WO2006018929A1

WO2006018929A1 - ロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ

Info

Publication number: WO2006018929A1
Application number: PCT/JP2005/011412
Authority: WO
Inventors: Fukujyu Sato
Original assignee: Sato, Kaichi
Priority date: 2004-08-17
Filing date: 2005-06-22
Publication date: 2006-02-23
Also published as: JP4177414B2; JPWO2006018929A1

Abstract

　本願発明は、後加工でゴルフクラブのロフト角、フェース角およびウエイトをプレイヤーの体形や好みに応じて容易に、かつ、連続的に変えることができ、公式競技でも使用可能なゴルフクラブを提供することを目的とする。　そして、その解決手段として、ゴルフクラブヘッドのソール面にソール凹み部を凹設し、このソール凹み部に嵌合する着脱可能なソールウエイトをソール面から所望の突出高さを以って固定させることにより、ソールインバージョンを変化せしめ、ソールインバージョンの変化によって、ロフト角、フェース角を調整可能とした。

Description

明細書

ロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ

技術分野

[0001] 本願発明は、ロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブに関する。

背景技術

[0002] ゴルフクラブのロフト角およびフェース角は、プレイヤーの体型やプレイスタイノレに応じて様々なものが要求されるため、後加工でロフト角およびフェース角を変えることができるゴルフクラブが提案されて、る。

[0003] たとえば、特開 2001-46557号公報に開示されたものがある力この発明は、ゴルフクラブのライ角をプレイヤーの体形や好みに応じて容易に変えることができるゴルフクラブを提供することを目的としていて、その構成を、ゴルフクラブヘッドの内部に傾斜状態で固定されるプレートと、このプレートに穿設されてクラブシャフトの傾斜角をガイドするガイド孔と、このガイド孔に対応してゴルフクラブヘッドの挿入状態で取り付けられるシャフト固定管と、このシャフト固定管に挿入された状態で固定されるクラブシャフトと、力なるものとしている。

[0004] また、本願出願人は、ゴルフクラブのロフト角およびフェース角を後加工で変えることができる発明を提案していて、その発明は、特開 2002-282400号公報および特開 2003- 62131号公報に開示されている。

[0005] 特開 2002-282400号公報に開示のものについて、図 6を基に説明する。図 6は特開 2002-282400号公報に開示の実施例に係るクラブシャフトの先端部分の斜視図 (図 6 (a) )、およびゴルフクラブヘッドとクラブシャフトの接合部分断面図（図 6 (b) )である。クラブシャフト 101は中空のカーボングラファイト製であって、先端がわずかに曲折し、この曲折部 102は中空部分が充填された中実のムク状となっている。そして、ゴルフクラブヘッド 103に穿設されたホーゼル部 104内に曲折部 102を埋入した後、クラブシャフト 101を回動させることにより、ゴルフクラブのロフト角およびフェース角が変化し、所望のロフト角およびフェース角となった回動位置でホーゼル部 104と曲折部 102とを接着固定させるものである。 [0006] そして、特開 2003-62131号公報に開示のものについては、図 7を基に説明する。図 7は特開 2003-62131号公報に開示の実施例に係るゴルフクラブヘッドの見上げ図（図 7 (a) )、および側面図（図 7 (b)および図 7 (c) )である。ゴルフクラブヘッド 201 のソール面 202には側面視において一方向にテーパーのついた円盤 203が回動自在に添着されていて、この円盤 203を回動させることにより、ゴルフクラブのロフト角およびフェース角が変化し、所望のロフト角およびフェース角となった回動位置で円盤 203をゴルフクラブヘッド 201のソール面 202に固定させるものである。

特許文献 1：特開 2001- 46557号公報

特許文献 2：特開 2002- 282400号公報

特許文献 3：特開 2003-62131号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] しかしながら、特開 2001-46557号公報に開示のものは、プレートに穿設されたガイド孔の位置と数 (実施例では 5箇所に穿設されている。）によって、ゴルフクラブのラィ角が断続的に定まり、ライ角を連続的に微妙に変えることはできな、。

