[go: up one dir, main page]

JPH11246657A - 共重合ポリエステルの製造法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造法

Info

Publication number
JPH11246657A
JPH11246657A JP5313698A JP5313698A JPH11246657A JP H11246657 A JPH11246657 A JP H11246657A JP 5313698 A JP5313698 A JP 5313698A JP 5313698 A JP5313698 A JP 5313698A JP H11246657 A JPH11246657 A JP H11246657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
acid component
compound
molecular weight
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5313698A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
Takao Okochi
隆雄 大河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP5313698A priority Critical patent/JPH11246657A/ja
Publication of JPH11246657A publication Critical patent/JPH11246657A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性、色調、透明性、耐熱性等に
優れた高分子量の共重合ポリエステルを製造する方法を
提供する。 【解決手段】 エチレンイソフタレート単位とエチレン
テレフタレート単位とのモル比が95/5〜50/50
のランダム共重合ポリエステルを製造するに際し、数平
均分子量が2000以下のオリゴマーに、リン酸又はそ
のエステルを酸成分1モルに対して1×10-4〜200
×10-4モルとなる量、及び3官能以上の多官能基を有
する化合物を酸成分1モルに対して1×10-3〜1×1
-2モルとなる量で添加して0.5時間以上エステル化
反応を行った後、重縮合触媒としてアンチモン化合物及
びコバルト化合物を特定量添加し、数平均分子量が10
000以上となるまで重縮合反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性、
色調、透明性、耐熱性等に優れた高分子量の共重合ポリ
エステルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れてお
り、また軽量で安価であるために、各種のフィルム、シ
ート及び容器等の包装材料として広く用いられている。
【0003】しかしながら、PETは、ポリオレフィン
等の他の熱可塑性樹脂に比べればガスバリヤー性に優れ
ているものの、用途によってはガスバリヤー性が不十分
であった。例えば、炭酸飲料、ワイン等の飲食用容器あ
るいは医療用容器等においては、内容物を保存するとい
う観点から特に厳しいガスバリヤー性が要求されるが、
PETからなる容器ではこの要求を十分満足させること
ができなかった。
【0004】ガスバリヤー性の改善されたポリエステル
容器として、特開昭59-64624号公報には、ポリエチレン
イソフタレートもしくはポリ(エチレンイソフタレート
/エチレンテレフタレート)のような共重合ポリエステ
ルからなるものが開示されている。これらのうちポリエ
チレンイソフタレートは、高融点の環状オリゴマーを含
んでいるため、これが成形品に異物として混入するとい
う問題があり、容器用としては共重合ポリエステルの方
が好ましい。
【0005】ポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)系共重合ポリエステル(以下「PEI
T」という。)は、古くから知られている(例えば、特
公昭34-3238 号公報) が、重縮合触媒としてアンチモン
化合物を用いた場合には、PETに比べて反応速度が遅
いため重縮合時間を長くすることが必要となり、熱分解
反応が進行することで、PEITの色調や透明性が悪化
するという問題があった。また、重縮合触媒としてゲル
マニウム化合物を用いた場合には、色調や透明性のよい
PEITを得ることができるが高価になってしまうとい
う問題があった。
【0006】さらに、PEITを製造する際には、いず
れの重縮合触媒を用いても、重縮合反応時に環状オリゴ
マーが昇華物となって多量に発生し、反応缶の内壁等に
付着し、減圧系を閉塞させて減圧不良になったり、これ
が成形品に異物として混入するという問題があった。
【0007】一方、上記した問題点を解消するものとし
て、特公昭63-40444号公報には、グリコール成分として
特定量の1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを
共重合したPEI系共重合ポリエステルが提案されてい
る。しかし、これらのPEI系共重合ポリエステルは、
高価なため幅広く使用するには限界があった。
【0008】他方、3官能以上の多官能基を有する化合
物をポリエステルに共重合する方法は従来より多用され
ており、例えば、溶融成形時のドローダウン対策とし
て、低せん断速度で高粘度のポリエステルを得るために
