、CrmA遺伝子のポリペプチド産物お
よびその生物学的等価物は、本発明の方法において有用
であることは当業者には明らかであるはずである。CrmA
遺伝子産物は38kDaタンパク質であり、IL-1βの特異的
なインヒビターであることが知られている。このタンパ
ク質は、Ray,C.A. (1992) Cell 69:597-604に記載のよ
うな天然供給源から精製され得るか、またはPickupら(1
986)(前出)、Rayら(1992)(前出)、およびMoss,B.編(199
0) Virology、2079-2112頁、Raven Press、N.Yに記載の
ような宿主−ベクター系において、上記の発現ベクター
を使用して組換え的に産生され得る。タンパク質は実質
的に純粋な形態で使用される。「実質的に純粋」とは、
タンパク質が天然では通常会合している他の生化学的部
分を実質的に含まないことを意味する。タンパク質はま
た、図9に提供される配列および当業者に周知の方法を
用いて生成され得る。
用いて実施されるが、CrmA遺伝子のポリペプチド産物お
よびその生物学的等価物は、本発明の方法において有用
であることは当業者には明らかであるはずである。CrmA
遺伝子産物は38kDaタンパク質であり、IL-1βの特異的
なインヒビターであることが知られている。このタンパ
ク質は、Ray,C.A. (1992) Cell 69:597-604に記載のよ
うな天然供給源から精製され得るか、またはPickupら(1
986)(前出)、Rayら(1992)(前出)、およびMoss,B.編(199
0) Virology、2079-2112頁、Raven Press、N.Yに記載の
ような宿主−ベクター系において、上記の発現ベクター
を使用して組換え的に産生され得る。タンパク質は実質
的に純粋な形態で使用される。「実質的に純粋」とは、
タンパク質が天然では通常会合している他の生化学的部
分を実質的に含まないことを意味する。タンパク質はま
た、図9に提供される配列および当業者に周知の方法を
用いて生成され得る。
【0168】従って、本発明はまた、本明細書中に記載
の方法における使用のための、CrmAポリペプチド、タン
パク質、それらの生物学的等価物およびこれらを含む融
合タンパク質を提供する。T細胞への標的化された送達
のために、これらのポリペプチドまたはタンパク質を、
標的化抗体(例えば抗CD3または抗CD4)に結合させ得
る。
の方法における使用のための、CrmAポリペプチド、タン
パク質、それらの生物学的等価物およびこれらを含む融
合タンパク質を提供する。T細胞への標的化された送達
のために、これらのポリペプチドまたはタンパク質を、
標的化抗体(例えば抗CD3または抗CD4)に結合させ得
る。
【0169】この方法は、インビトロ、エクスビボまた
はインビボで実施し得る。この方法をインビトロで実施
する場合、発現ベクター、タンパク質、またはポリペプ
チドを、培養細胞に加えるか、または以下に定義するよ
うな薬学的に受容可能なキャリアに加え得る。さらに、
トランスフェクション、エレクトロポレーション、また
はマイクロインジェクションのような周知の技術を用い
て、発現ベクターまたはCrmA DNAを標的細胞中に挿入し
得る。
はインビボで実施し得る。この方法をインビトロで実施
する場合、発現ベクター、タンパク質、またはポリペプ
チドを、培養細胞に加えるか、または以下に定義するよ
うな薬学的に受容可能なキャリアに加え得る。さらに、
トランスフェクション、エレクトロポレーション、また
はマイクロインジェクションのような周知の技術を用い
て、発現ベクターまたはCrmA DNAを標的細胞中に挿入し
得る。
【0170】さらに詳細には、インビトロでの方法は、
TCR、TNFレセプター、またはFasレセプターのようなア
ポトーシスを媒介するいずれかの細胞表面レセプターを
有する細胞培養物または組織培養物を提供する工程を包
含する。これらの細胞を密度依存性拘束を伴わないで指
数増殖を得るのに条件(温度、増殖培地または培養培
地、および気体(CO2))下で適切な時間培養する。次い
で、これらの細胞をアポトーシスに必要な予備条件に曝
す。例えば、TCRリガンド、HIV、SIV、TNF、またはFas
リガンド(例えば抗Fas抗体)のような有効量の誘導剤を
培養物に添加する。抗Fas抗体およびマイトジェン(Con
A)は当業者に周知である(Itoh,Nら(1991) Cell66:233-2
43およびYoneharaら(1989) J. Exp. Med. (1989) 169:1
747-1756)。こうして、これらの細胞はアポトーシスに
「誘導」される。再び細胞を適切な条件(温度および時
間)下で培養する。1つの実施態様においては、HIVまた
はSIVを培養物に加える。他の実施態様においては、試
験されるべき薬物または薬剤を種々の濃度で誘導剤と同
時に、あるいはその前または後に加える。
TCR、TNFレセプター、またはFasレセプターのようなア
ポトーシスを媒介するいずれかの細胞表面レセプターを
有する細胞培養物または組織培養物を提供する工程を包
含する。これらの細胞を密度依存性拘束を伴わないで指
数増殖を得るのに条件(温度、増殖培地または培養培
地、および気体(CO2))下で適切な時間培養する。次い
で、これらの細胞をアポトーシスに必要な予備条件に曝
す。例えば、TCRリガンド、HIV、SIV、TNF、またはFas
リガンド(例えば抗Fas抗体)のような有効量の誘導剤を
培養物に添加する。抗Fas抗体およびマイトジェン(Con
A)は当業者に周知である(Itoh,Nら(1991) Cell66:233-2
43およびYoneharaら(1989) J. Exp. Med. (1989) 169:1
747-1756)。こうして、これらの細胞はアポトーシスに
「誘導」される。再び細胞を適切な条件(温度および時
間)下で培養する。1つの実施態様においては、HIVまた
はSIVを培養物に加える。他の実施態様においては、試
験されるべき薬物または薬剤を種々の濃度で誘導剤と同
時に、あるいはその前または後に加える。
【0171】次いで、CrmA核酸またはタンパク質を有効
量で培養物に加え、そして細胞をアポトーシスを阻害す
るのに適切な条件(温度および時間)下で培養する。CrmA
核酸またはタンパク質を、誘導剤の前に誘導剤と同時
に、またはその後に加え得る。当業者に周知の方法およ
び本明細書に記載の方法を使用して、アポトーシス活性
について細胞をアッセイする。細胞の2つの別々の培養
物を処理して試験集団として維持するべきであることは
当業者に明らかである。一方は誘導剤を与えず維持し、
バックグランド放出を測定する。他方は試験されるべき
薬剤を与えない。後者の細胞集団をコントロールとして
用いる。
量で培養物に加え、そして細胞をアポトーシスを阻害す
るのに適切な条件(温度および時間)下で培養する。CrmA
核酸またはタンパク質を、誘導剤の前に誘導剤と同時
に、またはその後に加え得る。当業者に周知の方法およ
び本明細書に記載の方法を使用して、アポトーシス活性
について細胞をアッセイする。細胞の2つの別々の培養
物を処理して試験集団として維持するべきであることは
当業者に明らかである。一方は誘導剤を与えず維持し、
バックグランド放出を測定する。他方は試験されるべき
薬剤を与えない。後者の細胞集団をコントロールとして
用いる。
【0172】インビトロでの組成物および方法の使用に
より、これらの細胞におけるCrmA機能のアゴニストまた
はアンタゴニストである薬物についてのスクリーニング
のための強力なバイオアッセイが提供される。したがっ
て、アポトーシスを防止または阻害する能力が類似であ
るか、または増強されている薬物についてスクリーニン
グし得る。HIV感染および複製を阻害する能力を有する
薬物についてアッセイすることはまた有用である。なぜ
なら、CD4+細胞は同時並行するウイルス感染によっては
死なないからである。アポトーシスの形態学的変化が生
じないことを留意することにより、またはより簡易に
は、細胞死が生じないことにより、当業者はこの方法が
いつ首尾良く完了されたかを決定し得る。インビトロ法
は、個体におけるアポトーシス細胞死に関連している非
験体の病理学的状態または疾患を処置するために本発明
の方法が有用であるかどうかを決定するアッセイをさら
に提供する。
より、これらの細胞におけるCrmA機能のアゴニストまた
はアンタゴニストである薬物についてのスクリーニング
のための強力なバイオアッセイが提供される。したがっ
て、アポトーシスを防止または阻害する能力が類似であ
るか、または増強されている薬物についてスクリーニン
グし得る。HIV感染および複製を阻害する能力を有する
薬物についてアッセイすることはまた有用である。なぜ
なら、CD4+細胞は同時並行するウイルス感染によっては
死なないからである。アポトーシスの形態学的変化が生
じないことを留意することにより、またはより簡易に
は、細胞死が生じないことにより、当業者はこの方法が
いつ首尾良く完了されたかを決定し得る。インビトロ法
は、個体におけるアポトーシス細胞死に関連している非
験体の病理学的状態または疾患を処置するために本発明
の方法が有用であるかどうかを決定するアッセイをさら
に提供する。
【0173】別の実施態様において、CEM(ATCC)と呼ば
れるT細胞株を得て使用する。なぜなら、この細胞株は
HIVでの感染の際にPCDを受けることが示されているから
である。CEM細胞をCrmA発現構築物およびコントロール
としてベクター単独を用いるエレクトロポレーションに
よりトランスフェクトする。クローン株を得、そして種
々の感染速度多重度の割合でHIVに感染させる。細胞病
理学的効果を、顕微鏡による観察およびヨウ化プロジウ
ム染色後のアポトーシスの定量によりアッセイする。上
述した方法を用いて、種々の薬剤を、そのアポトーシス
を阻害または防止する能力について試験し得る。
れるT細胞株を得て使用する。なぜなら、この細胞株は
HIVでの感染の際にPCDを受けることが示されているから
である。CEM細胞をCrmA発現構築物およびコントロール
としてベクター単独を用いるエレクトロポレーションに
よりトランスフェクトする。クローン株を得、そして種
々の感染速度多重度の割合でHIVに感染させる。細胞病
理学的効果を、顕微鏡による観察およびヨウ化プロジウ
ム染色後のアポトーシスの定量によりアッセイする。上
述した方法を用いて、種々の薬剤を、そのアポトーシス
を阻害または防止する能力について試験し得る。
【0174】
(実施例1)アポトーシスを評価するためのアッセイ 以下に記載するいくつかの方法によりアポトーシスを評
価した。
価した。
【0175】蛍光DNA染色色素−核の形態を明らかにす
るために、蛍光DNA染色色素を用いた。透過型電子顕微
鏡もまた使用した。ヨウ化プロジウム染色のために、6
ウェルの培養皿(Costar)の35mmウェル中に配置した22mm
2の1号ガラスカバーグラス(Corning)上でMCF7細胞を増
殖させた。TNF、抗Fasシクロヘキシミド(CHX)で処理し
た後、または未処理で、培地を取り出して、ウェルをリ
ン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で2回リンスし、−20℃に
て100%メタノール中で10分間固定し、PBSで3回洗浄
し、そして100μg/mlの溶液(PBS中に調製したヨウ化プ
ロピジウム(Sigma))中で室温にて10分間染色した。次い
で、カバーグラスをPBSで3回洗浄し、吸い取って乾燥
し、そして蛍光用のVectashield装填媒体(mounting med
ia)(Vector Laboratries)を用いてガラススライドに装
填した。湿潤マウントの30μlの細胞懸濁液(約3×105
細胞/mlの密度)をPBS中に100μg/mlで調製したアクリジ
ンオレンジ溶液5μlと混合して調製することにより、
アクリジンオレンジ(Sigma)を用いてBJAB細胞を染色し
た。ヨウ化プロピジウムで染色したMCF7およびアクリジ
ンオレンジで染色したBJABの両方の核を、蛍光顕微鏡に
より、FITCレンジバリアフィルターキューブ(range bar
rier filter cube)を用いて視覚化した。Bio-Rad MRC60
0共焦点顕微鏡および人工的に色を付けて得られたデジ
タル化画像を用いて、レーザースキャン共焦点顕微鏡解
析(confocal microscopy)を行った。
るために、蛍光DNA染色色素を用いた。透過型電子顕微
鏡もまた使用した。ヨウ化プロジウム染色のために、6
ウェルの培養皿(Costar)の35mmウェル中に配置した22mm
2の1号ガラスカバーグラス(Corning)上でMCF7細胞を増
殖させた。TNF、抗Fasシクロヘキシミド(CHX)で処理し
た後、または未処理で、培地を取り出して、ウェルをリ
ン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で2回リンスし、−20℃に
て100%メタノール中で10分間固定し、PBSで3回洗浄
し、そして100μg/mlの溶液(PBS中に調製したヨウ化プ
ロピジウム(Sigma))中で室温にて10分間染色した。次い
で、カバーグラスをPBSで3回洗浄し、吸い取って乾燥
し、そして蛍光用のVectashield装填媒体(mounting med
ia)(Vector Laboratries)を用いてガラススライドに装
填した。湿潤マウントの30μlの細胞懸濁液(約3×105
細胞/mlの密度)をPBS中に100μg/mlで調製したアクリジ
ンオレンジ溶液5μlと混合して調製することにより、
アクリジンオレンジ(Sigma)を用いてBJAB細胞を染色し
た。ヨウ化プロピジウムで染色したMCF7およびアクリジ
ンオレンジで染色したBJABの両方の核を、蛍光顕微鏡に
より、FITCレンジバリアフィルターキューブ(range bar
rier filter cube)を用いて視覚化した。Bio-Rad MRC60
0共焦点顕微鏡および人工的に色を付けて得られたデジ
タル化画像を用いて、レーザースキャン共焦点顕微鏡解
析(confocal microscopy)を行った。
【0176】電子顕微鏡検査については、細胞を固定化
し、そして標準的な電子顕微鏡分析手順によって処理し
た。
し、そして標準的な電子顕微鏡分析手順によって処理し
た。
【0177】定量的アポトーシスアッセイ−MCF7細胞ま
たは得られたトランスフェクタントを、2.5×105細胞/
ウェルの濃度でカバーグラス上にプレートした。2日
後、細胞が接着し、そして拡張した後、TNFまたは抗Fas
+CHKを加えた。TNFは20ng/mlの最終濃度で、抗Fasは25
ng/mlの最終濃度で、そしてCHX(Sigma)は10μg/mlの最
終濃度で加えた。TNF処理サンプルについては22時間後
に、または抗Fas+CHX処理サンプルについては18時間後
に、細胞を固定化し、ヨウ化プロピジウムで染色して上
記のように装填した。蛍光顕微鏡解析を用いる核の形態
に基づき、アポトーシス細胞および非アポトーシス細胞
を定量して非アポトーシス細胞のパーセントを算出し
た。各サンプルについて最低100細胞を計数し、そして
各実験を少なくとも2連で行った。いずれの正常に増殖
する細胞培養物においても、細胞の小画分はアポトーシ
スを受けるので、未処理サンプルおよびCHX単独処理サ
ンプルにおける自発性のアポトーシスもまた定量した。
次いで、TNF処理サンプルまたは抗Fas+CHX処理サンプ
ル中の非アポトーシス細胞のパーセントを、それぞれ未
処理サンプルまたはCHX単独処理サンプルにおける自発
性アポトーシスの頻度に対して修正することにより正規
化した。
たは得られたトランスフェクタントを、2.5×105細胞/
ウェルの濃度でカバーグラス上にプレートした。2日
後、細胞が接着し、そして拡張した後、TNFまたは抗Fas
+CHKを加えた。TNFは20ng/mlの最終濃度で、抗Fasは25
ng/mlの最終濃度で、そしてCHX(Sigma)は10μg/mlの最
終濃度で加えた。TNF処理サンプルについては22時間後
に、または抗Fas+CHX処理サンプルについては18時間後
に、細胞を固定化し、ヨウ化プロピジウムで染色して上
記のように装填した。蛍光顕微鏡解析を用いる核の形態
に基づき、アポトーシス細胞および非アポトーシス細胞
を定量して非アポトーシス細胞のパーセントを算出し
た。各サンプルについて最低100細胞を計数し、そして
各実験を少なくとも2連で行った。いずれの正常に増殖
する細胞培養物においても、細胞の小画分はアポトーシ
スを受けるので、未処理サンプルおよびCHX単独処理サ
ンプルにおける自発性のアポトーシスもまた定量した。
次いで、TNF処理サンプルまたは抗Fas+CHX処理サンプ
ル中の非アポトーシス細胞のパーセントを、それぞれ未
処理サンプルまたはCHX単独処理サンプルにおける自発
性アポトーシスの頻度に対して修正することにより正規
化した。
【0178】BJAB細胞を3×105細胞/mlに増殖させ、
(他で特に示さない限り)250ng/mlの濃度の抗Fas抗体
で18時間処理し、その後アリコートを上記のようにアク
リジンオレンジで染色した。アポトーシス細胞および非
アポトーシス細胞を定量し、未処理サンプルに対して標
準化した。アッセイは少なくとも2連で行った。
(他で特に示さない限り)250ng/mlの濃度の抗Fas抗体
で18時間処理し、その後アリコートを上記のようにアク
リジンオレンジで染色した。アポトーシス細胞および非
アポトーシス細胞を定量し、未処理サンプルに対して標
準化した。アッセイは少なくとも2連で行った。
【0179】MTT転換アッセイ−細胞死の2次アッセイ
は、MTT転換アッセイ(Opipari,A.W.ら、J. Biol. Chem.
(1992) 267:12424-12427に記載される)およびクリスタ
ルバイオレット染色(Tartaglia,L.A.ら(1993) Cell 74:
845-853に記載される)を用いた。
は、MTT転換アッセイ(Opipari,A.W.ら、J. Biol. Chem.
(1992) 267:12424-12427に記載される)およびクリスタ
ルバイオレット染色(Tartaglia,L.A.ら(1993) Cell 74:
845-853に記載される)を用いた。
【0180】DNA断片化アッセイ−CTLで誘導される標的
細胞DNA断片化のアッセイを、Duke(1992)(下記)の以前
の記載に改変を加えて行った。ヒトPBMCを上記のように
調製した。1×107BJAB細胞を[メチル-3H]チミジンプー
ルとともにインキュベートした。次いで、細胞を上記の
ようにプレートした。4時間後、100μの95%エタノー
ルを各ウェルに加え、含有物を混合してさらに1時間プ
レートをインキュベートした。エタノールを添加するこ
とにより、断片化したDNAの放出が起こったが、高分子
量のクロマチンは細胞内に残存した。次いで、プレート
を遠心分離し、採集して上記のように分析した。
細胞DNA断片化のアッセイを、Duke(1992)(下記)の以前
の記載に改変を加えて行った。ヒトPBMCを上記のように
調製した。1×107BJAB細胞を[メチル-3H]チミジンプー
ルとともにインキュベートした。次いで、細胞を上記の
ようにプレートした。4時間後、100μの95%エタノー
ルを各ウェルに加え、含有物を混合してさらに1時間プ
レートをインキュベートした。エタノールを添加するこ
とにより、断片化したDNAの放出が起こったが、高分子
量のクロマチンは細胞内に残存した。次いで、プレート
を遠心分離し、採集して上記のように分析した。
【0181】細胞培養−MCF7細胞、BJAB細胞、および得
られたベクター、ならびにCrmAの安定なトランスフェク
タントを、CrmA変異体でトランスフェクトした安定な株
と共に、10%熱失活ウシ胎児血清(Hyclone)、L-グルタ
ミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、および非必須
アミノ酸を補充し、そしてMCF7トランスフェクタントに
ついては500μg/ml、BJABトランスフェクタントについ
ては3mg/mlのG418硫酸(Life Technologies, Inc.)をさ
らに補充したRPMI1640培地で維持した。
られたベクター、ならびにCrmAの安定なトランスフェク
タントを、CrmA変異体でトランスフェクトした安定な株
と共に、10%熱失活ウシ胎児血清(Hyclone)、L-グルタ
ミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、および非必須
アミノ酸を補充し、そしてMCF7トランスフェクタントに
ついては500μg/ml、BJABトランスフェクタントについ
ては3mg/mlのG418硫酸(Life Technologies, Inc.)をさ
らに補充したRPMI1640培地で維持した。
【0182】ヒト末梢血液単核細胞(PBMC)の単離−20ml
〜50mlのヘパリン化したヒトの全血液を健常なドナーか
ら得、そしてFicoll-Hypaque勾配で赤血球を涸渇させ
た。得られたPBMCを、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI
中で10μg/mlのPHA-Pを用いて37℃にて3日間刺激した
後、細胞溶解およびDNA断片化アッセイに用いた。フロ
ーサイトメトリーで測定したところ、刺激したPBMC中の
小リンパ球プールの約40%がCD4+リンパ球であり、約3
0%がCD8+リンパ球であった。サブセット涸渇実験によ
り、4時間目および24時間目の両方におけるCTL活性
は、ほぼ完全にCD8+Tリンパ球により媒介されること
が確認された。ナチュラルキラー(NK)細胞活性の測定の
ために、単離直後のヒトPBMCをさらなる刺激を与えずに
使用した。
〜50mlのヘパリン化したヒトの全血液を健常なドナーか
ら得、そしてFicoll-Hypaque勾配で赤血球を涸渇させ
た。得られたPBMCを、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI
中で10μg/mlのPHA-Pを用いて37℃にて3日間刺激した
後、細胞溶解およびDNA断片化アッセイに用いた。フロ
ーサイトメトリーで測定したところ、刺激したPBMC中の
小リンパ球プールの約40%がCD4+リンパ球であり、約3
0%がCD8+リンパ球であった。サブセット涸渇実験によ
り、4時間目および24時間目の両方におけるCTL活性
は、ほぼ完全にCD8+Tリンパ球により媒介されること
が確認された。ナチュラルキラー(NK)細胞活性の測定の
ために、単離直後のヒトPBMCをさらなる刺激を与えずに
使用した。
【0183】プラスミド、トランスフェクション、およ
び安定にトランスフェクトされた株の選択−図22に示
すCrmA遺伝子およびその変異体形態を、別々にpcDNA3(I
nvtrogen)哺乳動物発現ベクター中にクローン化した。C
rmA遺伝子をDavid Pickup博士(Duke University)から
得、そして全体のコード配列を増幅するためのPCR反応
でのテンプレートとして用いた。このPCR反応は、備え
られた(built-in)制限酵素部位を有する注文オリゴヌク
レオチドプライマーを用いる。プライマーの配列は以下
の通りである: CrmA/5'/R1 5'CAC CGG AAT TCC ACC ATG GAT ATC TTC AGG GAA ATC G CrmA/3'/XbaI 5'GCT CTA GAC TCG AGT TAA TTA GTT GTT GGA GAG CAA TAT C 。
び安定にトランスフェクトされた株の選択−図22に示
すCrmA遺伝子およびその変異体形態を、別々にpcDNA3(I
nvtrogen)哺乳動物発現ベクター中にクローン化した。C
rmA遺伝子をDavid Pickup博士(Duke University)から
得、そして全体のコード配列を増幅するためのPCR反応
でのテンプレートとして用いた。このPCR反応は、備え
られた(built-in)制限酵素部位を有する注文オリゴヌク
レオチドプライマーを用いる。プライマーの配列は以下
の通りである: CrmA/5'/R1 5'CAC CGG AAT TCC ACC ATG GAT ATC TTC AGG GAA ATC G CrmA/3'/XbaI 5'GCT CTA GAC TCG AGT TAA TTA GTT GTT GGA GAG CAA TAT C 。
【0184】このPCRフラグメントをEcoRIおよびXba1制
限酵素で消化し、同様に消化したpcDNA3ベクター中にサ
ブクローン化した。XL-1Blue宿主E.coliコンピテント細
胞(Strategene)への形質転換後、個々のコロニーを増殖
させ、プラスミドを抽出し、そして制限マッピング分析
およびDNA配列分析の両方により、CrmA遺伝子の存在を
確認した。
限酵素で消化し、同様に消化したpcDNA3ベクター中にサ
ブクローン化した。XL-1Blue宿主E.coliコンピテント細
胞(Strategene)への形質転換後、個々のコロニーを増殖
させ、プラスミドを抽出し、そして制限マッピング分析
およびDNA配列分析の両方により、CrmA遺伝子の存在を
確認した。
【0185】得られた発現構築物またはpcDNA3それ自体
(コントロールとして)を、エレクトロポレーションによ
りMCF7およびBJAB細胞の両方に導入した。MCF7細胞を0.
4cmのキュベット(Biorad)中で330V、960TFでエレクト
ロポレートし、100mMの培養皿に種々の希釈度でプレー
トし、そして500μg/mlの濃度のG418硫酸(Gibco-BRL)で
選択した。3週間の選択の後、数百のコロニーを含む培
養皿をトリプシン処理することにより、各トランスフェ
クション由来のプールした集団を調製した。さらに、ク
ローン細胞株を選択培養皿から個々のコロニーを拾うこ
とにより得た。BJAB細胞を0.4cmのキュベット(Bio-Rad)
中で220V、960TFでエレクトロポレートし、3mg/mlのG
418硫酸中で選択した。トランスフェクションの後1日
目に、G418選択後にクローン株を得た96ウェル培養皿に
おいて、細胞集団の一部を2500細胞/ウェルの濃度に希
釈した。残りの細胞はプールした集団として保持した。
(コントロールとして)を、エレクトロポレーションによ
りMCF7およびBJAB細胞の両方に導入した。MCF7細胞を0.
