WO2003015671A1 - Agent d'absorption et article absorbant - Google Patents

Description

明 細 書

吸収体及び吸収性物品 技 分野

本発明は、 吸収体及びこれを用いた吸収性物品に関するものであり、 更に詳し くは、 着用者の身体への密着性を改善し、 吸収性能を改善した吸収体並びにこれ を用いた尿パッド、 尿失禁製品、 使い捨ておむつ等の吸収性物品に関するもので ある。

背景技術

従来から、 使い捨ておむつ、 尿パッド等の吸収性物品に使用される吸収体は、 綿状パルプと吸収性ポリマー （以下、 S A Pと略することもある） を主体として 形成されており、 尿、 汗、 その他の体液が多量に吸収，保持されるため、 長時間 の使用が可能であり、 このような吸収体を用いた吸収性物品は使用量が年々増加 している。

一方、 近年、 吸収体の薄型化が進み、 体積の大きい綿状パルプの割合を減らし て、 体積が小さく吸収量の大きい S A Pの割合を増やす傾向にある。 しかしなが ら、 S A Pは体液の吸収容量は大きいが吸収速度が遅いため、 S A Pの割合の大 きい薄型吸収体では、 一度に多量の体液と接触した場合には、 S A Pのみで全量 を吸収することができず、 漏れの原因となっていた。 また、 着用者の身体への密 着性に劣るため、 吸収体と身体の間に隙間が生じ、 これも漏れの原因となってい た。

このような問題を解決するために、 特開昭 6 3— 2 6 4 9 7 1号公報、 特開平 3 - 2 0 6 1 7 4号公報等では、 繊維の内部を架橋した架橋セルロースを用いて 繊維の圧縮回復性を改善し、 これにより吸収速度の改善を図る方法が開示されて いる。 しかしながら、 これらの方法では、 液体の吸収速度は速くなるが、 保持能 力が劣るため、 一旦吸収された体液がトップシートへ逆戻りし、 トップシートが いつまでも濡れた状態になり、 着用者に不快感を与えると共にかぶれの原因とな る可能性がある。 また、 依然として着用者の身体への密着性が劣るものであり、 長時間使用した場合には漏れの原因となる可能性がある。 さらに、 このような方 法では、 セルロースの化学処理が必要であるため製品のコストが高くなるという 問題点を有しており、 また、 体積が大きいため吸収体の薄型化には不利である。 発明の開示

本発明は、 上記従来の吸収体の有する問題点を解決し、 薄型に形成した場合で あっても着用者の身体、 特に体液排出口への密着性が良好であり、 優れた吸収性 能と漏れ防止効果を有する吸収体、 及びこの吸収体を用いた吸収性物品を提供す るものである。

上記従来の吸収体の有する問題点を解決するための本発明は、 以下の各発明を 包含する。

着用者の肌に面する側に位置するトップシ一トと、 衣類に面する側に位置する バックシートと、 該両シートの間に配置されていて排出された体液を吸収、 保持 する吸収性材料と、 前記吸収性材料と少なくとも一部が接して配置されていて吸 液によりその体積を 3倍以上に膨張する圧縮体とを有する吸収体であって、 前記 圧縮体は、 少なくとも一部が前記トップシ一ト表面から露出していることを特徴 とする吸収体。

本発明の好ましい態様を以下に示す。

前記圧縮体の露出部は、 （1 ) 前記体液を吸収、 膨張すると共に、 前記吸収性 材料へ前記体液を拡散、 誘導するガイド機能を有するか、 または、 （2 ) 体液排 出時に吸液、 膨張して排出口への密着度を増すと共に、 前記吸収性材料への前記 体液のガイド機能を有する。