[0008] また、特開 2002-282400号公報に開示のものは、クラブシャフト 101の曲折部 10

2を回動させることにより、ロフト角およびフェース角を変えるものである。ロフト角には述する。）、当該発明においては、リアルロフトを変化させることによってフェース角を変化させるものであるので、ロフト角およびフェース角は相互関係をもって変化し、たとえば、ロフト角を一定にしてフェース角を変えることはできない。そして、特開 2003- 62131号公報に開示のものは、ゴルフクラブヘッド 201のソール面 202に添着された円盤 203を回動させることにより、ロフト角およびフェース角を変えるものであるため、ゴルフ規則のゴルフクラブに関する付属規則に違反するおそれがあって、公式競技で使用することは難しい。

[0009] そこで、本願発明は、後加工でゴルフクラブのロフト角およびフェース角をプレイヤ一の体形や好みに応じて容易に、かつ、連続的に微妙に変えることができ、公式競技でも使用可能なゴルフクラブを提供することを目的とする。課題を解決するための手段

本願請求項 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ヘッドのソール面に凹設されたソール凹み部にソールウェイトが嵌合し、前記ソールウェイトの底面が前記ソール面力所望の突出高さを以つて固定される、ことを特徴としている。

また、本願請求項 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、請求項 1に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブであって、前記ソール凹み部は平面視が円形であり、

前記ソールウェイトは円盤状の頭部および該頭部の中心部に固着されその周面に雄螺子が螺刻された丸棒状の雄螺子部力なり、前記頭部は前記ソール凹み部に嵌合し、前記雄螺子部は前記ソール凹み部の底面に穿設され内面に雌螺子が螺刻された第 1のボルト挿入孔に螺入されて、前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが調整され固定される、ことを特徴としている。

そして、本願請求項 3に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、請求項 2に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブであって、前記頭部にはその内面に雌螺子が螺刻された第 1の止めビス挿入孔が穿設され、止めビスが前記第 1の止めビス挿入孔に螺入され該止めビスの先端が前記ソール凹み部の底面を押圧して前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが固定される、ことを特徴としている。

さらに、本願請求項 4に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、請求項 1に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブであって、前記ソール凹み部の平面視は前記ヘッドのフェース側の 1辺を該フェース面に略平行な曲線状あるいは直線状とする多辺形であり、前記ソールウェイトは平面視が前記ソール凹み部と略同形の底面および該底面の縁部から立上る周壁を有し、前記周壁が前記ソール凹み部に嵌合し、前記ソールウェイトの底面の前記フェース側の縁部および当該縁部に相対する前記ヘッドのバックフェース側の縁部はそれぞれが前記ソール面力所望の突出高さを以つて固定され、前記ソール凹み部および前記ソールウェイトにより形成される空間内には必要に応じて前記ソールウェイトと同体の調整用ウェイトおよび Zまたは前記ソールウェイトとは別体の調整用ウェイトが固着される、ことを特徴としている。

なお、本願明細書、特許請求の範囲および図面 (以下、「本願明細書等」という。 ) において、バックフェースとは、フェースに相対するヘッドの後部をいうものとする。また、本願請求項 5に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、請求項 4に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブであって、前記多辺形は前記フェース側の 1辺が前記バックフェースに略平行な前記バックフエ一ス側の 1辺よりも長い略台形の 4辺形であり、前記ソールウェイトの底面の前記フエ一ス側の縁部の突出高さは前記ソールウェイトの底面の前記バックフェース側の縁部の突出高さよりも低い、ことを特徴としている。

さらに、本願請求項 6に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、請求項 4または請求項 5に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブであって、前記ソールウェイトの底面にはその内面が平滑なボルト貫通孔およびその内面に雌螺子が螺刻された第 2の止めビス挿入孔が穿設され、前記ソール凹み部の底面には前記ボルト貫通孔に対応する位置にその内面に雌螺子が螺刻された第 2のボルト挿入孔が穿設され、頭付ボルトが前記ボルト貫通孔を貫通しその先端が第 2のボルト挿入孔に螺入されて前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが調整され、止めビスが前記第 2の止めビス挿入孔に螺入され該止めビスの先端が前記ソール凹み部の底面を押圧して前記ソール面に対する前記ソールゥエイトの底面の突出高さが固定される、ことを特徴としている。

