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JP2002062644A - 感光性樹脂組成物、被覆材およびfrp用基材 - Google Patents

感光性樹脂組成物、被覆材およびfrp用基材

Info

Publication number
JP2002062644A
JP2002062644A JP2001160036A JP2001160036A JP2002062644A JP 2002062644 A JP2002062644 A JP 2002062644A JP 2001160036 A JP2001160036 A JP 2001160036A JP 2001160036 A JP2001160036 A JP 2001160036A JP 2002062644 A JP2002062644 A JP 2002062644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
glycol
acrylate
resin composition
photosensitive resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001160036A
Other languages
English (en)
Inventor
Rie Inoue
理絵 井上
Kenji Matsukawa
賢治 松川
Masahiko Maeda
雅彦 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2001160036A priority Critical patent/JP2002062644A/ja
Publication of JP2002062644A publication Critical patent/JP2002062644A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Materials For Photolithography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵時のゲル化や樹脂固形分と希釈剤成分との
相分離がなく、光硬化性、低臭気性に優れ、均質・透明
な硬化体が得られ、かつ経済性に優れた感光性樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】不飽和ポリエステル(A)90〜10重量
%、オリゴアルキレングリコール単位を有する(メタ)
アクリル酸エステル(B)を含む重合性単量体10〜9
0重量%を混合してなる樹脂100重量%に対し、光ラ
ジカル重合開始剤(C)0.1〜30重量%を含有する
ことを特徴とする感光性樹脂組成物。上記オリゴアルキ
レングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル(B)とは、例えば、下記一般式(1)で表される重
合性単量体である。 一般式(1): 【化1】 (式中、R及びRは、互いに独立して水素あるいは
メチル基を表し、Rは水素、アルキル基、アリール
基、ベンジル基を表し、nは2〜30の整数を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な感光性樹脂組成
物に関するものであり、更に詳しくは貯蔵時の安定性に
優れ、その結果ゲル化の心配がなく、また、重合性単量
体に溶解した状態である樹脂固形分と、その重合性単量
体としての反応性希釈剤成分との相分離がなく、光硬化
性、低臭気性に優れる感光性樹脂組成物に関してであ
る。さらには、硬化させる事によって、均質・透明な硬
化体が得られ、かつ経済性に優れた感光性樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より感光性樹脂として不飽和ポリエ
ステルをスチレンモノマーに希釈した樹脂を用いること
はよく知られている。しかしその塗膜は硬化速度が遅
く、また硬化時に有毒なスチレンを大気中に放出する場
合もあり、改良が待ち望まれている。
【0003】一方、ウレタン(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル基を有するオリゴマー
を感光性樹脂に使用することも一般的であるがこれらの
樹脂は一般的には高価であり、また空気中で硬化させた
場合に硬化塗膜表面が未硬化となる、いわゆる嫌気硬化
性を有しているため、その改善が強く求められている。
【0004】また、不飽和ポリエステルに各種(メタ)
アクリル酸エステルを含んでなる樹脂組成物が種々開示
されている。具体的には特開昭53−92888号公
報、特開昭59−174611号公報、特開平5−27
9430号公報、特開平7−216040号公報、特開
平8−217837号公報、特開平9−157336号
公報、特開平10−87770号公報等が挙げられる
が、これらは全て過酸化物を使用した硬化方法を使用し
ている。しかし過酸化物硬化においては光硬化と比べて
一般的には硬化時間が長く必要であり、そのため硬化過
程において生成するポリマー成分とモノマー・オリゴマ
ー成分とが相分離し、最終的に不均一な硬化物を与える
という大きな欠点があった。また、これらの公報では、
上記の問題点を解決するための具体的樹脂構造の工夫へ
の示唆はされていない。特に不飽和ポリエステル樹脂で
開示されているのは、通常の構造の不飽和ポリエステル
樹脂である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を考慮し、貯蔵時の安定性に優れ、その結果ゲル化の心
配がなく、また、重合性単量体に溶解した状態である樹
脂固形分と、その重合性単量体としての反応性希釈剤成
分との相分離がなく、光硬化性、低臭気性に優れる感光
性樹脂組成を得る事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意検討の結果、本発明を完成させるに至った。具
体的には、使用する成分量比を特定化する事、不飽和ポ
リエステルの構造を工夫する事、相溶性を判断し、樹脂
組成物を選定する事等により、達成できる。すなわち本
発明は、不飽和ポリエステル(A)90〜10重量%
と、オリゴアルキレンレングリコール単位を有する(メ
タ)アクリル酸エステル(B)10〜90重量%とを含
んでなる樹脂組成物であって、前記(メタ)アクリル酸
エステル(B)が、下記、一般式(1):
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R及びRは、互いに独立して
水素あるいはメチル基を表し、Rは水素、アルキル
基、アリール基、ベンジル基を表し、nは2〜30の整
数を表す)、一般式(2):
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R、R、Rは、互いに独立
して、水素あるいはメチル基を表し、nは2〜30の整
数を表す)及び、一般式(3):
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Rは水酸基を(x+y)個有す
るポリオールの残基を表し、R及びRは、互いに独
立して、水素あるいはメチル基を表し、nは1〜30の
整数で、 xは2以上の整数で、yは1以上の整数で、
x+yは3〜30の整数を表す)で示される、オリゴア
ルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル(B)から選択される少なくとも1種以上の重合
性単量体であり、さらに前記樹脂組成物100重量%に
対し、光ラジカル重合開始剤(C)を0.1〜30重量
%含有することを特徴とする感光性樹脂組成物を提供す
るものである。さらに好ましくは、上記樹脂組成物の、
JIS-K-7105(1994年)に従って測定された全光線透過率
が、50%以上である事である。さらに好ましくは、上
記樹脂組成物の、JIS-K-5407(1990年)に従って測定され
る加熱減量が、20%未満である事である。上記感光性
樹脂組成物の具体的用途としては、被覆材やFRP用基
材がある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
本発明は、不飽和ポリエステル(A)90〜10重量%
と、オリゴアルキレンレングリコール単位を有する(メ
タ)アクリル酸エステル(B)10〜90重量%とを含
んでなる樹脂組成物であって、前記(メタ)アクリル酸
エステル(B)が、下記、一般式(1):
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R及びRは、互いに独立して
水素あるいはメチル基を表し、Rは水素、アルキル
基、アリール基、ベンジル基を表し、nは2〜30の整
数を表す)、一般式(2):
【0016】
【化8】
【0017】(式中、R、R、Rは、互いに独立
して、水素あるいはメチル基を表し、nは2〜30の整
数を表す)及び、一般式(3):
【0018】
【化9】
【0019】(式中、Rは水酸基を(x+y)個有す
るポリオールの残基を表し、R及びRは、互いに独
立して、水素あるいはメチル基を表し、nは1〜30の
