明 細 書
撮像装置
技術分野
[0001] 本発明は、携帯機器、車載、医療、監視、ロボットなどの用途に用いられる、複数の 光学系により画像を撮像する複眼方式の撮像装置に関する。
背景技術
[0002] 近年、撮像装置には、高画素化に加えて小型化に対する要求が強くなつてきてい る。小型化するためには、光学レンズの大きさや焦点距離、撮像素子の大きさが障害 となることが多い。
[0003] 一般的に、光の波長が異なれば材料の屈折率が異なるため、焦点距離も異なる。
従って、全波長の光の情報が含まれる被写体像を単レンズで撮像面に結像すること はできない。その為、通常の撮像装置の光学系では、赤、緑、青の各波長の光を同 一の撮像面に結像するため、光軸方向に複数の光学レンズが配置されている。従つ て、光学長が長くなり、撮像装置が厚くなる。
[0004] そこで、撮像装置の小型化、特に薄型化に有効な技術として、焦点距離が短!、複 数の単レンズを略同一平面上に配置した複眼方式の撮像装置が提案されている (た とえば、特許文献 1参照)。複眼方式のカラー画像撮像装置では、青色の波長の光 を結像させるレンズと、緑色の波長の光を結像させるレンズと、赤色の波長の光を結 像させるレンズとが同一平面上に並べられ、それぞれのレンズの光軸上に撮像素子 の撮像面が配置されている。各レンズが受け持つ光の波長域が狭く限定されるため 、各レンズの焦点距離を同一にすることにより、複数の単レンズを用いて複数の被写 体像を同一平面上に配置された複数の撮像面に結像することが可能となる。従って 、撮像装置の厚みを大幅に小さく出来る。
[0005] 図 16に複眼方式の撮像装置の一例の斜視図を示す。 500はレンズアレイであり、 一体成型された 4つのレンズ 501a、 501b, 501c, 501dを備える。レンズ 501aは、 赤色の波長の光を結像させるレンズであり、赤色の波長分離フィルタ (カラーフィルタ )が撮像面に貼り付けられた撮像素子の撮像領域 502aに被写体像を結像させる。レ
ンズ 501b, 501dは、緑色の波長の光を結像させるレンズであり、緑色の波長分離フ ィルタ (カラーフィルタ)が撮像面に貼り付けられた撮像素子の撮像領域 502b、 502d に被写体像を結像させる。レンズ 501cは、青色の波長の光を結像させるレンズであ り、青色の波長分離フィルタ (カラーフィルタ)が撮像面に貼り付けられた撮像素子の 撮像領域 502dに被写体像を結像させる。撮像素子は、各撮像領域 502a〜502dに 結像された被写体像の光強度を画像データに変換して出力する。これらの画像デー タを重ね合わせて合成することによりカラー画像を取得することができる。なお、レン ズの個数は 4個に限定する必要はない。
[0006] このように複眼方式の撮像装置によれば撮像装置を薄くすることができるが、べィャ 一配列されたカラーフィルタを備えた一般的な単眼方式の撮像装置に比べて解像度 が劣るという問題がある。その理由を以下に説明する。
[0007] この単眼方式の撮像装置では、撮像素子の各画素が所定の色情報を取り出すこと ができるように、多数の画素の入射面にカラーフィルタがべィヤー配列で設けられて いる。即ち、縦横方向に配置された多数の画素の配置に対応して、緑色光を透過さ せるカラーフィルタが巿松模様に配置され、残りの画素に、赤色光を透過させるカラ 一フィルタおよび青色光を透過させるカラーフィルタが交互に配置されて 、る。このよ うなカラーフィルタの配列は一般にべィヤー配列と呼ばれる。撮像素子の各画素から は、カラーフィルタを透過した光の波長域の色情報のみが得られ、カラーフィルタを 透過しない光の波長域の色情報を得ることはできない。しかしながら、画像の局所領 域では 3色の画像情報間に相関性があることが知られており(たとえば、非特許文献 1)、例えば赤や青の画像情報力 緑の画像情報を推測することができる。この特性 を利用して不足している色の画像情報の補完処理が行われる。したがって、撮像素 子の有効画素数と同じ画素数の解像度のカラー画像を得ることができる。たとえば、 有効画素数が 100万画素である撮像素子を用いた場合、 50万個の画素が緑色の画 像情報を検出し、 25万個の画素が青色の画像情報を検出し、 25万個の画素が赤色 の画像情報を検出するが、上記補間処理により、赤、緑、青のいずれの色について も 100万画素の解像度の画像情報を得ることができる。
[0008] 一方、複眼方式の撮像装置では、撮像素子の各色に対応する各撮像領域が赤、
緑、青のいずれかの色の画像情報を取得するため、各撮像領域の画素数と同じ画 素数の解像度を有するカラー画像が得られる。たとえば、赤、緑、青の各色に対応す る撮像領域がいずれも 25万画素を有するためには、撮像素子は合計 100万画素を 有している必要がある力 重ね合わせて得られるカラー画像の解像度は 25万画素と なる。
[0009] 画像の解像度を向上させる方法として、ァクチユエータによりレンズと被写体との相 対的位置を時系列的にずらすことによって、被写体像と撮像素子の画素との相対的 位置関係が相互にずれた複数の画像を取得し、それらを合成することにより、高解像 度画像を得る「画素ずらし」と呼ばれる技術がある(たとえば、特許文献 2)。この画素 ずらし技術におけるずらし量は、ずらす方向と取得する画像の数により最適な値が決 まる。たとえば、 2つの画像を合成する場合は、被写体像と画素との相対的位置関係 が画素の配置ピッチ(以下、「画素ピッチ」と 、う)の半分だけ 2つの画像間でずれて いると、もっとも高解像度の画像を得ることができる。画素ずらし技術は、レンズにより 結像された被写体像と撮像素子の画素との相対的位置関係が互いにずれた複数の 画像が得られれば利用可能であり、複眼方式の撮影装置にも適用可能である。但し 、レンズと被写体との相対的位置を時系列的にずらすことにより行う画素ずらし技術 は、被写体像が静止している場合には有効であるが、静止していない場合はレンズと 被写体との相対的位置を時系列的にずらすことに起因して撮影タイミングがずれるた め、高解像度画像を得ることは難しい。
[0010] また、例えば特許文献 3には、複数のレンズで複数の被写体像を複数の撮像領域 上にそれぞれ結像させる複眼方式の撮像装置において、所定距離にある被写体の 被写体像がレンズの光軸を結ぶ方向に所定量ずれて結像された画素ずらしが実現 されるように、撮像素子の画素に対して複数のレンズの各光軸を位置決めをすること により、高解像度の合成画像を取得する方法が提案されている。この方式は、被写 体と撮像装置との距離が一定であれば、被写体像が静止して!/ヽなくても高解像度画 像を得ることが可能である。
特許文献 1:特開 2002— 204462号公報
特許文献 2:特開平 10— 304235号公報
特許文献 3:特開 2002— 209226号公報
非特許文献 1 :小寺宏曄、他 2名、「色信号の相関を利用した単色画像からのフル力 ラー画像の表示方式」、昭和 63年度画像電子学会全国大会予稿 20、 p. 83 - 86 (1 988)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] し力しながら、特許文献 3に記載の方法には 2つの課題がある。
[0012] 第 1に、被写体と撮像装置との距離が所定値でない場合、もしくは温度変化等によ り複数のレンズの光軸間隔が変わった場合に、画素ずらしのずれ量が変化するため
、高解像度画像を得ることはできないという課題がある。以下、この第 1の課題につい て詳細に説明する。
[0013] 画素ずらし技術により確実に高解像度画像を得るためには、合成される複数の画 像間にお 、て、被写体像と画素との相対的位置関係が常にずれて 、る必要がある。 図 17A及び図 17Bは、複眼方式の撮像装置において、被写体と、光軸が異なる 2つ のレンズと、この 2つのレンズで結像された 2つの被写体像との位置関係を示した図 であり、図 17Aは 2つのレンズの光軸を含む平面における断面図、図 17Bは、撮像 素子の撮像面を光軸と平行な方向から見た平面図である。 600a, 600bはレンズ 60 la、 601bの光軸であり、 602a、 602bは光軸 600a、 600b力 象素子の撮像領域 6 03と交わる位置である。 605a、 605bは、光軸 600a上にある被写体 604の、レンズ 6 Ola, 601bによって結像された被写体像である。複眼方式の撮像装置においては 複数のレンズの光軸が互いに異なるため、撮像装置力 被写体までの距離に応じて 、撮像領域 603上での被写体像 605bの位置は、レンズの光軸 600a、 600bを結ぶ 方向(図中の一点鎖線 610の方向)に移動する。この現象は「視差」と呼ばれ、レンズ 光軸 600bと撮像領域 603とが交わる位置 602bから被写体像 605bまでのずれ量 S は、レンズ 601aから被写体 604までの距離(以下、「被写体距離」という)を A、レンズ 601a, 601bの光軸 600a, 600b間の距離を d、レンズ 601a, 601b力も撮像領域 6 03までの距離を fとすると、(数 1)で表される。
[0014] [数 1]
„ f x d
S =
A
[0015] このように、レンズの光軸 600a、 600bを結ぶ一点鎖線 610の方向における被写体 像 605bと撮像領域 603の画素との相対的位置関係は、被写体距離 Aによって変化 する。したがって、特許文献 3のように、 2つのレンズの光軸を結ぶ方向における被写 体像のずれ量が所定値となるように予め設定した場合には、レンズから被写体までの 距離 Aによってずれ量 Sが変わるため、被写体距離によっては常に高解像度の合成 画像を得られるとは限らない。また、温度変化によりレンズの光軸間の距離 dが変化し た場合も、同様にずれ量 Sが変化するため、常に高解像度の合成画像を得られると は限らない。
[0016] 第 2に、画素ずらしのずれ量が所定量になるように光学系を設定したとしても、レン ズ成型誤差、実装誤差、被写体距離、温度などに起因して、図 18に示すように、異 なる撮像領域間で被写体像のずれ量が画素ピッチの 0. 5倍 (以下「0. 5画素」という )とならない場合が多いという課題がある。図 18において、 502aは赤色光を受光する 撮像領域、 502bは緑色光を受光する撮像領域、 502cは青色光を受光する撮像領 域、 502dは緑色光を受光する撮像領域、 702a、 702b, 702c, 702dは各撮像領 域 502a, 502b, 502c, 502dを構成する画素、 701a, 701b, 701c, 701dは各撮 像領域 502a, 502b, 502c, 502dにおける被写体像の位置である。水平方向に並 んだ撮像領域 502cと撮像領域 502bとの間のずれ量は、高解像度の合成画像を得 るためには水平方向に 0. 5画素、垂直方向に 0画素であることが理想的であるが、図 18では水平方向に 0. 6画素、垂直方向に 0. 1画素となっている。また、垂直方向に 並んだ撮像領域 502aと撮像領域 502bとのずれ量は、高解像度の合成画像を得る ためには水平方向に 0画素、垂直方向に 0. 5画素であることが理想的である力 図 1 8では水平方向に 0. 1画素、垂直方向に 0. 4画素となっている。また、撮像領域 502 dと撮像領域 502bとのずれ量は、高解像度の合成画像を得るためには水平方向に 0 . 5画素、垂直方向に 0. 5画素であることが理想的である力 図 18では水平方向に 0 . 5画素、垂直方向に 0. 5画素となっている。複数の撮像領域の画素と複数の被写 体像との位置関係が図 18の場合において、複数の撮像領域から得た複数の画像を
画素ずらし技術を用いて合成した場合にどのような画像が得られるかを図 19A〜図 1 9Dを用いて説明する。
[0017] 図 19Aは、白地に垂直方向に延びた 3本の黒線 (被写体)を撮像した場合におい て、撮像領域 502bに結像された被写体像を示した図である。図 19Bは、複数の撮像 領域の画素と複数の被写体像とが図 18の位置関係を有している場合において、複 数の撮像領域 502a, 502b, 502c, 502dから得た複数の画像を画素ずらし技術を 用いて合成して得た合成画像を示した図である。図 19Cは、複数の撮像領域と複数 の被写体像とが理想的な位置ずれ関係を有して ヽる場合にぉ ヽて、複数の撮像領 域 502a, 502b, 502c, 502dから得た複数の画像を画素ずらし技術を用いて合成 して得た合成画像を示した図である。図 19Dは、図 18の撮像領域 502bから得た画 像を示した図である。図 19A〜図 19Dでは、濃淡を線の密度で表現しており、濃い 色ほど線の密度を高くし、薄い色ほど線の密度を低くして表現している。複数の撮像 領域に対する複数の被写体像のずれ量が理想値から外れた場合に得られる図 19B に示す合成画像は、複数の画像を合成する前の図 19Dに示す画像に比べて 3本の 黒線の識別は容易であり解像度は向上しているが、複数の撮像領域に対する複数 の被写体像のずれ量が理想値である場合に得られる図 19Cに示す合成画像に比べ て色むらが目立っている。
