JPH0232204B2 - Zeoraitonoseizohoho - Google Patents
ZeoraitonoseizohohoInfo
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- JPH0232204B2 JPH0232204B2 JP18140982A JP18140982A JPH0232204B2 JP H0232204 B2 JPH0232204 B2 JP H0232204B2 JP 18140982 A JP18140982 A JP 18140982A JP 18140982 A JP18140982 A JP 18140982A JP H0232204 B2 JPH0232204 B2 JP H0232204B2
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Description
本発明は、ゼオライトの新規な合成法に関し、
特に、オフレタイト型の結晶構造を基本とし、そ
の微細構造においてエリオナイト相が認められる
ゼオライトの新規な合成法を提供するものであ
る。 ゼオライトはギリシヤ語の「沸騰する石」を語
源とする様に沸石水を含む結晶アルミノシリケー
トである。 その組成は一般的に、Al2O3を基準に次式で表
わされる。 xX2/oO・Al2O3・(2〜∞)SiO2・yH2O (ここで、Xは原子価nのカチオンを、x、yは
係数を示す) 又、その基本構造は、硅素を中心として4つの
酸素がその頂点に配置したSiO4四面体と、この
硅素の代りにアルミニウムを中心としたAlO4四
面体とが0/(Al+Si)の原子比が2となるよ
うに互いに酸素を共有して規則正しく三次元的に
配列したものである。その結果、この四面体の配
列の違いにより、大きさ及び形の異なる細孔を有
する網目構造が形成される。又、AlO4四面体の
負電荷はアルカリ金属またはアルカリ土類金属な
どの陽イオンと結合することによりバランスして
いる。 このように形成される細孔は、3オングストロ
ームから10数オングストロームのいずれかの大き
さであるが、AlO4四面体と結合している金属陽
イオンを他の金属陽イオンと交換することにより
細孔の大きさを変えることもできる。 ゼオライトは、その細孔に特定の分子が捕捉さ
れる性質を利用し、気体、液体の脱水剤、又は着
目成分を吸着分離する分子篩として工業的に広く
用いられている。又、金属陽イオンを水素イオン
と交換したものは固体酸として作用するので多く
の工業用触媒として用いられている。 ゼオライトの一種であるオフレタイトは天然に
存在し、その結晶は六方結晶系(格子定数Ω=
13.29Å、c=7.58Å)に属し、シクロヘキサン
を吸着できる12員環から成る直径6.4Åの細孔を
有する。 オフレタイトは、テトラメチルアンモニウムイ
オン(以後TMAイオンと略称する)を反応系に
存在させることによつて合成できることから、合
成オフレタイトはTMA−オフレタイトと呼ばれ
ている。TMA−オフレタイトは、その結晶中に
TMA−イオンが取り込まれ、化学組成は x{(TMA)2、K2、Na2}O・Al2O3・
(5〜10)SiO2・yH2O (ただし、x、yは係数)で表わされる。 このゼオライトを500〜600℃で空気中で焼成す
るとTMAイオンは分解脱離してHイオンとな
り、オフレタイト構造中に残存する。 オフレタイトとその構造が非常によく似たゼオ
ライトにエリオナイトがある。 オフレタイトの結晶においては、εケージ(カ
ンクリナイトケージ)がc軸に沿つて二重六員環
をはさんで同一方向に積み重なつて直径6.4Åの
12員環から成る細孔を形成している。 一方エリオナイトにおいては、二重六員環をは
さんでεケージが互い違いに60°づつ回転してc
軸方向に積み重なつている為、直径6.4Åの12員
環の他に同軸方向に3.6×5.2Åの8員環が形成さ
れる。(格子定数a=13.26Å、c=15.12Å) これらの結晶構造のわずかな違いに起因する差
異は、X線粉末回折図において“odd l line”
と呼ばれている2θ=9.6°、16.6゜、21.4°、31.9゜
(CuKα二重線による測定)のピークがオフレタ
イトの場合には全く存在しないが、エリオナイト
の場合には、これらの鋭いピークが観測されるこ
とに現れており、オフレタイトとエリオナイトは
X線粉末回折により明確に区別することが出来
る。 又、オフレタイトはシクロヘキサンを吸着する
がエリオナイトはシクロヘキサンを吸着しない事
から、その吸着特性には大きな差がある。 ところで、ある種のゼオライトにおいては1つ
の結晶粒子内にこれら2つの結晶相が同時に含ま
れていることが知られている。ゼオライトTと称
されるゼオライトはその1つであり、これら2つ
の結晶相が不規則に内部成長したものであると報
告されている。(J.M.Bennett及びJ.A.Gard著
Nature、214、P1005、1967年参照) そのX線粉末回折図で観測される“odd l
line”は、2θ=9.6゜及び21.4゜の2本のみであり、
吸着特性においてはシクロヘキサンは全く吸着し
ない事が特徴である。(D.W.Breck著“Zeolite
Molecular Sieves”1974年) 又、Mobil社出願の特開昭53−58499号公報に
開示されるZSM−34と称されるゼオライトは、
そのX線粉末回折図において“odd l line”で
ある2θ=9.6゜、16.6゜、21.4゜及び31.9゜の幅広いピ
ー
クが観測される事から、このゼオライトはオフレ
タイト構造中に非常に小さなエリオナイト領域が
内部成長したものであると言われている。又、n
−ヘキサン及びシクロヘキサンの吸着能力を有
し、種々の触媒反応にも有効であるとされてい
