【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機、電子写真機、プリンタなどに取り付けられている定着ローラ（ヒートローラ）の表面に離型オイルを塗布するのに使用することが出来るオイル塗布ローラに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、静電複写機、プリンタなどにおける定着装置の定着ローラの表面には、トナーの付着防止、紙の巻き付き防止、定着ローラ表面の摩耗防止のために、オイル塗布ローラ等のオイル塗布部材により、連続的に離型オイルを塗布している。かかるオイル塗布ローラは、通常、主要構成要素として軸芯、オイル保持層、必要によりＰＴＦＥなどの多孔質膜から構成されるオイル塗布量制御層からなり、当該オイル保持層に塗布すべきオイルを含浸して保持し、当該オイルを必要量ずつ定着ローラ表面に転写するローラである。
【０００３】
かかるオイル塗布ローラは、通常、使い捨ての消耗品として取り扱われ、オイル保持層に含浸されているオイルが消費尽くされるか、または、残存していても上記の多孔質膜層表面に必要量が滲出しなくなったときは使用済みとなる。すなわち、使い捨ての消耗品として扱われる。従って、オイル塗布ローラは、上記の有効オイル量が多いことと、製造コストが安価となることが重要であり、そのうち、有効オイル量を多くするためには上記のオイル保持層の素材組成、構成などにより改善が図られる。
【０００４】
また、製造コストを安価にする方法の一つとして、オイル保持量を、例えば外部包装が無い状態で空中に吊したとき自然に垂れ落ちない程度の量に抑えることにより密封包装を省略する方法が考えられる。しかし、オイル塗布ローラはオイル保持層に大量のオイルが含浸されているため端面では大量のオイルを含浸しているオイル保持層が露出することになる。従って、このオイル保持層に直接接触するのを避けるためには簡易包装が必要である。
【０００５】
上記の簡易包装の場合、包装材料として通常上記の塗布量制御層を形成する多孔質膜が端部側に延長され、これを端部で軸芯方向に折り畳み、両端側からＲＩＶ接着剤で接着したり、フランジ等で押さえる方法が知られている。上記の塗布量制御層を形成する多孔質膜は、通常オイル保持層の最外周部表面またはその間に必要により設けられるオイル移行層の最外周部表面に接着剤により接合されるが、この場合オイルの保持層からのオイルの滲出を妨げないために、点状接着など部分接着される事情もあって接着力は通常十分ではない。
【０００６】
従って、両端面の簡易包装として上記のように塗布量制御層を形成する多孔質膜の延長部を軸芯方向に折り畳んで両端側からＲＩＶ接着剤で接着したり、フランジ等で押さえる方法など簡易な方法で固定したものの場合は、オイル塗布ロールとして使用した際に上記の塗布量制御層を形成する多孔質膜が経時的に軸方向に移動して表面にしわが生じて均一なオイル塗布に支障を生ずるようになる場合がある、という問題点がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑み、塗布量制御層を形成する多孔質膜が移動する事がないように当該多孔質膜を固定できる簡易包装したオイル塗布ロールを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、軸芯の周りにオイル保持層とその外側にオイル塗布量制御層とを有するオイル塗布ローラにおいて、その両端面が当該オイル塗布量制御層を構成する多孔質膜の各両端延長部の折り畳み部により覆われ、当該折り畳み部の少なくとも一方の先端部が、軸芯の当該端面側の突出部に軸通された内側リング板と軸芯外周面との間を通過し、且つ当該内側リング板とさらにその外側に軸通され外側リング板との間に挟持されて固定されて成ることを特徴とするオイル塗布ローラ、に存する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。
本発明のオイル塗布ローラは、主要構成要素として軸芯の周りにオイル保持層とその外周にさらにオイル塗布量制御層とを有し、その端面が当該オイル塗布量制御層を構成する多孔質膜の両端延長部の折り畳み部により覆われて成る。
【００１０】
上記のオイルは、例えば静電複写機、電子写真機、プリンタなどの定着装置の定着ローラ表面へのトナー付着の防止、紙の巻き付きの防止、ヒートローラ表面の摩耗の防止のために、定着ローラ表面へ塗布される。上記のオイルは、離型オイルと呼ばれ、通常、離型性、耐熱性などの観点からシリコーンオイルが好適に使用され、中でも使用条件に応じて種々の粘度のものが使用されるが、粘度が高すぎるものは塗布時の流動性が劣るため、通常３０，０００ｃＳｔ以下のものが使用される。かかるオイルの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【００１１】
上記の軸芯を構成する材料としては、公知の材料、形状および寸法のものを使用することが出来、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレススチール、真鍮などが挙げられるが、コスト及び加工性の観点からアルミニウムが好適に使用される。上記の軸芯の太さは、その用途により適宜決定されるが、例えば外径が５〜２０ｍｍ程度である。
【００１２】
前記のオイル保持層はオイル塗布ローラとして塗布するオイルを含浸して保持する層であり、この層に含浸されたオイルが、オイル塗布量制御層を通って滲出して定着ローラなどに転写される。従って、基本的にはこのオイル保持層でのオイル保持量が多いほどオイル塗布ローラの有効寿命が長い事になる。しかしながら、本発明のように簡易包装によりオイル漏れが無いことを目標とする場合は、オイル保持層はより多量のオイルを安定的にオイルを保持する能力を有しているのが好ましい。
【００１３】
上記のようなオイル保持層を構成する素材としては、通常使用されているものが適用できるが、例えば、スポンジ、多孔質セラミックス体などの有機質または無機質の多孔質材料、紙、布などの有機質または無機質の繊維の織布または不織布を軸芯の周りに巻回したもの、等が挙げられる。
