WO1997019391A1 - Article d'horlogerie electronique - Google Patents

Description

明 細 書 電子時計 技術分野

本発明は、 いわゆる自動巻き用の発電機を備えた電子時計に関する ものであり、 さらに詳しくは、 電子時計を薄型化するための構造技術 に関するものである。 背景技術

水晶振動子などを時間基準として用いたいわゆる電子時計では、 図

1に示すように、 小型発電機 2 0および二次電源 3 0によって電源部 1 0が構成され、 この電源部 1 0を電源として、 ステップモータ 4 0 を駆動するようになっている。 ステツプモータ 4 0のモ一夕用口一夕 4 2に対しては時計用輪列 5 0が機構的に接続しており、 たとえば四 番車 5 2に取り付けられている秒針 1 6 1は 1秒毎に 6 ° ずつ間欠的 に回転する。

一方、 小型発電機 2 0には、 伝達された回転駆動力によって回転す る発電用ロータ 2 1 と、 発電用口一夕 2 1 を挟む発電用ステ一夕 2 2 と、 発電用ステ一夕 2 2および発電用ロータ 2 1 と磁気回路を構成す る磁心 2 4に巻回された発電用コイル 2 3とが構成され、 発電用ロー タ 2 1には、 回転錘 2 5の回転動作を増速して伝達する発電用輪列 6 0が機構的に接続されている。

指針式電子時計に対しては、 上記の小型発電機を備えるタイプのも のであっても薄型化に対する強い要求がある。 しかしながら、 かかる 要求に応えるには、 小型発電機を構成する回転錘 2 5などといった各 部品を単に小型 ·薄型化するだけでは薄型化できない。 たとえば、 回 転錘 2 5を薄型化すると、 回転錘 2 5の角度方向における重さのアン バランスが小さ くなつて、 回転錘 2 5の高速回転が得られにく くなる 。 また、 回路部を構成する回路基板 3 1には必要な部品が実装されて いることから、 回路部をこれ以上、 小型 · 薄型化することができない 。 それにもかかわらず、 それを配置している空間を狭めようとすると 、 回路部を構成する電子部品などが、 発電用輪列 6 0や時計用輪列 5 0を構成する歯車などと干渉してしまう。

ここで、 発電用ロータ 2 1の回転中心軸や発電用輪列 6 0の回転中 心軸については、 穴石からなる小型で簡単な構造の軸受けで支持する ことが多い。 しかしながら、 穴石を用いた軸受け構造では、 回転中心 軸が回転すると、 そこに塗布した潤滑油が周囲に飛散しやすい。 飛散 した潤滑油が時計用輪列 5 0に付着すると、 潤滑油の粘性に起因して 歯車の止ま りや遅れなどの運針異常が発生する。 このため、 従来の指 針式電子時計では、 部品同士を近接することができないので、 その薄 型化を図ることができないという問題点がある。

また、 図 1 1に示すように、 従来の指針式時計では、 発電用輪列な どに用いられている歯車のうち、 発電用ロータ伝え車 6 2 A (図 1を 参照。 ） のように側圧を受けやすい歯車については、 その回転中心軸 2 0 Aをボールベアリング 2 8 Aによって支持することがある。 この ボールベアリング 2 8 Aは、 発電用ロータ伝え車 6 2 Aの回転中心軸 6 2 0 Aの周りに配置された複数のボール 2 8 1 Aと、 これらのボ一 ル 2 8 1 Aを保持するリング状の枠片 2 8 2 Aと、 枠片 2 8 2 Aに隣 接する位置でボール 2 8 1 Aが脱落することを防止する受け片 2 8 3 Aとから構成され、 ボール 2 8 1 Aが回転中心軸 6 2 O Aに接するこ とによって回転中心軸 6 2 0 Aの側方への傾きが規制されている。 ま た、 回転中心軸 6 2 0 Aには段差部 6 2 6 Aが形成され、 この段差部 6 2 6 Aが受け片 2 8 3 Aに当接することにより、 回転中心軸 6 2 0 Aの軸線方向における位置が規定されている。

しかしながら、 図 1 1に示すような軸受け構造では、 回転中心軸 6 2 O Aが回転したときに段差部 6 2 6 Aと受け体 2 8 3 Aとの間にお ける摩擦抵抗が大きいという問題点がある。 このような大きな摩擦抵 抗があると、 回転中心軸 6 2 0 Aを回転させるのに無駄な力が必要で あるとともに、 段差部 6 2 6 Aまたは受け片 2 8 3 Aの磨耗が激しい 。 そこで、 このような問題を解消できる新たな軸受け構造が求められ ている。 しかし、 上記の問題を解消できても大きなスペースを必要と する軸受け構造は、 指針式電子時計の薄型化を妨げるので、 採用する ことができない。

以上の問題点に鑑みて、 本発明の課題は、 発電機内蔵型の電子時計 において、 時計内部に配置した各部品自身の構造や配置構造を改良し て、 電子時計の薄型化を図ることのできる構成を提供することにある

発明の開示

上記課題を解決するため、 本発明では、 外力を発電用口一夕に伝達 する発電用輪列を具備する発電機と、 該発電機で発生した電気工ネル ギ一を蓄える二次電源と、 該二次電源から電力供給される駆動回路が 構成された回路部と、 前記駆動回路によって駆動されるステッブモ一 夕と、 該ステップモータから時刻表示部材に回転駆動力を伝達する時 計用輪列とをベース上に有する電子時計を以下のように構成したこと を特徴とする。

すなわち、 本発明の第 1の形態では、 前記発電用ロータの回転中心 軸および前記発電用輪列の回転中心軸のうちの少なく とも 1本の回転 中心軸は、 該回転中心軸の軸端部を支持する穴石部と、 該穴石部の端 面を外周側から覆って当該回転中心軸の外周側面との間に潤滑油保持 用の環状溝を構成するリング状のキヤップ部とを備える軸受け部分に よって支持されていることを特徴とする。

本発明において、 回転中心軸と穴石部との間に塗布した潤滑油は、 回転中心軸が回転しても、 この回転中心軸自身の外周側面、 キャップ 部、 および穴石部によって構成されている潤滑油保持用の環状溝に保 持され、 周囲に飛び散らない。 従って、 部品間の隙間を狭めることが できるので、 電子時計を薄型化できる。

本発明において、 前記穴石部および前記キャップ部は、 前記発電用 口一夕の回転中心軸の軸受け部分を構成していることが好ましい。 す なわち、 時計用輪列および発電用輪列のうち、 最も高速で回転する発 電用口一夕の軸受け部分から最も潤滑油が飛散しやすい傾向にあるの で、 この回転中心軸に対して上記の軸受け構造を設けるのが好ましい 本発明において、 前記穴石部と前記キヤップ部とは別体の部品から 構成されている場合がある。 この場合には、 前記キャップ部と、 該キ ャップ部で覆われている前記穴石部の端面との間に隙間が構成されて いることが好ましい。 このような隙間を構成しておく と、 穴石部にキ ヤップ部を被せた後、 それらに潤滑油の流出を防止するための表面処 理を行う際に、 処理液が穴石部とキヤップ部との間にスムーズに入り 込むので、 穴石部とキヤップ部との間にも表面処理を確実に行えると いう利点がある。 ここで、 隙間の間隔は、 前記穴石部を前記キャップ 部に装着するときの度決め部によって規定することができる。

本発明では、 前記穴石部と前記キヤップ部とが一体の部品として構 成される場合がある。 また、 前記穴石部および前記キャップ部は、 前 記ベースと一体に構成されることもある。 このように構成すると、 部 品点数を削減することができるので、 生産コス トを低減することがで ぎる。 本発明では、 前記穴石部によって支持されている回転中心軸は、 そ の外周側面のうち前記穴石部に支持されている部分付近に、 前記潤滑 油保持用の環状溝を構成している部分に向かって軸径が拡大していく 円錐面状の部分を備えていることが好ましい。 このように構成すると 、 潤滑油がたとえ飛散して回転中心軸に付着しても、 それが円錐面状 の部分に付着したのであれば、 そこに付着している潤滑油は、 回転中 心軸が回転したときにその遠心力を受けて大径部分の方 （潤滑油保持 用の環状溝の方） に移動する。 その結果、 潤滑油は潤滑油保持用の環 状溝に戻るだけであり、 周囲に飛散することがない。

