JP2004236001A - 移動通信システム、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置 - Google Patents
移動通信システム、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】移動体空間内に存在する移動ノード(MN)の位置情報更新(LU)を代表する移動ルータ(MR)が通信状態のためLU信号を送出しない等の理由によって、位置情報管理装置が正しい在圏位置情報を保持していない場合でも、有限な無線リソースの使用を抑えつつ、MNに対して着信をかける。
【解決手段】MR#1が待ち受け状態か通信状態かを示すフラグを位置情報管理装置LM#1に保持する。MR#1と主従関係にあるMN#2に着信が発生した場合、LM#1はフラグを参照しMR#1の状態を判定する。MR#1が通信状態の場合、LM#1がルーティング情報管理装置RM#1にMR#1のルーティングアドレス情報を問い合わせ、その情報を用いてLM#1が着信をかける。
【効果】通信状態で移動するMR#1がLU信号を送出することなく、そのMR#1と主従関係を形成しているMN#2への着信が可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】MR#1が待ち受け状態か通信状態かを示すフラグを位置情報管理装置LM#1に保持する。MR#1と主従関係にあるMN#2に着信が発生した場合、LM#1はフラグを参照しMR#1の状態を判定する。MR#1が通信状態の場合、LM#1がルーティング情報管理装置RM#1にMR#1のルーティングアドレス情報を問い合わせ、その情報を用いてLM#1が着信をかける。
【効果】通信状態で移動するMR#1がLU信号を送出することなく、そのMR#1と主従関係を形成しているMN#2への着信が可能となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システム、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置に関し、特に移動通信システムにおける位置管理及び着信の方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、移動通信サービスにおいては、携帯電話機等の移動ノードがどこにあっても着信できるように、位置情報管理装置に各移動ノードの位置を記憶しておくことが一般的である。具体的には、移動通信サービスの提供エリアが複数の登録エリアに分割されており、移動ノードが一の登録エリアから他の登録エリアに移動すると、移動後の登録エリアを特定した位置登録要求が基地局装置を介してその移動ノードから移動網へ無線リソースを消費して送信される。そして、この位置登録要求に応じて、位置情報管理装置に記憶された各移動ノードの登録エリアが順次更新されるのである。
【0003】
しかしながら、多数の移動ノードが移動体によって一斉に移動する場合、例えば電車等に移動ノードを所持した乗客が大勢乗車している場合、この電車等の移動に伴って多数の移動ノードが一斉に移動することとなるため、電車等が一の登録エリアから他の登録エリアに跨って移動する場合、一斉に位置登録要求が基地局装置を介してこれらの各移動ノードから移動網へ送信され、無線リソースの圧迫や移動網内の通信トラフイックが一時的に著しく増大してしまうという問題があった。
【0004】
かかる問題を解決するための技術として、特許文献1や非特許文献1がある。
これらの文献には、電車等の移動体とその移動体空間内に存在する移動ノードとの間に主従関係を持たせ、主となる移動体に設置した移動ルータが、従となる移動ノードの位置登録要求を代表して移動網へ無線リソースを消費して送信するようにした移動通信システムが開示されている。この移動通信システムにおいては、移動体空間内に存在する移動ノードが移動ルータを仮想的な基地局装置として位置登録を行い、移動体が一の登録エリアから他の登録エリアに移動すると、上記移動ルータが基地局装置を介して移動網に位置登録要求を送信するようになっている。これにより、移動体空間内に存在する移動ノードの位置登録要求を代表することを実現している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−355835号公報
【非特許文献1】
弓場、笹田、藤原、薮崎著、「連鎖型移動制御の一検討」、信学技報IN2000−177、2001年2月、pp.7−14
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報等に開示された移動通信システムにあっては、以下の問題がある。すなわち、移動体空間内に存在する全ての移動ノード(Mobile Node:以下、MNと略称する)及びその移動体内に設置され、そのMNの位置登録(Location Update:以下、LUと略称する)を代表して行う移動ルータ(Mobile Router:以下、MRと略称する)が待ち受け状態で移動する場合、位置登録エリア(Location Area:以下、LAと略称する)を跨る度に、MN及びMRの在圏位置情報を保持する位置情報管理装置(Location Manager:以下、LMと略称する)へそのMRがLU信号を送出し、そのMRの在圏LA情報を更新することが必要である。
【0007】
そのため、例えば、MR自身、又はそのMRと主従関係を形成している1以上のMNがそのMR経由で通信を行っている状態で移動する場合には、LAを跨る移動を行ったとしても、そのMRは待ち受け状態ではなく、LU信号を送出しないため、LMにおいてそのMRの在圏LAを更新できない。これでは、そのMNに対して着信をかけることができないという問題がある。
【0008】
本発明は、以上の点を鑑みてなされたもので、移動体空間内に存在するMNのLUを代表するMRが通信状態のためLU信号を送出しない等の理由によって、LMが必ずしも正しい在圏LA情報を保持していない場合においても、有限な無線リソースの使用を抑えつつ、MNに対して着信をかけることが可能な位置管理を行う移動通信システム、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による移動通信システムは、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムであって、前記移動ルータが通信状態であるか否かを示すフラグを保持する手段と、前記移動ノードに対して着信があった場合、保持されている前記フラグの値に応じて、前記移動ルータについてのルーティングアドレス情報を問い合わせる手段と、この問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて前記移動ノードに対して着信をかける手段とを含むことを特徴とする。問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて位置情報管理装置が着信をかけることにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費して位置登録要求信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、在圏位置情報よりもより詳細な位置情報を示すルーティングアドレスを用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0010】
本発明の請求項2による移動通信システムは、請求項1において、前記移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、前記フラグを、通信状態を示す値に設定し、
前記移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、前記フラグを、待ち受け状態を示す値に設定する手段を更に含むことを特徴とする。通信状態の開始/終了を示す信号を利用してフラグの値を制御することにより、通信状態であるか待ち受け状態であるかの認識を容易に行うことができる。
【0011】
本発明の請求項3による移動通信システムは、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムであって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、このテーブル内の前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新された場合、更新されたルーティングアドレス情報を通知する手段とを有するルーティング情報管理装置と、
前記ルーティング情報管理装置から通知されたルーティングアドレス情報を、前記移動ルータの在圏位置情報として格納するテーブルと、このテーブルに格納されている在圏位置情報を用いて前記移動ノードに着信をかける手段とを有する位置情報管理装置と、
を含むことを特徴とする。こうすることにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。なお、ルーティング情報管理装置には、ローカルルーティング情報管理装置及びホームルーティング情報管理装置の構成等、階層的に設けられた複数のルーティング情報管理装置も含まれる。また、位置情報管理装置には、ローカル位置情報管理装置及びホーム位置情報管理装置の構成等、階層的に設けられた複数の位置情報管理装置も含まれる。
【0012】
本発明の請求項4による位置情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについて位置登録処理がなされる位置情報管理装置であって、前記移動ルータが通信状態であるか否かを示すフラグを保持する手段と、前記移動ノードに対して着信があった場合、保持されている前記フラグの値に応じて、前記移動ルータについてのルーティングアドレス情報を問い合わせる手段と、この問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて前記移動ノードに対して着信をかける手段とを含むことを特徴とする。問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて位置情報管理装置が着信をかけることにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費して位置登録要求信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。
【0013】
本発明の請求項5による位置情報管理装置は、請求項4において、前記フラグを、前記移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定し、
前記移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、前記フラグを、待ち受け状態を示す値に設定する手段を更に含むことを特徴とする。通信状態の開始/終了を示す信号を利用してフラグの値を制御することにより、通信状態であるか待ち受け状態であるかの認識を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の請求項6による位置情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについて位置登録処理がなされる位置情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新される度に通知される該ルーティングアドレス情報を、前記移動ルータの在圏位置情報として格納するテーブルと、このテーブルに格納されている在圏位置情報を用いて前記移動ノードに着信をかける手段とを含むことを特徴とする。こうすることにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。
【0015】
本発明の請求項7によるルーティング情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムに用いられるルーティング情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、前記移動ルータのルーティングアドレス情報の問い合わせに応答して前記テーブルに格納されているルーティングアドレス情報を返信する手段とを含むことを特徴とする。在圏位置情報よりもより詳細な位置情報を示すルーティングアドレスを用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0016】
本発明の請求項8によるルーティング情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムに用いられるルーティング情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、このテーブル内の前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新された場合、更新されたルーティングアドレス情報を通知する手段とを含むことを特徴とする。こうすることにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等部分に同一符号が付されている。なお、各図中の移動ノードのうち、ハッチングが付されているものは待ち受け状態(dormant)であり、ハッチングが付されていないものは通信状態(active)であるものとする。
(第1の実施形態)
A:移動通信システムの構成
図1は本発明による移動通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【0018】
同図に示されているように、本システムは、移動ノードや移動ルータのLA情報、ないしは、移動ルータと移動ノードとの主従関係を示す主従関係情報を格納している位置情報管理装置LM#1と、MNやMRのRA(Routing Address:以下、RAと略称する)情報を格納しているルーティング情報管理装置RM#1(Routing Manager:以下、RMと略称する)と、移動ノードや移動ルータに対して在圏位置識別子(Area Identification:以下、ArIと略称する)を報知し、このArIとLAとしてネットワーク内で管理される在圏位置情報との対応関係を保持するAR1〜AR11と、を含んで構成されている。
【0019】
また、同図に示されているように、本システムは、待ち受け状態での移動において移動体空間内に存在するMNのLUを代表する移動ルータMR#1と、待ち受け状態にあっても移動ルータMR#1と同一の移動体空間内に存在する時にはLUを実施しない移動ノードMN#1,MN#2と、を含んで構成されている。
位置情報管理装置LM#1とルーティング情報管理装置RM#1とに対応して大きなエリアが形成されている。このエリアには多数のARが含まれている。ARそれぞれに対応して存在するエリアが複数集合したものがロケーションエリアLA#A,LA#B,LA#C,LA#D,…,LA#Zである。
【0020】
なお、同図においては明示されていないが、通常、AR−LM/RM間やLM−RM間等には、信号等を転送するルータないしは交換機が存在する。
同図において、LM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが「MR#1」で、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」であることが登録されている(S1301)。
【0021】
RM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S1302)。
この状態において、MN#1及びMR#1が通信状態にてLA#AからLA#Bへ移動した場合、MR#1からLU信号は送出されない(S1300)。したがって、LM#1におけるMR#1の在圏LAはLA#Aのままである。この際に、MR#1と主従関係にある待ち受け状態のMN#2に着信があると、従来の移動通信システムと同様の動作に従うと、実際にはMN#2が在圏していないLA#Aに対して着信がかけられてしまうことになる。これでは、LA#Bに在圏するMN#2は、その着信を受信することができないという問題が生じる。
【0022】
この問題に対し、待ち受け状態、通信状態に関わらずMRがLU信号を送出することも考えられる。しかしながら、通常、通信状態にある場合には、MR及びMNに対するルーティングアドレスを保持するRMが、在圏するARで示される、LAよりもより詳細な位置情報(RA情報)を保持しており、MRがLU信号を送出することでLMの情報を更新することは、有限な無線リソースの消費に対する観点から考えると、非効率的である。
【0023】
そこで、本システムでは、LMにおいて、MRが待ち受け状態にあるか通信状態にあるかを判定するフラグをテーブル内に保持し、そのMRと主従関係にあるMNに対して着信が発生した場合に、LMがそのMRの状態を判定し、通信状態にあると判定された際には、LMがRMに対してそのMRのRA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対してLMが着信をかける。
