明 細 書
クロスオーバノード検出方法及びこの方法をコンピュータにより実行する ためのクロスオーバノード検出用プログラム
技術分野
[0001] 本発明は、無線通信を行う移動端末 (モパイルノード)のハンドオーバによるクロス オーバノード検出方法及びこの方法をコンピュータにより実行するためのクロスォー ノ ノード検出用プログラムに関し、特に、次世代インターネットプロトコルであるモバイ ル IPv6 (Mobile Internet Protocol version 6)プロトコルを利用した無線通信を行うモ パイルノードにおけるハンドオーバによるクロスオーバノード検出方法及びこの方法 をコンピュータにより実行するためのクロスォーノノード検出用プログラムに関する。 背景技術
[0002] 移動端末力 無線ネットワークを通じてインターネットなどの通信ネットワークにァク セスするユーザに対して、移動しながらでもシームレスに通信ネットワークの接続を提 供できる技術として、次世代インターネットプロトコルであるモパイル IPv6を利用した ものが普及してきている。このモパイル IPv6を利用した無線通信システムについて、 図 24を参照しながら説明する。なお、以下に説明するモパイル IPv6の技術に関して は、例えば、下記の非特許文献 1に開示されている。
[0003] 図 24に示す無線通信システムは、インターネットなどの IPネットワーク(通信ネットヮ ーク) 15、 IPネットワーク 15に接続する複数のサブネット(サブネットワークとも呼ばれ る) 20、 30、これらの複数のサブネット 20、 30のいずれかに接続することが可能な移 動端末(MN : Mobile Node) 10を含んでいる。なお、図 24では、複数のサブネット 20 、 30として、 2つのサブネット 20、 30力図示されている。
[0004] サブネット 20は、 IPパケット(パケットデータ)に対するルーティングを行うアクセスル ータ(AR: Access Router) 21、固有の無線カバーエリア(通信可能領域) 28、 29をそ れぞれ形成する複数のアクセスポイント(AP : Access Point) 22、 23により構成されて いる。これらの AP22、 23は、それぞれ AR21に接続されており、 AR21は、 IPネット ワーク 15に接続されている。なお、図 24では、複数の AP22、 23として、 2つの AP2
2、 23が図示されている。また、サブネット 30に関しても、 AR31及び複数の AP32、 33により、上述のサブネット 20と同一の接続態様によって構成されている。
[0005] また、サブネット 20の構成要素である AR21と、サブネット 30の構成要素である AR 31とは、 IPネットワーク 15を通じて通信を行うことが可能であり、すなわち、サブネット 20とサブネット 30とは、 IPネットワーク 15を通じてつながっている。
[0006] 図 24に示す無線通信システムにおいて、 MN10が、無線カバーエリア 29内で AP 23との無線通信を開始したとする。このとき、 MN10に割り当てられている IPv6アド レスが、サブネット 20の IPアドレス体系に適さない場合、無線カバーエリア 29内に存 在する MN10は、 AP23との間における無線通信を介して、サブネット 20に適合した IPv6アドレス、すなわち気付アドレス(CoA: Care of Address)を取得する。
[0007] なお、 MN10が CoAを取得する方法には、 DHCPv6 (Dynamic Host Configuration
Protocol for IPv6)などの方法により DHCPサーバからステートフルに割り当ててもら う方法と、サブネット 20のネットワークプリフィックス及びプリフィックスレングスを AR21 力 取得し、 MN10において、 AR21から取得したネットワークプリフィックス及びプリ フィックスレングスと、 MN10のリンクレイヤアドレスなどとを組み合わせて、ステートレ スに CoAを自動生成する方法とが存在する。
[0008] そして、 MN10は、取得した CoAを自分のホームネットワーク上のルータ(ホームェ ージヱント)や特定の通信相手(Correspondent Node: CN)に対して登録(Binding U pdate: BU)することによって、サブネット 20内において、パケットデータの送信又は 受信が行えるようになる。
[0009] これにより、所定の通信相手力も MN10に対して送信されたパケットデータは、 MN 10の CoAに基づいて、 AR21及び AP23を介して、 MN10に伝えられる一方、 MN 10が所望の通信相手に対して送信したパケットデータは、 AP23及び AR21を介し て上記所望の通信相手に伝えられる。また、 MN10あてにホームネットワークに送信 されてきたパケットデータも、ホームエージェントに登録された MN10の CoAに基づ いてサブネット 20の AR21に送られ、 AP23を介して MN10に伝えられる。
[0010] 上述のように、図 24に示すモパイル IPv6を利用した無線通信システムは、 MN10 があるサブネットから別のサブネットにハンドオーバを行った場合でも、 CoAを利用し
て、 MN10における無線通信が継続されるよう構成されている。このハンドオーバ処 理を高速ィ匕するための技術としては、例えば、下記の非特許文献 2に開示されている ファストハンドオーバ技術が知られて 、る。
[0011] このファストハンドオーバ技術では、 MN10が L2ハンドオーバを行う前に、 MN10 は、サブネット 30で使用する新しい(New) CoA (以降、 NCoAと呼ぶ)をあらかじめ取 得して、この NCoAを AR21に通知することによって、 AR21と AR31との間にトンネ ルを生成することが可能となり、 MN10力 ハンドオーバを行って AP23から AP32 に接続を切り換えてから、サブネット 30に移動して、あらカゝじめ取得した NCoAを正 式に登録(BU)するまでの間でも、サブネット 20で使用して!/、た MN10の古!ヽ(Previ ous) CoA (以降、 PCoAと呼ぶ)あてに送られたパケットデータは、トンネル経由で A R31及び AP32を介して MN10に転送されるようになるとともに、 MN10から送信さ れるパケットデータも、 AP32及び AR31を介してトンネル経由で AR21に到達して、 AR21から通信相手に送られるようになる。
[0012] 一方、ネットワークを利用した通信にぉ 、ては、 QoS (Quality of Service)保証を始 めとしたサービス (本明細書では、こうしたサービスを付カ卩的サービスと呼ぶことにす る)が存在しており、こうした付カ卩的サービスを実現するための様々な通信プロトコル が存在している。このような様々な通信プロトコルのうち、 QoS保証をするためのプロ トコルとして、例えば、 RSVP (Resource Reservation Protocol)が挙げられる(例えば 、下記の非特許文献 3参照)。 RSVPは、データの送信を行う送信側通信端末からデ ータの受信を行う受信側通信端末への経路 (フロー)上における帯域予約を行うこと によって、送信側通信端末から受信側通信端末に、データ力スムーズに伝送される ようにするものである。
[0013] サブネット 20、 30間のハンドオーバを行う MN10に関しては、ハンドオーバ前に受 けていた QoS保証を始めとする付カ卩的サービスを、ハンドオーバ後においても継続 して受けられなければならないという要請がある力 上述した RSVPは、特に下記の 点において上記の要請を満たすことができず、 MN10の移動に対応不可能である。 図 25は、従来の技術における RSVPが MNの移動に対応不可能であることを説明す るための模式図である。
[0014] RSVPでは、 MN10の通信相手端末 60から MN10への 2点間経路(end- to- end p ath)において QoS経路が設定され、 MN10及び CN60のアドレスに基づいて、 2点 間経路の間をつなぐ複数の中継ノード 61によるデータ転送が行われる。したがって、 例えば、 MN10がサブネット 20、 30間でハンドオーバを行い、 MN10の CoAが変更 された場合には、 QoS経路において、フローの変更にカ卩えてアドレス変更に係る処 理が行われる必要があるが、 RSVPは、このような変更に対応できずに、結果的に Q oS保証が破綻することとなる (第 1の問題点: QoS経路の変更が困難)。さらに、新た に QoS経路が設定された場合でも、ハンドオーバ前後において QoS経路が重複す る部分が発生した場合には、この重複する部分において 2重のリソース予約(double r eservation)が起こってしまう可能性もある(第 2の問題点: 2重のリソース予約)。
[0015] 上述のような問題点を解決するために、現在、 IETF (Internet Engineering Task Fo rce)において、 NSIS (Next Step in Signaling)と呼ばれる新しいプロトコルを標準化 するための議論が行われている(下記の非特許文献 4参照)。この NSISは、モパイル 環境において、 QoS保証を始めとする様々な付カ卩的サービスに特に有効であると期 待されており、 NSISにおいて QoS保証やモビリティサポートを実現するための要件 や実現方法などが記載された文献も存在する(例えば、下記の非特許文献 5〜9参 照)。以下に、現在 IETFの NSISワーキンググループでドラフト仕様となっている NSI Sの概要と、 QoS経路確立の方法を説明する (非特許文献 6及び非特許文献 9参照)
[0016] 図 26には、従来の技術における NSISのプロトコル構成を説明するために、 NSIS 及びその下位層のプロトコルスタックが図示されている。 NSISプロトコル層は IP及び 下位層のすぐ上に位置する。さらに NSISプロトコル層は、それぞれの付加的サービ スを提供するためのシグナリングメッセージ生成、及びその処理を行うプロトコルであ る NSLP (NSIS Signaling Layer Protocol)と、 NSLPのシグナリングメッセージのルー ティングを行う NTLP (NSIS Transport Layer Protocol)の 2層からなる。 NSLP〖こは、 QoSのための NSLP (QoS NSLP)や、その他のある付カ卩的サービス(サービス A やサービス B)のための NSLP (サービス Aの NSLP、サービス Bの NSLP)など、様々 な NSLPが存在している。
[0017] また、図 27は、従来の技術における NSISのノードである NE (NSIS Entity)や QNE (QoS NSIS Entity)力 ^隣り合う」という概念を説明するための模式図である。図 27に 示すように、 NSIS機能を持ったすべてのノード (NE)には、少なくとも NTLPが実装 されている。この NTLPの上には、 NSLPが必ずしも存在しなくてもよぐまた、 1っ以 上の NSLPが存在してもよい。なお、ここでは、特に、 QoSのための NSLPを持った NEを QNEと呼ぶことにする。なお、 NEになり得るのは端末やルータである。また、 隣り合う NEの間には、 NEではない複数のルータが存在することもあり得るし、隣り合 う QNEの間には、 NEではないルータ及び QoS NSLPを持たない NEが複数存在 することちあり得る。
[0018] 次に、従来の QoS経路確立方法 (QoSリソース予約)の一例を、図 28を用いて説 明する。サブネット 20で AR21に接続されている MN10は、ある目的(セッション)の ために、 CN60からデータを受信する予定である力、若しくは受信している(受信中で ある)ものとする。 MN10は、 QoS経路の確立を行う場合には、 QoS経路確立のため の RESERVEメッセージを CN60に向けて送信する。 RESERVEメッセージには、 C N60からのデータ受信のために所望される QoSの情報(QSpec)が含まれて 、る。送 信された RESERVEメッセージは AR21と NE62及びその他の NSIS機能を持たな いルータを経由し、 QNE63に到着する。 QNE63の NSLPは、 RESERVEメッセ一 ジ中に含まれる QSpecに記されて!/、る QoSリソースを、このセッションのために予約す る。 QNE63を通過した RESERVEメッセージは、さらに、 NE64やその他の NSISの 機能を持たないルータを経由し、 QNE65に到着する。 QNE65においても、 QNE6 3と同様の処理が行われ、 QoSリソースの予約が行われる。この操作が繰り返され、 最終的に RESERVEメッセージが CN60に届けられることによって、 MN10と CN60 との間において、 QoS経路が確立される。
[0019] また、リソース予約を識別するために、フロー識別子(flow identifier)及びセッション 識別子(session identifier)が使われる。フロー識別子は MN10の CoAや CN60の IP アドレスに依存するものであり、各 QNE63、 65は各データパケットの送信元'送信先 の IPアドレスを確認することにより、このデータパケットに対するリソース予約の有無を 知ることができる。なお、 MN10が他のサブネットに移動して CoAが変わる場合には
、 MN10の CoAの変更に応じて、フロー識別子も変わる。一方、セッション識別子は 、セッションのための一連のデータ伝送を識別するためのものであり、フロー識別子 のように端末の移動に伴 、変化するものではな 、。
