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JPH11160503A - 光学用レンズの製造方法 - Google Patents

光学用レンズの製造方法

Info

Publication number
JPH11160503A
JPH11160503A JP32819097A JP32819097A JPH11160503A JP H11160503 A JPH11160503 A JP H11160503A JP 32819097 A JP32819097 A JP 32819097A JP 32819097 A JP32819097 A JP 32819097A JP H11160503 A JPH11160503 A JP H11160503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical lens
molding
mold
silicone resin
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32819097A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Hiruma
信幸 昼間
Takao Shimizu
隆男 清水
Yoshinari Shizukuda
能成 雫田
Tsutomu Nagasawa
努 長沢
Masahide Takahashi
昌秀 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP32819097A priority Critical patent/JPH11160503A/ja
Publication of JPH11160503A publication Critical patent/JPH11160503A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 良好な光学特性及び高い寸法精度をもち、成
形歪みのない光学用レンズの製造方法を提供する。 【解決手段】 25℃における粘度が20〜300ポイ
ズで硬化前の液体状態における線膨張係数が1×10-6
〜1×10-3/℃であるオルガノポリシロキサン、特に
は下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキ
サンを含有する熱硬化型シリコーン樹脂組成物を、予め
加熱された割型のキャビティー内に流入し、予め加熱さ
れた蓋型を用いて閉じて、加圧下に上記熱硬化型シリコ
ーン樹脂組成物を硬化させる。 Rn(C65)m SiO(4-m-n)/2 (1) [ここで、Rは同種又は異種の置換もしくは非置換の脂
肪族又は脂環式一価炭化水素基で、Rの0.1〜50モ
ル%が脂肪族不飽和炭化水素基であり、m、nは1≦m
+n<2かつ0.05≦m/(m+n)≦0.8を満た
す正数である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、ビデオカ
メラ、ビデオプロジェクター、双眼鏡、ルーペ、複写
機、プリンターなどの各種OA機器及び光学関連機器等
に使用される光学用レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学用レンズの材料は、高透明性、高屈
折性、低分散性、低複屈折性などの基本的な光学特性に
加えて、高純度、高強度、耐候性、耐熱性、耐摩耗性、
低吸水性、寸法精度などの一般的特性を満たすことが要
求される。そして、これらの特性をほぼ満たす光学用レ
ンズの材料として、従来、無機ガラス材料が使用されて
きた。
【0003】近年、OA機器及び光学関連機器等に対す
る、個人ユーザーからの需要が増大し、それに伴って上
記機器の小型化、軽量化、低コスト化、ファッション化
などが強く要望されるようになってきた。これらの要望
に応えるためには、非球面形状といった複雑な形状でも
容易に加工できる加工性や耐衝撃性など、より多くの特
性を備えた材料が必要となった。しかしながら、従来の
光学用レンズの材料である無機ガラス材料は、密度が大
きくて加工性が悪く、また、耐衝撃性に劣るため、非球
面レンズといった複雑な形状のレンズを成形するのは容
易でなかった。すなわち、無機ガラス材料では、上記要
望に十分に応えることは困難であった。
【0004】そこで、無機ガラス材料に替わって樹脂材
料、例えば、PMMA、PC、PS、ジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート(CR−39)、ポリシク
ロヘキシルメタクリレート(PCHMA)、ポリ−4−