4cmのキュベット(Biorad)中で330V、960TFでエレクト
ロポレートし、100mMの培養皿に種々の希釈度でプレー
トし、そして500μg/mlの濃度のG418硫酸(Gibco-BRL)で
選択した。3週間の選択の後、数百のコロニーを含む培
養皿をトリプシン処理することにより、各トランスフェ
クション由来のプールした集団を調製した。さらに、ク
ローン細胞株を選択培養皿から個々のコロニーを拾うこ
とにより得た。BJAB細胞を0.4cmのキュベット(Bio-Rad)
中で220V、960TFでエレクトロポレートし、3mg/mlのG
418硫酸中で選択した。トランスフェクションの後1日
目に、G418選択後にクローン株を得た96ウェル培養皿に
おいて、細胞集団の一部を2500細胞/ウェルの濃度に希
釈した。残りの細胞はプールした集団として保持した。
【0186】細胞株、TNFおよび抗Fas抗体−MCF細胞株
はTNF感受性のサブクローンであり、David R.Spriggs博
士(University of Wisconsin)から得た。MCF7は乳癌腫
上皮細胞株であり、TNFレセプターを発現し、そしてTNF
キリング(killing)に感受性である。BJAB細胞株はFred
Wang博士(Harvard)からの贈与であった。組換えTNF(比
活性6.27×107U/mg)はGenentech(South San Francisc
o、CA)から得た。抗Fasモノクローナル抗体(クローンCH
-11、IgM)はPan Vera(Madison、WI)から得た。抗PARPモ
ノクローナル抗体はクローンC-2-10であり、これは以前
記載されたように(Lamarreら(1988) Biochem. Biophy
s. Acta. 950:147-160)、PARPのN末端付近のエピトー
プ(アミノ酸216とアミノ酸375との間に位置する)を認識
する。アフィニティー精製したUI-70kDa反応性抗血清は
ヒト自己免疫血清に由来したが、これはAntony Rosen博
士(John Hopkins University、Baltimore、MD)からの贈
与であった。
はTNF感受性のサブクローンであり、David R.Spriggs博
士(University of Wisconsin)から得た。MCF7は乳癌腫
上皮細胞株であり、TNFレセプターを発現し、そしてTNF
キリング(killing)に感受性である。BJAB細胞株はFred
Wang博士(Harvard)からの贈与であった。組換えTNF(比
活性6.27×107U/mg)はGenentech(South San Francisc
o、CA)から得た。抗Fasモノクローナル抗体(クローンCH
-11、IgM)はPan Vera(Madison、WI)から得た。抗PARPモ
ノクローナル抗体はクローンC-2-10であり、これは以前
記載されたように(Lamarreら(1988) Biochem. Biophy
s. Acta. 950:147-160)、PARPのN末端付近のエピトー
プ(アミノ酸216とアミノ酸375との間に位置する)を認識
する。アフィニティー精製したUI-70kDa反応性抗血清は
ヒト自己免疫血清に由来したが、これはAntony Rosen博
士(John Hopkins University、Baltimore、MD)からの贈
与であった。
【0187】抗Fas抗体またはTNFでの処理および細胞溶
解物の調製−MCF7細胞または得られたトランスフェクタ
ントを、2×106細胞/培養皿の濃度で100mm培養皿にプ
レートした。2日目に、細胞を40ng/mlのTNFで示した時
間処理した。PBSでリンスした後、細胞を15mlのPBS+プ
ロテアーゼインヒビター(1mMのフェニルメチルスルホ
ニルフルオリド、0.5mg/mlのアプロチニン、0.5mg/mlの
アンチペイン、および0.5mg/mlペプスタイン)中にかき
とることにより採集し、遠心分離により回収し、そして
2.5mlのサンプル緩衝液(50mM Tris-HCl(pH6.8)、6M尿
素、6% 2-メルカプトエタノール、3%SDS、および0.
003%ブロモフェノールブルー中で溶解した。培養培地
中に非接着細胞が存在した場合(例えば、より後の時点
で)、浮遊細胞もまた遠心分離により採集し、そしてサ
ンプル緩衝液中での溶解の前に接着細胞ペレットと合わ
せた。BJAB細胞または得られたトランスフェクタント
を、5×105/mlの濃度で6ウェル培養皿中に、各ウェル
4mlで等分した。次の日、細胞を抗Fas抗体(250ng/ml)
で示した時間処理し、遠心分離により採集し、PBS+プ
ロテアーゼインヒビターで1回洗浄し、そして2mlのサ
ンプル緩衝液中で溶解させた。
解物の調製−MCF7細胞または得られたトランスフェクタ
ントを、2×106細胞/培養皿の濃度で100mm培養皿にプ
レートした。2日目に、細胞を40ng/mlのTNFで示した時
間処理した。PBSでリンスした後、細胞を15mlのPBS+プ
ロテアーゼインヒビター(1mMのフェニルメチルスルホ
ニルフルオリド、0.5mg/mlのアプロチニン、0.5mg/mlの
アンチペイン、および0.5mg/mlペプスタイン)中にかき
とることにより採集し、遠心分離により回収し、そして
2.5mlのサンプル緩衝液(50mM Tris-HCl(pH6.8)、6M尿
素、6% 2-メルカプトエタノール、3%SDS、および0.
003%ブロモフェノールブルー中で溶解した。培養培地
中に非接着細胞が存在した場合(例えば、より後の時点
で)、浮遊細胞もまた遠心分離により採集し、そしてサ
ンプル緩衝液中での溶解の前に接着細胞ペレットと合わ
せた。BJAB細胞または得られたトランスフェクタント
を、5×105/mlの濃度で6ウェル培養皿中に、各ウェル
4mlで等分した。次の日、細胞を抗Fas抗体(250ng/ml)
で示した時間処理し、遠心分離により採集し、PBS+プ
ロテアーゼインヒビターで1回洗浄し、そして2mlのサ
ンプル緩衝液中で溶解させた。
【0188】ウエスタンブロッティング ウエスタンブロッティング−UI-70kDaの状態を評価する
ためのイムノブロッティングを、Casciola-Rosen,L.A.
ら(1994)J. Biol. Chem. 269:30757-30760に記載される
ように同様に行った。簡単に説明すると、細胞溶解物(2
0μl)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分
離し、そしてエレクトロブロッティングによりニトロセ
ルロースメンブレン(Schleicher and Schuell)に移し
た。ブロッキング緩衝液(10mM Tris(pH7.6)、150mM NaC
l、0.5% Nonidet P-40、3%ウシ血清アルブミン)を用
いて、室温にて1時間ブロットをブロックした。UI-70k
Daアフィニティー精製した抗血清を、ブロッキング緩衝
液で1:5000に希釈して用い、室温で1時間インキュベ
ートした。第2の試薬であるビオチン化ヤギ抗ヒトIgG
抗体(Southern Biotech)をブロッキング緩衝液で1:67
00に希釈して用い、室温で50分間インキュベートした。
第3の試薬であるストレプトアビジン西洋ワサビペルオ
キシダーゼ結合体(Southern Biotech)を、ブロッキング
緩衝液で1:10,000に希釈して用い、そして室温で30分
間インキュベートした。シグナルの可視化を電気化学発
光(Amersham Corp.)を用いて行った。
ためのイムノブロッティングを、Casciola-Rosen,L.A.
ら(1994)J. Biol. Chem. 269:30757-30760に記載される
ように同様に行った。簡単に説明すると、細胞溶解物(2
0μl)をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分
離し、そしてエレクトロブロッティングによりニトロセ
ルロースメンブレン(Schleicher and Schuell)に移し
た。ブロッキング緩衝液(10mM Tris(pH7.6)、150mM NaC
l、0.5% Nonidet P-40、3%ウシ血清アルブミン)を用
いて、室温にて1時間ブロットをブロックした。UI-70k
Daアフィニティー精製した抗血清を、ブロッキング緩衝
液で1:5000に希釈して用い、室温で1時間インキュベ
ートした。第2の試薬であるビオチン化ヤギ抗ヒトIgG
抗体(Southern Biotech)をブロッキング緩衝液で1:67
00に希釈して用い、室温で50分間インキュベートした。
第3の試薬であるストレプトアビジン西洋ワサビペルオ
キシダーゼ結合体(Southern Biotech)を、ブロッキング
緩衝液で1:10,000に希釈して用い、そして室温で30分
間インキュベートした。シグナルの可視化を電気化学発
光(Amersham Corp.)を用いて行った。
【0189】細胞傷害性アッセイ 細胞傷害性アッセイ−PHAで刺激されたヒトPBMCを用い
る、PHAで促進されるアレジェネイック(allegeneic)CTL
細胞アッセイを、Grabstein,K.(1980) SelectedMethods
in Cellular Immun.(Mishell および Shiigi編)125-13
7頁、W.H.Freeman and Co., N.Y., N.Y.の記載に若干の
改変を加えて行った。簡単に説明すると、PBMC刺激の
後、2×107BJAB標的細胞を総容量400μlのハンクス平
衡化塩溶液、0.2%ウシ血清アルブミン中で、200μCiの
(Na)2 51CrO4(ICN)と37℃で2時間インキュベートした。
次いで、標的細胞を洗浄し、そして丸底96ウェルプレー
ト中に10,000細胞/ウェルでプレートした。ヒトPBMCを
0.25:1〜32:1におよぶ標的に対するキラーの比でプ
レートし、そしてPHA-Pを最終濃度が10μg/ml、そして
総容量が200μlになるように加えた。いくつかの実験に
おいて、EGTAおよびMgCl2をそれぞれ10mMおよび4mMで
加え、細胞内カルシウムレベルをクランプ(clamp)し
た。4時間目および24時間目にプレートを遠心分離し、
そして30μlのアリコートを採集してグラスファイバー
フィルターに滴下した。βシンチレーション計数器を用
いてサンプルを分析した。特異的細胞傷害性(%)を、
((サンプルcpm−自然放出cpm)/(総放出cpm−自然放出
cpm))×100として算出した。クロムのバックグランド
放出は、代表的には4時間目で5〜15%であり、そして
24時間目で20〜30%であった。EGTA/MgCl2の添加は、バ
ックグランドクロム放出および細胞の形態学的試験の両
方により、両方の時点で測定されるように、それ自体で
は細胞の生存性に影響しなかった。ベクターとCrmAトラ
ンスフェクト株との間にはバックグランド51Cr放出にお
ける有意な差異は存在しなかった。NK細胞傷害性アッセ
イを、細胞を刺激しない、およびアッセイの間PHAが存
在しないことを除き、上記のように行った。
る、PHAで促進されるアレジェネイック(allegeneic)CTL
細胞アッセイを、Grabstein,K.(1980) SelectedMethods
in Cellular Immun.(Mishell および Shiigi編)125-13
7頁、W.H.Freeman and Co., N.Y., N.Y.の記載に若干の
改変を加えて行った。簡単に説明すると、PBMC刺激の
後、2×107BJAB標的細胞を総容量400μlのハンクス平
衡化塩溶液、0.2%ウシ血清アルブミン中で、200μCiの
(Na)2 51CrO4(ICN)と37℃で2時間インキュベートした。
次いで、標的細胞を洗浄し、そして丸底96ウェルプレー
ト中に10,000細胞/ウェルでプレートした。ヒトPBMCを
0.25:1〜32:1におよぶ標的に対するキラーの比でプ
レートし、そしてPHA-Pを最終濃度が10μg/ml、そして
総容量が200μlになるように加えた。いくつかの実験に
おいて、EGTAおよびMgCl2をそれぞれ10mMおよび4mMで
加え、細胞内カルシウムレベルをクランプ(clamp)し
た。4時間目および24時間目にプレートを遠心分離し、
そして30μlのアリコートを採集してグラスファイバー
フィルターに滴下した。βシンチレーション計数器を用
いてサンプルを分析した。特異的細胞傷害性(%)を、
((サンプルcpm−自然放出cpm)/(総放出cpm−自然放出
cpm))×100として算出した。クロムのバックグランド
放出は、代表的には4時間目で5〜15%であり、そして
24時間目で20〜30%であった。EGTA/MgCl2の添加は、バ
ックグランドクロム放出および細胞の形態学的試験の両
方により、両方の時点で測定されるように、それ自体で
は細胞の生存性に影響しなかった。ベクターとCrmAトラ
ンスフェクト株との間にはバックグランド51Cr放出にお
ける有意な差異は存在しなかった。NK細胞傷害性アッセ
イを、細胞を刺激しない、およびアッセイの間PHAが存
在しないことを除き、上記のように行った。
【0190】RNA単離およびノーザン分析 RNA単離およびCrmAのノーザン分析−RNA単離およびノー
ザン分析を、Dixitら、(1990) J. Biol. Chem. 265:297
3-2978に記載のように行った。上記のようにPCR(Perkin
-Elmer)を用いて、CrmA遺伝子のコード領域にまたがる
プローブを作製した。β-アクチンcDNAプローブをClont
ech(Palo Alto、CA)から購入し、そしてハイブリダイゼ
ーションシグナルを、Molecular Dynamics Phosphorima
ger上でデジタル化画像として視覚化した。
ザン分析を、Dixitら、(1990) J. Biol. Chem. 265:297
3-2978に記載のように行った。上記のようにPCR(Perkin
-Elmer)を用いて、CrmA遺伝子のコード領域にまたがる
プローブを作製した。β-アクチンcDNAプローブをClont
ech(Palo Alto、CA)から購入し、そしてハイブリダイゼ
ーションシグナルを、Molecular Dynamics Phosphorima
ger上でデジタル化画像として視覚化した。
【0191】図1および図2は、本明細書でプロYamaと
称するタンパク質のオープンリーデイングフレームおよ
び推定アミノ酸配列を示す図である。図1に示されるヌ
クレオチド配列において、開始メチオニンは224で始ま
る。
称するタンパク質のオープンリーデイングフレームおよ
び推定アミノ酸配列を示す図である。図1に示されるヌ
クレオチド配列において、開始メチオニンは224で始ま
る。
【0192】図3および図4は、プロYamaが、活性化に
際し、インビトロにおいてPARPを85kDaのアポトーシス
フラグメントに切断するプロテアーゼチモーゲンである
ことを示す。
際し、インビトロにおいてPARPを85kDaのアポトーシス
フラグメントに切断するプロテアーゼチモーゲンである
ことを示す。
【0193】図3の上段のパネルでは、下記の実施例の
節に記載されているように、6×HisタグYamaが発現さ
れ、インビトロ転写/翻訳反応で[35S]-Metを使用して
標識され、そして連続的なDEAEセファロースおよびニッ
ケルキレートカラムでのアフィニティークロマトグラフ
ィーにより精製されたことを示す。0.586μgの精製PARP
が、緩衝液のみ(レーン1)、ICE(レーン2)、精製
プロYama(レーン3)、またはICEでの活性化後の精製
プロYama(レーン4)のいずれかと、37℃において2時
間インキュベートされるインビトロ反応を組み立てた。
インキュベーション後に、各反応物の1/5を、SDS-PA
GEおよびPARPに対するモノクローナル抗体C-2-10を用い
るイムノブロッティングによって分析した。抗Fas誘導
アポトーシスを経たBJAB細胞由来の全細胞溶解物(レー
ン5)、または、未処理BJAB細胞由来の全細胞溶解物
(レーン6)を、インビトロ反応サンプルと並べて泳動
した。図3のレーン1から4に示されるインビトロ反応
物の等量を、SDS-PAGEにより分離し、そして乾燥ゲルを
Phosphorimager分析に供し、放射性標識Yamaタンパク質
の状態を評価した場合の結果が、下段のにパネルに示さ
れる。黒矢印は、精製プロYamaの移動度を示し、これは
全長のp32型と称される。白矢印は、ICEによるプロYama
活性化後に認められた2つの主なタンパク質分解フラグ
メントを示し、そしてこれらは、プロYama中のAsp残基
での切断から予想される、推定p20およびp11サブユニッ
トに対応すると考えられる。
節に記載されているように、6×HisタグYamaが発現さ
れ、インビトロ転写/翻訳反応で[35S]-Metを使用して
標識され、そして連続的なDEAEセファロースおよびニッ
ケルキレートカラムでのアフィニティークロマトグラフ
ィーにより精製されたことを示す。0.586μgの精製PARP
が、緩衝液のみ(レーン1)、ICE(レーン2)、精製
プロYama(レーン3)、またはICEでの活性化後の精製
プロYama(レーン4)のいずれかと、37℃において2時
間インキュベートされるインビトロ反応を組み立てた。
インキュベーション後に、各反応物の1/5を、SDS-PA
GEおよびPARPに対するモノクローナル抗体C-2-10を用い
るイムノブロッティングによって分析した。抗Fas誘導
アポトーシスを経たBJAB細胞由来の全細胞溶解物(レー
ン5)、または、未処理BJAB細胞由来の全細胞溶解物
(レーン6)を、インビトロ反応サンプルと並べて泳動
した。図3のレーン1から4に示されるインビトロ反応
物の等量を、SDS-PAGEにより分離し、そして乾燥ゲルを
Phosphorimager分析に供し、放射性標識Yamaタンパク質
の状態を評価した場合の結果が、下段のにパネルに示さ
れる。黒矢印は、精製プロYamaの移動度を示し、これは
全長のp32型と称される。白矢印は、ICEによるプロYama
活性化後に認められた2つの主なタンパク質分解フラグ
メントを示し、そしてこれらは、プロYama中のAsp残基
での切断から予想される、推定p20およびp11サブユニッ
トに対応すると考えられる。
【0194】図4は、PARPの85kDaフラグメントへの切
断が、Fas誘導アポトーシスおよびTNF誘導アポトーシス
の特徴的な特色であることを示す。上段のパネルでは、
下記の実施例の節に記載されているように、BJAB細胞
を、未処理のままにする(UnRx)か、または示した時間
の間、アゴニスト抗Fas抗体(250ng/ml)で処理し、そ
して細胞溶解物を調製し、抗PARPモノクローナル抗体C-
2-10を用いるイムノブロッティングによって分析した。
下段のパネルでは、MCF7細胞を、未処理のままにする
(UnRx)か、または示した時間の間、組換えTNF(40ng/
ml)で処理した。細胞溶解物を同様に分析した。
断が、Fas誘導アポトーシスおよびTNF誘導アポトーシス
の特徴的な特色であることを示す。上段のパネルでは、
下記の実施例の節に記載されているように、BJAB細胞
を、未処理のままにする(UnRx)か、または示した時間
の間、アゴニスト抗Fas抗体(250ng/ml)で処理し、そ
して細胞溶解物を調製し、抗PARPモノクローナル抗体C-
2-10を用いるイムノブロッティングによって分析した。
下段のパネルでは、MCF7細胞を、未処理のままにする
(UnRx)か、または示した時間の間、組換えTNF(40ng/
ml)で処理した。細胞溶解物を同様に分析した。
【0195】図5から図7は、CrmAの反応部位ループ
(RSL)中での点変異が、ICEを阻害するその能力を不活
化することを示す。
(RSL)中での点変異が、ICEを阻害するその能力を不活
化することを示す。
【0196】図5(上段)では、CrmAおよびCrmA変異体
の反応部位ループ配列が比較される。野生型CrmAのアミ
ノ酸291が、部位特異的変異誘発によってThrからArgに
変更された。下段のパネルは、下記の実施例の節に記載
の、6×His融合体としてのE. coliでのタンパク質発現
および精製を示す。簡単には、ICEの44ngのアリコート
を、精製CrmAタンパク質(白四角)またはCrmA変異タン
パク質(黒丸)の示されている量で、滴定した。残存IC
E活性(非阻害速度(V0)に対する阻害速度(Vi)の割合と
して表される)を、色素原性ICE基質を用いて測定し、
そしてCrmA量に対してプロットした。ICE活性は、300ng
のCrmAだけでなくなったが、酵素に対して500倍モル過
剰である30μgを使用しても、CrmA変異タンパク質での
阻害は検出されなかった。
の反応部位ループ配列が比較される。野生型CrmAのアミ
ノ酸291が、部位特異的変異誘発によってThrからArgに
変更された。下段のパネルは、下記の実施例の節に記載
の、6×His融合体としてのE. coliでのタンパク質発現
および精製を示す。簡単には、ICEの44ngのアリコート
を、精製CrmAタンパク質(白四角)またはCrmA変異タン
パク質(黒丸)の示されている量で、滴定した。残存IC
E活性(非阻害速度(V0)に対する阻害速度(Vi)の割合と
して表される)を、色素原性ICE基質を用いて測定し、
そしてCrmA量に対してプロットした。ICE活性は、300ng
のCrmAだけでなくなったが、酵素に対して500倍モル過
剰である30μgを使用しても、CrmA変異タンパク質での
阻害は検出されなかった。
【0197】図6は、CrmA変異体がICEと複合体を形成
しないことを示す。[35S]-Met標識CrmAまたはCrmA変異
タンパク質を、それぞれの遺伝子のカップルした転写/
翻訳によって生成した。下記の実施例の節に記載のよう
にICEの示されている量を希釈した溶解物に直接添加
し、インキュベーションを行い、その後、サンプルを非
変性PAGEによって分離し、そしてPhosphorimagerを用い
て放射性シグナルを検出した。変異体CrmAは、ICEとの
複合体を形成せず、事実、ICEは、このタンパク質に対
して効果を有さないようであった。これと比較すると、
野生型CrmAの一部は複合体を形成したが、残りは、ICE
とCrmAとの相互作用の特徴を表す様式で切断された(Ko
miyamaら(1994) J. Biol. Chem. 269:19331-19337を参
照のこと)。
しないことを示す。[35S]-Met標識CrmAまたはCrmA変異
タンパク質を、それぞれの遺伝子のカップルした転写/
翻訳によって生成した。下記の実施例の節に記載のよう
にICEの示されている量を希釈した溶解物に直接添加
し、インキュベーションを行い、その後、サンプルを非
変性PAGEによって分離し、そしてPhosphorimagerを用い
て放射性シグナルを検出した。変異体CrmAは、ICEとの
複合体を形成せず、事実、ICEは、このタンパク質に対
して効果を有さないようであった。これと比較すると、
野生型CrmAの一部は複合体を形成したが、残りは、ICE
とCrmAとの相互作用の特徴を表す様式で切断された(Ko
miyamaら(1994) J. Biol. Chem. 269:19331-19337を参
照のこと)。
【0198】図7は、横方向尿素勾配ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(transverse urea gradient polyacryla
mide gel electrophoresis)(TUG-PAGE)によって評価
したところ、CrmAタンパク質およびCrmA変異タンパク質
の三次構造が識別され得ないことを示す。下記の実施例
の節に記載されているように、[35S]-Met標識CrmAまた
はCrmA変異タンパク質をカップルした転写/翻訳によっ
て生成し、そしてTUG-PAGEによって分析した。ゲルを乾
燥し、Phosphorimagerを用いて分析し、各タンパク質の
折り畳まれていない構造(signature)を検出した。構造
(signature)の差異は認められず、このことは、CrmA変
異体中の点変異が、タンパク質の三次構造を破壊しなか
ったことを示す。
ドゲル電気泳動(transverse urea gradient polyacryla
mide gel electrophoresis)(TUG-PAGE)によって評価
したところ、CrmAタンパク質およびCrmA変異タンパク質
の三次構造が識別され得ないことを示す。下記の実施例
の節に記載されているように、[35S]-Met標識CrmAまた
はCrmA変異タンパク質をカップルした転写/翻訳によっ