整数で、 xは2以上の整数で、yは1以上の整数で、
x+yは3〜30の整数を表す)で示される、オリゴア
ルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル(B)から選択される少なくとも1種以上の重合
性単量体であり、さらに前記樹脂組成物100重量%に
対し、光ラジカル重合開始剤(C)を0.1〜30重量
%含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0020】本発明において用いられる不飽和ポリエス
テル(A)は、不飽和多塩基酸を必須とする酸成分と、
多価アルコール及び/またはエポキシ化合物からなる成
分(以下、多価アルコール成分と称する)を必須とする
アルコール成分とを従来公知の方法により重縮合または
開環重合させて得られる重合体を意味する。勿論、多塩
基酸の一部に替えて1価の酸を用いてもよく、また多価
アルコールに替えて1価のアルコールを用いてもよい。
前記アルコール成分であるが、好ましくは、後述の様
に、そのアルコール成分の一部、あるいは、全部をオリ
ゴアルキレングリコールを使用する事が好ましい。
【0021】不飽和ポリエステルの酸価及び分子量には
特に制限が無いが、一般的には酸価が40以下であり、
数平均分子量が好ましくは500〜20000、より好
ましくは800〜10000、最も好ましくは1000
〜4000の範囲内である。
【0022】酸成分に用いる多塩基酸は、多価アルコー
ル成分に含まれる水酸基或いはエポキシ基と反応してエ
ステル結合を生成することができる置換基を2つ以上有
する化合物であれば良く、不飽和多塩基酸を必須とし、
酸成分の一部に飽和多塩基酸を併用してもよい。上記不
飽和多塩基酸としては、具体的には、例えば、マレイン
酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β―
不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ―不飽和
多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン
化物;これらの酸のアルキルエステル等が挙げられる。
これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用してもよ
く、2種類以上を併用してもよい。
【0023】また上記飽和多塩基酸としては、マロン
酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハ
ク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、
グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタ
ル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチル
グルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳
香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2−ヘキサヒドロフ
タル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、tran
s−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式飽
和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲ
ン化物;これらの酸のアルキルエステル等が挙げられ
る。これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用しても
よく、2種類以上を併用してもよい。
【0024】上記アルコール成分としては、エチレング
リコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネ
オペンチルグリコール)、2−エチル−1,4−ブタン
ジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタ
ンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4
−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチルプロ
パン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−1,4
−ジオール、2,2−ジエチルブタン−1,3−ジオー
ル、4,5−ノナンジオール、水素化ビスフェノール
A、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用してもよ
く、2種類以上を併用してもよい。
【0025】なお、本発明で使用するオリゴアルキレン
グリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エステル
(B)との相溶性の観点から、本発明で使用する不飽和
ポリエステル(A)を製造するにあたり、使用される原
料アルコール成分の一部、あるいは全部にオリゴアルキ
レングリコールを使用することが好ましい。つまり、本
発明で使用される不飽和ポリエステル(A)は、好まし
くは、原料アルコール成分の一部、あるいは全部にオリ
ゴアルキレングリコールを使用する事によって得られた
不飽和ポリエステル樹脂を採用することが好ましい。こ
の不飽和ポリエステル樹脂は、原料に使用したオリゴア
ルキレングリコール由来の構造単位を有する樹脂であ
る。
【0026】より具体的には、オリゴアルキレングリコ
ールの使用によって不飽和ポリエステル(A)中に導入
されるエーテル酸素の導入率が、不飽和ポリエステル
(A)の量を100重量%として、重量比で3重量%〜
20重量%の範囲になる事が好ましく、より好ましくは
5重量%〜15重量%の範囲であり、さらには5重量%
〜10重量%の範囲になる事がより好ましい。この範囲
を越えると硬化物の耐水性や耐熱性が犠牲となる場合が
あり、またこの範囲を下回ると使用するオリゴアルキレ
ングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エステル
(B)の種類や使用量によっては相溶性が犠牲となる場
合がある。
【0027】なお、上記のエーテル酸素の導入率は、不
飽和ポリエステル(A)を製造する場合の原料のうちオ
リゴアルキレングリコールのモル量とエーテル酸素の数
を求め、その結果からエーテル酸素の総重量を決定す
る。次いで、エーテル酸素の総重量を製造後の樹脂重量
で除し、100を乗じた数値がここで言うエーテル酸素
の導入率である。具体的には、例えば、無水マレイン酸
4モル(392g)、トリエチレングリコール3モル
(450g)、メトキシジエチレングリコール2モル
(240g)から、縮合水を70g除去して不飽和ポリ
エステルを製造した場合、トリエチレングリコール1モ
ル中には2モル、メトキシジエチレングリコール1モル
中にも2モルのエーテル酸素が含まれているため、上記
オリゴアルキレングリコール中に含まれるエーテル酸素
の総重量は、16(酸素の分子量)×(2×3+2×
2)=160gとなる。また製造後の樹脂重量は、樹脂
原料の総重量から縮合水量を引くことにより求められ、
上記の場合における製造後の樹脂重量=(392+45
0+240)−70=1012gとなる。従ってエーテ
ル酸素の導入率=160÷1012×100=15.8
%となる。
【0028】すなわち、本発明における、エーテル酸素
の導入率は、原料中にオリゴアルキレングリコール由来
のエーテル酸素の量/使用される不飽和ポリエステルの
総量の比に、100を乗じ、単位は(%)で示す事がで
きる。
【0029】本発明の不飽和ポリエステル(A)として
は、原料アルコール成分の一部または全部を、オリゴア
ルキレングリコールを用いて得られた不飽和ポリエステ
ルであり、その構造中に、オリゴアルキレングリコール
由来のエーテル酸素の量が、3重量%〜20重量%にな
る様に、オリゴアルキレングリコールの量を決め、反応
させる事によって得られた不飽和ポリエステルである事
が好ましい。より好ましくは、その量が、5重量%〜1
0重量%である。
【0030】また本発明の不飽和ポリエステル(A)と
しては、(メタ)アクリル酸、アルコール性水酸基を有
する(メタ)アクリレート、カルボン酸基を有する(メ
タ)アクリレート、アミノ基を有する(メタ)アクリレ
ート及び/あるいはリン酸基を有する(メタ)アクリレ
ートを出発物質として、アルキレンオキシドと不飽和多
塩基酸無水物及び/または飽和多塩基酸無水物が逐次開
環付加した構造を有する低分子量の不飽和ポリエステル
を使用することも可能である。かかる化合物は、例え
ば、特開平8−73577号公報、特開昭56−150
044号公報あるいは特開昭57−59834号公報等
に記載の方法で製造することができ、上記化合物を用い
た本発明の組成物は重合性単量体の割合を低下させるこ
とができ、単量体の揮散による臭気や環境汚染をより一
