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JPH11507510A - インフルエンザの新規組換え温度感受性変異体 - Google Patents

インフルエンザの新規組換え温度感受性変異体

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JPH11507510A
JPH11507510A JP9501043A JP50104397A JPH11507510A JP H11507510 A JPH11507510 A JP H11507510A JP 9501043 A JP9501043 A JP 9501043A JP 50104397 A JP50104397 A JP 50104397A JP H11507510 A JPH11507510 A JP H11507510A
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influenza
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rna
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パーキン,ネイル,ティー.
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アビロン
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Abstract

(57)【要約】 組換えPB2変異インフルエンザウイルス、RNA,cDNA及びベクターが提供される。更に、前記変異ウイルスを含む、免疫原組成物、そのようなウイルスを生成する方法、及びヒトにおけるインフルエンザの予防法、が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 インフルエンザの新規組換え温度感受性変異体 発明の分野 本発明はインフルエンザウイルスの免疫原組成物ならびに該組成物の製造方法 に関する。より詳細には、本発明はインフルエンザのPB2ポリメラーゼRNA 配列 内に慎重に特異的に行われた突然変異を有するインフルエンザウイルス免疫原組 成物に関する。 背景 インフルエンザは、激しい呼吸器系疾患を世界中で引き起こすエンベロープを 有する1本鎖のマイナス鎖RNA ウイルスである。該ウイルスは唯一のオルトミク ソウイルス科のウイルスであり、さらにA,B、およびCの3つの型に分類され る。 インフルエンザウイルスは内部に1本鎖のRNA ゲノムを含むリボヌクレオ蛋白 から成るコアと外側に内側をマトリックス(以後“M1”という)蛋白で裏打ち されたリポプロテインエンベロープを有している。インフルエンザA型のゲノム は8つの分節に別れる直鎖のマイナスの極性を有した1本鎖RNA であり、合計10 の蛋白をコードしている。分節1は2341ヌクレオチドの長さを有し、RNA 依存型 RNA ポリメラーゼ複合体を構成する3つの蛋白質の1つである759アミノ酸ポリ ペプチドであるPB2をコードしている。該ポリメラーゼを形成する残りの2つの 蛋白質は757 アミノ酸からなるPB1と716 アミノ酸からなるPAであり、それぞれ 2341ヌクレオチドの配列と2233ヌクレオチドの配列(分節2、および3)にコー ドされている。ゲノムの分節4は、リポプロテインエンベロープから突出した表 面糖蛋白であり、細胞に吸着し内部への進入に関係する566 アミノ酸のヘマグル チニン(HA)をコードしている1778ヌクレオチドの配列である。分節5は1565ヌ クレオチドの長さを有し、ヌクレオカプシドを形成する498 アミノ酸長のヌクレ オプロテイン(NP)をコードしている。分節6は全長1413ヌクレオチド長であり 、454 アミノ酸長のノイラミニダーゼ(NA)エンベロープ糖蛋白をコードしてい る。分節7は全長が1027ヌクレオチド長であり、252 アミノ酸長のM1蛋白と、 M RNAのスプライシングされたバリアントから翻訳される96アミノ酸長のM2蛋 白の2つの蛋白をコードしている。分節8は全長が890 ヌクレオチド長であり、 それぞれ230 アミノ酸長と121 アミノ酸長の機能不明な2つの非構造蛋白、NS1 とNS2をコードしている。NS2はNS RNAのスプライシングされたバリアントから 翻訳される。 インフルエンザB型の分節化されたゲノムは直鎖のマイナスの極性を有した1 本鎖RNA であり、合計11のポリペプチドをコードしている。分節2は2396ヌクレ オチド長を有し、RNA 依存型RNA ポリメラーゼ複合体を構成する3つの蛋白質の 1つである770 アミノ酸ポリペプチドであるPB2をコードしている。インフルエ ンザB型ポリメラーゼの残りの2つの蛋白質は752 アミノ酸長のPB1と725 アミ ノ酸長のるPAであり、それぞれ2386ヌクレオチド配列と2304ヌクレオチド配列( 分節1、および3)にコードされている。ゲノムの分節4は、リポプロテインエ ンベロープから突出した表面糖蛋白であり、細胞への吸着と融合に関係する584 アミノ酸長のHAをコードしている1882ヌクレオチド長の配列である。分節5は18 39から1841ヌクレオチドの長さを有し、ヌクレオカプシドを形成する560 アミノ 酸長のNPをコードしている。分節6は全長が1454ヌクレオチド長であり、466 ア ミノ酸長のNAエンベロープ糖蛋白と100 アミノ酸長の 機能不明な非構造蛋白であるNB蛋白をコードしている。分節7は全長が1191ヌク レオチド長であり、248 アミノ酸長のM1蛋白と、別の読みとり枠から翻訳され る195 アミノ酸長のBM2蛋白をコードしている。分節8は全長が1096ヌクレオチ ド長であり、それぞれ81アミノ酸長と122 アミノ酸長の機能不明な2つの非構造 蛋白、NS1とNS2をコードしている。NS2はNS RNAのスプライシングされたバリ アントから翻訳される。 インフルエンザC型のゲノムは7つに分節される直鎖のマイナスの極性を有し た1本鎖RNA であり、合計8個のポリペプチドをコードしている。分節1は2365 ヌクレオチドの長さを有し、RNA 依存型RNA ポリメラーゼ複合体を構成する3つ の蛋白質の1つである774 アミノ酸ポリペプチドであるPB2をコードしている。 該ポリメラーゼを形成する残りの2つの蛋白質は754 アミノ酸からなるPB1と70 9 アミノ酸からなるPAであり、それぞれ2363ヌクレオチド配列と2183ヌクレオチ ド配列(分節2、および3)から成っている。ゲノムの分節4は、リポプロテイ ンエンベロープから突出した表面糖蛋白であり、細胞に吸着、融合しレセプター の破壊活動に関係する655 アミノ酸のヘマグルチニン−エステラーゼ表面糖蛋白 をコードしている2074ヌクレオチド長の配列である。分節5は1809ヌクレオチド の長さを有し、ヌクレオカプシドを形成する565 アミノ酸長のNPをコードしてい る。分節6は全長が1180ヌクレオチド長であり、374 アミノ酸長のマトリックス (M)蛋白質をコードしている。分節7は全長が934 ヌクレオチド長であり、28 6 アミノ酸長のNS1蛋白と、NS RNAのスプライシングを受けたバリアントから翻 訳される112 アミノ酸長のNS2蛋白の2つの蛋白をコードしている。 細胞に感染するときにはインフルエンザHA蛋白が細胞膜糖蛋白と糖脂質内にあ るシアリルオリゴサッカライド分子に吸着する。ビリ オンのエンドサイト−シスに続いて、細胞エンドゾーム内でHA分子がその立体構 造を変えて膜融合を促進し脱膜を開始する。感染の最初の必須段階としてヌクレ オカプシドがウイルスのmRNAが転写される場所である核に移動する。インフルエ ンザRNA の転写と翻訳が感染細胞の核内で行われ、それから産物が原形質膜の外 に出芽あるいは通過し集合してビリオンを形成する。ウイルスは混合感染してい る間に遺伝子の再選択をする。 インフルエンザウイルスRNA の複製は4つのウイルス遺伝子産物:PB1,PB2 ,PAならびにNPに依存している。3つのポリメラーゼ蛋白、PB1,PB2ならびに PAは感染した細胞核内で3分子複合体を形成する。各蛋白質はそれぞれ核内局在 シグナルを有している。Akkina,j.Virol 61 : 2217-24(1987),Mukaigawa,J .Virol 65 : 245-253(1991)ならびにNieto,J.Gen Virol 75 : 29-36(1997 )参照。特定の機能のいくつかは個々のポリペプチドに負うものである。基本的 にPB1は酵素による重合反応:即ち伸長反応に関わる。他のRNA 依存型RNA ポリ メラーゼ蛋白とアミノ酸配列上で相同性を有している。PAの正確な機能は不明で ある。PB2蛋白は宿主細胞mRNAに存在する5’−末端のキャップ構造に結合する ;するとmRNAは切断され、キャップ構造を有する9から15mer のオリゴヌクレオ チドが生じ、これがインフルエンザウイルスの転写プライマーとなる。PB2アミ ノ酸配列には細胞由来のキャップ結合蛋白、eIF−4Eと一定の相同性を有する 領域がある。Luna,Virus Res 13 : 143-56(1989)参照。