[0018] 本発明は、上記の従来の課題を解決し、被写体距離によらず常に高解像度且つ高 画質の画像を得ることができる薄型の複眼方式の撮像装置を提供することを目的と する。
課題を解決するための手段
[0019] 本発明の撮像装置は、同一平面上に配置された複数のレンズと、前記複数のレン ズによる複数の被写体像をそれぞれ受光する複数の撮像領域とを有する。前記複数 の撮像領域のそれぞれにおける画素配置の垂直ラインの方向及び水平ラインの方 向が前記複数の撮像領域間で互 ヽに同一である。
[0020] 本発明の第 1の撮像装置では、前記複数の撮像領域のうち、前記垂直ラインの方 向に視差を有する少なくとも一対の撮像領域に受光される少なくとも一対の被写体 像力 前記水平ラインの方向に互いに所定量ずれて 、ることを特徴とする。
[0021] 本発明の第 2の撮像装置では、前記複数の撮像領域のうち、前記水平ラインの方 向に視差を有する少なくとも一対の撮像領域に受光される少なくとも一対の被写体 像力 前記複垂直ラインの方向に互いに所定量ずれて 、ることを特徴とする。
発明の効果
[0022] 本発明によれば、薄型で、高解像度且つ高画質の画像を得ることができる複眼方 式の撮像装置を実現することができる。
図面の簡単な説明
[0023] [図 1]図 1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の概略構成図である。
[図 2]図 2は、図 1の II— II線に沿った、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の撮 像部の矢視断面図である。
[図 3]図 3は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、視差が発生する原 理を説明するための図である。
[図 4]図 4は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、視差補正の原理を 説明する図である。
[図 5]図 5は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、視差補正の方法を 説明する図である。
[図 6A]図 6Aは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、画像の合成方法 の一例を説明する図である。
[図 6B]図 6Bは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、画像の合成方法 の別の例を説明する図である。
[図 7A]図 7Aは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、 1つの撮像領域 から得られる m X nの画素数を有する画像を示した図である。
[図 7B]図 7Bは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、画像合成により 得られた 2 'm X 2 ·ηの画素数を有する高解像度画像を示した図である。
[図 8]図 8は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、合成されたカラー画 像を示した図である。
[図 9]図 9は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、撮像領域における 被写体像及び光軸の位置を示した部分拡大図である。
[図 10A]図 10Aは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、 1つの撮像領 域に結像された被写体像を示した図である。
[図 10B]図 10Bは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、 1つの撮像領 域から得られた画像の画素配列を垂直方向に反転して得られた画像を示した図であ る。
圆 10C]図 10Cは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、高解像度の力 ラー合成画像を示した図である。
[図 10D]図 10Dは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、画像のエッジ 方向に応じた画像合成を行って得られた高解像度のカラー合成画像を示した図であ る。
[図 11]図 11は、濃淡が変化する被写体を示した図である。
[図 12]図 12は、被写体距離が変化しない、本発明の別の実施の形態に係る撮像装 置の概略構成図である。
圆 13A]図 13Aは、本発明の別の実施の形態に係る撮像装置の撮像部の概略構成 図である。
[図 13B]図 13Bは、本発明の更に別の実施の形態に係る撮像装置の撮像部の概略 構成図である。
[図 14A]図 14Aは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、 2つの撮像領 域上の 2つの被写体像が水平方向に 0. 5画素ずれている場合に、合成画像におい て 2つの被写体像を構成する画素の水平方向の位置関係を示した図である。
[図 14B]図 14Bは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、 2つの撮像領 域上の 2つの被写体像が水平方向に α画素(0. 5く《< 1)ずれている場合に、合 成画像において 2つの被写体像を構成する画素の水平方向の位置関係の一例を示 した図である。
[図 14C]図 14Cは、本発明の一実施の形態に係る撮像装置において、 2つの撮像領 域上の 2つの被写体像が水平方向に α画素(0. 5く《< 1)ずれている場合に、合 成画像において 2つの被写体像を構成する画素の水平方向の位置関係の別の例を 示した図である。
[図 15]図 15は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の画像処理部が行う処理を 示したフローチャートである。
[図 16]従来の複眼方式の撮像装置の概略構成を示した図である。
[図 17A]図 17Aは、複眼方式の撮像装置において、複数のレンズと被写体と被写体 像との位置関係を示した断面図である。
[図 17B]図 17Bは、複眼方式の撮像装置において、複数のレンズの光軸と被写体像 との位置関係を示した平面図である。
[図 18]図 18は、従来の複眼方式の撮像装置において、複数のレンズの光軸の位置 と複数の撮像領域との関係を示した平面図である。
[図 19A]図 19Aは、従来の複眼方式の撮像装置において、 1つの撮像領域に結像さ れた被写体像を示した図である。
[図 19B]図 19Bは、従来の複眼方式の撮像装置において、複数の撮像領域と複数の 被写体像とが図 18に示す位置関係を有している場合において、画素ずらし技術を 用いて複数の画像を合成して得た合成画像を示した図である。
[図 19C]図 19Cは、従来の複眼方式の撮像装置において、複数の撮像領域と複数 の被写体像とが理想的な位置ずれ関係を有して ヽる場合にお!ヽて、画素ずらし技術 を用いて複数の画像を合成して得た合成画像を示した図である。
[図 19D]図 19Dは、従来の複眼方式の撮像装置において、 1つの撮像領域が撮像し た画像を示した図である。
発明を実施するための最良の形態
[0024] 本発明の第 1の撮像装置では、前記複数の撮像領域のうち、前記垂直ラインの方 向に視差を有する少なくとも一対の撮像領域に受光される少なくとも一対の被写体 像力 前記水平ラインの方向に互いに所定量ずれている。これにより、垂直ライン方 向に延びる細線画像がより精細に見えるなど、水平ライン方向の解像度を被写体距 離によらず常に高解像度化することが可能となる。
[0025] また、本発明の第 2の撮像装置では、前記複数の撮像領域のうち、前記水平ライン の方向に視差を有する少なくとも一対の撮像領域に受光される少なくとも一対の被写 体像が、前記複垂直ラインの方向に互いに所定量ずれている。これにより、水平ライ
ン方向に延びる細線画像がより精細に見えるなど、垂直ライン方向の解像度を被写 体距離によらず常に高解像度化することが可能となる。
[0026] 本発明の上記第 1及び第 2の撮像装置において、前記所定量が、前記所定量のず れ方向における前記複数の撮像領域の画素ピッチの 0. 25倍力も 0. 75倍の範囲で あることが好ましい。これにより、水平ライン方向もしくは垂直ライン方向の解像度を被 写体距離によらず常に高解像度化することが可能となる。なお、本発明において、「 前記所定量のずれ方向」を「画素ずらし方向」と呼ぶ。
[0027] 本発明の上記第 1及び第 2の撮像装置において、前記複数のレンズと前記複数の 撮像領域との間に複数のカラーフィルタが設けられていることが好ましい。これにより 、薄型でカラー画像の撮影が可能な撮像装置を実現できる。
[0028] この場合において、前記複数のカラーフィルタのうち、少なくとも 2つが同一の分光 透過率特性を有することが好ましい。これにより、薄型でカラー画像の撮影が可能で 、更に高精度な被写体像の合成が可能となる。
[0029] 本発明の上記第 1及び第 2の撮像装置は、前記複数の撮像領域からそれぞれ出力 される複数の画像データを処理する画像処理手段をさらに有することが好まし ヽ。こ の場合、前記画像処理手段は、前記複数の画像データを合成して前記複数の画像 データよりも高解像度の合成画像データを作成し出力する画像合成手段を有し、前 記画像合成手段は、前記複数の画像データのうちの少なくとも一つの画像データに 含まれる局所領域でのエッジ方向を検出するエッジ方向検出手段を有することが好 ましい。そして、前記画像合成手段は、前記エッジ方向検出手段が判断したエッジの 方向に基づき前記複数の画像データの合成方法を変更することが好ま ヽ。これに より、前記所定量が、厳密に、前記所定量のずれ方向における前記複数の撮像領域 の画素ピッチの 0. 5倍でない場合であっても、画素ピッチの 0. 25倍以上 0. 75倍以 下であれば、常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の変化の滑らかな画像を出力 することが可能となる。
[0030] この場合、前記エッジ方向検出手段が前記局所領域での前記エッジ方向が前記 垂直ラインの方向と同一と判断したとき、前記画像合成手段は、前記合成画像デー タの前記局所領域では垂直方向に同一の画素信号値を連続して配置することが好
ましい。これにより、前記所定量が、厳密に、前記所定量のずれ方向における前記複 数の撮像領域の画素ピッチの 0. 5倍でない場合であっても、画素ピッチの 0. 25倍 以上 0. 75倍以下であれば、垂直ライン方向に延びたエッジを有する画像領域を常 に高解像度で、色むらを少なく出力することが可能となる。
[0031] あるいは、前記エッジ方向検出手段が前記局所領域での前記エッジ方向が前記垂 直ラインの方向と同一と判断したとき、前記画像合成手段は、前記合成画像データ の前記局所領域では、前記複数の画像データのうち前記水平ラインの方向に互いに ずれた少なくとも 2つの画像データの画素信号値を前記水平ラインの方向に並べて 配置し、且つ、前記垂直ラインの方向に隣り合う 2つの画素間には、前記 2つの画素 の画素信号値の補間値を配置することが好ましい。これにより、前記所定量が、厳密 に、前記所定量のずれ方向における前記複数の撮像領域の画素ピッチの 0. 5倍で ない場合であっても、画素ピッチの 0. 25倍以上 0. 75倍以下であれば、垂直ライン 方向に延びたエッジを有する画像領域を常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の 変化を滑らかに出力することが可能となる。
[0032] また、前記エッジ方向検出手段が前記局所領域での前記エッジ方向が前記水平ラ インの方向と同一と判断したとき、前記画像合成手段は、前記合成画像データの前 記局所領域では水平方向に同一の画素信号値を連続して配置することが好まし 、。 これにより、前記所定量が、厳密に、前記所定量のずれ方向における前記複数の撮 像領域の画素ピッチの 0. 5倍でない場合であっても、画素ピッチの 0. 25倍以上 0. 75倍以下であれば、水平ライン方向に延びたエッジを有する画像領域を常に高解 像度で、色むらを少なく出力することが可能となる。
[0033] あるいは、前記エッジ方向検出手段が前記局所領域での前記エッジ方向が前記水 平ラインの方向と同一と判断したとき、前記画像合成手段は、前記合成画像データ の前記局所領域では、前記複数の画像データのうち前記垂直ラインの方向に互いに ずれた少なくとも 2つの画像データの画素信号値を前記垂直ラインの方向に並べて 配置し、且つ、前記水平ラインの方向に隣り合う 2つの画素間には、前記 2つの画素 の画素信号値の補間値を配置することが好ましい。これにより、前記所定量が、厳密 に、前記所定量のずれ方向における前記複数の撮像領域の画素ピッチの 0. 5倍で