利用されたり(特開平8-208818号公報、同9-136945号公
報)、粉体塗料用ポリエステルを製造する際に利用され
ている。しかし、上記した色調の改善や環状オリゴマー
の低減化等を目的として用いられることはなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガスバリヤ
ー性、色調、透明性、耐熱性等に優れた高分子量の共重
合ポリエステルを製造する方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。 (1) 数平均分子量が2000以下のポリエチレンテレフタレ
ートオリゴマーに、イソフタル酸とエチレングリコール
とをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が
95/5〜50/50 となる量、リン酸又はそのエステルを酸成
分1モルに対して1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量、
及び3官能以上の多官能基を有する化合物を酸成分1モ
ルに対して1×10-3〜1×10-2モルとなる量で添加し、
0.5 時間以上エステル化反応を行った後、重縮合触媒と
してアンチモン化合物及びコバルト化合物を下記式〜
を満足する量で添加し、数平均分子量が 10000以上と
なるまで重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリ
エステルの製造法。 3×10-4≦〔 Sb 〕≦12×10-4 1×10-4≦〔 Co 〕≦4×10-4 〔P〕/〔 Sb 〕≧0.5 〔P〕/〔 Co 〕≧1 ここで、〔 Sb 〕、〔 Co 〕及び〔P〕は、それぞれア
ンチモン化合物、コバルト化合物及びリン酸又はそのエ
ステルの添加量を表し、単位は「×10-4モル/酸成分モ
ル」である。 (2) 数平均分子量が2000以下で、イソフタル酸成分とテ
レフタル酸成分とのモル比が95/5〜50/50 であるポリ
(エチレンイソフタレート/エチレンテレフタレート)
共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエステルを酸成分
1モルに対して1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量、及
び3官能以上の多官能基を有する化合物を酸成分1モル
に対して1×10-3〜1×10-2モルとなる量で添加し、0.
5 時間以上エステル化反応を行った後、重縮合触媒とし
てアンチモン化合物及びコバルト化合物を前記式〜
を満足する量で添加し、数平均分子量が 10000以上とな
るまで重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエ
ステルの製造法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明における共重合ポリエステルは、エ
チレンイソフタレート単位とエチレンテレフタレート単
位とのモル比が95/5〜50/50 で、リン酸成分がポリエス
テルを構成する酸成分1モルに対して1×10-4〜200 ×
10-4モル、及び3官能以上の多官能基を有する成分がポ
リエステルを構成する酸成分1モルに対して1×10-3
1×10-2モルの割合で共重合されたポリエステルであ
る。エチレンイソフタレート単位の割合が多すぎると、
重縮合反応時に環状オリゴマーが多量に発生し、操業性
が悪化したり、成形物中の異物量が多くなったりすると
ともに、PETとブレンドして成形物とする場合、PE
Tとの相溶性が悪くなる。一方、エチレンイソフタレー
ト単位の割合が少なすぎると、ガスバリヤー性が低下す
る。
【0013】なお、共重合ポリエステルには、その特性
を損なわない範囲で、他の共重合成分を含有させること
ができる。共重合成分の具体例としては、フタル酸、2,
6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸、4,4'- ビフェニルジカルボン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、1,5-ペンタメチレングリコール、1,6-ヘキサ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド
付加体等が挙げられる。
【0014】次に、本発明の共重合ポリエステルの製造
法について説明する。第一の方法においては、まず初め
に、テレフタル酸とエチレングリコールとを常法によっ
てエステル化して数平均分子量が2000以下のポリエチレ
ンテレフタレートオリゴマー(以下「PETオリゴマ
ー」という。)を得る。次いで、このPETオリゴマー
に、イソフタル酸とエチレングリコールとをイソフタル
酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜50/50 と
なる量、リン酸又はそのエステルを酸成分1モルに対し
て1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量、及び3官能以上
の多官能基を有する化合物を酸成分1モルに対して1×
10-3〜1×10-2モルとなる量で添加し、常圧〜微加圧
下、温度 200〜250 ℃で副生する水を系外に除去しつ
つ、1時間以上エステル化反応を行う。PETオリゴマ
ーに添加するイソフタル酸とエチレングリコールとの割
合は、モル比で 1/1.2〜1/3.5 程度とするのが適当であ
