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JPWO2012018127A1 - 膵島と脂肪組織由来幹細胞を利用した膵島移植 - Google Patents

膵島と脂肪組織由来幹細胞を利用した膵島移植 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、膵島移植後の膵島の生着率を高め、また膵島の生存を維持し、更には血糖値の正常化に要する移植膵島数の減量をも可能にする膵島移植技術を提供することである。膵島移植時に、膵島と脂肪組織由来幹細胞を共に移植することによって、移植された膵島の生着率を顕著に向上させ、血糖値の正常化に要する移植膵島数を半減できる。

Description

本発明は、膵島移植時の膵島生着率を高める膵島移植生着改善剤、及び分離した膵島の生存を維持する生存維持剤に関する。また、本発明は、当該膵島移植生着改善剤を利用した膵島移植用生物製剤及び膵島移植用キットに関する。更に、本発明は、膵島と脂肪組織由来幹細胞との複合体に関する。
糖尿病は、代表的な生活習慣病であり、症状が悪化すると、網膜症、腎症、神経障害等の合併症を誘発するリスクを高め、脳卒中、虚血性心疾患の発症や症状を臓悪させ、患者のQOL(Quality of Life)及び生命予後を著しく低下させる。糖尿病は、子供や若年者より発症するI型糖尿病と、成人に発症するII型糖尿病に分類される。I型糖尿病は、血糖降下ホルモンであるインスリン産生細胞(膵臓のランゲルハンス島β細胞)が完全に破壊されることに起因しており、その結果、血糖値が乱高下し、さまざまな障害を引き起こすことが知られている。従来、I型糖尿病の治療は、インスリンを投与するインスリン強化療法に依存している。しかしながら、インスリン投与のみでは血糖を安定して管理することは困難であり、時として、重篤な意識変容状態を伴う急性低血糖発作のリスクを増加させることがある。更に、インスリン投与は、I型糖尿病に対しては、あくまで対症療法でしかなく、根本的治療法とはなりえないという問題点もある。
そこで、近年、I型糖尿病の根本療法として、ドナーの膵臓から膵島を取り出して移植する膵島移植が注目されている。膵島移植によって患者の門脈に注入された膵島は、肝臓に入ると、肝臓内に張り巡らされた門脈の中に生着してインスリンを分泌するようになり、I型糖尿病を根本から治癒させることが可能になる。膵島移植は、ランゲルハンス島(膵島)を点滴輸注することによって行われるので、開腹手術を必要とせず、また膵液処理も不要であるため、一般的な臓器移植である脳死下膵臓移植に比べて、安全性が高く、患者への負担が極めて少ないというメリットがある。
一方、膵島移植では、移植された膵島の生着率が低く、1人のドナーから得られた膵島の移植だけでは不十分であるという問題点がある。そのため、従来の膵島移植では、1人のレシピエントに対して、複数のドナーが必要となっている。また、分離された膵島は、生体外では数日で死滅してしまうため、ドナーから摘出された膵島は直ぐに移植しなければならない。更に、従来の膵島移植では、移植後5年の遠隔期では、インスリン離脱率(インスリン投与が不要なレシピエントの割合)が約10%にまで低下するのが現状であった。このように、移植膵島の生着率の低さ、移植に必要な膵島の量の多さ、インスリン離脱率の低さ等が要因となって、膵島移植は、臓器移植である高侵襲な膵臓移植に比べて、長期成績は及ばないという問題点があった。
近年、膵島移植による膵島の生着率を高める技術として、移植する膵島を骨髄由来間葉系幹細胞(bone marrow derived-mesenchymal stem cell : BMSC)と混合して混合移植する手法が提案されている(非特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、(1)混合移植時に免疫抑制剤が投与されている、(2)混合するBMSCの数が多い、(3)移植している部位は大網を用いた袋を作成しそこに大量の膵島+BMSCを移植しているため、実際の膵島移植による効果を評価できていない、(4)同種移植系での投与される膵島の量が減量できていない、等の欠点がある。
また、膵島移植時に、移植される膵島の量を低減することや、摘出された膵島をより長期間生きた状態で培養することができれば、1人のドナーから得られた膵島を複数のレシピエントに移植することが可能となり、膵島移植が急速に広まり、糖尿病治療に大きく貢献できると期待されるが、このような技術を確立できていないのが現状である。
Mario G. Solari et al., Journal of Autoimmunity, 32(2009), 116-124
本発明は、膵島移植後の膵島の生着率を高めること、生体から分離した膵島を長期間生きた状態で培養すること、更には血糖値の正常化に要する移植膵島数の減量をも可能にする膵島移植技術を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、驚くべきことに、膵島移植時に、膵島と脂肪組織由来幹細胞(ADSC: Adipose-tissue derived stem cell)を共に同時移植(Hybrid transplantation)することによって、移植された膵島の生着率を顕著に向上させることができることを見出した。また、膵島と脂肪組織由来幹細胞の同時移植は、血糖値の正常化に要する移植膵島数を約半分程度にまで減量できることを見出した。これらの知見に基づいて更なる検討と改良を重ねた結果、本発明者等は、膵島と脂肪組織由来幹細胞とを予め共培養することにより、膵島のin vitroでの生存期間が飛躍的に延びることを確認し、更に、そのような共培養によって膵島の周りに脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体(コンポジット・グラフト)が形成されることを発見し、当該複合体を門脈内注入することによって、脂肪組織由来幹細胞と膵島とが共存する状態で膵島を肝臓の門脈末梢に到達させ、高い生着率で生着させることが可能であることを見出した。
