JP2010029219A - 動物モデルの開発のための方法 - Google Patents
動物モデルの開発のための方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010029219A JP2010029219A JP2009259353A JP2009259353A JP2010029219A JP 2010029219 A JP2010029219 A JP 2010029219A JP 2009259353 A JP2009259353 A JP 2009259353A JP 2009259353 A JP2009259353 A JP 2009259353A JP 2010029219 A JP2010029219 A JP 2010029219A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mice
- transgene
- animals
- animal
- mouse
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K67/00—Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New or modified breeds of animals
- A01K67/027—New or modified breeds of vertebrates
- A01K67/0275—Genetically modified vertebrates, e.g. transgenic
- A01K67/0278—Knock-in vertebrates, e.g. humanised vertebrates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/87—Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
- C12N15/873—Techniques for producing new embryos, e.g. nuclear transfer, manipulation of totipotent cells or production of chimeric embryos
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2217/00—Genetically modified animals
- A01K2217/05—Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
- A01K2217/052—Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic) inducing gain of function
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2227/00—Animals characterised by species
- A01K2227/10—Mammal
- A01K2227/105—Murine
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2267/00—Animals characterised by purpose
- A01K2267/03—Animal model, e.g. for test or diseases
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2267/00—Animals characterised by purpose
- A01K2267/03—Animal model, e.g. for test or diseases
- A01K2267/0331—Animal model for proliferative diseases
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K2267/00—Animals characterised by purpose
- A01K2267/03—Animal model, e.g. for test or diseases
- A01K2267/0337—Animal models for infectious diseases
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Environmental Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Developmental Biology & Embryology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
