WO2006003966A1

WO2006003966A1 - 融雪・凍結防止剤

Info

Publication number: WO2006003966A1
Application number: PCT/JP2005/012026
Authority: WO
Inventors: Teruo Oota; Hayato Asai; Takehiko Fukazawa
Original assignee: Abc Research Laboratory For Building Materials Co., Ltd.
Priority date: 2004-07-05
Filing date: 2005-06-30
Publication date: 2006-01-12
Also published as: DE112005001511T5; US7678291B2; JP4833846B2; JPWO2006003966A1; KR20070041548A; US20080302997A1

Abstract

　カリウムシリケートを有効成分として含有する融雪・凍結防止剤及びこれと亜硝酸塩を有効成分として含有する融雪・凍結防止剤が開示されている。これらの融雪・凍結防止剤は、必要によりアルカリ金属塩及び／又は低級アルコールを配合していても良い。この融雪・凍結防止剤は、環境に対して安全であり、コンクリートを劣化させず、雪や氷を融解したり凍結を防止する性能に優れるとともに、経済性も高く、取り扱いも容易なものである。

Description

明細書

融雪，凍結防止剤

技術分野

[0001] 本発明は、融雪 '凍結防止剤に関し、更に詳細には、道路面、駐車場等の対象表面上に散布し、融雪を促したり、凍結を防止するために使用される、環境に安全でコンクリートを劣化させることのない融雪 '凍結防止剤に関するものである。背景技術

[0002] 現在、融雪剤や凍結防止剤として、塩ィ匕ナトリウム、塩ィ匕カルシウム、尿素等が広く用いられている。

[0003] し力しながら、塩ィ匕物を含有する融雪剤等は、コンクリートの表面がフレーク上に剥がれるという凍害劣化を著しく促進させるという問題点があった。また、それだけでなく塩ィ匕物イオンには、コンクリートに浸透し、徐々にその内部で拡散し鉄筋にまで至り、酸素と共に鉄筋に鲭を生じさせ、膨張によりコンクリートに亀裂を生じさせるという問題点もあった。

[0004] 一方、近年、地球環境保護の配慮が考慮されるようになってきており、例えば、尿素には上記した塩ィ匕物のような問題はないが、金属と反応したり、窒素を含有するため富栄養化をもたらし、カビゃ苔の発生、腐敗による悪臭発生等の問題などが指摘されていた。

[0005] このように、従来の融雪剤等は、融雪や凍結防止では効果を有するものの、環境の保護やコンクリートの劣化防止等の面で、充分に満足の行くものとはいえな力つた。

[0006] 更に、従来の融雪剤は一般には粉末状であるため、散布時等に取り扱いが面倒であるという問題点もあった。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明は力かる技術背景に鑑みてなされたものであり、その課題は、環境に対して安全であり、コンクリートの劣化が生じにくぐ雪や氷の融解や凍結防止性能に優れ、更に、経済性が高ぐ取り扱いも容易な融雪'凍結防止剤を提供することにある。課題を解決するための手段

[0008] 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、カリウムシリケートぁるいはこれと亜硝酸塩の混合物は雪や氷の融解作用に優れ、またそれらの凍結防止にも有効であることを見出した。また、これらに更にアルカリ金属塩及び Z又は低級アルコールを配合すれば、よりその作用が増強されることを見出し、本発明に至つた。

[0009] すなわち本発明は、カリウムシリケートを有効成分として含有する融雪 '凍結防止剤を提供するものである。

[0010] また本発明は、カリウムシリケート及び亜硝酸塩を有効成分として含有する融雪 '凍結防止剤を提供するものである。

[0011] さらに本発明は、上記融雪 '凍結防止剤を、予め対象表面に散布する凍結防止方法及び積雪若しくは凍結対象表面上へ散布する融雪氷方法を提供するものである。発明の効果

