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JPH11508449A - 組換えヒト前立腺特異的抗原およびその使用 - Google Patents

組換えヒト前立腺特異的抗原およびその使用

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JPH11508449A
JPH11508449A JP9504778A JP50477897A JPH11508449A JP H11508449 A JPH11508449 A JP H11508449A JP 9504778 A JP9504778 A JP 9504778A JP 50477897 A JP50477897 A JP 50477897A JP H11508449 A JPH11508449 A JP H11508449A
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JP
Japan
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hpsa
recombinant
antigen
arg
pna
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Pending
Application number
JP9504778A
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English (en)
Inventor
ビーコ,ピルッコ
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ベーリンガー マンハイム ゲーエムベーハー
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Publication date
Application filed by ベーリンガー マンハイム ゲーエムベーハー filed Critical ベーリンガー マンハイム ゲーエムベーハー
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    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、組換えDNA技術によるヒト前立腺特異的抗原(hPSA)の産生および精製に関する。バキュロウイルス発現ベクター系により活性型および不活性型のhPSAを産生した。組換えタンパク質は、感染昆虫細胞により高収率で培地中に分泌され、カチオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過を含む3工程処理による精製を行って均質化された。こうして得られたタンパク質はグリコシル化されず、しかもカリクレイン特異的基質 H-D-Pro-Phe-Arg-pNA・2HClを分解しないという点で、天然のタンパク質と異なっている。得られた不活性型のhPSAは、N-末端に更に2つのアミノ酸残基を有し、複合体を形成しない。組み換えタンパク質の可能な使用についても開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 組換えヒト前立腺特異的抗原およびその使用 本発明は、組換えDNA技術によるヒト前立腺特異的抗原(hPSA)の産生および 精製、ならびに得られる活性および不活性タンパク質の形態、ならびにその使用 方法に関する。 ヒト前立腺特異的抗原(hPSA)は、30kDa〜34kDaの一本鎖糖タンパク質であり、 前立腺の上皮細胞中で合成され、精液中に分泌され0.5mg/ml〜2mg/mlのレベルで 存在する1-3。hPSAは、細胞外セリンプロテアーゼのグループに属する強力なタ ンパク質分解酵素であり、キモトリプシン様酵素のもつ共通したいくつかの特徴 を有する4,5。hPSAの一次構造によれば、hPSAは、プロテアーゼのヒトカリクレ インファミリーに属する5,6。このファミリーの2つの他のメンバーは、ヒト膵臓 /腎臓カリクレインおよびヒト腺カリクレイン-1(hGK-1)である。hGK-1は、80% の配列の同一性を有するhPSAと最も近い関係にあり、ヒト前立腺組織中で発現さ れる6-10。 