て生成し、そしてTUG-PAGEによって分析した。ゲルを乾
燥し、Phosphorimagerを用いて分析し、各タンパク質の
折り畳まれていない構造(signature)を検出した。構造
(signature)の差異は認められず、このことは、CrmA変
異体中の点変異が、タンパク質の三次構造を破壊しなか
ったことを示す。
【0199】図8は、インビトロにおける活性化Yamaに
よるPARP切断が、CrmAによって阻害可能であるが、等価
量のCrmA変異体では阻害されないことを示す。上段パネ
ルには、下記の実施例の節に記載のように、生成および
精製され、そしてICEによって活性化された[35S]-Met標
識Yamaの結果を示す。次に、下記のように精製され活性
化されたYamaを、緩衝液(レーン1)、270pmolのCrmA
タンパク質(レーン2)、または270pmolのCrmA変異タ
ンパク質(レーン3)のいずれかの存在下で、0.586μg
の精製PARPと、37℃において2時間インキュベートし
た。PARPとのインキュベーションの後に、各反応物の1
/5を、抗PARPモノクローナル抗体C-2-10を用いるイム
ノブロッティングによって分析した。下段のパネルで
は、上記の各反応物の各々の等価量をSDS-PAGEに供し、
乾燥ゲルをPhosphorimagerを用いて分析して標識Yamaタ
ンパク質の状態を評価した。白矢印は、活性化Yama調製
物に認められる2つの主な産生物の位置を示し、そして
これらは、Yamaのアミノ酸配列から予測される推定p20
およびp11サブユニットに対応すると考えられえる。
よるPARP切断が、CrmAによって阻害可能であるが、等価
量のCrmA変異体では阻害されないことを示す。上段パネ
ルには、下記の実施例の節に記載のように、生成および
精製され、そしてICEによって活性化された[35S]-Met標
識Yamaの結果を示す。次に、下記のように精製され活性
化されたYamaを、緩衝液(レーン1)、270pmolのCrmA
タンパク質(レーン2)、または270pmolのCrmA変異タ
ンパク質(レーン3)のいずれかの存在下で、0.586μg
の精製PARPと、37℃において2時間インキュベートし
た。PARPとのインキュベーションの後に、各反応物の1
/5を、抗PARPモノクローナル抗体C-2-10を用いるイム
ノブロッティングによって分析した。下段のパネルで
は、上記の各反応物の各々の等価量をSDS-PAGEに供し、
乾燥ゲルをPhosphorimagerを用いて分析して標識Yamaタ
ンパク質の状態を評価した。白矢印は、活性化Yama調製
物に認められる2つの主な産生物の位置を示し、そして
これらは、Yamaのアミノ酸配列から予測される推定p20
およびp11サブユニットに対応すると考えられえる。
【0200】図9Aおよび図9Bは、CrmAが、活性化Ya
maと直接相互作用するが、プロYamaとは相互作用しない
ことを示す図である。
maと直接相互作用するが、プロYamaとは相互作用しない
ことを示す図である。
【0201】図9Aは、免疫沈降分析の前の反応サンプ
ルのPhosphorimagerスキャンである。放射性標識プロYa
ma(レーン1および3)または放射性標識活性化Yama
(レーン2および4)が、358pmolのCrmA(レーン1お
よび2)または358pmolのCrmA変異体(レーン3および
4)組換えタンパク質と混合される80μlの反応物を組
み立てた。各反応物の10マイクロリッターを、SDS-PAGE
で分離し、そしてプロYamaまたは活性化Yamaを
ホスホルイメージング分析(phosphorimaging analysis)
によって検出した。黒矢印はプロYama(p32)の移動度
を示し、一方、白矢印は活性化Yamaの推定p20およびp11
サブユニットを示す。
ルのPhosphorimagerスキャンである。放射性標識プロYa
ma(レーン1および3)または放射性標識活性化Yama
(レーン2および4)が、358pmolのCrmA(レーン1お
よび2)または358pmolのCrmA変異体(レーン3および
4)組換えタンパク質と混合される80μlの反応物を組
み立てた。各反応物の10マイクロリッターを、SDS-PAGE
で分離し、そしてプロYamaまたは活性化Yamaを
ホスホルイメージング分析(phosphorimaging analysis)
によって検出した。黒矢印はプロYama(p32)の移動度
を示し、一方、白矢印は活性化Yamaの推定p20およびp11
サブユニットを示す。
【0202】図9Bは、反応サンプルのポリクローナル
CrmA抗血清を用いる免疫沈降である。上記の各反応物の
35μlを、下記に記載のように、ウサギポリクローナルC
rmA抗血清を用いる免疫沈降法に供した。沈澱物をSDS-P
AGEにより分離し、放射性標識タンパク質をPhosphorima
gerを用いて検出した。白矢印は、活性化Yamaの推定p20
およびp11サブユニットを示す。
CrmA抗血清を用いる免疫沈降である。上記の各反応物の
35μlを、下記に記載のように、ウサギポリクローナルC
rmA抗血清を用いる免疫沈降法に供した。沈澱物をSDS-P
AGEにより分離し、放射性標識タンパク質をPhosphorima
gerを用いて検出した。白矢印は、活性化Yamaの推定p20
およびp11サブユニットを示す。
【0203】図10から図12で、図10では、CrmAま
たはCrmA変異体が、安定にトランスフェクトされたクロ
ーンにおいて発現される。左のパネルは、ベクターコン
トロール(BJAB V1、BJAB V4)、CrmA(BJAB CrmA2、BJ
AB CrmA3)、またはCrmA変異体(BJAB CrmA変異体#12、
BJAB CrmA変異体#17)発現構築物のいずれかで安定的に
トランスフェクトし、抗CrmA抗血清を用いるウエスタン
ブロッティングにより分析したクローン化BJAB細胞株を
示す。右のパネルでは、ベクターコントロール(MCF7 V
4)、CrmA(MCF7 CrmA2、MCF7 CrmA3、MCF7 CrmA4)、
またはCrmA変異体(CrmA変異体#1、CrmA変異体#2)発現
構築物のいずれかで安定的にトランスフェクトしたクロ
ーン化MCF7細胞株を、同様に分析した。
たはCrmA変異体が、安定にトランスフェクトされたクロ
ーンにおいて発現される。左のパネルは、ベクターコン
トロール(BJAB V1、BJAB V4)、CrmA(BJAB CrmA2、BJ
AB CrmA3)、またはCrmA変異体(BJAB CrmA変異体#12、
BJAB CrmA変異体#17)発現構築物のいずれかで安定的に
トランスフェクトし、抗CrmA抗血清を用いるウエスタン
ブロッティングにより分析したクローン化BJAB細胞株を
示す。右のパネルでは、ベクターコントロール(MCF7 V
4)、CrmA(MCF7 CrmA2、MCF7 CrmA3、MCF7 CrmA4)、
またはCrmA変異体(CrmA変異体#1、CrmA変異体#2)発現
構築物のいずれかで安定的にトランスフェクトしたクロ
ーン化MCF7細胞株を、同様に分析した。
【0204】図11は、Fas誘導性アポトーシスの間の8
5kDaフラグメントへのPARP切断が、CrmAにより阻害され
るが、CrmA変異体によっては阻害されないことを示す。
CrmAを発現しない(BJAB V1、BJAB V4)、CrmAを発現す
る(BJAB CrmA2、BJAB CrmA3)、またはCrmA変異体を発
現する(BJAB CrmA変異体#12、BJAB CrmA変異体#17)ク
ローン化BJABトランスフェクタントを、示した時間の
間、アゴニスト抗Fas(250ng/ml)抗体で処理し、そし
て溶解物を調製し、抗PARPモノクローナル抗体C-2-10を
用いるウエスタンブロットにより分析した。
5kDaフラグメントへのPARP切断が、CrmAにより阻害され
るが、CrmA変異体によっては阻害されないことを示す。
CrmAを発現しない(BJAB V1、BJAB V4)、CrmAを発現す
る(BJAB CrmA2、BJAB CrmA3)、またはCrmA変異体を発
現する(BJAB CrmA変異体#12、BJAB CrmA変異体#17)ク
ローン化BJABトランスフェクタントを、示した時間の
間、アゴニスト抗Fas(250ng/ml)抗体で処理し、そし
て溶解物を調製し、抗PARPモノクローナル抗体C-2-10を
用いるウエスタンブロットにより分析した。
【0205】図12は、TNF誘導性アポトーシスの間の8
5kDaフラグメントへのPARP切断が、CrmAにより阻害され
るが、CrmA変異体によっては阻害されないことを示す。
CrmAを発現しない(MCF7 V4、MCF7 CrmA2)、CrmAを発
現する(MCF7 CrmA3、MCF7 CrmA4)、またはCrmA変異体
を発現する(MCF7 CrmA変異体#1、MCF7 CrmA変異体#2)
クローン化MCF7トランスフェクタントを、示した時間の
間、TNF(40ng/ml)で処理し、そして溶解物を調製し、
抗PARPモノクローナル抗体C-2-10を用いるウエスタンブ
ロットにより分析した。
5kDaフラグメントへのPARP切断が、CrmAにより阻害され
るが、CrmA変異体によっては阻害されないことを示す。
CrmAを発現しない(MCF7 V4、MCF7 CrmA2)、CrmAを発
現する(MCF7 CrmA3、MCF7 CrmA4)、またはCrmA変異体
を発現する(MCF7 CrmA変異体#1、MCF7 CrmA変異体#2)
クローン化MCF7トランスフェクタントを、示した時間の
間、TNF(40ng/ml)で処理し、そして溶解物を調製し、
抗PARPモノクローナル抗体C-2-10を用いるウエスタンブ
ロットにより分析した。
【0206】図13は、CrmA変異体ではなくCrmAが、Fa
s誘導性細胞死およびTNF誘導細胞死をブロックすること
を示す。上段パネルでは、MCF7安定トランスフェクトク
ローンを、処理しないか(UnRx)、またはTNF(40ng/m
l)で18時間処置するかのいずれかをし、その後、この
細胞を固定してヨウ化プロピジウムで染色し、共焦点顕
微鏡により核形態を調べた。CrmAは、TNF誘導性アポト
ーシスに対して有意な防御を与えたが、一方、ベクター
でトランスフェクトされた発現株およびCrmA変異体発現
株の両方はTNF誘導性アポトーシスに感受性であった。
下段の左パネルでは、示されるBJAB安定トランスフェク
トクローンを、下記に記載のように、アクリジンオレン
ジに基づくアポトーシスアッセイを用いて、Fas誘導性P
CDに対するそれらの感受性について、定量的に評価し
た。CrmA変異体発現細胞株は、一様に感受性であった
が、CrmA発現は、有意な防御を与えた。下段の右パネル
では、示されるMCF7安定トランスフェクトクローンを、
下記の実施例の節に記載のように、TNF誘導性細胞死に
対するそれらの感受性について、定量的に評価した。
s誘導性細胞死およびTNF誘導細胞死をブロックすること
を示す。上段パネルでは、MCF7安定トランスフェクトク
ローンを、処理しないか(UnRx)、またはTNF(40ng/m
l)で18時間処置するかのいずれかをし、その後、この
細胞を固定してヨウ化プロピジウムで染色し、共焦点顕
微鏡により核形態を調べた。CrmAは、TNF誘導性アポト
ーシスに対して有意な防御を与えたが、一方、ベクター
でトランスフェクトされた発現株およびCrmA変異体発現
株の両方はTNF誘導性アポトーシスに感受性であった。
下段の左パネルでは、示されるBJAB安定トランスフェク
トクローンを、下記に記載のように、アクリジンオレン
ジに基づくアポトーシスアッセイを用いて、Fas誘導性P
CDに対するそれらの感受性について、定量的に評価し
た。CrmA変異体発現細胞株は、一様に感受性であった
が、CrmA発現は、有意な防御を与えた。下段の右パネル
では、示されるMCF7安定トランスフェクトクローンを、
下記の実施例の節に記載のように、TNF誘導性細胞死に
対するそれらの感受性について、定量的に評価した。
【0207】図14は、TNFおよび抗Fas+CHXが、MCF7
細胞においてアポトーシスを誘導することを示す。MCF7
細胞を、下記の実施例の節に記載のように、TNFまたは
抗Fas+CHXで処理した。上の列:未処理、TNF処理、ま
たは抗Fas+CHX処理のMCF7細胞の核を、ヨウ化プロピジ
ウムで染色し、レーザースキャニング共焦点顕微鏡で可
視化した。矢印は、アポトーシス核の例を示す。下の
列:未処理、TNF処理、または抗Fas+CHX処理のMCF7細
胞の透過電子顕微鏡検査である。図15は、抗Fas抗体
が、BJAB細胞においてアポトーシスを誘導することを示
す。BJAB細胞を、下記のように、抗Fas抗体で処理し
た。図は、未処理または抗Fas処理の、アクリジンオレ
ンジ染色されたBJAB細胞の蛍光顕微鏡検査を示す。矢印
は、アポトーシス核の例を示す。挿入図:未処理または
抗Fas処理の、アクリジンオレンジ染色されたBJAB細胞
のレーザースキャニング共焦点顕微鏡検査を示す。
細胞においてアポトーシスを誘導することを示す。MCF7
細胞を、下記の実施例の節に記載のように、TNFまたは
抗Fas+CHXで処理した。上の列:未処理、TNF処理、ま
たは抗Fas+CHX処理のMCF7細胞の核を、ヨウ化プロピジ
ウムで染色し、レーザースキャニング共焦点顕微鏡で可
視化した。矢印は、アポトーシス核の例を示す。下の
列:未処理、TNF処理、または抗Fas+CHX処理のMCF7細
胞の透過電子顕微鏡検査である。図15は、抗Fas抗体
が、BJAB細胞においてアポトーシスを誘導することを示
す。BJAB細胞を、下記のように、抗Fas抗体で処理し
た。図は、未処理または抗Fas処理の、アクリジンオレ
ンジ染色されたBJAB細胞の蛍光顕微鏡検査を示す。矢印
は、アポトーシス核の例を示す。挿入図:未処理または
抗Fas処理の、アクリジンオレンジ染色されたBJAB細胞
のレーザースキャニング共焦点顕微鏡検査を示す。
【0208】図16は、プールしたトランスフェクタン
トの集団におけるCrmAによるアポトーシスの阻害を示
す。示されるベクターまたはCrmAトランスフェクト細胞
のプールした集団を、TNFまたはFas媒介性アポトーシス
に対する感受性について分析した。
トの集団におけるCrmAによるアポトーシスの阻害を示
す。示されるベクターまたはCrmAトランスフェクト細胞
のプールした集団を、TNFまたはFas媒介性アポトーシス
に対する感受性について分析した。
【0209】図17、図18、および図19は、CrmAに
よるMCF7細胞のTNFおよび抗Fas+CHX誘導性アポトーシ
スの阻害を示す。上段:MCF7ベクタートランスフェクト
クローン(V1-V5)またはCrmAトランスフェクトクロー
ン(CrmA1からCrmA5まで)の、TNFおよび抗Fas+CHX誘
導性細胞死に対する感受性を、ヨウ化プロピジウムアポ
トーシスアッセイにより評価した。挿入図:MTT変換ア
ッセイによる、TNFおよび抗Fas+CHX誘導性細胞死に対
する選択クローンの感受性である。中段:対応する細胞
株の、CrmA転写物を検出するためのノーザン分析であ
る。下段:RNAのβ-アクチン転写物ロードを検出するた
めのノーザン分析である。図中では、左の棒はTNFを示
し、そして右の棒は抗Fas+CHXを示す。図18は、漸増
投与量の抗Fas抗体により誘導されたアポトーシスのCrm
A媒介性阻害を示す。図19は、CrmAが、漸増投与量の
抗Fas抗体により誘導されたアポトーシスを阻害するこ
とを示す。アクリジンオレンジアポトーシスアッセイを
用いて、ベクタートランスフェクトクローン(BJAB V
1)またはCrmAトランスフェクトクローン(BJAB CrmA
2、BJAB CrmA3)の、示される投与量の抗Fas抗体により
誘導されるアポトーシスに対する感受性を分析した。
よるMCF7細胞のTNFおよび抗Fas+CHX誘導性アポトーシ
スの阻害を示す。上段:MCF7ベクタートランスフェクト
クローン(V1-V5)またはCrmAトランスフェクトクロー
ン(CrmA1からCrmA5まで)の、TNFおよび抗Fas+CHX誘
導性細胞死に対する感受性を、ヨウ化プロピジウムアポ
トーシスアッセイにより評価した。挿入図:MTT変換ア
ッセイによる、TNFおよび抗Fas+CHX誘導性細胞死に対
する選択クローンの感受性である。中段:対応する細胞
株の、CrmA転写物を検出するためのノーザン分析であ
る。下段:RNAのβ-アクチン転写物ロードを検出するた
めのノーザン分析である。図中では、左の棒はTNFを示
し、そして右の棒は抗Fas+CHXを示す。図18は、漸増
投与量の抗Fas抗体により誘導されたアポトーシスのCrm
A媒介性阻害を示す。図19は、CrmAが、漸増投与量の
抗Fas抗体により誘導されたアポトーシスを阻害するこ
とを示す。アクリジンオレンジアポトーシスアッセイを
用いて、ベクタートランスフェクトクローン(BJAB V
1)またはCrmAトランスフェクトクローン(BJAB CrmA
2、BJAB CrmA3)の、示される投与量の抗Fas抗体により
誘導されるアポトーシスに対する感受性を分析した。
【0210】図20は、BJAB細胞における抗Fas誘導ア
ポトーシスのCrmAによる阻害を示す。上段:BJABベクタ
ートランスフェクトクローン(V1〜V6)またはCrmAトラ
ンスフェクトクローン(CrmA1〜CrmA10)の、抗Fas誘導
アポトーシスに対する感受性の分析。細胞死は、アクリ
ジンオレンジアポトーシスアッセイにより評価した。挿
入図:MTT変換アッセイにより評価した抗Fas誘導細胞死
に対する選択されたクローンの感受性。中段:CrmA転写
物の発現の検出のための、対応する細胞株のノーザン分
析。下段:ロードしたRNAを評価するためにβ-アクチン
転写物を検出するためのノーザン分析。図21は、CrmA
が、漸増投与量の抗Fas抗体によるアポトーシスを阻害
することを示す。アクリジンオレンジアポトーシスアッ
セイを用いて、ベクタートランスフェクトクローン(BJ
AB V1)またはCrmAトランスフェクトクローン(BJAB Cr
mA2、BJAB CrmA3)の、示される投与量の抗Fas抗体によ
り誘導されるアポトーシスに対する感受性を分析した。
図中では、左の棒がBJABV1、中央の棒がBJAB CrmA2、お
よび右の棒がBJAB CrmA3を示す。
ポトーシスのCrmAによる阻害を示す。上段:BJABベクタ
ートランスフェクトクローン(V1〜V6)またはCrmAトラ
ンスフェクトクローン(CrmA1〜CrmA10)の、抗Fas誘導
アポトーシスに対する感受性の分析。細胞死は、アクリ
ジンオレンジアポトーシスアッセイにより評価した。挿
入図:MTT変換アッセイにより評価した抗Fas誘導細胞死
に対する選択されたクローンの感受性。中段:CrmA転写
物の発現の検出のための、対応する細胞株のノーザン分
析。下段:ロードしたRNAを評価するためにβ-アクチン
転写物を検出するためのノーザン分析。図21は、CrmA
が、漸増投与量の抗Fas抗体によるアポトーシスを阻害
することを示す。アクリジンオレンジアポトーシスアッ
セイを用いて、ベクタートランスフェクトクローン(BJ
AB V1)またはCrmAトランスフェクトクローン(BJAB Cr
mA2、BJAB CrmA3)の、示される投与量の抗Fas抗体によ
り誘導されるアポトーシスに対する感受性を分析した。
図中では、左の棒がBJABV1、中央の棒がBJAB CrmA2、お
よび右の棒がBJAB CrmA3を示す。
【0211】図22は、牛痘ウイルスCrmA遺伝子および
遺伝子産物の核酸配列および対応するアミノ酸配列を示
す。
遺伝子産物の核酸配列および対応するアミノ酸配列を示
す。
【0212】図23および図24は、野生型CrmAはCTL
媒介性アポトーシスを阻害するが、変異体CrmAは阻害し
ないことを示す。図23では、ベクターコントロール
(クローンV1(黒四角)およびV4(黒丸))またはCrmA発現
構築物(クローンCrmA2(黒三角)およびCrmA3(白丸))の
いずれかで安定的にトランスフェクトされたBJAB細胞の
クローン株を、本明細書中に記載されるように、51Cr放
出に基づく、24時間PHA促進同種異系CTL媒介細胞溶解ア
ッセイにおける標的細胞として使用した。図24では、
ベクターコントロール(クローンV1(黒四角))、CrmA
(クローンCrmA2(黒丸))、または変異体CrmA(クロー
ン変異体CrmA12(黒三角)および変異体CrmA17(白丸))発
現構築物のいずれかで安定的にトランスフェクトされた
BJAB細胞のクローン株を、51Crとともに同様にロード
し、そして24時間CTL媒介細胞溶解アッセイにおいて分
析した。図23および図24の両方に示される各データ
ポイントは、3連で実施したサンプルの平均を示し、そ
して標準偏差は常に平均の5%未満であった。各実験
は、少なくとも3回独立して繰り返し、同様の結果を有
した。クロム放出の絶対値は、血液ドナーの相違に起因
する変化のために実験間で直接比較され得ないが、ベク
ターまたは変異体CrmAに比較したCrmAによる防御の程度
の変化は、5%未満であった。100%クロム放出は、個
々の実験に依存して、4000cpmと12,000cpmとの範囲の間
の値に対応した。
媒介性アポトーシスを阻害するが、変異体CrmAは阻害し
ないことを示す。図23では、ベクターコントロール
(クローンV1(黒四角)およびV4(黒丸))またはCrmA発現
構築物(クローンCrmA2(黒三角)およびCrmA3(白丸))の
いずれかで安定的にトランスフェクトされたBJAB細胞の
クローン株を、本明細書中に記載されるように、51Cr放
出に基づく、24時間PHA促進同種異系CTL媒介細胞溶解ア
ッセイにおける標的細胞として使用した。図24では、
ベクターコントロール(クローンV1(黒四角))、CrmA
(クローンCrmA2(黒丸))、または変異体CrmA(クロー
ン変異体CrmA12(黒三角)および変異体CrmA17(白丸))発
現構築物のいずれかで安定的にトランスフェクトされた
BJAB細胞のクローン株を、51Crとともに同様にロード
し、そして24時間CTL媒介細胞溶解アッセイにおいて分
析した。図23および図24の両方に示される各データ
ポイントは、3連で実施したサンプルの平均を示し、そ
して標準偏差は常に平均の5%未満であった。各実験
は、少なくとも3回独立して繰り返し、同様の結果を有
した。クロム放出の絶対値は、血液ドナーの相違に起因
する変化のために実験間で直接比較され得ないが、ベク
ターまたは変異体CrmAに比較したCrmAによる防御の程度
の変化は、5%未満であった。100%クロム放出は、個
々の実験に依存して、4000cpmと12,000cpmとの範囲の間
の値に対応した。
【0213】図25および図26は、CrmAが、CTL媒介
殺傷のCa2+非依存性成分を完全にブロックすることを示
す。図25では、ベクター(クローンV1(黒四角)および
V4(黒丸))またはCrmA(クローンCrmA2(白三角)およびC
rmA3(白丸))発現構築物のいずれかで安定的にトランス
フェクトされたBJAB細胞を、本明細書に記載のように、
EGTA非存在下での24時間CTL媒介細胞溶解アッセイにお
いて分析した。図26では、同じ細胞株を、本明細書に
記載のように、10mM EGTAの存在下で、そして4mM Mg2+
を補充した24時間CTL媒介細胞溶解アッセイにおいて分
析した。図25および図26の両方に示される各データ
ポイントは、3連で実施したサンプルの平均を示し、そ
して標準偏差は常に平均の5%未満であった。各実験
は、少なくとも3回独立して繰り返し、同様の結果を有
した。クロム放出の絶対値は、血液ドナーの相違に起因
する変化のために実験間で直接比較され得ないが、ベク
ターに比較したCrmAによる防御の程度の変化は、5%未
満であった。100%クロム放出は、個々の実験に依存し
て、4000cpmと12,000cpmとの間の範囲の値に対応した。
殺傷のCa2+非依存性成分を完全にブロックすることを示
す。図25では、ベクター(クローンV1(黒四角)および
V4(黒丸))またはCrmA(クローンCrmA2(白三角)およびC
rmA3(白丸))発現構築物のいずれかで安定的にトランス
フェクトされたBJAB細胞を、本明細書に記載のように、
EGTA非存在下での24時間CTL媒介細胞溶解アッセイにお
いて分析した。図26では、同じ細胞株を、本明細書に
記載のように、10mM EGTAの存在下で、そして4mM Mg2+
を補充した24時間CTL媒介細胞溶解アッセイにおいて分
析した。図25および図26の両方に示される各データ
ポイントは、3連で実施したサンプルの平均を示し、そ
して標準偏差は常に平均の5%未満であった。各実験