[0020] また、任意の経路に対して QoSリソースの入手可能性などを調べる方法として、 Q UERYという手法が存在する。この方法は、例えば、 MN10から CN60に対して Qo S経路の確立が行われる際に、所望する QSpecが各 QNEで予約可能力どうかを前も つて調べるための方法であり、所望する QSpecが各 QNEで予約可能かどうかを調べ るための QUERYメッセージが送信され、この QUREYメッセージの応答である RES PONSEメッセージによって、その結果を受け取ることが可能である。なお、この QUE RY及び RESPONSEメッセージにより、現在のリソース予約の状態が変わることは一 切ない。また、 QNEが他の QNEに対して何らかの通知を行うためには、 NOTIFYメ ッセージの使用が可能である。この NOTIFYメッセージは、例えば、エラー通知など のために使われる。上記の RESERVE、 QUERY, RESPONSE及び NOTIFYメッ セージは、いずれも QoS保証のための NSLPのメッセージであり、非特許文献 6に記 載されている。
[0021] 次に、従来の技術において、 MN10がサブネット 20からサブネット 30へ移動した際 の、 2重のリソース予約の回避方法を、図 29を用いて説明する。 MN10が CN60から データを受信中であり、 QoS経路(経路 24)が確立されているとき、 QNE63、 QNE6 5及び QNE66には、それぞれ MN10が所望した QoSリソースが予約されている。こ のときのフロー識別子とセッション識別子をそれぞれ X、 Yとする。実際、フロー識別 子 Xには、前述の通り、 MN10の現在の IPアドレスと、 CN60の IPアドレスとが含まれ 、また、セッション識別子 Yには、十分大きな任意の数値が設定されている。この状態 で、 MN10がサブネット 30に移動した後、新しい QoS経路を確立するために CN60 に RESERVEメッセージを送る。なお、古い経路(経路 24)は、 MN10の移動後すぐ に解放されることはない。
[0022] 前述の通り、 MN10の移動に伴ってフロー識別子は変わるので、経路 24における フロー識別子 Xと、経路 34におけるフロー識別子 (この経路 34におけるフロー識別 子を Zとする)は、異なるものとなる。 QNE67はどのインタフェースにもセッション識別
子 Yに対するリソース予約が無いので、新規の経路確立であると判断して、フロー識 別子 Ζ及びセッション識別子 Υに対するリソース予約を行う。一方、 QNE65及び QN Ε66には、セッション識別子 Υに対するリソースの予約が存在している。 QNE65や Q ΝΕ66は、ここでフロー識別子を比較し、フロー識別子が Xから Ζに変わっていること を確認することによって、 MN10の移動に伴う新しい経路確立であると判断し、 2重の リソース予約を避けるために、新しくリソースを予約することなぐ古い予約を更新する などの手段を取る。この古い経路と新しい経路とが交わり始める QNEは、 CRN (Cros sover Node :クロスオーバノード)と呼ばれている。なお、 CRNとは、実際に経路が交 わり始めるルータ(図 29では NE64)を指す場合もある力 QoS経路の議論を行う場 合は、古い経路 (経路 24)と新しい経路 (経路 34)において、片方の隣り合う QNE ( 図 29では QNE66)は同じである力 もう片方の隣り合う QNE (図 29では QNE63と QNE67)は異なっているような QNE (図 29では QNE65)を指す。
[0023] また、非特許文献 6や非特許文献 9によると、このような RESERVEメッセージ、 QU ERYメッセージ、 NOTIFYメッセージに関しては、データパケットの送信先や送信元 である末端の端末 (MN10や CN60)だけではなぐ任意の QNEが送信元となること ちでさる。
[0024] なお、 NSISは、モパイル環境だけでなく通常の静的なネットワークにおける様々な 機能も網羅するものである力 本明細書では、 NSISの機能の 1つであるモビリティサ ポートされた付カ卩的サービスの確立を実現する機能に着目し、 NSISの実装によって 、モビリティサポートされた付カ卩的サービスの確立が実現されるものとする。
非特干文献 1 : D. Johnson, C. Perkins and J. Arkko, "Mobility support in IPvり , draf t- ietf- mobileip- ipv6- 24, June 2003
非特許文献 2: Rajeev Koodli "Fast Handovers for Mobile IPvり , draft- ietf- mobileip- fast- mipv6- 08, October 2003
非特許文献 3 : R. Braden, L. Zhang, S. Berson, S. Herzog and S. Jamin, "Resource R eSerVation Protocol - Version 1 Functional Specification , RFC 2205, September 1 997
非特許文献 4: NSIS WG (http://www.ietf.org/html.charters/nsis-charter.html)
非特許文献 5 : H. Chaskar, Ed, "Requirements of a Quality of Service (QoS) Solution for Mobile IP", RFC3583, September 2003
非特許文献 6: Sven Van den Bosch, Georgios Karagiannis and Andrew McDonald "N S LP for Quality— of— Service signalling , draft— ietf— nsis—qos—nslp— 01. txt, October 20 03
特許文献 7 : X. Fu, H. Schulzrinne, H. Tschofenig, "Mobility issues in Next Step s ignaling", draft- fu-nsis- mobility- 01. txt, October 2003
非特許文献 8 : Roland Bless, et. AL, "Mobility and Internet; signaling Protocol", draf t—manyfolks— signaling— protocol— mobility— 00. txt, January 2004
非特許文献 9 : R. Hancock (editor), Next Steps in Signaling: Framework", draft- ietf -nsis-lw-05.txt, October 2003
非特許文献 10 : S. Lee, et al, "Applicability Statement of NSIS Protocols in Mobile Environments", draft- manyfolks- signaling- protoco卜 01. txt, July 2004
非特許文献 11 : M. Brunner (Editor), "Requirements for Signaling Protocols", draft- i etf-nsis-req-09.txt, August 2003
[0025] 図 29において、例えば、ハンドオーバ前に接続しているサブネット 20において Qo S保証を受けている MN10力 サブネット 30へのハンドオーバを行い、ハンドオーバ 後に接続するサブネット 30において、ハンドオーバ前に受けていた QoS保証を継続 して受けることを考えてみる。
[0026] この場合、 MN10がハンドオーバ前に接続しているサブネット 20とのハンドオフを 行ってから、ハンドオーバ後に接続するサブネット 30において付カ卩的サービス(ここ では QoS保証)を受けた状態となるまでの時間は、 MN10が QoS保証を受けられな い時間となり、 MN10は QoS保証を全く受けられないか、あるいは、デフォルトの Qo S転送処理が行われてしまうこととなり、 QoSの破局が起きる。
[0027] したがって、上述のように、ハンドオーバ後の MN10に対しては、 QoS保証が迅速 に提供される必要がある。このことを解決するため、 IETFにおける NSISに関する現 在の議論 (例えば、非特許文献 7)では、例えば MN10がハンドオーバを行う前、又 は終える前に、新しい QoS経路を確立するための何力しらの準備を行うこと、又は新
L 、QoS経路の確立を前もって行うことも必要である旨の提案がある。し力しながら、 こうした提案のみがなされているだけで、具体的な実現方法に関しては一切開示され ていない。また、新しい経路を確立するための準備として、前述の CRNを先に見つ けておくことも必要とされてはいる力 これに関しても、具体的な実現方法は開示され ていない。このように、前もって CRNを見つけることは QoSハンドオーバにおいては 重要な問題である。ただし、 CRNの発見は、ハンドオーバによる中断を避けるため、 若しくは最小限に抑えるため、素早くなされなければならない。
[0028] また別の問題点として、 MN10が CN60と通信を行うための、 QoSリソースの予約 が経路 24上に存在するときに、例えば、 MN10がサブネット 30に移動し、そこで CN 60に対して QUERYを行う場合を考える。この場合には、上述のように、経路 24にお ける MN10、 CN60間の通信のためのリソース予約は、 MN10が移動した後しばらく は解放されることがないため、 QNE65及び QNE66には、経路 24における MN10、 CN60間の通信のためのリソース予約がしばらくの間、残ったままとなる。これを空きリ ソースとして MN 10に返す (MN 10の移動後における新たな経路に利用する)ことが できず、その結果、 MN10は正確なリソースの空き情報を得ることができない。この問 題は、移動した MN10が QUERYメッセージによるリクエストを出すときば力りではな く、例えば、経路 34上の任意の QNE (例えば QNE67)が QUERYメッセージのリク エストを送信する場合にも、同様に引き起こされる問題である。
発明の開示
[0029] 本発明は、上記の問題点に鑑み、ハンドオーバを行う移動端末が、ハンドオーバ後 においても、ハンドオーバ前に受けていた付カ卩的サービスを迅速、かつ継続して受 けられるよう、 CRNを素早く見つけ出すことを可能とさせるクロスォーノノード検出方 法及びその方法をコンピュータにより実行するためのクロスオーバノード検出用プロ グラムを提供することを目的とする。
[0030] 上記目的を達成するために、本発明によれば、それぞれがサブネットを構成する複 数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、固有の通信可能領 域を形成するアクセスポイントが前記複数のアクセスルータのそれぞれに少なくとも 1 つ以上接続されて 、る通信システムで、前記通信可能領域内で前記アクセスポイント
との無線通信を通じて、前記アクセスポイントが接続されて ヽる前記アクセスルータと の通信を行うよう構成されている移動端末が、移動により、現在通信中のアクセスボイ ントから別のアクセスポイントへ接続が切り替わる場合の、前記通信ネットワーク上の 新旧の通信経路が交わり、かつ分岐するクロスオーバノードを検出する方法であって 、前記移動端末が、自身及び他の移動端末の過去の移動履歴情報を有する装置に 対して、前記クロスオーバノードを検出するために必要な情報を含むメッセージを送 信するステップと、前記装置が、受信した前記メッセージに含まれる情報に基づいて 、 自身が有する前記移動履歴情報に、対応する前記クロスオーバノードの情報が存 在する力判断し、存在する場合に前記クロスオーバノードの情報を前記移動端末へ 送信するステップと、前記移動端末が、前記装置から送信された前記クロスオーバノ ードの情報を受信するステップとを有するクロスオーバノード検出方法が提供される。 この構成により、ハンドオーバ後においても、ハンドオーバ前に受けていた付加的サ 一ビスを迅速かつ継続して受けられるよう、 CRNを素早く見つけ出すことが可能とな る。
[0031] また、本発明のクロスオーバノード検出方法において、前記移動履歴情報が、移動 端末の移動前のサブネットの情報、前記移動端末の移動後のサブネットの情報、前 記移動端末の通信先のサブネットの情報、前記移動により新旧の通信経路が交わる クロスォーノ ノードの情報、前記移動後のサブネットを構成するアクセスルータ力も前 記新旧の通信経路の交わる前記クロスオーバノードへのリンク情報、前記新旧の通 信経路の交わる前記クロスオーバノードから前記移動後のサブネットを構成するァク セスルータへのリンク情報のうち、少なくとも 1つ以上の情報力も構成されることは、本 発明の好ましい態様である。この構成により、容易に CRNを見つけ出すことが可能と なる。
[0032] また、本発明のクロスォーノ ノード検出方法において、前記クロスォーノ ノ一ドを検 出するために必要な情報が、前記移動端末の移動前のサブネットの情報、前記移動 端末の移動後のサブネットの情報、前記移動端末の通信先のサブネットの情報のう ち、少なくとも 1つ以上の情報であることは、本発明の好ましい態様である。この構成 により、即座に情報を収集することが可能となる。
[0033] また、本発明のクロスオーバノード検出方法において、前記移動履歴情報を有する 前記装置力 前記移動端末の移動後の前記サブネットを構成するアクセスルータで あることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動後のサブネットの情 報は移動後のサブネットを構成するアクセスルータが知っているため、移動後のサブ ネットの情報は必要がなくなる。
[0034] また、本発明のクロスオーバノード検出方法において、前記移動履歴情報を有する 前記装置が、前記移動端末の移動前の前記サブネットを構成するアクセスルータで あることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動前のサブネットの情 報は移動前のサブネットを構成するアクセスルータが知っているため、移動前のサブ ネットの情報は必要がなくなる。
