JPWO2007055261A1 - Ugt1a1遺伝子多型の検査法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する。同様の方法で、UGT1A1遺伝子以外の遺伝子多型も簡易迅速かつ精度良く検査することができる。
Description
本発明は、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法に関し、より詳細には、臨床的に重要なUGT1A1*28に関する多型と一緒に、他の重要な多型である一塩基多型(SNP)を簡易迅速かつ精度良く検査する方法に関する。本発明は、例えば、UGT1A1で代謝される薬剤の薬効あるいは副作用を調べる検査などに有用な技術を提供するものである。
生体内抱合酵素であるUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(以下、「UGT1A1」という。)は、ビリルビンおよび外来薬物の代謝に関与する酵素である。この酵素には、その発現量や酵素活性に影響を及ぼす遺伝子多型の存在が幾つか報告されている(下記非特許文献1〜4)。さらに、幾つかのUGT1A1遺伝子多型は、抗がん剤であるイリノテカンの副作用に関係し、あるいは日本人に比較的多い新生児黄疸に関係することが報告されている(下記非特許文献5〜7)。
これまでUGT1A1遺伝子には30種類以上の遺伝子多型が報告されているが、ここでは臨床的に重要と考えられている6つの遺伝子多型について説明する。1つは、UGT1A1遺伝子の上流、プロモーター領域に存在するUGT1A1*28に関する多型である。UGT1A1*28アレルは、プロモーター領域TATAボックスにおけるTA配列の繰り返しが、多数を占める野生型アレル(UGT1A1*1アレル)では6回であるのに対し、7回の繰り返し配列になっている。ゲノム上、−40〜―39番目にTA配列が挿入されたアレルであるので、「-40_-39insTA」とも表記される。(UGT1A1遺伝子の翻訳開始点を「+1」とする。)
他の5つの遺伝子多型は、UGT1A1*6、UGT1A1*27、UGT1A1*29、UGT1A1*7、及びUGT1A1*60に関する多型である。これら5つの遺伝子多型はすべて一塩基多型(SNP)であり、UGT1A1*60に関する多型を除いてエキソンに存在し、翻訳産物にアミノ酸置換を生じさせる。UGT1A1*6アレルは、野生型ではグアニン(G)であるエキソン1上の211番目の塩基がアデニン(A)になっており、その多型部位は「G211A」と表記される。UGT1A1*27アレルは、野生型ではシトシン(C)であるエキソン1上の686番目の塩基がアデニン(A)になっており、その多型部位は「C686A」と表記される。UGT1A1*29アレルは、野生型ではシトシン(C)であるエキソン4上の1099番目の塩基がグアニン(G)になっており、その多型部位は「C1099G」と表記される。UGT1A1*7アレルは、野生型ではチミン(T)であるエキソン5上の1456番目の塩基がグアニン(G)になっており、その多型部位は「T1456G」と表記される。
UGT1A1*60アレルは、野生型ではチミン(T)であるー3279番目の塩基がグアニン(G)になっており、その多型部位は「T-3279G」と表記される。(「T-3263G」と表記されることもある。)このように、UGT1A1*60アレルの多型部位は、プロモーター領域に存在するUGT1A1*28の多型部位よりも更に上流に位置するものとなっている。
上記6種の遺伝子多型はいずれも臨床的に重要と考えられているが、日本人に存在が確認され、臨床的に特に重要なものして、UGT1A1*28、UGT1A1*6、及びUGT1A1*60の3種の多型を挙げることができる。なかでも、UGT1A1*28をもつ患者がイリノテカンの投与を受けた場合、副作用の危険性が高くなるといわれているが、上記のように、UGT1A1*28はTATAボックスにおいてTA配列の繰り返しが1回多い多型であり、野生型との長さの差異がわずか2塩基であるため、通常のPCR-RFLP法などでは多型の検出が困難であった。
UGT1A1*28の多型を検出する方法として、これまでにメルティングカーブ法、ダイレクトシークエンス法、パイロシークエンス法による検出例が報告されている。メルティングカーブ法は、DNA分子の融解温度がその核酸組成に依存することを利用し、メルティングカーブ分析によってPCR産物の融解温度(Tm値)を解析することで、多型を検出する方法である。同方法は、ロシュ社製のライトサイクラー機器において採用されており、多型検出に要する時間は短いが、初期に設備コストがかかる。ダイレクトシークエンス法は、PCR産物をシークエンサーにより直接配列決定し、多型を検出する方法であり、判定は正確だが、コストと時間と手間がかかる。パイロシークエンス法は、化学発光を観測し、その発光から相補鎖合成を検知し、DNA分子を配列決定することで、多型を検出する方法である。同方法は、Biotage社製の機器において採用されており、所要時間は短いものの、初期に設備コストがかかる。
また、上記いずれの方法も各多型を個別に検出する方法であり、UGT1A1*28の多型と一緒に、臨床的に重要な他の一塩基多型を、低コストで簡易迅速かつ精度良く検出する方法は未だ確立されていないのが現状である。