- Animal Husbandry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】変異動物系を確立する方法であって、(a)性的に未熟な変異創始動物(G0)において過排卵を誘発させる工程;(b)この過排卵する性的に未熟な変異創始動物を受精させる工程;(c)妊娠期の完了時に第一世代変異動物(F1)を分娩させる工程;(d)この第一世代変異動物において、この変異の安定性、遺伝子型、および遺伝的バックグラウンドの同一性を確認する工程;および、必要に応じて、(e)1以上のさらなる世代の変異動物を用いて工程(a)から工程(d)を反復する工程、を包含する方法。
【選択図】なし
Description
(技術分野)
本発明は、ヒト疾患モデルとしての変異動物(遺伝子組換え動物および偶発変異を有する動物を含む)の開発のための方法に関する。特に、本発明は、生物医学研究およびヒト治療薬の開発において有用な生存アッセイシステムとして役立ち得る動物モデルの開発のための統合技術(綿密な仕様および質制御を含む)を提供する。
変異動物(遺伝子組換え動物(例えば、トランスジェニックマウス)、および偶発変異を有する動物を含む)がまず、分子生物学の分野において動物モデルとして役立った。近年では、このような動物の使用は、生命科学の他の多くの部門(疾患関連遺伝子の同定および研究、およびこのような遺伝子を標的とする薬物開発を含む)にまで拡張されている。
1つの局面において、本発明は、変異動物系を確立する方法に関し、この方法は、以下の工程:
(a)性的に未熟な変異創始動物(G0)において過排卵を誘発させる工程;
(b)上記過排卵する性的に未熟な変異創始動物を受精させる工程;
(c)妊娠期の完了時に第一世代変異動物(F1)を分娩させる工程;
(d)上記第一世代変異動物において、上記変異の安定性、遺伝子型、および遺伝的バックグラウンドの同一性を確認する工程;および、必要に応じて、
(e)工程(a)から工程(d)を、1以上のさらなる世代の変異動物を用いて反復する工程
を包含し、ここで各工程において、遺伝的要因および環境的要因がモニタリングされ、全ての動物に対して厳密に同一であるように保たれる。
(b.1)上記の過排卵する成熟前(premature)変異創始動物から得られる卵母細胞をインビトロ受精に供する工程;
(b.2)上記受精した卵母細胞を初期胚期までインビトロで培養する工程;および
(b.3)上記胚をレシピエント動物に導入する工程
によって実施される。
(d1)トランスジェニック動物および対応する非トランスジェニック動物から単離されたゲノムDNAに対して、以下のPCRプライマー:
(i)5’トランスジーン/ゲノム連結部の検証のための、染色体特異的プライマーおよびトランスジーン特異的プライマーであって、上記、染色体特異的プライマーおよびトランスジーン特異的プライマーは、それぞれ5’トランスジーン/ゲノム連結部近傍の上記染色体および上記トランスジーンに対して、互いに対向する方向で結合する、プライマー;および
(ii)トランスジーン/トランスジーン連結部の検証のための、2つのトランスジーン特異的プライマーであって、上記2つのトランスジーン特異的プライマーは、5’末端近傍の上記トランスジーンのセグメントに対して、反対方向で結合する、プライマー
を用いてPCR反応を行う工程、
(d2)大きさによって上記増幅されたPCR産物を選別する工程、ならびに
(d3)組み込まれたトランスジーンのコピー数を示す上記増幅されたPCR産物の大きさに基づいて遺伝子型を決定する工程、
によって決定される。
・本発明はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1)
変異動物系を確立する方法であって、以下の工程:
(a)性的に未熟な変異創始動物(G0)において過排卵を誘発させる工程;
(b)当該過排卵する性的に未熟な変異創始動物を受精させる工程;
(c)妊娠期の完了時に第一世代変異動物(F1)を分娩させる工程;
(d)当該第一世代変異動物において、当該変異の安定性、遺伝子型、および遺伝的バックグラウンドの同一性を確認する工程;および、必要に応じて、
(e)1以上のさらなる世代の変異動物を用いて工程(a)から工程(d)を反復する工程
を包含し、ここで各工程において、遺伝的要因および環境的要因がモニタリングされ、全ての動物に対して厳密に同一であるように保たれる、方法。
・(項目2)
受精が、自然交配によって実施される、項目1に記載の方法。
・(項目3)
項目1に記載の方法であって、受精が、
(b.1)上記過排卵する成熟前変異創始動物から得られる卵母細胞をインビトロ受精に供する工程;
(b.2)当該受精した卵母細胞を初期胚期までインビトロで培養する工程、および
(b.3)当該胚をレシピエント動物に導入する工程