PB2はウイルスRNA の 複製に絶対に必要なものではないが、PB1,PA、ならびにNPだけを発現している 細胞内のウイルスの鋳型から転写されたmRNAはキャップ構造を有しておらず、従 って翻訳されない。Nkagawa,J Virol 69 : 728-33(1995)。転写は鋳型の端か ら15−22塩基のところの、オリゴ(U)配列が鋳型非 依存的なポリ(A)配列の付加のためのシグナルとして作用する箇所で停止する 。感染後期では転写によるmRNA産生の代わりに、ポリメラーゼ蛋白PB1,PB2な らびにPAを用いて新しいウイルスRNA ゲノムを作るようになる。ポリメラーゼ複 合体は最初cRNAを転写し、これがより多くのvRNA産生のためのテンプレートとし て機能する。プラス鎖cRNAコピーはプラス鎖mRNA転写体とは、キャップ構造を有 していない点と5’端がメチル化されている点が異なる。また、これらコピーは 3’末端は切断あるいはポリアデニル化されていない。従って、cRNAは対応する マイナス鎖の鋳型と共に終止し、全ての遺伝情報をそれぞれの分節に相補配列の 形で有していることになる。 マイナス鎖ゲノム(vRNAs)とアンチゲノム(cRNAs)は常にウイルスカプシド蛋白 によりカプシド化される;カプシド化されていないRNA はウイルスRNA だけであ る。ヌクレオカプシドは核内で組み立てられると思われる。ウイルスは細胞質側 あるいは出芽エンベロープの内面にM1蛋白を取り込んだ細胞の尖端表面からの 出芽により成熟する。HA及びNAグリコプロテインは脂質エンベロープに組込まれ る。非寛容細胞ではHAは翻訳後に分解されるが、その結果生じる2本の鎖はジス ルフィド結合により結合したままである。 インフルエンザに対して免疫性の物質である宿主細胞内で複製できない不活性 化ワクチンを作り出す努力が2つの方向、即ち化学的にウイルス全体を不活性化 する方法とウイルスのサブユニット蛋白を利用する方法で検討されてきた。イン フルエンザの場合には不活性化ウイルスワクチンあるいは部分的ウイルスワクチ ンのいずれも可能である。これらワクチンにはHAとNA表面蛋白が、投与により宿 主に免疫反応を生じさせる抗原として含まれている。理由は完全には解明されて いないが、サブユニットワクチンはインフルエンザの 60%から80%にしか有効でない。不活性化全ウイルスワクチンは筋肉内に投与さ れ、基本的には全身性に免疫反応を引き起こすのに対して、生ワクチンの場合に は局所性に粘膜免疫も同時に刺激する。後者の免疫は最初にウイルスが攻撃する 上呼吸器道に関係するためより有効である。また、不活性化ワクチンは細胞傷害 性T細胞の反応を低下させ、時に遅延型過敏反応を誘導することがある。Guiia in−Barre 症候群は不活性化インフルエンザA型“swine flu”ワクチンと関連 している。Schonberger,Ann Neurol 9(supp);31-38(1981)参照。 生きた弱毒化したウイルスを使用した免疫成分を作ることができ、宿主に必要 な防御反応を誘導することができた。インフルエンザ生ワクチンは宿主内での複 製が限定されているため、防御免疫反応は誘導するが病気を引き起こすことはな い。以前、有胚鶏卵の様な非天然宿主を何度も通過させたり、非天然宿主を低温 温度を増加させたなら通過させたり、化学処理によって無作為に突然変異を誘導 し条件変異体を選択して変異体が作成されたことがある。この様な方法から病原 性が無いが免疫原性はある変異体が得られた。しかし、上記の方法により作成さ れた遺伝的変異体の特性についての経験は無く、変異体が“マスタードナー”ウ イルスであったのかも不明である。このような変異体が1あるいは2ヌクレオチ ドの変化の結果であれば、ウイルス成分が最終的に“復帰”したり、あるいは宿 主内で戻り変異が生じ、もとの病原性の表現形を再獲得する可能性もある。しか し、これらの方法の一つである低温側温度を上げながら連続継代する方法(A/ AmArbor/6/60から誘導した“低温適応”株)では、遺伝的に安定な複数の突 然変異ウイルスが得られている。Murphy,Inf Dis In Clin Practice 2参照:17 4-181(1993)。この様にしてワクチンを作成する間に、弱毒化したマスタード ナ ーウイルスのHAやNAのRNA 配列が循環しているインフルエンザのHAやNAのRNA 配 列に置き換えられていく。この様なウイルスを再選択ウイルスと呼ぶ。 化学的変異誘導により作成したか、自然の変異体をスクリーニングして発見さ れたインフルエンザの温度感受性(ts)突然変異体については報告がある。この 様な突然変異体は感染動物の下部呼吸気道では増殖できず、しばしば上部呼吸器 道で増殖するが、野生株に比べるとそのレベルは低い。この様な突然変異体の一 つts1A2はインフルエンザ生ワクチンに望まれる特性の多くを有していること が示されている。MurphyとChanock.Genetic Variation Among Influenza Virus es,pps 601-615,Nayak.D.ed.Acadmic Press.NY(1981)およびMurphy,Pj il Trans R Soc Lon B 288 ; 401-15(1980)参照。ts1A2株はPB1とPB2の両 方に温度感受性の障害を持っており、所望の弱毒化レベルを有しているが遺伝的 には不安定であり、血清陰性の若年ワクチンでは増殖後に再び有毒化する。Murp hy.Ann NY Acad Sci 354 : 172-82(1980)とTolpin,Infection and Immunity 36 : 645-50(1982)参照。 ts傷害がPB2遺伝子内に同定されているA/Udorn/307/72の温度感受性突然 変異パネルについて報告されている。配列分析よりアミノ酸のPB2の65,100,1 12,171,298,310,386,391 と556の位置に変異が発見された。同様にts1A 2ウイルスのPB2遺伝子アミノ酸658 位置に変異があることが判明している。La wson,Virology 191 : 506-10(1992)参照。A/AA/6/60の低温適合株もまた 温度感受性であり配列分析からts表現形に部分的に関係している変異の一つは、 PB2の265 位置のアスパラギンからセリンに変わったことであることが示唆され ている。Cox,Virology 167 : 554-67(1988),Herlocher,Proc Natl Acad Sci 90 : 6032-36(1993)お よびSnyder,J Virol 62 : 488-95(1988)参照。さらにA/WSN/33ならびにA/ FPV/Rostock/34のPB2 ts 突然変異も知られている。ts表現形に関係している と思われるPB2遺伝子配列内の変異はA/WSN/33では417 番目のアミノ酸に、 A/FPV/Rostock/34では512 番目のアミノ酸位置に局在している。McCauley, Virus Res 17 : 191-98(1990)ならびにYamanaka,Arch Virol 114 : 65-73(199 0)参照。まとめると、これらの研究よりPB2がtsウイルスを得るために変異を 誘導するのに適した位置であることを示唆されている。 生きている弱毒化したウイルスを作成する別の方法は、“逆遺伝”技術を応用 する方法である。Enami.Proc Natl Acad Sci 87 : 3802-05(1990),EnamiとPal ese,J Virol 65 : 2711-13(1991)およびLuytjes,Cell 59 : 1107-13(1989 )参照。この方法では、改変したvRNA様転写体を精製NP,PB1,PB2ならびにPA 蛋白質存在下に試験管内でcDNAから転写する。得られた合成RNP を、前もってイ ンフルエンザウイルス、通常は宿主域制限あるいは温度感受性の様な、その後移 入されたウイルスを選別できる条件成長欠損を有するヘルパーウイルスを感染さ せておいた細胞内に移入する。例えば、宿主域制限ヘルパーウイルスは合成NAと PB2遺伝子の救済に利用されている。Enami 前出、ならびにSubbarao,J Virol 67 : 7223-7228(1993)参照。抗体選択もHAおよびNA遺伝子の移入体選別に利用 できる。抗体選別技術を用いて、表面HA糖蛋白遺伝子をインフルエンザA型ウイ ルスに移入し救済することができる。HorimotoとKawaoka,J Virol 68: 3120-31 28(1994)およびLi,J Virol 66 : 339-404(1992)参照。HA遺伝子はまたイン フルエンザB型ウイルスに移入し救済することができる。Barelay とPalese,J Virol 69 : 1275-1279(1995)参照。M遺伝子(Yasuda,J Virol 68 : 8141-81 46(1994)参照)ならびにNP遺伝子(Li,Virus Res、印刷中 参照)もまた逆 遺伝技術により救済される。 逆遺伝技術を用いると特異的な突然変異をインフルエンザ遺伝子内に作成でき る可能性があり、従って復帰の可能性が少なく、所望の遺伝的安定性が有す温度 感受性突然変異体を作ることができる可能性がある。