【発明の詳細な説明】
ドライクリーニングのための容器
発明の技術分野
柔軟な袋のような容器の内側表面が、全体にあるいは部分的に洗浄成分で被覆
されている。その袋内に置かれた織物は揺り動かされて、洗浄されて再生される
。
関連する出願の参照
本件出願は、1995年3月30日に出願されたNo.08/415,062
号出願の一部継続出願である。
本発明の背景
古典的な定義によれば、“ドライクリーニング”という語は、非水溶性の溶液
を用いて織物を洗浄する方法を表現するために使われてきた。ドライクリーニン
グは古い技術であり、溶液による最初の洗浄は、英国で1860年代に記録され
ている。典型的には、ドライクリーニング処理は、水溶性の洗たく液では縮んで
しまったり、水溶性の洗たく処理をするにはあまりに高価であったりあまりに繊
細であると判断されるような例えば毛織物のような衣服に用いられている。種々
の炭化水素やハロゲン化水素の溶液が伝統的に浸すタイプのドライクリーニング
処理に用いられている。そしてそのような溶液を扱い、再生する必要のために、
通常のドライクリーニングの実施は主として商業的な施設に制限されている。
溶液に基づいたドライクリーニング処理は油汚れを除去するに大変効果的であ
るが、それらはドロ汚れのような粒子を除去するのには最適ではない。そしてタ
ンパク質汚れを除去するためには特殊な処理状態を必要とする。理想的には、粒
子とタンパク質汚れとは、合成洗剤を用いて、通常のドライクリーニングよりも
むしろ水溶性の洗浄処理に類似した状態とすることによって織物から除去される
。
洗浄の機能に加えて、ドライクリーニングは重要な“再生”の利益を与える。
例えば、ドライクリーニングは望まないにおいや、衣服からの髪や糸くずのよう
な関係ない物質を除去し、その衣服は全体にたたまれて、しわを除去するように
プレスされて、その元の形を復元する。もちろんそのような再生の利益は水溶性
の洗浄処理によっても生じる。
前述の内容からわかるように、毛織物のような織物への効果を除けば、織物の
洗浄や再生に関して、溶液に基づいた浸すタイプのドライクリーニングに固有の
、水溶性の洗浄処理に優る特別な利点は何もない。さらに衣服1枚あたりについ
て、商業的なドライクリーニングは水溶性の洗浄処理よりもずっと高価である。
家庭で使用できるドライクリーニング成分やドライクリーニング方法を提供す
ることは、消費者にとって大きな利益となるが、商業的なドライクリーニングで
用いられている典型的な溶液システムは、そのことを実用的とはしない。実際に
、種々の家庭用のドライクリーニングシステムが提案されたが、広く受け入れら
れていない。例えば、溶液あるいは他の洗浄成分のための特別な運搬体としてお
がくずを用いる商業用のドライクリーニングシステムは、特許文献に提案されて
いる。使用中、その運搬体と洗浄されるべき物質は、袋の中に入れられて揺り動
かされる。同様に、洗浄成分がしみ込んだ種々のシートが、袋タイプの容器内で
の使用のために提案されている。
本発明までに、内側表面を全体にあるいは部分的に洗浄成分で被覆された袋あ
るいは他の容器からなる製造品によって、織物は洗浄され、再生されている。そ
のような製品は、特別な運搬体の不利益を克服し、洗浄される織物と洗浄成分と
の間の良好な接触状態を提供する。前述の利点に加えて、ここでの容器は先行技
術に優る付加的な成果を提供する。先行技術に記載されているように、分離した
ドライクリーニングシートや詰め物が、ドライクリーニング処理における容器内
に入れられる。不幸にも、そのようなシートや詰め物は、繊維状物質を含んでい
るため、糸くずを織物表面に付着させる。これは、特に暗い織物にとっては、受
け入れることができない。本発明はそのような詰め物を使用せず、従って糸くず
問題を回避することができる。
背景技術
ドライクリーニング処理は、ライらに1991年5月29日公開された欧州特
許429,172号公開公報と、スミスらに1993年8月24日に発行された
米国特許5,238,587号とに記載されている。織物のためのしわ処理とド
ライクリーニングの成分や方法に関する他の参照文献には、英国特許1,598