る。 しかしながら、その合成には有機窒素含有化合
物であるコリン又はその誘導体を用いることが必
須であり、この有機窒素含有カチオンが生成する
ZSM−34の結晶構造にカチオンの一部として組
込まれてしまう。この為、ZSM−34は500〜600
℃で焼成処理し、有機窒素含有カチオンを分解除
去しなければ吸着活性や触媒活性が発現しない。 本発明者らは、これらオフレタイト型ゼオライ
トを幅広く検討した結果、TMAイオンやコリン
などの高価な有機窒素含有化合物を何んら使用す
ることなくオフレタイト型の結晶構造を基本とし
ながらも、その微細構造及びその吸着特性が従来
のオフレタイト型ゼオライトと異なる新規なゼオ
ライトを合成することに成功した。 この新規ゼオライト(以下ゼオライトOEと略
称する)は下記の組成を有する。 xM2/oO・Al2O3・(5〜10)SiO2・yH2O (ただし、Mは原子価nのカチオンを表わし、
x、yは係数) Mは、合成されたままの状態では、K+とNa+
である。K+又はNa+の一部又は全部は公知法に
よつて他のカチオンに交換することができる。x
は結晶の洗浄度によつて異なるが0.8〜2である。
yは結晶の乾燥度によつて異なるが0〜10であ
る。 又、ゼオライトOEはX線粉末回折パターンに
大きな特徴を有する。銅のKα二重線を用いて測
定した回折角2θ(度)及びそれによる格子面間隔
(dÅ)は実質的に第一表のとおりである。
特に、オフレタイト型の結晶構造を基本とし、そ
の微細構造においてエリオナイト相が認められる
ゼオライトの新規な合成法を提供するものであ
る。 ゼオライトはギリシヤ語の「沸騰する石」を語
源とする様に沸石水を含む結晶アルミノシリケー
トである。 その組成は一般的に、Al2O3を基準に次式で表
わされる。 xX2/oO・Al2O3・(2〜∞)SiO2・yH2O (ここで、Xは原子価nのカチオンを、x、yは
係数を示す) 又、その基本構造は、硅素を中心として4つの
酸素がその頂点に配置したSiO4四面体と、この
硅素の代りにアルミニウムを中心としたAlO4四
面体とが0/(Al+Si)の原子比が2となるよ
うに互いに酸素を共有して規則正しく三次元的に
配列したものである。その結果、この四面体の配
列の違いにより、大きさ及び形の異なる細孔を有
する網目構造が形成される。又、AlO4四面体の
負電荷はアルカリ金属またはアルカリ土類金属な
どの陽イオンと結合することによりバランスして
いる。 このように形成される細孔は、3オングストロ
ームから10数オングストロームのいずれかの大き
さであるが、AlO4四面体と結合している金属陽
イオンを他の金属陽イオンと交換することにより
細孔の大きさを変えることもできる。 ゼオライトは、その細孔に特定の分子が捕捉さ
れる性質を利用し、気体、液体の脱水剤、又は着
目成分を吸着分離する分子篩として工業的に広く
用いられている。又、金属陽イオンを水素イオン
と交換したものは固体酸として作用するので多く
の工業用触媒として用いられている。 ゼオライトの一種であるオフレタイトは天然に
存在し、その結晶は六方結晶系(格子定数Ω=
13.29Å、c=7.58Å)に属し、シクロヘキサン
を吸着できる12員環から成る直径6.4Åの細孔を
有する。 オフレタイトは、テトラメチルアンモニウムイ
オン(以後TMAイオンと略称する)を反応系に
存在させることによつて合成できることから、合
成オフレタイトはTMA−オフレタイトと呼ばれ
ている。TMA−オフレタイトは、その結晶中に
TMA−イオンが取り込まれ、化学組成は x{(TMA)2、K2、Na2}O・Al2O3・
(5〜10)SiO2・yH2O (ただし、x、yは係数)で表わされる。 このゼオライトを500〜600℃で空気中で焼成す
るとTMAイオンは分解脱離してHイオンとな
り、オフレタイト構造中に残存する。 オフレタイトとその構造が非常によく似たゼオ
ライトにエリオナイトがある。 オフレタイトの結晶においては、εケージ(カ
ンクリナイトケージ)がc軸に沿つて二重六員環
をはさんで同一方向に積み重なつて直径6.4Åの
12員環から成る細孔を形成している。 一方エリオナイトにおいては、二重六員環をは
さんでεケージが互い違いに60°づつ回転してc
軸方向に積み重なつている為、直径6.4Åの12員
環の他に同軸方向に3.6×5.2Åの8員環が形成さ
れる。(格子定数a=13.26Å、c=15.12Å) これらの結晶構造のわずかな違いに起因する差
異は、X線粉末回折図において“odd l line”
と呼ばれている2θ=9.6°、16.6゜、21.4°、31.9゜
(CuKα二重線による測定)のピークがオフレタ
イトの場合には全く存在しないが、エリオナイト
の場合には、これらの鋭いピークが観測されるこ
とに現れており、オフレタイトとエリオナイトは
X線粉末回折により明確に区別することが出来
る。 又、オフレタイトはシクロヘキサンを吸着する
がエリオナイトはシクロヘキサンを吸着しない事
から、その吸着特性には大きな差がある。 ところで、ある種のゼオライトにおいては1つ
の結晶粒子内にこれら2つの結晶相が同時に含ま
れていることが知られている。ゼオライトTと称
されるゼオライトはその1つであり、これら2つ
の結晶相が不規則に内部成長したものであると報
告されている。(J.M.Bennett及びJ.A.Gard著
Nature、214、P1005、1967年参照) そのX線粉末回折図で観測される“odd l
line”は、2θ=9.6゜及び21.4゜の2本のみであり、
吸着特性においてはシクロヘキサンは全く吸着し
ない事が特徴である。(D.W.Breck著“Zeolite
Molecular Sieves”1974年) 又、Mobil社出願の特開昭53−58499号公報に
開示されるZSM−34と称されるゼオライトは、