この様な変異体の作成は、 野生株のアミノ酸をコードしているコード内に1ヌクレオチド以上のヌクレオチ ドを加えて変異を起した新しいコドンを導入する方法や、遺伝子外に抑制される 可能性が少ない配列に変異を起こしたり、あるいは複数の遺伝子に複数の独立に 作用する変異を導入することで達成できる。野生株のアミノ酸をコードしている コドンを変えるために、必要な1塩基以上の変化を作成するための方法が上記の 4種類方法だけであることから、ts突然変異を誘導するための付加位置が特定で きることが強く望まれている。 “クラスターチャージアラニン(Clustered charged to alanine)突然変異誘 発”は、荷電したアミノ酸に変異を起こして荷電していないアミノ酸であるアラ ニンに変え、生物活性を変化させながら全体構造を維持し、もしくは蛋白の安定 性を維持する方法である。この技術はヒト成長ホルモン受容体蛋白(Bass,Proc .Natl.Acad.Sci 88 : 4498-4502(1991)参照)、サッカロマイセス・セレビ シアエ(Saccharomyces cerevisiae)アクチン蛋白(Wertman,Genetics 132 : 337-50(1995)参照)、ポリオウイルス3Dポリメラーゼ蛋白(DiamlondとKirk egaard,J.Virol 68 : 863-76(1994)参照)、ワクシニアウイルスG2R 蛋白( Hassett とCondit,Proc.Natl.Acad.Sci 91 : 4454-4459(1994)参照)、な らびにヒト免疫不全ウイルス1型インテグラーゼ(Wlskerchen,J Virol 69 : 5 97-601(1995)参照)の突然変異体を作成するのに利用された。前 記例のそれぞれにおいて“荷電されたクラスター” とは、連続する5つのアミ ノ酸配列のなかの少なくとも2つのアミノ酸が荷電されている配列を意味してい る。 発明の要約 我々はインフルエンザのネイティブ蛋白配列中のクラスター化荷電アミノ酸基 を改変するとインフルエンザウイルスに一定の予想された温度感受性を誘導でき ることを見いだした。本書における“クラスター化荷電アミノ酸残基”とはイン フルエンザウイルスに関するものであり、インフルエンザウイルスの元来の蛋白 質中にある少なくとも連続する5つのアミノ酸にあって、4ないしは5つのアミ ノ酸が正あるいは負に荷電しているものを意味している。荷電したアミノ酸(正 もしくは負)にはアルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びヒ スチジンがある。本発明はインフルエンザPB2蛋白を用いて例示する。 従って、本発明の観点の1つは新規のPB2変異ポリペプチド配列と、インフル エンザウイルスのマスタードナーウイルスに組み込むことで、組み込まれたウイ ルスが温度感受性表現形質を有するようになる該PB2変異ポリペプチドをコード するRNA 配列より構成されている。 PB2変異RNA 配列はインフルエンザゲノム内に保護され、特定の温度感受性を 有し、逆遺伝技術により所望の変異を誘導するインフルエンザマスタードナーウ イルスを作ることができる。従って、本発明の別の観点は前記新規のPB2変異RN A とポリペプチド配列を有する組換えインフルエンザウイルスである。これら組 換えインフルエンザウイルスは、培養細胞中及び/又は生きている宿主内での増 殖は遅くなり、インフルエンザウイルスの再組換体の調製に使用す るマスタードナーとして有用であり、インフルエンザ感染に対するヒトの予防処 置のための免疫製剤としても有用である。この様な組換えインフルエンザウイル スを作成するためには、感染可能宿主細胞にヘルパー細胞を感染させ、合成RNP 複合体を移入する。合成RNP 複合体は試験内で突然変異RNA 配列をコードするD ナより転写され、リボヌクレオプロテイン(RNP)にパッケージされてから移入 される。移入の結果できた子孫ウイルスのなかには変異し、移入されたRNA 配列 をウイルス粒子内に取り込んでいるウイルスがある。それから、変異し移入配列 を取り込んだ細胞の中の移入変異体を、移入体やヘルパーウイルスが混合してい る状態のなかから、両ウイルスの表現形質の違いを利用して選別、分離してくる 。こうして選別された移入変異体に本発明の組換えインフルエンザウイルスが含 まれている。好ましい実施態様では、変異配列はインフルエンザPB2配列ならび に/あるいはインフルエンザM配列、ならびに/あるいはインフルエンザNP配列 である。この様な実施態様では、変異したPB2および/あるいはM配列および/ あるいはNP配列は表現形質を弱化させる温度感受性変異を有しているだろう。 本発明の別の観点は、荷電されたクラスター変異を有するPB2変異蛋白をコー ドしている組換えマイナス鎖RNA 鋳型をヘルパーウイルスに感染しているインフ ルエンザウイルスRNA 分節を産生できる細胞に導入することから成るインフルエ ンザゲノムの改変方法である。使用できるヘルパーウイルスは鳥細胞内では増殖 できるが、哺乳動物細胞内では増殖できないものである。より詳細には、例えば Madin−Darby ウシ腎臓(MDBK)細胞は鳥ウイルスのPB2遺伝子を含むインフル エンザの宿主制限変異体を感染させることができる。Clements,J.Clin Microb iol 30 : 655-662(1992)。それから合成PB2 RNPを試験管内で変異したvRNA− センス、PB RNAをコードす る鋳型cDNAを精製RNP 蛋白存在下に転写し調製する。cDNAは、ヘルパーウイルス 内に救済される場合には哺乳動物内にプラークを形成させるpB2蛋白をコードし ていなければならない。得られたRNP は感染したMDBK細胞に導入され、細胞を培 養後、培地を集めMDCK細胞を感染させるために使用した。 本発明の別の観点は、インフルエンザ野生型流行性株から得たHAおよびNA糖蛋 白質をコードするRNA 配列と移入ウイルスから得た残りのRNA 配列を含む再組換 体ウイルスである。野生型流行性ウイルスは免疫が望まれるインフルエンザウイ ルスの循環株である。移入ウイルスは弱毒化されたマスタードナー、即ち内部蛋 白をコードするRNA 分節の1つ以上に弱化された変異を有している組換体インフ ルエンザウイルスであり、好ましくは本明細書に開示したPB2配列のクラスター 化荷電改変を受けた、また/もしくは本書記載の方法に従い作成し弱毒化を試験 することができるM配列のクラスター化荷電改変を受けた該インフルエンザウイ ルスである。好適な弱毒化したワクチンウイルスを得る最も生産的な方法は、マ スタードナーの6つの内部蛋白RNA 分節(PB1,PB2,PA,NP,MおよびNS)を 全て保持することである。しかしワクチンウイルスではマスタードナー分節の数 はもっと少なくともよく、それでも弱毒化のレベルを維持し遺伝的安定性を保つ ことができる。 本発明の別の観点は、免疫原として誘導するのに有効な量のインフルエンザウ イルス変異に医薬として許容される担体あるいは液体を混ぜた免疫原性医薬組成 物である。 本発明の別の観点は、本発明の免疫原性医薬組成物を免疫原として誘導するの に有効な量患者に投与することから成る患者の予防処置法である。本書における “免疫原として誘導”とは哺乳動物にインフルエンザに対する中和抗体産生を促 進させるのに十分な量を意 味している。この様な量は局所的および/あるいは全身性に抗体産生を刺激し、 それによって感染もしくは感染による病気の発症を防止する。患者はヒトである ことが好ましい。 発明の詳細な説明 本開示では、通常のアミノ酸は通常用いられるアルファベットを用いて記載し た。 インフルエンザのクラスター化荷電アミノ酸残基を改変することにより、該ウ イルスに一定の予想通りの温度感受性を持たせることができる。本書において“ 荷電クラスター”“クラスター化荷電”あるいは“クラスター化荷電アミノ酸残 基”という用語はインフルエンザの天然の蛋白質の中の連続する少なくとも5つ のアミノ酸であって、4あるいは5個のアミノ酸が正もしくは負に荷電している ものを意味している。荷電したアミノ酸としては以下のものがある:アルギニン 、リジン、アスパラギン酸、ゲルタミン酸、ならびにヒスチジンである。 インフルエンザA型ウイルスA/LA/2/87PB2蛋白中のアミノ酸残基には8 つの荷電クラスターが同定されている。これらの電荷を持ったクラスターは、N 末端のMET 残基を1として読み始める通常の読み方を採用して表示するとアミノ 酸位置の2から6(実験では“ALA1”とした)、120 から124(“ALA2”)、140 から144(“ALA3”)、187 から192(“ALA4”)、339 から343(“ALA5”)、 667 から681(“ALA6”)、699 から673(“ALA7”)、736 から740 (“ALA8” )である。これらの天然のアミノ酸の特性を以下の表2に示す。 様々な別のインフルエンザA株から得たPB2蛋白のアミノ酸配列を解析し、こ れらの株の対応する8つの荷電クラスターを同定した 。