前記圧縮体は、 （1 ) 少なくとも一部が前記トップシートの前記着用者の股下 部に相当する部位において前記トップシート表面から露出しているか、 または、 ( 2 ) 少なくとも一部が前記トップシートの前記着用者の体液排出口に相当する 部位において前記トップシート表面から露出しているか、 または、 （3 ) 少なく とも一部が前記吸収体の両側縁部及び 又は両端縁部において前記トップシート 表面から露出しており、 該圧縮体の露出部は体液排出時に吸液、 膨張して漏れを 防ぐ防漏壁として機能する。 前記吸収性材料が （1 ) 吸収性ポリマ一と不織布基材のシート状複合体を主成 分とする力、 または、 （2 ) 5 0 %以上の吸収性ポリマーを含有するか、 または， ( 3 ) 多層構造を有している。

前記圧縮体が、 （1 ) 少なくとも一部を前記吸収性材料の表面に露出させ、 残 りの部分を前記吸収性材料内に組み込んでいるか、 または、 （2 ) フィラメント 束を圧縮したものから構成される。

前記圧縮体の露出部の少なくとも一部が、 前記着用者の身体に対してよりソフ 卜に密着することを容易にした非圧縮状態にある。

前記圧縮されたフィラメント束の一部が切断されて非圧縮状態の部位を形成し、 多数発生した端末を有する膨化繊維部が体液排出口に相当する部位に配置されて いる。

前記圧縮体が、 （1 ) 短繊維の集合体を圧縮したものから構成されているか、 または、 （2 ) 不織布シートを圧縮したものから構成されているか、 または、 ( 3 ) 発泡体を圧縮したものから構成されているか、 または、 （4 ) 液透過性シ —トで被覆されている。

前記液透過性シートが、 （1 ) 前記圧縮体の膨張を阻害しない程度に余裕を持 つて配置されているか、 または、 （2 ) 前記圧縮体の膨張に伴い伸長する。

本発明は、 前記のいずれかに記載の吸収体を用いてなる吸収性物品である。

本発明の吸収体は、 吸収性材料中に配置した圧縮体の作用により、 薄型に形成 した場合であっても、 体液が排出された場合にはすばやく吸収性材料中に拡散、 誘導され、 効率良く吸収性材料に吸収、 保持されるため、 吸収性材料を無駄なく 有効に利用することができ、 漏れ防止効果の優れたものである。

また、 このような吸収体を用いた本発明の吸収性物品は、 超薄型に形成しても 圧縮体の作用により、 着用者の肌との間に隙間が生じることがなくフィット性に 優れ、 また、 体液が排出された場合には素早く吸収されるため、 常に身体のドラ ィ感を保つことができるものである。 さらに、 使用前の製品は、 コンパクトにす ることができるため、 物流コスト、 収納スペース、 携帯性に優れた効果を示すも のである。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の吸収体の一実施例を示す平面図である。

図 2は、 図 1に示した吸収体を X— X ' 線に沿って切断した状態を示す横断面 図である。

図 3は、 図 1とは異なる例を示す本発明の吸収体の平面図である。

図 4は、 図 1及び図 3とは異なる例を示す本発明の吸収体の平面図である。 図 5は、 図 1、 図 3、 及び図 4とは異なる例を示す本発明の吸収体の平面図で ある。

図 6は、 上記の例とは異なる例を示す本発明の吸収体の平面図である。

図 7は、 上記に示した例とはさらに異なる例を示す本発明の吸収体の平面図で あ

図 8は、 本発明の吸収体を用いた吸収性物品を示す図である。

図 9は、 本発明に使用される圧縮体 5の圧縮前形状の例を示す図である。

図 1 0は、 図 9の圧縮体を高圧圧縮成形した際の圧縮方法を示す図である。 図 1 1は、 本発明に使用される圧縮体の圧縮前形状の他の例を示す図である。 図 1 2は、 図 1 1の圧縮体を上下から高圧圧縮成形した際の圧縮方法の例を示 す図である。