ない場合であっても、画素ピッチの 0. 25倍以上 0. 75倍以下であれば、水平ライン 方向に延びたエッジを有する画像領域を常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の 変化を滑らかに出力することが可能となる。
[0034] また、前記エッジ方向検出手段が前記局所領域での前記エッジ方向が前記垂直ラ インの方向に対して傾斜していると判断したとき、前記画像合成手段は、前記合成画 像データの前記局所領域では前記エッジ方向に同一の画素信号値を連続して配置 することが好ましい。これにより、前記所定量が、厳密に、前記所定量のずれ方向に おける前記複数の撮像領域の画素ピッチの 0. 5倍でない場合であっても、画素ピッ チの 0. 25倍以上 0. 75倍以下であれば、斜め方向に延びたエッジを有する画像領 域を常に高解像度で、色むらを少なく出力することが可能となる。
[0035] あるいは、前記エッジ方向検出手段が前記局所領域での前記エッジ方向が前記垂 直ラインの方向に対して傾斜していると判断したとき、前記画像合成手段は、前記合 成画像データの前記局所領域では、前記複数の画像データのうち前記水平ラインの 方向又は前記垂直ラインの方向に互いにずれた少なくとも 2つの画像データの画素 信号値と、前記エッジ方向に隣り合う 2つの画素の画素信号値の補間値とを配置す ることが好ましい。これにより、前記所定量が、厳密に、前記所定量のずれ方向にお ける前記複数の撮像領域の画素ピッチの 0. 5倍でない場合であっても、画素ピッチ の 0. 25倍以上 0. 75倍以下であれば、斜め方向に延びたエッジを有する画像領域 を常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の変化を滑らかに出力することが可能とな る。
[0036] また、本発明の第 1及び第 2の撮像装置が、前記複数の撮像領域からそれぞれ出 力される複数の画像データを処理する画像処理手段をさらに有することが好ましい。 この場合、前記画像処理手段は、前記複数の画像データを合成して前記複数の画 像データよりも高解像度の合成画像データを作成し出力する画像合成手段を有する ことが好ましい。そして、前記画像合成手段は、前記複数の撮像領域のずれ量に応 じて前記複数の画像データの中から合成に使用する複数の画像データを選択するこ とが好ましい。これにより、前記少なくとも一対の被写体像のずれ量である前記所定 量が被写体距離や温度の変化などにより変化した場合でも、常に適切な画像データ
を選択して合成画像データを出力するので、常に高解像度で、色むらが少なぐ濃 淡の変化の滑らかな画像を出力することが可能となる。
[0037] この場合において、 前記画像合成手段は、前記ずれ量が所定の値に最も近い画 像データを前記複数の画像データの中から選択することが好ましい。これにより、前 記少なくとも一対の被写体像のずれ量である前記所定量が被写体距離や温度の変 化などにより変化した場合でも、常に最適な画像データを選択して合成画像データ を出力するので、常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の変化の滑らかな画像を 出力することが可能となる。
[0038] あるいは、前記画像合成手段は、前記ずれ量が所定の範囲に含まれる画像データ を前記複数の画像データの中から選択することが好ましい。これにより、前記少なくと も一対の被写体像のずれ量である前記所定量が被写体距離や温度の変化などによ り変化した場合でも、常に適切な画像データを選択して合成画像データを出力する ので、常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の変化の滑らかな画像を出力すること が可能となる。
[0039] 前記所定の範囲が、前記所定量のずれ方向における前記複数の撮像領域の画素 ピッチの 0. 25倍力ら 0. 75倍の範囲であることが好ましい。これにより、前記少なくと も一対の被写体像のずれ量である前記所定量が被写体距離や温度の変化などによ り変化した場合でも、常に適切な画像データを選択して合成画像データを出力する ので、常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡の変化の滑らかな画像を出力すること が可能となる。
[0040] 本発明の上記第 1及び第 2の撮像装置が、前記複数の撮像領域からそれぞれ出力 される複数の画像データを処理する画像処理手段をさらに有することが好まし ヽ。こ の場合において、前記画像処理手段は、前記複数の画像データを合成して前記複 数の画像データよりも高解像度の合成画像データを作成し出力する画像合成手段と
、前記合成画像データもしくは前記合成画像データに処理を施した画像データの各 画素の画素信号値をこの画素の近傍の画素の画素信号値に基づき平滑ィヒした平滑 化画像データを出力する平滑フィルタ手段と、前記平滑化画像データもしくは前記 平滑化画像データに処理を施した画像データの各画素の画素信号値をこの画素の
近傍の画素信号値に基づきエッジを強調したエッジ強調化画像データを出力するェ ッジ強調フィルタ手段とを有することが好ましい。これにより、前記画像合成手段から 出力された合成画像データの色むらを低減することが可能となる。
[0041] 以下に、本発明の好適な実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
[0042] 本実施の形態に係る撮像装置は、ほぼ同一平面上に配置された 4つのレンズと、 4 つのレンズに対応して配置された 4つのカラーフィルタと、 4つのレンズによる 4つの被 写体像をそれぞれ受光する 4つの撮像領域とを備え、カラー画像及び Z又は白黒画 像を出力する薄型の複眼方式の撮像装置である。 4つのレンズのうち、 3つは互いに 異なる光学特性を有し、残りの 1つはこれら 3つのうちのいずれか 1つと同一の光学特 性を有している。 4つの撮像領域のそれぞれは、垂直方向及び水平方向に碁盤目状 に配置された多数の画素を有して 、る。 4つの撮像領域のそれぞれの画素が配置さ れた垂直ライン方向及び水平ライン方向が 4つの撮像領域間で互いに一致している 。撮像領域とその撮像領域上に結像される被写体像との相対的位置関係は、撮像 領域間において所定方向に約 0. 5画素ずれている。本実施の形態の撮像装置によ れば、被写体距離や温度変化によらず常に高解像度で、色むらが少なぐ濃淡が滑 らかに変化した画像を得ることができる。また、被写体に含まれる曲線を滑らかな曲 線として表現でき、局所領域での各色の画像情報間の相関性を利用した画像合成 の影響により生じる色むらを低減することができる。
[0043] 図 1に本発明の一実施の形態に係る撮像装置の概略構成を示す。また、図 2は図 1 の II— II線に沿った撮像部 101の断面図である。
[0044] まず、本実施の形態の撮像装置が、レンズ間の視差が補正されたカラー画像を出 力する原理を説明する。
[0045] 図 1において、 101は被写体側力も見た撮像部である。被写体力もの光は、ほぼ同 一平面上に配置された 4枚の単レンズ 102a、 102b, 102c, 102dに入射し、 4枚の 単レンズ 102a、 102b, 102c, 102dは、カラーフィルタ 113a, 113b, 113c, 113d ( 図 2参照。但し、カラーフィルタ 113b, 113dは図示せず。)を介して撮像素子 103の 撮像領域 104a、 104b, 104c, 104d上に被写体像をそれぞれ結像させる。撮像素 子 103としては、例えば 200万画素などの高画素数の撮像素子が使用されるが、図
面を簡単化するため図 1では 825画素の画素数の少な 、撮像素子を示して 、る。図 1において、撮像素子 103内に水平方向(X軸方向)及び垂直方向(Y軸方向)に格 子状に並んでいる各正方形は画素を表す。画素の配列方向のうち、水平方向(X軸 方向)を水平ライン方向、垂直方向 (Y軸方向)を垂直ライン方向と呼ぶ。各正方形( 各画素)内の小さな正方形は受光部を表す。
[0046] 図 2に示すように、撮像素子 103の被写体側にはカラーフィルタ 113a, 113b, 113 c, 113d (カラーフィルタ 113b, 113dは図示せず)力 己置される。単レンズ 102a、 1 02dは、緑色の光線が撮像素子 103の撮像面に結像されるのに適切な焦点距離を 有するように設計されており、単レンズ 102bは赤色の光線が撮像素子 103の撮像面 に結像されるのに適切な焦点距離を有するように設計されており、単レンズ 102cは 青色の光線が撮像素子 103の撮像面に結像されるのに適切な焦点距離を有するよ うに設計されている。撮像素子 103の撮像面の上部には、単レンズ 102a, 102dに 対応する撮像領域 104a, 104dに緑色光を透過させるカラーフィルタ 113a, 113d が配置されており、単レンズ 102bに対応する撮像領域 104bに赤色光を透過させる カラーフィルタ 113bが配置されており、単レンズ 102cに対応する撮像領域 104cに 青色光を透過させるカラーフィルタ 113cが配置されている。これにより、撮像領域 10 4a, 104dには緑の光成分による被写体像が結像され、撮像領域 104bには赤の光 成分による被写体像が結像され、撮像領域 104cには青の光成分による被写体像が 結像される。撮像領域 104a, 104b, 104c, 104dにそれぞれ結像される被写体像 は、被写体距離を A、レンズの光軸間の距離を d、焦点距離を fとすると、(数 1)で算 出される視差量 Sだけ、それぞれ光軸 105a, 105b, 105c, 105dに対してずれて結 像される。
[0047] CCDや CMOSなどの固体撮像素子で構成される撮像素子 103は、撮像素子駆動 回路 112により露光時間や信号の取込み及び転送のタイミングなどが制御されてい る。撮像部 101から出力される各画素での受光量のアナログ信号値は、 AZD変換 器 111によりディジタル信号に変換され、このディジタル信号は画像処理部 106に入 力される。画像処理部 106に入力された撮像領域 104a、 104b, 104c, 104dのディ ジタルイ匕された画像データは、ホワイトバランスやシェーディング補正などの処理をさ
れる。
[0048] 図 3に、単レンズ 102aの光軸 105a上で被写体距離 AOにある被写体の撮像領域 1 04a, 104dに結像される被写体像 114を示す。被写体像 114は、撮像領域 104a上 では光軸 105a上に結像され、撮像領域 104d上では光軸 105aと光軸 105dとを結 ぶ直線 115上であって、光軸 105dから距離 Sxyだけ離れた位置に結像される。
[0049] 光軸 105aと光軸 105dとの X軸方向における距離を dxとすると、撮像領域 104aと 撮像領域 104dとの間での被写体像 114の X軸方向の視差 Sxは (数 2)で表される。
[0050] [数 2]
AO
[0051] 光軸 105aと光軸 105dとの Y軸方向における距離を dyとすると、撮像領域 104aと撮 像領域 104dとの間での被写体像 114の Y軸方向の視差 Syは (数 3)で表される。
[0053] したがって、距離 Sxyは(数 4)で表される。
[0054] 画
SX = 2 +が
[0055] 画像合成部 107は、同色 (緑)の被写体像が形成される撮像領域 104a及び撮像 領域 104dから出力される 2つの画像データを用いて被写体像の相関性を求める演 算を行い視差 Sx及び Syを算出する。画素は、撮像素子 103上の整数座標にしか存 在しないが、線形補間などの補間演算を行うことにより、視差 Sx、 Syの小数点以下 の値をも求めることができる。
[0056] 光軸 105a及び光軸 105d間の X軸方向距離と、光軸 105a及び光軸 105c間の距 離とはほぼ等しいため、算出した視差 Sxを、撮像領域 104aと撮像領域 104cとの間 での被写体像の視差量として用いる。光軸 105a及び光軸 105d間の X軸方向距離と 、光軸 105a及び光軸 105c間の距離との誤差は、無限遠においた被写体 (例えば黒
地に白の点光源)の撮像領域 104a, 104c, 104dにそれぞれ結像される被写体像 の位置を比較するなどして補償する。
[0057] 同様に、光軸 105a及び光軸 105d間の Y軸方向の距離と、光軸 105a及び光軸 10 5b間の距離とはほぼ等しいため、算出した Syを、撮像領域 104aと撮像領域 104bと の間での被写体像の視差量として用いる。光軸 105a及び光軸 105d間の Y軸方向 距離と、光軸 105a及び光軸 105b間の距離との誤差は、上述した X軸方向距離の誤 差の補償方法と同様の方法により補償する。