本発明において、 前記穴石部によって支持されている回転中心軸は 、 該回転中心軸が前記穴石部に支持されている側に向かう軸線方向の 動きをしたときに前記穴石部の端面に当接する段部 （あがき防止用の 段部） を外周側面に備える場合がある。 この場合に、 この外周側面に おける前記段部の形成位置は、 当該回転中心軸が軸線方向のいずれの 方向にずれても前記段部が前記潤滑油保持用の環状溝内に位置するよ うに設定されていることが好ましい。 このように構成すると、 回転中 心軸が軸線方向のいずれの方向にずれたときでも、 潤滑油保持用の環 状溝内から飛散しょうとする潤滑油は回転中心軸の段部で遮られ、 周 囲に飛散することがない。

本発明において、 前記穴石部は、 その両端面のうち前記キャップ部 で覆われている側の端面とは反対側の端面の側には潤滑油保持用の凹 部が構成されているのが一般的である。 この場合に、 凹部の外径寸法 は、 前記潤滑油保持用の環状溝の内径寸法以上であることが好ましい 。 このように構成すると、 潤滑油保持用の環状溝と潤滑油注入用の凹 部とが保持する潤滑油の量のバランスをとることができる。

本発明の第 2の形態では、 前記発電用ロータの回転中心軸および前 記発電用輪列の回転中心軸のうちの少なく とも 1本の回転中心軸の軸 端部は、 ボールが前記回転中心軸に半径方向から当接することにより 該回転中心軸の側方への傾きを規制するボールベアリングによって支 持され、 該ボールベアリ ングのボールは、 前記軸端部に形成されてい る段差部に当接することにより当該回転中心軸の軸線方向における位 置を規定するように構成されていることが好ましい。 ここで、 前記の ボールベアリングは、 回転中心軸の片側の軸端部だけを支持する場合 、 または両方の軸端部を支持する場合のいずれであってもよい。

本発明では、 ボールベアリングのボール自身によって回転中心軸の 2方向における位置を規定するので、 回転中心軸を 2方向のいずれの 方向からもころがり軸受けとして支持できる。 従って、 回転時の摩擦 抵抗が小さい。 しかも、 このような軸受け構造を構成するにあたって ホールベアリングの構造を部分的に改良しただけなので、 小型のまま である。 それ故、 電子時計の薄型化を図ることができる。

本発明において、 前記ボールベアリングは、 前記発電用輪列のうち 、 外力を受けて回転する回転錘車に対して機構的に接続された発電用 ロータ伝え車を支持していることが好ましい。 このように構成すると 、 側圧を受けて摩擦抵抗が最も大きくなりやすい発電用ロー夕伝え車 において摩擦抵抗を低減することになるので、 その効果が大きい。 本発明において、 前記ボールベアリングは、 たとえば、 回転中心軸 の周りに配置された複数のボールと、 該ボールを保持するリング状の 枠体とから構成され、 前記ボールは、 前記リング状の枠体の両端面の うち前記段差部が形成されている側に位置する端面の内端縁と前記回 転中心軸との隙間から部分的にはみ出ていることにより前記段差部に 当接している構造のものを用いることができる。

本発明の第 3の形態において、 電子時計に内蔵の発電機には外力を 前記発電用輪列を介して前記発電用ロータに伝達する回転錘を用いる ことがあり、 この場合には、 該回転錘は、 前記ベースに支持された回 転中心部と、 該回転中心部の周りに形成された肉薄部と、 該肉薄部の 外周側に形成された肉厚部とを備えるものが好ましい。 ここで、 本発 明では、 前記ベース上における前記肉薄部の回転領域内には前記時計 用輪列および前記発電用輪列が配置され、 前記回路部のうち前記肉厚 部の回転領域内に位置する部分は、 前記ベースに凹部または貫通穴と して構成された回路部配置穴に配置されていることを特徴とする。 本発明における肉薄部および肉厚部とはそれぞれ、 回転錘の肉厚が 相対的に薄い部分および厚い部分を意味するものであり、 回転錘の最 も薄い部分および最も厚い部分の意味に限定されるものではない。 本発明に係る電子時計では、 回転錘には肉薄部と肉厚部とを構成し てそのアンバランス量を高めてあるのに加えて、 回転錘のそれそれ回 転領域毎に、 各部材を最適な状態で配置してある。 すなわち、 前記回 路部のうち前記肉厚部の回転領域内に位置する部分は、 前記ベースに 凹部または貫通穴として構成された回路部配置穴に配置されている。 従って、 本発明によれば、 肉厚部分の回転領域に相当する狭い隙間も 有効に活用できるので、 電子時計を薄型化できる。

本発明において、 前記回路部のうち前記肉厚部の回転領域内におい て前記回路部配置穴に配置されている部分は、 たとえば、 前記駆動回 路を構成する電子部品である。

本発明において、 前記ベース上における前記肉薄部の回転領域内に は、 外部操作部材への外部操作によって動作するおしどりに機構的に 接続されていることにより前記時計用輪列の動きを停める規正レバー が配置されることが一般的である。 この場合に、 前記回路部のうち前 記肉厚部の回転領域内において前記回路部配置穴に配置されている部 分としては、 前記おしどりに機構的に接続されていることにより前記 駆動回路による前記ステップモータの駆動の一時停止およびその復帰 のためのスィ ツチとして動作するリセッ トレバーを前記回路部配置穴 に配置することがある。

本発明において、 前記ベースは、 金属製の地板と、 絶縁材料から構 成された回路受け座とを備える場合がある。 この場合には、 該回路受 け座に対して前記回路部配置穴が形成されていることが好ましい。 本発明において、 前記べ一ス上における前記肉薄部の回転領域内に は、 前記回転錘および前記発電用輪列を軸受けを介してそれぞれ支持 する回転錘受けのねじ止め部分が配置されていることがある。 この場 合に、 前記回転錘受けは、 その全体が前記べ一ス上における前記肉薄 部の回転領域内に配置されていることが好ましい。

本発明のいずれの形態においても、 前記時計用輪列には、 時針が連 結された筒車が含まれているのが一般的である。 この場合には、 この 筒車の両端面のうち、 前記時針が位置する側の端面では該端面の内周 部分が削られ、 その反対側の端面では該端面の外周部分が削られてい ることが好ましい。 このように、 筒車と文字板の裏面部との間で筒車 の端面を凹ませ、 そこに皿ばねを介在させることによって、 筒車と文 字板との間に必要最小限の隙間を確保することができる。 従って、 電 子時計を薄型化できる。 また、 文字板の穴開け加工時にばりが発生し ても、 そこには必要最小限の隙間があるので、 ばりは筒車に届かない 。 それ故、 電子時計を薄型化しても、 筒車の回転は妨げられることが ない。

また、 本発明のいずれの形態においても、 前記時計用輪列と前記発 電用輪列との間には、 前記時計用輪列を支持する輪列受けの一部によ つて潤滑油飛散防止用の壁が構成されていることが好ましい。 このよ うに構成すると、 発電機の発電用ロー夕伝え車の近傍に輪列受けの一 部から構成した壁が存在するため、 潤滑油が周囲に飛び散らない。 従 つて、 各部品間の隙間を狭めることができるので、 その分だけ、 部品 の配置空間を確保できる。 それ故、 電子時計を薄型化できる。 また、 飛び散つてきた潤滑油によって歯車の回転が妨げられるということが ないので、 信頼性が向上する。