【0024】
以下、この着信をかける手順について図2を参照して説明する。
同図において、発信を行おうとしているMN#1からActivation信号を受信した場合(S1401)、MRは、Activation Notification信号をLM#1及びRM#1に送信する(S1402a、S1402b)。LM#1では、自装置のテーブルにおいて、識別子(ID)が「MR#1」のエントリーのフラグの値を「1」にする(S1403a)。RM#1においては、識別子(ID)が「MN#1」及び「MR#1」のエントリーに対してそれぞれのRA情報を書込む(S1403b)。なお、本明細書では、フラグの値が「1」の場合には通信状態であることを示し、フラグの値が「0」の場合には待ち受け状態(通信状態でない)であることを示すものとする。
【0025】
次に、MR#1がLA#AからLA#Bに移動すると(S1404)、通信状態にあるMN#1及びMR#1に対してハンドオーバ処理を行うため、MR#1からActivation信号が送出され(S1405)、RM#1においては、RA情報の更新処理が行われる(S1406)。
ここで、MN#2に対して着信があると(S1407)、それを受信したRM#1は待ち受け状態にあるMN#2のRA情報を保持していないため、LM#1に対して呼出要求(Paging Req)を送出する(S1408)。
【0026】
LM#1においては、MN#2がMR#1に従属し、MR#1が通信状態にあることを検出するため、RM#1に対してMR#1のルーティングアドレスを問い合わせる(S1409)。これに応答して、RM#1からMR#1のルーティングアドレス「AR3b」が送出され、LM#1に入力される(S1410)。LM#1は、このルーティングアドレス「AR3b」を用いてMN#2に対して着信をかける(S1411)。これを受信したMR#1は、MN#2に対して着信信号を送出する(S1412)。この後、MN#2は着信元と通信状態になる。
B:移動通信システムの動作
(第1の動作例)
図2に示されている手順を詳細に記述した、図3及び図4を参照して、第1の動作例について説明する。これらの図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR1、AR2、AR3、LM#1、RM#1の動作が示されている。なお、これらの図は、図1に示されている構成と対応している。
【0027】
図3は、MR#1と主従関係にありかつ待ち受け状態のMN#2に対する着信の様子を示すシーケンス図である。
ここで、MR#1及びMN#1はLA#A在圏時に通信状態となり、通信状態のままLA#Aに含まれるAR2配下からLA#Bに含まれるAR3配下へ移動してきたものとする。
【0028】
同図において、RM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S1501b)。
LM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」でフラグが「1」、識別子(ID)「MN#1」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、識別子(ID)「MN#2」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、であることが登録されている(S1501a)。
【0029】
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S1502a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S1502b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S1503)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR3から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S1504)。
【0030】
この状態において、MR#1と主従関係にある待ち受け状態の移動ノードMN#2に対して着信があると(S1505)、その着信を受信したRM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2に関するエントリーが無いことを検出すると、MN#2が待ち受け状態にあることを認識する。すると、RM#1は、固有アドレスである識別子IPhaをキーとしてMN#2のLMであるLM#1を特定し、着信要求(Paging Request)を送出する(S1506)。この着信要求を受信したLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がMR#1に従属しており、MR#1はLA#Aに在圏していることを検出する。さらに、LM#1は、MR#1のフラグを参照する。このとき、MR#1のフラグの値は「1」であるため、LM#1は、MR#1が通信状態にあることを検出する(S1507)。
【0031】
ここで、このフラグに対する制御アルゴリズムの例が図4に示されている。同図(a)において、MNに対して発着信があった場合(ステップS1600)、MNはActivation信号をMRに送出する(ステップS1601)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1加算する(ステップS1602)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C+1とする。
【0032】
次に、カウンタのカウント値Cが1(C=1)でない場合、MRはActivation Notification信号をRMのみに送出する(ステップS1603→S1604)。一方、カウント値Cが1(C=1)である場合、MRはActivation Notification信号をLM及びRMに送出する(ステップS1603→S1605)。そして、LMは、MRのフラグ(Active Flag)を立てる(ステップS1606)。これにより、フラグの値が「1」になる。
【0033】
また、同図(b)において、MNの通信が終了した場合(ステップS1610)、MNはDeactivation信号をMRに送出する(ステップS1611)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1減算する(ステップS1612)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C−1とする。
【0034】
次に、カウンタのカウント値Cが0(C=0)でない場合、MRはDeactivation Notification信号をRMのみに送出する(ステップS1613→S1614)。一方、カウント値Cが0(C=0)である場合、MRはDeactivation Notification信号をLM及びRMに送出する(ステップS1613→S1615)。そして、LMは、MRのフラグ(Active Flag)を下ろす(ステップS1616)。これにより、フラグの値が「0」になる。
【0035】
以上のように本例では、MNに対して発着信が生じた場合や通信が終了した時に送出されるActivation信号/Deactivation信号により、MRが通信状態にあるMNの数を把握する。そして、その値が「0」から「1」になった場合や「1」から「0」になった場合にLMへ通知する。この通知を受取ったLMは、MRについてのフラグの上げ下げ、すなわちフラグの設定を制御する。
【0036】
要するにMRについてのフラグは、移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定され、移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、待ち受け状態を示す値に設定されることになる。
図3に戻り、フラグの値「1」によってMR#1が通信状態にあることを検出したLM#1は、RM#1にMR#1のRA情報を問い合わせる(S1508)。この問い合わせを受信したRM#1は、自身のテーブルを検索し、MR#1に対するRA情報である「AR3b」を応答する(S1509)。この応答を受信したLM#1は、得られたRA情報である「AR3b」に対して着信をかける(S1510)。この着信信号は、AR3を経由してMR#1に転送され(S1511)、さらに、これを受信したMR#1が移動体内に報知する(S1512)。以上により、着信信号がMN#2まで届けられることになる。
【0037】
この着信信号に対して、移動ノードMN#2が応答(Paging Ack)を送出すると(S1513)、その応答は移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、LM#1を介してRM#1に入力される(S1514、S1515、S1516)。
ここで、以上の動作を実現するためのLM、RMの構成について、図5、図6を参照して説明する。
【0038】
図5に示されているように、LMは、移動ノード及び移動ルータについてのLA、並びに、それらが通信状態か待ち受け状態かを示すフラグを格納するためのテーブル71と、RA情報をRMに問い合わせるためのRA情報問い合わせ機能72と、問い合わせの結果得られたRA情報又は自身が保持しているLA情報を用いて着信をかける着信機能73と、フラグの値の書替えを行うフラグ制御機能74と、自装置に登録されているLA情報を更新するLA情報更新機能75と、ARやRM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部70とを含んで構成されている。
【0039】
また、図6に示されているように、RMは、移動ノード及び移動ルータについてのRA情報を格納するためのテーブル81と、LMからの問い合わせに応答してRA情報を返信するRA情報返信機能82と、自装置に登録されているRA情報を更新するRA情報更新機能83と、着信要求を送出する着信要求送出機能84と、ARやLM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部80とを含んで構成されている。
【0040】
このような構成からなるLM及びRMの動作について、図7を参照して説明する。同図は、図5に示されているLM、及び図6に示されているRMの動作を示すフローチャートである。同図において、まず、LM内のテーブルに、移動ノード及び移動ルータが通信状態か待ち受け状態かを示すフラグを格納する(ステップS901)。次に、移動ノードに対して着信があるか判断する(ステップS902)。着信があった場合には、テーブルに格納されている移動ルータのフラグの値を確認する(ステップS903)。
【0041】
フラグの値が「0」すなわち待ち受け状態を示す値である場合、LM内のテーブルに格納されているLA情報を用いて、その移動ノードにLMが着信をかける(ステップS903→S904)。
一方、フラグの値が「1」すなわち通信状態を示す値である場合、LMからRMに対して、その移動ルータについてのRA情報を問い合わせる(ステップS903→S905)。そして、この問い合わせに対してRMからLMへの返信によって得られたRA情報を用いて、その移動ノードにLMが着信をかける(ステップS906)。
【0042】
以上のように動作することにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費してLU信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0043】
(第2の動作例)
図8を参照して、第2の動作例について説明する。本動作例では、上記第1の動作例とは異なり、フラグを用いない。同図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、AR4、LM#1、RM#1の動作が示されている。なお、同図は、図1に示されている構成図と対応している。
【0044】
同図は、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報の更新手続きを利用した位置登録の様子を示すシーケンス図である。ここで、MR#1及びMN#1は、通信状態のままAR3配下からAR4配下へ移動してきたものとする。
同図において、RM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR3b」であることが登録されている(S1701b)。
【0045】
LM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR3b」で、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが共に「MR#1」であることが登録されている(S1701a)。
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S1702a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S1702b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S1703)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR4から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S1704)。
【0046】
ここで、本動作例では、MR#1が代表するActivation信号(S1705、S1706)によって、RM#1におけるそのMR#1とMN#1のRA情報が更新される。この更新により、RM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR4a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR4b」であることが登録される(S1707)。
【0047】
この更新後、RM#1はMR#1に関するRA情報についての通知(IPrapush)をLM#1に送出する(S1708)。この通知を受取ったLM#1は、MR#1に対するLA情報としてRA情報を格納する。この結果、LM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR4b」であることが登録される(S1709)。
【0048】
この登録後、LM#1が応答(IPra push Ack)を送出し(S1710)、RM#1がその応答を受信すると、Activation信号に対する応答がアクセスルータAR4、を介して移動ルータMR#1に入力される(S1711、S1712)。
そして、移動ルータに従属している待ち受け状態の移動ノードに対して着信が発生した場合には、このルーティングアドレスに対して着信がかけられる。
【0049】
ここで、以上の動作を実現するためのLM、RMの構成について、図9、図10を参照して説明する。
図9に示されているように、LMは、移動ノード及び移動ルータについてのLA情報を格納するためのテーブル76と、このテーブル76内に格納されているRA情報を用いて着信をかける着信機能77と、自装置に登録されているLA情報を更新するLA情報更新機能78と、ARやRM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部70とを含んで構成されている。なお、RMから通知される、更新されたRA情報は、LA情報としてテーブル75に格納される。
【0050】
また、図10に示されているように、RMは、移動ノード及び移動ルータについてのRA情報を格納するためのテーブル85と、このテーブル85内に格納されている移動ルータのRA情報が更新された場合、その更新されたRA情報をLMに通知するRA情報通知機能86と、自装置に登録されているRA情報を更新するRA情報更新機能87と、着信要求を送出する着信要求送出機能88と、ARやLM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部80とを含んで構成されている。
【0051】
さらに、本動作例について、図11のフローチャートを参照して説明する。同図において、まず、RMにおいて通信状態にある移動ルータのRA情報が更新されたかどうか判断する(ステップS111)。
RA情報が更新された場合は、その更新されたRA情報をRMからLMに通知する(ステップS111→S112)。そして、通知されたRA情報をLM内のテーブルに格納する(ステップS113)。
【0052】
次に、LMにおいて移動ノードに対して着信があるか判断する(ステップS114)。着信があった場合、LMは自装置内のテーブルに格納されている移動ルータのRA情報を用いて、その移動ノードに対して着信をかける(ステップS114→S115)。ステップS114において、着信が無い場合には、ステップS111に戻り、RMにおいてRA情報が更新されたか判断する(ステップS114→S111)。以上の処理は繰返し行われる。
【0053】
