JPH03199318A - アルミインゴットの急速溶解装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金（以下ア
ルミニウム系金属と称する〉インゴットの急速溶解装置
に関し、より具体的には、アルミニウム系金属の溶湯を
ダイカストなどにより機械、電気機器などの部材を鋳造
成形するに際し、ダイカスト機のダイスの注湯スロット
やその他の鋳造設備の注湯口の直前で、アルミニウム系
金属インゴット（以下アルミインゴットと略称する）の
１〜２個を誘導加熱により直接溶解する、いわゆる冷材
挿入溶解法により溶解し、昇温域に流下させて溶湯とし
、その場で所定温度に昇温してダイカスト機のダイス内
などに注湯するアルミインゴットの急速溶解装置に関す
る。

［従来の技術］ 一般機械、特殊機械、車両、電気機器などの構造部材と
しては、アルミニウムが比重が小さく融点が低いという
特性を有し、しがも合金とすればかなりの強度を持たせ
ることができることがら展伸材や鋳造品として多用され
ている。

鋳造品としては通常の金型、砂型鋳物以外にダイカスト
、シェル型鋳物、遠心鋳物なども使用されるが、その中
でダイカスト法は、ダイカスト機（ダイカストマシンと
も呼ぶ〉を使用して溶融金属をダイスと呼ばれる金型内
に高圧力でしがも高速度で反復注入し精密鋳造品とする
ことが可能なことから、寸法精度及び生産性の向上の要
求に合致するため近年ますます需要が増大している。

しかしながら、一般にダイカスト機に溶湯を供給するに
は、第２図に示すように、ガスや重油を熱源とする溶解
Ｆ３１により大量集中溶解を行い、５７０〜６００℃に
された溶湯を同じくガスや重油を熱源とする保持炉３２
に移して長時間保持し、さらに台車３３などの運搬手段
により手許炉３４に移し、注湯に適した温度、例えばほ
ぼ７２０℃まで昇温し、人力あるいはロボットなどによ
りダイカスト機３５のダイススロワ１〜中に供給する方
法を踏襲している。

［発明が解決しようとする課題１ しかしながら、第２図に示すような方式は大規模で複数
の炉を経由する作業工程を採用しているため、広い工場
スペースを必要とし、また複数の炉を使用して長時間に
亙り溶融状態に保持し更にそれら複数の炉間を運搬する
ため、材料の燃焼、酸化、飛散などのロスによる材料歩
留まりが低い欠点に加え、排熱、放熱などによるエネル
ギーロスが多く物的な面で不経済であった６ 特に、鋳造工場内の多数の鋳造機で使用される溶湯を供
給する溶解炉や保持炉は長時間に亙り高温の操業状態に
維持しておく必要があった。

又、溶湯の運送、貯留、汲み出しなどの工程が多く作業
能率が低いのに加えメンテナンスの工数が多く安全性の
面にも不安があり、更に大容量の炉を所定温度まで昇温
させるまでの立ち上がり時間が長いため溶解作業員を早
出させたり時間外出動させたりする必要があることなど
労働条件に関する問題もあり、解決が要望されていた。

本発明の発明者は、大容量の溶解炉、保持炉、手許炉な
どを併用する上述のような溶湯供給方法や装置での多く
の課題を解決するため、アルミインゴットを個々のダイ
カスト機のダイスの注湯スロットやその他の鋳造機の注
湯口の直前で直接溶解し、所定の注湯温度まで昇温しで
ダイスに注湯するという冷材挿入溶解方式を採用する構
想を固め開発に当たったが、それには下記の諸課題を解
決する必要があった。

（１）アルミインゴットの冷材挿入溶解のための加熱手
段と溶解室の構造、 （２）アルミ溶湯を収容し所定の注湯温度まで昇温する
ための加熱手段と昇温室の構造、 〈３〉昇温室からダイスの注湯スロットなどへの注湯方
法、 上記（１）、（２）及び（３〉項は、溶解室、昇温室、
加熱手段、注湯方法など急速溶解装置自体の構造に関す
る問題であり、それらについては適当な形状の溶解炉、
昇温室を組み合わせて連設しそれらに適した加熱手段を
付設した一連の溶解炉、昇温炉を開発した。

