JPH02308798A - 糖転移反応生成物の製造法 - Google Patents
糖転移反応生成物の製造法Info
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- JPH02308798A JPH02308798A JP7334989A JP7334989A JPH02308798A JP H02308798 A JPH02308798 A JP H02308798A JP 7334989 A JP7334989 A JP 7334989A JP 7334989 A JP7334989 A JP 7334989A JP H02308798 A JPH02308798 A JP H02308798A
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- Saccharide Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は食品素材・食品添加物の製造、医薬品・医薬品
中間体の製造、有機合成化合物・有機合成化合物中間体
の製造などに用いられる糖転移反応生成物の製造法に関
する。さらに詳しくは、本発明は酵素反応という温和で
消費エネルギーの少ない方法によってアルコール類、糖
アルコール類、単糖類、オリゴ糖類、カテコールなどの
水酸基を有する種々の物質のガラクトシル誘導体または
均一にβ−1,4結合したガラクトオリゴシル誘導体を
直接かつ選択性よく製造する方法に関する。
中間体の製造、有機合成化合物・有機合成化合物中間体
の製造などに用いられる糖転移反応生成物の製造法に関
する。さらに詳しくは、本発明は酵素反応という温和で
消費エネルギーの少ない方法によってアルコール類、糖
アルコール類、単糖類、オリゴ糖類、カテコールなどの
水酸基を有する種々の物質のガラクトシル誘導体または
均一にβ−1,4結合したガラクトオリゴシル誘導体を
直接かつ選択性よく製造する方法に関する。
[従来の技術およびその課題]
乳糖などの・β−ガラクトシド結合を加水分解するはた
らきを有する酵素であるβ−ガラトシダーゼ類は、その
起源により多少の効率の相違はあるが、ガラクトースの
転移反応の触媒として用いられることは周知であり、こ
の酵素を利用してオリゴ糖などを製造することに関する
報告や特許は枚挙にいとまがない(バイオケミストリー
(Blochemlstry)、 15. 1994
(I97B)、 特開昭58−190388号公報な
ど)。
らきを有する酵素であるβ−ガラトシダーゼ類は、その
起源により多少の効率の相違はあるが、ガラクトースの
転移反応の触媒として用いられることは周知であり、こ
の酵素を利用してオリゴ糖などを製造することに関する
報告や特許は枚挙にいとまがない(バイオケミストリー
(Blochemlstry)、 15. 1994
(I97B)、 特開昭58−190388号公報な
ど)。
しかしながら、β−ガラクトシダーゼ類は、その反応の
本質においてつぎのような欠点を有する。すなわち、 ■ββ−ガラクトシダーゼ類、乳糖のような低分子量の
基質を用いたばあいの反応効率が大きいが、分子量が大
きい多糖類などは該β−ガラクトシダーゼ類の基質とな
りえないか、または基質となりえたとしてもその分解反
応の効率が非常に小さい。したがって、β−ガラクトシ
ダーゼ類を用いては多糖類をガラクトシル洪与体として
転移反応をすることができない。
本質においてつぎのような欠点を有する。すなわち、 ■ββ−ガラクトシダーゼ類、乳糖のような低分子量の
基質を用いたばあいの反応効率が大きいが、分子量が大
きい多糖類などは該β−ガラクトシダーゼ類の基質とな
りえないか、または基質となりえたとしてもその分解反
応の効率が非常に小さい。したがって、β−ガラクトシ
ダーゼ類を用いては多糖類をガラクトシル洪与体として
転移反応をすることができない。
■β−ガラクトシダーゼ類はいわゆるエキソ型の酵素で
あり、基質の非還元末端からガラクトース単位で加水分
解する。いいかえるとβ−ガラクトシダーゼ類はガラク
トース単位の転移反応の触媒となりうるが、ガラクトー
ス数個を一度に転移するオリゴ糖単位の転移反応の触媒
とはなりえない。その結果、高重合度のガラクトオリゴ
糖をその構造中に含む転移生成物をうるためには、一旦
生じた転移生成物が順次受容体となり、ガラクトース単
位ずつの糖鎖の延長が起こらねばならない。
あり、基質の非還元末端からガラクトース単位で加水分
解する。いいかえるとβ−ガラクトシダーゼ類はガラク
トース単位の転移反応の触媒となりうるが、ガラクトー
ス数個を一度に転移するオリゴ糖単位の転移反応の触媒
とはなりえない。その結果、高重合度のガラクトオリゴ
糖をその構造中に含む転移生成物をうるためには、一旦
生じた転移生成物が順次受容体となり、ガラクトース単
位ずつの糖鎖の延長が起こらねばならない。
■既知のβ−ガラクトシダーゼを用いた転移反応のばあ
い、ガラクトース残基は受容体分子の第一級水酸基に結
合する傾向が大きく、その結果、たとえば乳糖にこの酵
素を作用させたばあいの転移生成物の糖鎖間の結合とし
てはβ−1,8結合がもっとも多く生成し、かかるβ−
1,6結合以外にはβ−1,4、β−1,3結合が生成
する(「ジ・エンザイムズ(−The Hnzyrae
s”) J 、Vol、7.ビー・ディー・ボーイヤー
(P、D、Boyer)編、アカデミツクやプレス(A
cadolc Press)、 = ニーヨーク(Ne
w York)、 1972.819頁)。したがっ
て、従来のβ−ガラクトシダーゼを用いた方法では、そ
の糖鎖部分が均一にβ−1,4ガラクトシド結合したオ
リゴ糖のみをうろことはできない。前記と同様にして、
たとえばグリセロールを受容体としたばあいには、その
1位(α位)の1級水酸基にガラクトース1残基のみが
結合したものがほぼ優先的に合成される。
い、ガラクトース残基は受容体分子の第一級水酸基に結
合する傾向が大きく、その結果、たとえば乳糖にこの酵
素を作用させたばあいの転移生成物の糖鎖間の結合とし
てはβ−1,8結合がもっとも多く生成し、かかるβ−
1,6結合以外にはβ−1,4、β−1,3結合が生成
する(「ジ・エンザイムズ(−The Hnzyrae
