WO1997016859A1

WO1997016859A1 - Explosion-proof seal plate for enclosed type cell and production method thereof

Info

Publication number: WO1997016859A1
Application number: PCT/JP1996/003148
Authority: WO
Inventors: Katsuhiko Mori; Yoshihiro Kashihara; Yasushi Hirakawa; Kazuo Saito; Kazuhiko Watanabe
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1995-10-31
Filing date: 1996-10-28
Publication date: 1997-05-09
Anticipated expiration: 1998-04-30
Also published as: KR100324863B1; EP1458038A2; CN1144302C; US6242126B1; DE69635250D1; EP0859416A4; EP1458038A3; EP0859416B1; DE69634668D1; DE69634668T2; EP1458038B1; DE69635250T2; KR19990067165A; CA2240415C; CN1200199A; CA2240415A1; EP0859416A1

Description

明細書発明の名称

密閉型電池用防爆封口板およびその製造方法技術分野

本発明は、密閉型電池、特にリチウム二次電池などの高工ネルギ密度を有する電池の封口に用いられる密閉型電池用防爆封口板およびその製造方法に関する。

背景技術

近年、オーディオ · ビデオ機器またはパソコンなどの電子機器のポー夕ブル化、コードレス化（携帯型）が急速に進んでおり、これらの亀子機器用の駆動電源として高容量化した各種のアル力リ蓄電池やリチウム二次電池に代表される非水電解液二次亀池が適しており、さらにこれら非水電解液二次電池は高エネルギー密度で負荷特性に優れた密閉型亀池とすることが望まれている。

一方、エネルギー密度の高い密閉型電池は充電器を含む関連機器の故障や過充電または誤使用などによって化学反応を伴って電池内部に異常にガスが発生し、電池内部の圧力が過大となり、電池が破裂したり、その電池を駆動電源とする電子機器に損傷を与えるなどのおそれがある。したがってこのような事故を防止するために、この種の電池には電池の内部圧力が設定値を超えたときに弁体を開いてガスを排出するための防爆安全装置が従来から備えられている。さらに非水電解液二次電池では急激な温度上昇による発火の危険性もあるため、内部圧力を検知することによりガスの排出に先立って通電電流を完全に遮断するための確実な防爆安全機構が設けられている。例えば上部の弁体と通気孔を有する端子板とを、それらの中央部の溶着部を通じて導電状態としておき、内部圧力が所定値に達したときに、この圧力を端子板の通気孔を通じて受ける弁体が外方へ変形する応力によって弁体が端子板との溶着部から剥離することにより、通電電流を遮断する機構が知られている（特開平 6— 1 9 6 1 5 0号公報参照）。

ところで上記の防爆安全機構では、弁体と端子板との所定部位同志を一定の内部圧力によって剥離可能な低い溶着強度に設定して溶接する必要があるため、低い溶着強度に溶接が可能な超音波溶接が採用されている。しかしながら、超音波溶接は振動発熱により被溶接物の接合部の表面のみに溶融を起こさせるにすぎないので溶着強度に大きなばらつきを生じさせる可能性がある。

したがって上記の防爆安全機構では、溶着部の溶着強度によって電流遮断圧力を設定しているので電流遮断圧力は溶着強度のばらつきに応じて変化し、一定値に設定できない欠点がある。その結果、亀池の内部圧力が所定値に上昇する以前に電流が遮断されてしまったり、逆に亀池の内部圧力が所定値に上昇しているにも拘わらず電流が遮断されないなどの課題が生じることになる。

そこで電流を遮断する際に溶接強度の影響を受けない、より精度の高い電流遮断方式が必要となってきた。

発明の開示

本発明は、電池内部の圧力が上昇したとき確実に電流を遮断して発火等による事故をより精度高く防止することができ、また電解液の浸透による抵抗上昇を抑制することができる密閉型電池用防爆封口板およびその製造方法を提供することを目的とする。