N Engl J Med 1995;333:1171-5 Biochim Biophys Acta 1998;1406:267-73 Drug Metab Dispos 2003;31:108-13 Biochem Biophys Res Commun 2002;292:492-7 Cancer Res 2000;60:6921-6 Pharmacogenet Genomics 2005;15:35-41 Pediatrics 1999;103:1224-7
N Engl J Med 1995;333:1171-5 Biochim Biophys Acta 1998;1406:267-73 Drug Metab Dispos 2003;31:108-13 Biochem Biophys Res Commun 2002;292:492-7 Cancer Res 2000;60:6921-6 Pharmacogenet Genomics 2005;15:35-41 Pediatrics 1999;103:1224-7
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、その第1の課題は、UGT1A1遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法を提供すること、より詳細には、UGT1A1*28の多型と一緒に、臨床的に重要な他の一塩基多型を、低コストで簡易迅速かつ精度良く検査する方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、上記方法を他の遺伝子多型検査法に応用し、目的遺伝子に関連する複数の多型、即ち、ある塩基配列が挿入された挿入型とこれを欠く欠失型との間の多型と一塩基多型との組み合わせからなる複数の多型を、低コストで簡易迅速かつ精度良く検査する方法を提供することである。
上記のように、UGT1A1*28に関する多型はわずか2塩基の長さの差異であり、これを視覚的に検出する必要がある。そのため、PCR産物を100bp以下に短くし、分解能の高いキャピラリー電気泳動を用いることによって2塩基の長さの差異を検出することを試みた。さらに、同一の遺伝子増幅反応および同一の電気泳動によって、臨床的に重要な他の2箇所の一塩基多型(UGT1A1*6とUGT1A1*60の多型)を同時検査することを試みた。そのため、各一塩基多型を含む遺伝子領域の増幅に際してミスマッチプライマーを使用し、多型部位の塩基に応じて切断される制限酵素切断部位を作り出した。また、3組のプライマーによって3箇所の遺伝子領域を同時に増幅するための条件を検討した。その結果、3箇所の遺伝子領域を同一のPCR反応で増幅し、制限酵素による消化反応後、キャピラリー電気泳動することによって、簡易迅速かつ高精度に複数の多型を同時検査できること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、産業上並びに医学・医療上有用な発明として、下記A)〜K)の発明を包含するものである。
A) UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する方法。
B) 一塩基多型が存在する遺伝子領域として、UGT1A1*60及び/又はUGT1A1*6に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域を増幅する、上記A)記載の検査方法。
C) ミスマッチプライマーを使用して一塩基多型が存在する遺伝子領域を増幅する、上記B)記載の検査方法。
D) UGT1A1*60に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域について、配列番号1の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号2の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うと共に、制限酵素にHincIIを用いることを特徴とする、上記C)記載の検査方法。
E) UGT1A1*6に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域について、配列番号5の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号6の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うと共に、制限酵素にMspIを用いることを特徴とする、上記C)記載の検査方法。
F) UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域について、配列番号3の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号4の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うことを特徴とする、上記A)記載の検査方法。
G) UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6に関する3箇所の多型部位を同時に検査することを特徴とする、上記B)記載の検査方法。