[0058] 画像合成部 107は、緑の光成分よる被写体像が結像される撮像領域 104aからの 画像に対する、赤の光成分による被写体像が結像される撮像領域 104bからの画像 、及び青の光成分による被写体像が結像される撮像領域 104cからの画像のずれを 、算出した視差 Sx及び Syを用いて補正し、次いで、これら 3つの画像を合成する。か くして、被写体像のカラー画像を得ることができる。
[0059] 次に図 1の撮像装置が被写体距離によらず常に高解像度な画像を出力する原理 について説明する。
[0060] 図 4に単レンズ 102aの光軸 105a上で被写体距離 AOにある被写体の撮像領域 10 4&〜104(1に結像される被写体像114&〜114(1の位置を示す。
[0061] 撮像領域 104aでは被写体像 114aは光軸 105a上に存在する。
[0062] 撮像領域 104cでの光軸 105cの位置は、撮像領域 104aでの光軸 105aの位置に 対して Y軸の負方向に約 0. 5画素ずれている。被写体像 114cは、光軸 105cから X 軸の負方向に (数 2)で求めた視差 Sx離れた位置に結像される。
[0063] 撮像領域 104bでの光軸 105bの位置は、撮像領域 104aでの光軸 105aの位置に 対して X軸の負方向に約 0. 5画素ずれている。被写体像 114bは、光軸 105bから Y 軸の負方向に (数 3)で求めた視差 Sy離れた位置に結像される。
[0064] 撮像素子 103としては、図 4では説明を容易にするため実際より少ない画素数の撮 像素子を示しているが、実際には 200万画素などの高画素数の撮像素子が用いら れる。従って、光軸 105aと光軸 105cとの Y軸方向のずれ量は非常に小さいため、撮 像領域 104cでの被写体像 114cの Y軸方向における視差は無視できる。同様に、光 軸 105aと光軸 105bとの X軸方向のずれ量も非常に小さいため、撮像領域 104bで
の被写体像 114bの X軸方向における視差は無視できる。
[0065] したがって、被写体距離 AOが変化すると、被写体像 114cは、撮像領域 104cにお いて X軸方向に移動する。この時、被写体像 114cは、光軸 105aに対して Y軸方向 に常に約 0. 5画素ずれた状態を保って X軸方向に移動する。
[0066] また、被写体距離 AOが変化すると、被写体像 114bは、撮像領域 104bにお ヽて Y 軸方向に移動する。この時、被写体像 114bは、光軸 105aに対して X軸方向に常に 約 0. 5画素ずれた状態を保って Y軸方向に移動する。
[0067] つまり、撮像領域 104c上の被写体像 114cは、被写体距離によらず撮像領域 104 a上の被写体像 114aに対して常に Y軸の負方向に約 0. 5画素ずれており、撮像領 域 104b上の被写体像 114bは、被写体距離によらず撮像領域 104a上の被写体像 1 14aに対して常に X軸の負方向に約 0. 5画素ずれて!/、る。
[0068] 視差による画像のずれは算出した視差 Sx, Syを用いて以下のようにして行う。図 5 に示すように、撮像領域 104cを X軸方向に Sxだけ補正する。また、撮像領域 104b を Y軸方向に Syだけ補正する。更に、撮像領域 104dを X軸方向に Sx、 Y軸方向に Syだけそれぞれ補正する。なお、各撮像領域の座標値は整数値のみであるので、 補正量 Sx、 Syが小数点以下の値を含む時は四捨五入などの処理を行う。
[0069] 各撮像領域 104a〜104dは m X n (縦 X横)画素を有し、撮像領域 104aの各画素 の座標を a (x、 y)、撮像領域 104bの各画素の座標を b (x、 y)、撮像領域 104cの各 画素の座標を c (x、 y)、撮像領域 104dの各画素の座標を d (x、 y)、但し、 x= l、 2、 • · ·、 m、 y= 1、 2、 · · ·、 nとする。撮像領域 104cの画素 c (x、 y)は、撮像領域 104a の画素 a (x、 y)に対して、 Y軸の正方向に約 0. 5画素だけずれた位置にある被写体 像を受光する。また、撮像領域 104bの画素 b (x、 y)は、撮像領域 104aの画素 a (x、 y)に対して、 X軸の正方向に約 0. 5画素だけずれた位置にある被写体像を受光する 。また、撮像領域 104dの画素 d (x、 y)が受光する被写体像の、撮像領域 104aの画 素 a (x、 y)が受光する被写体像に対する X軸方向及び Y軸方向におけるずれ量は、 被写体距離の変化に応じて変化する。
[0070] したがって、 X軸方向及び Υ軸方向にそれぞれ約 0. 5画素ずつずれた m X nの画 素数を有する画像から、 2 · m X 2 · n (縦 X横)の画素数を有する高解像度の合成画
像 hを作成するためには、図 6Aに示すように、合成画像の座標 h(2'x—l, 2-y-l) には画素 a (x, y)の輝度値を代入し、座標 Μ2·χ—1, 2'y)には画素 c(x, y)の輝 度値を代入し、座標 Μ2·χ, 2'y—l)には画素 b(x, y)の輝度値を代入し、座標 h(2 •X, 2'y)にはその 4近傍の画素の輝度値の平均値を代入する(x=l, 2, ···, m、y =1, 2, ···, n)。ここで、座標 h(2'x, 2'y)にはその 4近傍の画素の輝度値の平均 値ではなぐその近傍の画素の輝度値を用いて他の補間方法により算出した値を代 人してちょい。
[0071] なお、被写体距離によっては、撮像領域 104dの画素 d(x, y)力 撮像領域 104a の画素 a(x, y)に対して、 X軸の正方向に約 0. 5画素、 Y軸の正方向に約 0. 5画素 ずれた被写体像 114を受光している場合がある。この場合は、図 6Bに示すように、合 成画像の座標 Μ2·χ—1, 2'y—l)には画素 a (X, y)の輝度値を代入し、、座標 h( 2 •X— 1, 2'y)には画素 c(x, y)の輝度値を代入し、座標 Μ2·χ, 2'y— 1)には画素 b (X, y)の輝度値を代入し、座標 h(2'x, 2'y)には画素 d(x, y)の輝度値を代入する
[0072] 以上のようにして、 m X nの画素数を有し、且つ互いにずれた撮像領域 104a、 104 b、 104c, 104d力ら得た 4つの画像力ら、 2'111 2'11の画素数を有する合成画像11 を作成することができる。つまり、撮像領域 104a、 104b, 104c, 104dからそれぞれ 得られる図 7Aに示す mXnの画素数を有するの 4つの画像を合成することにより、図 7Bに示す 2 · m X 2 · nの画素数を有する高解像度の画像を得ることができる。
[0073] 被写体が白黒の場合は、上記の方法で高解像度の合成画像を作成することができ る。しかし、被写体がカラーの場合は、赤、緑、青の 3つの合成画像を作成する。赤の 色情報を持つ合成画像を hr、緑の色情報を持つ合成画像を hg、青の合成画像を hb とする。画像の局所領域では赤、緑、青の各画像情報間に相関性があるという特性 を利用して、合成画像 hr, hg, hbを作成する。赤及び緑間の画像情報の相関を表 す行列 c— rg、青及び緑間の画像情報の相関を表す行列 c—bg、青及び赤間の画 像情報の相関を表す行列 c_brを (数 5)で算出する。
[0074] [数 5]
c_ r g ( x、 y ) = b ( x、 y ) / a ( x、 )
c_b g ( x、 y ) = c ( x、 y ) /a ( x、 y )
c_b r ( x、 y ) = c ( x、 y ) /b ( x、 y )
( x = 1、 2、 , ■ -、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■ , n )
[0075] 次に (数 5)で求めた各行列にメディアンフィルタを作用させてノイズを除去し、(数 6
)の丁タ' Ijmedian― c― rg、 median― c― bg、 median― c― brを算出す 。
[0076] 園
m e d i a n一 c― r g =m e d ι a n v c― r g
m e d i a n― c― b g =m e d i a n (c― b g)
m e d i a n― c― b r = m e d i a n ( c― b r )
[0077] 次に (数 6)で求めた各行列に重み係数を用いたローパスフィルタを作用させ、(数 7
)の LPF— c— rg、 LPF— c— bg、 LPF— c— brを算出する。
[0078] [数 7]
L P F— c— r g = I p f (me d i a n— c— r g)
L P F— c一 b g = I p f (m e d i a n― c― b g )
L P F― c― b r = l p f (m e d i a n― c― b r )
[0079] この局所領域での各色の相関を表す LPF— c—rg、 LPF— c— bg、 LPF— c— br を用いて、赤の色情報を持つ合成画像 hr、緑の色情報を持つ合成画像 hg、青の合 成画像 hbを作成する。
[0080] 赤の色情報を持つ合成画像 は (数 8)を用 、て作成する。
[0081] [数 8]
h r (2 · x— 1、 2 - y— 1 ) = a x、
h r (2 - x、 2 ■ y一 1 ) = b ( x、 y )
h r (2 - 1、 2 ■ y ) = c ( x、 y )
h r (2 , χ、 2 ■ y ) : 4近傍の平均値
(x 2、 ■ ■ ■、 m、 y = 1、 2 ■
[0082] 緑の色情報を持つ合成画像 hgは (数 9)を用いて作成する
[0083] [数 9]
h g (2 - x— 1 » 2 ■ y - 1 ) = a (x、 y )
h g (2 · χ、 2 ■ y - 1 ) = b (x、 y ) /L P F一 c— r g (x、 y )
h g (2 · χ— 1、 2■ y ) = c (x、 y) Zl_ P F— c— bg (x、 y )
h g (2 . x、 2 - y) : 4近傍の平均値
(x = 1、 2、 ■ ■ ■、 m、 y = 1 , 2、 ■ ■ ■、 n)
[0084] 青の色情報を持つ合成画像 hbは (数 10)を用いて作成する。
[0085] [数 10] h b (2 - X - 1 2 · y - 1 ) = a (x、 y ) ■ に P F c— b g (x、 y )
h b (2 ' x、 2 ■ y - 1 ) = b (x、 y ) - L P F__c_b r (x、 )
h b ( 2 ■ x - 1 2 ■ y ) = c (x、 y )
h b (2 · χ、 2 - y) : 4近傍の平均値
(x = 1、 2、 ■ ■ .、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■、 n)
[0086] 算出した赤、緑、青の合成画像 hr、 hg、 hbをカラー合成することにより、 2-mX2-n の画素数を有する高解像度なカラー合成画像 h—rgbを得る。なお、撮像素子 103 に結像される被写体像がレンズ 102a〜102dにより反転する特性を考慮し、図 8に示 すようにカラー合成画像 h—rgbの画素配列を Y軸方向に反転する。
[0087] 次に、図 1の撮像装置において、 4つのレンズから投影された 4つの被写体像間の ずれ量が、理想的なずれ量である 0. 5画素力 外れている場合であっても、常に高 解像度で色むらが少ない画像を出力できる原理について説明する。
[0088] 図 1の撮像領域 104a〜104dにおける光軸 105a〜105dのずれ量は、レンズ 102 a〜102dの成型誤差や実装の際の実装誤差などに起因して、各画素ずらし方向に おいて理想的なずれ量である 0. 5画素でない場合が多い。図 9に撮像領域 104a〜 104cにおける被写体像 114a〜114c及び光軸 105a〜105cとこれらの近傍の画素 を拡大して示す。図 9は視差補正処理後の被写体像 114&〜114じと光軸105&〜10 5cとの関係を示している。
[0089] 撮像領域 104cの被写体像 114cは、撮像領域 104aの被写体像 114aに対して Y 軸の負方向に 0. 6画素ずれており、 X軸の負方向に 0. 1画素ずれている。被写体距 離が変化すると、被写体像 114cは、被写体像 114aに対する Y軸方向のずれ量をほ ぼ 0.6画素に保ったまま X軸方向に移動する。この時、被写体像 114cの被写体像 1
14aに対する Y軸方向のずれ量が 0. 25画素力ら 0. 75画素の範囲内であれば、高 解像度の合成画像を得ることができる。撮像領域 104cの被写体像 114cと撮像領域 104aの被写体像 114aとの X軸方向のずれ量が ±0. 5画素の範囲内に入るように視 差補正処理される。