は、少なくとも3回独立して繰り返し、同様の結果を有
した。クロム放出の絶対値は、血液ドナーの相違に起因
する変化のために実験間で直接比較され得ないが、ベク
ターに比較したCrmAによる防御の程度の変化は、5%未
満であった。100%クロム放出は、個々の実験に依存し
て、4000cpmと12,000cpmとの間の範囲の値に対応した。
【0214】図27および図28は、CrmAがCTL媒介細
胞溶解のCa2+依存性成分をブロックしないことを示す。
図27は、ベクター(クローンV1およびV4)またはCrmA
(クローンCrmA2およびCrmA3)発現構築物のいずれかで
安定的にトランスフェクションされたBJAB細胞を示す。
図中では、白四角がV1を、白三角がV4を、プラスがCrmA
2 #2を、そして白丸がCrmA2 #3を示す。これらは、本明
細書に記載のように、EGTA非存在下で4時間CTL媒介細
胞溶解アッセイにおいて分析した。図28では、同じ細
胞株を、10mM EGTAの存在下で、そして4mM Mg2+を補充
したこと以外は、本明細書に記載のように、4時間CTL
媒介細胞溶解アッセイにおいて分析した。図中では、白
四角がV1を、白三角がV4を、プラスがCrmA2 #2を、そし
て白丸がCrmA2 #3を示す。図27および図28の両方に
示される各データポイントは、3連で実施したサンプル
の平均を示し、そして標準偏差は常に平均の5%未満で
あった。各実験は、少なくとも3回独立して繰り返し、
同様の結果を有した。クロム放出の絶対値は、血液ドナ
ーの相違に起因する変化のために実験間で直接比較され
得ないが、ベクターに比較したCrmAによる防御の程度の
変化は、5%未満であった。100%クロム放出は、個々
の実験に依存して、4000cpmと12,000cpmとの間の範囲の
値に対応した。
胞溶解のCa2+依存性成分をブロックしないことを示す。
図27は、ベクター(クローンV1およびV4)またはCrmA
(クローンCrmA2およびCrmA3)発現構築物のいずれかで
安定的にトランスフェクションされたBJAB細胞を示す。
図中では、白四角がV1を、白三角がV4を、プラスがCrmA
2 #2を、そして白丸がCrmA2 #3を示す。これらは、本明
細書に記載のように、EGTA非存在下で4時間CTL媒介細
胞溶解アッセイにおいて分析した。図28では、同じ細
胞株を、10mM EGTAの存在下で、そして4mM Mg2+を補充
したこと以外は、本明細書に記載のように、4時間CTL
媒介細胞溶解アッセイにおいて分析した。図中では、白
四角がV1を、白三角がV4を、プラスがCrmA2 #2を、そし
て白丸がCrmA2 #3を示す。図27および図28の両方に
示される各データポイントは、3連で実施したサンプル
の平均を示し、そして標準偏差は常に平均の5%未満で
あった。各実験は、少なくとも3回独立して繰り返し、
同様の結果を有した。クロム放出の絶対値は、血液ドナ
ーの相違に起因する変化のために実験間で直接比較され
得ないが、ベクターに比較したCrmAによる防御の程度の
変化は、5%未満であった。100%クロム放出は、個々
の実験に依存して、4000cpmと12,000cpmとの間の範囲の
値に対応した。
【0215】図29は、CrmAが、CTL媒介DNA断片化をブ
ロックすることを示す。ベクター(クローンV1(黒四角)
およびV4(黒丸))またはCrmA(クローンCrmA2(白三角)
およびCrmA3(白四角))発現構築物のいずれかで安定的
にトランスフェクトされたBJAB細胞を、本明細書の下記
に記載のように、[メチル-3H]チミジンで標識し、CTLと
の4時間のインキュベーションによってDNA断片化を誘導
した。各データポイントは、3連で実施したサンプルの
平均を示し、そして標準偏差は常に平均の5%未満であ
った。2つの独立した実験は同様の結果を与え、そして
ベクターに比較したCrmAによる防御の程度は、実験間で
5%未満で変化した。100% DNA断片化は、個々の実験
に依存して、400cpmと1,000cpmとの範囲の絶対値に対応
した。
ロックすることを示す。ベクター(クローンV1(黒四角)
およびV4(黒丸))またはCrmA(クローンCrmA2(白三角)
およびCrmA3(白四角))発現構築物のいずれかで安定的
にトランスフェクトされたBJAB細胞を、本明細書の下記
に記載のように、[メチル-3H]チミジンで標識し、CTLと
の4時間のインキュベーションによってDNA断片化を誘導
した。各データポイントは、3連で実施したサンプルの
平均を示し、そして標準偏差は常に平均の5%未満であ
った。2つの独立した実験は同様の結果を与え、そして
ベクターに比較したCrmAによる防御の程度は、実験間で
5%未満で変化した。100% DNA断片化は、個々の実験
に依存して、400cpmと1,000cpmとの範囲の絶対値に対応
した。
【0216】図30および図31は、FasまたはTNFレセ
プターのいずれかの活性化が、U1-70 kDa切断を誘導す
ることを示す。図30では、BJAB細胞を、未処理のまま
にする(UnRx)か、または示した時間の間、アゴニスト
抗Fasモノクローナル抗体(250ng/ml)で処理し、そし
て細胞溶解物を調製し、そして本明細書中に記載のよう
に、U1-70kDa反応性抗血清を用いるウエスタンブロッテ
ィングにより分析した。「b」で示される矢印は、抗血
清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は切断
されない、バックグランドタンパク質を示す。図31で
は、MCF7細胞を、未処理のままにする(UnRx)か、また
は示した時間の間、TNF(40ng/ml)で処理するかのいず
れかをし、そして細胞溶解物を同様に分析した。「b」
で示される矢印は、抗血清と交差反応をするが、しかし
アポトーシスの間は切断されない、バックグランドタン
パク質を示す。
プターのいずれかの活性化が、U1-70 kDa切断を誘導す
ることを示す。図30では、BJAB細胞を、未処理のまま
にする(UnRx)か、または示した時間の間、アゴニスト
抗Fasモノクローナル抗体(250ng/ml)で処理し、そし
て細胞溶解物を調製し、そして本明細書中に記載のよう
に、U1-70kDa反応性抗血清を用いるウエスタンブロッテ
ィングにより分析した。「b」で示される矢印は、抗血
清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は切断
されない、バックグランドタンパク質を示す。図31で
は、MCF7細胞を、未処理のままにする(UnRx)か、また
は示した時間の間、TNF(40ng/ml)で処理するかのいず
れかをし、そして細胞溶解物を同様に分析した。「b」
で示される矢印は、抗血清と交差反応をするが、しかし
アポトーシスの間は切断されない、バックグランドタン
パク質を示す。
【0217】図32から図34は、CrmAはU1-70 kDaのF
as誘導切断をブロックするが、変異体CrmAはブロックし
ないことを示す。図32では、CrmAを発現しないクロー
ン化BJAB細胞株(V4、V1、CrmA5)を、未処理のままに
する(UnRx)か、または示した時間の間、アゴニスト抗
Fas抗体(250ng/ml)で処理するかのいずれかをし、そ
して溶解物を調製し、そして本明細書中に記載のよう
に、U1-70kDa反応性抗血清を用いるウエスタンブロッテ
ィングによって分析した。「b」で示される矢印は、抗
血清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は切
断されない、バックグランドタンパク質を示す。図33
は、CrmA(CrmA2、CrmA3)を発現するクローン化BJABト
ランスフェクタントを、未処理のままにする(UnRx)
か、または示した時間の間、アゴニスト抗Fas抗体(250
ng/ml)で処理するかのいずれかとし、そして同様に分
析した。「b」で示される矢印は、抗血清と交差反応を
するが、しかしアポトーシスの間は切断されない、バッ
クグランドタンパク質を示す。図34では、変異体CrmA
(変異体CrmA/クローン#12、変異体CrmA/クローン#1
7)を発現するクローン化BJABトランスフェクタント
を、未処理のままにする(UnRx)か、または示した時間
の間抗Fas抗体(250ng/ml)で処理するかのいずれかと
し、そして同様に分析した。「b」で示される矢印は、
抗血清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は
切断されない、バックグランドタンパク質を示す。
as誘導切断をブロックするが、変異体CrmAはブロックし
ないことを示す。図32では、CrmAを発現しないクロー
ン化BJAB細胞株(V4、V1、CrmA5)を、未処理のままに
する(UnRx)か、または示した時間の間、アゴニスト抗
Fas抗体(250ng/ml)で処理するかのいずれかをし、そ
して溶解物を調製し、そして本明細書中に記載のよう
に、U1-70kDa反応性抗血清を用いるウエスタンブロッテ
ィングによって分析した。「b」で示される矢印は、抗
血清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は切
断されない、バックグランドタンパク質を示す。図33
は、CrmA(CrmA2、CrmA3)を発現するクローン化BJABト
ランスフェクタントを、未処理のままにする(UnRx)
か、または示した時間の間、アゴニスト抗Fas抗体(250
ng/ml)で処理するかのいずれかとし、そして同様に分
析した。「b」で示される矢印は、抗血清と交差反応を
するが、しかしアポトーシスの間は切断されない、バッ
クグランドタンパク質を示す。図34では、変異体CrmA
(変異体CrmA/クローン#12、変異体CrmA/クローン#1
7)を発現するクローン化BJABトランスフェクタント
を、未処理のままにする(UnRx)か、または示した時間
の間抗Fas抗体(250ng/ml)で処理するかのいずれかと
し、そして同様に分析した。「b」で示される矢印は、
抗血清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は
切断されない、バックグランドタンパク質を示す。
【0218】図35から図37は、CrmAはU1-70 kDaのT
NF-R誘導切断をブロックするが、しかし変異体CrmAはブ
ロックしないことを示す。図35では、CrmAを発現しな
いクローン化MCF7トランスフェクタント(V4、CrmA2)
を、未処理のままにするか、または示した時間の間、TN
F(40ng/ml)で処理するかのいずれかとし、そして溶解
物を調製し、そして本明細書中に記載のように、U1-70
kDa反応性抗血清を用いるウエスタンブロッティングに
よって分析した。「b」で示される矢印は、抗血清と交
差反応をするが、しかしアポトーシスの間は切断されな
い、バックグランドタンパク質を示す。図36では、Cr
mAを発現するクローン化MCF7トランスフェクタント(Cr
mA3、CrmA4)を、未処理のままにする(UnRx)か、また
は示した時間の間、TNF(40ng/ml)で処理するかのいず
れかとし、そして同様に分析した。「b」で示される矢
印は、抗血清と交差反応をするが、しかしアポトーシス
の間は切断されない、バックグランドタンパク質を示
す。図37では、変異体CrmAを発現するクローン化
MCF7トランスフェクタント(クローン#1、クローン
#2)を、未処理のままにする(UnRx)か、または示した
時間の間、TNF(40ng/ml)で処理するかのいずれかと
し、そして同様に分析した。「b」で示される矢印は、
抗血清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は
切断されない、バックグランドタンパク質を示す。
NF-R誘導切断をブロックするが、しかし変異体CrmAはブ
ロックしないことを示す。図35では、CrmAを発現しな
いクローン化MCF7トランスフェクタント(V4、CrmA2)
を、未処理のままにするか、または示した時間の間、TN
F(40ng/ml)で処理するかのいずれかとし、そして溶解
物を調製し、そして本明細書中に記載のように、U1-70
kDa反応性抗血清を用いるウエスタンブロッティングに
よって分析した。「b」で示される矢印は、抗血清と交
差反応をするが、しかしアポトーシスの間は切断されな
い、バックグランドタンパク質を示す。図36では、Cr
mAを発現するクローン化MCF7トランスフェクタント(Cr
mA3、CrmA4)を、未処理のままにする(UnRx)か、また
は示した時間の間、TNF(40ng/ml)で処理するかのいず
れかとし、そして同様に分析した。「b」で示される矢
印は、抗血清と交差反応をするが、しかしアポトーシス
の間は切断されない、バックグランドタンパク質を示
す。図37では、変異体CrmAを発現するクローン化
MCF7トランスフェクタント(クローン#1、クローン
#2)を、未処理のままにする(UnRx)か、または示した
時間の間、TNF(40ng/ml)で処理するかのいずれかと
し、そして同様に分析した。「b」で示される矢印は、
抗血清と交差反応をするが、しかしアポトーシスの間は
切断されない、バックグランドタンパク質を示す。
【0219】図38は、哺乳動物Yamaが、アポトーシス
刺激(例えば、スタウロスポリン(staurosporine))
によって活性化されることを示す。Jurkat細胞を、未処
理のままにするか、あるいは2μMスタウロスポリンま
たは200ng/ml抗APO-1抗体で3時間処理する。10×106Ju
rkat細胞からの細胞質ゾル抽出物をSDS-PAGEにより分析
し、その後、Yamaの17kDaおよび12kDaサブユニットに対
する抗体でイムノブロットを行った。BJABまたはCEM細
胞を使用して同様の結果が得られた。Yamaの17kDaサブ
ユニットの中間型もまた、プロドメインを含有すると考
えられることが観察された(17kDaサブユニットに対す
る抗体にのみ特異的である)。
刺激(例えば、スタウロスポリン(staurosporine))
によって活性化されることを示す。Jurkat細胞を、未処
理のままにするか、あるいは2μMスタウロスポリンま
たは200ng/ml抗APO-1抗体で3時間処理する。10×106Ju
rkat細胞からの細胞質ゾル抽出物をSDS-PAGEにより分析
し、その後、Yamaの17kDaおよび12kDaサブユニットに対
する抗体でイムノブロットを行った。BJABまたはCEM細
胞を使用して同様の結果が得られた。Yamaの17kDaサブ
ユニットの中間型もまた、プロドメインを含有すると考
えられることが観察された(17kDaサブユニットに対す
る抗体にのみ特異的である)。
【0220】図39から図42は、bcl-2およびbcl-xL
がYamaの上流で機能することを示す。図39は、Jurkat
細胞株におけるbcl-2およびbcl-xLの発現を示す。Jurka
t細胞は、コントロールベクター、pEBs-bcl-xL、または
pEBs-bcl-2でトランスフェクトし、そしてハイグロマイ
シンで選択し、本明細書中に記載のようにSDS-PAGEおよ
びイムノブロットを行った。図40は、bcl-2およびbcl
-xLが、スタウロスポリン誘導細胞死を防止するが、し
かしFas/APO-1誘導細胞死は防止しないことを示す。Jur
kat細胞(2×106)を、未処理のままにするか、スタウ
ロスポリン(2μM)での18時間処理、または抗APO-1抗
体(200ng/ml)での6時間処理を行った。次いで、細胞
を、本明細書中に記載のようにDNA断片化について分析
した。さらに、アクリジンオレンジ染色により評価され
た核の形態は、同様の結果を与えた。図41は、死基質
(death substrate)であるポリ(ADP-リボース)ポリメ
ラーゼのスタウロスポリン誘導切断が、bcl-2およびbcl
-xLによってブロックされることを示す。Jurkat細胞
を、未処理のままにするか、2μMスタウロスポリンで
処理、または200ng/mlの抗APO-1抗体での6時間処理を
行い、そして本明細書の以前に記載のように、PARP切断
について分析した。図42は、bcl-2およびbcl-xLが、
スタウロスポリン誘導Yama活性化をブロックすることを
示す。Jurkat細胞を、未処理のままにするか、2μMス
タウロスポリンでの3時間処理、または200ng/ml抗APO-
1抗体での1.5時間処理を行い、そして図3のように分析
した。
がYamaの上流で機能することを示す。図39は、Jurkat
細胞株におけるbcl-2およびbcl-xLの発現を示す。Jurka
t細胞は、コントロールベクター、pEBs-bcl-xL、または
pEBs-bcl-2でトランスフェクトし、そしてハイグロマイ
シンで選択し、本明細書中に記載のようにSDS-PAGEおよ
びイムノブロットを行った。図40は、bcl-2およびbcl
-xLが、スタウロスポリン誘導細胞死を防止するが、し
かしFas/APO-1誘導細胞死は防止しないことを示す。Jur
kat細胞(2×106)を、未処理のままにするか、スタウ
ロスポリン(2μM)での18時間処理、または抗APO-1抗
体(200ng/ml)での6時間処理を行った。次いで、細胞
を、本明細書中に記載のようにDNA断片化について分析
した。さらに、アクリジンオレンジ染色により評価され
た核の形態は、同様の結果を与えた。図41は、死基質
(death substrate)であるポリ(ADP-リボース)ポリメ
ラーゼのスタウロスポリン誘導切断が、bcl-2およびbcl
-xLによってブロックされることを示す。Jurkat細胞
を、未処理のままにするか、2μMスタウロスポリンで
処理、または200ng/mlの抗APO-1抗体での6時間処理を
行い、そして本明細書の以前に記載のように、PARP切断
について分析した。図42は、bcl-2およびbcl-xLが、
スタウロスポリン誘導Yama活性化をブロックすることを
示す。Jurkat細胞を、未処理のままにするか、2μMス
タウロスポリンでの3時間処理、または200ng/ml抗APO-
1抗体での1.5時間処理を行い、そして図3のように分析
した。
【0221】図43から図46は、CrmAの標的がYamaの
上流であることを示す。図43では、Jurkat細胞を、コ
ントロールベクターまたはpZEM-CrmAでトランスフェク
トし、そしてネオマイシンで選択した。7つの抗APO-1
耐性クローンが同定され、そしてプールされた。SDS-PA
GEおよびイムノブロッティングが、明細書中に記載のよ
うに実施された。図44では、CrmAは、Fas/APO-1誘導
細胞死を防止するが、しかしスタウロスポリン誘導細胞
死は防止しない。Jurkat細胞(2×106)を、未処理の
ままにするか、スタウロスポリン(2μM)での18時間
処理、または抗APO-1抗体(200 ng/ml)での6時間処理
を行った。次いで、細胞を、本明細書中に記載のように
DNA断片化について分析した。さらに、アクリジンオレ
ンジ染色によって評価された核の形態は、同様の結果を
与えた。図45では、Fas/APO-1誘導PARP切断が、CrmA
によってブロックされるが、スタウロスポリン誘導PARP
切断はブロックされないことを示す。Jurkat細胞を、未
処理のままにするか、2μMスタウロスポリンでの処
理、または200ng/mlの抗APO-1抗体での6時間処理を行
い、そして本明細書中に記載のようにPARP切断について
分析した。図46では、CrmAがFas/APO-1誘導Yamaをブ
ロックする。Jurkat細胞を、未処理のままにするか、2
μMスタウロスポリンでの3時間処理、または200ng/ml
抗APO-1抗体での1.5時間処理を行い、そして分析した。
上流であることを示す。図43では、Jurkat細胞を、コ
ントロールベクターまたはpZEM-CrmAでトランスフェク
トし、そしてネオマイシンで選択した。7つの抗APO-1
耐性クローンが同定され、そしてプールされた。SDS-PA
GEおよびイムノブロッティングが、明細書中に記載のよ
うに実施された。図44では、CrmAは、Fas/APO-1誘導
細胞死を防止するが、しかしスタウロスポリン誘導細胞
死は防止しない。Jurkat細胞(2×106)を、未処理の
ままにするか、スタウロスポリン(2μM)での18時間
処理、または抗APO-1抗体(200 ng/ml)での6時間処理
を行った。次いで、細胞を、本明細書中に記載のように
DNA断片化について分析した。さらに、アクリジンオレ
ンジ染色によって評価された核の形態は、同様の結果を
与えた。図45では、Fas/APO-1誘導PARP切断が、CrmA
によってブロックされるが、スタウロスポリン誘導PARP
切断はブロックされないことを示す。Jurkat細胞を、未
処理のままにするか、2μMスタウロスポリンでの処
理、または200ng/mlの抗APO-1抗体での6時間処理を行
い、そして本明細書中に記載のようにPARP切断について
分析した。図46では、CrmAがFas/APO-1誘導Yamaをブ
ロックする。Jurkat細胞を、未処理のままにするか、2
μMスタウロスポリンでの3時間処理、または200ng/ml
抗APO-1抗体での1.5時間処理を行い、そして分析した。
【0222】(実験1)TNFおよび抗Fasによるアポトー
シスの誘導−MCF7乳癌上皮細胞株(TNFレセプターを発
現しTNF殺傷に対して感受性を示す)のサブクローン
を、これらの研究のため選択した。この細胞株は、Spri
ggsら (1988) J. Clinc. Invest., 81:455-460中で特徴
づけられる。Fasはまたこれらの細胞上でも発現するこ
と、およびタンパク質合成インヒビターであるシクロヘ
キシミドと共存下で抗Fasモノクローナル抗体と架橋す
ると細胞死を誘導することを、更なる分析で明示した。
シスの誘導−MCF7乳癌上皮細胞株(TNFレセプターを発
現しTNF殺傷に対して感受性を示す)のサブクローン
を、これらの研究のため選択した。この細胞株は、Spri
ggsら (1988) J. Clinc. Invest., 81:455-460中で特徴
づけられる。Fasはまたこれらの細胞上でも発現するこ
と、およびタンパク質合成インヒビターであるシクロヘ
キシミドと共存下で抗Fasモノクローナル抗体と架橋す
ると細胞死を誘導することを、更なる分析で明示した。
【0223】アッセイの期間にわたるシクロヘキシミド
処理は、任意の未処理細胞培養物で見られる極わずかの
頻度で自発的に起こるアポトーシス以外に、細胞死を誘
導しなかった。抗Fasは単独では細胞傷害性ではなかっ
た。しかし、これは驚くことではない。というのもFas
活性化による非リンパ系細胞の細胞死の誘導は、転写イ
ンヒビターまたは翻訳インヒビターのいずれか一方の共
存を要求すると報告されているからである。Itohら (19
91) Cell 66:233-243参照。
処理は、任意の未処理細胞培養物で見られる極わずかの
頻度で自発的に起こるアポトーシス以外に、細胞死を誘
導しなかった。抗Fasは単独では細胞傷害性ではなかっ
た。しかし、これは驚くことではない。というのもFas
活性化による非リンパ系細胞の細胞死の誘導は、転写イ
ンヒビターまたは翻訳インヒビターのいずれか一方の共
存を要求すると報告されているからである。Itohら (19
91) Cell 66:233-243参照。
【0224】B細胞リンパ腫細胞株(BJAB)もまた調べ
た。これは高レベルのFasを発現する。また、これはタ
ンパク質合成インヒビターの非存在下では、抗Fas抗体
の添加により死滅した。
た。これは高レベルのFasを発現する。また、これはタ
ンパク質合成インヒビターの非存在下では、抗Fas抗体
の添加により死滅した。
【0225】細胞死は、二つの生化学的および形態学的
に異なる過程によって起こり得る:アポトーシスおよび
壊死。これらの研究において、まず細胞死は壊死ではな
く、アポトーシスを誘導するTNFまたは抗Fasの結果であ
ると確認された。種々のアポトーシスマーカーが報告さ
れているが、この現象は好ましくは形態学的レベルで定
義され、そしてクロマチンの凝縮および内核膜に沿った
縁どり(margination)、細胞質凝縮、および細胞膜を崩
壊しない膜の液胞化(blebbing)であると特徴付けられ
る。Duvallら (1986) Immunol. Today 7:115-119参照。
逆に、壊死は細胞質膨張および細胞膜の溶解として定義
され、また、重要なことに、アポトーシスの特徴である
クロマチン縁どりを示さない。ヌクレオソーム間の所々
での切断を表すDNAはしご状形成(laddering)が、全部