層抑制することができるので好ましい。
【0031】本発明の不飽和ポリエステル(A)は、組
成の異なる2種以上の、不飽和ポリエステルであっても
よい。この場合では、後述する感光性樹脂としての硬化
性や、樹脂組成物の相溶性等の点で支障のない組み合わ
せを適宜設定する事が好ましい。
【0032】本発明の不飽和ポリステル(A)に使用可
能なオリゴアルキレングリコールの例としては、メトキ
シジエチレングリコール、エトキシジエチレングリコー
ル、プロポキシジエチレングリコール、ブトキシジエチ
レングリコール、フェノキシジエチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレン
グリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノ
ベンゾエート、メトキシジプロピレングリコール、エト
キシジプロピレングリコール、プロポキシジプロピレン
グリコール、ブトキシジプロピレングリコール、フェノ
キシジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール
モノベンジルエーテル、ジプロピレングリコールモノア
セテート、ジプロレングリコールモノベンゾエート、メ
トキシトリエチレングリコール、エトキシトリエチレン
グリコール、プロポキシトリエチレングリコール、ブト
キシトリエチレングリコール、フェノキシトリエチレン
グリコール、トリエチレングリコールモノベンジルエー
テル、トリエチレングリコールモノアセテート、トリエ
チレングリコールモノベンゾエート、メトキシトリプロ
ピレングリコール、エトキシトリプロピレングリコー
ル、プロポキシトリプロピレングリコール、ブトキシト
リプロピレングリコール、フェノキシトリプロピレング
リコール、トリプロピレングリコールモノベンジルエー
テル、トリプロピレングリコールモノアセテート、トリ
プロピレングリコールモノベンゾエート、メトキシテト
ラエチレングリコール、エトキシテトラエチレングリコ
ール、プロポキシテトラエチレングリコール、ブトキシ
テトラエチレングリコール、フェノキシテトラエチレン
グリコール、テトラエチレングリコールモノベンジルエ
ーテル、テトラエチレングリコールモノアセテート、テ
トラエチレングリコールモノベンゾエート、メトキシテ
トラプロピレングリコール、エトキシテトラプロピレン
グリコール、プロポキシテトラプロピレングリコール、
ブトキシテトラプロピレングリコール、フェノキシテト
ラプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール
モノベンジルエーテル、テトラプロピレングリコールモ
ノアセテート、テトラプロピレングリコールモノベンゾ
エート、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポ
リエチレングリコール、プロポキシポリエチレングリコ
ール、ブトキシポリエチレングリコール、フェノキシポ
リエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノベ
ンジルエーテル、ポリエチレングリコールモノアセテー
ト、ポリエチレングリコールモノベンゾエート、メトキ
シポリプロピレングリコール、エトキシポリプロピレン
グリコール、プロポキシポリプロピレングリコール、ブ
トキシポリプロピレングリコール、フェノキシポリプロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノベン
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアセテー
ト、ポリプロピレングリコールモノベンゾエート等のモ
ノアルコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイドオ
キサイド付加物、水素化ビスフェノールAのプロピレン
オキサイドオキサイド付加物等のジオール類;トリメチ
ロールプロパンのエチレンオキサイド付加物、トリメチ
ロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物、トリメ
チロールエタンのエチレンオキサイド付加物、トリメチ
ロールエタンのプロピレンオキサイド付加物、グリセリ
ンのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのプロピレ
ンオキサイド付加物等のトリオール類;その他ペンタエ
リスリトールのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリ
スリトールのプロピレンオキサイド付加物、ジペンタエ
リスリトールのエチレンオキサイド付加物、ジペンタエ
リスリトールのプロピレンオキサイド付加物、フェノー
ル樹脂のエチレンオキサイド付加物、フェノール樹脂の
プロピレンオキサイド付加物等のポリオール類が挙げら
れる。これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用して
もよく、2種類以上を併用してもよい。
【0033】上記エポキシ化合物としては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチ
レンオキシド、3,4−エポキシ−1−ブテン、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ビス
フェノールAのジグリシジルエーテル等を用いることが
できる。これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用し
てもよく、2種類以上を併用してもよい。またこれらの
エポキシ化合物を用いた場合の反応条件を選択しエポキ
シ化合物を連続的に開環重合することにより、上記オリ
ゴアルキレングリコールを不飽和ポリエステル(A)中
に導入することも可能である。
【0034】本発明の感光性樹脂組成物においては、後
述する樹脂組成物の相溶性をより良好にするためには、
上述のオリゴアルキレングリコールを用いて製造された
本発明の不飽和ポリエステル(A)と、本発明の感光性
樹脂組成物で使用するオリゴアルキレングリコール単位
を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)との相溶性
を考慮して、不飽和ポリエステルの持つべきオリゴアル
キレングリコール由来の構造単位の種類あるいは、その
導入量を、設定することは好ましい実施形態である。あ
るいは、逆に、用いる不飽和ポリエステル(A)中の構
造に従って、用いるオリゴアルキレングリコール単位を
有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を選定するこ
とは好ましい実施形態である。
【0035】上記の相溶性を判断する基準が、後述す
る、JIS-K-7105(1994年)において測定された樹脂組成物
の全光線透過率である。この全光線透過率の測定にあた
っては、後述する様に、不飽和ポリエステル(A)とオ
リゴアルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル(B)の特定組成における全光線透過率を
測定する事によって、この樹脂組成物の相溶性を判断す
る基準となる。よって、本発明では、樹脂組成物の相溶
性を定義するにあたり、この測定方法を採用して樹脂組
成物の全光線透過率を測定する事は、好ましい実施形態
の一つである。
【0036】また前述の不飽和ポリエステルの原料の全
量或いは一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を
有する化合物に置き換えて製造することにより、いわゆ
る空気硬化型不飽和ポリエステルとすることができる。
具体的には、少なくとも前述の通常の酸成分の全量ある
いは一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有す
る不飽和多塩基酸に置き換えるか、前述の通常の多価ア
ルコール成分の全量あるいは一部を、以下に示すアリル
基等の不飽和結合を有する多価アルコールに置き換えれ
ばよい。
【0037】上記の不飽和結合を有する多塩基酸成分と
しては、テトラヒドロ無水フタル酸、α−テルピネン−
無水マレイン酸付加物、無水マレイン酸のシクロペンタ
ジエン付加物、ジシクロペンタジエンのマレイン酸半エ
ステル付加物、ロジン、エステルガム、乾性油脂肪酸、
半乾性油脂肪酸等があげられる。これら例示の化合物
は、それぞれ単独で使用してもよく、2種類以上を併用
してもよい。
【0038】また、上記の不飽和結合を有する多価アル
コールとしては、トリメチロールプロパンモノアリルエ
ーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ト
リメチロールエタンモノアリルエーテル、トリメチロー
ルエタンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノ
アリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテ
ル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセ
リンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル
等が挙げられ、上記の不飽和結合を有するエポキシ化合
物としては、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ
る。これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用しても
よく、2種類以上を併用してもよい。
【0039】本発明の感光性樹脂組成物で使用される、
オリゴアルキレングリコール単位を有する(メタ)アク
リル酸エステル(B)は、好ましくは(メタ)アクリロ
イル基を必須とし、かつ分子中にオリゴエチレングリコ
ール及び/またはオリゴプロピレングリコール残基を有
する化合物のことを示す。すなわち、下記一般式
(1):
【0040】
【化10】
【0041】(式中、R及びRは、互いに独立して
水素あるいはメチル基を表し、Rは水素、アルキル
基、アリール基、ベンジル基を表し、nは2〜30の整
数を表す)、一般式(2):
【0042】
【化11】
【0043】(式中、R、R、Rは、互いに独立
して、水素あるいはメチル基を表し、nは2〜30の整
数を表す)及び、一般式(3):
【0044】
【化12】
【0045】(式中、Rは水酸基を(x+y)個有す
るポリオールの残基を表し、R及びRは、互いに独
立して、水素あるいはメチル基を表し、nは1〜30の
整数で、 xは2以上の整数で、yは1以上の整数で、
x+yは3〜30の整数を表す)から選択される少なく
とも1種の重合性単量体、あるいは重合性単量体組成物
である。
【0046】なお、本発明で、より好ましい形態におい
て、上記一般式(3)の式中、 x+yの数は3〜25
の整数である。より好ましくは、その数は3〜20であ
り、さらに好ましくは3〜15であり、最も好ましくは
3〜10である。
【0047】オリゴアルキレングリコール単位を有する
(メタ)アクリル酸エステル(B)の具体的な例として
は、前記一般式(1)で示される重合性単量体(B)と
して、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、プロポキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、フェノキシシジエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル
の(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノア
セテートの(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルモノベンゾエートの(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ
ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポ
キシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブ
トキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
フェノキシシジプロピレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ジプロピレングリコールモノベンジルエーテルの
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノア
セテートの(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコ
ールモノベンゾエートの(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ
トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキ
シトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロ
ポキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、フェノキシシトリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコールモノベンジルエーテ
ルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモ
ノアセテートの(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールモノベンゾエートの(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メ
トキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、プロポキシトリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、ブトキシトリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシシトリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール
モノベンジルエーテルの(メタ)アクリレート、トリプ
ロピレングリコールモノアセテートの(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールモノベンゾエートの
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレング
リコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシテトラ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ
シテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコールモノベンジルエーテルの(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノアセ
テートの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールモノベンゾエートの(メタ)アクリレート、テトラ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メト
キシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、プロポキシテトラプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、ブトキシテトラプロピレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシシテトラプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレン
グリコールモノベンジルエーテルの(メタ)アクリレー
ト、テトラプロピレングリコールモノアセテートの(メ
タ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノベ
ンゾエートの(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキ
シシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノベンジルエーテルの(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールモノアセテート
の(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
ベンゾエートの(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポ
キシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、フェノキシシポリプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールモノベンジルエ
ーテルの(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノアセテートの(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールモノベンゾエートの(メタ)アクリレ
ート等の単官能(メタ)アクリレートが挙げられ、上記
例示から選択される少なくとも1種以上の重合性単量体
である。
【0048】前記一般式(2)で示される重合性単量体
(B)としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物のジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンのエチレ
ンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセリ
ンのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ
(メタ)アクリレート、エーテルグリコールより合成さ
れるポリエステルポリオールのジ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンのプロピレンオキシド付加物のジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンのプロピ
レンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセ
リンのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の
ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレー
トが挙げられ、上記例示から選択される少なくとも1種
以上の重合性単量体である。
【0049】前記一般式(3)で示される重合性単量体
(B)としては、トリメチロールプロパンのエチレンオ
キシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールエタンのエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)ア
クリレート、グリセリンのエチレンオキシド付加物のト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチ
レンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンのプロピレンオキシド付加物のトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンのプロピ
レンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリ
セリンのプロピレンオキシド付加物のトリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールのプロピレンオキシド
付加物のトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)
アクリレート;その他ペンタエリスリトールのエチレン
オキシド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールのプロピレンオキシド付加物のテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチ
レンオキシド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールのプロピレンオキシド付加物のペ
ンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールの
エチレンオキシド付加物のヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキシド付加
物のヘキサ(メタ)アクリレート、フェノール樹脂のエ
チレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート、フ
ェノール樹脂のプロピレンオキシド付加物のポリ(メ
タ)アクリレート等の多官能アクリレートが挙げられ、
上記例示から選択される少なくとも1種以上の重合性単
量体である。
【0050】上記の重合性単量体の、1分子中に含まれ
る(メタ)アクリロイル基の数は特に限定されないが、
特に優れた光硬化性が必要な場合は2個以上、いわゆる
多官能(メタ)アクリレートを使用することが好まし
い。またアクリロイル基1分子当たりのモノマー分子
量、すなわちアクリロイル基の二重結合当量は、光硬化
性と硬化物物性の観点から好ましくは100〜100
0、より好ましくは140〜500である。
【0051】本発明の感光性樹脂組成物の成分である、
不飽和ポリエステル(A)とオリゴアルキレングリコー
ル単位を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を含
む重合性単量体、あるいは重合性単量体組成物の混合割
合は特に限定されないが、良好な作業粘度と材料物性の
観点から、重量比で(A):(B)=90:10〜1
0:90が好ましく、70:30〜30:70がより好
ましく、65:35〜35:65がさらに好ましく、6
0:40〜40:60が最も好ましい。
【0052】具体的には、本発明の感光性樹脂組成物に
使用する樹脂成分を100重量%として、不飽和ポリエ
ステル(A)の含有量が、90〜10重量%であり、オ
リゴアルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル(B)を含む重合性単量体、あるいは重合
性単量体組成物の含有量が、10〜90重量%である事
が好ましい。より好ましくは、不飽和ポリエステル
(A)の含有量が、70〜30重量%で、オリゴアルキ
レングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル(B)を含む重合性単量体、あるいは重合性単量体組
成物の含有量が、30〜70重量%である。
【0053】さらに好ましくは、不飽和ポリエステル
(A)の含有量が、65〜35重量%であり、オリゴア
ルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル(B)を含む重合性単量体、あるいは重合性単量
体組成物の含有量が、35〜65重量%である事であ
る。
【0054】より具体的には、本発明の感光性樹脂組成
物の樹脂成分(重合性重合体成分と必要に応じて使用さ
れる重合性単量体成分の和を本発明では、樹脂成分とす
る。)を100重量%として、上記、不飽和ポリエステ
ル(A)とオリゴアルキレングリコール単位を有する
(メタ)アクリル酸エステル(B)を含む重合性単量
体、あるいは重合性単量体組成物の合計量の含有量が、
50〜100重量%が好ましい。より好ましくは、60
〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量
%、さらに好ましくは80〜100重量%、またさらに
好ましくは、90〜100重量%、最も好ましくは95
〜100重量%の範囲である。後述する、本発明で使用
する、不飽和ポリエステル(A)以外の重合性樹脂は、
上記範囲となる様にすれば、かつ、本発明の効果に支障
のない範囲であれば併用使用することができる。具体的
には、本発明の感光性樹脂組成物を100重量%とし
て、他の重合性樹脂成分の含有量は、0〜50重量%の
範囲、より好ましくは0〜40重量%の範囲、さらに好
ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量
%の範囲、さらに好ましくは0−10重量%の範囲、最
も好ましくは0〜5重量%の範囲である事が好ましい。
なお、他の重合性樹脂成分は、本発明の感光性樹脂の、
よりよい相溶性のため、あるいは、よりよい硬化性のた
めに、上記の範囲内で使用することが好ましい。
【0055】光重合開始剤(C)としては、光の作用に
よりラジカル種を発生し、不飽和ポリエステルと重合性
単量体との共重合を開始させる能力を有するものであれ
ば特に限定されない。用いうる光重合開始剤の具体的な
例としては、4―フェノキシジクロロアセトフェノン,
4−t−ブチルージクロロアセトフェノン,4−t−ブ
チルートリクロロアセトフェノン,ジエトキシアセトフ
ェノン,2−ヒドロキシー2フェニル−1−フェニルプ
ロパンー1−オン,1−(4−ドデシルフェニル)―2
−ヒドロキシー2−メチルプロパンー1−オン,1−
(4−イソプロピルフェニル)―2−ヒドロキシー2−
メチルプロパンー1−オン,4−(2−ヒドロキシエト
キシ)―フェニルー(2−ヒドロキシー2−プロピル)
ケトン,1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン,2−メチルー1−[4−(メチルチオ)フェニル]
―2―モルホリノプロパンー1等のアセトフェノン系化
合物;ベンゾイン,ベンゾインメチルエーテル,ベンゾ
インエチルエーテル,ベンゾインイソプロピルエーテ
ル,ベンゾインイソブチルエーテル,ベンジルジメチル
ケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン,ベ
ンゾイル安息香酸,ベンゾイル安息香酸メチル,4―フ
ェニルベンゾフェノン,ヒドロキシベンゾフェノン,ア
クリル化ベンゾフェノン,4―ベンゾイル4‘−メチル
ジフェニルサルファイド,3,3’−ジメチルー4−メ
トキシベンゾフェノン,4,4‘−ジメチルアミノベン
ゾフェノン,4,4‘−ジエチルアミノベンゾフェノ
ン,3,3’、4,4‘−テトラ(t−ブチルパーオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン等ノベンゾフェノン系化