そしてこの目的を達成するために本発明は、上下に配して設けられる上部金属箔および下部金厲箔を備え、前記 2枚の金属箔はそれぞれ同心円状に設けられた薄肉部で囲まれた部分で電気的に接続された構造を有し、下部金厲箔の薄肉部の破断強度が上部金属箔の薄肉部の破断強度より小さく、さらに上部金厲箔の同心円状の薄肉部直径が下部金属箔の同心円状の薄肉部直径よりも大としたものであり、また上下に配して設けられる上部および下部の弾性を有する 2枚の金属箔を備え、前記上部金属箔に中央部分が下方へ向けて膨らんだ形状の凹状部が設けられ、前記下部金属箔に中央部分が上方へ向けて膨らんだ形状の凸状部と電池の内部圧力が所定値に上昇したときに破断する破断強度に設定された易破断部とが設けられ、前記 2枚の金属箔のそれぞれの周縁部分がリング状の絶縁ガスケットを介して固定されているとともに、前記 2枚の金厲箔が前記凹状部の先端部と前記凸状部の先端部とが溶接されて電気的に導通しているものであるために、本発明によれば、電池の内部圧力が下部金属箔の易破断部の破断強度によって設定された所定値に達すると易破断部が破断することによって下部金厲箔と上部金属箔が分離し、 2枚の金属箔の接続部を通じて導通していた通電電流が遮断される。

このように電流遮断圧力は易破断部の破断強度によって設定されているので、従来のように 2枚の金属箔の接続部分を電池の内部圧力により剥離させる必要がなく、レーザ一溶接などによって接続部を強固に溶接することができる。，

また 2枚の金属箔をレーザ一溶接により溶着するに際して、両金厲箔の周縁部をリング状の絶縁ガスケットを介して重ね合わせると、上部金属箔の下方へ向けて膨らんだ凹状部の中央部と下部金属箔の上方へ向けて膨らんだ凸状部の中央部とが弾力的に接触するため凹状部と凸状部とは治具などによる補助手段を用いなくても間隙など生じることがなく、常に欠陥のない溶着状態でレーザ一溶接することが可能となる。

また本発明の密閉型電池用防爆封口板（以下、封口板と略す）の製造方法は、中央部分が下方へ向けて膨らんだ凹状部が設けられた弾性を有する上部金属箔と、中央部分が上方へ向けて膨らんだ凸状部に易破断部が設けられた弾性を有する下部金厲箔とを対向させて上下に配置するェ程と、前記 2枚の金厲箔のそれぞれの周緣部分を前記凹状部または前記凸状部のそれぞれの周縁部からの膨らんだ部分の厚み寸法の和よりも小さい厚みを有する絶緣ガスケットを介して重ね合わせて前記凹状部と前記凸状部との先端部を圧接させる工程と、前記 2枚の金厲箔の周縁部分を固定治具により上下方向から挟み付けて固定する工程と、互いに接触する前記凹状部と前記凸状部の先端部をレーザー溶接により溶着して接続部を形成する工程とを有しているものであり、本発明によれば、 2枚の金厲箔のそれぞれの周縁部分を凹状部および凸状部のそれぞれの周縁部からの膨らんだ部分の厚み寸法の和よりも小さい厚みの絶縁ガスケットを介して重ね合わせているので凹状部および凸状部はその先端部が接触し、かつ僅かに撓められてその弾性によって接触部分が互いに強く押し付けられているため、凹状部と凸状部との先端部は間隙のない状態で確実に密着しており、常に欠陥のない状態でレーザ一溶接することがでさる。

したがって本発明によれば、電池の内部圧力の上昇によって電流を遮断する睽に溶接強度の影響を受けることなく、より高い精度で電流を遮断することができるとともに下部金属箔よって上部金厲箔の通気孔を塞ぐことがなく、大量のガス発生時に確実に内部ガスを排気することができ、発火、爆発等の事故を防止することが可能となる。また電池内の電解液が温度抵抗体に浸透することを大幅に低減することができ、また封口板の内部抵抗の上昇を抑制することができる。

図面の簡単な説明

図 1は本発明の第 1の実施例における封口板の断面図、図 2は本発明の第 2の実施例における封口板の断面図、図 3は本発明の第 3の実施例における封口板の断面図、図 4は本発明の第 4の実施例における封口板の断面図、図 5は本発明の第 5の実施例における封口板の断面図、図 6 は電流遮断圧力の評価装置を示す概略断面図、図 7は本発明の第 6の実施例における封口板の断面図、図 8は同封口板の作動状態を示す断面図、図 9 (a) 、 (b) は同封口板の製造方法における一工程を示す断面図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。