【００１４】
前記の塗布量制御層はオイル保持層に含浸して保持され、必要により構成される後述のオイル移行層を経て、浸透してくるオイルを微少量ずつ適量に滲出させるために形成される。かかる塗布量制御層としては、通常、多孔質膜が使用され、中でもトナー定着部のオイル塗布ローラとして使用する場合、トナーに対する離型性が優れたポリテトラフルオロエチレン膜（以下、ＰＴＦＥ多孔質膜という）が好適に使用される。
【００１５】
上記の多孔質膜の特性は、例えば、厚さが１５〜１３０μｍであり、平均直径が０．１〜２μｍの開孔が多数形成され、表面粗さＲａが０．５〜２．０μｍ、空隙率が６０〜９０％であり、Ｂ型ガーレー式デンソメーターにより測定されるガーレー数としての透気度が３〜１５００（秒／１００ｃｃ）のものが好適に使用される。
【００１６】
上記のオイル保持層と塗布量制御層との間に、希望によりさらにオイル移行層を設けることが出来る。上記のオイル移行層は、上記のオイル保持層からのオイルを塗布量制御層に浸透して移行させる役割を有する。かかるオイル移行層は多層構造であってもよい。
【００１７】
上記のオイル移行層を構成する材料としては、多孔性フェルトなどが挙げられ、例えばアラミド繊維などの耐熱性繊維のフェルトのものが好適に例示され、中でもニードルパンチ加工などにより面状に成型して面全体として密度の均質性が優れたものがより好ましい。かかるフェルト層は、目付が６０〜１０００ｇ／ｍ２、好ましくは１７０〜８００ｇ／ｍ２、厚さが０．５〜５．０ｍｍ、好ましくは２〜３ｍｍのものが好適に使用される。
【００１８】
上記のオイル保持層、オイル移行層および塗布量制御層の相互間の積層に使用する固定方法としては、公知の方法を適用することができるが、中でもオイル保持層と塗布量制御層との相互間の積層、あるいはオイル移行層と塗布量制御層との相互間の積層には、表面へのオイル滲出量の均一性の観点から、接着剤により接着する方法が好ましい。
【００１９】
上記の接着剤による方法としては、接着面を接着剤で完全に被覆させない方法であれば特に制限されないが、その一例として、接着の一方の面にＲＴＶゴム（室温硬化型ゴム）、ＬＴＶゴム（低温硬化型ゴム）、紫外線硬化型ゴムなどを主成分とする接着剤を点状、格子状または梨子地状に塗布して部分的に接着させる方法、または、オイルの滲出量の微少量制御のために、シリコーンワニスとシリコーンオイルとを混合した接着剤をそれぞれ両層の何れか一方の面または両面の、一部または全面に塗布した後、シリコーンワニスを硬化させる方法が挙げられる。
【００２０】
上記のようにして得られるオイルが含浸されていないもの、すなわち、オイル塗布ローラ構造体は、これにオイルを含浸させてオイル塗布ローラとなる。かかるオイルの含浸方法としては、オイル保持層およびオイル移行層へのオイルの含浸量を調節することが出きるように、オイル塗布ローラ構造体の少なくとも一方の端面から加圧条件下に注入して含浸させるのが好ましい。かかる注入して含浸させる具体的な方法としては、例えば次に説明するオイル供給用チャッキング治具を用いる方法をあげることが出来る。
【００２１】
上記のチャッキング治具は、供給されたオイルを上記のオイル塗布ローラ構造体の端面のオイル保持層部に注入する凹空間を形成する先端部とこの凹部分を形成する部分にオイルを供給する供給管部とから成り、上記の先端部は、凹空間の凹部を形成する開口部と、当該開口部をオイル塗布ローラ構造体の端面のオイル保持層部に対面できるように押し当てたときオイルが漏れ出ることが無い様にオイル保持層と液密に接し得る環状突起部から構成される。
【００２２】
そして、上記の環状突起部の外周の大きさは、オイル塗布ローラ構造体の端面において塗布量制御層の端との間に隙間が生じる程度とされ、換言すれば、先端部を押し当てたときその周辺部においてオイル保持層またはオイル移行層の端面の一部が露出する程度の幅とする。なお、上記の供給管部には加圧装置との接続装置を具備し、さらに、オイルの供給を制御する開閉弁を組み込むことが出来る。
【００２３】
なお、上記のオイル供給用チャッキング治具を用いてオイルを注入し含浸させる際、オイル供給用チャッキング治具を用いない端面には端面閉止用チャッキング治具を押し当ててオイルが端面から漏れ出ないようにして行うのが好ましい。かかる端面閉止用チャッキング治具は、上記のオイル供給用チャッキング治具において中央部の供給管がなく閉塞された凹空間のみを具備する構成のものが好適に使用される。勿論、上記のオイル供給用チャッキング治具の開閉弁を閉じたものを使用することも出来る。
【００２４】
以上のようにしてオイル保持層およびオイル移行層に含浸されたオイルが自重によって液漏れしない程度にオイル保持量を調節して含浸させて得られたオイル塗布ローラは、簡易包装される。かかる簡易包装（非密封包装）は、本発明においては、その端面が当該オイル塗布量制御層を構成する多孔質膜の両端に延長した折り畳み部により覆われ、その少なくとも一方の末端部が固定されて成る。なお、上記の固定の対象となっていない末端部は、前述のＲＴＶ接着剤で接着したり、フランジ等で押さえる方法など簡易な固定方法、或いは他の公知の固定方法により押さえることができるが、両端面ともに本発明の固定方法で固定するのが好ましい。
【００２５】
当該折り畳み部の先端部は、軸芯の当該端面側の突出部に軸通された通常ワッシャーと呼ばれる形状の内側リング板と軸芯外周面との間を通過し、且つ当該内側リング板とさらにその外側に軸通された外側リング板との間に挟持されて、固定される。
【００２６】
上記の折り畳んだ多孔質膜を内側リングと外側リング板との間に挟持して固定する方法としては、外側リング板としてプッシュナットを使用して軸に固定しつつ内側リングを押圧する方法、および通常ワッシャーと呼ばれる形状の外側リングと折り畳んだ多孔質膜と内側リングとを接着剤などを使用して一体化して固定する方法が挙げられる。なお、かかるプッシュナットとは、例えば、バネ鋼による爪の軸芯への食い付きによって大きなスラスト荷重が生じる固定部材である。
