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JPWO2006077853A1 - 感覚障害治療剤 - Google Patents

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JPWO2006077853A1
JPWO2006077853A1 JP2006553911A JP2006553911A JPWO2006077853A1 JP WO2006077853 A1 JPWO2006077853 A1 JP WO2006077853A1 JP 2006553911 A JP2006553911 A JP 2006553911A JP 2006553911 A JP2006553911 A JP 2006553911A JP WO2006077853 A1 JPWO2006077853 A1 JP WO2006077853A1
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浩人 塩見
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バン リュー
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昌司 山田
恵三 小山
恵三 小山
鈴木 啓仁
啓仁 鈴木
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Abstract

[解決手段] 下記一般式(1)〔式中、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、Xは炭素数10〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン又はアルケニレン基を示す〕で表される感覚障害治療剤。[効果] 本発明のシクロヘキセノン長鎖アルコールは、痛覚過敏あるいは鈍麻を改善する事から感覚障害治療剤として有用である。本発明によって、予防あるいは治療することができる感覚障害には、慢性難治性疼痛、神経因性疼痛、神経損傷による疼痛閾値低下、神経損傷や糖尿病による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏などが含まれる。

Description

本発明は,感覚障害(sensory disorder)を治療あるいは予防する非ペプチド性低分子化合物に関するものである。
痛みには、主に、急性痛(acute pain )と慢性痛(chronic pain)の二種類がある。急性痛とは、例えば、足首の捻挫のように、身体に傷や何らかの障害がおきたという警告の信号である。痛みに反応することで、原因を取り除き、悪化を防ごうとする反応である。それに対して慢性痛とは、治療による緩和が難しい痛みが継続する場合をいう。特に、はっきりとした原因が分からず、痛みが持続している状態を「慢性難治性疼痛」(chronic intractable pain)と呼ぶ。緩和が困難な慢性通の痛みは、その原因を取り除く行動を取りえないので、生体に対する警告の信号としての役目を果たさない。
慢性難治性疼痛には,神経組織が損傷あるいは圧迫などで発症する神経因性疼痛(neurogenic pain)と知覚神経終末の感覚受容器を介した侵害受容性疼痛(nociceptive pain)がある。また侵害受容体の感受性増大によっても神経因性疼痛が引起されることから混合型も多く見受けられる。痛みが発症する部位が三叉神経であれば三叉神経痛、坐骨神経であれば坐骨神経痛と呼ばれる。
また疼痛と同様に、感覚麻痺あるいは鈍麻も、神経組織の損傷によって発症する。神経組織は、たとえば物理的な障害によって直接的に、あるいは疾患などによって間接的に損傷を受ける。つまり、感覚過敏な状態が疼痛であり、感覚が鈍っている状態が麻痺あるいは鈍麻である。これらの症状を総称して感覚障害という。
外傷や手術の後遺症以外にも、各種癌疾患,糖尿病性神経障害,脳梗塞の後遺症,帯状疱疹の後遺症,幻肢痛,脊髄損傷,単発神経炎,単神経障害,多発性神経障害(遺伝性神経炎,急性多発性神経炎,Landry麻痺、Guillain-Barry症候群、ジフテリア性神経炎、中毒性ニューロパチー、栄養障害性ニューロパチー、膠原病,HIVなど),あるいはハンセン病等も感覚障害の原因となる。
疼痛の治療は,消炎鎮痛薬の投与,神経ブロック,原因疾患の治療などが行なわれている。麻痺・鈍麻に関しては,神経ブロックや原因疾患の治療が主に行なわれている。しかし,これらの治療法は対症療法的であり根治には程遠いものである。また再生医療なども一部試みられているが,まだ実用的ではない。
医学のあゆみ VOL. 211 P.606-609 NO. 5, 2004 井村裕夫、尾形悦郎、高久史麿、垂井清一郎 偏、「最新内科学大全(Integrated Handook of Internal Medicine)−第70巻 末梢・自律神経疾患」、中山書店、pp.211-215(1996) 神田 隆、"多発神経炎"、[online]、掲載日不明、山口大学医学部 脳神経病態学(神経内科) 、[平成17年1月12日検索]、インターネット<http://www.neurol.med.yamaguchi-u.ac.jp/sinryou/tahatsu.htm> 特開2000-297034 特開2002-241270 特開2002-241271
本発明の目的は、感覚障害を治療する低分子化合物を提供することである。
シクロヘキセノン長鎖アルコールはこれまでに神経細胞の生存及び神経突起の伸展を促進する神経栄養作用を有することが既に報告されている(Gonzales de Aguilarら、Brain Res(2001)920,65-73)。今回,本発明者等は,式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコールが感覚障害を改善する事を見出し,本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記の感覚障害の治療および予防のいずれか、または両方のための治療剤および/または予防剤、ならびに方法を提供する。
〔1〕次の一般式(1)
Figure 2006077853
〔式中、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、Xは炭素数10〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン又はアルケニレン基を示す〕
で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分とする感覚障害の治療及び/又は予防剤。
〔2〕R1がメチル基であり、Xが炭素数10〜28の直鎖状のアルキレン基である、〔1〕に記載の治療及び/又は予防剤。
〔3〕R2がメチル基である、〔2〕に記載の治療及び/又は予防剤。
〔4〕R3がメチル基である、〔2〕または3に記載の治療及び/又は予防剤。
〔5〕R1およびR2が水素原子である、〔1〕に記載の治療及び/又は予防剤。
〔6〕シクロヘキセノン長鎖アルコール化合物が、下記の化合物からなる群から選択されたいずれかの化合物である、〔1〕に記載の治療及び/又は予防剤;
3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3-(12-ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル-2-シクロヘキセノン)
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)、および
3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)。
