JPH105545A - 浄化用フィルターおよびその製造方法 - Google Patents
浄化用フィルターおよびその製造方法Info
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- JPH105545A JPH105545A JP9059647A JP5964797A JPH105545A JP H105545 A JPH105545 A JP H105545A JP 9059647 A JP9059647 A JP 9059647A JP 5964797 A JP5964797 A JP 5964797A JP H105545 A JPH105545 A JP H105545A
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- fiber
- film
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- Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光触媒と有害ガス等の接触面積を大きくで
き、空気中の低濃度の有害ガス等を効率良く除去できる
浄化用フィルターを提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂(PTFE)と光触媒(酸化
チタン)とを混合し、この混合物に押出し助剤を分散配
合したのち押出し成形し、この成形物をシート状に圧延
し、この圧延と同時またはその後に前記押出し助剤を蒸
発除去してフッ素樹脂フィルムを作製し、このフッ素樹
脂フィルムを前記フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱し
て焼成し、この焼成フッ素樹脂フィルムを延伸し、さら
に延伸された焼成フッ素樹脂フィルムを解繊して光触媒
含有フッ素樹脂繊維を作製し、この光触媒含有フッ素樹
脂繊維を交絡させてフィルターを形成する。
き、空気中の低濃度の有害ガス等を効率良く除去できる
浄化用フィルターを提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂(PTFE)と光触媒(酸化
チタン)とを混合し、この混合物に押出し助剤を分散配
合したのち押出し成形し、この成形物をシート状に圧延
し、この圧延と同時またはその後に前記押出し助剤を蒸
発除去してフッ素樹脂フィルムを作製し、このフッ素樹
脂フィルムを前記フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱し
て焼成し、この焼成フッ素樹脂フィルムを延伸し、さら
に延伸された焼成フッ素樹脂フィルムを解繊して光触媒
含有フッ素樹脂繊維を作製し、この光触媒含有フッ素樹
脂繊維を交絡させてフィルターを形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、空気中に
存在する、臭気ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害
ガス(汚染物質)等を除去することが可能な浄化用フィ
ルターおよびその製造方法に関する。
存在する、臭気ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害
ガス(汚染物質)等を除去することが可能な浄化用フィ
ルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、酸化チタン等の光触媒を利用
し、例えば、窒素酸化物、硫黄酸化物などの環境空気
(大気)の低濃度の有害ガスを除去する方法及び装置が
提案されている。
し、例えば、窒素酸化物、硫黄酸化物などの環境空気
(大気)の低濃度の有害ガスを除去する方法及び装置が
提案されている。
【0003】例えば、特開平7−108138号公報に
は、環境空気(大気)中の有害ガス(汚染物質)を触媒
上に捕捉して除去する装置として、光触媒(酸化チタン
及び活性炭)を薄板からなる羽根状の反応板の表面に担
持させた構造からなる装置が開示されている。かかる装
置ではプラスチック、アルミ、鉄などの薄板(反応板)
の表面に接着剤を用いて光触媒を付着させている。しか
しながら、この装置は比較的簡単な構造を有してはいる
ものの、板材の表面にて光触媒と有害ガスとの接触が行
われるので、光触媒と有害ガスの接触面積が小さいとい
う欠点がある。
は、環境空気(大気)中の有害ガス(汚染物質)を触媒
上に捕捉して除去する装置として、光触媒(酸化チタン
及び活性炭)を薄板からなる羽根状の反応板の表面に担
持させた構造からなる装置が開示されている。かかる装
置ではプラスチック、アルミ、鉄などの薄板(反応板)
の表面に接着剤を用いて光触媒を付着させている。しか
しながら、この装置は比較的簡単な構造を有してはいる
ものの、板材の表面にて光触媒と有害ガスとの接触が行
われるので、光触媒と有害ガスの接触面積が小さいとい
う欠点がある。
【0004】また、光触媒を板材の表面に固定している
接着剤としては、通常、有機系の接着剤が使用される
が、光触媒、特に酸化チタンは強力な有機物分解能を有
するため、これを担持する接着剤が急速に酸化して劣化
することから、長期間使用していると、光触媒が反応板
から脱落してしまうという欠点がある。この問題は、汎
用樹脂に光触媒を充填して使用する際にも生じる。
接着剤としては、通常、有機系の接着剤が使用される
が、光触媒、特に酸化チタンは強力な有機物分解能を有
するため、これを担持する接着剤が急速に酸化して劣化
することから、長期間使用していると、光触媒が反応板
から脱落してしまうという欠点がある。この問題は、汎
用樹脂に光触媒を充填して使用する際にも生じる。
【0005】他方、特開平6−315614号公報に
は、光触媒をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
に混合したものを圧延してシート状またはパネル状に成
形した装置が開示されている。この技術では、光触媒に
よって酸化劣化しないPTFEを使用しているため、光
触媒の脱落の問題が生じない。しかしながら、かかる装
置も前記特開平7−108138号公報に開示された装
置と同様に、シート状またはパネル状に成形した成形物
の表面、すなわち、板材の表面にて光触媒と有害ガスと
の接触が行われるので光触媒と有害ガスの接触面積が小
さいという欠点がある。
は、光触媒をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
に混合したものを圧延してシート状またはパネル状に成
形した装置が開示されている。この技術では、光触媒に
よって酸化劣化しないPTFEを使用しているため、光
触媒の脱落の問題が生じない。しかしながら、かかる装
置も前記特開平7−108138号公報に開示された装
置と同様に、シート状またはパネル状に成形した成形物
の表面、すなわち、板材の表面にて光触媒と有害ガスと
の接触が行われるので光触媒と有害ガスの接触面積が小
さいという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の光
触媒を用いた装置は、光触媒と除去対象となる有害ガス
(汚染物質)等との接触面積が小さいという欠点があ
り、このため有害ガスや臭気ガス等を効率良く除去する
ことができないという課題があった。
触媒を用いた装置は、光触媒と除去対象となる有害ガス
(汚染物質)等との接触面積が小さいという欠点があ
り、このため有害ガスや臭気ガス等を効率良く除去する
ことができないという課題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、光触媒と有害ガ
ス(汚染物質)や臭気ガス等の分解対象物との接触面積
を大きくとることが可能な浄化用フィルターおよび製造
方法を提供することである。
ス(汚染物質)や臭気ガス等の分解対象物との接触面積
を大きくとることが可能な浄化用フィルターおよび製造
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の浄化用フィルターは、波長400nm以下
の光の照射により活性化する光触媒を含有するフッ素樹
脂繊維を交絡して形成されている。
に、本発明の浄化用フィルターは、波長400nm以下
の光の照射により活性化する光触媒を含有するフッ素樹
脂繊維を交絡して形成されている。
【0009】このように、光触媒により酸化劣化を受け
ないフッ素樹脂を用い、これに光触媒を含有させて繊維
化し、この繊維を交絡させてフィルターとすれば、シー
ト状やパネル状の形態と比べ、光触媒の露出面積を大き
くすることができ、この結果、光触媒と臭気ガスや有害
ガス等の分解対象物との接触面積を大きくとることが可
能となる。したがって、この状態で本発明のフィルター
が太陽光等の波長400nm以下の光(紫外線)を含む
光の照射を受けることにより、フィルターの表面および
内部において有害ガスや汚染物質等が効率良く分解除去
される。
ないフッ素樹脂を用い、これに光触媒を含有させて繊維
化し、この繊維を交絡させてフィルターとすれば、シー
ト状やパネル状の形態と比べ、光触媒の露出面積を大き
くすることができ、この結果、光触媒と臭気ガスや有害
ガス等の分解対象物との接触面積を大きくとることが可
能となる。したがって、この状態で本発明のフィルター
が太陽光等の波長400nm以下の光(紫外線)を含む
光の照射を受けることにより、フィルターの表面および
内部において有害ガスや汚染物質等が効率良く分解除去
される。
【0010】本発明の浄化用フィルターにおいて、フッ
素樹脂繊維の平均繊維径は、30μm以下であることが
好ましい。前記繊維径が30μm以下の微細繊維であれ
ば、本発明のフィルターの比表面積が大きくなって、光
触媒と空気中の有害ガス(汚染物質)等との接触面積を
より拡大できるからである。