本発明のいずれの形態においても、 前記発電機の発電用ステ一夕と 発電用磁心との接続部分では、 地板、 前記発電用磁心、 および前記発 電用ステ一夕がこの順序で積層され、 かつ、 該発電用ステ一夕におけ る前記発電用磁心との連結部分の上下面が発電用ロータ周辺に位置す る前記発電用ステ一夕の上下面の間に位置するとともに、 前記連結部 分の上面が前記発電用ロータの磁石上面よりも下側に位置する断面構 造が構成されていることが好ましい。 このように、 発電用ステ一夕と 磁心との接続部分において、 発電用ステ一夕の連結用端部を 1枚の磁 心の上に乗り上げるように加工すると、 接続部分を薄くできるので、 電子時計を薄型化できる。 図面の簡単な説明

図 1は、 指針式電子時計の全体構成を示す概略構成図である。 図 2は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計における小型発電機 などの平面的な配置構造を示す説明図である。

図 3は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計におけるステツプモ

—夕、 時計用輪列、 および回路基板などの平面的な配置構造を示す説 明図である。

図 4は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計における回路基板と 回転錘との配置関係を示す縦断面図である。

図 5は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計における時刻合わせ 用の機構部分の平面的な配置関係を示す説明図である。

図 6は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計における時刻合わせ 用の機構部分の配置関係を示す縦断面である。

図 7 ( a ) は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計における時刻 1

1 0

合わせ用の機構部分を半径方向に切断したときの縦断面、 図 7 ( b ) は、 この部分の側面断面図である。

図 8は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計に構成された時計用 輪列付近の縦断面である。

図 9 ( A ) は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計に構成された 発電用輪列付近の縱断面、 図 9 ( B ) は、 発電用ロータの回転中心軸 を支持する軸受け部分の拡大図である。

図 1 0は、 本発明の実施例に係る指針式電子時計に構成された小型 発電機付近の縱断面である。

図 1 1は、 従来の軸受け構造を示す説明図である。

[符号の説明]

1 - 指針式電子時計

2 · ベ ス

2 0 小型発電機

2 1 発電用ロータ

2 2 発電用ステ一夕

2 3 発電用コィル

2 4 磁心

2 5 回転鍾

2 6 回転錘受け

2 7 8 • · ' ボールベアリング

3 0 二次電源

3 1 回路基板

4 0 ステツブモ一夕

1 モー夕用のコイル

4 2 モー夕用ロー夕

4 3 モ一夕用ステ一夕 0 時計用輪列

6 筒車

0 発電用輪列

2 発電ロータ伝え車

4 規正レバー

5 リセッ トレバ一

0 輪列受け

0 0 •地板

0 5 • 回路受け座の貫通穴 （回路部配置穴） 0 7 • 回路受け座の凹部 （回路部配置穴） 1 1 • 発電用口一夕の回転中心軸

1 2、 2 1 4 · · ' 穴石

1 3、 2 1 5 · · · キャップ

1 1 - 回転中心軸

1 7 • 円錐面状の部分

1 8 • あがき防止用の段部

1 9 •度決め用の突起

2 2 • 穴石の端面とキヤップとの隙間 5 1 • 回転錘の肉薄部

5 2 • 回転錘の肉厚部

0 3 •皿ばね

8 0 •枠体

8 1 . ボール

8 2 •枠片

3 • 受け片

1 1 • 回路受け座

2 0 •発電ロータ伝え車の回転中心軸 G 1 . . 潤滑油を保持するための隙間

G 2 · . 筒車と文字板との隙間

G 3 · · 潤滑油を保持するための環状溝 発明を実施するための最良の形態

以下に、 図面を参照して、 本発明の実施例を説明する。

(全体構成）

図 1は、 電子時計の全体構成を示す概略構成図である。 なお、 本例 の電子時計の基本的な構造は、 従来の電子時計と同様であるため、 共 通する機能を有する部分については、 同じ符合を付して説明する。

図 1において、 本例の指針式電子時計 1は、 指針表示式のアナログ 水晶腕時計であり、 回路基板 3 1に実装した水晶振動子 3 2から送出 された信号に基づいて、 ステップモ一夕 4 0が駆動されるようになつ ている。 ステップモータ 4 0は、 2極に着磁された永久磁石を備える モータ用口一夕 4 2と、 このモータ用ロータ 4 2が配置される筒状の 口一夕配置穴 4 3 0を有するモータ用ステ一夕 4 3 と、 コイル 4 1を 巻いた磁心 4 4からなるコイルブロックとから構成されている。 モー 夕用口一夕 4 2には、 かな部を介して、 五番車 5 1、 四番車 5 2、 三 番車 5 3、 二番車 5 4、 曰の裏車 5 5、 筒車 5 6からなる時計用輪列 5 0が機構的に接続され、 そのうち、 四番車 5 2の軸の先端には秒針 1 6 1が固定されている。 二番車 5 4の円筒軸の先端には、 分針 1 6 2が固定されている。 筒車 5 6の円筒軸の先端には、 時針 1 6 3が固 定されている。 ここで、 モ一夕用口一夕 4 2から四番車 5 2までの減 速比は、 1 / 3 0に設定されている。 秒針 1 6 1は、 モータ用ロータ 4 2が 1秒おきに 1 8 0 ° ずつ間欠的に回転することによって 6 ° ず つ間欠的に回転するように構成されている。

かかるステツプモ一夕 4 0を駆動するための電源部 1 0は、 小型発 電機 2 0および二次電源 3 0 (キャパシ夕） によって大略構成されて いる。 小型発電機 2 0は、 指針式電子時計 1を嵌めた腕を動かしたと きに発電するように、 腕の動きによって回転する片重りの回転錘 2 5 と、 この回転錘 2 5から運動エネルギーを受けて回転する発電用ロー 夕 2 1 と、 発電用ロータ 2 1 を挟む発電用ステ一夕 2 2 と、 この発電 用ステ一タ 2 2および発電用口一夕 2 1 と磁気回路を構成する磁心 2 4に巻回された発電用コイル 2 3とから構成されている。 回転錘 2 5 と発電用ロータ 2 1は、 回転錘 2 5の回転動作を増速して伝達する発 電用輪列 6 0によって機構的に接続されている。 この発電用輪列 6 0 は、 回転錘 2 5 と一体に形成された回転錘車 6 1 と、 この歯車と嚙み 合うかな部を備える発電ロータ伝え車 6 2 とから構成されている。 発 電用ロータ 2 1は、 磁極 N、 Sが形成された永久磁石を備え、 回転錘 2 5の回転が伝達されると、 磁極 N、 Sが回転する。 従って、 発電用 コイル 2 3から誘導起電力を得ることができるので、 二次電源 3 0を 充電することができる。

回転錘 2 5は、 詳しくは後述するが、 その回転中心部分に回転錘固 定用ねじ 2 5 0が取り付けられている。 ここで、 回転錘 2 5は、 回転 錘固定用ねじ 2 5 0 (回転中心部） の周辺部分が回転錘体としての肉 薄部 2 5 1 になっており、 その外周部分は、 回転錘体に連なる回転重 錘としての肉厚部 2 5 2になっている。 従って、 回転錘 2 5を薄形化 しても、 回転錘 2 5の角度方向における重量のアンバランス量が大き い。

(輪列の平面配置構造）

発電機能および運針機能を担う各部品の配置構造を、 図 2および図 3を参照して説明する。 図 2は、 本形態の指針式電子時計における小 型発電機などの平面的な配置構造を示す説明図、 図 3は、 この指針式 電子時計におけるステップモータ、 時計用輪列、 および回路基板など P T/JP96/03419

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の平面的な配置構造を示す説明図である。

図 2は、 本例の指針式電子時計のうち、 ベースを構成する地板に主 な部品を実装した状態を示す平面図である。

図 2において、 地板 2 0 0の中心部分が回転錘 2 5および各指針の 回転中心となるべき部分である。 地板 2 0 0は、 裏面側に時計の文字 盤が配置されるようになっており、 図面には、 地板 2 0 0の各角度方 向に、 この方向に対応する各時刻を付してある。