(実施例 1)

図 1は本発明の第 1の実施例における封口板の構造を示すものであり、厚さ 0. 1 5mm、直径 12. 7 mmのアルミニウムよりなる上部金属箔 1の中央部に直径 4. Ommの C型形状の刻印を用いて薄肉部 1 a設け、厚さ 0. 3mm、直径 13. 5 mmで直径 1. 5mmの 4個の通気孔を持つアルミニウムよりなる下部金属箔 2の中央部に直径 1. 0mm の突起部 2 aを設け、この 2枚の金属箔を絶縁ガスケット 3を介して上部金属箔 1の中央部と下部金厲箔 2の突起部 2 aとを超音波溶接した。これを直径 1. 5 mmの 4個の通気孔を持つアルミニウム製の金厲ケース 4の中に挿入し、その上部に温度抵抗体 5および直径 1. 5mmの 4 個の通気孔を持つ金属製キャップ 6を載置し、金属ケース 4の周縁部を封着することにより封口板を得た。

(実施例 2)

図 2は本発明の第 2の実施例における封口板の構造を示すものであり、厚さ 0. 10mm、直径 12. 7 mmのアルミニウムよりなる上部金属箔 7の中央部に直径 4. Ommの C型形状の刻印を用いて薄肉部 7 aを設け、厚さ 0. 1 Omm、直径 13. 5mmで直径 1. 5mmの 4個の 1

6

通気孔を持つアルミニウムよりなる下部金属箔 8に直径 2. 51111] の0 型形状の刻印を用いて薄肉部 8 aを設け、この 2枚の金属箔を絶縁ガスケット 3を介してそれぞれの金属箔の中央部を溶接した。ここで下部金属箔 8の薄肉部 8 aの破断強度は 1ひ〜 13 kgZcm²であり、上部金厲箔 7の薄肉部 7 aの破断強度は 1 8〜24 k g/cm²である。これを直径 1. 5 mmの 4個の通気孔を持つアルミニウム製の金属ケース 4の中に挿入し、その上部に温度抵抗体 5および直径 1. 5mmの 4個の通気孔を持つ金属製キヤッブ 6を載置し、金属ケース 4の周縁部を封着することにより封口板を得た。なお、上部金厲箔 7に形成された薄肉部 7 aに囲まれた中央部の直径を Aとし、下部金厲箔 8に形成された薄肉部 8 aに囲まれた中央部の直径を Bとしたとき、 A≥Bとなるように薄肉部 7 aと薄肉部 8 aをそれぞれ形成する。

(実施例 3)

図 3は本発明の第 3の実施例における封口板の構造を示すものであり，厚さ 0. 10mm、直径 12. 7 mmのアルミニウムよりなる上部金属箔 7の中央部に直径 4. 0mmの C型形状の刻印を用いて薄肉部 7 aを設け、上部金厲箔 7の中央部をその周縁部よりも 0. 5mmの段差で逆台形状に下垂させ、厚さ 0. 10mm、直径 1 3. 5mmで直径 1. 5 mmの 4個の通気孔を持つアルミニウムよりなる下部金厲箔 8に直径 2. 5 mmの〇型形状の刻印を用いて薄肉部 8 aを設け、この 2枚の金厲箔の周縁部に絶縁ガスケット 3を介在させ、かつ上部金厲箔 7の逆台形状に下垂した中央部と下部金属箔 8の中央部とを溶接した。これを 1. 5 mmの 4個の通気孔を持つアルミニウム製の金属ケース 4の中に挿入し, その上部に温度抵抗体 5および、直径 1. 5mmの 4個の通気孔を持つ金属製キャップ 6を載置し、金属ケース 4の周縁部を封着することにより封口板を得た。 (実施例 4)