そのX線粉末回折図において“odd l line”で
ある2θ=9.6゜、16.6゜、21.4゜及び31.9゜の幅広いピ
ー
クが観測される事から、このゼオライトはオフレ
タイト構造中に非常に小さなエリオナイト領域が
内部成長したものであると言われている。又、n
−ヘキサン及びシクロヘキサンの吸着能力を有
し、種々の触媒反応にも有効であるとされてい
る。 しかしながら、その合成には有機窒素含有化合
物であるコリン又はその誘導体を用いることが必
須であり、この有機窒素含有カチオンが生成する
ZSM−34の結晶構造にカチオンの一部として組
込まれてしまう。この為、ZSM−34は500〜600
℃で焼成処理し、有機窒素含有カチオンを分解除
去しなければ吸着活性や触媒活性が発現しない。 本発明者らは、これらオフレタイト型ゼオライ
トを幅広く検討した結果、TMAイオンやコリン
などの高価な有機窒素含有化合物を何んら使用す
ることなくオフレタイト型の結晶構造を基本とし
ながらも、その微細構造及びその吸着特性が従来
のオフレタイト型ゼオライトと異なる新規なゼオ
ライトを合成することに成功した。 この新規ゼオライト(以下ゼオライトOEと略
称する)は下記の組成を有する。 xM2/oO・Al2O3・(5〜10)SiO2・yH2O (ただし、Mは原子価nのカチオンを表わし、
x、yは係数) Mは、合成されたままの状態では、K+とNa+
である。K+又はNa+の一部又は全部は公知法に
よつて他のカチオンに交換することができる。x
は結晶の洗浄度によつて異なるが0.8〜2である。
yは結晶の乾燥度によつて異なるが0〜10であ
る。 又、ゼオライトOEはX線粉末回折パターンに
大きな特徴を有する。銅のKα二重線を用いて測
定した回折角2θ(度)及びそれによる格子面間隔
(dÅ)は実質的に第一表のとおりである。
【表】
オフレタイト、TMA−オフレタイトは9.6゜、
16.4゜にピークが全くなく、エリオナイトはその
角度に強いピークがあるのに対し、ゼオライト
OEには弱く、幅広いピークが認められる。ゼオ
ライトTには14.0゜にピークがないのに対し、ゼ
オライトOEにはその角度にピークが認められる。
オフレタイト、TMA−オフレタイト、エリオナ
イト、ZSM−34、ゼオライトTの最強ピークが
7.7゜であるのに対し、ゼオライトOEは23.6゜に最
強ピークがある。 ゼオライトOEを電子線回折により構造解折し
たところ、既知のゼオライトの単なる混合物では
なく、オフレタイト構造を基本としながら微量の
エリオナイト相が規則正しく内部成長しているこ
とがわかつた。 本発明のゼオライトOEは、ゼオライトTなど
の公知のゼオライトには見られない吸着特性を有
する。エリオナイト、ゼオライトTは500〜600℃
で加熱焼成する活性化処理を行つても、シクロヘ
キサンをほとんど吸着しない。一方、ZSM−34、
TMA−オフレタイトは合成後、100〜350℃の加
熱処理ではシクロヘキサンを全く吸着せず、500
〜600℃の活性化処理をして始めてシクロヘキサ
ンを吸着できるようになる。 これに対して、ゼオライトOEは合成後、水洗
し、常温〜350℃という比較的低温で脱水処理す
るだけでシクロヘキサンを吸着できるようにな
る。 ゼオライトOEは、合成無定形硅酸いわゆるホ
ワイトカーボンをシリカ源として純度よく合成で
きる。しかし、ホワイトカーボンは高価であるば
かりか、合成条件によつては、合成中及び結晶化
終了後の水性スラリーの粘度が異常に高く、移
送、固液分離、水洗等で工業的に難点がある。 本発明者らは、安価な原料を使用してゼオライ
トOEを純度よく製造する方法について鋭意検討
したところ、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アル
ミニウム水溶液を反応させることによつて得た、
アルミニウムをAl2O3として4〜22wt%(無水換
算)含む粒状無定形アルミノ硅酸塩を、特定の組
成となるように水酸化アルカリ金属水溶液及び/
又はアルカリ金属硅酸塩水溶液に加え、撹拌下で
結晶化することによつて、ゼオライトOEを効率
よく製造できる方法を見い出し本発明を完成し
た。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明は、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アル
ミニウム水溶液とを反応させることによつて生成
した粒状の無定形アルミノ硅酸塩を、その母液か
ら一旦分離し、新たに水酸化アルカリ金属水溶液
及び/又はアルカリ金属硅酸塩水溶液(以下、ア
ルカリ水溶液と略称する)に加え、該懸濁水性ス
ラリー(以下懸濁混合物と略称する)を撹拌下、
加熱結晶化することを骨子とするものである。し
かるに、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アルミニ
ウム水溶液とを反応させて得た反応混合物を、そ
のまま単に加熱結晶化しても目的とするゼオライ
トを全く得ることが出来ないし、又、アルカリ金
属硅酸塩水溶液と含アルミニウム水溶液とを反応
させて得た反応混合物にアルカリ水溶液を加え撹
拌下、加熱結晶化した場合は、ゼオライトP等の
不純物が多量共生し、ゼオライトOEを純度よく
得ることができない。 本発明法を実施するに際し、アルカリ金属硅酸
塩水溶液としては、硅酸ナトリウム、硅酸カリウ
ム、硅酸リチウム等の水溶液や硅酸溶解アルカリ
水溶液が好適に使用できる。又、含アルミニウム
水溶液としては、アルミン酸ナトリウム、アルミ
ン酸カリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウムなどの水溶液、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウムのアルカリ溶解水