図 1 3は、 図 1 1の圧縮体を左右から高圧圧縮成形した際の圧縮方法の例を示 す図である。

図 1 4は、 本発明に使用される圧縮体の圧縮前形状の上記に示した例とは異な る例を示す図である。

図 1 5は、 図 1 4の圧縮体を上下左右から高圧圧縮成形した際の圧縮方法の例 を示す図である。

図 1 6は、 図 1 4の圧縮体を左右から一部だけを高圧圧縮成形した際の圧縮方 法の例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の吸収体は、 トップシートと、 バックシートと、 これら両シートの間に 配置された体液を吸収、 保持する吸収性材料と、 吸収性材料中に配置された圧縮 体とを有しており、 該圧縮体は、 少なくとも一部がトップシート表面か β露出し ている。

このような構造を有する本発明の吸収体は、 圧縮体が吸液によりその体積を 3 倍以上に膨張し、 さらに吸収した液体を拡散する性質を有しており、 体液が排出 された場合、 圧縮体の露出部が吸液、 膨潤し、 さらに露出部を通して体液が吸収 性材料に拡散、 誘導され、 効率良く吸収性材料に吸収、 保持されるため、 吸収性 材料を無駄なく有効に利用することができ、 漏れ防止効果の優れたものである。 本発明の吸収体の場合、 股下部、 特に体液排出口の部位において圧縮体がトツ プシート表面から露出していることが好ましく、 これにより、 体液が排出される と露出部が体液を吸収、 膨張して排出口への密着度を増し、 さらに露出部の有す るガイド機能により体液が吸収性材料に拡散、 誘導されるため、 体液の排出速度 が速い場合には特に有効である。

特に女性の場合には、 体液排出口が凹状であるために、 排出された体液が身体 部を伝って流れ、 漏れを引き起こすことが多いため、 密着性が重要である。

また、 体液排出口の部位に位置していなくても、 股下部に圧縮体の露出部が位 置していることが好ましく、 股下部に溜まった体液を露出部が吸収すると共に吸 収性材料へ拡散、 誘導するため、 一度に多量の体液が排出された場合には有効で ある。

さらに、 圧縮体は、 少なくとも一部を吸収性材料の表面に露出させ、 残りの部 分を吸収性材料中に埋設配置することが好ましく、 このような配置により、 吸収 性材料中の圧縮体に体液が誘導されてきた場合、 圧縮体が吸液、 膨張して吸収性 材料を押し上げ、 体液を一時保持する空隙が吸収性材料中に形成されるため、 吸 収体の吸収効率を高めることができる。

また、 圧縮体は、 少なくともその一部を吸収体の両側縁部及びノ又は両端縁部 においてトップシート表面から露出させた場合には、 圧縮体の露出部が体液排出 時に吸液、 膨張し、 体液の漏れを防ぐ防漏壁として機能するため好ましい。

本発明の吸収体を構成する吸収性材料としては、 木材パルプや非木材パルプを 綿状にしたフラッフパルプを主材としたものに吸収性ポリマーを併用したものが 用いられ、 その他に吸収紙単独、 又は熱融着繊維等の混合物や積層物が用いられ る。 さらに、 吸収性ポリマーの飛び出し防止のために全体をティシュで包み込ん だ積層構造としてもよい。 また、 より薄く、 コンパクトにするためには、 吸水性 ポリマーを 5 0 %以上含有した構成からなるものを用いることが好ましい。

また、 本発明に好適な吸収性材料としては、 不織布基材と吸水性ポリマーとミ クロフイブリルセルロースとからなるシート状複合体が用いられる。 さらに詳し くは、 吸収性ポリマ一とミクロフイブリルセルロースをプロピレングリコールゃ メタノールと水の混合溶液に分散した塗工液を、 ポリエチレン系、 ポリプロピレ ン系、 ポリエステル系、 その他の熱可塑性樹脂やレーヨン、 コットン、 セル口一 スなどからなる塗布基材に塗工した吸収性ポリマ一を主成分とするシート状複合 体である。 ミクロフイブリルセルロースとは木材パルプを高シェア下で開繊して 得られる平均繊維長 0 . 1 mm以下の極微細繊維である。 前記シート状複合体は 吸収性ポリマ一を不織布にコ一ティングして得られるので、 任意の幅のラインコ ートが可能である。 また、 塗工パターンは前面コートとラインコートの組合わせ、 ラインコートのみなど選択することができる。 本発明の吸収体には、 前記シート 状複合体を複数枚重ねて用いてもよく、 又は帯状のシート状複合体を多層に折り 畳んだものを用いてもよい。