によって実施される、方法。
・(項目4)
工程(b.2)において、上記受精した卵母細胞が、二細胞胚期にまで培養される、項目3に記載の方法。
・(項目5)
上記初期胚が、レシピエント動物への導入まで、胚バンクに貯蔵される、項目3に記載の方法。
・(項目6)
上記初期胚が、液体窒素温度で貯蔵される、項目5に記載の方法。
・(項目7)
上記変異動物が、トランスジェニック動物である、項目1に記載の方法。
・(項目8)
上記トランスジェニック動物が、マウスである、項目7に記載の方法。
・(項目9)
上記トランスジェニック創始動物が、過排卵を成し遂げる時点で3〜4週齢である、項目8に記載の方法。
・(項目10)
上記トランスジェニック創始動物が、過排卵を成し遂げる時点で4週齢である、項目8に記載の方法。
・(項目11)
過排卵が、妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)およびヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)によって誘発される、項目8に記載の方法。
・(項目12)
項目7に記載の方法であって、工程(d)において、遺伝子型が、以下:
(d1)トランスジェニック動物および対応する非トランスジェニック動物から単離されたゲノムDNAに対して、以下のPCRプライマー:
(i)5’トランスジーン/ゲノム連結部の確認のための、染色体特異的プライマーおよびトランスジーン特異的プライマーであって、当該染色体特異的プライマーおよびトランスジーン特異的プライマーは、それぞれ5’トランスジーン/ゲノム連結部近傍の当該染色体および当該トランスジーンに対して、互いに対向する方向で結合する、プライマー;お
よび
(ii)トランスジーン/トランスジーン連結部の確認のための、2つのトランスジーン特異的プライマーであって、当該2つのトランスジーン特異的プライマーは、5’末端近傍の当該トランスジーンのセグメントに対して、反対方向で結合する、プライマー
を用いてPCR反応を行う工程、
(d2)大きさまたはシグナルの分別によって当該増幅されたPCR産物を分離する工程、ならびに
(d3)組み込まれたトランスジーンのコピー数を示す当該増幅されたPCR産物の大きさまたはシグナルパターンに基づいて遺伝子型を決定する工程、
によって決定される、方法。
・(項目13)
項目12に記載の方法であって、工程(d1)において、3’トランスジーン/ゲノム連結部の確認のための、トランスジーン特異的プライマーおよび染色体特異的プライマーの使用をさらに包含し、当該トランスジーン特異的プライマーおよび染色体特異的プライマーは、3’トランスジーン/ゲノム連結部の近傍のトランスジーンおよびゲノムに対して、互いに対向する方向で結合する、方法。
・(項目14)
項目13に記載の方法であって、工程(d1)において、プレ組み込み部位の確認のための、2つの染色体特異的プライマーの使用をさらに包含し、当該2つの染色体特異的プライマーは、染色体/トランスジーン連結部に対して近傍の染色体に対して、互いに対向する方向で結合する、方法。
・(項目15)
上記大きさまたはシグナルパターンが、サザンブロットによって決定される、項目12に記載の方法。
・(項目16)
上記変異動物の各々の世代が、定期遺伝的モニタリングおよびスポットチェックに供される、項目1に記載の方法。
・(項目17)
遺伝的モニタリングが、上記遺伝的バックグラウンドにおける1つ以上の遺伝子のモニタリングを包含する、項目16に記載の方法。
・(項目18)
遺伝的モニタリングが、各世代における上記変異動物の遺伝的バックグラウンドが上記創始動物の遺伝的バックグラウンドと同一であることを確実にすることを包含する、項目17に記載の方法。
・(項目19)
上記変異動物の各世代が、環境的要因の定期モニタリングおよびスポットチェックに供せられる、項目1に記載の方法。
・(項目20)
上記環境的要因が、発生上かつ近接する環境の要因を包含する、項目19に記載の方法。
・(項目21)
上記創始動物と同じ遺伝子型、表現型、および演出型を有する動物のみが、変異動物のさらなる世代の生産に含められる、項目11に記載の方法。
・(項目22)
上記F1変異動物のバックグラウンド系統が、標的疾患に対する感受性および当該系統の生殖指標に基づいて選択される、項目1に記載の方法。
・(項目23)
上記遺伝的バックグラウンドが、広範な遺伝的多様性を達成するために広げられる、項目22に記載の方法。
・(項目24)
標的疾患のモデリングにおける上記選択されたバックグラウンド系統の有用性が、最終選択の前に検証される、項目22に記載の方法。
・(項目25)
項目1に記載の方法によって生産された変異動物。
・(項目26)
項目1に記載の方法によって生産されたトランスジェニック動物。
・(項目27)
項目12に記載の方法によって生産されたトランスジェニック動物。