［課題を解決するための手段］ 本発明では、溶解炉、昇温炉、手許炉という複数炉を使
用して行っていた溶解、昇温、注湯等の従来法の冶金工
程のままの順序で行う点は同一であるが、本発明で相違
するのは下記の点である。

（イ）従来法が大容量の溶解炉を使用し多数のアルミイ
ンゴット及び又はスクラップを溶解していたのに代えて
、本発明では原則としてアルミインゴツト２個を一対と
して冷材挿入急速溶解装置の溶解炉まで搬送し、誘導加
熱により溶解する冷材挿入溶解法によりアルミインゴッ
トの表面から溶解し、溶解炉の底部の開孔から直下に設
けた昇温炉内に流下させるようにしている。そして溶解
炉内のアルミインゴットは溶解用誘導コイルによって溶
解する際アルミインゴットの材質及び寸法で導体として
のアルミインゴットと溶解用誘導コイルを貫く磁束との
最適溶解鎖交ポイントが変わるので、溶解炉の溶解用誘
導コイルは材質及び又は寸法が異なるアルミインゴット
のいずれにも対応して最適溶解鎖交ポイントの調整が得
られるようにしている。

（口〉又昇温炉の底部には開孔を設け、この開孔と同軸
に下方に連続して昇温炉の延長部を形成する出湯管を一
体に設け、出湯管の底部近くには出湯用の開口を設ける
。これにより、昇温炉と出湯管とを開孔を通じて上下に
連通して溶湯を収容し、上端が開放され底部近くにも出
湯用の開口を有する溶湯容器となる。又昇温炉の外周に
は溶湯を所定の出湯温度まで昇温する昇温用誘導コイル
を設け、一方出湯管の外周には溶湯を外部に注湯する電
磁ポンプなどの出湯装置を配置する。このような構成の
昇温炉及び出湯装置を使用し、昇温炉内に流下した溶湯
を所定の温度まで昇温しながら注湯装置により出湯管か
ら出湯するようにしている。

このように、本発明では溶解と昇温にはそれぞれ別個の
炉を使用し、加熱及び昇温のための誘導コイルもそれぞ
れの炉ごとに配置し、出湯のためには出湯管に電磁ポン
プなどの出湯装置を配置するというオーツドックスな方
式を採用した。

［実施例１ 本発明のアルミインゴットの急速溶解装置の実施例を説
明するに当たり、理解を容易にするため、まず第１図（
Ａ）〜（Ｃ）を参照して本発明の装置の好適実施例につ
いて述べる。

第１図（Ａ）は本発明のアルミインゴットの冷材挿入急
速溶解装置の要部の構造を示す側断面図、同図（Ｂ）は
同図（Ａ）のうちの溶解炉の構造を示す側断面図、図面
（Ｃ）は同図（Ａ）のアルミインゴットの急速溶解装置
及びその関連装置の配置関係を示す側面図である。

図中の符号１はアルミインゴットの冷材、１０は本発明
のアルミインゴットの冷材挿入急速溶解装置全体を示し
、１１は冷材挿入用の案内部となる冷材挿入ガイドで、
冷材供給装置ｆ１９により送られるアルミインゴットの
冷材１を案内して溶解炉１２内に案内するとともに、溶
解炉１２内で溶解されたアルミニウム系金属の溶滴が炉
の外に飛散するのを防止する。

アルミインゴットは無規格で形状及び寸法は規定されて
いないが、−通常は底面がほぼ平坦で上面にはＶまたは
Ｕ字形の溝で仕切られた２〜３個の台形凸部が形成され
ている。本発明では２個のアルミインゴットの平坦な底
面を背中合わせにして１対とし搬送及び溶解の際の１単
位としている。

溶解炉１２は耐火材料製で直立した庭付中空円筒形の炉
であり、円筒内部の空間にアルミインゴットの冷材１を
収容し、溶解炉１２の外周に設けた溶解用誘導コイル１
３によりアルミインゴットｌの表面から加熱して溶滴を
形成するように溶解する。