図 4は本発明の第 4の実施例における封口板の構造を示すものであり, 厚さ 0. 10mm、直径 12. 7 mmのアルミニウムよりなる上部金属箔 7の中央部に直径 4. 0mmの C型形状の刻印を用いて薄肉部 7 aを設け、上部金厲箔 7の中央部をその周縁部よりも 1. 20mmの段差で逆台形状に下垂させ、、厚さ 0. 10mm、直径 13. 5mmで直径が 1. 5 mmの 4個の通気孔を持つアルミニウムよりなる下部金厲箔 8に直径 2. 5mmの O型形状の刻印を用いて薄肉部 8 aを設け、その下部金属箔 8の中央部をその周縁部よりも 0. 7 mmの段差で凹状部を形成し、この 2枚の金属箔の周縁部にバーリング形状を有する絶縁ガスケット 9を介在させ、それぞれの金属箔の中央部を溶接した。これを直径 3. 0mmの通気孔を底部に持つアルミニウム製の金属ケース 4の中に挿入し、その上部に温度抵抗体 5および直径が 1. 5mmの 4個の通気孔を持つ金属製キャップ 6を載置し、金属ケース 4の周縁部を封着することにより封口板を得た。

(実施例 5)

図 5は本発明の第 5の実施例における封口板の構造を示すものであり、厚さ 0. 10mm、直径 12. 7 mmのアルミニウムよりなる上部金属箔 7の中央部に直径 4. 0 mmの C型形状の刻印を用いて薄肉部 7 aを設け、その上部金厲箔 7の中央部をその周縁部よりも 0. 5mmの段差で逆台形状に下垂させ、厚さ 0. 10mm、直径 13. 5mmで通気孔を形成していないアルミニウムよりなる下部金厲箔 10に直径 2. 5m mの 0型形状の刻印を用いて薄肉部 10 aを設け、この 2枚の金厲箔の周縁部に絶縁ガスケット 3を介在させ、かつ上部金厲箔 7の逆台形状に下垂した中央部と下部金厲箔 1 0の中央部とを溶接した。これを直径 1. 5 mmの 4個の通気孔を持つアルミニウム製の金属ケース 4の中に挿入し、その上部に温度抵抗体 5および直径 1. 5mmの 4個の通気孔を持つ金属製キヤッブ 6を載置し、金属ケース 4の周縁部を封着することに

¾流遮断圧 _

より封口板を得た。

つぎに実施例 1から実施例 5においてそれぞれ説明した封口板を図 6 に示す評価装置を用いて金属ケース 4の底部に毎秒 0. 6 k g/cm² で昇圧しながら高圧空気導入口 13より高圧空気を送り、キャップ 6との間で電流が遮断される髙圧空気の圧力を圧力センサー 12を用いて測定した結果を表 1に示す。なお図 6において 1 1 a、 1 1 bは亀極である。また、同じく上記各実施例で得られた封口板を非水系電解液を用いたリチウム二次電池に装着し、その電池を 85 で 3週間保管した後、常温でそれぞれの封口板の内部抵抗を測定した結果を表 2に示す。

実施例実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 5

1 2. 5 1 1. 5 1 1. 8 1 1. 5 1 2. 5

1 0. 3 1 1. 5 1 2. 5 I 0. 9 1 0. 9

1 3. 5 1 0. 5 1 2. 7 1 2. 0 1 1. 0

9. 8 1 1. 0 1 2. 0 1 1. 9 ； 1 2. 3

1 1. 5 1 2. 3 1 1. 7 1 2. 4 1 2. 8

1 0. 7 1 1. 9 1 2. 1 1 1. 3 1 3. 1

1 0. 3 1 3. 2 1 1. 1 2. 8 1 2. 5

1 0. 5 1 1. 8 1 2. 6 1 2. 7 1 1 . 6

6. 7 1 2. 7 1 0. 9 1 2. 5 1 2. 8

1 1. 2 1 1. 9 1 1 . 8 1 1 . 3 1 1 . 7

0 1 1. 8 1 1. 9 1 . 9 2. 2 a (n-1) 1 . 28 4 0. 53 0. 63 0. 65

(kgf/cm') 表 2

(ηΩ ) 表 1および表 2から明らかなように、本発明の構造を有する封口板によれば電流遮断する圧力のばらつきを低減できること、さらに封口板の内部抵抗の上昇も抑制できることがわかる。

(実施例 6 )