・(項目28)
マウスである、項目27に記載のトランスジェニック動物。
・(項目29)
Tg−rasH2マウスである項目28に記載のトランスジェニックマウスであって、ヒトc−Ha−rasトランスジーンを保有する、トランスジェニックマウス。
・(項目30)
毒性試験および発癌性試験について検証されている、項目29に記載のトランスジェニックマウス。
・(項目31)
TgPVR21マウスである項目28に記載のトランスジェニックマウスであって、ヒトポリオウイルスレセプター(PVR)遺伝子を保有する、トランスジェニックマウス。
・(項目32)
項目31に記載のトランスジェニックマウスであって、3型または2型の経口ポリオウイルスワクチン(OPV)の神経毒性の評価について検証されている、トランスジェニックマウス。
(A.定義)
用語「変異」動物は、最も広範な意味において使用され、詳細には、遺伝子組換え(遺伝子操作)動物(例えば、トランスジェニック動物、ノックアウト動物、およびノックイン動物)、偶発変異を有する動物、および1つ以上の遺伝子において人工的変異誘発によって生成された変異を有する動物を包含する。
用語「遺伝子組換え(genetically engineered)」および「遺伝子操作(gene manipulated)」は、互換可能に使用され、トランスジェニック動物、ノックイン動物、およびノックアウト動物をいう。
「ヘミ接合性」とは、言及される遺伝子(例えば、トランスジーン)に対してヘミ接合体であることに適用される。
」として見られ得る。それらは、物理化学的測定において使用されるツールとは反対に、日毎に変化するという点で独特である。従って、実験動物の質をモニタリングすることは、それらの意図される用途にとって必須である。ペットまたは家畜動物に関しては、この必要性は存在しない。
本発明は、生物医学研究および薬物開発における信頼性のあるツールとして使用され得る変異体(例えば、遺伝子組換え動物または偶発変異を有する動物)の設計および開発のための、統合的な生産および供給システムに関する。上述したように、そのような変異実験動物が、それらの特性の全てにおいて完全に同一であることが不可避である。なぜなら、種々の遺伝的要因および/または環境的要因における最もわずかな差異ですら、動物実験の結果に劇的に影響するからである。詳細には、全ての動物は、同じ遺伝子型、表現型、および演出型を有さなければならず、かつ同じ発生環境(母系効果)および近接環境に供されなければならない。これらの要因(動物実験の結果に有意に影響を与える)を図1に示す。これを達成するために、十分に確立された物理化学アッセイシステムとまさに同程度に再現可能である生存アッセイシステム(インビボ実験システム)として見られ得る変異(例えば、遺伝子組換え)動物モデルの開発のために、新規な生産および検証システムを開発した。この新規な生産および検証システムを、図24に図示する。このシステムにおいて、動物の特性に影響する全ての要因は、緊密に制御される。これらの要因としては、動物自体の緊密な制御(例えば、雑種動物を作出するための育種における種、系統、およびそれらの組み合わせ、性別、齢、同腹子の大きさ(litter size)、および体重)、それらの居住環境(例えば、寝具類、動物室など)、物理化学的要因(例えば、臭気、光、騒音)、室内環境(例えば、空気速度、湿度、温度)、栄養(例えば、食餌、水分、発癌物質への曝露)、微生物(例えば、感染、常在菌叢の質)、および人間的要因(例えば、動物の世話人、研究者など)が挙げられる。さらに、遺伝的に制御されたバックグラウンド系統と遺伝的多様性との間の均衡は、実験動物科学分野における当業者および対象動物疾患に関する当業者によって設計、選択、および決定されている。これらの要因を図2に図示する。
含し、その結果、遺伝子組換え動物(例えば、トランスジェニックマウス)が、ヒト疾患モデルとして、または生物医学研究および薬学研究の他の分野において、信頼性をもって使用され得る。代表的には、実験動物研究者はこの第一工程において責任をとり、動物モデルを用いる医療研究者または薬物研究者は第三工程を完了させるが、第二工程には両方の研究者グループが参加する。このシステムをトランスジェニック動物に関して説明するが、本発明はそのように限定されない。本発明のアプローチは、他の変異動物(全てのタイプの遺伝子組換え(遺伝子操作)動物および1つ以上の偶発変異を有する動物を含む)にも等しく適用可能である。