合物;チオキサントン,2−クロロチオキサントン,2
―メチルチオキサントン,2,4−ジメチルチオキサン
トン,2,4−ジエチルチオキサントン,2,4−ジイ
ソプロピルチオキサントン,イソプロピルチオキサント
ン,1−クロロー4―プロポキシチオキサントン,2,
4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合
物;α―アシロキシムエステル,メチルフェニルグリオ
キシレート,ベンジル,9,10−フェナンスレンキノ
ン,カンファーキノン,ジベンゾスベロン,2−エチル
アントラキノン,4’,4‘’−ジエチルイソフタロフ
ェノン等のケトン系化合物;2,2‘−ビス(2−クロ
ロフェニル)―4,4’,5,5‘−テトラフェニルー
1,2’−イミダゾール等のイミダゾール系化合物;
2,4,6―トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合
物;その他カルバゾール系化合物等が挙げられる。
【0056】これらの光重合開始剤(C)はそれぞれ単
独で、或いは2種類以上併用して使用しても良い。ま
た、不飽和ポリエステル(A)とオリゴアルキレングリ
コール単位を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)
を含む重合性単量体の総量100重量%に対して、光重
合開始剤(C)の添加量は通常0.1〜30重量%が用
いられる。優れた光硬化性と硬化物の着色とのバランス
の観点から、光重合開始剤(C)の添加量は0.5〜1
0重量%が好ましく、1〜5重量%が最も好ましい。
【0057】また、本発明の樹脂組成物の硬化性を更に
向上させるため、必要に応じてトリエチルアミン、ジエ
チルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、
ジメチルアミノ安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸メチ
ル、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、アセチルアセト
ンの如き増感剤や、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブ
チロニトリル等に代表される熱ラジカル発生剤をさらに
配合することができる。
【0058】また、本発明の樹脂組成物の優れた作用効
果を犠牲にしない範囲内で、オリゴアルキレングリコー
ル単位を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)以外
の重合性単量体を併用することも可能である。
【0059】用いうる重合性単量体の例としては、スチ
レン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−メ
チルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン等のスチレン系単量体;ジアリルフタレート、ジ
アリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート等のアリルエステル系単量体;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピ
ル、グリシジルアクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの
ジアクリル酸付加物、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールエタントリアクリレート、グ
リセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート等のアクリル酸系誘導体;及び上記化合物の該メ
タクリル酸系単量体等が挙げられる。更に、空気硬化性
を発揮するために、重合性単量体成分として以下に示す
特定の不飽和結合を有する化合物を用いてもよい。即
ち、メチロールメラミンのアリルエーテル、グリセリン
ジアリルエーテルのアジピン酸エステル、アリルアセタ
ール、メチロールグリオキザールウレインのアリルエー
テル等を単独で、或いは2種以上を併用して重合性単量
体として用いることも可能である。
【0060】本発明の感光性樹脂組成物を100重量%
として、オリゴアルキレングリコール単位を有する(メ
タ)アクリル酸エステル(B)以外の重合性単量体の使
用量は、0〜30重量%である事が好ましい。より好ま
しくは、0〜20重量%である。さらに好ましくは、0
〜10重量%である。最も好ましくは、0〜5重量%で
ある。この様に、本発明の感光性樹脂組成物の効果を阻
害しない範囲において、例えば、上述した範囲に他の重
合性単量体の使用量をとどめる事が好ましい。他の重合
性単量体の使用量が多くなると、本発明で使用する重合
性単量体である、オリゴアルキレングリコール単位を有
する(メタ)アクリル酸エステル(B)由来の効果が出
難くなる場合がある。その効果とは、本発明の感光性樹
脂組成物の相溶性であり、硬化性でもある。また、オリ
ゴアルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリル
酸エステル(B)由来の低臭気性も阻害する可能性も出
てくる。よって、他の重合性単量体の使用にあっては、
上記の使用量内でとどめる事が好ましい。
【0061】さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、
光硬化性を著しく低下しない範囲内で、各種熱重合抑制
剤、レベリング剤、増粘剤、減粘剤、チキソトロピー付
与剤、ハレーション防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、
着色顔料、希釈剤、フィラー、強化剤、熱可塑性樹脂等
を含んでいてもよい。また、他の感光性樹脂、例えばエ
ポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)ア
クリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹
脂、エポキシ樹脂、オキセタン化合物等と任意の割合で
混合しても良い。
【0062】本発明の樹脂組成物の相溶性は、 JIS
−K−7105(1994年)に準じて測定される樹脂
組成物の全光線透過率を測定する事によって定義するこ
とができる。すなわち本発明で使用する、不飽和ポリエ
ステル(A)70重量%とオリゴアルキレングリコール
単位を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を30
重量%を混合してなる樹脂組成物を、空間部の厚みが3
mmの石英製セルに流し込み、その全光線透過率が、樹
脂を流し込む前のセル(空間部は空気)を用いて測定し
た全光線透過量を基準として、50%以上であれば相溶
していると定義する。全光線透過率が50%未満となる
と、光硬化後の硬化物が不均一となる場合がある。より
好ましくは、この全光線透過率が60%以上である。さ
らに好ましくは70%以上である。最も好ましくは、8
0%以上である。
【0063】また本発明の樹脂組成物の優れた低臭気性
を実現するためには、JIS−K−5407(1990
年)において測定される加熱減量が20%未満であるこ
とが好ましい。より好ましくは、すなわち、105℃に
調温された乾燥機中で3時間放置した後の感光性樹脂組
成物の減量が20%未満であるならば、本発明の感光性
樹脂組成物を使用する各種塗装・成形作業において優れ
た低臭気性が確保できる。より好ましくは、上記の加熱
減量が18%未満である。さらに好ましくは15%未満
である。さらに好ましくは13%未満で、最も好ましく
は10%未満である。
【0064】本発明の感光性樹脂組成物は従来公知の方
法により光硬化させることができ、例えば紫外線により
硬化させる場合は、まず樹脂組成物を基材に塗布あるい
は含浸し、樹脂中に含まれる溶剤や揮発性成分を蒸発乾
燥させたのち、中圧水銀ランプ等を光源として一定時間
露光し硬化させることが一般的である。光硬化時の雰囲
気としては、乾燥空気中でも十分に硬化してタックフリ
ーの硬化塗膜が短時間で得られるが、窒素、アルゴン等
の不活性ガス中で硬化させると耐水性や耐薬品性等の硬
化塗膜性能がより向上する場合があるため、用途に応じ
て適宜選択すればよい。基材への塗布・含浸方法、光源
の種類、露光方法等については特に限定されない。ま
た、光硬化後の塗膜物性をさらに高めるため、適切な温
度に再加熱する、いわゆるポストベーク工程を行うこと
も可能である。
【0065】かくして得られた本発明の感光性樹脂組成
物は、木材、紙、パーティクルボード、金属、プラスチ
ック、ガラス、コンクリート、アスファルト、セラミッ
ク等各種基材用の被覆材、塗料用樹脂、FRP(繊維強
化プラスチック)用基材、パテ、シーリング剤、接着
剤、印刷インキバインダー、光造形用樹脂、ソルダーレ
ジスト用樹脂、フォトレジスト用樹脂、印刷版用樹脂等
に利用することができる。より好ましい実施形態は、本
発明の感光性樹脂組成物を含んでいることを特徴とする
被覆材である。また、本発明の感光性樹脂組成物を含ん
