明 細 書
液化石油ガス製造用触媒、及び、この触媒を用いた液化石油ガスの製造 方法
技術分野
[0001] 本発明は、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させて、 主成分がプロパン又はブタンである液化石油ガスを製造するための触媒、及び、この 触媒を用いた液化石油ガスの製造方法に関する。
[0002] また、本発明は、合成ガスから、メタノール及び/又はジメチルエーテルを経由して 、主成分がプロパン又はブタンである液化石油ガスを製造する方法に関する。さらに 、本発明は、天然ガス等の含炭素原料から、メタノール及び/又はジメチルエーテル を経由して、主成分がプロパン又はブタンである液化石油ガスを製造する方法に関 する。
背景技術
[0003] 液化石油ガス (LPG)は、常温常圧下ではガス状を呈する石油系もしくは天然ガス 系炭化水素を圧縮し、あるいは同時に冷却して液状にしたものをいい、その主成分 はプロパン又はブタンである。液体の状態で貯蔵及び輸送が可能な LPGは可搬性 に優れ、供給にパイプラインを必要とする天然ガスとは違い、ボンベに充填した状態 でどのような場所にでも供給することができるという特徴がある。そのため、プロパンを 主成分とする LPG、すなわちプロパンガスが、家庭用'業務用の燃料として広く用い られている。現在、 日本国内においても、プロパンガスは約 2, 500万世帯(全世帯の 50%以上)に供給されている。また、 LPGは、家庭用 ·業務用燃料以外にも、カセット コン口、使い捨てライター等の移動体用の燃料(主に、ブタンガス)、工業用燃料、 自 動車用燃料としても使用されている。
[0004] 従来、 LPGは、 1)湿性天然ガスから回収する方法、 2)原油のスタビラィズ (蒸気圧 調整)工程から回収する方法、 3)石油精製工程などで生成されるものを分離'抽出 する方法などにより生産されてレ、る。
[0005] LPG、特に家庭用.業務用の燃料として用いられるプロパンガスは将来的にも需要
が見込め、工業的に実施可能な、新規な製造方法を確立できれば非常に有用であ
[0006] 本発明者らはこれまでに、式(I)に従って、メタノール及びジメチルエーテルの少な くとも 1つと水素と力、ら、主成分がプロパン又はブタンである LPGを合成する方法につ いて研究を進めてきた。本発明者らはこの方法を「半間接法」と称している。
[化 1コ
CH3OH ^ - CH3OCH3
H2C: ( 1 )
H2
OLEFIN—— ^→ LPG
[0007] 半間接法における反応は、メタノール又はジメチルエーテル力、らォレフインを形成 する反応(ォレフイン化反応)と、ォレフィンを水素化してパラフィン、すなわち LPGを 形成する反応(水素化反応)とからなる。
[0008] 本発明者らはこれまでに半間接法に使用する触媒として種々のものを検討してきた
(例えば非特許文献 1〜3参照)。しかしながらこれまでに開発された半間接法用触 媒の LPG選択性は未だ満足できるレベルではない。
[0009] 例えば非特許文献 1では、半間接法用触媒として、 Pdを担持させたシリカと、 USY 型ゼオライトとを組み合わせたハイブリッド触媒が開示されて!/、る。し力、しながらジメチ ルエーテルから、産業上有用価値の低!/、一酸化炭素及び二酸化炭素へ転化される 率が数パーセント程度あるという問題があった。また生成された炭化水素中でのプロ パン及びブタンの割合が最大でも 65%前後であった。
[0010] また従来の半間接法要触媒では、ォレフィン化反応を進めるための触媒と、ォレフ インを水素化してパラフィンに変換する反応を進めるための触媒とを組み合わせるこ とが一般的であった。このため、従来の半間接法要触媒は製造工程が複雑になると いう問題があった。例えば非特許文献 1では、 Pdを担持させた、 SiO /Al Oモル
2 2 3 比が 37である 0ーゼオライト触媒のみを用いてジメチルエーテル及び水素から LPG
の製造を行った実験が記載されている力 炭化水素の収率が 73. 6%、炭化水素中 のプロパン及びブタンの割合が 2. 1 %と非常に低ぐ工業的利用には適当なもので はなかった。
非特許文献 1 : K. Asami et al. Catalysis Today, 106 (2005) 247-251
非特許文献 2 : Kenji Asami, Qianwen Zhang, Hirashima Shunsuke, Xiaohong Li, Sach io Asaoka, Kaoru Fujimoto, 日本石油学会第 47回年会第 53回研究発表会、 2004年 5 月、東京
^特許文 3: Kenji Asami, Qianwen Zhang, Hirashima ShunsuKe, Xiaohong Li, Sach io Asaoka, Kaoru Fujimoto, Synthesis of LPG from DME with VIIIB Metal Supporte d on ZSM-5,第 13回日本エネルギー大会研究発表会 2004年 7月、東京
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 半間接法において一酸化炭素及び二酸化炭素の生成量を減らし、炭化水素の収 率を高めること、並びに炭化水素中のプロパン及びブタンの比率を高めることが求め られている。
[0012] そこで本発明は、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つ及び水素を原料 として、主成分がプロパン又はブタンである炭化水素、すなわち液化石油ガス(LPG )を高選択的かつ高収率で製造することができる触媒を提供することを目的とする。