Papsideroおよび協同研究者11は、hPSAが前立腺癌患者の血清中に定常的に検 出されることを示し、それ以来、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体 を用いて、種々の市販のhPSAアッセイが開発された。例えば、ラジオイムノアッ セイ(RIA)、エンザイムリンクドイムノソルベントアッセイ(ELISA)、サンドイッ チイムノアッセイ、および蛍光イムノアッセイが挙げられる12。血清hPSAの測定 を臨床的に利用することが、前立腺癌の診断や治療のフォローアップにおいて最 も中心的な位置を占めるようになった13,14。血清hPSA濃度はまた、良性前立腺 過形成の患者でも、前立腺を冒す炎症状態下でも増大するので、hPSAの測定は、 単独では、未診断前立腺癌の十分なスクリーニング手段にはならない。しかしな がら、血清hPSA濃度と、直腸指診および直腸横断超音波診断などの他の方法とを 併用することにより、前立腺癌の初期診断が改良される15-17。 最近、hPSAは、恐らく、もはや絶対的な前立腺組織特異的マーカーとは考えら れないという研究結果が示された。免疫組織化学的方法を用いて、女性の尿道周 囲腺、アポクリン汗腺、アポクリン乳癌、唾液腺悪性新生物、および男性尿道に おいて、hPSAを検出することができた18。hPSAはまた、人乳中に非常に低濃度で 検出される19。 血清中において、hPSAのタンパク質分解活性は、α1-抗キモトリプシンおよび α2-マクログロブリンなどの血清プロテアーゼインヒビターとの不可逆的複合体 形成により抑制される20-23。しかしながら、非複合体型のhPSAもまた、血流中 に存在する。遊離型のhPSAおよびα1-抗キモトリプシンとの複合体形成型のhPSA は、免疫学的に検出されるが、この場合、従来型の2サイトイムノメトリックア ッセイによって複合体が免疫学的に定量されないように、α2-マクログロブリン が反応性hPSAエピトープを包む24。hPSA分子および抗hPSA抗体が複雑であるため に、現在のところ、血清hPSAを定量するための国際的に標準化された方法は存在 しない。また、どのような型のhPSA臨床アッセイによって、遊離型hPSA、α2-マ クログロブリン結合型hPSA、α1-抗キモトリプシン結合型hPSA、またはこれらの 型のhPSAの組合せを測定するかに関する合意を得ることも重要であろう。しかし 、いかなるhPSAアッセイの標準化が行えるにしても、その前に、至急に共通する 標準を設定する必要がある 本研究において、昆虫細胞中で組換えタンパク質としてhPSAを産生した。活性 型のhPSAと不活性型のhPSAとを分離し、これらの精製および特徴付けを行った。 いずれの型のタンパク質も、hPSAアッセイにおける標準タンパク質として使用す るうえで好適であることが明らかになるとともに、hPSAに対する非常に特異的な 抗体の調製における抗原として使用するうえでも好適であることが分かった。 本出願において、本発明者らは、組換えバキュロウイルス感染Sf9昆虫細胞に よるhPSAの効率的な発現系の開発について初めて記載する。 活性型および不活性型の両方の組換えhPSAを培地中に分泌させたが、カチオン 交換クロマトグラフィーを用いた最終精製段階で、これらを分離することができ た。活性型では、シグナルペプチドと活性化ペプチドとが適切に切断されたこと は、N末端のペプチド配列決定により確認された。 成熟hPSAは、237個のアミノ酸の一本鎖ポリペプチドから成り、分子中のペプ チド部分の分子量(Mr)は26079であり、アスパラギン-45に結合した単一のN-結合 炭水化物側鎖を含有する6,34。精液から精製されたhPSAをイオンスプレーマスス ペクトロメトリー(ISMS)により分析したところ平均Mr28430が検出されたが、こ れはタンパク質がMr2351の炭水化物残基を含有することを示唆するとの報告がな された35。 ISMSによる活性型組換えhPSAの分析からMr26500が示されたが、これはN-末端 糖がほとんど存在しないことを示唆する。脱グリコシル化に関する研究からも、 組換えhPSAはグリコシル化されないという研究結果が支持された。SDS-PAGE分析 において、N-グリコシダーゼF処理またはO-グリコシダーゼ処理の後、組換えhPS Aの分子量31kDaの減少は観測されなかった。ただし、市販のhPSAの分子量は、N- グリコシダーゼF処理の後、34kDaから31kDaまで減少した。