以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1から図11を参照して、実施の形態1に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、ベース板5と、配線基板10と、誘電体基板26と、無給電パッチアンテナ素子29と、1つ以上の第1の外部回路基板35,36と、第1の電子部品44と、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70とを主に備える。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、複数の給電パッチアンテナ素子19と、接地導体層20とをさらに備えてもよい。
ベース板5は、第1の主面5sを有する。ベース板5は、特に限定されないが、アルミニウム合金板のような金属板であってもよい。アレイアンテナ装置1は、キャリア6をさらに備えてもよい。キャリア6は、例えばねじ等の固定部材を用いて、ベース板5の第1の主面5sに固定されている。キャリア6として、特に限定されないが、銅−タングステン(Cu−W)板のような金属板が用いられてもよい。キャリア6は、配線基板10の線膨張係数と実質的に等しい線膨張係数を有してもよい。キャリア6の表面は、ニッケルめっきが施されてもよい。
配線基板10は、ベース板5の第1の主面5s上に載置されている。特定的には、配線基板10は、キャリア6と接着層7とを介して、ベース板5の第1の主面5s上に載置されてもよい。配線基板10は、半導体基板11と、半導体基板11上に設けられた配線層15とを含む。配線基板10は、ベース板5側とは反対側に第2の主面10sを有する。配線基板10の第2の主面10sは、誘電体基板26に面している。配線基板10は、複数の第1の導電パッド30と、第1のアライメントマーク32とをさらに含んでもよい。
半導体基板11は、配線層15とベース板5との間に配置されている。特定的には、半導体基板11はキャリア6に面してもよく、かつ、配線層15は誘電体基板26に面してもよい。半導体基板11は、特に限定されないが、Si基板、SiGe基板、GaAs基板、InP基板、GaSb基板、SiC基板またはGaN基板であってもよい。半導体基板11は、半絶縁性半導体基板であってもよい。半導体基板11は、絶縁基板と、絶縁基板上に設けられた半導体層とから構成されてもよいし、絶縁基板と、絶縁基板上に設けられた半絶縁性半導体層とから構成されてもよい。第2の主面10sの平面視において、半導体基板11は、例えば、60mmの長さと65mmの幅とを有してもよい。半導体基板11は、例えば、700μmの厚さを有してもよい。
半導体基板11は、複数の能動素子回路13と、複数の制御回路14とを含んでもよい。複数の能動素子回路13と複数の制御回路14とは、ベース板5とは反対側の半導体基板11の主面上に設けられてもよい。図3に示されるように、第2の主面10sの平面視において、複数の無給電パッチアンテナ素子29は、それぞれ、複数の能動素子回路13の一つと、複数の制御回路14の一つを囲んでもよい。複数の制御回路14は、各々、2つの制御回路部分を含み、2つの制御回路部分は、第2の主面10sの平面視において、複数の能動素子回路13の一つの両側に配置されてもよい。第2の主面10sの平面視において、複数の給電パッチアンテナ素子19も、それぞれ、複数の能動素子回路13の一つと、複数の制御回路14の一つを囲んでもよい。
複数の能動素子回路13は、それぞれ、電磁波を送受信することができる。図2及び図4に示されるように、複数の能動素子回路13の各々は、複数の給電パッチアンテナ素子19の一つに接続されてもよい。複数の能動素子回路13は、それぞれ、複数の給電パッチアンテナ素子19の一つを介して、複数の無給電パッチアンテナ素子29一つに電気的に結合されてもよい。複数の能動素子回路13は、それぞれ、複数の給電パッチアンテナ素子19一つと複数の無給電パッチアンテナ素子29一つとを介して、電磁波を送受信することができる。複数の能動素子回路13は、それぞれ、例えば、マイクロ波やミリ波などの電磁波の送信または受信の少なくともいずれかを行う高周波電気素子を含んでいる。高周波電気素子は、例えば、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)、大電力増幅器(High Power Amplifier:HPA)及び移相器(Phase Shifter:PS)の少なくともいずれかであってもよい。SiGe基板である半導体基板11上に形成された能動素子回路13は、消費電力が少なく、高速で動作し、発生するノイズは少ない。そのため、マイクロ波やミリ波などの高周波の電磁波によって送信または受信される大容量のデータを高速に処理することが可能になり、アレイアンテナ装置1のアンテナ特性を向上させることができる。
複数の制御回路14は、それぞれ、複数の能動素子回路13の動作を制御する。第2の主面10sの平面視において、複数の能動素子回路13と複数の制御回路14とは、誘電体基板26によって覆われている。複数の能動素子回路13と複数の制御回路14とは、半導体基板11上に集積されている。そのため、アレイアンテナ装置1は小型化され得る。マイクロ波またはミリ波のような高周波の電磁波の伝送経路が短くなるため、高周波信号の伝送損失は減少され得る。マイクロ波またはミリ波のような高周波信号によって送受信される大容量のデータが高速で処理され得る。
配線層15は、第2の主面10sを有してもよい。配線層15は、絶縁層16と、絶縁層16中に設けられた複数の導体17とを含んでいる。絶縁層16は、優れた機械強度、優れた耐熱性及び少ない誘電損失(小さな誘電正接)を有してもよい。絶縁層16は、0.005以下の誘電正接(tanδ)を有する材料から構成されてもよく、0.003以下の誘電正接(tanδ)を有する材料から構成されてもよい。絶縁層16は、絶縁樹脂層であってもよい。絶縁層16は、特に限定されないが、熱可塑性ポリイミド樹脂または熱硬化性ポリイミド樹脂を主に含んでもよい。複数の導体17は、特に限定されないが、金層(Au層)または銅層(Cu層)であってもよい。複数の導体17の一方端は、それぞれ、複数の第1の導電パッド30に接続されている。複数の導体17の他方端は、それぞれ、複数の能動素子回路13及び複数の制御回路14の少なくとも1つに接続されている。絶縁層16は、例えば、15μmの厚さを有してもよい。複数の導体17は、例えば、5μmの厚さを有してもよい。
配線層15は、複数の導電ビア18をさらに含んでもよい。複数の導電ビア18の各々は、複数の能動素子回路13の各々と、複数の給電パッチアンテナ素子19の各々とに接続されている。複数の導電ビア18は、絶縁層16に設けられた貫通孔を、金(Au)または銅(Cu)のような導電性材料で被覆または充填することによって形成されてもよい。
複数の第1の導電パッド30と第1のアライメントマーク32とは、誘電体基板26から露出している第2の主面10s上に設けられてもよい。複数の第1の導電パッド30と第1のアライメントマーク32とは、特に限定されないが、金(Au)や銅(Cu)のような導電材料で構成されてもよい。
第2の主面10sの平面視において、複数の第1の導電パッド30は、第1の外部回路基板35に対向する配線基板10の一辺と、第1の外部回路基板36に対向する配線基板10の一辺とに沿って配置されている。第2の主面10sの平面視において、第1のアライメントマーク32は、第1の外部回路基板35に対向する配線基板10の一辺と、第1の外部回路基板36に対向する配線基板10の一辺とに沿って配置されている。第2の主面10sの平面視において、複数の第1の導電パッド30は、第1の外部回路基板35に対向する配線基板10の一辺と第1の外部回路基板35に対向して配置される第1のアライメントマーク32との間に配置されているとともに、第1の外部回路基板36に対向する配線基板10の一辺と第1の外部回路基板36に対向して配置される第1のアライメントマーク32との間に配置されている。
複数の給電パッチアンテナ素子19は、一次元アレイ状または二次元アレイ状に、第2の主面10s上に配置されている。複数の給電パッチアンテナ素子19は、誘電体基板26によって覆われた第2の主面10s上に配置されている。複数の給電パッチアンテナ素子19は、各々、複数の導電ビア18の1つを介して、複数の能動素子回路13の1つに接続されている。複数の給電パッチアンテナ素子19は、金(Au)や銅(Cu)のような導電材料で構成されてもよい。
接地導体層20は、第2の主面10s上に設けられてもよい。接地導体層20は、複数の給電パッチアンテナ素子19から離れており、複数の給電パッチアンテナ素子19から電気的に絶縁されている。第2の主面10sの平面視において、接地導体層20は、複数の給電パッチアンテナ素子19の各々を取り囲んでもよい。接地導体層20は、金(Au)や銅(Cu)のような導電材料で構成されてもよい。接地導体層20は、複数の能動素子回路13で発生した電磁波ノイズを遮蔽する。接地導体層20は、この電磁波ノイズが給電パッチアンテナ素子19及び無給電パッチアンテナ素子29に結合することを抑制することができる。
誘電体基板26は、配線基板10の第2の主面10sに取り付けられている。特定的には、誘電体基板26は、接着層22を介して、第2の主面10sに取り付けられてもよい。誘電体基板26は、配線基板10側とは反対側に、第3の主面26sを有する。誘電体基板26は、例えば、高周波用プリント基板、液晶ポリマー基板、または、低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板のようなセラミックス基板であってもよい。誘電体基板26は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの低誘電率および低誘電損失を有するフッ素樹脂系の高周波用プリント基板であってもよい。低誘電率および低誘電損失を有する誘電体基板26は、マイクロ波またはミリ波のような高周波信号の伝送遅延および伝送損失を減少させることができる。
接着層22は、フッ素系熱可塑性樹脂のような熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から構成されてもよい。接着層22は、0.005以下の誘電正接(tanδ)を有する材料から構成されてもよく、0.003以下の誘電正接(tanδ)を有する材料から構成されてもよい。接着層22は0.005以下の誘電正接を有する材料から構成されているので、アレイアンテナ装置1における電磁波の損失が小さくなり、アレイアンテナ装置1の放射効率は向上され得る。
複数の無給電パッチアンテナ素子29は、一次元アレイ状または二次元アレイ状に、第3の主面26s上に配置されている。複数の無給電パッチアンテナ素子29は、金(Au)や銅(Cu)のような導電材料で構成されてもよい。複数の無給電パッチアンテナ素子29は、それぞれ、複数の給電パッチアンテナ素子19に電磁気的に結合されている。特定的には、複数の無給電パッチアンテナ素子29は、それぞれ、誘電体基板26及び接着層22を介して、複数の給電パッチアンテナ素子19に電磁気的に結合されている。複数の無給電パッチアンテナ素子29は、それぞれ、複数の能動素子回路13に電気的に結合されている。複数の無給電パッチアンテナ素子29は、それぞれ、頂面29tを有している。
1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、ベース板5の第1の主面5s上に載置されている。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、配線基板10から離れている。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、それぞれ、ベース板5側とは反対側に第4の主面35s,36sを有する。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、プリント基板であってもよい。プリント基板は、例えば、高周波用プリント基板、液晶ポリマー基板、または、低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板のようなセラミックス基板であってもよい。プリント基板は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの低誘電率および低誘電損失を有するフッ素樹脂系の高周波用プリント基板であってもよい。プリント基板は、0.005以下の誘電正接(tanδ)を有する材料から構成されてもよく、0.003以下の誘電正接(tanδ)を有する材料から構成されてもよい。低誘電率および低誘電損失を有する第1の外部回路基板35,36は、マイクロ波またはミリ波のような高周波信号の伝送遅延および伝送損失を減少させることができる。
1つ以上の第1の外部回路基板35,36は複数の第1の外部回路基板35,36であってもよく、複数の第1の外部回路基板35,36が第1の主面5s上に載置されてもよい。第2の主面10sの平面視において、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(第1の外部回路基板35)と複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(第1の外部回路基板36)とは、それぞれ、配線基板10の一方の側と、この一方の側とは反対側の配線基板10の他方の側とに配置されている。第2の主面10sの平面視において、配線基板10は、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(第1の外部回路基板35)と複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(第1の外部回路基板36)との間に配置されている。
1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、それぞれ、高周波回路40と、信号処理回路41と、電源回路42とを含んでもよい。高周波回路40と、信号処理回路41と、電源回路42とは、第4の主面35s,36s上に設けられている。高周波回路40は、例えば、ローカル信号を発振するローカル信号源と、中間周波数信号を発振する中間周波数信号源とを含んでもよい。信号処理回路41は、例えば、送信信号を生成するとともに、受信された電磁波の信号を復調するベースバンド信号処理回路を含んでもよい。電源回路42は、能動素子回路13及び制御回路14に電源電圧を供給する。