[0013] 本発明はまた、液化石油ガス (LPG)を高選択的かつ高収率で製造することができ る方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0014] 本発明は以下の発明を包含する。
[0015] (1)メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させてプロパン 又はブタンを主成分とする液化石油ガスを製造するための液化石油ガス製造用触媒 であって、
Pdを担持してなる、 SiO /Al Oモル比が 100以上である 0—ゼオライトを含有す
2 2 3
ることを特徴とする液化石油ガス製造用触媒。
[0016] (2) SiO /Al Oモル比が 100〜; 1000である、(1)記載の液化石油ガス製造用触
媒。
[0017] (3) Pdの担持量が 0· 01-5. 0重量%である、(1)又は(2)記載の液化石油ガス製 造用触媒。
[0018] (4) (1)〜(3)のいずれかに記載の液化石油ガス製造用触媒の存在下でメタノール 及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させ、主成分がプロパン又は ブタンである液化石油ガスを製造することを特徴とする液化石油ガスの製造方法。
[0019] (5)メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させる際の反応 温度が 350〜600°Cである(4)に記載の液化石油ガスの製造方法。
[0020] (6)メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させる際の反応 圧力が 0. 5〜5. OMPaである(4)又は(5)に記載の液化石油ガスの製造方法。
[0021] (7) (A)メタノール合成触媒を含有する触媒層に合成ガスを流通させて、メタノールと 水素とを含む反応ガスを得るメタノール製造工程と、
(B) (1)〜(3)のいずれかに記載の液化石油ガス製造用触媒を含有する触媒層に
、メタノール製造工程において得られた反応ガスを流通させて、主成分がプロパン又 はブタンである液化石油ガスを製造する液化石油ガス製造工程と
を有することを特徴とする液化石油ガスの製造方法。
[0022] (8) (A)メタノール合成触媒とメタノール脱水触媒とを含有する触媒層に合成ガスを 流通させて、ジメチルエーテルと水素とを含む反応ガスを得るジメチルエーテル製造 工程と、
(B) (1)〜(3)のいずれかに記載の液化石油ガス製造用触媒を含有する触媒層に 、ジメチルエーテル製造工程において得られた反応ガスを流通させて、主成分がプ 口パン又はブタンである液化石油ガスを製造する液化石油ガス製造工程と を有することを特徴とする液化石油ガスの製造方法。
[0023] (9) (A)含炭素原料と、 H〇、 O及び CO力 なる群より選択される少なくとも一種と
2 2 2
から、合成ガスを製造する合成ガス製造工程と、
(B)メタノール合成触媒を含有する触媒層に合成ガスを流通させて、メタノールと水 素とを含む反応ガスを得るメタノール製造工程と、
(C) (1)〜(3)のいずれかに記載の液化石油ガス製造用触媒を含有する触媒層に
、メタノール製造工程において得られた反応ガスを流通させて、主成分がプロパン又 はブタンである液化石油ガスを製造する液化石油ガス製造工程と
を有することを特徴とする液化石油ガスの製造方法。
[0024] (10) (A)含炭素原料と、 H〇、 O及び CO力 なる群より選択される少なくとも一種
2 2 2
とから、合成ガスを製造する合成ガス製造工程と、
(B)メタノール合成触媒とメタノール脱水触媒とを含有する触媒層に合成ガスを流 通させて、ジメチルエーテルと水素とを含む反応ガスを得るジメチルエーテル製造ェ 程と、
(C) (1)〜(3)のいずれかに記載の液化石油ガス製造用触媒を含有する触媒層に 、ジメチルエーテル製造工程において得られた反応ガスを流通させて、主成分がプ 口パン又はブタンである液化石油ガスを製造する液化石油ガス製造工程と を有することを特徴とする液化石油ガスの製造方法。
[0025] ここで、合成ガスとは、水素と一酸化炭素とを含む混合ガスを指し、水素及び一酸 化炭素からなる混合ガスに限られない。合成ガスは、例えば、二酸化炭素、水、メタン 、ェタン、エチレンなどを含む混合ガスであってもよい。天然ガスを改質して得られる 合成ガスは、通常、水素と一酸化炭素とに加えて二酸化炭素や水蒸気を含む。また 、合成ガスは、石炭ガス化により得られる石炭ガスや、石炭コータスから製造される水 十生ガスであってもよい。
発明の効果
[0026] 本発明により、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つ及び水素を原料と して、主成分がプロパン又はブタンである炭化水素、すなわち液化石油ガス(LPG) を高選択的かつ高収率で製造することができる触媒が提供される。
[0027] また、本発明により、液化石油ガス(LPG)を高選択的かる高収率で製造することが できる方法が提供される。
[0028] 本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願 2006-208124号の明細書 および/または図面に記載される内容を包含する。
図面の簡単な説明