以上のように動作することにより、第1の動作例の場合と異なり、LM内のテーブルにフラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
(第2の実施形態)
A:移動通信システムの構成
図12は本発明による移動通信システムの第2の実施形態を示す図である。本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、ローカル位置情報管理装置(Local Location Manager:以下、LLMと略称する)と、ホーム位置情報管理装置(Home Location Manager:以下、HLMと略称する)とからなる、2階層構造の位置情報管理装置が採用されている。同様に、ルーティング情報管理装置についても、ローカルルーティング情報管理装置(Local Routing Manager:以下、LRMと略称する)とホームルーティング情報管理装置(Home Routing Manager:以下、HRMと略称する)とからなる、2階層構造のルーティング情報管理装置が採用されている。
【0054】
同図に示されているように、本システムは、移動ノードや移動ルータのLA情報、ないしは、移動ルータと移動ノードとの主従関係を示す主従関係情報を格納しているローカル位置情報管理装置LLM#1,LLM#2,LLM#3と、移動ノードや移動ルータMR#1が在圏しているLLMに関する情報であるLLM情報を格納しているホーム位置情報管理装置HLM#1と、MNやMRのRA情報を格納しているローカルルーティング情報管理装置LRM#1,LRM#2,LRM#3と、MNやMRが在圏しているLRM情報を格納しているホームルーティング情報管理装置HRM#1と、移動ノードや移動ルータに対してArIを報知し、このArIとLAとしてネットワーク内で管理される在圏位置情報との対応関係を保持するAR1〜AR11と、を含んで構成されている。すなわち、本実施形態では、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置について、それぞれ階層構造が存在する。
【0055】
また、同図に示されているように、本システムは、待ち受け状態での移動において移動体空間内に存在するMNのLUを代表する移動ルータMR#1と、待ち受け状態にあっても移動ルータMR#1と同一の移動体空間内に存在する時にはLUを実施しない移動ノードMN#1,MN#2と、を含んで構成されている。各ローカル位置情報管理装置LLM#1,LLM#2,LLM#3と各ローカルルーティング情報管理装置LRM#1,LRM#2,LRM#3とに対応して小さなエリアがそれぞれ形成されている。各エリアには1以上のARが含まれている。ARそれぞれに対応して存在するエリアが複数集合したものがロケーションエリアLA#A,LA#B,LA#C,LA#D,…,LA#Zである。
【0056】
なお、同図においては明示されていないが、通常、AR−LLM/LRM間やLLM/LRM−HLM/HRM間、LLM/LRM−LLM/LRM間等には、信号等を転送するルータないしは交換機が存在する。
同図において、LLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが「MR#1」で、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」であることが登録されている(S101)。
【0057】
LRM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S102)。
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」、「MR#1」のLLM情報が「LLM#1」であることが登録されている(S103)。
【0058】
HRM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するLRM情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のLRM情報が「LRM#1」、識別子(ID)「MR#1」のLRM情報が「LRM#1」であることが登録されている(S104)。
この状態において、MN#1及びMR#1が通信状態にてLA#AからLA#Bへ移動した場合、MR#1からLU信号は送出されない(S100)。したがって、LLM#1におけるMR#1の在圏LAはLA#Aのままである。この際に、MR#1と主従関係にある待ち受け状態のMN#2に着信があると、従来の移動通信システムと同様の動作に従うと、実際にはMN#2が在圏していないLA#Aに対して着信がかけられてしまうことになる。これでは、LA#Bに在圏するMN#2は、その着信を受信することができないという問題が生じる。
【0059】
この問題に対し、待ち受け状態、通信状態に関わらずMRがLU信号を送出することも考えられる。しかしながら、通常、通信状態にある場合には、MR及びMNに対するルーティングアドレスを保持するLRMが、在圏するARで示される、LAよりもより詳細な位置情報(RA情報)を保持しており、MRがLU信号を送出することでLLMの情報を更新することは、有限な無線リソースの消費に対する観点から考えると、非効率的である。
【0060】
そこで、本システムでは、LLMにおいて、MRが待ち受け状態にあるか通信状態にあるかを判定するフラグをテーブル内に保持し、そのMRと主従関係にあるMNに対して着信が発生した場合に、LLMがそのMRの状態を判定し、通信状態にあると判定された際には、LLMがLRMに対してそのMRのRA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対してLLMが着信をかける。
【0061】
以下、この着信をかける手順について図13を参照して説明する。
同図において、発信を行おうとしているMN#1からActivation信号を受信した場合(S201)、MRは、Activation Notification信号をLLM#1及びLRM#1に送信する(S202a、S202b)。LLM#1では、自装置のテーブルにおいて、識別子(ID)が「MR#1」のエントリーのフラグの値を「1」にする(S203a)。LRM#1においては、識別子(ID)が「MN#1」及び「MR#1」のエントリーに対してそれぞれのRA情報を書込む(S203b)。
【0062】
次に、MR#1がLA#AからLA#Bに移動すると(S204)、通信状態にあるMN#1及びMR#1に対してハンドオーバ処理を行うため、MR#1からActivation信号が送出され(S205)、LRM#1においては、RA情報の更新処理が行われる(S206)。
ここで、MN#2に対して着信があると(S207)、それを受信したHRM#1は待ち受け状態にあるMN#2のLRM情報を保持していないため、HLM#1に対して呼出要求(Paging Req)を送出する(S208)。HLM#1はLLM#1に呼出要求を送出する(S209)。
【0063】
LLM#1においては、MN#2がMR#1に従属し、MR#1が通信状態にあることを検出するため、LRM#1に対してMR#1のルーティングアドレスを問い合わせる(S210)。これに応答して、LRM#1からMR#1のルーティングアドレス「AR3b」が送出され、LLM#1に入力される(S211)。LLM#1は、このルーティングアドレス「AR3b」を用いてMN#2に対して着信をかける(S212)。これを受信したMR#1は、MN#2に対して着信信号を送出する(S213)。この後、MN#2は着信元と通信状態になる。
B:移動通信システムの動作
(第1の動作例)
図13に示されている手順を詳細に記述した、図14及び図15を参照して、第1の動作例について説明する。これらの図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR1、AR2、AR3、LRM#1、LLM#1、HLM#1、HRM#1の動作が示されている。なお、これらの図は、図12に示されている構成と対応している。
【0064】
図14は、MR#1と主従関係にありかつ待ち受け状態のMN#2に対する着信の様子を示すシーケンス図である。
ここで、MR#1及びMN#1はLA#A在圏時に通信状態となり、通信状態のままLA#Aに含まれるAR2配下からLA#Bに含まれるAR3配下へ移動してきたものとする。
【0065】
同図において、LRM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S301a)。
LLM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」でフラグが「1」、識別子(ID)「MN#1」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、識別子(ID)「MN#2」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、であることが登録されている(S301b)。
【0066】
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」及び「MR#1」のLLM情報が全て「LLM#1」であることが登録されている(S301c)。
HRM#1には、識別子(ID)「MN#1」及び「MR#1」のLRM情報が共に「LRM#1」であることが登録されている(S301d)。
【0067】
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S302a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S302b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S303)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR3から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S304)。
【0068】
この状態において、MR#1と主従関係にある待ち受け状態の移動ノードMN#2に対して着信があると(S305)、その着信を受信したHRM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2に関するエントリーが無いことを検出すると、MN#2が待ち受け状態にあることを認識する。すると、HRM#1は、固有アドレスである識別子IPhaをキーとしてMN#2のHLMであるHLM#1を特定し、着信要求(Paging Request)を送出する(S306)。この着信要求を受信したHLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がLLM#1配下に在圏していることを検出し、LLM#1に着信要求を転送する(S307)。
【0069】
この着信要求を受信したLLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がMR#1に従属しており、MR#1はLA#Aに在圏していることを検出する。さらに、LLM#1は、MR#1のフラグを参照する。このとき、MR#1のフラグの値は「1」であるため、LLM#1は、MR#1が通信状態にあることを検出する(S308)。
【0070】
ここで、このフラグに対する制御アルゴリズムの例が図15に示されている。同図(a)において、MNに対して発着信があった場合(ステップS400)、MNはActivation信号をMRに送出する(ステップS401)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1加算する(ステップS402)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C+1とする。
【0071】
次に、カウンタのカウント値Cが1(C=1)でない場合、MRはActivation Notification信号をLRMのみに送出する(ステップS403→S404)。一方、カウント値Cが1(C=1)である場合、MRはActivation Notification信号をLLM及びLRMに送出する(ステップS403→S405)。そして、LLMは、MRのフラグ(Active Flag)を立てる(ステップS406)。これにより、フラグの値が「1」になる。
【0072】
また、同図(b)において、MNの通信が終了した場合(ステップS410)、MNはDeactivation信号をMRに送出する(ステップS411)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1減算する(ステップS412)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C−1とする。
【0073】
次に、カウンタのカウント値Cが0(C=0)でない場合、MRはDeactivation Notification信号をLRMのみに送出する(ステップS413→S414)。一方、カウント値Cが0(C=0)である場合、MRはDeactivation Notification信号をLLM及びLRMに送出する(ステップS413→S415)。そして、LLMは、MRのフラグ(Active Flag)を下ろす(ステップS416)。これにより、フラグの値が「0」になる。
【0074】
以上のように本例では、MNに対して発着信が生じた場合や通信が終了した時に送出されるActivation信号/Deactivation信号により、MRが通信状態にあるMNの数を把握する。そして、その値が「0」から「1」になった場合や「1」から「0」になった場合にLLMへ通知する。この通知を受取ったLLMは、MRについてのフラグの上げ下げ、すなわちフラグの設定を制御する。
【0075】
要するにMRについてのフラグは、移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定され、移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、待ち受け状態を示す値に設定されることになる。
図14に戻り、フラグの値「1」によってMR#1が通信状態にあることを検出したLLM#1は、LRM#1にMR#1のRA情報を問い合わせる(S309)。この問い合わせを受信したLRM#1は、自身のテーブルを検索し、MR#1に対するRA情報である「AR3b」を応答する(S310)。この応答を受信したLLM#1は、得られたRA情報である「AR3b」に対して着信をかける(S311)。この着信信号は、AR3を経由してMR#1に転送され(S312)、さらに、これを受信したMR#1が移動体内に報知する(S313)。以上により、着信信号がMN#2まで届けられることになる。
【0076】
この着信信号に対して、移動ノードMN#2が応答(Paging Ack)を送出すると(S314)、その応答は移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、LLM#1、HLM#1を介してHRM#1に入力される(S315、S316、S317、S318)。
ここで、以上の動作を実現するためのLLM、LRMの構成は、上述した図5、図6に示されているLM、RMの構成と同様であるため、その説明を省略する。また、LLM及びLRMの動作については、上述した図7の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0077】
以上のように、本動作例においては、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費してLU信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0078】
(第2の動作例)
図16を参照して、第2の動作例について説明する。同図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR1、AR2、AR6、LRM#1、LRM#2、LLM#1、HLM#1、HRM#1の動作が示されている。なお、同図は、図12に示されている構成図と対応している。
【0079】
同図は、MR#1と主従関係にある待ち受け状態のMN#2に対する着信の様子を示すシーケンス図である。ここで、MR#1及びMN#1はLA#A在圏時に通信状態となり、通信状態のままLA#Aに含まれるAR2配下からLA#Cに含まれるAR6配下へ移動してきたものとし、LRM#2では通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されているものとする。
【0080】
同図において、LRM#1には情報が何も登録されていない(S501a)。LRM#2には識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR6a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR6b」であることが登録されている(S501b)。
LLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが共に「MR#1」でフラグが共に「0」、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」でフラグが「1」であることが登録されている(S501c)。
【0081】
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」、「MR#1」のLLM情報が「LLM#1」であることが登録されている(S501d)。
HRM#1には、識別子(ID)「MN#1」「MR#1」のLRM情報が「LRM#2」であることが登録されている(S501e)。
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S502a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S502b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S503)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR6から、ArIが「LA#C」であることに相当する報知情報を受信している(S504)。
【0082】
この状態において、移動ノードMN#2に対して着信があると(S505)、その着信を受信したHRM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2に関するエントリーが無いことを検出すると、MN#2が待ち受け状態にあることを認識する。すると、HRM#1は、固有アドレスである識別子IPhaをキーとしてMN#2のHLMであるHLM#1を特定し、着信要求(Paging Request)を送出する(S506)。この着信要求を受信したHLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がLLM#1配下に在圏していることを検出し、LLM#1に着信要求を転送する(S507)。
【0083】
この着信要求を受信したLLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がMR#1に従属しており、MR#1はLA#Aに在圏していることを検出する。さらに、LLM#1は、MR#1のフラグを参照する。このとき、MR#1のフラグの値は「1」であるため、LLM#1は、MR#1が通信状態にあることを検出する(S508)。
【0084】
フラグの値「1」によってMR#1が通信状態にあることを検出したLLM#1は、LRM#1にMR#1のRA情報を問い合わせる(S509)。この問い合わせを受信したLRM#1は、自身のテーブルを検索する。検索の結果、自身のテーブルに、MR#1に関するエントリーが無いことを検出したLRM#1は、IPhaをキーとしてMR#1のHRMであるHRM#1を特定し、特定したHRM#1に収容されているMR#1のLRM情報を問い合わせる要求を送出する(S510)。
【0085】
この要求を受取ったHRM#1は、自身のテーブルを検索し、MR#1がLRM#2配下に在圏していることを返答する(S511)。この返答を受取ったLRM#1は、LRM#2にMR#1のRA情報を問い合わせる要求を送出する(S512)。
この要求を受取ったLRM#2は、自身のテーブルを検索し、MR#1に対するRA情報であるAR6bをLRM#1に返答する(S513)。この返答を受取ったLRM#1は、それをLLM#1に転送する(S514)。
【0086】
LLM#1は、得られたRA情報であるAR6bに対して着信をかける(S515)。この着信信号は、AR6を経由してMR#1に転送され(S516)、さらに、これを受信したMR#1が移動体内に報知する(S517)。以上により、着信信号がMN#2まで届けられることになる。
この着信信号に対して、移動ノードMN#2が応答(Paging Ack)を送出すると(S518)、その応答は移動ルータMR#1、アクセスルータAR6、LLM#1、HLM#1を介してHRM#1に入力される(S519、S520、S521、S522)。
【0087】
(第3の動作例)
図17を参照して、第3の動作例について説明する。本動作例では、上記第1及び第2の動作例とは異なり、フラグを用いない。同図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、AR4、LRM#1、LLM#1、HLM#1、HRM#1の動作が示されている。なお、同図は、図12に示されている構成図と対応している。
【0088】
同図は、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報の更新手続きを利用した位置登録の様子を示すシーケンス図である。ここで、MR#1及びMN#1は、通信状態のままAR3配下からAR4配下へ移動してきたものとする。
同図において、LRM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR3b」であることが登録されている(S601a)。
【0089】
LLM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR3b」で、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが共に「MR#1」であることが登録されている(S601b)。
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」、「MR#1」のLLM情報が「LLM#1」であることが登録されている(S601c)。
【0090】
HRM#1には、識別子(ID)「MN#1」「MR#1」のLRM情報が「LRM#1」であることが登録されている(S601d)。
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S602a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S602b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S603)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR4から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S604)。
【0091】
ここで、本動作例では、MR#1が代表するActivation信号(S605、S606)によって、LRM#1におけるそのMR#1とMN#1のRA情報が更新される。この更新により、LRM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR4a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR4b」であることが登録される(S607)。
【0092】
この更新後、LRM#1はMR#1に関するRA情報についての通知(IPra push)をLLM#1に送出する(S608)。この通知を受取ったLLM#1は、MR#1に対するLA情報としてRA情報を格納する。この結果、LLM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR4b」であることが登録される(S609)。
【0093】
この登録後、LLM#1が応答(IPra push Ack)を送出し(S610)、LRM#1がその応答を受信すると、Activation信号に対する応答がアクセスルータAR4を介して移動ルータMR#1に入力される(S611、S612)。
そして、移動ルータに従属している待ち受け状態の移動ノードに対して着信が発生した場合には、このルーティングアドレスに対して着信がかけられる。
【0094】
ここで、以上の動作を実現するためのLLM、LRMの構成は、上述した図9、図10に示されているLM、RMの構成と同様であるため、その説明を省略する。また、LLM及びLRMの動作については、上述した図11の場合と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように動作することにより、第1の動作例及び第2の動作例の場合と異なり、LLM内のテーブルにフラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のような変形例が含まれる。
(1) LM又はLLMにて、MRが通信状態にあるか否かを示すフラグを用いず、そのMRと主従関係にある待ち受け状態のMNに対して着信要求があった際には、自身の持つそのMRの在圏LA情報に従ってそのMNに着信をかける。この際に、一定時間を経過してもそのMNから応答が返ってこない場合には、RM又はLRMにそのMRのRA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対して着信をかける。つまり、LM又はLLMに格納されているLA情報を用いて着信をかけ、一定時間経過しても応答がない場合に限り、RA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対して着信をかける。
(2) LM又はLLMにて、MRが通信状態にあるか否かを示すフラグを用いず、そのMRと主従関係にある待ち受け状態のMNに対して着信要求があった際には、LM又はLLMがRM又はLRMにそのMRのRA情報を問い合わせ、RM又はLRMからRA情報が返答されればそのRA情報に、返答されなければ自身の持つそのMRの在圏LA情報に従ってそのMNに着信をかける。
(3) RM又はLRMから得られたRA情報をLA情報に変換してLM又はLLMに格納し、着信もLA情報に対して行うようにしても良い。
(4) 移動体内に設置されたMRが、自身に従属しているMNを把握し、自身のLUを行う際に、自身のIPhaだけでなく、従属しているMNのIPhaも併せて送信を行うことでLM又はLLMにおいてそのMRとMNの従属関係を保持しない場合には、MRだけでなく、MNに対しても通信状態にあるか否かを示すフラグの上げ下げを行う。
(5) MR及びMNに対するフラグの上げ下げは、RA情報の有無を契機としてRM又はLRMがLM又はLLMに通知することによって行う。
(6) LM又はLLMにおいてフラグを保持しない場合や、変形例(5)のようにフラグの上げ下げをRM又はLRMにおけるRA情報の有無によって行う場合には、移動体に乗車したMN−AR間の信号転送は、MRを経由せずに直接MN−AR間で信号を送受しても良い。
(7) 上記では、MR−MN間における2段階の主従関係を例に説明したが、本関係を多段階に繰り返す場合にも適用できることは明らかである。
(8) 位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置について、上記第1の実施形態では両装置ともに階層構造が存在しない場合、上記第2の実施形態では両装置ともに階層構造が存在する場合、について説明したが、両装置のいずれか一方のみについて階層構造が存在しても良い。すなわち、LLM及びHLMとRMとを採用した移動通信システム、LMとLRM及びHRMとを採用した移動通信システムのいずれの場合でも本発明を適用できる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、位置情報管理装置において、移動ルータが待ち受け状態にあるか通信状態にあるかを判定するフラグを保持し、その移動ルータと主従関係にある移動ノードに対して着信が発生した場合に、位置情報管理装置がその移動ルータの状態を判定し、通信状態にあると判定された際には、位置情報管理装置がルーティング情報管理装置に対してその移動ルータのルーティングアドレス情報を問い合わせ、得られたルーティングアドレス情報に対して位置情報管理装置が着信をかけることにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費して位置登録信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができるという効果がある。
【0096】
さらに、通信状態の開始/終了を示す信号を利用してフラグの値を制御することにより、通信状態であるか待ち受け状態であるかの認識を容易に行うことができるという効果がある。
また、ルーティングアドレスが更新される度に、その更新されたルーティングアドレスを位置情報管理装置に通知し、それを在圏位置情報として保持することにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができるという効果がある。
なお、在圏位置情報よりもより詳細な位置情報を示すルーティングアドレスを用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1の移動通信システムにおいて着信をかける手順を示す図である。
【図3】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第1の動作例において、移動ルータと主従関係にありかつ待ち受け状態の移動ノードに対する着信の様子を示すシーケンス図である。
【図4】本発明による第1の実施形態の移動通信システムにおいて、フラグに対する制御アルゴリズムの例を示すフローチャートであり、(a)は発着信開始時の動作、(b)は通信終了時の動作を示す。
【図5】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第1の動作例を実現するためのLMの構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第1の動作例を実現するためのRMの構成例を示すブロック図である。
【図7】図5に示されているLM及び図6に示されているRMの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を示すシーケンス図である。
【図9】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を実現するためのLMの構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を実現するためのRMの構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明による移動通信システムの第2の実施形態を示す図である。
【図13】図12の移動通信システムにおいて着信をかける手順を示す図である。
【図14】本発明による第2の実施形態の移動通信システムの第1の動作例において、移動ルータと主従関係にありかつ待ち受け状態の移動ノードに対する着信の様子を示すシーケンス図である。
【図15】本発明による第2の実施形態の移動通信システムにおいて、フラグに対する制御アルゴリズムの例を示すフローチャートであり、(a)は発着信開始時の動作、(b)は通信終了時の動作を示す。
【図16】本発明による第2の実施形態の移動通信システムの第2の動作例において、移動ルータと主従関係にありかつ待ち受け状態の移動ノードに対する着信の様子を示すシーケンス図である。
【図17】本発明による第2の実施形態の移動通信システムの第3の動作例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
MN#1〜MN#2 移動ノード
MR#1 移動ルータ
LA#A〜LA#Z 在圏位置
LLM#1〜LLM#3 ローカル位置情報管理装置
LM#1 位置情報管理装置
RM#1 ルーティング情報管理装置
LRM#1〜LRM#3 ローカルルーティング情報管理装置
LU 位置登録要求
HLM#1 ホーム位置情報管理装置
HRM#1 ホームルーティング情報管理装置
AR1〜AR11 アクセスルータ
ArI 在圏位置識別子
IPha 識別子
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システム、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置に関し、特に移動通信システムにおける位置管理及び着信の方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、移動通信サービスにおいては、携帯電話機等の移動ノードがどこにあっても着信できるように、位置情報管理装置に各移動ノードの位置を記憶しておくことが一般的である。具体的には、移動通信サービスの提供エリアが複数の登録エリアに分割されており、移動ノードが一の登録エリアから他の登録エリアに移動すると、移動後の登録エリアを特定した位置登録要求が基地局装置を介してその移動ノードから移動網へ無線リソースを消費して送信される。そして、この位置登録要求に応じて、位置情報管理装置に記憶された各移動ノードの登録エリアが順次更新されるのである。
【0003】
しかしながら、多数の移動ノードが移動体によって一斉に移動する場合、例えば電車等に移動ノードを所持した乗客が大勢乗車している場合、この電車等の移動に伴って多数の移動ノードが一斉に移動することとなるため、電車等が一の登録エリアから他の登録エリアに跨って移動する場合、一斉に位置登録要求が基地局装置を介してこれらの各移動ノードから移動網へ送信され、無線リソースの圧迫や移動網内の通信トラフイックが一時的に著しく増大してしまうという問題があった。