従来、トランスジェニック動物の開発は、以下の工程を包含する:(1)マイクロインジェクションによるマウス卵へのDNAの導入、またはレトロウイルスベクターまたは他の方法による胚性幹細胞(ES細胞)へのDNAの導入;(2)トランスジーンが組み込まれ、伝達されているかを確認する信頼性のある遺伝子型決定アッセイ(例えば、PCRまたはサザンブロット(創始動物))による試験;(3)クローニングまたは有性生殖による生殖;および(4)質制御(生化学的マーカーを使用することによる遺伝学的質制御(遺伝プロフィールモニタリング)および微生物学的質制御(続いて微生物モニタリングシステムを用いる)を含む)。小さな変化ですら、動物が実験室実験でどのように挙動するかにおいて本質的な差異を生じ得るので、各工程のモニタリングおよび質保証、ならびに育種コロニーの維持における卓越性が、変異(例えば、遺伝子組換え)動物モデルの信頼性のために必須である。本発明は、このプロセス全体の各工程において有意な改善を提供する。
本発明の遺伝学的質保証の工程において、遺伝学的および微生物学的に均一な質の標準を有する参照変異体(例えば、トランスジェニック動物(例えば、マウス))の調製および検証、ならびに高速コンジェニックプロセス(speed congenic process)および技術が含まれ、この後、計画的に遺伝的モニタリングされ、必要な質が維持されることを保証する。この工程において、本発明は、トランスジェニック動物の場合、トランスジーンの適切な挿入に加え、マウスまたは他の変異動物のバックグラウンド遺伝子の同一性もまた確実にする。遺伝的バックグラウンドもまた変異動物と同一であることを確実にする重要性は、遺伝的バックグラウンドが100%同一でない場合、変異動物が親動物の表現型を喪失し得ることにある。例えば、p53+/−マウスは、この理由のために、複雑な表現型を示している。本発明のこの工程によって提供される主な改善点は、このプロセスの促進(すなわち、コンジェニック動物の確立に必要な時間の短縮)、および二層遺伝的モニタリングシステムの適用である。
たは偶発変異を確立するために、少なくとも5世代、より頻繁には少なくとも9世代、しばしば12世代までの慎重な戻し交雑を必要とする。このプロセスの結果は、数世代後に、固定された遺伝的バックグラウンドにおける変異(例えば、トランスジェニック、ノックアウト、またはノックイン)動物モデルが確立されることであり、これを「コンジェニック」と呼ぶ。インビトロ受精に供される動物は、代表的には、少なくとも約2ヶ月齢であり、妊娠期間は19日である。このことは、各世代の生産にほぼ3ヶ月かかることを意味する。結果として、コンジェニック動物系統の確立は、非常に長いプロセスであり、これは、代表的には数年かかる。本発明は、コンジェニック動物系統の確立のための高速の方法を提供する。本発明によれば、各世代の雌性動物(例えば、マウス)を処置して過排卵させ、約4週齢の若年時にインビトロ受精に供する。通常、16日齢の雌性マウスに、PMSG注入、続いて28日目にhCG注入を行い、過排卵を成し遂げさせる。29日目に、このマウスを自然交配させるか、またはインビトロ受精に供する。30日目に、二細胞胚を採集し、偽妊娠レシピエントに移植する。妊娠期間は19日間なので、分娩は49日目に起こる。各世代において異例に若い(約4週齢)動物を使用することにより、コンジェニック系統の確立に必要な時間が有意に減少することを理解することは容易である。このプロセスを図4に図示し、実施例1においてより詳細に説明する。
微生物環境は、実験動物の演出型に影響する主要な要因の1つである。微生物感染が急激に発生すると、実験動物の健康を変化させ、結果として、生殖の振る舞いのような実験の結果、および血液化学を変化させることは周知の事実である(Nomura,T.Genetic and microbiological control.Immune−Deficient Animals(Sordat,B.ら編),S.Karger
AG,Basel,1984.;Itoh,T.ら、Expr.Anim.,30:491−495,1981;Itoh,T.ら、Jpn.J.Vet.Sci.40:615−618,1978;Iwai,H.ら、Expr.Anim.26:205−212,1977)。さらに、Narushimaら(Narushimaら、Exp Anim 47(2):111−7(1998))は、腸内細菌がトランスジェニックrasH2マウスにおいて発癌物質に対する応答を改変したことを実証した。これらの知見は、微生物環境の厳密な制御が実験動物の演出型の(dramatypical)質の保証に不可欠であることを強く示している。さらに、動物の遺伝的変化は免疫能力の改変を生じ得るので、遺伝子組換え動物の微生物学的質制御に対して特別な配慮が払われるべきである。ヌードマウスに特有であるようである感染もまた存在する。従って、厳密な微生物制御は、実験動物モデルの開発の必須となる部分である。
低温保存、胚移入、レシピエントおよび/または養母による哺乳の工程は、全てこのプロセスに組み込まれる。
rearing equipment)が使用される。RUの各室の間、および障壁領域の外側とRUの各室との間に、滅菌ロックが備え付けられ、これは、レシピエントおよび養母、胚などの移動に好都合である。配偶子採集のための設備およびIVFのための設備間に、パスボックスが備え付けられ、これは、無菌管の移動に好都合である。