溶液又は鉱酸溶解水溶液が好適に使用できる。 これらアルカリ金属硅酸塩水溶液と含アルミニ
ウム水溶液とを反応させる好ましい実施態様は、 A 容器にアルカリ金属硅酸塩水溶液を張り込
み、撹拌しながら含アルミニウム水溶液を除々
に加える方法。 B 容器に含アルミニウム水溶液を張り込み、撹
拌しながらアルカリ金属硅酸塩水溶液を徐々に
加える方法。 C 容器に水を張り込み、撹拌しながらアルカリ
金属硅酸塩水溶液と含アルミニウム水溶液を同
時に加える方法。 D オーバーフロー管など、連続的にあるいは間
欠的にスラリーを抜き出す装置を備えた撹拌機
付反応容器に、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含
アルミニウム水溶液とを連続的にかつ両水溶液
の比率を一定に維持しながら加える方法。 などの方法がある。勿論、A〜Dの反応方法を適
宜、組み合せて行うことも何んら妨げるものでは
ない。 本発明は、これら反応の実施態様に限定される
ものではなく、本発明の主旨を変えない限り、全
ての反応方法が適用できる。最も好ましい反応の
実施態様は、C又はDの方法である。C又はDの
方法によつて不純物を全く含まないゼオライト
OEを、より効率よく製造することができる。 これは、両水溶液を連続的に反応系に供給し、
かつ一定比率を維持しながら反応させることによ
つて得た粒状無定形アルミノ硅酸塩は、常に同一
の組成下で反応析出する為に微視的部分まで均一
となつており、結晶化時に必要な原子の規則的な
配列を容易にしているものと思われる。 又、Dの反応方法において、反応スラリーが反
応槽に滞在する見掛け滞在時間(反応槽の実容積
〔〕/反応槽から排出される単位時間当りの反
応スラリー量〔/分〕)を3分以上に設定する
ことによつて、10〜100μのほぼ球状の無定形ア
ルミノ硅酸塩を得ることができ、このため固液分
離、結晶化、水洗等の後工程が極めて容易とな
る。 本発明において、両水溶液の反応時のPH値の調
整は、より不純物の少ないゼオライトOEを得る
上で、又、固液分離等の後工程を容易にする上
で、重要な因子となる。A、B、Cの方法にあつ
ては、両水溶液混合後の反応スラリーのPHを5〜
9にすることが望ましく、Dの方法にあつては、
排出される反応スラリーのPHを5〜9とすること
が望ましい。何れの方法においても更に望ましく
は6〜8である。 PH調整用の鉱酸又はアルカリを、いずれかの水
溶液に、又は両水の水溶液に添加することによ
り、あるいは両水溶液とは別に反応帯に加えるこ
とによつてPHを調整できる。 これらの方法によつて得られる粒状無定形アル
ミノ硅酸塩の組成は、両水溶液のSiO2濃度、
Al2O3濃度あるいは両水溶液の混合比(Dの方法
にあつては流量比)により相違してくるが、アル
カリ金属硅酸塩水溶液のSiO2濃度を高くするか、
あるいはその混合比(流量比)を高くすることに
よつてAl2O3含有率の低い粒状無定形アルミノ硅
酸塩が得られる。本発明法を実施する上で粒状無
定形アルミノ硅酸塩中のアルミニウムの含有率
は、Al2O3として4〜22wt%(無水ベース)であ
ることが必要で、この範囲をはずれると、いかに
条件を設定しても目的するゼオライトOEを純度
よく得ることができない。一部合成しえたとして
もゼオライトP等の不純物を共生したり、場合に
よつては結晶化すら不可能となる。両水溶液を反
応させて得た反応スラリーを固液分離し、望まし
くは、次いで水洗し粒状無定形アルミノ硅酸塩を
得る。 固液分離することなく結晶化に供した場合、ゼ
オライトPなどの不純物が多量共生し、目的とす
るゼオライトOEを純度よく得ることができない。 次に、粒状無定形アルミノ硅酸塩をアルカリ水
溶液中で結晶化するに際し、懸濁混合物の組成は
次の組成となるように調整しなければならない。 SiO2Al2O3=6〜40 OH/SiO2=0.3〜1 H2O/SiO2=10〜70 K2O/M2O=0.1〜0.9 (ただし、Mはアルカリ金属を示す) アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、硅酸ナトリウ
ム、硅酸カリウム、硅酸リチウムなどの水溶液が
好適である。又、2種以上の混合水溶液であつて
もよい。最も好適には、水酸化ナトリウム、硅酸
ナトリウムの水溶液あるいはこれらの混合水溶液
である。又、結晶化完了後に固液分離して回収し
て得た母液を用いることも可能であつて、むしろ
経済上好ましい。 懸濁混合物の組成は、望ましくは下記の組成で
ある。 SiO2/Al2O3=10〜30 OH/SiO2=0.4〜0.85 H2O/SiO2=12〜60 K2O/M2O=0.2〜0.8 そして、上記望ましい懸濁混合物組成の範囲
内、即ち、その領域において、そのSiO2/Al2O3
モル比が高い場合(及び高い傾向にある場合)は
OH/SiO2のモル比を可能な限り高い領域で、
又、逆にSiO2/Al2O3モル比が低い場合(及び低
い傾向にある場合)はOH/SiO2のモル比をでき
る限り低い領域に維持することがより望ましい組
成である。 なお、OHの計算に当つて、粒状無定形アルミ
ノ硅酸塩が持ち込むアルカリは M2O+H2O=2MOHとして、 アルカリ水溶液としてのアルカリ金属硅酸塩は M2SiO3+H2O=2MOH+SiO2として 考慮する。 上記組成に調整された懸濁混合物を、撹拌下、
120〜200℃で加熱し結晶化する。結晶化に際し、
撹拌を実施することによつて結晶化時間が短縮さ
れるばかりか、不純物を共生することなく結晶度
の高いゼオライトを得ることができる。望ましい
結晶化温度は、130〜180℃であり、この時の結晶
化時間は5〜40時間である。結晶化温度が120℃