【0004】
かかる問題を解決するための技術として、特許文献1や非特許文献1がある。
これらの文献には、電車等の移動体とその移動体空間内に存在する移動ノードとの間に主従関係を持たせ、主となる移動体に設置した移動ルータが、従となる移動ノードの位置登録要求を代表して移動網へ無線リソースを消費して送信するようにした移動通信システムが開示されている。この移動通信システムにおいては、移動体空間内に存在する移動ノードが移動ルータを仮想的な基地局装置として位置登録を行い、移動体が一の登録エリアから他の登録エリアに移動すると、上記移動ルータが基地局装置を介して移動網に位置登録要求を送信するようになっている。これにより、移動体空間内に存在する移動ノードの位置登録要求を代表することを実現している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−355835号公報
【非特許文献1】
弓場、笹田、藤原、薮崎著、「連鎖型移動制御の一検討」、信学技報IN2000−177、2001年2月、pp.7−14
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報等に開示された移動通信システムにあっては、以下の問題がある。すなわち、移動体空間内に存在する全ての移動ノード(Mobile Node:以下、MNと略称する)及びその移動体内に設置され、そのMNの位置登録(Location Update:以下、LUと略称する)を代表して行う移動ルータ(Mobile Router:以下、MRと略称する)が待ち受け状態で移動する場合、位置登録エリア(Location Area:以下、LAと略称する)を跨る度に、MN及びMRの在圏位置情報を保持する位置情報管理装置(Location Manager:以下、LMと略称する)へそのMRがLU信号を送出し、そのMRの在圏LA情報を更新することが必要である。
【0007】
そのため、例えば、MR自身、又はそのMRと主従関係を形成している1以上のMNがそのMR経由で通信を行っている状態で移動する場合には、LAを跨る移動を行ったとしても、そのMRは待ち受け状態ではなく、LU信号を送出しないため、LMにおいてそのMRの在圏LAを更新できない。これでは、そのMNに対して着信をかけることができないという問題がある。
【0008】
本発明は、以上の点を鑑みてなされたもので、移動体空間内に存在するMNのLUを代表するMRが通信状態のためLU信号を送出しない等の理由によって、LMが必ずしも正しい在圏LA情報を保持していない場合においても、有限な無線リソースの使用を抑えつつ、MNに対して着信をかけることが可能な位置管理を行う移動通信システム、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による移動通信システムは、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムであって、前記移動ルータが通信状態であるか否かを示すフラグを保持する手段と、前記移動ノードに対して着信があった場合、保持されている前記フラグの値に応じて、前記移動ルータについてのルーティングアドレス情報を問い合わせる手段と、この問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて前記移動ノードに対して着信をかける手段とを含むことを特徴とする。問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて位置情報管理装置が着信をかけることにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費して位置登録要求信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、在圏位置情報よりもより詳細な位置情報を示すルーティングアドレスを用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0010】
本発明の請求項2による移動通信システムは、請求項1において、前記移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、前記フラグを、通信状態を示す値に設定し、
前記移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、前記フラグを、待ち受け状態を示す値に設定する手段を更に含むことを特徴とする。通信状態の開始/終了を示す信号を利用してフラグの値を制御することにより、通信状態であるか待ち受け状態であるかの認識を容易に行うことができる。
【0011】
本発明の請求項3による移動通信システムは、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムであって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、このテーブル内の前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新された場合、更新されたルーティングアドレス情報を通知する手段とを有するルーティング情報管理装置と、
前記ルーティング情報管理装置から通知されたルーティングアドレス情報を、前記移動ルータの在圏位置情報として格納するテーブルと、このテーブルに格納されている在圏位置情報を用いて前記移動ノードに着信をかける手段とを有する位置情報管理装置と、
を含むことを特徴とする。こうすることにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。なお、ルーティング情報管理装置には、ローカルルーティング情報管理装置及びホームルーティング情報管理装置の構成等、階層的に設けられた複数のルーティング情報管理装置も含まれる。また、位置情報管理装置には、ローカル位置情報管理装置及びホーム位置情報管理装置の構成等、階層的に設けられた複数の位置情報管理装置も含まれる。
【0012】
本発明の請求項4による位置情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについて位置登録処理がなされる位置情報管理装置であって、前記移動ルータが通信状態であるか否かを示すフラグを保持する手段と、前記移動ノードに対して着信があった場合、保持されている前記フラグの値に応じて、前記移動ルータについてのルーティングアドレス情報を問い合わせる手段と、この問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて前記移動ノードに対して着信をかける手段とを含むことを特徴とする。問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて位置情報管理装置が着信をかけることにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費して位置登録要求信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。
【0013】
本発明の請求項5による位置情報管理装置は、請求項4において、前記フラグを、前記移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定し、
前記移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、前記フラグを、待ち受け状態を示す値に設定する手段を更に含むことを特徴とする。通信状態の開始/終了を示す信号を利用してフラグの値を制御することにより、通信状態であるか待ち受け状態であるかの認識を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の請求項6による位置情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについて位置登録処理がなされる位置情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新される度に通知される該ルーティングアドレス情報を、前記移動ルータの在圏位置情報として格納するテーブルと、このテーブルに格納されている在圏位置情報を用いて前記移動ノードに着信をかける手段とを含むことを特徴とする。こうすることにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。
【0015】
本発明の請求項7によるルーティング情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムに用いられるルーティング情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、前記移動ルータのルーティングアドレス情報の問い合わせに応答して前記テーブルに格納されているルーティングアドレス情報を返信する手段とを含むことを特徴とする。在圏位置情報よりもより詳細な位置情報を示すルーティングアドレスを用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0016】
本発明の請求項8によるルーティング情報管理装置は、移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムに用いられるルーティング情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、このテーブル内の前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新された場合、更新されたルーティングアドレス情報を通知する手段とを含むことを特徴とする。こうすることにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等部分に同一符号が付されている。なお、各図中の移動ノードのうち、ハッチングが付されているものは待ち受け状態(dormant)であり、ハッチングが付されていないものは通信状態(active)であるものとする。
(第1の実施形態)
A:移動通信システムの構成
図1は本発明による移動通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【0018】
同図に示されているように、本システムは、移動ノードや移動ルータのLA情報、ないしは、移動ルータと移動ノードとの主従関係を示す主従関係情報を格納している位置情報管理装置LM#1と、MNやMRのRA(Routing Address:以下、RAと略称する)情報を格納しているルーティング情報管理装置RM#1(Routing Manager:以下、RMと略称する)と、移動ノードや移動ルータに対して在圏位置識別子(Area Identification:以下、ArIと略称する)を報知し、このArIとLAとしてネットワーク内で管理される在圏位置情報との対応関係を保持するAR1〜AR11と、を含んで構成されている。
【0019】
また、同図に示されているように、本システムは、待ち受け状態での移動において移動体空間内に存在するMNのLUを代表する移動ルータMR#1と、待ち受け状態にあっても移動ルータMR#1と同一の移動体空間内に存在する時にはLUを実施しない移動ノードMN#1,MN#2と、を含んで構成されている。
位置情報管理装置LM#1とルーティング情報管理装置RM#1とに対応して大きなエリアが形成されている。このエリアには多数のARが含まれている。ARそれぞれに対応して存在するエリアが複数集合したものがロケーションエリアLA#A,LA#B,LA#C,LA#D,…,LA#Zである。
【0020】
なお、同図においては明示されていないが、通常、AR−LM/RM間やLM−RM間等には、信号等を転送するルータないしは交換機が存在する。
同図において、LM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが「MR#1」で、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」であることが登録されている(S1301)。
【0021】
RM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S1302)。
この状態において、MN#1及びMR#1が通信状態にてLA#AからLA#Bへ移動した場合、MR#1からLU信号は送出されない(S1300)。したがって、LM#1におけるMR#1の在圏LAはLA#Aのままである。この際に、MR#1と主従関係にある待ち受け状態のMN#2に着信があると、従来の移動通信システムと同様の動作に従うと、実際にはMN#2が在圏していないLA#Aに対して着信がかけられてしまうことになる。これでは、LA#Bに在圏するMN#2は、その着信を受信することができないという問題が生じる。
【0022】
この問題に対し、待ち受け状態、通信状態に関わらずMRがLU信号を送出することも考えられる。しかしながら、通常、通信状態にある場合には、MR及びMNに対するルーティングアドレスを保持するRMが、在圏するARで示される、LAよりもより詳細な位置情報(RA情報)を保持しており、MRがLU信号を送出することでLMの情報を更新することは、有限な無線リソースの消費に対する観点から考えると、非効率的である。
【0023】
そこで、本システムでは、LMにおいて、MRが待ち受け状態にあるか通信状態にあるかを判定するフラグをテーブル内に保持し、そのMRと主従関係にあるMNに対して着信が発生した場合に、LMがそのMRの状態を判定し、通信状態にあると判定された際には、LMがRMに対してそのMRのRA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対してLMが着信をかける。
【0024】
以下、この着信をかける手順について図2を参照して説明する。
同図において、発信を行おうとしているMN#1からActivation信号を受信した場合(S1401)、MRは、Activation Notification信号をLM#1及びRM#1に送信する(S1402a、S1402b)。LM#1では、自装置のテーブルにおいて、識別子(ID)が「MR#1」のエントリーのフラグの値を「1」にする(S1403a)。RM#1においては、識別子(ID)が「MN#1」及び「MR#1」のエントリーに対してそれぞれのRA情報を書込む(S1403b)。なお、本明細書では、フラグの値が「1」の場合には通信状態であることを示し、フラグの値が「0」の場合には待ち受け状態(通信状態でない)であることを示すものとする。
【0025】
次に、MR#1がLA#AからLA#Bに移動すると(S1404)、通信状態にあるMN#1及びMR#1に対してハンドオーバ処理を行うため、MR#1からActivation信号が送出され(S1405)、RM#1においては、RA情報の更新処理が行われる(S1406)。
ここで、MN#2に対して着信があると(S1407)、それを受信したRM#1は待ち受け状態にあるMN#2のRA情報を保持していないため、LM#1に対して呼出要求(Paging Req)を送出する(S1408)。
【0026】
LM#1においては、MN#2がMR#1に従属し、MR#1が通信状態にあることを検出するため、RM#1に対してMR#1のルーティングアドレスを問い合わせる(S1409)。これに応答して、RM#1からMR#1のルーティングアドレス「AR3b」が送出され、LM#1に入力される(S1410)。LM#1は、このルーティングアドレス「AR3b」を用いてMN#2に対して着信をかける(S1411)。これを受信したMR#1は、MN#2に対して着信信号を送出する(S1412)。この後、MN#2は着信元と通信状態になる。
B:移動通信システムの動作
(第1の動作例)
図2に示されている手順を詳細に記述した、図3及び図4を参照して、第1の動作例について説明する。これらの図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR1、AR2、AR3、LM#1、RM#1の動作が示されている。なお、これらの図は、図1に示されている構成と対応している。
【0027】
図3は、MR#1と主従関係にありかつ待ち受け状態のMN#2に対する着信の様子を示すシーケンス図である。
ここで、MR#1及びMN#1はLA#A在圏時に通信状態となり、通信状態のままLA#Aに含まれるAR2配下からLA#Bに含まれるAR3配下へ移動してきたものとする。
【0028】
同図において、RM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S1501b)。
LM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」でフラグが「1」、識別子(ID)「MN#1」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、識別子(ID)「MN#2」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、であることが登録されている(S1501a)。
