明 細 書
エーテル類の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、共役ジェン化合物のテロメリ化方法に関する。本発明のテロメリ化方法 により製造されるエーテル類は、各種ポリマーの原料、香料などの中間体などとして 有用である。
背景技術
[0002] 共役ジェンィ匕合物のテロメリ化反応とは、共役ジェンィ匕合物が求核性反応剤を取り 込むことによりオリゴメリ化する反応である。例えば、 2分子の 1, 3—ブタジエンが、 1 分子の酢酸などの活性水素を含有する化合物と反応して、 1ーァセトキシー 2, 7- ォクタジェンを得る反応などが挙げられる。力かるテロメリ化反応では、パラジウム化 合物、特に、ホスフィンィ匕合物が配位したパラジウム化合物がテロメリ化反応用の触 媒として優れた活性を示すことが知られて!/ヽる (非特許文献 1参照)。
一方、さらにホスフィンィ匕合物を配位子として利用したテロメリ化反応も知られている (特許文献 1および特許文献 2参照)。
[0003] 非特許文献 1 :辻 ニ郎著、「パラジウム リエージェンッ アンド キヤタリスッ(Pallad ium Reagents and Catalysts)」、ジョン ワイリー アンド サンズ (John Wiley
& Sons)出版、 1995年、 p. 423〜441
特許文献 1:特開平 4— 504267号公報
特許文献 2:特公昭 48—43327号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 非特許文献 1に記載された方法では、ホスフィンィ匕合物が配位したパラジウム化合 物の熱安定性が悪ぐ反応終了後に生成物をパラジウム化合物など力も蒸発分離さ せる際、該パラジウム化合物が分解してパラジウムブラックが析出するため、パラジゥ ム化合物の再使用が困難であり、製造費が高くなるという問題がある。
特許文献 1の実施例には、ノ《ラジウムァセチルァセトナートとトリフエ-ルホスフィン(
モル比 = 1: 2)をメタノールに溶解した触媒溶液を用いた 1, 3—ブタジエンのテロメリ 化反応が記載されている。し力し、トリフエ-ルホスフィンの代わりにトリアルキルホスフ インを用いた実施例が無ぐトリアルキルホスフィンを使用することによる効果について 全く記載されておらず、教示も示唆さえもない。また、特許文献 2の実施例には、テト ラキス(トリフエ-ルホスフィン)パラジウム、トリブチルホスフィンおよびエチレングリコ ールの存在下における 1, 3—ブタジエンのテロメリィ匕反応が記載されている。しかし ながら、 目的生成物がほとんど得られないという根本的な問題がある。
しかして、本発明の目的は、上記の問題を解決し、共役ジェンィ匕合物のテロメリ化 反応によるエーテル類の製造方法において、工業的にさらに有利な方法を提供する ことにある。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明によれば、上記目的は、パラジウム化合物および一般式 (I)
[化 1] R'OH (I)
(式中、 R1は置換基を有して 、てもよ 、アルキル基または置換基を有して 、てもよ!/ヽ ァリール基を表す。 )
で示されるヒドロキシルイ匕合物 [以下、これをヒドロキシルイ匕合物 (I)と称する。 ]の存 在下に共役ジェンィ匕合物をテロメリ化反応させることによるエーテル類の製造方法に おいて、一般式 (Π)
[化 2] PR2R3R4 (II)
(式中、 R2、 R3および R4は、それぞれ独立して炭素数 1〜: L0のアルキル基を表す。 ) で示されるトリアルキルホスフィン化合物 [以下、これをトリアルキルホスフィン(Π)と称 する。 ]の存在下に反応を行なうことを特徴とする前記エーテル類の製造方法を提供 すること〖こより達成される。
発明の効果
[0006] 本発明によれば、共役ジェンィ匕合物のテロメリ化反応を工業的に実施するに際し、 触媒活性の低下が小さぐ低触媒濃度で高選択的にエーテル類を製造することがで きる。
発明を実施するための最良の形態
[0007] 以下、本発明を詳細に説明する。
[0008] 本発明で使用する共役ジェンィ匕合物の具体例としては、例えば 1, 3 ブタジエン 、イソプレン、ピペリレン、 2, 3 ジメチル— 1, 3 ブタジエン、 1, 3, 7—オタタトリエ ン、 1, 3 シクロへキサジェン、 1, 3 シクロォクタジェンなどが挙げられる。さらに、 力かる共役ジェンィ匕合物は純度が低くてもよぐ例えば 1, 3 ブタジエンの場合、ェ 業的に安価に入手できる粗ブタジエン (イソブチレンなどのブテン類、メチルァセチレ ン、 1ーブチンなどのアセチレン類、 1, 2 ブタジエンなどの不純物を含有した 1, 3 —ブタジエンを示す。)を使用することができる。力かる粗ブタジエンがナフサの熱分 解により C4留分として得られることは、当業者にとって周知の事項である。こうして得 られる粗ブタジエンは、 1, 3 ブタジエンを単離する工程が省略されるため、安価に 入手でき、力かる粗ブタジエンを原料に用いると、製造費用の観点から、工業的に非 常に有利である。本発明では、力かる粗ブタジエンのような低純度の共役ジェンィ匕合 物を原料に用いた場合でも、転ィ匕率および選択率を高く維持することができる。