ではないが一部の型のアポトーシスで見られる。これ
は、アポトーシスを定義する際の形態学的特徴の重要性
をさらに強調する。Barresら (1992) Cell 70:31-46。T
NFまたは抗Fas抗体と応答して染色する細胞の核の形態
を、DNA結合色素プロピジアンヨウ素(MCF7細胞)および
アクリジンオレンジ(BJAB細胞)で染色した後に調べ
た。蛍光顕微鏡レーザー走査共焦点顕微鏡(Fluorescene
microscopy laser scanning confocal microscopy)
は、TNFまたは抗Fas-CHXのいずれかとの応答においてMC
F7細胞の、そして抗Fasとの応答においてBJAB細胞の核
形態の顕著な変化を示した。クロマチン凝縮は両株の免
疫蛍光顕微鏡によって明確に可視化され、そして後のト
ランスフェクト細胞株のアポトーシスアッセイの基礎を
形成した。共焦点顕微鏡で内核膜に沿った縁どりを確認
した。アポトーシス細胞死のこれらの形態学的特徴を、
透過型電子顕微鏡によりさらに確認した。MCF7細胞は、
TNFまたは抗Fas+CHのいずれかとの応答において、明ら
かに、クロマチン凝縮および内核膜に沿った縁どり、な
らびに細胞質凝縮および膜の液胞化の増加を示した。抗
Fas抗体で処理したBJAB細胞は、リンパ系細胞のアポト
ーシスに典型的なクロマチン縁どりと細胞萎縮とを示し
た。従って、TNFおよびFasの両方が、これらの細胞株に
おいて真性のアポトーシス細胞死を誘導した。
に異なる過程によって起こり得る:アポトーシスおよび
壊死。これらの研究において、まず細胞死は壊死ではな
く、アポトーシスを誘導するTNFまたは抗Fasの結果であ
ると確認された。種々のアポトーシスマーカーが報告さ
れているが、この現象は好ましくは形態学的レベルで定
義され、そしてクロマチンの凝縮および内核膜に沿った
縁どり(margination)、細胞質凝縮、および細胞膜を崩
壊しない膜の液胞化(blebbing)であると特徴付けられ
る。Duvallら (1986) Immunol. Today 7:115-119参照。
逆に、壊死は細胞質膨張および細胞膜の溶解として定義
され、また、重要なことに、アポトーシスの特徴である
クロマチン縁どりを示さない。ヌクレオソーム間の所々
での切断を表すDNAはしご状形成(laddering)が、全部
ではないが一部の型のアポトーシスで見られる。これ
は、アポトーシスを定義する際の形態学的特徴の重要性
をさらに強調する。Barresら (1992) Cell 70:31-46。T
NFまたは抗Fas抗体と応答して染色する細胞の核の形態
を、DNA結合色素プロピジアンヨウ素(MCF7細胞)および
アクリジンオレンジ(BJAB細胞)で染色した後に調べ
た。蛍光顕微鏡レーザー走査共焦点顕微鏡(Fluorescene
microscopy laser scanning confocal microscopy)
は、TNFまたは抗Fas-CHXのいずれかとの応答においてMC
F7細胞の、そして抗Fasとの応答においてBJAB細胞の核
形態の顕著な変化を示した。クロマチン凝縮は両株の免
疫蛍光顕微鏡によって明確に可視化され、そして後のト
ランスフェクト細胞株のアポトーシスアッセイの基礎を
形成した。共焦点顕微鏡で内核膜に沿った縁どりを確認
した。アポトーシス細胞死のこれらの形態学的特徴を、
透過型電子顕微鏡によりさらに確認した。MCF7細胞は、
TNFまたは抗Fas+CHのいずれかとの応答において、明ら
かに、クロマチン凝縮および内核膜に沿った縁どり、な
らびに細胞質凝縮および膜の液胞化の増加を示した。抗
Fas抗体で処理したBJAB細胞は、リンパ系細胞のアポト
ーシスに典型的なクロマチン縁どりと細胞萎縮とを示し
た。従って、TNFおよびFasの両方が、これらの細胞株に
おいて真性のアポトーシス細胞死を誘導した。
【0226】(実験2)真核細胞、細菌、およびインビ
トロでの発現のためのCrmA変異体プラスミドの生成−4
つのプライマーを使用するPCRに基づく方法(Higuchiら
(1988) Nucleic Acids Res. 16:7351-7367に記載)を
用いて、CrmA遺伝子のコドン291をThrからArgに転換し
た。野生型のcDNAおよびタンパク質配列を図14および
図15に示す。最初に、2つの独立したPCR反応を、プ
ラスミドpcDNA3/CrmA(TewariおよびDixit (1995) J. B
iol. Chem. 270:3255-3260)中に記載および上記)を鋳
型として用いて実施した。第一反応は、CrmAをコードす
る配列(メチオニン開始コドンの最初のヌクレオチドを
ヌクレオチド1と表す)のヌクレオチド682〜711に対応
する上流プライマー(プライマーA)、およびヌクレオ
チド853〜896に相補的な下流変異プライマー(プライマ
ーM2)から成った。プライマーM2は、Pst 1部位を除去
するGからAへのトランジションおよびThrの代わりにA
rgをコードするようにコドン291を変化させる塩基変化
を含有し、そしてさらに、診断的なNru1部位を導入し
た。2番目のPCR反応は、プライマーM2に相補的な上流
センス変異プライマー(プライマーM1)ならびに慣習的
なXba 1部位およびXho 1部位を有するCrmAコード領域の
最後の26ヌクレオチドに相補的な下流プライマー(プラ
イマーB)を用いた。PCR産物をゲル精製し、結合し、
加熱により変性し、そして室温にゆっくり冷却してアニ
ールさせた。10分の伸長反応の後、フランキングプライ
マーAおよびBを用いてPCRを行った。その増幅産物
を、Cla 1(CrmAコード配列のヌクレオチド692で切断す
る)およびXba 1で切断し、そして同様に切断したpcDNA
3/CrmA中にクローニングした。その変異を、PCR増幅に
より得た全ての切片と同様に、DNA配列決定により確証
した。この組換えプラスミドをpcDNA3/CrmA変異体と称
した。
トロでの発現のためのCrmA変異体プラスミドの生成−4
つのプライマーを使用するPCRに基づく方法(Higuchiら
(1988) Nucleic Acids Res. 16:7351-7367に記載)を
用いて、CrmA遺伝子のコドン291をThrからArgに転換し
た。野生型のcDNAおよびタンパク質配列を図14および
図15に示す。最初に、2つの独立したPCR反応を、プ
ラスミドpcDNA3/CrmA(TewariおよびDixit (1995) J. B
iol. Chem. 270:3255-3260)中に記載および上記)を鋳
型として用いて実施した。第一反応は、CrmAをコードす
る配列(メチオニン開始コドンの最初のヌクレオチドを
ヌクレオチド1と表す)のヌクレオチド682〜711に対応
する上流プライマー(プライマーA)、およびヌクレオ
チド853〜896に相補的な下流変異プライマー(プライマ
ーM2)から成った。プライマーM2は、Pst 1部位を除去
するGからAへのトランジションおよびThrの代わりにA
rgをコードするようにコドン291を変化させる塩基変化
を含有し、そしてさらに、診断的なNru1部位を導入し
た。2番目のPCR反応は、プライマーM2に相補的な上流
センス変異プライマー(プライマーM1)ならびに慣習的
なXba 1部位およびXho 1部位を有するCrmAコード領域の
最後の26ヌクレオチドに相補的な下流プライマー(プラ
イマーB)を用いた。PCR産物をゲル精製し、結合し、
加熱により変性し、そして室温にゆっくり冷却してアニ
ールさせた。10分の伸長反応の後、フランキングプライ
マーAおよびBを用いてPCRを行った。その増幅産物
を、Cla 1(CrmAコード配列のヌクレオチド692で切断す
る)およびXba 1で切断し、そして同様に切断したpcDNA
3/CrmA中にクローニングした。その変異を、PCR増幅に
より得た全ての切片と同様に、DNA配列決定により確証
した。この組換えプラスミドをpcDNA3/CrmA変異体と称
した。
【0227】オリゴヌクレオチドプライマーの配列は以
下の通りであった: プライマーA:5'GCT ATG TTT ATC GAT GTG CAC ATT CC
C AAG; プライマーM2:5' GCA CAA GTT GCT GCG GCT GCT TCG C
GA TAC TCT TCA TTG ACATC; プライマーB:5' GCT CTA GAC TCG AGT TAA TTA GTT G
TT GGA GAG CAA TAT C; プライマーM1:5' GAT GTC AAT GAA GAG TAT CGC GAA G
CA GCC GCA GCA ACT TGTGC。
下の通りであった: プライマーA:5'GCT ATG TTT ATC GAT GTG CAC ATT CC
C AAG; プライマーM2:5' GCA CAA GTT GCT GCG GCT GCT TCG C
GA TAC TCT TCA TTG ACATC; プライマーB:5' GCT CTA GAC TCG AGT TAA TTA GTT G
TT GGA GAG CAA TAT C; プライマーM1:5' GAT GTC AAT GAA GAG TAT CGC GAA G
CA GCC GCA GCA ACT TGTGC。
【0228】インビトロでの転写および翻訳を目的とし
て、天然のCrmA遺伝子およびその変異体をNco 1およびX
ho 1で切断し、そして精製を容易にするために、インフ
レーム(in-frame)N末端にMet-His6タグをコードしたp
TM1(Mossら (1990) Nature 348:91-92)に基づくプラス
ミドに連結した。そのコード配列は、開始因子メチオニ
ンで始まり、次いでヒスチジン6残基、セリン1残基、
そしてCrmAまたはその変異体の完全コード領域が続く。
て、天然のCrmA遺伝子およびその変異体をNco 1およびX
ho 1で切断し、そして精製を容易にするために、インフ
レーム(in-frame)N末端にMet-His6タグをコードしたp
TM1(Mossら (1990) Nature 348:91-92)に基づくプラス
ミドに連結した。そのコード配列は、開始因子メチオニ
ンで始まり、次いでヒスチジン6残基、セリン1残基、
そしてCrmAまたはその変異体の完全コード領域が続く。
【0229】大腸菌での発現のために、pTM1中の天然お
よび変異CrmA遺伝子をNco 1およびXho 1で切断し、そし
て同様のHis6融合タグを含有するイソプロピル-1-チオ
-J-D-ガラクトピラノシド(IPTG)誘導プラスミドpFLAG
(IBI)の誘導体に連結した。さらに、pcDNA3/CrmA(Tewar
iおよびDixit(1995)前出)由来のCrmA遺伝子を、キメラ
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)-CrmAオープ
ンリーディングフレームを生じるNco 1/Xho 1切断pGSTa
g細菌発現ベクター(Dr. Holly Dresslerにより提供さ
れた、a Massachusetts General Hospital、そしてRon
およびDressler (1992) BioTechniques 13:866-869に記
載)中にサブクローニングした。
よび変異CrmA遺伝子をNco 1およびXho 1で切断し、そし
て同様のHis6融合タグを含有するイソプロピル-1-チオ
-J-D-ガラクトピラノシド(IPTG)誘導プラスミドpFLAG
(IBI)の誘導体に連結した。さらに、pcDNA3/CrmA(Tewar
iおよびDixit(1995)前出)由来のCrmA遺伝子を、キメラ
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)-CrmAオープ
ンリーディングフレームを生じるNco 1/Xho 1切断pGSTa
g細菌発現ベクター(Dr. Holly Dresslerにより提供さ
れた、a Massachusetts General Hospital、そしてRon
およびDressler (1992) BioTechniques 13:866-869に記
載)中にサブクローニングした。
【0230】GST-CrmA融合タンパクの調製およびウサギ
ポリクローナル抗血清の生成−抗体を組換えCrmA融合タ
ンパク質に対して生じさせた。初回免疫を6×Hisタグ
化CrmA組換えタンパク質で行い、そして追加免疫を以前
に記載(Huら (1994) J. Biol.Chem. 269:30069-30072)
のように作製したGST-CrmA融合タンパク質で行った。簡
単には、BL21pLyS大腸菌株をpGSTag-CrmAプラスミドで
形質転換し、そしてIPTGを50μMまで添加することで培
養物中に融合タンパク質の産出を誘導した。25℃で1.5
時間インキュベートした後、この細胞を遠心分離により
回収し、溶解緩衝液(20mM Tris (pH8.0)、0.5M NaCl、
10%グリセロール、1mM PMSF、1mg/mlロイペプチン、1m
g/ml アプロチニン、10mg/ml大豆トリプシンインヒビタ
ー、1mg/mlペプスタチン、および0.1%トリトンX-100)
に再懸濁し、超音波処理し、遠心分離により不用物を除
去し、そしてグルタチオン−アガロースビーズ(Sigma)
に吸着させた。可溶性GST-CrmA融合タンパク質を5mM遊
離グルタチオン(Sigma)とインキュベートすることによ
り溶出させた。融合タンパク質の代表的な収量は、細菌
培養液1リットルに対し1mgであった。ウサギの免疫お
よび抗血清のスクリーニングは以前に記載された(O'Rou
rkeら (1992) J. Biol. Chem. 267:24921-24924)のと同
様にして行った。
ポリクローナル抗血清の生成−抗体を組換えCrmA融合タ
ンパク質に対して生じさせた。初回免疫を6×Hisタグ
化CrmA組換えタンパク質で行い、そして追加免疫を以前
に記載(Huら (1994) J. Biol.Chem. 269:30069-30072)
のように作製したGST-CrmA融合タンパク質で行った。簡
単には、BL21pLyS大腸菌株をpGSTag-CrmAプラスミドで
形質転換し、そしてIPTGを50μMまで添加することで培
養物中に融合タンパク質の産出を誘導した。25℃で1.5
時間インキュベートした後、この細胞を遠心分離により
回収し、溶解緩衝液(20mM Tris (pH8.0)、0.5M NaCl、
10%グリセロール、1mM PMSF、1mg/mlロイペプチン、1m
g/ml アプロチニン、10mg/ml大豆トリプシンインヒビタ
ー、1mg/mlペプスタチン、および0.1%トリトンX-100)
に再懸濁し、超音波処理し、遠心分離により不用物を除
去し、そしてグルタチオン−アガロースビーズ(Sigma)
に吸着させた。可溶性GST-CrmA融合タンパク質を5mM遊
離グルタチオン(Sigma)とインキュベートすることによ
り溶出させた。融合タンパク質の代表的な収量は、細菌
培養液1リットルに対し1mgであった。ウサギの免疫お
よび抗血清のスクリーニングは以前に記載された(O'Rou
rkeら (1992) J. Biol. Chem. 267:24921-24924)のと同
様にして行った。
【0231】大腸菌由来の組換え6×Hisタグ化CrmAタ
ンパク質の発現および精製−6×HisCrmAまたは6×His
CrmA変異体構築物のいずれか一方で形質転換した大腸菌
TG1株を、IPTGで3時間誘導し、集菌し、そして超音波
処理によって溶解した細胞を遠心分離によってペレット
化した。可溶性CrmAを含有する上清を0.22μmフィルタ
ーに通し、2mlのNi-NTAカラム(Qiagen)に載せ、そして
0.5M NaClを含有する50mMTris (pH8.0)で洗浄した。Crm
Aを、0.1M NaClを含有する50mM Tris、50mMイミダゾー
ル(pH8.0)により溶出させた。この物質を、2mMジチオト
レイトールを含有する9倍容量の20mM Hepes (pH7.4)で
希釈し、そして2mlのDEAE Sepharoseカラムに展開し
た。このカラムを20mM Hepes緩衝液(pH7.4)中において
0から1M NaCl直線グラジエントで展開したところ、Cr
mAは約0.4M NaClで溶出し、6リットルの培養液から4mg
のタンパク質の収量を得た。その物質はクーマシーブル
ー染色により95%以上の純度だと推定され、そして使用
するまで−70℃で貯蔵された。この物質を使用する全て
の実験において、そのCrmAを使用直前に2mM DTTで5分間
処理した。この結果CrmAに最高の阻害活性がもたらされ
た。
ンパク質の発現および精製−6×HisCrmAまたは6×His
CrmA変異体構築物のいずれか一方で形質転換した大腸菌
TG1株を、IPTGで3時間誘導し、集菌し、そして超音波
処理によって溶解した細胞を遠心分離によってペレット
化した。可溶性CrmAを含有する上清を0.22μmフィルタ
ーに通し、2mlのNi-NTAカラム(Qiagen)に載せ、そして
0.5M NaClを含有する50mMTris (pH8.0)で洗浄した。Crm
Aを、0.1M NaClを含有する50mM Tris、50mMイミダゾー
ル(pH8.0)により溶出させた。この物質を、2mMジチオト
レイトールを含有する9倍容量の20mM Hepes (pH7.4)で
希釈し、そして2mlのDEAE Sepharoseカラムに展開し
た。このカラムを20mM Hepes緩衝液(pH7.4)中において
0から1M NaCl直線グラジエントで展開したところ、Cr
mAは約0.4M NaClで溶出し、6リットルの培養液から4mg
のタンパク質の収量を得た。その物質はクーマシーブル
ー染色により95%以上の純度だと推定され、そして使用
するまで−70℃で貯蔵された。この物質を使用する全て
の実験において、そのCrmAを使用直前に2mM DTTで5分間
処理した。この結果CrmAに最高の阻害活性がもたらされ
た。
【0232】組換えCrmAまたはCrmA変異タンパク質によ
るICE阻害のインビトロアッセイ−阻害についてアッセ
イを行うために、44ngの精製ICEを、室温で5分間、10mM
DTTで活性化し、次いで総容量95μlの反応緩衝液(100
mM NaCl、0.5% NP40、および10mM DTTを含有する20mM
Hepes緩衝液(pH7.4))中の種々の量の精製CrmAまたはCr
mA変異タンパク質と共に37℃でインキュベートした。15
分後、DMSO中のBoc-Ala-Ala-Pro-Asp-p-ニトロアニリド
の10mMストック5μlを添加し、速度論モードで作動す
るMolecular Devices Vmaxプレートリーダーを用いて、
p-ニトロアニリンの放出を410nmで観測することで残存I
CE活性を決定した。そのデータを、インヒビターの存在
下での反応速度(Vi)をインヒビターの非存在下での反
応速度(V0)で割ったものとして表した。これは残存IC
E活性を表す。そのデータは二つの独立した実験より得
られる値の、平均+標準偏差を表す。精製組換えヒトIC
EはNancy Thornberry(Merck)より提供された。
るICE阻害のインビトロアッセイ−阻害についてアッセ
イを行うために、44ngの精製ICEを、室温で5分間、10mM
DTTで活性化し、次いで総容量95μlの反応緩衝液(100
mM NaCl、0.5% NP40、および10mM DTTを含有する20mM
Hepes緩衝液(pH7.4))中の種々の量の精製CrmAまたはCr
mA変異タンパク質と共に37℃でインキュベートした。15
分後、DMSO中のBoc-Ala-Ala-Pro-Asp-p-ニトロアニリド
の10mMストック5μlを添加し、速度論モードで作動す
るMolecular Devices Vmaxプレートリーダーを用いて、
p-ニトロアニリンの放出を410nmで観測することで残存I
CE活性を決定した。そのデータを、インヒビターの存在
下での反応速度(Vi)をインヒビターの非存在下での反
応速度(V0)で割ったものとして表した。これは残存IC
E活性を表す。そのデータは二つの独立した実験より得
られる値の、平均+標準偏差を表す。精製組換えヒトIC
EはNancy Thornberry(Merck)より提供された。
【0233】インビトロでのCrmAおよびCrmA変異体の転
写/翻訳−対にした転写/翻訳を、製造者の推奨によ
り、TNT(登録商標)キット(Promega)を用いて行った。
簡単に言うと、0.5μgのプラスミドDNAを、キット試薬
および20μCiの翻訳グレード(grade)[35S]Metを含む総
容量50μl中で31℃で1時間インキュベートした。一度
翻訳されると、その反応混合物は即座に使用するか、ま
たは必要になるまで−20℃で保存した。
写/翻訳−対にした転写/翻訳を、製造者の推奨によ
り、TNT(登録商標)キット(Promega)を用いて行った。
簡単に言うと、0.5μgのプラスミドDNAを、キット試薬
および20μCiの翻訳グレード(grade)[35S]Metを含む総
容量50μl中で31℃で1時間インキュベートした。一度
翻訳されると、その反応混合物は即座に使用するか、ま
たは必要になるまで−20℃で保存した。
【0234】ICEとCrmAまたはCrmA変異体との間の複合
体形成の検出のためのゲルシフトアッセイ−標的プロテ
アーゼとのネオセルピン(Serpin)反応は、精製プロテイ
ナーゼおよびインビトロでの翻訳により生成される
[35S]Met標識ネオセルピンを用いて、ゲルシフト分析に
より分析され得る。(ゲルシフト分析は、Komiyamaら
(1994) 「Techniques in Protein Chemistry」Acad. P
ress, San Diego, CA,305〜312頁およびKomiyamaら (19
94) J. Biol. Chem. 269:19331-19337に記載。)インビ
トロで転写および翻訳されたCrmAまたはCrmA変異体を、
等容量の、100mM NaCl、10%スクロース、および0.1%
CHAPSを含有する50mM Hepes緩衝液(pH7.4)で希釈した。
10μlの希釈溶解物を、10μlのICEの連続3倍希釈溶液
とともに、10mMDTTを含有する同じ緩衝液中で30分間、3
7℃でインキュベートした。次いで、サンプルをネイテ
ィブゲル電気泳動で解析し、そしてMolecular Devices
Phosphorimagerを用いて可視化した。
体形成の検出のためのゲルシフトアッセイ−標的プロテ
アーゼとのネオセルピン(Serpin)反応は、精製プロテイ
ナーゼおよびインビトロでの翻訳により生成される
[35S]Met標識ネオセルピンを用いて、ゲルシフト分析に
より分析され得る。(ゲルシフト分析は、Komiyamaら
(1994) 「Techniques in Protein Chemistry」Acad. P
ress, San Diego, CA,305〜312頁およびKomiyamaら (19
94) J. Biol. Chem. 269:19331-19337に記載。)インビ
トロで転写および翻訳されたCrmAまたはCrmA変異体を、
等容量の、100mM NaCl、10%スクロース、および0.1%
CHAPSを含有する50mM Hepes緩衝液(pH7.4)で希釈した。
10μlの希釈溶解物を、10μlのICEの連続3倍希釈溶液
とともに、10mMDTTを含有する同じ緩衝液中で30分間、3
7℃でインキュベートした。次いで、サンプルをネイテ
ィブゲル電気泳動で解析し、そしてMolecular Devices
Phosphorimagerを用いて可視化した。
【0235】横方向(transvers)尿素グラジエントPAGE
−インビトロで翻訳されたCrmAまたはCrmA変異タンパク
質を、横方向尿素グラジエント(TUG)ポリアクリルア
ミドゲル(0から8M)での電気泳動(Goldenberg (19
89)「Protein Structure: APractical Approach」IRL P
ress, N.Y. 225〜250頁およびMastら (1991) Biochem.
30:1723-1730に以前に記載)にかけた。そのゲルを乾燥
し、そしてMolecularDevices Phosphorimagerを用いて
分析した。
−インビトロで翻訳されたCrmAまたはCrmA変異タンパク
質を、横方向尿素グラジエント(TUG)ポリアクリルア
ミドゲル(0から8M)での電気泳動(Goldenberg (19
89)「Protein Structure: APractical Approach」IRL P
ress, N.Y. 225〜250頁およびMastら (1991) Biochem.