s”) J 、Vol、7.ビー・ディー・ボーイヤー
(P、D、Boyer)編、アカデミツクやプレス(A
cadolc Press)、 = ニーヨーク(Ne
w York)、 1972.819頁)。したがっ
て、従来のβ−ガラクトシダーゼを用いた方法では、そ
の糖鎖部分が均一にβ−1,4ガラクトシド結合したオ
リゴ糖のみをうろことはできない。前記と同様にして、
たとえばグリセロールを受容体としたばあいには、その
1位(α位)の1級水酸基にガラクトース1残基のみが
結合したものがほぼ優先的に合成される。
従来、植物細胞壁の多糖を加水分解する酵素としてガラ
クタナーゼの研究が行われている。
クタナーゼの研究が行われている。
ガラクタナーゼとしてはエンド型のものがよく知られて
おり、かかるガラクタナーゼは分解される多糖類のガラ
クトシド結合によってつぎの2種類に分類されている。
おり、かかるガラクタナーゼは分解される多糖類のガラ
クトシド結合によってつぎの2種類に分類されている。
すなわち、1つはβ−1,4結合したガラクタン主鎖を
分解するエンド1.4−β−D−ガラクタナーゼであり
、もう1つはβ−1,3結合を有するガラクタン主鎖を
分解するエンド−1,3−β−D−ガラクタナーゼであ
る。
分解するエンド1.4−β−D−ガラクタナーゼであり
、もう1つはβ−1,3結合を有するガラクタン主鎖を
分解するエンド−1,3−β−D−ガラクタナーゼであ
る。
しかしながら、これらの研究は、基質となる多糖類の構
造の推定、種々の成分の抽出効率や濾過効率の上昇、ペ
クチンの製造などを目的としてなされたものであり(ジ
ャーナル・オブφバイオロジカルeケミストリー(J、
Blol。
造の推定、種々の成分の抽出効率や濾過効率の上昇、ペ
クチンの製造などを目的としてなされたものであり(ジ
ャーナル・オブφバイオロジカルeケミストリー(J、
Blol。
Chem、)、251.5904 (I97B)、日
本農芸化学会誌。
本農芸化学会誌。
43.831 (I989))、酵素の糖転移反応を積
極的に利用して転移生成物をつるということを目的とし
てなされたものではない。
極的に利用して転移生成物をつるということを目的とし
てなされたものではない。
そこで本発明者らは前記従来技術に鑑みてアスペルギル
スーニガ−(Aspergillus nlger)に
属するカビが生産するエンド−1,4−β−D−ガラク
タナーゼ(以下、単にガラクタナーゼという)に着目し
て鋭意研究を重ねた結果、かかるガラクタナーゼが強い
転移活性を有し、しかもその受容体特異性が広いことを
見出し、本発明を完成するにいたった。
スーニガ−(Aspergillus nlger)に
属するカビが生産するエンド−1,4−β−D−ガラク
タナーゼ(以下、単にガラクタナーゼという)に着目し
て鋭意研究を重ねた結果、かかるガラクタナーゼが強い
転移活性を有し、しかもその受容体特異性が広いことを
見出し、本発明を完成するにいたった。
[課題を解決するための手段]
すなわち、本発明はアスペルギルス・ニガー(Aspc
rHlllus nlgor)が生産するガラクタナー
ゼを触媒として用いることを特徴とする糖転移反応生成
物の製造法に関する。
rHlllus nlgor)が生産するガラクタナー
ゼを触媒として用いることを特徴とする糖転移反応生成
物の製造法に関する。
[作用および実施例]
本発明で用いられるアスペルギルス拳ニガーが生産する
ガラクタナーゼは、同じβ−ガラクトシド結合を加水分
解する酵素であってもβ−ガラクトシダーゼとはまった
く異なる作用を呈するものである。その特徴としては以
下の2点があげられる。
ガラクタナーゼは、同じβ−ガラクトシド結合を加水分
解する酵素であってもβ−ガラクトシダーゼとはまった
く異なる作用を呈するものである。その特徴としては以
下の2点があげられる。
■前記ガラクタナーゼはアラビノガラクタンのような多
糖類を速やかに分解する性質を有するため、多糖類を基
質として利用することができる。
糖類を速やかに分解する性質を有するため、多糖類を基
質として利用することができる。
■前記ガラクタナーゼはいわゆるエンド型酵素であり、
基質である多糖類のガラクトシド結合を、適当な長さで
(ランダムに)分解する。
基質である多糖類のガラクトシド結合を、適当な長さで
(ランダムに)分解する。
本発明においては、ガラクタナーゼが前述の特徴を有す
るだけではなく、さらに以下の特徴を育することが本発
明者らによって見出された。
るだけではなく、さらに以下の特徴を育することが本発
明者らによって見出された。
■前記ガラクタナーゼは糖鎖がβ−1,4ガラクトシド
結合のみからなる転移生成物を収率よく生成する。また
、受容体の2級水酸基へ選択的に糖を転移させることが
できる。たとえば、以下の実施例にも示すように、グリ
セロールを受容体としたばあいには、グリセロールの2
位(β位)にガラクトースやガラ、クトオリゴ糖が結合
した転移物のみかえられる。
結合のみからなる転移生成物を収率よく生成する。また
、受容体の2級水酸基へ選択的に糖を転移させることが
できる。たとえば、以下の実施例にも示すように、グリ
セロールを受容体としたばあいには、グリセロールの2
位(β位)にガラクトースやガラ、クトオリゴ糖が結合
した転移物のみかえられる。
■前記ガラクタナーゼが受容体とすることができる物質
の桟類、すなわち受容体の特異性は広く、β−ガラクト
シダーゼにまったく劣りをとらない。
の桟類、すなわち受容体の特異性は広く、β−ガラクト
シダーゼにまったく劣りをとらない。
したがって、本発明の方法は従来のβ−ガラクトシダー
ゼと呼ばれている一群の酵素を利用して糖転移生成物を
うる方法とはまったく異なり、ガラクタナーゼの新たな
特性を利用して糖転移生成物をうる方法であり、とりわ
け、ガラクトシルまたはβ−1,4結合したガラクトオ
リゴシル誘導体を収率よく製造することができる方法で
ある。
ゼと呼ばれている一群の酵素を利用して糖転移生成物を
うる方法とはまったく異なり、ガラクタナーゼの新たな
特性を利用して糖転移生成物をうる方法であり、とりわ
け、ガラクトシルまたはβ−1,4結合したガラクトオ
リゴシル誘導体を収率よく製造することができる方法で
ある。
また、ガラクタナーゼは、(イ)pH3,5〜4.5、