[0009] 前記の一般式 (I)中、 R1が表すアルキル基としては、炭素数 1 8のアルキル基が 好ましぐ例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 n—ブチル基、ィ ソブチル基、 s ブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n キシル基、 n プチル基、 n—ォクチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基 、シクロォクチル基などが挙げられる。これらは置換基を有していてもよぐかかる置 換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン 原子;フエ二ル基、トリル基、キシリル基などのァリール基;メトキシ基、エトキシ基、イソ プロポキシ基などのアルコキシル基; 2—メトキシェチルォキシ基、 2—エトキシェチル ォキシ基;ヒドロキシル基などが挙げられる。 R1が表すァリール基としては、炭素数 6 14のァリール基が好ましぐ例えばフエ-ル基、ナフチル基、フエナントリル基、ァ ントラセニル基などが挙げられる。これらは置換基を有していてもよぐかかる置換基 としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、 s ブチ ル基、 t ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル基などのアル キル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基;ヒドロキシル
基などが挙げられる。
[0010] ヒドロキシル化合物(I)の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、 1 プロ パノール、 2—プロパノール、 2—メチルー 1 プロパノール、 1ーブタノール、 2—ブタ ノーノレ、ペンタノ一ノレ、イソペンチノレアノレコーノレ、シクロペンタノ一ノレ、へキサノーノレ、 2—へキサノール、シクロへキサノール、ヘプタノール、ォクタノール、 2—ォクタノー ル、 3—ォクタノール、ベンジルアルコール、フエネチルアルコール、フエノール、ェチ レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコーノレモノ メチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノ メチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモ ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノェチルエーテルなどが挙げられる。
ヒドロキシル化合物(I)の使用量は、共役ジェン化合物に対して 0. 1〜10倍モルの 範囲であるのが好ましぐ 0. 5〜5倍モルの範囲であるのがより好ましい。
[0011] 本発明で得られるエーテル類としては、例えば 1ーメトキシ 2, 7—ォクタジェン、 1 エトキシー 2, 7—ォクタジェン、 1 プロポキシ 2, 7—ォクタジェン、 1 ブトキシ - 2, 7—ォクタジェン、 1 イソペンチ口キシー 2, 7—ォクタジェン、 1ーシクロへキシ ルォキシ 2, 7—ォクタジェン、 1 フエノキシ 2, 7—ォクタジェン、 1一べンジル ォキシ 2, 7—ォクタジェン、 1ーメトキシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1 エトキシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1 プロポキシ 2, 7 ジメチ ルー 2, 7—ォクタジェン、 1 ブトキシ 2, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 イソペンチ口キシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1ーシクロへキシノレォキシ - 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1 フエノキシ 2, 7 ジメチノレー 2, 7— ォクタジェン、 1 ベンジルォキシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1ーメトキ シー 2, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1 エトキシー 2, 6 ジメチノレー 2, 7— ォクタジェン、 1 プロポキシ 2, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 