〔7〕感覚障害が慢性難治性疼痛である〔1〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔8〕感覚障害が神経因性疼痛である〔1〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔9〕感覚障害が神経損傷による疼痛閾値低下である〔1〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔10〕感覚障害が神経損傷による知覚鈍麻である〔1〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔11〕感覚障害が多発性神経障害による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏である〔1〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔12〕多発性神経障害が慢性の多発性神経障害による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏である〔11〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔13〕感覚障害が糖尿病による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏である〔1〕記載の治療及び/又は予防剤。
〔14〕感覚障害が単神経障害である〔1〕に記載の治療及び/又は予防剤。
〔15〕単神経障害が圧迫性ニューロパチーである〔14〕に記載の治療及び/又は予防剤。
〔16〕次の一般式(1)
Figure 2006077853
〔式中、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、Xは炭素数10〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン又はアルケニレン基を示す〕
で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、感覚障害を治療および予防のいずれか、または両方のための方法。
あるいは本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害の治療及び/又は予防剤の製造における使用に関する。または、本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害の治療及び/又は予防における使用に関する。更に本発明は、次の要素iおよびiiを含む、医薬パッケージを提供する。
i:前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物と薬学的に許容される担体を含む医薬組成物、および
ii:当該医薬組成物が感覚障害の、予防および治療のいずれか、または両方に使用できることを記載した指示書
本発明における指示書には、治療の対象に加え、医薬組成物の製造日や、保存条件を記載することができる。更に、これらの情報は、医薬組成物に直接表示することもできる。具体的には、医薬組成物が充填された容器に直接印刷したり、あるいはラベルを貼ることによって、必要な情報を表示することができる。すなわち本発明は、感覚障害の、予防および治療のいずれか、または両方に使用できることが表示された、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物と薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
一般式(1)で表される化合物は、感覚障害モデル動物で感覚障害症状の緩和作用、あるいは予防作用が確認された。したがって、式(1)で表される化合物は、感覚障害の予防並びに治療に有用である。本発明によって、感覚障害患者の生活の質(QOL)を著しく向上させることができる。
Bennettモデルの作製方法。結紮する坐骨神経軸索の位置と、結紮部位を示す。 Bennettモデル (痛覚過敏モデル) ラットの疼痛閾値低下に対する化合物24の治療効果。左図(injuring paw)は神経損傷足(手術側)における疼痛閾値変化量の平均±標準誤差を示す。右図(normal paw)は正常足(無処置側)おける疼痛閾値変化量の平均±標準誤差を示す。*:p<0.05, **:p<0.01(Student’s t-test)。 Bennettモデル (痛覚過敏モデル) ラットの疼痛閾値低下に対する化合物24の予防効果。左図(injuring paw)は神経損傷足(手術側)における疼痛閾値変化量の平均±標準誤差を示す。右図(normal paw)は正常足(無処置側)おける疼痛閾値変化量の平均±標準誤差を示す。***:p<0.001(Student's t-test)。 STZ誘発糖尿病モデルマウスの神経鈍麻に対する化合物24の改善効果。第1相(PhaseI)および第2相(PhaseII)におけるlicking行動時間又はbiting行動時間の合計の平均±標準誤差を示す。*:p<0.05, **:p<0.01, ***:p<0.001(Student’s t-test)。
上記一般式(1)中、Xは炭素数10〜28の直鎖状又は分岐状のアルキレン又はアルケニレン基であるが、分岐状のアルキレン又はアルケニレン基の場合の側鎖としては炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。当該側鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert- ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、などが挙げられ、このうち特にメチル基が好ましい。
また直鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基(少なくとも1つの炭素- 炭素二重結合を有するアルケン構造を意味する)への側鎖の置換は、3及び/又は7位が好ましい。すなわち前記一般式のXが直鎖状のアルキレン基あるいは直鎖状のアルケニレン基の場合、3および7位のいずれか、または両方に側鎖を含むことができる。これらのXのうち、炭素数10〜28の直鎖状アルキレン基がより好ましく、炭素数10〜18の直鎖状アルキレン基が特に好ましい。また、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はメチル基を示すが、R1、R2、およびR3の少なくとも1個がメチル基である場合がより好ましい。更に、R1、R2、およびR3の全てがメチル基である化合物は、本発明における、より好ましい化合物である。また、別の態様において、R1およびR2が共に水素原子である場合も好ましい。
また、一般式(1)の化合物は、薬学的に許容される塩、又はその溶媒もしくは水和物の形態であってもよい。またこの化合物(1)には、各種の異性体が存在し得るが、これらの異性体も本発明に含まれる。
前記一般式(1)で示される化合物を得るための方法は公知である。例えば特開2000-297034記載の製法に従って製造することができる。より具体的には、例えば次の製法Aまたは製法Bに従って前記一般式(1)で示される化合物を製造することができる。
Figure 2006077853
〔式中、R1 a、R2 a及びR3 aは水素原子又はメチル基を示す。R1 a、R2 a及びR3 aの少なくとも1個はメチル基を示す。Phはフェニル基を示し、X、R1、R2及びR3は前記と同じである。〕
すなわち、シクロヘキセノン(2)又はメチル置換2−シクロヘキセン−1−オン(3)にベンゼンスルフィン酸塩を酸の存在下に反応させて化合物(4)とする。これにエチレングリコールを反応させてケタール体(5)を得、更にω−ハロゲノアルカノール又はω−ハロゲノアルケノールを反応させて化合物(6)とする。得られた化合物(6)を酸処理して保護基を脱離させることにより化合物(1)が得られる。
ここで原料として用いられるメチル置換2−シクロヘキセン−1−オン(3)は、メチル置換シクロヘキサノンにブチルリチウムの存在下トリアルキルシリルハライドを反応させた後、パラジウム系触媒の存在下に酸化することにより得られる。
まず、シクロヘキセノン(2)又はメチル置換2−シクロヘキセン−1−オン(3)とベンゼンスルフィン酸塩、例えばベンゼンスルフィン酸ナトリウムとの反応は、塩酸、硫酸、リン酸等の酸の存在下、0〜100℃の温度で5〜40時間行うのが好ましい。
化合物(4)とエチレングリコールとの反応は、無水パラトルエンスルホン酸などの縮合剤の存在下50〜120℃の温度で1〜10時間行うのが好ましい。
ケタール体(5)に反応させるω−ハロゲノアルカノール又はω−ハロゲノアルケノールとしては、ω−ブロモアルカノール又はω−ブロモアルケノールが好ましい。ケタール体(5)とω−ハロゲノアルカノール又はω−ハロゲノアルケノールとの反応は、ブチルリチウム等の金属化合物の存在下、低温条件で行うのが好ましい。