溶解炉１２の底部には軸方向下方に貫通する流出孔１２
′が明けられ、アルミ溶滴はこの流出孔１２′から下方
に流下する。

そして本発明においては溶解用誘導コイル１３に溶解用
誘導コイル昇降装置２０が付設されており、その昇降装
置２０は、例えば溶解用誘導コイル１３に固定された支
持金具２１に調整ねじ棒２２が取り付けられ、その下端
部が受台２３の中心孔に挿入され、その受台２３の上面
にハンドル付調整ナツト２４が調整ねじ棒２２に螺合し
た状態で載置されており、ハンドル付調整ナツト２４を
回すことによって溶解用誘導コイル１３を溶解炉１２の
軸心方向に昇降させて高さを調整することができるよう
になっている。

又溶解用誘導コイル昇降装置は、図示しないが溶解用誘
導コイル１３をワイヤで懸吊してそのワイヤの懸吊長さ
を調整するようにすることもできる。

１４は溶解炉１２の下方に同軸に配置された昇温炉で、
、溶解炉１２とほぼ同じ形状の耐火材料製の直立した庭
付中空円筒形の炉であり、溶解炉１２と同様底部には下
方に貫通する流出孔１４′が明けられ、昇温炉１４の外
周に設けられた昇温用誘導コイル１５により、ダイカス
ト機などの鋳造装置のダイス内に出湯する温度、例えば
７２０℃に加熱される。

昇温炉１４の底部には、流出孔１４′を外側から囲んで
下方に延び昇温炉と連通してその延長部となる中空管状
の出湯管１６が設けられている。

この出湯管１６は細長い中空管で下端が閉じた底付きの
中空管であるが、その側壁の底から近い位置にはダイカ
スト機１８などのダイス内に出湯するための出湯口１６
′が明けられ、出湯管１６の側壁で出湯口１６′より上
の部分には出湯の際溶湯に推力を与えるための電磁ポン
プ１７が取り付けられている。

この電磁ポンプ１７は出湯の際溶湯に推・力を与えるだ
けでなく、溶解炉１２内で発生したアルミ溶滴が流出孔
１２′から下方に流下し昇温炉１４内に流入して溶湯と
なり更に流出孔１４′を通過してその下方の出湯管１６
内に流入した場合に出湯とは逆方向の推力を与えて溶湯
が出湯口１６’から流出しないように保持する役目をも
果たす。

次に、本発明の冷材挿入による急速溶解装置の操作につ
いて述べる。

第１図（Ｃ）に示すように、２個のアルミインボッ）−
１を背中合わせにしたアルミインゴットの対の複数対を
、冷材供給装置１９により本発明の急速溶解装置１０の
冷材挿入ガイド１１の近傍まで搬送する。エアシリンダ
などにより垂直および水平方向の運動を組み合わせてア
ルミインゴット１を１対ずつ冷材挿入ガイド１１内に挿
入し、更に溶解炉１２内に挿入する。

溶解炉１２の溶解用誘導コイルは、急速溶解しようとす
るアルミインゴットの材質寸法に応じた最適溶融鎖交ポ
イントが得られるように、溶解用誘導コイル昇降装置２
０によって最適の高さに調整される。

又既に挿入されたインゴットが溶解炉１２内にある場合
に、次のインボッ１〜の対を挿入する時期は、既に挿入
されたインゴットが溶解の進行とともに溶解炉１２内で
の高さが逐次低くなり、次のインゴットの対が挿入され
た場合に、溶解用誘導コイル１３からの磁束との鎖交線
がそのタイプのアルミインゴットの溶解に最適な状態に
なる時点、すなわち最適溶解鎖交ポイントとなるように
調整する。

このように調整された状態で溶解炉１２内に挿入された
アルミインゴットは、溶解用誘導コイル１３により誘導
加熱されその表面から溶解が進行し溶滴となってアルミ
インゴットの表面を伝わり溶解炉１２の底部の開孔１２
′を通過して昇温炉１４内に流入し、さらに開孔１４′
を通過して出湯管１６内に流入する。