[0012] 本発明によれば、環境に対して安全で、コンクリートの劣化が生じにくぐ雪や氷の融解性能や凍結防止性能に優れ、しかも経済性が高ぐ取り扱いも容易な融雪，凍結防止剤を得ることができる。

[0013] すなわち、本発明の融雪'凍結防止剤は、優れた融雪'凍結防止作用を有しながら、塩ィ匕物を使用するものでないので、コンクリートに含浸してもコンクリート表面がフレーク上に剥がれることがなぐまた鉄筋を鲭びさせることも少ないものである。更に、富栄養化をもたらす成分を配合して、な、ので、カビゃ苔の発生と、う問題もな、ものである。更にまた、液状の形態とすることができるので、粉粒状の形態のものと比べ、散布が容易なものである。

発明を実施するための最良の形態

[0014] 本明細書において、融雪'凍結防止剤とは、融雪ないしは凍結防止を目的として利用される薬剤を指称し、単に雪を融解させる剤という意味のみならず、氷を融解させる薬剤をも意味し、更に、予め散布して雪の凍結を防止する薬剤をも意味する。

[0015] 本発明の一つの態様 (以下、「第一発明」という）は、カリウムシリケートを必須成分として含有する融雪'凍結防止剤である。この第一発明において使用されるカリウムシリケートの種類は特に限定はなぐ市販のものが使用できる力好ましいものとしては、次の組成式で表されるものを挙げることができる。

[0016] K O -nSiO

2 2

(式中、 nは 1〜5の数を示す）

[0017] より好ましいカリウムシリケートとしては、上記組成式中 nが 1. 8〜3. 7のものが挙げられ、特に好ましいものとしては、 nが 1. 8〜2. 2のものが挙げられる。

[0018] 上記のカリウムシリケートは、既に市販されている化合物であり、例えば、日本化学工業 (株)社製の市販品等を利用することができる。

[0019] また、カリウムシリケートは公知方法に従って製造しても良いが、その場合の nの調整は、 nを小さくするためには水酸ィ匕カリウム水溶液を添加する等、常法によって行えばよい。

[0020] 第一発明の融雪 '凍結防止剤は、上記カリウムシリケートの濃厚水溶液に水を添カロし、水溶液ないしは水系溶液 (以下、「水溶液等」という）の形とすることにより製造される。この水溶液等におけるカリウムシリケートの含有量は特に制約はないが、対象表面上に散布する時点で、カリウムシリケ一ト単品固形分換算として、 1〜56質量％( 以下、単に「％」で示す)程度となることが好ましぐ 5〜40%が特に好ましい。含有量が少なすぎると融雪ゃ融氷の効果が小さくなり、凍結防止効果が劣る場合がある。

[0021] 第一発明の融雪 '凍結防止剤は、上記カリウムシリケートを利用するだけでその効果を得ることができるが、更にその効果を上げるためアルカリ金属塩を含有させることが好ましい。使用されるアルカリ金属塩としては特に限定はないが、そのアルカリ金属塩のカチオンとして、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が好ましく用いられ、特に凍結防止効果の向上が図れる点から、カリウムイオンが好ましい。

[0022] また、アルカリ金属塩のァ-オンとしても特に制約はな、が、環境に対して安全であり、コンクリートを劣化させない点等力も炭酸イオン及び酢酸イオンが好ましい。なお、環境やコンクリートに対しての作用を考慮すると、上記アルカリ金属塩は、塩素、リン等の元素を含有しないものが特に好ましい。更に、上記アルカリ金属塩は、無水物の形で使用しても良ぐ結晶水を有するものを使用しても良、。

[0023] 上記アルカリ金属塩のうち、カリウムシリケートと併用することによって、融雪ゃ融氷の効果や凍結防止効果の面で特に相乗効果があるものとしては、具体的に、炭酸力リウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等が例示される。これらアルカリ金属塩の使用は、環境に対して安全でコンクリートを劣化させないというカリウムシリケートの特長を維持しつつ、高価なカリウムシリケートを減量させることができる点からも好まし、。