調べたインフルエンザA株は、A/Memphis/8/88,A/Chile/1/83,A /Kiev/59/79,A/Udorn/307/72,A/NT/60/68,A/Korea/426/68, A/Great Lakes/0389/65,A/AnnArbor/6/60,A/Leningrad/13/57 ,A/Singapore/1/57,A/PR/8/34とA/WSN/33である。これらの株の 配列はジーンバンク(GenBank)より入手可能であり、保存ウイルスもAmerican Ty pe Culture Collection,Rockbille,Maryland あるいはその他の公的施設より 入手できる。ALA1,ALA3,ALA4,ALA5ならびにALA6の荷電クラスターを含むヌク レオチド配列はそれぞれのインフルエンザ株で完全に保存されている。 ALA2荷電クラスターでは、120 位置のアミノ酸残基が上記のChile,NT,Korea ,Great Lakes,AnnArbor,Leningrad,Singapore,PR およびWSN 株ではD残基 かその他の荷電された残基の場合はEである。ALA7荷電クラスターでは、700 位 置のアミノ酸残基がKiev株ではG残基であり、その他の株ではE残基である。AL A8荷電クラスターでは、740 位置のアミノ酸残基がAnn Arbor とWSN 株ではN残 基であり、その他の株では完全にA/LA/2/87に一致した。上記より、A/LA /2/87株を代表に用いるが、前記の株も同様に使用できる。さらに、荷電され たインフルエンザBと/あるいはインフルエンザCのアミノ酸の荷電クラスター についての解析を本発明に示す方法で実施し、PB2変異蛋白を作成し、インフル エンザAについて示した方法と同じに組換体インフルエンザBとインフルエンザ Cウイルスを作成した。例えば、インフルエンザA内の荷電クラスターALA4とAL A8に対応する荷電クラスターが2つのインフルエンザB株、B/AA/1/66とB /NY/1/93に見られる。本書内に開示した方法を使用すれば当業者はその他の インフルエンザ型および株の荷電クラスター残基を特定することができるだろう 。 さらに、インフルエンザウイルスのその他の蛋白の荷電クラスターもこれらの 技術を利用して特定し改変できるだろう。インフルエンザA,BあるいはCを改 変して免疫原として有意に弱毒化された変異型M1蛋白を産生させることができ 、これによって既知の逆遺伝法(reverse genetics techniques)を用いてヒトに 投与し予防できる生弱毒化免疫成分を産生することができる。様々なインフルエ ンザ型と株のM蛋白のヌクレオチド配列とアミノ酸配列が知られている。例えば Baylor,Virol.163 : 618-21(1988);Narkusin,Virus Res.10 : 263(1988 );Cox,Virology 167 : 554-67(1988)およびBuckler-White,J Virol.57 : 670-700(1986)を参照せよ。当業者は本書記載の技術を用いてインフルエンザ M蛋白中の荷電クラスターを同定し改変し、該改変M蛋白を含む組換体インフル エンザウイルスを作成することができる。インフルエンザAのいくつかの株のNP 蛋白のヌクレオチド配列とアミノ酸配列は既知である。例えば、Shu,J Virol 6 7 : 223-29(1993)を参照。当業者は本書開示の技術を実施しインフルエンザNP 蛋白中の荷電クラスターを同定し改変することができ、該NP蛋白を含む組換体イ ンフルエンザウイルスを作成することができる。 本書に特定される荷電クラスターは本書に記載する方法により改変して温度感 受性組換体インフルエンザウイルスを作成することができる。この様な温度感受 性組み換えインフルエンザウイルスには温度感受性の獲得に関係するPB2変異ア ミノ酸配列ならびにRNA 配列をコードする配列を有する変異体を含んでいる。 上記の如く本発明はPB2変異蛋白をコードする新規のRNA 配列とcDNA配列を開 示し記載する。本発明の蛋白は野生型インフルエンザPB2配列の1から8までの 荷電クラスターが中性アミノ酸の置換により改変された変異あるいは改変PB2配 列を含む。変異、改変され たならびに変異体もしくは変異したという言葉は相互に同義に使用される。本書 では中性アミノ酸は、中性pHにおいて電荷を有せず、全体的な二次構造あるいは 三次構造を破壊しないアミノ酸として定義される。中性アミノ酸の例としてはア ラニン、バリン、セリンがある。好適な中性アミノ酸はアラニンである。 この様な蛋白がインフルエンザウイルスに取り込まれてインフルエンザのマス タードナー株ができると、免疫成分の調製ならびにインフルエンザの予防処置に 有用な温度感受性突然変異体ができる。 本発明のPB2変異蛋白(即ち改変PB2蛋白)は、公知の遺伝子組換体技術ある いは逆遺伝法を用いることでインフルエンザウイルス内に取り込むことができる 。逆遺伝法では、元来のPB2配列はPB2蛋白内に1つ以上の荷電クラスター改変 をコードするcDNAから試験管内で合成された合成遺伝子で置き換えられる。ヘル パーウイルス感染細胞に荷電クラスター改変をコードしている合成PB2配列を移 入する。この合成配列を持った生ウイルスは、野生型のHA及び/又は流行性(す なわち現在流行している病原体)インフルエンザ株のNA遺伝子と組み合わさると 、ヒトのインフルエンザの予防治療に免疫構成体として利用できる再組み換えイ ンフルエンザウイルス(“6:2再組換体”)を産生するようになる。同様の方 法で、変異M配列と/あるいは変異NP配列をインフルエンザウイルスに取り込ま せることができる。6:2再組換体ウイルスは合成配列と現在流行しているイン フルエンザ株から得たHAならびにNA遺伝子を含むマスタードナー株の6つの遺伝 子から構成される。6:2インフルエンザ再組換体ウイルスを調製する方法では 、まず細胞に弱毒化したマスタードナー株と現在流行している病原性インフルエ ンザAウイルスを感染させ、流行株のHAとNA遺伝子のエピトープと反応する抗体 と培養した子孫を反応させて再組換体ウイルスを選別する。あるい は、逆遺伝子法を用いても流行株のHAとNA遺伝子を細胞に移入できる。それから 細胞にマスタードナー株を感染させ、6:2再組換体を抗体を利用した上記選別 法で選び出す。 例えば、ニワトリ腎臓(PCK)あるいはMDBKの単層細胞に1−10倍の感染多重度( moi)で1時間ヘルパーウイルスを感染させる。本発明の1又は複数の変異PB2又 はM1もしくはNP蛋白をコードするRNA を感染細胞内に、必要に応じて以下の実 施例4で改変されるLuytjes(前掲)、Enami 及びPalese(前掲)、及びEncmi(前 掲)の方法を利用して移入する。転写反応には直線状のプラスミド、各種のデオ キシリボヌクレオチド、T3 RNAポリメラーゼおよび前述のParibin とEnami の 方法により有胚鶏卵の尿嚢内で増殖させたウイルスより調製したリボヌクレオ蛋 白を含んでいる。その混合液を37℃,45分間反応させるとRNA 転写産物が得られ 、続いてRNP 複合体にパッケージングされる。DNase を添加することでプラスミ ドを除き、その後混合液をヘルパーウイルスを感染させてDEAEデキストラン処理 したPCK あるいはMDBK細胞内に導入する。あるいは、混合液を電気ポレーション 法で感染細胞内に導入する。培養体は適当温度に維持し(例えば34℃)てから16 〜22時間後に集めた。細胞破壊片を沈殿させ、ウイルスを含む上清を適当な哺乳 動物細胞、例えばMDCK細胞に撒いた。撒かれたウイルスの子孫をさらにプラーク パッセージさせて、それから有胚鶏卵の尿嚢内で増幅した。 より詳細には、インフルエンザウイルスA/LA/2/87の宿主域変異体につい て記載する。本ヘルパーウイルスは鳥ウイルスA/Mallard/New Yorik/6750/ 78より得たPB2遺伝子を含んでおり、PCK 細胞の様な鳥細胞内で増殖できるが、 MDCKの様な哺乳動物細胞内ではプラーク形成できない。Clements,J Clin.Micr obiol 30 : 655-62(1992)参照。A/LA/8/87のMallard PB2遺伝子を、移 入した哺乳動物のPB2配列で置き換えるとウイルスがMDCK細胞内にプラークを形 成することができるようになる。Subbarao,J.Virol 67 : 7223-28(1993)参照 。この様にすると、部位限定の変異を有する合成RNA を哺乳動物PB2配列を移入 することでPB2遺伝子のヌクレオチド配列内に特異的変化を導入することができ 、試験管内の転写に利用することができる。こうして作られた組換変異インフル エンザウイルスは温度感受性であるため、ヒトを対象とした予防的投与に適した 生の弱毒化免疫構成体の作成の為のマスタードナー株として利用することができ る。 本発明の組換えインフルエンザウイルスを継代するための方法は通常の方法が 利用できる。保存ウイルスは初代培養あるいは樹立細胞培養、例えば初代のウシ あるいはニワトリ腎臓細胞あるいはMDCK細胞内の精製プラークである。精製プラ ークウイルスは更にこれらの細胞株のなかで継代することができる。細胞はプラ スチック皿上で培養され、ウイルスは通常0.001 から0.1 のmoi で接種され、2 〜3日間培養される。あるいは保管ウイルスは10〜12日間の有胚鶏卵の尿嚢中に 接種され、2〜3日間33〜37℃で培養される。 