【００２７】
上記の内側リング板の内径は、上記の折り畳んだ多孔質膜がその内径と軸芯外周面との間を通過でき、上記の折り畳んだ多孔質膜を外側リング板との間に挟持して固定できる大きさであり、具体的な例としては、前記の軸芯の外径よりやや大きく、上記の折り畳んだ多孔質膜がその内径と軸芯外周面との間を通過した状態で通気可能な隙間が生じる程度とされる。この際、後述のように、端面部で大気およびオイル保持層間の通気可能な別の手段が講じられている場合は、上記の通気可能な隙間が生じない程度に密着するものでもよい。
【００２８】
またその外径は、オイル塗布ローラとして使用する際に相手のロールに接触しない範囲で適宜設定する事が出来るが、より具体的な例としては、通常、端面のほぼ全面を覆う程度が好ましく、オイル保持層の外径よりやや小さい程度、或いはオイル移行層の外周面にオイル保持層を有する場合は当該オイル移行層の外径よりやや小さい程度とされる。
【００２９】
上記の内側リング板の厚さは、外側リング板からの押圧がかかったときにほぼ平面性を維持できる程度であればよく、具体例としては０．２〜２ｍｍ、実用的には０．５〜１ｍｍ程度とされる。上記の内側リング板の外側リング板と相対する面には、前記の多孔質膜の滑り防止処理を施す事が出来る。かかる処理として、例えば、粗面加工および／または粘着性の付与が挙げられる。
【００３０】
上記の内側リング板を構成する素材としては特に制限されるものではないが、実用的には、例えば、鉄、銅、真鍮、アルミニウムなどの金属板、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、等の合成樹脂の板、などの板を挙げることが出来るが、相手方のロールが加熱されている場合は、上記の素材の中で耐熱性の優れたものを選択して使用するのが好ましい。
【００３１】
前記の外側リング板の大きさは、基本的には、上記の内側リング板の全面を押厚出来るようにするのが好ましい。そして具体的には、外側リング板の内径は、基本的には端面でオイル保持層と通気可能な隙間を有する場合には、軸芯にほぼ内接して位置が安定する程度とされるが、上記のようにプッシュナットを使用する場合は、バネによる支えがあるため、軸芯との間に隙間が生じる程度でもよい。
【００３２】
外側リング板の外径は、オイル塗布ローラとして使用する際に相手のロールに接触しない範囲で適宜設定する事が出来るが、内側リング板の外径と同一であるのがより好ましい。具体的には、オイル保持層の外径よりやや小さい程度、或いはオイル移行層の外周面にオイル保持層を有する場合は当該オイル移行層の外径よりやや小さい程度とされる。
【００３３】
外側リング板の厚さは、内側リング板を押圧するとき、全面をほぼ均等に押圧できる程度の剛直さを持つ程度であるのが好ましい。かかる厚さは、素材の種類によって異なるが、通常０．２〜２ｍｍ、実用的には０．２〜０．５ｍｍ程度である。
【００３４】
上記の外側リングを構成する素材としては、特に制限されないが、基本的には剛直性の板状物が使用され、また、上記のプッシュナットとしては、特に限定されないが、例えば、全体がバネ特性を有する板状材料で一体に形成され、その一部が舌状に裁断されてバネ部を形成したもの、或いは非バネ製のリングに別途バネ性を有する切片を複数、通常３片以上、取り付けた構造のものでもよい。かかるバネ性を有する素材としては、通常、バネ用ステンレス鋼が使用されるが、リン青銅であってもよい。
【００３５】
前記の端面部で大気およびオイル保持層間の通気可能な別の手段としては、例えば、オイル塗布ローラの少なくとも片側の端面を覆う多孔質膜部分にエアー抜きが可能な細孔を設ける方法、或いは、軸芯の外周面および／または軸芯内部にオイル保持層に導通溝または導通孔を形成する方法が挙げられる。
【００３６】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明図を併用して更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例１
外径が１２ｍｍ、長さが２２３ｍｍの軸芯に、オイル保持層素材として厚さ０．３ｍｍ、幅２１７ｍｍのポリエステル長繊維不織布（商品名：エクーレ６５０１Ａ、東洋紡績株式会社製）を外径が３０．４ｍｍに成るまで４０〜５０Ｎ／ｍのテンションで巻回してオイル保持層とした。さらにその外周表面に、オイル移行層として、平均直径１８μｍのアラミド繊維からなる厚さ２．８ｍｍの不織布（商品名：ノーメックスフェルト）を外径３６ｍｍになるまでオイル保持層と同様にして巻回した。
【００３７】
上記のオイル移行層の表面にシリコーンワニスとシリコーンオイルＫＦ−９６を質量比で５０：５０の割合で混合した接着剤を７０ｇ／ｃｍ２となるように塗布した後、塗布量制御層として厚さ８０μｍ、幅２７０ｍｍ、平均気孔径が０．２μｍのポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）フイルム１２を両側の耳長さが等しくなるように配置して一重に巻回し、外径３６ｍｍのオイル塗布オイル塗布構造体を作製した。
【００３８】
得られたオイル塗布ローラ構造体に対して、一方の端面のオイル移行層部分の周辺の一部を残すように前記のオイル供給用チャッキング治具の先端部を押し当て、他の端面に前記の端面閉止用チャッキング治具を押し当て、オイル供給管に粘度が１００ｃＳｔのジメチルシリコーンオイルＫＦ−９６を８５ｇ供給した後、加圧装置に接続して０．３ｋＰａの圧力をかけ、オイルを注入して含浸させ、オイル塗布ローラ１０を作製した。
【００３９】
上記のオイル塗布ローラ１０について、一方の端面を下にして２５℃、湿度５０％の環境下に１日間（２４時間）吊して放置したところ、オイルは漏出しなかった。上記のローラ１０のＰＴＦＥ多孔質フイルムの両端部の耳部を捻るようにして軸芯方向に折り畳んで、その両端の先端部を両軸芯に軸通した外径３５ｍｍ、内径１３ｍｍ、厚さ１ｍｍ、アルミニウム板製の内側リングのそれぞれの内径側と軸芯外周面の間に通過させた後その先端部を再び広げた。