本発明に用いられる圧縮体は、 吸液により体積が 3倍以上に膨潤し、 さらに、 吸収した液体を拡散する性質を有する。

このような性質を有する圧縮体は、 天然繊維や合成繊維、 好ましくは、 約 1 0 〜 9 O mmの繊維長を有する、 比較的短繊維である、 レーヨン、 コットン、 リヨ セル、 アセテート等のセルロース系繊維、 あるいは、 これらセルロース系繊維と 合成繊維の混合物であるステ一プル繊維を用いて、 これをカードウェブ機により マツ卜を形成し、 これを高圧で加圧圧縮して成形した圧縮成形体が用いられる。 また、 本発明に使用される圧縮体としては、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリエステル等からなるスパンボンド、 カードウェブ、 スパンレースの各不織布、 好ましくは、 液浸透性のよい T C F、 ベンリ一ゼ、 レーヨンスパンレース、 エア レイドパルプなどのセルロース系の材料からなる不織布を折畳み、 マツト状とし、 セルの中で高圧圧縮成形した、 例えば特開昭 5 4 - 1 4 7 6 9 4号公報に開示さ れているような圧縮成形体が用いられる。 更に、 本発明に使用される圧縮体としては、 アセテートやポリエステル、 ポリ エチレン Zポリエステル等のフィラメント束 (トウ）、 好ましくは液浸透性を高 めるためにこれらに親水加工を施したフィラメント束をタバコフィル夕一の様に 圧縮成形したものが用いられる。

また、 本発明に使用される圧縮体としては、 ウレタンフォーム、 セルロースス ボンジ、 P V Aスポンジ等の発泡体、 好ましくは、 液浸透性を高めるためにこれ らに親水加工を施したものをマット状にしてセルに押し込み、 球状、 ロッド状、 帯状に圧縮成形したものが用いられる。

本発明に使用される圧縮体は、 少なくとも一部がトップシート表面から露出し ている。 圧縮体の露出部の形状は、 長方形、 正方形、 三角形、 円形、 楕円形、 さ らには、 環状、 馬蹄形等の任意の形状にすることができる。

また、 圧縮体全部を吸収性材料の表面に配置する場合には、 圧縮体と吸収性材 料の接着固定を行う必要がある。 接着固定の方法としては、 接着面の一部もしく は全部を接着する方法があるが、 接着手段としてはホットメルト接着剤や加圧溶 融、 縫合による接着等がある。 なお、 縫合により接着する場合は、 それにより、 膨潤時に圧縮体の接着部分のみを膨張させない効果がある。

また、 圧縮体は、 その露出部は着用者の身体に密着する部分であるため、 少な くとも一部が非圧縮状態であることが好ましく、 特に、 着用者の体液排出口に位 置する場合には、 その部位を非圧縮状態とすることによりソフ卜に密着させるこ とができるため好ましい。

このような非圧縮状態の部分は、 例えば、 圧縮体を上記のフィラメント束で形 成し、 露出部の着用者の体液排出口に密着する部分のフィラメント束を切断して ばらばらの繊維部とすることにより形成することができる。

本発明において、 圧縮体をセルロース系繊維のような親水性の高い素材で形成 した場合には、 身体へのドライ感の欠如が感じられ、 また、 綿体やトウのような 表面に毛羽立ちが生じるような素材で形成した場合には、 身体に接した際に着用 者に不快感を与える恐れがあるため、 圧縮体表面をポリプロピレンスパンボンド、 合成繊維のネット、 あるいはポリエチレンの開孔フィルム等の疎水性の素材から なる液透過性シートで被覆することが好ましい。 P T/JP02/07900

8 .