本発明は、以上の知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.脂肪組織由来幹細胞を含有する、膵島移植の生着改善剤。
項2.脂肪組織由来幹細胞がヒト由来である、項1に記載の膵島移植の生着改善剤。
項3.脂肪組織由来幹細胞と膵島を含有する、膵島移植用生物製剤。
項4.脂肪組織由来幹細胞及び膵島がヒト由来である、項3に記載の膵島移植用生物製剤。
項5.脂肪組織由来幹細胞を含有する第1細胞製剤と、膵島を含有する第2細胞製剤とを含む、膵島移植用キット。
項6.脂肪組織由来幹細胞及び膵島がヒト由来である、項5に記載の膵島移植用キット。
項7.脂肪組織由来幹細胞を含有する、膵島の生存維持剤。
項8.脂肪組織由来幹細胞がヒト由来である、項7に記載の生存維持剤。
項9.脂肪組織由来幹細胞の存在下で膵島を培養することを含む、膵島の培養方法。
項10.脂肪組織由来幹細胞及び膵島がヒト由来である、項9に記載の培養方法。
項11.膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体。
項12.膵島が脂肪組織由来幹細胞で覆われている、項11に記載の複合体。
項13.膵島及び脂肪組織由来幹細胞がヒト由来である、項11又は12に記載の複合体。
項14.糖尿病の治療が必要な患者に、膵島と脂肪組織由来幹細胞を同時に投与することを含む、膵島移植方法。
項15.糖尿病の治療が必要な患者に、項11〜13のいずれかに記載の複合体を投与することを含む、糖尿病の治療方法。
項16.脂肪組織由来幹細胞と膵島とを共培養することを含む、項11〜13のいずれかに記載の複合体の製造方法。
項17.脂肪組織由来幹細胞と膵島とを共培養することを含む、膵島の生存を維持する方法。
項18.以下の(A)及び(B)を含む糖尿病の治療方法:
(A) 膵島と脂肪組織由来幹細胞とを共培養して膵島と脂肪組織由来幹細胞の複合体を形成すること、
(B) 複合体を糖尿病の治療が必要な患者に投与すること。
本発明によれば、脂肪組織由来幹細胞と膵島とを混合して同時移植すること、又は、脂肪組織由来幹細胞と膵島との複合体を膵島移植に使用することにより、膵島の生着率を高めることができるので、移植に必要な膵島の量及び移植回数を減じて、膵島移植による糖尿病の効果的に治療することができる。
本発明によれば、移植に要する膵島数を減じることができるので、1人のドナーから得られた膵島を複数のレシピエントに移植することが可能になり、膵島のドナー不足を改善し、更には膵島移植を一般医療に広める画期的な技術が提供される。
本発明によれば、生体から分離した膵島を脂肪組織由来幹細胞と共培養することにより、膵島の生存を維持すること(即ち、膵島の死滅を抑制すること)ができる。よって、ドナーから摘出して膵島をより長期間膵島移植に使用可能な状態で保管することが可能となるため、一人のドナーから摘出した膵島をより適したレシピエントに移植することが可能となる。また、膵島をin vitroでinsulin分泌能を保持した状態で安定に培養できるため、膵島移植際にレシピエントに予め免疫抑制剤を投与することも可能となる。
脂肪組織由来幹細胞と膵島を同時に移植したマウス(実施例1)、及び膵島を単独で移植したマウス(比較例1)について、膵島移植後の血糖値を経時的に測定した結果である。 脂肪組織由来幹細胞と膵島を同時に移植したマウス(実施例1)について、膵島移植10日後に、膵島組織を摘出し、HE染色により膵島組織を観察した結果である。図中、バーの長さは、200μmである。 脂肪組織由来幹細胞と膵島を同時に移植したマウス(実施例1)、及び膵島を単独で移植したマウス(比較例1)について、膵島移植10日後に、腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT)を行った結果である。 膵島と脂肪組織由来幹細胞を共培養する前後の状態を示す。左上の写真は、膵島単独の培養前の状態を示す。左下の写真は、脂肪組織由来幹細胞の存在しない状態で培養した膵島を示す。右上の写真は、膵島と脂肪組織由来幹細胞を培地に添加した後培養をする前の状態を示す。右下の写真は、膵島と脂肪組織由来幹細胞を共培養した後の状態を示す。 単独で培養した膵島及び膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体のグルコース反応性を示す。
I.膵島移植の生着改善剤
本発明の生着改善剤は、脂肪組織由来幹細胞を含有することを特徴とする。
本発明において、脂肪組織由来幹細胞とは、哺乳動物の脂肪組織内に存在する多能性体性幹細胞をいう。当該脂肪組織由来幹細胞には、多分化能を維持していることを限度として、当該体性幹細胞の培養(継代培養を含む)により得られる培養細胞も包含されるため、iPS(Induced Pluripotent Stem)化したADSCも含まれる。
脂肪組織由来幹細胞の採取源となる脂肪組織は、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等の哺乳動物から、切除、吸引等の公知の方法で採取することができる。本発明の生着改善剤の免疫拒絶を抑制するという観点から、脂肪組織が採取される個体は、好ましくは、本発明の膵島移植補助剤が適用されるレシピエントと同種の個体、更に好ましくは当該レシピエントと同一の個体が挙げられる。即ち、本発明の生着改善剤をヒトに適用する場合、脂肪組織由来幹細胞の由来となる脂肪組織は、好ましくはヒトであり、更に好ましくはレシピエントと同一のヒトである。
脂肪組織由来幹細胞の採取源となる脂肪組織の種類については、特に制限されるものではなく、例えば、皮下脂肪、内臓脂肪(大網を含む)、筋肉内脂肪、筋肉間脂肪等が挙げられる。これらの脂肪組織のうち、1種の脂肪組織を脂肪組織由来幹細胞の採取源として使用してもよく、また2種以上の脂肪組織を組み合わせて脂肪組織由来幹細胞の採取源として使用してもよい。脂肪組織の採取の際のドナーの負担軽減の観点から、脂肪組織由来幹細胞の採取源となる脂肪組織として、好ましくは皮下脂肪が挙げられる。また、脂肪組織中の幹細胞が生存していることを限度として、脂肪組織が採取される哺乳動物の生死の別は問わない。