発明の効果

本願請求項 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ロフト角およびフェース角を変える方法として、ソールウェイトの底面のソール面からの突出高さの調節方法、すなわち、ゴルフクラブの重さの調節方法に拠っている。このため、ゴルフ規則に適合し、当該ゴルフクラブを公式競技でも使用することができる。また、ソールウェイトはソール凹み部に嵌合しているので、ゴルフクラブのスイング中にソール面が地面と接触しても、ソールウェイトが脱落したり損傷を受けたりすることはない。 [0012] 本願請求項 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ソールウェイトに円形のソール凹み部に嵌合する円盤状のものを使用して、る。この円盤はその中心を軸として回動するので、ソール凹み部に対し常に嵌合状態を保持することができる。また、円盤状の頭部の底面のソール面からの突出高さは、最大限、円盤の厚みとすることができ、円盤の厚みを変えることにより、所望のロフト角およびフエ一ス角を得ることができ、かつ、ソールウェイトを所望の重さとすることができる。なお、本願発明に係る突出高さの調整は、第 1のボルト挿入孔に螺入した雄螺子部を回動させて円盤状の頭部を上下に移動させることによりおこなわれる。

[0013] 円盤状の頭部の底面をソール面力所望の高さに突出して螺着し固定させる方法としては、螺着後、ソールウェイトとソール凹み部とを糊着する方法や溶着する方法がある力本願請求項 3に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブでは、止めビスによってソールウェイトを固定させている。そのため、ソールウェイトを固定させた後でも、止めビスを緩めれば、再度、ソール面力ゝらの円盤状の頭部の突出高さを調整することができる。なお、ソールウェイトの底面の突出高さを固定させるためには、第 1の止めビス揷入孔は 1つでもよいが、 2つ以上とすることが好ましい。後述する実施例 1では、第 1の止めビス挿入孔を 2つとし、第 1の止めビス挿入孔をそれぞれ、ソールウェイトの頭部の中心に対して対称の位置に配置して、る。

[0014] 本願請求項 4に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ソールウェイトの形状を、多辺形を底面とし周壁を有する容器状としていて、多辺形のフエース面側の 1辺をフェース面に略平行な曲線状あるいは直線状としている。このため、当該ゴルフクラブのソールウェイト面は地面と面接触することとなるので、フエアウエィウッドにも本願発明に係るソールウェイトを取り付けることができる。

また、凹み部とソールウェイトとにより形成される空間内に、必要に応じてソールゥェイトと同体の調整用ウェイトおよび Zまたはソールウェイトとは別体の調整用ウェイトを固着することとしているため、所望のロフト角およびフェース角を得るとともに、プレィヤーの好みにあわせたバランスを有するゴルフクラブを得ることができる。ここにいう同体の調整用ウェイトとは、ソールウェイトと一体成型されて渾然一体となった調整用ウェイトをいい、別体の調整用ウェイトとは、ソールウェイトとは別個の調整用ウェイトをいう。後述する実施例 2においては、同体の調整用ウェイトを使用した場合を示している。

[0015] 本願請求項 5に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ソールウェイトの底面の形状をフェース面側の 1辺がバックフェース側の 1辺よりも長い略台形の 4辺形とし、かつ、フェース面側の縁部の突出高さはバックフェース側の縁部の突出高さよりも低くしているため、当該ゴルフクラブの振り抜けがよくなり、フェアウェイウッドに対して使用した場合にも、使用し易いクラブを得ることができる。

[0016] 本願請求項 6に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ソール面に対するソールウェイトの底面の突出高さの調整および固定を、それぞれ頭付ボルトおよび止めビスによっておこなうため、本願請求項 3に係る発明と同様に、ソールウェイトを固定させた後でも、再度、ソール面力のソールウェイトの突出高さを調整することができる。なお、ソールウェイトの底面の突出高さを固定させるためには、第 2 のボルト挿入孔および第 2の止めビス挿入孔はそれぞれ 1つでもよ、が、少なくともヽずれか一方は 2つ以上とすることが好ましい。後述する実施例 2では、第 2のボルト挿入孔を 2つとし、第 2の止めビス揷入孔を 1つとしていて、第 2のボルト挿入孔をソールウェイトのフェース側とバックフェース側に配置し、その中間に第 2の止めビス揷入孔を配置している力 2つの第 2の止めビス揷入孔をソールウェイトのフェース側とバックフェース側に配置し、その中間に 1つの第 2のボルト揷入孔を配置してもよ!/、。