図 2において、 回転錘 2 5の回転領域は地板 2 0 0の外周縁よりや や内側に二点鎖線 L 1で示した領域である。 この二点鎖線 L 1の内側 には、 回転錘 2 5に構成してある肉薄部 2 5 1の回転範囲と、 肉厚部 2 5 2の回転範囲とを仕切る二点鎖線 L 2が表されている。

本形態では、 回転錘 2 5の回転領域のうち、 肉薄部 2 5 1の回転領 域と肉厚部 2 5 2の回転領域とを跨がるようにして小型発電機 2 0が 配置されている。 発電用ロー夕 2 1のかな部 2 1 0には、 発電用口一 夕伝え車 6 2が喃み合い、 この発電用ロータ伝え車 6 2のかな部 6 2 0には、 回耘錘 2 5に固定された回転錘車 6 1が嚙み合っている。 こ こで、 回転錘車 6 1は勿論のこと、 発電用口一夕伝え車 2 2および発 電用ロータ 2 1など、 高さ寸法が大きい発電用輪列 6 0は、 すべて、 肉薄部 2 5 1の回転領域の内側に配置されている。

回転錘 2 5および発電用輪列 6 0はいずれも平板状の回転錘受け 2 6に支持されており、 この回転錘受け 2 6も全体が肉薄部 2 5 1の回 転領域の内側に配置されている。 また、 回転錘受け 2 6は、 3本のね じ 2 6 7、 2 6 8、 2 6 9によって地板 2 0 0に固定され、 いずれの ねじ止め部分も、 肉薄部 2 5 1の回転領域の内側に位置している。

このように、 肉薄部 2 5 1の回転領域の内側を有効に利用している ため、 指針式電子時計 1 を薄型化できる。 しかも、 回転錘 2 5を外せ ば、 そのまま向転錘受け 2 6を外すことができるなど、 分解性もよい また、 肉薄部 2 5 1の回転領域内には、 図 3に示すように、 五番車 5 1、 四番車 5 2、 三番車 5 3、 二番車 5 4、 曰の裏車 5 5、 筒車 5 6などといった高さ寸法が大きい時計用輪列 5 0も配置されている。 従って、 回転錘 2 5の角度方向における重量のアンバランス量を高 めることを目的に、 回転錘 2 5の外周部分に回転重錘としての肉厚部 2 5 2を設けても、 各輪列を配置するのに支障がない。 しかも、 回転 錘 2 5のアンバランス量を高く した分だけ、 薄肉部 2 5 1 を拡張して 他の部品の配置空間を広く確保することができるので、 指針式電子時 計 1の薄型化に有利である。

(回路基板の平面配置構造）

その代わりに、 回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2の回転領域内には、 比較 的薄い部材を配置してある。 まず、 駆動回路を構成するダイオード 3 3などが実装されているフレキシブル基板からなる回路基板 3 1は、 その厚さが比較的薄いので、 回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2の回転領域内 において、 回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2 と地板 2 0 0との隙間を利用し て配置してある。

但し、 図 3および図 4に示すように、 水晶振動子 3 2、 I C駆動用 コンデンサ 3 5は、 それを配置したときに比較的大きな収容寸法を必 要とするので、 回路基板 3 1に配線接続されているものの、 回路基板 3 1の側方 （回転錘 2 5の肉薄部 2 5 1の回転領域内） に配置されて いる。

これに対して、 ダイォード 3 3などといった面実装タイプの部品は 、 回路基板 3 1上に実装され、 かつ、 この回路基板 3 1は、 ダイォー ド 3 3などが地板 2 0 0の方に向くように配置されている。 そこで、 ダイオード 3 3などは、 地板 2 0 0に形成されている貫通穴 2 0 6内 に配置されている。 ここで、 地板 2 0 0の貫通穴 2 0 6の内周面には 絶縁材料から構成された回路受け座 3 1 1が取り付けられており、 こ の回路受け座 3 1 1の貫通穴 2 0 5 (回路部配置穴） 内にダイォ一ド 3 3などが位置している。

このように、 ベース 2を構成する地板 2 0 0および回路受け座 3 1 1のうち、 回路受け座 3 1 1の貫通穴 2 0 5内にダイ才ード 3 3など を配置してあるため、 隙間寸法の小さい肉厚部 2 5 2の回転領域内に 対して、 駆動回路を構成する回路基板 3 1上の電子部品の過半数を配 置することができる。 しかも、 これらの電子部品は、 地板 2 0 0の貫 通穴 2 0 6の内周面に構成された絶縁性の回路受け座 3 1 1で囲まれ ているので、 短絡などの不具合が発生しない。

(時刻合わせ用の切換部材の配置構造）

図 5は、 本例の指針式電子時計における時刻合わせ用の機構部分の 平面的な配置関係を示す説明図である。

図 5に示すように、 指針式電子時計 1では、 竜頭 7 (外部操作部材 ) などを外部から操作することによって秒針などを合わせるための機 構も構成されている。 この機構では、 まず、 竜頭 7に連結されている 軸部にはおしどり Ί 1が係合しており、 このおしどり 7 1の位置はか んぬき押さえ 7 6によって規制されている。 かんぬき 7 2は、 竜頭 7 の軸部に連結されているつづみ車 7 3の溝と係合している。 このため 、 竜頭 7を一段階引き出すと、 おしどり 7 1は、 矢印 Aの方向に回転 する。 ここで、 おしどり 7 1に形成されているダボには、 規正レバ一 7 4のカム溝が係合しているため、 竜頭 7を引き出すと、 規正レバ一 7 4は、 矢印 Bの方向に回転して、 五番車 5 1に係合し、 秒針 1 6 1 の動きを止める。 この状態で、 竜頭 7を廻したときに小鉄車 7 9を介 して日の裏車 5 5などを回転させることが可能になる。 この機構の採 用により、 秒針 1 6 1を停止したままで時刻合わせが可能であるため 、 秒時刻も合わせることができる。 さらに、 おしどり 7 1には、 カム機構を介してリセッ トレバー 7 5 も接続しており、 竜頭 7を一段階引き出すと、 リセッ ト レバー 7 5は 、 矢印 Cの方向に回転する。 この回転方向の側には、 回路基板 3 1カゝ ら張り出す接点部 3 1 5が位置しているため、 竜頭 7を一段階引き出 す動作に連動して、 スィ ッチが作動した状態となる。 この状態では、 回路基板 3 1に構成されている駆動回路 （図示せず。 ） からステップ モータ 4 0への駆動信号の出力が停止されるので、 モータ用ロータ 4 2の回転も停止する。

ここで、 図 6からわかるように、 リセッ トレバ一 7 5および規正レ バ一7 4は、 薄い板状のものから構成されているが、 規正レバ一 7 4 は、 五番車 5 1に対して直接作用するため、 地板 2 0 0の中央部分に 配置する必要がある。 従って、 規正レバ一 7 4は、 回転錘 2 5の肉薄 部 2 5 1の回転領域内 （回転錘 2 5の肉薄部 2 5 1の回転位置と地板 2 0 0との間） に配置されている。

これに対して、 リセッ トレバー 7 5は、 薄い金属板から構成され、 かつ、 回路基板 3 1の一部との接触が可能な位置にあればよいことか ら、 回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2の回転領域内 （回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2の回転位置と地板 2 0 0との間） に配置されている。

リセッ トレバー 7 5も金属板から構成されて回路部の一部を構成し ている。 また、 リセッ トレバ一 7 5は、 図 4を参照して説明した回路 基板 3 1上のダイオード 3 3のように地板 2 0 0近くに配置されてい る。 そこで、 本形態では、 リセヅ 卜レバ一 7 5は、 地板 2 0 0の貫通 穴 2 0 8内に配置されている絶縁材料からなる回路受け座 3 1 1の凹 部 2 0 7 (回路部配置穴） 内に位置している。