【００４０】
次いで、外径３５ｍｍ、内径１１．７ｍｍ、厚さ０．３ｍｍのバネ用ステンレス鋼製リング状平板の直径２５ｍｍに相当する円周上から均等な８カ所から中心方向に放射状に切り込みをつけてほぼ台形状のバネ部を形成した構成のプッシュナットを軸芯の両端側から軸通し、上記の台形状のバネ部により軸芯外周表面に固定したその平板部により上記の再び広げた多孔質膜部分を内側リングとの間に挟持して固定し、オイル塗布ローラを得た。なお、プッシュナットの外周側に突出した多孔質膜部分は外周面に揃えて切除した。
【００４１】
上記のオイル塗布ローラ１０をカラープリンターにセットし、Ａ４板の印刷用紙に０．５ｍｍ方眼模様のカラー画像を１万枚連続して印刷し、その間１０００枚目毎にオイル塗布ローラの表面の変化および印刷された方眼模様を観察した。しかし、上記の１万枚連続印刷を完了するまで、オイル塗布ローラの表面には全くしわの発生が認められず、同様に方眼模様を構成する縦横の直線の濃淡斑は認められなかった。
【００４２】
実施例２
実施例１において、軸芯としてオイル保持層および外側リングが取り付けられる部分を含む部分の表面に断面が深さ１ｍｍの半円形の溝を設けたものを使用したこと、及び、内側リングとして両端外側面にフッ素樹脂と接着性がある接着剤：シリコーンゴムＫＥ４５を適量塗布したもの、且つ外側リング板としてプッシュナットの代わりに内側リング板と同じ素材で内径のみが異なっている１２ｍｍのリング板の内側面に内側リング剤と同様に接着剤を塗布したものを使用したこと、以外は実施例１と同様にしてオイル塗布ローラを得た。
【００４３】
得られたオイル塗布ローラについて、実施例１と同様にして、印刷試験を行い、オイル塗布ローラの表面の変化および印刷された方眼模様を観察した。その結果、実施例１と同様に、上記の１万枚印刷を完了するまで、オイル塗布ローラの表面には全くしわの発生が認められず、同様に方眼模様を構成する縦横の直線の濃淡斑は認められなかった。
【００４４】
比較例１
実施例１において、塗布量制御層としてのＰＴＦＥフイルムの幅を２４０ｍｍのものを使用し、側面における折り畳んだ多孔質膜の固定方法として、折り畳んだ多孔質膜部を外側から外径３５ｍｍ、内径１２ｍｍ、裏面に接着剤：シリコーンゴムＫＥ４５を塗布したリング状シール紙を接着剤面で貼付して固定した。得られたオイル塗布ローラについて、実施例１と同様にして、印刷試験を行い、オイル塗布ローラの表面の変化および印刷された方眼模様を観察した。その結果、５００枚印刷した時点でＰＴＦＥ膜表面には僅かに円周方向のしわが現れ、１０００枚目時点で印刷された方眼模様の一部に濃淡斑が感じられるようになった。
【００４５】
【発明の効果】
以上のように、本発明のオイル塗布ローラは、包装が非密封型の簡易包装であっても、塗布量制御層を形成する多孔質膜の両端面に構成される多孔質膜の両端各延長部の折り畳み部の少なくとも一方の先端部を、軸芯の当該端側の突出部に軸通された内側リング板と軸芯外周の間を通過し、且つ当該内側リング板とさらにその外側に軸通された外側リング板との間に挟持されて固定されているため、塗布量制御層を形成する多孔質膜が移動する事がなく、その結果、印刷中の当該多孔質膜の移動によるしわの発生およびしわによる印刷斑の発生がないオイル塗布ロールを提供することができ、その産業上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図１】オイル塗布ローラの軸方向縦断面説明図。
【符号の説明】
１０ オイル塗布ローラ
１１ 軸芯
１２ オイル保持層
１３ オイル移行層
１４ オイル塗布量制御層（ＰＴＦＥ微多孔質膜）
１４−１ 両端にはみ出したＰＴＦＥ多孔質膜折り畳み部
１４−２ 両端にはみ出したＰＴＦＥ多孔質膜折り畳み部の再び広げた多孔質膜部分
１５ 内側リング板
１６ 外側リング板（プッシュナットの例）[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an oil application roller that can be used to apply release oil to the surface of a fixing roller (heat roller) attached to an electrostatic copying machine, an electrophotographic machine, a printer, and the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, on the surface of a fixing roller of a fixing device in an electrostatic copying machine or a printer, an oil applying member such as an oil applying roller is used to prevent toner adhesion, paper wrapping, and wear of the fixing roller surface. Release oil is applied continuously. Such an oil application roller usually comprises a shaft core, an oil holding layer, and an oil application amount control layer composed of a porous film such as PTFE as necessary, and impregnated with the oil to be applied to the oil holding layer. And transfer the oil onto the surface of the fixing roller by a required amount.