る。そしてこれらは別々に添加してもよいが、両者のス
ラリー又は両者が一部反応した溶液の形で添加するの
が、操作上望ましい。
【0015】第二の方法においては、まず初めに、イソ
フタル酸、テレフタル酸及びエチレングリコールを常法
によってエステル化して数平均分子量が2000以下で、イ
ソフタル酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜
50/50 であるポリ(エチレンイソフタレート/エチレン
テレフタレート)オリゴマー(以下「PEITオリゴマ
ー」という。)を得る。次いで、このPEITオリゴマ
ーに、リン酸又はそのエステルを酸成分1モルに対して
1×10-4〜200 ×10-4モルとなる量、及び3官能以上の
多官能基を有する化合物を酸成分1モルに対して1×10
-3〜1×10-2モルとなる量で添加し、第一の方法と同様
な条件で、0.5 時間以上エステル化反応を行う。
【0016】本発明におけるリン酸又はそのエステルと
しては、リン酸や、リン酸(モノ、、ジ、トリ)アルキ
ルエステル、リン酸(モノ、ジ、トリ)アルキルエステ
ルアリールエステル、リン酸(モノ、ジ、トリ)ヒドロ
キシアルキルエステルが用いられ、具体的には、リン酸
トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、
リン酸トリス−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0017】また、3官能以上の多官能基を有する化合
物としては、トリメシン酸、トリメリット酸、1,2,3-ベ
ンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,4,5,8-ナフ
タレンテトラカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸、1,
3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族ポリカル
ボン酸、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン等の芳香族ポリ
オール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,3,5-シクロヘ
キサントリオール等の脂環族ポリオール、酒石酸やリン
ゴ酸等の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸等が挙げられ
る。
【0018】リン酸又はそのエステル、及び3官能以上
の多官能基を有する化合物を添加する際のPETオリゴ
マーもしくはPEITオリゴマーは、数平均分子量が20
00以下のものであることが必要である。これよりも高分
子量のオリゴマーを用いると、末端カルボキシル基量が
少なく、リン酸又はそのエステルとの反応が十分進行し
ないため、リン酸又はそのエステルが系外に飛散してし
まい、好ましくない。
【0019】また、添加後のエステル化反応時間は 0.5
時間以上とすることが必要である。この反応時間が 0.5
時間未満であると、PETオリゴマーもしくはPEIT
オリゴマーと、リン酸又はそのエステルとの反応が不十
分となったり、共重合ポリエステル中に3官能以上の多
官能基を有する化合物が十分に導入されなくなる。しか
し、この時間をあまり長くすると、反応物の色調が悪化
するため、好ましくなく、9時間以下とするのが望まし
い。
【0020】リン酸又はそのエステルの添加量は、酸成
分1モルに対して1×10-4〜 200×10-4モル、好ましく
は5×10-4〜 100×10-4モルとすることが必要である。
この添加量が1×10-4モル未満では、透明性及び色調改
良効果が不十分となり、逆に200×10-4モルを超える
と、共重合ポリエステルがゲル化して成形に供すること
ができなくなる。
【0021】また、3官能以上の多官能基を有する化合
物の添加量は、酸成分1モルに対して1×10-3〜1×10
-2モルとすることが必要である。この添加量が1×10-3
モル未満では、透明性及び色調改良効果が不十分となる
ばかりか、重縮合反応時に環状オリゴマーが多量に発生
し、これが成形品に異物として混入する。一方、この添
加量が1×10-2モルを超えると、共重合ポリエステルが
ゲル化して成形に供することができなくなる。
【0022】上記エステル化反応後、重縮合触媒として
アンチモン化合物及びコバルト化合物を前記式〜を
満足する量で添加し、数平均分子量が 10000以上となる
まで重縮合反応を行う。
【0023】アンチモン化合物としては、三酸化アンチ
モン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン等、コバルト化
合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸
コバルト等が用いられるが、重縮合触媒活性、得られる
共重合ポリエステルの物性及びコストの点から、三酸化
アンチモン及び酢酸コバルトが好ましい。
【0024】アンチモン化合物の添加量は、式を満足
する量とすることが必要である。この添加量が少ない
と、重縮合触媒活性が不十分で、高分子量の共重合ポリ
エステルを得ることが困難である。一方、この量が多す
ぎると、重縮合触媒活性が飽和するばかりか、色調が悪
化する。
【0025】アンチモン化合物は、重縮合触媒活性が高
く、高分子量の共重合ポリエステルとすることができる
が、色調を悪化させるという問題がある。