[0035] また、本発明のクロスオーバノード検出方法において、前記移動履歴情報を有する 前記装置が、前記新旧の通信経路が交わり、かつ分岐する前記クロスオーバノード であることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、 CRNの情報は CRN自 身が知っているため、 CRNの情報は必要がなくなり、更新も必要がなくなる。
[0036] また、本発明によれば、上記発明のいずれか 1つに記載のクロスォーノ ノード検出 方法をコンピュータにより実行するためのクロスォーノノード検出用プログラムが提供 される。この構成により、ハンドオーバ後においても、ハンドオーバ前に受けていた付 加的サービスを迅速、かつ継続して受けられるよう、 CRNを素早く見つけ出すことが 可能となる。
[0037] 本発明のクロスォーノ V—ド検出方法及びその方法をコンピュータにより実行する ためのクロスォーノノード検出用プログラムは、上記構成を有し、 CRNを見つけ出す 処理をできるだけ抑え、素早く CRNを見つけ出すことによりハンドオーバを行う移動 端末が、ハンドオーバ後においても、ハンドオーバ前に受けていた付カ卩的サービスを 迅速かつ継続して受けることが可能である。
図面の簡単な説明
[0038] [図 1]本発明の実施の形態における通信システムの構成を示す模式図
[図 2]本発明の実施の形態における MNの構成を示すブロック図
[図 3]本発明の実施の形態における MN内に格納されるプロキシ情報の一例を示す
模式図
[図 4]本発明の実施の形態における MN内に格納される AP— AR対応情報の一例を 示す模式図
[図 5]本発明の実施の形態における ARの構成を示すブロック図
[図 6]本発明の実施の形態における他の ARの構成を示すブロック図
[図 7]本発明の実施の形態における CRNの構成を示すブロック図
[図 8]本発明の実施の形態における MNと移動履歴情報を有する装置との間で行わ れる CRNの情報の抽出力 プロキシへの送信までの動作の一例を示すシーケンス チャート
[図 9]本発明の実施の形態におけるプロキシの構成を示すブロック図
[図 10]本発明の実施の形態における QNEの構成を示すブロック図
[図 11]本発明の実施の形態における CNの構成を示すブロック図
[図 12]本発明の実施の形態において、プロキシ及び CNが送受信し合うメッセージに 、どのように QNEによって処理された情報が格納されるかの一例を示す模式図
[図 13]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備が行われる際の動作の一例を示す 1枚目 のシーケンスチャート
[図 14]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備が行われる際の動作の一例を示す 2枚目 のシーケンスチャート
[図 15]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備に使われるメッセージとして、従来の NSI Sで使われる RESPONSEメッセージを利用した場合の動作の一例を示すシーケン スチャート
[図 16]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備に使われるメッセージとして、従来の NSI Sで使われる RESPONSEメッセージを利用した場合の動作の一例を示すシーケン スチャート
圆 17]本発明の実施の形態において、別の処理方法を実現するプロキシの構成を示 すブロック図
圆 18]本発明の実施の形態において、別の処理方法を実現する CNの構成を示す ブロック図
[図 19]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、プロキシが CRNに Qo
S経路確立の依頼を行う際の動作の一例を示すシーケンスチャート
[図 20]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、プロキシが CRNに Qo
S経路確立の依頼を行う際の他の動作の一例を示すシーケンスチャート
[図 21]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備が行われる際の動作の一例を示す 1枚目 のシーケンスチャート
[図 22]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備が行われる際の動作の一例を示す 2枚目 のシーケンスチャート
[図 23]本発明の実施の形態における通信システムにおいて、 MNがプロキシに QoS 経路の確立を準備する依頼をし、その準備が行われる際の他の動作の一例を示す シーケンスチャート
圆 24]本発明及び従来の技術に共通した無線通信システムの構成を示す模式図 [図 25]従来の技術における RSVPが MNの移動に対応不可能であることを説明する ための模式図
[図 26]従来の技術における NSISのプロトコル構成を説明するための模式図
[図 27]従来の技術における NSISのノードである NEや QNEが「隣り合う」 t 、う概念 を説明するための模式図
[図 28]従来の技術における NSISで、どのように QoSリソース予約が行われるかを示 す模式図
[図 29]従来の技術における NSISにおいて、どのように 2重のリソース予約を回避する とされているかを説明するための模式図
発明を実施するための最良の形態
[0039] 以下、本発明の実施の形態について図 1から図 23を用いて説明する。図 1は本発 明の実施の形態における通信システムの構成を示す模式図である。図 1には、 MN1 0力 ハンドオーバ前にサブネット 20に接続されている状態において、 CN60との間 で確立されて ヽる QoS経路 (経路 24)が実線で図示されて ヽる。この経路 24上には 、 MN10力ら CN60に向力つて、 AR21、 NE62、 QNE63, NE64、 QNE65, QNE 66が存在する。また、同様に、 MN10が、ハンドオーバ後にサブネット 30に接続した 場合に、 CN60との間で確立される QoS経路 (経路 34)が点線で図示されている。こ の経路 34上には、 MN10から CN60に向かって、 AR31、 QNE (プロキシ) 68、 QN E67、 NE64、 QNE65、 QNE66が存在する。したがって、古い経路(経路 24)と新 し 、経路(経路 34)とが交わり始める QNE (CRN)は、 QNE65である。
[0040] 次に、 MN10の機能について説明する。図 2は、本発明の実施の形態における M Nの構成を示すブロック図である。なお、図 2では、 MN10が有する各機能がブロック により図示されている力 これらの各機能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによ つて実現可能である。
[0041] 図 2に示す MN10は、ハンドオーバ先候補決定手段 101、無線受信手段 102、無 線送信手段 103、 CRN検出メッセージ生成手段 104、プロキシ決定手段 105、メッ セージ生成手段 106、メッセージ受信手段 107を有している。また、オプションとして 、 NCoA生成手段 108、プロキシ情報格納手段 109、 CRN抽出手段 110、移動履 歴情報格納手段 111を有してもよい。なお、図 2では、オプション部分に関しては、点 線で図示されている。 CRN抽出手段 110及び移動履歴情報格納手段 111は、後述 するように、 MN10が自身が有する移動履歴情報に基づいて CRNを抽出する際に 動作する手段である。
[0042] ハンドオーバ先候補決定手段 101は、例えば、異なる複数の APからのシグナルを 受信して、 L2ハンドオーバ可能な AP—覧を探す手段である。なお、 MN10は、ハン ドオーバ先候補決定手段 101による L2ハンドオーバ先候補の決定を行うことなぐ直 接、後述のプロキシ決定手段 105による処理を行うこともできる。また、無線受信手段 102及び無線送信手段 103は、それぞれ無線通信によるデータ受信及びデータ送 信を行うための手段であり、これらには、無線通信を行うために必要な様々な機能が
含まれている。
[0043] また、 CRN検出メッセージ生成手段 104は、 CRN (QNE65)を検出する(見つけ 出す)ために必要な情報を含めた、自身及び他の MNの過去の移動履歴情報を有 する装置に送信するためのメッセージを生成する手段である。移動履歴情報に関し ては後述する。ここで、 CRN (QNE65)を検出するために必要な情報としては、例え ば、 MN10のハンドオーバ前のサブネット 20の情報、 MN10のハンドオーバ後のサ ブネット 30の情報、 MN10の通信先である CN60の不図示のサブネットの情報など が挙げられ、これらの情報の少なくとも 1つ以上の情報が CRN (QNE65)を検出する ために必要な情報としてメッセージに含められる。なお、サブネットの情報とは、例え ばサブネットの識別子などの情報を言 、、それぞれのサブネットに固有の情報である 。なお、 CRN検出メッセージ生成手段 104によって生成される上記のメッセージをメ ッセージ Xとする。
[0044] また、上述した無線送信手段 103は、 CRN検出メッセージ生成手段 104によって 生成されたメッセージ Xを、移動履歴情報を有する装置に対して送信する。そして、 上述した無線受信手段 102は、無線送信手段 103によって送信されたメッセージ X を受信した移動履歴情報を有する装置から、メッセージ Xに含まれる CRN (QNE65 )を検出するために必要な情報に基づいて抽出された対応する CRN (QNE65)の 情報を受信する。そして、無線送信手段 103は、受信した CRN (QNE65)の情報を 後述するプロキシ(図 1では QNE68)に送信して、受信したプロキシは MN10がハン ドオーバ時に QoS経路を迅速に確立するための処理を行う。 QoS経路を確立するた めの処理については後述する。また、無線受信手段 102は、移動履歴情報を有する 装置によって対応する CRN (QNE65)の情報が抽出されなカゝつた場合には、抽出さ れな力つた旨の情報を移動履歴情報を有する装置力も受信するようにしてもよい。こ の場合には、後述するプロキシ決定手段 105によって発見されたプロキシを通じて C RNを見つけ出し、 QoS経路を確立するための処理がなされる。
[0045] ここで、 MN10が移動履歴情報を有する装置に対して、 MN10のハンドオーバ前 のサブネット 20の情報、 MN10のハンドオーバ後のサブネット 30の情報、 MN10の 通信先である CN60の不図示のサブネットの情報などを含めたメッセージ Xを送信す
る際、 MN10はこれらの情報を取得する必要がある。これらの情報の取得を可能に するのが NSIS Transport Layer Protocol (NTLP or GIMPS)であり、 NTLP or GI MPSは、フロー識別子がデータの送信元と受信先の IPアドレスを含むため、上述し た情報を得ることが可能となる。このとき、 MN10は前もってプレフィックスレングスを 知っておく必要がある。
[0046] また、プロキシ決定手段 105は、プロキシを発見する手段である。プロキシ決定手 段 105によって発見されるプロキシとは、 MN10の代理となって、 MN10がハンドォ ーバ後に付加的サービス (ここでは QoSとする)を寸断されることなく受けられるよう、 あらカゝじめ準備することのできる、 QoS提供機能を持った NSISノード (QNE)のこと であり、 MN10がハンドオーバした際に張られる予定の QoS経路上に存在する。プ 口キシの機能にっ 、ては後述する。
[0047] このプロキシの発見を行うためには、複数の方法が考えられる。例えば、ハンドォー バ先候補決定手段 101によって取得された AP—覧の情報を基に、 MN10内にロー カルに蓄えられているプロキシ情報 40 (プロキシ情報格納手段 109に格納されてい るプロキシ情報 40)を参照し、 APが接続されているサブネットワーク上で、 CN60と 通信するために適したプロキシ情報 40を検索して決定する方法や、この AP—覧の 情報を IPネットワーク上に存在するサーバ(プロキシ検索サーバとする)などに送信し 、前述の最も適したプロキシに係る情報を返してもらう方法、又は、プロキシ情報 40 に蓄えられている、すべてのプロキシを選択する方法などが挙げられる。なお、ハンド オーバ先候補の ARそのものが QNEであり、プロキシになる場合もあり得る。図 3には 、プロキシ情報 40の内容の一例が図示されている。なお、図 3に示すプロキシ情報 4 0は、図 24におけるネットワーク構成を参照して作成された一例である。図 3に示すプ ロキシ情報 40は、 MNが各 APと接続されている場合において、プロキシとして選択 可能なノードの IPアドレスを有しており、 MNは、このプロキシ情報 40を参照すること によって、プロキシの選択及び特定を行うことが可能となる。なお、プロキシとしては、 各 APを配下に有する ARの近く(ネットワーク構成上の AR近傍)に存在する QNEが 設定されることが望ましい。
[0048] また、メッセージ生成手段 106は、プロキシにおいて、 MN10がハンドオーバ後に
QoSを寸断されることなく受けられるよう、あらかじめ準備するために必要な情報を含 むメッセージを生成するための手段である。 MN10がハンドオーバ後に QoSを寸断 されることなく受けられるよう、あら力じめ準備するために必要な情報としては、例えば
、現在使用しているフロー識別子とセッション識別子や、データの流れの方向(MN1
0力ら CN60の方向力 CN60から MN10の方向力、または双方向通信力 などが挙 げられる。なお、メッセージ生成手段 106によって生成される上記のメッセージをメッ セージ Aとする。なお、無線受信手段 102によって受信した CRN (QNE65)の情報 をメッセージ Aに含めてもよ 、。
[0049] また、メッセージ受信手段 107は、プロキシが前述の準備を行った際に、準備が成 功した力どうかと!/、う情報を含むメッセージ (メッセージ Dとする)を、プロキシ力も受信 するための手段であり、新しい QoS経路を張る手法によっては省略可能である。なお 、このメッセージ Dには、プロキシが前述の準備を行った際に得られた情報などを含 めることちでさる。