[0029] [図 1]図 1は実験 2において 0. 5重量%の Pdを担持する SiO / \ Oモル比が 300
の 0ーゼオライトの触媒層に水素とジメチルエーテルとを水素/ジメチルエーテル = 19/1のモル比で含む原料ガスを流通させた場合の流通開始後各時点で生成した 炭化水素ガス中の炭化水素組成(%)を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0030] 1.液化石油ガス 1¾告用触媒
本発明の液化石油ガス製造用触媒は、 Pdを担持してなる、 SiO /Al Oモル比が
2 2 3
100以上である /3—ゼオライトを含有することを特徴とする。従来の半間接法用触媒 の多くは、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1っをォレフインに変換するた めの触媒と、ォレフィンに水素を付加するための触媒とを組み合わせたものであった 力 本発明では驚くべきことに単独の触媒を使用して半間接法の反応を行うことがで きる。
[0031] 本発明で使用される β—ゼオライトは、 SiO /Al Oモル比が 100以上、好ましく
2 2 3
(ま 100〜; 1000、より好ましく (ま 100〜400、最も好ましく (ま 150〜300である。同 匕カ 100未満である場合、生成される炭化水素中のプロパン及びブタンの割合が低くな るという問題がある。また同比が 1000を越えると中間生成物であるォレフィンの水素 化が進み難いことがある。このような SiO /Al Oモル比を有する /3—ゼォライトは、
2 2 3
例えは文献 (synthesis and thermal stability or beta zeolite using ammonium fluoride, Hery Jon, Baowang Lu, Yasunori Oumi, enji Itabashi, Tsuneji Sano, Microporous Mesoporous Materials, 89(2006) 88-95)に記載されているような公知の方法により調 製すること力 Sでさる。
[0032] 本発明で使用される /3—ゼオライトは Pdを担持する。 Pdの担持量は特に限定され ないが、典型的には 0. 01 -5. 0重量%、より典型的には 0.;!〜 5. 0重量%である。
Pdの担持量が 0. 01 %未満の場合、ォレフィンの水素化反応が進行し難いことがあ り、また、触媒の炭素析出が起こり易いことがある。 Pdの担持量が多すぎるとメタン及 びェタンが生成し易いことがあり、また、コストが高いことがある。
[0033] なお Pdの担持量(重量%)は次のように定義される。
[0034] Pdの担持量(重量%) = [ (Pd重量)/ (Pd重量 + βーゼオライト重量)] X 100
ゼォライト触媒への Pdの導入方法は特に限定されずイオン交換法、含浸法などの
方法により導入することができる。
[0035] Pdは金属の形で含まれていなくてもよぐ例えば、酸化物、硝酸塩、塩化物などの 形で含まれていてもよい。その場合、より高い触媒活性が得られる点から、反応前に
、例えば、水素還元処理などをすることによって、ゼォライト触媒中の Pdを金属パラジ ゥムに転化させることが好ましレ、。
[0036] 上記 0ーゼオライトは粉末の形態で使用することができる。また必要に応じて成形 して使用すること力できる。成形方法としては押出成形法、打錠成形法などが挙げら れる。
[0037] 2.液化石油ガスの製造方法
次に、本発明の液化石油ガス製造用触媒を用いて、メタノール及びジメチルエーテ ルの少なくとも 1つと水素とを反応させ、主成分がプロパン又はブタンである液化石油 ガス、好ましくは主成分がプロパンである液化石油ガスを製造する方法について説明 する。
[0038] 本発明では、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させ るのである力 S、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つを「反応原料」と称す
[0039] 本発明の LPGの製造方法においては、反応原料として、メタノール又はジメチルェ 一テルを単独で用いることもでき、また、メタノールとジメチルエーテルとの混合物を 用いることもできる。反応原料としてメタノールとジメチルエーテルとの混合物を用い る場合、メタノールとジメチルエーテルとの含有比率は特に限定されず、適宜決める こと力 Sでさる。
[0040] 反応は、固定床でも、流動床でも、移動床でも行うことができる。原料ガス組成、反 応温度、反応圧力、触媒との接触時間などの反応条件は適宜決めることができるが、 例えば、以下のような条件で LPG合成反応を行うことができる。
[0041] 反応温度は 350〜600°Cであることが好ましぐ 350〜500°Cであることがより好ま しぐ 415〜500°Cであることがさらに好ましぐ 430〜500°Cであることが特に好まし い。反応温度が 350以上、より好ましくは 415°C以上、特に好ましくは 430°C以上で あれば触媒の活性が十分に高い。反応温度が 600°C以下であれば C1〜C2が生成
し難い。この温度範囲は、従来の半間接法における反応温度よりも高いが、 0ーゼ オライト触媒は安定性が高いため、この温度範囲にも十分に耐え得る。なお、非特許 文献 1で使用されるような USY型ゼオライト触媒は高温下での安定性が低いため、 前記温度範囲での反応には適さない。