このように、 本形態では、 ベース 2を構成する地板 2 0 0および回 路受け座 3 1 1のうち、 回路受け座 3 1 1の凹部 2 0 7からなる回路 部配置穴内にリセッ トレバ一 7 5を配置してあるので、 隙間寸法の小 さい肉厚部 2 5 2の回転領域内にリセッ トレバー Ί 5を配置すること ができる。 しかも、 リセッ ト レバー 7 5は絶縁性の回路受け座 3 1 1 で囲まれているので、 短絡などの不具合が発生しない。

また、 おしどり 7 1およびかんぬき 7 2などといった切換用の部材 も、 回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2の回転領域内 （回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2の回転位置と地板 2 0 0との間） において、 かんぬき押さえ 7 6 によって押しつけ固定されている。

このようにして、 本例の指針式電子時計 1では、 回転錘 2 5の肉薄 部 2 5 1の回転領域内だけでなく、 回転錘 2 5の肉厚部 2 5 2 と地板 2 0 0 との狭い隙間をも十分に活用することによって薄型化を図って ある。

なお、 図 7 ( a ) からわかるように、 回路基板 3 1は、 それに形成 されている穴 3 1 0に回路受け座 3 1 1の突起 3 1 2が嵌まった状態 で位置決めされ、 かつ、 回路押さえ板 3 1 0によって押しつけ固定さ れた状態にある。 また、 図 7 ( b ) からわかるように、 回路基板 3 1 の端部では、 その接点 3 1 5 となるべき部分が側方に張り出した状態 にあり、 竜頭 7の引き出し操作によって、 リセッ ト レバ一 7 5の先端 部で折り曲げられた接点部分 7 5 5が基準位置 （竜頭 7を押し込んだ 状態 / 0段目） から側方に移動すること （竜頭 7を 1段引き出す動作 ) によって、 回路基板 3 1の側の接点 3 1 5 とリセッ ト レバ一 7 5の 接点部分 7 5 5 とが接触する。 逆に、 竜頭 7を引き出した状態から竜 頭 7を押し込むと、 接点 7 1 5 と接点部分 7 5 5とが離れるので、 再 び、 駆動回路から駆動信号がステップモ一夕 4 0の出力される。 従つ て、 モータ用ロー夕 4 2は、 再び回転し始める。 また、 竜頭 7を押し 込むと、 規正レバ一 Ί 4が五番車 5 1から離れるので、 秒針 1 6 1は 、 回転を再開する。

(輪列およびその軸受け部分の構造） 図 8は、 本例の指針式電子時計に構成された時計用輪列付近の縦断 面、 図 9 ( A ) は、 この指針式電子時計に構成された発電用輪列付近 の縦断面、 図 9 ( B ) は、 発電用ロー夕の回転中心軸を支持する軸受 け部分の拡大図、 図 1 0は、 この指針式電子時計に構成された小型発 電機付近の縦断面である。

図 8に示すように、 回転錘 2 5は、 回転錘受け 2 6に固定されてい るボールベアリング 2 7に回転錘固定用ねじ 2 5 0によって固定され た状態にある。 ボールべァリング 2 7 と地板 2 0 0 との間には輪列受 け 8 0が配置されている。 この輪列受け 8 0に形成されている穴 8 0 1、 8 0 2に対しては、 三番車 5 3および五番車 5 1の回転中心軸 5 3 0、 5 1 0の一方の軸端部が穴石 5 3 1、 5 1 1 を介して支持され ている。 また、 地板 2 0 0に形成されている穴 2 0 1、 2 0 2に対し ては、 三番車 5 3および五番車 5 1の回転中心軸 5 3 0、 5 1 0の他 方の軸端部が穴石 5 3 2、 5 1 2を介して支持されている。

三番車 5 3および五番車 5 1の穴石 5 3 2、 5 1 2に対しては、 そ れに被さる位置まで筒車 5 6の外周部分が延びている。 この筒車 5 6 は、 両端面のうち、 時針が位置する側の端面の内周部分 5 6 1が削ら れ、 かつ、 その反対側の端面の外周部分 5 6 2が削られた形状を有し ている。 従って、 筒車 5 6と穴石 5 3 2、 5 1 2 との間には、 潤滑油 を保持するための隙間 G 1が確保されている。

地板 2 0 0に対しては、 時計の文字板 3が積層されているが、 この 文字板 3には穴 3 0 1が形成されているので、 各輪列の回転中心軸を 突出させることが可能である。

文字板 3は、 筒車 5 6の両端面のうち、 時針が位置する側の端面に 沿うように配置されている。 但し、 筒車 5 6は、 時針が位置する側の 端面の内周部分 5 6 1が削られているので、 そこには文字板 3との間 に皿ばね 3 0 3を配置することができる。 従って、 筒車 5 6に装着し た 1枚の皿ばね 3 0 3を筒車 5 6 と文字板 3との間に配置しておけば 、 この部分では筒車 5 6 と文字板 3とを隙間 G 2に相当する分だけ離 すことができる。 このため、 文字板 3に穴 3 0 1を穿ったときに、 筒 車 5 6の歯車部分に向けてバリ （返り部分） が発生した場合でも、 バ リによって筒車 5 6の回転が妨げられることがない。 しかも、 筒車 5 6の内周部分 5 6 1 と皿ばね 3 0 3とによって隙間 G 2が確実に確保 されるので、 筒車 5 6と文字板 3 との隙間を必要最小限の寸法にする ことができる。 それ故、 指針式電子時計 1 を薄型化できる。

(発電用ロータ伝え車のあがき決め構造）

図 9 ( A ) に示すように、 地板 2 0 0の中心からずれた位置には、 発電用輪列 6 0を構成する歯車のうち、 回転錘車 6 1に嚙み合うかな 部 6 2 1 を備える発電用ロータ伝え車 6 2が回転錘受け 2 6 と地板 2 0 0との間に支持されている。 この発電用ロータ伝え車 6 2は、 回転 中心軸 6 2 0の一方の軸端部がボールベアリング 2 8によって支持さ れ、 このボールベアリング 2 8は、 回転錘受け 2 6に形成されている 穴 2 6 3に保持されている。

ボールベアリング 2 8は、 回転中心軸 6 2 0の周りで並ぶ複数のボ ール 2 8 1 と、 これらのボール 2 8 1 を収容するリング状の枠体 2 8 0 とから構成されている。 この枠体 2 8 0は、 ボール 2 8 1 を 2方向 から保持するリング状の枠片 2 8 2と、 この枠片 2 8 2に隣接してボ —ル 2 8 1の脱落を防止するための受け片 2 8 3 とから構成されてい る。 一方、 発電用ロータ伝え車 6 2の回転中心軸 6 2 0には、 受け片 2 8 3 と対峙する部分に段差部 6 2 6が形成されている。 ここで、 ボ —ル 2 8 1は、 受け片 2 8 3の内周端縁 （枠体 2 8 0の両端面のうち 、 段差部 6 2 6が位置する側の端面の内周端縁） と回転中心軸 6 2 0 との隙間から部分的にがはみ出ていることにより段差部 6 2 6に当接 している。 W 7/ 9 91

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このように構成した軸受け構造では、 回転中心軸 6 2 0の側面部に ボール 2 8 1が当接しているため、 回転中心軸 6 2 0の左右方向の振 れは完全に防止されている。 また、 回転中心軸 6 2 0は、 上下方向に がたを有しているが、 矢印 Dの方向に一定以上ずれよう としても、 段 差部 6 2 6にボール 2 8 1が当接するため、 上下方向のうちの矢印 D の方向への振れも完全に決められている。 このため、 回転錘 2 5の動 きに連動して発電用口一夕伝え車 6 2が回転したとき、 段差部 6 2 6 とボール 2 8 1は、 すべり摩擦でなく、 ころがり摩擦となるので、 よ り小さな輪列負荷損失に抑えることができる。 それ故、 本例の指針式 電子時計 1では、 発電用ロー夕伝え車 6 2のあがきを簡単な構造で決 めることができ、 指針式電子時計 1 を薄型化できる。 しかも、 輪列の うちで最も側圧を受けやすい発電用口一夕伝え車 6 2において軸受け 部分の摩擦が小さいので、 発電効率が向上する。