に満たない場合は、結晶化に長時間を要し、又、
200℃以上ではゼオライトP系の不純物が共生す
る。 結晶化完了後、常法により固液分離、水洗し、
100〜200℃で乾燥すればゼオライトOEを得る。 ゼオライトOEは、100〜200℃の乾燥で充分活
性を呈し、ベンゼン、n−ヘキサン、i−ペンタ
ン、シクロヘキサン等を吸着するので、それらの
吸着剤等に利用することができる。又、脱水能力
も極めて高いのでガスや液体の乾燥剤としても有
効に使用できる。なお、500〜600℃での加熱処理
を施してから使用しても何んら支障を来たさな
い。 更には、常法によりH+を始めとした他のカチ
オンに交換することによつて強い固体酸性を示す
ことから、種々の反応の触媒として利用すること
ができる。 本発明のゼオライトOEは、粉のままのみなら
ず球状あるいは柱状に成形し、各種用途に供する
ことができる。 以上詳細に述べた如く、本発明法によつて、安
価でかつ入手しやすい原料から、工業的に極めて
有用なゼオライトOEを純度よく、かつ効率よく
製造することができる。 以下実施例で更に詳細に説明る。 <シクロヘキサン吸着量の測定> マツクベイン・ベーカー型吸着装置で測定す
る。試料約1gを真空下、350℃で2時間活性化
した後、試料温度を25℃に保持し、48mmHgの圧
力のシクロヘキサン蒸気を導入して3時間後の吸
着量を求める。 <X線粉末回折> 試料を乾燥後、相対温度80%で水和し、銅の
Kα二重線を線源とし、Niフイルター、管電圧
35KV、管電流25mAで測定する。 実施例 1 撹拌機付きのオーバーフロー型反応槽(実容積
2)に、硫酸添加した硫酸アルミニウム水溶液
(Al2O3:44.4g/、H2SO4:262.3g/)と
硅酸ソーダ水溶液(Na2O:65.6g/、SiO2:
200g/、Al2O3:2.2g/)とをそれぞれ1
/Hr、3/Hrの速度で連続供給した。反応
スラリーの見掛け滞在時間は30分、温度は30〜32
℃、PHは6.3であつた。排出した反応スラリーを
遠心過機で固液分離し、充分水洗後、Al2O3:
6.76wt%、Na2O:4.9wt%、SiO2:83.3wt%
(以上無水ベース)、H2O:61.6wt%(ウエツトベ
ース)の粒状無定形アルミノ硅酸塩の湿ケーキを
得た。 次いで、上記湿ケーキ2.39Kgを固型NaOH
(NaOH:98wt%)176g、固型KOH(KOH:
85wt%)175gを溶解した純水3.27Kgに加え、下
記の組成の懸濁混合物を調整した。 SiO2/Al2O3=20.9 OH/SiO2=0.66 H2O/SiO2=21 K/K+Na=0.32 このスラリー混合物を10のオートクレーブに
仕込み120rpmで撹拌しながら、150℃で20時間加
熱して結晶化を行つた。終了後、生成物を懸吊し
たスラリーをとり出し、固液分離後充分水洗し、
120℃で乾燥した。生成物は、次の酸化物表示の
組成で示されるゼオライトOEであつた。そのX
線粉末回折図を第1図に示す。図中、縦軸は回折
強度を、横軸の目盛は2θ(゜)を示す。因みに不
純物はほとんど認められなかつた。又、シクロヘ
キサンの吸着量は1.2wt%(25℃、48mmHg)であ
つた。 実施例 2 10の容器に、硫酸添加した硫酸アルミニウム
水溶液(Al2O3:48.5g/、H2SO4:207g/
)を1.6仕込み、次いで、硅酸ソーダ水溶液
(Na2O:65.6g/、SiO2:200g/、
Al2O3:2.2g/)4をよく撹拌しながら20分
で添加した。添加終了後のPHは6.2であつた。添
加終了後更に1時間撹拌のみを続けた後、固液分
離し、充分水洗した。 得られた湿ケーキ470g(無水ベースで
Al2O3:8.6wt%)を、固型NaOH(NaOH:98wt
%)17.8g、固型KOH(KOH:85wt%)36.9g
を溶解した純水480gに加え、下記の組成の懸濁
混合物を調整した。 SiO2/Al2O3=16 OH/SiO2=0.6 H2O/SiO2=20 K/K+Na=0.42 この懸濁混合物を2のオートクレーブに仕込
み、250rpmで撹拌しながら、150℃で20時間加熱
して結晶化を行つた。終了後、生成物を懸吊した
スラリーをとり出し、固液分離後充分水洗し、
120℃で乾燥した。生成物は、ゼオライトOEであ
り、不純物としてゼオライトPがわずかに認めら
れる程度であつた。 比較例 1 結晶化に際し、2のオートクレーブを用い撹
拌を全く行わない点を除き、実施例1と全く同様
に行つたところ、生成物は氷長石を主体とするも
ので、ゼオライトOEは得られなかつた。
16.4゜にピークが全くなく、エリオナイトはその
角度に強いピークがあるのに対し、ゼオライト
OEには弱く、幅広いピークが認められる。ゼオ
ライトTには14.0゜にピークがないのに対し、ゼ
オライトOEにはその角度にピークが認められる。
オフレタイト、TMA−オフレタイト、エリオナ
イト、ZSM−34、ゼオライトTの最強ピークが
7.7゜であるのに対し、ゼオライトOEは23.6゜に最
強ピークがある。 ゼオライトOEを電子線回折により構造解折し
たところ、既知のゼオライトの単なる混合物では
なく、オフレタイト構造を基本としながら微量の
エリオナイト相が規則正しく内部成長しているこ
とがわかつた。 本発明のゼオライトOEは、ゼオライトTなど
の公知のゼオライトには見られない吸着特性を有
する。エリオナイト、ゼオライトTは500〜600℃
で加熱焼成する活性化処理を行つても、シクロヘ
キサンをほとんど吸着しない。一方、ZSM−34、
TMA−オフレタイトは合成後、100〜350℃の加
熱処理ではシクロヘキサンを全く吸着せず、500
〜600℃の活性化処理をして始めてシクロヘキサ
ンを吸着できるようになる。 これに対して、ゼオライトOEは合成後、水洗