素樹脂繊維の平均繊維径は、30μm以下であることが
好ましい。前記繊維径が30μm以下の微細繊維であれ
ば、本発明のフィルターの比表面積が大きくなって、光
触媒と空気中の有害ガス(汚染物質)等との接触面積を
より拡大できるからである。
【0011】本発明の浄化用フィルターにおいて、フッ
素樹脂繊維中の光触媒の含有量は、0.1〜60重量%
の範囲が好ましい。光触媒の含有量が、前記所定の範囲
であれば、フッ素樹脂繊維が高い機械的強度を有し、か
つ、光触媒の保持性に優れたものとなり、その結果、本
発明の浄化用フィルターの耐久性が優れるようになる。
素樹脂繊維中の光触媒の含有量は、0.1〜60重量%
の範囲が好ましい。光触媒の含有量が、前記所定の範囲
であれば、フッ素樹脂繊維が高い機械的強度を有し、か
つ、光触媒の保持性に優れたものとなり、その結果、本
発明の浄化用フィルターの耐久性が優れるようになる。
【0012】本発明の浄化用フィルターにおいて、フッ
素樹脂繊維は、PTFE繊維が好ましい。PTFEは化
学的安定性に特に優れるからである。
素樹脂繊維は、PTFE繊維が好ましい。PTFEは化
学的安定性に特に優れるからである。
【0013】本発明の浄化用フィルターにおいて、光触
媒は、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。アナターゼ
型酸化チタンは、光触媒作用が特に優れるからである。
媒は、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。アナターゼ
型酸化チタンは、光触媒作用が特に優れるからである。
【0014】本発明の浄化用フィルターにおいて、フッ
素樹脂が、光触媒に加え、ガス吸着剤を含有することが
好ましい。ガス吸着剤の併用により、光触媒と臭気ガス
や有機ガス等との接触効率が向上するからである。前記
ガス吸着剤としては、ゼオライトおよび活性炭の少なく
とも一方のガス吸着剤であることが好ましい。
素樹脂が、光触媒に加え、ガス吸着剤を含有することが
好ましい。ガス吸着剤の併用により、光触媒と臭気ガス
や有機ガス等との接触効率が向上するからである。前記
ガス吸着剤としては、ゼオライトおよび活性炭の少なく
とも一方のガス吸着剤であることが好ましい。
【0015】本発明の浄化用フィルターにおいて、フッ
素樹脂繊維が、多数の微細孔を有し、密度が1.3g/
cm3 で、比表面積が1.0cm2 /g/以上であるこ
とが好ましい。このようなフッ素樹脂繊維は、比表面積
が大きいため、光触媒と有害ガスや臭気ガス等との接触
面積をさらに大きくすることが可能である。
素樹脂繊維が、多数の微細孔を有し、密度が1.3g/
cm3 で、比表面積が1.0cm2 /g/以上であるこ
とが好ましい。このようなフッ素樹脂繊維は、比表面積
が大きいため、光触媒と有害ガスや臭気ガス等との接触
面積をさらに大きくすることが可能である。
【0016】つぎに、本発明の浄化用フィルターは、例
えば、フッ素樹脂と光触媒とを混合し、この混合物に押
出し助剤を分散配合したのち押出し成形し、この成形物
をシート状に圧延し、この圧延と同時またはその後に前
記押出し助剤を蒸発除去してフッ素樹脂フィルムを作製
し、このフッ素樹脂フィルムを前記フッ素樹脂の融点以
上の温度で加熱して焼成し、この焼成フッ素樹脂フィル
ムを延伸し、さらに延伸された焼成フッ素樹脂フィルム
を解繊して光触媒含有フッ素樹脂繊維を作製し、この光
触媒含有フッ素樹脂繊維を交絡させて製造することがで
きる。
えば、フッ素樹脂と光触媒とを混合し、この混合物に押
出し助剤を分散配合したのち押出し成形し、この成形物
をシート状に圧延し、この圧延と同時またはその後に前
記押出し助剤を蒸発除去してフッ素樹脂フィルムを作製
し、このフッ素樹脂フィルムを前記フッ素樹脂の融点以
上の温度で加熱して焼成し、この焼成フッ素樹脂フィル
ムを延伸し、さらに延伸された焼成フッ素樹脂フィルム
を解繊して光触媒含有フッ素樹脂繊維を作製し、この光
触媒含有フッ素樹脂繊維を交絡させて製造することがで
きる。
【0017】また、本発明の浄化用フィルターの製造方
法としては、第1のフッ素樹脂フィルムと光触媒を含有
する第2のフッ素樹脂フィルムとを積層して、この積層
フィルムを延伸して前記第2のフッ素樹脂フィルム表面
を多孔質化させ、この延伸された積層フィルムを解繊し
て前記光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を作製し、この
フッ素樹脂繊維を交絡することによりフィルターを形成
することができる。
法としては、第1のフッ素樹脂フィルムと光触媒を含有
する第2のフッ素樹脂フィルムとを積層して、この積層
フィルムを延伸して前記第2のフッ素樹脂フィルム表面
を多孔質化させ、この延伸された積層フィルムを解繊し
て前記光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を作製し、この
フッ素樹脂繊維を交絡することによりフィルターを形成
することができる。
【0018】このフィルターの製造方法によれば、フッ
素樹脂単体からなる第1のフッ素樹脂フィルムと光触媒
を含有する第2のフッ素樹脂フィルムを積層した積層フ
ィルムを延伸するので、第2のフッ素樹脂フィルムに光
触媒を多く含有させても、延伸時および延伸後に要求さ
れるフィルム全体の強度は、フッ素樹脂単体からなる第
1のフッ素樹脂フィルムによって得られることとなり、
延伸によるフィルムの緻密性及び分子配向度の向上作用
が充分に働くこととなる。また、第2のフッ素樹脂フィ
ルムの表面が多孔質化されるので、比表面積が大きいフ
ィルターを形成することができる。この結果、臭気ガス
や有害ガス等の分解効率に優れ、かつ、耐久性に優れる
浄化用フィルターを再現性良く作製することができる。
素樹脂単体からなる第1のフッ素樹脂フィルムと光触媒
を含有する第2のフッ素樹脂フィルムを積層した積層フ
ィルムを延伸するので、第2のフッ素樹脂フィルムに光
触媒を多く含有させても、延伸時および延伸後に要求さ
れるフィルム全体の強度は、フッ素樹脂単体からなる第
1のフッ素樹脂フィルムによって得られることとなり、
延伸によるフィルムの緻密性及び分子配向度の向上作用
が充分に働くこととなる。また、第2のフッ素樹脂フィ
ルムの表面が多孔質化されるので、比表面積が大きいフ
ィルターを形成することができる。この結果、臭気ガス
や有害ガス等の分解効率に優れ、かつ、耐久性に優れる
浄化用フィルターを再現性良く作製することができる。
【0019】また、本発明の浄化用フィルターの製造方
法としては、光触媒含有未焼成フッ素樹脂シートを延伸
して多孔質化し、この多孔質シートの多孔質状態を実質
的に維持した状態で前記フッ素樹脂の融点以上の温度で
加熱して焼成して密度1.3g/cm3 以下の焼成シー
トを作製し、この焼成シートを解繊して光触媒含有フッ
素樹脂繊維を作製し、この光触媒含有フッ素樹脂繊維を
交絡させてフィルターを形成すると、さらに、比表面積
が大きい浄化用フィルター製造することができ、好まし
い。
法としては、光触媒含有未焼成フッ素樹脂シートを延伸
して多孔質化し、この多孔質シートの多孔質状態を実質
的に維持した状態で前記フッ素樹脂の融点以上の温度で
加熱して焼成して密度1.3g/cm3 以下の焼成シー
トを作製し、この焼成シートを解繊して光触媒含有フッ
素樹脂繊維を作製し、この光触媒含有フッ素樹脂繊維を
交絡させてフィルターを形成すると、さらに、比表面積
が大きい浄化用フィルター製造することができ、好まし
い。
【0020】なお、上記の比表面積とは、単位重量当た
りの表面積をいい、例えば、ベット(BET)吸着法に
より測定できる。
りの表面積をいい、例えば、ベット(BET)吸着法に
より測定できる。
【0021】本発明の浄化用シートの製造方法におい
て、フッ素樹脂フィルムを解繊してフッ素繊維を作製す
る方法は、フッ素樹脂フィルムを、多数の針状突起を備
えた部材の前記突起の先端で引っ掻くことにより解繊す
る方法が好ましい。この方法によれば、得られるフッ素
樹脂繊維の形状が、幹繊維から多数の枝繊維が分岐した
形状となる。このような形状の繊維は、捲縮性に富むた
め、繊維の交絡を容易に行うことができる。
て、フッ素樹脂フィルムを解繊してフッ素繊維を作製す
る方法は、フッ素樹脂フィルムを、多数の針状突起を備
えた部材の前記突起の先端で引っ掻くことにより解繊す
る方法が好ましい。この方法によれば、得られるフッ素
樹脂繊維の形状が、幹繊維から多数の枝繊維が分岐した
形状となる。このような形状の繊維は、捲縮性に富むた
め、繊維の交絡を容易に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の浄化用フィルターは、波
長400nm以下の光の照射により活性化する光触媒を
含有したフッ素樹脂繊維を交絡させることにより布化し
て(フェルトや不織布等にして)フィルターとしたもの
である。
長400nm以下の光の照射により活性化する光触媒を
含有したフッ素樹脂繊維を交絡させることにより布化し
て(フェルトや不織布等にして)フィルターとしたもの
である。
【0023】フッ素樹脂繊維の形成材料であるフッ素樹
脂としては、特に制限するものではなく、例えば、PT
FE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ
ビニルフルオライド(PVF)、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(PETFE)等のフッ素樹脂を
使用することができる。
脂としては、特に制限するものではなく、例えば、PT
FE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ
ビニルフルオライド(PVF)、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(PETFE)等のフッ素樹脂を
使用することができる。