なお、 発電用ロータ伝え車 6 2は、 回転中心軸 6 2 0の他方の端部 に穴石 6 2 2が嵌められ、 この穴石 6 2 2は、 地板 2 0 0に形成され ている穴 2 0 4に保持されているため、 地板 2 0 0に向かう方向のあ がきは、 この部分によって決められている。

(潤滑油の飛散防止構造）

また、 発電用ロータ伝え車 6 2の歯車 6 2 3の側方には、 輪列受け 8 0の端部に形成された壁部分 8 0 4が位置している。 すなわち、 本 例では、 時計用輪列 5 0と発電用輪列 6 0 との間には、 輪列受け 8 0 の一部によって潤滑油飛散防止用の壁が構成されている。 従って、 発 電用口一夕伝え車 6 2が高速で回転しても、 その回転中心軸 6 2 0や 歯車 6 2 3に塗ってある潤滑油が三番車 5 3などに飛散しない。 従つ て、 油の粘性に起因する三番車 5 3などの止まりや遅れなどの運針異 常が発生しにく く、 この運針異常を補償するための電力消費を抑える こともできる。 しかも、 従来からある輪列受け 8 0の一部を利用して 、 潤滑油の飛散を防止しているので、 指針式電子時計 1 を薄型化でき る。 また、 潤滑油が周囲に飛び散らないので、 各部品間の隙間を狭め ることができる。 従って、 その分だけ、 部品の配置空間を確保できる ので、 指針式電子時計 1 を薄型化できる。

発電用ロータ伝え車 6 2の側方では、 発電用ロータ伝え車 6 2の歯 車 6 2 3に喃み合うかな部 2 1 0を備える発電用ロータ 2 1が回転錘 受け 2 6と地板 2 0 0との間に支持されている。

ここで、 発電用ロー夕 2 1の回転中心軸 2 1 1は、 一方の軸端部に 穴石 2 1 2が嵌められている。 この穴石 2 1 2は、 リング状のキヤヅ プ 2 1 3に嵌めれた状態で、 回転錘受け 2 6に形成されている穴 2 6 6に保持されている。 また、 発電用ロータ 2 1の回転中心軸 2 1 1は 、 他方の軸端部にも穴石 2 1 4が嵌められている。 この六石 2 1 4は 、 リング状のキャップ 2 1 5に嵌めれた状態で、 地板 2 0 0に形成さ れている穴 2 0 5に保持されている。

本例では、 穴石 2 1 2、 2 1 4およびキャップ 2 1 3、 2 1 5を用 いた各軸受け部分の構造は同一であるので、 図 9 ( B ) を参照して、 穴石 2 1 4およびキャップ 2 1 5を用いた軸受け部分の方を中心に説 明する。

この軸受け部分において、 キャップ 2 1 5は、 穴石 2 1 4の側面部 を覆うとともに、 穴石 2 1 4の発電用ロー夕 2 1に対峙する側の端面 2 1 6を外周側から部分的に覆った状態にある。 このため、 穴石 2 1 4の端面 2 1 6の内側部分では、 キャップ 2 1 5の内周面と回転中心 軸 2 1 1の外周側面との間に潤滑油を保持するための環状溝 G 3が構 成されている。 この環状溝 G 3は、 たとえば約 4 0 / mから約 1 0 0 mの開口幅を有している。 しかも、 この環状溝 G 3の深さは、 キヤ ップ 2 1 5の肉厚に概ね相当し、 比較的深い。 従って、 発電用ロータ 2 1が高速で回転したとしても、 潤滑油は環状溝 G 3から流れ出ない ので、 周囲に飛び散らない。 それ故、 各部品の間隔を狭めることがで きるので、 指針式電子時計 1の薄型化を図ることができる。

また、 各輪列のうち、 最も高速で回転する発電用口一夕 2 1の軸受 け部分から潤滑油が最も飛散しやすい傾向にあるが、 本例では、 この 発電用ロー夕 2 1の回転中心軸 2 1 1に上記の軸受け構造を採用した ので、 潤滑油の飛散を効果的に防止できる。

ここで、 キャップ 2 1 5 と穴石 2 1 4 とは別体の部品で構成され、 穴石 2 1 4はキヤ ヅプ 2 1 5の内側に装着された状態にある。 従って 、 本例では、 穴石 2 1 4 とキヤップ 2 1 5 との間に潤滑油が滲み込ん で拡散しないように、 穴石 2 1 4をキャップ 2 1 5に装着した状態で 処理液に浸漬し、 それらの表面に潤滑油拡散防止用の表面処理を施す 。 すなわち、 フッ素系コーティング剤をフッ素系溶剤に溶解して処理 液を調製し、 それに穴石 2 1 4をキャップ 2 1 5に装着した状態で浸 濱した後、 乾燥処理を行って溶剤を除去する。 その結果、 穴石 2 1 4 やキヤップ 2 1 5の表面にはフッ素系コ一ティ ング剤の薄い層が形成 される。 このような表面処理を行っておく と、 フッ素系コーティ ング 剤の薄い層が潤滑油をはじくので、 穴石 2 1 4 とキャップ 2 1 5 との 間に潤滑油が滲み込んで拡散していく ことがない。

このような表面処理を効果的に行うことを目的に、 本例では、 キヤ ヅプ 2 1 5 と穴石 2 1 4の端面 2 1 6 との間に所定寸法の隙間 2 2 2 を積極的に確保してある。 従って、 キャップ 2 1 5 と穴石 2 1 4 との 間に処理液が十分に入り込むので、 キャップ 2 1 5および穴石 2 1 4 の表面全体に潤滑油拡散防止用の表面処理を確実に行うことができる 。 それ故、 潤滑油保持用の環状溝 G 3に保持された潤滑油は、 キヤッ ブ 2 1 5と穴石 2 1 4との間を通って拡散しない。 このような隙間 2 2 2を確保するにあたって、 本例では、 キャップ 2 1 5の方には、 穴 石 2 1 4をキャップ 2 1 5の内部に装着するときに度決めを行うため の突起 2 1 9を形成してある。 それ故、 穴石 2 1 4をキャップ 2 1 5 の内側に装着するだけで、 突起 2 1 9の高さに相当する寸法の隙間 2 2 2を確実に確保できる。 なお、 隙間 2 2 2の間隔は、 表面処理によ つて約 l〃mのコーティ ング層が形成されることや加工精度を考慮す ると、 たとえば約 1 0 mである。

本例では、 回転中心軸 2 1 1は、 その外周側面のうち穴石 2 1 2、 2 1 4に支持されている部分付近に、 潤滑油保持用の環状溝 G 3を構 成している部分に向かって軸径が拡大していく円錐面状の部分 2 1 7 を備えている。 このため、 潤滑油がたとえ飛散して回転中心軸 2 1 1 に付着しても、 それが円錐面状の部分 2 1 7に付着したのであれば、 そこに付着している潤滑油は、 回転中心軸 2 1 1が回転したときにそ の遠心力を受けて大径部分の方 （潤滑油保持用の環状溝 G 3の方） に 移動してく る。 その結果、 潤滑油は、 潤滑油保持用の環状溝 G 3内に 戻るだけで周囲に飛散することがない。