とくに4で強い相対活性を示し、(口H5℃で24時間
放置という条件に対するpH安定域は4〜7であり、四
温度45〜B5℃、とくに60℃でもつとも高い活性を
示し、に)50℃以下の温度で安定であり、またff4
11g”、Cu”、Pe2+によって阻害されるが、そ
の他の金属イオンや薬剤に対して安定であるという種々
の理化学的性質を有する。
とくに4で強い相対活性を示し、(口H5℃で24時間
放置という条件に対するpH安定域は4〜7であり、四
温度45〜B5℃、とくに60℃でもつとも高い活性を
示し、に)50℃以下の温度で安定であり、またff4
11g”、Cu”、Pe2+によって阻害されるが、そ
の他の金属イオンや薬剤に対して安定であるという種々
の理化学的性質を有する。
以下、本発明の方法について、具体的に説明する。
本酵素を用いて転移反応を行なうに際して使用されうる
基質としては、たとえば大豆種子や柑橘類の皮に含まれ
る多糖類などが代表例としてあげられるが、本発明にお
いてはこれら以外にもガラクタンを含有するものであれ
ばいかなるものも基質として使用することができる。ま
たかかる多糖類の純度はとくに高くなくてもよい。なお
、通常はオカラより10%NaOH水溶液で抽出し、た
とえばエタノールなどの溶媒を用いて沈澱させることに
よりえられる大豆アラビノガラクタンを主成分とする多
糖類標品が用いられる。また、本発明においては基質に
はこのような多糖類だけではなく、β−1,4位にガラ
クトシド結合したガラクトオリゴ糖やその含宵物、さら
に0−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシドなどの人
工、2!質を用いることもできる。
基質としては、たとえば大豆種子や柑橘類の皮に含まれ
る多糖類などが代表例としてあげられるが、本発明にお
いてはこれら以外にもガラクタンを含有するものであれ
ばいかなるものも基質として使用することができる。ま
たかかる多糖類の純度はとくに高くなくてもよい。なお
、通常はオカラより10%NaOH水溶液で抽出し、た
とえばエタノールなどの溶媒を用いて沈澱させることに
よりえられる大豆アラビノガラクタンを主成分とする多
糖類標品が用いられる。また、本発明においては基質に
はこのような多糖類だけではなく、β−1,4位にガラ
クトシド結合したガラクトオリゴ糖やその含宵物、さら
に0−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシドなどの人
工、2!質を用いることもできる。
酵素生産菌には、本発明においてはアスペルギルス・ニ
ガーが用いられるが、ガラクタナーゼの生産能を有する
かぎりその変異株を利用することもできる。
ガーが用いられるが、ガラクタナーゼの生産能を有する
かぎりその変異株を利用することもできる。
受容体原料には、たとえばメタノール、エタノール、エ
チレングリコール、■−プロパツール、1.2−プロパ
ンジオール、■、3−プロパンジオール、グリセロール
、■−ブタノール、1,2−ブタンジオール、1.3−
ブタンジオール、1.4−ブタンジオール、2.3−ブ
タンジオール、メソ−エリスリトール、ジグリセロール
、スチレングリコール、モノアセチン、モノブロビオニ
ン、モノカプロン、モノカプリン、カテコール、D−リ
ビトール、D−キシリトール、L−アラビトール、D−
グルチトール、D−ガラクチトール、D−マンニトール
、ミョーイノシトール、D−リボース、D−キシロース
、し−アラビノース、D−リキソース、D−ガラクトー
ス、D−グリコース、D−マンノース、D−クロース、
D−アロース、D−フコース、L−ソルボース、D−ガ
ラクシロン酸、メチル−β−グリコシド、メチル−β−
ガラクシド、ラクトースなどの通常市販されている純度
(約95%以上)のものを用いることかできる。
チレングリコール、■−プロパツール、1.2−プロパ
ンジオール、■、3−プロパンジオール、グリセロール
、■−ブタノール、1,2−ブタンジオール、1.3−
ブタンジオール、1.4−ブタンジオール、2.3−ブ
タンジオール、メソ−エリスリトール、ジグリセロール
、スチレングリコール、モノアセチン、モノブロビオニ
ン、モノカプロン、モノカプリン、カテコール、D−リ
ビトール、D−キシリトール、L−アラビトール、D−
グルチトール、D−ガラクチトール、D−マンニトール
、ミョーイノシトール、D−リボース、D−キシロース
、し−アラビノース、D−リキソース、D−ガラクトー
ス、D−グリコース、D−マンノース、D−クロース、
D−アロース、D−フコース、L−ソルボース、D−ガ
ラクシロン酸、メチル−β−グリコシド、メチル−β−
ガラクシド、ラクトースなどの通常市販されている純度
(約95%以上)のものを用いることかできる。
本発明は酵素を触媒とした反応であるから、温和な条件
で反応を行なうことができるのは言うまでもない。すな
わち、pHは4〜5、温度は20〜50℃、好ましくは
40〜50℃が適当である。
で反応を行なうことができるのは言うまでもない。すな
わち、pHは4〜5、温度は20〜50℃、好ましくは
40〜50℃が適当である。
本酵素を用いた転移反応のばあい、反応初期より種々の
重合度の転移生成物が認められるが、これらのうち高重
合度の転移生成物は一旦生じたのち、さらに本酵素によ
り分解され、反応経過とともに順次減少する。その結果
、反応後期には低重合度の転移生成物が多く生成する。
重合度の転移生成物が認められるが、これらのうち高重
合度の転移生成物は一旦生じたのち、さらに本酵素によ
り分解され、反応経過とともに順次減少する。その結果
、反応後期には低重合度の転移生成物が多く生成する。
したがって、反応時間、酵素濃度などの条件は反応液中
の転移生成物のガラクトース残基の平均重合度に大きな
影響を及ぼす。すなわち、反応時間は長いほど、また一
定反応時間のばあいには、高い酵素濃度を使用するほど
、えられる転移生成物の平均重合度は小さくなる。
の転移生成物のガラクトース残基の平均重合度に大きな
影響を及ぼす。すなわち、反応時間は長いほど、また一
定反応時間のばあいには、高い酵素濃度を使用するほど
、えられる転移生成物の平均重合度は小さくなる。
たとえば、反応温度40℃、pH4,5の条件下で、酵