[0003]
Such an oil application roller is usually handled as a disposable consumable, and the oil impregnated in the oil holding layer is consumed or the required amount of the oil is leached on the surface of the porous membrane layer even if it remains. When it is no longer used, it becomes used. That is, it is treated as a disposable consumable. Therefore, it is important that the oil application roller has a large amount of the effective oil and that the manufacturing cost is low. Among them, in order to increase the effective oil amount, the material composition and the composition of the oil holding layer are required. Improvement can be achieved by such means.
[0004]
Also, as one of the methods for reducing the manufacturing cost, there is a method of omitting the sealed packaging by suppressing the oil holding amount to an amount that does not drop down naturally when hung in the air without external packaging, for example. Conceivable. However, since the oil retaining layer of the oil application roller is impregnated with a large amount of oil, the oil retaining layer impregnated with the large amount of oil is exposed at the end face. Therefore, simple packaging is required to avoid direct contact with the oil retaining layer.
[0005]
In the case of the above simple packaging, the porous film which forms the above-mentioned coating amount control layer as a packaging material is usually extended to the end side, folded in the axial direction at the end side, and bonded from both end sides with RIV adhesive. There is known a method of holding down with a flange or the like. The porous film forming the above-mentioned coating amount control layer is usually bonded to the outermost peripheral surface of the oil holding layer or the outermost peripheral surface of the oil transfer layer provided as necessary therebetween by an adhesive. In order to prevent the oil from oozing out of the holding layer, the adhesive strength is usually not sufficient due to the partial bonding such as point bonding.
[0006]
Therefore, as a simple packaging of both end surfaces, a simple method such as a method in which the extended portion of the porous film forming the coating amount control layer is folded in the axial direction as described above and bonded from both ends with an RIV adhesive or pressed with a flange or the like. When used as an oil application roll, the porous film that forms the coating amount control layer moves in the axial direction over time and causes wrinkles on the surface, which hinders uniform oil application. Is caused in some cases.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a simply packaged oil application roll that can fix a porous film forming a coating amount control layer so that the porous film does not move.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
That is, the gist of the present invention is to provide an oil application roller having an oil holding layer around an axis and an oil application amount control layer outside the oil holding layer, and having both end surfaces of a porous film constituting the oil application amount control layer. Covered by the folded portion of each end extension, at least one end of the folded portion passes between the inner ring plate and the outer peripheral surface of the shaft centered through the protrusion on the end surface side of the shaft core. And an oil application roller characterized in that the oil application roller is sandwiched and fixed between the inner ring plate and the outer ring plate that is axially passed through the inner ring plate.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The oil application roller of the present invention has, as main components, an oil holding layer around the axis and an oil application amount control layer on the outer periphery thereof, and a porous film whose end face constitutes the oil application amount control layer. Are covered by the folded portions of the extensions at both ends.
[0010]
The above oil is used to prevent toner from adhering to the surface of a fixing roller of a fixing device such as an electrostatic copying machine, an electrophotographic machine, and a printer, to prevent paper wrapping, and to prevent wear of the heat roller surface. Applied to the surface. The above-mentioned oil is called a release oil, and usually, silicone oil is preferably used from the viewpoint of release properties, heat resistance, etc., and among them, those having various viscosities are used depending on use conditions. If the ratio is too high, the fluidity at the time of coating is inferior. Specific examples of such an oil include dimethyl silicone oil, amino-modified silicone oil, and fluorine-modified silicone oil, but are not particularly limited thereto.
[0011]
As the material constituting the shaft core, known materials, those having known shapes and dimensions can be used, and examples thereof include aluminum, iron, stainless steel, and brass, but from the viewpoint of cost and workability. Aluminum is preferably used. The thickness of the above-mentioned shaft core is appropriately determined depending on its use, and for example, the outer diameter is about 5 to 20 mm.