し、常温〜350℃という比較的低温で脱水処理す
るだけでシクロヘキサンを吸着できるようにな
る。 ゼオライトOEは、合成無定形硅酸いわゆるホ
ワイトカーボンをシリカ源として純度よく合成で
きる。しかし、ホワイトカーボンは高価であるば
かりか、合成条件によつては、合成中及び結晶化
終了後の水性スラリーの粘度が異常に高く、移
送、固液分離、水洗等で工業的に難点がある。 本発明者らは、安価な原料を使用してゼオライ
トOEを純度よく製造する方法について鋭意検討
したところ、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アル
ミニウム水溶液を反応させることによつて得た、
アルミニウムをAl2O3として4〜22wt%(無水換
算)含む粒状無定形アルミノ硅酸塩を、特定の組
成となるように水酸化アルカリ金属水溶液及び/
又はアルカリ金属硅酸塩水溶液に加え、撹拌下で
結晶化することによつて、ゼオライトOEを効率
よく製造できる方法を見い出し本発明を完成し
た。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明は、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アル
ミニウム水溶液とを反応させることによつて生成
した粒状の無定形アルミノ硅酸塩を、その母液か
ら一旦分離し、新たに水酸化アルカリ金属水溶液
及び/又はアルカリ金属硅酸塩水溶液(以下、ア
ルカリ水溶液と略称する)に加え、該懸濁水性ス
ラリー(以下懸濁混合物と略称する)を撹拌下、
加熱結晶化することを骨子とするものである。し
かるに、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アルミニ
ウム水溶液とを反応させて得た反応混合物を、そ
のまま単に加熱結晶化しても目的とするゼオライ
トを全く得ることが出来ないし、又、アルカリ金
属硅酸塩水溶液と含アルミニウム水溶液とを反応
させて得た反応混合物にアルカリ水溶液を加え撹
拌下、加熱結晶化した場合は、ゼオライトP等の
不純物が多量共生し、ゼオライトOEを純度よく
得ることができない。 本発明法を実施するに際し、アルカリ金属硅酸
塩水溶液としては、硅酸ナトリウム、硅酸カリウ
ム、硅酸リチウム等の水溶液や硅酸溶解アルカリ
水溶液が好適に使用できる。又、含アルミニウム
水溶液としては、アルミン酸ナトリウム、アルミ
ン酸カリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニ
ウム、硝酸アルミニウムなどの水溶液、水酸化ア
ルミニウム、酸化アルミニウムのアルカリ溶解水
溶液又は鉱酸溶解水溶液が好適に使用できる。 これらアルカリ金属硅酸塩水溶液と含アルミニ
ウム水溶液とを反応させる好ましい実施態様は、 A 容器にアルカリ金属硅酸塩水溶液を張り込
み、撹拌しながら含アルミニウム水溶液を除々
に加える方法。 B 容器に含アルミニウム水溶液を張り込み、撹
拌しながらアルカリ金属硅酸塩水溶液を徐々に
加える方法。 C 容器に水を張り込み、撹拌しながらアルカリ
金属硅酸塩水溶液と含アルミニウム水溶液を同
時に加える方法。 D オーバーフロー管など、連続的にあるいは間
欠的にスラリーを抜き出す装置を備えた撹拌機
付反応容器に、アルカリ金属硅酸塩水溶液と含
アルミニウム水溶液とを連続的にかつ両水溶液
の比率を一定に維持しながら加える方法。 などの方法がある。勿論、A〜Dの反応方法を適
宜、組み合せて行うことも何んら妨げるものでは
ない。 本発明は、これら反応の実施態様に限定される
ものではなく、本発明の主旨を変えない限り、全
ての反応方法が適用できる。最も好ましい反応の
実施態様は、C又はDの方法である。C又はDの
方法によつて不純物を全く含まないゼオライト
OEを、より効率よく製造することができる。 これは、両水溶液を連続的に反応系に供給し、
かつ一定比率を維持しながら反応させることによ
つて得た粒状無定形アルミノ硅酸塩は、常に同一
の組成下で反応析出する為に微視的部分まで均一
となつており、結晶化時に必要な原子の規則的な
配列を容易にしているものと思われる。 又、Dの反応方法において、反応スラリーが反
応槽に滞在する見掛け滞在時間(反応槽の実容積
〔〕/反応槽から排出される単位時間当りの反
応スラリー量〔/分〕)を3分以上に設定する
ことによつて、10〜100μのほぼ球状の無定形ア
ルミノ硅酸塩を得ることができ、このため固液分
離、結晶化、水洗等の後工程が極めて容易とな
る。 本発明において、両水溶液の反応時のPH値の調
整は、より不純物の少ないゼオライトOEを得る
上で、又、固液分離等の後工程を容易にする上
で、重要な因子となる。A、B、Cの方法にあつ
ては、両水溶液混合後の反応スラリーのPHを5〜
9にすることが望ましく、Dの方法にあつては、
排出される反応スラリーのPHを5〜9とすること
が望ましい。何れの方法においても更に望ましく
は6〜8である。 PH調整用の鉱酸又はアルカリを、いずれかの水
溶液に、又は両水の水溶液に添加することによ
り、あるいは両水溶液とは別に反応帯に加えるこ
とによつてPHを調整できる。 これらの方法によつて得られる粒状無定形アル
ミノ硅酸塩の組成は、両水溶液のSiO2濃度、
Al2O3濃度あるいは両水溶液の混合比(Dの方法
にあつては流量比)により相違してくるが、アル
カリ金属硅酸塩水溶液のSiO2濃度を高くするか、
あるいはその混合比(流量比)を高くすることに
よつてAl2O3含有率の低い粒状無定形アルミノ硅
酸塩が得られる。本発明法を実施する上で粒状無
定形アルミノ硅酸塩中のアルミニウムの含有率
は、Al2O3として4〜22wt%(無水ベース)であ
ることが必要で、この範囲をはずれると、いかに