[0042] 反応圧力は 0. 5〜5. OMPaであること力 S好ましく、 0. 5〜3. OMPaであること力 Sよ り好ましい。 0. 5MPa未満の場合、反応が不安定なことがある。
[0043] メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とを反応させる際の、触媒 の使用量 (W) (単位 g)を入口ガス流量(F) (単位 mol/h)で割った値 (W/F値)は 0. 5-10. 0であることが好ましい。 W/F値が 0. 5以上であれば転化率が高い。 W /F値が 10. 0以下であれば触媒の使用量が少なくて済む。
[0044] 原料ガスとしてメタノールと水素との混合ガスを用いる場合、原料ガス中のメタノー ノレは、水素ガス 1モルに対して 0· 04モル〜 1モルであることが好ましぐ 0· 1モル〜 0 . 4モルであることがより好ましい。
[0045] 原料ガスとしてジメチルエーテルと水素との混合ガスを用いる場合、原料ガス中の ジメチノレエーテノレは、水素ガス 1モノレに対して、ジメチノレエーテノレは 0. 02モノレ〜 0. 5モルであることが好ましぐ 0· 05モル〜 0. 2モルであることがより好ましい。
[0046] 反応原料力 Sメタノールとジメチルエーテルとの混合物である場合、反応器に送入さ れるガス中のメタノール及びジメチルエーテルの濃度、並びに反応器に送入されるガ ス中の水素の濃度は、上記の反応原料カ^タノールである場合の好ましい範囲と反 応原料がジメチルエーテルである場合の好ましい範囲と同様の範囲が好ましぐメタ ノールとジメチルエーテルとの含有比率に応じてこれらの好ましい範囲を算出するこ とができる。例えばメタノールが Aモル、ジメチルエーテル力 ¾モル、水素が Cモルで ある場合、水素ガス 1モルに対するメタノールの比率は A/{C*A/(A+B)}、水素ガス 1モ ルに対するジメチルエーテルの比率は B/{C*B/(A+B)}と算出し、これらの比率が上記 の範囲に包含されるように設定することが好まし!/、。
[0047] 反応器に送入されるガスは、反応原料であるメタノール及びジメチルエーテルの少 なくとも 1つと水素以外に、例えば、水、不活性ガスなどを含むものであってもよい。ま た、反応器に送入されるガスは、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素を含むものであ
つてもよい。
[0048] なお、メタノール及びジメチルエーテルの少なくとも 1つと水素とは、混合して反応 器に供給してもよぐまた、別々に反応器に供給してもよい。
[0049] 反応器に送入されるガスは、分割して反応器に送入し、それにより反応温度を制御 することあでさる。
[0050] 反応は固定床、流動床、移動床などの触媒床を用いて行うことができる力 触媒床 は反応温度の制御と触媒の再生方法との両面から選定することが好ましい。例えば、 固定床型反応器としては、内部多段タエンチ方式などのタエンチ型反応器、多管型 反応器、複数の熱交換器を内包するなどの多段型反応器、多段冷却ラジアルフロー 方式や二重管熱交換方式や冷却コイル内蔵式や混合流方式などその他の反応器 などを用いることができる。
[0051] 液化石油ガス製造用触媒は、温度制御を目的として、シリカ、アルミナなど、あるい は、不活性で安定な熱伝導体で希釈して用いることもできる。また、液化石油ガス製 造用触媒は、温度制御を目的として、熱交換器表面に塗布して用いることもできる。
[0052] このようにして得られる反応生成ガス(低級パラフィン含有ガス)は、含まれる炭化水 素の主成分がプロパン又はブタンである。液化特性の点から、低級パラフィン含有ガ ス中のプロパン及びブタンの合計含有量は多いほど好ましい。本発明では、プロパン 及びブタンの合計含有量が、含まれる炭化水素の炭素量基準で 70%以上、好ましく は 75%以上、より好ましくは 80%以上である低級パラフィン含有ガスを得ることがで きる。
[0053] また、得られる低級パラフィン含有ガスは、燃焼性及び蒸気圧特性の点から、ブタ ンよりプロパンが多!/、ことが好まし!/、。
[0054] また、得られる低級パラフィン含有ガスには、通常、水分や、プロパンの沸点より低 い沸点又は昇華点を持つ物質である低沸点成分、ブタンの沸点より高い沸点を持つ 物質である高沸点成分が含まれる。低沸点成分としては、例えば、未反応の原料で ある水素、副生物であるェタン、メタンや、一酸化炭素、二酸化炭素などが挙げられ る。高沸点成分としては、例えば、副生物である高沸点パラフィン (ペンタン、へキサ ン等)などが挙げられる。
[0055] そのため、得られた低級パラフィン含有ガスから、必要に応じて水分、低沸点成分 及び高沸点成分などを分離し、プロパン又はブタンを主成分とする液化石油ガス(L PG)を得る。また、必要に応じて、未反応の原料であるメタノール及び/又はジメチ ルエーテルなども公知の方法によって分離する。
[0056] 水分の分離、低沸点成分の分離、高沸点成分の分離は、公知の方法によって行う こと力 Sでさる。
[0057] 水分の分離は、例えば、液液分離などによって行うことができる。
[0058] 低沸点成分の分離は、例えば、気液分離、吸収分離、蒸留などによって行うことが できる。より具体的には、加圧常温での気液分離や吸収分離、冷却しての気液分離 や吸収分離、あるいは、その組み合わせによって行うことができる。また、膜分離や吸 着分離によって行うこともでき、これらと気液分離、吸収分離、蒸留との組み合わせに よって行うこともできる。低沸点成分の分離には、製油所で通常用いられているガス 回収プロセス(「石油精製プロセス」石油学会/編、講談社サイェンティフイク、 1998 年、 ρ· 28〜ρ· 32記載)を適用することができる。