脂肪組織から幹細胞の採取は、公知の方法で実施される。具体的には、以下の(1)〜(6)の工程を経て脂肪組織から幹細胞を採取する方法が例示される。
(1)採取された組織を、必要に応じて血液成分の除去及び細片化等の処理に供した後、コラーゲナーゼ、トリプシン等の酵素によって消化する。
(2)酵素消化後の細胞集団を1800rpmで5分間程度遠心分離を行い、沈降した細胞集団を回収する。
(3)沈降した細胞集団に対して、前記(2)と同条件で遠心分離を3回繰り返した後に、沈降した細胞集団を回収する。この操作によって成熟脂肪細胞が除去される。
(4)回収された細胞集団を、新鮮な培地を含む培養皿に播種して培養する。
(5)培地交換によって浮遊細胞を除去する。この時点で脂肪組織由来幹細胞は培養皿に接着している。
(6)必要に応じて継代培養を行う。
脂肪組織から採取された幹細胞については、必要に応じて、分化能や細胞表面マーカーを確認することにより、多能性幹細胞としての機能を有していることを確認してもよい。
本発明において、脂肪組織由来幹細胞は膵島移植の生着改善剤として使用される。よって、膵島移植の生着改善剤とは、移植される膵島の生着率を高めるために、移植される膵島と共に移植される細胞製剤であり得る。
膵島とは、ランゲルハンス島とも呼ばれ、通常100〜200μmの大きさの細胞群(塊)であり、グルカゴンを分泌するA細胞、インスリンを分泌するβ細胞、イソマトスタチンを分泌するD細胞、及びパンクレアティックポリペプチドを分泌するPP細胞を主要構成細胞とする。移植される膵島の由来(ドナー)については、レシピエントと同一種の哺乳動物であればよく、例えばレシピエントがヒトであれば、ヒト由来の膵島が使用される。
移植される膵島は、膵臓から公知の方法で単離される。膵島の単離源として使用される膵臓の摘出は、ドナーの種類に応じて適宜設定される。例えば、ドナーがマウスであれば、心停止下のマウスの全膵臓を摘出して使用し、ドナーがヒトである場合、心停止ドナーであれば全膵臓を摘出してグラフトとし、またドナーが生体であれば膵臓の50〜70%程度を切除して摘出すればよい。本発明の生着改善剤は、心停止ドナーからの膵島の移植時、及び生体ドナーからの膵島の移植時に好適に使用される。
また、膵臓から膵島を単離する方法としては、具体的には、ドナーがマウスであれば以下の(i)〜(iii)の工程を経る方法が例示される。また、ドナーがヒトであれば、公知のRicordi法に準ずる方法が例示される。
(i)膵臓に、コラーゲナーゼ等の酵素を満遍なく浸透させて膨潤化させる。本工程では、酵素反応を進行させないために、4〜6℃程度の低温条件で行うことが望ましい。
(ii)膨潤化した膵臓を酵素反応によって消化する。酵素反応による消化は、酵素反応が可能な温度(例えば、37℃程度)条件下に膨潤化した膵臓を晒すことによって行われる。膨潤化した膵臓に対して、酵素による消化と共に、必要に応じて、振動等による機械的な分解を行ってもよい。
(iii)密度勾配遠心法により、酵素消化により得られた細胞集団から膵島を分離する。密度勾配遠心法において、膵島が得られる区画は、遠心分離の回転速度、比重液の種類等に応じて、適宜決定される。
単離された膵島は、必要に応じて、適切な保存液中で保管することができる。好ましくは上述する本発明の膵島の生存維持剤(即ち、上記脂肪組織由来幹細胞)と共に培養して保管することが好ましい。そうすることにより、単離された膵島をより長期間生きた状態で維持することができる。
本発明の生着改善剤は、脂肪組織由来幹細胞以外に、薬学的に許容でき、且つ脂肪組織由来幹細胞に悪影響を与えない担体が含まれていてもよい。このような担体としては、具体的には、生理食塩水、PBS、培地、アルブミンを含むタンパク製剤、膵島保存溶液等が例示される。
本発明の生着改善剤の投与量については、移植経路、膵島との複合体形成の有無、移植される膵島の量、レシピエントの症状の程度等に応じて適宜設定される。例えば、体重50kgのレシピエントに対して、膵島と複合体を形成していない状態の生着改善剤を、腎被膜下、大網内、又は皮下組織に膵島と同時混合注入する場合、1回の膵島移植当たりの投与量は、例えば5.0×107〜1.0×109 cells、好ましくは1.0×108〜5.0×108 cellsが例示される。体重50kgのレシピエントに対して、膵島と脂肪組織由来幹細胞との複合体の状態で、本発明の生着改善剤が門脈内に投与される場合、1回の膵島移植当たりの投与量は、例えば、1.0×108〜2.0×109 cells、好ましくは5.0×108〜1.0×109cellsが例示される。よって、本発明の生着改善剤には、一回の膵島移植の量が上記の範囲になるような数の脂肪組織由来幹細胞を含めることができる。
本発明の生着改善剤の投与量と、移植される膵島の比率についても、移植経路、移植される膵島の量、レシピエントの症状の程度等に応じて適宜設定される。例えば、生着改善剤である脂肪組織由来幹細胞を、後述する膵島と複合体を形成していない状態で、腎被膜下、大網内又は皮下組織に膵島と同時混合注入する場合、生着改善剤に含まれる脂肪組織由来幹細胞数に対する移植される膵島数の割合として、脂肪組織由来幹細胞数:膵島=400:1〜3000:1、500:1〜2000:1、好ましくは600:1〜1500:1が例示される。また、生着改善剤である脂肪組織由来幹細胞を膵島との複合体の状態で門脈に注入する場合は、生着改善剤に含まれる脂肪組織由来幹細胞数に対する移植される膵島数の割合として、脂肪組織由来幹細胞数:膵島=500:1〜3500:1、1000:1〜3000:1、好ましくは1500:1〜2500:1が例示される。通常膵島は、約1000〜2000の膵島細胞から成るため、これをもとに細胞ベースでの比率を求めることが可能である。