,911号、米国特許4,126,563号、3,949,137号、3,59
3,544号、3,647,354号、3,432,253号、1,747,3
24号、独国出願2,021,561号、2,460,239号、0,208,
989号、4,007,362号がある。洗浄/前しみ抜き成分および方法はま
た、例えば米国特許5,102,573号;5,041,230号;4,909
,962号;4,115,061号;4,886,615号;4,139,47
5号;4,849,257号;5,112,358号;4,659,496号;
4,806,254号;5,213,624号;4,130,392号;4,3
95,261号に記載されている。洗たく乾燥機内での使用のためのシート基材
はカナダ国特許1,005,204号に記載されている。米国特許4,663,
198号は、ドライヤーの付加されたシートに柔軟材を適用するために写真凹版
プリントのようなプリント方法を開示している。米国特許4,692,277号
は液体洗浄体に1,2オクタンジオールを使うことを開示している。
本発明の要旨
本発明は、織物をドライクリーニングする際に使用される容器であって、内側
表面と外側表面とを有する壁部を備え、前記壁部の内側表面は、効果的な量の洗
浄成分を解離可能に付着させている容器に関している。この容器はまた、好まし
くは、閉鎖手段と密封手段とを有している。好ましい態様では、容器は柔軟な袋
である。
設計者の要求に従って、この容器は洗浄成分を壁部の内側表面に連続的な層状
にあるいは断続的に付着させることができる。
好ましい実施例では、本発明は洗浄成分が以下を有する容器を提供する。
(a)水
(b)以下に記述されるような1以上の洗浄溶液と湿式作用剤
(c)乳化剤
(d)選択的に1以上の表面活性剤
(e)選択的に、香料や濃縮剤などのような成分
そしてそこでは、洗浄成分が容器の壁部の1以上の内側表面に解離可能に添付さ
れている。さらにこの態様では、容器は好ましくは密封可能な柔軟なプラスチッ
ク袋の形態である。
本発明はまた、織物を洗浄する方法であって、前記織物を前述の容器内に入れ
て、前記容器を揺り動かし、それによって前記織物が洗浄成分と接触するという
方法に関している。そのような方法は、水平に取り付けられた回転ドラムを有す
る熱風衣類乾燥機や洗たく機のような回転装置に都合よく導入される。以下に十
分記述されるように、好ましくは、処理の間に熱が利用される。
ここでの全ての百分率、比、割合は、他にことわりがなければ、全て重量によ
るものである。引用される全ての文献は、関連する部分において、参照されるこ
とによってここに組み込まれている。
図面の簡単な説明
図1は、折りたたまれる前の形態の本発明による柔軟袋の斜視図である。
図2は、折りたたまれた形態の図1に示された袋の斜視図である。
図3は、しま状パターンに洗浄成分を施した本発明による別の実施例の図1と
同様の斜視図である。
図4は、折りたたまれた形態の図3に示された袋の斜視図である。
本発明の詳細な説明
ドライクリーニング成分の要素成分と、本発明の方法でのそれらの使用は以下
に順次に記述される。
洗浄成分−本発明のドライクリーニング方法において洗浄機能を提供すべく用
いられる化学成分は、安全で意図する利用に効果的な要素成分で構成されている
。ここでの方法は水溶性のすすぎ段階を含まないので、洗浄成分は、ここで記述
された方法で用いられる場合には、織物に望まれない残留物を残さない要素成分
を用いている。さらに、本方法は、熱風衣類乾燥機内で実施される可能性もある
ので、その成分は、発火点がそのような使用にとって安全であるような要素成分
のみを含んでいる。洗浄成分は水を含んでいる、というのは、水は洗浄機能を助
長するものではないが、しわを除去したり織物のドレープや外観を再生すること
を特に熱風衣類乾燥機内で助けるからである。通常の洗たく用合成洗剤は、典型
的には、綿や綿とポリエステルの混合織物に良好な洗浄を提供するよう調剤され
るが、ここでの洗浄成分は、毛やシルクやレイヨンやレイヨンアセテートのよう
な織物を安全にかつ効果的に洗浄し再生するよう調剤されなければならない。