[0059] 低沸点成分の分離方法としては、プロパン又はブタンを主成分とする液化石油ガス を、ブタンより沸点の高い高沸点パラフィンガス、あるいは、ガソリンなどの吸収液に 吸収させる吸収プロセスが好ましレ、。
[0060] 高沸点成分の分離は、例えば、気液分離、吸収分離、蒸留などによって行うことが できる。
[0061] なお、分離条件は、公知の方法に従って適宜決めることができる。
[0062] また、液化石油ガスを得るために、必要に応じて加圧及び/又は冷却を行ってもよ い。
[0063] 民生用としては、使用時の安全性の点から、例えば、分離によって LPG中の低沸 点成分の含有量を 5モル%以下(0モル%も含む)とすることが好まし!/、。
[0064] このようにして製造される LPG中のプロパン及びブタンの合計含有量は、炭素量基 準で 90%以上、さらには 95%以上(100%も含む)とすることができる。また、製造さ れる LPG中のプロパンの含有量は、炭素量基準で 50%以上、さらには 60%以上、 さらには 65%以上(100%も含む)とすることができる。本発明によれば、家庭用'業
務用の燃料として広く用いられているプロパンガスに適した組成を有する LPGを製造 すること力 Sでさる。
[0065] 3.含炭素原料力^の液化石油ガスの製造方法
本発明にお!/、て反応原料として用いるメタノール及びジメチルエーテルは、現在、 工業的に製造されている。
[0066] メタノールは、例えば、以下のようにして製造されている。
[0067] まず、必要に応じて、硫黄や硫黄化合物などの触媒被毒物質を除去 (脱硫など)し た後、天然ガス (メタン)と、 H〇、 O及び CO力 なる群より選択される少なくとも一
2 2 2
種とを Ni系触媒などの改質触媒の存在下で反応させることにより、合成ガスを製造す る。合成ガスの製造方法として、天然ガス (メタン)の水蒸気改質法、複合改質法ある いは自己熱改質法はよく知られている。
[0068] また、天然ガス以外の含炭素原料と、 H〇、 O及び COからなる群より選択される
2 2 2
少なくとも一種とを公知の方法により反応させることによつても、合成ガスを製造するこ とができる。含炭素原料としては、炭素を含む物質であって、 H〇、 O及び COから
2 2 2 なる群より選択される少なくとも一種と反応して H及び COを生成可能なものであれ
2
ば何れも用いることができ、例えば、ェタン等の低級炭化水素など、また、ナフサ、石 炭などを用いることができる。
[0069] 次に、メタノール合成触媒の存在下、一酸化炭素と水素とを反応させることにより、 合成ガスからメタノールを製造する。メタノール合成触媒として Cu— Zn— A1複合酸 化物、 Cu— Zn— Cr複合酸化物などの Cu— Zn系触媒(Cu及び Znを含む複合酸化 物)を用いる場合、通常、反応温度 230〜300°C程度、反応圧力 2〜; !OMPa程度で 反応を行う。メタノール合成触媒として Zn— Cr系触媒 (Zn及び Crを含む複合酸化物 )を用いる場合、通常、反応温度 250〜400°C程度、反応圧力 10〜60MPa程度で 反応を行う。
[0070] このようにして得られる生成物(未精製のメタノール)には、通常、水や、未反応の原 料である一酸化炭素、副生物である二酸化炭素、ジメチルエーテルなどが含まれる。 本発明においては、反応原料として、この未精製のメタノールを用いることもできる。
[0071] 一方、ジメチルエーテルは、例えば、リン酸アルミニウムなどの固体酸触媒を用い、
メタノールの脱水反応により製造されて!/、る。
[0072] さらに、メタノールを経由せず、合成ガスから直接ジメチルエーテルを製造するプロ セスも実用化されつつある。このプロセスにおいては、スラリー相反応器を用い、メタ ノール合成触媒とメタノール脱水触媒との混合触媒、例えば、メタノール合成触媒とメ タノール脱水触媒とを、メタノール合成触媒:メタノール脱水触媒 = 1: 2〜2: 1 (質量 比)で含有する触媒の存在下、反応温度 230〜280°C程度、反応圧力 3〜7MPa程 度で、一酸化炭素と水素とを反応させることにより、ジメチルエーテルを合成すること ができる。
[0073] このようにして得られる生成物(未精製のジメチルエーテル)には、通常、水や、未 反応の原料である一酸化炭素、副生物である二酸化炭素、メタノールなどが含まれる 。本発明においては、反応原料として、この未精製のジメチルエーテルを用いることも できる。
[0074] 本発明においては、含炭素原料と、 H〇、 O及び COからなる群より選択される少
2 2 2
なくとも一種とから、合成ガスを製造し (合成ガス製造工程)、メタノール合成触媒を含 有する触媒層に得られた合成ガスを流通させて、メタノールと水素とを含む反応ガス を得 (メタノール製造工程)、上記の方法に従って、液化石油ガス製造用触媒を含有 する触媒層に、メタノール製造工程において得られた反応ガスを流通させて、主成分 がプロパン又はブタンである液化石油ガスを製造する(液化石油ガス製造工程)こと もできる。
[0075] また、本発明にお!/、ては、含炭素原料と、 H〇、 O及び COからなる群より選択さ
2 2 2
