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JPH11503318A - 酵母中で興味あるタンパク質を発現するための新規なプロモーター - Google Patents

酵母中で興味あるタンパク質を発現するための新規なプロモーター

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Publication number
JPH11503318A
JPH11503318A JP8530050A JP53005096A JPH11503318A JP H11503318 A JPH11503318 A JP H11503318A JP 8530050 A JP8530050 A JP 8530050A JP 53005096 A JP53005096 A JP 53005096A JP H11503318 A JPH11503318 A JP H11503318A
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JP
Japan
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sequence
nucleotide
promoter
seq
nucleic acid
Prior art date
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Ceased
Application number
JP8530050A
Other languages
English (en)
Inventor
ヴァレリー ナッケン
ティルマン アシュステッテル
Original Assignee
トランスジーン ソシエテ アノニム
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Publication date
Application filed by トランスジーン ソシエテ アノニム filed Critical トランスジーン ソシエテ アノニム
Publication of JPH11503318A publication Critical patent/JPH11503318A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • C12N15/81Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts

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Abstract

(57)【要約】 酵母のゲノムDNAから単離され、転写プロモーター活性を有する新規な核酸フラグメント、並びにそれを含む発現カセット、ベクターおよび宿主細胞が開示されている。商業的または治療的に有用なポリペプチドを産生するための該フラグメントの使用も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 酵母中で興味あるタンパク質を発現するための 新規なプロモーター 本発明は、バイオテクノロジーの分野、特に酵母とりわけサッカロミセス・セ レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)中での商業的または治療的に興味あるポリ ペプチドの産生について為された改善に関する。それはまた、第一に、サッカロ ミセス・セレビシエのゲノムDNAから単離され転写プロモーター活性を有する新 規な核酸フラグメント、第二に、それらを含む発現カセット、発現ベクターおよ び宿主細胞ならびに興味あるポリペプチドを産生するためのそれらの使用にも関 する。 酵母サッカロミセス・セレビシエは、多くの理由から、組換えタンパク質を産 生するための好ましい宿主の1つと考えられている。一方で、この生物は非病原 性であり、それは食品産業で一般に使用されている。他方で、それは大規模かつ 比較的安価な培地中で高密度で培養し得、産業環境に容易に順応し得る。さらに 、それは特別に研究がなされ、その結果、その遺伝学およびその生理学に関する 多くのデータが利用可能である。最後に、それは、特定の典型的に真核生物的な 修飾(グリコシル化、ジス ルフィド架橋など)を行なうことができる。 酵母中で機能する多くの転写プロモーターが文献に記載されてきたが、それら の幾つかのみが組換え経路によるポリペプチド産生に有効であると実証されてい る。特に、強力な構成性プロモーターであると考えられているPGK遺伝子のプロ モーター(3-ホスホグリセラートキナーゼ;ヒッツマン(Hitzeman)ら、1983、Sc ience、219、620-625)、GAPDH(グリセルアルデヒドホスフェートデヒドロゲナ ーゼ;ホランド(Holland)およびホランド(Holland)、1979、J.Biol.Chem.、25 4、9839-9845)をコードするTDH遺伝子のプロモーター、TEF1遺伝子(伸長因子 1、コットレレ(Cottrelle)ら、1985、J.Biol.Chem.、260、3090-3096)のプ ロモーター、MFα1(α性フェロモン前駆体;イノクチ(Inokuchi)ら、1987、Mol .Cell.Biol.、7、3185-3193)のプロモーター、或いはグルコースの存在下に 抑制される調節可能なプロモーターCYC1(グアレンテ(Guarente)およびプタシュ ネ(Ptashne)、1981、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、78、2199-2203)またはチ アミンにより調節され得るPHO5(メイハック(Meyhack)ら、1982、EMBO J.、1、6 75-680)が言及され得る。しかしながら、しばしば説明されていない理由から、 それらが制御する遺伝子の効果的な発現および高レベルで のポリペプチド発現を、それらが常に可能にするとは限らない。これに関連して 、興味あるタンパク質を大量に産生する新しく有効な宿主/ベクターシステムを 作成するために、新しいプロモーターを有することが常に有利である。さらに、 所与の細胞中に効果的なプロモーターの選択を有することも、相同配列間での組 換えの問題を回避しつつ、この同じ細胞中での複数のタンパク質(例えば、同じ 代謝鎖の幾つかの酵素)産生を企図することを可能にする。 一般に、プロモーター領域は、遺伝子の5'領域に位置し、それらの制御下に置 かれるDNAフラグメントの転写を行なわせる全てのエレメント、特に以下のもの を含む: (1)TATAボックスおよび転写開始部位を含むいわゆる最小プロモーター領域、そ れは開始部位の位置ならびに転写の基本的レベルを決定する。サッカロミセス・ セレビシエでは、最小プロモーター領域の長さは比較的変動する。実際、TATAボ ックスの正確な位置は、遺伝子ごとに様々であり、開始部位の-40から-120ヌク レオチド上流に位置し得る(チェン(Chen)およびストルール(Struhl)、1985、EM BO J.、4、3273-3280)。 (2)TATAボックスの上流(何百というヌクレオチドまでの直ぐ上流)に位置する 配列、それは構成的に(培養条 件に関係なく、細胞サイクルの初めから比較的一定の転写レベルで)あるいは調 節可能な様式で(アクチベーターの存在下での転写の活性化および/またはリプ レッサーの存在下での抑制)のいずれかで、転写の効果的なレベルを確実にする ことを可能にする。これらの配列、後記でモジュレーター配列と称される配列は 、幾つかのタイプのもの:賦活性、阻害性、増強性、誘導性、抑制性のものであ り得、細胞因子または種々の培養条件に応答し得る。 