また、 回転中心軸 2 1 1の外周側面には、 穴石 2 1 2、 2 1 4のそ れそれに対峙するように張り出した段部 2 1 8 (あがき防止用の段部 ) が形成されている。 このため、 回転中心軸 2 1 1が軸線方向にずれ たときには、 段部 2 1 8が穴石 2 1 2 , 2 1 4の内端面に当接して、 それ以上のずれを防止する。 ここで、 回転中心軸 2 1 1の外周側面に おける段部 2 1 8の形成位置、 および環状溝 G 3の深さ寸法 （環状溝 G 3を構成する部分のキャップ 2 1 5の厚さ寸法） は、 回転中心軸 2 1 1が軸線方向のいずれの方向にずれても、 段部 2 1 8が潤滑油保持 用の環状溝 G 3内に位置するように設定されている。 このため、 環状 溝 G 3内から潤滑油が飛散しょうとしても、 潤滑油は回転中心軸 2 1 1の段部 2 1 8で遮られるので、 潤滑油の飛散をより確実に防止でき る。 たとえば、 本例では、 環状溝 G 3の深さ寸法を約 1 0 0〃m以上 に設定してある。 但し、 環状溝 G 3の深さ寸法は、 小さいほど指針式 電子時計の薄型化に有利であるため、 潤滑油の飛散を防止できる範囲 内で最も小さな値になるように設定される。

さらに、 穴石 2 1 2、 2 1 4の外端面の側には潤滑油注入用の凹部 2 2 0が構成されている。 従って、 凹部 2 2 0に潤滑油を注入してお く と、 潤滑油は穴石 2 1 2 , 2 1 4の穴内に滲み込んで潤滑油保持用 の環状溝 G 3に溜まる。 ここで、 凹部 2 2 0の外径寸法 Dは、 潤滑油 保持用の環状溝 G 3の外径寸法 d以上であり、 凹部 2 2 0の内容積は 環状溝 G 3の内容積より大きい。 それ故、 環状溝 G 3 と潤滑油注入用 の凹部 2 2 0 とが保持する潤滑油の量のバランスをとることができる

(発電用ステ一夕と磁心との接続構造）

図 1 0に示すように、 発電用口一夕 2 1は、 発電用ステ一夕 2 2に 挟まれた状態にある。 発電用ステ一夕 2 2は、 小型発電機 2 0の磁心 2 4に接続されているが、 この磁心 2 4は、 地板 2 0 0上に位置する 下層側磁心 2 4 1 と、 この磁心に積層された上層側磁心 2 4 2とから 構成されている。 これらの磁心のうち、 下層側磁心 2 4 1 とステ一夕 2 2 と力；、 磁心接続用ねじ 2 4 6およびねじ座 2 4 7によって接続さ れている。

この接続部分において、 下層側磁心 2 4 1は、 上層側磁心 2 4 2の 端部よりも発電用ステ一夕 2 2に向けて水平に延設されている。 この 延設部分 2 4 0に対しては、 その上に被さるように、 発電用ステ一夕 2 2の端部が連結用端部 2 2 0として曲げ加工されている。 しかも、 連結用端部 2 2 0のうち、 磁心接続用ねじ 2 4 6のねじ止め位置は、 肉薄部分 2 2 1 となるように加工されている。 このため、 磁心 2 4と 発電用ステ一夕 2 2 との接続部分の厚さ寸法は、 下層側磁心 2 4 1の 厚さと、 発電用ステ一夕 2 2の連結用端部 2 2 0の肉薄部分 2 2 1の 厚さとの和であるため、 その値が小さい。 このように、 発電用ステ一夕 2 2 と磁心 2 4との接続部分における 断面構造は、 地板 2 0 0、 磁心 2 4、 および発電用ステ一夕 2 4がこ の順序で積層された状態にあり、 発電用ステ一夕 2 2の連結用端部 2 2 0 (連結部分） の上面 2 2 2および下面 2 2 3が発電用口一夕 2 1 1周辺に位置する発電用ステ一夕 2 2の上面 2 2 4 と下面 2 2 5 との 間に位置する構造になっている。 また、 連結用端部 2 2 0の上面 2 2 2は、 発電用ロータ 2 1の磁石上面 2 1 1 よりも下側に位置する構造 になっている。 それ故、 本例の指針式電子時計 1では、 その薄型化を 図ることができる。

しかも、 発電用ステ一タ 2 2では、 肉薄部分 2 2 1 とされているの は磁心 2 4 との接続部分だけであり、 その他の部分は、 肉厚部分のま まである。 このため、 接続部分の周辺部で下層側磁心 2 4 1の延設部 分 2 4 0と発電用ステ一夕 2 2の肉厚部分とが接触可能となる。 これ は、 小型発電機 2 0の磁気回路中を通る磁束が、 この部分で許容磁束 量が小さくなり、 漏れないようにするためである。 また、 かかる接続 部分の薄型化を目的に地板 2 0 0を部分的に薄くする必要がないので 、 地板 2 0 0の強度を高い状態にままに維持できる。

(別の実施例）

なお、 本例では、 歯車の回転中心軸に対するボールベアリングに係 る発明について、 発電用輪列 6 0の発電用ロー夕伝え車 6 2 0に対す る軸受け構造を例に説明したが、 この軸受け構造は、 歯車その他の回 転中心軸に適用してもよい。 また、 回転中心軸 6 2 0の一方側の軸端 部のみに本例の軸受け構造を適用したが、 回転中心軸 6 2 0の両軸端 部に対して、 本例の軸受け構造を適用してもよい。

また、 回転中心軸の軸受け部分において、 穴石 2 1 4とキャップ 2 1 5とがそれそれ別体のもの用いた例を説明したが、 穴石 2 1 4およ びキャップ 2 1 5がーつの部品において穴石部およびキャップ部とし て構成されていてもよい。 また、 穴石 2 1 4およびキャップ 2 1 5は 、 穴石部およびキャップ部としてベース 2 と一体に構成されていても よい。 このように部品の一体化を図ると、 指針式電子時計の生産コス トを低減することができる。 産業上の利用可能性

以上説明したように、 本発明の第 1の形態に係る電子時計では、 回 転中心軸の軸端部を支持する穴石部と、 該穴石部の端面を外周側から 覆って回転中心軸の外周側面との間に潤滑油保持用の環状溝を構成す る リング状のキャップ部とを備える軸受け部分を用いたことに特徴を 有する。 従って、 本発明によれば、 回転中心軸と穴石部との間に塗布 した潤滑油は、 回転中心軸が回転しても潤滑油保持用の環状溝に保持 され、 周囲に飛び散らない。 従って、 部品間の隙間を狭めることがで きるので、 薄型タイプの電子時計を提供できる。

本発明の第 2の形態に係る電子時計では、 ボールベアリ ングのボー ル自身によって回転中心軸の 2方向における位置を規定するので、 回 転中心軸を 2方向のいずれの方向からもころがり軸受けとして支持で きる。 従って、 回転時の摩擦抵抗が小さい。 しかも、 このような軸受 け構造は、 ホールベアリ ングの構造を部分的に改良しただけなので小 型のままである。 それ故、 薄型タイプの電子時計を提供できる。

本発明の第 3の形態に係る電子時計では、 回転錘には肉薄部と肉厚 部とを構成してそのアンバランス量を高めてあるのに加えて、 回転錘 のそれぞれ回転領域毎に、 各部材を最適な状態で配置してあることに 特徴を有する。 従って、 本発明によれば、 回転錘の回転領域のうち、 その肉厚部分の回転領域に相当する狭い隙間も有効に活用できるので 、 薄型タイプの電子時計を提供できる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 外力を発電用ロータに伝達する発電用輪列を具備する発電機と 、 該発電機で発生した電気エネルギーを蓄える二次電源と、 該二次電 源から電力供給される駆動回路が構成された回路部と、 前記駆動回路 によって駆動されるステップモータと、 該ステップモ一夕から時刻表 示部材に回転駆動力を伝達する時計用輪列とをベース上に有する電子 時計において、