得られた化合物(6)のフェニルスルホニル基及びケタール保護基は、例えばパラトルエンスルホン酸等の酸を反応させることにより脱離させることができる。
Figure 2006077853
〔式中、X1は炭素数9〜27のアルキレン又はアルケニレン基を示す。Acはアシル基を示す。R1、R2、R3及びPhは前記と同じである。〕
すなわち、化合物(7)にω−ブロモアルコールを反応させて化合物(9)とし、次いでフェニルスルホニル基を脱離させて化合物(10)を得る。化合物(7)は、例えば、Synthesis, 1996, Nov. に準じて得ることができる。得られた化合物(10)のヒドロキシ基を保護して化合物(11)とした後、酸化して化合物(12)とする。更に化合物(12)のヒドロキシ保護基を脱離させることにより化合物(1a)が得られる。
化合物(7)と化合物(8)との反応は、ブチルリチウム等の金属化合物の存在下、低温条件で行うのが好ましい。化合物(9)からフェニルスルホニル基を脱離せしめるには、例えばナトリウムアマルガムの存在下リン酸塩等を反応させることにより行われる。化合物(10)のヒドロキシ保護基としては、アセチル基等が好ましく、保護反応は例えば化合物(10)に無水酢酸を反応させることにより行われる。化合物(11)の酸化反応は三塩化ルテニウム等の金属化合物の存在下、t−ブチルヒドロパーオキサイド等のアルキルヒドロパーオキサイドを反応させることにより行われる。化合物(12)の保護基の脱離反応は、炭酸カリウム等の塩基の存在下に加水分解するのが好ましい。
本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分として含有する、感覚障害の予防剤を提供する。また本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、感覚障害の予防方法に関する。
また本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分として含有する、感覚障害の治療剤を提供する。あるいは本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、感覚障害の治療方法に関する。
本発明において、治療は予防を含む。糖尿病のような慢性疾患の患者においては、病態が継続している。したがって、治療目的として投与された薬剤の効果は、投与前から継続している病態に対しては治療効果を与える。同時に、投与の後に生じる病態に対しては予防的に作用する。すなわち本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分として含有する、感覚障害の予防および治療剤を提供する。あるいは本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、感覚障害の予防および治療方法に関する。
あるいは本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害を治療するための医薬組成物の製造における使用に関する。さらに本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害の治療における使用に関する。
また本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害を予防するための医薬組成物の製造における使用に関する。さらに本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害の予防における使用に関する。あるいは本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害を予防および治療するための医薬組成物の製造における使用に関する。さらに本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物の、感覚障害の予防および治療における使用に関する。
本発明によって、予防、並びに治療することができる感覚障害には、感覚の異常な亢進と抑制が含まれる。予防とは、感覚障害が起きる前に、あるいは感覚障害が憎悪する前に、予め患者に式(1)の化合物を投与することによって、その後に発症した感覚障害が抑制されることを言う。感覚障害の抑制とは、感覚障害の予防に加え、その程度を小さくすることも含まれる。一方、治療とは、感覚障害を有する患者に前記式(1)の化合物を投与することによって、当該感覚障害の程度が緩和されることを言う。
感覚の異常な亢進によって感覚過敏となる。感覚過敏を有する患者は、痛みを強く感じる。一方、感覚の異常な抑制は、麻痺(paralysis)や鈍麻(torpor)をもたらす。麻痺とは、知覚を喪失した状態を言う。知覚には、視覚、温度覚、皮膚接触感覚、聴覚、臭覚、味覚、および痛覚などが含まれる。麻痺が知覚の完全な抑制を指すのに対して、鈍麻は抑制の程度が不完全な場合を含む。鈍麻においては、あるていどの知覚が残っている場合も含まれる。鈍麻における感覚抑制の程度が大きい状態が麻痺である。すなわち、鈍麻は麻痺を含む。つまり本発明は、感覚の異常な亢進の、予防、および治療のいずれか、または両方のための医薬組成物、あるいは方法を提供する。また本発明は、感覚の異常な抑制の、予防、および治療のいずれか、または両方のための医薬組成物、あるいは方法を提供する。
本発明における異常な感覚障害には、原因が明らかでない感覚障害、並びに病的な原因による感覚障害が含まれる。一般に、疼痛は、体性痛、内臓痛、神経痛の3種類に分類される。体性痛と内臓痛は、感覚神経終末の受容体刺激に対し生体の疼痛メカニズムが機能して生じる「生理的な」侵害性疼痛である。これに対して神経痛は、神経障害が基盤となって生じる「異常な痛み」である。したがって神経痛は、本発明における異常な感覚障害に含まれる。
本発明において予防並びに治療の対象となる感覚障害は、種々の原因によって引き起こされる感覚障害を含む。更に本発明は、原因を特定できない感覚障害の、予防並びに治療を可能とする。たとえば本発明における感覚障害には、疼痛(ache)が含まれる。疼痛は、一般に、痛みの程度が激痛ほど強くなく、痛みの場所が明確でない場合が多い。すなわち、痛む患部を明確に特定できず、痛みの程度が弱い痛覚の緩和に本発明は有用である。具体的には、慢性難治性疼痛、神経因性疼痛、あるいは神経損傷による疼痛閾値低下の予防あるいは治療に本発明を利用することができる。
「慢性難治性疼痛」とは、痛みが原因を特定できないまま持続している状態を言う。また「神経因性疼痛」とは、神経組織の損傷、刺激、あるいは圧迫などで発症する疼痛を言う。たとえば血管の拡張や、関節と神経組織の接触(ヘルニア)によって、神経組織が刺激や圧迫を受け痛みの原因となる。「神経因性疼痛」は、しばしば知覚神経終末の感覚受容器を介した侵害受容性疼痛によって引き起こされる。こうして痛みを生じる疾患には、「神経因性疼痛」と「侵害受容性疼痛」の特徴を併せ持つ疾患が多い。
「侵害受容性疼痛」とは、組織の傷害に伴って発生する痛みをいう。外的侵害刺激や病変に起因する急性のものは、生体防御機構として重要であるが、慢性のものは病的であり、治療が必要である。具体的には、三叉神経痛や、坐骨神経痛は、「神経因性疼痛」と「侵害受容性疼痛」の混合型の疾患である。したがって、三叉神経痛や、坐骨神経痛も、本発明における予防並びに治療の対象として好ましい。また、「神経損傷による疼痛閾値低下」とは、神経損傷によって機械的刺激、熱刺激に対する閾値が低下し、知覚・痛覚が過敏になった状態をいう(井村裕夫、尾形悦郎、高久史麿、垂井清一郎 偏、「最新内科学大全(Integrated Handook of Internal Medicine)−第70巻 末梢・自律神経疾患」、中山書店、pp.211-215(1996))。本発明において、「痛閾値低下」(reduction of pain threshold)は、「疼痛許容レベル(pain tolerance level)の低下」を含む。
あるいは本発明によって、感覚が抑制された状態の、予防あるいは治療を可能とする。感覚の抑制は、知覚の鈍麻あるいは麻痺を含む。知覚の鈍麻とは、知覚が抑制された状態を言う。代表的な知覚の鈍麻の原因は神経の障害である。神経組織の破壊によって、鈍麻が引き起こされる。神経組織は、切断などの物理的な作用、虚血、あるいは高血糖などのさまざまな要因によって障害されることが知られている。これらの神経障害に起因する鈍麻は、本発明における予防、あるいは治療の対象として好ましい。