【0026】そこで、コバルト化合物を添加すること
で、アンチモン化合物の重縮合触媒活性を増強するとと
もに、色調改良効果を発現させる。しかし、コバルト化
合物には、重縮合反応後期で熱分解を促進する作用もあ
るので、あまり多量に添加すると高分子量の共重合ポリ
エステルが得られなくなる。これらの観点から、コバル
ト化合物の添加量は、式の範囲とすることが必要であ
る。
【0027】しかし、アンチモン化合物及びコバルト化
合物の添加量が式及びを満足するだけでは、透明性
及び色調が良好な高分子量の共重合ポリエステルを得る
には不十分であり、式及びを併せて満足させること
が必要である。すなわち、リン酸又はそのエステルは、
アンチモン化合物による共重合ポリエステルの色調の悪
化を抑制し、コバルト化合物による共重合ポリエステル
の熱分解作用を抑制する効果を奏するものであり、この
作用を十分発揮させるためには、式及びを満足させ
ることが必要である。
【0028】重縮合反応は、通常、0.9hPa程度の圧力下
で、温度 270〜285 ℃で行うことが好ましい。重縮合温
度が低いと重縮合反応に長時間を要し、一方、重縮合温
度が高すぎると、熱分解反応が起こり、色調が悪化す
る。
【0029】また、重縮合反応は、数平均分子量 10000
以上の共重合ポリエステルが得られるまで行うことが必
要である。数平均分子量が小さいと、成形品として十分
な強度が得られず、耐衝撃性等の機械的強度が低下す
る。
【0030】なお、共重合ポリエステルには、必要に応
じて、滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加
剤を含有させることができる。
【0031】本発明の方法により得られた共重合ポリエ
ステルは、種々の成形方法により各種成形体にすること
ができ、単独で用いることもできるし、PET等と混合
して用いることもできる。
【0032】
【作用】本発明の方法により、重縮合反応時に環状オリ
ゴマーの発生が抑制され理由は明らかではないが、エス
テル化反応時にリン酸又はそのエステルと3官能以上の
多官能基を有する化合物とを添加することにより、PE
TオリゴマーもしくはPEITオリゴマーの中に、リン
酸又はそのエステルと3官能以上の多官能基を有する化
合物とがランダムに共重合され、ほどよく3次元化され
るためと推定される。また、本発明の方法により、透明
性及び色調の良好な共重合ポリエステルが得られるの
は、重縮合触媒活性が高く、高分子量の共重合ポリエス
テルとすることができるというアンチモン化合物の特性
が活かされ、色調が悪化しやすいという欠点が、リン酸
又はそのエステル、3官能以上の多官能基を有する化合
物及びコバルト化合物の併用によって補われるためと推
定される。すなわち、アンチモン化合物とコバルト化合
物とを併用することにより、重縮合反応速度が大きくな
るとともに、アンチモン化合物による共重合ポリエステ
ルの色調の悪化が、コバルト化合物による色調改良効果
で補われる。さらに、リン酸又はそのエステルと3官能
以上の多官能基を有する化合物は、アンチモン化合物及
びコバルト化合物を安定化する作用を有し、コバルト化
合物の熱分解促進作用を抑制するものと推定される。
【0033】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値等の測定及び評価方法は次の通りで
ある。 (a) 数平均分子量 Waters社製ゲル浸透クロマトグラフにより、ヘキサフル
オロイソプロパノールとクロロホルムとの重量比5/95
の混合物を溶媒として分子量分布曲線を求め、数平均分
子量を算出した。 (b) 共重合割合 共重合ポリエステルを、重水素化ヘキサフルオロイソプ
ロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1/25の
混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置
にて 1HNMRを測定し、得られたチャートの各共重合
成分のプロトンピークの積分強度から、共重合割合を求
めた。 (c) 色調 日本電色工業社製の色差計ND−Σ80型を用いて測定し
た。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。
L値は明度(値が大きいほど明るい)、a値は赤−緑系
の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系の色相
(+は黄味、−は青味)を表す。色調としてはL値が大
きいほど、a値が0に近いほど、またb値は極端に小さ
くならない限り小さいほど良好である(L値30以上、b
値 2.5以下が合格)。 (d)透明性 溶融重縮合直後の共重合ポリエステルを、アクリル樹脂
に酸化チタンを3段階の濃度(0、0.5 、1ppm )で分
散した標準サンプルを用いて、目視で濁り度合いを比較
することにより透明性を評価した。濁り度合いが、0.5p
pm以下のものを良好(○)、0.5ppmより大きく1ppm 以
下のものをやや不良(△)、1ppm より大きいものを不
良(×)とした。 (e) 酸素透過量(ガスバリヤー性) 100 μm の厚さに成形したフィルムの切片について、MO
CON 社製OX-TRAN 100Aを用いて、23℃、60%RH、1気
圧条件下における酸素の透過した体積から求めた。(単
位は、「ml/m2・24hrs ・atm 」) この値が小さいほどガスバリヤー性が良好である(22以
下が合格)。 (f) チップ中の異物混入 チップを目視で観察して、環状オリゴマーに由来する白