【0029】
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S1502a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S1502b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S1503)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR3から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S1504)。
【0030】
この状態において、MR#1と主従関係にある待ち受け状態の移動ノードMN#2に対して着信があると(S1505)、その着信を受信したRM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2に関するエントリーが無いことを検出すると、MN#2が待ち受け状態にあることを認識する。すると、RM#1は、固有アドレスである識別子IPhaをキーとしてMN#2のLMであるLM#1を特定し、着信要求(Paging Request)を送出する(S1506)。この着信要求を受信したLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がMR#1に従属しており、MR#1はLA#Aに在圏していることを検出する。さらに、LM#1は、MR#1のフラグを参照する。このとき、MR#1のフラグの値は「1」であるため、LM#1は、MR#1が通信状態にあることを検出する(S1507)。
【0031】
ここで、このフラグに対する制御アルゴリズムの例が図4に示されている。同図(a)において、MNに対して発着信があった場合(ステップS1600)、MNはActivation信号をMRに送出する(ステップS1601)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1加算する(ステップS1602)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C+1とする。
【0032】
次に、カウンタのカウント値Cが1(C=1)でない場合、MRはActivation Notification信号をRMのみに送出する(ステップS1603→S1604)。一方、カウント値Cが1(C=1)である場合、MRはActivation Notification信号をLM及びRMに送出する(ステップS1603→S1605)。そして、LMは、MRのフラグ(Active Flag)を立てる(ステップS1606)。これにより、フラグの値が「1」になる。
【0033】
また、同図(b)において、MNの通信が終了した場合(ステップS1610)、MNはDeactivation信号をMRに送出する(ステップS1611)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1減算する(ステップS1612)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C−1とする。
【0034】
次に、カウンタのカウント値Cが0(C=0)でない場合、MRはDeactivation Notification信号をRMのみに送出する(ステップS1613→S1614)。一方、カウント値Cが0(C=0)である場合、MRはDeactivation Notification信号をLM及びRMに送出する(ステップS1613→S1615)。そして、LMは、MRのフラグ(Active Flag)を下ろす(ステップS1616)。これにより、フラグの値が「0」になる。
【0035】
以上のように本例では、MNに対して発着信が生じた場合や通信が終了した時に送出されるActivation信号/Deactivation信号により、MRが通信状態にあるMNの数を把握する。そして、その値が「0」から「1」になった場合や「1」から「0」になった場合にLMへ通知する。この通知を受取ったLMは、MRについてのフラグの上げ下げ、すなわちフラグの設定を制御する。
【0036】
要するにMRについてのフラグは、移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定され、移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、待ち受け状態を示す値に設定されることになる。
図3に戻り、フラグの値「1」によってMR#1が通信状態にあることを検出したLM#1は、RM#1にMR#1のRA情報を問い合わせる(S1508)。この問い合わせを受信したRM#1は、自身のテーブルを検索し、MR#1に対するRA情報である「AR3b」を応答する(S1509)。この応答を受信したLM#1は、得られたRA情報である「AR3b」に対して着信をかける(S1510)。この着信信号は、AR3を経由してMR#1に転送され(S1511)、さらに、これを受信したMR#1が移動体内に報知する(S1512)。以上により、着信信号がMN#2まで届けられることになる。
【0037】
この着信信号に対して、移動ノードMN#2が応答(Paging Ack)を送出すると(S1513)、その応答は移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、LM#1を介してRM#1に入力される(S1514、S1515、S1516)。
ここで、以上の動作を実現するためのLM、RMの構成について、図5、図6を参照して説明する。
【0038】
図5に示されているように、LMは、移動ノード及び移動ルータについてのLA、並びに、それらが通信状態か待ち受け状態かを示すフラグを格納するためのテーブル71と、RA情報をRMに問い合わせるためのRA情報問い合わせ機能72と、問い合わせの結果得られたRA情報又は自身が保持しているLA情報を用いて着信をかける着信機能73と、フラグの値の書替えを行うフラグ制御機能74と、自装置に登録されているLA情報を更新するLA情報更新機能75と、ARやRM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部70とを含んで構成されている。
【0039】
また、図6に示されているように、RMは、移動ノード及び移動ルータについてのRA情報を格納するためのテーブル81と、LMからの問い合わせに応答してRA情報を返信するRA情報返信機能82と、自装置に登録されているRA情報を更新するRA情報更新機能83と、着信要求を送出する着信要求送出機能84と、ARやLM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部80とを含んで構成されている。
【0040】
このような構成からなるLM及びRMの動作について、図7を参照して説明する。同図は、図5に示されているLM、及び図6に示されているRMの動作を示すフローチャートである。同図において、まず、LM内のテーブルに、移動ノード及び移動ルータが通信状態か待ち受け状態かを示すフラグを格納する(ステップS901)。次に、移動ノードに対して着信があるか判断する(ステップS902)。着信があった場合には、テーブルに格納されている移動ルータのフラグの値を確認する(ステップS903)。
【0041】
フラグの値が「0」すなわち待ち受け状態を示す値である場合、LM内のテーブルに格納されているLA情報を用いて、その移動ノードにLMが着信をかける(ステップS903→S904)。
一方、フラグの値が「1」すなわち通信状態を示す値である場合、LMからRMに対して、その移動ルータについてのRA情報を問い合わせる(ステップS903→S905)。そして、この問い合わせに対してRMからLMへの返信によって得られたRA情報を用いて、その移動ノードにLMが着信をかける(ステップS906)。
【0042】
以上のように動作することにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費してLU信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0043】
(第2の動作例)
図8を参照して、第2の動作例について説明する。本動作例では、上記第1の動作例とは異なり、フラグを用いない。同図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、AR4、LM#1、RM#1の動作が示されている。なお、同図は、図1に示されている構成図と対応している。
【0044】
同図は、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報の更新手続きを利用した位置登録の様子を示すシーケンス図である。ここで、MR#1及びMN#1は、通信状態のままAR3配下からAR4配下へ移動してきたものとする。
同図において、RM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR3b」であることが登録されている(S1701b)。
【0045】
LM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR3b」で、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが共に「MR#1」であることが登録されている(S1701a)。
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S1702a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S1702b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S1703)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR4から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S1704)。
【0046】
ここで、本動作例では、MR#1が代表するActivation信号(S1705、S1706)によって、RM#1におけるそのMR#1とMN#1のRA情報が更新される。この更新により、RM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR4a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR4b」であることが登録される(S1707)。
【0047】
この更新後、RM#1はMR#1に関するRA情報についての通知(IPrapush)をLM#1に送出する(S1708)。この通知を受取ったLM#1は、MR#1に対するLA情報としてRA情報を格納する。この結果、LM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR4b」であることが登録される(S1709)。
【0048】
この登録後、LM#1が応答(IPra push Ack)を送出し(S1710)、RM#1がその応答を受信すると、Activation信号に対する応答がアクセスルータAR4、を介して移動ルータMR#1に入力される(S1711、S1712)。
そして、移動ルータに従属している待ち受け状態の移動ノードに対して着信が発生した場合には、このルーティングアドレスに対して着信がかけられる。
【0049】
ここで、以上の動作を実現するためのLM、RMの構成について、図9、図10を参照して説明する。
図9に示されているように、LMは、移動ノード及び移動ルータについてのLA情報を格納するためのテーブル76と、このテーブル76内に格納されているRA情報を用いて着信をかける着信機能77と、自装置に登録されているLA情報を更新するLA情報更新機能78と、ARやRM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部70とを含んで構成されている。なお、RMから通知される、更新されたRA情報は、LA情報としてテーブル75に格納される。
【0050】
また、図10に示されているように、RMは、移動ノード及び移動ルータについてのRA情報を格納するためのテーブル85と、このテーブル85内に格納されている移動ルータのRA情報が更新された場合、その更新されたRA情報をLMに通知するRA情報通知機能86と、自装置に登録されているRA情報を更新するRA情報更新機能87と、着信要求を送出する着信要求送出機能88と、ARやLM等、外部装置と自装置内の各部との間で信号を送受信するためのインタフェースをなす信号送受信部80とを含んで構成されている。
【0051】
さらに、本動作例について、図11のフローチャートを参照して説明する。同図において、まず、RMにおいて通信状態にある移動ルータのRA情報が更新されたかどうか判断する(ステップS111)。
RA情報が更新された場合は、その更新されたRA情報をRMからLMに通知する(ステップS111→S112)。そして、通知されたRA情報をLM内のテーブルに格納する(ステップS113)。
【0052】
次に、LMにおいて移動ノードに対して着信があるか判断する(ステップS114)。着信があった場合、LMは自装置内のテーブルに格納されている移動ルータのRA情報を用いて、その移動ノードに対して着信をかける(ステップS114→S115)。ステップS114において、着信が無い場合には、ステップS111に戻り、RMにおいてRA情報が更新されたか判断する(ステップS114→S111)。以上の処理は繰返し行われる。
【0053】
以上のように動作することにより、第1の動作例の場合と異なり、LM内のテーブルにフラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
(第2の実施形態)
A:移動通信システムの構成
図12は本発明による移動通信システムの第2の実施形態を示す図である。本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、ローカル位置情報管理装置(Local Location Manager:以下、LLMと略称する)と、ホーム位置情報管理装置(Home Location Manager:以下、HLMと略称する)とからなる、2階層構造の位置情報管理装置が採用されている。同様に、ルーティング情報管理装置についても、ローカルルーティング情報管理装置(Local Routing Manager:以下、LRMと略称する)とホームルーティング情報管理装置(Home Routing Manager:以下、HRMと略称する)とからなる、2階層構造のルーティング情報管理装置が採用されている。
【0054】
同図に示されているように、本システムは、移動ノードや移動ルータのLA情報、ないしは、移動ルータと移動ノードとの主従関係を示す主従関係情報を格納しているローカル位置情報管理装置LLM#1,LLM#2,LLM#3と、移動ノードや移動ルータMR#1が在圏しているLLMに関する情報であるLLM情報を格納しているホーム位置情報管理装置HLM#1と、MNやMRのRA情報を格納しているローカルルーティング情報管理装置LRM#1,LRM#2,LRM#3と、MNやMRが在圏しているLRM情報を格納しているホームルーティング情報管理装置HRM#1と、移動ノードや移動ルータに対してArIを報知し、このArIとLAとしてネットワーク内で管理される在圏位置情報との対応関係を保持するAR1〜AR11と、を含んで構成されている。すなわち、本実施形態では、位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置について、それぞれ階層構造が存在する。
【0055】
また、同図に示されているように、本システムは、待ち受け状態での移動において移動体空間内に存在するMNのLUを代表する移動ルータMR#1と、待ち受け状態にあっても移動ルータMR#1と同一の移動体空間内に存在する時にはLUを実施しない移動ノードMN#1,MN#2と、を含んで構成されている。各ローカル位置情報管理装置LLM#1,LLM#2,LLM#3と各ローカルルーティング情報管理装置LRM#1,LRM#2,LRM#3とに対応して小さなエリアがそれぞれ形成されている。各エリアには1以上のARが含まれている。ARそれぞれに対応して存在するエリアが複数集合したものがロケーションエリアLA#A,LA#B,LA#C,LA#D,…,LA#Zである。
【0056】
なお、同図においては明示されていないが、通常、AR−LLM/LRM間やLLM/LRM−HLM/HRM間、LLM/LRM−LLM/LRM間等には、信号等を転送するルータないしは交換機が存在する。
同図において、LLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが「MR#1」で、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」であることが登録されている(S101)。