この状態で昇温用誘導コイル１５に通電し、電磁ポンプ
１７は出湯とは逆方向、つまり溶湯に対し上向きの推力
を与え溶湯が重力の作用で出湯口１６′から流出しない
ようにしておく。

溶解炉１２内のアルミインボッｊ・の溶解が進行するの
に伴い昇温炉１４及び出湯管１６内に流入した溶湯は、
出湯に適した温度になっていればそのまま、出湯温度に
達していなければ昇温用誘導コイル１５により所定の温
度まで昇温し、電磁ポンプ１７を出湯方向、つまり溶湯
に下向きの推力を与えるようにし、溶湯を出湯口１６′
からダイカスト機のダイススロットなどに注湯する。

［発明の効果］ 以上の説明から理解されるように、ダイカスト機のダイ
ススロットの直前にアルミインボッ１〜を挿入し溶解す
る、いわゆる冷材挿入急速溶解を行うに当たり、本発明
の装置を使用すれば、溶解と昇温が、上下に近接して配
置されてはいるが独立した溶解炉昇温炉を使用しそれぞ
れに配置された誘導コイルによって行われるので正確な
温度制御ができる。

また、昇温炉と出湯管とは流出孔を通じて互いに連通し
、それら両者の内部の溶湯は全体として昇温用誘導コイ
ルにより最適温度まで昇温され、出湯管の外周の電磁ポ
ンプにより出湯されるので。

出湯の量及び速度を正確に制御することができる。

又溶解用誘導コイルが溶解炉の外周に沿って昇降可能に
なっているので、アルミインゴットの材質寸法に適合し
た最適高さに調整することが可能になるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は本発明のアルミインゴットの拾材神人、
つ、速溶解装置の要部の構造を示す側断面図、第１図（
Ｂ）は第１図（Ａ）のアルミインゴットの急速溶解装置
のうちの溶解炉の構造を示す側断面図、 第１図（Ｃ）は第１図（Ａ）のアルミインゴットの急速
溶解装置及びその関連装置の配置関係を示す側面図、 第２図は多数の炉を使用する従来方式の溶解、注湯方式
を示す側面図である。 １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ ０ 冷材挿入ガイド 溶解炉 溶解用誘導コイル 昇温炉 昇温用誘導コイル 出湯管 電磁ポンプ ダイカスト機 冷材供給装置 溶解用誘導コイル昇降装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ダイカスト機などの鋳造機に注湯する溶湯とするための
   アルミインゴット冷材の供給を受け、急速溶解して溶湯
   とし、昇温し、注湯するアルミインゴットの急速溶解装
   置であって、 冷材として供給されるアルミインゴットの少なくとも１
   個を内部に収容してその外周から逐次溶解し溶滴とする
   ための容器として、前記アルミインゴットを挿入するた
   めの開口を頂部に、前記アルミインゴットを溶解するた
   めの溶解用誘導コイルを外周に、溶解により生成された
   溶滴を流下させる開孔を底部に有する直立中空円筒形の
   溶解炉と、 前記溶解炉の下方に近接し、前記溶解炉内で生成された
   溶滴を通過させるための開口を頂部に、前記溶滴が集積
   して形成された溶湯を所定の温度まで昇温するための昇
   温用誘導コイルを外周に、内部の溶湯をさらに下方に流
   下させる開孔を底部に有する直立中空円筒形の昇温炉と
   、 前記昇温炉の開孔を囲んで底部に密接してさらに下方に
   延在し、前記昇温炉と連通するための開口を上端に、昇
   温された溶湯を出湯するための出湯口を側壁の下部に、
   昇温された溶湯を出湯するための推力付与装置を外周に
   有する直立中空円筒形の出湯管とを有し、 前記昇温炉と前記出湯管とが互いに連通する一体の溶湯
   収容容器を構成し、 前記溶解炉の溶解用誘導コイルがその溶解炉の外周に沿
   って昇降可能に設けられていることを特徴とするアルミ
   インゴットの急速溶解装置。