メチルペンテン、非晶性脂環型ポリオレフィン、多環ノ
ルボルネン系ポリマーを使用した光学用レンズが開発さ
れ、使用されるようになってきた。これらの樹脂材料
は、密度が無機ガラス材料に比べて小さく、加工性もよ
いため、非球面形状といった複雑な形状にも対応するこ
とができる。その結果、各種OA機器及び光学関連機器
等の光学系部分を簡略な構成にすることができ、これに
より上記機器の小型化や軽量化などが可能となった。
【0005】上述した樹脂材料のうち、熱可塑性樹脂を
原料にして光学用レンズを成形する場合、一般に、射出
成形法又は射出圧縮成形法が用いられる。これらの成形
方法では、ヒケやソリなどができるのを防ぐため、高圧
にして材料を金型内に射出(300kgf/cm2
上)する。しかし、高圧下で金型内に射出した場合に
は、成形歪みが生じやすくなり、その結果、光学特性や
寸法精度の低下を招く。また、成形歪みをできるだけ低
減させるため、成形時の保圧時間やエージング時間を含
めた冷却時間等、成形に十分な時間をかけると、生産効
率が低下し、短サイクルな生産ができない。
【0006】一方、上述の樹脂材料のうち、熱硬化性樹
脂を原料にして光学用レンズを成形する場合では、注型
法を用いれば、低い成形圧力で成形することができ、得
られる光学用レンズには、射出成形法などとは異なり、
高い成形圧力に起因する成形歪みは生じない。しかし、
注型法は、液体材料を注入するだけの成形方法であるの
で、注入後の材料に圧力があまりかからないので、注入
した液体材料の液面が波打って、成形品の形が悪くなっ
たり、成形収縮により金型キャビティーの形状が材料に
対して良好に転写されず寸法精度が低下したり、成形時
間が長くなるため、生産効率が低く、短サイクルな生産
ができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な光学
特性及び高い寸法精度をもち、成形歪みのない高品位の
光学用レンズを、容易に生産することができる光学用レ
ンズの製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、常
温(25℃)における粘度が20〜300ポイズで硬化
前の液体状態における線膨張係数が1×10-6〜1×1
-3/℃であるオルガノポリシロキサン、特には下記平
均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサンを含
有する熱硬化型シリコーン樹脂組成物を、予め加熱され
た割型のキャビティー内に流入し(100kgf/cm
2 以下)、予め加熱された蓋型を用いて閉じて、所定の
圧力下で上記熱硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化させ
ることを特徴とする光学用レンズの製造方法である。 Rn(C65)m SiO(4-m-n)/2 (1) [ここで、Rは同種又は異種の置換もしくは非置換の脂
肪族又は脂環式一価炭化水素基で、Rの0.1〜50モ
ル%が脂肪族不飽和炭化水素基であり、m、nは1≦m
+n<2かつ0.05≦m/(m+n)≦0.8を満た
す正数である。]
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一例について図面
を参照して詳しく説明する。本発明に使用する製造装置
は、図2に例示したように、成形材料流入装置A、成形
用金型開閉装置B、成形用温調装置Cなどから構成され
る。成形材料流入装置Aは、成形材料である熱硬化型シ
リコーン樹脂組成物を成形用金型開閉装置Bの割型1に
供給するための装置であり、供給する方式としては、圧
空方式、チューブポンプ方式、サーボネジ送り機構方式
など、液状材料を供給するための一般的な方式を採用す
ることができる。また、原料の粘度を一定に保つため、
温度調整装置3により、成形材料流入装置Aの成形材料
流入部4を温調するようにしてもよい。
【0010】成形用金型開閉装置Bは、光学用レンズの
形状を賦形するための装置であり、例えば、蓋型2と割
型1からなる成形用金型や割型1を左右に分割開閉する
駆動装置5を備えている。割型1は、その上部に成形材
料流入装置Aから供給される原料を流入するための開口
部6を有する(図3参照)。また、成形後に光学用レン
ズを取り出すために左右2つ又はそれ以上に分割開閉で
きるようにしておくことが望ましい。開口部6の大きさ
は、図3(a)、(b)に例示するように、成形品や成
形用金型の大きさ、成形材料流入装置Aの先端a形状な
どに応じて任意に決めればよい。開口部6の形状は、流
入時に材料中に空気を巻き込まないようにするため、で
きるだけ成形材料流入装置Aを割型1のキャビティー7