本発明の組換えインフルエンザウイルスの弱毒化の試験はよく確立した試験管 内および生体内試験法を用いて実施できる。生体内アッセーでは、下記実施例6 に示すように組換えウイルスを温度感受性表現形の有無について調べた。生体内 での組換体インフルエンザウイルスの反応原性を下記実施例7記載の如く決定し た。 この様な組み換えにより改変した変異インフルエンザウイルスはその他のウイ ルスのts変異地図を作成する遺伝子相補性分析や、ウイルスの生活環におけるPB 2の役割を調べる機能解析、そしてウイルスRNA やPB1あるいはPAの様なその他 のウイルス蛋白との相互作用へ関与するPB2領域を決定することにも利用できる 。 本発明の改変PB2蛋白は当領域公知の適当な発現調節システムを利用して様々 な細胞で組み換え発現し、蛋白の機能を調べることができる。本発明の核酸配列 を含む好適なベクターの構築方法も、この様な配列に実施されるハイブリダイゼ ーションアッセー法の様に当該分野では公知である。例えば、Itakura の米国特 許第 4,356,270号、Riggs の米国特許第 4,431,739号ならびにRutterの米国特許 第 4,440,859号を参照。その他の宿主細胞、プロモーター、選択マーカー、なら びに技術についてはMatherに交付された米国特許第 5,122,469号やAxelに交付さ れた米国特許第 4,399,216号及び第 4,634,665号、そしてLevinsonに交付された 米国特許第 4,713,339号、RIngold に交付された米国特許第 4,656,134号、Kell ems に交付された米国特許第 4,822,736号、並びにFiers に交付された米国特許 第 4,874,702号が例示となる。 本発明の核酸配列を有する好適なベクターは当該領域公知の配列連結方法と制 限酵素技術を用いて構築することができる。部位特異的切断は好適な制限酵素を 通常の条件下、特に制限酵素製造元が特定する条件下に作用させることで実施で きる。ポリアクリルアミドゲルあるいはポリアクリルアミドゲル電気泳動は標準 的な技術により実施でき、切断断片を分子量に従い分離することができる。オリ ゴヌクレオチドは例えば、当分野公知のジエチホスホアミジト法を利用して合成 することができる。配列の連結は通常の条件および温度下にT4 DNAライゲース を用いて実施でき、連結の成否は連結混合体で大腸菌を形質転換させることで確 認することができる。形質転換がうまくいったものをアンピシリン、テトラサイ クリン、あるいはその他の構成物質に対する耐性反応もしくは当分野公知の他の マーカーを利用して選択する。 この様な組み換え技術は全て文献内に紹介されている。例えば、 Sambrook,MOLECULAR CLONING : A LABORATORY MANUAL,2d ed.(1989) ; DNA C LONING,Vol.IおよびII,D.N.Glover,ed.,1985; OLIGONUCLEOTIDE SYNTHES IS,M,J.Gait,ed.,1984;NUCLEIC ACID HYBRIDIZATION,B.D.Hames,ed. ,1984 ; TRANSCRIPTION AND TRANSLATION,B.D.Hames,ed.,1984 ; ANIMAL CELL CULTURE,R.I.Freshney,ed.,1986 ; B.Perbal,A PRACTICAL GUIDE T O MOLECULAR CLONING(1984);GENE TRANSFER VECTOR FOR MAMMALIAN CELLS,J .H.Miller,ed.,1987,Cold Spring Harbor Laboratory ; Scopes,PROTEIN PURIFICATION : PRINCIPLES AND PRACTICE,2d ed,Springer-Verlag,New York ,1986 ならびにHANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY,Vols I-IV,D.M.Wei red,ed.,1986 を参照のこと。ここに記したこれら出版物は全て開示された内 容について引用により組み込まれる。 本発明の生きている組換えインフルエンザウイルス変異体はインフルエンザウ イルスによる感染またはその発症を防止するための免疫原組成物として用いるこ とができる。そのような免疫原組成物を作成するために、該生きている組換えイ ンフルエンザ変異体(すなわち、マスタードナー)及び流行性野生株を培養細胞 に同時に感染させる。再組換えウイルスを回収し、感温性誘導突然変異の有無に ついて試験を行った。ドナーウイルスの野生型HA及び/またはNA蛋白によってコ ードされる表面抗原決定基に対する抗血清さらすことにより野生型HA及び/また はNA蛋白を含有する再組換え体を選別することができる。本発明の変異配列並び にインフルエンザ野生型流行性株からのHA及び/またはNA配列を含む得られたウ イルス子孫を、免疫原性組成物を作成するために用いた。該免疫原性組成物は本 発明による組換えインフルエンザウイルス変異体を免疫原として生誘導するのに 効果的な量だけ医薬として許容される担体もしくは液 体に混入されたものからなる。医薬として許容される担体の一例として生理食塩 水があげられる。該組成物は全身に投与される。好ましくは皮下または筋内投与 用の許容される液体形態で皮下または筋内に投与される。さらに好ましくは、ド ロップ、大粒子エアゾール(10ミクロン超)またはスプレイのいずれかを鼻孔か ら気管上部に投与する。pH、等張性、安定性及びその他の条件に注意を払った上 での該液体の調整方法は同業者には明らかである。例えば年令、体調、体重、性 別、食事、投与時間及び他の臨床因子のような薬の作用を変えうる様々な因子を 鑑みて、医者は投与プログラムを決定する。典型的な投与量はウイルス約1〜約 1000HID50(ヒト感染投与量)の範囲である。 本発明の予防処置を実施するには、本発明の免疫原性組成物の免疫原性誘導に 効果的な量を予防処置を必要としているヒト患者に投与する。本発明の免疫原性 組成物の免疫原性誘導に効果的な量として、一投与あたり約1〜1000HID50(ヒ ト感染投与量)、すなわち、105−108pfu(プレーク形成単位)の範囲で投与さ れる。投与の回数は先に述べた因子によって変えてよい。投与は患者の鼻孔から 気管上部の経路が好ましい。 以下の実施例によって本発明をさらに説明する。しかしそれは発明の範囲を限 定するものではない。 実施例1)A/LA/2/87遺伝子のcDNAクローニング Madin−Darby イヌ腎臓(MDCK)細胞と Madin−Darby ウシ腎臓(MDBK)細胞 をAmerican Type Culture Collection(ATCC,Rockville,MD)より入手し、10% ウシ胎児血清(JRH)、2mM L−グルタミン(JRH)、100units/mlペニシリン及び 0.1g/mlストレプトマイシン(Sigma,St.Louis,MO)を添加したEagle's Mo dified Essential培地(EMEM ; JRH Biosciences,Lenexa,KS)で5%の二酸 化炭素存在下37℃で培養した。インフルエンザウイルスA/LA/2/87(H3N2) をDr.L.Potsh(DynCorp/PRI,Rockville,MD)より入手し、一度MDCK細胞中 で37℃で継代接種し、Barrett,Growth, Purification and titration of Influ enza Viruses,p.119-150,B.W.J.Mahy,ed.IRL Press,Oxford,England( 1985)に記載の方法にしたがって、生後10日から12日で標準品質の特殊な病原体 を持っていない有胚鶏卵(SPAFAS,Norwich,CT)の尿嚢で35℃で増幅させた。 A/LA/2/87ウイルスに感染した鶏卵から尿膜腔液を採取し、SW28ローター を用いて4℃に維持しながら90分間15,000rpm で遠心分離を行い、それを濃縮し た。次に4回の12%ステップのスクロース非連続勾配(燐酸緩衝生理食塩水中ス クロース12〜60%含む)でSW28ローターを用い4℃に維持しながら75分間15,000 rpm で遠心分離を行い精製した。バンドされたウイルス粒子は1% NP-40を用い て破壊した。次にウイルスRNA(vRNA)を押出し、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SD S)、50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメチルハイドロクロライド(Tris) 、pH7.5,100mM塩化ナトリウム及び1mMエチレンジアミンテトラアセテート(ED TA)の存在下でまず 0.5mg/mlのプロテインキナーゼK(PK ; Ameresco,Solon ,OH)で37℃で1時間処理した。次にフェノール/クロロホルムの等量を用いて 連続的に処理し、エタノール 2.5容量で沈殿させた。