本発明の生着改善剤と共に移植される膵島の量については、レシピエントの症状の程度等に応じて適宜設定される。一般的には、体重50kgのレシピエントに対して、1回の膵島移植当たりの移植膵島数が通常5.0×104〜1.0×107個の範囲であればよい。但し、本発明の生着改善剤の使用によって、膵島の生着率が高められるので、50kgの成人患者に対する1回当たりの移植膵島数が1×105〜2×106個、好ましくは5×105〜1.5×106個、更に好ましくは1×106〜1.5×106個にまで移植膵島数を減じても、十分なインスリン離脱が可能になる。このような移植膵島数であれば、1人のドナーから得られた膵島を複数人のレシピエントに移植することが可能になる。
本発明の生着改善剤は、移植される膵島と共に投与される限り、その投与態様については特に制限されず、当該生着改善剤と膵島を混合した状態で投与してもよく、膵島の投与前又は後に、当該生着改善剤を単独で投与してもよい。膵島の生着を一層向上させるという観点から、当該生着改善剤と膵島を混合した状態で投与、即ち、脂肪組織由来幹細胞と膵島が混合された細胞製剤が移植されることが望ましく、後述する膵島と脂肪組織由来幹細胞とが接着した複合体として投与することがより望ましい。
本発明の生着改善剤の投与経路は、膵島の生着を促進・改善することが可能である限り特に制限されず、門脈等の血中への直接注入(移植)や、腎被膜下、大網内又は皮下組織等の非血中組織内に移植することができる。本発明の生着改善剤を、後述する膵島と脂肪組織由来幹細胞との複合体として投与する場合は、門脈等の血中への注入が好ましく、膵島とは分離した状態で投与する場合は、腎被膜下、大網内、又は皮下組織へ膵島と脂肪組織由来幹細胞を同時混合注入することが好ましい。
本発明の生着改善剤は、膵島機能が低下又は損失されている患者(レシピエント)、例えば、I型糖尿病等の膵島移植が必要とされる患者に対して投与されるが、II型糖尿病(ブリットルタイプ)等の患者への適用も期待でき、更には糖尿病患者全体への適用にもその有効性が期待される。好ましくは、膵島移植を必要とするI型糖尿病患者である。
II.膵島移植用生物製剤
本発明の膵島移植用生物製剤は、上記生着改善剤と、移植される膵島とを含むことを特徴とする。
本発明の膵島移植用生物製剤は、上記脂肪組織由来幹細胞と、移植される膵島が混合されており、これらの細胞が混合された状態で同時移植できる生物製剤であり得る。また、本発明の膵島移植用生物製剤は、後述する膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体(以下、「コンポジットグラフト」と称する場合もある)を含む膵島移植用生物製剤であっても良い。
本発明の膵島移植用生物製剤は、脂肪組織由来幹細胞及び移植される膵島、或いは、上記複合体以外に、薬学的に許容でき、且つこれらの細胞に悪影響を与えない担体が含まれていてもよい。このような担体としては、具体的には、生理食塩水、PBS、培地、アルブミンなどのタンパク製剤、膵島保存溶液等が例示される。
本発明の膵島移植用生物製剤において、脂肪組織由来幹細胞及び膵島の投与(移植量)量、これらの細胞の比率、当該生物製剤の投与方法、当該生物製剤が投与される患者等については、上記「I.膵島移植の生着改善剤」と同様である。
III.膵島移植用キット
本発明の膵島移植用キットは、上記生着改善剤からなる第1細胞製剤と、移植される膵島を含む第2細胞製剤とを含むことを特徴とする。
上記第1細胞製剤は、脂肪組織由来幹細胞を含む細胞製剤であり、脂肪組織由来幹細胞以外に、薬学的に許容でき、且つ脂肪組織由来幹細胞に悪影響を与えない担体が含まれていてもよい。このような担体としては、具体的には、生理食塩水、アルブミンなどのタンパク製剤、PBS、培地等が例示される。
上記第2細胞製剤は、移植される膵島を含む細胞製剤であり、膵島以外に、薬学的に許容でき、且つ膵島に悪影響を与えない担体が含まれていてもよい。このような担体としては、具体的には、生理食塩水、PBS、培地、アルブミンなどのタンパク製剤、膵島保存用液等が例示される。
本発明の膵島移植用キットにおいて、上記第1細胞製剤と上記第2細胞製剤は各々別個に含まれており、第1細胞製剤と第2細胞製剤をそれぞれ個別に投与してもよく、第1細胞製剤と第2細胞製剤を予め混合した後に投与してもよい。第1細胞製剤と第2細胞製剤をそれぞれ個別に投与する場合、第1細胞製剤の投与後に第2細胞製剤を投与しても、また第2細胞製剤の投与後に第1細胞製剤を投与してもよい。
上記第1細胞製剤において、脂肪組織由来幹細胞の投与(移植量)量、当該第1細胞製剤の投与方法等については、上記「I.膵島移植の生着改善剤」と同様である。当該キットは、後述する膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体を製造するためのキットとすることも利用可能である。
また、上記第1細胞製剤に含まれる脂肪組織由来幹細胞と、上記第2細胞製剤に含まれる膵島の比率についても、上記「I.膵島移植の生着改善剤」と同様である。更に、本発明の膵島移植用キットが適用される患者についても、上記「I.膵島移植の生着改善剤」と同様である。
IV.膵島の生存維持剤
本発明の膵島の生存維持剤は脂肪組織由来幹細胞を含有する。当該膵島の生存維持剤に含まれる脂肪組織由来幹細胞は、上記「I.膵島移植の生着改善剤」で説明した脂肪組織由来幹細胞と同一である。本発明の生存維持剤でその生存が維持される膵島は、特に制限されず、上記「I.膵島移植の生着改善剤」で説明した膵島と同一である。
本発明の膵島の生存維持剤を用いて生体から分離された膵島を培養することによって、生存維持剤が存在しない場合と比較して膵島生存を維持すること(即ち、膵島が死滅することを抑制すること)ができる。例えば、マウス由来の膵島は、通常、生体からの分離後2、3日の培養でアポトーシスにより死滅するが、本発明の膵島の生存維持剤を利用することにより、生体からの分離後6日以上その生存を維持させることができる。ここで、膵島の生存とは、膵島が膵島移植に適した状態で生きていることを意味する。膵島が膵島移植に適した状態で生存しているか否かは、例えば、顕微鏡で観察される形状やグルコースによる刺激を受けてインスリンを産生する能力により判定することが可能である。