に近づけられる形状にするとよい。割型1の上方には、
材料流入後に開口部6を閉じるための蓋型2を設ける。
【0011】割型1を左右に開閉する駆動装置5は、一
般の射出成形機の型締め装置と同様の構成、すなわち油
圧シリンダー式、サーボモーター式などの装置でよい
が、流入された樹脂材料の圧力は、成形加熱時の熱膨張
によって10〜500kgf/cm2 になるので、これ
に対抗できる型締め圧力を、水平方向型締め8を通じて
加えうることが必要である。同様の理由から、開口部6
を閉じる蓋型も、樹脂圧力に対抗できる圧力を、垂直方
向型締め9を通じて加えうるようにする必要がある。
【0012】開口部6から流入する樹脂材料の量は、開
口部6からあふれない範囲で開口部6上面まで最大量流
入することが好ましい。樹脂材料があふれてしまうと、
開口部6の周辺に付着し、徐々に硬化してくるので、こ
れを取り除くための洗浄などの煩雑な操作が必要とな
り、材料の無駄にもなるので、目的とする光学用レンズ
の容量に開口部容量を加えたものと同じにするのがよ
い。なお、成形材料流入装置Aの計量精度が低く、開口
部6からあふれてしまう場合は、あふれ出た分を受ける
樹脂溜10を開口部6周辺の掃除のしやすい位置に設け
てもよい。
【0013】成形用温調装置Cは、蓋型2及び割型1を
温調するための装置であり、熱硬化性樹脂を使用するこ
とから必要となる。成形用温調装置Cの温調機構として
は、棒状や板状の電気ヒーターやオイル温調などの各種
温調機構を利用できるが、光学用レンズの成形といった
温度管理を精密に行う必要のある成形では、オイル温調
機構を用いることが望ましい。
【0014】次に、本発明で使用する成形材料は、25
℃における粘度が20〜300ポイズのものから選ばれ
たオルガノポリシロキサンである。より好ましくは下記
平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサンを
一成分として含有する熱硬化型シリコーン樹脂組成物を
用いる。 Rn(C65)m SiO(4-m-n)/2 (1) [ここで、Rは同種又は異種の置換もしくは非置換の脂
肪族又は脂環式一価炭化水素基で、Rの0.1〜50モ
ル%が脂肪族不飽和炭化水素基であり、m、nは1≦m
+n<2かつ0.05≦m/(m+n)≦0.8を満た
す正数である。]
【0015】上記Rは、好ましくは炭素数1〜20、特
に好ましくは炭素数1〜10の同種又は異種の非置換も
しくは置換の脂肪族又は脂環式一価炭化水素基であり、
このような炭化水素基としてメチル基、エチル基、プロ
ピル基などのアルキル基、シクロアルキル基などの飽和
炭化水素基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテ
ニル基などの不飽和炭化水素基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基などのハロゲン原子置換炭化水素基、ト
リシアノメチル基、シアノエチル基などのシアノ基置換
炭化水素基が例示される。また、Rの0.1〜50モル
%は不飽和炭化水素基であることがよく、好ましくは1
〜20モル%が脂肪族不飽和炭化水素基、より好ましく
はアルケニル基である。不飽和炭化水素基の含有量が
0.1モル%未満であると硬化後に必要な硬度が得られ
にくくなる。一方、不飽和炭化水素基含有量が50モル
%を超えると架橋点が多くなりやすいため、硬化後のシ
リコーン樹脂が脆くなりやすく、光学用レンズとして必
要な強度が保てにくくなる。さらに、m、nは1≦m+
n<2で、フェニル基の含有量は全有機基の5〜80モ
ル%[0.05≦m/(m+n)≦0.8]、特に5〜
50モル%であることが好ましい。フェニル基がこの範
囲内にあると、光学用レンズとしての透明性を特に損な
わず、必要な強度を保持でき、コスト低下に寄与するこ
とができ好ましい。
【0016】本発明において用いられる熱硬化型シリコ
ーン樹脂組成物は、25℃における粘度が20〜300
ポイズのものであり、例えば、(a)上記平均組成式
(1)で示されるオルガノポリシロキサン、(b)室温
で液体のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(c)反応触媒を主成分とするものであり、さらに必要
に応じてシリコーン樹脂組成物の硬化物の硬度や該組成
物の粘度などを調整する成分、(d)室温で液状の生ゴ
ムであって、1分子中に2個以上のアルケニル基を含む
オルガノポリシロキサン、を添加することが好ましい。
【0017】(b)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖
メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイド
ロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジ
メチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサ
ン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両
末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポ
リシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端
トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン
三元共重合体、(CH3 )2HSiO1/2 単位とSiO
4/2 単位とからなる共重合体、(CH3 )3SiO1/2
位と (CH3 )2HSiO1/2 単位とSiO4 単位とから
なる共重合体、(CH3 )2HSiO1/2 単位とSiO
4/2 単位と (C65)3 SiO1/2 単位とからなる三元
共重合体などが挙げられる。
【0018】(b)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの配合量は、(a)成分のオルガノポリシロ
キサン100重量部に対して1〜50重量部、特に5〜
30重量部とすることが好ましい。配合量が1重量部未
満であると、光学用レンズが十分な硬度を得られにくく
なり、50重量部を超えると、光学用レンズが脆くなり
やすく、十分な強度が得られにくくなる。
【0019】(c)成分の触媒としては、白金黒、塩化
第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールと
の反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビ
スアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触
媒などが挙げられる。なお、触媒の配合量は触媒量とす
ればよい。
【0020】(d)成分の1分子中に少なくとも2個の
アルケニル基を含有する室温で液状又は生ゴム状のオル
ガノポリシロキサンとしては、両末端ジメチルビニルシ
リル基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビ
ニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルビニ
ルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシリル基
封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルシロキサン・
メチルビニルシロキサン三元共重合体、両末端メチルフ
ェニルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジ
フェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン三元共重
合体、両末端ジメチルビニルシリル基封鎖メチル(3,
3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンなどが
挙げられる。この(d)成分のオルガノポリシロキサン
の配合量は(a)成分のオルガノポリシロキサン100
重量部に対して100重量部以下、特に光学用レンズと
しての強度を阻害しないようにするためには50重量部
以下とすることが好ましい。
【0021】さらに、上記成分以外に組成物の流動性を
調節したり、光学用レンズとしての機械的強度を向上さ
せるために、組成物の透明性を妨げない範囲内で充填剤
を配合してもよいし、必要に応じて耐熱剤、難燃剤、可
塑剤などを配合してもよい。充填剤としては、沈殿シリ
カ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、ヒュームド酸化チ
タンなどの補強性充填剤が挙げられる。これらの充填剤
はそのまま用いてもよいが、ヘキサメチルジシラザン、
トリメチルクロロシラン、ポリメチルシロキサンなどの
有機ケイ素化合物で表面処理したものを用いるのが透明
性向上の観点からよい。なお、上記シリコーン樹脂組成
物は、その硬化物のJIS−A硬度が85以上、特に9
0以上であることが光学用レンズとして好ましい。
【0022】上記熱硬化型シリコーン樹脂組成物の粘度
(JIS法)は、25℃において20〜300ポイズの
範囲となるよう調整される。20ポイズより低い粘度で