−20℃で1時間冷却した後 、RNA を含有した沈殿物をEppendorfmicrocentrifugeで20分間14,000rpm で遠心 分離しペレット化させ、80%エタノールで洗浄し、乾燥し、ジエチルピロカルボ ネート(DEPC)で処理した水で再びケンダクさせ、最終濃度を 0.5mg/mlに調整 した。A/Memphis/8/88 PB2遺伝子(Gorman,J Virol 64 : 4893-4902(1 990)参照のこと)の配列に基づいてBamHI及びBamHI制限酵素 切断部をもつvRNA約1μmをPB2遺伝子の24 3‘末端に相補的なオリゴヌクレ オチドであるオリゴヌクレオチドPB2003とハイブリダイズさせた。PB2003の配列 は下記の表に示す。 製造者から提供され、0.5mMの各々のデオキシヌクレオチドシリン酸(dNTPs ; Promega,Madison,WI)及びRNAsin 2units/ulを含有する反応緩衝液中で第 一のcDNA鎖をSuperscript II逆転写酵素(Gibco/BRL,Bethesda,MD)を用いて42 ℃で2時間かけて合成した。該cDNAをフェノール/クロロホルム抽出で精製し、 S−300 HRマイクロカラム(Pharmacia,Piscataway,NJ)を用いて各成分を分離 した。ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いてcDNAを1229の位置に特徴的な NcoI部 分を持つ2つのセグメントに分けて増幅した。オリゴヌクレオチドプライマーPB 2003及びPB2005(1257-1276 の位置でvRNA感受性、PB2005配列については表1を 参照のこと)を用いてC末端クローンを作成した。プライマーPB2002(XbaI制限 酵素切断部、T3プロモーター配列及びPB vRNA の5‘末端から28番目のnts を 含有するvRNAセンス)及びPB2004(1126-1146 の位置、mRNAセンス)を用いてN 末端クローンを作成した。PB2003及びPB2005の配列は表1に示す。 Perkin Elmer(Norwalk,CT)thermal cycler を用いて、2mM塩化マグネシウ ム、0.2mM dNTPS,0.2uMの各プライマー及びTaq polymerase 2.5単位含有した1 XPCR緩衝液II(perkin Elmer)中で94℃で1分間50サイクルの変性を行い、40℃ で20分間アニーリングし、72℃で3分間伸張して、PCR を行い、72℃で30分間イ ンキュベートした。PCR によって作成されたフラグメントをフェノール/クロロ ホルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、1%低融点アガロースゲル(FMC Rock land,ME)で 100ボルトで1時間1X TAE緩衝液(40mM Tris-acetate,1mM EDT A,pH8.0)中で電気泳動を行った。予期 したサイズのDNA フラグメント(1.29kb N末端フラグメント及び1.24kb C末 端フラグメント)をゲルから切除し、ゲルスライスを溶かし、Langridge,Anal Biochem 103 : 264-71(1980)に記載の“QN”法でDNA を抽出した。T4 DNAリ ガーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)を用いて pCRII TA クローニング ベクター(In Vitrogen,San Diego,CA)との連結反応に、精製したDNA 各々の 一部を用いた。連結混合物の一部を用いてコンピテントE.Coli DH5α細胞(Gib co/BRL Bethesda,MD)を形質転換させた。 Sequenase(USB,Cleveland,OH)を用いて2本鎖プラスミドDNA のジデオキシ 鎖ターミネーション配列決定によってA/Memphis/8/88 PB2遺伝子の配列 に基づいたプライマーを用いてPB2遺伝子の挿入物の配列決定を行った。 それぞれのフラグメントをもった2種の異なったクローンの配列を決定し、N 末端クローンのうちひとつにおける一つのヌクレオチド欠損を除いて同一と判明 した。PB2をコードするオープンリーディングフレームにおけるフレームシフト 突然変異を誘発すると予測されたのでN末端クローンは使用しなかった。予想通 り、11ヌクレオチド及び3アミノ酸が異なっていることを除いては該配列はA/ Memphis/8/88 PB2の配列とかなり相同していた。A/Memphis/8/88 PB 2の配列はGorman,J Virol 64 ; 4893-4902(1990)に示される。(GenBankに より報告されているように)A/Memphis/8/88およびA/LA/2/87 PB2 遺伝子間の配列の違いは(cRNA(+)センス鎖の第一番目のヌクレオチドから数 えて)以下のヌクレオチド位置にする。 80番目(A/Memphis/8/88:G,A/LA/2/87:A)、81番目(A/Mem phis/8/88:A,A/LA/2/87:G)、306番目(A/Memphis/8/88:T ,A/LA/2/87:C)、338番目 (A/Memphis/8/88:A,A/LA/2/87:C)、504番目(A/Memphis/ 8/88:C,A/LA/2/87:A)、505番目(A/Memphis/8/88:A,A/ LA/2/87:C)、543番目(A/Memphis/8/88:T,A/LA/2/87:G) 、886番目(A/Memphis/8/88:C,A/LA/2/87:A)、887番目(A/M emphis/8/88:A,A/LA/2/87:C)、990番目(A/Memphis/8/88: G,A/LA/2/87:A)、1164番目(A/Memphis/8/88:A,A/LA/2 /87:G)、1929番目(A/Memphis/8/88:T,A/LA/2/87:C)。 80番目及び81番目(the GenBank sequence)の位置に2ヵ所のエラーが判明し たA/Memphis/8/88 cDNAを少量再配列決定した。その結果2ヵ所の配列は A/LA/2/87の配列と同じであった。3ヵ所のヌクレオチドの違いはA/LA/ 2/87のアミノ酸位置第 104番目、第 160番目及び 287番目におけるアミノ酸に 反映された。 C末端クローンをBamHI及び NcoIで、及びN末端クローンを XbaI及び Nco Iで消化して、PB2 cDNA 全鎖を再構築した。QN法を用いて消化されたDNA フラ グメントは精製され、BamHI/XbaI−digested pUC19 standard cloning vector にリゲートした。 実施例2:PB2 cDNA の突然変異誘発 5個の連続したアミノ酸配列中の4個もしくは5個の正もしくは負に帯電した アミノ酸を帯電クラスターとして定義し、インフルエンザA/LA/2/87 PB2 蛋白のアミノ酸配列中に8個の荷電クラスターを確認した。実施例1でクローニ ングしたcDNAを用いて、特異的な部位特異的改変を含む8個のPB2変異cDNAを以 下の通り構築した。 実施例1で得たPB2 cDNA クローンのクラスターおよびアミノ酸 改変の位置、および導入した制限酵素部位の要約を表2に示す。一例を除く全て のケースで、クラスター中の正に帯電したアミノ酸(RまたはK)のみが、中性 のアミノ酸残基であるアラニンをコードする核酸で置換することで改変されてい る。中性のアラニンに対応するいかなるコドン(GCA,GCC,GCG、またはGCU)も、 1個の核酸の変化により負荷電のアスパラギン(GAC またはGAU)あるいはグルタ ミン(GAA またはGAG)アミノ酸残基へと変異して戻ることから、これによって自 発的な復帰の可能性を最小にする。クラスターが負荷電アミノ酸のみからなるAL A6では、2個のD残基および2番目のE残基をアラニンをコードする核酸の置換 によって改変した。導入したALA8突然変異は、核の局在化シグナルと考えられて いる配列の一部と一致しており、インフルエンザAのA/WSN/33株のPB2蛋白 における同じ位置をグルタミンに変える突然変異によって、組換え蛋白を発現し ているBHK 細胞の核と細胞質に同等に分布するPB2蛋白の生産が起きることが示 された。Mukaigawa およびNayak,J Virol 65 : 245-253(1991)を参照。全ての ケースで、様々な対立遺伝子を追跡するための制限酵素(RE)の変化を導入する ために、翻訳で反映されないようないくつかの突然変異を別に起こした。 PCR により増幅した断片を用いたカセット突然変異誘発法によってALA1および ALA5改変を含むPB2 cDNA を作った。所望の置換をもつ配列に加え、近傍にある 唯一の制限酵素切断部位の配列を含むプライマー(ALA1またはALA5、これらの配 列については表1を参照)を、別の特有の制限酵素切断部位から遠い逆センスの プライマーと共に用いた。ALA2,ALA3,ALA4,ALA6,ALA7、およびALA8を含むPB 2 cDNA は、Chameleon Site Directed Mutagenesis Kit(Stratagene,La Jolla ,CA)を用いて作成した。 1荷電クラスターの位置は、示された最初のアミノ酸の番号(下付き)により 示した。 