れる少なくとも一種とから、合成ガスを製造し (合成ガス製造工程)、メタノール合成触 媒とメタノール脱水触媒とを含有する触媒層に得られた合成ガスを流通させて、ジメ チルエーテルと水素とを含む反応ガスを得 (ジメチルエーテル製造工程)、上記の方 法に従って、液化石油ガス製造用触媒を含有する触媒層に、ジメチルエーテル製造 工程にお!/、て得られた反応ガスを流通させて、主成分がプロパン又はブタンである 液化石油ガスを製造する(液化石油ガス製造工程)こともできる。
[0076] 合成ガスの合成反応は、上記の方法など、公知の方法に準じて行えばよい。また、 メタノールの合成反応及びジメチルエーテルの合成反応も、上記の方法など、公知
の方法に準じて行えばよい。
[0077] 上記の LPGの製造方法において、合成ガスを製造する反応器である改質器の下 流にシフト反応器を設け、シフト反応(CO + H 0→CO +H )によって合成ガスの
2 2 2
組成を調整することもできる。
[0078] また、上記の LPGの製造方法にお!/、て、液化石油ガス製造工程で低級パラフィン 含有ガスから分離された低沸点成分を、合成ガス製造工程の原料としてリサイクルす ることあでさる。
[0079] 低級パラフィン含有ガスから分離された低沸点成分は、すべて合成ガス製造工程 にリサイクルしてもよいし、また、一部を系外に抜き出し、残りを合成ガス製造工程にリ サイクルしてもよい。低沸点成分は、所望の成分のみを分離して合成ガス製造工程 にリサイクノレすることもできる。
[0080] この場合、合成ガス製造工程において、反応器である改質器に送入されるガス中 の低沸点成分の含有量、すなわちリサイクル原料の含有量は適宜決めることができ
[0081] 低沸点成分をリサイクルするためには、適宜リサイクルラインに昇圧手段を設ける等 、公知の技術を採用することができる。
[0082] 本発明によれば、既存のメタノール合成プラントあるいはジメチルエーテル合成プラ ントを利用し、それに本発明の LPG製造装置を付設することによって、合成ガスから 、あるいは、天然ガス等の含炭素原料から液化石油ガスを製造することが可能である
〇
実施例
[0083] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例 に限定されるものではない。
[0084] (実験 1)
本実験では /3—ゼオライトとして、 SiO /Al Oモル比が 37、 150、又は 243のも
2 2 3
のを使用した。 SiO /Al Oモル比が 37の /3—ゼォライトは東ソー株式会社製のも
2 2 3
のを用いた。同比が 150の /3—ゼオライトは発明者らが独自に調製したものを用いた 。同比が 243の /3—ゼオライトもまた発明者らが独自に調製したものを用いた。
[0085] SiO /Al Oモル比が 150である /3—ゼオライトは以下の手順で調製した。調製
2 2 3
には次の材料を使用した。脱イオン水;テトラエチルアンモニゥムヒドロキシド (TEAO ^1)35重量%水溶液(SIGMA— ALDRICH社); Silica LUDOX TM— 40(コロ イド状シリカ 40重量%水中懸濁液)(SIGMA— ALDRICH社);アルミン酸ナトリウム (Na O 3;!〜 35重量0 /0, Al O 34〜39重量0 /0, Na O/Al O =1.5 (モノレ 匕))
2 2 3 2 2 3
(関東化学株式会社、 Cat. No.37095-01);フッ化アンモニゥム(関東化学株式 会社)。最初に、 0· 3164gのァノレミン酸ナトリウムと、 21· 28gの TEAOH水溶 ί夜と、 3. 15gの脱ィ才ン水とを均質になるまで混合した。次に、 25.375gの Silica LUD OX TM— 40を前記混合物に添加し、溶解するまで攪拌及び混合を行った。更に 0 .63gのフッ化アンモニゥムを加え、 10分間攪拌及び混合を行った。こうして得られた バッチ混合物は Na 0:ΤΕΑΟΗ:Α1 O : SiO : H 0:NH F = 0.01:36:1:150:
2 2 3 2 2 4
1285:1.5 (モル比)の組成を有していた。当該バッチ混合物をオートクレーブに移 し、 13rpmの回転率で 150±1°Cにて 96時間水熱合成した。 96時間経過後、冷水 でオートクレープを冷却し、内容物を吸引ろ過し、脱イオン水で十分に洗浄し、 120 °Cにて終夜乾燥させた。乾燥後、 550°Cにて 5時間焼成した。こうして得られた生成 物が /3—ゼオライトであることを、 X線回折装置を用いて確認した。
[0086] SiO /Al Oモル比が 243である βーゼオライトは以下の手順で調製した。調製
2 2 3
には上記と同様の材料を使用した。最初に、 0.4gのアルミン酸ナトリウムと、 42.5g の TEAOH水溶液と、 6.3gの脱イオン水とを均質になるまで混合した。次に、 50.7 5gの Silica LUDOX TM— 40を前記混合物に添加し、溶解するまで攪拌及び混 合を行った。更に 0.155gのフッ化アンモニゥムを加え、 10分間攪拌及び混合を行 つた。こうして得られたバッチ混合物は Na O: TEAOH :A1 O : SiO : H O : NH F
2 2 3 2 2 4
=0.01:36:0.4938:120:1285:1.5 (モノレ 匕)の糸且成を有してレヽた。当該ノ ツチ 混合物をオートクレーブに移し、 13卬111の回転率で150±1°じにて120時間水熱合 成した。 120時間経過後、冷水でオートクレープを冷却し、内容物を吸引ろ過し、脱 イオン水で十分に洗浄し、 120°Cにて終夜乾燥させた。乾燥後、 550°Cにて 5時間焼 成した。こうして得られた生成物が /3—ゼオライトであることを、 X線回折装置を用い て確認した。