【0057】
LRM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S102)。
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」、「MR#1」のLLM情報が「LLM#1」であることが登録されている(S103)。
【0058】
HRM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するLRM情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のLRM情報が「LRM#1」、識別子(ID)「MR#1」のLRM情報が「LRM#1」であることが登録されている(S104)。
この状態において、MN#1及びMR#1が通信状態にてLA#AからLA#Bへ移動した場合、MR#1からLU信号は送出されない(S100)。したがって、LLM#1におけるMR#1の在圏LAはLA#Aのままである。この際に、MR#1と主従関係にある待ち受け状態のMN#2に着信があると、従来の移動通信システムと同様の動作に従うと、実際にはMN#2が在圏していないLA#Aに対して着信がかけられてしまうことになる。これでは、LA#Bに在圏するMN#2は、その着信を受信することができないという問題が生じる。
【0059】
この問題に対し、待ち受け状態、通信状態に関わらずMRがLU信号を送出することも考えられる。しかしながら、通常、通信状態にある場合には、MR及びMNに対するルーティングアドレスを保持するLRMが、在圏するARで示される、LAよりもより詳細な位置情報(RA情報)を保持しており、MRがLU信号を送出することでLLMの情報を更新することは、有限な無線リソースの消費に対する観点から考えると、非効率的である。
【0060】
そこで、本システムでは、LLMにおいて、MRが待ち受け状態にあるか通信状態にあるかを判定するフラグをテーブル内に保持し、そのMRと主従関係にあるMNに対して着信が発生した場合に、LLMがそのMRの状態を判定し、通信状態にあると判定された際には、LLMがLRMに対してそのMRのRA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対してLLMが着信をかける。
【0061】
以下、この着信をかける手順について図13を参照して説明する。
同図において、発信を行おうとしているMN#1からActivation信号を受信した場合(S201)、MRは、Activation Notification信号をLLM#1及びLRM#1に送信する(S202a、S202b)。LLM#1では、自装置のテーブルにおいて、識別子(ID)が「MR#1」のエントリーのフラグの値を「1」にする(S203a)。LRM#1においては、識別子(ID)が「MN#1」及び「MR#1」のエントリーに対してそれぞれのRA情報を書込む(S203b)。
【0062】
次に、MR#1がLA#AからLA#Bに移動すると(S204)、通信状態にあるMN#1及びMR#1に対してハンドオーバ処理を行うため、MR#1からActivation信号が送出され(S205)、LRM#1においては、RA情報の更新処理が行われる(S206)。
ここで、MN#2に対して着信があると(S207)、それを受信したHRM#1は待ち受け状態にあるMN#2のLRM情報を保持していないため、HLM#1に対して呼出要求(Paging Req)を送出する(S208)。HLM#1はLLM#1に呼出要求を送出する(S209)。
【0063】
LLM#1においては、MN#2がMR#1に従属し、MR#1が通信状態にあることを検出するため、LRM#1に対してMR#1のルーティングアドレスを問い合わせる(S210)。これに応答して、LRM#1からMR#1のルーティングアドレス「AR3b」が送出され、LLM#1に入力される(S211)。LLM#1は、このルーティングアドレス「AR3b」を用いてMN#2に対して着信をかける(S212)。これを受信したMR#1は、MN#2に対して着信信号を送出する(S213)。この後、MN#2は着信元と通信状態になる。
B:移動通信システムの動作
(第1の動作例)
図13に示されている手順を詳細に記述した、図14及び図15を参照して、第1の動作例について説明する。これらの図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR1、AR2、AR3、LRM#1、LLM#1、HLM#1、HRM#1の動作が示されている。なお、これらの図は、図12に示されている構成と対応している。
【0064】
図14は、MR#1と主従関係にありかつ待ち受け状態のMN#2に対する着信の様子を示すシーケンス図である。
ここで、MR#1及びMN#1はLA#A在圏時に通信状態となり、通信状態のままLA#Aに含まれるAR2配下からLA#Bに含まれるAR3配下へ移動してきたものとする。
【0065】
同図において、LRM#1には、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されている。つまり、識別子(ID)「MN#1」のRA情報が「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のRA情報が「AR3b」であることが登録されている(S301a)。
LLM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」でフラグが「1」、識別子(ID)「MN#1」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、識別子(ID)「MN#2」のLAが「MR#1」でフラグが「0」、であることが登録されている(S301b)。
【0066】
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」及び「MR#1」のLLM情報が全て「LLM#1」であることが登録されている(S301c)。
HRM#1には、識別子(ID)「MN#1」及び「MR#1」のLRM情報が共に「LRM#1」であることが登録されている(S301d)。
【0067】
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S302a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S302b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S303)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR3から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S304)。
【0068】
この状態において、MR#1と主従関係にある待ち受け状態の移動ノードMN#2に対して着信があると(S305)、その着信を受信したHRM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2に関するエントリーが無いことを検出すると、MN#2が待ち受け状態にあることを認識する。すると、HRM#1は、固有アドレスである識別子IPhaをキーとしてMN#2のHLMであるHLM#1を特定し、着信要求(Paging Request)を送出する(S306)。この着信要求を受信したHLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がLLM#1配下に在圏していることを検出し、LLM#1に着信要求を転送する(S307)。
【0069】
この着信要求を受信したLLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がMR#1に従属しており、MR#1はLA#Aに在圏していることを検出する。さらに、LLM#1は、MR#1のフラグを参照する。このとき、MR#1のフラグの値は「1」であるため、LLM#1は、MR#1が通信状態にあることを検出する(S308)。
【0070】
ここで、このフラグに対する制御アルゴリズムの例が図15に示されている。同図(a)において、MNに対して発着信があった場合(ステップS400)、MNはActivation信号をMRに送出する(ステップS401)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1加算する(ステップS402)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C+1とする。
【0071】
次に、カウンタのカウント値Cが1(C=1)でない場合、MRはActivation Notification信号をLRMのみに送出する(ステップS403→S404)。一方、カウント値Cが1(C=1)である場合、MRはActivation Notification信号をLLM及びLRMに送出する(ステップS403→S405)。そして、LLMは、MRのフラグ(Active Flag)を立てる(ステップS406)。これにより、フラグの値が「1」になる。
【0072】
また、同図(b)において、MNの通信が終了した場合(ステップS410)、MNはDeactivation信号をMRに送出する(ステップS411)。すると、MRは、カウンタ(Activation Counter)を1減算する(ステップS412)。つまり、カウンタのカウント値をCとすると、C=C−1とする。
【0073】
次に、カウンタのカウント値Cが0(C=0)でない場合、MRはDeactivation Notification信号をLRMのみに送出する(ステップS413→S414)。一方、カウント値Cが0(C=0)である場合、MRはDeactivation Notification信号をLLM及びLRMに送出する(ステップS413→S415)。そして、LLMは、MRのフラグ(Active Flag)を下ろす(ステップS416)。これにより、フラグの値が「0」になる。
【0074】
以上のように本例では、MNに対して発着信が生じた場合や通信が終了した時に送出されるActivation信号/Deactivation信号により、MRが通信状態にあるMNの数を把握する。そして、その値が「0」から「1」になった場合や「1」から「0」になった場合にLLMへ通知する。この通知を受取ったLLMは、MRについてのフラグの上げ下げ、すなわちフラグの設定を制御する。
【0075】
要するにMRについてのフラグは、移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定され、移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、待ち受け状態を示す値に設定されることになる。
図14に戻り、フラグの値「1」によってMR#1が通信状態にあることを検出したLLM#1は、LRM#1にMR#1のRA情報を問い合わせる(S309)。この問い合わせを受信したLRM#1は、自身のテーブルを検索し、MR#1に対するRA情報である「AR3b」を応答する(S310)。この応答を受信したLLM#1は、得られたRA情報である「AR3b」に対して着信をかける(S311)。この着信信号は、AR3を経由してMR#1に転送され(S312)、さらに、これを受信したMR#1が移動体内に報知する(S313)。以上により、着信信号がMN#2まで届けられることになる。
【0076】
この着信信号に対して、移動ノードMN#2が応答(Paging Ack)を送出すると(S314)、その応答は移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、LLM#1、HLM#1を介してHRM#1に入力される(S315、S316、S317、S318)。
ここで、以上の動作を実現するためのLLM、LRMの構成は、上述した図5、図6に示されているLM、RMの構成と同様であるため、その説明を省略する。また、LLM及びLRMの動作については、上述した図7の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0077】
以上のように、本動作例においては、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費してLU信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
【0078】
(第2の動作例)
図16を参照して、第2の動作例について説明する。同図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR1、AR2、AR6、LRM#1、LRM#2、LLM#1、HLM#1、HRM#1の動作が示されている。なお、同図は、図12に示されている構成図と対応している。
【0079】
同図は、MR#1と主従関係にある待ち受け状態のMN#2に対する着信の様子を示すシーケンス図である。ここで、MR#1及びMN#1はLA#A在圏時に通信状態となり、通信状態のままLA#Aに含まれるAR2配下からLA#Cに含まれるAR6配下へ移動してきたものとし、LRM#2では通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報が格納されているものとする。
【0080】
同図において、LRM#1には情報が何も登録されていない(S501a)。LRM#2には識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR6a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR6b」であることが登録されている(S501b)。
LLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが共に「MR#1」でフラグが共に「0」、識別子(ID)「MR#1」のLAが「LA#A」でフラグが「1」であることが登録されている(S501c)。
【0081】
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」、「MR#1」のLLM情報が「LLM#1」であることが登録されている(S501d)。
HRM#1には、識別子(ID)「MN#1」「MR#1」のLRM情報が「LRM#2」であることが登録されている(S501e)。
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S502a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S502b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S503)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR6から、ArIが「LA#C」であることに相当する報知情報を受信している(S504)。
【0082】
この状態において、移動ノードMN#2に対して着信があると(S505)、その着信を受信したHRM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2に関するエントリーが無いことを検出すると、MN#2が待ち受け状態にあることを認識する。すると、HRM#1は、固有アドレスである識別子IPhaをキーとしてMN#2のHLMであるHLM#1を特定し、着信要求(Paging Request)を送出する(S506)。この着信要求を受信したHLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がLLM#1配下に在圏していることを検出し、LLM#1に着信要求を転送する(S507)。
【0083】
この着信要求を受信したLLM#1は、自身のテーブルを検索し、MN#2がMR#1に従属しており、MR#1はLA#Aに在圏していることを検出する。さらに、LLM#1は、MR#1のフラグを参照する。このとき、MR#1のフラグの値は「1」であるため、LLM#1は、MR#1が通信状態にあることを検出する(S508)。
【0084】
フラグの値「1」によってMR#1が通信状態にあることを検出したLLM#1は、LRM#1にMR#1のRA情報を問い合わせる(S509)。この問い合わせを受信したLRM#1は、自身のテーブルを検索する。検索の結果、自身のテーブルに、MR#1に関するエントリーが無いことを検出したLRM#1は、IPhaをキーとしてMR#1のHRMであるHRM#1を特定し、特定したHRM#1に収容されているMR#1のLRM情報を問い合わせる要求を送出する(S510)。
【0085】
この要求を受取ったHRM#1は、自身のテーブルを検索し、MR#1がLRM#2配下に在圏していることを返答する(S511)。この返答を受取ったLRM#1は、LRM#2にMR#1のRA情報を問い合わせる要求を送出する(S512)。