なお、本願請求項 1ないし請求項 6に係るヘッドおよびソールウェイトは、それぞれ金属製であっても、あるいは、合成樹脂製であっても良いことは勿論である。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]図 1は、実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッドのソール面の見上げ図である。

[図 2]図 2は、図 1における II II矢視断面図である。

[図 3]図 3は、実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッドのロフト角およびフェース角の説明図である。

[図 4]図 4は、実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッドのソール面の斜視図である。 [図 5]図 5は、図 4における V—V矢視断面図である。

[図 6]図 6 (a)は、特開 2002-282400号公報に開示の実施例に係るクラブシャフトの先端部分の斜視図であり、図 6 (b)は、クラブヘッドとクラブシャフトの接合部分の断面図である。

[図 7]図 7 (a)は、特開 2003-62131号公報に開示の実施例に係るゴルフクラブへッドの見上げ図であり、図 7 (b)および図 7 (c)は、クラブヘッドの側面図である。

符号の説明

[0018] 1 実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド

2 実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド

10 ソーノレ面

12 フェース

14 ノックフェース

16 ボーゼル

22 実施例 1に係るソー 'ル凹み部

24 実施例 2に係るソー 'ル凹み部

26 実施例 1に係るソー 'ルウェイト

28 実施例 2に係るソー 'ルウェイト

34 第 1のボルト挿入孔

36 止めビス

38 第 1の止めビス挿入孔

40 頭付きボルト

42 ボルト貫通孔

44 第 2のボルト挿入孔

46 第 2の止めビス挿入孔

48 調整用ウェイト

発明を実施するための最良の形態

[0019] 本発明を実施するための最良の形態に係る実施例 1および実施例 2について、図 1 な!、し図 5に基づ、て説明する。図 1は、実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのへッドのソール面の見上げ図、図 2は、図 1における II II矢視断面図、図 3は、実施例 1 に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッドのロフト角およびフェース角の説明図、図 4は、実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッドのソール面の斜視図、図 5は、図 4における V— V矢視断面図、である。

[0020] 図 1ないし図 5において、符号 1は実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド、符号 2は実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド、符号 10はソール面、符号 12はフェース、符号 14はノックフェース、符号 16はボーゼル、符号 22は実施例 1に係るソール凹み部、符号 2 4は実施例 2に係るソール凹み部、符号 26は実施例 1に係るソールウェイト、符号 28 は実施例 2に係るソールウェイト、符号 30は頭部、符号 32は雄螺子部、符号 34は第 1のボルト挿入孔、符号 36は止めビス、符号 38は第 1の止めビス挿入孔、符号 40は頭付きボルト、符号 42はボルト貫通孔、符号 44は第 2のボルト挿入孔、符号 46は第 2の止めビス挿入孔、符号 48は調整用ウェイト、である。

実施例 1

[0021] まず、本願発明の実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド 1につ、て、図 1な、し図 3を基に説明する。

[0022] 実施例 1に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ヘッド 1とその一端にグリップが装着されたシャフト（図示外）とからなり、図示外のシャフトはヘッド 1のホーゼル 16に挿着されている。実施例 1および後述する実施例 2については、シャフトおよびグリップは周知のものを使用し、当該シャフトのヘッドに対する固着方法も周知の技術を使用している。このため、実施例 1および実施例 2では、主としてへッドについて説明する。

[0023] ヘッド 1のソール面 10には、平面視が円形のソール凹み部 22が凹設されている。ソール凹み部 22はソール面 10に開口していて、その形状は略円柱状となっている。そして、実施例 1においては、ソール凹み部 22の開口面の大きさは、略 20mm φであり、凹みの深さを略 10mmとしている力この面の大きさや凹みの深さは、適宜変えることができる。また、実施例 1においては、ソール凹み部 22の凹設位置をヘッド 1のバックフェース 14寄り、かつ、ヒール寄りとしている力この位置についても適宜変えることができる。さらに、ソール凹み部 22の底面の中心部には第 1のボルト揷入孔 34が穿設されている。そして、第 1のボルト揷入孔 34の内面には雌螺子が螺刻され、この雌螺子に後述するソールウェイト 26の雄螺子部 32が螺合するようになつている。