市販のhPSAおよび組 換えhPSAのグリコシル化には差異が見られたにもかかわず、これらはいずれも、 2つのマウスモノクローナル抗体による蛍光イムノアッセイで認識された。 未変性PAGEおよび等電点電気泳動において、本発明の組換えhPSAが市販品より も均一性が高いことが示された。市販のhPSAは、銀染色未変性PAGEにおいて5つ の異なる型を示したが、組換えhPSAは1つの型だけであった。等電点電気泳動に おいて、市販のhPSAは、pH6.0〜pH7.0の等電点を有する数種のイソ型を示したが 、組換えhPSAは、1つの主要なpI7.7および副次的なpI7.4を示した。組換えhPSA および市販のhPSAの特異的活性は、合成ペプチド基質を使用した場合、既存の測 定値にほぼ匹敵するものであった20。 活性型の組換えhPSAは、市販のhPSAと同じように、α1-抗キモトリプシンおよ びα2-マクログロブリンとの安定な複合体を形成する。α1-抗キモトリプシンは 約80kDaの複合体を形成し、タンパク質の活性部位に結合することによって、い ずれのhPSAをも不活性化する。α2-マクログロブリンはhPSAの抗原エピトープを 包むために、未変性状態でタンパク質は免疫検出により検出されないことが知ら れている。α2-マクログロブリン‐プロテイナーゼ複合体の還元条件のSDA-PAGE により、分子量約85kDaを有するα2マクログロブリン断片を生じる36。組換えhP SA(31kDa)または市販のhPSA(34kDa)を、これらのα2-マクログロブリン断片と共 有結合させたところ、免疫ブロットで約110kDaの弱いバンドを検出することがで きた。低分子量の合成ペプチド基質を用いると、組換えhPSAおよび市販のhPSA の色素産生活性は、α2-マクログロブリン添加直後に増大した。 不活性型の組換えhPSAは、N-末端に更に2つのアミノ酸残基を有する。このN- 末端アミノ酸残基の配列は、Ser-Arg-Ile-Val-Gly-Gly-Trp-Glu-Cys-Glu-Lys-Hi s-Serである。このタンパク質は、α1-抗キモトリプシンまたはα2-マクログロ ブリンと複合体を形成せず、MeO-Suc-Arg-Pro-Tyr-pNA・HCl基質およびH-D-Pro- Phe-Arg-pNA・2HCl基質のいずれに対しても活性を示さない。 組換えhPSAを用いると、非常に類似したhGK-1タンパク質とhPSAとのコンタミ を回避することができる。これらの2つのタンパク質はサイズが同じで、親水性 領域が有意に類似していると推定されるので、広範な免疫学的交差反応性を呈す るものと考えられる。本発明者らはまた、hPSA蛍光イムノアッセイにおいても認 識される組換えhGK-1を、昆虫細胞中で産生した。このことから、標準タンパク 質として、またはhPSAに対する適切な抗体を調製する際の抗原として、PSA-アッ セイの標準化のために組換えhPSAを使用することが非常に重要であると結論され る。 抗体は、組換えhPSAの活性型または不活性型のいずれかに対して産生されるモ ノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれであってもよい。所望の抗 体のタイプにもよるが、当該技術分野で公知の種々の方法により抗体を産生する ことができる。ポリクローナル抗体を得るには、抗原を用いて脊椎動物(例えば 、ウサギ)を高度免疫し、免疫を繰り返した後で血液を採取し、γ-グロブリン を単離する。ポリクローナル抗体の好適な調製方法は、例えば、Harlow and Lan e,Eds.,Antibodies,a laboratory manual,1988 Cold Spring Harbor Press に開示されている。モノクローナル抗体を得るには、抗原を用いて小動物(典型 的には、マウスまたはラット)を免疫し、脾臓または膝窩リンパ節を取り出し、 好適な融合プロモーターの存在下でリンパ球を骨髄腫細胞と混合する。こうして 得られたハイブリッド細胞(ハイブリドーマと呼ばれる)をスクリーニングして 、抗原に対してそれぞれ1つのユニークな抗体を分泌する個々のクローンを単離 Nature 256:494-497(1975)に記載されている。 図面の簡単な説明 図1:精液から精製された市販のhPSA(レーン1)および組換えhPSA(活性型)(ラ イン2)の銀染色未変性(A.)および還元SDS(B.)ポリアクリルアミドゲル電気泳動 。 