[0024] 第一発明の融雪'凍結防止剤全体に対する上記アルカリ金属塩の含有量は特に限定はないが、結晶水を含まない無水物換算で、 1〜40%が好ましぐ 3〜30%が特に好ましい。 40%より大きい場合には溶解しに《なり、 1%未満の場合には併用の効果が少なくなる。また、上記アルカリ金属塩は、カリウムシリケ一ト単品固形分 10 0重量部に対して、 2〜4000重量部の範囲の比率で用いることが好ましい。特に好ましくは、カリウムシリケ一ト単品固形分 100重量部に対して、 7. 5〜600重量部の範囲の比率で用いられる。

[0025] また、第一発明の融雪'凍結防止剤は、上記アルカリ金属塩とは別に、あるいはこれと共に低級アルコールを含有させることができる。

[0026] この低級アルコールとは、炭素数が 1〜5のアルコールを意味し、 1価アルコールおよび多価アルコールを含むものである。具体的に低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、 _n—プロパノール、イソプロパノール、 n—ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。このうち、好ましくは、エタノール、イソプロパノール等であり、特に好ましくは、エタノールである。

[0027] 第一発明の融雪'凍結防止剤に低級アルコールを含有せしめる場合の配合量は、特に限定はないが、 1〜15%が好ましぐ 2〜10%が特に好ましい。 15%より大きい場合には、カリウムシリケート溶液と分離しやすくなり、 1%未満の場合には併用の効果が少なくなる。また、上記低級アルコールは、カリウムシリケ一ト単品固形分 100重量部に対して、 2〜1500重量部の範囲の比率で用いることが好ましい。特に好ましくは、 5〜200重量部の範囲比率で用いることである。

[0028] この低級アルコールの併用によって、カリウムシリケートの融雪ないし凍結防止効果を相乗的に増強させると共に、環境に対して安全でコンクリートを劣化させないというカリウムシリケートの特長を維持しつつ、高価なカリウムシリケートの減量使用が可能となる。

[0029] 以上説明した、第一発明の融雪 ·凍結防止剤の特に好ましい形態としては、力リウムシリケートに、アルカリ金属塩及び低級アルコールの両方を併用する形態を挙げることができる。かかる 3成分を含有する場合の、融雪 ·凍結防止剤全体に対するそれぞれの使用時 (散布時)の好ま、含有量は以下の通りである。

[0030] 好ましい範囲特に好ましい範囲

カリウムシリケート 1〜56% 5〜40%

(単品固形分換算）

アルカリ金属塩 1〜40% 3〜30%

(無水物換算）

低級アルコール 1〜15% 2〜10%

[0031] 一方、本発明の別の態様 (以下、「第二発明」という）は、カリウムシリケートと亜硝酸塩とを必須成分として含有する融雪'凍結防止剤である。第二発明に使用されるカリゥムシリケートは、第一発明の説明において上述したとおりのものであり、第二発明における配合量も上述と同様でよい。

[0032] また、第二発明の融雪 ·凍結防止剤において使用される亜硝酸塩としては、具体的には、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム等が例示され、好ましくは亜硝酸ナトリウムである。

[0033] 第二発明における、融雪'凍結防止剤全体に対する亜硝酸塩の含有量は特に限定されないが、 1〜40%が好ましぐ 3〜30%が特に好ましい。亜硝酸塩の配合量が 40%より大きいと、溶解しにくぐまた 1%未満の場合には、併用の効果が少なくなる。また、上記亜硝酸塩は、カリウムシリケ一ト単品固形分 100重量部に対して、 2〜40 00重量部の範囲の比率で用いることが好ましぐ特に 7. 5〜600重量部の範囲の比率で用いることが好ましい。

[0034] 第二発明における亜硝酸塩は、これをカリウムシリケートと併用することによって、力リウムシリケートの融雪ないし凍結防止効果を維持しつつ、コンクリート劣化の防止または抑制効果をさらに増強させるという作用を有するものである。