現在、サッカロミセス・セレビシエの3つのゲノム配列が単離され特徴付けら れており、それらの転写プロモーター機能が実証されている。レポーター遺伝子 (フレオマイシン(phleomycin)に耐性とする遺伝子またはβ-グルクロニダーゼ をコードするGUS遺伝子)の上流に置かれると、これら配列のそれぞれは、酵母 サッカロミセス・セレビシエの中でその発現を行なわせ、それらのうちの2つの 場合、PGK遺伝子およびMFα1遺伝子のもののような強力であると評判の高いプロ モーター領域を用いて検出されたものよりも更に強力またはほぼ等しいので、高 レベルで発現可能である。データバンクと比較すると、クローン化された配列の 2つは新しいもので、大衆がアクセス可能なデータバンクにおいて公表されてい ない (配列番号:1および2)。第3のもの(配列番号:3)に関しては、それはプ ロモーターの存在が期待されない領域中の酵母遺伝子COX 4の3'に位置する配列 に対応する。本発明は、組換え経路による興味あるタンパク質産生の問題に対し て有利な解決を提供する。 従って、本発明の主題は、配列番号:1、2または3に示される配列に相同な 、或いはその相補体に相同な、ヌクレオチド配列の全部または一部を含む単離さ れた核酸フラグメントであり、該フラグメントは転写プロモーター活性を有する 。 「核酸フラグメント」は、DNAタイプまたはRNAタイプであって良いヌクレオチ ド・ポリマーを意味すると理解される。これらの用語は、全て基本的な分子生物 学マニュアルの中で定義されている。好ましくは、本発明の核酸フラグメントは 、二本鎖DNAフラグメントである。 一般に、配列番号:1、2および3に示されるヌクレオチド配列、その相補体 または相同体の1つの全部または一部は、本発明の枠内で使用され得る。用語「 一部」は、配列番号に示されるヌクレオチド配列の1つ又はその相補体と等しい 長さを有する部分と同一である、少なくとも17個の連続なヌクレオチドの部分を 含むフラグメントを示す。しかしながら、本発明の核酸フラグメント は、記載されている配列に限定されず、それを越えるものに及んでも良い。 用語「相同な」は、ストリンジェントな条件下で、配列番号:1、2または3 に示される配列の全部または一部とハイブリダイズし得る配列を意味する。それ は、より詳細には、プロモーター機能を保持し、これら配列の1つに関連して1 つ以上の配列の修飾を有する任意の核酸を指す。これらの修飾は、天然の配列に 関連して1個以上のヌクレオチドの突然変異、欠失および/または付加によって 得られ得る。それらは、特に、プロモーター活性を改善するために、転写阻害領 域を抑制するために、構成性プロモーターを調節可能とする又はその逆のために 、その後のクローニング工程を促進する制限部位を導入するために、転写活性に 必須ではない配列を除去するなどのために、導入され得る。これに関連して、天 然配列に対して70%、有利には80%、好ましくは90%の相同性の程度が好ましい。 当業者は、転写プロモーター機能を劇的に変化させないよう修飾を行なうべき箇 所を知っており、彼らは特に転写開始部位およびTATAボックスを回避する。彼ら は又、例えば発現が容易に検出できるレポーター遺伝子(β-ガラクトシダーゼ 、カテコールオキシゲナーゼ、ルシフェラーゼまたは抗生物質に耐性を賦与す る遺伝子)の上流に挿入することにより、得られた相同体がプロモーター活性を 有するかどうかを評価可能とする技術を知っている。しかしながら、任意の他の 慣用されている技術も使用できる。 好ましい実施態様によれば、本発明の核酸フラグメントは、配列番号:1、2 または3に示されるヌクレオチド配列あるいはその相補体の全部または一部と同 一である。 好ましい非限定的な実施例の方法によれば、それは以下に示されるような配列 を有する核酸フラグメントを用いて企図され得る: (i)462位のヌクレオチドで開始し1016位のヌクレオチドで終止する配列番号:1 、または (ii)197位のヌクレオチドで開始し1016位のヌクレオチドで終止する配列番号: 1、または (iii)5位のヌクレオチドで開始し523位のヌクレオチドで終止する配列番号:3 。 本発明の目的のために、本発明の核酸フラグメントは、種々の起源のエレメン トのアッセンブリーからなり、考慮される宿主細胞中で機能する、いわゆるハイ ブリッド・プロモーターを構成し得る。特に、そのようなハイブリッド・プロモ ーターは、以下のものを含み得る: (i)最小プロモーター領域を含む本発明の核酸フラグメント;該最小プロモータ ー領域は、該最小プロモーター領域と異種である1個以上のモジュレーター配列 の下流に置かれる、または (ii)少なくとも1個のモジュレーター配列を含む本発明の核酸フラグメント;該 モジュレーター配列は、該モジュレーター配列と異種である最小プロモーター領 域の上流に置かれる。 1番目の変異体の実施態様によれば、使用される条件により転写が誘導または 抑制され得る調節可能なハイブリッド・プロモーターを作成するために、1個以 上の調節可能なモジュレーター配列が使用され得る。この特定の実施態様は、宿 主細胞に対して或る度合いの毒性を発揮する興味あるタンパク質の産生に関連し て、特に有利である。好ましくは、培養条件または増殖フェイズに従って転写を 変動させることを可能にする調節可能なモジュレーター配列が選ばれる。一般に 、そのような配列は、調節可能な遺伝子から得られるか誘導され、当業者に公知 である。指針として、グルコースによって調節できるCYC1遺伝子から誘導される もの、チアミンによって調節できるPHO5遺伝子から誘導されるもの、ガラクトー スによって調節できるGAL1、GAL7、GAL10遺伝子から誘導され るものが言及され得る。これらの配列は、それらがそのモジュレーター機能を劇 的に変化させない限り、天然配列に関して修飾(1個以上のヌクレオチドの突然 変異、欠失および/または置換)を含み得ることは言うまでもない。 本発明の核酸フラグメントは、転写されるべき遺伝子に関して、その方向とは 無関係にその機能を発揮し得る二方向性の(bi-directional)(配列表に示される ような5'から3'への方向またはその逆)プロモーターとして使用され得ることも 示される。 無論、本発明の核酸フラグメントは、当分野で使用される任意の技術、例えば 、クローニング、適切なプローブを用いたハイブリダイゼーション、好適なプラ イマーを用いたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により、或いは化学合成により得 ることができる。 本発明の追求する目的に従うと、本発明の核酸フラグメントは、宿主細胞中で 興味ある遺伝子を発現させることを意図し、この効果のために、発現カセット内 で作動可能なように(operably)それに連結されている。従って、本発明はまた、 本発明の核酸フラグメントを含む発現カセットおよびその制御下に置かれる興味 ある遺伝子にも及ぶ。本発明の発現カセットは、マルチシストロン(mul ticistronic)カセットのフレームワーク内に幾つかの興味ある遺伝子を含み得( 図式的に「プロモーター−遺伝子1−遺伝子2....」の配置により示される)、 そこでは異なる遺伝子が本発明の核酸フラグメントの下流に置かれ、翻訳の再開 始を行なわせるIRES(Internal Ribosome Entry Site: 内部リボソームエントリ ー部位)エレメントのような適切な配列によって互いに分離される、或いは、二 方向性カセット(遺伝子1−プロモーター−遺伝子2)のフレームワーク内に幾 つかの興味ある遺伝子を含み得、そこでは本発明の核酸フラグメントはそれらの 発現を同時に制御するように、興味ある2つの遺伝子の間に挿入されることは言 うまでもない。 本発明の目的のために、興味ある遺伝子は、真核生物または原核生物から、或 いはウイルスから誘導され得る。