図2:組換えhPSA(活性型)(レーン1)および市販のhPSA(レーン2)の銀染色等電 点電気泳動。 図3:組換えhPSAおよび市販のhPSAとα1-抗キモトリプシンとの相互作用。 純粋な組換えhPSA(活性型)との複合体の形成(A.)および市販のhPSAとの複合体 の形成(B.)を、SDS-PAGEのウェスタンブロットにより追跡した。分析前にすべて のサンプルを5%の2-メルカプトエタノールで還元した。レーン2〜5は、相互作用 の時間的経過を表しており、インキュベーション時間は、(2)0.1分、(3)1分、(4 )15分、(5)60分であった。レーンA.1は非複合体型の組換えhPSAであり、ラインB .1は非複合体型の市販のhPSAである。組換えhPSA(■)および市販のhPSA(□)の色 素産生活性を、パートC.で複合体を形成させる間、追跡した。 図4:組換えhPSAおよび市販のhPSAとα2-マクログロブリンとの相互作用。 純粋な組換えhPSA(活性型)との複合体の形成(A.)および市販のhPSAとの複合体 の形成(B.)を、SDS-PAGEのウェスタンブロットにより追跡した。分析前にすべて のサンプルを5%の2-メルカプトエタノールで還元した。レーン2〜5は、相互作用 の時間的経過を表しており、インキュベーション時間は、(2)0.1分、(3)1分、(4 )15分、(5)60分であった。レーンA.1は非複合体型の組換えhPSAであり、レーンB .1は非複合体型の市販のhPSAである。組換えhPSA(■)および市販のhPSA(□)の色 素産生活性を、パートCで複合体を形成させる間、追跡した。 図5:精製された組換えhPSAおよび市販のhPSAの定量的回収率(hPSAに対する 時間分解蛍光イムノアッセイにより測定した) ヒト血清を含有する緩衝液を用いて、純粋な組換えhPSA(活性型)(●)およ び市販のhPSA(○)を、1μg/L、5μg/L、10μg/L、100μg/L、500μg/Lに希釈 した。これらの濃度を、hPSAに対する蛍光イムノアッセイキット(Wallac)によっ て1サンプルを2検体としてアッセイした。回収率100%。 図6:カチオン交換クロマトグラフィーによる組換えhPSAの最終精製工程。塩 化ナトリウム直線勾配溶出。活性型組換えhPSA:ピーク2。不活性型組換えhPSA :ピーク5。ピーク3および4には、両方の型の混合物が含まれる。 実験 組換えプラスミドトランスファーベクターの構築 hPSA-cDNA(1464bp)をpVL1392非融合トランスファーベクター(Invitrogen) のEcoRI部位中にクローニングし、相同組換えによりAutografa californica核多 角体病ウイルス(AcNPV)のゲノム中に導入した。 組換えバキュロウイルスの生成およびタンパク質の産生 hPSADNA断片を含有する組換えウイルスを用いて、Spodoptera frugiperda( Sf9)細胞(ATCC CRL1711)を感染させた。10%FCSを含有する抗生物質含有完全TNM- FH昆虫培地(Sigma)の入った1000mlのスピナーフラスコ(Bellco)中において、感 染多重度1でhPSA-AcNPVを感染させた指数増殖性Sf9昆虫細胞(2×106/ml)を用い て27℃で、組換えタンパク質を産生した。収穫のために、細胞を遠心分離し、上 清を集め、組換えhPSAの更なる精製を行うために保存した。培地中に分泌された hPSAの量は、時間分解蛍光イムノアッセイキット(DELFIA、Wallac)を用いて測定 した。 Sf9細胞中におけるhPSAの発現 組換えhPSAをSf9細胞中で過剰産生した。このタンパク質は培地中に分泌され 、感染4日後で産生量が最大(3〜4mg/リットル)となった。次のシリーズ:すなわ ち、T-フラスコ、スピナーボトル、2-リットルのバイオリアクター、および30リ ットルのバイオリアクターを使用して、Sf9昆虫細胞培養のスケールアップを行 った。 組換えhPSAの精製 組換えウイルスを感染させてから収穫した培地を、Pelliconカセットシステム (カットオフ、10kDa;Millipore)を用いて濃縮し、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(p H6.8)中で透析した。次に、この濃縮物を、強力カチオン交換マトリックス(600m l、Streamline SP、Pharmacia)を含有する流動床カラム(Streamline 50、5×100 cm、100ml/分)上へローディングした。