ブトキシ - 2, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 イソペンチロキシ 2, 6 ジメチルー 2 , 7—ォクタジェン、 1ーシクロへキシルォキシ 2, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェ ン、 1 フエノキシ 2, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1一べンジルォキシ 2, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1ーメトキシー 3, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジ
ェン、 1 エトキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 プロポキシ 3, 7- ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 ブトキシー 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン 、 1 イソペンチロキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1ーシクロへキシル ォキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 フエノキシ 3, 7 ジメチルー 2 , 7—ォクタジェン、 1一べンジルォキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 ーメトキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 エトキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1 プロポキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1ーブ トキシー 3, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 1 イソペンチ口キシー 3, 6 ジメチ ノレ 2, 7—ォクタジェン、 1ーシクロへキシルォキシ 3, 6 ジメチノレー 2, 7 オタ タジェン、 1 フエノキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 1一べンジルォキ シー 3, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3—メトキシー 2, 7—ォクタジェン、 3— エトキシー 2, 7—ォクタジェン、 3 プロポキシ 2, 7—ォクタジェン、 3 ブトキシー 2, 7—ォクタジェン、 3 イソペンチ口キシー 2, 7—ォクタジェン、 3 シクロへキシノレ ォキシ 2, 7—ォクタジェン、 3 フエノキシ 2, 7—ォクタジェン、 3 ペンジノレオ キシー 2, 7—ォクタジェン、 3—メトキシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3 エトキシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3 プロポキシ 2, 7 ジメチ ルー 2, 7—ォクタジェン、 3 ブトキシ 2, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3— イソペンチ口キシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3 シクロへキシノレォキシ - 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3 フエノキシ 2, 7 ジメチノレー 2, 7— ォクタジェン、 3 ベンジルォキシー 2, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3—メトキ シー 2, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3 エトキシー 2, 6 ジメチノレー 2, 7— ォクタジェン、 3 プロポキシ 2, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 ブトキシ - 2, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 イソペンチロキシ 2, 6 ジメチルー 2 , 7—ォクタジェン、 3 シクロへキシルォキシ 2, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェ ン、 3 フエノキシ 2, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 べンジルォキシ 2, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3—メトキシー 3, 7 ジメチノレー 2, 7—ォクタジ ェン、 3 エトキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 プロポキシ 3, 7— ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 ブトキシー 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン
、 3 イソペンチロキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 シクロへキシル ォキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 フエノキシ 3, 7 ジメチルー 2 , 7—ォクタジェン、 3 べンジルォキシ 3, 7 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 ーメトキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 エトキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 プロポキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 ブ トキシー 3, 6 ジメチノレー 2, 7—ォクタジェン、 3 イソペンチ口キシー 3, 6 ジメチ ノレ 2, 7—ォクタジェン、 3 シクロへキシルォキシ 3, 6 ジメチノレー 2, 7 オタ タジェン、 3 フエノキシ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェン、 3 べンジルォキ シ 3, 6 ジメチルー 2, 7—ォクタジェンなどが挙げられる。
[0012] 本発明で使用するパラジウム化合物としては、トリフエニルホスフィンなど、ァリール 基を有するホスフィンィ匕合物を有さなければ特に制限はなぐ例えばギ酸パラジウム 、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム 、硝酸パラジウム、塩化パラジウム酸ナトリウム、塩化パラジウム酸カリウム、パラジウム ァセチルァセトナート、ビス(ベンゾ-トリル)パラジウムジクロリド、ビス(t—ブチルイソ シアニド)パラジウムジクロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジべ ンジリデンアセトン)二パラジウム、ビス(1, 5 シクロォクタジェン)パラジウムなどが 挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および経済性の観点からは、酢酸パラジ ゥムまたはパラジウムァセチルァセトナートを使用するのが好ま U、。パラジウム化合 物の使用量は、パラジウム原子換算で、共役ジェン化合物に対して 0. lppm〜100 ppmの範囲であるのが好ましぐ 10ppm〜50ppmの範囲であるのがより好ましい。
[0013] 前記一般式 (Π)中、 R2、 R3および R4がそれぞれ独立して表す炭素数 1〜 10のアル キル基としては、例えばメチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル基、 n—ブ チル基、イソブチル基、 t ブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基、 n—へプチ ル基、 n—ォクチル基、 n—ノ-ル基、 n—デシル基、シクロペンチル基、シクロへキシ ル基、シクロォクチル基などが挙げられる。
[0014] 本発明で使用するトリアルキルホスフィン (Π)の具体例としては、例えばトリメチルホ スフイン、トリェチルホスフィン、トリ n—プロピルホスフィン、トリ n—ブチルホスフィン、ト リイソブチルホスフィン、トリ n—へキシルホスフィン、トリ n—ォクチルホスフィン、トリシ
クロへキシルホスフィンなどが挙げられる。これらは 1種を単独で使用してもよいし、 2 種以上を併用してもよい。トリアルキルホスフィンの使用量は、パラジウム化合物中の パラジウム原子に対して 0. 1〜100倍モルの範囲であるのが好ましぐ 1〜20倍モル の範囲であるのがより好まし 、。
[0015] 本発明のエーテル類の製造方法は、さらに塩基性物質の存在下に実施することも できる。力かる塩基性物質としては、一般式 (III)
[化 3] M (OR5) (III)
(式中、 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、 R5は水素原子、置換基を 有して 、てもよ 、アルキル基または置換基を有して 、てもよ 、ァリール基を表し、 nは Mがアルカリ金属を表す場合は 1を表し、 Mがアルカリ土類金属を表す場合は 2を表 す。)