それは、任意の慣用されている分子生物学的技 術により単離され得るか、或いは化学的経路により合成され得る。さらに、それ は、(i)細胞内、(ii)膜に結合または細胞膜に固定(anchored)あるいは(iii)培養 培地に分泌される興味あるタンパク質をコードすることができる。それは従って 、例えば分泌シグナルをコードする配列のような追加的エレメントを含み得る。 実施例の方法により、シグナル配列BGL2(EP 0 423 302)、プレ-またはプレ-プ ロ 配列MFα1(クルジャン(Kurjan)およびヘルスコヴィッツ(Herskowitz)、1982、C ell、30、933-943)およびデフェンシンAプロ配列(EP 0 607 080)が示され得 る。考慮される遺伝子の内生的分泌シグナルの使用も為され得る。本発明の枠内 に企図され得る分泌シグナルの選択は、当業者の能力の範囲内にある。 さらに、興味ある遺伝子は、天然に見い出されるようなタンパク質(天然また は切端(truncated)タンパク質)の全部または一部に対応する興味あるポリペプ チドをコードし得る。それは、例えば異なった起源のポリペプチドの融合からき た、又は改善および/または修飾された生物学的特徴を発揮する突然変異体から きたキメラ・タンパク質でもあり得る。そのような突然変異体は、慣用されてい る分子生物学的技術により得られ得る。興味あるタンパク質またはポリペプチド の中で、非制限的な実施例により言及され得るのは: −サイトカインおよび特にインターロイキン(IL-2、4、5、6、12など)、α− β−およびγ−インターフェロン、コロニー刺激因子(GM-CSF、C-CSF、M-CSF) ; −成長因子(成長ホルモン、エリスロポイエチン、インシュリンなど)あるいは 細胞または核レセプター; −抗凝固物質、好ましくはヒルジンおよび、特にヨーロ ッパ出願EP 273 800に記載されるヒルジン変異体および、最も好ましくは、変異 体HV2 Lys47; −酵素(トリプシン、リボヌクレアーゼ、チトクロームP450、リパーゼ、アミラ ーゼなど); −構造タンパク質(アルブミンなど); −酵素インヒビター(α-1-アンチトリプシン、抗トロンビンIII、ウイルスプロ テアーゼ・インヒビターなど); −腫瘍または癌の初発または進行を阻害し得るポリペプチド(細胞分裂または形 質導入シグナルのレベルで作用するインヒビター、腫瘍抑制遺伝子の発現産物、 例えば、p53またはRbなど);および −ウイルス、細菌または寄生虫による感染および/またはその進行を阻害し得る ポリペプチド(免疫原性特性を有する抗原性ポリペプチド、抗体、競合により天 然タンパク質の作用を阻害し得るトランス優性な(trans-dominant)変異体など) 。 無論、本発明の発現カセットはさらに、興味ある遺伝子の発現に必要な追加的 エレメント(イントロン配列、転写終止配列など)または考慮される宿主細胞中 での維持に必要な追加的エレメント(ARSまたは2μのような複製起点、URA3また はLEU2のような表現型選択マーカーをコードする遺伝子、抗生物質、例えばヒグ ロマイシン、 シクロヘキシミド、ネオマイシン、フレオマイシンなどに対する耐性を賦与する 産物をコードする遺伝子)を含み得る。そのようなエレメントは、当業者に公知 である。 本発明はまた、1個以上の本発明の発現カセットを含む発現ベクターにも関す る。それは、多コピー型ベクターまたはセントロメアプラスミド・ベクター、コ スミドまたはYACタイプのベクターであり得る。最後に、それは、組込み型また は自己複製型であり得る。 本発明はまた、本発明の発現カセットまたはベクターを含む宿主細胞にも関す る。それは、外来DNAを細胞中に導入することを可能にする任意の方法(形質転 換、トランスフェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーショ ン、リポソームなど)によって作成され得る。本発明の核酸フラグメントがその プロモーター機能を発揮させるのに適切な因子を有する限り、真核生物または原 核生物であろうと任意の宿主細胞が、本発明の枠内で使用し得ることが示される 。上記のようにプロモーター活性を測定することにより特定の細胞が宿主として 使用され得るかどうかをチェックするのは、当業者の能力の範囲内にある。 本発明の宿主細胞は、動物細胞(CHO、Vero、BHKなど)から、または大腸菌の ような細菌から誘導され得るが、 好ましくは下等な真核生物、特に酵母が使用される。この目的のために、サッカ ロミセス属、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、ピチア属(Pichia) 、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、ハンセヌラ属(Hansenula)、ファフィア 属(Phaffia)またはヤロウィア属(Yarrowia)の酵母が使用され得る。有利には、 シゾサッカロミセス・ポムベ種(Schizosaccharomyces pombe)、ピチアパストリ ス種(Pichia pastoris)、クルイベロミセスラクチス種(Kluyveromyces lactis) 、ハンセヌラポリモルファ種(Hansenula polymorpha)、ヤロウィアリポリティカ 種(Yarrowia lipolytica)および好ましくは、サッカロミセス・セレビシエから 選択され得る。TGY73.4、あるいはヨーロッパ出願EP 390 676に記載されるもの のような、プロテアーゼ(1個または複数)が欠損している酵母の使用は、最も 特別に好ましい。多数のこれらの株は、AFRC(農業食品研究会議(Agriculture a nd Food Research Council)、ノーフォーク、英国)およびATCC(ロックヴィル 、メリーランド州、米国)のような設立団体で販入し得る。 最後に、本発明の主題はまた、興味あるポリペプチドの産生および、細胞培養 物からその回収をさせる適切な培養条件下で本発明の宿主細胞を培養することを 包含す る興味あるポリペプチドの産生方法でもある。炭水化物の源としてグルコースを 含む定められた培養培地が、好ましく使用される。 本発明の枠内では、この方法は好ましくは、治療的に興味のあるタンパク質、 特にヒルジンの、酵母サッカロミセス・セレビシエでの産生に適用される。その タンパク質は、慣用されている方法に従い培養培地から直接に、あるいは細胞の 溶解後に回収され得る。それは、当業者に公知の標準的技術、例えば、イオン交 換クロマトグラフィー、分画沈殿、免疫精製(immunopurification)あるいは高圧 または低圧でのゲル濾過によって精製され得る。 実施例 以下に示す実施例は、本発明の他の特徴および利点を明示可能とする。これら の実施例は、下記の図面を参照して説明される: 図1は、転写プロモーター活性を有するDNAフラグメント選択のための、ベク ターpTG9852の図式的提示である。それは、URA3-d遺伝子、多重クローニング部 位(M13tg131から誘導される;キエニー(Kieny)ら、1983、Gene、26、91-99)、 フレオマイシンに対する耐性を賦与するble遺伝子、PGK遺伝子の転写ターミネー ター(PGKt)、細菌の複製起点およびアンピシリンに対する耐性を賦与す るAmp遺伝子を有するpBR322のフラグメントならびに複製起点2μ(2mで示される )を含む。 図2は、URA3-d遺伝子、CYC1遺伝子のプロモーター(pCYC1)、GUS遺伝子のコ ーディング部分、PGKターミネーター、pBR322のフラグメントならびにファージ の複製起点F.oriおよび酵母の複製起点2μを含むベクターpTG10231(多コピー型 ベクター)の図式的提示である。 