[0087] これらの 13ーゼオライトに Pdを担持させた。ゼォライトへのイオン交換法による Pdの 担持は次の方法により行った。まず担持量に応じた濃度の Pd (NO ) の溶液を調製
3 2
した。そしてこの溶液 150mlにゼオライト粉末を 5g添加し、水浴を用いて 80°Cにて 8 時間攪拌した。攪拌後ろ過して触媒を回収した。回収された触媒を開放系にて 120 °Cで乾燥させた。次いで空気中にて 500°Cで 4時間焼結した。 Pdの担持量は表 1に 示すように 0. 05重量%、 0. 1重量%、 0. 5重量%のいずれかとした。
[0088] 調製された粉末状の Pd担持 0 -ゼォライト触媒を錠剤成形器を用レ、て 40kg/cm2 で 30秒間加圧成形した後、 0. 37-0. 84mmの粒子径となるように破砕した。
[0089] 0. 05重量%の Pdを担持する SiO /Al Oモル比が 37の 0ーゼオライトを比較例
2 2 3
1、 0. 1重量%の Pdを担持する SiO /Al Oモル比が 37の /3—ゼオライトを比較例
2 2 3
2、 0. 5重量%の Pdを担持する SiO /Al Oモル比が 37の /3—ゼオライトを比較例
2 2 3
3、 0. 5重量%の Pdを担持する SiO /Al Oモル比が 150の /3—ゼオライトを実施
2 2 3
例 1、 0. 5重量%の Pdを担持する SiO /Al Oモル比が 243の /3—ゼオライトを実
2 2 3
施例 2とした。
[0090] 調製した各触媒 lgを内径 6mmの反応管に充填した後、反応に先立ち、触媒を水 素気流中、 400°Cで 2時間還元処理した。
[0091] 触媒を還元処理した後、水素とジメチルエーテルとを水素/ジメチルエーテル = 1 0/1のモル比で含む原料ガスを反応温度 385〜475°C、反応圧力 2. 0MPa、 W/ F = l . Og'h/molで触媒層に流通させ、 LPG合成反応を行った。
[0092] 反応開始から 1時間後に、生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。そして、 ジメチルエーテルの転化率(%)、生成物中における一酸化炭素及び二酸化炭素( 両者を合わせて COxと記載する)の比率 (すなわち COx選択率)(%)、生成物中に おける炭化水素(CHと記載する)の比率 (すなわち CH選択率)(%)、生成した炭化 水素ガスにおける各炭化水素の組成(%)を求めた。なおこれらの割合はいずれも炭 素量基準により算出した値である。
[0093] なおジメチルエーテル転化率は次の式により算出される。
[0094] ジメチルエーテル転化率(%) = [ (入口のジメチルエーテル流量(mol/h)—出口の ジメチノレエーテノレ流量 (mol h) ) 入口のジメチノレエーテノレ流量 (mol h) ] X 10
0
分析結果を表 1に示す。実施例 1及び 2では、ジメチルエーテル (DME)の転化率 が 100%であり、炭化水素の選択率が 99%以上であり、生成された炭化水素中にお けるプロパン及びブタンの割合が 68%以上であった。特に実施例 1及び 2において 温度を 415°C以上に高めると炭化水素中におけるプロパン及びブタンの割合は驚く べきことに 75%を超えた。一方、 SiO /Al Oモル比が 37である /3ゼォライトを使用
2 2 3
した比較例 1〜3では、 Pd担持量及び反応温度を高めても炭化水素中におけるプロ パン及びブタンの割合が 70%を超えることはなかった。
[表 1]
比較例 1触媒: 0.05重量%Pd- -37
/皿 し D E COx CH 炭化水素の組成(%) DME力、らの 転化率 (%) 選択率 ) 選択率 (%) CH4 C2H4 C2H6 C3H6 C3H8 1-C4H10 n-C4H10 C5 C6 C7+ C3+C4 C3+C4収率 (¾)
385 95 0.4 99.6 17.8 0 1.9 0 27.6 25 11.2 1 1.7 4.8 0 63.8 63.5
400 97 0.5 99.5 10.9 0 2.3 0 31 25 12.6 1 1.9 6.1 0 68.7 68.3
415 100 0.2 99.8 1.5 0 5.2 0 30.4 27 12.5 15.3 8.1 0 69.9 69.8
430 100 0.2 99.8 1.3 0 7.5 0 30.4 26.1 11.7 15.5 7.5 0 68.3 68.1
450 100 0.2 99.8 2.3 0 10.3 0 30.5 24 1 1 14.1 7.8 0 65.5 65.3
475 100 0.3 99J 6.4 0 12 0 32.7 20.8 10 13.3 4.8 0 63.5 63.3 比較例 2触媒: 0.1重量! 4 Pd- β -37
DME COx CH 炭化水素の組成( DME力、らの 転化率 (%) 選択率 (%) 選択率 (%) CH4 C2H4 C2H6 C3H6 C3H8 -C4H10 n-C4H10 C5 C6 C7+ C3+C4 C3+C4収率 (%)
385 96 0.9 99.1 23.5 0 1.5 0 21 23.1 10.2 1 17 5.4 3.6 54.2 53.8
400 100 0.4 99.6 2.5 0 3.6 0 25.8 27.8 12J 16.3 9 2.3 66.2 66