圧縮体を被覆する際には、 使用時に液透過性シー卜が圧縮体の膨張を妨げない 様にする必要性があるため、 圧縮体を構成する素材を圧縮する前のバルキ一な状 態のときに液透過性シ一卜で圧縮体素材を被覆し、 その後で圧縮体を形成する必 要がある。

あるいは、 圧縮体を形成した後に、 伸縮性スパンポンド、 エラスチックネット 等の伸縮性素材からなる液透過性シートにより被覆する方法であってもよい。 本発明において使用されるトップシ一トとしては、 一般的に衛生材料に用いら れる素材からなる液透過性のシートが用いられる。 例えば、 ポリエチレン系、 ポ リプロピレン系、 ポリエステル系、 その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維 等からなる不織布、 穴あき不織布、 メッシュシートなどのシートを用いることが できる。

本発明において使用されるバックシートとしては、 一般的に衛生材料に用いら れる素材からなる液不透過性のシー卜が用いられる。 液不透過性のシートとして は、 液体不透過性のポリエチレンシートが広く用いられるが、 好ましくは微孔を 設けたポリエチレンシート、 あるいは熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した シートのような透湿性のある液体不透過性のシートを用いると蒸れが少なくなり 快適である。 液不透過性のシートは、 単独で用いても良く、 複数の不織布と共に 積層して用いても良い。

また、 本発明の吸収体を他の素材と組合わせて吸収性物品として用いる場合、 バックシートと組合わせる素材が液不透過性である場合には、 ノ ックシ一トは必 ずしも液不透過性である必用はなく、 液透過性の素材で形成することができる。 バックシートを液透過性の素材で形成した場合には通気性が良好となり、 蒸れが 防止されるため好ましい。

また、 本発明では、 上記本発明の吸収体をそのまま用いて、 あるいはその他の 材料と組み合わせて、 尿パッド、 軽失禁パッド、 使い捨ておむつ等の吸収性物品 を形成することができる。

以下、 図面を参照して、 本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれら実施例に より何等制限されるものではない。

図 1は、 本発明の吸収体の一実施例を示す平面図であり、 図 2は、 図 1に示す 吸収体を X— X ' 線に沿って切断した状態を示す横断面図である。

本実施例において、 図 1に示すように、 吸収体 1には、 その股下領域中央部に • おいて長手方向に楕円形状の圧縮体の露出部 6がトップシート 2を貫通して形成 されている。 これにより、 体液が排出された場合には、 圧縮体の露出部 6は体液 を吸収して膨張すると共に、 体液をすばやく吸収体内部に拡散、 誘導することが 可能となるので、 特に、 女性の場合には体液排出口に密着する事により、 ずれが なく、 フイツト性に優れる。

また、 露出部 6の一部を陰唇部に挟み込むような大きさや形状にすることで、 更にフィット性を高める事も可能である。

図 2に示すように、 吸収体 1は、 トップシート 2と、 ノ ックシ一ト 3と、 これ ら両シ一卜の間に配置された吸収性材料 4と、 吸収性材料 4中に配置された圧縮 体 5とから形成されている。 さらに、 圧縮体 5は、 非圧縮部 7と圧縮部 8からな り、 非圧縮部 7の一部が.トップシート 2面から露出して露出部 6が形成されてい る。

なお、 本実施例では、 圧縮体 5が非圧縮部 7と圧縮部 8から形成されている例 を示したが、 全体が圧縮部のみで形成されたものであっても良い。

図 3は、 図 1とは異なる例を示す、 本発明の吸収体の平面図である。

図 3において、 圧縮体の露出部 6は、 吸収体 1のトップシートを貫通して股下 領域中央部において幅方向に楕円形状に形成されている。 これにより、 体液が排 出された場合には、 露出部 6は体液を吸収して膨張し、 吸収体 1を前後に分断す る堰が形成されるため、 尿と便との分離が可能となる。