で示される化合物、一般式 (IV)
[0016] [化 4]
R7
,,R8 。 ( I V)
R ,R9
[0017] (式中、 R6、 R7、 R8、 R9および R1C)はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してい てもよ 、アルキル基または置換基を有して 、てもよ 、ァリール基を表す。 )で示される 化合物、一般式 (V)
[0018] [化 5]
ノ 013 0R (V)
[0019] (式中、 RL R12、 R13、 R および R15はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有して
V、てもよ 、アルキル基または置換基を有して 、てもよ 、ァリール基を表す。 )で示され る化合物などが挙げられる。
[0020] 前記一般式 (III)、 (IV)および (V)中、 R5、 R6、 R7、 R8、 R9、 R10, R11, R12、 R13、 R 14および R15がそれぞれ独立して表すアルキル基としては、例えばメチル基、ェチル 基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、 s ブチル基、 t ブチル 基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、シクロペンチル基、シクロへ キシル基、シクロへプチル基、シクロォクチル基などが挙げられ、ァリール基としては 、フエ-ル基、ナフチル基などが挙げられる。これらは置換基を有していてもよぐ力 力る置換基としては、例えばフエ-ル基、トリル基、キシリル基などのァリール基などが 挙げられる。
[0021] 前記一般式 (III)で示される化合物の具体例としては、例えば水酸化リチウム、水 酸ィ匕ナトリウム、水酸ィ匕カリウムなどのアルカリ金属水酸ィ匕物;水酸ィ匕カルシウム、水 酸化マグネシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸ィ匕物;リチウムメトキ シド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム s ブトキシド、ナトリウ ムフエノキシド、ナトリウムベンジルォキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリ ゥムイソプロポキシド、カリウム s ブトキシド、カリウム tーブトキシド、カリウムフエノキシ ド、カリウムベンジルォキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネ シゥムイソプロポキシド、マグネシウム s ブトキシド、マグネシウム tーブトキシド、マグ ネシゥムフエノキシド、マグネシウムベンジルォキシド、カルシウムメトキシド、カルシゥ ムェトキシド、カルシウムイソプロポキシド、カルシウム s ブトキシド、カルシウム tーブ トキシド、カルシウムフエノキシド、カルシウムベンジルォキシドなどが挙げられる。
[0022] 前記一般式 (IV)で示される化合物の具体例としては、例えばテトラメチルアンモ- ゥムヒドロキシド、テトラエチルアンモ-ゥムヒドロキシド、テトラー n—プロピルアンモ- ゥムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモ-ゥムヒドロキシド、テトラー n—ブチルアン モ-ゥムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモ-ゥムヒドロキシド、テトラメチルアンモ 二ゥムメトキシド、テトラメチルアンモ-ゥムェトキシド、テトラメチルアンモ -ゥム n—プ ロポキシド、テトラメチルアンモ -ゥムフエノキシド、テトラエチルアンモ-ゥムメトキシド 、テトラエチルアンモ-ゥムェトキシド、テトラエチルアンモ -ゥム n—プロポキシド、テ
トラェチルアンモ -ゥムフエノキシド、テトラー n—プロピルアンモ-ゥムメトキシド、テト ラ一 n—プロピルアンモ-ゥムェトキシド、トリイソプロピルアンモ-ゥムメトキシド、トリイ ソプロピルアンモ-ゥムェトキシド、テトラ一 n—ブチルアンモ-ゥムメトキシド、テトラ —n—ブチルアンモ-ゥムェトキシド、テトラー n—ブチルアンモ -ゥムフエノキシド、 ベンジルトリメチルアンモ-ゥムメトキシド、ベンジルトリメチルアンモ-ゥムェトキシド、 ベンジルトリメチルアンモ-ゥムフエノキシドなどが挙げられる。
[0023] 前記一般式 (V)で示される化合物の具体例としては、例えばテトラメチルホスホニゥ ムヒドロキシド、テトラエチルホスホ-ゥムヒドロキシド、テトラ一 n—プロピルホスホ-ゥ ムヒドロキシド、テトライソプロピルホスホ-ゥムヒドロキシド、テトラ一 n—ブチルホスホ -ゥムヒドロキシド、ベンジルトリメチノレホスホ-ゥムヒドロキシド、テトラフエ-ノレホスホ 二ゥムヒドロキシド、テトラメチルホスホ-ゥムメトキシド、テトラエチルホスホ-ゥムメトキ シド、テトラ一 n—プロピルホスホ-ゥムメトキシド、トリイソプロピルホスホ-ゥムメトキシ ド、テトラ一 n—ブチルホスホ-ゥムメトキシド、テトラ一 n—ブチルホスホ-ゥムエトキシ ド、テトラー n—ブチルホスホ-ゥムフエノキシド、ベンジルトリメチルホスホ-ゥムェトキ シド、テトラフエ-ルホスホ-ゥムメトキシド、テトラフエ-ルホスホ-ゥムェトキシド、テト ラフエ-ルホスホ-ゥムフエノキシドなどが挙げられる。