1つ以上の第1の外部回路基板35,36各々の第4の主面35s,36s上に、1つ以上の電子部品(44,45)が載置されてもよい。高周波回路40と、信号処理回路41と、電源回路42とは、それぞれ、1つ以上の電子部品(44,45)を含んでもよい。本実施の形態では、1つ以上の電子部品(44,45)は、第1の電子部品44と、第1の電子部品44とは異なる電子部品45とを含んでいる。特定的には、1つ以上の電子部品(44,45)は、はんだのような接合部材48を用いて、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上に設けられた導電パッド47上に固定されてもよい。1つ以上の電子部品(44,45)は、特に限定されないが、抵抗、コンデンサ、インダクタ、コネクタまたは半導体パッケージであってもよい。半導体パッケージは、ダイオード若しくはトランジスタのような半導体素子、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)が樹脂パッケージで封止された電子部品である。
第1の電子部品44は、1つ以上の電子部品(44,45)の一つである。第1の電子部品44は、特に限定されないが、抵抗、コンデンサ、インダクタ、コネクタまたは半導体パッケージであってもよい。第1の電子部品44は、第4の主面35s,36s上に載置された1つ以上の電子部品(44,45)のうち最も背が高い。言い換えると、第4の主面35s,36sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの高さh44は、第4の主面35s,36sに対する電子部品45の頂部45tの高さh45よりも大きい。
1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、それぞれ、第4の主面35s,36s上に、複数の第2の導電パッド50と、複数の外部回路配線51と、第2のアライメントマーク52とをさらに含んでもよい。複数の第2の導電パッド50と複数の外部回路配線51と第2のアライメントマーク52とは、特に限定されないが、金(Au)や銅(Cu)のような導電材料で構成されてもよい。複数の外部回路配線51は、それぞれ、複数の第2の導電パッド50に接続されている。複数の第2の導電パッド50は、複数の第1の導電パッド30よりも大きな厚さを有してもよい。複数の外部回路配線51は、各々、高周波回路40、信号処理回路41及び電源回路42の1つに接続されている。
第2の主面10sの平面視において、複数の第2の導電パッド50は、配線基板10に対向する第1の外部回路基板35の一辺と、配線基板10に対向する第1の外部回路基板36の一辺とに沿って配置されている。第2の主面10sの平面視において、第2のアライメントマーク52は、配線基板10に対向する第1の外部回路基板35の一辺と、配線基板10に対向する第1の外部回路基板36の一辺とに沿って配置されている。第2の主面10sの平面視において、複数の第2の導電パッド50は、配線基板10に対向する第1の外部回路基板35の一辺と第1の外部回路基板35の一辺に対向して配置された第2のアライメントマーク52との間に配置されているとともに、配線基板10に対向する第1の外部回路基板36の一辺と第1の外部回路基板36の一辺に対向して配置された第2のアライメントマーク52との間に配置されている。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、配線基板10の第2の主面10sと1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sとに取り付けられている。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、配線層15と1つ以上の第1の外部回路基板35,36とを互いに電気的に接続する。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、複数のフレキシブルプリント基板60,70であってもよい。複数のフレキシブルプリント基板60,70が、第1の外部回路基板35に対向する配線基板10の一辺において、第2の主面10sに取り付けられてもよい。複数のフレキシブルプリント基板60,70が、配線基板10に対向する第1の外部回路基板35,36の一辺において、第4の主面35s,36sに取り付けられてもよい。
第2の主面10sの平面視において、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)と複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)とは、それぞれ、配線基板10の一方の側と、この一方の側とは反対側の配線基板10の他方の側とに配置されてもよい。複数のフレキシブルプリント基板60,70の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板60)は、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)に取り付けられている。複数のフレキシブルプリント基板60,70の別の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板70)は、複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)に取り付けられている。
第2の主面10sの平面視において、複数のフレキシブルプリント基板60,70の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板60)の1つ以上の配線64,74(例えば、1つ以上の配線64)と複数のフレキシブルプリント基板60,70の別の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板70)の1つ以上の配線64,74(例えば、1つ以上の配線74)とは、互いに、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)と複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)との間にある配線基板10の中心線10cを挟んで対向する位置に配置されている。特定的には、第2の主面10sの平面視において、複数のフレキシブルプリント基板60,70の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板60)の1つ以上の配線64,74(例えば、1つ以上の配線64)と複数のフレキシブルプリント基板60,70の別の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板70)の1つ以上の配線64,74(例えば、1つ以上の配線74)とは、互いに、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)と複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)との間にある配線基板10の中心線10cに関して、線対称に配置されてもよい。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、それぞれ、可撓性を有するベースフィルム63,73と、ベースフィルム63,73上に設けられた1つ以上の配線64,74とを含む。ベースフィルム63,73は、例えば、ポリイミドのような樹脂材料で構成されてもよい。1つ以上の配線64,74は、特に限定されないが、金層(Au層)または銅層(Cu層)であってもよい。1つ以上の配線64,74は、複数の配線64,74であってもよい。複数の配線64,74は、複数の高周波回路配線64a,74aと、複数の信号処理回路配線64b,74bと、複数の電源回路配線64c,74cとを含んでもよい。
高周波回路40は、複数の高周波回路配線64a,74aを介して、複数の能動素子回路13に接続される。複数の高周波回路配線64a,74aは、長さL1と幅W1とを有する。長さL1は、複数の高周波回路配線64a,74aの長手方向における複数の高周波回路配線64a,74aの長さとして定義される。幅W1は、この長手方向に直交しかつベースフィルム63,73の表面に沿う方向おける複数の高周波回路配線64a,74aの長さとして定義される。複数の高周波回路配線64a,74aは、例えば、複数のコプレーナ線路を含んでもよい。複数のコプレーナ線路の各々は、1本の信号伝送配線と、1本の信号伝送配線の両側に配置された一組の接地導体配線とから構成されてもよい。
信号処理回路41は、複数の信号処理回路配線64b,74bを介して、制御回路14に接続される。複数の信号処理回路配線64b,74bは、長さL2と幅W2とを有する。長さL2は、複数の信号処理回路配線64b,74bの長手方向における複数の信号処理回路配線64b,74bの長さとして定義される。幅W2は、この長手方向に直交しかつベースフィルム63,73の表面に沿う方向おける複数の信号処理回路配線64b,74bの長さとして定義される。
電源回路42は、複数の電源回路配線64c,74cを介して、複数の能動素子回路13と複数の制御回路14とに電気的に接続される。複数の電源回路配線64c,74cは、長さL3と幅W3とを有する。長さL3は、複数の電源回路配線64c,74cの長手方向における複数の電源回路配線64c,74cの長さとして定義される。幅W3は、この長手方向に直交しかつベースフィルム63,73の表面に沿う方向おける複数の電源回路配線64c,74cの長さとして定義される。
複数の高周波回路配線64a,74aは、複数の電源回路配線64c,74c及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも短くてもよい。すなわち、複数の高周波回路配線64a,74aの長さL1は、複数の信号処理回路配線64b,74bの長さL2より小さく、かつ、複数の電源回路配線64c,74cの長さL3より小さくてもよい。そのため、複数の高周波回路配線64a,74aにおける高周波信号の損失が減少され得る。
複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも広い幅を有してもよい。すなわち、複数の電源回路配線64c,74cの幅W3は、複数の高周波回路配線64a,74aの幅W1より大きく、かつ、複数の信号処理回路配線64b,74bの幅W2より大きくてもよい。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74aに隣接して配置されてもよい。
複数の高周波回路配線64a,74aが複数の電源回路配線64c,74c及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも短い長さを有するとき、複数の高周波回路配線64a,74aにおいて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度とが減少する可能性がある。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74aよりも広い幅を有し、かつ、複数の高周波回路配線64a,74aに隣接して配置されている。そのため、複数の電源回路配線64c,74cにおいて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度とは増加し得る。
複数の電源回路配線64c,74cにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度の増加は、複数の高周波回路配線64a,74aにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度の減少を補うことができる。複数の電源回路配線64c,74cにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度の増加は、複数の高周波回路配線64a,74aにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度の減少を補うことができる。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、それぞれ、第1の貫通孔65,75と第2の貫通孔66,76とを有してもよい。第1の貫通孔65,75は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の、配線基板10に面する端部に位置している。特定的には、2つの第1の貫通孔65,75が、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の、配線基板10に面する端部の角部に位置してもよい。第2の貫通孔66,76は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の、1つ以上の第1の外部回路基板35,36に面する端部に位置している。特定的には、2つの第2の貫通孔66,76が、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の、1つ以上の第1の外部回路基板35,36に面する端部の角部に位置してもよい。第1の貫通孔65,75と第2の貫通孔66,76とは、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の四隅に位置してもよい。そのため、第2の主面10sの平面視において、配線基板10及び1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対する1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の回転ずれが防止され得る。
第1の主面5sの平面視において、第1の貫通孔65,75と第2の貫通孔66,76とは、それぞれ、第1のアライメントマーク32の少なくとも一部と第2のアライメントマーク52の少なくとも一部とに重なってもよい。第1の貫通孔65,75と第1のアライメントマーク32とを用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は配線基板10に対して位置合わせされる。第2の貫通孔66,76と第2のアライメントマーク52とを用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせされる。