図 4は、 図 1及び図 3とは異なる例を示す、 本発明の吸収体の平面図である。 図 4において、 圧縮体の露出部 6は、 吸収体 1の両端部領域において幅方向に 楕円形状に形成されている。 これにより、 体液が排出された楊合には、 露出部 6 は体液を吸収して膨張し、 吸収体 1の両端部領域に堰が形成されるため、 端部か らの漏れを防止することができる。

図 5は、 図 1、 図 3及び図 4とは異なる例を示す、 本発明の吸収体の平面図で ある。

図 5において、 圧縮体の露出部 6は、 吸収体 1の両側縁部領域において長手方 向に楕円形状に形成されている。 これにより、 体液が排出された場合には、 露出 部 6は体液を吸収して膨張し、 吸収体 1の両側縁部領域に堰が形成されるため、 側縁部からの漏れを防止することができる。

図 6は、 上記の例とは異なる例を示す、 本発明の吸収体の平面図である。

図 6において、 圧縮体の露出部 6は環状に形成されており、 吸収体 1の中心部 より腹側寄りに配置された時には、 男性陰茎部を固定する役割も兼ね持ち、 吸収 体 1の中心部より背側寄りに配置されている場合には、 露出部 6の中央部に着用 者の排便口を合せて着用すると、 露出部 6が体液を吸収して膨張した場合には堰 が形成され、 尿と便の分離が可能となる。 また、 痔疾患者の体圧を緩和する効果 も併せ持つことができる。

なお、 本実施例では、 環状の露出部 6に囲まれた部分に配置されるトップシ一 トは、 接着剤を介して圧縮体面あるいは吸収性材料面と間欠的に接合されるが、 この部分に圧縮体が位置する場合、 あるいは、 この部分に位置する吸収性材料が シート状複合体で形成されている場合には、 必ずしもトップシートを配置する必 要はない。

図 7は、 上記に示した各例とは異なる例を示す、 本発明の吸収体の平面図であ る。

図 7において、 圧縮体の露出部 6は馬蹄形に形成されており、 図 6の例の場合 と同様の効果が得られる。

図 8は、 本発明の吸収体を用いた吸収性物品の一実施例を示す平面図である。 吸収性物品 9の中心部に配置された露出部において圧縮体 5が体液排出時に膨 張し、 吸収体 1へ体液をすばやく吸収する。

図 9は、 本発明に使用される圧縮体 5の圧縮前形状の例を示しており、 図 1 0 は、 これらを高圧圧縮成形した際の圧縮方法の例を示す。

図 9は、 ウェブ状の不織布等を口一ル状に巻いた状態を示し、 図 1 0は、 これ らを上下から高圧圧縮成形した状態を示す。

図 1 1は、 本発明に使用される圧縮体 5の圧縮前形状の上記に示した例とは異 なる例を示しており、 図 1 2及び図 1 3は、 これらを高圧圧縮成形した際の圧縮 方法の例を示す。 図 1 1はフィラメント束 （トウ） を収束した状態を示し、 図 1 2は、 上下から 高圧圧縮成形した状態を、 図 1 3は、 左右から高圧圧縮成形した状態を示す。 図 1 4は、 本発明に使用される圧縮体 5の圧縮前形状の上記に示した例とはさ らに異なる例を示しており、 図 1 5及び図 1 6は、 これらを高圧圧縮成形した際 の圧縮方法の例を示す。

図 1 4は、 発泡体を円筒状にした状態を示し、 図 1 5は、 上下左右から高圧圧 縮成形した状態を、 図 1 6は左右から一部だけを高圧圧縮成形した状態を示す。 産業上の利用の可能性