具体的には、神経損傷あるいは、多発神経障害による知覚鈍麻あるいは知覚過敏を、本発明における予防並びに治療の対象として挙げることができる。前記一般式(1)を有する化合物が、糖尿病の合併症として進行する神経障害の治療効果を有することが明らかにされている(特開2002-241270)。本発明においては、糖尿病の合併症に限らず、種々の要因によってもたらされる感覚障害の治療あるいは予防を可能とする点において新規である。すなわち本発明は、糖尿病に合併する神経障害に起因する感覚障害を除く、多発性神経障害による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏の治療および予防の、いずれか、または両方のための方法、並びに医薬組成物を提供する。あるいは本発明は、慢性難治性疼痛、神経因性疼痛、神経損傷による疼痛閾値低下、神経損傷による知覚鈍麻、および単神経障害からなる群から選択されるいずれかの感覚障害の治療および予防の、いずれか、または両方のための方法、並びに医薬組成物を提供する。
「多発神経障害」とは全身の多くの末梢神経に同時に発生する機能不全をいう。感覚が侵され、刺痛、しびれ、焼けつくような痛み、振動感覚の消失、手脚などの位置感覚消失(歩行困難、姿勢維持の困難を含む)など症状を起こす。また、自律神経系の障害により、便秘、腸や膀胱のコントロール喪失(尿や便の失禁を含む)、性的機能不全、血圧の異常な変動、起立性低血圧などの症状がみられる。
たとえば次のような原因によって、急性の「多発神経障害」がもたらされることが知られている。
内毒素あるいは外毒素を産生する細菌等による感染症(ジフテリア等);
自己免疫反応(ギラン‐バレー症候群など);
有毒物質(重金属など);
一酸化炭素;
フェニトイン;
抗生物質(クロラムフェニコール、ニトロフラントイン、スルホンアミドなど);
化学療法薬(ビンブラスチンやビンクリスチンなど);
鎮静薬(バルビタールやヘキソバルビタールなど);
癌(多発性骨髄腫など)など
あるいは慢性の多発神経障害の原因として次のような要因が挙げられる。しかし慢性の多発性神経障害は、原因不明の場合も多い。
糖尿病;
アルコールの過剰摂取;
栄養素の欠乏(ビタミンB等の欠乏);
悪性貧血(ビタミンB12の欠乏による);
甲状腺機能低下;
肝不全;
腎不全;
癌;
ビタミンB6(ピリドキシン)の過剰摂取
特に、糖尿病性の多発神経障害においては遠位性多発神経障害が現れる。痛みは機械的刺激や温度変化によって増悪する。また、温度感覚と痛覚が失われるため、外的刺激に鈍感となり、火傷、皮膚の圧迫や外傷による潰瘍、シャルコー関節などを引き起こす。また、多発神経障害には遺伝性のものもある(福島雅典 総監修、メルクマニュアル医学情報 家庭版、日本BP社、pp.343-345(1999))。
その他にも、外傷や手術の後遺症、各種癌疾患、糖尿病性神経障害、脳梗塞の後遺症、帯状疱疹の後遺症、幻肢痛、脊髄損傷、単発神経炎、単神経障害、多発性神経障害、あるいはハンセン病においてさまざまな神経障害が見られることが知られている。多発性神経障害とは、遺伝性神経炎、急性多発性神経炎、Landry麻痺、Guillain-Barry症候群、ジフテリア性神経炎、中毒性ニューロパチー、栄養障害性ニューロパチー、膠原病,HIV感染などによってもたられる神経症が含まれる。これらの種々の原因によってもたらされる神経障害に対して、本発明を適用することができる。
たとえば、本発明によって、前記式(1)の化合物を有効成分として含有する、栄養障害性ニューロパチー、癌性ニューロパチー、中毒性ニューロパチー、感染性・傍感染性ニューロパチー、遺伝性ニューロパチー、物理学的ニューロパチーからなる群から選択されるいずれかの多発性神経障害の治療および/または予防剤が提供される。あるいは本発明は、前記式(1)の化合物を投与する工程を含む、これら多発性神経障害の治療および/または予防方法を提供する。更に本発明は、前記式(1)の化合物の、これら多発性神経障害の治療および/または予防剤の製造における使用に関する。
また本発明は、単神経障害の治療あるいは予防をも実現する。すなわち本発明は、前記式の化合物を有効成分として含有する、単神経障害の治療および/または予防剤を提供する。単神経障害とは、上記多発性神経障害が全身症状であるのに対し、特定部位の神経の障害を言う。主に、外傷性、あるいは組織傷害性の神経障害によってもたらされるのが一般的である。単神経障害には、たとえば圧迫性神経障害が含まれる。より具体的には、圧迫性ニューロパチーは代表的な単神経障害である。後に述べるBennettモデルは、圧迫性ニューロパチーの良いモデルである。
本発明者らは、以下の実験によって前記式(1)を有する化合物が、各種の神経障害の予防効果、並びに治療効果を有することを確認した。
実施例1:神経損傷モデルにおける鎮痛作用
実施例2:神経損傷モデルにおける損傷予防作用
実施例3:神経鈍麻モデルにおける改善作用
これらの事実は、前記式(1)を有する化合物が、幅広い神経障害に対して、予防、あるいは治療効果を有することを裏付けている。
たとえばBennettモデル(坐骨神経絞扼モデル; sciatic nerve injury model)は温熱性痛覚過過敏と機械刺激性アロディニア(異痛現象)、特に温熱性痛覚過敏が強く発症する。実施例1ではBennettモデルを作製して、疼痛過敏を確認後、化合物24の投与を開始し、圧刺激に対する疼痛閾値を指標に評価を行っている。このことは、機械刺激性アロディニア(異痛現象)に対する治療効果を裏付けている(Bennett GJ et al、Pain、33(1)、pp.87-107(1988))。
また実施例2では、Bennettモデルを作製して疼痛過敏を発症する前に低用量の化合物24の投与を開始し、圧刺激に対する疼痛閾値を指標に評価を行っている。したがって、機械刺激性アロディニア(異痛現象)に対する予防効果を裏付けている。
更に実施例3では、糖尿病発症モデル作成と共に化合物24の投与を開始し、一定の化学的刺激に起因する痛みを評価している。この結果は、多発神経障害に対する予防効果を裏付けている。
本化合物は神経突起を伸展させるあるいは神経幹細胞を神経細胞へと分化誘導する作用が見出されているため、直接神経に作用して感覚障害を根治させる事が期待できる。
本発明において、これらの神経障害の予防や治療を目的として利用するとき、化合物(1)は、任意の方法によって投与することができる。具体的には、経口投与、あるいは非経口投与を利用して、化合物(1)を投与することができる。非経口投与には、筋肉内、皮下、静脈内、あるいは坐薬などの投与形態が含まれる。
経口用製剤を調製する場合、賦形剤、さらに必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性又は水性の懸濁液剤などとする。賦形剤としては、例えば、乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロースなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストラン、ペクチンなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油などが挙げられる。着色剤としては、医薬品に添加することが許可されているものが使用できる。矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、竜脳、桂皮末、メントール、ペパーミント油、カンフルなどが使用できる。これらの錠剤や、顆粒剤には、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングしてもよい。
注射剤を調製する場合、必要により、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤などを添加し、常法により、皮下、筋肉内、静脈内注射剤とする。注射剤は、溶液を容器に収納後、凍結乾燥などによって、固形製剤として、用事調製の製剤としてもよい。また、一投与量を容器に収納してもよく、また、多投与量を同一の容器に収納してもよい。
本発明の化合物の医薬としての投与量は、ヒトの場合、成人1日当たり通常0.01〜1000mg、好ましくは、0.1〜500mgの範囲で、1日量を1日1回、あるいは2〜4回に分けて投与する。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1:
(1)ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム10.25gをシクロヘキセノン5ml と水30ml の溶液に加えた。この溶液に1N塩酸60ml を滴下した。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄した。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オンを5.74g(融点83〜85℃)を得た。(収率97%)
(2)3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン5.3gをベンゼン60ml に溶解した液に1,2−エタンジオール0.3ml と無水パラトルエンスルホン酸0.2gを加えた。反応液を4時間加熱還流させた。反応後、2M炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、エーテルで再結晶し、白色結晶の1,1−(エチレンジオキシ)−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン6.1g(融点93〜95℃)を得た。(収率97%)
(3)1,1−(エチレンジオキシ)−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン565mgとトリフェニルメタン4mg の5ml THF (tetrahydro furan)溶液にアルゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウム2ml の溶液を滴下した。10分撹拌後、室温で1時間反応させた。HMPT(hexamethyl phosphoric triamide)1ml を加え、再び−78℃に冷却し、10−ブロモ−1−デカノール159mg の2ml THF溶液を滴下した。−20℃で2時間反応後、飽和の塩化アンモニウム液に反応液を注いだ。エーテルで溶液を抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン−酢酸エチル(AcOEt)でのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン265mg を得た。(収率:90%)
(4)1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン193mg のクロロホルム3ml及びアセトン0.6ml の溶液にパラトルエンスルホン酸20mg を加えた。混合液を24時間50℃で反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水10ml を加え、ジクロルメタンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン- 酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン)86mg を得た。(収率:77%)
製造例1と同様にして次の化合物を得た。
製造例2:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点34〜35℃)。
製造例3:3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点35〜36℃)。
製造例4:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点42〜43℃)。
製造例5:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点44〜45℃)。
製造例6:
(1)N,N−ジイソプロピルアミン7ml の20mlTHF溶液に−78℃にて、1.4Mのn−ブチルリチウム液35.4ml を滴下した。溶液を0℃で30分撹拌した。4−メチルシクロヘキサン−1−オン4ml の10mlTHF液に−78℃にて、先のLDA(lithium diisopropylamide)溶液を滴下した。−78℃で1時間撹拌後、トリメチルシリルクロライド6.5ml を滴下した。室温で1時間撹拌後、溶液を炭酸水素ナトリウム水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、減圧蒸留によって精製し、4−メチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−1−シクロヘキセン(薄層クロマトグラフィー/TLC:(ヘキサン-AcOEt:8-2)Rf=0.8 )を5.83gを得た。(収率:96%)
(2)4−メチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−1−シクロヘキセン3.53gの70ml DMSO(dimethylsulfoxide)溶液に酢酸パラジウムを触媒量加え、6時間酸素を導入し撹拌した。0℃で水を加え、セライトろ過後、エーテルで抽出した。有機相について溶媒を減圧留去し、残渣をヘキサン- 水に溶解しヘキサンで抽出した。ヘキサン相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去し、4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:8-2)Rf=0.35 )のオイルを得た。(収率72%)
(3)ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム3.0gを4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン1.52gと水9ml の溶液に加えた。この溶液に1N塩酸18ml を滴下した。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄した。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン(融点71〜74℃)を得た。(収率72%)
(4)4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン2.45gをベンゼン40ml に溶解した液に1,2−エタンジオール0.7ml と無水パラトルエンスルホン酸0.2gを加えた。反応液を4時間加熱還流させた。反応後、2M炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、エーテルで再結晶し、白色結晶の1,1−(エチレンジオキシ)−4−メチル−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン(融点105〜106℃)を得た。(収率97%)
(5)1,1−(エチレンジオキシ)−4−メチル−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン560mg とトリフェニルメタン4mg の5ml THF溶液にアルゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウム1.8ml の溶液を滴下した。10分撹拌後、室温で1時間反応させた。HMPT1ml を加え、再び−78℃に冷却し、10−ブロモ−1−デカノール166mg の2mlTHF溶液を滴下した。−20℃で2時間反応後、飽和の塩化アンモニウム液に反応液を注いだ。エーテルで溶液を抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン- 酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.14 )を得た。(収率:97%)
(6)1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン235mg のクロロホルム20ml 及びアセトン4ml の溶液にパラトルエンスルホン酸20mg を加えた。混合液を24時間50℃で反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水10ml を加え、ジクロルメタンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン−酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.2 )を得た。(収率:75%)
製造例6と同様にして次の化合物を得た。