【0024】本発明の浄化用フィルターにおいて、フッ
素樹脂繊維を用いる理由は、フッ素樹脂が、優れた耐薬
品性、耐熱性、及び撥水性等を有するものであり、フィ
ルターを自然環境下に長期間放置した場合にもその特性
劣化が極めて小さいからである。前記した各種フッ素樹
脂のうち傑出した耐薬品性及び撥水性を有するPTFE
を用いるのが特に好ましい。このPTFEとしては、乳
化重合により得られたものが好ましい。また、本発明に
おいて、PTFE繊維の比重は、通常、2.0以上、好
ましくは2.15〜2.30の範囲である。
素樹脂繊維を用いる理由は、フッ素樹脂が、優れた耐薬
品性、耐熱性、及び撥水性等を有するものであり、フィ
ルターを自然環境下に長期間放置した場合にもその特性
劣化が極めて小さいからである。前記した各種フッ素樹
脂のうち傑出した耐薬品性及び撥水性を有するPTFE
を用いるのが特に好ましい。このPTFEとしては、乳
化重合により得られたものが好ましい。また、本発明に
おいて、PTFE繊維の比重は、通常、2.0以上、好
ましくは2.15〜2.30の範囲である。
【0025】前記光触媒は、紫外光(波長:310〜4
00nm)等の波長400nm以下の光を受けて活性化
して空気中の窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害ガス等を
分解する光触媒作用を起こす化合物である。このような
光触媒としては、先に述べた酸化チタンの他、例えば、
ZnO、Fe2 O3 、CdS、CdSe、SrTiO 3
などがあげられる。これらの光触媒は単独で若しくは2
種類以上併用される。このなかで、酸化チタン(TiO
2 )は、アナターゼ型、ルチル型、含水型があるが、最
も光触媒作用が強力なアナターゼ型酸化チタンが好まし
い。また、光触媒の形状は、通常、粉末状(粒子状)で
あり、例えば、アナターゼ型酸化チタンの粒径は、通
常、0.001〜50μmであり、好ましくは0.01
〜10μmである。なお、光触媒の含有割合は、フッ素
樹脂繊維中0.1〜60重量%となることが好ましい。
00nm)等の波長400nm以下の光を受けて活性化
して空気中の窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害ガス等を
分解する光触媒作用を起こす化合物である。このような
光触媒としては、先に述べた酸化チタンの他、例えば、
ZnO、Fe2 O3 、CdS、CdSe、SrTiO 3
などがあげられる。これらの光触媒は単独で若しくは2
種類以上併用される。このなかで、酸化チタン(TiO
2 )は、アナターゼ型、ルチル型、含水型があるが、最
も光触媒作用が強力なアナターゼ型酸化チタンが好まし
い。また、光触媒の形状は、通常、粉末状(粒子状)で
あり、例えば、アナターゼ型酸化チタンの粒径は、通
常、0.001〜50μmであり、好ましくは0.01
〜10μmである。なお、光触媒の含有割合は、フッ素
樹脂繊維中0.1〜60重量%となることが好ましい。
【0026】本発明において、必要に応じてガス吸着剤
が併用される。すなわち、光触媒のみを繊維に含有させ
てもよいが、これとガス吸着剤の両方を繊維に含有させ
ることにより、ガス吸着剤のガス吸着作用によって光触
媒への有害ガス等の接触を促進させることができ、光触
媒のみの場合に比べて有害ガス等を効率良く分解するこ
とができる。
が併用される。すなわち、光触媒のみを繊維に含有させ
てもよいが、これとガス吸着剤の両方を繊維に含有させ
ることにより、ガス吸着剤のガス吸着作用によって光触
媒への有害ガス等の接触を促進させることができ、光触
媒のみの場合に比べて有害ガス等を効率良く分解するこ
とができる。
【0027】前記ガス吸着剤としては、高シリカゼオラ
イト(合成)、ソーダライト(合成)、モルデナイト
(天然)等の合成または天然のゼオライトや、アパタイ
ト、活性炭等を挙げることができる。これらは通常粉末
(粒子状)で使用され、これらのうちの1種または2種
以上が使用されるが、吸着効果が高い点からゼオライト
及び活性炭から選ばれる少なくとも1つを使用するのが
好ましい。かかるガス吸着剤の粒子径は一般に0.01
〜50μm、好ましくは0.1〜10μmである。
イト(合成)、ソーダライト(合成)、モルデナイト
(天然)等の合成または天然のゼオライトや、アパタイ
ト、活性炭等を挙げることができる。これらは通常粉末
(粒子状)で使用され、これらのうちの1種または2種
以上が使用されるが、吸着効果が高い点からゼオライト
及び活性炭から選ばれる少なくとも1つを使用するのが
好ましい。かかるガス吸着剤の粒子径は一般に0.01
〜50μm、好ましくは0.1〜10μmである。
【0028】光触媒とガス吸着剤を併用する場合、これ
らの配合比は使用する化合物の種類によってもことなる
が、重量比(光触媒:ガス吸着剤)で一般に10:1〜
1:1である。
らの配合比は使用する化合物の種類によってもことなる
が、重量比(光触媒:ガス吸着剤)で一般に10:1〜
1:1である。
【0029】フィルター全体における光触媒と空気中の
有害ガス(汚染物質)等との接触面積をより拡大化する
ためには、フッ素樹脂繊維の平均繊維径をできるだけ小
さくしてフィルターの比表面積を大きくするのが望まし
い。前記フィルターの比表面積は、一般には、0.2m
2 /g以上であり、好ましくは0.5m2 /g以上であ
る。また、フッ素樹脂繊維の平均繊維径は一般に30μ
m以下、好ましくは20μm以下にするのがよい。
有害ガス(汚染物質)等との接触面積をより拡大化する
ためには、フッ素樹脂繊維の平均繊維径をできるだけ小
さくしてフィルターの比表面積を大きくするのが望まし
い。前記フィルターの比表面積は、一般には、0.2m
2 /g以上であり、好ましくは0.5m2 /g以上であ
る。また、フッ素樹脂繊維の平均繊維径は一般に30μ
m以下、好ましくは20μm以下にするのがよい。
【0030】本発明の浄化用フィルターにおける繊維の
密度、すなわち、目付け量は繊維の太さ(平均径)によ
っても異なるが、一般に10〜500g/m2 の範囲に
あるのがよい。このような範囲にあることにより、フィ
ルターの表面付近だけでなくフィルターの内部にも充分
に空気を行き渡らせることができる。
密度、すなわち、目付け量は繊維の太さ(平均径)によ
っても異なるが、一般に10〜500g/m2 の範囲に
あるのがよい。このような範囲にあることにより、フィ
ルターの表面付近だけでなくフィルターの内部にも充分
に空気を行き渡らせることができる。
【0031】本発明の浄化用フィルターは、空気浄化を
必要とする用途であれば特にその適用範囲は限定され
ず、例えば、室内空気清浄の用途、半導体製造等のクリ
ーンルーム、医薬製造用クリーンルーム、公害防止機器
等に適用できる。
必要とする用途であれば特にその適用範囲は限定され
ず、例えば、室内空気清浄の用途、半導体製造等のクリ
ーンルーム、医薬製造用クリーンルーム、公害防止機器
等に適用できる。
【0032】前述のように、本発明では、フィルターを
構成する光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を平均繊維径
が30μm以下の極細の繊維にするのが望ましい。しか
し、従来からフッ素樹脂繊維の製造方法として一般に使
用されているエマルジョン紡糸法では、極細のフッ素樹
脂繊維を得ることが困難である。そこで、本発明では、
前述の方法によって、光触媒を含有する極細のフッ素樹
脂繊維を作製し、これを用いてフィルターを形成してい
る。以下に製造方法の例を示す。
構成する光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を平均繊維径
が30μm以下の極細の繊維にするのが望ましい。しか
し、従来からフッ素樹脂繊維の製造方法として一般に使
用されているエマルジョン紡糸法では、極細のフッ素樹
脂繊維を得ることが困難である。そこで、本発明では、
前述の方法によって、光触媒を含有する極細のフッ素樹
脂繊維を作製し、これを用いてフィルターを形成してい
る。以下に製造方法の例を示す。
【0033】まず、PTFE樹脂と光触媒粒子を混合す
る。ここで光触媒粒子の混合量は約0.1〜5重量%で
ある。また、ガス吸着剤を併用する場合は、前記光触媒
とともに混合する。この混合体にさらに炭化水素(押出
し助剤)を分散混合して円柱状に予備成形する。この予
備成形物をロッド状に押出成形し、さらに圧延して、圧
延シートを得る。そして、この圧延シートを約100〜
300℃で加熱して炭化水素を蒸発除去し、PTFEフ
ィルムにする。さらに、PTFE樹脂の融点以上の温
度、具体的には、約320〜400℃に加熱して前記P
TFEフィルムを焼成する。この焼成工程により、PT
FEフィルムの比重は約2.1〜2.3の範囲となる。
る。ここで光触媒粒子の混合量は約0.1〜5重量%で
ある。また、ガス吸着剤を併用する場合は、前記光触媒
とともに混合する。この混合体にさらに炭化水素(押出
し助剤)を分散混合して円柱状に予備成形する。この予
備成形物をロッド状に押出成形し、さらに圧延して、圧
延シートを得る。そして、この圧延シートを約100〜
300℃で加熱して炭化水素を蒸発除去し、PTFEフ
ィルムにする。さらに、PTFE樹脂の融点以上の温
度、具体的には、約320〜400℃に加熱して前記P
TFEフィルムを焼成する。この焼成工程により、PT
FEフィルムの比重は約2.1〜2.3の範囲となる。
【0034】つぎに、このPTFEフィルムは、PTF
E樹脂の融点以上でまたは融点以下で少なくとも一軸方
向に延伸される。この延伸は、ロール延伸機やテンター
延伸機等を用いた常法により行うことができ、延伸方向
はフィルム長手方向でも幅方向でもよい。延伸倍率は、
延伸前の大きさを基準として(以下同じ)、2倍以上、
好ましくは3倍以上である。また、微細な繊維を得るた
めには、延伸後のフィルムの厚さが薄い方が望ましい。
具体的には、延伸後のフィルムの厚さは、通常、0.5