本発明の膵島の生存維持剤を用いた膵島の培養は、膵島の生存が維持される限り特に制限されないが、通常は、膵島の培養に適した条件下で膵島と生存維持剤である脂肪組織由来幹細胞とを共培養することで実施される。培養条件は、膵島の培養に適している限り特に制限されないが、例えば、15〜25%O2及び3〜6%CO2の存在下、37℃付近の温度で市販される培地(例えばDMEM培地)を用いて培養することができる。
培養には、膵島の培養に通常用いられる市販のマイクロウェルプレートを適宜選択して使用することができるが、好ましくは、細胞が容器に接着に難いようにプレートの表面が加工されているものが使用される。そのようなプレートとしては、例えば、表面がEDTAやヘパリン等でコーティングされたプレート(例えば、Sigma Aldrich社のCorning Ultra-low attachment multiwell plates)を挙げることができる。細胞の容器表面への付着が抑制されたプレートないし容器を使用することにより、培養中に膵島と脂肪組織由来幹細胞が遊離し、脂肪組織由来幹細胞が膵島に付着することを促進させることが可能となる。
本発明の膵島の生存維持剤を用いて膵島を培養する場合の生存維持剤(即ち、脂肪組織由来幹細胞)と膵島との存在比は特に制限されないが、例えば、脂肪組織由来幹細胞数:膵島が、通常500:1〜3500:1、1000:1〜3000:1、好ましくは1500:1〜2500:1となるようにすることが例示される。また、培地1ml中に存在する膵島の数も特に制限されないが、例えば、1ml当たり5〜30個、好ましくは10〜25個、より好ましくは12〜20個とすることができる。
本発明の膵島の生存維持剤は、脂肪組織由来幹細胞以外に、薬学的に許容でき、且つ脂肪組織由来幹細胞に悪影響を与えない担体が含まれていてもよい。このような担体としては、具体的には、生理食塩水、PBS、培地、アルブミンを含むタンパク製剤、膵島保存溶液等が例示される。
V.膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体
本発明は、膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体(コンポジットグラフト)である。尚、当該複合体を構成する膵島及び脂肪組織由来幹細胞は、上記「I.膵島移植の生着改善剤」で説明したものと同一である。
当該複合体は、膵島に脂肪組織由来幹細胞が直接付着している限り、その構造は特に制限されないが、好ましくは膵島の少なくとも一部が脂肪組織由来幹細胞で覆われた構造を有する。より好ましくは、顕微鏡で観察した際に膵島の表面の30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、より更に好ましくは70%以上、一層好ましくは80%以上、より一層好ましくは90%以上が脂肪組織由来幹細胞で覆われており、特に好ましくは膵島の表面全体が脂肪組織由来幹細胞で覆われている。このようにより多くの部分が脂肪組織由来幹細胞に覆われていることにより、脂肪組織由来幹細胞による生着改善効果及び生存維持効果が相乗的に発揮されると考えられる。
図4に示されるように、膵島は通常球形をしており、膵島の表面全体が脂肪組織由来幹細胞で覆われているとは、図4の右下写真のように球状の膵島が脂肪組織由来幹細胞の層で包まれている状態を意味する。尚、図4の右下の写真のカラーバージョンでは、GFPによって緑に光る脂肪組織由来幹細胞が完全に膵島を覆っていることが明らかである。
1個の複合体を構成する膵島と脂肪組織由来幹細胞の数の比率は特に制限されないが、通常、図4の右下の写真に示されるように、1個の膵島が多数の脂肪組織由来幹細胞によって覆われた構造を有する。1個の膵島に付着する脂肪組織由来幹細胞の数は、特に制限されないが、通常、10個以上であり、好ましくは20個以上、より好ましくは30個以上、更に好ましくは40個以上、より更に好ましくは50個以上が例示される。また、1個の膵島に付着する脂肪組織由来幹細胞の数にも特に制限はないが、全体が覆われる数を想定すると、通常5000個以下であり、好ましくは4500個以下、より好ましくは3000個以下、更に好ましくは2500個以下が例示される。
本発明の複合体は、膵島と脂肪組織由来幹細胞とが密接して存在することにより、脂肪組織由来幹細胞による膵島移植の生着改善効果及び膵島の生存維持効果をより効果的に発揮することができる。即ち、脂肪組織由来幹細胞によって膵島移植の生着率を向上させるためには、膵島が生着する場所に脂肪組織由来幹細胞が存在すること、及び膵島が生きていることが好ましいところ、複合体は膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着しているため、複合体を形成する膵島が生着する場所には必然的に脂肪組織由来幹細胞が存在し、膵島の生着を促進し、膵島の死滅を抑制するためである。
本発明の複合体は、脂肪組織由来幹細胞の存在による膵島の生着促進作用又は膵島の生存維持作用が阻害されないことを限度として、他の細胞、タンパク質、糖等が更に複合体に付着していてもよい。
膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体の製造方法は特に制限されないが、例えば、膵島と脂肪組織由来幹細胞とを共培養することによって得ることができる。膵島と脂肪組織由来幹細胞との共培養は、上記「IV.膵島の生存維持剤」で説明した条件で行うことができる。培養時間は、複合体が形成される限り特に制限されないが、通常は、10〜48時間であり、好ましくは18〜48時間、より好ましくは24〜36時間である。
複合体を形成するために培地に添加する膵島及び脂肪組織由来幹細胞の数の比率は特に制限されず、通常、膵島:脂肪組織由来幹細胞=1:10〜5000であり、好ましくは1:100〜4500、より好ましくは1:300〜4000、更に好ましくは1:500〜3500、より更に好ましくは1:800〜3000である。