2アラニンへ突然変異されたアミノ酸はボールド文字で示す。実施例3:ウイルスRNP の調製 ウイルスのリボヌクレオプロテイン(RNP)はSPF 卵で増殖させたA/PR/8/3 4ウイルスから、Parvin,J Virol 63 : 5142-5152(1989)に記載されたプロト コールに改変を加えて用い、以下に開示する通りの精製した。 600 から700 個のSPF 卵に約104pfuのインフルエンザA/PR/8/34ウイルス を注射して、35℃で2日間インキュベートした。一晩かけて4℃に冷却した後、 尿嚢液を回収し、Amicon Hollow Fiber Cartridge(Type H1P100-20)とAmicon LP -1 ポンプを用いて、約10倍に濃縮した。ウイルスを、SW28ローターを用いた25, 000rpm,90分間、4℃の遠心分離により沈殿させ、100mM NaCl,10mM Tris-HCl ,pH7.5,10mM EDTA(NTE緩衝液)で再懸濁し、30%スクロースク ッションを通して、2回再沈殿(SW28ローターで、25,000rpm,2.5時間の後、SW 50.1ローターで36,000rpm,90分間)した。 得られたウイルスの沈殿物を、0.1M Tris,pH8.1,0.1M KCl,5mM MgCl2, 5% グリセロール、1.5% Triton−N 101,10mg/mlリソレシチン(使用時 に添加)、および 1.5mMジチオトレイトール(DTT)に、最終蛋白濃度が3mg/ml となるように再懸濁し、37℃で30分間インキュベートした。破壊したウイルスを 、Amicon Centriprep−10濃縮器を用い、Beckman J−6B遠心機で、1〜3時 間、3000rpm の条件で濃縮した。ウイルスのコアを、3層のグリセロール非連続 勾配(33%,50%、および70%グリセロール)で、SW50.1ローターを用い45,000 rpm,4℃で4時間遠心して精製した。0.3mlの画分を勾配から回収し、SDS−ポ リアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で分析した。 NP蛋白中で濃縮した画分をプールして、CsCl/グリセロール非連続勾配(3層 :15M CsCl/30%グリセロール、2.0M CsCl/35%グリセロール、および 2. 5M CsCl,40%グリセロール)で、SW50.1ローターを用い、45,000rpm,24時間 、4℃で遠心した。再度、画分をNP蛋白で濃縮してプールし、50,000ダルトンの 分子量カットオフの透析チューブを用い、50%グリセロール、50mM Tris pH7.5 ,100mM NaCl,10mM MgCl2、および1mM DTTの最終緩衝液組成で透析した。各RN P 調製物の蛋白濃度は1から2mg/mlであった。RNP は−80℃で保存した。RNP の活性は、0.1μg/μlのRNP を用い、得られたウイルスをトリプシンの非存 在下でMDBK細胞にプラーク形成させた点を除いて、Enami,Proc Natl Acad Sci USA 87 : 3802-3805(1990)の方法及び下記に要約したプロトコールに従った、 WSN−HKヘルパーウイルスを用いるNA救済によって測定した。通常、トランスフ ェクションの収率は5−10x104pfuであつた。実施例4:PB2変異cDNAのトランスフェクションおよび組換えPB2ウイルスの救 野生型インフルエンザA/LA PB2 cDNAおよび実施例2で構築した8個のイ ンフルエンザA/LA PB2 cDNA変異体を、Paleseとその共同研究者が初めに記 載した逆遺伝法のプロトコール(例えば、Enami およびPalese,J Virol 65 : 2 711-13(1991)参照)に変更を加えた方法に従い、Clements,Murphyとその同僚 、J Clin Microbiol 30 : 655-662(1992)およびSubbarao,J Virol 67 : 7223-8 (1993)が記載した通り、宿主域変異PB2ヘルパーウイルスを用いて、インフルエ ンザウイルス中に救済した。PB2宿主域ヘルパーウイルスは、A/Mallard/NY /6750/78由来のPB2遺伝子とA/LA/2/87由来の残りの7個の遺伝子を含む 、単一遺伝子の再組換え体ウイルスであり、Dr.L.Potash(DynCorp/PRI,Roc kville MD)から提供を受け、SPF 卵で増殖させた。 このPB2ヘルパーウイルスは、PCK 細胞中で効率よく増殖できるが、哺乳類細 胞ではプラークを形成しない宿主域変異体である(Clements,J Clin Microbiol 30 : 655-662(1992)を参照)ことから、以前に初代培養鶏腎臓(PCK)細胞のトラ ンスフェクションによる救済に用いられたことがある(Subbarao.J Viol 67 : 7223-8(1993)を参照)。驚くべきことに、我々は、哺乳類細胞株であるMDBKに このウイルスを感染させることができ、また、その発現がインフルエンザの発現 のためのポリメラーゼ機能(IVACAT)に依存するトランスフェクトされた指示遺 伝子(クロラムフェニコール アセチル トランスフェラーゼ、CAT)を発現させ ることができることを見いだした。Luytijes,Cell 59 : 1107-1113(1989)を参 照。従って、我々は、PCK 細胞の代わりにMDBK細胞をPB2救済実験に用いた。 さらに我々は、MDBK細胞のエレクトロポレーション法を用い、以 前に記載されたDEAE−デキストラン トランスフェクション法(Li,Virus Res 投稿中、及びU.S.出願番号 08/316,049,1994年9月30日出願、ここに引 用文献として含める、を参照)と比較して、ヘルパーウイルスの複製を10倍低減 し、同等かそれ以上のトランスフェクタント ウイルスを産生する、改善された トランスフェクション法を採用した。エレクトロポレーション技術によって、も う一つのバックグランドの要因、つまりRNP 調製物中に少量存在するA/PR/8 /34由来のPB2をコードするRNA、も除かれたようである。 MDBK細胞はmATCC,Rocksille,Md.から提供を受けた。準集密的単層のMDBK細 胞(トランスフェクション当たり60mmディッシュ1枚)に、リン酸緩衝生理食塩 水(PBS ; JRH BioSciences,Lenexa,KS)で希釈したヘルパーウイルスを、感染 多重度(moi)が5となるように、1時間、室温で感染させた。感染細胞は、事前 に暖めておいた(37℃)0.5%トリプシンをかけて室温で2分間おき、ディッシ ュからはがした。Mg-2及びCa-2を含むPBS(JRH)中のダイズ トリプシン イン ヒビター(Sigma)2mgを添加して、トリプシンは不活性化した。感染細胞を、Bec kman 卓上臨床遠心機を用い室温で5分間、2000rpm で遠心して沈殿させ、これ を 0.3mlのPBS に再懸濁した。細胞を、エレクトロポレーション用のキュベット (0.4cm ギャップ、Bio−Rad,Hercules,CA)に移した。vRNA−センス RNPは、Bs mIで直線状にしたPB2 cDNA(トランスフェクション当たり2μg)を、ヌク レオチド3リン酸(Promega,Madison,WI)各々 0.5mM,1unit/μl RNAsin (Promega)、および 0.2〜0.4 μg/μlの精製RNP 蛋白の存在下で、T3ポリ メラーゼ(2 units/μl,Stratagene,LA Jolla,CA)により転写して得た。 転写物は37℃で45分間インキュベートした後、37℃で5分間、RQ1 Dnase(Pr omega)処理した。RNP 混合物をキュベット中の感染細胞に添加し、Bio−Rad(He rcules,CA)Gene Pulserにより、直ちに250mV,500μFの1パルスを加えてエ レクトロポレーションした。その後、エレクトロポレーションした細胞を、1% 牛血清アルブミン(BSA ; Gibco/BRL,Grand island,NY)および1.25μg/ml L−(トシルアミド−2−フェニル)エチルクロロメチルケトン(TPCK)処理ト リプシン(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ)を含む2mlのMEM(JR H)中で再度播種し、34℃で一晩インキュベートした。 上澄を回収して、希釈せず、10−cmディッシュ(トランスフェクション当たり 2枚)のMDCK細胞の集密的単層を感染させるのに用いた。これに、2.5μg/ml TPCK−トリプシンを含むL−15培地(JRH)中の 0.8%アガロースを重層し、3 日間34℃でインキュベートした。プラークを 0.5mlの MEM/1% BSA中にとり、 ピペットで分散させて、プラーク分散液 0.1mlを24ウエルディッシュのMDCK細胞 を感染させるのに用いた。感染MDCK細胞を34℃で2〜3日間インキュベートし、 下記の実施例5に記載したように、組換えウイルスのスクリーニングを行った。