[0050] また、 MN10は移動先を特定して、そこで使用する NCo Aを生成し、それを移動先 のプロキシに送ることも可能である。この NCoAを生成するための手段が NCoA生成 手段 108であり、生成された NCoAはメッセージ生成手段 106において、フロー識別 子などと共にメッセージ A内に格納される。 NCoA生成方法については、例えば、 M N10が図 4 (図 3と同様に、図 13を参照して作成された一例)に示すような AP— AR 対応情報 41をローカルに持ち、ハンドオーバ先候補決定手段 101によって得られた APの情報を基にして、この AP— AR対応情報 41を検索し、 APが繋がっている先の ARの情報(例えば、 ARのリンクレイヤアドレス、 ARの属するサブネットのネットワーク プリフィックスやプリフィックスレングスなど)を得ることにより、 NCoAをステートレスに 自動生成する方法が考えられる。
[0051] ただし、この場合には、 NCoAはステートレスに自動生成されたものであるため、実 際に、この NCoAがハンドオーバ先のサブネットで使用可能なものであるかどうかを 確認する手段が必要である。このため、例えばハンドオーバ先として、 ARそのものが プロキシとなることのできるサブネットを選び、この ARに NCoAを含んだメッセージ A を送ることにより、このプロキシ機能を持った ARに、 NCoAの妥当性を調べてもらうな
どの処理が必要である。また、他の NCoA獲得方法としては、現在通信中の AR (ノヽ ンドオーバ前のサブネット 20に属する AR) 1S 近隣のサブネットワークの DHCPサー バより、使用可能な CoAの一部をあら力じめ受け取り、 MN10が別の AR (ノ、ンドォ一 バ後のサブネット 30に属する AR)に移動を行う前に、そのサブネットの DHCPサー ノくからもらった CoAのうちの 1つを MN10に割り当てる方法も可能である。この場合 には、 CoAはステートフルに割り当てられるので、 CoAに係る妥当性のチェックが行 われる必要はなぐ前述のように、プロキシ機能を持った ARを選ぶという制限はなく なる。また、メッセージ Aには、これ以外の情報(例えば、 MN10の現在の隣り合う Q NE (QNE63)の IPアドレスなどの情報)も含めることができる。
[0052] 次に、 MN10からメッセージ Xを受信する装置の機能について説明する。なお、こ の装置は、特定の装置に限られず、例えば、ハンドオーバ前のサブネット 20を構成 する AR21、ハンドオーバ後のサブネット 30を構成する AR31、 CRN (QNE65)など であってもよい。以下では、移動履歴情報を有する装置が、 AR21、 AR31、 CRN ( QNE65)のそれぞれの場合について説明する。また、 MN10自身が移動履歴情報 を有する場合についても説明する。図 5は本発明の実施の形態におけるメッセージ X を受信する AR21の構成を示すブロック図である。なお、図 2に示す MN10と同様に 、図 5に示す AR21が有する各機能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによって 実現可能である。
[0053] 図 5に示す AR21は、受信手段 211、送信手段 212、制御手段 213、移動履歴情 報格納手段 214を有している。受信手段 211は、例えば MN10力も送信されたメッ セージ Xや経路 24を流れるデータなどを受信する手段である。また、送信手段 212 は、例えば後述する制御手段 213が抽出した CRN (QNE65)の情報やその他のデ ータなどを送信する手段である。制御手段 213は、例えば受信手段 211によって受 信したメッセージ Xに含まれる情報に基づ 、て、移動履歴情報格納手段 214に格納 された移動履歴情報中に対応する CRNの情報が存在するか否かを判断し、存在す ると判断した場合には CRNの情報を抽出する。なお、抽出された結果によって必ず しも最適な経路を確立できるとは限らないが、 QoSは保証されることになる。後述する AR31、 CRN (QNE65)の場合にも同様である。また、移動履歴情報格納手段 214
に格納された移動履歴情報は、例えば所定の期間が経過するまでの情報であって、 所定の期間が経過した場合には削除されるようにしてもよい。後述する AR31、 CRN (QNE65)の移動履歴情報についても同様である。
[0054] 具体的な例として、 MN10がサブネット 20からサブネット 30へハンドオーバをすると き、 MN10力 ツセージ Xに、サブネット 20の情報、サブネット 30の情報、通信先の C N60のサブネットの情報を含めた場合を考える。なお、この場合、メッセージ Xにはサ ブネット 20の情報を含めなくてもよい。 AR21はサブネット 20の情報を有するなどして いるからである。受信手段 211によってメッセージ Xを受信すると、制御手段 213は、 ハンドオーバ前、ハンドオーバ後、 MNの通信先のサブネットの情報、ハンドオーバ による CRNの情報、ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ )側から CRN側へのリンク情報、 CRN側カゝらハンドオーバ後のサブネットを構成する アクセスルータ (プロキシ)側へのリンク情報を 1組の関連したデータとして格納する移 動履歴情報格納手段 214に、メッセージ Xに含まれるサブネット 20の情報、サブネッ ト 30の情報、通信先の CN60のサブネットの情報を 1組の関連した情報とするデータ が存在するか否かを判断する。制御手段 213は、存在すると判断した場合には、対 応する CRNの情報を抽出する。そして、送信手段 212は、抽出された CRNの情報を MN 10へ送信する。
[0055] なお、 CRNの情報を受信した MN10は、受信した CRNの情報の正当性を確認す るためにシグナリングを出すようにしてもよい。具体的には、 MN10は、情報として得 た CRNに対して、現在のフロー ID (フロー識別子)及びセッション ID (セッション識別 子)を含む確認メッセージを送信し、該当する IDが存在すればその CRNは現在の旧 QoSパス上に存在することが確認できる。ただし、最適であるとは限らない。仮に、該 当する IDが存在しなければその CRNはパス上に存在しないことになり、その場合に はプロキシ決定手段 105によって発見されるプロキシを通じて CRNを見つけ出す処 理がなされる。 CRNの情報の正当性を確認する処理は、後述する AR31、 CRN (Q NE65)に関する場合でも同様である。
[0056] ここで、制御手段 213によって移動履歴情報格納手段 214には該当するデータが 存在しないとされた場合には、プロキシ決定手段 105によって発見されたプロキシを
通じて CRNを見つけ出す必要がある。なお、制御手段 213は、プロキシ決定手段 10 5によって発見されたプロキシを通じて CRNが見つけ出された場合には、見つけ出さ れた CRNの情報と共に、ハンドオーバ前後のサブネットの情報、 MN10の通信先の サブネットの情報、ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ) 側から CRN側へのリンク情報、 CRN側カゝらハンドオーバ後のサブネットを構成する アクセスルータ (プロキシ)側へのリンク情報を 1組の関連したデータとして移動履歴 情報格納手段 214に格納する。
[0057] 次に、移動履歴情報を有する装置が AR31の場合について図 6を用いて説明する 。図 6は本発明の実施の形態におけるメッセージ Xを受信する AR31の構成を示すブ ロック図である。なお、図 2に示す MN10と同様に、図 6に示す AR31が有する各機 能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによって実現可能である。
[0058] 図 6に示す AR31は、受信手段 311、送信手段 312、制御手段 313、移動履歴情 報格納手段 314を有している。受信手段 311は、例えば MN10力も送信されたメッ セージ Xや経路 34を流れるデータなどを受信する手段である。また、送信手段 312 は、例えば後述する制御手段 313が抽出した CRN (QNE65)の情報やその他のデ ータなどを送信する手段である。制御手段 313は、例えば受信手段 311によって受 信したメッセージ Xに含まれる情報に基づ 、て、移動履歴情報格納手段 314に格納 された前記移動履歴情報中に対応する CRNの情報が存在するか否かを判断し、存 在すると判断した場合には CRNの情報を抽出する。
[0059] 具体的な例として、 MN10がサブネット 20からサブネット 30へハンドオーバをすると き、 MN10力 ツセージ Xに、サブネット 20の情報、サブネット 30の情報、通信先の C N60のサブネットの情報を含めた場合を考える。なお、この場合、メッセージ Xにはサ ブネット 30の情報を含めなくてもよい。 AR31はサブネット 30の情報を有するなどして いるからである。受信手段 311によってメッセージ Xを受信すると、制御手段 313は、 ハンドオーバ前、ハンドオーバ後、 MNの通信先のサブネットの情報、ハンドオーバ による CRNの情報、ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ )側から CRN側へのリンク情報、 CRN側カゝらハンドオーバ後のサブネットを構成する アクセスルータ (プロキシ)側へのリンク情報を 1組の関連したデータとして格納する移
動履歴情報格納手段 314に、メッセージ Xに含まれるサブネット 20の情報、サブネッ ト 30の情報、通信先の CN60のサブネットの情報を 1組の関連した情報とするデータ が存在するか否かを判断する。制御手段 313は、存在すると判断した場合には、対 応する CRNの情報を抽出する。そして、送信手段 312は、抽出された CRNの情報を MN 10へ送信する。
[0060] ここで、制御手段 313によって移動履歴情報格納手段 314には該当するデータが 存在しないとされた場合には、プロキシ決定手段 105によって発見されたプロキシを 通じて CRNを見つけ出す必要がある。なお、制御手段 313は、プロキシ決定手段 10 5によって発見されたプロキシを通じて CRNが見つけ出された場合には、図 5に示す AR21の制御手段 213と同様に、見つけ出された CRNの情報と共に、ハンドオーバ 前後のサブネットの情報、 MN10の通信先のサブネットの情報、ハンドオーバ後のサ ブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ)側から CRN側へのリンク情報、 CRN側 力 ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ)側へのリンク情 報を 1組の関連したデータとして移動履歴情報格納手段 314に格納する。
[0061] 次に、移動履歴情報を有する装置が CRN (QNE65)の場合にっ 、て図 7を用いて 説明する。図 7は本発明の実施の形態におけるメッセージ Xを受信する CRN (QNE 65)の構成を示すブロック図である。なお、図 2に示す MN10と同様に、図 7に示す C RN (QNE65)が有する各機能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによって実現 可能である。
[0062] 図 7に示す CRN (QNE65)は、受信手段 651、送信手段 652、制御手段 653、移 動履歴情報格納手段 654を有している。受信手段 651は、例えば MN10力も送信さ れたメッセージ Xや経路 24及び 34を流れるデータなどを受信する手段である。また、 送信手段 652は、例えば後述する制御手段 653が抽出した CRN (QNE65)の情報 やその他のデータなどを送信する手段である。制御手段 653は、例えば受信手段 65 1によって受信したメッセージ Xに含まれる情報に基づ 、て、移動履歴情報格納手段 654に格納された移動履歴情報中に対応する CRNの情報が存在するか否かを判断 し、存在すると判断した場合には CRNの情報を抽出する。
[0063] 具体的な例として、 MN10がサブネット 20からサブネット 30へハンドオーバをすると
き、 MN10力 ツセージ Xに、サブネット 20の情報、サブネット 30の情報、通信先の C N60のサブネットの情報を含めた場合を考える。まず、 MN10が旧 QoSパス上に C N60に向力つてメッセージ Xを送信すると、その QoSパス上に存在する QNEは該当 する移動履歴情報が自身に存在する力否かを判断し、存在しない場合に次の QNE に向力つてメッセージ Xを転送する。そして、メッセージ Xを受信手段 651によって受 信すると、制御手段 653は、ハンドオーバ前、ハンドオーバ後、 MNの通信先のサブ ネットの情報、ハンドオーバによる CRNの情報、ハンドオーバ後のサブネットを構成 するアクセスルータ(プロキシ)側力も CRN側へのリンク情報、 CRN側力もハンドォー バ後のサブネットを構成するアクセスルータ (プロキシ)側へのリンク情報を 1組の関 連したデータとして格納する移動履歴情報格納手段 654に、メッセージ Xに含まれる サブネット 20の情報、サブネット 30の情報、通信先の CN60のサブネットの情報を 1 組の関連した情報とするデータが存在するか否かを判断する。制御手段 653は、存 在すると判断した場合には、対応する CRNの情報を抽出する。そして、送信手段 65 2は、抽出された CRNの情報及び自身のインタフェース情報などを MN10へ送信す る。