H) 目的遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、挿入部分の有無による多型を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する方法。
I) 上記A)〜H)のいずれかに記載の検査方法を用いて、被検者の薬剤に対する反応性またはその副作用の程度を予測する方法。
J) 上記A)〜H)のいずれかに記載の検査方法を用いて、被検者の抗がん剤に対する反応性またはその副作用の程度を予測する方法。
K) 上記A)〜H)のいずれかに記載の検査方法を用いた、遺伝子多型検査キット。
A) UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する方法。
B) 一塩基多型が存在する遺伝子領域として、UGT1A1*60及び/又はUGT1A1*6に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域を増幅する、上記A)記載の検査方法。
C) ミスマッチプライマーを使用して一塩基多型が存在する遺伝子領域を増幅する、上記B)記載の検査方法。
D) UGT1A1*60に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域について、配列番号1の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号2の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うと共に、制限酵素にHincIIを用いることを特徴とする、上記C)記載の検査方法。
E) UGT1A1*6に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域について、配列番号5の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号6の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うと共に、制限酵素にMspIを用いることを特徴とする、上記C)記載の検査方法。
F) UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域について、配列番号3の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号4の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うことを特徴とする、上記A)記載の検査方法。
G) UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6に関する3箇所の多型部位を同時に検査することを特徴とする、上記B)記載の検査方法。
H) 目的遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、挿入部分の有無による多型を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する方法。
I) 上記A)〜H)のいずれかに記載の検査方法を用いて、被検者の薬剤に対する反応性またはその副作用の程度を予測する方法。
J) 上記A)〜H)のいずれかに記載の検査方法を用いて、被検者の抗がん剤に対する反応性またはその副作用の程度を予測する方法。
K) 上記A)〜H)のいずれかに記載の検査方法を用いた、遺伝子多型検査キット。
本発明によれば、UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域と、一塩基多型が存在する少なくとも1つの遺伝子領域とを同一の遺伝子増幅反応によって増幅後、一塩基多型における塩基の相違に応じて異なる長さのDNA断片が得られるように、制限酵素によって消化反応を行う。その後、キャピラリー電気泳動によって各試料中のDNA断片を断片長にしたがって分離・検出する。キャピラリー電気泳動は高分解能であるため、UGT1A1*28の多型における2塩基の長さの差異を検出可能であり、同時に検出された他のDNA断片の長さから一塩基多型のタイピングが可能である。このように、PCR等による増幅反応、制限酵素による消化反応、キャピラリー電気泳動という一連の簡便かつ迅速な方法によって、UGT1A1遺伝子の臨床的に重要な複数の多型を高精度に検査・判定することができる。また、キャピラリー電気泳動は大型の設備が不要であり、複数のPCR産物を同時に増幅するマルチプレックスPCRのため、本発明により低コストでの検査を実現できる。
本発明によってUGT1A1遺伝子の多型検査を行うことで、UGT1A1で代謝される薬剤の薬効または副作用の程度を予測する方法を提供することができる。例えば、抗がん剤イリノテカンの副作用とUGT1A1遺伝子多型との間に相関が認められる旨の研究結果が多数報告されており(非特許文献5、6等)、このような研究結果に基づき、本発明による検査結果からイリノテカンを投与した場合の副作用の程度を予測することができる。本発明は複数の遺伝子多型を同時に検査するものであるが、複数の遺伝子多型に基づいて薬の副作用予測、薬効予測することは好ましく、ゲノム情報に基づく個々の患者に適した適正な薬物治療の実現に資し、医療の質の向上、薬の安全性並びに治療効率の向上に寄与することができる。