図8及び図9に示されるように、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第1の異方性導電部材68を介して、配線基板10の第2の主面10sに接着されてもよい。第1の異方性導電部材68は、第1の異方性導電フィルムであってもよいし、第1の異方性導電ペーストであってもよい。第1の異方性導電部材68は、第1の樹脂接着層68aと、第1の樹脂接着層68a中に分散された複数の第1の導電性粒子68bとを含む。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第1の樹脂接着層68aを用いて、配線基板10の第2の主面10sに固定される。1つ以上の配線64,74は、それぞれ、第1の導電性粒子68bを用いて、複数の第1の導電パッド30に電気的に接続される。図6及び図7を参照して、第1の異方性導電部材68は、1つ以上の配線64,74の配線基板10側の端部を覆っているが、第1の貫通孔65,75の周りのベースフィルム63,73の部分上には形成されていない。
図10及び図11に示されるように、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の異方性導電部材69を介して、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sに接着されてもよい。第2の異方性導電部材69は、第2の異方性導電フィルムであってもよいし、第2の異方性導電ペーストであってもよい。第2の異方性導電部材69は、第2の樹脂接着層69aと、第2の樹脂接着層69a中に分散された複数の第2の導電性粒子69bとを含む。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の樹脂接着層69aを用いて、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sに固定される。1つ以上の配線64,74は、それぞれ、第2の導電性粒子69bを用いて、複数の第2の導電パッド50に電気的に接続される。図6及び図7を参照して、第2の異方性導電部材69は、1つ以上の配線64,74の外部回路基板側の端部を覆っているが、第2の貫通孔66,76の周りのベースフィルム63,73の部分上には形成されていない。
第1の導電性粒子68bは、それぞれ、第1の直径r1を有する。第2の導電性粒子69bは、それぞれ、第2の直径r2を有する。第2の導電性粒子69bは、第1の導電性粒子68bよりも大きな直径を有する。第2の導電性粒子69bの第2の直径r2は、第1の導電性粒子68bの第1の直径r1よりも大きい。第2の異方性導電部材69は、第1の異方性導電部材68よりも大きな厚さを有してもよい。第2の異方性導電部材69の厚さd2は、第1の異方性導電部材68の厚さd1よりも大きくてもよい。
本実施の形態では、配線基板10は、半導体製造プロセスを用いて製造されるのに対し、1つ以上の第1の外部回路基板35,36はプリント基板である。そのため、1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、配線基板10よりも大きな表面粗さを有している。第2の導電性粒子69bは第1の導電性粒子68bよりも大きな直径を有するため、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の導電性粒子69bを介して、より大きな表面粗さを有する1つ以上の第1の外部回路基板35,36に確実に電気的に接続され得る。第2の異方性導電部材69は第1の異方性導電部材68よりも大きな厚さを有するため、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、より大きな表面粗さを有する1つ以上の第1の外部回路基板35,36に確実に固定され得る。
図1を参照して、複数の第1の外部回路基板35,36は、互いに、電気接続部材55を用いて接続されている。電気接続部材55は、例えば、プリント基板56と、導電ピン57とを含んでもよい。電気接続部材55は、フレキシブルプリント基板、ワイヤーハーネスまたはバスバーであってもよい。電気接続部材55は、リボンまたは細線であってもよく、リボンまたは細線は、金(Au)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のような導電性金属材料で構成されてもよい。
図2を参照して、第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの第2の高さh2以上である。第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tを延長した面29eの高さは、第1の主面5sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの第2の高さh2以上である。複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tは、配線基板10の周りに配置された全ての外部回路基板(第1の外部回路基板35,36)上に搭載された全ての電子部品(44,45)よりも、ベース板5の第1の主面5sから離れている。第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tを延長した面29eの高さは、第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1に等しくてもよい。
第1の主面5sに対する第2の主面10sの第3の高さh3は、第1の主面5sに対する第4の主面35s,36sの第4の高さh4より大きい。第3の高さh3と第4の高さh4との差は、0.3mm以上2.0mm以下であってもよい。
図12から図21を主に参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法を説明する。
図6、図7及び図12に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々に、第1の異方性導電部材68を仮接着することを備えてもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、吸着部82を含むステージ81上に吸着される。吸着部85を含む第1のボンダー84は、第1の異方性導電部材68を支持する離型フィルム68rを吸着して保持する。第1のボンダー84を用いて、第1の異方性導電部材68を、第1の貫通孔65,75が形成されている、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の一方の端部上に移動させる。第1の異方性導電部材68は、第1のボンダー84を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々に押圧される。それから、離型フィルム68rが第1の異方性導電部材68から剥離される。こうして、第1の異方性導電部材68は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々に仮接着される。
図13に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすることを備える。具体的には、配線基板10が固定されたキャリア6は、吸着部82を含むステージ81上に吸着される。第1の観察部87を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の第1の貫通孔65,75は、配線基板10の第2の主面10s上に設けられた第1のアライメントマーク32に位置合わせされる。具体的には、第1の観察部87を用いて、第2の主面10sの平面視または第1の主面5sの平面視において、第1の貫通孔65,75が第1のアライメントマーク32の少なくとも一部に重なっているかどうかを確認する。第1の観察部87は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々と、第2の主面10sとの間に配置されてもよい。第1の観察部87は、二眼カメラであってもよい。第1の異方性導電部材68は、第1の導電パッド30に面している。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせし終えた後に、第1の観察部87は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々と、第2の主面10sとの間から取り除かれる。
金属層をエッチングすることによって、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70上に1つ以上の配線64,74を形成する際に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の表面が荒らされる。そのため、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は不透明である。しかし、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は第1の貫通孔65,75を有している。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は不透明であっても、第1の貫通孔65,75と第1のアライメントマーク32とを用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、配線基板10に対して正確に位置合わせされ得る。
図14に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、第1の異方性導電部材68を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに仮接着することを備える。具体的には、第1の異方性導電部材68が設けられた1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、第1のボンダー84を用いて、配線基板10の第2の主面10sに押圧される。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第1の異方性導電部材68を介して、配線基板10の第2の主面10sに仮接着される。第1の異方性導電部材68は、第1の導電パッド30上に仮接着される。
図15に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が配線基板10に仮接着された後に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が配線基板10に対して正しく位置合わせされているかを確認することを備えてもよい。具体的には、第2の観察部88を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が配線基板10に仮接着された後に、第2の主面10sの平面視または第1の主面5sの平面視において、第1の貫通孔65,75が第1のアライメントマーク32の少なくとも一部に重なっているかどうかを確認する。第2の観察部88は、一眼カメラであってもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が配線基板10に仮接着された後に、第1の貫通孔65,75が第1のアライメントマーク32に重なっていないときは、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を配線基板10から取り外す。それから、第1の貫通孔65,75が第1のアライメントマーク32に正確に位置合わせされる。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は配線基板10に再び仮接着される。
図16に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、第1の異方性導電部材68を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着することを備える。具体的には、第1の異方性導電部材68が設けられた1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、第1のボンダー84を用いて、配線基板10の第2の主面10sに押圧される。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に本接着する際の第1のボンダー84の第2の圧力は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に仮接着する際の第1のボンダー84の第1の圧力よりも大きい。第1の異方性導電部材68は、第1のボンダー84及びステージ81の少なくとも1つによって加熱される。第1のボンダー84及びステージ81の少なくとも1つは、加熱部を含んでいる。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に本接着する際の第1のボンダー84及びステージ81の少なくとも1つの第2の温度は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に本接着する際の第1のボンダー84及びステージ81の少なくとも1つの第1の温度よりも高い。こうして、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、配線基板10の第2の主面10sに本接着される。
図17に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上に、第2の異方性導電部材69を設けることを備える。特定的には、第2の異方性導電部材69は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36における第2の導電パッド50上に設けられる。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に第1の異方性導電部材68を仮接着することと同様に、第1のボンダー84を用いて、第2の異方性導電部材69が第2の導電パッド50上に設けられてもよい。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36をベース板5の第1の主面5s上に載置することを備えてもよい。ベース板5は、吸着部82を含むステージ81上に吸着されてもよい。