[0035] 第二発明の融雪 '凍結防止剤においても、更にその効果を上げるため、アルカリ金属塩 (亜硝酸塩を除く）を含有させることが好ましいことは第一発明と同じである。このアルカリ金属塩としては、亜硝酸塩を除く以外は、第一発明の説明において述べたとおりのものである。

[0036] また、第二発明の融雪'凍結防止剤において、アルカリ金属塩とは別に、あるいはこれと共に低級アルコールを含有させることができることも第一発明と同一であり、この低級アルコールも、第一発明の説明において述べたとおりのものである。

[0037] 以上説明した、第二発明の融雪 ·凍結防止剤の特に好ましい形態としては、力リウムシリケート及び亜硝酸塩に、アルカリ金属塩 (亜硝酸塩を除く）を併用する形態を挙げることができる。かかる 3成分を含有する場合の、融雪'凍結防止剤全体に対するそれぞれの使用時 (散布時)の好ま、含有量は以下の通りである。

[0038] 好ましい範囲特に好ましい範囲

カリウムシリケート 1〜56% 5〜40%

(単品固形分換算）

亜硝酸塩 1〜40% 3〜30%

アルカリ金属塩 1〜40% 3〜30%

(無水物換算）

[0039] 上記の第一または第二発明で得られる本発明の融雪 '凍結防止剤は、例えば液状の形態で、液体散布装置等を用い、対象表面に散布し、使用される。散布に用いられる液体散布装置としては特に限定はないが、例えば、市販されている噴霧器、液体散布機等が挙げられる。

[0040] また、本発明の融雪 ·凍結防止剤を散布する対象表面としては特に限定はないが、舗装若しくは未舗装の道路や駐車場、飛行場の滑走路ゃ駐機場、農地、ゴルフ場等が例示される。このうち、自動車のスリップ事故を有効に防げることから、道路ゃ駐車場に適用することが有利である。更に、本発明の融雪 '凍結防止剤は、雪が積もつた対象表面や凍つた対象表面に散布しても、あるいは予め対象表面の凍結を防止するために散布してぉ、ても良、。

実施例

[0041] 次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではな、。

[0042] 実施例 1

表 1に記載の水溶液 200gを、それぞれ底面の直径 70mmのビーカーに入れ、 1 0°Cで 24時間放置した後、凍結防止性を観察し、以下の判定基準で評価した。なお、一般に最も滑りやすい凍結表面の温度は、 10°C〜一 7°Cであるので、その温度で実験を行った。この結果を表 1及び表 2に記す。