30:1723-1730に以前に記載)にかけた。そのゲルを乾燥
し、そしてMolecularDevices Phosphorimagerを用いて
分析した。
【0236】BJABおよびMCF7細胞の安定なトランスフェ
クション−MCF7またはBJAB細胞をpcDNA3/CrmA変異体プ
ラスミドを用いてエレクトロポレートし、そして安定な
クローン細胞株を以前に記載(TewariおよびDixit (199
5)前出)のように生成した。
クション−MCF7またはBJAB細胞をpcDNA3/CrmA変異体プ
ラスミドを用いてエレクトロポレートし、そして安定な
クローン細胞株を以前に記載(TewariおよびDixit (199
5)前出)のように生成した。
【0237】MCF7細胞、BJAB細胞、ならびに誘導ベクタ
ーおよびCrmA安定トランスフェクタントを、この研究に
おいて生成されたCrmA変異体トランスフェクト安定株と
共に、10%熱失活ウシ胎児血清(Hyclone)、L-グルタ
ミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、非必須アミノ
酸を補充し、そして補足的にG418スルフェート(Gibco-
BRL/Life Technologies, Inc.)をMCF7トランスフェク
タントには500μg/ml、またBJABトランスフェクタント
には3mg/ml補充したRPMI-1640培地で維持した。
ーおよびCrmA安定トランスフェクタントを、この研究に
おいて生成されたCrmA変異体トランスフェクト安定株と
共に、10%熱失活ウシ胎児血清(Hyclone)、L-グルタ
ミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、非必須アミノ
酸を補充し、そして補足的にG418スルフェート(Gibco-
BRL/Life Technologies, Inc.)をMCF7トランスフェク
タントには500μg/ml、またBJABトランスフェクタント
には3mg/ml補充したRPMI-1640培地で維持した。
【0238】CrmAが、TNF誘導アポトーシスおよび抗Fas
誘導アポトーシスをブロックする−CrmAがサイトカイン
誘導アポトーシスを阻害するように機能し得るか否かを
決定するために、MCF7およびBJAB細胞株を、発現ベクタ
ーpcDNA3それのみによって、またはCrmA発現構築物とし
ての発現ベクターpcDNA3でトランスフェクトした。CrmA
遺伝子の発現は、ノーザン分析によって確認された。安
定なトランスフェクタントがネオマイシン選択により生
じ、そしてプールしたネオマイシン耐性集団をCrmA発現
についてアッセイした。これらのプール集団を、DNA結
合色素で染色し、そして蛍光顕微鏡により可視化した
後、核形態学に基づいてアポトーシス細胞を直接数える
ことによって、TNT誘導アポトーシスおよび抗Fas誘導ア
ポトーシスに対する感受性について分析した。TNFまた
はFasのいずれか一方の劇的な耐性が両細胞株で見られ
た。CrmAでトランスフェクトされたネオマイシン耐性細
胞のプール集団において、著しい割合の細胞が、とりわ
けゲノムDNAへの発現構築物の非生産的組込みのため
に、CrmAを発現していないと考えられることを考慮する
と、これは驚くべきことであった。
誘導アポトーシスをブロックする−CrmAがサイトカイン
誘導アポトーシスを阻害するように機能し得るか否かを
決定するために、MCF7およびBJAB細胞株を、発現ベクタ
ーpcDNA3それのみによって、またはCrmA発現構築物とし
ての発現ベクターpcDNA3でトランスフェクトした。CrmA
遺伝子の発現は、ノーザン分析によって確認された。安
定なトランスフェクタントがネオマイシン選択により生
じ、そしてプールしたネオマイシン耐性集団をCrmA発現
についてアッセイした。これらのプール集団を、DNA結
合色素で染色し、そして蛍光顕微鏡により可視化した
後、核形態学に基づいてアポトーシス細胞を直接数える
ことによって、TNT誘導アポトーシスおよび抗Fas誘導ア
ポトーシスに対する感受性について分析した。TNFまた
はFasのいずれか一方の劇的な耐性が両細胞株で見られ
た。CrmAでトランスフェクトされたネオマイシン耐性細
胞のプール集団において、著しい割合の細胞が、とりわ
けゲノムDNAへの発現構築物の非生産的組込みのため
に、CrmAを発現していないと考えられることを考慮する
と、これは驚くべきことであった。
【0239】そのプールに加えて、クローン株をMCF7お
よびBJAB両トランスフェクタントより誘導し、そしてTN
F死経路およびFas死経路の活性化によりチャレンジし
た。MCF-7細胞株では、ベクタークローンは、TNFまたは
抗Fas+CHXのいずれかによって誘導されるアポトーシス
に一様に感受性であり、他方、トランスフェクトクロー
ンの中でも、CrmAを検出可能的に発現するクローンは全
体的にアポトーシスに対して耐性であった(図5)。実
際、CrmAを最高レベルで発現する株は、全体的にアポト
ーシスに耐性であり(図5)、そして形態学的な細胞変
性効果を示さなかった(図6)。これは、CrmAがTNF媒
介死経路およびFas媒介死経路を完全にブロックし得る
ことを示す。同様に、ベクタークローンは普遍的に感受
性であったのに対し、トランスフェクトBJABクローンの
中でも、CrmA発現株は抗Fas誘導アポトーシスに対して
目立って耐性であった(図8A)。重要なことは、MCF7
およびBJABの両トランスフェクタントにおいて、わずか
または検出不可能なレベルのCrmAを発現するこれらのク
ローンは最も感受性であったのに対し、高レベルのCrmA
を発現するこれらのクローンは最も耐性であったことで
ある(図5および図8A)。アポトーシス核の直視計測
はアポトーシスの好ましい計測法であるが、MTT転換に
基づく細胞死アッセイ(図5挿入図および図8A挿入
図)またはクリスタルバイオレット染色(図7)を細胞
の生存の評価に用いた時、比較し得る結果が得られた。
よびBJAB両トランスフェクタントより誘導し、そしてTN
F死経路およびFas死経路の活性化によりチャレンジし
た。MCF-7細胞株では、ベクタークローンは、TNFまたは
抗Fas+CHXのいずれかによって誘導されるアポトーシス
に一様に感受性であり、他方、トランスフェクトクロー
ンの中でも、CrmAを検出可能的に発現するクローンは全
体的にアポトーシスに対して耐性であった(図5)。実
際、CrmAを最高レベルで発現する株は、全体的にアポト
ーシスに耐性であり(図5)、そして形態学的な細胞変
性効果を示さなかった(図6)。これは、CrmAがTNF媒
介死経路およびFas媒介死経路を完全にブロックし得る
ことを示す。同様に、ベクタークローンは普遍的に感受
性であったのに対し、トランスフェクトBJABクローンの
中でも、CrmA発現株は抗Fas誘導アポトーシスに対して
目立って耐性であった(図8A)。重要なことは、MCF7
およびBJABの両トランスフェクタントにおいて、わずか
または検出不可能なレベルのCrmAを発現するこれらのク
ローンは最も感受性であったのに対し、高レベルのCrmA
を発現するこれらのクローンは最も耐性であったことで
ある(図5および図8A)。アポトーシス核の直視計測
はアポトーシスの好ましい計測法であるが、MTT転換に
基づく細胞死アッセイ(図5挿入図および図8A挿入
図)またはクリスタルバイオレット染色(図7)を細胞
の生存の評価に用いた時、比較し得る結果が得られた。
【0240】CrmAによって授与されるサイトカイン誘導
アポトーシスへの防御が減衰され得るか決定するため
に、細胞死刺激物の投与量を増加した。注目すべきこと
に、CrmAは、ベクタートランスフェクト細胞の95%より
多くを死滅させるのに必要な投与量より250倍高い抗体
投与量に応じて、抗Fas誘導アポトーシスからの比較的
高いレベルの防御を提供した(図8B)。MCF7トランス
フェクタントについてTNFの投与量を同様に変化させた
時、同様の結果が得られた。これは、CrmAが、細胞死経
路のおそらく重要な段階において、非常に効果的な細胞
死インヒビターとして機能していることを意味してい
る。
アポトーシスへの防御が減衰され得るか決定するため
に、細胞死刺激物の投与量を増加した。注目すべきこと
に、CrmAは、ベクタートランスフェクト細胞の95%より
多くを死滅させるのに必要な投与量より250倍高い抗体
投与量に応じて、抗Fas誘導アポトーシスからの比較的
高いレベルの防御を提供した(図8B)。MCF7トランス
フェクタントについてTNFの投与量を同様に変化させた
時、同様の結果が得られた。これは、CrmAが、細胞死経
路のおそらく重要な段階において、非常に効果的な細胞
死インヒビターとして機能していることを意味してい
る。
【0241】これらの結果は、CrmAの重要な新しい機能
を記述する。この機能は、TNF媒介アポトーシスおよびF
as媒介アポトーシスの阻害である。宿主抗ウィルス応答
においてTNFおよびFasの両方が重要であることを考慮す
ると、CrmAのこの機能はインビボでの生産的なウィルス
感染にとって重要であると考えられる。CrmAは、二つの
重要な機能(すなわち、IL-1β生産の阻害およびアポト
ーシスの防止)が一つのタンパク質に持されているとい
う、ウィルス経済性のさらに別の例を表す。
を記述する。この機能は、TNF媒介アポトーシスおよびF
as媒介アポトーシスの阻害である。宿主抗ウィルス応答
においてTNFおよびFasの両方が重要であることを考慮す
ると、CrmAのこの機能はインビボでの生産的なウィルス
感染にとって重要であると考えられる。CrmAは、二つの
重要な機能(すなわち、IL-1β生産の阻害およびアポト
ーシスの防止)が一つのタンパク質に持されているとい
う、ウィルス経済性のさらに別の例を表す。
【0242】さらに、このデータは、一般に細胞死経路
の統一という意味を持つ。第一に、CrmAが、特に、両者
のレセプターを所有するMCF7細胞において、TNF媒介ア
ポトーシスおよびFas媒介アポトーシスの両方をブロッ
クするという事実は、それらが生化学的に普遍の経路を
経由する細胞死のシグナルとなることを示唆する。この
仮説は、これら両レセプターの細胞質領域が、「細胞死
ドメイン」であると変異分析により定義され、そしてお
そらくシグナル伝達分子の共通セットと相互作用する相
同性領域を含有するという発見により支持される。さら
に、CrmAが二つの非常に異なる刺激(神経培養物中の成
長因子の回収およびサイトカインレセプターの活性化)
により誘導される細胞死をブロックすることは明白では
ない。これら二つの系におけるアポトーシスが、生化学
的に区別される経路を経由して発生すると示唆されてい
ることは重要で、前者の系のアポトーシスは新規タンパ
ク質合成に依存し、そして細胞死がシクロヘキシミドに
よってブロックされるが、対照的に、TNFおよびFas媒介
細胞傷害性は新規タンパク質合成とは独立しており、そ
して事実、シクロヘキシイミドにより増強される。従っ
て、ある点において、両方の系の細胞死経路は、プロテ
アーゼの活性化のようなCrmA阻害段階に集約する。出願
人は、このプロテアーゼを、PARPによって活性化される
プロYamaとして同定した。
の統一という意味を持つ。第一に、CrmAが、特に、両者
のレセプターを所有するMCF7細胞において、TNF媒介ア
ポトーシスおよびFas媒介アポトーシスの両方をブロッ
クするという事実は、それらが生化学的に普遍の経路を
経由する細胞死のシグナルとなることを示唆する。この
仮説は、これら両レセプターの細胞質領域が、「細胞死
ドメイン」であると変異分析により定義され、そしてお
そらくシグナル伝達分子の共通セットと相互作用する相
同性領域を含有するという発見により支持される。さら
に、CrmAが二つの非常に異なる刺激(神経培養物中の成
長因子の回収およびサイトカインレセプターの活性化)
により誘導される細胞死をブロックすることは明白では
ない。これら二つの系におけるアポトーシスが、生化学
的に区別される経路を経由して発生すると示唆されてい
ることは重要で、前者の系のアポトーシスは新規タンパ
ク質合成に依存し、そして細胞死がシクロヘキシミドに
よってブロックされるが、対照的に、TNFおよびFas媒介
細胞傷害性は新規タンパク質合成とは独立しており、そ
して事実、シクロヘキシイミドにより増強される。従っ
て、ある点において、両方の系の細胞死経路は、プロテ
アーゼの活性化のようなCrmA阻害段階に集約する。出願
人は、このプロテアーゼを、PARPによって活性化される
プロYamaとして同定した。
【0243】(実験3)CrmAがその標的とCTLとが相互
作用することで誘導される致命的なカスケードを阻害す
るように機能し得るか否かを決定するために、BJAB細胞
(Fas発現ヒトB細胞株)を、標的細胞からの51Cr放出
に基づく24時間PHA促進同種CTL媒介細胞溶解アッセイの
標的細胞として、ベクターコントロール、CrmA、または
不活性点変異CrmA発現構築物のいずれかによって安定に
トランスフェクトした。51Cr放出を24時間後に調べた。
なぜならば、Ca2+依存およびCa2+非依存の両細胞傷害性
がこの時点において生じると予想されたからである。以
前に記載され、そして上記で特徴づけられた、2つのベ
クタートランスフェクトクローン(V1およびV4)、2つ
のCrmAトランスフェクトクローン(CrmA2およびCrmA
3)、および2つの変異CrmA発現クローン(変異CrmA12
および変異CrmA17)を選択した。(Vaux, D.ら、(1994)
Cell 76:777-779; Gagliardini, V.ら、(1994) Scienc
e, 263:826-828; Enari, M.ら、(1995) Nature, 375:78
-81; Los, M.ら、(1995) Nature, 375:81-83; Quan, L.
T.ら、(1995) J. Biol. Chem., 270:10377-10379; Grab
steinら、(1980),前出; ならびにDuke, R.C.およびCohe
n, J.J. (1992) Current Protocols in Immun. (Coliga
n, J.E.ら編)第1巻、3.17.11〜13.17.16頁, John Wile
yand Sons, N.Y., N.Y.参照)。変異CrmAは、コドン291
(CrmAの反応部位ループで重要な部位)においてThr→A
rgの点変異を媒介する。この変異は、本明細書中で記載
した横方向尿素グラジエントゲル電気泳動によって測定
された三次構造を著しく変えることなく、プロテアーゼ
阻害能を破壊する。本明細書中で示すように、この変異
はまた、腫瘍壊死因子誘導細胞死およびFas誘導細胞死
を阻害するCrmAの能力を破壊することも示した。
作用することで誘導される致命的なカスケードを阻害す
るように機能し得るか否かを決定するために、BJAB細胞
(Fas発現ヒトB細胞株)を、標的細胞からの51Cr放出
に基づく24時間PHA促進同種CTL媒介細胞溶解アッセイの
標的細胞として、ベクターコントロール、CrmA、または
不活性点変異CrmA発現構築物のいずれかによって安定に
トランスフェクトした。51Cr放出を24時間後に調べた。
なぜならば、Ca2+依存およびCa2+非依存の両細胞傷害性
がこの時点において生じると予想されたからである。以
前に記載され、そして上記で特徴づけられた、2つのベ
クタートランスフェクトクローン(V1およびV4)、2つ
のCrmAトランスフェクトクローン(CrmA2およびCrmA
3)、および2つの変異CrmA発現クローン(変異CrmA12
および変異CrmA17)を選択した。(Vaux, D.ら、(1994)
Cell 76:777-779; Gagliardini, V.ら、(1994) Scienc
e, 263:826-828; Enari, M.ら、(1995) Nature, 375:78
-81; Los, M.ら、(1995) Nature, 375:81-83; Quan, L.
T.ら、(1995) J. Biol. Chem., 270:10377-10379; Grab
steinら、(1980),前出; ならびにDuke, R.C.およびCohe
n, J.J. (1992) Current Protocols in Immun. (Coliga
n, J.E.ら編)第1巻、3.17.11〜13.17.16頁, John Wile
yand Sons, N.Y., N.Y.参照)。変異CrmAは、コドン291
(CrmAの反応部位ループで重要な部位)においてThr→A
rgの点変異を媒介する。この変異は、本明細書中で記載
した横方向尿素グラジエントゲル電気泳動によって測定
された三次構造を著しく変えることなく、プロテアーゼ
阻害能を破壊する。本明細書中で示すように、この変異
はまた、腫瘍壊死因子誘導細胞死およびFas誘導細胞死
を阻害するCrmAの能力を破壊することも示した。
【0244】MCF7細胞、BJAB細胞、ならびに誘導ベクタ
ーおよびCrmA安定トランスフェクタントを、CrmA変異体
トランスフェクト安定株と共に、上記記載のように維持
した。細胞殺傷およびアポトーシスが生じたか否かを決
定するために、以下に示す実験を用いた。
ーおよびCrmA安定トランスフェクタントを、CrmA変異体
トランスフェクト安定株と共に、上記記載のように維持
した。細胞殺傷およびアポトーシスが生じたか否かを決
定するために、以下に示す実験を用いた。
【0245】PHA刺激ヒトPBMCを用いるPHA促進同種CTL
アッセイを、以前に記載(Grabstein, K.(1980)前出)
の方法に過小の改変を加えて行った。このアッセイは、
上述される。
アッセイを、以前に記載(Grabstein, K.(1980)前出)
の方法に過小の改変を加えて行った。このアッセイは、
上述される。
【0246】NK細胞の細胞傷害性アッセイを、細胞を刺
激しないこと、およびアッセイの間PHAを存在させない
こと以外は、上記の方法で行った。
激しないこと、およびアッセイの間PHAを存在させない
こと以外は、上記の方法で行った。
【0247】CTL媒介細胞溶解への感受性について調べ
たとき、親BJAB細胞株は、ベクタートランスフェクト細
胞(図23、クローンV1およびV4)と同様に、殺傷因
子:標的細胞比の範囲にわたる投与量依存様式で、効果
的に殺傷された。しかし、CrmAを発現する株は、CTL媒
介殺傷から著しく防御された(図23、クローンCrmA2
およびCrmA3)。CTLを添加することなく24時間インキ
ュベートしたBJAB株からの51Cの放出の自然発生バック
グラウンドを評価したとき、ベクターとCrmA株との間に
は著しい差異はなかった。従って、CTL媒介細胞溶解ア
ッセイにおいてベクターとCrmA発現株との間での殺傷へ
の感受性の差異は、単に、自発性の溶解を受けるCrmA株
の特有の性質の減少によるものではない。
たとき、親BJAB細胞株は、ベクタートランスフェクト細
胞(図23、クローンV1およびV4)と同様に、殺傷因
子:標的細胞比の範囲にわたる投与量依存様式で、効果
的に殺傷された。しかし、CrmAを発現する株は、CTL媒
介殺傷から著しく防御された(図23、クローンCrmA2
およびCrmA3)。CTLを添加することなく24時間インキ
ュベートしたBJAB株からの51Cの放出の自然発生バック
グラウンドを評価したとき、ベクターとCrmA株との間に
は著しい差異はなかった。従って、CTL媒介細胞溶解ア
ッセイにおいてベクターとCrmA発現株との間での殺傷へ
の感受性の差異は、単に、自発性の溶解を受けるCrmA株
の特有の性質の減少によるものではない。
【0248】CTL媒介細胞溶解を阻害するCrmAの能力
が、そのプロテアーゼ阻害能を要求するか否かを決定す
るために、上述のようにプロテアーゼ阻害活性を欠損す
る、CrmA点変異体を比較し得るレベルで発現する細胞株
を実験した。同様の細胞傷害性アッセイにおいて試験し
たとき、野生型CrmAは明らかに防御的であったのに対し
て、変異CrmAを発現する株は両方とも、ベクタートラン
スフェクタントと同様に、CTL媒介細胞溶解に対して感
受性であった(図24)。
が、そのプロテアーゼ阻害能を要求するか否かを決定す
るために、上述のようにプロテアーゼ阻害活性を欠損す
る、CrmA点変異体を比較し得るレベルで発現する細胞株
を実験した。同様の細胞傷害性アッセイにおいて試験し
たとき、野生型CrmAは明らかに防御的であったのに対し
て、変異CrmAを発現する株は両方とも、ベクタートラン
スフェクタントと同様に、CTL媒介細胞溶解に対して感
受性であった(図24)。
【0249】CTLによる殺傷がグランザイムおよびFasの
両経路の活性化の結果であるので、これらの一つまたは
両方がCrmAにより調節されるか否かを決定することは興
味深かった(以前の研究では、CrmAは潜在的に両経路を
阻害し得ることが示されたので)。これを研究するため
に、グランザイム媒介殺傷のCa2+依存性およびFas経路
のCa2+非依存性を利用した。カルシウムキレート剤であ
るEGTAが、顆粒エキソサイトーシスをブロックするため
に用いられ得る。なぜなら、カルシウムはCTLからのグ
ランザイム放出に必要だからである。従って、Ca2+非依
存性殺傷を選択的に評価し得る。EGTAの非存在下では、
CrmAはベクターコントロールと比較して防御的であった
が、ある程度の残存細胞傷害性は存在した(図25)。
しかし、EGTAの存在下では、CrmAは全体的に防御的であ
った(図26)。それは、CrmAがCTL殺傷のCa2+非依存
性構成要素を完全にブロックし得ることを示している。
両経路の活性化の結果であるので、これらの一つまたは
両方がCrmAにより調節されるか否かを決定することは興
味深かった(以前の研究では、CrmAは潜在的に両経路を
阻害し得ることが示されたので)。これを研究するため
に、グランザイム媒介殺傷のCa2+依存性およびFas経路
のCa2+非依存性を利用した。カルシウムキレート剤であ
るEGTAが、顆粒エキソサイトーシスをブロックするため
に用いられ得る。なぜなら、カルシウムはCTLからのグ
ランザイム放出に必要だからである。従って、Ca2+非依
存性殺傷を選択的に評価し得る。EGTAの非存在下では、
CrmAはベクターコントロールと比較して防御的であった
が、ある程度の残存細胞傷害性は存在した(図25)。
しかし、EGTAの存在下では、CrmAは全体的に防御的であ
った(図26)。それは、CrmAがCTL殺傷のCa2+非依存
性構成要素を完全にブロックし得ることを示している。
【0250】グランザイムBノックアウトマウスの研究
は、CTL標的相互作用後の最初の4時間における51Cr放
出が、グランザイムに基づく経路のみを含むと考えられ
ることを示唆している。上記細胞溶解アッセイで報告さ
れた実験を24時間アッセイの代わりに行った。この4時
間アッセイにおいて、ベクタートランスフェクト標的細
胞とCrmAトランスフェクト標的細胞とのCTL感受性にお
ける著しい差異はなかった(図27)。さらに、EGTAは
4時間アッセイにおいて全ての細胞傷害性を破壊した
(図28)。この時点における細胞溶解は完全にCa2+依
存機構によるものと確認され、そして、それ故に、CrmA
はCa2+依存経路からの防御を与えなかったことが示され
る。CrmAはまた、NIK細胞により誘導される死からのい
かなる防御をも与えなかった。この結果は、NK媒介細胞
溶解が完全に顆粒消失経路までの原因であるようである
ため、CrmAがCa2+依存細胞傷害性構成要素をブロックし
ないという仮説と一致する。
は、CTL標的相互作用後の最初の4時間における51Cr放
出が、グランザイムに基づく経路のみを含むと考えられ
ることを示唆している。上記細胞溶解アッセイで報告さ
れた実験を24時間アッセイの代わりに行った。この4時
間アッセイにおいて、ベクタートランスフェクト標的細
胞とCrmAトランスフェクト標的細胞とのCTL感受性にお
ける著しい差異はなかった(図27)。さらに、EGTAは
4時間アッセイにおいて全ての細胞傷害性を破壊した
(図28)。この時点における細胞溶解は完全にCa2+依
存機構によるものと確認され、そして、それ故に、CrmA
はCa2+依存経路からの防御を与えなかったことが示され
る。CrmAはまた、NIK細胞により誘導される死からのい
かなる防御をも与えなかった。この結果は、NK媒介細胞
溶解が完全に顆粒消失経路までの原因であるようである
ため、CrmAがCa2+依存細胞傷害性構成要素をブロックし
ないという仮説と一致する。
【0251】4時間51Cr放出アッセイが、Ca2+依存細胞
溶解のみを測定したのに対して、DNA断片化評価は、こ
の初期時点において、全アポトーシスのより感受性の高
い測定法であった。これは、断片化がFas媒介アポトー
シスの場合において膜溶解に先行するからである。ベク
ターコントロールトランスフェクトおよびCrmAトランス
フェクト細胞株の両方を、CTLSによるDNA断片化の誘導
について調べたとき、CrmA発現株は、著しく少ないDNA
断片化を示した(図29)。これは、Fas連結により誘
導される初期のDNA断片化からの防御と一致する。
溶解のみを測定したのに対して、DNA断片化評価は、こ
の初期時点において、全アポトーシスのより感受性の高
い測定法であった。これは、断片化がFas媒介アポトー
シスの場合において膜溶解に先行するからである。ベク
ターコントロールトランスフェクトおよびCrmAトランス
フェクト細胞株の両方を、CTLSによるDNA断片化の誘導
について調べたとき、CrmA発現株は、著しく少ないDNA
断片化を示した(図29)。これは、Fas連結により誘
導される初期のDNA断片化からの防御と一致する。
【0252】(実験4)YamaをコードするcDNAのクロー
ニング−EST T10341に対応するcDNAクローン(b4HB3MA-
COT8-HAP-Ft280 5')は、M.Bento Soares(Columbia Univ
ersity)により快く提供され、そしてTNFおよびシクロヘ
キシミドで処理したヒト臍静脈内皮細胞から構築したラ
ンダムプライムcDNAライブラリーをスクリーニングする
ために用いた。2本鎖DNA配列決定は、277アミノ酸のYa
maと称されるオープンリーディングフレームを明らかに
した。
ニング−EST T10341に対応するcDNAクローン(b4HB3MA-
COT8-HAP-Ft280 5')は、M.Bento Soares(Columbia Univ
ersity)により快く提供され、そしてTNFおよびシクロヘ
キシミドで処理したヒト臍静脈内皮細胞から構築したラ
ンダムプライムcDNAライブラリーをスクリーニングする
ために用いた。2本鎖DNA配列決定は、277アミノ酸のYa
maと称されるオープンリーディングフレームを明らかに
した。
【0253】6×Hisタグ化Yamaの発現および精製−上
記のYama cDNA由来の2.3kb NcoI/BamHiフラグメント
を、精製を容易にするためにN末端His6融合物を含有す
るベクター(pTM1)に連結した。この構築物は、1800bpの
3'非翻訳DNAに加えて6×Hisタグの後にYamaの完全な
コード領域を含有した。対にした転写/翻訳を、TNT
(登録商標)キット(Promega)を用いて、製造者の推奨
に従って改変を加えて行った。簡略には、4μgのプラ
スミドDNAを、キット反応混合物および160μCiの翻訳グ
レード[35S]Metを含有する400μlの総容量で、31℃に
て1時間インキュベートした。翻訳反応物を、20mM Hep
es緩衝液(pH7.4)を用いて1:20希釈し、平衡化した500
μl DEAEセファロース(Pharmacia)カラムにロードし、
次いで8mlのHepes緩衝液で洗浄した。カラムを、5ml
の20mM Hepes、0.5M NaClを用いて溶出した。この溶出
物を、300μl Ni-NTAカラム(Qiagen)にロードし、次い
で5mlの反応緩衝液(50mM Hepes(pH7.4)、0.1M NaCl、
0.1% CHAPS、および10%スクロース)を用いて洗浄し
た。タンパク質を、50mMイミダゾールを有する反応緩衝
液の5×400μl画分で溶出させた。
記のYama cDNA由来の2.3kb NcoI/BamHiフラグメント
を、精製を容易にするためにN末端His6融合物を含有す
るベクター(pTM1)に連結した。この構築物は、1800bpの
3'非翻訳DNAに加えて6×Hisタグの後にYamaの完全な
コード領域を含有した。対にした転写/翻訳を、TNT
(登録商標)キット(Promega)を用いて、製造者の推奨
に従って改変を加えて行った。簡略には、4μgのプラ