上記実施例 1から実施例 5において説明した封口板は上述したように極めて顕著な防爆安全機能を発揮するものである。しかしながら一般的に被溶接物が刚性体や厚みの大きいものである場合には支障なくレーザ一溶接を行うことができるが、封口板に用いられる金厲箔は 0 . 0 5 〜 0 . 2 0 mm程度の厚みの薄いものであって変形し易いため、これらをレーザ一溶接によって相互に溶着する場合、その 2枚の金厲箔を固定するための固定治具を用いたとしても 2枚の金属箔における溶着すべき箇所を直接的に押さえることができず、そのため溶着すべき箇所に金厲箔の変形による間隙が発生し易く溶接不良が生じる可能性が残っている。本実施例は上記実施例 1から実施例 5において説明した封口板の性能をさらに向上させるために本発明における第 6の実施例として加えられたものであり、図 7に示すように、弾性を有する薄い上部金属箔 2 1と、この上部金属箔 2 1に対向して設けられた同じく弾性を有する下部金属箔 2 2と、この 2枚の金属箔 2 1， 2 2の各々の周縁部の間に介在して設けられたリング状の絶縁ガスケット 2 3と、上部金厲箔 2 1の周縁部の上面に載置されたリング状の P T C (Positive Temperature Coef f ic ient) 素子 24と、この P T C素子 24上に載置された 4個の通気孔 2 7 aを有する金属キャップ 2 7と、上記の各部材を挿入させて保持する 4個の通気孔 2 8 aを有するアルミニウム製の金属ケース 2 8とを備えている。

上部金属箔 2 1は例えば厚さ 0. 1 5 mmで直径が 1 2. 7 mmのァルミ二ゥム円板からなり、中央部分が下方に向け湾曲形状に膨らんだ凹状部 2 l aと、この凹状部 2 1 aの中央部分に例えば直径 4. Ommの C型形状の刻印を用いて形成した C字形状の薄肉部からなる大口径易破断部 2 1 bとを有している。下部金厲箔 22は、例えば厚さ 0. 1 mm で直径が 1 3. 5mmのアルミニウム円板からなり、中央部分が上方に向け湾曲形状に膨らんだ凸状部 2 2 aと、この凸状部 22 aの中央部分に例えば直径 2. 5mmの O型形状の刻印を用いて形成した 0字形状の薄肉部からなる小口径易破断部 22 bとを有している。

2枚の金属箔 2 1， 22は、大口径易破断部 2 1 bと小口径易破断部 22 bとを同心円状に対向させて、大口径易破断部 2 1 bの内側に小口径易破断部 22 bが位置する状態で向き合つている。凹状部 2 1 aの中心部と凸状部 22 aの中心部とは互いに圧接状態でレーザー溶接により溶着されて接統部 Sが形成されている。上記 PTC素子 24は設定値以上の電流が P T C素子に流れて所定の温度以上に上昇した場合、電気抵抗値が極めて増大する正温度係数の抵抗素子である。

本実施例における封口板は絶縁ガスケット 2 3を介して重ね合わされた 2枚の金属箔 2 1， 2 2の上に P T C素子 2 4および金属キャップ 2 7を重ね合わせた状態で金属ケース 2 8内に挿入され、金属ケース 2 8 の上部周縁部を内方にかしめ加工して組み立てられている。この封口板を電池缶に挿入する場合、電池缶内に収容した極板群の一方の極板（通常は正極）から導出されたリード線 2 9を金属ケース 2 8に溶接により接続し、電池缶内の極板群に電解液を注入後、封口板の周囲に絶縁ガスケット 3 0を介在させて電池缶の開口部内側に装着する。つぎに電池缶の上端部分を内方にかしめ加工することにより封口板が電池缶の開口部を密閉する構造となっている。

このようにして組み立てられた密閉型電池は通電電流が極板（図示せず）、リード線 2 9、金属ケース 2 8、下部金属箔 2 2から接続部 Sを介して上部金厲箔 2 1、 P T C素子 2 4および金属キャップ 2 7に流れ、電池として機能する。本発明による封口板を用いた密閉型電池では防爆安全機能が 3段階に作用する。

まず第 1の防爆安全機能について説明する。電池に過大な電流が流れた場合、 P T C素子 2 4は短時間で動作温度に達して抵抗値が増大し、通電電流は大幅に滅少し、その電流値を維持する。それにより外部短絡または過大電流等の誤使用に起因する電池の著しい損傷を防止することができる。