VI.糖尿病の治療方法及び膵島移植方法
本発明は、糖尿病の治療が必要な患者に膵島と脂肪組織由来幹細胞とを同時に投与し、膵島移植をすることによって、糖尿病を治療する方法である。患者は、糖尿病の治療を必要とする者であれば特に制限されず、I型糖尿病患者やII型糖尿病患者等が挙げられるが、より好ましくは糖尿病の治療のために膵島移植を必要とするI型糖尿病患者である。
膵島と脂肪組織由来細胞とを同時に投与するとは、一回の膵島移植手術において、これらの両方を投与することを意味する。よって、同時投与には、膵島と脂肪組織由来幹細胞とを混合して投与する場合だけでなく、膵島と脂肪組織由来幹細胞のいずれか一方を先に投与して他方を後で投与することも含まれる。更に、同時投与には上記複合体の投与も含まれる。好ましくは、複合体の投与である。
膵島と脂肪組織由来幹細胞の投与経路は、膵島の生着を促進・改善することが可能である限り特に制限されず、例えば、門脈等の血中への注入や、腎被膜下、大網内又は皮下組織等の非血中組織へ直接注入することできる。本発明の生着改善剤を、後述する膵島と脂肪組織由来幹細胞との複合体として投与する場合は、門脈等の血中への注入が好ましく、膵島とは分離した状態で投与する場合は、腎被膜下、大網内、又は皮下組織へ注入することが好ましい。
膵島と脂肪組織由来細胞とを連続的に又は混合状態で投与する場合のそれぞれの1回の膵島移植当たりの投与量は、上記I.〜III.に説明する通りである。複合体の状態で投与する場合の投与量も、治療効果が得られる限り特に制限はない。例えば、1回の膵島移植当たりに投与される複合体の数は、体重50kgのレシピエントに門脈投与する場合、通常5.0×104〜1.0×106個の範囲であればよい。但し、本発明の生着改善剤の使用によって、膵島の生着率が高められるので、50kgの成人患者に対する1回当たりの移植複合体の数が1×105〜2×106個、好ましくは5×105〜1.5×106個、更に好ましくは1×106〜1.5×106個にまで移植膵島数を減じても、十分なインスリン離脱が可能になる。このような移植膵島数であれば、1人のドナーから得られた膵島を複数人のレシピエントに移植することが可能になる。
以下、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1 脂肪組織由来幹細胞と膵島の同時移植
1.脂肪組織由来幹細胞の採取
以下の手順に従って、マウスから脂肪組織由来幹細胞を採取した。
(1) C57BL/6Jマウス(日本クレア株式会社)に麻酔をかけ、消毒液をかけた後にカミソリで剃毛した。
(2)マウスから脂肪組織(皮下脂肪組織と内臓脂肪組織)を摘出し、重量を測定した後に、抗生剤(Antibiotic Antimycotic Solution (100X);Sigma; A5955-100ML)を含むPBS(phosphate buffered saline)20mlを収容した50mlチューブに入れた。
(3) 50mlチューブ内で脂肪組織を混和することにより洗浄した。抗生剤を含むPBSを換えて、この洗浄操作を3回繰り返した。
(4)コラーゲナーゼ(type II)(コラーゲナーゼ Sigma C6885-500MG)10mg、及び抗生剤(Antibiotic Antimycotic Solution (100X);Sigma; A5955-100ML)100μlを含むDMEM (high glucose)培地10mlに、洗浄後の脂肪組織を入れて、脂肪組織をハサミで細切した後に、37℃で30分間、振動等による機械的な分解を加えつつインキュベートした。
(5)コラーゲナーゼ処理された脂肪組織を、ハサミで再度細切して、37℃で30分間、振動等による機械的な分解を加えつつインキュベートした。
(6)コラーゲナーゼ処理後の脂肪組織を含む溶液を1mmストレーナーで濾過し、濾液を回収した。
(7)濾液を1800rpmで5分間遠心分離し、上清を除去した。
(8)沈殿している細胞集団に、10容量%FBS(Fetal bovine serum)、1容量%抗生剤(Antibiotic Antimycotic Solution (100X);Sigma; A5955-100ML)及び0.2mM L-アスコルビン酸を含むDMEM (high glucose)培地(以下、培養用培地)10mlを加え、穏やかに撹拌した後に、70μmセルストレーナーにて濾過して、濾液を回収した。更に、回収した濾液を1800rpmで5分間遠心分離し、上清を除去した。この操作を3回繰り返した。この操作によって、成熟した脂肪細胞は、培地中に浮遊しているため、除去されている。
(9)回収された細胞集団を、10cmディッシュ中の培養用培地に入れて、37℃、20%O2、5%CO2の条件下で培養した。
(10)翌日、培養上清を除去して、新鮮な培養用培地を加え、引き続き培養を行った。2〜4日後に、脂肪組織由来幹細胞でサブコンフルエントの状態になった。
2.膵島の分離
以下の手順に従って、マウスから膵島を採取した。
(1) 1mg/mlのコラーゲナーゼtypeVIII/ET-Kyoto溶液(膨潤化用溶液)を、BALB/cAドナーマウス(日本クレア株式会社)1匹当たり5ml準備した。膨潤化用溶液は、失活予防のため、氷冷保存しておいた。
(2)ドナーマウスの腹腔内に、2.5%のトリブロモエタノール(商品名アバーチン)8μl/g-体重を投与して麻酔した。
(3)ドナーマウスを開腹し、総胆管を剥離して、膨潤化用溶液入りシリンジ付きの30G針を、肝門部にて十二指腸向きに総胆管内にカニュレーションし、3〜5ml注入した。この際、脾門部まで十分に膨潤化させた。
(4)膨潤化した膵臓を切離し、50mlのコニカルチューブに回収して、氷冷した。1本のコニカルチューブには、ドナーマウス1〜2匹分を収容した。
(5)予め37℃に保温した温浴槽に、膨潤化した膵臓入りの50mlコニカルチューブを入れ、15分間、ゆっくりシャッフルして消化した。
(6)15分間の消化後、冷ET-Kyotoを30ml加えて、25mlピペットでゆっくりピペッティングして消化された膨潤化膵臓をほぐした。その後、冷ET-Kyotoを50mlコニカルチューブいっぱいまで加えて、消化反応を停止させた。