UGT1A1遺伝子多型の検査によって、血清ビリルビン高値に影響する遺伝的素因を有するか否かを判断することができ、即ち、AST、ALTなどの肝機能検査値の異常を伴わない血清ビリルビン高値を科学的に説明することが可能となる。本発明の検査方法は、このような検査にも利用可能である。
さらに、本発明によれば、上記検査方法を他の遺伝子多型検査法に応用し、目的遺伝子に関連する複数の多型を、低コストで簡易迅速かつ精度良く検査する方法を提供することができる。
以下、本発明の好ましい態様について説明する。なお、本明細書および図面において、塩基・アミノ酸等を略号で表記する場合、その表記はIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、たとえばDNAの塩基の表記については以下のとおりである。
Aまたはa:アデニン、Gまたはg:グアニン、Cまたはc:シトシン、Tまたはt:チミン、Rまたはr:アデニンまたはグアニン、Mまたはm:アデニンまたはシトシン、Wまたはw:アデニンまたはチミン、Sまたはs:グアニンまたはシトシン、Kまたはk:グアニンまたはチミン、Yまたはy:シトシンまたはチミン、である。
また、遺伝子多型、遺伝子配列等に関する番号、数値その他の情報は、米国国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)のウェブページなどで利用可能な主要な遺伝子データベースにおいて使用されている番号、数値等を参酌して解釈されるものとする。
[1]UGT1A1遺伝子多型の検査法
まず、本発明者が実際に行ったUGT1A1遺伝子多型の検査法(実施例)について説明する。
[本発明のUGT1A1遺伝子多型の検査法]
日本人由来の155サンプルについて、本発明の検査法を用いてUGT1A1遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査・判定した。本実施例では、UGT1A1*60、UGT1A1*28、及びUGT1A1*6に関する3箇所の多型を検査対象とし、各多型を含む遺伝子領域の増幅にはPCR法を使用した。本検査法の特徴の1つは、3組のプライマーを使用し、同一のPCR条件による同一の遺伝子増幅反応によって、同時に3種のPCR産物を得る点である。使用した3組のプライマーの配列は下記表1に記載のとおりである。
まず、本発明者が実際に行ったUGT1A1遺伝子多型の検査法(実施例)について説明する。
[本発明のUGT1A1遺伝子多型の検査法]
日本人由来の155サンプルについて、本発明の検査法を用いてUGT1A1遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査・判定した。本実施例では、UGT1A1*60、UGT1A1*28、及びUGT1A1*6に関する3箇所の多型を検査対象とし、各多型を含む遺伝子領域の増幅にはPCR法を使用した。本検査法の特徴の1つは、3組のプライマーを使用し、同一のPCR条件による同一の遺伝子増幅反応によって、同時に3種のPCR産物を得る点である。使用した3組のプライマーの配列は下記表1に記載のとおりである。
表1の「配列」の欄において、カッコ内の数字は、同プライマー配列が記載される配列表の配列番号を示す。また、下線部の塩基は、制限酵素切断部位を創出するため、人為的に異なる塩基を挿入した箇所である。このように、UGT1A1*60用、及びUGT1A1*6用の一方のプライマーについては変異プライマー(ミスマッチプライマー)を作製し、これを使用してPCR反応を行った。
上記PCR反応は、表1に示す6本のプライマーを1つのチューブに入れて行った。反応液(20μL)は、60ngのゲノムDNA、1.0ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼ、0.25μMのUGT1A1*60用プライマー、0.2μMのUGT1A1*28用プライマー、0.075μMのUGT1A1*6用プライマー、各0.2mMのデオキシヌクレオチド三リン酸、を含む組成とした。PCR条件は、(1)94℃5分の後、(2)94℃30秒、55℃40秒、72℃40秒を1サイクル(表1参照)として、これを40サイクルに設定して反応を行った。
上記のように、2つのミスマッチプライマーを含む3組のプライマーを反応液に混合してPCRを行った後、得られたPCR産物に、Lowバッファーおよび制限酵素のHincIIとMspIを加え、37℃で1時間、消化反応を行った。なお、反応時間は30分程度でもよい。制限酵素による消化反応後、簡易型多検体用キャピラリー電気泳動装置「HDA GT-12TM(eGene社)」を用いて各反応液を電気泳動に供し、各反応液中のDNA断片をそのサイズ(断片長)にしたがって分離し検出した。
UGT1A1*6の多型部位に関し、野生型アレル「W」であるときは、多型部位は制限酵素MspIにより切断されるので、表1に示すように、断片長は203bpと32bpになる。他方、変異型アレル「M」であるときは、多型部位は制限酵素MspIにより切断されないので、断片長は235bpになる。
UGT1A1*60の多型部位に関し、野生型アレル「W」であるときは、多型部位は制限酵素HincIIにより切断されないので、表1に示すように、断片長は115bpと93bpになる(増幅断片中に制限酵素切断部位が1箇所存在するため)。他方、変異型アレル「M」であるときは、多型部位は制限酵素HincIIにより切断されるので、断片長は115bpと67bpと26bpになる。