mm以下、好ましくは0.1mm以下である。
E樹脂の融点以上でまたは融点以下で少なくとも一軸方
向に延伸される。この延伸は、ロール延伸機やテンター
延伸機等を用いた常法により行うことができ、延伸方向
はフィルム長手方向でも幅方向でもよい。延伸倍率は、
延伸前の大きさを基準として(以下同じ)、2倍以上、
好ましくは3倍以上である。また、微細な繊維を得るた
めには、延伸後のフィルムの厚さが薄い方が望ましい。
具体的には、延伸後のフィルムの厚さは、通常、0.5
mm以下、好ましくは0.1mm以下である。
【0035】つぎに、この延伸フィルムを解繊すること
により光触媒含有PTFE繊維を製造する。前記解繊
は、例えば、金属針を多数備えたブラシのような掻き取
り具の前記針の先端で引っ掻くことにより行うことがで
きる。掻き取り具の掻き取り部材は金属針に限らず他の
材質のものでもよく、また、尖鋭な先端部を有するもの
であれば針状でない他の形状のものでもよい。掻き取り
具の掻き取り部材の尖鋭な先端部の大きさは、例えば掻
き取り部材が前記針の場合に、針径が一般に1.0mm
以下であるのがよく、引っ掻き作業によって掻き取り部
材が折れたり変形したりすることがない範囲でできるだ
け小さくするのがよい。
により光触媒含有PTFE繊維を製造する。前記解繊
は、例えば、金属針を多数備えたブラシのような掻き取
り具の前記針の先端で引っ掻くことにより行うことがで
きる。掻き取り具の掻き取り部材は金属針に限らず他の
材質のものでもよく、また、尖鋭な先端部を有するもの
であれば針状でない他の形状のものでもよい。掻き取り
具の掻き取り部材の尖鋭な先端部の大きさは、例えば掻
き取り部材が前記針の場合に、針径が一般に1.0mm
以下であるのがよく、引っ掻き作業によって掻き取り部
材が折れたり変形したりすることがない範囲でできるだ
け小さくするのがよい。
【0036】解繊により得られる繊維の平均繊維径は、
延伸フィルムの分子配向度と延伸フィルムの厚さに依存
する。この方法により得られる繊維の平均繊維径は、3
0μm以下であり、その形状は、幹繊維から枝繊維が多
数分岐した形状である。このような形状の繊維は、捲縮
性に富み交絡しやすく、例えば繊維同士を針で交絡させ
て容易にフェルトや不織布等に加工することができる。
前記交絡は、例えばニードルパンチング機等により行う
ことができる。この他、前記繊維を用いてカード機でウ
エッブを形成し、さらにウオータージェット機で交絡さ
せることもできる。これらフェルトや不織布等が本発明
の浄化用フィルターとなる。
延伸フィルムの分子配向度と延伸フィルムの厚さに依存
する。この方法により得られる繊維の平均繊維径は、3
0μm以下であり、その形状は、幹繊維から枝繊維が多
数分岐した形状である。このような形状の繊維は、捲縮
性に富み交絡しやすく、例えば繊維同士を針で交絡させ
て容易にフェルトや不織布等に加工することができる。
前記交絡は、例えばニードルパンチング機等により行う
ことができる。この他、前記繊維を用いてカード機でウ
エッブを形成し、さらにウオータージェット機で交絡さ
せることもできる。これらフェルトや不織布等が本発明
の浄化用フィルターとなる。
【0037】このようにして得られた浄化用フィルター
では、これを構成する繊維の表面において光触媒粒子が
突出しおり、空気中の低濃度の臭気ガスや有害ガス等と
効率的に反応し、それらを分解して無害化できる。
では、これを構成する繊維の表面において光触媒粒子が
突出しおり、空気中の低濃度の臭気ガスや有害ガス等と
効率的に反応し、それらを分解して無害化できる。
【0038】つぎに、PTFE樹脂以外のフッ素樹脂が
光触媒粒子を含有する浄化用フィルターは、例えば、つ
ぎのようにして製造できる。すなわち、まず、フッ素樹
脂と光触媒を混合し、溶融押し出し成形を行い、薄いフ
ィルムを作成する。次に延伸を行い、前述のPTFE樹
脂の繊維と同様の方法により解繊して繊維とする。また
は、フッ素樹脂と光触媒を混合し、溶融押し出し成形時
に、繊維状に連続成形し、そのまま繊維とすることも可
能である。なお、ガス吸着剤を併用する場合は、前記光
触媒とともにフッ素樹脂と混合する。
光触媒粒子を含有する浄化用フィルターは、例えば、つ
ぎのようにして製造できる。すなわち、まず、フッ素樹
脂と光触媒を混合し、溶融押し出し成形を行い、薄いフ
ィルムを作成する。次に延伸を行い、前述のPTFE樹
脂の繊維と同様の方法により解繊して繊維とする。また
は、フッ素樹脂と光触媒を混合し、溶融押し出し成形時
に、繊維状に連続成形し、そのまま繊維とすることも可
能である。なお、ガス吸着剤を併用する場合は、前記光
触媒とともにフッ素樹脂と混合する。
【0039】つぎに、本発明の好ましい製造方法につい
て説明する。
て説明する。
【0040】まず、乳化重合で製造したフッ素樹脂粒子
と光触媒粒子を溶媒に分散させたディスパージョンを作
成し、これを耐熱性の基板上に塗布して塗膜を形成し、
この塗膜から分散溶媒を除去した後、フッ素樹脂の融点
以上の温度で焼成して、フッ素樹脂粒子間を結着させて
フィルムとする。ここでのフッ素樹脂粒子の粒径は一般
に1μm以下であり、乳化重合で作製した粒径が0.1
〜1.0μmのフッ素樹脂粒子を用いるのが好ましい。
そして、この光触媒粒子が分散したフッ素樹脂フィルム
を耐熱性基板から剥した後、常法によりフッ素樹脂の融
点以上または融点以下の温度で少なくとも一軸方向にそ
の延伸倍率が一般に2倍以上、好ましくは3倍以上とな
るよう延伸して、フィルムを0.1mm以下、好ましく
は0.05mm以下の厚みにする。この延伸においてフ
ィルムの厚みができるだけ小さくなるように延伸するこ
とにより、フィルムを構成するフッ素樹脂の分子配向度
が高くなり、次の解繊による繊維化工程によって得られ
る繊維の径を小さくすることができる。次に、前記0.
1mm以下の厚みに延伸されたフッ素樹脂フィルムを、
例えば、前記と同様にして解繊して繊維を得る。また、
この繊維を用いたフィルターの作製も前述と同様にして
行う。
と光触媒粒子を溶媒に分散させたディスパージョンを作
成し、これを耐熱性の基板上に塗布して塗膜を形成し、
この塗膜から分散溶媒を除去した後、フッ素樹脂の融点
以上の温度で焼成して、フッ素樹脂粒子間を結着させて
フィルムとする。ここでのフッ素樹脂粒子の粒径は一般
に1μm以下であり、乳化重合で作製した粒径が0.1
〜1.0μmのフッ素樹脂粒子を用いるのが好ましい。
そして、この光触媒粒子が分散したフッ素樹脂フィルム
を耐熱性基板から剥した後、常法によりフッ素樹脂の融
点以上または融点以下の温度で少なくとも一軸方向にそ
の延伸倍率が一般に2倍以上、好ましくは3倍以上とな
るよう延伸して、フィルムを0.1mm以下、好ましく
は0.05mm以下の厚みにする。この延伸においてフ
ィルムの厚みができるだけ小さくなるように延伸するこ
とにより、フィルムを構成するフッ素樹脂の分子配向度
が高くなり、次の解繊による繊維化工程によって得られ
る繊維の径を小さくすることができる。次に、前記0.
1mm以下の厚みに延伸されたフッ素樹脂フィルムを、
例えば、前記と同様にして解繊して繊維を得る。また、
この繊維を用いたフィルターの作製も前述と同様にして
行う。
【0041】この製造方法によれば、本発明の浄化用フ
ィルターを作製できるが、フィルム延伸工程を考慮すれ
ば、光触媒の含有量を多くできないという問題がある。
これは、光触媒粒子の配合量を多くするに従い、フッ素
樹脂粒子のバインダーとしての役割が妨げられてフッ素
樹脂粒子間の結着及びフッ素樹脂と光触媒の結着が不十
分になって、延伸によるフィルムの緻密性及び分子配向
度の向上作用が充分に働かず、機械的強度の低い、すな
わち脆いフィルムとなるおそれがあるからである。そこ
で、この問題を解決する方法として、延伸するフィルム
を、光触媒粒子を含まないフッ素樹脂単体からなるフッ
素樹脂フィルム層と光触媒粒子を含有させたフッ素樹脂
フィルム層とを積層した積層フィルムにする。このよう
な積層フィルムにすると、一方の光触媒を含有させるフ
ッ素樹脂フィルム層に光触媒を多量に含有させても、フ
ィルムの延伸時及び延伸後に必要なフィルム全体の機械
的強度はフッ素樹脂単体からなる他方のフッ素樹脂フィ
ルム層によって得られる。また、フィルムの延伸によっ
て光触媒を含有するフッ素樹脂フィルムの表面に亀裂が
生じて多孔質化され、比表面積の大きいフィルターを形
成することができる。なお、積層フィルムは、先に耐熱
性基板上にフッ素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィルム
層を形成し、この上に光触媒粒子を含有させたフッ素樹
脂フィルム層を形成するようにしても、先に耐熱性基板
上に光触媒粒子を含有させたフッ素樹脂フィルム層を形
成し、この上にフッ素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィ
ルム層を形成するようにしてもよい。また、積層フィル
ムはフッ素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィルム層を少
なくとも一層備えていればよく、フッ素樹脂単体からな
るフッ素樹脂フィルム層の両主面に光触媒粒子を含有さ
せたフッ素樹脂フィルム層を配置した積層構成や、フッ
素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィルム層と光触媒粒子
を含有させたフッ素樹脂フィルム層とを交互に2層以上
設けた積層構成であってもよい。なお、フッ素樹脂単体
からなるフッ素樹脂フィルム層は、ペースト押出および
カレンダー加工法によって形成することもできる。
ィルターを作製できるが、フィルム延伸工程を考慮すれ
ば、光触媒の含有量を多くできないという問題がある。
これは、光触媒粒子の配合量を多くするに従い、フッ素
樹脂粒子のバインダーとしての役割が妨げられてフッ素
樹脂粒子間の結着及びフッ素樹脂と光触媒の結着が不十