でいることを特徴とするFRP用基材も好ましい実施形
態である。
【0066】本発明における被覆材とは、例えばガラ
ス、木材、プラスチック、金属、コンクリート、アスフ
ァルトの表面に塗布して表面保護あるいは意匠性の改良
等を行うための樹脂あるいは樹脂組成物のことである。
また本発明におけるFRP用基材とは、ガラス繊維と共
に、例えばガラスマット等を利用し、ガラス繊維を樹脂
で含浸させるための樹脂あるいは樹脂組成物のことであ
る。
【0067】上記の被覆材や、FRP用基材中の、本発
明の感光性樹脂組成物の含有量は、本発明の感光性樹脂
組成物が持つ効果に支障がなければ、特に限定されな
い。各種所望の条件で、その量は適宜設定することが可
能である。具体的には、被覆材やFRP用基材として
は、充填材やフィラーやガラス繊維や顔料や塗料が配合
される場合がある。本発明の、被覆材やFRP用基材を
100重量%として、本発明の感光性樹脂組成物の含有
量は、例えば、5〜95重量%の範囲である。さらにこ
のましくは、10〜90重量%の範囲である。さらに好
ましくは20〜80重量%である。なお、後述の実施例
に、コンクリートへの被覆材、ガラス繊維を共に施工し
た、FRP用基材等の実施例も示した。
【0068】また、例えば、光重合開始剤を適宜選定す
ることで、太陽光や日常の光(室内光等)でも光硬化が
できるように、設計することも可能である。具体的な用
途としては、土木建築用被覆材や防水コーティング等で
ある。本発明の好ましい形態においては、本発明の感光
性樹脂組成物を、低臭気の組成物に設計することも可能
であり、外部や屋内(例えば、地下駐車場等)の施工時
に用いると、非常に有用になる。なお、コンクリート基
材への施工例を実施例で示しており、本発明の感光性樹
脂を用いた各種基材への施工方法は好ましい実施形態の
1つであるといえる。各種基材とは、特に限定されず、
例えばコンクリートや金属、木材、プラスチック等であ
る。プラスチック等に対しては、必要に応じて、プライ
マー処理や表面のサンディング等を行うとよい。
【0069】また、PETやポリオレフィン、ナイロン
等のテープやフィルム状基材の上に本発明の感光性樹脂
組成物を用いた被覆層を設けることで(必要に応じ充填
材やガラス繊維や酸化マグネシウム等の増粘剤も配合で
きる)、感光性の補修用テープ、感光性補修用材料とし
ても適応可能であり、本発明の感光性樹脂組成物の好ま
しい実施形態としてあげることができる。この場合、太
陽光や、日常光で硬化が進む様な、光重合開始剤を使用
することが好ましい。また、このテープ基材であるが使
用実施形態にあっては、本発明の感光性樹脂層が光にさ
らされない様に、外側が、遮光材により覆われている商
品形態が好ましい。
【0070】この様なテープ基材は、使用時に、その遮
光材による遮光層を取り除くことによって、容易に紫外
線等で光硬化可能である。また所望で、基材と密着性を
確保するために、必要に応じて、接着させた対象物の上
にプライマーを塗布することも可能である。また、上記
のPET等の基材の上に感圧層を設けることも好ましい
実施形態の一つである。本発明の感光性樹脂組成物は、
実施例で示した様に、コンクリート基材への密着性も良
好であり、この様な感光性補修用テープ、補修用基材と
して用いることも適していることがわかった。
【0071】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限
り「重量部」を意味する。
【0072】<樹脂合成例1>撹拌器、温度計、精留
塔、及び窒素ガス導入管を備え付けた5リットルの四つ
口フラスコに、フマル酸2320部、トリエチレングリ
コール3150部及び重合防止剤としてハイドロキノン
0.55部を加え、常法に従い窒素気流下210℃にて
14時間脱水縮合させ、酸価13、GPCによる数平均
分子量3800(ポリスチレン換算)の不飽和ポリエス
テル4800部を得た。得られた樹脂を樹脂(I)とす
る。
【0073】<樹脂合成例2>撹拌器、温度計、精留
塔、及び窒素ガス導入管を備え付けた5リットルの四つ
口フラスコに、無水フタル酸1110部、無水マレイン
酸1715部、プロピレングリコール950部、ネオペ
ンチルグリコール780部、エチレングリコール465
部及び重合防止剤としてハイドロキノン0.5部を加
え、常法に従い窒素気流下210℃にて8時間脱水縮合
させ、酸価16、数平均分子量2100の不飽和ポリエ
ステル4600部を得た。得られた樹脂を樹脂(II)
とする。
【0074】<樹脂合成例3>撹拌器、温度計、精留
塔、及び窒素ガス導入管を備え付けた5リットルの四つ
口フラスコに、無水フタル酸1110部、無水マレイン
酸1715部、プロピレングリコール570部、ジプロ
ピレングリコール1340部、ネオペンチルグリコール
1040部及び重合防止剤としてハイドロキノン0.5
8部を加え、常法に従い窒素気流下210℃にて10時
間脱水縮合させ、酸価13、数平均分子量2500の不
飽和ポリエステル5300部を得た。得られた樹脂を樹
脂(III)とする。
【0075】<樹脂合成例4>撹拌器、温度計、精留
塔、及び窒素ガス導入管を備え付けた5リットルの四つ
口フラスコに、イソフタル酸996部、無水マレイン酸
1372部、ジプロピレングリコール1072部、エチ
レングリコール620部、メトキシジエチレングリコー
ル960部及び重合防止剤としてハイドロキノン0.5
部を加え、常法に従い窒素気流下210℃にて8時間脱
水縮合させ、酸価13、数平均分子量1300の不飽和
ポリエステル4600部を得た。得られた樹脂を樹脂
(IV)とする。 <樹脂合成例5>撹拌棒、温度計、ガス導入管、滴下漏
斗及び冷却管を装着した4つ口フラスコに、メタアクリ
ル酸86部及びトリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド3.6部を加え、空気気流下100℃まで加熱した。
次いで、プロピレンオキシド58部を滴下漏斗より同温
度で1時間かけて滴下し、その後無水フタル酸148部
を発熱に注意しながら加えて1時間撹拌した。さらに同
様の操作により、プロピレンオキシド58部、無水コハ
ク酸100部、プロピレンオキシド58部、無水マレイ
ン酸98部の順で加え、最後にプロピレンオキシド70
部を同温度で1時間かけて滴下し、さらに3時間反応さ
せた。反応終了後フラスコの内温を80℃に下げ、撹拌
下、少量の空気をバブリングさせながら内圧を50hp
aまで減圧し、その状態で1時間脱揮し、脱揮終了後同
温度でモルホリン7部を加えさらに1時間反応させ、酸
価1、数平均分子量650、NMRによるマレイン酸か
らフマル酸への転移率が94%の、分子末端にメタアク
リロイル基を有する不飽和ポリエステル670部を得
た。得られた樹脂を樹脂(V)とする。 <実施例1〜8及び比較例1〜11>上記樹脂製造例1
〜5によって得られた樹脂(I)〜(V)に重合性単量
体および光重合開始剤を混合して樹脂組成物を調製し、
各樹脂組成物の樹脂外観、加熱減量、光硬化性及び硬化
物外観を測定した。それらの実施例および比較例の結果
を表1〜5に示す。なお、以下の実施例及び比較例にお
ける樹脂組成物の各種特性の測定方法については以下の
通りである。
【0076】[樹脂外観]表に示す割合で各成分を乳鉢
を用い加熱混合した後、得られた樹脂組成物を20ml
の透明なサンプル瓶に約15ml入れて暗所にて1日放
置した。1日後の樹脂外観を目視にて判断し、均一溶解
しているものは○、若干のニゴリが発生しているものは
△、また著しいニゴリあるいは重合性単量体と樹脂固形
分との相分離が発生しているものは×とした。
【0077】[加熱減量]JIS K−5407(19
90)記載の方法に従い測定した。
【0078】[光硬化性]フイルムアプリケーターを用
いてガラス基板(大きさ150mmX100mm)上に
湿潤厚み200μmとなるように組成物を塗布し、次い
で80W/cmの高圧水銀ランプ1灯を備えた紫外線照
射装置を用いて露光した。光源との距離を10cm、コ
ンベヤースピードを15m/分、有効露光長を60cm
(コンベヤーの進行方向に対して)として、指触にて塗
膜表面から粘着性が消失するまでのパス回数を測定し
た。ちなみに、この紫外線照射装置を用い上記の条件に
て露光した場合、1パス当たりの紫外線照射エネルギー
量は150mJ/cm(365nm換算)となる。表
中の各測定値においては、パス回数が少ない組成物ほど
光硬化性に優れていることを意味する。
【0079】[硬化物外観]フイルムアプリケーターを
用いてガラス基板(大きさ150mmX100mm)上
に湿潤厚み200μmとなるように組成物を塗布し、次
いで80W/cmの高圧水銀ランプ1灯を備えた紫外線
照射装置を用いて露光した。光源との距離を10cm、
コンベヤースピードを15m/分、有効露光長を60c
m(コンベヤーの進行方向に対して)として、20パス
露光し、得られた硬化塗膜を目視により評価した。均一
な硬化塗膜が得られたものは○、また硬化塗膜にクモリ
が発生しているものは×とした。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】表1から、本発明の樹脂組成物は樹脂外観
が均一透明であり、かつ迅速に光硬化して透明な光硬化
塗膜を与えることがわかる。