前記発電用ロータの回転中心軸および前記発電用輪列の回転中心軸 のうちの少なく とも 1本の回転中心軸は、 該回転中心軸の軸端部を支 持する穴石部と、 該穴石部の端面を外周側から覆って当該回転中心軸 の外周側面との間に潤滑油保持用の環状溝を構成するリ ング状のキヤ ップ部とを備える軸受け部分によって支持されていることを特徴とす る電子時計。

2 . 請求の範囲第 1項において、 前記穴石部および前記キャップ部 は、 前記発電用ロータの回転中心軸の軸受け部分を構成していること を特徴とする電子時計。

3 . 請求の範囲第 1項において、 前記穴石部と前記キャップ部とは 別体の部品から構成されていることを特徴とする電子時計。

4 . 請求の範囲第 3項において、 前記キャップ部と、 該キャ ップ部 で覆われている前記穴石部の端面との間には隙間が構成され、 該隙間の間隔は、 前記穴石部を前記キヤップ部に装着するときの度 決め部によって規定されていることを特徴とする電子時計。

5 . 請求の範囲第 1項において、 前記六石部と前記キャップ部とは 一体の部品として構成されていることを特徴とする電子時計。

6 . 請求の範囲第 1項において、 前記穴石部および前記キャップ部 は、 前記ベースと一体に構成されていることを特徴とする電子時計。

7 . 請求の範囲第 1項ないし第 6項のいずれかにおいて、 前記穴石 部によって支持されている回転中心軸は、 その外周側面のうち前記穴 石部に支持されている部分付近に、 前記潤滑油保持用の環状溝を構成 している部分に向かって軸径が拡大していく円錐面状の部分を備えて いることを特徴とする電子時計。

8 . 請求の範囲第 1項ないし第 6項のいずれかにおいて、 前記穴石 部によって支持されている回転中心軸は、 前記穴石部に支持されてい る側に向かう軸線方向の動きをしたときに前記穴石部の端面に当接す る段部を外周側面に備え、

該外周側面における前記段部の形成位置は、 当該回転中心軸が軸線 方向のいずれの方向にずれても前記段部が前記潤滑油保持用の環状溝 内に位置するように設定されていることを特徴とする電子時計。

9 . 請求の範囲第 1項ないし第 6項のいずれかにおいて、 前記穴石 部は、 その両端面のうち前記キヤップ部で覆われている側の端面とは 反対側の端面の側に潤滑油注入用の凹部を備え、 該凹部の外径寸法は 、 前記潤滑油保持用の環状溝の外径寸法以上であることを特徴とする 電十^ = §1*。

1 0 . 外力を発電用ロータに伝達する発電用輪列を具備する発電機 と、 該発電機で発生した電気エネルギーを蓄える二次電源と、 該二次 電源から電力供給される駆動回路が構成された回路部と、 前記駆動回 路によって駆動されるステップモータと、 該ステップモータから時刻 表示部材に回転駆動力を伝達する時計用輪列とをベース上に有する電 子時計において、

前記発電用ロー夕の回転中心軸および前記発電用輪列の回転中心軸 のうちの少なく とも 1本の回転中心軸の軸端部は、 ボールが前記回転 中心軸に半径方向から当接することにより該回転中心軸の側方への傾 きを規制するボールベアリングによって支持され、

該ボールベアリ ングのボールは、 前記軸端部に形成されている段差 部に当接することにより当該回転中心軸の軸線方向における位置を規 定するように構成されていることを特徴とする電子時計。

1 1 . 請求の範囲第 1 0項において、 前記ボールベアリングは、 前 記発電用輪列のうち、 外力を受けて回転する回転錘車に対して機構的 に接続された発電用ロータ伝え車を支持していることを特徴とする電 子時計。

1 2 . 請求の範囲第 1 0項または第 1 1項において、 前記ボールべ ァリングは、 回転中心軸の周りに配置された複数のボールと、 該ボ一 ルを保持するリ ング状の枠体とから構成され、

前記ボールは、 前記リング状の枠体の両端面のうち前記段差部が形 成されている側に位置する端面の内端縁と前記回転中心軸との隙間か ら部分的にはみ出ていることにより前記段差部に当接していることを 特徴とする電子時計。

1 3 . 外力を発電用口一夕に伝達する発電用輪列を具備する発電機 と、 該発電機で発生した電気エネルギーを蓄える二次電源と、 該二次 電源から電力供給される駆動回路が構成された回路部と、 前記駆動回 路によって駆動されるステップモータと、 該ステップモ一夕から時刻 表示部材に回転駆動力を伝達する時計用輪列とをベース上に有する電 子時計において、

外力を前記発電用輪列を介して前記発電用ロータに伝達する回転錘 を有し、 該回転錘は、 前記ベースに支持された回転中心部と、 該回転 中心部の周りに形成された肉薄部と、 該肉薄部の外周側に形成された 肉厚部とを備え、

前記ベース上における前記肉薄部の回転領域内には前記時計用輪列 および前記発電用輪列が配置され、

前記回路部のうち前記肉厚部の回転領域内に位置する部分は、 前記 ベースに凹部または貫通穴として構成された回路部配置穴に配置され ていることを特徴とする電子時計。

1 4 . 請求の範囲第 1 3項において、 前記回路部のうち前記肉厚部 の回転領域内において前記回路部配置穴に配置されている部分は、 前 記駆動回路を構成する電子部品であることを特徴とする電子時計。

1 5 . 請求の範囲第 1 3項において、 前記ベース上における前記肉 薄部の回転領域内には、 外部操作部材への外部操作によって動作する おしどりに機構的に接続されていることにより前記時計用輪列の動き を停める規正レバーも配置され、

前記回路部のうち前記肉厚部の回転領域内において前記回路部配置 穴に配置されている部分は、 前記おしどりに機構的に接続されている ことにより、 前記駆動回路による前記ステツプモータの駆動の一時停 止およびその復帰のためのスイ ッチとして動作するリセッ ト レバ一で あることを特徴とする電子時計。

1 6 . 請求の範囲第 1 3項ないし第 1 5項のいずれかにおいて、 前 記ベースは、 金属製の地板と、 絶縁材料から構成された回路受け座と を備え、 該回路受け座に対して前記回路部配置穴が形成されているこ とを特徴とする電子時計。

1 7 . 請求の範囲第 1 3項ないし第 1 5項のいずれかにおいて、 前 記ベース上における前記肉薄部の回転領域内には、 前記回転錘および 前記発電用輪列を軸受けを介してそれぞれ支持する回転錘受けのねじ 止め部分が配置されていることを特徴とする電子時計。

1 8 . 請求の範囲第 1 7項において、 前記回転錘受けは、 その全体 が前記ベース上における前記肉薄部の回転領域内に配置されているこ とを特徴とする電子時計。

1 9 . 請求の範囲第 1項、 第 1 0項、 第 1 3項のいずれかにおいて 、 前記時計用輪列には、 時針が連結された筒車が含まれ、

該筒車の両端面のうち、 前記時針が位置する側の端面では該端面の 内周部分が削られ、 その反対側の端面では該端面の外周部分が削られ ていることを特徴とする電子時計。

2 0 . 請求の範囲第 1項、 第 1 0項、 第 1 3項のいずれかにおいて 、 前記時計用輪列と前記発電用輪列との間には、 前記時計用輪列を支 持する輪列受けの一部によって潤滑油飛散防止用の壁が構成されてい ることを特徴とする電子時計。

2 1 . 請求の範囲第 1項、 第 1 0項、 第 1 3項のいずれかにおいて 、 前記発電機の発電用ステ一夕と発電用磁心との接続部分では、 地板 、 前記発電用磁心、 および前記発電用ステ一夕がこの順序で積層され 、 かつ、 該発電用ステ一夕における前記発電用磁心との連結部分の上 下面が発電用ロータ周辺に位置する前記発電用ステ一夕の上下面の間 に位置するとともに、 前記連結部分の上面が前記発電用ロータの磁石 上面よりも下側に位置する断面構造が構成されていることを特徴とす る電子時計。