分になって、延伸によるフィルムの緻密性及び分子配向
度の向上作用が充分に働かず、機械的強度の低い、すな
わち脆いフィルムとなるおそれがあるからである。そこ
で、この問題を解決する方法として、延伸するフィルム
を、光触媒粒子を含まないフッ素樹脂単体からなるフッ
素樹脂フィルム層と光触媒粒子を含有させたフッ素樹脂
フィルム層とを積層した積層フィルムにする。このよう
な積層フィルムにすると、一方の光触媒を含有させるフ
ッ素樹脂フィルム層に光触媒を多量に含有させても、フ
ィルムの延伸時及び延伸後に必要なフィルム全体の機械
的強度はフッ素樹脂単体からなる他方のフッ素樹脂フィ
ルム層によって得られる。また、フィルムの延伸によっ
て光触媒を含有するフッ素樹脂フィルムの表面に亀裂が
生じて多孔質化され、比表面積の大きいフィルターを形
成することができる。なお、積層フィルムは、先に耐熱
性基板上にフッ素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィルム
層を形成し、この上に光触媒粒子を含有させたフッ素樹
脂フィルム層を形成するようにしても、先に耐熱性基板
上に光触媒粒子を含有させたフッ素樹脂フィルム層を形
成し、この上にフッ素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィ
ルム層を形成するようにしてもよい。また、積層フィル
ムはフッ素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィルム層を少
なくとも一層備えていればよく、フッ素樹脂単体からな
るフッ素樹脂フィルム層の両主面に光触媒粒子を含有さ
せたフッ素樹脂フィルム層を配置した積層構成や、フッ
素樹脂単体からなるフッ素樹脂フィルム層と光触媒粒子
を含有させたフッ素樹脂フィルム層とを交互に2層以上
設けた積層構成であってもよい。なお、フッ素樹脂単体
からなるフッ素樹脂フィルム層は、ペースト押出および
カレンダー加工法によって形成することもできる。
【0042】つぎに、本発明の浄化用フィルターの製造
方法において、主としてPTFEを使用する場合に好ま
しい方法であるが、さらに比表面積の大きい光触媒含有
PTFE繊維を作製し、これを用いて前記光触媒と有害
ガスや臭気ガス等の接触面積がより大きい浄化用フィル
ターを得る方法を以下に述べる。
方法において、主としてPTFEを使用する場合に好ま
しい方法であるが、さらに比表面積の大きい光触媒含有
PTFE繊維を作製し、これを用いて前記光触媒と有害
ガスや臭気ガス等の接触面積がより大きい浄化用フィル
ターを得る方法を以下に述べる。
【0043】この製造方法に使用されるPTFEとして
は、延伸により高次に配向するものであることが望まし
い。このようなPTFEとしては、粒子径が小さく、高
次に延伸することが可能である点で、乳化重合法で得ら
れたものが好適である。また、PTFEの比重(SS
G)は、通常、2.1〜2.2である。
は、延伸により高次に配向するものであることが望まし
い。このようなPTFEとしては、粒子径が小さく、高
次に延伸することが可能である点で、乳化重合法で得ら
れたものが好適である。また、PTFEの比重(SS
G)は、通常、2.1〜2.2である。
【0044】このようなPTFE乳化重合体は、テトラ
フルオロエチレンの単独重合体の他に、例えば、0.5
mol%以下の少量の他の共単量体をテトラフルオロエ
チレンに共重合させて変性したものであってもよい。こ
のような他の単量体としては、例えば、ヘキサフルオロ
プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)、トリフルオロエチレン
等があげられる。
フルオロエチレンの単独重合体の他に、例えば、0.5
mol%以下の少量の他の共単量体をテトラフルオロエ
チレンに共重合させて変性したものであってもよい。こ
のような他の単量体としては、例えば、ヘキサフルオロ
プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)、トリフルオロエチレン
等があげられる。
【0045】他方、流動パラフィン等の押出し助剤に酸
化チタン等の光触媒を混合する。
化チタン等の光触媒を混合する。
【0046】そして、前記PTFEと前記光触媒を混合
した押出し助剤とを混合攪拌する。これら三者の割合
は、通常、PTFE100重量部に対し、押出し助剤が
28〜35重量部であり、光触媒が0.1〜6重量部で
ある。
した押出し助剤とを混合攪拌する。これら三者の割合
は、通常、PTFE100重量部に対し、押出し助剤が
28〜35重量部であり、光触媒が0.1〜6重量部で
ある。
【0047】つぎに、この混合物を、ペースト押出し、
圧延加工等によりシート状に成形し、ついで加熱やトリ
クロルエチレンによる抽出により前記助剤を除去して、
光触媒含有未焼成PTFEシートを作製する。
圧延加工等によりシート状に成形し、ついで加熱やトリ
クロルエチレンによる抽出により前記助剤を除去して、
光触媒含有未焼成PTFEシートを作製する。
【0048】この光触媒含有未焼成PTFEシートを延
伸して多孔質フィルム化する。この延伸は、通常、PT
FEの融点(327℃)未満の温度での加熱条件下で行
われる。延伸は、長手方向の一軸延伸が好ましく、ま
た、延伸倍率は、十分に多孔質化させることができれば
特に制限されないが、通常、1.5倍以上、好ましくは
3倍以上である。
伸して多孔質フィルム化する。この延伸は、通常、PT
FEの融点(327℃)未満の温度での加熱条件下で行
われる。延伸は、長手方向の一軸延伸が好ましく、ま
た、延伸倍率は、十分に多孔質化させることができれば
特に制限されないが、通常、1.5倍以上、好ましくは
3倍以上である。
【0049】前記延伸の方法は、特に制限されないが、
加熱されたオーブン中に前記シートを通過させながら応
力を加えるか、若しくは前記シート表面に加熱したロー
ラー等を接触させて加熱し、前記シートに応力を加えて
延伸する等、従来から行われている方法が適用できる。
この延伸により、厚み、0.05〜0.5mmで高次に
配向しかつ平均孔径が0.01〜0.5μmの微孔が多
数形成された未焼成PTFE多孔質フィルムが得られ
る。このフィルムは、密度が1.3g/cm3 以下、好
ましくは1.25g/cm3 以下となるように十分に多
孔質化されている。このように、前記フィルムが十分に
多孔質化されていれば、後述する工程を経て得られる繊
維の密度を十分に小さくすることができる。
加熱されたオーブン中に前記シートを通過させながら応
力を加えるか、若しくは前記シート表面に加熱したロー
ラー等を接触させて加熱し、前記シートに応力を加えて
延伸する等、従来から行われている方法が適用できる。
この延伸により、厚み、0.05〜0.5mmで高次に
配向しかつ平均孔径が0.01〜0.5μmの微孔が多
数形成された未焼成PTFE多孔質フィルムが得られ
る。このフィルムは、密度が1.3g/cm3 以下、好
ましくは1.25g/cm3 以下となるように十分に多
孔質化されている。このように、前記フィルムが十分に
多孔質化されていれば、後述する工程を経て得られる繊
維の密度を十分に小さくすることができる。
【0050】つぎに、この未焼成PTFE多孔質フィル
ムを、その多孔質を実質的に維持した状態でPTFEの
融点以上の温度で焼成する。すなわち、この焼成は、前
記フィルムの多孔質状態を維持できるような焼成温度お
よび時間で行われる。通常、前記焼成温度は327〜4
00℃の範囲であり、焼成時間は1秒〜1時間の範囲で
ある。このような焼成工程を経て得られる多孔質フィル
ムは、気孔率が40%以上となるが、密度が1.3g/
cm3 以下で多孔質をよく保持していることが好まし
い。
ムを、その多孔質を実質的に維持した状態でPTFEの
融点以上の温度で焼成する。すなわち、この焼成は、前
記フィルムの多孔質状態を維持できるような焼成温度お
よび時間で行われる。通常、前記焼成温度は327〜4
00℃の範囲であり、焼成時間は1秒〜1時間の範囲で
ある。このような焼成工程を経て得られる多孔質フィル
ムは、気孔率が40%以上となるが、密度が1.3g/
cm3 以下で多孔質をよく保持していることが好まし
い。
【0051】そして、この多孔質フィルムを、前述と同
様にして解繊し、光触媒含有PTFE繊維を得る。この
PTFE繊維は、密度が1.3g/cm3 以下、好まし
くは1.25g/cm3 以下であり、比表面積が1.0
m2 /g以上である。また、このPTFE繊維の平均繊
維径は、通常、50μm以下であり、好ましくは30μ
m以下である。一般に、繊維の比表面積が大きいこと
は、繊維の密度が一定であれば、平均繊維径が小さい微
細な繊維であることを示すが、このPTFE繊維は、繊
維が低密度の多孔質であるため、同様の平均繊維径を有
する従来の繊維と比べ、比表面積が極めて大きいもので
ある。
様にして解繊し、光触媒含有PTFE繊維を得る。この
PTFE繊維は、密度が1.3g/cm3 以下、好まし
くは1.25g/cm3 以下であり、比表面積が1.0
m2 /g以上である。また、このPTFE繊維の平均繊
維径は、通常、50μm以下であり、好ましくは30μ
m以下である。一般に、繊維の比表面積が大きいこと
は、繊維の密度が一定であれば、平均繊維径が小さい微
細な繊維であることを示すが、このPTFE繊維は、繊
維が低密度の多孔質であるため、同様の平均繊維径を有
する従来の繊維と比べ、比表面積が極めて大きいもので
ある。
【0052】つぎに、このPTFE繊維を、前述と同様
にして交絡させることにより、本発明の浄化用フィルタ
ーを作製することができる。
にして交絡させることにより、本発明の浄化用フィルタ
ーを作製することができる。
【0053】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。
する。
【0054】(実施例1)PTFE樹脂粒子(粒径0.