[0012]
The oil holding layer is a layer that impregnates and holds oil to be applied as an oil application roller, and the oil impregnated in this layer oozes through the oil application amount control layer and is transferred to a fixing roller or the like. . Therefore, basically, the longer the oil holding amount in the oil holding layer, the longer the effective life of the oil application roller. However, when the aim is to prevent oil leakage by simple packaging as in the present invention, it is preferable that the oil holding layer has the ability to stably hold a larger amount of oil.
[0013]
As the material constituting the oil retaining layer as described above, those commonly used can be applied.For example, sponges, organic or inorganic porous materials such as porous ceramics, paper, organic materials such as paper and cloth, and the like. One obtained by winding a woven or non-woven fabric of inorganic fibers around a shaft core.
[0014]
The coating amount control layer is impregnated and held in the oil holding layer, and is formed so that a small amount of permeating oil is oozed out by a small amount through an oil transfer layer which will be described later. As such a coating amount control layer, a porous film is usually used. In particular, when the coating film is used as an oil coating roller in a toner fixing section, a polytetrafluoroethylene film (hereinafter, referred to as a PTFE porous film) having excellent releasability from toner is used. Is preferably used.
[0015]
The characteristics of the above-mentioned porous membrane include, for example, a thickness of 15 to 130 μm, a large number of openings having an average diameter of 0.1 to 2 μm, a surface roughness Ra of 0.5 to 2.0 μm, and a void. Those having a rate of 60 to 90% and an air permeability of 3 to 1500 (seconds / 100 cc) as a Gurley number measured by a B-type Gurley densometer are preferably used.
[0016]
An oil transfer layer can be further provided between the oil holding layer and the coating amount control layer, if desired. The oil transfer layer has a role of permeating and transferring oil from the oil holding layer to the coating amount control layer. Such an oil transfer layer may have a multilayer structure.
[0017]
Examples of the material constituting the above-mentioned oil transfer layer include porous felt and the like, and felt materials of heat-resistant fibers such as aramid fibers are preferably exemplified. Those having excellent density uniformity over the entire surface are more preferable. The felt layer having a basis weight of 60 to 1000 g / m 2 , preferably 170 to 800 g / m 2 , and a thickness of 0.5 to 5.0 mm, preferably 2 to 3 mm is suitably used.
[0018]
As a fixing method used for laminating the oil holding layer, the oil transfer layer and the coating amount control layer to each other, a known method can be applied. For lamination between layers or lamination between the oil transfer layer and the coating amount control layer, a method of bonding with an adhesive is preferable from the viewpoint of uniformity of oil bleeding amount to the surface.
[0019]
The method using the above-mentioned adhesive is not particularly limited as long as the method does not completely cover the bonding surface with the adhesive, but as an example, RTV rubber (room temperature curing type rubber), LTV rubber ( Low-temperature-curable rubber), UV-curable rubber, etc. as a main component in the form of dots, grids, or pears to form a partial bond, or to control the amount of oil oozing For this purpose, there is a method in which an adhesive obtained by mixing a silicone varnish and a silicone oil is applied to one or both surfaces of both layers, partly or entirely, and then the silicone varnish is cured.
[0020]
The oil impregnated with the oil obtained as described above, that is, the oil application roller structure, is impregnated with oil to form an oil application roller. As such an oil impregnation method, the oil impregnating layer is injected under pressure from at least one end face of the oil application roller structure so that the oil impregnation amount of the oil retaining layer and the oil transfer layer can be adjusted. It is preferred to impregnate. As a specific method for such injection and impregnation, for example, a method using a chucking jig for oil supply described below can be mentioned.
[0021]
The chucking jig supplies oil to a tip portion forming a concave space for injecting the supplied oil into an oil holding layer portion on an end surface of the oil application roller structure and a portion forming the concave portion. A supply pipe portion, and the tip portion has an opening that forms a concave portion of the concave space, and an oil when the opening portion is pressed so as to be able to face the oil holding layer portion at the end surface of the oil application roller structure. From the oil holding layer so as not to leak out.
[0022]
Then, the size of the outer periphery of the above-mentioned annular projection is such that a gap is formed between the end face of the oil application roller structure and the end of the application amount control layer, in other words, when the tip is pressed. The width is such that a part of the end face of the oil retaining layer or the oil transfer layer is exposed in the peripheral portion. The above-mentioned supply pipe section is provided with a connection device with a pressurizing device, and can further incorporate an on-off valve for controlling oil supply.
[0023]
In addition, when injecting and impregnating oil using the above-described oil supply chucking jig, the end face not using the oil supply chucking jig is pressed against the end face closing chucking jig so that the oil flows from the end face. It is preferable to perform the process so as not to leak. As the chucking jig for closing the end face, a chucking jig having the above-described oil supply chucking jig and having only a closed concave space without a supply pipe at the center portion is preferably used. Of course, the above-mentioned oil supply chucking jig with its on-off valve closed can also be used.
[0024]
The oil application roller obtained by adjusting the oil holding amount and impregnating the oil impregnated in the oil retaining layer and the oil transfer layer as described above so that the oil does not leak under its own weight is simply packaged. In the present invention, such a simple package (non-sealed package) is such that the end face is covered by a folded portion extending to both ends of the porous film constituting the oil application amount control layer, and at least one end thereof is fixed. Consisting of In addition, the end portion that is not the target of the above-mentioned fixing can be pressed by a simple fixing method such as a method of bonding with the above-mentioned RTV adhesive or a method of pressing with a flange or the like, or other known fixing methods. It is preferable to fix both end faces by the fixing method of the present invention.