条件を設定しても目的するゼオライトOEを純度
よく得ることができない。一部合成しえたとして
もゼオライトP等の不純物を共生したり、場合に
よつては結晶化すら不可能となる。両水溶液を反
応させて得た反応スラリーを固液分離し、望まし
くは、次いで水洗し粒状無定形アルミノ硅酸塩を
得る。 固液分離することなく結晶化に供した場合、ゼ
オライトPなどの不純物が多量共生し、目的とす
るゼオライトOEを純度よく得ることができない。 次に、粒状無定形アルミノ硅酸塩をアルカリ水
溶液中で結晶化するに際し、懸濁混合物の組成は
次の組成となるように調整しなければならない。 SiO2Al2O3=6〜40 OH/SiO2=0.3〜1 H2O/SiO2=10〜70 K2O/M2O=0.1〜0.9 (ただし、Mはアルカリ金属を示す) アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、硅酸ナトリウ
ム、硅酸カリウム、硅酸リチウムなどの水溶液が
好適である。又、2種以上の混合水溶液であつて
もよい。最も好適には、水酸化ナトリウム、硅酸
ナトリウムの水溶液あるいはこれらの混合水溶液
である。又、結晶化完了後に固液分離して回収し
て得た母液を用いることも可能であつて、むしろ
経済上好ましい。 懸濁混合物の組成は、望ましくは下記の組成で
ある。 SiO2/Al2O3=10〜30 OH/SiO2=0.4〜0.85 H2O/SiO2=12〜60 K2O/M2O=0.2〜0.8 そして、上記望ましい懸濁混合物組成の範囲
内、即ち、その領域において、そのSiO2/Al2O3
モル比が高い場合(及び高い傾向にある場合)は
OH/SiO2のモル比を可能な限り高い領域で、
又、逆にSiO2/Al2O3モル比が低い場合(及び低
い傾向にある場合)はOH/SiO2のモル比をでき
る限り低い領域に維持することがより望ましい組
成である。 なお、OHの計算に当つて、粒状無定形アルミ
ノ硅酸塩が持ち込むアルカリは M2O+H2O=2MOHとして、 アルカリ水溶液としてのアルカリ金属硅酸塩は M2SiO3+H2O=2MOH+SiO2として 考慮する。 上記組成に調整された懸濁混合物を、撹拌下、
120〜200℃で加熱し結晶化する。結晶化に際し、
撹拌を実施することによつて結晶化時間が短縮さ
れるばかりか、不純物を共生することなく結晶度
の高いゼオライトを得ることができる。望ましい
結晶化温度は、130〜180℃であり、この時の結晶
化時間は5〜40時間である。結晶化温度が120℃
に満たない場合は、結晶化に長時間を要し、又、
200℃以上ではゼオライトP系の不純物が共生す
る。 結晶化完了後、常法により固液分離、水洗し、
100〜200℃で乾燥すればゼオライトOEを得る。 ゼオライトOEは、100〜200℃の乾燥で充分活
性を呈し、ベンゼン、n−ヘキサン、i−ペンタ
ン、シクロヘキサン等を吸着するので、それらの
吸着剤等に利用することができる。又、脱水能力
も極めて高いのでガスや液体の乾燥剤としても有
効に使用できる。なお、500〜600℃での加熱処理
を施してから使用しても何んら支障を来たさな
い。 更には、常法によりH+を始めとした他のカチ
オンに交換することによつて強い固体酸性を示す
ことから、種々の反応の触媒として利用すること
ができる。 本発明のゼオライトOEは、粉のままのみなら
ず球状あるいは柱状に成形し、各種用途に供する
ことができる。 以上詳細に述べた如く、本発明法によつて、安
価でかつ入手しやすい原料から、工業的に極めて
有用なゼオライトOEを純度よく、かつ効率よく
製造することができる。 以下実施例で更に詳細に説明る。 <シクロヘキサン吸着量の測定> マツクベイン・ベーカー型吸着装置で測定す
る。試料約1gを真空下、350℃で2時間活性化
した後、試料温度を25℃に保持し、48mmHgの圧
力のシクロヘキサン蒸気を導入して3時間後の吸
着量を求める。 <X線粉末回折> 試料を乾燥後、相対温度80%で水和し、銅の
Kα二重線を線源とし、Niフイルター、管電圧
35KV、管電流25mAで測定する。 実施例 1 撹拌機付きのオーバーフロー型反応槽(実容積
2)に、硫酸添加した硫酸アルミニウム水溶液
(Al2O3:44.4g/、H2SO4:262.3g/)と
硅酸ソーダ水溶液(Na2O:65.6g/、SiO2:
200g/、Al2O3:2.2g/)とをそれぞれ1
/Hr、3/Hrの速度で連続供給した。反応
スラリーの見掛け滞在時間は30分、温度は30〜32
℃、PHは6.3であつた。排出した反応スラリーを
遠心過機で固液分離し、充分水洗後、Al2O3:
6.76wt%、Na2O:4.9wt%、SiO2:83.3wt%
(以上無水ベース)、H2O:61.6wt%(ウエツトベ
ース)の粒状無定形アルミノ硅酸塩の湿ケーキを
得た。 次いで、上記湿ケーキ2.39Kgを固型NaOH
(NaOH:98wt%)176g、固型KOH(KOH:
85wt%)175gを溶解した純水3.27Kgに加え、下
記の組成の懸濁混合物を調整した。 SiO2/Al2O3=20.9 OH/SiO2=0.66 H2O/SiO2=21 K/K+Na=0.32 このスラリー混合物を10のオートクレーブに
仕込み120rpmで撹拌しながら、150℃で20時間加
熱して結晶化を行つた。終了後、生成物を懸吊し
たスラリーをとり出し、固液分離後充分水洗し、
120℃で乾燥した。生成物は、次の酸化物表示の
組成で示されるゼオライトOEであつた。そのX
線粉末回折図を第1図に示す。図中、縦軸は回折
強度を、横軸の目盛は2θ(゜)を示す。因みに不
純物はほとんど認められなかつた。又、シクロヘ
キサンの吸着量は1.2wt%(25℃、48mmHg)であ
つた。 実施例 2 10の容器に、硫酸添加した硫酸アルミニウム
水溶液(Al2O3:48.5g/、H2SO4:207g/