洗浄した後、0M〜0.25M NaClの直線塩勾 配を利用して、組換えhPSAを溶出した。ウサギ抗-hPSA血清と反応する画分(スロ ット‐ブロット)を濃縮し(Amicon)、Sephacryl S-200(2.6×80cm、0.7ml/分、Ph armacia)カラムを用いてゲル濾過クロマトグラフィーにかけ、0.15M NaClを含有 する50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用いてカラムから溶出した。最大 のhPSA含有量の画分をプールし、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH5.8)中で透 析し、Mono-Sカラム(0.5×5cm、0.5ml/分、Pharmacia)を用いてカチオン交換ク ロマトグラフィーにかけた。組換えhPSAの活性型(90〜110mM)および不活性型(12 0〜140mM)のプールを、NaClの直線塩勾配を利用してカラムから溶出した。Strea mline 50カラムおよびSephacryl S-200カラムはBioPilotに連結し、Mono-Sカラ ムはFPLC自動化クロマトグラフィーシステム(Pharmacia)に連結した。 精製手順をスキームIに示す。 活性型および不活性型の組換えhPSAは、純度の良いものが得られた(図6)。 組換えhPSAの特徴付け 組換えhPSAは、2つの型、活性型および不活性型、で培地中に生成した。これ らの2つの型は、カチオン交換クロマトグラフィーを用いた最終精製工程で分離 することができた。活性型のhPSAは、不活性型のものよりも低い塩濃度で溶出し た。この純粋なタンパク質の比活性は、合成ペプチドMeO-Suc-Arg-Pro-Tyr-pNA ・HClを基質として使用した場合、73nmol×min-1×mg-1であった。市販のhPSAの 比活性は、79nmol×min-1×mg-1であった。精製された活性型組換えhPSAは、銀 染色SDS-PAGEにおいて26kDaの1つのバンド中に存在し、精液から精製された市販 のhPSAは、34kDaの1つのバンドを形成した(図1B)。銀染色未変性PAGEにおいて、 活性型組換えhPSAは200kDaの1つのバンドを示したが、精液由来のhPSAは70kDa〜 150kDaの間に4つのバンドを形成した(図1A)。組換えhPSAおよび市販のhPSAのこ れらのすべての型は、精液から精製されたhPSAに対して産生されたウサギポリク ローナル抗体を用いるSDS-PAGEのウェスタンブロットにより認識された。未変性 PAGEのイムノブロットにおいては、同じサンプルの銀染色未変性PAGEと比較して 、組換えhPSAのサンプルではバンドが1つ増え、市販のhPSAではバンドが3つ増え た(図1A)。銀染色等電点電気泳動(図2)は、市販のhPSAにはpH6.0〜7.0の範囲に 等電点を有する数種のイソ型が存在することを示している。本発明の組換えhPSA は、pH7.7の1つの主要なバンドおよびpH7.4の副次的なバンドを呈した。いずれ の型も、ブロットされたIEFゲルの免疫染色により認識された(データは示されて いない)。 蛍光イムノアッセイにより求めた組換えhPSAの定量的回収率 精製された組換えhPSAのタンパク質濃度は、ウシγグロブリン(Bio-Rad)を標 準として用いるLowryらの方法により測定した25。更に、組換えhPSAの回収率を 、遊離型PSAおよびα1-抗キモトリプシンとの複合体型PSAの両方を認識する時間 分解蛍光イムノアッセイ(DELFIA PSAキット、Wallac)により測定した21,22。 アッセイのために、組換えhPSA抗原を、ヒト血清含有トリス-HCl緩衝塩溶液(pH7 .8)を含有する蛍光イムノアッセイキットの「ゼロ」標準で希釈した。 ヒト血清を含有する緩衝液を用いて、組換えhPSAおよび市販のhPSAを、1μg/L 、5μg/L、10μg/L、100μg/L、および500μg/Lに希釈した。これらに対して2回 の試験を行って、hPSAの濃度を蛍光イムノアッセイにより決定した。組換えhPSA および市販のhPSAの回収率は、蛍光イムノアッセイキット中のhPSAキャリブレー ターと比較したところ、それぞれ119±3%(n=5)および149+13%(n=5)であった(図5 )。 