図3は、マーカー遺伝子が完全なURA3遺伝子からなり、ARSH4-CEN6起点が、こ のベクターに含まれる2μフラグメントの殆どに置き換わることを除いて、pTG10 231に類似するベクターpTG8795(単コピー型ベクター)の図式的提示である。 図4は、KEX2遺伝子のプロモーターに関して、挿入物D64、R13、J1、およびそ れらのサブフラグメント(J1.2、R13.2およびR13.3)のプロモーター活性を図式 的に提示する図である。棒は、多コピー・システムでテストされたサッカロミセ ス・セレビシエTGY74.3株中のGUSタンパク質の活性レベルを示す。 図5は、KEX2、PGK、MFα1(pMF1)およびCYC1遺伝子のプロモーターに関して、 挿入物D64、R13、J1、およびそれらのサブフラグメント(J1.2、R13.2およびR13 .3)のプロモーター活性を図式的に提示する図である。棒は、 単コピー・システムでテストされたサッカロミセス・セレビシエTGY74.3株中のG USタンパク質の活性レベルを示す。 図6は、挿入物D64、J1.2、R13、およびコントロールとしてTEF1プロモーター の、プロモーター活性に対する培養培地の影響を図式的に提示する図である。示 されている数値は、増殖フェイズで採取された2つのサンプルの平均値を示す。 図7は、5'領域の欠失によって生じたR13サブフラグメントおよび増殖の開始 時に単コピー・システム中でそれぞれについて測定されたGUS活性を、図式的に 提示する図である。 下記に示す技術は、マニアチス(Maniatis)らに詳述される一般的な遺伝子工学 および分子クローニング技術(1989、Laboratory Manual、コールドスプリング ハーバーラボラトリープレス、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州) に従い、または市販キットが使用されるときは製造業者の推奨に従って行う。細 菌中のクローニング工程は、大腸菌(E.coli)5K株(フバセック(Hubacek)および グローバー(Glover)、1970、J.Mol.Biol.、50、111-127)で行う。PCR増幅技 術は、当業者に公知である(例えば、PCRプロトコール、A Guide to Methods and Applications、1990、イニス(Innis)、ゲルファンド(Gelfand)、スニンスキ ー(Sninsky)およびホワイト(White)編、アカデミックプレスIncを参照のこと) 。制限部位の修復に関しては、使用される技術は、大きな大腸菌DNAポリメラー ゼIフラグメント(クレノウ)を用いて、突出5'末端を埋めることからなる。 酵母に適用される技術に関しては、ローズらに豊富に記載されている(1990、 Methods in Yeast Genetics: A Laboratory Course Manual、コールドスプリン グハーバーラボラトリープレス、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州 )。サッカロミセス・セレビシエ株は、エレクトロポレーションによって形質転 換される。しかしながら、任意の他の標準的技術が使用できる。培養条件につい ては、形質転換されない酵母は、一般に非選択的YPG培地(酵母抽出物 1%、バク トペプトン(bactopeptone)1%およびグルコース 2%)で28℃にて培養されるが、 形質転換された細胞は、構築物に含まれる選択可能な遺伝子の性質に依存して選 択的条件下に維持される。例えば、選択マーカーが、フレオマイシンに対する耐 性を賦与するble遺伝子からなるときは、培養は、0.1 M MOPSを添加してpH7に緩 衝化されたYEG培地(酵母抽出物 0.5%、グルコース 2%)で、最少濃度50μg/ml のフレオマイシン の存在下に行なわれる。URA3またはURA3-d(ウラシル栄養要求性突然変異体の相 補体)遺伝子が使用されるとき、培養培地はYNBG+cas(酵母窒素原基礎培地 0.6 75%、グルコース 1%およびカザミノ酸 0.5%)からなる。実施例1:プロモーター活性を有する酵母DNAフラグメントのクローニング A.染色体DNA IXの調製 染色体IXから得られたDNAフラグメント豊富なDNAライブラリーを、いわゆる固 体アガロース中技法(ローズ(Rose)ら;1990、上記、Preparation of chromosom e-size yeast DNA molecules in solid agarose)で処理した酵母サッカロミセ ス・セレビシエTGY73.4(MATα、ura3、his3、pra1、prb1、prc1、cps1)から構 築する。簡単に述べると、ザイモリアーゼで処理した酵母を、アガロースに含ま せ、その後凝固させる。次に、染色体を、0.5xTBE緩衝液(45 mM Tris-HCl、45 mMホウ酸塩および2 mM EDTA)中の1%アガロースゲル(バイオラッド(Biorad)の 染色体等級のアガロース)上で、パルスフィールド電気泳動(CHEF-DRII、バイ オラド)により分離する。電気泳動は、次のパラメーター:電圧200ボルトを用 いて、40秒のパルスを16時間、その後90秒を8時間適用して、トータルで24時間 行なう。これらの条件は、小さいサイズの染 色体(I、VI、IIIおよびIX)の分離に最適である。染色体IXに対応するバンド( 下から4番目)をゲルから切り出し、アガロース(ジーンクリーンキット(GeneC lean kit)、バイオ101インコーポレーティッド(Bio 101 Inc))から抽出する 。約1μgの染色体DNAを得るためには、このタイプの幾つかの電気泳動を行なう 必要があった。 酵母染色体のゲルのレプリカ上で、この試料の標識されたアリコート(DIG DN A標識および検出キット、ベーリンガー(Boehringer))をテストするサザーン分 析(サザーン(Southern)、1974、J.Mol.Biol.、98、503-517)により、染色体 IX豊富であることを確認した。 B.酵母IX染色体DNAライブラリーの構築 染色体IX豊富な試料を、酵素Sau3Aで一部消化する(酵素0.2単位により、37℃ にて1時間、50μlの反応容積で、100 ngのDNAの10の消化)。酵素反応は、pH 8 で、0.5 M EDTAを1μl添加して止める。アルコール沈殿の後、0.5〜1.5 kbのサ イズのフラグメントを、1% LMPアガロースゲル(低融点、ビーアールエル)上で 単離し、ジーンクリーン法で溶出する。 単離されたフラグメントを、BamHIで直線化したプラスミドpTG9852(図1)に クローニングし、ウシのアルカリ性ホスファターゼ(ベーリンガー(Boehringer) )で処理 する。後者は、プラスミドpTG6888およびpUT332(ガチグノル(Gatignol)ら、198 7、Mol.Gen.Genet.、207、342-348)から誘導する。前者は、2μ起点に含まれ るXbaI部位を抑制(部分的XbaI消化およびクレノウ処理)して修飾したベクター pTG3828(アシュステッテル(Achstetter)ら、1992、Gene、110、25-31)に対応 する。平行して、ble遺伝子のコーディング部分を、pUT332からBamHI-EcoRIフラ グメントの形態で精製し、ベクターpTG6888のBglII部位に導入する前にクレノウ の作用に曝す(クレノウ処理して平滑にされる)。ble遺伝子のコーディング配 列の上流に置かれたユニークなBamHI部位のレベルで、DNAフラグメントをpTG985 2に挿入すると、転写プロモーター活性を有するものが選択可能(形質転換され た酵母をフレオマイシン上で選択することにより)になる。 大腸菌5K株をエレクトロポレーションすることにより15シリーズの形質転換が 行なわれ、アンピシリンに耐性な、つまり形質転換された10930個のクローンを 作成可能とした。