(7) 1200rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。次いで、上清を除去した後に、冷ET-Kyoto液を30ml加えて、25mlピペットでゆっくりピペッティングして十分にほぐした。
(8)組織をほぐした溶液を1mmセルストレーナーで濾過し、濾液を回収した。
(9)濾液に対して1200rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。上清を除去し、ドナーマウス1匹分あたり冷ET-Kyoto10mlずつ加え、25mlピペットでゆっくりピペッティングした後、チューブ(FALCON round bottom tube)に1匹分ずつ移した。
(10) 1200rpm、4℃で2分間遠心分離を行った。次いで、上清を除去した後に、25容積%OptiPrep(iodixanol)/ET-Kyoto溶液を2ml加えて撹拌を行った。その後、チューブ内に、25容積% OptiPrep(iodixanol)/ET-Kyoto溶液を更に2ml加えて撹拌を行った。
(11)22.5容積%、20容積%、11.1容積%のOptiPrep/ET/Kyoto溶液を2mlずつ、チューブを回しながら、極めてゆっくり加えて、チューブ内で重層させた。
(12)2500rpm、4℃で15分間遠心分離を行った。
(13)上記(12)の操作によって20容積% のOptiPrep/ET/Kyoto溶液と11.1容積%のOptiPrep/ET/Kyoto溶液の間の層に局在化された膵島を回収して、15mlチューブに収容した。
(14)800rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、RPMIのcomplete culture mediumを入れたディッシュに膵島を移した。
3.マウスへの膵島移植
(1)分離した膵島を、直径3.5cmのdishに入れ、ジチゾン染色し、直径100μm以上の膵島の数を計測した。
(2)HAMILTON 50μlシリンジに、Polyethlene Tube(PE50, CLAY ADAMSTM)を接続し、膵島200個を、Polyethlene Tubeに回収した。
(3)Polyethlene Tubeを半分に折り、断端が上を向くように、15ml遠心管に入れた。次いで、1500rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、Polyethlene Tube内で1ヶ所に膵島を集めた。
(4) 2mM EDTA/PBSを用いて脂肪組織由来幹細胞をディッシュから回収して、細胞数を計測した。
(5) 2×105cellsの脂肪組織由来幹細胞を、50μlのPBSに懸濁した。
(6)HAMILTON 50μlシリンジに、Polyethlene Tube(PE50, CLAY ADAMSTM)を接続し、2×105cellsの脂肪組織由来幹細胞を、50μlのPBSと共にPolyethlene Tubeに収容した。
(7)1500rpm、4℃で5分間遠心分離を行い、Polyethlene Tube内で1ヶ所に脂肪組織由来幹細胞を集めた。
(8)I型糖尿病モデルマウスであるC57BL/6Jマウス(日本クレア株式会社)に2.5%のトリブロモエタノールを8μl/g-体重で腹腔内投与して麻酔した。
(9)マウスの右側腹部を皮膚切開し、腹膜越しに右腎と肝右葉を確認し、右腎直上で腹膜を切開し、右腎を露出させた。
(10)右腎被膜に小切開を入れ、脂肪組織由来幹細胞入りのPolyethlene Tubeを被膜下に挿入し、脂肪組織由来幹細胞を注入した後に、チューブを抜いた。
(11)続いて、同挿入口より膵島入りのPolyethlene Tubeを被膜下に挿入し、膵島を注入し、チューブを抜いた。なお、本工程(11)と前工程(10)を逆に行って、膵島を注入した後に脂肪組織由来幹細胞を注入してもよい。
(12)右腎を腹腔内に還納し、腹膜、皮膚を、5-0PDSで1層に閉腹して、移植終了した。
(13)移植終了後は、通常の飼育環境で、マウスの飼育を行った。
比較例1 膵島の単独移植
脂肪組織由来幹細胞を移植しないこと以外は、上記実施例1と同じ手法にて、C57BL/6Jマウスに膵島(200個)を移植した。
実施例2 膵島移植されたマウスにおける膵島の生着率の評価
上記実施例1及び2において、膵島が移植されたC57BL/6Jマウスの血中グルコース濃度を経時的に11日間測定した。
得られた結果を図1に示す。膵島(200個)を単独で移植したC57BL/6Jマウスでは、移植3日以降は、血糖値が上昇しており、膵島が生着できていないことが判明した。これに対して、脂肪組織由来幹細胞(2×105cells)と膵島(200個)を同時に移植したC57BL/6Jマウスでは、移植11日後でも、血糖値が正常値に下がった状態を維持しており、膵島が十分に生着していることが確認された。
なお、本実験で採用した膵島の移植数(200個)は、通常、I型糖尿病マウスの膵島移植で採用されるべき移植数(400個)の半数に相当していることを考えると、本実験結果から、脂肪組織由来幹細胞と膵島の同時移植によって、移植される膵島数を半減しても、膵島が生着して、高血糖を改善できることが示された。これは、脂肪組織由来幹細胞からの血管新生により移植膵島が多く生着できたことと、脂肪組織由来幹細胞からの膵島組織の再生により高血糖が改善されたためと考察される。
また、脂肪組織由来幹細胞と膵島を同時に移植したC57BL/6Jマウスについて、移植11日後に、膵島組織を摘出し、HE染色を行い、膵島組織の観察を行った。この結果を図2に示す。図2から明らかなように、脂肪組織由来幹細胞と膵島を同時に移植したマウスでは、移植膵島の生着と、拒絶に関与するリンパ球などの浸潤してくる炎症細胞の移植膵島への攻撃をブロックしていることが認められた。
実施例3 膵島移植されたマウスにおける耐糖能の評価