【0086】また表2から、本発明の樹脂組成物は加熱
減量が少なく、低臭気性に優れる樹脂組成物であること
がわかる。なお驚くべき事に、実施例3と比較例7の結
果から、沸点の低いDEG−DA(沸点162℃)より
も高沸点の2EH−A(沸点215℃)の方が加熱減量
が大きくなるという結果が得られた。この結果は不飽和
ポリエステルと重合性単量体との組み合わせによって初
めて発現される効果であり、当業界の一般常識からは予
測が困難なものである。
【0087】さらに表3および表4から、本発明の樹脂
組成物に用いる不飽和ポリエステルをエーテルグリコー
ルを原料に使用した場合は、顕著な加熱減量低減効果が
あることがわかる。
【0088】また表5から、特定構造のポリエステルオ
リゴマーを使用することで重合性希釈剤の量が低減する
ことができ、従って加熱減量も低減させることができ
た。なお低分子オリゴマーの使用により予測される光硬
化性の低下は、本発明の樹脂組成物においては認められ
なかった。
【0089】<比較例14〜17>また、上記樹脂製造
例1〜4によって得られた樹脂(I)〜(IV)に重合
性単量体、熱重合開始剤(有機過酸化物)および熱硬化
促進剤(金属有機酸塩)を混合して樹脂組成物を調製
し、各樹脂組成物のポットライフ、樹脂外観、硬化物外
観および表面乾燥性を測定した。それらの比較例の結果
を表6に示す。なお、以下の比較例における樹脂組成物
の各種特性の測定方法については以下の通りである。[ポットライフ] 表に示す配合にて、JIS K−69
01記載の方法に従い測定した。[樹脂外観] 表に示す配合の内、熱重合開始剤以外の各
成分を乳鉢を用い加熱混合した後、得られた樹脂組成物
を20mlの透明なサンプル瓶に約15ml入れて暗所
にて1日放置した。1日後の樹脂外観を目視にて判断
し、均一溶解しているものは○、若干のニゴリが発生し
ているものは△、また著しいニゴリあるいは重合性単量
体と樹脂固形分との相分離が発生しているものは×とし
た。[硬化物外観] フイルムアプリケーターを用いてガラス
基板(大きさ150mm×100mm)上に湿潤厚み2
00μmとなるように熱重合開始剤入りの各組成物を塗
布し、一昼夜放置した。得られた硬化塗膜を目視により
評価し、均一な硬化塗膜が得られたものは○、また硬化
塗膜にクモリが発生しているものは×とした。[表面乾燥性] 硬化物外観測定時に作成したフイルムを
指触評価により表面乾燥性を評価し、粘着性が無い場合
を○、明らかな粘着性がある場合を×とした。
【0090】
【表6】
【0091】表6から、本発明の樹脂組成物を光硬化で
はなく有機過酸化物により常温硬化させても硬化物外観
が不均一となり、表面乾燥性も発現されないことことか
ら、光硬化により初めて本発明の優れた作用効果が発現
されることが明白となった。
【0092】<実施例12〜15>さらに、上記樹脂製
造例1〜4によって得られた樹脂(I)〜(IV)70
部に重合性単量体30部を混合して樹脂組成物を調製
し、各樹脂組成物の3mm厚における全光線透過率を測
定した。それらの実施例および比較例の結果を表7に示
す。なお、以下の実施例における樹脂組成物の各種特性
の測定方法については以下の通りである。
【0093】
【表7】
【0094】表6から、本発明の樹脂組成物はオリゴア
ルキレングリコール単位を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルとの相溶性が良く、全光線透過率が高いことが明
らかとなった。
【0095】また、以下にさらに詳しい、用途の一例を
示す。
【0096】また、実施例1〜11の樹脂組成物を用い
て、光ラジカル重合開始剤として、ダロキュア1173
を上記と同じ使用量配合した、感光性樹脂組成物を、コ
ンクリート基材(150×100mmの板)の上に塗布
した。また、その上に、ガラス繊維(450番、日東紡
社製ガラス繊維マット)を施工した。再度、感光性樹脂
組成物を塗布、含浸させ、上記と同様に硬化条件にて、
紫外線照射した。硬化後、塗膜の剥離性、塗膜硬度を検
証したが、いずれも、良好であった。例えば、室外の太
陽光の半日等の照射で硬化する様に、光ラジカル重合開
始剤を選定することも可能であり、施工にあたり、部分
的に、光を当て、所望の部分を硬化させることも可能で
ある。
【0097】
【発明の効果】本発明は、貯蔵時のゲル化や樹脂固形分
と希釈剤成分との相分離がなく、光硬化性、低臭気性に
優れ、均質・透明な硬化体が得られ、かつ経済性に優れ
た感光性樹脂組成物を提供することが可能であり、木
材、紙、パーティクルボード、金属、プラスチック、ガ
ラス、コンクリート、アスファルト、セラミック等各種
基材用の被覆材、塗料用樹脂、FRP(繊維強化プラス
チック)用基材、パテ、シーリング剤、接着剤、印刷イ
ンキバインダー、光造形用樹脂、ソルダーレジスト用樹
脂、フォトレジスト用樹脂、印刷版用樹脂等に利用する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 4/02 C09D 4/02 5/00 5/00 Z 167/06 167/06 171/00 171/00 // C08L 67:06 C08L 67:06 Fターム(参考) 2H025 AA11 AA13 AB14 AB15 AB17 AB20 AD01 BC13 BC64 BC83 CA00 FA17 4F072 AA04 AA07 AB09 AB29 AD09 AD38 AD40 AD55 AG03 AH21 AJ04 AK05 AL01 4J027 AB02 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB18 AB19 AB23 AB24 AB25 AB26 AC02 AC03 AC04 AC06 AC07 BA03 BA04 BA07 BA19 BA20 BA21 CB10 CC03 CC05 4J038 DD191 DD192 DD201 DD202 FA061 FA062 FA151 FA152 FA261 FA262 GA03 GA07 JA32 JB27 JB32 JC18 JC26 KA03 KA12 NA02 NA26 NA27 PA17 PB04 PB05 PB14 PC01 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ポリエステル(A)90〜10重量
    %と、オリゴアルキレンレングリコール単位を有する
    (メタ)アクリル酸エステル(B)10〜90重量%と
    を含んでなる樹脂組成物100重量%に対し、光ラジカ
    ル重合開始剤(C)を0.1〜30重量%含有すること
    を特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記オリゴアルキレンレングリコール単位
    を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)が、下記、
    一般式(1): 【化1】 (式中、R及びRは、互いに独立して水素あるいは
    メチル基を表し、Rは水素、アルキル基、アリール
    基、ベンジル基を表し、nは2〜30の整数を表す)、
    一般式(2): 【化2】 (式中、R、R、Rは、互いに独立して、水素あ
    るいはメチル基を表し、nは2〜30の整数を表す)及
    び、一般式(3): 【化3】 (式中、Rは水酸基を(x+y)個有するポリオール
    の残基を表し、R及びRは、互いに独立して、水素
    あるいはメチル基を表し、nは1〜30の整数で、 x
    は2以上の整数で、yは1以上の整数で、x+yは3〜
    30の整数を表す)であることを特徴とする請求項1に
    記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記不飽和ポリエステル(A)70重量%
    と、前記オリゴアルキレングリコール単位を有する(メ
    タ)アクリル酸エステル(B)30重量%を混合してな
    る樹脂組成物の、JIS-K-7105(1994年)に従って測定さ
    れる全光線透過率が50%以上であることを特徴とする
    請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】JIS-K-5407(1990年)に従って測定される加
    熱減量が20%未満であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記不飽和ポリエステル(A)が、その製
    造時に用いられる原料アルコール成分の一部あるいは全
    部に、オリゴアルキレングリコールを使用することよっ
    て製造された事を特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光
    性樹脂組成物を含んでいることを特徴とする被覆材。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光
    性樹脂組成物を含んでいることを特徴とするFRP用基
    材。
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