スミドDNAを、キット反応混合物および160μCiの翻訳グ
レード[35S]Metを含有する400μlの総容量で、31℃に
て1時間インキュベートした。翻訳反応物を、20mM Hep
es緩衝液(pH7.4)を用いて1:20希釈し、平衡化した500
μl DEAEセファロース(Pharmacia)カラムにロードし、
次いで8mlのHepes緩衝液で洗浄した。カラムを、5ml
の20mM Hepes、0.5M NaClを用いて溶出した。この溶出
物を、300μl Ni-NTAカラム(Qiagen)にロードし、次い
で5mlの反応緩衝液(50mM Hepes(pH7.4)、0.1M NaCl、
0.1% CHAPS、および10%スクロース)を用いて洗浄し
た。タンパク質を、50mMイミダゾールを有する反応緩衝
液の5×400μl画分で溶出させた。
【0254】Yamaの活性化およびインビトロ再構成実験
−精製Yama(20μl)を、総容量25μlでDTT(10mM)を
補充した反応緩衝液中で1.5pmol ICEとともに37℃にて
4時間インキュベートすることにより活性化し、その
後、30μlの反応緩衝液を添加し、そして反応物を37℃
にてさらに15分間インキュベートした。活性化後、コン
トロール反応緩衝液あるいは270pmolの組換え6×HisCr
mAまたは270pmol組換え6×HisCrmA-変異体を含有する
反応緩衝液のいずれかの30μlを添加し、そして37℃に
て30分間インキュベートした。組換えタンパク質および
コントロール緩衝液は、CrmAを予め活性化するためにDT
T(2mM)と共にプレインキュベートしておいた。30分
間のインキュベーション後、2μl(0.586μg)の精製P
ARPを添加し、そしてDTT濃度を10mMに上昇させ、この
後、反応を37℃にて2時間進行させた。PARPのみのコン
トロール反応を、Yama、ICE、またはCrmAタンパク質を
手順の間に添加しなかったことを除いて同一の条件下で
行った。ICE+PARP反応を、YamaまたはCrmAタンパク質
を手順の間に添加しなかったことを除いて、同様に同一
の条件下で行った。
−精製Yama(20μl)を、総容量25μlでDTT(10mM)を
補充した反応緩衝液中で1.5pmol ICEとともに37℃にて
4時間インキュベートすることにより活性化し、その
後、30μlの反応緩衝液を添加し、そして反応物を37℃
にてさらに15分間インキュベートした。活性化後、コン
トロール反応緩衝液あるいは270pmolの組換え6×HisCr
mAまたは270pmol組換え6×HisCrmA-変異体を含有する
反応緩衝液のいずれかの30μlを添加し、そして37℃に
て30分間インキュベートした。組換えタンパク質および
コントロール緩衝液は、CrmAを予め活性化するためにDT
T(2mM)と共にプレインキュベートしておいた。30分
間のインキュベーション後、2μl(0.586μg)の精製P
ARPを添加し、そしてDTT濃度を10mMに上昇させ、この
後、反応を37℃にて2時間進行させた。PARPのみのコン
トロール反応を、Yama、ICE、またはCrmAタンパク質を
手順の間に添加しなかったことを除いて同一の条件下で
行った。ICE+PARP反応を、YamaまたはCrmAタンパク質
を手順の間に添加しなかったことを除いて、同様に同一
の条件下で行った。
【0255】PARPとのインキュベーション後、各反応サ
ンプルの5分の1を、後述のように抗PARPモノクローナ
ル抗体C-2-10を用いるイムノブロッティングにより分析
した。さらに、等量の各サンプルをSDS-PAGEにより分離
し、そして反応物中に存在する放射性標識Yamaの状態を
評価するためにMolecular Devices Phosphorimagerを用
いて分析した。精製ICEは、Nancy Thornberry(Merck)の
贈与物である。PARPを、ZahradkaおよびEbisuzaki (198
4) Eur.J.Biochem. 142: 503-509に記載されているよう
に精製した。
ンプルの5分の1を、後述のように抗PARPモノクローナ
ル抗体C-2-10を用いるイムノブロッティングにより分析
した。さらに、等量の各サンプルをSDS-PAGEにより分離
し、そして反応物中に存在する放射性標識Yamaの状態を
評価するためにMolecular Devices Phosphorimagerを用
いて分析した。精製ICEは、Nancy Thornberry(Merck)の
贈与物である。PARPを、ZahradkaおよびEbisuzaki (198
4) Eur.J.Biochem. 142: 503-509に記載されているよう
に精製した。
【0256】Yamaとの複合体形成を検出するためのCrmA
免疫沈降−反応物を、20μlの[35S]-Met-標識プロYama
またはICE活性化Yamaと358pmolの天然CrmAまたは358pmo
lの変異CrmAタンパク質のいずれかと組み合わせること
により、集めた。各反応物を、最終容量80μlに反応緩
衝液中で希釈した。複合体形成を、37℃にて30分間生じ
させた。10μlの各反応物を、SDS-PAGEにより分離し、
そして放射性標識プロYamaまたは活性化Yamaを可視化す
るためにホスホリメージング(phosphorimaging)に供し
た。35μlの各反応物を、PBS-TDS(O'Rourkeら (1992)
J.Biol.Chem. 267: 24921-24924に記載のように)中に
1mlに希釈し、そしてウサギポリクローナルCrmA抗血清
(この節で後述)の25μlを用いて免疫沈降した。免疫
沈降を、O'Rourkeら (1992) 前出に記載のように行い、
そして沈殿物をSDS-PAGEにより分離し、そして放射性標
識プロYamaまたは活性化Yamaの存在を検出するためにホ
スホリメージング分析に供した。ゲルのクーマシーブル
ー染色は、等量の天然69,CrmAおよび変異CrmAがCrmA
抗血清により沈降したことを明らかにした。
免疫沈降−反応物を、20μlの[35S]-Met-標識プロYama
またはICE活性化Yamaと358pmolの天然CrmAまたは358pmo
lの変異CrmAタンパク質のいずれかと組み合わせること
により、集めた。各反応物を、最終容量80μlに反応緩
衝液中で希釈した。複合体形成を、37℃にて30分間生じ
させた。10μlの各反応物を、SDS-PAGEにより分離し、
そして放射性標識プロYamaまたは活性化Yamaを可視化す
るためにホスホリメージング(phosphorimaging)に供し
た。35μlの各反応物を、PBS-TDS(O'Rourkeら (1992)
J.Biol.Chem. 267: 24921-24924に記載のように)中に
1mlに希釈し、そしてウサギポリクローナルCrmA抗血清
(この節で後述)の25μlを用いて免疫沈降した。免疫
沈降を、O'Rourkeら (1992) 前出に記載のように行い、
そして沈殿物をSDS-PAGEにより分離し、そして放射性標
識プロYamaまたは活性化Yamaの存在を検出するためにホ
スホリメージング分析に供した。ゲルのクーマシーブル
ー染色は、等量の天然69,CrmAおよび変異CrmAがCrmA
抗血清により沈降したことを明らかにした。
【0257】PARP分析のための抗FasまたはTNFを用いて
の処理および細胞溶解物の調製−MCF7細胞または誘導さ
れたトランスフェクタントを、100mM培養皿に培養皿あ
たり2×106細胞の濃度でプレートした。2日目に、細
胞を示した時間の間40ng/mlのTNFで処理した。PBSで濯
いだ後、細胞を15ml PBS+プロテアーゼインヒビター
(1mM PMSF、0.5mg/mlアプロチニン、0.5mg/mlアンチ
ペイン、および0.5mg/mlペプスタチン)中にかき集める
ことにより集め、遠心分離により回収し、そして2.5ml
サンプル緩衝液(50mM Tris-HCl(pH6.8)、6M尿素、6
% 2-メルカプトエタノール、3% SDS、および0.003%
ブロモフェノールブルー)中で溶解した。培養培地中に
非接着細胞が存在した場合(例えば、より後の時点
で)、浮遊細胞もまた、遠心分離により回収し、そして
サンプル緩衝液中で溶解する前に接着細胞ペレットと合
わせた。
の処理および細胞溶解物の調製−MCF7細胞または誘導さ
れたトランスフェクタントを、100mM培養皿に培養皿あ
たり2×106細胞の濃度でプレートした。2日目に、細
胞を示した時間の間40ng/mlのTNFで処理した。PBSで濯
いだ後、細胞を15ml PBS+プロテアーゼインヒビター
(1mM PMSF、0.5mg/mlアプロチニン、0.5mg/mlアンチ
ペイン、および0.5mg/mlペプスタチン)中にかき集める
ことにより集め、遠心分離により回収し、そして2.5ml
サンプル緩衝液(50mM Tris-HCl(pH6.8)、6M尿素、6
% 2-メルカプトエタノール、3% SDS、および0.003%
ブロモフェノールブルー)中で溶解した。培養培地中に
非接着細胞が存在した場合(例えば、より後の時点
で)、浮遊細胞もまた、遠心分離により回収し、そして
サンプル緩衝液中で溶解する前に接着細胞ペレットと合
わせた。
【0258】BJAB細胞または誘導されたトランスフェク
タントを、6ウェル培養皿に5×105/mlの濃度でウェ
ルあたり4mlで等分した。翌日、細胞を抗Fas抗体(250
ng/ml)を用いて示した時間の間処理し、遠心分離によ
り回収し、PBS+プロテアーゼインヒビターを用いて1
回洗浄し、そして2mlのサンプル緩衝液中で溶解した。
タントを、6ウェル培養皿に5×105/mlの濃度でウェ
ルあたり4mlで等分した。翌日、細胞を抗Fas抗体(250
ng/ml)を用いて示した時間の間処理し、遠心分離によ
り回収し、PBS+プロテアーゼインヒビターを用いて1
回洗浄し、そして2mlのサンプル緩衝液中で溶解した。
【0259】CrmAの検出のために、全細胞溶解物(レー
ンあたり2×105細胞)を、SDS-PAGEにより分離し、ニ
トロセルロースに転写し、そして本明細書中で既に記載
したように加工した。抗GST-CrmAウサギ抗血清を1:1,
000希釈で用い、そして西洋ワサビペルオキシダーゼー
結合ロバ抗ウサギ2次抗体(Amersham Life Sciences)を
1:15,000希釈で用いた。シグナルの可視化は、ECL(Am
ersham)によった。
ンあたり2×105細胞)を、SDS-PAGEにより分離し、ニ
トロセルロースに転写し、そして本明細書中で既に記載
したように加工した。抗GST-CrmAウサギ抗血清を1:1,
000希釈で用い、そして西洋ワサビペルオキシダーゼー
結合ロバ抗ウサギ2次抗体(Amersham Life Sciences)を
1:15,000希釈で用いた。シグナルの可視化は、ECL(Am
ersham)によった。
【0260】PARPについての溶解物のイムノブロッティ
ングを、Desnoyersら (1994) Anal.Biochem. 218: 470-
473に記載のように行った。抗PARPマウスモノクローナ
ル抗体を1:10,000希釈で用い、そして2次抗体である
西洋ワサビペルオキシダーゼで標識した抗マウスIgを
1:1,000希釈で用いた。シグナルの可視化はまた、ECL
によった。
ングを、Desnoyersら (1994) Anal.Biochem. 218: 470-
473に記載のように行った。抗PARPマウスモノクローナ
ル抗体を1:10,000希釈で用い、そして2次抗体である
西洋ワサビペルオキシダーゼで標識した抗マウスIgを
1:1,000希釈で用いた。シグナルの可視化はまた、ECL
によった。
【0261】ヒト臍静脈内皮細胞ライブラリーをスクリ
ーニングした。これにより、Yamaと称される277アミノ
酸のオープンリーディングフレームをコードするcDNAが
クローン化された。Yamaは、Ced-3/ICEファミリーのタ
ンパク質に相同である。次いで、Yamaをプロテアーゼ活
性について、およびそれが死プロテアーゼについて推定
される必要条件を満たすか否かを決定するためにアッセ
イした。アミノ酸配列は、ICEにおけるAsp特異性に重要
であると考えられる残基がYamaに保存されているため
に、それがAsp特異的システインプロテアーゼであるこ
とを示唆した。Yamaを、N末端での6×His精製タグに
対する融合物としてインビトロで発現させ、そしてPARP
を切断し得るタンパク質分解活性を有するか否かが決定
するために、イオン交換およびニッケルキレートアフィ
ニティークロマトグラフィーにより単離した。完全長の
p32形態の精製Yamaは、PARPに対してタンパク質分解活
性を有さず(図3、上、レーン3)、従ってこれをプロ
Yamaと称した。精製ICEは、プロYamaを切断して2つの
主なタンパク質(図3、下、レーン4;推定p20およびp
11サブユニットを白矢印により示す)を生じ得、そし
て、より重要なことには、この様式で活性化したYama
は、タンパク質分解活性を獲得し、そしてPARPを85kDa
のアポトーシス型に切断した(図3、上、レーン4)。
精製ICEは、PARPを切断せず(図3、上、レーン2)、L
azebnikら (1994) Nature 371: 346-347の以前の結果を
確認し、そしてPARP切断が添加されたICEにより媒介さ
れる可能性を取り除いた。次の調査は、PARP切断がこれ
らの細胞死システムにおいて生じるか否か、および切断
産物がインビトロ実験で観察されるのと類似であるか否
かに関した。Fas(BJABリンパ腫細胞において)またはT
NFレセプター(MCF7乳ガン細胞において)のいずれかの
活性化は、特徴的な85kDa型へのPARP切断を誘導し(図
4)、そしてこの産物は、精製Yamaにより生成されたPA
RP切断フラグメントと同時に移動した(図3、上、レー
ン4および5)。従って、Yamaは、PARPを特徴的な85kD
aアポトーシスフラグメントに切断するプロテアーゼで
ある。
ーニングした。これにより、Yamaと称される277アミノ
酸のオープンリーディングフレームをコードするcDNAが
クローン化された。Yamaは、Ced-3/ICEファミリーのタ
ンパク質に相同である。次いで、Yamaをプロテアーゼ活
性について、およびそれが死プロテアーゼについて推定
される必要条件を満たすか否かを決定するためにアッセ
イした。アミノ酸配列は、ICEにおけるAsp特異性に重要
であると考えられる残基がYamaに保存されているため
に、それがAsp特異的システインプロテアーゼであるこ
とを示唆した。Yamaを、N末端での6×His精製タグに
対する融合物としてインビトロで発現させ、そしてPARP
を切断し得るタンパク質分解活性を有するか否かが決定
するために、イオン交換およびニッケルキレートアフィ
ニティークロマトグラフィーにより単離した。完全長の
p32形態の精製Yamaは、PARPに対してタンパク質分解活
性を有さず(図3、上、レーン3)、従ってこれをプロ
Yamaと称した。精製ICEは、プロYamaを切断して2つの
主なタンパク質(図3、下、レーン4;推定p20およびp
11サブユニットを白矢印により示す)を生じ得、そし
て、より重要なことには、この様式で活性化したYama
は、タンパク質分解活性を獲得し、そしてPARPを85kDa
のアポトーシス型に切断した(図3、上、レーン4)。
精製ICEは、PARPを切断せず(図3、上、レーン2)、L
azebnikら (1994) Nature 371: 346-347の以前の結果を
確認し、そしてPARP切断が添加されたICEにより媒介さ
れる可能性を取り除いた。次の調査は、PARP切断がこれ
らの細胞死システムにおいて生じるか否か、および切断
産物がインビトロ実験で観察されるのと類似であるか否
かに関した。Fas(BJABリンパ腫細胞において)またはT
NFレセプター(MCF7乳ガン細胞において)のいずれかの
活性化は、特徴的な85kDa型へのPARP切断を誘導し(図
4)、そしてこの産物は、精製Yamaにより生成されたPA
RP切断フラグメントと同時に移動した(図3、上、レー
ン4および5)。従って、Yamaは、PARPを特徴的な85kD
aアポトーシスフラグメントに切断するプロテアーゼで
ある。
【0262】哺乳動物細胞死プロテアーゼはCrmAによる
阻害に感受性であると予期されるため、次いで、Yamaが
CrmA阻害性であるか否かを調査した。この問題に最終的
に取り組むために、精製組換えCrmAタンパク質を添加し
得るように、精製タンパク質を用いてPARP切断反応をイ
ンビトロで再構成した。コントロールとして供するため
に、CrmAの点変異体を構築した。CrmA変異体は、アミノ
酸291でのArgのThrへの1つのアミノ酸置換を有する
(図5)。CrmAタンパク質およびCrmA変異タンパク質
を、6×Hisタグ融合タンパク質としてE.coliにおいて
発現させ、そしてニッケルキレートアフィニティークロ
マトグラフィーにより精製した。CrmA変異タンパク質の
インビトロでの特徴付けは、CrmAがICEに結合しそして
阻害する条件下で、変異タンパク質はICEに結合せず
(図6)、そのタンパク質分解活性を阻害もしない(図
5)ことを明らかにした。しかし、CrmA変異体の3次構
造は、その立体構造特徴が、ネオセルピンの3次構造を
調べるために用いられる方法であるトランスフェラーゼ
尿素グラジエントPAGE(Goldenberg (1989)前出;Mast
ら(1991)前出;およびKomiyamaら (1994)前出)(図
7)上で野生型CrmAのものと区別できないため、点変異
によって大きくは変化しなかった。
阻害に感受性であると予期されるため、次いで、Yamaが
CrmA阻害性であるか否かを調査した。この問題に最終的
に取り組むために、精製組換えCrmAタンパク質を添加し
得るように、精製タンパク質を用いてPARP切断反応をイ
ンビトロで再構成した。コントロールとして供するため
に、CrmAの点変異体を構築した。CrmA変異体は、アミノ
酸291でのArgのThrへの1つのアミノ酸置換を有する
(図5)。CrmAタンパク質およびCrmA変異タンパク質
を、6×Hisタグ融合タンパク質としてE.coliにおいて
発現させ、そしてニッケルキレートアフィニティークロ
マトグラフィーにより精製した。CrmA変異タンパク質の
インビトロでの特徴付けは、CrmAがICEに結合しそして
阻害する条件下で、変異タンパク質はICEに結合せず
(図6)、そのタンパク質分解活性を阻害もしない(図
5)ことを明らかにした。しかし、CrmA変異体の3次構
造は、その立体構造特徴が、ネオセルピンの3次構造を
調べるために用いられる方法であるトランスフェラーゼ
尿素グラジエントPAGE(Goldenberg (1989)前出;Mast
ら(1991)前出;およびKomiyamaら (1994)前出)(図
7)上で野生型CrmAのものと区別できないため、点変異
によって大きくは変化しなかった。
【0263】これらの精製組換えタンパク質を用いる
と、CrmAは、YamaによるPARPの切断をインビトロで著し
く阻害した(図8)。CrmAが等量のCrmA変異タンパク質
で置き換えられた場合、PARP切断の阻害は観察されなか
った(図8)。これは、CrmAの効果が、特にプロテアー
ゼインヒビターとして作用するその能力の機能であるこ
とを示す。
と、CrmAは、YamaによるPARPの切断をインビトロで著し
く阻害した(図8)。CrmAが等量のCrmA変異タンパク質
で置き換えられた場合、PARP切断の阻害は観察されなか
った(図8)。これは、CrmAの効果が、特にプロテアー
ゼインヒビターとして作用するその能力の機能であるこ
とを示す。
【0264】CrmAが直接Yamaと相互作用することを確認
するために、プロYamaまたは活性化Yamaのいずれかが、
天然CrmAまたは変異CrmAのいずれかとの複合体を形成す
る能力を調べた。プロYamaまたは活性化Yama(両方とも
[35S]-Metで標識した)を、それぞれ、天然CrmAまたは
等量の変異CrmA組換えタンパク質のいずれかとともにイ
ンキュベートした。それぞれの反応物を、ポリクローナ
ルCrmA抗血清を用いる免疫沈降分析に供し、そして免疫
沈降物をSDS-PAGEにより分離し、そしてホスホリメージ
ングにより可視化した。CrmAは、Yamaの活性化2サブユ
ニット型と会合したが、しかしプロYamaとは会合しなか
った(図9,パネルB)。CrmA変異体は、活性化Yamaお
よびプロYamaのいずれにも結合しなかった(図9,パネ
ルB)。CrmAが、活性化Yamaと直接相互作用して阻害複
合体を形成することが決定された。
するために、プロYamaまたは活性化Yamaのいずれかが、
天然CrmAまたは変異CrmAのいずれかとの複合体を形成す
る能力を調べた。プロYamaまたは活性化Yama(両方とも
[35S]-Metで標識した)を、それぞれ、天然CrmAまたは
等量の変異CrmA組換えタンパク質のいずれかとともにイ
ンキュベートした。それぞれの反応物を、ポリクローナ
ルCrmA抗血清を用いる免疫沈降分析に供し、そして免疫
沈降物をSDS-PAGEにより分離し、そしてホスホリメージ
ングにより可視化した。CrmAは、Yamaの活性化2サブユ
ニット型と会合したが、しかしプロYamaとは会合しなか
った(図9,パネルB)。CrmA変異体は、活性化Yamaお
よびプロYamaのいずれにも結合しなかった(図9,パネ
ルB)。CrmAが、活性化Yamaと直接相互作用して阻害複
合体を形成することが決定された。
【0265】CrmAがインビトロでYamaによるPARPの切断
を阻害したので、Yamaがアポトーシスの間のPARP切断を
実際に担うのであれば、CrmAはインビボでPARP切断を阻
害するに違いないことが推論された。これを調査するた
めに、いずれかのベクター(CrmAまたはCrmA変異体発現
構築物)で安定にトランスフェクトしたMCF7乳ガン細胞
株およびBJABリンパ腫細胞株を利用した。示されたタン
パク質を発現するクローン細胞株を選択し、そしてタン
パク質発現を抗CrmAポリクローナル抗血清を用いるイム
ノブロッティングにより確認した(図10)。インビト
ロでの発見と一致して、CrmAの発現はFasレセプター(B
JAB細胞)またはTNFレセプター(MCF7細胞)のいずれか
により誘導されるアポトーシスの間で通常生成される特
徴的な85kDaフラグメントへのPARPのタンパク質分解性
切断を阻害したが、一方、CrmA変異株のベクターにおい
ては、PARPの切断は衰えずに進行した(図11および図
12)。
を阻害したので、Yamaがアポトーシスの間のPARP切断を
実際に担うのであれば、CrmAはインビボでPARP切断を阻
害するに違いないことが推論された。これを調査するた
めに、いずれかのベクター(CrmAまたはCrmA変異体発現
構築物)で安定にトランスフェクトしたMCF7乳ガン細胞
株およびBJABリンパ腫細胞株を利用した。示されたタン
パク質を発現するクローン細胞株を選択し、そしてタン
パク質発現を抗CrmAポリクローナル抗血清を用いるイム
ノブロッティングにより確認した(図10)。インビト
ロでの発見と一致して、CrmAの発現はFasレセプター(B
JAB細胞)またはTNFレセプター(MCF7細胞)のいずれか
により誘導されるアポトーシスの間で通常生成される特
徴的な85kDaフラグメントへのPARPのタンパク質分解性
切断を阻害したが、一方、CrmA変異株のベクターにおい
ては、PARPの切断は衰えずに進行した(図11および図
12)。
【0266】CrmAによるPARP切断のインビボのブロック
およびCrmA変異体によるその欠如が、アポトーシスを阻
害するこれらのタンパク質の能力と相関するか否かを調
査するために、BJABおよびMCF7のトランスフェクタント
を調べた。CrmAは、予測されるようにTNF誘導アポトー
シスからの防御を与えたが、一方、CrmA変異体発現株
は、防御を示さず、そしてベクタートランスフェクト株
と同等に感受性であった(図13、下)。CrmAにより与
えられた防御およびCrmA変異体によるその欠如は、ヨウ
化プロピジウム染色細胞の核の形態の試験において容易
に明白であった(図13、上)。BJABトランスフェクタ
ントをFas誘導PCDに対する感受性について試験した場
合、CrmAは防御性であるが、一方CrmA変異体発現株はベ
クターコントロール株と同等に感受性のままであった
(図13、下)。従って、PARP切断をブロックするCrmA
およびCrmA変異体の互いに異なる能力は、細胞死をブロ
ックするこれらのタンパク質の能力と相関すると結論さ
れた。CrmAがYamaのタンパク質分解活性を阻害するとい
う発見(図8)は重要であり、その事実は、良く証明さ
れている、アポトーシスを阻害するCrmAの能力が、現在
ではそれのYamaの阻害により説明され得ることを示す。
また、CrmAがインビボでPARP切断を阻害するという発見
は、CrmAがYamaを阻害することと一致する。
およびCrmA変異体によるその欠如が、アポトーシスを阻
害するこれらのタンパク質の能力と相関するか否かを調
査するために、BJABおよびMCF7のトランスフェクタント
を調べた。CrmAは、予測されるようにTNF誘導アポトー
シスからの防御を与えたが、一方、CrmA変異体発現株
は、防御を示さず、そしてベクタートランスフェクト株
と同等に感受性であった(図13、下)。CrmAにより与
えられた防御およびCrmA変異体によるその欠如は、ヨウ
化プロピジウム染色細胞の核の形態の試験において容易
に明白であった(図13、上)。BJABトランスフェクタ
ントをFas誘導PCDに対する感受性について試験した場
合、CrmAは防御性であるが、一方CrmA変異体発現株はベ
クターコントロール株と同等に感受性のままであった
(図13、下)。従って、PARP切断をブロックするCrmA
およびCrmA変異体の互いに異なる能力は、細胞死をブロ
ックするこれらのタンパク質の能力と相関すると結論さ
れた。CrmAがYamaのタンパク質分解活性を阻害するとい
う発見(図8)は重要であり、その事実は、良く証明さ
れている、アポトーシスを阻害するCrmAの能力が、現在
ではそれのYamaの阻害により説明され得ることを示す。
また、CrmAがインビボでPARP切断を阻害するという発見
は、CrmAがYamaを阻害することと一致する。
【0267】(実験5)U1-70kDaの切断が、FasまたはT
NF-R誘導アポトーシスのいずれかに独特な事象であるか
否かを決定するために、以下を構成した。
NF-R誘導アポトーシスのいずれかに独特な事象であるか
否かを決定するために、以下を構成した。
【0268】抗Fas抗体またはTNFを用いての処理および
細胞溶解物の調製−MCF7細胞または誘導されたトランス
フェクタントを、100mM培養皿内に2×106細胞/培養皿
の濃度でプレートした。2日目に、細胞を、示した時間
の間40ng/mlのTNFで処理した。PBSで濯いだ後、細胞を1
5mlのPBS+プロテアーゼインヒビター(1mM フェニル
メチルスルホニルフルオリド、0.5mg/mlアプロチニン、
0.5mg/mlアンチペイン、および0.5mg/mlペプスタチン)
にかき集めることにより集め、遠心分離により回収し、
そして2.5mlのサンプル緩衝液(50mM Tris-HCl(pH6.
8)、6mM尿素、6% 2-メルカプトエタノール、3% SD
S、および0.003%ブロモフェノールブルー)中で溶解し
た。培養培地中に非接着細胞が存在した場合(例えば、
より後の時点で)、浮遊細胞もまた、遠心分離により回
収し、そしてサンプル緩衝液中で溶解する前に接着細胞
ペレットと合わせた。BJAB細胞または誘導されたトラン
スフェクタントを、6ウェル培養皿中に5×105/mlの
濃度でウェルあたり4mlで等分した。翌日、細胞を抗Fa
s抗体(250ng/ml)を用いて示した時間の間処理し、遠
心分離により回収し、PBS+プロテアーゼインヒビター
を用いて1回洗浄し、そして2mlのサンプル緩衝液中で
溶解した(図30および図31)。
細胞溶解物の調製−MCF7細胞または誘導されたトランス
フェクタントを、100mM培養皿内に2×106細胞/培養皿
の濃度でプレートした。2日目に、細胞を、示した時間
の間40ng/mlのTNFで処理した。PBSで濯いだ後、細胞を1
5mlのPBS+プロテアーゼインヒビター(1mM フェニル
メチルスルホニルフルオリド、0.5mg/mlアプロチニン、
0.5mg/mlアンチペイン、および0.5mg/mlペプスタチン)
にかき集めることにより集め、遠心分離により回収し、
そして2.5mlのサンプル緩衝液(50mM Tris-HCl(pH6.