[0024] 塩基性物質を使用する場合、力かる塩基性物質の使用量は、パラジウム化合物中 のパラジウム原子に対して、通常、 0. 1〜: LOOOOO倍モルの範囲であるのが好ましく 、 1〜10000倍モルの範囲であるのがより好ましい。
[0025] 本発明は、溶媒の存在下または不存在下に実施できる。力かる溶媒としては、例え ばブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、へキサン、シクロへキサン、ベン ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;ジクロロメタン、 1, 2—ジクロロエタン、クロ 口ホルムなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジペンチルエーテル、ジへキ シルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチ ルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;ホルムアミド 、ァセトアミド、 N, N—ジメチルホルムアミド、 1—メチル—2—ピロリジノンなどのアミド などが挙げられる。溶媒は 1種を単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい 。溶媒の存在下に実施する場合、溶媒の使用量に特に制限はないが、通常、共役ジ
ェン化合物に対して 0. 01〜10倍質量の範囲である。
[0026] 反応温度は 0〜150°Cの範囲であるのが好ましぐ 20〜110°Cの範囲であるのがよ り好ましい。 0°C未満の場合には反応時間が極めて遅くなる傾向となり、また 150°Cを 超える場合には副生物が増加する傾向にある。
反応圧力は、通常、 0. l〜3MPaの範囲である。
また、反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施するのが好ましい
[0027] 本発明の実施の形態に特に制限は無ぐ連続式、バッチ式のいずれでも実施でき る。例えば連続式で実施する場合、パラジウム化合物、トリアルキルホスフィン (11)、ヒ ドロキシル化合物 (I)並びに必要に応じて溶媒および Zまたは塩基性物質を混合し 、得られた混合溶液を、窒素雰囲気下、所定温度、所定圧力下にて共役ジェン化合 物およびヒドロキシルイ匕合物 (I)の混合物中に連続的または断続的に添加し、所定 時間反応させた後、得られた反応混合液を連続的または断続的に抜き取ることにより 実施できる。一方、バッチ式で実施する場合、パラジウム化合物、トリアルキルホスフ イン (Π)、ヒドロキシル化合物 (I)並びに必要に応じて溶媒および Zまたは塩基性物 質を混合し、得られた混合液に共役ジェン化合物を圧入し、所定温度、所定圧力下 で、所定時間反応させることにより実施できる。
[0028] 反応終了後、得られた反応混合液からのエーテル類の分離精製方法に特に制限 は無ぐ通常の有機化合物の分離精製方法を用いることができる。例えば、未反応原 料や必要に応じて使用した溶媒を留去した後、その残留物力 必要に応じて薄膜蒸 発法、デカンテーシヨン、抽出、吸着法などにより触媒成分 (パラジウム化合物、トリア ルキルホスフィン (Π) )を分離し、得られた残留物を蒸留、再結晶またはカラムクロマト グラフィーなどで精製することにより純度の高いエーテル類を得ることができる。なお 、分離した触媒成分を含有する混合溶液は、本発明のエーテル類の製造方法に再 使用することができる。
実施例
[0029] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に より何ら限定されるものではない。なお、各実施例および比較例におけるガスクロマト
グラフィー分析は、以下の手順で実施した。
[ガスクロマトグラフィー分析]
装置: GC— 14B (島津製作所製)
使用カラム: DB— WAX (10m) (アジレントテクノロジーズ社製)
分析条件: injection temp.220°C、 detection temp.250°C、昇温条件; 40°Cで 8分 保持→15°C,分で昇温→240°Cで 30分保持
[0030] <参考例 1 >
(触媒液 Aの調製)
窒素雰囲気下、パラジウムァセチルァセトネート 4. 5g (14. 3mmol)とトリエチルホ スフイン 3. 4g (28. 6ミリモル)をメタノール 18Lに溶解して触媒液 Aを調製した。
(触媒液 Bの調製)
窒素雰囲気下、パラジウムァセチルァセトネート 4. 5g (14. 3mmol)とトリエチルホ スフイン 6. 8g (57. 2mmol)をメタノール 18Lに溶解して触媒液 Bを調製した。