3μm)が固形分として60重量%分散した水性ディス
パージョン中に耐熱性基材としての厚さ0.5mmのス
テンレス箔を浸漬し、引き上げて、ステンレス箔表面に
前記水性ディスパージョンの塗膜を形成した後、これを
風乾し、380℃で90秒間加熱焼成して、厚さ10μ
mのPTFE単体からなるフィルム層を形成した。
3μm)が固形分として60重量%分散した水性ディス
パージョン中に耐熱性基材としての厚さ0.5mmのス
テンレス箔を浸漬し、引き上げて、ステンレス箔表面に
前記水性ディスパージョンの塗膜を形成した後、これを
風乾し、380℃で90秒間加熱焼成して、厚さ10μ
mのPTFE単体からなるフィルム層を形成した。
【0055】次にPTFE樹脂粒子(粒径0.3μm)
が分散した水性ディスパージョン中にアナターゼ型酸化
チタン粉末(粒径0.02μm)をPTFE樹脂粒子に
対して20重量%となるように添加し、さらにゼオライ
ト粉末(粒径1.0μm)をPTFE樹脂粒子に対して
20重量%となるように添加して、PTFE樹脂粒子、
酸化チタン粉末及びゼオライト粉末の総量が水性ディス
パージョンの中の固形分として60重量%となるよう調
整した。
が分散した水性ディスパージョン中にアナターゼ型酸化
チタン粉末(粒径0.02μm)をPTFE樹脂粒子に
対して20重量%となるように添加し、さらにゼオライ
ト粉末(粒径1.0μm)をPTFE樹脂粒子に対して
20重量%となるように添加して、PTFE樹脂粒子、
酸化チタン粉末及びゼオライト粉末の総量が水性ディス
パージョンの中の固形分として60重量%となるよう調
整した。
【0056】次に先のPTFE単体からなるフィルム層
が形成されたステンレス箔を、前記PTFE樹脂粒子、
酸化チタン粉末及びゼオライト粉末が分散した水性ディ
スパージョン中に浸漬し、引き上げて、ステンレス箔の
PTFE単体からなるフィルム層上に前記水性ディスパ
ージョンの塗膜を形成した後、前記と同様の風乾及び加
熱焼成を行って、酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含
有した厚さ8μmのPTFEフィルム層を形成した。そ
して、このPTFE単体からなるフィルム層に酸化チタ
ン粉末とゼオライト粉末を含有したPTFEフィルム層
が積層した積層フィルムをステンレス箔から剥がした。
が形成されたステンレス箔を、前記PTFE樹脂粒子、
酸化チタン粉末及びゼオライト粉末が分散した水性ディ
スパージョン中に浸漬し、引き上げて、ステンレス箔の
PTFE単体からなるフィルム層上に前記水性ディスパ
ージョンの塗膜を形成した後、前記と同様の風乾及び加
熱焼成を行って、酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含
有した厚さ8μmのPTFEフィルム層を形成した。そ
して、このPTFE単体からなるフィルム層に酸化チタ
ン粉末とゼオライト粉末を含有したPTFEフィルム層
が積層した積層フィルムをステンレス箔から剥がした。
【0057】次にこの積層フィルムを380℃に加熱し
て長手方向に4倍延伸し、厚さ0.01mmの延伸フィ
ルムを得た。
て長手方向に4倍延伸し、厚さ0.01mmの延伸フィ
ルムを得た。
【0058】次に前記延伸フィルムを0.5mmの針径
の金属針を備えたブラシで引っ掻いて繊維を得た。この
繊維中の酸化チタン含有量は16重量%であり、その平
均の繊度は2デニール(平均の繊維径で8μm)であっ
た。なお、平均繊維径は、任意の繊維10本の繊維径を
測定しこれを平均した値であり、以下の実施例において
も同様である。
の金属針を備えたブラシで引っ掻いて繊維を得た。この
繊維中の酸化チタン含有量は16重量%であり、その平
均の繊度は2デニール(平均の繊維径で8μm)であっ
た。なお、平均繊維径は、任意の繊維10本の繊維径を
測定しこれを平均した値であり、以下の実施例において
も同様である。
【0059】そして最後に前記得られた繊維をニードル
パンチング機により交絡させて厚さ3mm、目付け量が
400g/m2 、比表面積が0.8m2 /gのフィルタ
ーを作成した。
パンチング機により交絡させて厚さ3mm、目付け量が
400g/m2 、比表面積が0.8m2 /gのフィルタ
ーを作成した。
【0060】このフィルターを用いてアンモニアとアセ
トアルデヒドの分解反応を試験した。
トアルデヒドの分解反応を試験した。
【0061】試験は、内部にフィルターが収容され、被
分解ガス(アンモニア、アセトアルデヒド)が封入され
る透明容器と、容器の外部に配置され密封内に紫外光
(310〜400nm)を照射する光源(ブラックライ
ト)と、容器内に被分解ガス(アンモニア、アセトアル
デヒド)を導入するボンベと、容器内から分解反応後の
ガスを抜き取るためのガスシリンジと、ガスシリンジに
よって抜き取られた分解反応後のガスの濃度を測定する
ガスクロマトグラフィーとを備えた装置で行った。ここ
で光源(ブラックライト)は紫外光(310〜400n
m)を1mW/cm2 の強度で照射する。
分解ガス(アンモニア、アセトアルデヒド)が封入され
る透明容器と、容器の外部に配置され密封内に紫外光
(310〜400nm)を照射する光源(ブラックライ
ト)と、容器内に被分解ガス(アンモニア、アセトアル
デヒド)を導入するボンベと、容器内から分解反応後の
ガスを抜き取るためのガスシリンジと、ガスシリンジに
よって抜き取られた分解反応後のガスの濃度を測定する
ガスクロマトグラフィーとを備えた装置で行った。ここ
で光源(ブラックライト)は紫外光(310〜400n
m)を1mW/cm2 の強度で照射する。
【0062】容器内に厚さ3mm×幅50mm×長さ5
0mmの大きさのフィルター(1g)を収容し、一定量
の被分解ガス(アンモニア,アセトアルデヒド)を容器
内に封入して容器を密閉した後、光源(ブラックライ
ト)からフィルターへ紫外光(310〜400nm)を
照射しながら、一定時間経過毎(30分、60分、12
0分)に容器からガスをガスシリンジで抜き取り、ガス
クロマトグラフィーで濃度を測定した。この結果を表1
に示す。
0mmの大きさのフィルター(1g)を収容し、一定量
の被分解ガス(アンモニア,アセトアルデヒド)を容器
内に封入して容器を密閉した後、光源(ブラックライ
ト)からフィルターへ紫外光(310〜400nm)を
照射しながら、一定時間経過毎(30分、60分、12
0分)に容器からガスをガスシリンジで抜き取り、ガス
クロマトグラフィーで濃度を測定した。この結果を表1
に示す。
【0063】(実施例2)厚さ0.5mmのステンレス
箔を基材として、PTFE樹脂粒子(粒径0.3μm)
が分散した水性ディスパージョン中に酸化チタン粉末
(粒径0.02μm)をPTFE樹脂粒子に対して20
重量%となるように添加し、さらにゼオライト粉末(粒
径1.0μm)をPTFE樹脂粒子に対して20重量%
となるように添加して、PTFE樹脂粒子、酸化チタン
粉末及びゼオライト粉末の総量が水性ディスパージョン
の中の固形分として60重量%となるよう調整した。こ
の溶液に0.5mmのステンレス箔を浸漬し、引き上げ
て、ステンレス箔表面に前記水性ディスパージョンの塗
膜を形成した後、これを風乾し、380℃で90秒間加
熱焼成して、酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含有し
た厚さ8μmのPTFEフィルム層を形成した。
箔を基材として、PTFE樹脂粒子(粒径0.3μm)
が分散した水性ディスパージョン中に酸化チタン粉末
(粒径0.02μm)をPTFE樹脂粒子に対して20
重量%となるように添加し、さらにゼオライト粉末(粒
径1.0μm)をPTFE樹脂粒子に対して20重量%
となるように添加して、PTFE樹脂粒子、酸化チタン
粉末及びゼオライト粉末の総量が水性ディスパージョン
の中の固形分として60重量%となるよう調整した。こ
の溶液に0.5mmのステンレス箔を浸漬し、引き上げ
て、ステンレス箔表面に前記水性ディスパージョンの塗
膜を形成した後、これを風乾し、380℃で90秒間加
熱焼成して、酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含有し
た厚さ8μmのPTFEフィルム層を形成した。
【0064】次にPTFE樹脂粒子(粒径0.3μm)
が固形分として60重量%分散した水性ディスパージョ
ン中に、先の酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含有し
たPTFEフィルム層が形成されたステンレス箔を浸漬
し、引き上げて、前記酸化チタン粉末とゼオライト粉末
を含有したPTFEフィルム層上に前記水性ディスパー
ジョンの塗膜を形成し、これを風乾し、380℃で90
秒間加熱焼成して厚さ10μmのPTFE単体からなる
フィルム層を形成した。
が固形分として60重量%分散した水性ディスパージョ
ン中に、先の酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含有し
たPTFEフィルム層が形成されたステンレス箔を浸漬
し、引き上げて、前記酸化チタン粉末とゼオライト粉末
を含有したPTFEフィルム層上に前記水性ディスパー
ジョンの塗膜を形成し、これを風乾し、380℃で90
秒間加熱焼成して厚さ10μmのPTFE単体からなる
フィルム層を形成した。
【0065】次に最初に用いたPTFE樹脂粒子、酸化
チタン粉末及びゼオライト粉末が分散した水性ディスパ
ージョンを用いて、前記と同様にしてPTFE単体から
なるフィルム層上に酸化チタン粉末とゼオライト粉末を
含有した厚さ8μmのPTFEフィルム層を形成した。
そして、このPTFE単体からなるフィルム層の両面に
酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含有したPTFEフ
ィルム層が形成された積層フィルムをステンレス箔から
剥がした。
チタン粉末及びゼオライト粉末が分散した水性ディスパ
ージョンを用いて、前記と同様にしてPTFE単体から
なるフィルム層上に酸化チタン粉末とゼオライト粉末を
含有した厚さ8μmのPTFEフィルム層を形成した。
そして、このPTFE単体からなるフィルム層の両面に
酸化チタン粉末とゼオライト粉末を含有したPTFEフ
ィルム層が形成された積層フィルムをステンレス箔から
剥がした。
【0066】この積層フィルムを380℃に加熱して、
長さ方向に4倍延伸し、厚さ0.013mmの延伸フィ
ルムを得た。
長さ方向に4倍延伸し、厚さ0.013mmの延伸フィ
ルムを得た。
【0067】この後、この延伸フィルムを前記実施例1
と同様にして解繊し、平均繊維径が8μmの繊維を得
た。なお、この繊維中における酸化チタン含有量は15
重量%であった。
と同様にして解繊し、平均繊維径が8μmの繊維を得
た。なお、この繊維中における酸化チタン含有量は15
重量%であった。
【0068】そして最後に前記得られた繊維をニードル
パンチング機により交絡させて厚さ3mm、目付け量が
410g/m2 、比表面積が0.8m2 /gのフィルタ
ーを作成した。
パンチング機により交絡させて厚さ3mm、目付け量が
410g/m2 、比表面積が0.8m2 /gのフィルタ
ーを作成した。
【0069】このフィルターを用いて実施例1と同様に
してアンモニアとアセトアルデヒドの分解反応を試験し
た。この結果を表1に示す。
してアンモニアとアセトアルデヒドの分解反応を試験し
た。この結果を表1に示す。
【0070】(実施例3)酸化チタン粉末とゼオライト
粉末を含有したPTFEフィルム層の形成時に、用いる
ディスパージョンにおける酸化チタン粉末(粒径0.0
2μm)及びゼオライト粉末(粒径1.0μm)の配合
量をPTFE樹脂粒子に対してそれぞれ10重量%にし
て厚み6μmのフィルム層を形成した以外は実施例1と
同様にして、PTFE単体からなるフィルム層に酸化チ
タン粉末とゼオライト粉末を含有したPTFEフィルム
層が積層した積層フィルムを形成した。そして、実施例