つぎに第 2の防爆安全機能について説明する。リチウム二次電池では充電器故障などによる無制御状態における過充電または逆充電、または多数の電池の直列過放電などが発生した場合、上記？丁〇素子2 4の動作亀流以下の電流値であっても電池の安全許容電気容量を超え、電池内圧力が上昇することが多い。この場合、さらに継統して電池に電流が流れた場合には、電解液および活性物質の分解などを伴いながら電池温度が急激に上昇して、大量のガスまたは蒸気を発生させ、発火または爆発的破損に至ることがある。そこで亀池の内部圧力を検知して通電電流を完全に遮断するところの防爆安全機能を作用させて発火または爆発的破損を未然に防止することが必要となる。

すなわち本発明では、電池の内部圧力が小口径易破断部 2 2 bの破断強度によって設定された所定値まで上昇すると、小口径易破断部 2 2 b が破断することにより、図 8に示すように下部金厲箔 2 2に設けられた小口径易破断部 2 2 bの内側部分がくり抜かれて上部金厲箔 2 1とともに下部金厲箔 2 2から離れるため、接統部 Sを通じて導通していた 2枚の金厲箔 2 1 , 2 2が離反して通電電流が遮断される。ここで電流を遮断する圧力は従来の封口板のように接統部 Sの溶着強度によって変動することがないので電池の内部圧力が設定値に達した時点で高い精度で電流を遮断することができる。しかも電流遮断時には上部金属箔 2 1はその形状を維持したままであるため、電解液が外部に漏れ出るのを防止し、従来の封口板のように破断弁が開いて電解液が P T C素子 2 4に付着したり、外部に漏出して他の機器を腐食したりするという事故をも防止することができる。

さらに電池の内部圧力が上昇し統けた場合、本発明の封口板では第 3 の防爆安全機能が動作する。すなわち、大量のガスまたは蒸気が発生して電池の内部圧力が大口径易破断部 2 1 bの破断強度によって設定された所定値に達すると大口径易破断部 2 1 bが破断して上部金厲箔 2 1の中央部が破断し、充満していたガスが電池外部に排出される。ここで 2 枚の金厲箔 2 1 , 2 2は小口径易破断部 2 2 bが大口径易破断部 2 1 b 内側の同心円の位置に溶着されているので、上部金厲箔 2 1に付着している下部金厲箔 2 2の一部分は上部金厲箔 2 1の大口径易破断部 2 1 b の破断により開口した通気口を塞ぐことがなく、大量のガス発生時にも内部ガスを円滑に外部へ排出することができる。

本実施例の封口板の特長は電流遮断圧力が小口径易破断部 2 2 bの破断強度によって制御されていることにより、 2枚の金厲箔 2 1 , 2 2の接続部 Sをレーザー溶接などによって強固に溶接することができる点にある。つぎに接続部 Sの形成方法について図 9を参照しながら説明する。図 9 ( a ) に示すように、上部金属箔 2 1の平坦な周縁部の下面から凹状部 2 1 aの先端部までの長さ寸法を d 1、下部金属箔 2 2の平坦な周縁部の上面から凸状部 2 2 aの先端部までの長さ寸法を d 2、絶緣ガスケット 2 3の厚みを Dとすると本実施例における封口板では、 d 1 + d 2〉Dに設定されている。

そして図 9 ( b ) に示すように、上部金厲箔 2 1と下部金属箔 2 2との接続部 Sを形成する場合、絶縁ガスケット 2 3を挟んで重ね合わせた 2枚の金属箔 2 1 , 2 2の周縁部を上下の固定治具 3 1， 3 2で挟み付けて固定するときに上記の d 1 + d 2 > Dの寸法関係から明らかなように、上部金属箔 2 1の凹状部 2 1 aおよび下部金厲箔 2 2の凸状部 2 2 aのそれぞれ先端部は互いに接触したのち、僅かに撓められて凹状部 2 1 aと凸状部 2 2 aとの接触部分は互いに強く押し付け合って圧接し、その接触部分に間隙が生じることがない。この接触部分にレーザー溶接機 3 3からレーザー光 Lを照射してレーザ一溶接することによつて溶接不良や穿孔が生じることがなく、強固な溶着強度を有する接統部 Sを歩留りょく形成することができる。