)を1.6仕込み、次いで、硅酸ソーダ水溶液
(Na2O:65.6g/、SiO2:200g/、
Al2O3:2.2g/)4をよく撹拌しながら20分
で添加した。添加終了後のPHは6.2であつた。添
加終了後更に1時間撹拌のみを続けた後、固液分
離し、充分水洗した。 得られた湿ケーキ470g(無水ベースで
Al2O3:8.6wt%)を、固型NaOH(NaOH:98wt
%)17.8g、固型KOH(KOH:85wt%)36.9g
を溶解した純水480gに加え、下記の組成の懸濁
混合物を調整した。 SiO2/Al2O3=16 OH/SiO2=0.6 H2O/SiO2=20 K/K+Na=0.42 この懸濁混合物を2のオートクレーブに仕込
み、250rpmで撹拌しながら、150℃で20時間加熱
して結晶化を行つた。終了後、生成物を懸吊した
スラリーをとり出し、固液分離後充分水洗し、
120℃で乾燥した。生成物は、ゼオライトOEであ
り、不純物としてゼオライトPがわずかに認めら
れる程度であつた。 比較例 1 結晶化に際し、2のオートクレーブを用い撹
拌を全く行わない点を除き、実施例1と全く同様
に行つたところ、生成物は氷長石を主体とするも
ので、ゼオライトOEは得られなかつた。
第1図は実施例1によつて得られた生成物のX
線粉末回折図である。
線粉末回折図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルカリ金属硅酸塩水溶液と含アルミニウム
水溶液とを反応させることによつて得た、アルミ
ニウムをAl2O3として4〜22wt%(無水ベース)
含む粒状無定形アルミノ硅酸塩を、モル比で表わ
して下記の組成: SiO2/Al2O3=6〜40 OH/SiO2=0.3〜1 H2O/SiO2=10〜70 K2/M2O=0.1〜0.9 (ただし、Mはアルカリ金属を示す) となるように水酸化アルカリ金属水溶液及び/又
はアルカリ金属硅酸塩水溶液に加え、該混合物を
撹拌下で結晶化することを特徴とする実質的に第
一表に示すX線粉末回折図による格子面間隔を有
するゼオライトの製造方法。 2 粒状無定形アルミノ硅酸塩を、アルカリ金属
硅酸塩水溶液と含アルミニウム水溶液とを同時に
且つ連続的に反応させて得る特許請求の範囲第1
項記載の方法。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18140982A JPH0232204B2 (ja) | 1982-10-18 | 1982-10-18 | Zeoraitonoseizohoho |
| DK464283A DK163296C (da) | 1982-10-08 | 1983-10-07 | Fremgangsmaade til fremstilling af zeoliter |
| CA000438602A CA1215348A (en) | 1982-10-08 | 1983-10-07 | Zeolite and process for preparation thereof |
| EP83306091A EP0106643B1 (en) | 1982-10-08 | 1983-10-07 | Novel zeolite and process for preparation thereof |
| DE8383306091T DE3370789D1 (en) | 1982-10-08 | 1983-10-07 | Novel zeolite and process for preparation thereof |
| US06/795,863 US4687653A (en) | 1982-10-08 | 1985-11-07 | Process for preparation of zeolite OE having an offretite type structure |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18140982A JPH0232204B2 (ja) | 1982-10-18 | 1982-10-18 | Zeoraitonoseizohoho |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5973422A JPS5973422A (ja) | 1984-04-25 |
| JPH0232204B2 true JPH0232204B2 (ja) | 1990-07-19 |
Family
ID=16100253
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18140982A Expired - Lifetime JPH0232204B2 (ja) | 1982-10-08 | 1982-10-18 | Zeoraitonoseizohoho |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0232204B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100656822B1 (ko) | 2004-12-30 | 2006-12-12 | 학교법인 서강대학교 | 평평하고 결정길이가 긴 제올라이트 결정의 제조방법 |
-
1982
- 1982-10-18 JP JP18140982A patent/JPH0232204B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5973422A (ja) | 1984-04-25 |
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