産生した組換えhPSAの活性型と不活性型との分離 カチオン交換クロマトグラフィーを用いて、組換えhPSAの最終精製工程を実施 した。塩化ナトリウムの直線勾配を利用することにより、ピーク2の活性型hPSA とピーク5の不活性型hPSAとを分離することができた。ピーク3および4には、両 方の型の混合物が含まれていた。(図6)。条件は以下の通りであった。 カラム: MonoS HP(φ0.5×5cm) 緩衝液B: 50mM リン酸Na、pH5.8 緩衝液A: 50mM リン酸Na、pH5.8+1M NaCl サンプル: 部分的に精製された組換えhPSA サンプル容量: 5ml 流速: 0.5ml/分 銀染色未変性PAGEにおいて、活性型の組換えhPSAは分子量が195kDaであり、不 活性型は370kDaであった(図示せず)。 ゲル電気泳動およびイムノブロット 組換えhPSAの純度および特徴付けを、SDS-PAGEおよび未変性PAGEにより評価し た。これらの電気泳動はいずれも、PhastSystem(Pharmacia)を用いて行い、SDS- PAGEに対してはPhastGel gradient media 10-15を、また未変性PAGEに対してはP hastGel gradient media 8-25を使用した。更に、銀染色を行った26-30。ウェス タンブロッティングにおいて、PhastTransfer(Pharmacia)を用いてタンパク質を ニトロセルロース膜上に移した31。精液から精製されたhPSAに対して産生された ウサギポリクローナル抗体32をProtoBlot APシステム(Promega)と併用して、発 現されたタンパク質を検出した。全ての電気泳動において、組換えhPSAと、精液 から精製された市販のhPSA(Calbiochem)とを比較した。等電点電気泳動は、Phas tGel IEF媒体(pH3〜9)を用いるPhastSystemで行い、ゲルを銀染色した。 PSAとプロテイナーゼ阻害物質との複合体形成 10μgの組換えhPSAまたは市販の精製済みhPSAを、40μgの精製済みα1-抗キモ トリプシン(Calbiochem)または200μgのα2-マクログロブリン(Calbiochem)と共 にインキュベートすることにより、反応混合物を調製した。すべての反応を、37 ℃において時間(0.1分、1分、15分、60分)を変えて150mM NaClを含有する20mMト リス緩衝液(pH7.4)中で行った。活性測定およびSDS-PAGEのウェスタンブロッテ ィングにより、反応混合物を分析した。 本発明の組換えhPSAの活性型は、市販のhPSAと同じように、還元SDS-PAGEにお いて、α1-抗キモトリプシンおよびα2-マクログロブリンと安定な複合体を形成 した。いずれのhPSAについても、α1-抗キモトリプシン(2倍モル過剰のα1-抗キ モトリプシン)と複合体を形成させた場合に、1分後に約80kDaのバンドが観測で きる(図3A,B)。複合体形成の開始直後に、MeO-Suc-Arg-Pro-Tyr-pNA・HClのhPSA 媒介加水分解の抑制が起こった(図3C)。1分後には、組換えhPSAの活性の53%およ び市販のhPSAの活性の35%が残存していた。市販のhPSAまたは本発明の組換えhPS Aを含有するインキュベーション混合物にα2-マクログロブリンを添加すると(モ ル比1:1)、直ちに複合体の形成が始まり、SDS-PAGEのウェスタンブロット中に約 110kDaの弱いバンドを観測することができる(図4A,B)。α2-マクログロブリンを 添加したところ、PSAの活性はいずれも増大し、組換えhPSAでは3倍に、また市販 のhPSAでは4倍になった(図4C)。 PSA活性の測定 1mMの最終濃度におけるMeO-Suc-Arg-Pro-Tyr-pNA・HCl(Chromogenix AB)のPSA -加水分解を、405nmで測定した。反応は37℃で行い、200μlの50mMトリス緩衝 液(ただし、100mMのNaClおよび25μgのhPSAを含有する)(pH7.8)に染色基質(50μ l)を添加することによって反応を開始した。1時間後、800μlの0.6M酢酸を添加 することによって反応を停止し、p-ニトロアニリン(pNA)の標準曲線から反応速 度(1分あたりの生成pNAのnmol)を計算した。 