動物モデルとして変異(例えば、遺伝子組換え)動物(例えば、マウス)を使用するためには、遺伝的に相同の動物が多数、生産されなければならない。目的に応じた2タイプの遺伝学的質試験を図4に示す。目的が遺伝子組換え動物の遺伝学的特徴を明確にすることである場合、特定の時点で、所与の系統の遺伝学的特徴をより詳細に決定するために、スポットチェックが実施される。他方で、一貫した遺伝学的質の保証には、質の変化がなかったことを確認するための動物のモニタリングが必要とされ、これは、質標準の所定のセットを定期的に試験することを含む。
体特異的プライマーB(3’トランスジーン/ゲノム連結部の検証のため);(3)染色体特異的プライマーAおよび染色体特異的プライマーB(プレ組み込み部位の同定のため);ならびに(4)トランスジーン特異的プライマーCおよびトランスジーン特異的プライマーD(トランスジーン−トランスジーン連結部の検証のため9。これらのプライマー対を用いることにより作製された増幅PCR産物は、大きさによって(例えば、アガロースゲル上で)分離され、任意の特定の動物の遺伝子型の同定を可能にするバンドパターンを提供し得る。これにより、ヘミ接合体は2つのバンドを生じ、一方は、野生型対立遺伝子に対応し、他方は、トランスジーンに対応する。対して、ホモ接合体は、トランスジーンにのみ対応するバンドを示す。さらに、染色体特異的プライマー対AおよびBから得られるPCR産物の差異が、動物の遺伝的バックグラウンドの差異を示す。
さらに、本発明は、計画生産および供給システムを提供し、この中には、(1)トランスジーンの安定性および機能の進行的モニタリング、(2)危険性管理システム(大量保存)、(3)生殖操作技術、および(4)広範な遺伝的多様性を達成するために遺伝的バックグラウンドの拡大が含まれる(図15を参照のこと)。この計画生産は、上述の4つの工程に従って実施される。このプロセスは、胚の凍結保存と共に、核コロニー(nuclear)、拡大(expansion)コロニー、および生産コロニーを使用して、漸進的な生産を成し遂げる。コロニーの使用は危険性管理にとって重要である。この漸進的な生産拡大は、指定した標的のヒト疾患または生理的機能についてそれらの有用性および制限を評価するために十分な数の実験動物(生産系列)を低給するために必要である。
真に有用であるヒト疾患の動物モデルについては、そのモデルが規定されなければならず、そして以下の要件を満たす動物のみが、この規定の動物モデルとしてみなされ得る:ヒトに似ている生理的表現型または病理的表現型が、ヒトと同一の遺伝的原因を有してい
なければならず、そしてモデルとしての動物の有用性および制限)が規定されなければならない。これらの要件は、ヒト疾患のモデルとして使用されるべき全ての遺伝子組換え動物に対して等しく適用される。
biomedical research.Alan R.Liss,Inc.,New York;Bulfieldら、PNAS USA 81:1189−1192(1984);Tanabeら、Acta Neuropathol 69:91−95(1986))。偶発変異体に由来するこれらの筋ジストロフィーモデルは、疾患の病因の分類において非常に有用であったが、デュシェーヌ型筋ジストロフィーの研究にはあまり有用でなかった。研究が進行するにつれて、これらのモデルが、ヒトの筋ジストロフィーの兆候と似た兆候のみを伴う疾患を有することが判明した。同様の考察が、全ての遺伝子組換え動物モデル(トランスジェニック動物、ノックアウト動物、およびノックイン動物)の有用性の評価において適用される。さらなる詳細については、例えば、Nomura,Laboratory Animal Science 47:113−117(1997)を参照のこと。
(超速コンジェニック法)
超速コンジェニック法を図4に図示する。性的に成熟前の若年マウス(未熟マウス)は、外因性ゴナドトロピンに対して感受性であることが分かっている。従って、このような
未熟マウスでの過排卵は、ゴナドトロピンの注入によって誘発され得る。動物生産のために過排卵手順を使用することにより、天然の交配に基づく従来の手順に比較して、変異マウス(例えば、トランスジェニック(Tg)マウス)の遺伝的バックグラウンドを他の近交系系統の遺伝的バックグラウンドに変更するのに必要な期間が有意に短縮される。本研究では、未熟マウスにおいて、過排卵の誘発に適切な条件、およびインビトロ受精後の排卵した卵母細胞の発生能を調べた。
未熟C57BL/6N雌性マウス(3〜4週齢)を過排卵手順に供し、同じ系統の成熟雄をインビトロ受精(IVF)のための精子ドナーとして使用した。