実施例5:組換えウイルスのRT/PCR スクリーニング 細胞変性効果(CPE)、即ち、細胞の伸張、球形化、およびこれに続く細胞の剥 離と死、を示すウエルの上澄を回収し、痕跡量の添加cDNAの持ち越しを防ぐため 、RQ1 Dnaseで37℃ 10分間処理した。vRNAは、上述の実施例1で記載したよ うに、培地をPK処理した後、フェノール/クロロフォルム抽出とエタノール沈殿 をおこなって調製した。RNA の3分の1はRT/PCR スクリーニングに用いた。プ ライマーには、n2pb24とPB2006(これらのプライマーの配列については表1を参 照)を使った。これらのプライマーは、これらの実験 で用いた3つの株(A/LA/2/87,A/PB8/34、またはA/Mallard/NY/6 750/78)由来のPB2遺伝子の短い領域を増幅することができる。第一鎖のcDNA は、Superscript II逆転写酵素(Giobco/BRL,Bethesda,MD)を用い、各々のデ オキシヌクレオチド3リン酸、0.1mM,n2 pb2.4 プライマー、1μM、およびR NAsin 2 units/ml(Promega)を含む、生産者から供給された反応緩衝液中にお いて、42℃,30分間合成した。反応混合物を、1XPCR緩衝液II(Perkin Elmer), 2mM MgCl2,0.2mM dNTPs,0.2μM各プライマー、および2.5units Taqポリメラ ーゼに調製した。Perkin Elmer(Norwalk,CT)のサーマルサイクラーでPCR を行 った。変性を94℃で1分間、アニーリングを50℃で1分間、伸長を72℃で2分間 の条件で、35サイクル行った後、72℃で30分間インキュベーションした。 これらのプライマーを用いて得られたPCR 断片を、下記の表3に示すような、 3つの株のPB2遺伝子の特徴である異なるサイズの消化物を産生するHinfI(Ne w England Biolabs,Beverly,MA)で消化して同定した。 変異PB2 RNA配列を含むことが確認されたプラーク由来のPB2変異ウイルス は、MDCK細胞でプラーク精製され、一旦34℃でMDCK細胞に引継いだ後(MEM+トリ プシン中、2〜3日)、RT/PCR およびHI nfI制限酵素分析によって再度スクリーニングされ、33℃でSPF 卵(SPAFAS)で 増殖させたALA4突然変異導入ウイルスを除いては、35℃でSPF 卵(SPAFAS)で増 殖させた。RT/PCR によって、8個のPB2変異インフルエンザウイルスのうち6 個が、うまくトランスフェクトされ、上述の技術によって保護されることが示さ れた(ALA1,ALA4,ALA5,ALA6,ALA7、およびALA8)。ALA2とALA3は数回試みた が救済されず、従ってMDCK細胞中では生物学的に不活性なPB2蛋白をコードして いると思われる。実施例6:温度感受性決定 上記実施例5におけるPB2変異ウイルスの群落数は、34℃(許容温度)の二酸 化炭素培養器中、または、Lauda定温浸漬サーキュレータによって厳密に温度を 調整した水浴に沈めることにより、あるいは37,38、もしくは39℃としたNalgen e バイオコンテナ(Nalge, Rochester,NY)中で、MDCK細胞内のプラークアッセ イ法によって力価測定された。水浴は、所望される温度を 0.1℃の範囲に保った 。よく水分を除去した容器を、密閉する前に二酸化炭素5%、酸素21%、窒素74 %の気体(バイオブレンド;Altair,San Ramon,CA)で置換した。シャットオ フ温度は、100倍あるいはプラーク形成(EOP)をそれ以上に低下させる最低温度で 、それは34℃前後と観察された。 あるウイルスについて、プラークの大きさが温度上昇によって再現的に減少す る場合、あるいはEOP が39℃において10倍またはそれ以上減少する場合、そのウ イルスに温度感受性ありと決定した。EOP とプラークの形態は37から40℃の範囲 の温度下で分析された。A/LA/2/87ウイルスの親株あるいは野生種のトラン スフェクタント(LA36−8.1 より分離)のEOP は、この温度範囲において、2倍 以下で変化した。結果を以下の表4に示す。 1プラークの直径(培養後3日);大=2〜3mm; 小=1〜2mm;極小=≦1mm実施例7:フェレット(Ferrets)におけるPB2変異ウイルスの反応原性 候補となるインフルエンザワクチンの反応原性のテストのために、動物モデル としてフェレットを選択した。フェレットは発熱、鼻かぜ症状、くしゃみ、無気 力など、人間と同じインフルエンザの症状をいくつか示すからである。予めイン フルエンザに対する抗体を持つものをスクリーニングし、7日間ペニシリンによ る処置(一日30,000unit)を施した生後10週から12週の去勢したオスのフェレッ トを、Triple TFarm(Sayre,Pa)より入手した。フェレットにはジエチルエーテ ルによる麻酔をかけ、約108EID50のウイルスを混合した1mlの接種物(両鼻腔に 各 0.5mlづつ)で鼻腔内感染させた。感染したフェレットの体温は、3日間、一 日2回、直腸内測定した。感染していないフェレットの正常体温は39℃(華氏 1 02.2度)で ある。39.75℃(華氏 103.5度)以上を発熱とする。3日の後、ペントバルビツ ールナトリウム(フェレット1頭当たり 130mg)の心臓注射によってフェレット を安楽死させ、肺と鼻介を分離した。組織懸濁液(10% wt./vol.)の調製には Hankのバランス処理した塩水(HBSS,Gibco/BRL,Bethesda,MD)、すなわち2X のベーゼン・イーグル・メディア(BME)アミノ酸、2XのBME ビタミン、4mMの L−グルタミン、0.05mg/mlのゲンタマイシンサルフェート(化学品は全て Gib co/BRL より入手した。)を含有するもので均質化した。ウイルス力価は、Barr ett,Growth,Purification and Titration of Influenza Viruses,p.119-150 ,B.W.J.Mahy,ed.,IRL Press,Oxford,England(1985)に記載されたEID5 0 アッセイにより決定した。 最大級に弱毒化したPB2変異種、ALA1(49−14.1から分離)ならびにALA4(65 −31.1から分離)を、それぞれ3頭づつに感染させた。比較例として、3頭のフ ェレットを野生種のLA PB2(LA36−8.1 より分離したものはALA1の比較例とし て、LA36−9.1 からのものはALA4の比較例として利用した。)の遺伝子を持つト ランスフェクタントウイルスに感染させた。結果を表6a及び6bに示した。AL A1は、鼻介中で確認可能な程度に複製を行い、野生種のトランスフェクタントと 同様に発熱を誘発するので、顕著に弱毒化されているわけではない。しかしなが ら、ALA4は3頭のフェレットのいずれにも発熱を起こさせず、鼻介中においてよ り低い力価の複製を行った。これらの結果は、PB2遺伝子(ALA4)のクラスター 荷電アラニン突然変異誘発によって生じたtsウイルスが、弱毒性のワクチン生成 可能な機能を有する表現型を持っていることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:92) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インフルエンザウイルスタンパク質をコードした少なくとも一つのRNA 配 列が、アミノ酸の少なくとも一つの荷電クラスターに1あるいはそれ以上の荷電 アミノ酸をコードしたヌクレオチドを、1あるいはそれ以上の中性アミノ酸をコ ードしたヌクレオチドで置換することにより改変されている組み換えインフルエ ンザウイルス。 2.前記RNA 配列がインフルエンザのPB2タンパク質をコードしている請求項 1記載のウイルス。 3.前記RNA 配列がインフルエンザのM1タンパク質をコードしている請求項 1記載のウイルス。 4.前記RNA 配列がインフルエンザのNPタンパク質をコードしている請求項1 記載のウイルス。 5.PBタンパク質をコードしている前記RNA 配列が、ALA1,ALA2,ALA3,ALA4 ,ALA5,ALA6,ALA7,ALA8からなる群から選ばれた改変を含む配列からなる請求 項2記載のウイルス。 6.前記ウイルスが再組み換え体ウイルスである請求項1記載のウイルス。 7.インフルエンザPB2タンパク質をコードした改変RNA 配列であって、イン フルエンザPB2タンパク質をコードした前記配列が、ALA1,ALA2,ALA3,ALA4, ALA5,ALA6,ALA7,ALA8からなる群から選ばれた突然変異を含む配列。 8.ALA1,ALA2,ALA3,ALA4,ALA5,ALA6,ALA7,ALA8からなる群から選ばれ た突然変異を含むインフルエンザPB2タンパク質。 9.請求項7のRNA 配列に対応するcDNA配列。 10.医薬として許容される担体を添加した、請求項1又は請求項 5に記載のウイルスの免疫原として誘導するのに有効な量を含む免疫原組成物。 11.治療が必要な人間の患者に対して、請求項10記載の組成物の免疫原誘導有 効量を投与することを含むインフルエンザの治療法。
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