[0043] 実験に使用したシリケートは以下の通りである。

リチウムシリケート：

Li O -n'SiO (n' : 3. 4

2 2 〜3. 6)、日本化学工業 (株)社製

ナトリウムシリケート：

Na O 'n 'SiO (n" : 3. 0〜3. 3)、日本化学工業 (株)社製

2 2

カリウムシリケート：

K O -nSiO (n: l. 8

2 2 〜2. 2)、日本ィ匕学工業 (株)社製

なお、表中のシリケートの含有％は、シリケ一ト単品固形分質量換算であり、アル力リ金属塩の含有％は無水塩換算である。

[0044] <凍結防止性の判定基準 >

判定凍結状態

〇液体

〇△ 若干固体の部分があるがほとんど液体

Δ 半液体、半固体状態

△ X 若干液体の部分があるがほとんど固体、すなわちシャーベット状

X 固体

[0045] [表 1] 水溶液水溶液組成凍結

O . シリケ一卜アルカリ金属塩低級アルコ-ル防止性備考

1 リチウムシリケ -ト 26% —— —— X

2 ナトリウムシリケ-ト 26¾ —— —— X

3 カリウムシリケ -ト 26¾ —— —— Δ Χ

4 リチウムシリケ-ト 4« —— —— 測定不能室温でゲル化

5 ナトリウムシリケ -ト 44¾ —— —— X

6 カリウムシリケ-ト 44¾ —— —— 〇

7 カリウムシリケ -ト 5¾ 炭酸カリウム 20¾ —— 〇

8 カリウムシリケ -ト 5¾ 酢酸カリウム 1 5¾ —— 〇

9 カリウムシリケ -ト 5% —— Iタノ-ル 10¾ 〇

1 0 1)リウムシリケ-ト 5¾ 炭酸カリ ί!ム 1 5¾ エタノ-ル 6% 〇

1 1 カリウムシリケ -ト 5% 酢酸カリウム 10¾ エタノ-ル 6% 〇

1 2 カリウムシリケ-ト 10¾ 炭酸カリウム 20¾ —— 〇

1 3 カリウムシリケ-ト 10¾ 酢酸カリウム 1 5¾ —— 〇

1 4 カリウムシリケート 10¾ —— エタノ-ル 5¾ 〇

1 5 カリウムシリケ-ト 10¾ 炭酸カリウム 1 5¾ Iタノ-ル 4¾ 〇

1 6 カリウムシリケ-ト 10¾ 酢酸カリウム 10¾ Iタノ-ル 4¾ 〇

1 7 カリウムシリケ-ト 20¾ 炭酸 Μゥム 1 5% —— 〇

1 8 カリウムシリケ-ト 2M 鲊酸カリウム 10¾ —— 〇

1 9 カリウムシリケ -ト 20% —— Iタノ-ル 3¾ 〇

2 0 カリウムシリケ -ト 20% 炭酸カリウム 10¾ Iタル 2% 〇

2 1 カリウムシリケ-ト 20¾ 酢酸力り¹)ム 5¾ ェタノ-ル η 〇

2 2 カリウムシリケ -ト 40% 炭酸カリウム 3¾ —— 〇

2 3 カリウムシリケ -ト 40¾ 酢酸カリウム U —— 〇

2 4 カリウムシリケ-ト 40% —— ェタノ-ル 1 ¾ 〇

]

水溶液水溶液組成凍結

N O . シリケ一卜アル iiリ金属塩低級アルコ-ル防止性備考

2 5 —— 炭酸カリウム 10¾ —— △ X

2 6 —— 炭酸カリウム 1 5¾ —— △

2 7 —— 炭酸 Mゥム 20¾ —— 〇△

2 8 —— 炭酸カリウム 25¾ —— 〇

2 9 —— 炭酸ナトリウム 10¾ —— X

3 0 —— 炭酸ナトリウム 1 5% —— X

3 1 —— 炭酸ナトリウム 20¾ —— X

3 2 —— 炭酸ナトリウム 25¾ —— X

3 3 —— 酢酸か Jゥム 10% —— △ X

3 4 —— 酢酸カリウム 1 5¾ —— 〇△

3 5 —— 酢酸カリウム 20¾ —— 〇

3 6 —— 酢酸カリウム 25¾ —— 〇

3 7 —— 酢酸ナトリウム 10¾ —— X

3 8 —— 酢酸ナトリウム 1 5¾ —— Δ

3 9 —— 酢酸ナトリウム 20¾ —— 〇△

4 0 —— 酢酸ナトリウム 25¾ —— 〇

4 1 —— —— Iタノ-ル 5% X

4 2 —— —— Iタノ-ル ι ο¾ △ X

4 3 —— —— イソフ°口 Λ°ノ-ル 5¾ X

4 4 —— —— イソフ。 ΠΛ。ノ -ル 10¾ △ X

4 5 —— —— η-プタノ-ル 5¾ X

4 6 —— η -フ'タル 10¾ 測定不能水と分離

[0047] 表 1の水溶液 No. 1〜6の結果力も判るように、カリウムシリケートは、リチウムシリケートゃナトリウムシリケートと比較して凍結防止性に優れていた。また、リチウムシリケートはゲル状態になるため高濃度水溶液にすることができな力つた。更に、カリウムシリケートは濃度が大きいほど凍結防止性が良くなることが判った。