加えて、ここでの洗浄成分は、洗浄される織物からの染料除去を最小化するよ
う特に選択され調剤された成分要素からなる。この点に関して、浸すタイプのド
ライクリーニング方法で典型的に使われる溶液は、あるタイプの織物からあるタ
イプの染料の一部を除去し得ることが認められている。しかしながら、そのよう
な除去は浸すタイプの方法においては許容される、というのはその染料は織物の
表面全体から相対的に均一に除去されるからである。対称的に、織物表面のある
特殊な面にあるタイプの洗浄成分要素が高密度に集中すると、許容できない局所
的な染料の除去が起こることが、今や判明している。ここでの好ましい洗浄成分
は、この問題を最小にするか回避するように調剤される。
本発明の洗浄成分の染料除去の特質は、写真手段とか、光度計手段を使うこと
によって、あるいは単純なしかし効果的な視覚による類別テストによって従来技
術に開示された洗浄剤と比較されうる。数値的な採点基準が視覚による類別を支
援するために、そして望まれるならデータの統計的な扱いを可能にするために、
適用されうる。このようなテストの1つでは、色付きの衣服(典型的には、毛や
レイヨン織物より染料落ちに敏感な傾向のあるシルク)が吸収性の白い紙製のハ
ンドタオルを使って、詰め物入りの洗浄剤によって処理される。手による圧力が
加えられ、白いタオルに移動した染料の量が視覚によって評価される。(1)“
私はタオルにほんの少し染料があると思う”(2)“私はタオルにやや染料があ
るとわかる”(3)“私はタオルに多量の染料があるとわかる”(4)“私はタ
オルに非常に多量の染料があるとわかる”という範囲の数値基準がパネリストた
ちに適用される。
前述の考慮に十分注意しながら、以下に、本発明の洗浄成分に使用された成分
要素を示すが、それに限定されることを意図するものではない。
(a)水−この成分は少なくとも重量比で約60%の水を含み、典型的には約
80%から約95%の水を含む。他に記述されるように、洗浄される織物1kg
あたり約6gの水を少なくとも与えることが目標である。
(b)溶媒−この成分は少なくとも重量比で約4%の有機溶媒を含み典型的に
は約5%から約25%の有機溶媒を含む。洗浄される織物1kgあたり少なくと
も約0.4g、好ましくは約0.5gから約2.5gの溶媒を与えることが目標
である。
(c)乳化剤−この成分は十分な量の乳化剤を含み、成分(a)(b)(d)
を含む安定な均質な成分を提供する。ここで開示される好ましい乳化剤としては
、重量比で0.05%程度に低いレベル、好ましくは0.07%から約0.20
%までが、大変に満足である。より非能率な乳化剤が用いられる場合、重量比で
約2%にまで上げたレベルが利用されうるが、織物に目立つ残留物が残ってしま
う可能性がある。
(d)選択的要素−この成分は、香料や通常の表面活性剤や運搬体などを含む
種々の選択的成分要素を含んでもよい。そのような選択的要素が使用される場合
、典型的には重量比で約0.1%から約10%が含まれる。この時、洗浄される
織物の残留物が十分考慮される。
ここで、1,2オクタンジオール(OD)が、洗浄成分の構成において特別の
利益を与えることが今や判明している。美観の点から、ODは相対的に平凡であ
り、においもあまりしない物質である。さらに、ODは目に見える残留物を残さ
ないで織物表面から揮発するようである。このことは、すすぎ段階なしで導入さ
れる本発明のタイプのドライクリーニング方法において特に重要である。実施上
の点から、ODは脂の/油の汚れのための溶媒として、そして粒子による汚れや
水溶性の汚れのための“疑似表面活性剤”と呼ばれるようなものとして、両方の
作用をするようである。物理−化学的な理由が何であれ、ODは家庭で利用され
る洗浄成分と洗浄方法という本発明の状況において、洗浄作用と利用の容易性と
いう両方に関して優れた湿式の作用剤であることがわかる。
ここで好ましい溶媒は、ブトキシプロポキシプロパノール(BPP)であり、
これは約同量の異性体との混合体として商業的な量で入手できる。その異性体や
混合物は、ここでは大変有用である。その異性構造体は、以下のとおりである。
BPPは、洗浄するのに著しく優れ、相対的に高価な1,2オクタンジオール