このように上記実施例によれば、封口板の下部金属箔の易破断部の破断強度を電池の異常動作時に発生するガスによる電池の内部圧力によつて設定することが可能であるために内部圧力が所定値に達したとき、易破断部が破断することによって下部金厲箔と上部金属箔が分離し、通電電流を遮断して発火等の事故をより精度高く防止することができ、また電解液の浸透による封口板の抵抗上昇を抑制することができる。

産業上の利用可能性

以上のように、本発明の密閉型電池用防爆封口板およびその製造方法によれば、上下に配して設けられる弾性を有する上部金厲箔および下部金属箔を備え、前記 2枚の金厲箔はそれぞれ同心円状に設けられた薄肉部で囲まれた部分で電気的に接続された構造を有し、下部金厲箔の薄肉部の破断強度が上部金属箔の薄肉部の破断強度より小さく、さらに上部金厲箔の同心円状の薄肉部直径を下部金厲箔の同心円状の薄肉部直径よりも大とすることにより、また上部金属箔に中央部分が下方へ向けて膨らんだ形状の凹状部を設け、下部金厲箔に中央部分が上方へ向けて膨らんだ形状の凸状部と電池の内部圧力が所定値に上昇したときに破断する破断強度に設定された易破断部とを設け、前記 2枚の金属箔のそれぞれの周縁部分をリング状の絶縁ガスケットを介して固定するとともに前記 2枚の金厲箔が、前記凹状部の先端部と凸状部の先端部とをたがいに圧接させて電気的に導通させていることにより、電池の内部圧力が下部金厲箔の易破断部の破断強度によって設定された所定値に達して易破断部が破断されることによって下部金厲箔と上部金厲箔とが分離し、 2枚の金厲箔の接続部を通じて導通していた通電電流を遮断し、また大量のガス発生時に確実に内部ガスを排気することができるため電池の発火、爆発等の事故を防止することが可能となる。また電池内の電解液が温度抵抗体に浸透することを大幅に低減することができ、封口板の内部抵抗の上昇を抑制することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 上下に配して設けられる上部金属箔および下部金属箔を備え、前記 2枚の金属箔はそれぞれ同心円状に設けられた薄肉部で囲まれた部分で電気的に接続された構造を有し、下部金属箔の薄肉部の破断強度が上部金厲箔の薄肉部の破断強度より小さく、さらに上部金属箔の同心円状の薄肉部直径が下部金属箔の同心円状の薄肉部直径よりも大である密閉型電池用防爆封口板。

2 . 上下に配して設けられる弾性を有する上部金属箔および下部金属箔を備え、前記上部金属箔に中央部分が下方へ向けて膨らんだ形状の凹状部が設けられ、前記下部金属箔に中央部分が上方へ向けて膨らんだ形状の凸状部と電池の内部圧力が所定値に上昇したときに破断する破断強度に設定された易破断部とが設けられ、前記 2枚の金属箔のそれぞれの周縁部分がリング状の絶縁ガスケットを介して固定されているとともに、前記 2枚の金属箔が前記上部金属箔の凹状部の先端部と前記下部金属箔の凸状部の先端部とが圧接され、かつその圧接部が溶着されてなる接続部を介して電気的に導通されている密閉型電池用防爆封口板。

3 . 中央部分が下方へ向けて膨らんだ形状の凹状部が設けられた弾性を有する上部金属箔と、中央部分が上方へ向けて膨らんだ形状の凸状部に易破断部が設けられた弾性を有する下部金属箔とを対向させて上下に配置する工程と、前記両金属箔のそれぞれの周縁部分をその周縁部からそれぞれ凹状部および凸状部までの寸法の和よりも小さい厚みを有する絶縁ガスケットを介して重ね合わせて前記凹状部と前記凸状部との先端部を圧接させる工程と、前記 2枚の金属箔の周縁部分を固定治具により上下方向から挟み付けて固定する工程と、互いに接触する前記凹状部と前記凸状部のそれぞれの先端部をレーザー溶接により溶着して接続部を形成する工程とを有する密閉型電池用防爆封口板の製造方法。