上記実施例1及び比較例1において、膵島が移植されたC57BL/6Jマウスの移植後10日目に、0.4Mグルコース溶液を2g/Kg-体重となるように腹腔内に投与し、腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT)を行い、投与120分後まで、血糖値を経時的に測定した。また、コントロールとして、糖尿病化させたC57BL/6Jマウス(DM)と、正常BALB/cAマウス(Normal)について、上記と同条件でIPGTTを行い、血糖値を経時的に測定した。
得られた結果を図3に示す。膵島(200個)を単独で移植したC57BL/6Jマウスでは、グルコース負荷120分後においても、高い血糖値が観察され、耐糖能が正常化せず、糖尿病化マウスと同じ糖尿病型血糖推移パターンを示した。これに対して、脂肪組織由来幹細胞(2×105cells)と膵島(200個)を同時に移植したC57BL/6Jマウスでは、グルコース負荷120分後において、血糖値が正常値に下がっており、正常マウス(非糖尿病化マウス)と同じ正常型血糖推移パターンを示し、耐糖能が正常化していることが示された。
実施例4 膵島と脂肪組織由来幹細胞との複合体(composite graft)の作成
(1)10〜15週齢のC57BL/6Jマウス(雄:日本クレア株式会社)から、上記実施例1に記載の手順に従って、膵島を採取した。
(2)10〜15週齢のeGFP-C57BL/6Jマウス(雄:日本クレア株式会社)から、上記実施例1に記載の手順に従って、脂肪組織由来幹細胞を採取した。
(3)10容量%FBS及び1容量%抗生剤(Antibiotic Antimycotic Solution (100X);Sigma; A5955-100ML)を含むDMEM培地(Sigma, D6046:normal glucose)を3ml/Wellの容量で加えたUltra-Low attachment multiwall plate(Sigma, Corning(登録商標), CLS3471)に、上記(1)及び(2)で採取した膵島及び脂肪組織由来幹細胞を、ウェル当たりに50個の膵島と10,000個の脂肪組織由来幹細胞が入るように播種した。播種はいずれを先に行っても良い。1個の膵島は、約1000〜2000個の細胞で構成される細胞群(α、β、δ細胞を含む)である。尚、「normal glucose」は、100mg/dlの濃度でグルコースが含まれることを意味する。
(4)上記(3)で膵島と脂肪組織由来幹細胞を播種したプレートを20%O2、5%CO、37℃の条件で24時間静置培養した。
(5)比較対象として、上記(3)において膵島だけを播種し、上記(4)と同じ条件で培養した。
(6)培養前後に各ウェルの細胞の状態を顕微鏡下(KEYENCE製オールインワン)で観察した。培養前後の細胞の状態を示す写真を図4に示す。
図4において、左上の写真は、膵島単独の培養前の状態を示す。左下の写真は、膵島のみを培養した後の状態を示す。右上の写真は、膵島及び脂肪組織由来幹細胞の培養前の状態を示す。右下の写真は、膵島と脂肪組織由来幹細胞とを共培養(co-culture)した後の状態を示す。これらの写真から、膵島を単独で培養した場合は、特に形態の変化はないが、膵島と脂肪組織由来幹細胞とを共培養すると、脂肪組織由来幹細胞が膵島の周りに付着し、膵島が脂肪組織由来幹細胞で覆われた複合体(即ち、コンポジットグラフト)が形成されることが判明した。
実施例5 膵島−脂肪組織由来幹細胞複合体のグルコース応答性
実施例4で得られた24時間培養後の膵島単独又は脂肪組織由来幹細胞で覆われた膵島(コンポジットグラフト)を60mg/dlのグルコースを含む低グルコースDMEM培地又は360mg/dlのグルコースを含む高グルコースDMEM培地で、5%COの存在下37℃で1時間静置培養した。その後、2000×gで10秒間遠心し、上清を回収してインスリン濃度を測定した。インスリン濃度測定は、Mecordia社製Mouse Insulin ELISA Kit(#10-1247-01)を用いて行った。測定結果を図5に示す。
図5に示される結果から、脂肪組織由来幹細胞で覆われた膵島(コンポジットグラフト)は、膵島単独と同等のグルコース応答性を有することが確認された。また、膵島単独で培養した膵島は、培養開始から2日経過するとアポトーシス特有の形態変化(黒変)を示し、膵島を構成する細胞が崩れ始めた。一方で、脂肪組織由来幹細胞で覆われた膵島は、培養開始から6日経過しても図4の右下に示されるような形態を保持しており、アポトーシスが生じないことが確認された。以上から、脂肪組織由来幹細胞の存在下で膵島を培養すること(特に、膵島を脂肪組織由来幹細胞でコーティングすること)により、膵島を構成する細胞の生存が維持されることが判明した。

Claims (10)

  1. 脂肪組織由来幹細胞を含有する、膵島移植の生着改善剤。
  2. 脂肪組織由来幹細胞と膵島を含有する、膵島移植用生物製剤。
  3. 脂肪組織由来幹細胞を含有する第1細胞製剤と、膵島を含有する第2細胞製剤とを含むことを特徴とする、膵島移植用キット。
  4. 脂肪組織由来幹細胞を含有する、膵島の生存維持剤。
  5. 膵島に脂肪組織由来幹細胞が接着した複合体。
  6. 膵島が脂肪組織由来肝細胞で覆われている、請求項5に記載の複合体。
  7. 糖尿病の治療が必要な患者に、膵島と脂肪組織由来幹細胞とを同時に投与することを含む、糖尿病の治療方法。
  8. 糖尿病の治療が必要な患者に、請求項5に記載の複合体を投与することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 膵島と脂肪組織由来幹細胞とを共培養することを含む、請求項5に記載の複合体の製造方法。
  10. 以下の(A)及び(B)を含む、糖尿病の治療方法:
    (A) 膵島と脂肪組織由来幹細胞とを共培養して膵島に脂肪組織由来幹細胞が付着した複合体を生成すること、
    (B) 当該複合体を糖尿病の治療が必要な患者に投与すること。
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