[0090] 撮像領域 104bの被写体像 114bは、撮像領域 104aの被写体像 114aに対して Y 軸の負方向に 0. 1画素ずれており、 X軸の負方向に 0. 6画素ずれている。被写体距 離が変化すると、被写体像 114bは、被写体像 114aに対する X軸方向のずれ量をほ ぼ 0. 6画素に保ったまま Y軸方向に移動する。この時、被写体像 114bの被写体像 1 14aに対する X軸方向のずれ量が 0. 25画素力ら 0. 75画素の範囲内であれば、高 解像度の合成画像を得ることができる。撮像領域 104bの被写体像 114bと撮像領域 104aの被写体像 114aとの Y軸方向のずれ量が ±0. 5画素の範囲内に入るように 視差補正処理される。
[0091] 各被写体像のずれ量が上記の場合において、垂直方向に延びたエッジを持つ被 写体を撮影した時の出力画像について述べる。撮像素子 103上に結像された垂直 方向に延びた三本の太線力もなる被写体像を図 10Aに、撮像領域 104aに取り込ま れた画像の画素配列を Y軸方向に反転して得られた画像を図 10Bに、高解像度の カラー合成画像 h— rgbを図 10Cに示す。図 10A〜図 10Cでは、濃淡を線の密度で 表現しており、濃い色ほど線の密度を高くし、薄い色ほど線の密度を低くして表現し ている。
[0092] 図 10Cの画像は、図 10Bの画像に比べて三本の太線からなる被写体像の識別が より容易であり、より高解像度の画像となっている。しかし、撮像領域 104c上の被写 体像 114cの撮像領域 104a上の被写体像 114aに対する X軸方向及び Y軸方向の ずれ量が、理想的なずれ量である X軸方向に 0画素、 Y軸方向に 0. 5画素から外れ ていることに起因して、図 10Cの画像には色むらが発生している。そこで、被写体像 の局所領域でのエッジの方向を検出し、エッジの方向に応じて赤の色情報を持つ合 成画像 hr、緑の色情報を持つ合成画像 hg、青の色情報を持つ合成画像 hbの合成 方法を以下のように変更する。
[0093] (数 11)は撮像領域 104aの各座標での Y軸方向に延びるエッジの強さ、つまり X軸
方向の平均化された微分成分 Dy (x、 y)を算出する式である。
[0094] [数 11]
D y (x、 y) =a (x— 1、 y - 1 ) +2 ■ a (x - K y) + a (x— Ί、
— a (x + 1、 y - 1 ) -2 ■ a (x 1、 y) — a (x + 1、 y + 1 )
(x = 1、 2、 · ■ ■、 m、 y = 1 « 2、 , ■ ■、 n )
[0095] (数 12)は撮像領域 104aの各座標での X軸方向に延びるエッジの強さ、つまり Y軸 方向の平均化された微分成分 Dx(x、 y)を算出する式である。
[0096] [数 12]
D X (x、 y) =a (x— 1、 y - 1 ) + 2 ■ a (x, y - 1 ) + a (x+ 1、 y— 1 )
- a (x— 1、 y + 1 ) — 2 ' a (x、 y + 1 ) - a (x + 1、 y + 1 )
(x = 1、 2、 - ■ -、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■、 n)
[0097] (数 13)は撮像領域 104aの各座標での右上がり斜め方向に延びるエッジの強さ、 つまり左上がり斜め方向の平均化された微分成分 Dsr(x、 y)を算出する式である。
[0098] [数 13]
D s r (x、 y ) = a ( x - 1 , y) +2 ■ a (x— 1、 y - 1 ) + a (x, y—
- a (x、 y + 1 ) — 2 · a (x + 1、 y + 1 ) — a (x + 1、 y )
(x = 1、 2、 . - -、 m、 y = 1、 2、 ·■ ■、 n)
[0099] (数 14)は撮像領域 104aの各座標での左上がり斜め方向に延びるエッジの強さ、 つまり右上がり斜め方向の平均化された微分成分 Dsl(x、 y)を算出する式である。
[0100] [数 14]
D s I (x、 y) = a (x、 y - 1 ) + 2 ■ a (x + 1 y— 1 ) + a (x + 1、 y
- a (x— 1、 y ) - 2 ■ a (x- 1 y + 1 )一 a (x、 y + 1 )
(x = 1、 2、 . ' ■、 m、 y = 1、 2、 ■ , ■、 n )
[0101] 算出した Dx(x、y)、 Dy(x、y)、 Dsr(x、y)、 Dsl(x、y)の各絶対値のうち、 Dx(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、赤の色情報を持つ合成画像 hrは (数 15)を用いて 作成する。
[0102] [数 15]
h r (2 ■ x— 1、 2 ■ y一 1 ) = ; 3 (x、 y) - し P F_c_
h r (2 ■ x、 2 ■ y― 1 ) = h r (2 . X— 1、 2 ■ y - 1 )
h r (2 · x— 1、 2 ■ y) =c (; <、 y ) /L P F— c一 b r
h r (2 - X、 2 ■ y) = h r (2 ■ x― 1、 2 ■ y)
(x = 1. 2. - ■ m、 y = 1、 2、 n)
[0103] 緑の色情報を持つ合成画像 hgは(数 16)を用いて作成する。
[0104] [数 16] h g (2 · x— 1、 2 ■ y 1 ) =i a (x 、 y)
h g (2 ■ x、 2 - y― 1 ) = g (2 ■ x— 1、 2 · y- 1 )
h g (2 - x— 1、 2 - y) =c (:、 y ) ZL P F_ c― b g
h g (2 · x、 2 ■ y) =h g (2 ■ x― 1. 2 - y)
( = 1、 2. ■ 匿 m、 y = 1、 2、 n)
[0105] 青の色情報を持つ合成画像 hbは (数 17)を用いて作成する。
[0106] [数 17]
h b (2 · x— 1、 2 - y - 1 ) = a ( x、 y) - し P F— c— (χ、 y)
h b (2 ' x、 2 ■ y - 1 ) = h b (2 - x - 1、 2 ■ y - 1 )
h b (2 · x— 1、 2 ■ y) = c ( x、 y )
h b (2 - x、 2 ■ y) h b (2 - x - 1 、 2 ■ y)
(x = 1、 2. ■ - ■ m、 y = 1、 2. - ■ ■、 n)
[0107] Dy(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、赤の色情報を持つ合成画像 hrは (数 18) を用いて作成する。
[0108] [数 18]
h r (2 · x— 1、 2 ■ y― 1 ) =; a ( x . y ) · L P F_c_ r g ( X , y )
h r (2 - x, 2 ■ y― 1 ) = b (;、 y )
h r (2 · X— 1、 2 , y) 二 h r (2 ■ x— 1、 2 ■ y- 1 )
h r (2 ■ x、 2 ■ y) = h r (2 ■ X、 2 ■ y - 1 )
(x = 1 2. ■ ■ -、 m、 y = 1、 2. n)
[0109] 緑の色情報を持つ合成画像 hgは (数 19)を用いて作成する
[0110] [数 19]
g (2 ■ X— 1 、 2 ■ y - 1 ) = a ( x、 y )
h g (2 ■ x、 2 ■ y― 1 ) = b ( x、 y ) /L P F― c― r g y )
h g (2 · 1 、 2 ■ y) = h g (2 - x一 1 、 2 , y— 1 )
g (2 ■ X、 2 ■ y ) = h g (2 ■ x , 2 ■ y一 1 )
( x = 1 、 2、 ■ ■ • 、 m、 y = 1 、 2. ■ ■ · 、 n )
[0111] 青の色情報を持つ合成画像 hbは(数 20)を用いて作成する。
[0112] [数 20]
h b (2 ■ x - 1 、 2 ■ y— 1 ) = a ( x s y ) - L P F— c— b g ( x、 y )
h b (2 · x、 2 ■ y - 1 ) = b ( x、 y ) ' L P F— c— b r ( x、 y )
h b (2 , x— 1 . 2 - y ) = h b (2 - x - 1 . 2 - y - l )
h b (2 ■ x、 2 - y) = h b (2 - x 2 - y - l )
( x = 1 , 2. ■ ■ ■ 、 rn、 y = 1 、 2、 ■ ■ ■ ¾ n )
[0113] Dsr(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、赤の色情報を持つ合成画像 hrは (数 21 )を用いて作成する。
[0114] [数 21] h r (2 - x— 1、 2 ■ y一 1 ) = i a ( x、 y ) ■ ■ し P F_ r g ( x、 y )
h r (2 · x. 2 ■ y― 1 ) = b (: x , y )
h r (2 · x— 1 , 2 ■ y ) = h r (2 ■ x 、 2 ■ ■ y一 1 )
h r (2 ■ x、 2 ■ y ) = h r (2 ■ x + 1 . 2 ■ ■ y― 1 )
(x = 1 、 2、 , ■ ■ 、 m、 y = 1 . 2、 ■ • ■ 、 n )
[0115] 緑の色情報を持つ合成画像 hgは (数 22)を用いて作成する
[0116] [数 22] h ε (2 - x— 1 、 2 ■ y― 1 ) = a ( x、 y )
h g (2 ■ x、 2 · y - 1 ) = b ( x、 y) ZL P F_ c― r g ( x、 y )
h s (2 ■ x— 1 、 2 ■ y) = h g (2 ■ x、 2 - y― 1 )
h g (2 - x、 2 ■ y ) - h g (2 ■ x + 1 、 2 ■ y― 1 )
( X = 1 、 2. ■ ■ 謹 、 m、 y = 1 、 2、 ■ ■ ■ 、 n )
[0117] 青の色情報を持つ合成画像 hbは (数 23)を用いて作成する
[0118] [数 23]
h b (2 - x - 1、 2 ■ y - i a ( x、 y) · し P F_c
h b (2 ■ x、 2 ■ y一 1 ) = b c : y ) • L P F— c— b
h b ( 2 - x— 1 . 2 ■ y ) = h b (2 - x 2 ■ y一 1 )
h b ( 2 ■ x . 2 · y ) = h b (2 ■ x + 1 、 2 ■ y― 1 )
= 1、 2、 ■、 m、 y = 1、 2、 · • ·、 n )
[0119] Dsl (x、 y)の絶対値が最大となる場合は、赤の色情報を持つ合成画像 は (数 24
)を用いて作成する。
[0120] [数 24] h r (2 · x— 1、 2 ■ y一 1 ) ― a ( x、 y ) - し P F_c_
h r (2 · x, 2 ■ y― 1 ) b ( x、 y)
h r (2 ■ x— 1、 2 ■ y) = h r (2 - x一 2、 2 ■ y-D
h r (2 · x、 2 ■ y ) = h r (2 ■ x - 1 、 2 ■ y― 1 )
Cx = 1、 2. ■ ■ ■、 m、 y = 1、 2、 ' ■ ■、 n )
[0121] 緑の色情報を持つ合成画像 hgは (数 25)を用いて作成する
[0122] [数 25]
(2 1 , 2 1 (x、
h g (2 - x . 2 ■ y - 1 ) = b ( x、 y ) / \- P F— c— r g ( x、 y )
h g (2 - x— 1、 2 - y ) = h g (2 - x— 2、 2 ■ y - 1 )
h g (2 - x . 2 ■ y ) = h g (2 · χ— 1、 2 ■ y - 1 )
( x = 1 2、 ' ' -、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■、 n )
[0123] 青の色情報を持つ合成画像 hbは (数 26)を用いて作成する。
[0124] [数 26] h b ( 2 2 - y - 1 ) = a ( x、 y ) - L P F— c— b g ( x、 y )
h b (2 · χ、 2 ■ y - 1 ) = b ( x、 y ) - L P F__c__b r ( x、 y)
h b (2 - x— 1、 2 - y ) = h b ( 2 - x - 2. 2 ■ y - 1 )
h b ( 2 · χ、 2 - y ) = h b (2 - x - K 2 ■ y - 1 )
( x = 1、 2、 一 m、 y = 1、 2、 ■ ' '、 !!)