[0048] 表 1の水溶液 No. 3と No. 7〜21の結果を比較すると判るように、 No. 3のカリウムシリケート 26%の凍結防止性は、炭酸カリウム、酢酸カリウム及び Z又はエタノールの併用で更に改良できることが判った。

[0049] 表 2の水溶液 No. 25〜40の結果力判るように、アルカリ金属塩単独での実験結果から、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムが、凍結防止効果が優れていることが判った。このことから、カリウムシリケートに併用して用いるアルカリ金属塩としては、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムが好ましいことが判った。なお、アルカリ金属塩は 20%以上にすると、単独でも凍結防止性が良くなる場合もあるが、そもそもコンクリートの劣化を防止又は抑制することができないため、本発明の課題解決には、アルカリ金属塩の単独使用はできない。 [0050] 表 2における水溶液 No.33〜38の低級アルコール単独での実験結果、及びイソプロパノール 5%と 10%、 n—ブタノール 5%は、カリウムシリケートが水溶液中に存在しない場合は水と分離しな力つたが（No.43〜45)、カリウムシリケートが存在する場合は水と分離しやす力つたと、う実験結果を考慮すると、エタノールがカリウムシリケートと併用して用いる低級アルコールとして最も好ましいことが判った。

[0051] 実施例 2

底面が直径 70mmの円である円柱状プラスチック容器に 200gの水を入れ、 10 °Cの恒温槽で水を全て凍らせ、全体の重量 (m )を測定した。得られた氷面上にカリ

0

ゥムシリケートを固形分換算で 56%含有する水溶液 (これを「水溶液 No.47」とする）を 40g注ぎ、 10°Cに 1時間放置した。

[0052] その後、氷面上にある融解した水を含む液体をデカントで除き、更に濾紙で氷上の液体を完全に拭き取った後に重量を測定し、 m

0力引き算をすることによって重量減少を求めて融氷量とした。同様に、—10°Cに 24時間放置した後の融氷量も求めた。

[0053] 同様にして、表 1の水溶液 No.7〜24についても 1時間後と 24時間後の融氷量を求めた。結果を表 3に記す。

[0054] [表 3] 水溶液鬲虫氷量（g)

N 0. 1 時間後 24時間後

4 7 1 9. 08 2 3. 9 1

7 1 5. 80 2 0. 00

8 1 6. 2 6 2 1 . 3 5

9 1 0. 02 1 1 . 6 3

1 0 1 7. 55 2 6. 1 8

1 1 1 3. 83 1 9. 3 8

1 2 1 5. 8 1 2 3. 0 7

1 3 1 7. 2 3 2 1 . 94

1 4 1 1 . 0 3 1 3. 3 7

1 5 2 0. 54 24. 4 5

1 6 1 5. 50 1 9. 68

1 7 1 9. 3 3 4 8. 04

1 8 2 0. 6 2 4 9. 1 2

1 9 9. 9 1 24. 78

20 1 6. 5 7 2 1 . 40

2 1 1 0. 2 2 1 3. 45

2 2 1 4. 00 3 1 . 1 9

2 3 2 2. 9 9 3 1 . 6 6

24 1 7. 34 28. 3 7 [0055] 表 3より、水溶液 No. 47及び水溶液 No. 7〜24は何れも、充分な融氷量を示し、例えば道路等に散布したときに優れた融雪効果を示すことが示された。また、 1時間後の融氷量のみならず 24時間後の融氷量も充分に多ぐ本発明の効果が持続することが判った。

[0056] 実施例 3

表 1に記載の水溶液に代えて、表 4に記載の水溶液を用いた以外は、実施例 1と同様にして、凍結防止性を評価した。その結果を表 4に示す。

[0057] [表 4]