色の異物の有無で評価した(「なし」が合格)。 (g) ボトルの耐熱性 延伸ブロー成形により得たボトルに、70℃の熱水を満た
し、30分間放置後の体積変化の有無を目視で調べた。 ○:体積変化なし(合格)。 ×:体積変化あり(不合格)。 (h) ボトルの強度(耐衝撃性) 延伸ブロー成形により得たボトルを、底部を下にして、
温度5℃で、高さ3mの位置からコンクリート板に落下
させて、亀裂、へこみの発生の有無を調べた。 ○:亀裂、へこみの発生なし(合格)。 ×:亀裂、へこみの発生あり(不合格)。
【0034】実施例1 〔共重合ポリエステルの製造〕ビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレート及びその低重合体の存在するエス
テル化反応缶に、テレフタル酸とエチレングリコールと
のモル比 1/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度 250
℃、圧力50hPaGの条件で反応させ、滞留時間8時間とし
てエステル化反応率95%、数平均分子量1400のPETオ
リゴマー(A) を連続的に得た。別のエステル化反応缶
に、PETオリゴマー(A) 8kgと、イソフタル酸26.6kg
とエチレングリコール19.9kgとからなるスラリー(イソ
フタル酸/エチレングリコールのモル比 1/2)を仕込
み、濃度3重量%のリン酸トリエチルのエチレングリコ
ール溶液を、酸成分1モルに対してリン酸トリエチルが
20×10-4モルとなる量と、トリメリット酸210g(ポリエ
ステルを構成する酸成分1モルに対して 0.5×10-2モル
に相当する量)とを添加した後、常圧下、温度 200℃で
3時間エステル化反応を行った。得られたエステル化反
応物を重縮合反応缶に投入し、酸成分1モルに対して、
三酸化アンチモン5×10-4モル及び酢酸コバルト3×10
-4モルを加え、徐々に減圧にして、最終的に0.9hPa、温
度 280℃で3時間重縮合反応を行った。得られた共重合
ポリエステルは、イソフタル酸(IPA)の共重合割合
79.2モル%、数平均分子量 14600であった。 〔PETの製造〕PETオリゴマー(A) 60Kgと、酸成分
1モルに対し二酸化ゲルマニウム 2.5×10-4モルとを加
え、重縮合反応缶中で減圧にして、最終的に圧力0.9hP
a、温度 280℃で重縮合反応を行い、数平均分子量 1650
0のPETプレポリマーを得た。このPETプレポリマ
ーを、回転式固相重合装置に仕込み、70℃で2時間予備
乾燥し、続いて 130℃で4時間乾燥した後、温度 220
℃、圧力0.9hPaで、10時間固相重合を行い、数平均分子
量 21000のPETを得た。 〔フィルムの作製〕上記の共重合ポリエステル30重量部
とPET70重量部とからなる組成物を、溶融押し出し機
を用いて、温度 285℃でTダイから溶融押し出しし、急
冷固化して、平均厚さ 100μm のフィルムを作製した。 〔ボトルの作製〕フィルムと同じ組成物を用い、シリン
ダー各部及びノズルの温度 280℃、スクリュー回転数10
0rpm、射出時間8秒、冷却時間10秒、金型温度20℃に設
定した射出成形機(日精エーエスビー社製、ASB-50HT
型)でプレフォームを成形した。次いで、このプレフォ
ームを 110℃の雰囲気下、ブロー圧力2MPa で延伸ブロ
ー成形し、胴部平均肉圧 250μm 、内容積1Lのボトル
とし、引き続いて 160℃に設定した金型内で圧縮緊張
化、10秒間ヒートセットしてボトルを作製した。
【0035】実施例2〜7及び比較例1〜7 共重合ポリエステルの製造条件等を表1のように変更
し、実施例1と同様に実施した。ただし、実施例6で
は、リン酸トリエチルの代わりにリン酸を用い、トリメ
リット酸の代わりにピロメリット酸を用いた。実施例7
では、リン酸トリエチルの代わりにリン酸を用いた。比
較例6及び比較例7では、リン酸トリエチルとトリメリ
ット酸添加後のエステル化反応時間を 0.3時間とした。
【0036】実施例8 イソフタル酸、テレフタル酸及びエチレングリコール
(仕込みモル比:19.8/80.2/100 )のエステル化反応
で得られた数平均分子量が1500のPEITオリゴマー4
0.2kgをエステル化反応缶に仕込み、濃度3重量%のリ
ン酸トリエチルのエチレングリコール溶液を、酸成分1
モルに対してリン酸トリエチルが10×10-4モルとなる量
と、トリメチロールプロパン 26.8g(ポリエステルを構
成する酸成分1モルに対して 0.1×10-2モルに相当する
量)とを添加した後、常圧下、温度 200℃で3時間エス
テル化反応を行った。得られたエステル化反応物を重縮
合反応缶に投入し、酸成分1モルに対して、三酸化アン
チモンを5×10-4モル及び酢酸コバルトを3×10-4モル
を加え、徐々に減圧にして、最終的に0.9hPa、温度 280
℃で3時間重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエ
ステルは、イソフタル酸(IPA)の共重合割合78.8モ
ル%、数平均分子量 14500であった。上記の共重合ポリ
エステルと実施例1のPETとを用い、実施例1と同様
にしてフィルム及びボトルを作製し、その特性を評価し
た。
【0037】実施例1〜8及び比較例1〜7における製
造条件、共重合ポリエステルの特性値、フィルムの酸素
透過量、及びボトルの評価結果を表1にまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1〜8で得られた共重合ポリエステ