[0125] 図 lOAの被写体像は Y軸方向に延びるエッジであるため、(数 18)から (数 20)を用 いて合成画像 hr、 hg、 hbが作成される。算出した赤、緑、青の合成画像 hr、 hg、 hb を合成することにより、図 10Dに示すように、図 10Cの画像に発生していた色むらが
無くなり、 2 · m X 2 · nの画素数を有する高解像度の色むらの無 、カラー画像 h— rgb を得る。図 10Dでは、濃淡を線の密度で表現しており、濃い色ほど線の密度を高くし 、薄い色ほど線の密度を低くして表現している。
[0126] 図 10Dのように色むらの低減された画像が得られる理由は以下の通りである。図 10 Aのように Y軸方向に延びたエッジを有する局所領域では、 Y軸方向に隣り合う画素 の輝度値の相関性は高いため、 Y軸方向に隣り合う画素の輝度値を同一の値にして も出力画像に対する影響は小さい。したがって、(数 18)から (数 20)に示すように、 Y 軸方向に隣り合う画素に同一の値を代入する。これにより、 Y軸方向に延びたエッジ 画像の直線性が再現され、図 10Dのように色むらのな 、画像が得られる。
[0127] また、図示して ヽな 、が、 X軸方向に延びたエッジを有する局所領域では、 X軸方 向に隣り合う画素の輝度値の相関性は高 、ため、 X軸方向に隣り合う画素の輝度値 を同一の値にしても出力画像に対する影響は小さい。したがって、(数 15)から (数 1 7)に示すように、 X軸方向に隣り合う画素に同一の値を代入する。これにより、 X軸方 向に延びたエッジ画像の直線性が再現され、色むらがな 、画像が得られる。
[0128] また、図示していないが、右上がり斜め方向に延びたエッジを有する局所領域では 、右上がり斜め方向に隣り合う画素の輝度値の相関性は高いため、右上がり斜め方 向に隣り合う画素の輝度値を同一の値にしても出力画像に対する影響は小さい。し たがって、(数 21)から (数 23)に示すように、右上がり斜め方向に隣り合う画素に同 一の値を代入する。これにより、右上がり斜め方向に延びたエッジ画像の直線性が再 現され、色むらがない画像が得られる。
[0129] また、図示していないが、左上がり斜め方向に延びたエッジを有する局所領域では 、左上がり斜め方向に隣り合う画素の輝度値の相関性は高いため、左上がり斜め方 向に隣り合う画素の輝度値を同一の値にしても出力画像に対する影響は小さい。し たがって、(数 24)から (数 26)に示すように、左上がり斜め方向に隣り合う画素に同 一の値を代入する。これにより、左上がり斜め方向に延びたエッジ画像の直線性が再 現され、色むらがない画像が得られる。
[0130] なお、撮像素子 103に結像される被写体像はレンズ 102a〜102dにより反転する 特性を考慮し、図 8に示すようにカラー合成画像 h— rgbの画素配列を Y軸方向に反
転している。上記の右上がり斜め方向、左上がり斜め方向は反転後の画像における 方向を意味する。
[0131] 以上のような本実施の形態の複眼方式の撮像装置によれば、 4つの単レンズからそ れぞれ投影された 4つの被写体像間のずれ量が、理想的なずれ量である 0. 5画素 力 外れている場合であっても、被写体距離によらず常に高解像度で色むらが少な V、カラー画像を出力することができる。
[0132] なお、例えば図 11に示すように、被写体の濃淡が変化する場合は、(数 15)から( 数 26)を、補間式を含む以下の (数 27)から (数 38)に変更することが好ましい。これ により、 4つの単レンズ力 それぞれ投影された 4つの被写体像間のずれ量力 理想 的なずれ量である 0. 5画素力 外れている場合であっても、被写体距離によらず常 に高解像度で、色むらが少ないカラー画像を出力することができ、且つ、濃淡の変化 を滑らかに表現することができる。図 11では、濃淡を線の密度で表現しており、濃い 色ほど線の密度を高くし、薄 、色ほど線の密度を低くして表現して 、る。
[0133] 合成画像 hr、 hg、 hbの画素の輝度値として、(数 15)から (数 26)では、ある画素に 、この画素に対してエッジ方向にお 、て一方の隣に位置する画素の輝度値を代入し た力 (数 27)から (数 38)では、この画素に対してエッジ方向において両隣に位置す る 2つの画素の輝度値を線形補間して得られた値を代入している。なお、補間方法と しては、線形補間に限られず、両隣に位置する 2つの画素の輝度値を用いた 3次補 間などを用いても良い。
[0134] 算出した Dx (x、 y)、 Dy(x、 y)、 Dsr (x、 y)、 Dsl (x、 y)の各絶対値のうち、 Dx (x、 y)の絶対値が最大となる場合は、合成画像 hr、hg、hbは (数 27)、(数 28)、(数 29) を用いて作成する。
[0135] [数 27]
h r (2 - x - 1 , 2 - y - 1 ) = a (x y) - L PF c— r g (x y )
h r (2 · χ 2 ■ y- 1 ) =0. 5 - ( r (2 - x - 1 , 2 ■ y- 1 )
+ h r (2 - x + K 2 ■ y - 1 ) )
h r (2 · χ— 1 2 ■ y ) = c (x y ) /L P F_c_b r ( x y )
h r (2 - xv 2 - y) =0. 5 - (h r (2 · χ— 1 2 - y)
+ h r (2 ■ x + 1 2 ■ y) )
( x = 1 2 ■ ■ ■ m y = 1 2 n )
[0136] [数 28]
(2 · x 2 ■ y - 1 ) = a (x y )
(2 - x. y— 5 - (h g (2 · χ— 1 2 ■ y - 1 )
+ h g (2 ■ x +1 2 - y - 1 ) )
(2 ■ x 2 ■ y) =c (x y ) ZLPF— c— b g (x y )
(2 ■ x. y ) =0. 5 - (h g (2 ■ x— 1 2 - y)
+ h g (2 - xH- 2 - y) )
1 2, ■ m y = 1 2 ■ ■ ' n)
[0137] [数 29] h b (2 ■ x - 2 ■ y - 1 ) = a (x y ) - L P F— c b g (x y )
h b (2 · χ 2 ■ y- 1 ) =0. 5 - (h b (2 - x - 1. 2 ■ y - 1 )
+ h b (2 - x + 1 , 2 - y-l ) )
h b (2 - x-1 , 2 - y) =c (x y )
h b (2 . x 2 - y) =0. 5 · (h b (2 - x - K 2 - y)
+ h b (2 · χ + 1 2 ■ y) )
(x = 1 2 - - m y = 1 ¼ 2 ■ ■ - ^ n )
[0138] Dy(x y)の絶対値が最大となる場合は、合成画像 hr hg hbは (数 30)、(数 31)
、(数 32)を用いて作成する。
[0139] [数 30]
h r (2 - 1、 2 ■ y一 1 ) =a ( x、 y ) ■ し P F— c— r g ( X、
h r (2 - 2 ■ y― 1 ) = b (x . y )
h r (2 - x-1. 2 ■ y) =0. 5 - (h r (2 ■ x— 1、 2 ■ y-i )
+ h r (2 ■ x一 1、 2 ■ y + 1 ) )
h r (2 - x、 2 ■ y) =0 . 5 ■ ( h r (2 ■ x、 2 . y— 1 )
+ h r (2 ■ x、 2 ■ y+1 ) )
(x = 1、 2, - ■ m、 y =1、 2, ■ ■ -、 n)
[0140] [数 31] g (2 · x - K 2 ■ y一 1 ) = a ( x、 y )
h g (2 · x、 2 ■ y― 1 ) b (x、 y) Zし P F_c ― r g ( X 、 y )
h g (2 · x - K 2 ■ y) = 0 ■ 5 ■ (h g (2 ■ x- - 1、 2 ■ y -1 )
+ h g (2 - x — 1、 2 ■ y十 1 ) )
g (2 ■ X、 2 ■ y ) =0 5 - (h g (2 ■ x、 2 ■ y― 1 )
+ g (2 - x, 2 ■ y + 1 ) )
(x = 1、 2, - ■ 眉、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ -、 n)
[0141] [数 32] h b (2 - x- 1 , 2 - y― 1〉 = a x、 y ) ■ し P F— c _b g (x、
h b (2 - 、 2 ■ y― 1 ) = b (x、 y ) ■ し P F__c_b r C x , . y)
h b (2 · x— 1、 2 ■ y) =0. 5 - (h b (2 ■ x - 1. 2 ■ y -1 )
+ h b (2 - x一 1、 2 ■ y十 1 ) )
(2 · 、 2 ■ . 5 ■ (2 、 2 ■ 1 )
+ h b (2 ■ x、 2 ■ y+1 ) )
Cx = 1、 2 - ■ - 、 y = 1、 2、 ■ ' -、 n)
[0142] Dsr(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、合成画像 hr、 hg、 hbは (数 33)、(数 34)
、(数 35)を用いて作成する。
[0143] [数 33]
(2 x— 1、 2 ■ y- 1 ) = a (x、 y ) ■ し P F— c— r g (
(2 x、 2 ■ y - 1 ) = b ( x > y)
(2 x _ 1、 2 - y) =0. 5 ■ (h r (2 · χ、 2 ■ y - 1 )
+ h r (2 ■ x— 2、 2 ■ y + 1 ) )
h r (2 x、 2 - y) =0. 5 , C r (2 - x + K 2 - y - 1 )
+ h r (2 ■ x - K 2 ■ y + 1 ) )
( x = 1 , 2 、 m、 y = 1、 2、 、 n)
[0144] [数 34]
h g (2 · x _ 1、 2 ■ y- 1 ) = a ( x、 y )
h g (2 - x、 2 ■ y一 1 ) = b (x、 y) し P F— c ― r g ( x、 y )
h (2 · X— 1、 2 , y) = 0 . 5 · (h g (2 · x、 2 ■ y- 1 )
+ h g (2 ■ x— 2、 2 ■ y + 1 ) )
h g (2 ■ x、 2 ■ y) =0. 5 ■ (h g (2 ■ x + 1 , 2 ■ y - 1 )
+ h g (2 ■ x - 1 , 2 ■ y + 1 ) )
( x : = 1、 2. ■ ■ .、 m、 y 1、 2、 ■ ■ ■ , n)
[0145] [数 35] h b (2 - 1、 2 ■ y - 1 ) = a C x y ) - し P F— c— b g (x、
h b (2 ■ 2 ■ y - 1 ) = b (x 、 y) - し P F— c— b r ( x y )
h b (2 - 1. 2 ■ y) = 0. 5 - ( h b (2 • x、 2 ■ y - 1 )
+ h b (2 · x —2 , ■ y + 1 ) )
h b (2 - x、 2 ■ y) = 0. 5 - ( h b (2 ■ X + 1、 2 ■ y - 1 )
+ h b (2 . x— 1 、 ■ y + 1 ) )
(X : : 1、 2、 - ■ - m、 y = 1、 2, ■ - -、 n)
[0146] Dsl(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、合成画像 hr、 hg、 hbは (数 36)、(数 37)
、(数 38)を用いて作成する。
[0147] [数 36]
h r (2 ■ x _ 1、 2 ■ y - l ) = a ( x、 y ) - L P F_c一 r g ( x ,
h r (2 ■ 2 ■ y - 1 ) = b (x、 y )
h r (2 - x _ 1、 2 ■ y) = 0. 5 ■ ( h r (2 ■ x— 2、 2 ■ y - 1 )
+ h r (2 - x 、 2 ■ y + 1 ) )
h r (2 ■ x、 2 - y) =0. 5 · (h r (2 - 1 , 2 - y - 1 )
+ h r (2 - x + 1 、 2 ■ y + 1 ) )
(x = 1、 2. ■ ■ 義、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■、 n)
[0148] [数 37]
P F_c_ r g (x、 y )
h g (2 2 - y) =0. 5 - (h g (2 - x -2 2 - y - 1 )
+ h g (2 " x, 2 - y + l ) )
g (2 :、 2 - y) =0. 5 - (h g (2 · χ— 1、 2 ■ y - 1 )
+ h g (2 - x+ 1 , 2 - y + l ) )
(x = 2 m、 y = 1、 2、 ■ ■ -、 n )
[0149] [数 38]
h b (2 t- K 2 ■ y- 1 ) == a (x. y) - L P F_c_b g (x、
h b (2 :、 2 ■ y - 1 ) = b (x、 y ) ' L P F— c— b r (x、 y )
h b (2 1、 2 - y) =0. 5 - (h b (2 - x - 2, 2 , y— 1 )
+ h b (2 ' x、 2 ' y+ 1 ) )
h b (2 :、 2 - y) =0. 5 - (h b (2 · χ— 1、 2 ■ y - 1 )
+ h b (2 - x + 1 , 2 - y + 1 ) )
[0150] なお、被写体距離によっては、撮像領域 104dの画素 d(x、 y) 撮像領域 104a の画素 a (x、y)に対して、 X軸の正方向に約 0.5画素、 Y軸の正方向に約 0.5画素 ずれた被写体像 114を受光している場合がある。この場合は、(数 27)から (数 32)に 代えて (数 39)から (数 44)を用いることが好ましい。これにより、特定の被写体距離で は緑の色再現性を向上させることができるので、より高解像度の輝度情報を得ること が可能となり、視覚的により高解像度の画像を得ることが可能となる。
[0151] 算出した Dx(x、 y)、 Dy(x、 y)、 Dsr(x、 y)、 Dsl(x、 y)の各絶対値のうち、 Dx(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、合成画像 hr、 hg、hbは (数 39)、(数 40)、(数 41) を用いて作成する。
[0152] [数 39]
a (x , y) , L P '_ c_ r g ( x、 y )
5 " (h r (2 - x 1、 2 ■ y— 1 )
+ h r (2 ■ x + 1、 2 y-D )
h r (2 ■ x— 1、 2 y) =0· 5 ■ (h r (2 · x、 2 · y)
h r (2 ' x— 2、 2 y) )
h r (2 2 ■ y) = cl (x、 y) ■ L P F― c— g ( x、 y )
(x = 1. m、 y = 1 2, ■ ■ ■
[0153] [数 40]
h g (2 - x - 1 , 2 - y ~ 1 ) = a (x、 y)
h g (2 ■ x、 2 ■ y - 1 ) = 0. 5 - (h g (2 2 ■ 一
+ h g (2 - x + 1 , 2 ■ y— 1 )
h g (2 - x - 1 > 2 - y) =0. 5 · (h g (2 x , 2 ■
+ h g (2 ■ x— 2、 2 - y)
h g (2 ■ x、 2 ■ y ) = d (x、 y)
(x = 1、 2、 ■ - -、 m、 y = 1 . 2,
[0154] [数 41]
h b (2 - x - 2 ■ y ~ 1 ) = a (x、 y ) - L P F_c_b g (x、 y )
h b (2 · χ、 2 ■ y- 1 ) =0. 5 - (h b (2 - x - 1. 2 ■ y - 1 )
h b (2 · χ + 1、 2 ■ y - 1 ) )
h b (2 - x - 1 , - y) =0. 5 - (h b (2 ' x、 2 - y)
+ h b (2 - x— 2、 2 ■ y) )
h b (2 - x, 2 ■ y ) = d (x、 y ) - L P F_c_b g (x、 y )
(x = 1、 2、 - - ■、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ -、 n )
[0155] Dy(x、 y)の絶対値が最大となる場合は、合成画像 hr、 hg、 hbは (数 42)、(数 43) 、(数 44)を用いて作成する。
[0156] [数 42]
h r (2 x _ 1、 2 ■ y - 1 ) = a (x、 y ) - L P F_c__ r g (x、
h r (2 x、 2 - y- 1 ) =0. 5 - (h r (2 · χ、 2 - y)
+ h r (2 ■ x、 2 - y - 2)
h r (2 x— 1、 2 - y) =0. 5 - (h r (2 - x - 1 , 2 - y - 1 )
+ h r (2 · χ— 1、 2 ■ y + 1 ) )
h r (2 x、 2 ■ y) = d (x、 y ) - L P F_c_ r g (x、 y )
2、 . . '、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■、 !"!)