1と同様にして積層フィルムを解繊して、酸化チタン含
有量6重量%、平均繊維径が7μmの繊維を作成し、こ
の繊維をニードルパンチング機により交絡させて厚さ3
mm、目付け量が410g/m2 、比表面積が0.9m
2 /gのフィルターを作成した。このフィルターを用い
て実施例1と同様にしてアンモニアとアセトアルデヒド
の分解反応を試験した。この結果を表1に示す
粉末を含有したPTFEフィルム層の形成時に、用いる
ディスパージョンにおける酸化チタン粉末(粒径0.0
2μm)及びゼオライト粉末(粒径1.0μm)の配合
量をPTFE樹脂粒子に対してそれぞれ10重量%にし
て厚み6μmのフィルム層を形成した以外は実施例1と
同様にして、PTFE単体からなるフィルム層に酸化チ
タン粉末とゼオライト粉末を含有したPTFEフィルム
層が積層した積層フィルムを形成した。そして、実施例
1と同様にして積層フィルムを解繊して、酸化チタン含
有量6重量%、平均繊維径が7μmの繊維を作成し、こ
の繊維をニードルパンチング機により交絡させて厚さ3
mm、目付け量が410g/m2 、比表面積が0.9m
2 /gのフィルターを作成した。このフィルターを用い
て実施例1と同様にしてアンモニアとアセトアルデヒド
の分解反応を試験した。この結果を表1に示す
【0071】(比較例1)PTFE樹脂のモールデング
パウダー(粒径550μm)と、このPTFE樹脂のモ
ールデングパウダーに対して20重量%の酸化チタン粉
末(粒径0.02)及び20重量%のゼオライト粉末
(粒径1.0μm)をミキサーにて30分間混合し、こ
の混合物を金型に投入してプレスにて300kg/cm
2 の圧力で予備成形した。そして、この予備成型物を3
80℃に加温した焼成炉で5時間加熱焼成し、焼成物を
刃物で切削することにより0.1mmの厚みのシートを
得た。
パウダー(粒径550μm)と、このPTFE樹脂のモ
ールデングパウダーに対して20重量%の酸化チタン粉
末(粒径0.02)及び20重量%のゼオライト粉末
(粒径1.0μm)をミキサーにて30分間混合し、こ
の混合物を金型に投入してプレスにて300kg/cm
2 の圧力で予備成形した。そして、この予備成型物を3
80℃に加温した焼成炉で5時間加熱焼成し、焼成物を
刃物で切削することにより0.1mmの厚みのシートを
得た。
【0072】このシートを0.1mm×50mm×90
mmの大きさ(1g)に切断して試料にし、実施例1と
同様のアンモニアとアセトアルデヒドの分解反応試験を
行った。この結果を表1に示す。
mmの大きさ(1g)に切断して試料にし、実施例1と
同様のアンモニアとアセトアルデヒドの分解反応試験を
行った。この結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】表1から分かるように、本発明(実施例1
〜3)のフィルターを用いると、従来(比較例1)のシ
ート状の有害ガス除去材を用いた場合に比べて、有害ガ
スの除去(分解)効率が飛躍的に向上していた。
〜3)のフィルターを用いると、従来(比較例1)のシ
ート状の有害ガス除去材を用いた場合に比べて、有害ガ
スの除去(分解)効率が飛躍的に向上していた。
【0075】(実施例4)乳化重合で得られたPTFE
樹脂(平均粒径:0.2μm)に、酸化チタン(粒径:
0.007μm)を3重量%混合した。この混合体に、
ナフサを24重量%混合撹拌した。この混合体を円筒状
に予備成形し、この予備成形体を押し出し成形して、さ
らに圧延して、0.1mmの厚さのシートを得た。この
圧延シートを280℃に加熱してナフサを蒸発除去し
た。つぎに、この圧延シートを350℃で加熱して焼成
し、焼成後380℃で長手方向に3.5倍延伸した。
樹脂(平均粒径:0.2μm)に、酸化チタン(粒径:
0.007μm)を3重量%混合した。この混合体に、
ナフサを24重量%混合撹拌した。この混合体を円筒状
に予備成形し、この予備成形体を押し出し成形して、さ
らに圧延して、0.1mmの厚さのシートを得た。この
圧延シートを280℃に加熱してナフサを蒸発除去し
た。つぎに、この圧延シートを350℃で加熱して焼成
し、焼成後380℃で長手方向に3.5倍延伸した。
【0076】前記延伸フィルムを、針径0.5mmの針
を多数備えたブラシ様の引っ掻き具で引っ掻いて繊維を
得た。この繊維の平均繊維径は15μmであった。この
繊維を用い、カード機でウエブを形成し、さらにこのウ
エブをウォータージェット機で交絡させ、フィルターを
作成した。このフィルターの目付け量は41g/m2で
あった。
を多数備えたブラシ様の引っ掻き具で引っ掻いて繊維を
得た。この繊維の平均繊維径は15μmであった。この
繊維を用い、カード機でウエブを形成し、さらにこのウ
エブをウォータージェット機で交絡させ、フィルターを
作成した。このフィルターの目付け量は41g/m2で
あった。
【0077】このようにして得られたフィルターについ
て、図1に示す測定装置を用いアセトアルデヒドの分解
反応試験をおこなった。
て、図1に示す測定装置を用いアセトアルデヒドの分解
反応試験をおこなった。
【0078】図示のように、前記測定装置は、密閉透明
容器2と、循環用ポンプ4と、バルブ5と、流量計6と
を備えており、これらは流路7a,7bにより連結され
ており、前記循環用ポンプ4から延びる流路7aの途中
にバルブ5および流量計6がこの順序で取り付けられて
おり、流路7aの先端は密閉透明容器2に導入され、他
方、この密閉透明容器2から流路7bが延びておりその
先端が前記循環用ポンプ4に接続されており、この流路
7bの途中から試料採取用流路7cが分岐している。ま
た、前記密閉透明容器2の正面にはブラックライト3が
配置されている。
容器2と、循環用ポンプ4と、バルブ5と、流量計6と
を備えており、これらは流路7a,7bにより連結され
ており、前記循環用ポンプ4から延びる流路7aの途中
にバルブ5および流量計6がこの順序で取り付けられて
おり、流路7aの先端は密閉透明容器2に導入され、他
方、この密閉透明容器2から流路7bが延びておりその
先端が前記循環用ポンプ4に接続されており、この流路
7bの途中から試料採取用流路7cが分岐している。ま
た、前記密閉透明容器2の正面にはブラックライト3が
配置されている。
【0079】この測定装置を用いたアセトアルデヒドの
分解反応試験は、つぎのようにして行われる。まず、密
閉透明容器2中に、フィルター1を配置する。このフィ
ルター1の試料面積は、25cm2 とする。そして、密
閉透明容器2中に、空気中の初期濃度500ppmとな
るようにアセトアルデヒドを注入し、循環用ポンプ4を
作動させ、空気を循環速度1リットル/分で循環させ
る。この状態で、前記ブラックライト3を点灯し、1m
w/cm2 の強度でフィルター1に照射する。そして、
試料採取用流路7Cから一定時間毎に空気を採取し、ア
セトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーで測定
し、分解割合を算出する。この結果を、下記の表2に示
す。
分解反応試験は、つぎのようにして行われる。まず、密
閉透明容器2中に、フィルター1を配置する。このフィ
ルター1の試料面積は、25cm2 とする。そして、密
閉透明容器2中に、空気中の初期濃度500ppmとな
るようにアセトアルデヒドを注入し、循環用ポンプ4を
作動させ、空気を循環速度1リットル/分で循環させ
る。この状態で、前記ブラックライト3を点灯し、1m
w/cm2 の強度でフィルター1に照射する。そして、
試料採取用流路7Cから一定時間毎に空気を採取し、ア
セトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーで測定
し、分解割合を算出する。この結果を、下記の表2に示
す。
【0080】(実施例5)酸化チタンの配合割合を0.
5重量%とし、フィルターの目付け量を40g/m2 と
した以外は、実施例4と同様にしてフィルターを作製し
た。このフィルターについて、実施例4と同様にしてア
セトアルデヒドの分解試験を行った。その結果を下記の
表2に示す。
5重量%とし、フィルターの目付け量を40g/m2 と
した以外は、実施例4と同様にしてフィルターを作製し
た。このフィルターについて、実施例4と同様にしてア
セトアルデヒドの分解試験を行った。その結果を下記の
表2に示す。
【0081】(実施例6)フッ素樹脂として、四フッ化
エチレン−パーフロロアルコキシエチレン樹脂を用い、
この樹脂中に酸化チタンを3重量%混合分散した。この
混合分散体を、溶融押出機により、温度400℃の加熱
条件下、厚さ0.05mmのフィルムに成形した。この
フィルムを温度250℃にて、長手方向に3倍延伸し
た。この他は、実施例4と同様にし、フィルターを作製
した。なお、フィルターの目付け量は40g/m2 とし
た。このフィルターについて、実施例4と同様にしてア
セトアルデヒドの分解試験を行った。その結果を下記の
表2に示す。
エチレン−パーフロロアルコキシエチレン樹脂を用い、
この樹脂中に酸化チタンを3重量%混合分散した。この
混合分散体を、溶融押出機により、温度400℃の加熱
条件下、厚さ0.05mmのフィルムに成形した。この
フィルムを温度250℃にて、長手方向に3倍延伸し
た。この他は、実施例4と同様にし、フィルターを作製
した。なお、フィルターの目付け量は40g/m2 とし
た。このフィルターについて、実施例4と同様にしてア
セトアルデヒドの分解試験を行った。その結果を下記の
表2に示す。
【0082】(実施例7)比重(SSG)2.154の
PTFE樹脂粉末100重量部に対し、31.6重量部
の流動パラフィンを準備した。この流動パラフィンと
3.1重量部の酸化チタン(粒径:0.007μm)を
混合撹拌し、その後、先のPTFE樹脂粉末100重量
部とを混合撹拌した。前記酸化チタンの含有率は、PT
FE樹脂に対して3重量%である。
PTFE樹脂粉末100重量部に対し、31.6重量部
の流動パラフィンを準備した。この流動パラフィンと
3.1重量部の酸化チタン(粒径:0.007μm)を
混合撹拌し、その後、先のPTFE樹脂粉末100重量
部とを混合撹拌した。前記酸化チタンの含有率は、PT
FE樹脂に対して3重量%である。
【0083】この混合物をペースト押出し、次いでカレ
ンダー加工して厚さ0.1mmの未焼成シートを得た。
このシートから流動パラフィンをトリクロルエチレンに
より抽出し、その後、この未焼成シートを温度120℃
で2分間加熱しながら長手方向に2倍延伸し、未焼成延
伸フィルムを得た。このフィルムは、厚みが0.08m
mであり、平均孔径0.5μmの微孔が多数形成された
多孔質であり、見掛け密度が0.72g/cm3 であっ
た。ついで、この未焼成延伸フィルムを350℃で1分
間焼成し、気孔率が63%、見掛け密度が0.8g/c
m3 の焼成多孔質フィルムを得た。
ンダー加工して厚さ0.1mmの未焼成シートを得た。
このシートから流動パラフィンをトリクロルエチレンに
より抽出し、その後、この未焼成シートを温度120℃
で2分間加熱しながら長手方向に2倍延伸し、未焼成延
伸フィルムを得た。このフィルムは、厚みが0.08m
mであり、平均孔径0.5μmの微孔が多数形成された
多孔質であり、見掛け密度が0.72g/cm3 であっ
た。ついで、この未焼成延伸フィルムを350℃で1分
間焼成し、気孔率が63%、見掛け密度が0.8g/c
m3 の焼成多孔質フィルムを得た。
【0084】この多孔質フィルムを、実施例4と同様に
して解繊して、酸化チタン含有多孔質PTFE繊維を得
た。この繊維の比表面積をベット吸着法により測定した
結果、3.4m2 /gであり、比表面積が極めて大きか
った。そして、この繊維を用い、実施例4と同様にして
フィルターを作成した。このフィルターについて、実施
例4と同様にしてアセトアルデヒドの分解試験を行っ
た。その結果を下記の表2に示す。
して解繊して、酸化チタン含有多孔質PTFE繊維を得
た。この繊維の比表面積をベット吸着法により測定した
結果、3.4m2 /gであり、比表面積が極めて大きか