選択された挿入物のサイズ(0.5〜1.5kb)および染色体IXのサ イズ(450 kb)を考慮すると、得られたクローンの数は完全に、DNAライブラリ ーを代表する(約20倍の倍率)ものである。コロニーのサンプルを、PCRで分析 する。プライマーoTG5427およびoTG5428(配列番号: 4および5)を、次の条件(30サイクル:90℃で30秒間変性、54℃で2分間アニ ーリングおよび72℃で2分間拡張)で使用する。挿入物がない場合(親ベクター pTG9852)、増幅により269 bpのバンドが生じる。対照的に、酵母フラグメント を挿入した後では、増幅されるバンドのサイズは、挿入物のサイズにより増加す る。結果は、挿入の頻度90%、および挿入物の平均サイズが700 bpに近いことを 示す。 ライブラリーは、生じた全てのクローンのプラスミド内容物(content)を抽出 して構築される。 C.酵母サッカロミセス・セレビシエ中で機能する可能性のあるプロモーターの 選択 先の工程で得られたライブラリーを、2 mmのインターフェイスを用いて、ディ ッシュ中でエレクトロポレーション(セルジェクトシステム(Cellject system) 、ユーロジェンティック(Eurogentic);電圧 1000 V、抵抗 412Ωおよびキャパ シタンス40μF、シングルパルスモードで)することにより、酵母株TGY74.3に形 質転換する。 エレクトロポレーションされた細胞を、2つの異なる培地に並行に塗抹し、一 方はそれらが形質転換されているかどうか(Ura+表現型を選択するためにYNBG+c as培地に塗抹する)、他方は挿入物が転写プロモーター活性を 有するかどうか(250μg/mlのフレオマイシンを補足したYEG培地に塗抹する)を 評価する。非形質転換またはベクターpTG9852(ble遺伝子を有し、プロモーター を欠く)で形質転換された株TGY73.4は、20μg/ml以上の濃度のフレオマイシン では増殖できないことが示される。比較として、(TEF1プロモーター制御下に) ble遺伝子の機能的発現のためのカセットを含むベクターpTG9851は、2 mg/mlの 濃度の抗生物質に耐えられない。これは、pTG6888のBglII部位に、ベクターpUT3 32から単離したBamHIフラグメントを導入して得られる。他方、使用されるプロ モーターが弱いとき(KEX2遺伝子のプロモーターの制御下にble遺伝子を含むpTG 9895;実施例2を参照のこと)、50μg/mlまでは細胞は増殖する。従って、選択 濃度250μg/mlは、様々な強さのプロモーター・フラグメントを選択し得るため に中間的である。 9300個の形質転換体(Ura+)が生じ、その中の約1%が濃度250μg/mlで、フレオ マイシンに対する耐性を発揮する(106クローン)。先のプライマーを用いたPCR 分析によると、挿入の頻度80%、0.5〜1.6 kbにまで亘るサイズ、平均は0.7〜0.8 kbであることが示される。 これら106個の候補のレプリカが、増加する濃度のフレオマイシンを含む選択 培地で作られ、20個のクローンが 2mg/mlに耐性である。それらの耐性が自然突然変異によるものでないことをチェ ックするために、20個の選択された形質転換体のプラスミド内容物を、酵母TGY7 3.4に再導入する前に大腸菌5K(ナッケン(Nacken)ら、1994、Nucleic、Acids Re s.、22、1509-1510)に、エレクトロダクト(electroduct)する。4つのクローン は、PCRで増幅されるバンドおよびフレオマイシン存在下に増殖する能力を発揮 する。それらのうち3つは、特徴付けが為されている。それらは、挿入物D64、R 13およびJ1をそれぞれ有するプラスミドpTG8732、pTG8733およびpTG8734で形質 転換されたクローンである。 酵母の染色体(実施例1A)のゲルのレプリカを、標識した挿入物を用いてサザ ーン分析すると、R13が染色体IXから誘導されることが示される。 D.選択された挿入物の分析 それらの配列は、サンガーら(1977、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、74、5463 -5467)の技術に従い、二本鎖プラスミド上で直接決定した。データ分析すると 、転写コンセンサス配列の存在が示される(表1を参照のこと)。 ジーンバンク(Genbank)のデータバンクの配列と比較すると、挿入物D64および R13が、今までリストされていない配列を含むことが示される。J1に関しては、 それがコーディング配列の下流に位置している故に、プロモーターの存在が期待 されない領域で、それは、サッカロミセス・セレビシエのCOX4遺伝子の3'に位置 する配列に対応する。 推定(putative)リーディング・フレーム(ORF)のサーチについては、D64の5'側 前半にある96個のアミノ酸(aa)からなるORFの存在、およびJ1の5'末端と3'末端 をそれぞれカバーする2つの小さいサイズのORF(57および25 aa)の存在が注目 される。実施例2: 先述の挿入物の制御下でGUS遺伝子を発 現するためのベクター 転写プロモーターの活性を、その発現産物が容易に測定できるGUS遺伝子に関 して評価する。実際には、その酵素活性は、細胞抽出物に対する比色分析、蛍光 定量アッセイ(ジェファーソン(Jefferson)ら、1987、Molecular Biology Repor ter、5、387-405)により、あるいはナイロン・フィルター上での組織化学テス ト(ハート(Hirt)、1991、Current Genetics、20、437-439)により、検出でき る。 A.選択された挿入物の単離 センス・プライマーの5'にClaI制限部位を、アンチセンスの5'にSalI制限部位 を設けたプライマーを用いて、PCRにより、挿入物をベクターpTG8732(D64を含 む)、pTG8733(R13)およびpTG8734(J1)から単離する。これらは、配列番号 :6〜9に示されている(D64についてはoTG6302およびoTG6293;R13については oTG6292およびoTG6293並びにJ1についてはoTG6298およびoTG6293)。 B.選択された挿入物のサブフラグメントの特徴付け 挿入物R13は1 kbを越えるので、より小さいサイズのサブフラグメントを有す ることは有用で取り扱いが容易であり得、にもかかわらず転写プロモーター活性 を保持する。R13の5'領域および3'領域は、プライマーoTG6292およびoTG6294( 配列番号:10)、並びにoTG6301(配列番号:11)およびoTG6293をそれぞれを用 いて、pTG8733から単離される。5'部分をカバーする416 bpフラグメントはR13.2 と呼ばれ、599 bpの長さを有する3'側半分に対応するのはR13.3と呼ばれる。他 のサブフラグメントは、5'領域の漸進的欠失により創り出された(下記の実施例 5を参照のこと)。 J1の場合、25 aaの推定ORF、特に、興味あるタンパク質の翻訳を妨害し得るそ の開始ATGを取り除くために、そ の挿入物を3'で欠失させる。推定コーディング配列を欠く547 bpフラグメント(J 1.2)を、pTG8374およびプライマーoTG6298とoTG6299(配列番号:12)から増幅 によって単離する。 C.多コピー型発現ベクター pTG10231と称される基本ベクター(図2;デグリゼ(Degryse)ら、Yeast、印刷 中)を、pTG3828(アシュステッテル(Achstetter)ら、1992、上記)から誘導す る。それは、酵母(2μ)、細菌(ori)そして最後にファージ(f.oriは一本鎖D NAを産生させる)からの3つの複製起点ならびに2つの選択マーカー(URA3-dお よびAmp遺伝子)を含む。