図18に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることを備える。具体的には、1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、ベース板5の第1の主面5s上に載置される。配線基板10が固定されたキャリア6は、ベース板5の第1の主面5s上に載置される。第2の観察部88を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々の第2の貫通孔66,76は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36s上に設けられた第2のアライメントマーク52に位置合わせされる。
金属層をエッチングすることによって、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70上に1つ以上の配線64,74を形成する際に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の表面は荒らされる。そのため、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は不透明である。しかし、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は第2の貫通孔66,76を有している。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は不透明であっても、第2の貫通孔66,76と第2のアライメントマーク52とを用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に対して正確に位置合わせされ得る。
図19に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、第2の異方性導電部材69を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに仮接着することを備える。具体的には、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、第2のボンダー92を用いて、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに押圧される。第2のボンダー92は、第1のボンダー84と異なり、吸着部85を含んでいなくてもよい。第2のボンダー92は、曲面状の面取り部92rを有してもよい。曲面状の面取り部92rは、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に面し、かつ、配線基板10側に位置する角部に形成されている。第2のボンダー92を用いて1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を第4の主面35s,36sに押圧する際に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70が損傷を受けることを、曲面状の面取り部92rは防止し得る。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の異方性導電部材69を介して、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに仮接着される。
図20に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に仮接着された後に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に対して正しく位置合わせされているかを確認することを備えてもよい。具体的には、第2の観察部88を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に仮接着された後に、第4の主面35s,36sの平面視または第1の主面5sの平面視において、第2の貫通孔66,76が第2のアライメントマーク52の少なくとも一部に重なっているかどうかを確認する。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に仮接着された後に、第2の貫通孔66,76が第1のアライメントマーク32に重なっていないときは、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々から取り外す。それから、第2の貫通孔66,76が第2のアライメントマーク52に正確に位置合わせされる。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に再び仮接着される。
図21に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、第2の異方性導電部材69を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着することを備える。具体的には、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々は、第2のボンダー92を用いて、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに押圧される。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に本接着する際の第2のボンダー92の第4の圧力は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に仮接着する際の第2のボンダー92の第3の圧力よりも大きい。第2の異方性導電部材69は、第2のボンダー92及びステージ81の少なくとも1つによって加熱される。第2のボンダー92及びステージ81の少なくとも1つは、加熱部を含んでいる。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に本接着する際の第2のボンダー92及びステージ81の少なくとも1つの第4の温度は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に本接着する際の第2のボンダー92及びステージ81の少なくとも1つの第3の温度よりも高い。こうして、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の異方性導電部材69を介して、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着される。
図22を参照して、本実施の形態の変形例のアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態の変形例のアレイアンテナ装置1は、弾性樹脂部材24をさらに備えてもよい。弾性樹脂部材24は、第1の異方性導電部材68よりも高い弾性を有している。弾性樹脂部材24は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と第1の異方性導電部材68と配線基板10とに接触している。弾性樹脂部材24は、第1の異方性導電部材68と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10とに接着する。
弾性樹脂部材24は、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部を補強することができる。また、アレイアンテナ装置1が温度変化に曝されて、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部に熱応力が加わる。この熱応力は、例えば、配線基板10の熱膨張係数と1つ以上の第1の外部回路基板35,36の熱膨張係数との差に起因する。弾性樹脂部材24は、この熱応力を緩和して、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部が破壊されることを防止することができる。弾性樹脂部材24は、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂のような紫外線硬化樹脂であってもよいし、ポリウレタン系樹脂のような熱硬化性樹脂であってもよい。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1の効果を説明する。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、ベース板5と、配線基板10と、誘電体基板26と、複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)と、1つ以上の第1の外部回路基板35,36と、第1の電子部品44と、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70とを備える。ベース板5は、第1の主面5sを有する。配線基板10は、第1の主面5s上に載置されている。配線基板10は、半導体基板11と、半導体基板11上に設けられた配線層15とを含む。半導体基板11は、配線層15とベース板5との間に配置されている。配線基板10は、ベース板5側とは反対側に第2の主面10sを有する。誘電体基板26は、第2の主面10sに取り付けられている。誘電体基板26は、配線基板10側とは反対側に第3の主面26sを有する。複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)は、第3の主面26s上にアレイ状に配置されている。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、第1の主面5s上に載置されている。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、ベース板5側とは反対側に第4の主面35s,36sを有する。第1の電子部品44は、第4の主面35s,36s上に載置されている。第1の電子部品44は、第4の主面35s,36s上に載置された1つ以上の電子部品(44,45)のうち最も背が高い。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の主面10sと第4の主面35s,36sとに取り付けられている。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、それぞれ、1つ以上の配線64,74を含む。第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの第2の高さh2以上である。第1の主面5sに対する第2の主面10sの第3の高さh3は、第1の主面5sに対する第4の主面35s,36sの第4の高さh4より大きい。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの第2の高さh2以上である。そのため、複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)を通して送受信される電磁波が、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上の1つ以上の電子部品(44,45)と電磁気的な干渉を起こすことが防止され得る。また、第1の主面5sに対する第2の主面10sの第3の高さh3は、第1の主面5sに対する第4の主面35s,36sの第4の高さh4より大きい。そのため、第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの第2の高さh2以上に容易に設定され得る。こうして、本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、第3の高さh3と第4の高さh4との差は、0.3mm以上2.0mm以下であってもよい。第3の高さh3は第4の高さh4よりも0.3mm以上高いため、複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)を通して送受信される電磁波が、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上の1つ以上の電子部品(44,45)と電磁気的な干渉を起こすことが一層防止され得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。第3の高さh3と第4の高さh4との差は2.0mm以下であるため、1つ以上の配線64,74が長くなることが抑制され得る。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70において、高周波信号が劣化することが防止され得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、配線基板10は、第2の主面10s上に、複数の第1の導電パッド30を含んでもよい。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、第4の主面35s,36s上に、複数の第2の導電パッド50を含んでもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、複数のフレキシブルプリント基板60,70であってもよい。1つ以上の配線64,74は、複数の配線64,74であってもよい。複数の配線64,74は、各々、複数の第1の導電パッド30の一つと複数の第2の導電パッド50の一つとに接続されてもよい。