本発明にかかる吸収体及びこれを用いた吸収性物品は、 着用者の身体への密着 性を改善し、 吸収性能を改善した吸収体並びにこれを用いた尿パッド、 尿失禁製 品、 使い捨ておむつ等の吸収性物品として用いるのに適している。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 着用者の肌に面する側に位置するトップシートと、 衣類に面する側に位置 するバックシートと、 該両シートの間に配置されていて排出された体液を吸収、 保持する吸収性材料と、 前記吸収性材料と少なくとも一部が接して配置されてい て吸液によりその体積を 3倍以上に膨張する圧縮体とを有する吸収体であって、 前記圧縮体は、 少なくとも一部が前記トップシート表面から露出していることを 特徴とする吸収体。

2 . 前記圧縮体の露出部は、 前記体液を吸収、 膨張すると共に、 前記吸収性材 料へ前記体液を拡散、 誘導するガイド機能を有することを特徴とする請求項 1記 載の吸収体。

3 . 前記圧縮体は、 少なくとも一部が前記トップシートの前記着用者の股下部 に相当する部位において前記トップシート表面から露出していることを特徴とす る請求項 1又は 2に記載の吸収体。

4 . 前記圧縮体は、 少なくとも一部が前記トップシートの前記着用者の体液排 出口に相当する部位において前記トップシ一ト表面から露出していることを特徴 とする請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の吸収体。

5 . 前記圧縮体の露出部は、 体液排出時に吸液、 膨張して排出口への密着度を 増すと共に、 前記吸収性材料への前記体液のガイド機能を有することを特徴とす る請求項 4記載の吸収体。

6 . 前記圧縮体は、 少なくとも一部が前記吸収体の両側縁部及びノ又は両端縁 部において前記トップシート表面から露出しており、 該圧縮体の露出部は体液排 出時に吸液、 膨張して漏れを防ぐ防漏壁として機能することを特徴とする請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の吸収体。

7 . 前記吸収性材料が吸収性ポリマーと不織布基材のシート状複合体を主成分 とすることを特徴とする請求項 1〜 6のいずれか 1項に記載の吸収体。

8 . 前記吸収性材料が 5 0 %以上の吸収性ポリマーを含有することを特徴とす る請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載の吸収体。

9 . 前記吸収性材料が、 多層構造を有していることを特徴とする'請求項 1 ~ 8 のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 0. 前記圧縮体が、 少なくとも一部を前記吸収性材料の表面に露出させ、 残 りの部分を前記吸収性材料内に組み込んでいることを特徴とする請求項 1〜 9の いずれか 1項に記載の吸収体。

1 1. 前記圧縮体が、 フィラメント束を圧縮したものから構成されることを特 徴とする請求項 1〜 10のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 2. 前記圧縮体の露出部の少なくとも一部が、 前記着用者の身体に対してよ りソフトに密着することを容易にした非圧縮状態にあることを特徴とする請求項 1〜 1 1のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 3. 前記圧縮されたフィラメント束の一部が切新されて非圧縮状態の部位を 形成し、 多数発生した端末を有する膨化繊維部が体液排出口に相当する部位に配 置されていることを特徴とする請求項 1 1又は 12に記載の吸収体。

14. 前記圧縮体が、 短繊維の集合体を圧縮したものから構成されていること を特徴とする請求項 1〜 1 0のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 5. 前記圧縮体が、 不織布シートを圧縮したものから構成されていることを 特徴とする請求項 1〜 10のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 6. 前記圧縮体が、 発泡体を圧縮したものから構成されていることを特徴と する請求項 1〜 10のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 7. 前記圧縮体が、 液透過性シートで被覆されていることを特徴とする請求 項 1〜 16のいずれか 1項に記載の吸収体。

1 8. 前記液透過性シートが、 前記圧縮体の膨張を阻害しない程度に余裕を持 つて配置されていることを特徴とする請求項 17記載の吸収体。

1 9. 前記液透過性シートが、 前記圧縮体の膨張に伴い伸長することを特徴と する請求項 1 7又は 18に記載の吸収体。

20. 前記請求項 1~ 1 9のいずれか 1項に記載の吸収体を用いてなる吸収性 物品。