UGT1A1*28の多型部位は、制限酵素によっては切断されず、2塩基繰り返し配列(TAリピート)が野生型アレル「W」よりも1つ多い変異型アレル「M」であるときは、表1に示すように、断片長は85bpになり、野生型アレル「W」であるときは、断片長は83bpになる。
[本発明の検査法の精度確認のための従来法による判定]
本発明の検査法の精度を確認するため、PCR-RFLP法、メルティングカーブ法、ダイレクトシークエンス法などの従来法を用いて、各多型の検査・判定をあわせて行った。検査対象は、UGT1A1*60、UGT1A1*28、及びUGT1A1*6の3多型のほかに、比較的マイナーな多型であるUGT1A1*7、UGT1A1*27、及びUGT1A1*29を加えた合計6多型である。これらの6多型について、これまでに報告されているPCR法による判定方法をアレンジして、それぞれの多型に対し個別に判定を行った。各多型の判定に使用したプライマーとPCR条件(増幅プロセスにおける1サイクルの設定)は、下記表2に記載のとおりである。
本発明の検査法の精度を確認するため、PCR-RFLP法、メルティングカーブ法、ダイレクトシークエンス法などの従来法を用いて、各多型の検査・判定をあわせて行った。検査対象は、UGT1A1*60、UGT1A1*28、及びUGT1A1*6の3多型のほかに、比較的マイナーな多型であるUGT1A1*7、UGT1A1*27、及びUGT1A1*29を加えた合計6多型である。これらの6多型について、これまでに報告されているPCR法による判定方法をアレンジして、それぞれの多型に対し個別に判定を行った。各多型の判定に使用したプライマーとPCR条件(増幅プロセスにおける1サイクルの設定)は、下記表2に記載のとおりである。
表1と同様に、「配列」の欄のカッコ内の数字は、同プライマー配列が記載される配列表の配列番号を示す。また、下線部の塩基は、制限酵素切断部位を創出するため、人為的に異なる塩基を挿入した箇所である。UGT1A1*28を除く5つの多型については、PCR-RFLP法により判定した。UGT1A1*28は、以前報告された方法(Hepatology 2000;32:792-5)に従って、ロシュ社のライトサイクラーを用いたメルティングカーブ法により判定した。また、この判定法で結果がはっきりしない場合には、ダイレクトシークエンス法を用いてUGT1A1*28の遺伝子型を決定した。
UGT1A1*6アレルについては、既に報告されている方法(Cancer Res 2000;60:6921-6)を若干改良した方法を用いて判定した。この判定においては、上記のように、野生型アレル「W」であるときのみ、MspI認識部位を持つようなミスマッチプライマーを設計した(表2参照)。UGT1A1*29アレル、及びUGT1A1*60アレルについても同様に、野生型アレル「W」であるときのみ、それぞれCfr13I、DraI認識部位を持つようなミスマッチプライマーを設計した。UGT1A1*7アレル、及びUGT1A1*27アレルについては、既に報告されている方法(Cancer Res 2000;60:6921-6)にしたがって、制限酵素BsrIを用いたPCR-RFLP法により判定した。
さらに、UGT1A1*28とUGT1A1*6の両方がヘテロの場合、あるいは、UGT1A1*28とUGT1A1*27の両方がヘテロの場合に、被検者のハプロタイプを決定するために、UGT1A1*6またはUGT1A1*27に対してアレルスペシフィックPCR法(Allele specific PCR法)を次のように行った。UGT1A1*28アレルについては、各々のPCR産物を精製し、ダイレクトシークエンスを行ってUGT1A1*28の多型を確認した。
PCRは、10mMのトリス塩酸(pH8.3)、1.5mMのMgCl2、150ngのゲノムDNA、2.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼ、各200nMプライマー、各0.2mMのデオキシヌクレオチド三リン酸を含む50μLのPCR反応液で行った。使用したプライマーとPCR条件(増幅プロセスにおける1サイクルの設定)は、下記表3に記載のとおりである。
野生型アレル検出用のリバースプライマー(W)では野生型アレルのみ増幅される一方、変異型アレル検出用のリバースプライマー(M)では変異型アレルのみ増幅される。各増幅断片におけるUGT1A1*28の判定結果とあわせてハプロタイプを判定した。
[結果]
本実施例の結果、日本人由来の155サンプルについて、本発明の検査法により複数の多型を同時に判定した結果と、従来法により個別に各多型を判定した結果とが完全に一致した。図1は、本発明の検査法によるキャピラリー電気泳動の結果の一部を示すゲルイメージであり、図2(a)〜(c)は、当該キャピラリー電気泳動の結果の一部を示すグラフである。各図において、野生型アレルは「*1」として示される。これらの図に示すように、UGT1A1*28に関する多型部位の2塩基の差異を、キャピラリー電気泳動を用いることによって増幅断片を85bpと83bpとに分け、視覚的に検出することが可能となった。同時に、UGT1A1*60及びUGT1A1*6に関する一塩基多型についても精度良く検出することができた。