このように、複数のフレキシブルプリント基板60,70が、配線基板10と1つ以上の第1の外部回路基板35,36とを接続する。そのため、たとえ、複数の配線64,74の第3のピッチが、複数の第1の導電パッド30の第1のピッチ及び複数の第2の導電パッド50の第2のピッチと多少異なっていても、配線基板10の複数の第1の導電パッド30と1つ以上の第1の外部回路基板35,36の複数の第2の導電パッド50とに対して、複数のフレキシブルプリント基板60,70の複数の配線64,74はより正確に位置合わせされ得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、複数のフレキシブルプリント基板60,70であってもよい。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、複数の第1の外部回路基板35,36であってもよい。第2の主面10sの平面視において、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)と複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)とは、それぞれ、配線基板10の一方の側と、一方の側とは反対側の配線基板10の他方の側とに配置されている。複数のフレキシブルプリント基板60,70の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板60)は、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)に取り付けられている。複数のフレキシブルプリント基板60,70の別の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板70)は、複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)に取り付けられている。第2の主面10sの平面視において、複数のフレキシブルプリント基板60,70の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板60)の1つ以上の配線64,74(例えば、1つ以上の配線64)と複数のフレキシブルプリント基板60,70の別の一つ(例えば、フレキシブルプリント基板70)の1つ以上の配線64,74(例えば、1つ以上の配線74)とは、互いに、複数の第1の外部回路基板35,36の一つと複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つとの間にある配線基板10の中心線10cを挟んで対向する位置に配置されている。
そのため、複数のフレキシブルプリント基板60,70の種類が減少され得る。配線基板10に対する複数のフレキシブルプリント基板60,70の配置が単純化され得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、容易に組み立てられ得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1の製造コストは減少され得る。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、配線基板10は、複数の能動素子回路13と、複数の能動素子回路13に接続された複数の制御回路14とを含んでもよい。複数の能動素子回路13は、それぞれ、複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)に電気的に結合されている。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、それぞれ、高周波回路40と、信号処理回路41と、電源回路42とを含んでもよい。1つ以上の配線64,74は複数の配線64,74であってもよい。複数の配線64,74は、複数の電源回路配線64c,74cと、複数の高周波回路配線64a,74aと、複数の信号処理回路配線64b,74bとを含んでもよい。高周波回路40は、複数の高周波回路配線64a,74aを介して、複数の能動素子回路13に接続される。信号処理回路41は、複数の信号処理回路配線64b,74bを介して、制御回路14に接続される。電源回路42は、複数の電源回路配線64c,74cを介して、複数の能動素子回路13と複数の制御回路14とに電気的に接続される。複数の高周波回路配線64a,74aは、複数の電源回路配線64c,74c及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも短い長さを有してもよい。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも広い幅を有してもよい。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74aに隣接して配置されてもよい。
複数の高周波回路配線64a,74aは複数の電源回路配線64c,74c及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも短い長さを有するため、複数の高周波回路配線64a,74aにおける高周波信号の損失が減少され得る。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも広い幅を有する。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の信号処理回路配線64b,74bより大きな電流容量を有する。複数の電源回路配線64c,74cを通して、十分な電力が、配線基板10に含まれる複数の能動素子回路13と複数の制御回路14に供給され得る。
複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74aに隣接して配置されている。そのため、複数の電源回路配線64c,74cにおいて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度は増加し得る。複数の電源回路配線64c,74cにおいて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度は増加し得る。複数の高周波回路配線64a,74aが複数の電源回路配線64c,74c及び複数の信号処理回路配線64b,74bよりも短い長さを有するとき、複数の高周波回路配線64a,74aにおいて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度とが減少する可能性がある。
複数の電源回路配線64c,74cにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度の増加は、複数の高周波回路配線64a,74aにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合強度の減少を補うことができる。複数の電源回路配線64c,74cにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度の増加は、複数の高周波回路配線64a,74aにおける、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合強度の減少を補うことができる。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、配線基板10は、第2の主面10s上に第1のアライメントマーク32を含んでもよい。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、第4の主面35s,36s上に第2のアライメントマーク52を含んでもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、それぞれ、第1の貫通孔65,75と第2の貫通孔66,76とを有してもよい。第1の主面5sの平面視において、第1の貫通孔65,75と第2の貫通孔66,76とは、それぞれ、第1のアライメントマーク32の少なくとも一部と第2のアライメントマーク52の少なくとも一部とに重なってもよい。
そのため、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は不透明であっても、第1の貫通孔65,75と第1のアライメントマーク32とを用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、配線基板10に対して正確に位置合わせされ得る。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は不透明であっても、第2の貫通孔66,76と第2のアライメントマーク52とを用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して正確に位置合わせされ得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、それぞれ、プリント基板であってもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第1の導電性粒子68bを含む第1の異方性導電部材68を介して、第2の主面10sに接着されてもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の導電性粒子69bを含む第2の異方性導電部材69を介して、第4の主面35s,36sに接着されてもよい。第2の導電性粒子69bは、第1の導電性粒子68bよりも大きな直径を有する。
1つ以上の第1の外部回路基板35,36はプリント基板であるため、1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、配線基板10よりも大きな表面粗さを有している。第2の導電性粒子69bは第1の導電性粒子68bよりも大きな直径を有するため、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、第2の導電性粒子69bを介して、より大きな表面粗さを有する1つ以上の第1の外部回路基板35,36に確実に電気的に接続され得る。
実施の形態2.
図23及び図24を参照して、実施の形態2に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、第2の外部回路基板37と、第2の電子部品94とをさらに備える点で主に異なる。
第2の外部回路基板37は、ベース板5の第1の主面5s上に載置されている。第2の外部回路基板37は、プリント基板であってもよい。第2の外部回路基板37は、ベース板5側とは反対側に第5の主面37sを有する。第2の外部回路基板37は、電気接続部材55を用いて、1つ以上の第1の外部回路基板35,36に接続されている。電気接続部材55は、例えば、プリント基板56と、導電ピン57とを含んでもよい。電気接続部材55は、フレキシブルプリント基板、ワイヤーハーネスまたはバスバーであってもよい。電気接続部材55は、リボンまたは細線であってもよく、リボンまたは細線は、金(Au)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のような導電性金属材料で構成されてもよい。
第2の外部回路基板37の第5の主面37s上に、1つ以上の電子部品(94)が載置されてもよい。本実施の形態では、1つ以上の電子部品(94)は、第2の電子部品94を含んでいる。特定的には、1つ以上の電子部品(94)は、はんだのような接合部材48を用いて、第2の外部回路基板37上に設けられた導電パッド47上に固定されてもよい。1つ以上の電子部品(94)は、特に限定されないが、抵抗、コンデンサ、インダクタ、コネクタまたは半導体パッケージであってもよい。第2の電子部品94は、第5の主面37s上に載置された1つ以上の電子部品(94)のうち最も背が高い。第2の電子部品94は、第1の電子部品44よりも背が高い。言い換えると、第5の主面37sに対する第2の電子部品94の第2の頂部94tの高さh94は、第2の主面10sに対する第1の電子部品44の第1の頂部44tの高さh45よりも大きい。
第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第2の電子部品94の第2の頂部94tの第5の高さh5以上である。複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tは、配線基板10の周りに配置された全ての外部回路基板(第1の外部回路基板35,36及び第2の外部回路基板37)上に搭載された全ての電子部品(44,45,94)よりも、ベース板5の第1の主面5sから離れている。第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tを延長した面29eの高さは、第1の主面5sに対する第2の電子部品94の第2の頂部94tの第5の高さh5以上である。第1の主面5sに対する第5の主面37sの第6の高さh6は、第1の主面5sに対する第4の主面35s,36sの第4の高さh4より小さい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、第2の外部回路基板37と、第2の電子部品94とをさらに備える。第2の外部回路基板37は、第1の主面5s上に載置されている。第2の外部回路基板37は、ベース板5側とは反対側に第5の主面37sを有する。第2の電子部品94は、第5の主面37s上に載置されている。第2の電子部品94は、第5の主面37s上に載置された1つ以上の電子部品(94)のうち最も背が高い。第2の電子部品94は、第1の電子部品44よりも背が高い。第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第2の電子部品94の第2の頂部94tの第5の高さh5以上である。第1の主面5sに対する第5の主面37sの第6の高さh6は、第1の主面5sに対する第4の主面35s,36sの第4の高さh4より小さい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第2の電子部品94の第2の頂部94tの第5の高さh5以上である。そのため、複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)を通して送受信される電磁波が、第2の外部回路基板37上の1つ以上の電子部品(94)と電磁気的な干渉を起こすことが防止され得る。第1の主面5sに対する第5の主面37sの第6の高さh6は、第1の主面5sに対する第4の主面35s,36sの第4の高さh4より小さい。そのため、第1の主面5sに対する複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)の頂面29tの第1の高さh1は、第1の主面5sに対する第2の電子部品94の第2の頂部94tの第5の高さh5以上に容易に設定され得る。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
実施の形態3.