ルは、いずれも良好な特性を示したが、比較例では、次
のような問題があった。
【0040】比較例1では、IPA成分の共重合割合が
11.1モル%であったので、フィルムのガスバリアー性が
低下した。比較例2では、〔P〕/〔 Sb 〕及び〔P〕
/〔 Co 〕の値が小さかったため、色調が悪化し、透明
性も不良であった。比較例3では、数平均分子量が 100
00より小さかったため、ボトルの耐熱性と強度が十分で
なかった。比較例4では、アンチモン化合物の添加量が
少なかったため、色調が著しく悪化した。比較例5で
は、コバルト化合物の添加量が少なかったため、色調が
悪化した。比較例6では、エステル化反応時間が短かか
っため、透明性が著しく悪化した。比較例7では、トリ
メリット酸の添加量が、酸成分1モルに対して 2.0×10
-2モルであったため、ゲル化した。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤー性、色
調、透明性、耐熱性等に優れた高分子量の共重合ポリエ
ステルを製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が2000以下のポリエチレン
    テレフタレートオリゴマーに、イソフタル酸とエチレン
    グリコールとをイソフタル酸成分とテレフタル酸成分と
    のモル比が95/5〜50/50 となる量、リン酸又はそのエス
    テルを酸成分1モルに対して1×10-4〜200 ×10-4モル
    となる量、及び3官能以上の多官能基を有する化合物を
    酸成分1モルに対して1×10-3〜1×10-2モルとなる量
    で添加し、0.5 時間以上エステル化反応を行った後、重
    縮合触媒としてアンチモン化合物及びコバルト化合物を
    下記式〜を満足する量で添加し、数平均分子量が 1
    0000以上となるまで重縮合反応を行うことを特徴とする
    共重合ポリエステルの製造法。 3×10-4≦〔 Sb 〕≦12×10-4 1×10-4≦〔 Co 〕≦4×10-4 〔P〕/〔 Sb 〕≧0.5 〔P〕/〔 Co 〕≧1 ここで、〔 Sb 〕、〔 Co 〕及び〔P〕は、それぞれア
    ンチモン化合物、コバルト化合物及びリン酸又はそのエ
    ステルの添加量を表し、単位は「×10-4モル/酸成分モ
    ル」である。
  2. 【請求項2】 数平均分子量が2000以下で、イソフタル
    酸成分とテレフタル酸成分とのモル比が95/5〜50/50 で
    あるポリ(エチレンイソフタレート/エチレンテレフタ
    レート)共重合オリゴマーに、リン酸又はそのエステル
    を酸成分1モルに対して1×10-4〜200 ×10-4モルとな
    る量、及び3官能以上の多官能基を有する化合物を酸成
    分1モルに対して1×10-3〜10-2モルとなる量で添加
    し、0.5時間以上エステル化反応を行った後、重縮合触
    媒としてアンチモン化合物及びコバルト化合物を前記式
    〜を満足する量で添加し、数平均分子量が 10000以
    上となるまで重縮合反応を行うことを特徴とする共重合
    ポリエステルの製造法。
JP5313698A 1998-03-05 1998-03-05 共重合ポリエステルの製造法 Pending JPH11246657A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5313698A JPH11246657A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 共重合ポリエステルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5313698A JPH11246657A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 共重合ポリエステルの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11246657A true JPH11246657A (ja) 1999-09-14

Family

ID=12934418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5313698A Pending JPH11246657A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 共重合ポリエステルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11246657A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006057228A1 (ja) * 2004-11-24 2008-06-05 東洋紡績株式会社 難燃性ポリエステル及びその製造方法
WO2011052290A1 (ja) * 2009-10-27 2011-05-05 東レ株式会社 ポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法およびポリエチレンテレフタレートフィルム
JP2012197362A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Toray Ind Inc ポリエステル組成物の製造方法