素濃度0,5単位/ ml 、基質濃度1%、受容体濃
度2.5%としたばあい、反応時間30分間では、一般
式(I): (u −(G2 )n−A
(T)(式中、Gl およびG2はそれぞれガラクトー
ス残基、Aは水酸基含有の受容体分子、nは0〜lOの
整数を示し、ガラクトース残基どうしの結合はβ−1,
4結合である)において、重合度(n)が3以上である
転移物が約50%生成し、残りはそれ以下の重合度を有
するものとなる。また、反応時間2時間では、重合度(
n)が0.1および2のものがそれぞれほぼ等量ずつ生
成する。さらに反応時間20時間では重合度(n)が主
に0および1のものがそれぞれほぼ等量ずつ生成する。
素濃度0,5単位/ ml 、基質濃度1%、受容体濃
度2.5%としたばあい、反応時間30分間では、一般
式(I): (u −(G2 )n−A
(T)(式中、Gl およびG2はそれぞれガラクトー
ス残基、Aは水酸基含有の受容体分子、nは0〜lOの
整数を示し、ガラクトース残基どうしの結合はβ−1,
4結合である)において、重合度(n)が3以上である
転移物が約50%生成し、残りはそれ以下の重合度を有
するものとなる。また、反応時間2時間では、重合度(
n)が0.1および2のものがそれぞれほぼ等量ずつ生
成する。さらに反応時間20時間では重合度(n)が主
に0および1のものがそれぞれほぼ等量ずつ生成する。
また、使用する受容体が本酵素の活性を阻害しないかぎ
り、受容体濃度が高いほど基質あたりの転移生成物の収
率は大きくなる。一般に受容体濃度5%以上であれば、
転移生成物は薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと
いう)で確認することができる。このばあい、えられる
転移生成物の収量は、使用する受容体の種類によって異
なるのは言うまでもない。また、受容体をある程度以上
添加しても転移生成物の収量(こは顕著な増加は認めら
れなくなる。このばあ0の濃度も受容体によって異なる
が、たとえば比較的受容体としての効率が高いグリセロ
ールのばあい、15%以上の濃度ではえられる転移生成
物量の増加はほとんどない。
り、受容体濃度が高いほど基質あたりの転移生成物の収
率は大きくなる。一般に受容体濃度5%以上であれば、
転移生成物は薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと
いう)で確認することができる。このばあい、えられる
転移生成物の収量は、使用する受容体の種類によって異
なるのは言うまでもない。また、受容体をある程度以上
添加しても転移生成物の収量(こは顕著な増加は認めら
れなくなる。このばあ0の濃度も受容体によって異なる
が、たとえば比較的受容体としての効率が高いグリセロ
ールのばあい、15%以上の濃度ではえられる転移生成
物量の増加はほとんどない。
基質濃度は高いほど、一定の酵素および受容体濃度で一
定時間反応させたばあいにえられる転移生成物の平均重
合度は大きく、またそれらの収量も大きい。しかし、使
用する基質あたりの転移生成物の収率としては、低い基
質濃度のばあいとほぼ同じである。一般に、大豆アラビ
ノガラクタンの濃度1%において、一般式(I)中の重
合度(n)がOおよび1の転移生成物のみが主に生成す
る本反応の最終段階までに要する時間は、たとえば40
℃、pH4,5、酵素濃度0.5単位/ mlの条件下
では、15時間で充分である。このばあい、受容体が本
酵素の活性を阻害しなtlかぎり、受容体濃度の影響は
小さい。
定時間反応させたばあいにえられる転移生成物の平均重
合度は大きく、またそれらの収量も大きい。しかし、使
用する基質あたりの転移生成物の収率としては、低い基
質濃度のばあいとほぼ同じである。一般に、大豆アラビ
ノガラクタンの濃度1%において、一般式(I)中の重
合度(n)がOおよび1の転移生成物のみが主に生成す
る本反応の最終段階までに要する時間は、たとえば40
℃、pH4,5、酵素濃度0.5単位/ mlの条件下
では、15時間で充分である。このばあい、受容体が本
酵素の活性を阻害しなtlかぎり、受容体濃度の影響は
小さい。
以上、本反応のための条件を述べたが、いろいろな受容
体について目的とするある重合度の転移生成物を収率よ
くうるための最適なこれらの諸条件は、さらにつぎのよ
うな実験により詳細に決定することができる。すなわち
、TLCまたはBio−Get P−2(バイオラド社
製)などを用いたゲル濾過法で種々の条件下でえられた
反応液を分画後、フェノール−硫酸法などを用いて各重
合度の生成物を定量する。
体について目的とするある重合度の転移生成物を収率よ
くうるための最適なこれらの諸条件は、さらにつぎのよ
うな実験により詳細に決定することができる。すなわち
、TLCまたはBio−Get P−2(バイオラド社
製)などを用いたゲル濾過法で種々の条件下でえられた
反応液を分画後、フェノール−硫酸法などを用いて各重
合度の生成物を定量する。
酵素反応は、反応液を沸騰水中で10〜15分間加熱す
ることにより完全に停止させることができる。
ることにより完全に停止させることができる。
酵素反応液から目的とする転移生成物を分離するには、
種々の方法を採用することができる。
種々の方法を採用することができる。
その−例をあげれば、たとえば活性炭クロマトグラフィ
ーを行ない、目的物をカラムに吸着させ、エタノールな
どの低級アルコールの水溶液で溶出させる方法がある。
ーを行ない、目的物をカラムに吸着させ、エタノールな
どの低級アルコールの水溶液で溶出させる方法がある。
なお、反応液に濃度が50%となるようにたとえば、メ
タノール、エタノール、アセトン、エチルエーテルなど
の宵機溶媒を添加すれば、残存する未反応多糖類は沈澱
物として除くことができる。
タノール、エタノール、アセトン、エチルエーテルなど
の宵機溶媒を添加すれば、残存する未反応多糖類は沈澱
物として除くことができる。
また、転移生成物が非還元糖であるばあい、反応液中に
共存する加水分解物である還元糖は、アニリン処理(日
本農芸化学会誌81,339(I987)参照)と活性
炭クロマトグラフィーを併用することによって除去する
ことが可能である。
共存する加水分解物である還元糖は、アニリン処理(日