図25から図27を参照して、実施の形態3に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、以下の点で主に異なる。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、撓み部97を含む。撓み部97は、配線基板10とは反対側にふくらんでもよい。撓み部97は、0.2mm以上1.0mm以下の撓み長さを有する。撓み長さは、配線基板10と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70との間の第1の距離と、配線基板10と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70との間の第2の距離との差として定義される。第1の距離は、複数の第1の導電パッド30と複数の第2の導電パッド50とに固定された1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70が自然長を有するときの、配線基板10と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70との間の距離として定義される。第2の距離は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70が撓み部97を有するときの、配線基板10と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70との間の距離として定義される。
図28及び図29を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36を配線基板10に向けてスライドさせて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に撓み部97を形成することをさらに備える。1つ以上の第1の外部回路基板35,36を配線基板10に向けてスライドさせることは、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の製造方法において、図21に示されるように、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着することの後に行われてもよい。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、スライド治具100を用いて、配線基板10に向けてスライドさせてもよい。スライド治具100は、治具本体101と、治具本体101の一端に設けられた回転可能なつまみ102と、治具本体101の他端に治具本体101から突出可能に設けられた棒部材103とを含んでもよい。つまみ102の回転量に応じて、治具本体101からの突出量が調節され得る。
図28では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は自然長を有している。図28における配線基板10と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70との間の距離は、第1の距離である。スライド治具100の棒部材103を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の側面に接触させる。図29に示されるように、つまみ102が回転されて、棒部材103は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36を配線基板10に向けて移動させる。こうして、1つ以上の第1の外部回路基板35,36と配線基板10との接続する1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に撓み部97が形成される。図29における配線基板10と1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70との間の距離は、第2の距離である。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の撓み長さは、1つ以上の第1の外部回路基板35,36のスライド距離として与えられ得る。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70は、撓み部97を含む。アレイアンテナ装置1が温度変化に曝されて、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部と、第2の異方性導電部材69による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合部とに、熱応力が加わることがある。撓み部97は、この熱応力を緩和して、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部と、第2の異方性導電部材69による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合部とが破壊されることを防止し得る。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、撓み部97は、0.2mm以上1.0mm以下の撓み長さを有する。撓み部97は0.2mm以上の撓み長さを有するため、撓み部97は、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部が破壊されることを一層防止し得る。撓み部97は1.0mm以下の撓み長さを有するため、撓み部97が、過度に小さな曲率半径を有することが防止され得る。そのため、撓み部97において、1つ以上の配線64,74が断線することが防止され得る。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
実施の形態4.
図30から図36を参照して、実施の形態4に係るアレイアンテナ装置1の製造方法を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態3のアレイアンテナ装置1の別の製造方法である。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法では、最初に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に撓み部97を形成する。それから、撓み部97を有する1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70が、配線基板10と1つ以上の第1の外部回路基板35,36とに固定される。
図30を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に撓み部97を形成することを備える。例えば、一対の金型104,105を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に圧力と熱とを加えることによって、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に撓み部97が形成されてもよい。一対の金型104,105の少なくとも1つは、加熱部を含んでいる。金型104は凹部を含み、金型105は凸部を含んでもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70のうち、金型104の凹部と金型105の凸部との間に挟まれた部分に撓み部97が形成される。
図31を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、撓み部97が形成された1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々に、第1の異方性導電部材68を仮接着することを備えてもよい。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々に第1の異方性導電部材68を仮接着することは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々に第1の異方性導電部材68を仮接着することと同様である。本実施の形態のステージ81は、撓み部97を受け入れる凹部83を有している。
図32を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすることを備える。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすることは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすることと同様である。
図33を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、第1の異方性導電部材68を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着することを備える。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着することは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着することと同様である。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の製造方法と同様に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすること(図32を参照)と、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着すること(図33を参照)との間に、以下の工程をさらに備えてもよい。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに仮接着することと、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が配線基板10に仮接着された後に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が配線基板10に対して正しく位置合わせされているかを確認することとをさらに備えてもよい。
図34に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上に、第2の異方性導電部材69を設けることを備える。本実施の形態における、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上に第2の異方性導電部材69を設けることは、実施の形態1における、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上に、第2の異方性導電部材69を設けることと同様である。
図35を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることを備える。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることと同様である。
図36を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、第2の異方性導電部材69を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着することを備える。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着することは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着することと同様である。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の製造方法と同様に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすること(図35を参照)と、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着すること(図36を参照)との間に、以下の工程をさらに備えてもよい。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに仮接着することと、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に仮接着された後に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々が1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々に対して正しく位置合わせされているかを確認することとをさらに備えてもよい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態3のアレイアンテナ装置1の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着することと、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70の各々を1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに本接着することとの前に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70に撓み部97を形成することを備える。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態3のアレイアンテナ装置1の製造方法における、1つ以上の第1の外部回路基板35,36を配線基板10に向けてスライドさせることを備えていない。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法によれば、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部と、第2の異方性導電部材69による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合部とに、応力が加わることが防止され得る。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
これに対し、本実施の形態3のアレイアンテナ装置1の製造方法では、1つ以上の第1の外部回路基板35,36を配線基板10に向けてスライドさせるときに、第1の異方性導電部材68による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部と、第2の異方性導電部材69による1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合部とに応力が加わる可能性がある。
実施の形態5.
図37及び図38を参照して、実施の形態5に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。
図37に示されるように、第1の異方性導電部材68dは、第1の貫通孔65,75の周りのベースフィルム63,73の部分上にも形成されている。そのため、第1の異方性導電部材68dによる1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部の強度が向上され得る。第1の異方性導電部材68dによる1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と配線基板10との間の接合部の信頼性が向上され得る。
図37に示されるように、第2の異方性導電部材69dは、第2の貫通孔66,76の周りのベースフィルム63,73の部分上にも形成されている。そのため、第2の異方性導電部材69dによる1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合部の強度が向上され得る。第2の異方性導電部材69dによる1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70と1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接合部の信頼性が向上され得る。
実施の形態6.
図39及び図40を参照して、実施の形態6に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、以下の点で主に異なる。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60e,70eは、1つ以上の配線64,74の幅方向の両側にダミーパッド108をさらに含む。ダミーパッド108は、1つ以上の配線64,74から離れている。ダミーパッド108は、1つ以上の配線64,74から電気的に絶縁されている。ダミーパッド108は、グランド配線の一部であってもよい。ダミーパッド108は、1つ以上の配線64,74と同じ材料で構成されてもよい。
ダミーパッド108は、長さL4と幅W4とを有する。長さL4は、ダミーパッド108の長手方向におけるダミーパッド108の長さとして定義される。幅W4は、この長手方向に直交しかつベースフィルム63,73の表面に沿う方向おけるダミーパッド108の長さとして定義される。
ダミーパッド108は、複数の高周波回路配線64a,74a、複数の電源回路配線64c,74c及び複数の信号処理回路配線64b,74bに等しいまたはより大きい長さを有してもよい。すなわち、ダミーパッド108の長さL4は、複数の高周波回路配線64a,74aの長さL1より大きく、複数の信号処理回路配線64b,74bの長さL2以上であり、かつ、複数の高周波回路配線64a,74aの長さL3以上であってもよい。ダミーパッド108は、複数の高周波回路配線64a,74a、複数の信号処理回路配線64b,74b及び複数の電源回路配線64c,74cよりも広い幅を有してもよい。すなわち、ダミーパッド108の幅W4は、複数の電源回路配線64c,74cの幅W3より大きく、複数の高周波回路配線64a,74aの幅W1より大きく、かつ、複数の信号処理回路配線64b,74bの幅W2より大きくてもよい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の効果に加えて、以下の効果を奏する。ダミーパッド108は、アレイアンテナ装置1の外部から印加される機械的な衝撃から1つ以上の配線64,74を保護する。ダミーパッド108は、1つ以上の配線64,74が断線することを防止し得る。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
実施の形態7.