[0025]
The distal end of the folded portion passes between the inner ring plate and the outer peripheral surface of the shaft core, which is usually called a washer, which is axially passed through the protrusion on the end surface side of the shaft core, and further includes the inner ring plate and It is clamped and fixed between the outer ring plate and the outer ring plate.
[0026]
As a method of sandwiching and fixing the folded porous membrane between the inner ring and the outer ring plate, a method of pressing the inner ring while fixing to the shaft using a push nut as the outer ring plate, and There is a method in which an outer ring, a folded porous membrane, and an inner ring having a shape usually called a washer are integrated and fixed using an adhesive or the like. The push nut is a fixing member in which a large thrust load is generated by, for example, biting of a nail by a spring steel into the shaft center.
[0027]
The inner diameter of the inner ring plate is such that the folded porous membrane can pass between the inner diameter and the outer peripheral surface of the shaft core, and the folded porous membrane is sandwiched and fixed between the inner ring plate and the outer ring plate. As a specific example, as a specific example, it is slightly larger than the outer diameter of the shaft core, and can be ventilated in a state where the folded porous membrane passes between the inner diameter and the outer peripheral surface of the shaft core. It is assumed that a gap is generated. At this time, as described later, when another means that allows ventilation between the atmosphere and the oil retaining layer is provided at the end face portion, it may be close enough that the above-described ventilation gap does not occur.
[0028]
In addition, the outer diameter can be appropriately set within a range that does not contact the partner roll when used as an oil application roller, but as a more specific example, it is usually preferable to cover almost the entire end surface, The diameter is slightly smaller than the outer diameter of the oil transfer layer, or slightly smaller than the outer diameter of the oil transfer layer when an oil transfer layer is provided on the outer peripheral surface of the oil transfer layer.
[0029]
The thickness of the inner ring plate may be such that the flatness can be substantially maintained when pressure is applied from the outer ring plate. As a specific example, 0.2 to 2 mm, practically 0.5 About 1 mm. The surface of the inner ring plate facing the outer ring plate can be subjected to the above-described anti-slip treatment of the porous membrane. Such treatments include, for example, roughening and / or imparting tackiness.
[0030]
The material constituting the inner ring plate is not particularly limited, but in practice, for example, iron, copper, brass, metal plates such as aluminum, polyamide, polyester, polyolefin, acrylic resin, polyurethane resin , Polycarbonate, polyimide, a plate of a synthetic resin such as polyimide, and the like.If the roll of the other party is heated, select and use a material having excellent heat resistance among the above materials. Is preferred.
[0031]
It is preferable that the size of the outer ring plate is basically such that the entire surface of the inner ring plate can be pressed. And, specifically, the inner diameter of the outer ring plate is basically such that when the end face has a gap through which the oil retaining layer can be ventilated, the inner ring is substantially inscribed in the shaft core and the position is stabilized. In the case where the push nut is used as described above, a gap may be generated between the push nut and the shaft center because the push nut is supported by the spring.
[0032]
The outer diameter of the outer ring plate can be appropriately set within a range where the outer ring plate does not come into contact with a mating roll when used as an oil application roller, but is more preferably the same as the outer diameter of the inner ring plate. Specifically, the diameter is slightly smaller than the outer diameter of the oil transfer layer, or slightly smaller than the outer diameter of the oil transfer layer when the oil transfer layer is provided on the outer peripheral surface of the oil transfer layer.
[0033]
The thickness of the outer ring plate is preferably such that the outer ring plate has such a rigidity that the entire surface can be pressed substantially uniformly when pressed. The thickness varies depending on the type of the material, but is usually 0.2 to 2 mm, and practically about 0.2 to 0.5 mm.
[0034]
The material constituting the outer ring is not particularly limited, but a rigid plate-like material is basically used, and the push nut is not particularly limited. Is formed integrally with a plate-like material having a tongue shape, a part of which is cut into a tongue shape to form a spring portion, or a plurality of, usually three or more, pieces having a spring property are attached to a non-spring ring. It may have a different structure. As a material having such a spring property, stainless steel for spring is usually used, but phosphor bronze may be used.
[0035]
As another means capable of ventilation between the atmosphere and the oil retaining layer at the end face portion, for example, a method of providing pores capable of venting air in a porous film portion covering at least one end face of the oil application roller, or A method of forming a conduction groove or a conduction hole in the oil holding layer on the outer peripheral surface of the shaft core and / or inside the shaft core may be used.
[0036]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples with reference to the accompanying drawings. However, the present invention is not limited to the following examples.
Example 1
A polyester long-fiber nonwoven fabric (trade name: Ecure 6501A, manufactured by Toyobo Co., Ltd.) having a thickness of 0.3 mm and a width of 217 mm was used as an oil retaining layer material on an axis having an outer diameter of 12 mm and a length of 223 mm, and an outer diameter of 30. It was wound with a tension of 40 to 50 N / m until it became 0.4 mm to form an oil retaining layer. Further, a non-woven fabric (trade name: Nomex Felt) having a thickness of 2.8 mm made of aramid fiber having an average diameter of 18 μm was wound around the outer peripheral surface until the outer diameter became 36 mm in the same manner as the oil retaining layer. .