本農芸化学会誌81,339(I987)参照)と活性
炭クロマトグラフィーを併用することによって除去する
ことが可能である。
すなわち、反応液に酢酸アニリンをその10分の1の口
(重量)程度を加え、80℃で3時間処理し、還元糖の
みをアニリン誘導体に変える。このアニリン誘導体およ
び残存する酢酸アニリンは、活性炭カラムに強力に吸着
されるため、比較的吸着力の弱い転移生成物とは容易に
分離することができる。また、TLCにおいて、上記ア
ニリン処理後の液を分析すれば加水分解物である還元糖
はアニリン誘導体となることにより易動度が大きく増大
するので、そうでない転移生成物と容易に識別すること
ができる。
(重量)程度を加え、80℃で3時間処理し、還元糖の
みをアニリン誘導体に変える。このアニリン誘導体およ
び残存する酢酸アニリンは、活性炭カラムに強力に吸着
されるため、比較的吸着力の弱い転移生成物とは容易に
分離することができる。また、TLCにおいて、上記ア
ニリン処理後の液を分析すれば加水分解物である還元糖
はアニリン誘導体となることにより易動度が大きく増大
するので、そうでない転移生成物と容易に識別すること
ができる。
かくしてえられる糖転移反応生成物は一般式():
%式%()
(式中、G1およびG2はそれぞれガラクトース残基、
Aは水酸基含有の受容体分子、ただし、G1はオリゴ糖
鎖における非還元末端のガラクトース残基、G2はG1
と受容体分子間に結合するガラクトース残基、またn
はO−10の整数を示し、ガラクトース残基どぅしの結
合はβ−■、4結合である)で表されるガラクトシル誘
導体またはガラクトオリゴシル誘導体である。ここで、
反応液中のnの平均値は前述したようにその反応条件に
よって異なりうる。
Aは水酸基含有の受容体分子、ただし、G1はオリゴ糖
鎖における非還元末端のガラクトース残基、G2はG1
と受容体分子間に結合するガラクトース残基、またn
はO−10の整数を示し、ガラクトース残基どぅしの結
合はβ−■、4結合である)で表されるガラクトシル誘
導体またはガラクトオリゴシル誘導体である。ここで、
反応液中のnの平均値は前述したようにその反応条件に
よって異なりうる。
以下に製造例および実施例をあげて本発明の方法をさら
に詳細に説明するが、本発明はかがる製造例および実施
例のみに限定されるものではない。
に詳細に説明するが、本発明はかがる製造例および実施
例のみに限定されるものではない。
製造例1 〔ガラクタナーゼの生産〕
アスペルギルス・ニガーの保存菌株を麦芽寒天斜面培地
に植え継いだのち、温度28℃で3日間静置培養した。
に植え継いだのち、温度28℃で3日間静置培養した。
つぎに、工業用フスマ100gに水80gを加え、これ
を 100m1容の三角フラスコ10本にそれぞれ18
gずつ分注した。これをオートクレーブで温度120℃
、15分間加熱して滅菌したあと、前記の静置培養した
アスペルギルス・ニガーを植菌し、温度28℃で2〜3
日間静置培養した。
を 100m1容の三角フラスコ10本にそれぞれ18
gずつ分注した。これをオートクレーブで温度120℃
、15分間加熱して滅菌したあと、前記の静置培養した
アスペルギルス・ニガーを植菌し、温度28℃で2〜3
日間静置培養した。
フスマ4kgに水3.2kgを加え、これを720gず
つ綿布袋に詰め、オートクレーブで温度120℃、15
分間加熱して滅菌した。これを、滅菌処理済のアルミバ
ット(35X 55X 5c11) 1(I枚に無菌的
にまき、前記の培養したアスペルギルス・ニガーをバッ
ト上に無菌的に均一にまいてふたをし、温度28℃で4
0間静置培養した。
つ綿布袋に詰め、オートクレーブで温度120℃、15
分間加熱して滅菌した。これを、滅菌処理済のアルミバ
ット(35X 55X 5c11) 1(I枚に無菌的
にまき、前記の培養したアスペルギルス・ニガーをバッ
ト上に無菌的に均一にまいてふたをし、温度28℃で4
0間静置培養した。
培養後、20gの水で抽出し、遠心分離によって抽出液
をえた。これに35%飽和となるように硫酸アンモニウ
ムを加え、−晩冷所(I5℃)で放置後、生じた沈澱物
をン濾過して除き、さらに炉液に85%飽和となるよう
に硫酸アンモニウムを加え、−晩冷所(I5℃)で放置
した。生じた沈澱物を濾過によって集め、その沈澱物を
50mM 。
をえた。これに35%飽和となるように硫酸アンモニウ
ムを加え、−晩冷所(I5℃)で放置後、生じた沈澱物
をン濾過して除き、さらに炉液に85%飽和となるよう
に硫酸アンモニウムを加え、−晩冷所(I5℃)で放置
した。生じた沈澱物を濾過によって集め、その沈澱物を
50mM 。
酢酸緩衝液(pit 5.5)に溶解し、°遠心分離ま
たはン濾過によって不溶物を除き、粗酵素液をえた。
たはン濾過によって不溶物を除き、粗酵素液をえた。
この粗酵素液をゲルi濾過によって脱塩し、50g1M
の酢酸緩衝液(pH15,5)で平衡化したDEAH−
9opbadox^−50(ファルマシア社製、陰イオ
ン交換体)に吸着させ、50mM酢酸緩衝液(pH5゜
5)で洗浄後、505M酢酸緩衝液(pH5,5)とI
MNa(Jを含んだ50a+M酢酸緩衝液の直線勾配法
で溶出した。
の酢酸緩衝液(pH15,5)で平衡化したDEAH−
9opbadox^−50(ファルマシア社製、陰イオ
ン交換体)に吸着させ、50mM酢酸緩衝液(pH5゜
5)で洗浄後、505M酢酸緩衝液(pH5,5)とI
MNa(Jを含んだ50a+M酢酸緩衝液の直線勾配法
で溶出した。
つぎに、この活性画分を集め、ポリエチレングリコール
で濃縮後、50mMNaC#を含んだ50mM酢酸緩衝
液(pH5,5)で平衡化した。Ultrogel A
cA44のカラムでゲルを濾過を行ない、活性画分を回
収した。
で濃縮後、50mMNaC#を含んだ50mM酢酸緩衝
液(pH5,5)で平衡化した。Ultrogel A
cA44のカラムでゲルを濾過を行ない、活性画分を回
収した。
これを5IIM酢酸緩衝液(pH5,5)で透析後(5
℃、−晩)、511Mの酢酸緩衝液(pH5,5)で平
衡化したアフィ÷ティーカラム(担体はEpoxy−A
ctlvatod 5epharose 6B−リガン
ドはアラビノース)に吸着させ、lomMの酢酸緩衝液
(pH5,5)と100mMの酢酸緩衝液(pH15,