の量を最小化することに有効である。さらにそれは、通常の表面活性剤を使用せ
ずに効果的な洗浄成分を形成させる。重要なことに、BPPのにおいは、通常の
香料成分要素によって容易におおわれるような程度および性質である。BPPは
水とは完全に混和しにくく、それ故ここでの洗浄成分の方法に否定的な影響を与
えるが、その潜在的な問題は、後述のように、PEMULENタイプのポリアク
リレート乳化剤によって幸運にも克服される。
ここで使用されるBPP溶媒は、好ましくは前述の異性体との混合物である。
好ましい態様では、洗浄成分は1,2オクタンジオールとBPPの重量比でOD
:BPPが約1:250から約2:1、好ましくは約1:200から約1:5の
範囲の混合物からなる。
ここで非常に好ましい乳化剤は、PEMULEN商標で、B.F.グッドリッ
チ会社から商業的に入手でき、ここで参照番号によって組み込まれる米国特許4
,758,641号および5,004,557号に記述されている。PEMUL
EN重合体乳化剤は、高分子量のポリアクリル酸重合体である。
PEMULENの構造は、親油性の小部分と親水性の大部分とを含んでいる。そ
の構造によってPEMULENは、主要な水中−油乳化剤として作用する。親油
性の部分が、油−水の界面に吸収され、親水性の部分が水中でうねって、油滴の
周囲にネットワークを形成して乳化剤の安定性を提供する。ここでそのようなポ
リアクリレート乳化剤の使用にとって重要な利点は、洗浄成分が、その他では水
と溶けないか容易には混和しないような溶媒または溶媒のレベルを含むように調
整されうることである。さらなる利点は、有効な乳剤化が、極端に低い使用レベ
ル(0.05−0.2%)でPEMULENタイプの乳化剤を使用することで達
成されうることである。それによって製品使用による織物に残る残留物のレベル
を最小化することができる。比較のために、通常の陰イオンの、あるいは非イオ
ン性の典型的には約3−7%の表面活性剤が水中−油の乳化剤を安定化するため
に要求されるが、それは、残留物が織物に残される傾向を増大させる。さらなる
利点は乳剤化(処理)が室温で効果的に達成され得ることである。
上述の好ましい溶媒および乳化剤に加えて、ここでの洗浄成分は、香料や、防
腐剤や、共溶媒や、蛍光剤や、粘性コントロールのための塩類や、pH調整剤や
、pH緩衝剤や、静電気抑制剤や、柔軟剤や、着色剤や、防虫加工剤や、虫よけ
剤などのような選択的な成分要素を含んでもよい。
ここでの洗浄成分は、1,2オクタンジオール、BPP、PEMULEN、水
のみで非常によく作用するが、それらはまた、選択的に、さらに洗浄効果を高め
るために合成洗剤表面活性剤を含んでもよい。C12−C16アルキル硫酸塩やアル
キルベンゼンスルホン酸、C12−C16エトキシレイテド(EO平均0.5〜10
)アルコール、C12−C14Nメチルグルカマイドなどのような幅広い種類の合成
洗剤表面活性剤がここで使われ得るが、高い脂/油除去を提供する表面活性剤を
用いることはとても好ましい。そのような好ましい表面活性剤の中には、C12−
C16アルキルエトキシ硫酸塩(AES)が、特にマグネシウム塩の形態において
、
そしてC12−C16ジメチルアミン酸化物が含まれている。特に好ましい混合物は
、重量比で約1:1:1のMgAE1S/MgAE6.5S/C12ジメチルアミン酸
化物である。もし使用されるならば、そのような表面活性剤は、典型的には、こ
こでの洗浄成分の重量比で約0.05%から約2.5%である。
容器−本発明の洗浄方法は、柔軟容器を使って実施される。洗浄される織物は
容器/洗浄成分物質内に入れられ、容器が揺り動かされて、洗浄成分と織物の表
面とが接触する。
ここで使用される容器は、大量の形態で提供されうる。便利なのは柔軟なポー
チか“袋”の形態であり、それは洗浄される織物を収容するのに十分な容積を有
している。好適な容器は、ポリエステル、ポリプロピレンなどのような経済的な
物質から、熱乾燥機の熱風と接触して利用される場合に溶けてはならないという
条件で、製造され得る。好ましくは容器の壁は、意図される使用状態においては