指針として、URA3-d遺伝子は、そのプロモーターを欠 失しているURA3遺伝子に対応し、それにより細胞中で多数のプラスミドのコピー を確実にする。最後に、それは、GUSタンパク質(ジェファーソンら、1986、Pro c.Natl.Acad.Sci.USA、83、8447-8451)をコードする配列がCYC1遺伝子のプ ロモーターおよびPGKターミネーター(ヒッツマン(Hitzeman)ら、1983、上記) の制御下に置かれている発現カセットを含む。そのようなベクターを文献にある データから作成することは、当業者の能力の範囲内にある。 ベクターpTG10231をClaIおよびSalIで消化して、CYC1 プロモーターを含むフラグメントを除去する。増幅したフラグメント(挿入物お よびそれらの各々のサブフラグメントに対応する)を、直線化したベクターにク ローニングする。pTG8784(D64を含む)、pTG8781(R13)、pTG8785(J1)、pTG8782(R 13.2)、pTG8783(R13.3)およびpTG8786(J1.2)と呼ばれる十分な制限プロフィール を有するプラスミドを含むクローンを選択する。 pTG10231をClaIおよびSalIで消化し、クレノウ処理し再連結することにより、 ネガティブ・コントロールを生じさせる。このコントロールは、プロモーターを 欠いており、pTG8793と称される。 本発明のプロモーター配列を、他のプロモーター、つまりMFα1遺伝子およびP GK遺伝子のような強力であると評判の高いプロモーター、あるいはKEX2遺伝子の プロモーター(フュラー(Fuller)ら、1989、Proc.Natl.Acad. Sci.USA、86、 1434-1438)のような弱いものと比較するのも有用である。PCRによって得られる 対応する配列は: KEX2遺伝子のプロモーターのために:pTG9895から、プライマーoTG6304(配列 番号:13)およびoTG6293を用いて、524 bpフラグメントの増幅。指針として、p TG9852(実施例1)のBamHI部位に、KEX2遺伝子のプロモーターを含むPCRフラグ メントを挿入することにより、pTG9895 が得られる。後者は、テンプレートpTG4812(EP 396 436に記載される)並びに オリゴヌクレオチドoTG5739およびoTG5740(配列番号:14および15)から増幅さ れる、 MFα1遺伝子のプロモーターのために:FL100酵母株(ATCC 28383)からのゲノム DNA試料から、プライマーoTG6929およびoTG6930(配列番号:16および17)を用 いて、974 bpフラグメント増幅。 PGK遺伝子のプロモーターのために:FL100酵母株からのゲノムDNA試料から、 プライマーoTG7002およびoTG6928(配列番号:18および19)を用いて、779 bpフ ラグメント増幅。 増幅されたフラグメントは次に、CYC1プロモーターに代わるものとしてベクタ ーpTG10231のClaIおよびSalI部位に挿入して、それぞれpTG8780(KEX2)、pTG8789 (MFα1)およびpTG8791(PGK)を生じる。 D.単コピー型発現ベクター ベクターpTG8795(図3)は、それが2μ起点の代わりに自律性複製単位ARSH6- CEN4(シコルスキー(Sikorski)およびヒーター(Hieter)、1989、Genetics、122 、19-27)を、URA3-dの代わりにURA3遺伝子を含むことを除いて、ベクターpTG10 231と等しい。 CYC1プロモーターを置き換える相同組換えによって、 プロモーター・フラグメントをpTG8795に導入する。これをするために、大腸菌B J5183株(endA、sbcBC、galK、met、thi-1、bioT、hsdR、strR)を、先の工程で 得られたScaIで消化されたプラスミド(供与プラスミドpTG8781〜pTG8786)の1 つで、他方では、NotIで直線化した基本ベクターpTG8795(受容ベクター)で同 時形質転換する。得られたクローンに制限プロフィールの最初の分析をして、期 待されたプロフィールを発揮するもの(pTG9704(D64)、pTG9701(R13)、pTG9705( J1)、pTG9702(R13.2)、pTG9703(R13.3)およびpTG9706(J1.2)と称する)を選択す る。それらのプラスミド部分を株5Kに転移して、より高い量のプラスミドDNAを 得る。 ポジティブ・コントロールを生じさせるために、先のコントロール・ベクター (pTG8780...)を供与ベクターとして使用して、同じ手順で行なう。pTG9700(KE X2)、PTG8799(PGK)およびpTG9711(MFα)が生じる。pTG8795を酵素ClaIおよびSal Iで開裂し、クレノウ処理し、自己連結して、ネガティブ・コントロールpTG9713 を得る。実施例3:GUS遺伝子の発現の評価 実施例2CおよびDの構築物を使用して、株TGY73.4またはW303α(MATα、ura3 、leu2、his3、trp1、ade2; クライブロン(Crivellone)ら、1988、J.Biol.Che m.、263、 14323-14333)を形質転換する。GUS遺伝子の発現は、ハート(1991、上記)に記 載される半定量技術により、形質転換で得られたコロニーに対して直接評価する ことができ、そのプロトコールは下記のように修飾された。コロニー部分を楊枝 で採取し、ナイロンN膜(アマーシャム(Amersham))上に置いた。-80℃で10分間 冷凍した後、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルグルクロニド(X-gluc)試薬を50μ g/ml(DMSO、ジメチルスルホキシド中、5mg/mlまでの原液の希釈物)含む、50 m M Na2HPO4緩衝液、pH7で浸した3Mワットマン紙(Whatman paper)上で解凍する。 反応は、暗所で37℃で起こる。GUSタンパク質を産生するコロニーは青く見え、 その色の強度や出現速度が速いほど発現レベルは高い。 より定量的な測定をするために、形質転換された酵母を液体培地(YNBG+cas)で 28℃にて培養する。増殖期に、培養サンプル(10 ml)を集め、細胞を遠心分離に よって回収し、15分間粉砕する(レッチ・グラインダー(Retsch grinder))前に 、1 mMのペファブロック(Pefabloc)(ジェファーソン(Jefferson)ら、1987、上 記)を補足した500μlのGUS抽出緩衝液中に取る。次に、粉砕した産物を、4℃に て10,000 rpmで10分間遠心分離する。タンパク質濃度を上清に対して測定(バイ オラド(Biorad)キット)し、 メチルウンベリフェリル(methylumbelliferyl)β-グルクロニド基質を用い蛍光 定量法によってGUSタンパク質の酵素活性を測定する。タンパク質抽出の収率の 相違は、TGY73.4およびW303α株の間で、一般に顕著である。しかしながら、GUS 活性は、タンパク質の量を調整すると、2つの株では比肩し得る。 図4は、実施例2Cの多コピー型ベクターで形質転換されたTGY73.4株で産生さ れたGUSタンパク質の活性レベルを示す。指針として、サンプルは定常増殖期に 集め、GUS活性は、1分当りタンパク質mg当り産生されるメチルウンベリフェロ ン(MU)のnモルで示される。挿入物R13は、テストされた全フラグメント並びにKE X2プロモーター(因子58)で測定されたものよりも実質的に高いプロモーター活 性を有する。挿入物D64は、その制御下に産生されるGUSタンパク質レベルに照ら して強力なプロモーター(KEX2プロモーターで得られたものよりも28倍強い)で あると判断することもできる。対照的に、完全なJ1挿入物のプロモーター能力は 、KEX2と同じオーダーの強さ(2倍の範囲内まで)である。