本実施例の結果、日本人由来の155サンプルについて、本発明の検査法により複数の多型を同時に判定した結果と、従来法により個別に各多型を判定した結果とが完全に一致した。図1は、本発明の検査法によるキャピラリー電気泳動の結果の一部を示すゲルイメージであり、図2(a)〜(c)は、当該キャピラリー電気泳動の結果の一部を示すグラフである。各図において、野生型アレルは「*1」として示される。これらの図に示すように、UGT1A1*28に関する多型部位の2塩基の差異を、キャピラリー電気泳動を用いることによって増幅断片を85bpと83bpとに分け、視覚的に検出することが可能となった。同時に、UGT1A1*60及びUGT1A1*6に関する一塩基多型についても精度良く検出することができた。
UGT1A1*7アレルとUGT1A1*29アレルを保有する被検者は、今回調査した155サンプル中には存在しなかった。また、アレルスペシフィックPCR法による分析結果から、UGT1A1*27アレルはUGT1A1*28アレルに含まれることが確認された。
以上のように、本実施例の結果から、UGT1A1遺伝子に関連する臨床的に重要な3つの多型UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6を、本発明の検査法によって簡易迅速かつ精度良く検査・判定できることがわかった。
[2]本発明の検査法の変更態様
勿論、本発明の検査法は、上記方法に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記方法は、UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6の3箇所の多型を同時に検査するものであったが、本発明はこれら3箇所の多型の検査に制限されるものではない。これら3箇所の多型は、日本人に観察される臨床的に重要な多型であるので、これら多型の検査に本発明の検査法を適用することは好ましいが、臨床的に重要なUGT1A1遺伝子多型として、他にもUGT1A1*27、UGT1A1*29、UGT1A1*7などが知られており、本発明において、UGT1A1*28の多型と同時に検査する一塩基多型はこれらの多型であってもよい。このように、UGT1A1*27、UGT1A1*29、UGT1A1*7などの一塩基多型をUGT1A1*28の多型と同時に検査する場合は、例えば表2に掲げるプライマー配列を使用してPCR反応を行うことで、一塩基多型を含む遺伝子領域を増幅することができる。また、UGT1A1遺伝子のゲノム配列は、GenBank等の遺伝子配列データベースにアクセッション番号「NG_002601」(GeneID:54658)で登録・掲載されており、UGT1A1のcDNA配列はアクセッション番号「NM_000463」などで登録・掲載されているので、これらのデータベースに開示されている塩基配列などを参考に各プライマーを設計してもよい。
勿論、本発明の検査法は、上記方法に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記方法は、UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6の3箇所の多型を同時に検査するものであったが、本発明はこれら3箇所の多型の検査に制限されるものではない。これら3箇所の多型は、日本人に観察される臨床的に重要な多型であるので、これら多型の検査に本発明の検査法を適用することは好ましいが、臨床的に重要なUGT1A1遺伝子多型として、他にもUGT1A1*27、UGT1A1*29、UGT1A1*7などが知られており、本発明において、UGT1A1*28の多型と同時に検査する一塩基多型はこれらの多型であってもよい。このように、UGT1A1*27、UGT1A1*29、UGT1A1*7などの一塩基多型をUGT1A1*28の多型と同時に検査する場合は、例えば表2に掲げるプライマー配列を使用してPCR反応を行うことで、一塩基多型を含む遺伝子領域を増幅することができる。また、UGT1A1遺伝子のゲノム配列は、GenBank等の遺伝子配列データベースにアクセッション番号「NG_002601」(GeneID:54658)で登録・掲載されており、UGT1A1のcDNA配列はアクセッション番号「NM_000463」などで登録・掲載されているので、これらのデータベースに開示されている塩基配列などを参考に各プライマーを設計してもよい。
上記実施例の方法は3箇所の多型を同時に検査するものであったが、本発明は2箇所の多型を同時に検査するものであってもよい。この場合は、UGT1A1*28に関する多型のほかに、臨床的に重要な他の一塩基多型を検査する。4箇所以上の多型を同時に検査することも可能であるが、異なる増幅断片が重なって検出困難になることがないよう、プライマーの設計などに十分留意する必要がある。上記実施例の検査法では、プライマーの設計にあたり、(1)UGT1A1*28については2bpの差異を検出するため増幅断片を100bp以下になるようにし、(2)制限酵素による消化後の各DNA断片が互いに重なって検出困難にならないようにし、また、(3)各DNA断片の相対的な距離、位置関係から多型の検出が容易になるように配慮した。具体的には、UGT1A1*28の多型検出のため、当該増幅断片の前後いずれか約30bp以内に他の増幅断片が少なくとも1つ(好ましくは複数)出現するようにプライマーを設計した。したがって、UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6の3箇所の多型を検査する場合に、表1に掲げる3組のプライマーを使用することは好ましい。各プライマーの長さは、表1に掲げるものより多少短くても長くてもよいが、同一の反応条件で3箇所の遺伝子領域を増幅できるよう留意する。