[0037]
After applying an adhesive obtained by mixing silicone varnish and silicone oil KF-96 at a mass ratio of 50:50 to the surface of the oil transfer layer so as to have a weight ratio of 70 g / cm 2 , the thickness is used as a coating amount control layer. An 80 μm, 270 mm wide, polytetrafluoroethylene (PTFE) film 12 having an average pore diameter of 0.2 μm is arranged so that the ear lengths on both sides are equal, and wound one by one, and an oil applied oil coating structure having an outer diameter of 36 mm The body was made.
[0038]
The tip of the oil supply chucking jig is pressed against the obtained oil application roller structure so as to leave a part of the periphery of the oil transfer layer portion on one end face, and the other end face is pressed against the other end face. After pressing 85 g of dimethyl silicone oil KF-96 having a viscosity of 100 cSt to the oil supply pipe, apply a pressure of 0.3 kPa to the oil supply pipe and inject oil by applying 0.3 kPa. Then, the oil application roller 10 was manufactured.
[0039]
The oil application roller 10 was suspended for one day (24 hours) in an environment of 25 ° C. and 50% humidity with one end face down, and no oil leaked. The roller 10 is folded in the axial direction by twisting the ears at both ends of the PTFE porous film, and the outer ends 35 mm, the inner diameter 13 mm, and the thickness 1 mm are passed through the ends at both ends. After passing between the inner diameter side of the inner ring made of an aluminum plate and the outer peripheral surface of the shaft core, the end portion was spread again.
[0040]
Next, a radial stainless steel ring-shaped flat plate having an outer diameter of 35 mm, an inner diameter of 11.7 mm, and a thickness of 0.3 mm was radially cut from eight positions on the circumference corresponding to a diameter of 25 mm corresponding to a diameter of 25 mm to form a center. A push nut having a trapezoidal spring portion is passed through the shaft core from both ends, and the above-described porous membrane portion expanded again by the flat plate portion fixed to the outer peripheral surface of the shaft core by the trapezoidal spring portion. Was fixed between the inner ring and the inner ring. The portion of the porous membrane that protruded on the outer peripheral side of the push nut was cut off along the outer peripheral surface.
[0041]
The above-mentioned oil application roller 10 is set in a color printer, and a color image of 0.5 mm square pattern is continuously printed on A4 printing paper for 10,000 sheets, and during this time, the surface of the oil application roller changes every 1000th sheet. And the printed grid pattern was observed. However, no wrinkles were observed on the surface of the oil application roller until the 10,000-sheet continuous printing was completed, and no vertical and horizontal straight and dark spots constituting the grid pattern were observed.
[0042]
Example 2
In the first embodiment, a portion having a semicircular groove having a cross section of 1 mm in depth on the surface of a portion including a portion to which an oil retaining layer and an outer ring are attached as an axis is used. Adhesive that has adhesive properties to the fluorocarbon resin on the side: Silicone rubber KE45 is applied in an appropriate amount, and the outer ring plate is made of the same material as the inner ring plate instead of the push nut instead of the push nut. An oil application roller was obtained in the same manner as in Example 1, except that the side surface was coated with an adhesive in the same manner as the inner ring agent.
[0043]
A printing test was performed on the obtained oil application roller in the same manner as in Example 1, and changes in the surface of the oil application roller and a printed square pattern were observed. As a result, as in Example 1, no wrinkles were observed on the surface of the oil application roller until the 10,000-sheet printing was completed, and similarly vertical and horizontal linear shading forming a square pattern was observed. Was not found.
[0044]
Comparative Example 1
In Example 1, a PTFE film having a width of 240 mm was used as a coating amount control layer. As a method for fixing the folded porous membrane on the side surface, the folded porous membrane portion had an outer diameter of 35 mm from the outside and an inner diameter of 12 mm. On the back surface, an adhesive: ring-shaped seal paper coated with silicone rubber KE45 was attached and fixed on the adhesive surface. A printing test was performed on the obtained oil application roller in the same manner as in Example 1, and changes in the surface of the oil application roller and a printed square pattern were observed. As a result, wrinkles in the circumferential direction appeared slightly on the surface of the PTFE film at the time of printing 500 sheets, and light and dark spots were felt on a part of the grid pattern printed at the time of printing the 1000th sheet.
[0045]
【The invention's effect】
As described above, the oil application roller of the present invention can be used to extend both ends of the porous film formed on both end surfaces of the porous film forming the application amount control layer, even if the packaging is a simple non-sealing type package. At least one end of the folded portion of the portion passes between the inner ring plate and the outer periphery of the shaft that is axially passed through the protrusion on the end side of the shaft, and the inner ring plate and the shaft further to the outside. The porous film forming the coating amount control layer does not move because it is sandwiched and fixed between the outer ring plate and the outer ring plate, and as a result, wrinkles due to the movement of the porous film during printing are prevented. It is possible to provide an oil application roll free from the occurrence of printing spots due to the occurrence of wrinkles and wrinkles, and its industrial effect is great.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory longitudinal sectional view of an oil application roller in an axial direction.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 10 oil application roller 11 shaft core 12 oil holding layer 13 oil transfer layer 14 oil application amount control layer (PTFE microporous film)
14-1 PTFE porous membrane folded portion protruding at both ends 14-2 Porous membrane portion of PTFE porous membrane folded portion protruding at both ends 15 Inner ring plate 16 Outer ring plate (example of push nut)