しかしながら、J1.2 サブフラグメントのプロモーター活性は実質的に改善されているので、ORFのそ の3'末端に位置する25 aaの欠失は有利であると実証される。R13.3サブフラグメ ントについて は、それから誘導される完全な挿入物より低いとしても高いプロモーター活性を 保持し、他方、R13.2サブフラグメントは非常に弱いプロモーターを構成する。 データは示されていないが、GUS活性はネガティブ・コントロール(非形質転換 またはプラスミドpTG8793で形質転換された株TGY73.4)では測定されない。 図5は、実施例2Dの単コピー型ベクターに関するデータを要約している(OD 6 00 nm 約1のサンプル収集)。大雑把に比較し得るプロフィールが観察される。 完全なR13挿入物の制御下に得られたGUS活性レベルは、テストされたクローンか ら産生されたもの並びに強力であると評判のPGKプロモーターおよびMFα1プロモ ーターを完全に越える。挿入物D64およびJ1.2のプロモーター活性は、参照され たPGKプロモーターおよびMFα1プロモーターのものと同じオーダーである。最後 に、R13.3の転写能力は、顕著であるけれども、完全な挿入物で測定されたもの より低い。この実験では、CYC1プロモーターの低い活性は、そのサンプルが指数 的増殖期に集められるので、培養培地中にグルコースが多量にあることで説明が つく。 形質転換された異なる酵母により産生されたGUSタンパク質について、7.5% SD S-PAGEゲル(ミニプロテアンIIデュアルスラブセルシステム(mini-protean II d ual slab cell system)、バイオラド)を用いて、特徴付けを行なった。GUS遺伝子の発現 産物に対応する予測された分子量(68 kDa)を有するバンドは、抽出物の総タンパ ク質の約5%を示し、クマシーブルーで染色した後に、pTG8784、pTG8781およびpT G8786を含む酵母中で検出される。 これらのプロモーター・フラグメントの調節能力は、増殖条件と培養条件の関 数として、研究されることができる(様々な培養時間、培養培地にグルコース、 チアミンなどのような特定の栄養素を添加して、活性を測定する)。特に、単コ ピー型ベクターで形質転換された株TGY73.4により産生されたGUS活性のレベルは 、最少培地中の酵母の増殖の関数として測定された。R13挿入物は、指数的増殖 期の正に初めには活性であるが、OD 600 nmが増加するにつれ、その活性は低下 する。サブフラグメントJ.12は、同様の挙動を示す。D64については、そのプロ モーター活性も定常的増殖期でより低いが、最大活性が指数的増殖期の中期にあ る(鈴型のプロフィール)という意味で観察されるプロフィールは僅かに異なる 。他方、R13.3サブフラグメントのプロモーター活性は(CYC1プロモーターで観 察されるように)定常的増殖期で増加する。 結論として、これらの実験は、異種遺伝子の発現を増強し得る、様々な強度と 調節性を有する酵母プロモータ ーを単離し特徴付けることを可能にする。実施例4:プロモーター活性に対する培養培地の影響 単コピー型ベクターpTG9704(D64)、pTG9706(J1.2)およびpTG9701(R13)を3つ の異なる培地で培養し、それと並行して、GUS遺伝子の発現を指示するTEF1プロ モーター(コットレル(Cottrelle)ら、1985、上記)であることを除いて上記の ものと等しいものであるプラスミドpTG9707を使った。グルコースを基礎とする 定められたYNBG+cas培地、リッチなYPG培地および炭素源がグリセロールである 定められた酸化的YNBGly+cas培地について研究を行なう。2つのサンプルを、指 数的増殖期に集める(OD600〜1)。各サンプルの無細胞性タンパク質抽出物に対し 、蛍光定量法を行なってGUS活性を測定する(図6)。 本発明の3つのプロモーター挿入物に対応するクローンのタンパク質抽出物は 全て、YNBGly+cas培地上では、グルコースを含むYNBG+cas培地と比較して、50% 低いGUS活性を示す。対照的に、pTEF1で制御されるGUS活性は、YNBG+cas培地とY NBGly+cas培地とでは同一で、このプロモーターが、これら培養培地に含まれる 2つの炭素源上で有効であることを確認する。他方、構築物(pTG9707を含む) とは無関係に、GUS活性は、YPG上ではYNBG+cas上でよりも低い。 プロモーター・フラグメントD64、J1.2およびR13の最適な活性は、グルコース を炭素源として有する定められた培地で得られるように見える。しかしながら、 先に示された(実施例3)ように、グルコースが培養培地から消えるにつれて、 活性は増殖の間に一律に減少する(GUS産生のレベルは定常期の2倍低い)。定 められたグリセロールを含む培地(YNBGly+cas)では、細胞増殖の間には、そのよ うな活性の変動は観察されない(一定のGUSレベル)ことが示される。実施例5:挿入物R13のサブフラグメントの研究 最少サイズと最適活性を有するプロモーター挿入物を同定することを目的とし て、5'の漸進的欠失を、R13フラグメントに対して行なった。pTG9701(実施例2D )を使用し、oTG 7659およびoTG 7234(配列番号:20および21)を用いて、PCR によりフラグメントR13.9を増幅し、GUS遺伝子についての単コピー型発現ベクタ ー中でClaI-SalIフラグメントの形態でクローニングした後、pTG9754を生ずるこ とを可能にする。R13.9は、5'で80 bpを欠失したR13に対応する。テンプレートp TG9701を使用し、オリゴヌクレオチドoTG7422(配列番号:22)およびoTG7234を 用いて、PCRにより挿入物R13.5も増幅し、GUS発現ベクターpTG9719を生み出す。 R13.5は、挿入物R13の5'の190 bpを 欠失したものに対応する。R13.6サブフラグメントは、プライマーoTG7423(配列 番号:23)およびoTG7234を用いて得られ、R13の5'の300 bp欠失から生じる。そ れをGUS単コピー型発現プラスミドにクローニングすると、pTG9720を生じる。最 後に、既に記載されたR13.3フラグメントは、R13の5'に450 bpの欠失を含む。 プラスミドpTG9701(R13)、pTG9754(R13.9)、pTG9719(R13.5)、pTG9720(R13.6) およびpTG9703(R13.3)でそれぞれ形質転換されたTGY73.4酵母を定められたYNBG+ cas培地で培養し、OD600〜1で回収する。図7は、蛍光定量法によるOD600〜1で の測定の平均値に対応するGUS活性を示す(構築物ごとに3つのクローンをテス トする)。 オリジナルの挿入物R13は、指数的増殖期において、225 U/mgのGUS活性を有す る。5'で約100 bpを欠失してR13.9を生じると、約40%の活性の損失を伴なう(140 U/mg)。他方、約100 bpの追加的な欠失の後では(R13.5)、プロモーター活性は 有意に増加(R13およびR13.9で得られたものを越える290 U/mgのGUS活性)し、 このことは、欠失領域が遺伝子発現の負の調節に関する可能性のあるエレメント を含むことを示唆する。最後に、5'でさらに欠失すると(R13.6およびR13.3)、 プロモーター活性を非常に低下させる(R13.5と比較して95%損失)。実際、欠失 し たゾーンは、サッカロミセス・セレビシエRAP1遺伝子にコードされるアクチベー ター/リプレッサー産物の付着のためのコンセンサス配列の単位を含む。結論と して、R13.5フラグメントは、興味ある遺伝子の発現のために使用され得る最大 プロモーター活性を有する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年3月26日 【補正内容】 請求の範囲 1. 