上記実施例の検査法において、遺伝子試料は各被検者の末梢血からゲノムDNAを抽出して調製したが、本発明において、検査に供する遺伝子試料は、被検者の任意の器官・組織・細胞(血液、羊水中の細胞、採取した組織等を培養した細胞を含む)から常法に従ってDNAを精製・抽出すればよい。なお、PCR法(又は他の遺伝子増幅法)による遺伝子増幅が可能な限りにおいて、DNAの精製・抽出工程は省略又は簡略化してもよい。
被検者から調製した試料中のゲノムDNAを鋳型にして、多型部位を含む遺伝子領域をPCR法によって増幅する場合、PCR法における反応条件、使用する試薬・反応液の組成、使用機器などは特に上記実施例の方法に制限されるものではないが、目的の遺伝子領域がすべて増幅されるように反応条件など留意するとよい。PCR法は簡便な方法であり、精度も良好であるので、遺伝子増幅法にはPCR法の使用が好ましいが、PCR法以外の他の増幅法(例えば、RCA法など)を使用してもよい(「ポストシークエンスのゲノム科学(1) SNP遺伝子多型の戦略」(中山書店)など参照)。
制限酵素による消化反応についても、使用する制限酵素の種類等に応じてバッファーの種類、反応温度、反応時間などを決定すればよい。上記実施例の方法のように、2種類の制限酵素を同時に使用し、2種のSNPをPCR-RFLP法によって検出することは好ましい。
キャピラリー電気泳動は、キャピラリー内でDNAを電気泳動させることによって通常のゲル電気泳動に比べて高分解能でDNAを分離・検出するものであり、市販の装置を用いて行うことができる。UGT1A1*28の多型における2bpの差異を検出できるものであれば、いずれの装置を用いてもよい。
本発明の検査法を用いた遺伝子多型検査キットとしては、UGT1A1遺伝子に関連する複数の多型を検査するために設計されたプライマーを含むものであればよく、さらに、(1)試料の調製に用いる酵素や試薬、(2)PCR法に用いる酵素や試薬、(3)制限酵素による消化反応に用いる酵素や試薬、などのうち1又は2以上を含むものであってもよい。UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6の3箇所の多型を検査する場合、検査キットに含まれるプライマーとしては、表1に掲げる3組のプライマーが例示されるが、各プライマーの長さはこれより1〜5塩基程度長くても短くてもよい。また、他の組み合わせの複数の多型を検査する場合は、表2に掲げるプライマー群の中から選択された1組又は複数組のプライマーを含んだキット構成としてもよい。なお、本発明は、「UGT1A1遺伝子に関連する複数の多型」を同時に検査するものであるが、UGT1A1遺伝子に関連する多型とは、換言すれば、UGT1A1遺伝子またはゲノム上その近傍に存在する多型を意味し、UGT1A1ゲノム遺伝子のエキソン領域あるいはイントロン領域に存在する多型の検査に制限されず、そのプロモーター領域など転写調節領域、制御領域などに存在する多型を検査するものであってもよい。本明細書において、「遺伝子多型」とは、このようなプロモーター領域などに存在する多型を含み、当該遺伝子に関連する多型という広義の意味である。
本発明によってUGT1A1遺伝子の多型検査を行うことで、UGT1A1で代謝される薬剤の薬効または副作用の程度を予測することができる。例えば、UGT1A1*28とUGT1A1*60は単独で、また、UGT1A1*6はUGT1A1*28と一緒に存在することでイリノテカンの副作用のリスクが高まることが報告されており、これらの多型を判定することでイリノテカンの重篤な副作用を起こす可能性の高い患者を予測することができる。
[3]UGT1A1遺伝子以外の遺伝子多型の検査法
本発明の検査法は、UGT1A1遺伝子以外の遺伝子多型の検査にも応用可能であり、目的遺伝子に関連する複数の多型を、低コストで簡易迅速かつ精度良く検査する方法を提供することができる。
本発明の検査法は、UGT1A1遺伝子以外の遺伝子多型の検査にも応用可能であり、目的遺伝子に関連する複数の多型を、低コストで簡易迅速かつ精度良く検査する方法を提供することができる。
即ち、本発明は、UGT1A1遺伝子以外の遺伝子に関連する複数の多型であって、挿入部分の有無による多型(ある2塩基以上の塩基配列が挿入された挿入型と当該塩基配列を欠く欠失型との間の多型)と、一塩基多型(SNP)との組み合わせからなる複数の多型を同時に検査する場合にも適用することができる。このような複数の多型をもつ遺伝子としては、例えば次のようなものを挙げることができる。(下記表4では、各遺伝子によってコードされる分子名を示す。)