あると、割型1内で硬化反応が終了する前に蓋型2同士
間および/又は割型1間の接触面に材料が入り込み、バ
リを生じやすい。接触面、特に割型1同士間にバリが生
じると、光学用レンズのバリ取りや成形用金型の掃除と
いった後処理が必要となりやすく、成形サイクルの低下
を招いてしまう。また、接触面にバリを生じないように
成形用金型の接触面を高精度に仕上げることもできる。
一方、300ポイズよりも高い粘度であると、成形材料
の流入に時間がかかり、初めに流入した部分と最後に流
入した部分に大きな差が生じてしまい、光学用レンズの
内部に歪みが生じる。また、流入時に空気を巻き込みや
すくなる点からも好ましくない。
【0023】次に、本発明により、光学用レンズを製造
するには、以下のようにして行う(図1参照)。まず、
予め蓋型2及び割型1を、オイル温調配管11、11´
などを通じて100〜180℃の範囲から選ばれた任意
の温度に温調しておく。ここで、割型1の左右開閉部1
2は、水平方向型締めにより所定の圧力で閉じておき、
蓋型2は割型1の開口部6をふさがないように、割型1
の上方に待機させておく。そして、成形材料流入装置を
用いて、材料を割型1の開口部6から光学用レンズに対
応したキャビティー7内に流入する(図1(a)参
照)。材料のキャビティー7内への流入は100kgf
/cm2 以下の圧力で行うことができる。このとき、流
入する材料中に空気を巻き込むと、シリコーン樹脂組成
物が硬化したときに、この空気が泡となって光学用レン
ズの中に残ってしまうので、成形材料流入装置の成形材
料流入部を、できるだけキャビティー7の中のシリコー
ン樹脂組成物の液面に近づけて流入する。必要に応じて
徐々に成形材料流入部を液面の上昇につれて上昇させる
などの方策を採ってもよい。また、流入量を正確にする
ため、予め材料を20〜60℃の範囲から選ばれた適当
な温度に調節しておくとよい。材料の流入は、キャビテ
ィー7と割型1の開口部6がシリコーン樹脂組成物でち
ょうど満たされたところで終了する。
【0024】キャビティー7及び開口部6を材料で満た
したところで、すぐに蓋型2を下降させて、割型1の開
口部6を閉じて成形する(図1(b)参照)。割型1中
の材料を所定の温度に徐々に上昇させる。本発明で使用
する成形材料は、硬化前の液体状態において、1×10
-6〜1×10-3/℃の線膨張係数を持つので、温度が上
昇するにつれ、この割合で体積が膨張する。蓋型2によ
って開口部6は閉じられているので、材料の体積膨張に
よって材料の圧力が上昇し、液体状態の材料は割型1の
キャビティー7に対して十分な圧力で密着する。この状
態で、材料は硬化反応を開始し、反応固化する。
【0025】以上の工程により、高精度なレンズ面13
を持つ光学用レンズ14が得られる。キャビティー7内
の圧力は、材料自身の熱膨張によって発生しているの
で、材料流入量を変えることによって、発生圧力を変化
させることが可能である。例えば、流入する液体材料が
所定の温度において3%膨張するものであれば、割型1
の開口部6を完全に材料で満たさずに膨張分の体積分の
空隙を残して蓋型2で閉じれば、材料が熱で膨張した時
点で、割型1の内部空間体積と同一となり、材料の圧力
はほぼ0となる。それに対し、材料の膨張分を差し引い
た量以上の容量分の材料で割型1を満たしてから、蓋型
2で開口部6を閉じれば、熱で材料の体積が膨張して圧
力が加わることになる。このとき、流入時点で割型1内
に残っていた少量の空気は、通常は材料の膨張とともに
割型1と蓋型2の隙間から排気されるが、必要に応じて
微細なエアーベント溝を割型1の開口部6に設けたり、
減圧操作を行ってもよい。また、割型1の開口部6を材
料で完全に満たした状態で蓋型2を閉じれば、材料の膨
張分がほぼ全て内部圧力に寄与し、内部圧力は100k
gf/cm2 以上にもなる。硬化反応が始まれば、いわ
ゆる反応収縮が起こって圧力は若干減少するが、一時的
に高圧となり、この高圧下に硬化が始まるので、キャビ
ティー7の形状が材料に対して十分に転写されるので、
キャビティー内面を鏡面仕上(サブミクロン単位以下)
にしておけば、高精度な光学用レンズ14が得られる。
そして、硬化反応に必要な所定の時間、割型、蓋型を保
持した後、蓋型2及び割型1の左右開閉部12を移動さ
せて光学用レンズを取り出せばよい(図1(c)参
照)。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0027】(実施例1)真空撹拌により脱泡した常温
(25℃)における粘度が80ポイズで線膨張係数が
2.3×10-4/℃である成形用シリコーン樹脂材料
(信越化学工業社製商品、なお、段落[0014]の式