[0024] ソールウェイト 26は、円盤状の頭部 30と雄螺子部 32と力もなり、雄螺子部 32が円盤状の頭部 30の中心部に立設されていて、全体の形状は頭付きボルト状となっている。この雄螺子部 32を、前述した第 1のボルト挿入孔 34に螺入し、螺入する長さを調整することにより、頭部 30の表面 (すなわち、ソールウェイト 26を倒立させたときの底面）のソール面 10からの突出高さを調整することができるようになって、る。

[0025] また、頭部 30にはその円盤の厚さ方向に、第 1の止めビス挿入孔 38、 38が穿設されていて、その内面には止めビス 36が螺合する雌螺子が螺刻されている。さらに、頭部 30の表面には、その中心部を横切るようにして溝が刻設されていて、この溝に螺子回しの先端を嵌合させて、ソールウェイト 26をソール凹み部 22に対して回動させることができるようになって!/、る。

[0026] 止めビス 36は、全長に亘つて同径の丸棒状を呈し、その周面には雄螺子が螺刻されていて、前述したように第 1の止めビス揷入孔 38に螺合し、止めビス 36の先端が第 1の止めビス挿入孔 38に螺入されてソール凹み部 22の底面に向力つて突出すると、止めビス 36の他端は第 1の止めビス挿入孔 38内に没入するようになっている。また、止めビス 36の他端の表面には、その中心部を横切るようにして溝が刻設されていて、この溝に螺子回しの先端が嵌合する。

[0027] つぎに、ヘッド 1の作用について説明する力その前に、本願明細書等において使用するロフト角、フェース角およびソールインバージョンの用語について、図 3を基に説明する。なお、図 3における GLは地面である。

シャフト軸線 Aに対して、フェース面である線 Bとのなす角 αをフェース角といい、 a = 0° の場合をスクェア一、 αく 0° の場合（図示の場合）をフックフェース、 α > 0° の場合をオープンフェースという。また、ソールインバージョンとはノールの面が形成する線 D力図 3 (c)に示すように右上がりになっている場合、すなわち、 γ > 0° のときをソールインバージョンがあると、、、線 Dと GLがー致して!/、るときをソールインバージョンがないという。そして、ロフト角とはフェースの傾きの度合いを示すもので、線 Aとフェースの傾きを示す線 Cとのなす角 β 1をリアルロフトといい、 GLと線 Cとのなす角 β 2を才ジジナノレ Ρフ卜と!ヽぅ。

[0028] ソールウェイト 26の雄螺子部 32をソール凹み部 22の第 1のボルト揷入孔 34に螺入させて、螺入する長さを変えることにより、ソール面 10に対するソールウェイト 26底面の突出高さが変化する。ソールウェイト 26底面の突出高さの変化により、ソールインバージョンがな、状態力もソールインバージョンがある状態へと移行し、線 Dの傾きが変化するため、オリジナルロフト 13 2は変化するが、リアルロフト /3 1は変化しない。

[0029] 具体的に言えば、ソールウェイト 26底面の突出高さを徐々に大きくしていくと、オリジナルロフト β 2は徐々に減少する一方で、フェース角 αも徐々にマイナス方向に変ィ匕していく。すなわち、フェース角 αはオープンフェースからフックフェース（図 3 (a) に示す状態)へと変化していく。そして、所望のオリジナルロフト j8 2およびフェース角 aになった状態で、すなわち、所望のソールウェイト 26底面の突出高さになった状態で、第 1の止めビス揷入孔 38、 38〖こ止めビス 36、 36を挿入し、さら〖こ、止めビス 3 6、 36を右に回して螺入させていくと、止めビス 36の先端はソール凹み部 22の底面を押圧する。止めビス 36がソール凹み部 22の底面を押圧することにより、ソールゥェイト 26自体の回動が不可能となって、ソールウェイト 26はソール凹み部 22に固定される。なお、ソールウェイト 26自体を再度回動させるには、止めビス 36、 36を左に回して止めビス 36、 36の先端をソール凹み部 24の底面力離間させることにより可能となる。したがって、ソールウェイト 26の固定後に、ソールウェイト 26底面の突出高さの再調整が可能である。