図41から図53を参照して、実施の形態7に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、以下の点で主に異なる。
1つ以上のフレキシブルプリント基板(111−116)は、複数のフレキシブルプリント基板(111−116)である。複数のフレキシブルプリント基板(111−116)は、第1のフレキシブルプリント基板111,114と、第2のフレキシブルプリント基板112,115と、第3のフレキシブルプリント基板113,116とを含む。複数のフレキシブルプリント基板(111−116)の一部(例えば、第1のフレキシブルプリント基板111と、第2のフレキシブルプリント基板112と、第3のフレキシブルプリント基板113)は、複数の第1の外部回路基板35,36の一つ(例えば、第1の外部回路基板35)に取り付けられている。複数のフレキシブルプリント基板(111−116)の残り(例えば、第1のフレキシブルプリント基板114と、第2のフレキシブルプリント基板115と、第3のフレキシブルプリント基板116)は、複数の第1の外部回路基板35,36の別の一つ(例えば、第1の外部回路基板36)に取り付けられている。
図42、図43、図48及び図49に示されるように、第1のフレキシブルプリント基板111,114は、複数の高周波回路配線64a,74aのみを含む。複数の高周波回路配線64a,74aは、厚さT1を有する。第2の主面10sの平面視において、第1のフレキシブルプリント基板111の複数の高周波回路配線64aと第1のフレキシブルプリント基板114の複数の高周波回路配線74aとは、互いに、配線基板10の中心線10cを挟んで対向する位置に配置されている。特定的には、第2の主面10sの平面視において、第1のフレキシブルプリント基板111の複数の高周波回路配線64aと第1のフレキシブルプリント基板114の複数の高周波回路配線74aとは、互いに、配線基板10の中心線10cに関して、線対称に配置されてもよい。複数の高周波回路配線64a,74aは、絶縁保護膜117(図45、図47、図51及び図53を参照)によって覆われていない。絶縁保護膜117に起因する、第1のフレキシブルプリント基板111,114の誘電損失が防止され得る。
図44、図45、図50及び図51に示されるように、第2のフレキシブルプリント基板112,115は、複数の信号処理回路配線64b,74bのみを含む。複数の信号処理回路配線64b,74bは、厚さT2を有する。複数以上の信号処理回路配線64b,74bは、例えば、5μm以上10μm以下の厚さT2を有してもよい。複数の信号処理回路配線64b,74bは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の電源回路配線64c,74cより小さな厚さを有している。複数の信号処理回路配線64b,74bの厚さT2は、複数の高周波回路配線64a,74aの厚さT1及び複数の電源回路配線64c,74cの厚さT3より小さい。複数の信号処理回路配線64b,74bは、複数の信号処理回路配線64b,74bの各々の幅方向に、ピッチP2で配列されてもよい。複数の信号処理回路配線64b,74bのピッチP2は、例えば、40μm以上100μm以下であってもよい。複数の信号処理回路配線64b,74bのピッチP2は、複数の電源回路配線64c,74cのピッチより小さくてもよい。複数の信号処理回路配線64b,74bのピッチP2は、複数の高周波回路配線64a,74aのピッチより小さくてもよい。
第2の主面10sの平面視において、第2のフレキシブルプリント基板112の複数の信号処理回路配線64bと第2のフレキシブルプリント基板115の複数の信号処理回路配線74bとは、互いに、配線基板10の中心線10cを挟んで対向する位置に配置されている。特定的には、第2の主面10sの平面視において、第2のフレキシブルプリント基板112の複数の信号処理回路配線64bと第2のフレキシブルプリント基板115の複数の信号処理回路配線74bとは、互いに、配線基板10の中心線10cに関して、線対称に配置されてもよい。複数の信号処理回路配線64b,74bは、絶縁保護膜117によって覆われてもよい。
図46、図47、図52及び図53に示されるように、第3のフレキシブルプリント基板113,116は、複数の電源回路配線64c,74cのみを含む。複数の電源回路配線64c,74cは、厚さT3を有する。複数の電源回路配線64c,74cは、例えば、30μm以上60μm以下の厚さT3を有してもよい。複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の信号処理回路配線64b,74bより大きな厚さを有している。複数の電源回路配線64c,74cの厚さT3は、複数の高周波回路配線64a,74aの厚さT1及び複数の信号処理回路配線64b,74bの厚さT2より大きい。そのため、複数の電源回路配線64c,74cは、複数の高周波回路配線64a,74a及び複数の信号処理回路配線64b,74bより大きな電流容量を有する。複数の電源回路配線64c,74cを通して、十分な電力が、配線基板10に含まれる複数の能動素子回路13と複数の制御回路14とに供給され得る。
第2の主面10sの平面視において、第3のフレキシブルプリント基板113の複数の電源回路配線64cと第3のフレキシブルプリント基板116の複数の電源回路配線64cとは、互いに、配線基板10の中心線10cを挟んで対向する位置に配置されている。特定的には、第2の主面10sの平面視において、第3のフレキシブルプリント基板113の複数の電源回路配線64cと第3のフレキシブルプリント基板116の複数の電源回路配線64cとは、互いに、配線基板10の中心線10cに関して、線対称に配置されてもよい。複数の電源回路配線64c,74cは、絶縁保護膜117によって覆われてもよい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、配線基板10は、複数の能動素子回路13と、複数の能動素子回路13に接続された複数の制御回路14とを含む。複数の能動素子回路13は、それぞれ、複数のアンテナ素子(無給電パッチアンテナ素子29)に電気的に結合されている。1つ以上の第1の外部回路基板35,36は、それぞれ、高周波回路40と、信号処理回路41と、電源回路42とを含む。1つ以上の配線64,74は複数の配線64,74である。複数の配線64,74は、複数の電源回路配線64c,74cと、複数の高周波回路配線64a,74aと、複数の信号処理回路配線64b,74bとを含む。1つ以上のフレキシブルプリント基板(111−116)は、第1のフレキシブルプリント基板111,114と、第2のフレキシブルプリント基板112,115と、第3のフレキシブルプリント基板113,116とを含む。第1のフレキシブルプリント基板111,114は、複数の高周波回路配線64a,74aのみを含む。第2のフレキシブルプリント基板112,115は、複数の信号処理回路配線64b,74bのみを含む。第3のフレキシブルプリント基板113,116は、複数の電源回路配線64c,74cのみを含む。複数の高周波回路配線64a,74aは、高周波回路40を複数の能動素子回路13に接続する。複数の信号処理回路配線64b,74bは、信号処理回路41を制御回路14に接続する。複数の電源回路配線64c,74cは、電源回路42を複数の能動素子回路13及び複数の制御回路14に電気的に接続する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、複数の高周波回路配線64a,74aと複数の信号処理回路配線64b,74bと複数の電源回路配線64c,74cとが、それぞれ、互いに異なる第1のフレキシブルプリント基板111,114と第2のフレキシブルプリント基板112,115と第3のフレキシブルプリント基板113,116上に設けられている。そのため、アレイアンテナ装置1の性能が最適化されるように、複数の高周波回路配線64a,74aと複数の信号処理回路配線64b,74bと複数の電源回路配線64c,74cとは設計され得る。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
実施の形態8.
図54から図58を参照して、実施の形態8に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、以下の点で主に異なる。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、それぞれ、1つ以上の配線64,74上に設けられたはんだ層120をさらに含む。具体的には、はんだ層120は、複数の高周波回路配線64a,74aの各々と、複数の信号処理回路配線64b,74bの各々と、複数の電源回路配線64c,74cの各々とを覆ってもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、はんだ層120を介して、配線基板10の第2の主面10sと1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sとに接合されている。具体的には、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの複数の配線64,74は、それぞれ、はんだ層120を介して、複数の第1の導電パッド30に接続されている。1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの複数の配線64,74は、それぞれ、はんだ層120を介して、複数の第2の導電パッド50に接続されている。
図59から図65を主に参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法を説明する。
図59を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの1つ以上の配線64,74上にはんだ層120を形成することを備える。はんだ層120は、例えば、めっき法またはスクリーン印刷法によって、1つ以上の配線64,74上に形成されてもよい。図60を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、はんだ層120上に、第1のフラックス127をコーティングすることを備えてもよい。第1のフラックス127は、はんだ層120の端部上に設けられてもよい。
図61を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを配線基板10に対して位置合わせすることを備える。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを配線基板10に対して位置合わせすることは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10に対して位置合わせすることと基本的に同様である。1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの各々の第1の貫通孔65,75は、配線基板10の第2の主面10s上に設けられた第1のアライメントマーク32に位置合わせされる。第1のフラックス127は、第1の導電パッド30に面している。
図62を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを、はんだ層120を介して、配線基板10の第2の主面10sに接合することを備えてもよい。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを配線基板10にはんだ接合することは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を配線基板10の第2の主面10sに本接着することと基本的に同様である。本実施の形態では、実施の形態1の第1の異方性導電部材68に代えて、はんだ層120を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、配線基板10に接合される。具体的には、はんだ層120を含む1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの各々は、第1のボンダー84を用いて、配線基板10の第2の主面10sに押圧される。はんだ層120は、第1のボンダー84及びステージ81の少なくとも1つによって加熱される。こうして、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、はんだ層120を介して、配線基板10の第2の主面10sに接合される。それから、有機溶剤またはフラックス洗浄液を用いて、第1のフラックス127が除去されてもよい。
図63に示されるように、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36上に、第2のフラックス129をコーティングすることを備える。特定的には、第2のフラックス129は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36における第2の導電パッド50上に施される。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上の第1の外部回路基板35,36をベース板5の第1の主面5s上に載置することを備えてもよい。ベース板5は、吸着部82を含むステージ81上に吸着されてもよい。
図64を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることを備える。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36に対して位置合わせすることと同様である。
図65を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを、はんだ層120を介して、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sに接合することを備えてもよい。本実施の形態における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを1つ以上の第1の外部回路基板35,36にはんだ接合することは、実施の形態1における、1つ以上のフレキシブルプリント基板60,70を1つ以上の第1の外部回路基板35,36に本接着することと基本的に同様である。本実施の形態では、実施の形態1の第2の異方性導電部材69に代えて、はんだ層120を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、1つ以上の第1の外部回路基板35,36に接合される。具体的には、はんだ層120を含む1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの各々は、第2のボンダー92を用いて、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の各々の第4の主面35s,36sに押圧される。はんだ層120は、第2のボンダー92及びステージ81の少なくとも1つによって加熱される。こうして、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、はんだ層120を介して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gの第4の主面35s,36sに接合される。それから、有機溶剤またはフラックス洗浄液を用いて、第2のフラックス129が除去されてもよい。
図66を参照して、本実施の形態の変形例のアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態の変形例のアレイアンテナ装置1は、弾性樹脂部材24をさらに備えてもよい。本実施の形態の変形例の弾性樹脂部材24は、実施の形態1の変形例の弾性樹脂部材24と基本的に同様である。弾性樹脂部材24は、はんだ層120よりも高い弾性を有している。弾性樹脂部材24は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gとはんだ層120と配線基板10とに接触している。弾性樹脂部材24は、はんだ層120と1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gと配線基板10とに接着する。
弾性樹脂部材24は、はんだ層120による1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gと配線基板10との間の接合部を補強することができる。アレイアンテナ装置1が温度変化に曝されて、はんだ層120による1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gと配線基板10との間の接合部に熱応力が加わる。この熱応力は、例えば、配線基板10の熱膨張係数と1つ以上の第1の外部回路基板35,36の熱膨張係数との差に起因する。弾性樹脂部材24は、この熱応力を緩和して、はんだ層120による1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gと配線基板10との間の接合部が破壊されることを防止することができる。弾性樹脂部材24は、例えば、アクリル系樹脂またはシリコーン系樹脂のような紫外線硬化樹脂であってもよいし、ウレタン系樹脂のような熱硬化性樹脂であってもよい。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1及びその変形例のアレイアンテナ装置1と同様の効果を有するが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、それぞれ、1つ以上の配線64,74上に設けられたはんだ層120を含んでいる。1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gは、はんだ層120を介して、第2の主面10sと第4の主面35s,36sとに接合されている。
はんだ層120は、実施の形態1の第1の異方性導電部材68及び第2の異方性導電部材69よりも、低い電気抵抗を有する。はんだ層120を用いて1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを配線基板10に接合することによって、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gと配線基板10との間の接続抵抗は減少され得る。はんだ層120を用いて1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gを1つ以上の第1の外部回路基板35,36に接合することによって、1つ以上のフレキシブルプリント基板60g,70gと1つ以上の第1の外部回路基板35,36との間の接続抵抗は減少され得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、複数の能動素子回路13により大きな電流が供給され得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
はんだ層120の融点は、第1の異方性導電部材68に含まれる第1の樹脂接着層68aの軟化温度及び第2の異方性導電部材69に含まれる第2の樹脂接着層69aの軟化温度よりも高い。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1及びその変形例のアレイアンテナ装置1よりも高い耐熱性を有する。そのため、本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1では、複数の能動素子回路13により大きな電流が供給され得る。本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。さらに、本実施の形態及びその変形例のアレイアンテナ装置1は、より高い温度を有する環境下で使用され得る。
実施の形態9.