製造例7:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.21)。
製造例8:3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.22)。
製造例9:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25)。
製造例10:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
製造例11:
(1) ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム5.98gを4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン3ml と水30ml の溶液に加えた。この溶液に1N塩酸40ml を滴下した。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄した。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の4,4−ジメチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン(融点84〜86℃)を得た。(収率89%)
(2)4,4−ジメチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン4.4gをベンゼン45ml に溶解した液に1,2−エタンジオール1.1ml と無水パラトルエンスルホン酸0.3gを加えた。反応液を4時間加熱還流させた。反応後、2M炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで3回抽出する。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、エーテルで再結晶し、白色結晶の4,4−ジメチル−1,1−(エチレンジオキシ)−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン(融点113〜115℃)を得た。(収率84%)
(3)4,4−ジメチル−1,1−(エチレンジオキシ)−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン930mg とトリフェニルメタン4mg の5mlTHF溶液にアルゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウム2.93ml の溶液を滴下した。10分撹拌後、室温で1時間反応する。HMPT1ml を加え、再び−78℃に冷却し、10−ブロモ−1−デカノール236mg の2ml THF溶液を滴下した。−20℃で2時間反応後、飽和の塩化アンモニウム液に反応液を注ぐ。エーテルで溶液を抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン−酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの4,4−ジメチル−1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.15 )を得た。(収率:94%)
(4)4,4−ジメチル−1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン400mgのクロロホルム30ml 及びアセトン6ml の溶液にパラトルエンスルホン酸20mg を加えた。混合液を24時間50℃で反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水10ml を加え、ジクロルメタンで抽出する。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン−酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25 )を得た。(収率:78%)
製造例11と同様にして次の化合物を得た。
製造例12:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25)。
製造例13:3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.27)。
製造例14:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
製造例15:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
製造例16:
(1)ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム2.9gを2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン1.5gと水8ml の溶液に加える。この溶液に1N塩酸16ml を滴下する。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄する。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の2−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25 )を得る。(収率93%)
(2)2−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン1.4gをベンゼン20ml に溶解した液に1,2−エタンジオール0.41ml と無水パラトルエンスルホン酸0.1gを加えた。反応液を4時間加熱還流させた。反応後、2M炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、エーテルで再結晶し、白色結晶の1,1−(エチレンジオキシ)−2−メチル−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン(融点76〜77℃)を得た。(収率95%)
(3)1,1−(エチレンジオキシ)−2−メチル−3−(フェニルスルフォニル)−シクロヘキサン304mg とトリフェニルメタン4mg の5ml THF溶液にアルゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウム1.02ml の溶液を滴下した。10分撹拌後、室温で1時間反応させた。HMPT1ml を加え、再び−78℃に冷却し、10−ブロモ−1−デカノール90mg の2mlTHF溶液を滴下した。−20℃で2時間反応後、飽和の塩化アンモニウム液に反応液を注いだ。エーテルで溶液を抽出し、有機相を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン−酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.2 )を得た。(収率:92%)
(4)1,1−(エチレンジオキシ)−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン388mg のクロロホルム30ml 及びアセトン6ml の溶液にパラトルエンスルホン酸20mg を加えた。混合液を24時間50℃で反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水10ml を加え、ジクロルメタンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、ヘキサン−酢酸エチルでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルの3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.2 )を得た。(収率:45%)
製造例16と同様にして次の化合物を得た。
製造例17:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.24)。
製造例18:3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.26)。
製造例19:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.28)。