った。そして、この繊維を用い、実施例4と同様にして
フィルターを作成した。このフィルターについて、実施
例4と同様にしてアセトアルデヒドの分解試験を行っ
た。その結果を下記の表2に示す。
【0085】(比較例2)PTFE樹脂のモールディン
グパウダー(粒径:500μm)に酸化チタン(実施例
4と同じ)を3重量%の割合で配合し、ミキサーにて3
0分間混合した。この混合物を、金型に投入し、プレス
にて300kgf/cm2 の圧力で円筒形状に予備成形
した。この予備成形物を、380℃に加温した焼成炉で
1時間加熱して焼成した。この焼成物を刃物で切削し、
0.1mmの厚さのシートを得た。このシートについ
て、試料面積25cm2 で、実施例4と同様にしてアセ
トアルデヒドの分解試験を行った。その結果を下記の表
2に示す。
グパウダー(粒径:500μm)に酸化チタン(実施例
4と同じ)を3重量%の割合で配合し、ミキサーにて3
0分間混合した。この混合物を、金型に投入し、プレス
にて300kgf/cm2 の圧力で円筒形状に予備成形
した。この予備成形物を、380℃に加温した焼成炉で
1時間加熱して焼成した。この焼成物を刃物で切削し、
0.1mmの厚さのシートを得た。このシートについ
て、試料面積25cm2 で、実施例4と同様にしてアセ
トアルデヒドの分解試験を行った。その結果を下記の表
2に示す。
【0086】(比較例3)実施例4と同様にしてPTF
E樹脂ファインパウダーに酸化チタンを3重量%の割合
で混合した。この混合体に、ナフサを24重量%混合撹
拌した。この混合体を円筒状に予備成形し、この予備成
形体を押し出し成形して、さらに圧延して、0.1mm
の厚さのシートを得た。この圧延シートを280℃に加
熱してナフサを蒸発除去した。さらに、この圧延シート
を350℃に加熱焼成して、0.1mmの厚さの焼成シ
ートを得た。このシートについて、試料面積25cm2
で、実施例4と同様にしてアセトアルデヒドの分解試験
を行った。その結果を下記の表2に示す。
E樹脂ファインパウダーに酸化チタンを3重量%の割合
で混合した。この混合体に、ナフサを24重量%混合撹
拌した。この混合体を円筒状に予備成形し、この予備成
形体を押し出し成形して、さらに圧延して、0.1mm
の厚さのシートを得た。この圧延シートを280℃に加
熱してナフサを蒸発除去した。さらに、この圧延シート
を350℃に加熱焼成して、0.1mmの厚さの焼成シ
ートを得た。このシートについて、試料面積25cm2
で、実施例4と同様にしてアセトアルデヒドの分解試験
を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】前記表2から明らかなように、実施例4〜
7のフィルターは、優れたガス分解能を示した。特に、
繊維の比表面積が大きい実施例7のフィルターはガス分
解能に優れていた。これに対し、比較例2、3のシート
は、ガス分解能に劣っていた。
7のフィルターは、優れたガス分解能を示した。特に、
繊維の比表面積が大きい実施例7のフィルターはガス分
解能に優れていた。これに対し、比較例2、3のシート
は、ガス分解能に劣っていた。
【0089】
【発明の効果】以上のように、本発明の浄化用フィルタ
ーは、波長400nm以下の光の照射により活性化する
光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を交絡させて形成さ
れ、前記光触媒と臭気ガスや有害ガス等との接触面積を
大きくとることができるものである。また、本発明の浄
化用フィルターにおいて、前記フッ素樹脂繊維として多
孔質フッ素樹脂繊維を用いれば、前記接触面積をさらに
大きくすることができる。そして、光触媒とガス吸着剤
とを併用すれば、臭気ガスや有害ガス等の分解効率をさ
らに向上させることができる。このため、本発明の浄化
用フィルターを適用すれば、空気中の臭気ガスや有害ガ
ス等を低濃度であっても効率良く除去することができ、
環境浄化に寄与することができる。また、本発明の浄化
用フィルターの製造方法によれば、前記本発明の浄化用
フィルターを効率よく製造することができる。
ーは、波長400nm以下の光の照射により活性化する
光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を交絡させて形成さ
れ、前記光触媒と臭気ガスや有害ガス等との接触面積を
大きくとることができるものである。また、本発明の浄
化用フィルターにおいて、前記フッ素樹脂繊維として多
孔質フッ素樹脂繊維を用いれば、前記接触面積をさらに
大きくすることができる。そして、光触媒とガス吸着剤
とを併用すれば、臭気ガスや有害ガス等の分解効率をさ
らに向上させることができる。このため、本発明の浄化
用フィルターを適用すれば、空気中の臭気ガスや有害ガ
ス等を低濃度であっても効率良く除去することができ、
環境浄化に寄与することができる。また、本発明の浄化
用フィルターの製造方法によれば、前記本発明の浄化用
フィルターを効率よく製造することができる。
【図1】浄化用フィルターのガス分解機能を測定するた
めの装置の概略を表した概略図である。
めの装置の概略を表した概略図である。
1 浄化用フィルター 2 密閉透明容器 3 ブラックライト 4 循環用ポンプ 5 バルブ 6 流量計 7a,7b 循環用流路 7c 試料採取用流路
Claims (10)
- 【請求項1】 波長400nm以下の光の照射により活
性化する光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を交絡して形
成された浄化用フィルター。 - 【請求項2】 フッ素樹脂繊維の平均繊維径が30μm
以下である請求項1記載の浄化用フィルター。 - 【請求項3】 フッ素樹脂繊維が、ポリテトラフルオロ
エチレン繊維である請求項1または2に記載の浄化用フ
ィルター。 - 【請求項4】 光触媒が、アナターゼ型酸化チタンであ
る請求項1〜3のいずれか一項に記載の浄化用フィルタ
ー。 - 【請求項5】 フッ素樹脂繊維中の光触媒の含有量が
0.1〜60重量%の範囲である請求項1〜4のいずれ
か一項に記載の浄化用フィルター。 - 【請求項6】 フッ素樹脂が、光触媒に加え、ガス吸着
剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の浄化
用フィルター。 - 【請求項7】 ガス吸着剤が、ゼオライトおよび活性炭
の少なくとも一方のガス吸着剤である請求項1〜6のい
ずれか一項に記載の浄化用フィルター。 - 【請求項8】 フッ素樹脂繊維が、多数の微細孔を有
し、密度が1.3g/cm3 で、比表面積が1.0cm
2 /g/以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載
の浄化用フィルター。 - 【請求項9】 第1のフッ素樹脂フィルムと、光触媒を
含有する第2のフッ素樹脂フィルムとを積層し、この積
層フィルムを延伸して前記第2のフッ素樹脂フィルム表
面を多孔質化させ、この延伸された積層フィルムを解繊
して前記光触媒を含有するフッ素樹脂繊維を作製し、こ
のフッ素樹脂繊維を交絡することによりフィルターを形
成する浄化用フィルターの製造方法。 - 【請求項10】 光触媒含有未焼成フッ素樹脂シートを
延伸して多孔質化し、この多孔質シートの多孔質状態を
実質的に維持した状態で前記フッ素樹脂の融点以上の温
度で加熱して焼成して密度1.3g/cm3 以下の焼成
シートを作製し、この焼成シートを解繊して光触媒含有
フッ素樹脂繊維を作製し、この光触媒含有フッ素樹脂繊
維を交絡させてフィルターを形成する浄化用フィルター
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9059647A JPH105545A (ja) | 1996-04-23 | 1997-03-13 | 浄化用フィルターおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8-100999 | 1996-04-23 | ||
| JP10099996 | 1996-04-23 | ||
| JP9059647A JPH105545A (ja) | 1996-04-23 | 1997-03-13 | 浄化用フィルターおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH105545A true JPH105545A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=26400706
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9059647A Pending JPH105545A (ja) | 1996-04-23 | 1997-03-13 | 浄化用フィルターおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH105545A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002078783A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Daikin Ind Ltd | 光触媒フィルタ |
| JP2015157250A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | 日本バイリーン株式会社 | 濾材 |
| EP3311913A1 (en) | 2014-03-27 | 2018-04-25 | Basf Se | Porous films comprising metal-organic framework materials |
| WO2018174137A1 (ja) * | 2017-03-24 | 2018-09-27 | 東レ株式会社 | 濾材およびバグフィルター |
| KR20200077595A (ko) * | 2017-11-17 | 2020-06-30 | 더블유.엘. 고어 앤드 어소시에이트스, 인코포레이티드 | 촉매 혼합 매트릭스 막 층을 갖는 다층 복합체 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP9059647A patent/JPH105545A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002078783A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Daikin Ind Ltd | 光触媒フィルタ |
| JP2015157250A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | 日本バイリーン株式会社 | 濾材 |
| EP3311913A1 (en) | 2014-03-27 | 2018-04-25 | Basf Se | Porous films comprising metal-organic framework materials |
| US10888838B2 (en) | 2014-03-27 | 2021-01-12 | Basf Se | Porous films comprising metal-organic framework materials |
| WO2018174137A1 (ja) * | 2017-03-24 | 2018-09-27 | 東レ株式会社 | 濾材およびバグフィルター |
| KR20200077595A (ko) * | 2017-11-17 | 2020-06-30 | 더블유.엘. 고어 앤드 어소시에이트스, 인코포레이티드 | 촉매 혼합 매트릭스 막 층을 갖는 다층 복합체 |
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