5)との直線勾配法で溶出し、精製酵素をえた。
℃、−晩)、511Mの酢酸緩衝液(pH5,5)で平
衡化したアフィ÷ティーカラム(担体はEpoxy−A
ctlvatod 5epharose 6B−リガン
ドはアラビノース)に吸着させ、lomMの酢酸緩衝液
(pH5,5)と100mMの酢酸緩衝液(pH15,
5)との直線勾配法で溶出し、精製酵素をえた。
実施例1
大豆アラビノガラクタン2%、第1表に示した濃度の種
々の化合物、製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ(
2,5単位)を含む200μ史の505M酢酸緩衝液(
pH4,5)を40℃で15時間保温した。この反応液
を直接またはアニリン処理したのち、TLCで分析した
。このようにしてえられたクロマトグラムを受容体を添
加しない対照のものと比較し転移物の有無を確認した。
々の化合物、製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ(
2,5単位)を含む200μ史の505M酢酸緩衝液(
pH4,5)を40℃で15時間保温した。この反応液
を直接またはアニリン処理したのち、TLCで分析した
。このようにしてえられたクロマトグラムを受容体を添
加しない対照のものと比較し転移物の有無を確認した。
その結果を第1表に示す。
この結果、本酵素は、種々の一級アルコール類、ジオー
ル類、グリセロールやその誘導体、糖類、糖アルコール
類およびカテコールなどを受容体としうる広い受容体特
異性を有していることが明らかとなった。しかし、調べ
た物質の範囲内では、2−プロパツール、2−ブタノー
ル、モノラウリンおよびフラクトースは受容体となりえ
なかった。
ル類、グリセロールやその誘導体、糖類、糖アルコール
類およびカテコールなどを受容体としうる広い受容体特
異性を有していることが明らかとなった。しかし、調べ
た物質の範囲内では、2−プロパツール、2−ブタノー
ル、モノラウリンおよびフラクトースは受容体となりえ
なかった。
実施例2
大豆アラビノガラクタン0.8gおよびグリセロール5
gを含む100m1の50mM酢酸緩衝液(pl+4.
5)に製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ20単位
を加えて40℃で48時間反応させた。残留する未反応
多糖類はエタノール200 mlを加えることにより沈
澱物として回収し、除去した。上清をさらに100 m
lに減圧濃縮したのち、転移生成物の単離を容易にする
ために、酢酸アニリン10gを加えて80℃で3時間加
熱し、共存するガラクトースなどの還元糖をアニリン誘
導体に変換した。この液をTLCで分析したところ、最
終的に蓄積すると考えられる2種類の転移生成物が認め
られた。そこで前記アニリン処理液から活性炭クロマト
グラフィーでこれら2P]i類の転移生成物(Aおよび
B)を単離した。生成物AおよびBの収量はそれぞれ1
51Bと129mgであり、用いたアラビノガラクタン
に対する収率は生成物AとBをあオ〕せて約34%であ
った。
gを含む100m1の50mM酢酸緩衝液(pl+4.
5)に製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ20単位
を加えて40℃で48時間反応させた。残留する未反応
多糖類はエタノール200 mlを加えることにより沈
澱物として回収し、除去した。上清をさらに100 m
lに減圧濃縮したのち、転移生成物の単離を容易にする
ために、酢酸アニリン10gを加えて80℃で3時間加
熱し、共存するガラクトースなどの還元糖をアニリン誘
導体に変換した。この液をTLCで分析したところ、最
終的に蓄積すると考えられる2種類の転移生成物が認め
られた。そこで前記アニリン処理液から活性炭クロマト
グラフィーでこれら2P]i類の転移生成物(Aおよび
B)を単離した。生成物AおよびBの収量はそれぞれ1
51Bと129mgであり、用いたアラビノガラクタン
に対する収率は生成物AとBをあオ〕せて約34%であ
った。
これらの生成物は、β−ガラクトシダーゼにより完全に
加水分解され、生成物Aではガラクトースとグリセロー
ルが等モルで、また生成物Bではグリセロール1モルに
対してガラクトース2モルの割合で検出された。さらに
+30−核磁気共鳴スペクトルで内部標準としてアセト
ン(δ31.4ppm)を用い、これらの生成物を同定
した。その結果、生成物Aでは82.0B 、 62.
17.82.71 、89.7G 、72゜14.73
.82.78.26、H,05、103,81ppml
ご共鳴線が認められた。とくに82.O5ppmの共鳴
線により、化合物Aはガラクトース残基がグリセロール
の2位に転移した2−ガラクトピラノシルグリセロール
であることを確認した。化合物BではB1.80 、B
2.07、B2.71.139.82.72.84.7
3.99.74.31.75.51 、76.26.7
8.32.82.OL 、 103.82.105.
41ppmに共鳴線が認められた。82.01ppa+
の共鳴線によりこの化合物は、グリセロールの2位に転
移した化合物であることを確認した。またβ−ガラクト
シダーゼにより完全に分解されることおよび78y32
ppmの共鳴線1とよりガラクト−ス残基間の結合はβ
−1,4結合であることが確認された。
加水分解され、生成物Aではガラクトースとグリセロー
ルが等モルで、また生成物Bではグリセロール1モルに
対してガラクトース2モルの割合で検出された。さらに
+30−核磁気共鳴スペクトルで内部標準としてアセト
ン(δ31.4ppm)を用い、これらの生成物を同定
した。その結果、生成物Aでは82.0B 、 62.
17.82.71 、89.7G 、72゜14.73
.82.78.26、H,05、103,81ppml
ご共鳴線が認められた。とくに82.O5ppmの共鳴
線により、化合物Aはガラクトース残基がグリセロール
の2位に転移した2−ガラクトピラノシルグリセロール
であることを確認した。化合物BではB1.80 、B
2.07、B2.71.139.82.72.84.7
3.99.74.31.75.51 、76.26.7
8.32.82.OL 、 103.82.105.