[0030] ところで、「特許文献 2」で示した特開 2002-282400号公報に開示のクラブシャフト（以下、「ベンドシャフト」という。）にあっては、リアルロフト j8 1は変化する力オリジナルロフト 2は変ィ匕しない。ベンドシャフトと本願発明の実施例 1に係るゴルフクラブのヘッド 1 (以下、「ヘッド 1」という。）との関係を表 1に示す。なお、表 1では、変化する場合を〇、変化しな、場合を Xと表記してヽる。

[0031] [表 1] リアルロフト（ 1 ) オリジナノレロフト（/3 2 ) フエ一ス角 ( ) ベンドシャフト〇 X 〇ヘッド 1 X 〇〇

[0032] 上述のようなベンドシャフトとヘッド 1との関係から、本願発明は、ベンドシャフトと組み合わせることによりさらに一層その効果を奏するので、以下に説明する。

[0033] ベンドシャフト 101の曲折部 102 (図 6参照）をホーゼル 16に埋入し、ベンドシャフト 101を僅かに左右いずれかに回すと、リアルロフト |8 1が減少し、フェース角 αが増加してオープンフェースとなる。そのため、前述したように、ソールウェイト 26底面の突出高さを徐々に大きくしていくと、フェース角 aも徐々にマイナス方向に変化していき、オープンフェースとなったフェース面は元に戻ることになる。このような手順により、所望のオリジナルロフト /3 2およびフェース角 (Xを有するゴルフクラブを得ることができるのである。

実施例 2

[0034] つぎに、本願発明の実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド 2について、図 4および図 5を基に説明する。なお、実施例 2では、実施例 1と同一の要素については同一の符号を付しており、説明が重複する場合はその説明を省略する。

[0035] 実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブは、ヘッド 2とその一端にグリップが装着されたシャフト（図示外）とからなり、図示外のシャフトはヘッド 2のホーゼル 16に揷着されている。

[0036] ヘッド 2のソール面 10には、平面視が略台形を呈するソール凹み部 24が凹設されている。このソール凹み部 24の平面視における形状は、フェース 12側の 1辺をフエース 12面に略平行な曲線状とし、バックフェース 14側の 1辺をバックフェース 14面に略平行な曲線状としていて、かつ、フェース 12側の 1辺はバックフェース 14側の 1辺よりも長ぐフェース 12側の 1辺の両端およびバックフェース 14側の 1辺の両端をそれぞれ直線で結んだ形状になっている。そして、ソール凹み部 24は略垂直に凹んでいて、その凹みの深さは、フェース 12側よりバックフェース 14側が深くなつている。実施例 2においては、ソール凹み部 24の略台形の大きさは、フェース 12側の辺の長さを略 35mm、バックフェース 14側の辺の長さを略 25mm、フェース 12側の辺とバックフエース 14側の辺との距離を略 55mmとし、フェース 12側の凹みの深さを略 5mm、バックフェース 12側の凹みの深さを略 10mmとしているが、ソール凹み部 24の面の大きさや凹みの深さは、適宜変えることができる。また、ソール凹み部 24の底面のフエース 12側とバックフェース 14側には、それぞれ第 2のボルト揷入孔 44、 44が穿設され、第 2のボルト揷入孔 44の内面には雌螺子が螺刻されている。ここでは、ノッタフエース 14側を第 2のボルト揷入孔 44aとし、フェース 12側を第 2のボルト揷入孔 44bとする。

[0037] ソールウェイト 28は、ソール凹み部 24に嵌合するように形成されている。すなわち、ソールウェイト 28の表面（ノールウェイト 28を倒立させたときの底面）は、ソール凹み部 24の平面視における形状と略同一の台形となっていて、ソールウェイト 28の略台形の縁部から立上る周壁を有し、フェース 12側の周壁の高さよりもバックフェース 14 側の周壁の高さのほうが高くなつている。

[0038] 第 2のボルト揷入孔 44aおよび第 2のボルト揷入孔 44bに対応するソールウェイト 2 8の表面の位置には、ボルト貫通孔 42が穿設されていて、それぞれをボルト貫通孔 4 2aおよびボルト貫通孔 42bとしている。そして、ボルト貫通孔 42の内面は平滑であり、同一軸を中心とする径の異なる 2つの孔が連設された状態となっている。すなわち、この径の違いにより、ボルト貫通孔 42の内面には段差部が形成され、大きな径の方力 Sソールウェイト 28の底面に開口している。また、ソールウェイト 28のボルト貫通孔 4 2aとボルト貫通孔 42bとの間には、第 2の止めビス揷入孔 46が穿設されていて、第 2 の止めビス揷入孔 46の内面には雌螺子が螺刻されている。