[0157] [数 43] h g (2 - 1、 2 ■ y― 1 ) = a ( x , y)
h ε (2 、 · y― 1 ) =0. 5 · ( h g (2 ■ X 、 2 ■ y)
+ h g (2 - X、 2 - y一 2)
h g (2 - 1、 2 ■ y ) =0. 5 ■ ( h g (2 - X - 1、 2 ■ y
十 h g (2 · X— 1、 2 ■ y + 1 ) )
h g (2 、 2 - y ) = d y )
、 ■ ■ ■ 、 m、 y = l 、 2. ■ ■ ■ , n l)
[0158] [数 44]
h b (2 - x— 1、 2 ' y _ 1 ) = a (x、 y) - L P F_c_b g (x、 y )
h b (2 ■ x、 2 ■ y - 1 ) =0. 5 ■ (h b (2 - x. 2 - y)
+ h b (2 ■ x、 2 - y - 2)
h b (2 ■ x - 1 , 2 - y) -0. 5 ■ (h b (2 . x— 1、 2 ■ y - 1 )
十 h b (2 - x - 1 , 2 ■ y + 1 ) )
h b (2 ■ x、 2 · y) =a (x、 y ) ■ し P F— c— b g ( x、 y )
(x = 1、 2, ■ ■、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ n)
[0159] 被写体に曲線が含まれる場合は、合成されたカラー画像 h—rgbでその曲線が滑ら かでない場合がある。また、局所領域での各色の画像情報間の相関性を利用した画 像合成方法の影響により色むらが生じる場合がある。このような場合は、合成画像 hr 、 hg、 hbに (数 45)に示すような重み付き平滑フィルタ及び (数 46)に示すようなエツ ジ強調フィルタを作用させて得られる合成画像 EDGE— hr、 EDGE— hg、 EDGE— hbからカラー画像 h— rgbを合成することが好ましい。これにより、 4つの単レンズから それぞれ投影された 4つの被写体像間のずれ量力 理想的なずれ量である 0.5画 素から外れている場合であっても、被写体距離によらず常に高解像度で色むらが少
ないカラー画像を出力することができる。更に、濃淡の変化を滑らかに表現でき、且 つ、被写体に曲線が含まれる場合であってもその曲線を滑らかな曲線として表現す ることができ、且つ、局所領域での各色の画像情報間の相関性を利用した画像合成 方法の影響により生じた色むらを軽減することができる。
[0160] [数 45] し P F — h r " y) = ( r c x— 1、 y - 1 ) +2 ■ h r (x 、 y― 1 )
+ h r c x + 1、 y-D +2 ■ h r Cx - 1、 y)
+ 4 h r ( x s y) +2 ■ h r (x + 1 - y)
+ h r C x_ 1、 y + 1 ) +2 ■ h r (x 、 y + 1 )
+ h r c x + 1、 y + 1 ) ) /1 6
し P F _h g " y) = Ch g ( x— 1、 y- 1 ) +2 ■ h g ( X y一 1 )
+ h g c x + 1、 y-1 ) +2 ■ h g ( X 1、 y )
+ 4 ■ h S ( X、 y ) +2 ■ h g Cx + 1 y )
+ h g ( x— 1、 y + 1 ) +2 ■ h g (χ 、 y + 1 )
+ h g ( x + 1、 y +1 ) ) /1 6
し P F — h b (> " y) = Ch b ( X— 1、 y - 1 ) +2 ■ h b (x - y一 1 )
+ h b ( x + 1、 y-1 ) +2 ■ h b (x 1、 y)
十 4 - h b (x. y) +2 ■ h b Cx + 1 、 y)
+ h b ( x - 1 , y+1 ) +2 - h b ( x 、 y + 1 )
+ h b ( x + 1、 y+ 1 ) ) /1 6
( X = 1、 2、 ■ ■、 2 ■ m 、 y =1、 2 . ■ ■ ■ , 2 ' n )
[0161] [数 46]
EDGE— h r y) =— h r Cx- 1. y 1 ) ― h r ( x 一 1 )
- h r (x + 1 y-D - h r (x ― 1 y) + 5 ■ h r (χ y)
一 h r (x + 1 y ) — h r ( x ― 1 y + 1 ) — h r Cx y + 1 )
- h r (x + 1 y + 1 )
EDGE— h g (x. y) h g (x - 1 , y 1 ) - h g ( y― 1 )
- h g (x + 1 y— 1 ) — h g (x ― 1 y) + 5 ■ h g (χ y)
- h g (x + 1 y) — h g ( - 1 y + 1〕 — h g (x y + 1 )
- h g (x + 1 y + 1 )
E D G E— h b 、 y) =_ h b (x - 1 y 1 ) ― h b ( y― 1 )
一 h b (x + 1 y— 1 ) - h b (x - 1 y) + 5 ■ h b (χ y)
- h b ( x + 1 y) - h b (x一 1 y + 1 ) 一 h b (x y + 1 )
- h b 1 y + 1 )
(x 1 2 « ■ 2 ■ m y = 1 2. - ■ . 2 - n)
[0162] 画像の端では、重み付き平滑フィルタの計算などができない場合があるが、その場 合はそのフィルタを作用させな!/、など適切な処理をする。
[0163] 被写体距離が無限遠と実質的に同等であり、且つ、図 12に示すように、撮像領域 1 04cでの光軸 105cの位置が撮像領域 104aでの光軸 105aの位置に対して X軸方向 に約 0. 5画素ずれており、撮像領域 104bでの光軸 105bの位置が撮像領域 104a での光軸 105aの位置に対して Y軸方向に約 0. 5画素ずれている場合、上記と同様 の考え方に基づいて、被写体のエッジ方向に応じて合成画像 hr, hg, hbの合成方 法を変更し、重み付き平滑フィルタ及びエッジ強調フィルタを作用させることができる 。これにより、 4つの単レンズ力 それぞれ投影された 4つの被写体像間のずれ量力 理想的なずれ量である 0. 5画素力 外れている場合であっても、常に高解像度で色 むらが少ないカラー画像を出力することができる。更に、濃淡の変化を滑らかに表現 でき、且つ、被写体に曲線が含まれる場合であってもその曲線を滑らかな曲線として 表現することができ、且つ、局所領域での各色の画像情報間の相関性を利用した画 像合成方法の影響により生じた色むらを軽減することができる。
[0164] また、視差により、撮像領域 104cにおける被写体像の位置が撮像領域 104aにお ける被写体像の位置に対して X軸方向に約 0. 5画素ずれており、且つ、撮像領域 1 04bにおける被写体像の位置が撮像領域 104aにおける被写体像の位置に対して Y
軸方向に約 0. 5画素ずれている場合、上記と同様の考え方に基づいて、被写体の エッジ方向に応じて合成画像 hr, hg, hbの合成方法を変更し、重み付き平滑フィル タ及びエッジ強調フィルタを作用させることができる。これにより、 4つの単レンズから それぞれ投影された 4つの被写体像間のずれ量力 理想的なずれ量である 0. 5画 素から外れている場合であっても、常に高解像度で色むらが少ないカラー画像を出 力することができる。更に、濃淡の変化を滑らかに表現でき、且つ、被写体に曲線が 含まれる場合であってもその曲線を滑らかな曲線として表現することができ、且つ、局 所領域での各色の画像情報間の相関性を利用した画像合成方法の影響により生じ た色むらを軽減することができる。
[0165] 図 1の 4つのレンズ 102a〜102dがレンズアレイ上に一体成型されている場合、温 度変化によりレンズの光軸 105a〜105dの位置が移動する。しかしながら、レンズァ レイは等方的に膨張 ·収縮するため、レンズの光軸 105a〜105dの位置の移動方向 は、被写体距離が変化した場合に視差により被写体像が移動する方向と同じである 。従って、温度変化による影響は視差の補正の処理に吸収される。よって、本実施の 形態によれば、温度が変化しても、常に高解像度で色むらが少ないカラー画像を出 力することができる。更に、濃淡の変化を滑らかにでき、且つ、被写体に曲線が含ま れる場合であってもその曲線を滑らかな曲線として表現することができ、且つ、局所 領域での各色の画像情報間の相関性を利用した画像合成方法の影響により生じた 色むらを軽減することができる。
[0166] 上記の実施の形態は一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、異なる色 の画像情報間の相関性を利用した画像合成方法や、被写体のエッジ方向に応じた 画像の合成方法の選択、重み付き平滑フィルタやエッジ強調フィルタにおける重み 係数の値などは、上記の例に限定されず、同様の考え方に基づく別の方法や値を用 いても良ぐその場合も上記と同様の効果を得ることができる。
[0167] 図 1の撮像装置において、 4つの単レンズからそれぞれ投影された 4つの被写体像 間のずれ量が、理想的なずれ量である 0. 5画素から外れている場合、演算時間ゃメ モリ量を削減する目的でエッジ方向検出部 108を除去し、(数 8)から (数 10)を用い て赤、緑、青の合成画像 hr、 hg、 hbを算出しても良い。この場合、合成画像 hr、 hg、
hbに図 1の平滑フィルタ部 109及びエッジ強調部 110を作用させることにより、 4つの 被写体像間のずれ量が、理想的なずれ量である 0. 5画素から外れていることに起因 する色むらを低減することができ、被写体距離が変化しても、常に高解像度で色むら が少ないカラー画像を出力することができる。更に、局所領域での各色の画像情報 間の相関性を利用した画像合成方法の影響により生じた色むらも軽減することができ る。
[0168] 本実施の形態の撮像装置において、カラーフィルタ 113a, 113b, 113c, 113dを 除去しても良い。この場合、(数 5)を下記 (数 47)に変更することにより、 4つの単レン ズ力 それぞれ投影された 4つの被写体像間のずれ量力 理想的なずれ量である 0 . 5画素から外れている場合であっても、被写体距離や温度変化によらず常に高解 像度で色むらが無い白黒画像を出力することができる。更に、濃淡の変化を滑らかに 表現でき、且つ、被写体に曲線が含まれる場合であってもその曲線を滑らかな曲線と して表現することができる、白黒映像を出力する薄型の撮像装置を実現できる。
[0169] [数 47]
C― g ( X、 y ) = 1
c— b g ( x、 y ) = 1
c― r g ( x y ) = 1
( x = 1、 2、 ■ ■ ■、 m、 y = 1、 2、 ■ ■ ■、 !"!)