図67から図70を参照して、実施の形態9に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態8のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、以下の点で主に異なる。
図67及び図68を参照して、本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10の第2の主面10sとの間に絶縁樹脂部材128をさらに備える。絶縁樹脂部材128は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10の第2の主面10sとの間のギャップ(はんだ層120を除く)に充填されてもよい。絶縁樹脂部材128は、複数の配線64,74を互いに電気的に絶縁する。絶縁樹脂部材128は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hを配線基板10に接着する。絶縁樹脂部材128は、例えば、一液性エポキシ樹脂のようなエポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂またはアクリル系樹脂で構成されてもよい。絶縁樹脂部材128は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sとの間にも設けられてもよい。
はんだ層120で覆われた複数の配線64,74は、絶縁樹脂部材128によって、互いに電気的に絶縁されている。絶縁樹脂部材128は、はんだ層120で覆われた複数の配線64,74の間にウィスカが成長することを防止して、はんだ層120で覆われた複数の配線64,74が互いに電気的に短絡することを抑制することができる。そのため、はんだ層120は、99Sn−1Cuのような錫(Sn)の含有量が高いはんだから構成されてもよい。一般に、錫(Sn)の含有量が高いはんだから、ウィスカが成長し易い。絶縁樹脂部材128は、ウィスカの成長を防止し得る。錫(Sn)の含有量が高いはんだから構成されるはんだ層120は、めっき法によって、複数の配線64,74上に安定的に形成され得る。
はんだ層120によって、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hを配線基板10に接合する際、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10との間に第1のフラックス127が残存する可能性がある。アレイアンテナ装置1が高い湿度を有する環境に曝されると、第1のフラックス127は、1つ以上の配線64,74の腐食を引き起こすことがある。絶縁樹脂部材128は、第1のフラックス127が湿度に曝されることを防止して、1つ以上の配線64,74が腐食することを抑制することができる。
図69及び図70を参照して、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々は、1つ以上の配線64,74の長手方向における1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々の少なくとも1つの端部に、切欠部131を有してもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々の第1の貫通孔65,75側の端部に、切欠部131を有してもよい。切欠部131は、1つ以上の配線64,74の長手方向における1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々の両端に形成されてもよい。1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々の第1の貫通孔65,75側の端部と第2の貫通孔66,76側の端部とに、切欠部131を有してもよい。切欠部131は、配線基板10の第2の主面10sに面している。切欠部131は、配線基板10の第2の主面10sと、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sとに面してもよい。切欠部131は、複数の高周波回路配線64a,74aの少なくとも一部と、複数の信号処理回路配線64b,74bの少なくとも一部と、複数の電源回路配線64c,74cの少なくとも一部とに対向してもよい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、実施の形態8のアレイアンテナ装置1の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1の製造方法は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hを、はんだ層120を介して、配線基板10の第2の主面10sに接合することの後に、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10の第2の主面10sとの間に絶縁樹脂部材128を形成することをさらに備える。例えば、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々の切欠部131から、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10の第2の主面10sとの間のギャップに、液状の絶縁樹脂材料が注入される。この絶縁樹脂材料を硬化することによって、絶縁樹脂部材128が形成されてもよい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態8のアレイアンテナ装置1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10の第2の主面10sとの間に絶縁樹脂部材128をさらに備える。絶縁樹脂部材128は、1つ以上の配線64,74が腐食することと、1つ以上の配線64,74からウィスカが成長することとを防止することができる。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、良好なアンテナ特性を有する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々は、1つ以上の配線64,74の長手方向における1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hの各々の少なくとも1つの端部に、切欠部131を有してもよい。切欠部131は、配線基板10の第2の主面10sに面している。切欠部131は、1つ以上のフレキシブルプリント基板60h,70hと配線基板10の第2の主面10sとの間に絶縁樹脂部材128が容易に形成されることを可能にする。
実施の形態10.
図71から図73を参照して、実施の形態10に係るアレイアンテナ装置1を説明する。本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1と同様の構成を備えているが、以下の点で主に異なる。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jでは、1つ以上の配線64,74の長手方向における、第2の貫通孔66,76側の1つ以上の配線64,74の端部上には、はんだ層120が設けられている。本実施の形態のはんだ層120は、実施の形態8のはんだ層120と基本的に同様である。1つ以上の配線64,74の長手方向における、第1の貫通孔65,75側の1つ以上の配線64,74の端部上に、第1の異方性導電部材68が設けられている。
1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jは、1つ以上の配線64,74上に設けられた堰部133をさらに含んでもよい。堰部133は、第1の異方性導電部材68とはんだ層120との間に配置されている。堰部133は、はんだ層120を第1の異方性導電部材68から分離する。堰部133は、例えば、20μm以上50μm以下の高さを有してもよい。堰部133は、例えば、ソルダーレジストから構成されてもよい。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jは、第1の異方性導電部材68を介して、第2の主面10sに接着されている。1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jは、1つ以上の配線64,74上に設けられたはんだ層120を介して、第4の主面35s,36sに接着されている。はんだ層120は、1つ以上の配線64,74のうち、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sに対向する部分上には設けられているが、1つ以上の配線64,74のうち、配線基板10の第2の主面10sに対向する部分上には設けられていない。はんだ層120は、1つ以上の配線64,74のうち、第2の導電パッド50に対向する部分上に設けられているが、1つ以上の配線64,74のうち、第1の導電パッド30に対向する部分上には設けられていない。
第1の異方性導電部材68は、1つ以上の配線64,74のうち、配線基板10の第2の主面10sに対向する部分上には設けられているが、1つ以上の配線64,74のうち、1つ以上の第1の外部回路基板35,36の第4の主面35s,36sに対向する部分上には設けられていない。第1の異方性導電部材68は、1つ以上の配線64,74のうち、第1の導電パッド30に対向する部分上に設けられているが、1つ以上の配線64,74のうち、第2の導電パッド50に対向する部分上には設けられていない。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1は、実施の形態1のアレイアンテナ装置1の効果に加えて、以下の効果を主に奏する。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jは、第1の異方性導電部材68を介して、第2の主面10sに接着されている。1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jは、1つ以上の配線64,74上に設けられたはんだ層120を介して、第4の主面35s,36sに接着されている。
本実施の形態のアレイアンテナ装置1では、実施の形態1の第2の異方性導電部材69に代えて、はんだ層120を用いて、1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jが1つ以上の第1の外部回路基板35,36に固定される。本実施の形態のはんだ層120は、実施の形態1の第2の異方性導電部材69よりも、1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jを1つ以上の第1の外部回路基板35,36に固定するのに要する時間を短縮することができる。これに対し、実施の形態1の第2の異方性導電部材69は第1の異方性導電部材68より厚い。そのため、実施の形態1の第2の異方性導電部材69を用いて1つ以上のフレキシブルプリント基板60j,70jを1つ以上の第1の外部回路基板35,36に固定することには多くの時間を要する。
今回開示された実施の形態1−10はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1−10の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本発明の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。