415 100 0.3 99J 1.1 0 5.2 0 26.6 27J 12.5 17.3 8.1 1.4 66.8 66.6
430 100 0.4 99.6 1.5 0 6.9 0 28.6 27.1 12.5 17.1 6.3 0 68.2 68
450 100 0.3 99J 2.4 0 8.4 0 30.7 25.5 12J 16.2 4 0 69 68.7
475 100 0.3 99.7 5.3 0 9.8 0 30.2 23.3 11.6 15.1 4.7 0 65.2 64.9 比較例 3触媒: 0.5重量 ¾ Pd- β -37
m'jtし D E COx CH 炭化水素の組成( DMEからの 転化率 (%) 選択率 (%) 選択率 (¾) CH4 C2H4 C2H6 C3H6 C3H8 -C4H10 C4H10 C5 C6 C7+ C3+C4 C3+C4収率 (%)
385 98 3.2 96.8 97.5 0 0.3 0 2.2 0 0 0 0 0 2.2 2.2
400 96 2.9 97.1 93J 0 0.4 0 5.9 0 0 0 0 0 5.9 5.7
415 97 3.9 96.1 92J 0 1 0 6.3 0 0 0 0 0 6.3 6
430 98 4.7 95.3 70.9 0 1J 0 12.9 6.8 4.3 3 0.4 0 24 22.9
450 100 4.4 95.6 27.4 0 2.1 0 30.5 17.2 12.4 7.1 3.2 0 60.2 57.6
475 100 0.6 99.4 5.3 0 1 1.3 0 25.6 27.7 9.6 16.2 2.8 1.5 62.8 62.5
実施例 2触媒: 0.5重量% -243
i*or DME COx CH 炭化水素の組成 06) DMEからの 転化率 (%) 選択率 (%) 選択率 (%) CH4 C2H4 C2H6 C3H6 C3H8 i-C4H10 n-C4H10 C5 C6 C7+ C3+C4 C3+C4収率 (W
~~ 385 100 1.1 98.9 9.7 0 1 0 21.9 30.5 15.6 12.2 5.2 3.9 68 67.3
400 100 0.6 99.4 5 0 0.9 0 26.9 27.7 17.3 13.8 6.4 2 71.8 71.4
415 100 0.5 99.5 3.3 0 0.8 0 32.3 24.4 18.8 13.7 6.1 0.6 75.5 75.1
430 100 0.5 99.5 2.4 0 0.8 0 37.5 20.8 20.1 13.2 4.9 0.3 78.4 78.1
450 100 0.4 99.6 1.9 0 1.1 0 45.2 16.5 20.3 1 1.8 3.2 0 82 81.7
475 100 0.4 99.6 1.7 0 1.8 0 54 12.5 19.1 9.6 1.4 0 85.6 85.2
s009
[0096] (実験 2)
本実験では触媒として、 0. 5重量%の Pdを担持してなる SiO /Al Oモル比が 30
2 2 3
0の /3—ゼオライトを用いた。
[0097] β—ゼオライトの調製には実験 1と同様の材料を使用した。最初に、 0. 14gのアル ミン酸ナトリウムと、 10. 5gの TEAOH水溶液と、 8. 75gの脱イオン水とを均質になる まで混合した。次に、 22. 5gの Silica LUDOX TM— 40を前記混合物に添加し、 溶解するまで攪拌及び混合を行った。更に 0. 056gのフッ化アンモニゥムを加え、 60 分間攪拌及び混合を行った。こうして得られたバッチ混合物は Na O : TEAOH : A1
2 2
O : SiO : H 0 : NH F = l . 97 : 12. 5 : 0. 25 : 75 : 1050 : 0. 75 (モル比)の組成を
3 2 2 4
有していた。当該バッチ混合物をオートクレーブに移し、 20rpmの回転率で 150°C にて 168時間水熱合成した。 168時間経過後、冷水でオートクレープを冷却し、内容 物を吸引ろ過し、脱イオン水で十分に洗浄し、 120°Cにて終夜乾燥させた。乾燥後、 550°Cにて 6時間焼成した。こうして得られた生成物が /3—ゼォライトであることを、 X 線回折装置を用いて確認した。
[0098] こうして得られた、 SiO /Al Oモル比が 300の /3—ゼオライトに実験 1と同様の手
2 2 3
順により 0. 5重量%の Pdを担持させた。
[0099] Pd担持後のベータゼォライトを実験 1の手順で粉砕し、粉砕された触媒 lgを内径 6 mmの反応管に充填した後、反応に先立ち、触媒を水素気流中、 400°Cで 2時間還 元処理した。
[0100] 還元処理後、水素とジメチルエーテルとを水素/ジメチルエーテル = 19/1のモ ル比で含む原料ガスを反応温度 450°C、反応圧力 1. 0MPa、W/F = 7. 0g - h/m olで触媒層に流通させ、 LPG合成反応を行った。反応開始から一定時間後に生成 物をガスクロマトグラフィーにより分析し、生成した炭化水素ガスにおける各炭化水素 の組成(%)を求めた。分析は反応開始後 1050時間まで続けた。
[0101] 結果を図 1に示す。図 1に示されるとおり、反応開始 1時間後から 1050時間後まで のいずれの時間においても、生成された炭化水素中におけるプロパン及びブタンの 割合は 75%を超えていた。本発明の触媒は長期間活性を保持できることが明らかと なった。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本 明細書にとり入れるものとする。