この要求を受取ったLRM#2は、自身のテーブルを検索し、MR#1に対するRA情報であるAR6bをLRM#1に返答する(S513)。この返答を受取ったLRM#1は、それをLLM#1に転送する(S514)。
【0086】
LLM#1は、得られたRA情報であるAR6bに対して着信をかける(S515)。この着信信号は、AR6を経由してMR#1に転送され(S516)、さらに、これを受信したMR#1が移動体内に報知する(S517)。以上により、着信信号がMN#2まで届けられることになる。
この着信信号に対して、移動ノードMN#2が応答(Paging Ack)を送出すると(S518)、その応答は移動ルータMR#1、アクセスルータAR6、LLM#1、HLM#1を介してHRM#1に入力される(S519、S520、S521、S522)。
【0087】
(第3の動作例)
図17を参照して、第3の動作例について説明する。本動作例では、上記第1及び第2の動作例とは異なり、フラグを用いない。同図においては、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1、アクセスルータAR3、AR4、LRM#1、LLM#1、HLM#1、HRM#1の動作が示されている。なお、同図は、図12に示されている構成図と対応している。
【0088】
同図は、通信状態にあるMR#1及びMN#1に対するRA情報の更新手続きを利用した位置登録の様子を示すシーケンス図である。ここで、MR#1及びMN#1は、通信状態のままAR3配下からAR4配下へ移動してきたものとする。
同図において、LRM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR3a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR3b」であることが登録されている(S601a)。
【0089】
LLM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR3b」で、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」のLAが共に「MR#1」であることが登録されている(S601b)。
HLM#1には、識別子(ID)「MN#1」、「MN#2」、「MR#1」のLLM情報が「LLM#1」であることが登録されている(S601c)。
【0090】
HRM#1には、識別子(ID)「MN#1」「MR#1」のLRM情報が「LRM#1」であることが登録されている(S601d)。
移動ノードMN#1は移動ネットワーク内に在圏し(S602a)、移動ノードMN#2も移動ネットワーク内に在圏している(S602b)。移動ルータMR#1は、ArIが「MR#1」であることに相当する報知情報を移動ネットワーク内の全ての移動ノード(MN#1及びMN#2)に通知している(S603)。また、移動ノードMN#1、MN#2、移動ルータMR#1は、アクセスルータAR4から、ArIが「LA#B」であることに相当する報知情報を受信している(S604)。
【0091】
ここで、本動作例では、MR#1が代表するActivation信号(S605、S606)によって、LRM#1におけるそのMR#1とMN#1のRA情報が更新される。この更新により、LRM#1には、識別子(ID)「MN#1」のルーティングアドレスが「AR4a」、識別子(ID)「MR#1」のルーティングアドレスが「AR4b」であることが登録される(S607)。
【0092】
この更新後、LRM#1はMR#1に関するRA情報についての通知(IPra push)をLLM#1に送出する(S608)。この通知を受取ったLLM#1は、MR#1に対するLA情報としてRA情報を格納する。この結果、LLM#1には、識別子(ID)「MR#1」のLAが「AR4b」であることが登録される(S609)。
【0093】
この登録後、LLM#1が応答(IPra push Ack)を送出し(S610)、LRM#1がその応答を受信すると、Activation信号に対する応答がアクセスルータAR4を介して移動ルータMR#1に入力される(S611、S612)。
そして、移動ルータに従属している待ち受け状態の移動ノードに対して着信が発生した場合には、このルーティングアドレスに対して着信がかけられる。
【0094】
ここで、以上の動作を実現するためのLLM、LRMの構成は、上述した図9、図10に示されているLM、RMの構成と同様であるため、その説明を省略する。また、LLM及びLRMの動作については、上述した図11の場合と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように動作することにより、第1の動作例及び第2の動作例の場合と異なり、LLM内のテーブルにフラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができる。また、LA情報よりも詳細な位置情報であるRA情報を用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができる。
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のような変形例が含まれる。
(1) LM又はLLMにて、MRが通信状態にあるか否かを示すフラグを用いず、そのMRと主従関係にある待ち受け状態のMNに対して着信要求があった際には、自身の持つそのMRの在圏LA情報に従ってそのMNに着信をかける。この際に、一定時間を経過してもそのMNから応答が返ってこない場合には、RM又はLRMにそのMRのRA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対して着信をかける。つまり、LM又はLLMに格納されているLA情報を用いて着信をかけ、一定時間経過しても応答がない場合に限り、RA情報を問い合わせ、得られたRA情報に対して着信をかける。
(2) LM又はLLMにて、MRが通信状態にあるか否かを示すフラグを用いず、そのMRと主従関係にある待ち受け状態のMNに対して着信要求があった際には、LM又はLLMがRM又はLRMにそのMRのRA情報を問い合わせ、RM又はLRMからRA情報が返答されればそのRA情報に、返答されなければ自身の持つそのMRの在圏LA情報に従ってそのMNに着信をかける。
(3) RM又はLRMから得られたRA情報をLA情報に変換してLM又はLLMに格納し、着信もLA情報に対して行うようにしても良い。
(4) 移動体内に設置されたMRが、自身に従属しているMNを把握し、自身のLUを行う際に、自身のIPhaだけでなく、従属しているMNのIPhaも併せて送信を行うことでLM又はLLMにおいてそのMRとMNの従属関係を保持しない場合には、MRだけでなく、MNに対しても通信状態にあるか否かを示すフラグの上げ下げを行う。
(5) MR及びMNに対するフラグの上げ下げは、RA情報の有無を契機としてRM又はLRMがLM又はLLMに通知することによって行う。
(6) LM又はLLMにおいてフラグを保持しない場合や、変形例(5)のようにフラグの上げ下げをRM又はLRMにおけるRA情報の有無によって行う場合には、移動体に乗車したMN−AR間の信号転送は、MRを経由せずに直接MN−AR間で信号を送受しても良い。
(7) 上記では、MR−MN間における2段階の主従関係を例に説明したが、本関係を多段階に繰り返す場合にも適用できることは明らかである。
(8) 位置情報管理装置、ルーティング情報管理装置について、上記第1の実施形態では両装置ともに階層構造が存在しない場合、上記第2の実施形態では両装置ともに階層構造が存在する場合、について説明したが、両装置のいずれか一方のみについて階層構造が存在しても良い。すなわち、LLM及びHLMとRMとを採用した移動通信システム、LMとLRM及びHRMとを採用した移動通信システムのいずれの場合でも本発明を適用できる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、位置情報管理装置において、移動ルータが待ち受け状態にあるか通信状態にあるかを判定するフラグを保持し、その移動ルータと主従関係にある移動ノードに対して着信が発生した場合に、位置情報管理装置がその移動ルータの状態を判定し、通信状態にあると判定された際には、位置情報管理装置がルーティング情報管理装置に対してその移動ルータのルーティングアドレス情報を問い合わせ、得られたルーティングアドレス情報に対して位置情報管理装置が着信をかけることにより、通信状態で移動する移動ルータが有限な無線リソースを消費して位置登録信号を送出することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができるという効果がある。
【0096】
さらに、通信状態の開始/終了を示す信号を利用してフラグの値を制御することにより、通信状態であるか待ち受け状態であるかの認識を容易に行うことができるという効果がある。
また、ルーティングアドレスが更新される度に、その更新されたルーティングアドレスを位置情報管理装置に通知し、それを在圏位置情報として保持することにより、フラグを保持することなく、その移動ルータと主従関係を形成している移動ノードに対して着信をかけることができるという効果がある。
なお、在圏位置情報よりもより詳細な位置情報を示すルーティングアドレスを用いて着信をかけることにより、着信に要する無線リソースの消費も最小限に抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動通信システムの第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1の移動通信システムにおいて着信をかける手順を示す図である。
【図3】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第1の動作例において、移動ルータと主従関係にありかつ待ち受け状態の移動ノードに対する着信の様子を示すシーケンス図である。
【図4】本発明による第1の実施形態の移動通信システムにおいて、フラグに対する制御アルゴリズムの例を示すフローチャートであり、(a)は発着信開始時の動作、(b)は通信終了時の動作を示す。
【図5】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第1の動作例を実現するためのLMの構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第1の動作例を実現するためのRMの構成例を示すブロック図である。
【図7】図5に示されているLM及び図6に示されているRMの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を示すシーケンス図である。
【図9】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を実現するためのLMの構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を実現するためのRMの構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明による第1の実施形態の移動通信システムの第2の動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明による移動通信システムの第2の実施形態を示す図である。
【図13】図12の移動通信システムにおいて着信をかける手順を示す図である。
【図14】本発明による第2の実施形態の移動通信システムの第1の動作例において、移動ルータと主従関係にありかつ待ち受け状態の移動ノードに対する着信の様子を示すシーケンス図である。
【図15】本発明による第2の実施形態の移動通信システムにおいて、フラグに対する制御アルゴリズムの例を示すフローチャートであり、(a)は発着信開始時の動作、(b)は通信終了時の動作を示す。
【図16】本発明による第2の実施形態の移動通信システムの第2の動作例において、移動ルータと主従関係にありかつ待ち受け状態の移動ノードに対する着信の様子を示すシーケンス図である。
【図17】本発明による第2の実施形態の移動通信システムの第3の動作例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
MN#1〜MN#2 移動ノード
MR#1 移動ルータ
LA#A〜LA#Z 在圏位置
LLM#1〜LLM#3 ローカル位置情報管理装置
LM#1 位置情報管理装置
RM#1 ルーティング情報管理装置
LRM#1〜LRM#3 ローカルルーティング情報管理装置
LU 位置登録要求
HLM#1 ホーム位置情報管理装置
HRM#1 ホームルーティング情報管理装置
AR1〜AR11 アクセスルータ
ArI 在圏位置識別子
IPha 識別子
Claims (8)
- 移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムであって、前記移動ルータが通信状態であるか否かを示すフラグを保持する手段と、前記移動ノードに対して着信があった場合、保持されている前記フラグの値に応じて、前記移動ルータについてのルーティングアドレス情報を問い合わせる手段と、この問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて前記移動ノードに対して着信をかける手段とを含むことを特徴とする移動通信システム。
- 前記移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、前記フラグを、通信状態を示す値に設定し、
前記移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、前記フラグを、待ち受け状態を示す値に設定する手段を更に含むことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。 - 移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムであって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、このテーブル内の前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新された場合、更新されたルーティングアドレス情報を通知する手段とを有するルーティング情報管理装置と、
前記ルーティング情報管理装置から通知されたルーティングアドレス情報を、前記移動ルータの在圏位置情報として格納するテーブルと、このテーブルに格納されている在圏位置情報を用いて前記移動ノードに着信をかける手段とを有する位置情報管理装置と、を含むことを特徴とする移動通信システム。 - 移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについて位置登録処理がなされる位置情報管理装置であって、前記移動ルータが通信状態であるか否かを示すフラグを保持する手段と、前記移動ノードに対して着信があった場合、保持されている前記フラグの値に応じて、前記移動ルータについてのルーティングアドレス情報を問い合わせる手段と、この問い合わせによって得られたルーティングアドレス情報を用いて前記移動ノードに対して着信をかける手段とを含むことを特徴とする位置情報管理装置。
- 前記フラグを、前記移動ノードから送出され通信の開始を示す信号に応答して、通信状態を示す値に設定し、
前記移動ノードから送出され通信の停止を示す信号に応答して、前記フラグを、待ち受け状態を示す値に設定する手段を更に含むことを特徴とする請求項4記載の位置情報管理装置。 - 移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについて位置登録処理がなされる位置情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新される度に通知される該ルーティングアドレス情報を、前記移動ルータの在圏位置情報として格納するテーブルと、このテーブルに格納されている在圏位置情報を用いて前記移動ノードに着信をかける手段とを含むことを特徴とする位置情報管理装置。
- 移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムに用いられるルーティング情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、前記移動ルータのルーティングアドレス情報の問い合わせに応答して前記テーブルに格納されているルーティングアドレス情報を返信する手段とを含むことを特徴とするルーティング情報管理装置。
- 移動ノードと共に移動する移動ルータが代表して前記移動ノードについての位置登録処理を行う移動通信システムに用いられるルーティング情報管理装置であって、前記移動ルータのルーティングアドレス情報を格納するテーブルと、このテーブル内の前記移動ルータのルーティングアドレス情報が更新された場合、更新されたルーティングアドレス情報を通知する手段とを含むことを特徴とするルーティング情報管理装置。
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