製造例20:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
製造例21:
(1)1−フェニルスルホニルメチル−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン1g及びトリフェニルメタン4mg を含む乾燥THF(8ml )の溶液にアルゴンガス雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.4M)4ml を加えた。10分間攪拌後、室温で攪拌しヘキサメチルリン酸トリアミド1.5mlを加えた。この温度で1時間30分後混合物を−78℃に冷却し、11−ブロモウンデカノール439mgをゆっくり加えた。混合物を−20℃で3時間攪拌し、飽和アンモニウムクロリド溶液40ml に加えた。得られた溶液をエーテルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体として1−(12−ヒドロキシドデシル−1−フェニルスルホニル)−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.43 )を622mg得た。
(2)1−(12−ヒドロキシドデシル−1−フェニルスルホニル)−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン579mg を含む乾燥エタノール溶液25ml に、アルゴンガス雰囲気下0℃でNa2HPO4 366mg 及び水銀ナトリウムアマルガム4gを加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後5%HCl で冷却し、エーテルで抽出し、水で洗浄した。次に硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し、残渣について常法に従い水酸基をアセチル化することにより、無色オイルとして1−(12−アセトキシドデシル)−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン353mg(TLC:(ヘキサン-AcOEt:5-5)Rf=0.75 )を得た。
(3)1−(12−アセトキシドデシル)−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン321mg を含むシクロヘキサン溶液6ml に、水0.8ml 、ルテニウムトリクロリドヒドラート1.3mg 及び70%tBuOOH 1.26ml を加えた。溶液を室温で6時間攪拌し、セライトで濾過し、濾液を10% Na2SO3 溶液に加えた。溶液をエーテル抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルとして3−(12−アセトキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン227mg(TLC:(ヘキサン-AcOEt:3-7)Rf=0.68 )を得た。
(4)3−(12−アセトキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン132mg を含む乾燥メタノール溶液(8ml )に水3滴及びK2CO3 74mg を加えた。室温で2時間30分攪拌した後、5%HCl でpH を7に調整し、エーテル抽出し硫酸マグネシウムで乾燥して減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色オイルとして3−(12−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3-(12-ヒドロキシドデシル)-2,4,4,-トリメチル-2-シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.2)94mgを得た。
製造例21と同様にして次の化合物を得た。
製造例22:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.2)。
製造例23:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.25)。
製造例24:3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.29)。
製造例25:3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.26)。
[実施例1] (部分的神経損傷モデルにおける鎮痛作用)
[試験方法]
痛覚過敏モデル動物には、部分的神経損傷モデルである坐骨神経絞扼モデルラット(Bennettモデルラット)を用いた。すなわち、4週齢のSpraugue-Dawley系雄性ラット(日本SLC)を1週間恒温恒湿下で飼育した後、ペントバルビタール (50mg/kg) 麻酔下に左後肢の坐骨神経を組織から剥離し、ピンセットで持ち上げることにより軸索部分を軽く引き延ばした。次に図1に示すように、剥離した坐骨神経軸索の約1cmの長さを等間隔に4ヶ所、吸収性合成縫合糸を用いて緩く結紮して神経損傷足を作製した。なお、右の後肢は無処置で放置し正常足として扱った。術後1週間は毎日手術部をイソジン消毒し感染防止した。
被検物質としては、製造例24にて合成した3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(以降、化合物24ともいう)を用いた。
実験には神経損傷足の疼痛閾値が術前に比較して30%以上低下しており、かつ、正常足の疼痛閾値の変動が術前の5%以内である個体を使用した。被検物質投与開始前に各個体の神経損傷足(手術側)および正常足(無処置側)について鎮痛検定を行った。さらに、被検物質投与群に、被検物質を1日一回8mg/kg、24mg/kgおよび40mg/kgを1週間連続で腹腔内投与した。対照群には被検物質の溶媒(Vehicle)を同期間投与した。投与開始1週間後にも各個体の神経損傷足(手術側)および正常足(無処置側)について鎮痛検定を行った。
鎮痛検定には、圧刺激を用いるpaw pressure (Randall-Selitto)法を採用した。ラット後肢足甲部をアナルゲジメーターで機械的圧刺激を加えvocalization(啼声)またはwithdrawal(逃避)の発現する最小の圧刺激値を疼痛閾値とした。Paw pressure法による疼痛閾値の測定はラットを掴み、拘束して行う必要がある。そこで、ラットが拘束に馴れるよう、検定1週間前からラットのハンドリングを行うとともに、測定中も、自然な姿勢を保つよう心がけた。
[結果および考察]
被検物質を24mg/kgおよび40mg/kgを1日一回1週間連続投与した群では、神経損傷足の疼痛閾値は有意に上昇した。対照群においては疼痛閾値に有意な変化は認められなかった。(図2)。また,正常足では,神経損傷足の坐骨神経結紮手術による疼痛閾値の低下は認められなかった。さらに投与期間を経過しても、被検物質投与群・対照群共に疼痛閾値に有意な変化はみられなかった。
Bennettモデルにける痛覚過敏はミエリンの脱落が原因となっているため,被検物質はミエリンの脱落の修復促進作用を有すると考えられる。また,被検物質は正常後肢の疼痛閾値に影響しなかったことから、損傷を受けた知覚神経にのみ作用し正常な神経には影響しないことが判明した。
[実施例2] (部分的神経損傷モデルにおける損傷予防作用)
[試験方法]
痛覚過敏モデル動物には、部分的神経損傷モデルである坐骨神経絞扼モデルラット(Bennettモデルラット)を用いた。すなわち4週齢のSpraugue-Dawley系雄性ラット(日本SLC)を1週間恒温恒湿下で飼育した後、ペントバルビタール (50mg/kg) 麻酔下に左後肢の坐骨神経を組織から剥離し、ピンセットで持ち上げることにより軸索部分を軽く引き延ばした。次に図1に示すように、剥離した坐骨神経軸索の約1cmの長さを等間隔に4ヶ所、吸収性合成縫合糸を用いて緩く結紮して神経損傷足を作製した。なお、右の後肢は無処置で放置し正常足として扱った。術後1週間は毎日手術部をイソジン消毒し感染防止した。
被検物質としては、製造例24にて合成した化合物24を用いた。
あらかじめ、各個体の神経損傷足(手術側)および正常足(無処置側)について鎮痛検定を行った後にBennettの手術を行った。さらに手術当日より,被検物質を1日一回8mg/kgを1週間連続で腹腔内投与した。対照群には被検物質の溶媒(Vehicle)を同期間投与した。投与開始1週間後にも、各個体の神経損傷足(手術側)および正常足(無処置側)について鎮痛検定を行った。