[0058] 表 4から、水溶液 No. 48〜53はいずれも優れた凍結防止性を示し、カリウムシリケートとアルカリ金属塩の組成の水溶液に、さらに亜硝酸塩を使用しても、その凍結防止効果を維持するものであることが判った。

[0059] 実施例 4

表 1に記載の水溶液に代えて、表 4に記載の水溶液を用いた以外は、実施例 2と同様にして、融氷量を求めた。その結果を表 5に示す。

[0060] [表 5]

[0061] 表 5より、水溶液 No. 48〜53はいずれも、充分な融氷量を示し、また 1時間後の融氷量のみならず、 24時間後の融氷量も充分に多いものであり、カリウムシリケ一トとァルカリ金属塩の組成の水溶液に、さらに亜硝酸塩を使用しても、優れた融氷効果を維持するものであることが判った。

[0062] 実施例 5

(1)34.2%。の塩化ナトリウム水溶液を調製した。この塩ィ匕ナトリウム水溶液と水とを、 10:0、 8:2、 6:4、 4:6、 2 :8の割合で混合して比較水溶液とした。一方、実施例 3の、 No.48〜53の各水溶液と、上記塩化ナトリウム水溶液とを、 10:0、 8:2、 6:4、 4: 6、 2 :8の割合で混合して試験用水溶液とした。

[0063] (2)鉄筋（SR19)を 10cmに切断して試料とした。初期重量として予めこの重量を測定した後、容量が 300mLのポリプロピレン容器に入れ、さらに上記（1)で調製した比較水溶液または試験用水溶液 150mLを入れて、試料を水溶液中に浸漬させた。

[0064] (3)浸漬後 7日目に試料を取り出し、水分をよく拭き取った後、重量を測定し、初期重量との差を求め重量変化とした。また、鲭の種類および量について、目視により外観を観察するとともに、腐食した面積を測定し、腐食率 (％)を下記の式によって求めた。結果を表 6に示す。

腐食率 (％) = 100 X腐食した面積 (cm²) Z浸漬させた面積 (cm²)

[0065] [表 6]

水溶液混合比率 10： 0 8： 2 6： 4 4： 6 2 ： 8

No. 1

比 34.2 %o 重量変化 -0.04 - 0.03 -0.05 -0.05 -0.03 較 NaCI ※2

水

溶水溶液腐食率 19.0 15.4 21.1 20.7 25.3 液

※

外観黒鯖黒鎬黒鎬黒鎬薄い

48 重量変化 0 0 0 0 0 腐食率 0 0 1.0 2.2 1.6 外観変化なし変化なし赤鎬少赤鲭少赤鐫少

49 重量変化 0 0 0 0 0 腐食率 0 0 0 0 4.4 外観変化なし変化なし変化なし変化なし赤鎬少

50 重量変化 0 0 0 0 0 試腐食率 0 0 0 0 4.9 験外観変化なし変化なし変化なし変化なし赤鑌少用 5 1 0 0 0 -0.02 - 0.02 議ィ匕

水腐食率 0 0 2.6 7.4 6.5

；谷外観変化なし変化なし赤鎬少赤鎬赤鑌液 52 應 0 0 0 0 0 腐食率 0 0 0 0.9 1.3 外観変化なし変化なし変化なし赤鲭少赤鯖少

53 應 0 0 0 0 0 腐食率 0 0 0 0 5.3 外観変化なし変化なし変化なし変化なし赤鎬

※ェ比較用水溶液は、 34.2%。NaCl水溶液:水

試験用水溶液は、 No.48〜53の各水溶液： 34.2%。NaCl水溶液

の混合比率を示す。

※2 表中、重量変化は、 7日後の重量 (g)から初期重量 (g)を差し引いた値である。

※3 表中、腐食率の単位は％である。 [0066] 表 6より、 No. 48〜53の水溶液を用いた試験用水溶液は、いずれも、塩化物ィォンによる鉄筋の腐食を防止する効果を示した。また、カリウムシリケート及びアルカリ金属塩の組成でも優れた腐食防止効果を有するが、さらに亜硝酸塩を併用することにより、腐食防止効果がより向上することが示された。