[0039] そして、頭部と雄螺子部とからなる頭付きボルト 40、 40力ボルト貫通孔 42aおよびボルト貫通孔 42bを貫通して、その先端が第 2のボルト揷入孔 44aおよび第 2のボルト揷入孔 44bに螺入することにより、ソールウェイト 28はソール凹み部 24に螺着する。そして、頭付きボルト 40の頭部がボルト貫通孔 42の内面に形成された段差部と係止するために、ソールウェイト 28の表面のソール面 10からの突出高さが調整される。すなわち、ボルト貫通孔 42aを貫通し第 2のボルト揷入孔 44aに螺入する頭付きボルト 40の螺入長さにより、ソールウェイト 28の底面のバックフェース 14側の縁部の突出高さが調整され、ボルト貫通孔 42bを貫通し第 2のボルト挿入孔 44bに螺入する頭付きボルト 40の螺入長さにより、ソールウェイト 28の底面のフェース 12側の縁部の突出高さが調整される。

[0040] なお、止めビス 36の形状については、実施例 1において説明したので、その説明を省略する。

[0041] ソールウェイト 28とソール凹み部 24とを螺着させることにより、閉空間が形成される力この閉空間内には、調整用ウェイト 48が収納され固着されている。実施例 2における調整用ウェイト 48はソールウェイト 28の底面と一体成型されている。すなわち、ソールウェイト 28の底面の厚みを適宜調整することにより、調整用ウェイト 48の重さが調整される。なお、ソールウェイト 28と調整用ウェイト 48とを別個のものとして、ソールウェイト 28とソール凹み部 24とが形成する閉空間内の所定の位置に固着しても良いことは勿論である。

[0042] つぎに、ヘッド 2の作用について説明する。なお、ロフト角、フェース角およびソールインバージョンの用語については、実施例 1で説明した内容がそのまま実施例 2についても適用できるので、その説明を省略し、ロフト角、フェース角およびソールインバ一ジョンについての説明のために付した符号もそのまま使用する。

[0043] ソールウェイト 28をソール凹み部 24に嵌合させた後、頭付きボルト 40、 40をボルト貫通孔 42a、 42bに貫通させて、さらに、第 2のボルト揷入孔 44a、 44bに螺入させる。そして、ソールウェイト 28の底面のフェース 12側の縁部をソール面 10と略同一とし、ソールウェイト 28の底面のバックフェース 14側の縁部の突出高さを調整することにより、図 3 (c)に示す線 Dが右上がりになる。すなわち、ソールウェイト 28の底面のフエース 12側の縁部の突出高さをソール面 10と略同一に固定し、ソールウェイト 28の底面のノックフェース 14側の縁部の突出高さのみを変化させれば、まさに、段落番号（ 0028)および段落番号 (0029)で説明した実施例 1におけるロフト角、フェース角の調整方法がそのまま適用できる。

[0044] また、実施例 1と同様に、実施例 2に係るロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブのヘッド 2と「特許文献 2」で示した特開 2002-282400号公報に開示のベンドシャフトを併用することにより、所望のオリジナルロフト j8 2およびフェース角 αを有するゴルフクラブを得ることができることは、実施例 1と同様であり、実施例 2におけるロフト角、フェース角の調整方法については、その説明を省略する。

[0045] 所望のオリジナルロフト 13 2およびフェース角 (Xになった状態で、第 2の止めビス揷入孔 46に止めビス 36を螺入させ、止めビス 36の先端をソール凹み部 24の底面に押圧させる。止めビス 36がソール凹み部 24の底面を押圧することにより、ソールウェイト 28はソール凹み部 24に固定される。なお、ソールウェイト 28の突出高さを再度調整するには、実施例 1と同様に、止めビス 36を左に回してその先端をソール凹み部 24 の底面力離間させることにより可能となる。