hPSAの酵素による脱グリコシル化 10μgの組換えhPSA(13μl)および市販のhPSA(3μl)を、0.5μlの10%SDSと混合 し、25mM EDTAを含有する0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.2)を用いて全容量を15μl に調節し、混合物を3分間煮沸した。この前処理を行った後、5μlの10%(体積比 )トライトン X-100、3μl(のN-グリコシダーゼF溶液(0.6ユニット)、または5μl のO-グリコシダーゼ溶液(2.5ミリユニット)を、タンパク質溶液に添加した(酵素 溶液は、いずれもBoehringer Mannheimから購入した)。25mM EDTAを含有する0.1 Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)を用いて全容量を30μlに調節した。混合物を3 7℃において一晩インキュベートし、非還元的条件下でSDS-PAGEにより分析した 。 O-グリコシダーゼおよびN-グリコシダーゼFは、SDS-PAGEにおいて組換えhPSA の分子量に対して検出できるほどの影響を示さなかったが、N-グリコシダーゼF を用いて市販のhPSAの脱クリコシル化を行うと、3kDaの分子量低下が観測される 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.組換えヒト前立腺特異的抗原(hPSA)であって、 a)該抗原は、感染昆虫細胞中におけるバキュロウイルス発現系を用いた組換 えDNA技術により得られ、 b)該抗原は、イオンスプレーマススペクトロメトリーにより測定した場合、 約26.5kDaの分子量を有し、 c)該抗原は、7.7に主要な等電点を有し、 d)該抗原は、合成ペプチドMeO-Suc-Arg-Pro-Tyr-pNA・HClを基質として使用 した場合、73nmol/min/mgの特異的活性を有し、 e)該抗原は、基質 H.-D.-Pro-Phe-Arg-pNA・2HClに対して活性を示さず、 f)該抗原は、α1-抗キモトリプシンおよびα2-マクログロブリンとの複合体 を形成する、 ことを特徴とする前記抗原。 2.組換えヒト前立腺特異的抗原(hPSA)であって、 a)該抗原は、感染昆虫細胞中におけるバキュロウイルス発現系を用いた組換 えDNA技術により得られ、 b)該抗原は、次のN-末端アミノ酸配列:Ser-Arg-Ile-Val-Gly-Gly-Trp-Glu-C ys-Glu-Lys-His-Serを有し、 c)該抗原は、α1-抗キモトリプシンとの複合体も、α2-マクログロブリンと の複合体も形成せず、 d)該抗頁は、基質 MeO-Suc-Arg-Pro-Tyr-pNA-HClおよびH-D-Pro-Phe-Arg-pNA ・2HClに対して活性を示さない、 ことを特徴とする前記抗原。 3.請求項1または2の組換えhPSAの産生方法であって、 a)hPSAをコードするcDNAをトランスファーベクター中に導入する工程と、 b)バキュロウイルス-DNAとともに該ベクターをSpodoptera frugiperda細 胞中に同時トランスフェクトする工程と、 c)適切な昆虫細胞培地中で該細胞を培養する工程と、 d)該培地を収穫する工程と、 e)該培地中に分泌されたhPSAを精製する工程と、 を含む前記方法。 4.工程 e)の精製を、 ・前記培地を透析する工程と、 ・この透析物を、強力なカチオン‐交換マトリックスを含有する流動床カラム 上にロードする工程と、 ・塩勾配により該カラムから前記hPSAを溶出する工程と、 ・これらのhPSA断片を濃縮する工程と、 ・得られた濃縮物をゲル濾過する工程と、 ・該ゲル濾過カラムから溶出された該hPSA断片を透析する工程と、 ・この透析物を、カチオン交換クロマトグラフィーカラム上にロードする工程 と、 ・直線塩勾配により該カラムから組換えhPSAの活性型および不活性型のプール を溶出する工程と、 によって行う請求項3に記載の方法。 5.ヒト体液中のヒト前立腺特異的抗原(hPSA)のイムノメトリックアッセイを 行うための方法において、請求項1または2に記載のhPSAを標準タンパク質とし て使用することを特徴とする改良。 6.前記体液が血清である請求項5に記載の改良。 7.請求項1または請求項2に記載のhPSAタンパク質の、イムノメトリックhP SAアッセイにおける標準タンパク質としての使用。 8.請求項1または2に記載のhPSAに対して誘導される抗体。
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