(触媒液 Cの調製)
窒素雰囲気下、パラジウムァセチルァセトネート 4. 5g (14. 3mmol)とトリブチルホ スフイン 5. 8g (28. 6mmol)をメタノール 18Lに溶解して触媒液 Cを調製した。
(触媒液 Dの調製)
窒素雰囲気下、パラジウムァセチルァセトネート 4. 5g (14. 3mmol)とトリフエ-ル ホスフィン 7. 5g (28. 6mmol)をメタノール 18Lに溶解して触媒液 Dを調製した。 (触媒液 Eの調製)
窒素雰囲気下、パラジウムァセチルァセトネート 18g (59mmol)とトリフエ-ルホスフ イン 3 lg ( 118mmol)をメタノール 18Lに溶解して触媒液 Eを調製した。
[0031] <実施例 1 >
加温設備および反応器中段にサンプリングバルブを有する全容積 3Lのプラグフロ 一型反応器に、窒素雰囲気下、 2MPaおよび 100°Cで、メタノールを 237g (7. 4mol ) /時、 1, 3—ブタジエンを 200g (3. 70mol) /時、そして触媒液 Aを 11. 25g/時 で同時に供給した [供給時の 1 , 3—ブタジエンとパラジウム原子の存在比: 270000 対 1 (モル比) ]。供給を開始して力も 12時間後に反応器が満たされた (初期組成:パ
ラジウム 17mmolZL、 1, 3 ブタジエン 4. 6molZL)。この時点から 2時間および 4 時間反応させた後の反応混合液の一部を抜き取り(反応器中段のサンプリングバル ブおよび反応器下段の留出部位力も抜き取った。)、ガスクロマトグラフィー分析を行 なった。結果を表 1に示す。
[0032] <実施例 2 >
実施例 1において、触媒液 Aに変えて、触媒液 Bを使用した以外は、実施例 1と同 様に反応および分析を行なった。結果を表 1に示す。
[0033] <実施例 3 >
実施例 1において、触媒液 Aに変えて、触媒液 Cを使用した以外は、実施例 1と同 様に反応および分析を行なった。結果を表 1に示す。
[0034] <比較例 1 >
実施例 1において、触媒液 Aに変えて、触媒液 Dを使用した以外は、実施例 1と同 様に反応および分析を行なった。結果を表 1に示す。
[0035] <比較例 2 >
加温設備および反応器中段にサンプリングバルブを有する全容積 3Lのプラグフロ 一型反応器に、窒素雰囲気下、 2MPaおよび 100°Cで、メタノールを 237g (7. 4mol ) /時、 1, 3 ブタジエンを 200g (3. 70mol) /時、そして触媒液 Eを 11. 25g/時 で同時に供給した [供給時の 1, 3 ブタジエンとパラジウム原子の存在比: 68000対 1 (モル比)]。 12時間後に反応器は満たされた (初期組成:パラジウム 67. 3mmol/ L、 1, 3 ブタジエン 4. 6mol/L) oこの時点から 2時間、 4時間および 6時間反応さ せた後の反応混合液の一部を抜き取り(反応器中段のサンプリングバルブおよび反 応器下段の留出部位カゝら抜き取り、さらに反応器下段力ゝら留出した反応混合液を別 の反応器にてさらに 2時間反応させて力も反応混合液の一部を抜き取った。)、ガスク 口マトグラフィー分析を行なった。結果を表 1に示す。
[0036] 実施例 1〜3より、本発明によるエーテル類の製造方法は、高い転化率および高い 1ーメトキシ 2, 7—ォクタジェンの選択率を得ることができる。さらに、実施例 1と比 較例 1〜2より、本発明において、トリアルキルホスフィン (Π)を用いることにより、予期 せぬ程に転ィ匕率を高め、かつ 1ーメトキシー 2, 7—ォクタジェンの選択率を高く維持
することに成功した。
[表 1]
反応時 ¾ 転化 選択率 (%)
(時間) (%) MODE一 1 MOD E - 3 〇τ VCH
2 7 5. 9 92. 1 4. 2 2. 2 0. 9 実施例 1
4 98. 3 92. 2 4. 3 2. 1 0. 6
2 67. 3 92. 3 3. 3 2. 3 1. 0 実施例 2
4 9 5. 9 92. 0 3. 9 2. 2 0. 6
2 7 6. 1 9 1. 3 4. 3 2. 3 0. 4 実施例 3
4 98. 0 92. 0 4. 0 2. 4 0. 6
2 1 1. 9 90. 3 5. 0 3. 4 0. 7 比較例 1
4 29. 2 90. 2 4. 9 3. 5 0. 8
2 40. 7 90. 3 5. 0 3. 7 0. 9 比較例 2 4 7 6. 3 90. 1 4. 9 3 · 5 0. 8
6 7 8. 2 90. 1 5. 1 3. 4 0. 7
MODE— 1 : 1—メ トキシ一 2, 7—ォクタジェン
MOD E— 3 : 3丁メ トキシ一 1, 7—才クタジェン
OT : 1 , 3 , 7—オケタトリエン
VCH : ビニルシクロへキセン
産業上の利用可能性
本発明により提供されるテロメリ化法により製造されるエーテル類は、各種ポリマー の原料、香料などの中間体などとして幅広く利用可能である。