41ppmに共鳴線が認められた。82.01ppa+
の共鳴線によりこの化合物は、グリセロールの2位に転
移した化合物であることを確認した。またβ−ガラクト
シダーゼにより完全に分解されることおよび78y32
ppmの共鳴線1とよりガラクト−ス残基間の結合はβ
−1,4結合であることが確認された。
これらの結果から、化合物Bは2−β−ガラクトビオシ
ルグリセロールであることが確認された。
ルグリセロールであることが確認された。
実施例3
大豆アラビノガラクタン1.Ogおよび乳糖2.5gを
含む100m1の505M酢酸緩衝液(pH4,5)に
、製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ20単位を加
え、40℃で10時間反応させた。残留する未反応多糖
をエタノール200 mlを加えることにより沈澱物を
回収して除去し、上清を30m1に減圧濃縮した。これ
を活性炭カラム(I5cmφ×50c+n)にかけ、水
1gおよび5%エタノール500m1で順次カラムを洗
浄したのち、5〜40%の範囲でエタノール濃度を直線
的に上昇させ、オリゴ糖を分画した。これらのうち、主
転移生成物の両分を集め、さらにペーパークロマトグラ
フィーで単離し、転移生成物CI24mgをえた。
含む100m1の505M酢酸緩衝液(pH4,5)に
、製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ20単位を加
え、40℃で10時間反応させた。残留する未反応多糖
をエタノール200 mlを加えることにより沈澱物を
回収して除去し、上清を30m1に減圧濃縮した。これ
を活性炭カラム(I5cmφ×50c+n)にかけ、水
1gおよび5%エタノール500m1で順次カラムを洗
浄したのち、5〜40%の範囲でエタノール濃度を直線
的に上昇させ、オリゴ糖を分画した。これらのうち、主
転移生成物の両分を集め、さらにペーパークロマトグラ
フィーで単離し、転移生成物CI24mgをえた。
転移生成物Cを常法にしたがってメチル化分析を行なっ
たところ、2.3.8−トリメチル−グリコース、2.
3.6−ドリメチルーガラクトースおよび2.3,4.
8−テトラメチルガラクトースが約1:11の割合(重
量比)で検出された。またこの化合物は、β−ガラクト
シダーゼにより完全に分解され、ガラクトースとグルコ
ースが2:1の割合(重量比)で生じた。これらの結果
から、転移生成物Cは4−β−ガラクトシル1.4−ラ
クトースであることが確認された。
たところ、2.3.8−トリメチル−グリコース、2.
3.6−ドリメチルーガラクトースおよび2.3,4.
8−テトラメチルガラクトースが約1:11の割合(重
量比)で検出された。またこの化合物は、β−ガラクト
シダーゼにより完全に分解され、ガラクトースとグルコ
ースが2:1の割合(重量比)で生じた。これらの結果
から、転移生成物Cは4−β−ガラクトシル1.4−ラ
クトースであることが確認された。
実施例4
大豆アラビノガラククン 1.Of、D−フコース2.
5gを含む100m1の50aM酢酸緩衝液(pH4,
5)に、製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ20単
位を加え、40°Cで10時間反応させた。残留する未
反応多糖類をエタノール200 mlに加えることによ
り沈澱物を回収して除去し、上清を30m1に減圧濃縮
した。これを活性炭カラム(I5国φX50ca+)に
かけ、水INおよび5%エタノール500 mlで順次
カラムを洗浄したのち、5〜50%の範囲でエタノール
濃度を直線的に上昇させ、オリゴ糖を分画した。2F!
類の転移生成物の画分を集め、それぞれベーパークロマ
トグラフィでさらに精製し、転移生成物0103IIg
およびE40o+gをえた。えられた転移生成物りおよ
びEはともにβ−ガラクトシダーゼで完全に分解され、
i!!離されるガラクトースとフコースの量は、それぞ
れ約1:1および2:1であった。また、常法によりメ
チル化を行ない、ガスクロマトグラフィー(カラム:
ECN55−MガスクロームQ(ガスクロ工業■製)
(2m+) :温度180℃)を用いて各構成メチル化
糖を定量したところ、転移生成物りでは2,3,4.6
−テトラメチルガラクトースと2.3−ジメチルフコー
スが約1:1の比で、また転移生成物Eでは2,3.4
.6−テトラメチルガラクトース、 2,3.6−ドリ
メチルガラクトースおよび2.3−ジメチルフコースが
約1:1:1の割合(モル比)で検出された。
5gを含む100m1の50aM酢酸緩衝液(pH4,
5)に、製造例1でえられた精製ガラクタナーゼ20単
位を加え、40°Cで10時間反応させた。残留する未
反応多糖類をエタノール200 mlに加えることによ
り沈澱物を回収して除去し、上清を30m1に減圧濃縮
した。これを活性炭カラム(I5国φX50ca+)に
かけ、水INおよび5%エタノール500 mlで順次
カラムを洗浄したのち、5〜50%の範囲でエタノール
濃度を直線的に上昇させ、オリゴ糖を分画した。2F!
類の転移生成物の画分を集め、それぞれベーパークロマ
トグラフィでさらに精製し、転移生成物0103IIg
およびE40o+gをえた。えられた転移生成物りおよ
びEはともにβ−ガラクトシダーゼで完全に分解され、
i!!離されるガラクトースとフコースの量は、それぞ
れ約1:1および2:1であった。また、常法によりメ
チル化を行ない、ガスクロマトグラフィー(カラム:
ECN55−MガスクロームQ(ガスクロ工業■製)
(2m+) :温度180℃)を用いて各構成メチル化
糖を定量したところ、転移生成物りでは2,3,4.6
−テトラメチルガラクトースと2.3−ジメチルフコー
スが約1:1の比で、また転移生成物Eでは2,3.4
.6−テトラメチルガラクトース、 2,3.6−ドリ
メチルガラクトースおよび2.3−ジメチルフコースが
約1:1:1の割合(モル比)で検出された。
これらの結果から、前記転移生成物りおよびEは、それ
ぞれ含まれる結合がすべてβ−1,4ガラクトシド結合
であるガラクトシルフコースおよびガラクトビオシルフ
コースであることが確認された。
ぞれ含まれる結合がすべてβ−1,4ガラクトシド結合
であるガラクトシルフコースおよびガラクトビオシルフ
コースであることが確認された。
比較例1
大豆アラビノガラクタン0.8g、グリセロール5gお
よび塩化マグネシウム 0.045iを含む100m1
の50mM(pH7,0)リン酸緩衝液に、それぞれエ
シェリヒア争コリ(Eschertchla coil
)、サツカロミセスφフラギリス<Saccharom
ycasfrag!Its)、牛の肝臓に由来のβ−ガ
ラクトシダー・ゼ(いずれもシグマ薬品■製)60単位
を加えて40℃で50時間反応させた。そののち、各反
応液をTLCで分析したが、ガラクトースなどの加水分
解反応生成物もグリセロールへの転移生成物もまったく
検出されなかった。
よび塩化マグネシウム 0.045iを含む100m1
の50mM(pH7,0)リン酸緩衝液に、それぞれエ
シェリヒア争コリ(Eschertchla coil
)、サツカロミセスφフラギリス<Saccharom
ycasfrag!Its)、牛の肝臓に由来のβ−ガ
ラクトシダー・ゼ(いずれもシグマ薬品■製)60単位
を加えて40℃で50時間反応させた。そののち、各反
応液をTLCで分析したが、ガラクトースなどの加水分
解反応生成物もグリセロールへの転移生成物もまったく
検出されなかった。
比較例2
0−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド0.