水蒸気および溶媒蒸気を実質的に浸透させない。また好ましくは、そのような容
器は、洗浄処理中に閉じた状態を維持するのに十分安定な密封手段を有している
。
ップのような種々のスナップクリップや接触粘着物、粘着テープ、ジッパータイ
プのクリップなどが十分である。
容器は、便利な大きさであって、容器およびその中に入れる織物の回転を許す
のに十分大きく、回転装置の作動を妨げる程には大きくない大きさであるべきで
ある。熱風衣類乾燥機での使用のために意図された容器に関しての特別の注意と
して、その容器は、空気孔をふさぐ程に大きくあってはならない。望まれるなら
ば、その容器は1枚のシャツやブラウスやセーターのみを扱うのに十分な小さな
ものでも、男性のスーツを扱うのに十分に大きなものでもよい。
容器/洗浄成分物質−洗浄成分は、流し込みや吹き付けや浸すことなどを含む
が、これらに限定されない便利な何らかの手段によって本容器の内側の表面に付
着され得る。ある方法では、袋の材料の柔軟シートが洗浄成分で被覆されて、過
剰な成分が修繕ブレードによって除去され、そのシートは折りたたまれて密封さ
れて、洗浄成分を内側表面の全部または選択された部分の実質的に連続的な被覆
として有する本発明のタイプの容器物質が提供される。他の形態では、洗浄成分
はたとえば縞や点や模様などの断続的なパターンでシートの全部または選択され
た部分に付着される。また、シートは折りたたまれて、どんな断続的なパターン
が選択されても、そのパターンに洗浄成分を有する袋が提供される。
断続的なパターンで洗浄成分を付着することにはある付加的な利点がある。例
えば、もし成分の2以上の成分要素が調和しない場合、連続的な被覆処理におい
て単一の混合物としてそれらを付着することは困難な場合がある。しかしながら
、もし断続的なパターン、例えば点のようなパターンで付着されれば、個別の成
分要素は個別の点に付着され得る。この点をさらに説明すれば、表面活性剤との
共存が不安定である香料要素の場合、その調剤は、製品物質に、表面活性剤のな
い“香料点”と香料のない“表面活性剤点”とを分離して付着することができる
。それによれば、点状に物理的に分離されていることによって安定に固着される
。
洗浄成分は、成分が流れ出ることができる1以上の開口を有する何らかの装置
によって断続的なパターンで付着され得る。例えば、5−100個の開口を有す
るマニホルドが、図1に示すようなプラスチックシートの表面に洗浄成分のスポ
ットパターンを描くために用いられ得る。そのシートは、その後折りたたまれ図
2に示すような内側表面にスポットパターンで存在する洗浄成分を有する袋を提
供する。別の態様では、洗浄成分は写真凹版や他のタイプの“印刷”方法を利用
することで付着される;前に引用した米国特許4,663,198号を参照して
下さい。他には、洗浄成分はそれを通過する織物との熱や摩擦によって破裂する
ようになっているカプセル中に収容され得る。
方法−本発明のクリーニング方法は、洗浄される織物を有する容器に対する、
回転動作のような機械的な揺動を与える何らかの方法で実施される。
もし望まれるならば、揺動は手動で与えられてもよい。しかしながら、好まし
い態様では、汚れた織物を包む容器/洗浄成分製品は、密封され、自動衣類乾燥
機のドラムの中に入れられる。そのドラムは、回転して、容器に回転作用を伝え
、その内容物を回転と同時に揺り動かす。この揺動によって、織物は解離可能な
洗浄成分と接触する。熱が処理中に利用されることが望ましい。もちろん熱は衣
類乾燥機内で容易に与えられ得る。回転と選択的な(しかし好ましい)加熱は、
少なくとも10分間、典型的には約20分から約30分の間実施される。その処
理は、織物の汚れの程度やタイプ、汚れの性質、織物の性質、織物の量、適用さ
れる熱の量などの要素に依存して、使用者の必要に従ってより長い、あるいはよ
り短い間行われ得る。以下に典型的な処理をより詳細に説明するが、それに限定
することは意図されていない。
実施例I
本発明の1つの実施例においては、表面に洗浄成分からなる点2のランダムな
配列を有する柔軟プラスチックの平板状シート1が図1に示されるように用意さ