産業上の利用可能性

[0067] 本発明の融雪'凍結防止剤は、環境に対して安全であり、コンクリートを劣化させず、雪や氷を融解するとともに凍結を防止する性能に優れたものである。また、経済性も高ぐ液状とすることができるなど取り扱いも容易なため、舗装若しくは未舗装の道路面、駐車場、飛行場の滑走路、駐機場を始め、農地、ゴルフ場等に広く適用できるものである。

[0068] 特に本発明の融雪'凍結防止剤は、コンクリート表面をフレーク上に剥がすことがなぐまた鉄筋を鲭びさせることも少ないので、種々の対象表面のうちでもコンクリート表面である場合に特にその特長を生かすことができる。

Claims

請求の範囲

[I] カリウムシリケートを有効成分として含有する融雪'凍結防止剤。

[2] カリウムシリケートが、次の一般式

K O-nSiO

2 2

(式中、 nは 1〜5の数を示す）

で表されるものである請求項 1記載の融雪 '凍結防止剤。

[3] 更に、アルカリ金属塩を含有する請求項 1又は請求項 2記載の融雪，凍結防止剤。

[4] アルカリ金属塩がカリウム塩である請求項 3記載の融雪 ·凍結防止剤。

[5] アルカリ金属塩が、炭酸カリウム、酢酸カリウム又は酢酸ナトリウムである請求項 3又は請求項 4記載の融雪 ·凍結防止剤。

[6] 更に、低級アルコールを含有する請求項 1ないし請求項 5の何れかの項記載の融雪，凍結防止剤。

[7] 低級アルコールがエタノールである請求項 6記載の融雪'凍結防止剤。

[8] カリウムシリケート及び亜硝酸塩を有効成分として含有する融雪'凍結防止剤。

[9] カリウムシリケートが、次の一般式

K O-nSiO

2 2

(式中、 nは 1〜5の数を示す）

で表されるものである請求項 8記載の融雪 '凍結防止剤。

[10] 亜硝酸塩が亜硝酸ナトリウムである請求項 8又は請求項 9記載の融雪'凍結防止剤

[II] 更に、アルカリ金属塩 (亜硝酸塩を除く）を含有する請求項 8ないし 10の何れかの項記載の融雪 ·凍結防止剤。

[12] アルカリ金属塩 (亜硝酸塩を除く）がカリウム塩である請求項 11記載の融雪，凍結防止剤。

[13] アルカリ金属塩 (亜硝酸塩を除く）が、炭酸カリウム、酢酸カリウム又は酢酸ナトリウムである請求項 11又は請求項 12記載の融雪，凍結防止剤。

[14] 更に、低級アルコールを含有する請求項 8ないし請求項 13の何れかの項記載の融雪，凍結防止剤。

[15] 低級アルコールがエタノールである請求項 14記載の融雪'凍結防止剤。

[16] 請求項 1ないし請求項 15の何れかの請求項記載の融雪'凍結防止剤を、予め対象表面上へ散布することを特徴とする対象表面の凍結防止方法。

[17] 液状形態の融雪 '凍結防止剤を液体散布装置により散布する請求項第 16項記載の対象表面の凍結防止方法。

[18] 対象表面が道路、駐車場、滑走路又は駐機場である請求項 16又は請求項 17記載の対象表面の凍結防止方法。

[19] 請求項 1な!、し請求項 15の何れかの請求項記載の融雪剤を、積雪な!/、しは凍結対象表面上へ散布することを特徴とする対象表面の融雪氷方法。

[20] 液状形態の融雪'凍結防止剤を液体散布装置により散布する請求項 19記載の対象表面の融雪氷方法。

[21] 対象表面が道路、駐車場、滑走路又は駐機場である請求項 19又は請求項 20記載の対象表面の融雪氷方法。