鎮痛検定には、圧刺激を用いるpaw pressure (Randall-Selitto)法を採用した。ラット後肢足甲部をアナルゲジメーターで機械的圧刺激を加えvocalization(啼声)またはwithdrawal(逃避)の発現する最小の圧刺激を疼痛閾値とした。Paw pressure法による疼痛閾値の測定はラットを掴み、拘束して行う必要がある。そこで、ラットが拘束に馴れるよう、検定1週間前からラットのハンドリングを行うとともに、測定中も、自然な姿勢を保つよう心がけた。
[結果および考察]
対照群では、Bennettの手術により疼痛閾値が有意に低下した。被検物質8mg/kgを投与した群においてはBennettの手術後も疼痛閾値に有意な変化を認めなかった(図3)。また,正常足では,神経損傷足の坐骨神経結紮手術による疼痛閾値の低下は認められなかった。さらに投与期間を経過しても、被検物質投与群・対照群共に疼痛閾値に有意な変化はみられなかった。
Bennettモデルにける痛覚過敏はミエリンの脱落が原因となっているため,被検物質はミエリンの脱落の抑制作用を有すると考えられる。また,被検物質は正常後肢の疼痛閾値に影響しなかったことから、損傷を受けた知覚神経にのみ作用し正常な神経には影響しないことが判明した。
[実施例3] (神経鈍麻モデルにおける改善作用)
[試験方法]
4週齢のddY系雄性マウスにストレプトゾトシン(以降、STZともいう)を1日一回200mg/kgを1週間連続で尾静注した。STZ投与より24時間は飲用水の代わりに10%ブドウ糖溶液を自由摂取させ、以降は蒸留水を自由摂取させた。 被検物質としては、製造例24にて合成した化合物24を用いた。STZ投与開始と共に、被検物質投与群には被検物質を1日一回8mg/kg、24mg/kgおよび40mg/kgを1週間連続で腹腔内投与した。対照群には被検物質の溶媒(Vehicle)を同期間投与した。血糖値は、尾静脈血を血糖値測定器(デキスターZII:バイエル メディカル株式会社)にて測定した。実験には血糖値が400mg/dL以上になった個体を用いた。STZ投与一週間後、1%ホルムアルデヒド溶液20μLをマウスの左後肢の足蹠に皮下注射した。投与後5分間ごとのlicking(左後肢の足蹠をなめる)およびbiting(左後肢の足蹠を噛む)行動の合計時間を60分まで計測した。
[結果および考察]
1%ホルムアルデヒド溶液をマウスの足蹠に皮下注射を行なうと,投与後0-5分および15-25分をピークとする二相性の疼痛反応が認められた。STZ投与後1週間では第2相の疼痛反応が抑制され感覚鈍麻を呈した。被検物質をSTZ投与から一週間腹腔内投与したところ,その第2相の鈍麻は改善された(図4)。被検物質は神経突起伸展作用を有していることから神経線維の修復により感覚鈍麻を改善した可能性が考えられる。
本発明によって、シクロヘキセノン長鎖アルコールを有効成分として含有する感覚障害の予防剤、および治療剤の、いずれか、または両方が提供された。あるいは本発明によって、シクロヘキセノン長鎖アルコールを投与する工程を含む、感覚障害の予防、および治療の、いずれか、または両方のための方法が提供された。本発明に基づく、感覚障害の予防、並びに治療は、神経損傷による疼痛や、糖尿病性痛覚鈍麻等の予防及び/又は改善作用を有する。したがって、本発明は、感覚障害の予防あるいは治療を目的として、医薬品又は食品に用いることができる。

Claims (16)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 2006077853
    〔式中、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、Xは炭素数10〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン又はアルケニレン基を示す〕
    で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分とする感覚障害の治療及び/又は予防剤。
  2. 1がメチル基であり、Xが炭素数10〜28の直鎖状のアルキレン基である、請求項1に記載の治療及び/又は予防剤。
  3. 2がメチル基である、請求項2に記載の治療及び/又は予防剤。
  4. 3がメチル基である、請求項2または3に記載の治療及び/又は予防剤。
  5. 1およびR2が水素原子である、請求項1に記載の治療及び/又は予防剤。
  6. シクロヘキセノン長鎖アルコール化合物が、下記の化合物からなる群から選択されたいずれかの化合物である、請求項1に記載の治療及び/又は予防剤;
    3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
    3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセノン);
    3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセノン);
    3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセノン);
    3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセノン);
    3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
    4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
    3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(12−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3-(12-ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル-2-シクロヘキセノン)
    3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
    3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)、および
    3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)。
  7. 感覚障害が慢性難治性疼痛である請求項1記載の治療及び/又は予防剤。
  8. 感覚障害が神経因性疼痛である請求項1記載の治療及び/又は予防剤。
  9. 感覚障害が神経損傷による疼痛閾値低下である請求項1記載の治療及び/又は予防剤。
  10. 感覚障害が神経損傷による知覚鈍麻である請求項1記載の治療及び/又は予防剤。
  11. 感覚障害が多発性神経障害による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏である請求項1記載の治療及び/又は予防剤。
  12. 多発性神経障害が慢性の多発性神経障害による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏である請求項11記載の治療及び/又は予防剤。
  13. 感覚障害が糖尿病による知覚鈍麻、若しくは知覚過敏である請求項1記載の治療及び/又は予防剤。
  14. 感覚障害が単神経障害である請求項1に記載の治療及び/又は予防剤。
  15. 単神経障害が圧迫性ニューロパチーである請求項14に記載の治療及び/又は予防剤。
  16. 次の一般式(1)
    Figure 2006077853
    〔式中、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はメチル基を示し、Xは炭素数10〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン又はアルケニレン基を示す〕
    で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、感覚障害を治療および予防のいずれか、または両方のための方法。
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