れる。シートの横の端に沿う端部3は洗浄成分がない。帯部4は、閉鎖つば部5
との密封手段としての接触粘着剤の層からなる。図2に示すように、袋は図1の
シートを折りたたんで、端部3に沿って接着することによって形成される。洗浄
成分の点2は、袋の内側壁面にあり、図に示すように袋の開口6から見ることが
できる。密封手段4と閉鎖つば部5は、密封手段4を接触面7に押しつけること
によって、袋を閉鎖し、密封することができるようになっている。
図3に描かれるように、本発明の別の実施例は、表面の一部に縞状の洗浄成分
2のパターンが付着された平板状シート3を用いて用意され得る。図4に示すよ
うに、シートは折りたたまれて、その内側壁面の1つに洗浄成分2の縞を有する
本発明のタイプの袋を形成する。約10,000cm3から約25,000cm3
の範囲の大きさの袋が、ここでの使用のために用意され得る。
ドライクリーニング袋は、ポリエチレンシート基材と以下の成分要素を混合す
ることで調合された洗浄成分とを使って製造される。
成分要素 %(重量)
BPP* 7.0
1,2−オクタンジオール 0.5
PEMULEN TR−1** 0.15
KOH 0.08
香料 0.75
水 残り
* ダウケミカル会社から入手できる異性体混合物
**B.F.グッドリッチのPEMULEN TR−2が置換され得る
選択的な態様では、洗浄成分を厚くするため、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド、カラギーナンなどのような通常のゲル化
剤が、典型的には重量で約0.25%より多いレベルで使用されることがある。
それによって容器の壁面への洗浄成分の付着が助けられる。
上述の洗浄成分の15〜23グラムが、平等にドットマトリクスの形態でシー
トに付着される。シートはその後折りたたまれ、図に示すように袋の形態に密封
される。
実施例II
洗浄される衣類2kgが、約25,000cm3の容積を有する前述のタイプ
のドライクリーニング袋に入れられる。その袋は閉じられて、密封されて、通常
の熱風衣類乾燥機に入れられる。衣類が袋の中に入れられる時に、閉鎖および密
封前の袋の外側の空気は、好ましくは圧迫されないのがよい。このことによって
袋は膨らみ、織物と洗浄シートが共に自由に回転するのに十分な空間が与えられ
る。乾燥機が作動され、袋は約50℃から約85℃の範囲の乾燥機熱風温度で3
0分間回転させられる。機械の周期が完了した後、袋とその内容物が乾燥機から
取り出され、洗浄され再生された衣類が袋から取り出される。
別の態様では、洗浄される織物のひどく汚れた領域が選択的にその領域に洗浄
成分の少量をこすることによって前処理され得る。前処理された織物は、その後
容器内に入れられ、ドライクリーニング処理がここに記述された方法で行われる
。
このように、本発明は記述され例示されているが、以下でさらに、その実施に
おいて構成され、使用され得る種々の洗浄成分を示す。
実施例III
成分要素 %(重量)構成範囲
BPP* 5−25%
1,2−オクタンジオール 0.1−7%
MgAE1S 0.01−0.8%
MgAE6.5S 0.01−0.8%
C12ジメチルアミン酸化物 0.01−0.8%
PEMULEN** 0.05−0.20%
香料 0.01−1.5%
水 残り
pHは約6から約8の範囲
* ここで用いられ得る他の溶媒や共溶媒は、種々のグリコールエーテルを含み
、カービトル、メチルカービトル、ブチルカービトル、プロピルカービトル、ヘ
キシルセロソルベのような商標で取引されている物質、メトキシプロポキシプロ
パノール(MPP)、エトキシプロポキシプロパノール(EPP)、プロポキシ
プロポキシプロパノール(PPP)、それらの異性体、MPP、EPP、PPP
などのそれぞれれの混合物、およびさらにその混合物を含む。望まれるならば、
家庭内での使用のための安全に注意して、種々の通常の塩素処理された炭化水素
のドライクリーニング溶液が使用され得る。これらの中には、1,2−ジクロロ
エタン、トリクロロエチレン、イソパラフィンおよびその混合物が含まれる。
**米国特許4,758,641号と5,004,557号に記述されるように
、ポリアクリレートは、種々の程度に架橋結合されている可能性のあるホモポリ