ここで、制御手段 653によって移動履歴情報格納手段 654には該当するデータが 存在しないとされた場合には、次の QNEに向かってメッセージ Xを転送する。そして 、該当する移動履歴情報を有する QNEが存在しない場合には、 CN60は MN10に 対して該当する CRNが存在しないことを通知する。これにより、 MN10はプロキシ決 定手段 105によって発見されたプロキシを通じて CRNを見つけ出す必要がある。な お、プロキシ決定手段 105によって発見されたプロキシを通じて CRNが見つけ出さ れた場合には、該当する CRN (QNE)の制御手段は、図 5に示す AR21の制御手段 213や図 6に示す AR31の制御手段 313と同様に、見つけ出された CRNの情報と共 に、ハンドオーバ前後のサブネットの情報、 MNの通信先それぞれのサブネットの情 報、ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ)側力も CRN側 へのリンク情報、 CRN側力 ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ( プロキシ)側へのリンク情報を 1組の関連したデータとして移動履歴情報格納手段 65 4に格納する。
[0065] 次に、移動履歴情報を有する装置が MN10の場合について図 2を用いて説明する 。移動履歴情報は移動履歴情報格納手段 111に格納されており、具体的には MN1 0の過去の移動履歴の情報が格納されている。 CRN抽出手段 110は、 CRN検出メ ッセージ生成手段 104によってメッセージ Xが生成される際に含まれる情報に基づい て、移動履歴情報格納手段 111から該当する移動履歴情報が存在する力否かを判 断し、存在する場合には該当する CRNの情報を抽出する。そして、無線送信手段 1 03は、抽出された CRNの情報をプロキシに送信する。一方、存在しないと判断され た場合には、プロキシ決定手段 105によって発見されたプロキシを通じて CRNを見 つけ出す処理が開始される。このように、 MN10自身が過去の移動履歴を利用する ことにより、あるパターンの行動を何度もする MNには有効である。ただし、このような MN10自身が移動履歴情報を有する場合、 CRNの情報の正当性の確認が必要に なる。また、複数の MN間での移動履歴情報のやりとり(共有)をすることも可能である
[0066] 次に、 MN10と移動履歴情報を有する装置(例えば、 AR21)との間で行われる CR Nの情報の抽出力もプロキシへの送信までについて図 8を用いて説明する。 MN10 1S 現在通信中の不図示の APが接続された AR21のサブネット 20からサブネット 30 を構成する AR31に接続する不図示の APへハンドオーバする際に、 MN10は、 CR Nを検出するためにサブネット 20の情報、サブネット 30の情報、 CN60のサブネット の情報などをメッセージ Xに含め(ステップ S801)、メッセージ Xを AR21に送信する( ステップ S802)。なお、 MN10は、ハンドオーバ後にステップ S801、 S802の処理を 開始するようにしてもよい。 MN10からのメッセージ Xを受信した AR21は、ハンドォ ーバ前、ハンドオーバ後、 MNの通信先のサブネットの情報、ハンドオーバによる CR Nの情報、ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセスルータ(プロキシ)側から C RN側へのリンク情報、 CRN側力 ハンドオーバ後のサブネットを構成するアクセス ルータ(プロキシ)側へのリンク情報を 1組の関連したデータとして格納する移動履歴 情報格納手段 214に、メッセージ Xに含まれるサブネット 20の情報、サブネット 30の 情報、通信先の CN60のサブネットの情報を 1組の関連した情報のデータが存在す るカゝ否かを判断し、存在すると判断した場合には、対応する CRNの情報を抽出する(
ステップ S803)。そして、 AR21は、抽出された CRNの情報を MN10へ送信する(ス テツプ S804)。
[0067] そして、近隣の L2シグナル到達可能な APから L2情報を受け取った MN10は、ま ず、その情報に基づいて、ハンドオーバを行うことのできるサブネットワークを決定し( ステップ S805)、その後、 APの L2情報を基にしてハンドオーバ候補先のプロキシを 決定する(ステップ S806)。プロキシを決定した MN10は、 AR21から受信した CRN の情報と、経路 24での upstream用フロー識別子及びセッション識別子、 downstream 用フロー識別子及びセッション識別子をメッセージ Aにセットするとともに、双方向通 信であるという情報もメッセージ Aにセットして (ステップ S807)、選んだプロキシ 68に メッセージ Aを送信する(ステップ S808)。このように、あらかじめ CRNがわかってい れば、 CRN (QNE65)に対して RESERVEメッセージを流すことができる。ここでは 特に、プロキシ群のうちの 1つであるプロキシ 68に対してメッセージ Aが送られた場合 を想定している。
[0068] なお、 AR21において、該当する CRNの情報が抽出されな力つた場合には、例え ば、 AR21は MN 10に対して該当する CRNの情報が存在しな ヽ旨の情報を送信す るようにしてもよい。これにより、 MN10はメッセージ Aに CRNの情報を含めないため 、プロキシ側で該当する CRNを見つけ出すことになる。
[0069] 次に、 MN10からメッセージを受け取るプロキシ(QNE68)の機能について説明す る。なお、ここで、 MN10はプロキシの 1つとして、図 1中の QNE68をプロキシの 1つ として選んだ場合を考える。図 9は、本発明の実施の形態におけるプロキシの構成を 示すブロック図である。なお、図 2に示す MN10と同様に、図 9に示すプロキシ 68が 有する各機能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによって実現可能である。
[0070] 図 9に示すプロキシ 68は、受信手段 681、送信手段 682、メッセージ処理手段 683 、 684、メッセージ生成手段 685、 686を有している。また、オプションとして、メッセ一 ジ生成手段 687、及び経路情報格納手段 688を有してもよい。なお、図 9では、ォプ シヨン部分に関しては、点線で図示されている。
[0071] 受信手段 681及び送信手段 682は、データ受信及びデータ送信を行うための手段 である。また、メッセージ処理手段 683は、図 2に示す MN10のメッセージ生成手段 1
06で生成され、無線送信手段 103で送信されたメッセージ (メッセージ A)を受信、処 理するための手段である。例えば、メッセージ A中に含まれるデータの流れの情報を 確認し、どのような形で QoS経路を確立するのが望ましいかを判断する。また、メッセ ージ Aに CRNの情報が含まれている場合には、メッセージ処理手段 683は、この CR Nの情報を基に、 MN10がハンドオーバ時に QoS経路を迅速に確立するための処 理を行う。一方、メッセージ処理手段 683が MN10から CRNの情報を受信しない場 合には、後述するメッセージ生成手段 685、メッセージ処理手段 684などにより CRN を発見し、この CRN情報を基に、 MN10がハンドオーバ時に QoS経路を迅速に確 立するための処理を行う。 QoS経路を確立する処理方法については後述する。なお 、受信した CRNの情報は、双方向通信を行っているとすると、後述するような upstrea m用の CRNの情報と downstream用の CRNの情報である。また、データの流れによる QoS経路確立方法の変化に関しては、後述の中間の QNEの機能と共に説明する。
[0072] また、メッセージ生成手段 685は、メッセージ処理手段 683で受け取ったフロー識 別子 (例えば、経路 24のフロー識別子 X)、セッション識別子 (例えば、経路 24及び 経路 34に共通のセッション識別子 Y)を含むメッセージ (メッセージ Bとする)を生成す る。メッセージ生成手段 685によって生成される上記のメッセージ Bは、 CRNを発見 するためのメッセージであり、送信手段 682を介して CN60に向けて送信される。な お、このフロー識別子の中には、 CN60の IPアドレス情報が含まれている。
[0073] また、メッセージ処理手段 684は、メッセージ生成手段 685で生成され、送信された メッセージ Bを受け取った CN60から、経路 34上の各 QNEを介して送られてきたメッ セージ (メッセージ Cとする)を受信、処理する手段である。このメッセージ Cには、 CR Nの情報が含まれている。メッセージ処理手段 684では、この CRN情報を基に、 MN 10がハンドオーバ時に QoS経路を迅速に確立するための処理を行う。この処理を行 うには、複数の方法が考えられる。例えば、この情報を経路情報格納手段 688に渡し 、 MN10がハンドオーバして来た時点で何力しらの処理を行ってもよぐまた、その情 報をさらにメッセージ生成手段 686に渡して、 MN10への返信メッセージ(前述のメッ セージ D)としてもよい。ただしこの場合には、 MN10には、図 2のメッセージ受信手 段 107が設けられている必要がある。なお、前述の通り、メッセージ Dには準備が成
功した力どうかという情報が含まれてもよい。また、さらに、メッセージ Dには、これ以 外の情報が含まれてもよい。また、 MN10カゝら CRNの情報が送信されてきた場合に は、 MN 10への返信メッセージを送信しなくてよい。
[0074] また、メッセージ処理手段 683で、 MN10の NCoAの情報を受け取つていた場合 には、メッセージ生成手段 687で、この NCoAを基に新しいフロー識別子を生成し、 メッセージ処理手段 683又はメッセージ処理手段 684で受け取った CRNの情報を基 に、 RESERVEメッセージを CN60に送信することによって、経路 34上に新しい Qo S経路を生成してもよい。ただしこの場合には、 RESERVEメッセージに CRNの情報 を持たせ、該当する CRNは、そこから CN60までのリソース予約を 2重予約にならな いようにするなど、別の機能が必要になる。なお、 QoS経路確立に必要となり、 RES ERVEメッセージに含まれるべき QSpecの情報などに関しては、例えば、メッセージ 処理手段 683で受信される CRNの情報又はメッセージ Cに含まれる CRNの情報を 参照して、この CRNから取得することができる。
[0075] また、メッセージ Aに MN10の現在の隣り合う QNE (QNE63)の情報が含まれて!/ヽ る場合には、 QNE63から取得することもできる。また、前述のように送られた NCoA 力 妥当性のチェックが必要なものだった場合には、そのチェックを行わなければな らない。もし、このプロキシが NCoAの妥当性チェック機能を有していな力つた場合、 又は妥当性チェックを行った結果、妥当で無力つた場合には、例えば、 MN10にェ ラー通知を行うためのエラーメッセージを返す必要がある。このエラー通知は、メッセ ージ Dに含めることも可能であり、また、別のメッセージ (例えば、 FMIPにおける FB Ackメッセージ)として返すことも可能である。また、メッセージ生成手段 685で生成さ れるメッセージ Bには、上記以外の情報 (例えば、妥当であることが確認された NCoA や、メッセージ Aに含まれている MN10の現在の隣り合う QNE (QNE63)などの情 報)を含めることもできる。
[0076] 次に、経路 34上の中間の QNEの機能について、 QNE65を例に取って説明する。
図 10は、本発明の実施の形態における経路 34上の中間 QNEの構成を示すブロッ ク図である。なお、図 2に示す MN10と同様に、図 10に示す QNE65が有する各機 能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによって実現可能である。また、前述した図
7のように、 QNE65が移動履歴情報を有する装置である場合には、制御手段 653や 移動履歴情報格納手段 654を有する構成となる。
[0077] 図 10に示す QNE65は、受信手段 6511、送信手段 6512、メッセージ処理手段 65 13、メッセージ生成手段 6514を有している。受信手段 6511、送信手段 6512は、図 9に示すプロキシ 68の受信手段 681、送信手段 682と同じ機能を有している。また、 メッセージ処理手段 6513は、前述のメッセージ B又はメッセージ Cを受け取った際、 その中に含まれているフロー識別子とセッション識別子の組で、すでに QNE65内に リソース予約が無いかどうかを調べる手段である。予約が無力つた場合は、メッセージ 生成手段 6514では何も行われずに、送信手段 6512を経由して次の QNEにメッセ ージ B又はメッセージ Cが転送される。一方、予約があった場合は、メッセージ生成手 段 6514において、そのインタフェースの IPアドレスが同メッセージ内に格納され、メッ セージ生成手段 6514で生成された新たなメッセージが、送信手段 6512を経由して 次の QNEに送信される。ただし、メッセージ Bやメッセージ Cが、他の何かしらの処理 を QNEに求めるものだった場合、例えば、 QUERYメッセージやそれに対する RES PONSEメッセージの拡張だった場合には、これらのメッセージに特有の処理が行わ れる。
[0078] メッセージおメッセージ Cのどちらで上述の処理を行うかは、データの流れの方向 、及びその他の NSISの機能により異なる。一例としては、データの流れが CN60か ら MN10の方向のみだった場合、 RSVP (非特許文献 3参照)の QoS経路確定方法 の考え方に従えば、 CN60から送られるメッセージ Cを受け取った際に、上述の処理 を行うのが妥当である。
[0079] なお、データやシグナリングが通る経路は、 MN10から CN60の方向(upstreamと する)と、 CN60から MN10の方向(downstreamとする)で違う場合も考えられるので、 実際問題として、メッセージ Cは経路 34を通る(経路 34を確定することができる)が、 メッセージ Bは経路 34を通らないということも考えられる。したがって、経路 34上の各 QNEでは、メッセージ B及びメッセージ Cのどちらか一方のみしか受け取らないことも あり得る。