JPWO2018124294A1 (ja) * 2016-12-29 2019-11-07 株式会社クラレ ポリエステル、その製造方法及びそれからなる成形品

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006057228A1 (ja) * 2004-11-24 2008-06-05 東洋紡績株式会社 難燃性ポリエステル及びその製造方法
JP4962007B2 (ja) * 2004-11-24 2012-06-27 東洋紡績株式会社 難燃性ポリエステル及びその製造方法
WO2011052290A1 (ja) * 2009-10-27 2011-05-05 東レ株式会社 ポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法およびポリエチレンテレフタレートフィルム
CN102575090A (zh) * 2009-10-27 2012-07-11 东丽株式会社 聚对苯二甲酸乙二醇酯组合物、其制造方法及聚对苯二甲酸乙二醇酯膜
KR20120098653A (ko) * 2009-10-27 2012-09-05 도레이 카부시키가이샤 폴리에틸렌테레프탈레이트 조성물, 그 제조 방법, 및 폴리에틸렌테레프탈레이트 필름
JP5648629B2 (ja) * 2009-10-27 2015-01-07 東レ株式会社 ポリエチレンテレフタレート組成物、その製造方法およびポリエチレンテレフタレートフィルム
US9056956B2 (en) 2009-10-27 2015-06-16 Toray Industries, Inc. Polyethylene terephthalate composition, manufacturing method therefor, and polyethylene terephthalate film
JP2012197362A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Toray Ind Inc ポリエステル組成物の製造方法
JPWO2018124294A1 (ja) * 2016-12-29 2019-11-07 株式会社クラレ ポリエステル、その製造方法及びそれからなる成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003527457A (ja) 低下した気体透過度及び低曇り度を有するポリエステル−ポリアミドブレンド
JPS5964658A (ja) ガスバリヤ−性のすぐれたポリエステル溶融ブレンド
JPS5964625A (ja) 環状ダイマ−含有量の少ないポリイソフタレ−ト及びそのコポリマ−とそれらの製法
EP3845581B1 (en) Polyester copolymer having excellent processability, and product comprising same
JP5598162B2 (ja) 共重合ポリエステル製成形体
CN1350561A (zh) 具有改进气阻性能的1,3-丙二醇的共聚酯
JPH08283554A (ja) 共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ、並びにそれからなる包装材料及び包装容器
JPH11255880A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JPH11246657A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JP2004250485A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP2002220442A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品
JP3395423B2 (ja) ポリエステル
JP6152989B2 (ja) ポリエステルのペレットを含有する混合ペレット及び樹脂組成物
JPH11246658A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JP4937466B2 (ja) ポリエステル樹脂ボトル
JPH11255879A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JPH11269257A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JP2001192441A (ja) 共重合ポリエステルとその製造法
JPH11166046A (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JP2017002147A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形体
JP2000169562A (ja) 共重合ポリエステルとその製造法
JP2015166441A (ja) ブロー成形用ポリエステル樹脂及びそれからなるブロー成形品
JP2014118457A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びそれからなるダイレクトブロー成形品
JP2723141B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびその用途
JP2003119260A (ja) 共重合ポリエステル及び成形品