表中の各分子は、1:セロトニントランスポーター、2:モノアミンオキシダーゼA、3:アンドロゲン受容体、4:チロシンヒドロキシラーゼ、5:セロトニン受容体5-HT2C、6:芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)、7:ドーパミンD2受容体DRD2、8:セロトニン受容体5-HTR3B、9:セロトニン受容体5-HTR6、10:GABAのA型受容体α5サブユニット(GABRA5)、11:ドーパミントランスポーター(SLC6A3(DAT))、12:ドーパミンD4受容体DRD4、13:ドーパミンD5受容体DRD5、14:Phosphatidylinositol-4-phosphate-5-kinase type 2 α、15:Adenylate cyclase 9(ADCY9)、16:GABA受容体β3サブユニット(GABRB3)、17:Adrenergic receptor alpha 2B(ADRA2B)、18:Adrenergic receptor alpha 2C(ADRA2C)、19:アンギオテンシン変換酵素、20:Adenylate cyclase 7(ADCY7)、21:レプチン受容体、22:CYP19(アロマターゼ)、23:G Protein beta3 subunit(GNB3)、である。
また表中、略号で示した各関連文献は、以下のとおりである。
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D32:Pharmacogenetics 2002, 12:209-220
表4に示した各分子について、複数の遺伝子多型を上記UGT1A1遺伝子多型の検査法と同様に検査し、その検査結果を薬剤に対する応答性予測や副作用予測に利用することも可能である(上記関連文献など参照)。
表4に示す一塩基多型(第2、第3の多型)の検査についても、上記実施例の方法と同様に、制限酵素を用いたPCR-RFLP法によって行うことができ、必要に応じてミスマッチプライマーを使用し、制限酵素切断部位を作り出すとよい。
本発明の検査法は、多型部位における2bpの差異を高精度に検出するため、挿入部分の有無による多型について、その差異が10bp以下(より好ましくは5bp以下)の場合に特に優位性の高い検査法ということができる。
また、本発明の検査法を用いて、挿入部分の有無による多型と一塩基多型を同時に検査する場合に、両多型は同一遺伝子に関連する多型でなくてもよく、別々の遺伝子に関連する複数の多型の検査に本発明を適用してもよい。
本発明は、以上のように、UGT1A1遺伝子多型の検査法等に関するものであり、前述したとおり、簡易迅速な複数の多型検査に利用できるほか、UGT1A1で代謝される薬剤の薬効または副作用の程度を調べる検査、診断などに利用することができる。
Claims (11)
- UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する方法。
- 一塩基多型が存在する遺伝子領域として、UGT1A1*60及び/又はUGT1A1*6に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域を増幅する、請求項1記載の検査方法。
- ミスマッチプライマーを使用して一塩基多型が存在する遺伝子領域を増幅する、請求項2記載の検査方法。
- UGT1A1*60に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域について、配列番号1の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号2の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うと共に、制限酵素にHincIIを用いることを特徴とする、請求項3記載の検査方法。
- UGT1A1*6に関する一塩基多型が存在する遺伝子領域について、配列番号5の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号6の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うと共に、制限酵素にMspIを用いることを特徴とする、請求項3記載の検査方法。
- UGT1A1*28に関する多型部位を含む遺伝子領域について、配列番号3の塩基配列を有するフォワードプライマー及び配列番号4の塩基配列を有するリバースプライマーを用いたPCR法による増幅を行うことを特徴とする、請求項1記載の検査方法。
- UGT1A1*28、UGT1A1*60及びUGT1A1*6に関する3箇所の多型部位を同時に検査することを特徴とする、請求項2記載の検査方法。
- 目的遺伝子に関連する複数の多型を同時に検査する方法であって、挿入部分の有無による多型を含む遺伝子領域のほか、一塩基多型(SNP)が存在する少なくとも1つの遺伝子領域を同一の遺伝子増幅反応によって増幅する工程と、得られた増幅断片を制限酵素によって消化した後、キャピラリー電気泳動に供する工程とを含み、キャピラリー電気泳動の結果に基づいて複数の多型を同時に判定する方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査方法を用いて、被検者の薬剤に対する反応性またはその副作用の程度を予測する方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査方法を用いて、被検者の抗がん剤に対する反応性またはその副作用の程度を予測する方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査方法を用いた、遺伝子多型検査キット。
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