[0170] 本実施の形態では、撮像領域 104cに対する光軸 105cの相対的位置関係が、撮 像領域 104aに対する光軸 105aの相対的位置関係に対して、 Y軸方向に約 0. 5画 素ずれていれば良い(ここで、「約 0. 5画素」とは、後述するように 0. 25画素から 0. 7 5画素の範囲を意味する)。図 1はこの条件を満足する。また、図 13Aは、撮像素子 1 03上では光軸 105cは光軸 105aに対して Y軸方向に 2. 5画素ずれている力 撮像 領域 104cに対する光軸 105cの相対的位置関係は、撮像領域 104aに対する光軸 1 05aの相対的位置関係に対して、 Y軸方向に約 0. 5画素ずれているので、上記の条 件を満足している。
[0171] 撮像領域 104a〜104dは、図 1及び図 13Aに示すように共通する 1つの撮像素子 103上に形成されている必要はなぐ図 13Bに示すように別個の 4つの撮像素子 10
3a〜103d上にそれぞれ形成されていても良い。但し、撮像領域 104a〜104dのそ れぞれの画素の水平方向及び垂直方向の配列方向が撮像領域 104a〜104d間で 互いにほぼ同一である必要がある。この場合も、撮像領域 104cに対する光軸 105c の相対的位置関係が、撮像領域 104aに対する光軸 105aの相対的位置関係に対し て、 Y軸方向に約 0. 5画素ずれているという上記の条件を満足していれば良い。
[0172] 但し、上記の条件を満足している場合であっても、光軸 105cの光軸 105aに対する Y軸方向のずれ量が大きすぎると、被写体距離が短い場合 (即ち、近距離撮影の場 合)には問題が生じる可能性がある。なぜなら、被写体距離が短い場合、光軸 105c の光軸 105aに対する Y軸方向のずれに起因して発生する Y軸方向の視差が無視で きなくなる力もである。従って、被写体距離の下限値が分力つている場合には、光軸 105cの光軸 105aに対する Y軸方向のずれ量 Gsは(数 48)を満たすことが好ましい 。ここで、 A1は被写体距離の下限値、 fは単レンズ 102a〜102dと撮像素子 103との 間の距離 (合焦点距離)、 pは撮像素子 103の画素ピッチである。
[0173] また、撮像領域 104bに対する光軸 105bの相対的位置関係は、撮像領域 104aに 対する光軸 105aの相対的位置関係に対して、 X軸方向に約 0. 5画素ずれていれば ば良い(ここで、「約 0. 5画素」とは、後述するように 0. 25画素から 0. 75画素の範囲 を意味する)。図 1はこの条件を満足する。また、図 13Aは、撮像素子 103上では光 軸 105bは光軸 105aに対して X軸方向に 1. 5画素ずれている力 撮像領域 104bに 対する光軸 105bの相対的位置関係は、撮像領域 104aに対する光軸 105aの相対 的位置関係に対して、 X軸方向に約 0. 5画素ずれているので、上記の条件を満足し ている。
[0174] 撮像領域 104a〜104dが、図 13Bに示すように別個の 4つの撮像素子 103a〜10 3d上にそれぞれ形成されていても良い。但し、撮像領域 104a〜104dのそれぞれの 画素の水平方向及び垂直方向の配列方向が撮像領域 104a〜104d間で互いにほ ぼ同一である必要がある。この場合も、撮像領域 104bに対する光軸 105bの相対的 位置関係が、撮像領域 104aに対する光軸 105aの相対的位置関係に対して、 X軸 方向に約 0. 5画素ずれて 、ると 、う上記の条件を満足して 、れば良!、。
[0175] 但し、上記の条件を満足している場合であっても、光軸 105bの光軸 105aに対する
X軸方向のずれ量が大きすぎると、被写体距離が短い場合 (即ち、近距離撮影の場 合)には問題が生じる可能性がある。なぜなら、被写体距離が短い場合、光軸 105b の光軸 105aに対する X軸方向のずれに起因して発生する X軸方向の視差が無視で きなくなる力もである。従って、被写体距離の下限値が分力つている場合には、光軸 1 Obcの光軸 105aに対する X軸方向のずれ量 Gsは(数 48)を満たすことが好まし!/、。
[0176] [数 48]
I G s I ≤A 1 , p Z ( 4■ f )
[0177] (数 48)を満たしていれば、撮像領域 104cに対する光軸 105cの相対的位置関係 力 撮像領域 104aに対する光軸 105aの相対的位置関係に対して、 Y軸方向に 0. 5画素ずれて 、るとき、撮像領域 104cでの被写体像と撮像領域 104aでの被写体像 との Y軸方向のずれ量は、被写体距離によらず常に 0. 25画素以上 0. 75画素以下 となる。
[0178] また、(数 48)を満たしていれば、撮像領域 104bに対する光軸 105bの相対的位置 関係が、撮像領域 104aに対する光軸 105aの相対的位置関係に対して、 X軸方向 に 0. 5画素ずれているとき、撮像領域 104bでの被写体像と撮像領域 104aでの被写 体像との X軸方向のずれ量は、被写体距離によらず常に 0. 25画素以上 0. 75画素 以下となる。
[0179] つまり、(数 48)を満たしていれば、被写体距離が変化しても、常に高解像度で、色 むらが少ないカラー及び白黒画像を出力することができる。更に、濃淡の変化を滑ら かにでき、且つ、被写体に曲線が含まれる場合であってもその曲線を滑らかな曲線と して表現することができ、且つ、局所領域での各色の画像情報間の相関性を利用し た画像合成方法の影響により生じた色むらを軽減することができる。
[0180] 本発明において、レンズ 102a〜102dは同一平面状に形成されることが望ましいが 、成型誤差等により厳密に同一平面状に形成されていなくても、本発明の撮像装置 を実現可能であることは言うまでも無 、。
[0181] 本発明では、撮像領域間での被写体像の位置のずれ量が約 0. 5画素であると、画 像合成により高解像度画像を得ることができる。ここで、「約 0. 5画素」とは 0. 25画素 以上 0. 75画素以下を意味する。これを図 14A〜図 14Cを用いて説明する。
[0182] 撮像領域 104b上の被写体像と撮像領域 104a上の被写体像とが X軸方向に 0. 5 画素ずれており、且つ、 Y軸方向に 0画素ずれている場合に、撮像領域 104bから得 られる画像と撮像領域 104aから得られる画像とを合成した合成画像にぉ 、て、撮像 領域 104b上の被写体像を構成する画素と撮像領域 104a上の被写体像を構成する 画素との X軸方向の 1ライン上での位置関係を図 14Aに示す。内側が白の円は撮像 領域 104a上の被写体像を構成する画素 201、内側にハッチングを施した円は撮像 領域 104b上の被写体像を構成する画素 202である。画素 201の X軸方向のピッチ 及び画素 202の X軸方向のピッチはいずれも pである。画素 201と画素 202の間隔は 0. 5pである。したがって、合成画像の見かけ上の X軸方向画素ピッチは 0. 5pとなり 、サンプリング周波数が見かけ上 2倍になり X軸方向の高解像度化が可能となる。
[0183] 次に、図 14B及び図 14Cに、撮像領域 104b上の被写体像と撮像領域 104a上の 被写体像とが X軸方向に α画素(0. 5< α < 1)ずれており、且つ、 Υ軸方向に 0画 素ずれて ヽる場合に、撮像領域 104bから得られる画像と撮像領域 104aから得られ る画像とを合成した合成画像にぉ ヽて、撮像領域 104b上の被写体像を構成する画 素 202と撮像領域 104a上の被写体像を構成する画素 201との X軸方向の 1ライン上 での位置関係を示す。画素 201の X軸方向のピッチ及び画素 202の X軸方向のピッ チはいずれも pである。画素 201と画素 202の間隔は、長い方で α ·ρ、短い方で(1 α ) ·ρである。この場合、長い方の画素ピッチが見かけ上 α ·ρとなることから、画素 ピッチが ρである画像のサンプリング周波数を fsとすると、図 14B及び図 14Cの画像 の見かけ上のサンプリング周波数は fsZ となる。サンプリング周波数が fsである画 像を肉眼にて認識できる程度に高解像度化するためには、サンプリング周波数を 4 /3 'fs以上に向上させることが好ま Uヽことを、本発明者らは実験により確認して!/ヽる 。従って、 α =0. 75である必要がある。即ち、図 14B及び図 14Cにおいて、画素 20 1と画素 202の間隔は、長い方で 0. 75ρ、短い方で 0. 25ρである必要がある。
[0184] 上記の理由により、高解像度化された合成画像を得るためには、撮像領域間での 被写体像の位置のずれ量は 0. 25画素以上 0. 75画素以下であることが好ましぐ本 発明ではこの範囲を「約 0. 5画素」と表現している。上記の説明は、 X軸方向におけ る高解像度化を説明したが、 Υ軸方向についても同様に適用されることはいうまでも
ない。
[0185] 本発明の撮像装置の量産時において、撮像領域 104c上の被写体像を撮像領域 1 04a上の被写体像に対して Y軸方向に約 0. 5画素ずらし、且つ、撮像領域 104b上 の被写体像を撮像領域 104a上の被写体像に対して X軸方向に約 0. 5画素ずらす ためには、例えば、レンズ 102a〜102dを精密に成型加工したり、あるいは、レンズ 1 02a〜102d及び撮像素子 103の相対的位置を精密に位置決めしたりすることで実 現できる。また、レンズ 102a〜102dと撮像素子 103とのレンズの光軸 105a〜105d と平行な軸回りの相対的回転位置を調整することによつても実現できる。
[0186] 図 1の画像処理部 106の処理はプログラミング言語や HDL (Hardware Descript ion Language)などで記述され、その処理のフローチャートを図 15に示す。デイジ タル信号入力ステップ 301では図 1の AZD変換器 111からのディジタル信号を入力 し、エッジ方向検出ステップ 302では図 1のエッジ方向検出部 108と同様の処理を行 い、画像合成ステップ 303では図 1の画像合成部 107と同様の処理を行い、平滑フィ ルタステップ 304では図 1の平滑フィルタ部 109と同様の処理を行い、エッジ強調ス テツプ 305では図 1のエッジ強調部 110と同様の処理を行い、画像出力ステップ 306 では処理を行った画像をモニタやメモリ等に出力する。処理のフローチャートは図 15 に限定されず、同様の処理が含まれるフローチャートであれば良ぐその場合も本発 明の効果が得られる。
[0187] 上記の実施の形態は、本発明を具現化した一例であり、本発明の技術的範囲を限 定するものではない。
[0188] 上記した実施の形態により、本発明は上述した 2つ課題を解決でき、以下の効果が 得られる。
[0189] 第 1に、被写体と撮像装置との距離が所定の固定値でなく変化する場合、もしくは 温度変化等により複数のレンズ間の間隔が変化する場合であっても、画素ずらしの ずらし量が変化しな 、ため、ァクチユエータなどによる物理的な調整なしで被写体距 離や温度の変化にかかわらず常に高解像度の画像を得ることができる。
[0190] 第 2に、レンズ成型誤差、実装誤差、被写体距離、温度などに起因して、異なる撮 像領域での被写体像間のずれ量が、理想的なずれ量である 0. 5画素から外れてい
る場合であっても、色むらの目立たない高画質の画像を得ることができる。
[0191] これら第 1、第 2の効果により、レンズ成型誤差、実装誤差、被写体距離、温度など によらず、薄型で、常に高画素及び高画質な画像を撮像できる撮像装置を得ること が可能となる。
[0192] 以上に説明した実施の形態は、いずれもあくまでも本発明の技術的内容を明らか にする意図のものであって、本発明はこのような具体例にのみ限定して解釈されるも のではなぐその発明の精神と請求の範囲に記載する範囲内でいろいろと変更して 実施することができ、本発明を広義に解釈すべきである。
産業上の利用可能性
[0193] 本発明の撮像装置の利用分野は、特に制限はないが、例えば、携帯機器、車載、 医療、監視、ロボット用途などに有用である。