[0080] 逆に、同じ考え方を採用した場合、データの流れが upstreamだった場合にはメッセ
ージ Bにより経路 34が確定され、上述のメッセージ処理手段 6513及びメッセージ生 成手段 6514にて処理が行われる。この場合には、メッセージ Cは各 QNEによって、 メッセージ Bを受け取った際に処理された結果をプロキシ 68に返すためのみのメッセ ージとなり得る。し力しながら、 NSISでは NTLPの機能を活用することにより、必ずし も RSVPの経路確定方法の考え方が当てはまるとは限らない。例えば、 downstream 方向のデータの流れに対し、メッセージ Bが経路 34を通り、必要な情報を集めること も可能になり得る。
[0081] 次に、 CN60の機能について説明する。図 11は、本発明の実施の形態における C Nの構成を示すブロック図である。なお、図 2に示す MN10と同様に、図 11に示す C N60が有する各機能はハードウェア及び Z又はソフトウェアによって実現可能である
[0082] 図 11に示す CN60は、受信手段 601、送信手段 602、メッセージ処理手段 603、メ ッセージ生成手段 604、経路情報格納手段 605を有している。受信手段 601、送信 手段 602は、図 9に示すプロキシ 68の受信手段 681、送信手段 682や、図 10に示 す受信手段 6511、送信手段 6512と同じ機能を有している。また、メッセージ処理手 段 603は、メッセージ Bを受け取って処理する機能を有している。例えば、メッセージ 処理手段 603では、メッセージ B力 Upstreamに対して出されたもの力、 downstreamに 対して出されたものかが判断される。また、メッセージ Bに upstream用の CRNの情報 が含まれている場合には、メッセージ処理手段 603は、その CRNの情報を経路情報 格納手段 605に渡して保有させることも可能である。 CN60は、経路情報格納手段 6 05に格納された情報を使うことによって、 MN10の NCoAの情報が得られたときに、 RESERVEメッセージを用いた QoS経路確立処理を行うことができる。
[0083] なお、 MN10の NCoAの情報は、メッセージ Bに含まれている場合にはメッセージ Bの受信と同時に取得することが可能であり、また、 MN10からの BUメッセージより 取得することも可能である。また、 RESERVEメッセージに含まれるべき QSpecの情 報などに関しては、前述の通り、 CRN力も取得することも可能であり、また、メッセ一 ジ Bが QNE63の IPアドレスを含んで!/、る場合には、 QNE63から取得することも可能 である。また、メッセージ生成手段 604ではメッセージ Cを生成し、送信手段 602を通
じてメッセージ Cを送信する手段である。なお、メッセージ Bに経路情報(どの QNEが リソース予約を持っていた力 が含まれていた場合には、それをメッセージ Cに含めて 送信することも可能である。また、メッセージ Cは、上記以外の情報を含んでいてもよ い。
[0084] 次に、メッセージ B及びメッセージ Cを送受信することにより、どのように CN60ゃプ ロキシ 68が CRNの情報を得ることができるかについて説明する。今、 MN10と CN6 0力 例えば IPテレフォ-などを使って、双方向通信を行っているとする。この場合、 データの流れは upstreamと downstreamの両方があり、これら双方向のデータは必ず しも同じ経路(同じルータ)を通るとは限らないので、 CRNも upstream側と downstream 側でそれぞれ違うと考えられる。ここでは、図 1を参照しながら、双方向のデータが同 じ経路を通ると仮定するが、双方向のデータが違う経路を通る場合においても、後述 する方法と同様の方法を用いることによって、双方向通信のそれぞれにおける CRN を決定することができる。なお、双方向通信の場合には、それぞれの方向の通信経 路に関して、フロー識別子とセッション識別子とが存在しており、プロキシは、これら 2 方向のフロー識別子、セッション識別子の組を MN10からもらい、メッセージ Bに埋め 込んで CN60に送るようにすればよ!、。
[0085] 図 12には、メッセージ B及び Cの送受信により、プロキシが得ることのできる情報の 一例が図示されている。メッセージ B及びメッセージ Cには、各メッセージが持ってい るフロー識別子、セッション識別子のペアに対するリソースの予約を持つ QNEを通過 するたびに、そのリソース予約を持つインタフェースの IPアドレスの情報力 各メッセ ージの最後に付加される。例えばメッセージ Bの場合には、 QNE65を通過する際、 u pstreamのフロー識別子、セッション識別子に対するリソース予約を持つインタフエ一 スの IPアドレス(情報 81 : QNE65の、上側(QNE66側)インタフェースの IPアドレス) が付けられ、 QNE66を通過する際には、その更に後ろに、 QNE66内の upstreamの フロー識別子、セッション識別子に対するリソース予約を持つインタフェースの IPアド レス(情報 82 : QNE66の、上側(CN60側)インタフェースの IPアドレス)が付けられ る。このメカニズムにより、この情報が CN60やプロキシ 68に返された場合には、 CN 60やプロキシ 68は、最初に付けられたインタフェースの IPアドレス(情報 81の IPアド
レス)を持つ QNE力 upstreamの CRNだと判断することができる。
[0086] また、 downstreamに関しては順序が逆になるので、プロキシ 68は、情報 83及び情 報 84のうち、最後に付けられたインタフェースの IPアドレス(情報 84の IPアドレス)を 持つ QNEが、 downstreamの CRNだと判断することができる。なお、 QoS経路は、ネ ットワークの状態などの要因によって変化する可能性があり、 QoS経路の変化に応じ て、 CRNも変化する可能性がある。このような CRNの変化が生じる可能性に対処す るため、 CN60やプロキシ 68が保持する CRNの情報に対して有効期限を設定し、そ の有効期限が切れる前に、 CN60やプロキシ 68が、 CRNに変化が生じていないか の確認を行ったり、最新の CRNの情報を取得したりすることによって、正確な CRNの 情報を保持できるようにすることも可能である。なお、この有効期限の設定は、 CRN の情報を受け取る CN60やプロキシ 68が行ってもよぐまた、 MN10力メッセージ A を送る際に、 CN60やプロキシ 68に対して、有効期限を通知してもよい。
[0087] 次に、 MN10が、メッセージ Aに CRNの情報を含めることができない場合に、プロ キシ 68に QoS経路の確立を準備する依頼をし、その準備が行われる際の動作につ いて説明する。図 13及び図 14には、本発明の実施の形態において、 MN10がプロ キシ 68に識別子 (フロー識別子及びセッション識別子)の情報を送り、プロキシ 68と CN60とが中間 QNE65〜67を介してメッセージをやり取りすることにより、 upstream や downstreamの CRNを見つける動作例を示すシーケンスチャートが図示されている 。なお、図 13及び図 14に示すシーケンスチャートは、図 1に示すネットワークシステム において、 MN10によって、プロキシ 68がプロキシの 1つに選ばれている場合のもの であり、ここでは、プロキシ 68が CRNの情報を得た後に、 MN10に対して、その情報 を返すようにしている。また、図 13及び図 14に示すシーケンスチャートには、一連の 動作が示されており、図 13及び図 14のシーケンスチャートに図示されているステップ S 1312の処理は同一である。
[0088] 近隣の L2シグナル到達可能な APから L2情報を受け取った MN10は、まず、その 情報に基づ 、て、ハンドオーバを行うことのできるサブネットワークを決定し (ステップ S1301)、その後、 APの L2情報を基にしてハンドオーバ候補先のプロキシを決定す る(ステップ S1302)。プロキシを決定した MN10は、経路 24での upstream用フロー
識別子及びセッション識別子、 downstream用フロー識別子及びセッション識別子をメ ッセージ Aにセットするとともに、双方向通信であるという情報もメッセージ Aにセットし て (ステップ S 1303)、選んだプロキシ群 (複数のプロキシ)にメッセージ Aを送信する (ステップ S1304)。ここでは特に、プロキシ群のうちの 1つであるプロキシ 68に対して メッセージ Aが送られた後の処理に限って説明する。
[0089] プロキシ 68は、 MN10から受け取ったメッセージ Aの情報を基にメッセージ Bを生 成する。ここでは双方向通信を考えているので、メッセージ Bで upstream、返信メッセ ージ(メッセージ C)で downstreamの情報を、途中のルータから得られるようにパラメ一 タをセットし、さらにメッセージ Aによって送られてきたフロー識別子、セッション識別 子をメッセージ Bにセットして(ステップ S1305)、 CN60にメッセージ Bを送信する(ス テツプ S1306)。なお、このとき、プロキシ 68はフロー識別子の情報より、 CN60のァ ドレスを得る必要がある。
[0090] プロキシ 68から CN60への経路上にある各 QNE65〜67は、メッセージ Bの中身を 確認し、その中の upstream用フロー識別子及びセッション識別子に対するリソース予 約が QNE内に存在するかどうかを確認する。そして、 upstream用フロー識別子及び セッション識別子に対するリソース予約が存在する場合には、各 QNEは、その Ψノー ス予約が存在するインタフェースの IPアドレスをメッセージ Bに付カ卩して、 CN60に向 けて送る。一方、 upstream用フロー識別子及びセッション識別子に対するリソース予 約が存在しな!、場合には、情報の付加を行わずにメッセージ Bをそのまま転送する。
[0091] なお、 QNE67には、 upstream用フロー識別子及びセッション識別子に対するリソー ス予約が存在しな 、ので、情報の付カ卩が行われずにメッセージ Bはそのまま転送され る(ステップ S1307、 1308)。また、 QNE65には、 upstream用フロー識別子及びセッ シヨン識別子に対するリソース予約が存在しており、そのリソース予約が存在するイン タフエースの IPアドレスがメッセージ Bに付カ卩された後(ステップ S 1309)、メッセージ Bは転送される(ステップ S 1310)。また、 QNE65と同様〖こ、 QNE66にも、 upstream 用フロー識別子及びセッション識別子に対するリソース予約が存在しており、そのリソ ース予約が存在するインタフェースの IPアドレスがメッセージ Bに付加された後(ステ ップ S 1311)、メッセージ Bは転送される(ステップ S 1312)。
[0092] そして、最終的にメッセージ Bは CN60に到着し、このメッセージ Bを受け取った CN 60は、各 QNE65〜67によって付カ卩された情報(各 QNE65〜67によってメッセ一 ジ Bに付カ卩された情報)をメッセージ Cにセットするとともに、メッセージ Cで downstrea m用経路の情報を収集できるようにパラメータをセットして (ステップ S1313)、プロキ シ 68に向けて送信する(ステップ S1314)。また、 CN60からプロキシ 68への経路上 にある各 QNE65〜67は、上述のメッセージ Bに対する処理と同様の処理を downstr earn用のメッセージ Cに対して行う。
[0093] すなわち、 QNE66には、 downstream用フロー識別子及びセッション識別子に対す るリソース予約が存在しており、そのリソース予約が存在するインタフェースの IPアド レスがメッセージ Cに付加された後(ステップ S1315)、メッセージ Cは転送される(ス テツプ S1316)。また、 QNE65と同様に、 QNE65にも、 downstream用フロー識別子 及びセッション識別子に対するリソース予約が存在しており、そのリソース予約が存在 するインタフェースの IPアドレス力 Sメッセージ Cに付カ卩された後(ステップ S 1317)、メ ッセージ Cは転送される(ステップ S1318)。また、 QNE67には、 downstream用フロ 一識別子及びセッション識別子に対するリソース予約が存在しな 、ので、情報の付 加が行われずにメッセージ Cはそのまま転送される(ステップ S1319、 1320)。
[0094] このようにしてメッセージ Cを受け取ったプロキシ 68は、メッセージ Cを参照すること によって、 upstream用及び downstream用の CRNの情報を特定することが可能となり、 upstream用及び downstream用の CRNの情報をメッセージ Dにセットして(ステップ S1 321)、 MN10にメッセージ Dを送信する(ステップ S1322)。
[0095] なお、前述の MN10の機能で説明した通り、プロキシ 68は CRNの情報を集めた後 に、 MN10に CRNの情報を送る以外にも、様々な手段を取ることができる。また、 M N10は、 CRNの情報を早期に知ることにより、例えば、サブネットを移動した後にリソ ース予約を行う際、この CRNの情報を RESERVEメッセージに含ませて送ることがで きる。また、 CRNの情報を含む RESERVEメッセージを該当する CRNが受け取った 場合には、該当する CRNは、その先の CN60までのリソースを 2重予約しないように する処理を行うことが可能である。例えば、該当する CRNは、新規にリソースを予約 するのではなぐ古 、予約を更新するなどの処理を行うことも可能である。
[0096] このように CRNの特定が前もってなされると、たとえ MN10のハンドオーバ後のリソ ース予約であったとしても、従来の技術のように、 CRNを探しながらのリソース予約と はならないために、迅速に QoS経路を張ることが可能となる。また、前述の通り、 CR Nの情報を得たプロキシ 68が、 MN10に情報を返すことなぐ前もってリソース予約 を行うようにすることも可能であり、より迅速な QoS経路確立が実現できる。