[0046] また、実施例 2に係るソールウェイト 28は、地面とは面接触になるので、打撃時の芝生 (地面）との抵抗が少なぐフェアウェイウッドに対しても使用可能であり、かつ、ソールウェイト 28の平面視における形状力フェース 12側が長くバックフェース 14側が短い略台形であって、フェース 12側の突出高さがソール面 10と略同一であるので、スイング時の振り抜きがきわめて良好となる。

[0047] そして、ソールウェイト 28とソール凹み部 24とにより、閉空間が形成されるので、この空間に調整用ウェイト 48を収納固着させることができることは前述した。このように、調整用ウェイト 48を取り付けることにより、ゴルフクラブのヘッドの外面にはバランスウェイトを付着させることなぐ個々のプレイヤーに合ったロフト角、フェース角およびバランスを有するゴルフクラブを得ることができる。

[0048] なお、ソールウェイト 28の底面のフェース 12側の縁部については、ソール面 10とその突出高さを略同一に固定させることから、ソールウェイト 28のフェース 12側をソール凹み部 26に軸支させて開閉自在とし、ボルト貫通孔 42、 42をボルト貫通孔 42aのみとすることちでさる。

Claims

請求の範囲

[1] ヘッドのソール面に凹設されたソール凹み部にソールウェイトが嵌合し、

前記ソールウェイトの底面が前記ソール面力所望の突出高さを以つて固定される、ことを特徴とするロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ。

[2] 前記ソール凹み部は平面視が円形であり、

前記ソールウェイトは円盤状の頭部および該頭部の中心部に固着されその周面に雄螺子が螺刻された丸棒状の雄螺子部力なり、

前記頭部は前記ソール凹み部に嵌合し、

前記雄螺子部は前記ソール凹み部の底面に穿設され内面に雌螺子が螺刻された第 1のボルト挿入孔に螺入されて、前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが調整され固定される、ことを特徴とする請求項 1に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ。

[3] 前記頭部にはその内面に雌螺子が螺刻された第 1の止めビス挿入孔が穿設され、止めビスが前記第 1の止めビス挿入孔に螺入され該止めビスの先端が前記ソール凹み部の底面を押圧して前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが固定される、ことを特徴とする請求項 2に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ。

[4] 前記ソール凹み部の平面視は前記ヘッドのフェース側の 1辺を該フェース面に略平行な曲線状あるいは直線状とする多辺形であり、

前記ソールウェイトは平面視が前記ソール凹み部と略同形の底面および該底面の縁部から立上る周壁を有し、

前記周壁が前記ソール凹み部に嵌合し、

前記ソールウェイトの底面の前記フェース側の縁部および当該縁部に相対する前記ヘッドのバックフェース側の縁部はそれぞれが前記ソール面力所望の突出高さを以つて固定され、

前記ソール凹み部および前記ソールウェイトにより形成される空間内には必要に応じて前記ソールウェイトと同体の調整用ウェイトおよび Zまたは前記ソールウェイトとは別体の調整用ウェイトが固着される、ことを特徴とする請求項 1に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ。

[5] 前記多辺形は前記フェース側の 1辺が前記バックフェースに略平行な前記バックフース側の 1辺よりも長い略台形の 4辺形であり、

前記ソールウェイトの底面の前記フェース側の縁部の突出高さは前記ソールウェイトの底面の前記バックフェース側の縁部の突出高さよりも低い、ことを特徴とする請求項 4に記載のロフト角およびフェース角の調整可能なゴルフクラブ。

[6] 前記ソールウェイトの底面にはその内面が平滑なボルト貫通孔およびその内面に雌螺子が螺刻された第 2の止めビス挿入孔が穿設され、

前記ソール凹み部の底面には前記ボルト貫通孔に対応する位置にその内面に雌螺子が螺刻された第 2のボルト挿入孔が穿設され、

頭付ボルトが前記ボルト貫通孔を貫通しその先端が第 2のボルト挿入孔に螺入されて前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが調整され、止めビスが前記第 2の止めビス挿入孔に螺入され該止めビスの先端が前記ソール凹み部の底面を押圧して前記ソール面に対する前記ソールウェイトの底面の突出高さが固定される、ことを特徴とする請求項 4または請求項 5に記載のロフト角およびフエース角の調整可能なゴルフクラブ。