(1)においてRはメチル基、m=0.8、n=0.6
のもの)を流入用ノズルを通じて、型締め力100kg
/cm2 で型締めされ150℃に温調された光学用レン
ズ成形用割型に流入を開始し、該割型上部に設けた開口
部を完全に満たすように上面まで流入した。その後、蓋
型で開口部を型締め力50kg/cm2 の力で閉じて、
所定の硬化時間である5分間放置した。この後、金型を
開き光学用レンズを取り出した。そして、この光学用レ
ンズについて、複屈折率、光線透過率を測定した。ま
た、割型内に樹脂圧測定用センサーを埋め込んでおき到
達樹脂圧を測定した。結果を表1に示した。
【0028】(実施例2)実施例1において、光学レン
ズ成形用蓋型及び割型を170℃に温調し、粘度250
ポイズのものを用いた以外は、実施例1と同様の条件、
方法で光学用レンズを得、同様の測定を行った。結果を
表1に示した。
【0029】(実施例3)実施例1において、オイル循
環方式により40℃に流入装置の流入用ノズルを温調し
たことと、光学レンズ成形用蓋型及び割型を170℃に
温調した以外は、実施例1と同様の条件、方法で光学用
レンズを得、同様の測定を行った。結果を表1に示し
た。
【0030】(比較例1)光学用PMMA樹脂、アクリ
ペット(三菱レイヨン社製、商品名)を用いて、実施例
1と同様の光学用レンズを、射出成形法により成形し
た。成形用金型の型締め力は、およそ590kg/cm
2 であった。測定項目及び測定方法は、実施例1と同様
であり、結果を表1に示した。
【0031】(比較例2)光学用PC樹脂、ユーピロン
(三菱ガス化学社製、商品名)を用いて、実施例1と同
様の光学用レンズを、射出成形法(400kg/cm2
の射出圧力)により成形した。成形用金型の型締め力
は、およそ590kg/cm2 であった。測定項目及び
測定方法は、実施例1と同様であり、結果を表1に示し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な装置で成形に必
要な樹脂圧力が得られ、材料の流動による成形歪みがほ
とんど発生しないため、金型精度に等しい精密な形状を
もち、光学特性に優れた光学用レンズを高効率で生産す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程概略図であり、(a)は材料流
入、(b)は成形、(c)は離型の各工程を示す。
【図2】本発明で使用する製造装置の側面概略図であ
る。
【図3】成形用金型の各種形態を例示した説明図であ
る。
【符号の説明】
1 割型 11、11´ オイ
ル温調配管 2 蓋型 12 左右開閉部 3 温度調整装置 13 レンズ面 4 成形材料流入部 14 光学用レンズ 5 駆動装置 6 開口部 7 キャビティー 8 水平方向型締め 9 垂直方向型締め 10 樹脂溜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沢 努 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地1 信 越ポリマー株式会社東京工場内 (72)発明者 高橋 昌秀 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地1 信 越ポリマー株式会社工学技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃における粘度が20〜300ポイ
    ズで硬化前の液体状態における線膨張係数が1×10-6
    〜1×10-3/℃であるオルガノポリシロキサンを含有
    する熱硬化型シリコーン樹脂組成物を、予め加熱された
    割型のキャビティー内に流入し、予め加熱された蓋型を
    用いて閉じて、加圧下に上記熱硬化型シリコーン樹脂組
    成物を硬化させることを特徴とする光学用レンズの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化型シリコーン樹脂組成物が、下記
    平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサンを
    含むものである請求項1記載の光学用レンズの製造方
    法。 Rn(C65)m SiO(4-m-n)/2 (1) [ここで、Rは同種又は異種の置換もしくは非置換の脂
    肪族又は脂環式一価炭化水素基で、Rの0.1〜50モ
    ル%が脂肪族不飽和炭化水素基であり、m、nは1≦m
    +n<2かつ0.05≦m/(m+n)≦0.8を満た
    す正数である。]
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