[0097] また、さらに、前述の通り、メッセージ Bやメッセージ Cを既存のメッセージ、例えば Q UERYメッセージや RESPONSEメッセージや NOTIFYメッセージに書き換えること も可能である。図 15及び図 16には、 QUERYメッセージにメッセージ Bの機能を、 R ESPONSEメッセージにメッセージ Cの機能を持たせた場合のシーケンスチャートが 図示されている。ここでは、やり取りされるメッセージ力 upstream及び downstreamの CRNを見つける機能のほかに、本来の QUERY及び RESPONSEメッセージが持 つ機能 (空きリソースの情報の取得機能など)を有している。なお、図 15及び図 16中 のステップ S1501〜S1522は、図 13及び図 14中のステップ S1301〜S1322と対 応関係にあり、 QUERYメッセージとメッセージ C、 RESPONSEメッセージとメッセ一 ジ Dがそれぞれ対応関係にある。
[0098] 前述の通り、従来の QUERY及び RESPONSEメッセージを利用した場合には、
MN10などの移動を行う端末は通信相手との間で行っている現在の通信で予約され ているリソースの情報を知る術を持たないため、 CRNと CN60間において、現在の通 信で予約されているリソース情報を、 MN10が移動してきたときに使うことのできるリソ ース情報と判断することができない。し力し、 QUERY及び RESPONSEメッセージ が MN10の現在のフロー識別子及びセッション識別子の情報を有することにより、現 在の通信で予約されているリソース情報を、 MN10が移動してきたときに使うことので きるリソース情報と判断することができる。
[0099] なお、非特許文献 6によると、リソースの空き情報を得られるのは RESPONSEメッ セージによってのみである。つまり、図 15及び図 16に示すように、プロキシ 68から C N60に QUERYメッセージを送信し、 CN60からプロキシ 68に RESPONSEメッセ一 ジを返信する場合には、 downstreamのリソースの空き情報し力得られな 、可能性が ある。よって、双方向の空きリソースの情報が必要な場合は、プロキシ 68から QUER
Yメッセージを受け取った CN60力 RESPONSEメッセージを MN10に返すと同時 に、別の QUERYメッセージをプロキシ 68に送信する必要も考えられる。また、 NSIS の他の機能と組み合わせることにより、一度の QUERY及び RESPONSEメッセージ の送受信で、双方向のリソースの空き情報を得ることができる可能性もある。
[0100] なお、プロキシ 68が図 9のメッセージ処理手段 684によって得た CRNの情報(メッ セージ Cに含まれる CRNの情報)又はメッセージ処理手段 683によって得た CRNの 情報 (MN10から送信されたメッセージ Aに含まれる CRNの情報)を処理する方法、 及び、 CN60が図 11のメッセージ処理手段 603によって得た CRNの情報(メッセ一 ジ Bに含まれる CRNの情報)を処理する方法は、前述以外の方法も考えられる。これ らの方法を、図 17及び図 18を参照しながら説明する。
[0101] 図 17は、本発明の実施の形態において、メッセージ Cの受信後又はメッセージ Aの 受信後における処理方法を実現するプロキシの構成を示すブロック図である。なお、 図 9に示すプロキシ 68と同様に、図 17に示すプロキシ 68が有する各機能はハードウ エア及び Z又はソフトウェアによって実現可能である。また、図 17における受信手段 6811、送信手段 6812、メッセージ処理手段 6813、 6814、メッセージ生成手段 681 5、 6816、 6817、及び経路情報格納手段 6818は、図 9における受信手段 681、送 信手段 682、メッセージ処理手段 683、 684、メッセージ生成手段 685、 686、 687、 及び経路情報格納手段 688にそれぞれ等しい機能を持つので、ここでの説明は省 略する。
[0102] 図 17のメッセージ生成手段 6819は、 QoS経路生成を、別のノードに依頼するため のメッセージ (メッセージ Eとする)を生成し、送信手段 6812に渡す機能を有している 。メッセージ Eの送信先としては、例えば、メッセージ処理手段 6814のメッセージ Bに 係る処理によって特定された CRN又はメッセージ Aに含まれる CRNが考えられる。こ の場合、メッセージ Eには、 CRNが QoS経路を生成するのに必要な情報 (例えば、 妥当性が確認された MN10の NCoAや、 CN60の IPアドレスなど)が含まれる。プロ キシ 68が送信したメッセージ Eを受け取った CRNは、例えば、 RESERVEメッセ一 ジを CN60及びプロキシ 68の両方に送信することによって、 CRNから CN60の間で は QoS経路の更新が行われ、 CRNからプロキシ 68の間では QoS経路の新規生成
が行われるようにすることが可能である。
[0103] また、図 18は、本発明の実施の形態において、メッセージ Bの受信後における別の 処理方法を実現する CNの構成を示すブロック図である。なお、図 11に示す CN60と 同様に、図 18に示す CN60が有する各機能はハードウェア及び Z又はソフトウェア によって実現可能である。また、図 18における受信手段 6011、送信手段 6012、メッ セージ処理手段 6013、メッセージ生成手段 6014、及び経路情報格納手段 6015は 、図 11における受信手段 601、送信手段 602、メッセージ処理手段 603、メッセージ 生成手段 604、及び経路情報格納手段 605にそれぞれ等しい機能を持つので、ここ での説明は省略する。
[0104] 図 18のメッセージ生成手段 6016は、 QoS経路生成を、別のノードに依頼するため のメッセージ (メッセージ Eとする)を生成し、送信手段 6012に渡す機能を有している 。メッセージ Eの送信先としては、例えば、メッセージ処理手段 6013のメッセージ Bに 係る処理によって特定された CRNが考えられる。この場合、メッセージ Eには、 CRN 力 SQoS経路を生成するのに必要な情報 (例えば、妥当性が確認された、前述の方法 によって取得された MN10の NCoAや、メッセージ Bの送信元であるプロキシ 68の I Pアドレスなど)が含まれる。メッセージ Eを受け取った CRNは、例えば、 RESERVE メッセージを CN60及びプロキシ 68の両方に送信することによって、 CRNから CN60 の間では QoS経路の更新が行われ、 CRNからプロキシ 68の間では QoS経路の新 規生成が行われるようにすることが可能である。
[0105] 次に、プロキシ 68が、メッセージ Cの受信によって特定された CRN又はメッセージ Aの受信によって特定された CRNに、 QoS経路の生成の依頼を行う際の動作につ いて説明する。なお、ここでは、双方向データ通信であって、双方向の経路が等しい 場合を仮定するが、 upstream側又は downstream側のどちらか一方のみの場合、ある いは、双方向データ通信で、双方向の経路力 Upstream側と downstream側とで異なる 場合においても、後述する方法と同様の方法を upstream用経路、又は双方向経路に 別々に用いることによって、 QoS経路生成依頼が行われるようにすることが可能であ る。
[0106] 図 19には、本発明の実施の形態において、 MN10から、 NCoAを含むメッセージ(
メッセージ A)を受け取ったプロキシ 68が、 CN60とのメッセージ (メッセージ B及びメ ッセージ C)のやり取りで特定された downstream用 CRN宛てに、新しい QoS経路の 作成を依頼する動作例を示すシーケンスチャートが図示されている。なお、図 19〖こ 示すシーケンスチャートは、図 1に示すネットワークシステムにおいて、 MN10によつ て、プロキシ 68がプロキシの 1つに選ばれている場合のものである。また、図 19のス テツプ S 1903と、ステップ S 1904の間には、図 13のステップ S 1306力らステップ S1 312、及び図 14のステップ S 1313からステップ S 1320と同様の処理が行われるが、 ここでは省略されている。
[0107] プロキシ 68は、 MN10から受け取ったメッセージ Aの情報を基にメッセージ Bを生 成する。ここでは双方向通信を考えているので、プロキシ 68は、メッセージ Bで upstre am、返信メッセージ(メッセージ C)で downstreamの情報を、途中のルータから得られ るようにパラメータをセットし、さらにメッセージ Aによって送られてきたフロー識別子、 セッション識別子をメッセージ Bにセット (メッセージ Bの送信準備)して (ステップ S 19 01)、 CN60にメッセージ Bを送信する(ステップ S1903)。なお、このとき、プロキシ 6 8は、フロー識別子の情報より、 CN60のアドレスを得る必要がある。また、プロキシ 6 8は、ステップ S1901におけるメッセージ Bの送信準備と共に、メッセージ Aに含まれ て!、る MN10の NCoAの妥当性のチェックを行う(ステップ S 1902)。
[0108] そして、ステップ S 1903で送信したメッセージ Bの返信メッセージであるメッセージ C を受け取ったプロキシ 68は、メッセージ Cを参照することによって、 upstream用及び do wnstream用のCRNの情報を得る(ステップS1904)。プロキシ 68は、これらの CRN が新 、QoS経路を確立するために必要な情報をメッセージ Eにセットし (ステップ S 1905)、ステップ S1904によって得られた upstream用及び downstream用 CRNのそ れぞれに対して、メッセージ Eを送信する(ステップ S 1906及びステップ S 1907)。こ こでは、 upstream用 CRN及び downstream用 CRNが共に QNE65となる力 ステップ S 1904で取得した upstream用 CRN及び downstream用 CRNのインタフェースァドレ スがそれぞれ異なっていることも考えられるため(QNE65内の別々のインタフェース アドレスが、 upstream用 CRN及び downstream用 CRNとしてステップ S 1904で取得さ れる)、メッセージ Eは upstream用及び downstream用それぞれ別々に送信されている
。なお、 CRNが新しい QoS経路を確立するために必要な情報としては、例えば、新 L ヽ QoS経路で使われるフロー識別子などが考えられる。この新し ヽフロー識別子は 、ステップ S1902で妥当性が確認された MN10の NCoAを基に生成されることが可 能である。また、このほかに、さらに、 CRNが新しい QoS経路を確立するために必要 な情報は、 CN60の IPアドレスやセッション識別子なども考えられる。
[0109] メッセージ Eを受け取った QNE65は、 CN60宛てに QoS経路を更新するための R ESERVEメッセージを送信し (ステップ S 1908)、また、プロキシ 68宛てに QoS経路 を新規で生成するための RESERVEメッセージを送信する(ステップ 1909)。なお、 ここでは、ステップ S1908により、 upstream用及び downstream用の両方の QoS経路 が更新され、ステップ S 1909により、 upstream用及び downstream用の両方の QoS経 路が新規に生成される場合が示されて!/ヽる。
[0110] 一方、図 20には、本発明の実施の形態において、 MN10から、 CRNの情報及び NCoAを含むメッセージ (メッセージ A)を受け取ったプロキシ 68が、受信した downstr earn用 CRN宛てに、新し ヽ QoS経路の作成を依頼する動作例を示すシーケンスチヤ ートが図示されている。なお、図 20に示すシーケンスチャートは、図 1に示すネットヮ ークシステムにおいて、 MN10によって、プロキシ 68がプロキシの 1つに選ばれてい る場合のものである。
[0111] プロキシ 68は、 MN10から受け取ったメッセージ Aの情報を基に、メッセージ Aに 含まれている MN10の NCoAの妥当性のチェックを行う(ステップ S2001)。そして、 プロキシ 68は、 upstream用及び downstream用の CRNが新し!/ヽ QoS経路を確立する ために必要な情報をメッセージ Eにセットし (ステップ S2002)、ステップ S2001によつ て得られた upstream用及び downstream用 CRNのそれぞれに対して、メッセージ Eを 送信する(ステップ S 2003及びステップ S2004)。ここでは、 upstream用 CRN及び do wnstream用 CRNが共に QNE65となるが、ステップ S 2001で取得した upstream用 C RN及び downstream用 CRNのインタフェースアドレスがそれぞれ異なっていることも 考えられるため(QNE65内の別々のインタフェースアドレスが、 upstream用 CRN及 び downstream用 CRNとしてステップ S2001で取得される)、メッセージ Eは upstream 用及び downstream用それぞれ別々に送信されている。なお、 CRNが新しい QoS経
路を確立するために必要な情報としては、例えば、新しい QoS経路で使われるフロ 一識別子などが考えられる。この新しいフロー識別子は、ステップ S 2001で妥当性が 確認された MN10の NCoAを基に生成されることが可能である。また、このほかに、 さらに、 CRNが新しい QoS経路を確立するために必要な情報は、 CN60の IPァドレ スゃセッション識別子なども考えられる。