配列番号:2に示される配列あるいは配列番号:1または3に示されるヌ クレオチド配列の一部のみに相同な、若しくはその相補体に相同なヌクレオチド 配列の全部または一部を含む単離された核酸フラグメントであって、前記フラグ メントは二本鎖の形態であるとき転写プロモーター活性を有する。 2. 配列番号:2に示されるヌクレオチド配列の全部または一部あるいは配列 番号:1または3に示されるヌクレオチド配列の一部のみ若しくはその相補体を 含む、請求項1に記載の単離された核酸フラグメント。 3. 下記に示される配列: (i)462位のヌクレオチドで開始し1016位のヌクレオチドで終止する配列番号:1 、または (ii)197位のヌクレオチドで開始し1016位のヌクレオチドで終止する配列番号: 1、または (iii)5位のヌクレオチドで開始し523位のヌクレオチドで終止する配列番号:3 、 を有する請求項1または2に記載の単離された核酸フラグメント。 4. ハイブリッド起源であり、 (i)最小プロモーター領域を含む請求項1〜3の1つに記 載の核酸フラグメント;該最小プロモーター領域は該最小プロモーター領域と異 種である1個以上のモジュレーター配列の下流に置かれる、または (ii)少なくとも1個のモジュレーター配列を含む請求項1〜3の1つに記載の核 酸フラグメント;該モジュレーター配列は該モジュレーター配列と異種である最 小プロモーター領域の上流に置かれる、 を含むことを特徴とする核酸フラグメント。 5. 請求項1〜4の1つに記載の核酸フラグメントあるいは配列番号:1また は3に示される全ヌクレオチド配列あるいは相同または相補性配列もしくはその 相補体に相同な配列を含む核酸フラグメントの転写性制御下に、興味ある遺伝子 を含む発現カセット。 6. 興味ある遺伝子がサイトカイン、成長因子、レセプター、抗凝固物質、酵 素またはそのインヒビター、ホルモン、抗体、免疫原性特性を有するポリペプチ ド、構造タンパク質および選択マーカーから選択される発現産物をコードするこ とを特徴とする、請求項5に記載の発現カセット。 7. 請求項5または6に記載の発現カセットを含む発現ベクター。 8. 多コピー型またはセントロメアプラスミド・ベク ターであることを特徴とする請求項7に記載のベクター。 9. 請求項5または6に記載の発現カセットあるいは請求項7または8に記載 のベクターを含む宿主細胞。 10. 下等真核宿主細胞であることを特徴とする請求項9に記載の宿主細胞。 11. 酵母であることを特徴とする請求項10に記載の宿主酵母。 12. サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosacc haromyces)、ピチア属(Pichia)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、ハンセ ヌラ属(Hansenula)、ファフィア属(Phaffia)およびヤロウィア属(Yarrowia)の酵 母から選択される、請求項11に記載の宿主細胞。 13. サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であることを 特徴とする請求項12に記載の宿主細胞。 14. (i)適切な培養条件下に請求項9〜13の1つに記載の宿主細胞を培養 して興味あるポリペプチドを産生させること、および(ii)該宿主細胞の培養物か ら興味あるポリペプチドを回収することを包含する、興味あるポリペプチドの産 生方法。 15. 宿主細胞が酵母サッカロミセス・セレビシエで あることを特徴とする、請求項14に記載の産生方法。 16. 宿主細胞の培養がグルコースを炭素源として含む定められた培養培地で 行なわれることを特徴とする請求項14または15に記載の産生方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:865)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 配列番号:2に示される配列あるいは配列番号:1または3に示されるヌ クレオチド配列の一部のみに相同な、若しくはその相補体に相同なヌクレオチド 配列の全部または一部を含む単離された核酸フラグメントであって、転写プロモ ーター活性を有するフラグメント。 2. 配列番号:2に示されるヌクレオチド配列の全部または一部あるいは配列 番号:1または3に示されるヌクレオチド配列の一部のみ若しくはその相補体を 含む、請求項1に記載の単離された核酸フラグメント。 3. 下記に示される配列: (i)462位のヌクレオチドで開始し1016位のヌクレオチドで終止する配列番号:1 、または (ii)197位のヌクレオチドで開始し1016位のヌクレオチドで終止する配列番号: 1、または (iii)5位のヌクレオチドで開始し523位のヌクレオチドで終止する配列番号:3 、 を有する請求項1または2に記載の単離された核酸フラグメント。 4. ハイブリッド起源であり、 (i)最小プロモーター領域を含む請求項1〜3の1つに記載の核酸フラグメント ;該最小プロモーター領域は該 最小プロモーター領域と異種である1個以上のモジュレーター配列の下流に置か れる、または (ii)少なくとも1個のモジュレーター配列を含む請求項1〜3の1つに記載の核 酸フラグメント;該モジュレーター配列は該モジュレーター配列と異種である最 小プロモーター領域の上流に置かれる、 を含むことを特徴とする核酸フラグメント。 5. 請求項1〜4の1つに記載の核酸フラグメントあるいは配列番号:1また は3に示される全ヌクレオチド配列あるいは相同または相補性配列もしくはその 相補体に相同な配列を含む核酸フラグメントの制御下に、興味ある遺伝子を含む 発現カセット。 6. 興味ある遺伝子がサイトカイン、成長因子、レセプター、抗凝固物質、酵 素またはそのインヒビター、ホルモン、抗体、免疫原性特性を有するポリペプチ ド、構造タンパク質および選択マーカーから選択される発現産物をコードするこ とを特徴とする、請求項5に記載の発現カセット。 7. 請求項5または6に記載の発現カセットを含む発現ベクター。 8. 請求項7に記載の多コピー型またはセントロメアプラスミド・ベクター。 9. 請求項5または6に記載の発現カセットあるいは請求項7または8に記載 のベクターを含む宿主細胞。 10. 請求項9に記載の下等真核宿主細胞。 11. 請求項10に記載の宿主酵母。 12. サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosacc haromyces)、ピチア属(Pichia)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、ハンセ ヌラ属(Hansenula)、ファフィア属(Phaffia)およびヤロウィア属(Yarrowia)の酵 母から選択される、請求項11に記載の宿主細胞。 13. サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であることを 特徴とする請求項12に記載の宿主細胞。 14. (i)適切な培養条件下に請求項9〜13の1つに記載の宿主細胞を培養 して興味あるポリペプチドを産生させること、および(ii)該宿主細胞の培養物か ら興味あるポリペプチドを回収することを包含する、興味あるポリペプチドの産 生方法。 15. 宿主細胞が酵母サッカロミセス・セレビシエであることを特徴とする、 請求項14に記載の産生方法。 16. 宿主細胞の培養がグルコースを炭素源として含む定められた培養培地で 行なわれることを特徴とする請 求項14または15に記載の産生方法。
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