マーを、架橋結合されていないものと同様に含んでいる。ここで好ましくは、ホ
モポリマーは約100,000から約10,000,000の範囲の分子量を有
しており、さらに好ましくは200,000から5,000,000である。
優れた洗浄作用が、洗浄される織物1kgあたりの洗浄成分が約5gから約5
0gまでの前述の浸さないタイプの方法および製品のいずれかを利用することで
保証される。
実施例IV
上述したように、織物から染料がしみ出たり除去されたりする傾向を減少した
ドライクリーニング成分は次のとおりである。
実施例IVの成分は汚れた織物を洗浄し、再生するためにここに記述された方法
で使用される。
好ましい態様では、ここで用いられる容器袋は、ある乾燥機で発展し得る熱ス
ポット(350°F−400°F;177℃から204℃)に対する抵抗力を与
えるために熱抵抗フィルムで構成されている。これは袋の内部の自己密封や、袋
の外部の表面変形を回避する。好ましい実施例では、0.0025mmから0.
0075mmの厚さのナイロンフィルムが26インチ(66cm)×30インチ
(76cm)の袋に変換される。袋の製造は標準のインパルスヒーティング装置
やエアブロー技術などを用いた通常の方法で達成され得る。別の態様では、ナイ
ロンのシートが単純に半分に折りたたまれて2つの端に沿って密封される。
熱的に安定な“ナイロンのみの”袋に加えて、ここでの容器袋は共押出しされ
たナイロンおよび/またはポリエステルあるいはナイロンおよび/またはポリエ
ステルの外層および/または内層のシートであって、ポリプロピレンのような熱
的にはあまり好適でない内部コアを取り巻くシートを用いて用意され得る。別の
態様では、袋は、ナイロンやポリエチレンテレフタレートのような熱抵抗性の物
質からなる不織の外部の“殻”と、蒸気に対する障壁を与えるポリマーの内部シ
ートを用いて構成される。不織の外部殻は、袋を溶解することから保護し、使用
者に改良された触覚の感じを与える。構成が何であれ、目的は、少なくとも約4
00−500°F(204℃から260℃)まで上昇する温度での熱応力状態
するために使用され得る。
ここで洗浄成分内に使用される選択的な非イオン性の表面活性剤、それは好ま
しくはC8−C18エトキシレイテド(E01−15)アルコールや、対応するエ
トキシレイテドアルキルフェノールの他に、その成分はさらに洗浄効果を高める
ために酵素を含みうる。リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ酵素、あるいはそ
の混合物が使用され得る。使用される場合、そのような酵素は典型的には成分の
重量で約0.001%から約5%含まれ、好ましくは約0.01%から約1%含
まれる。商業上のLIPOLASE、ESPERASE、ALCALASE、S
AVINASE、TERMAMYL(NOVOからの全て)、MAXATASE
、RAPIDASE(例えば国際バイオ合成会社)のような合成洗剤酵素が使用
され得る。
静電気抑制の利益が望まれる場合、ここで使われる成分は静電気抑制剤を含み
得る。そのような静電気抑制剤が使用される場合、成分の重量で典型的には少な
くとも約0.5%、典型的には約2%から約8%含まれる。好ましい静電気抑制
剤は、VERSAFLEX157、207、1001、2004そして7000
として、ナショナルスターチ化学会社から入手できるスルホン酸ポリマーの系列
を含んでいる。
のような通常の防腐剤を使うことで保管のために安定化されうる。
ここでの成分がスポット洗浄態様で使用される場合、それらは好ましくは、A
PLIX200あるいは960アンカットループとしてシャーロット、NCのA
plix会社から入手できるようなループ状のファイバーからなる塗布パッドを
使って、スポット領域の織物に押し付けられる(こすられない)。下に横たわる
吸収性シートやループ状のファイバーのパッドが、この作業態様において織物の
下に選択的に置かれ得る。
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