[0112] メッセージ Eを受け取った QNE65は、 CN60宛てに QoS経路を更新するための R ESERVEメッセージを送信し (ステップ S 2005)、また、プロキシ 68宛てに QoS経路 を新規で生成するための RESERVEメッセージを送信する(ステップ 2006)。なお、 ここでは、ステップ S2005により、 upstream用及び downstream用の両方の QoS経路 が更新され、ステップ S2006により、 upstream用及び downstream用の両方の QoS経 路が新規に生成される場合が示されて!/ヽる。
[0113] また、 CN60力 Upstream用 CRNの情報を取得した後に、 upstream用 CRNに対して 新 、QoS経路を生成する依頼をする場合にも、同様の方法を用いることが可能で ある。この場合には、図 18に図示されている CN60力 Upstream用 CRNの情報と、 M N10の妥当な NCoAを取得した後、 upstream用 CRNに対して、メッセージ Eを送信 する。なお、この場合には、メッセージ Eにプロキシ 68の IPアドレスの情報を含めるこ とも可能である。
[0114] また、図 2に示される MN10のプロキシ決定手段 105において、 MN10はプロキシ として CN60を選ぶことも可能である。また、 CN60は、図 9に示されるプロキシ 68と 同様の機能を、図 11に示される CN60の機能と併せて持つことも可能であり、プロキ シ 68は、図 11に示される CN60の機能と同様の機能を、図 9に示されるプロキシ 68 の機能と併せて持つことも可能である。この場合、 MN10からメッセージ Aを受け取つ た CN60が、プロキシ 68との間でメッセージ B及びメッセージ Cを送受信することによ り CRNの情報を得ること、又はメッセージ Aに CRNの情報が含まれて 、る場合には 即座に CRNの情報を得ることが可能である。
[0115] このように、プロキシ 68として CN60が選択された場合であって、メッセージ Aに CR Nの情報が含まれて 、な 、場合の動作にっ 、て、図 21及び図 22に示すシーケンス チャートを参照しながら説明する。なお、図 21及び図 22に示すシーケンスチャートに
は、メッセージ Aに CRNの情報が含まれて!/、な!/、場合の一連の動作が示されており 、図 21及び図 22のシーケンスチャートに図示されているステップ S2112は同一の処 理である。また、図 21及び図 22に示すシーケンスチャートは、図 1に示すネットワーク システムにおいて、 MN10の移動先サブネットワークの候補として、サブネット 30が 選ばれている場合のものであり、ここでは、 CN60が CRNの情報を得た後に、 MN1 0に対して、その情報を返すようにしている場合が示されている。一方、図 23に示す シーケンスチャートには、メッセージ Aに CRNの情報が含まれている場合の一連の動 作が示されている。また、図 23に示すシーケンスチャートは、図 1に示すネットワーク システムにおいて、 MN10の移動先サブネットワークの候補として、サブネット 30が 選ばれて 、る場合のものが示されて 、る。
[0116] 図 21において、近隣の L2シグナル到達可能な APから L2情報を受け取った MN1 0は、まず、その情報に基づいて、ハンドオーバを行うことのできるサブネットワークを 決定 (ノ、ンドオーバ先候補を決定)し (ステップ S2101)、その後、 APの L2情報を基 にして、 MN10がそのサブネットワークに移動した際に確立される QoS経路上で、 M N10と隣り合う QNE (図 1においてサブネット 30を移動先とした場合、経路 34上で最 も AR31に近い QNE)を判定する(ステップ S2102)。この判定は、前述の実施の形 態で、 MN10がプロキシを決定する方法と同様の方法を利用することが可能である。
[0117] MN10は、ステップ S2102で判定された QNE (QNE68)の情報をメッセージ Aに セットする(ステップ S2103)。ここでは、特に、ステップ S2102で判定された QNEの 情報の 1つとして、 QNE68の情報力 ツセージ Aにセットされた場合について記述す る。なお、メッセージ Aには、経路 24での upstream用フロー識別子及びセッション識 別子、 downstream用フロー識別子及びセッション識別子、双方向通信であるという情 報もセットされることが可能である。その後、 MN10はこのメッセージ Aを CN60に送 信する (ステップ S2104)。
[0118] CN60は、 MN10から受け取ったメッセージ Aの情報を基にメッセージ Bを生成す る。ここでは双方向通信を考えているので、メッセージ Bで downstream、返信メッセ一 ジ(メッセージ C)で upstreamの情報を、途中のルータから得られるようにパラメータを セットし、フロー識別子、セッション識別子をメッセージ Bにセットして(ステップ S2105
)、 QNE66にメッセージ Bを送信する(ステップ S2106)。なお、メッセージ Bにセット すべきフロー識別子、セッション識別子の情報力 Sメッセージ Aに含まれて 、る場合に は、メッセージ Aに含まれているこれらの情報をメッセージ Bにコピーすることも可能で ある。一方、フロー識別子、セッション識別子の情報力 ツセージ Aに含まれていない 場合においても、 CN60は、 MN10との現在の通信において使用しているフロー識 別子、セッション識別子の情報をメッセージ Bにセットすることが可能である。
[0119] CN60から QNE68への経路上に存在する各 QNE65〜67は、メッセージ Bの内容 を確認し、その中の downstream用フロー識別子及びセッション識別子に対するリソー ス予約が QNE65〜67内に存在するかどうかを確認する。そして、 downstream用フロ 一識別子及びセッション識別子に対するリソース予約が存在する場合には、各 QNE 65〜67は、そのリソース予約が存在するインタフェースの IPアドレスをメッセージ Bに 付加した後に、そのメッセージ Bを QNE68に向けて送る。一方、 downstream用フロ 一識別子及びセッション識別子に対するリソース予約が存在しない場合には、情報 の付加を行わずにメッセージ Bをそのまま転送する。
[0120] なお、 QNE66には、 downstream用フロー識別子及びセッション識別子に対するリ ソース予約が存在しており、そのリソース予約が存在するインタフェースの IPアドレス 力 Sメッセージ Bに付カ卩された後、メッセージ Bは転送される(ステップ S2107、 S2108 )。また、 QNE66と同様に、 QNE65にも、 downstream用フロー識別子及びセッショ ン識別子に対するリソース予約が存在しており、そのリソース予約が存在するインタフ エースの IPアドレス力 Sメッセージ Bに付加された後、メッセージ Bは転送される(ステツ プ S2109、 S2110)。一方、 QNE67には、 downstream用フロー識別子及びセッショ ン識別子に対するリソース予約が存在しな 、ので、情報の付加が行われずにメッセ ージ Bはそのまま転送される(ステップ S 2111、S2112)。
[0121] そして、最終的にメッセージ Bは QNE68に到着し、このメッセージ Bを受け取った Q NE68は、各 QNE65〜67によって付カ卩された情報(各 QNE65〜67によってメッセ ージ Bに付加された情報)をメッセージ Cにセットするとともに、メッセージ Cで upstrea m用経路の情報を収集できるようにパラメータをセットして (ステップ S2113)、 CN60 に向けて送信する(ステップ S 2114)。また、 QNE68から CN60への経路上にある各
QNE65〜67では、メッセージ Cを受信した場合、上述のメッセージ Bに対する処理 と同様の処理が upstream用のメッセージ Cに対して行われる。
[0122] すなわち、 QNE67には、 upstream用フロー識別子及びセッション識別子に対する リソース予約が存在しな 、ので、情報の付カ卩が行われずにメッセージ Cはそのまま転 送される(ステップ S2115、 S2116)。また、 QNE65には、 upstream用フロー識別子 及びセッション識別子に対するリソース予約が存在しており、そのリソース予約が存在 するインタフェースの IPアドレス力 Sメッセージ Cに付加された後、メッセージ Cは転送さ れる(ステップ S2117、 S2118)。また、 QNE65と同様に、 QNE66にも、 upstream用 フロー識別子及びセッション識別子に対するリソース予約が存在しており、そのリソー ス予約が存在するインタフェースの IPアドレスがメッセージ Cに付加された後、メッセ ージ Cは転送される(ステップ S2119、 S2120)。
[0123] このようにしてメッセージ Cを受け取った CN60は、メッセージ Cを参照することによ つて、 upstream用及び downstream用の CRNの情報を特定することが可能となり、 ups tream用及び downstream用の CRNの情報をメッセージ Dにセットして(ステップ S212 1 )、 MN 10にメッセージ Dを送信する(ステップ S 2122)。
[0124] 一方、プロキシ 68として CN60が選択された場合であって、メッセージ Aに CRNの 情報が含まれている場合の動作について図 23に示すシーケンスチャートを参照しな 力 説明する。図 23において、近隣の L2シグナル到達可能な AP力も L2情報を受 け取った MN10は、まず、その情報に基づいて、ハンドオーバを行うことのできるサ ブネットワークを決定 (ノヽンドオーバ先候補を決定)し (ステップ S2301)、その後、 AP の L2情報を基にして、 MN10がそのサブネットワークに移動した際に確立される Qo S経路上で、 MN10と隣り合う QNE (図 1においてサブネット 30を移動先とした場合、 経路 34上で最も AR31に近い QNE)を判定する(ステップ S2302)。この判定は、前 述の実施の形態で、 MN10がプロキシを決定する方法と同様の方法を利用すること が可能である。
[0125] MN10は、ステップ S2302で判定された QNE (QNE68)の情報及び前述のように 発見された CRNの情報をメッセージ Aにセットする(ステップ S2303)。ここでは、特 に、ステップ S2302で判定された QNEの情報の 1つとして、 QNE68の情報力メッセ
ージ Aにセットされた場合について記述する。なお、メッセージ Aには、経路 24での u pstream用フロー識別子及びセッション識別子、 downstream用フロー識別子及びセッ シヨン識別子、双方向通信であるという情報もセットされることが可能である。その後、 MN10はこのメッセージ Aを CN60に送信する(ステップ S2304)。 CN60は、 MN1 0から受け取ったメッセージ Aに含まれる CRNの情報などを基に QoS経路を確立す るための処理に移る(ステップ S2305)。
[0126] なお、前述の MN10の機能で説明した通り、 CN60は CRNの情報を集めた後に、 MN10に CRNの情報を送る以外にも、様々な手段を取ることができる。また、ここで は、データが双方向通信であり、双方向のデータが同じ経路を通ると仮定したが、双 方向のデータが違う経路を通る場合においても、前述する方法と同様の方法を用い ることによって、双方向通信のそれぞれにおける CRNを決定することができる。
[0127] なお、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には 集積回路である LSI (Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に 1チ ップィ匕されてもよいし、一部又はすベてを含むように 1チップ化されてもよい。なお、こ こでは、 LSIとしたが、集積度の違いにより、 IC (Integrated Circuit)、システム LSI、ス 一パー LSI、ウノレ卜ラ LSIと呼称されることもある。
[0128] また、集積回路化の手法は LSIに限るものではなぐ専用回路又は汎用プロセッサ で実現してもよい。 LSI製造後に、プログラムすることが可能な FPGA (Field Program mable Gate Array)や、 LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィ ギュラブノレ ·プロセッサを利用してもよ 、。
[0129] さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により LSIに置き換わる集積回 路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積ィ匕を行って もよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
[0130] なお、本明細書に記述されている送信先という表現、例えば CN60宛てに送信する t 、う表現は、必ずしも IPヘッダの送信先アドレスに CN60のアドレスを指定して送信 するという意味ではなぐ最終的にメッセージを受け取る相手力 SCN60であるという意 味である。
産業上の利用可能性
本発明に係るクロスオーバノード検出方法及びこの方法をコンピュータにより実行 するためのクロスォーノ ノード検出用プログラムは、ハンドオーバを行う移動端末が、 ハンドオーバ後においても、ハンドオーバ前に受けていた付加的サービスを迅速、か つ継続して受けられるよう、 CRNを素早く見つけ出すことを可能とさせるため、無線 通信を行う移動端末 (モバイルノード)のハンドオーバによるクロスォーノ ノード検出 方法及びこの方法をコンピュータにより実行するためのクロスオーバノード検出用プ ログラムに関し、特に、次世代インターネットプロトコルであるモパイル IPv6プロトコル を利用した無線通信を行うモパイルノードにおけるハンドオーバによるクロスオーバノ ード検出方法及びこの方法をコンピュータにより実行するためのクロスオーバノード 検出用プログラムなどに有用である。