8)、6mM尿素、6% 2-メルカプトエタノール、3% SD
S、および0.003%ブロモフェノールブルー)中で溶解し
た。培養培地中に非接着細胞が存在した場合(例えば、
より後の時点で)、浮遊細胞もまた、遠心分離により回
収し、そしてサンプル緩衝液中で溶解する前に接着細胞
ペレットと合わせた。BJAB細胞または誘導されたトラン
スフェクタントを、6ウェル培養皿中に5×105/mlの
濃度でウェルあたり4mlで等分した。翌日、細胞を抗Fa
s抗体(250ng/ml)を用いて示した時間の間処理し、遠
心分離により回収し、PBS+プロテアーゼインヒビター
を用いて1回洗浄し、そして2mlのサンプル緩衝液中で
溶解した(図30および図31)。
【0269】ウェスタンブロッティング−U1-70 kDaの
状態を評価するためのイムノブロッティングを、Cascio
lla-Rosen, L.A.,ら (1994) J.Biol.Chem., 269: 30757
-30760の記載と同様に行った。簡略には、細胞溶解物
(20μl)を、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より分離し、そしてエレクトロブロッティングによりニ
トロセルロースメンブレン(Schleicher and Schnell)
に転写した。ブロットを、ブロッキング緩衝液(10mM T
ris (pH7.6)、150mM NaCl、0.5% Nonidet P-40、3%
ウシ血清アルブミン)を用いて室温で1時間ブロックし
た。U1-70 kDアフィニティー精製抗血清を1:5000希釈
でブロッキング緩衝液中で用い、そして室温にて1時間
インキュベートした。2次試薬であるビオチン化ヤギ抗
ヒトIgG抗体(Southern Biotech)を1:6700希釈でブ
ロッキング緩衝液中で用い、そして室温にて50分間イン
キュベートした。3次試薬であるストレプトアビジン−
西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体(Southern Biotec
h)を1:10,000希釈でブロッキング緩衝液中で用い、
そして室温にて30分間インキュベートした。シグナルの
可視化は、電気化学的発光(electrochemiluminesence)
(Amersham Corp.)によった。
状態を評価するためのイムノブロッティングを、Cascio
lla-Rosen, L.A.,ら (1994) J.Biol.Chem., 269: 30757
-30760の記載と同様に行った。簡略には、細胞溶解物
(20μl)を、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より分離し、そしてエレクトロブロッティングによりニ
トロセルロースメンブレン(Schleicher and Schnell)
に転写した。ブロットを、ブロッキング緩衝液(10mM T
ris (pH7.6)、150mM NaCl、0.5% Nonidet P-40、3%
ウシ血清アルブミン)を用いて室温で1時間ブロックし
た。U1-70 kDアフィニティー精製抗血清を1:5000希釈
でブロッキング緩衝液中で用い、そして室温にて1時間
インキュベートした。2次試薬であるビオチン化ヤギ抗
ヒトIgG抗体(Southern Biotech)を1:6700希釈でブ
ロッキング緩衝液中で用い、そして室温にて50分間イン
キュベートした。3次試薬であるストレプトアビジン−
西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体(Southern Biotec
h)を1:10,000希釈でブロッキング緩衝液中で用い、
そして室温にて30分間インキュベートした。シグナルの
可視化は、電気化学的発光(electrochemiluminesence)
(Amersham Corp.)によった。
【0270】(実験6)Yamaは種々のアポトーシス刺激
因子により活性化される。Jurkat T細胞は、32kDa プ
ロYamaを発現し、そしてスタウロスポリンまたは抗APO-
1抗体を用いる処理は本明細書中でp20およびp11と称さ
れる活性な17kDaおよび12kDaのサブユニットを生成し
た。(図38)。大きな方の17kDaサブユニットの中間
型もまた観察され、そして小さなYamaプロドメインを含
有するようである。
因子により活性化される。Jurkat T細胞は、32kDa プ
ロYamaを発現し、そしてスタウロスポリンまたは抗APO-
1抗体を用いる処理は本明細書中でp20およびp11と称さ
れる活性な17kDaおよび12kDaのサブユニットを生成し
た。(図38)。大きな方の17kDaサブユニットの中間
型もまた観察され、そして小さなYamaプロドメインを含
有するようである。
【0271】(実験7)Yamaの上流のBcl-2およびBcl-x
L機能−bcl-2ファミリーのタンパク質は、種々のシグナ
ルにより、そして多数の細胞タイプにおいて誘導される
細胞死を防止することが示されている。しかし、bcl-2
がアポトーシスプロテアーゼに対して機能することにつ
いてはほとんど知られていない。この重要な問題に取り
組むために、bcl-2またはbcl-xLを過剰発現するJurkat
細胞を、エピソーム発現構築物を用いて構築した。プー
ルした集団におけるbcl-2およびbcl-xLの発現を、イム
ノブロッティングにより確認した(図39)。スタウロ
スポリンは、種々の細胞株においてbcl-2阻害性細胞死
を確実に誘導することが示されている。予測されるよう
に、bcl-2およびbcl-XLを発現するJurkat細胞は、DNA断
片化(図40)および核の形態により評価されるように
スタウロスポリン誘導アポトーシスに対して耐性であっ
た。bcl-2により一貫してはブロックされないアポトー
シス刺激因子は、Fas/APO-1の活性化である。このJurka
t細胞系では、bcl-2およびbcl-XLの発現は、抗APO-1誘
導細胞死またはPARP切断を阻害しなかった(図40およ
び図41)。bcl-2およびbcl-XLの過剰発現は、スタウ
ロスポリン誘導性の活性化Yamaの生成を排除した(図4
2)。同様の結果は、別のbcl-2/bcl-XL阻害性死刺激因
子であるタプシガルギン(thapsigargin)を用いて得られ
た。タプシガグリンは、小胞体Ca2+−ATPaseの特異的な
インヒビターである。bcl-2およびbcl-XLの阻害作用
は、抗APO-1抗体を用いる処理により「バイパス」され
得、これは、アポトーシスプロテアーゼの活性化を生じ
る(図42)。この結果はまた、良く特徴付けられたbc
l-2発現CEM細胞株を用いて見られた(Martin (1995) Ce
ll Death andDiff., 2: 253-257)。
L機能−bcl-2ファミリーのタンパク質は、種々のシグナ
ルにより、そして多数の細胞タイプにおいて誘導される
細胞死を防止することが示されている。しかし、bcl-2
がアポトーシスプロテアーゼに対して機能することにつ
いてはほとんど知られていない。この重要な問題に取り
組むために、bcl-2またはbcl-xLを過剰発現するJurkat
細胞を、エピソーム発現構築物を用いて構築した。プー
ルした集団におけるbcl-2およびbcl-xLの発現を、イム
ノブロッティングにより確認した(図39)。スタウロ
スポリンは、種々の細胞株においてbcl-2阻害性細胞死
を確実に誘導することが示されている。予測されるよう
に、bcl-2およびbcl-XLを発現するJurkat細胞は、DNA断
片化(図40)および核の形態により評価されるように
スタウロスポリン誘導アポトーシスに対して耐性であっ
た。bcl-2により一貫してはブロックされないアポトー
シス刺激因子は、Fas/APO-1の活性化である。このJurka
t細胞系では、bcl-2およびbcl-XLの発現は、抗APO-1誘
導細胞死またはPARP切断を阻害しなかった(図40およ
び図41)。bcl-2およびbcl-XLの過剰発現は、スタウ
ロスポリン誘導性の活性化Yamaの生成を排除した(図4
2)。同様の結果は、別のbcl-2/bcl-XL阻害性死刺激因
子であるタプシガルギン(thapsigargin)を用いて得られ
た。タプシガグリンは、小胞体Ca2+−ATPaseの特異的な
インヒビターである。bcl-2およびbcl-XLの阻害作用
は、抗APO-1抗体を用いる処理により「バイパス」され
得、これは、アポトーシスプロテアーゼの活性化を生じ
る(図42)。この結果はまた、良く特徴付けられたbc
l-2発現CEM細胞株を用いて見られた(Martin (1995) Ce
ll Death andDiff., 2: 253-257)。
【0272】Fas/APO-1細胞死経路におけるタンパク質
分解カスケードの証拠−スタウロスポリンおよびタプシ
ガルギン処理とは違って、Fas/APO-1誘導Yama活性化お
よび得られるアポトーシスは、このJurkat細胞系におい
てはbcl-2またはbcl-XLによってブロックされなかっ
た。CrmA発現Jurkat細胞は、抗APO-1誘導細胞死に対し
て耐性であったが、しかしスタウロスポリン誘導アポト
ーシスに対しては耐性でなかった(図44)。PARPの完
全性もまたモニターし、そして同様にCrmAは、Fas/APO-
1により誘導されるPARP切断をブロックしたが、しかし
スタウロスポリンによるPARP切断はブロックしなかっ
た。CrmAがインビボで直接Yamaを阻害するか否かを決定
するために、アポトーシスプロテアーゼの活性化を直接
評価した。DNA断片化およびPARP分析(図44および図
45)と一致して、スタウロスポリン誘導Yama活性化は
CrmAによりブロックされなかった(図46)。
分解カスケードの証拠−スタウロスポリンおよびタプシ
ガルギン処理とは違って、Fas/APO-1誘導Yama活性化お
よび得られるアポトーシスは、このJurkat細胞系におい
てはbcl-2またはbcl-XLによってブロックされなかっ
た。CrmA発現Jurkat細胞は、抗APO-1誘導細胞死に対し
て耐性であったが、しかしスタウロスポリン誘導アポト
ーシスに対しては耐性でなかった(図44)。PARPの完
全性もまたモニターし、そして同様にCrmAは、Fas/APO-
1により誘導されるPARP切断をブロックしたが、しかし
スタウロスポリンによるPARP切断はブロックしなかっ
た。CrmAがインビボで直接Yamaを阻害するか否かを決定
するために、アポトーシスプロテアーゼの活性化を直接
評価した。DNA断片化およびPARP分析(図44および図
45)と一致して、スタウロスポリン誘導Yama活性化は
CrmAによりブロックされなかった(図46)。
【0273】本発明は上記実施態様と関連して記載され
ているが、先の記載および実施例は例示することを意図
し、そして本発明の範囲を限定しないことが理解され
る。本発明の範囲内の他の局面、利点、および改変は、
本発明に関係する分野の当業者には明らかである。
ているが、先の記載および実施例は例示することを意図
し、そして本発明の範囲を限定しないことが理解され
る。本発明の範囲内の他の局面、利点、および改変は、
本発明に関係する分野の当業者には明らかである。
【0274】
【発明の効果】本発明により、Yamaと称するタンパク質
をコードする非天然の核酸分子および単離された天然の
核酸分子が提供される。本発明により、これらの核酸に
よりコードされるポリペプチドおよびタンパク質、なら
びに精製された天然のポリペプチドまたはタンパク質も
また提供される。本発明により、変異CrmAタンパク質お
よび優勢阻害性Yamaをコードする非天然の核酸分子もま
た提供される。これらの核酸分子を含有するベクターお
よび宿主細胞もさらに提供される。細胞においてFasレ
セプター経路により調節される細胞機能を調整するため
の方法もが、本明細書中で提供される。1つの局面で
は、この方法は、CrmA生物学的活性を有する遺伝子産物
(例えば、優勢阻害性Yama)をコードする核酸分子また
はCrmA遺伝子産物を細胞に導入する工程を包含する。Ya
ma核酸分子およびタンパク質はまた、Fasレセプターに
より調節される細胞機能を調整するために、細胞中に導
入され得る。
をコードする非天然の核酸分子および単離された天然の
核酸分子が提供される。本発明により、これらの核酸に
よりコードされるポリペプチドおよびタンパク質、なら
びに精製された天然のポリペプチドまたはタンパク質も
また提供される。本発明により、変異CrmAタンパク質お
よび優勢阻害性Yamaをコードする非天然の核酸分子もま
た提供される。これらの核酸分子を含有するベクターお
よび宿主細胞もさらに提供される。細胞においてFasレ
セプター経路により調節される細胞機能を調整するため
の方法もが、本明細書中で提供される。1つの局面で
は、この方法は、CrmA生物学的活性を有する遺伝子産物
(例えば、優勢阻害性Yama)をコードする核酸分子また
はCrmA遺伝子産物を細胞に導入する工程を包含する。Ya
ma核酸分子およびタンパク質はまた、Fasレセプターに
より調節される細胞機能を調整するために、細胞中に導
入され得る。
【図1】プロYamaのオープンリーデイングフレームのヌ
クレオチド配列を示す図である。
クレオチド配列を示す図である。
【図2】プロYamaの推定アミノ酸配列を示す図である。
【図3】プロYamaが、活性化に際し、インビトロにおい
てPARPを85kDaのアポトーシスフラグメントに切断する
プロテアーゼチモーゲンであることを示す電気泳動写真
である。
てPARPを85kDaのアポトーシスフラグメントに切断する
プロテアーゼチモーゲンであることを示す電気泳動写真
である。
【図4】PARPの85kDaフラグメントへの切断が、Fas誘導
アポトーシスおよびTNF誘導アポトーシスの特徴的な特
定であることを示す電気泳動写真である。
アポトーシスおよびTNF誘導アポトーシスの特徴的な特
定であることを示す電気泳動写真である。
【図5】CrmAの反応部位ループ(RSL)中での点変異
が、ICEを阻害するその能力を不活化することを示す図
である。
が、ICEを阻害するその能力を不活化することを示す図
である。
【図6】CrmAの反応部位ループ(RSL)中での点変異
が、ICEを阻害するその能力を不活化することを示す電
気泳動写真である。
が、ICEを阻害するその能力を不活化することを示す電
気泳動写真である。
【図7】CrmAの反応部位ループ(RSL)中での点変異
が、ICEを阻害するその能力を不活化することを示す電
気泳動写真である。
が、ICEを阻害するその能力を不活化することを示す電
気泳動写真である。
【図8】インビトロにおける活性化YamaによるPARP切断
が、CrmAによって阻害可能であるが、等価量のCrmA変異
体では阻害されないことを示す電気泳動写真である。
が、CrmAによって阻害可能であるが、等価量のCrmA変異
体では阻害されないことを示す電気泳動写真である。
【図9】CrmAが、活性化Yamaと直接相互作用するが、プ
ロYamaとは相互作用しないことを示す図である。
ロYamaとは相互作用しないことを示す図である。
【図10】CrmAまたはCrmA変異体が、安定にトランスフ
ェクトションされたクローンにおいて発現されることを
示す電気泳動写真である。
ェクトションされたクローンにおいて発現されることを
示す電気泳動写真である。
【図11】Fas誘導性アポトーシスの間の85kDAフラグメ
ントへのPARP切断が、CrmAにより阻害されるが、CrmA変
異体によっては阻害されないことを示す電気泳動写真で
ある。
ントへのPARP切断が、CrmAにより阻害されるが、CrmA変
異体によっては阻害されないことを示す電気泳動写真で
ある。
【図12】TNF誘導性アポトーシスの間の85kDAフラグメ
ントへのPARP切断が、CrmAにより阻害されるが、CrmA変
異体によっては阻害されないことを示す電気泳動写真で
ある。
ントへのPARP切断が、CrmAにより阻害されるが、CrmA変
異体によっては阻害されないことを示す電気泳動写真で
ある。
【図13】UnRxまたはTNFで誘導したトランスフェクト
クローンであるベクター、CrmA3、およびCrmA変異体#
2の顕微鏡写真、ならびにCrmA変異体ではなくCrmAが、
Fas誘導性細胞死およびTNF誘導細胞死を阻害することを
示す図である。
クローンであるベクター、CrmA3、およびCrmA変異体#
2の顕微鏡写真、ならびにCrmA変異体ではなくCrmAが、
Fas誘導性細胞死およびTNF誘導細胞死を阻害することを
示す図である。
【図14】TNFおよび抗Fas+CHXが、MCF7細胞において
アポトーシスを誘導することを示す顕微鏡写真である。
アポトーシスを誘導することを示す顕微鏡写真である。
【図15】TNFおよび抗Fas+CHXが、MCF7細胞において
アポトーシスを誘導することを示す顕微鏡写真である。
アポトーシスを誘導することを示す顕微鏡写真である。
【図16】プールしたトランスフェクタントの集団にお
けるCrmAによるアポトーシスの阻害を示す図である。
けるCrmAによるアポトーシスの阻害を示す図である。
【図17】CrmAによるMCF7細胞のTNFおよび抗Fas+CHX
誘導性アポトーシスの阻害を示す図である。
誘導性アポトーシスの阻害を示す図である。
【図18】抗Fas抗体の漸増投与量により誘導されたア
ポトーシスのCrmA媒介性阻害を示す顕微鏡写真である。
ポトーシスのCrmA媒介性阻害を示す顕微鏡写真である。
【図19】CrmAが、抗Fas抗体の漸増投与量により誘導
されたアポトーシスを阻害することを示す生物の形態写
真である。
されたアポトーシスを阻害することを示す生物の形態写
真である。
【図20】BJAB細胞における抗Fas誘導アポトーシスのC
rmAによる阻害を示す図および電気泳動写真である。
rmAによる阻害を示す図および電気泳動写真である。
【図21】BJAB細胞における抗Fas誘導アポトーシスのC
rmAによる阻害を示す図および電気泳動写真である。
rmAによる阻害を示す図および電気泳動写真である。
【図22】牛痘ウイルスCrmA遺伝子および遺伝子産物の
核酸配列および対応するアミノ酸配列を示す図である。
核酸配列および対応するアミノ酸配列を示す図である。
【図23】野生型CrmAはCTL媒介性アポトーシスを阻害
するが、変異体CrmAは阻害しないことを示す。
するが、変異体CrmAは阻害しないことを示す。
【図24】野生型CrmAはCTL媒介性アポトーシスを阻害
するが、変異体CrmAは阻害しないことを示す。
するが、変異体CrmAは阻害しないことを示す。
【図25】CrmAが、CTL媒介殺傷のCa2+非依存性成分を
完全にブロックしたことを示す図である。
完全にブロックしたことを示す図である。
【図26】CrmAが、CTL媒介殺傷のCa2+非依存性成分を
完全にブロックしたことを示す図である。
完全にブロックしたことを示す図である。
【図27】CrmAがCTL媒介細胞溶解のCa2+依存性成分を
ブロックしなかったことを示す図である。
ブロックしなかったことを示す図である。
【図28】CrmAがCTL媒介細胞溶解のCa2+依存性成分を
ブロックしなかったことを示す図である。
ブロックしなかったことを示す図である。
【図29】CrmAが、CTL媒介DNA断片化をブロックするこ
とを示す図である。
とを示す図である。
【図30】FasまたはTNFレセプターの活性化が、U1-70
kDa切断を誘導することを示す電気泳動写真である。
kDa切断を誘導することを示す電気泳動写真である。
【図31】FasまたはTNFレセプターの活性化が、U1-70
kDa切断を誘導することを示す電気泳動写真である。
kDa切断を誘導することを示す電気泳動写真である。
【図32】CrmAはU1-70 kDaのFas誘導切断をブロックす
るが、変異体CrmAはブロックしないことを示す電気泳動
写真である。
るが、変異体CrmAはブロックしないことを示す電気泳動
写真である。
【図33】CrmAはU1-70 kDaのFas誘導切断をブロックす
るが、変異体CrmAはブロックしないことを示す電気泳動
写真である。
るが、変異体CrmAはブロックしないことを示す電気泳動
写真である。
【図34】CrmAはU1-70 kDaのFas誘導切断をブロックす
るが、変異体CrmAはブロックしないことを示す電気泳動
写真である。
るが、変異体CrmAはブロックしないことを示す電気泳動
写真である。
【図35】CrmAはU1-70 kDaのTNF-R誘導切断をブロック
するが、しかし変異体CrmAはブロックしないことを示す
電気泳動写真である。
するが、しかし変異体CrmAはブロックしないことを示す
電気泳動写真である。
【図36】CrmAはU1-70 kDaのTNF-R誘導切断をブロック
するが、しかし変異体CrmAはブロックしないことを示す
電気泳動写真である。
するが、しかし変異体CrmAはブロックしないことを示す
電気泳動写真である。
【図37】CrmAはU1-70 kDaのTNF-R誘導切断をブロック
するが、しかし変異体CrmAはブロックしないことを示す
電気泳動写真である。
するが、しかし変異体CrmAはブロックしないことを示す
電気泳動写真である。
【図38】哺乳動物Yamaが、アポトーシス刺激によって
活性化されることを示す電気泳動写真である。
活性化されることを示す電気泳動写真である。
【図39】bcl-2およびbcl-xLがYamaの上流で機能する
ことを示す電気泳動写真である。
ことを示す電気泳動写真である。
【図40】bcl-2およびbcl-xLがYamaの上流で機能する
ことを示す電気泳動写真である。
ことを示す電気泳動写真である。
【図41】bcl-2およびbcl-xLがYamaの上流で機能する
ことを示す電気泳動写真である。
ことを示す電気泳動写真である。
【図42】bcl-2およびbcl-xLがYamaの上流で機能する
ことを示す電気泳動写真である。
ことを示す電気泳動写真である。
【図43】CrmAの標的がYamaの上流であることを示す電
気泳動写真である。
気泳動写真である。
【図44】CrmAの標的がYamaの上流であることを示す電
気泳動写真である。
気泳動写真である。
【図45】CrmAの標的がYamaの上流であることを示す電
気泳動写真である。
気泳動写真である。
【図46】CrmAの標的がYamaの上流であることを示す電
気泳動写真である。
気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597015922 Wolverine Tower, Ro om 2071, 3003 S. State Street, Ann Arbor, MI 48109−1280, U.S.A. (72)発明者 ビシュバ エム. ディクスト アメリカ合衆国 ミシガン 48105, ア ン アーバー, ペッパーパイク (番地 なし)
Claims (9)
- 【請求項1】 適切な細胞において、U1-70を含む腫瘍
壊死因子レセプター(TNF-R)経路により調節される細
胞機能を調整する方法であって、該細胞にCrmA生物学的
活性を有する核酸分子を導入する工程、および該核酸が
該細胞中で転写および翻訳されるような適切な条件下で
該細胞を増殖させる工程、を包含する方法。 - 【請求項2】 前記細胞機能が、細胞傷害性Tリンパ球
(CTL)により調節される細胞機能を含む、請求項1に
記載の方法。 - 【請求項3】 前記CTL媒介経路がCTL媒介性アポトーシ
スである、請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記CTL媒介経路がカルシウム(Ca2+)
依存性CTL媒介殺傷である、請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 U1-70経路の活性化を阻害することによ
り、適切な細胞においてアポトーシスを防止および阻害
する方法であって、該細胞にCrmA生物学的活性を有する
遺伝子産物をコードする核酸分子の有効量を、U1-70の
切断が防止されるかまたは阻害されるような適切な条件
下で導入する工程を包含する、方法。 - 【請求項6】 適切な細胞においてアポトーシス経路に
関与する薬剤を同定する方法であって、以下の工程: a)アポトーシスを媒介する細胞表面レセプターを有する
細胞培養物または組織培養物を提供する工程; b)該細胞培養物または組織培養物を、アポトーシスに必
要とされる予備的な条件に曝す工程; c)該細胞培養物または組織培養物を、試験サンプルおよ
びコントロールサンプルに分ける工程; d)試験される該薬剤を、該試験サンプルの該細胞培養物
または組織培養物に接触させる工程; e)該コントロールサンプルに対してCrmA生物学的活性を
有する遺伝子産物をコードする核酸分子またはCrmA遺伝
子産物を、アポトーシスを阻害する条件下で、該コント
ロールサンプルの該細胞培養物または組織培養物と接触
させる工程; f)該試験サンプルを、該細胞のアポトーシスを阻害する
条件下で、該試験サンプルに対してCrmA生物学的活性を
有する遺伝子産物をコードする核酸分子またはCrmA遺伝
子産物と接触させる工程; g)工程e)およびf)のサンプルを、アポトーシスを阻害す
る条件下で培養する工程;および h)工程g)のサンプルを、U1-70kDAタンパク質の切断につ
いてアッセイすることにより、アポトーシスについてア
ッセイする工程;を包含する、方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の方法により同定される
薬剤。 - 【請求項8】 アポトーシス経路において生物学的機能
を有する候補薬剤をスクリーニングする方法であって、
以下の工程: a)有効量のU1-70を活性化薬剤とともに、U1-70を40kDa
型に切断するのに適切な条件下でインキュベートする工
程;および b)U1-70の切断が生じたか否かを決定するためにアッセ
イする工程;を包含する、方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載の方法により同定される
薬剤。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US08/591,605 | 1996-02-09 | ||
| US08/591,605 US6060238A (en) | 1995-02-13 | 1996-02-09 | Method and composition for regulating apoptosis |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09299077A true JPH09299077A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=24367126
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9012932A Withdrawn JPH09299077A (ja) | 1996-02-09 | 1997-01-27 | アポトーシスを調整するための方法および組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09299077A (ja) |
-
1997
- 1997-01-27 JP JP9012932A patent/JPH09299077A/ja not_active Withdrawn
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