802g 、グリセロール6.0「および塩化マグネシ
ウム0.095gを含む200m1の50mM(pit
7.3)リン酸緩衝液に前記エシェリヒア・コリに由来
のβ−ガラクトシダーゼ120単位を加え、40℃で3
0分間反応させたのち、10分間煮沸して酵素を失活さ
せた。つぎに反応液に酢酸アニリン20fを加え、80
℃で3時間加熱し、反応液中のガラクトースなどの還元
糖をアニリン誘導体とした。これを、TLCを用いて分
析したところ、実施例1と異なり、ただ1種類の転移生
成物のスポットしか観察されなかった。そこで実施例1
と同様に活性炭カラムクロマトグラフィーを行ない、こ
の転移生成物F 502Bを単離した。
802g 、グリセロール6.0「および塩化マグネシ
ウム0.095gを含む200m1の50mM(pit
7.3)リン酸緩衝液に前記エシェリヒア・コリに由来
のβ−ガラクトシダーゼ120単位を加え、40℃で3
0分間反応させたのち、10分間煮沸して酵素を失活さ
せた。つぎに反応液に酢酸アニリン20fを加え、80
℃で3時間加熱し、反応液中のガラクトースなどの還元
糖をアニリン誘導体とした。これを、TLCを用いて分
析したところ、実施例1と異なり、ただ1種類の転移生
成物のスポットしか観察されなかった。そこで実施例1
と同様に活性炭カラムクロマトグラフィーを行ない、こ
の転移生成物F 502Bを単離した。
この生成物Fを実施例1と同様に13 C−核磁気共鳴
スペクトルを用いて同定した。その結果、82.06.
63.47.89.70 、71.54.71.81.
73.7B 、76.20.104.10ppmに共鳴
線が認められた。しかしながら、実施例1で観測された
82、O5ppmの共鳴線は存在せず、7154ppa
lこグリセロールの2位炭素に起因する共鳴線が観察さ
れ、化合物が1位にガラクトースが転移した1−ガラク
トシルグリセロールであることを確認した。さらに前記
転移生成物Fは、β−ガラクトシダーゼで完全に水解さ
れるこ、とから、結合はβ−ガラクトシド結合であるこ
とが確認された。
スペクトルを用いて同定した。その結果、82.06.
63.47.89.70 、71.54.71.81.
73.7B 、76.20.104.10ppmに共鳴
線が認められた。しかしながら、実施例1で観測された
82、O5ppmの共鳴線は存在せず、7154ppa
lこグリセロールの2位炭素に起因する共鳴線が観察さ
れ、化合物が1位にガラクトースが転移した1−ガラク
トシルグリセロールであることを確認した。さらに前記
転移生成物Fは、β−ガラクトシダーゼで完全に水解さ
れるこ、とから、結合はβ−ガラクトシド結合であるこ
とが確認された。
[発明の効果]
本発明の製造法には基質として多糖類を利用することが
でき、しかもえられる化合物は高重合度の糖鎖を存する
β−1,4結合したガラクトース糖鎖の転移生成物であ
り、グリセロールを受容体としたばあいにえられるβ−
ガラクトシダーゼと異なる水酸基に特異的に糖を結合す
ることができるなど、従来の方法にはない特性を呈する
。したがって、本発明の製造法によれば、新規な構造を
有する化合物や、新しい生理活性を発現する可能性のあ
る化合物を合成することができ、また水酸基を特異的に
保護しうるなどの効果が奏される。
でき、しかもえられる化合物は高重合度の糖鎖を存する
β−1,4結合したガラクトース糖鎖の転移生成物であ
り、グリセロールを受容体としたばあいにえられるβ−
ガラクトシダーゼと異なる水酸基に特異的に糖を結合す
ることができるなど、従来の方法にはない特性を呈する
。したがって、本発明の製造法によれば、新規な構造を
有する化合物や、新しい生理活性を発現する可能性のあ
る化合物を合成することができ、また水酸基を特異的に
保護しうるなどの効果が奏される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
niger)が生産するガラクタナーゼを触媒として用
いることを特徴とする糖転移反応生成物の製造法。 2 糖転移反応生成物が一般式( I ): G_1−(G_2)n−A( I ) (式中、G_1およびG_2はそれぞれガラクトース残
基、Aは水酸基含有の受容体分子、nは0〜10の整数
を示し、ガラクトース残基どうしの結合はβ−1,4結
合である)で表されるガラクトシル誘導体またはガラク
トオリゴシル誘導体である請求項1記載の糖転移反応生
成物の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7334989A JPH02308798A (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 糖転移反応生成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7334989A JPH02308798A (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 糖転移反応生成物の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02308798A true JPH02308798A (ja) | 1990-12-21 |
Family
ID=13515599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7334989A Pending JPH02308798A (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 糖転移反応生成物の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02308798A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0498137A1 (en) * | 1991-02-06 | 1992-08-12 | Novo Nordisk A/S | Novel expression systems |
-
1989
- 1989-03-24 JP JP7334989A patent/JPH02308798A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0498137A1 (en) * | 1991-02-06 | 1992-08-12 | Novo Nordisk A/S | Novel expression systems |
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