排卵が誘発されたマウスの割合および排卵された卵母細胞の数は、検査したマウスの齢に関係しなかった。1.25〜10IUのPMSGを注入した場合、75〜100%のマウスが排卵を誘発された。排卵された卵母細胞の最大数は、各群(1マウス当たり平均52.3〜76.3個の卵母細胞)において5IU PMSGの注入によって得られた。15IUまたは20IUのPMSGの注入による排卵誘導効果は、他の投与量よりも少なかった。
(代替的微生物学的質制御法(Alternative Microbiological Quality Control Method)(AMQCM))
(材料および方法)
マウス:C57BL/6Nマウス(10週齢)をウイルス感染のために使用した;JCL:MCH(ICR)マウス(10〜15週齢)をレシピエントとして使用した。ウイルス:センダイウイルス(HVJ MN株)およびマウス肝炎ウイルス(MHV Nu−67株)を使用した。血清学的検査:HVJについて、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)およびヘマグルチニン阻害(HI)試験を実施し、MHVについて、EL
ISAおよび補体結合(CF)試験を実施した。ウイルスをC57BL/6Nマウスに、このマウスの鼻から感染させた(0日目、実験開始日)。排卵のために、PMSG(2日目)およびhCG(4日目)をウイルス感染C57BL/6Nマウスに注入した。インビトロ受精(IVF)のために、卵および精子を5日目に感染マウスから採集し、二細胞胚をJCL:MCH(ICR)マウスの卵管に移入した。分娩(25日目)後、仔動物を離乳(53日目)まで養母によって哺乳させた。離乳マウスを81日目まで飼育し、血清学的検査に供した。血清学的検査はまた、レシピエントマウスおよびウイルス感染ドナーマウスにおいても実施した。
IVFおよび胚移入:全部で60個の卵が5匹のHVJ感染C57BL/6Nマウスから採集され(平均:12.0卵/マウス)、そして44個の卵(73.3%)が二細胞卵にまで発生した。40個の二細胞胚をレシピエントに移入され、そして22匹の仔動物(55.0%)が産まれ、最終的に20匹のマウス(90.9%)が離乳された。他方で、全部で163個の卵が5匹のMHV感染C57BL/6Nマウスから採集され(平均:16.3卵/マウス)、そして145個の卵(89.0%)が二細胞卵にまで発生した。80個の二細胞胚がレシピエントに移入され、そして45匹の仔動物(56.3%)が産まれ、最終的に、39匹のマウス(86.7%)が離乳された。
(短期発癌性試験のための動物モデルとしてのrasH2マウスのトランスジーン安定性および特徴)
(材料および方法)
(動物)
12番目のコドンまたは61番目のコドンに単一点変異を有するヒト活性化c−Ha−ras遺伝子の各正常部の連結により、トランスジーンを構築し、次いで、pSV2−gptプラスミドのBamHI部位にサブクローニングした(Sekiya T,ら、Proc Natl Acad Sci USA 1984;81:4771−4775;Sekiya Tら、Jpn J Cancer Res 1985;76:851−855)。本研究において使用したトランスジェニックマウスの生産は以前に記載された通りである(Saitohら、Oncogene 1990;5:1195−1200)。トランスジェニックマウスの基礎コロニーを維持するために、C57BL/6JJic−TgN(RASH2)(Tg−rasH2)マウスを、雄性ヘミ接合性rasH2トランスジェニックマウスを雌性近交系C57BL/6JJicマウスに対して戻し交雑することにより得た。本研究では、N20およびTg−rasH2マウス(N15)(低温保存胚から得た)と自然交配した5週齢の雄性Tg−rasH2マウス、および12週齢の雌性C57BL/6JJic(非トランスジェニック)マウスを使用した。使用した全ての動物は、財団法人実験動物中央研究所(Central Institute for E
xperimental Animals)(日本)により確立された指針に従って取り扱った。
顕微注入DNA(7.0kb BamHIフラグメント)のアリコートをpBlueScript II KS+(pBSII:Stratagene,La Jolla,CA)プラスミドのBamHI部位にサブクローニングした。このプラスミドをCsCI平衡遠心分離、次いでセファロースCL6Bカラム(Amersham Pharmacia Biotech Inc.,Buckinghamshire,UK)上のゲル濾過によって精製した。ヒトc−Ha−ras遺伝子を含む7.0kb BamHIフラグメントをBamHI消化によってプラスミドから切り出し、アガロースゲルから回収した。この7.0kb BamHIフラグメントを、DIG DNA標識キット(Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,Germany)を用いて、製造者の指示に従ってジゴキシゲニン(DIG)−11−dUTPで標識した(DIG標識ランダムプライムプローブ)。このDIG標識した5’−プローブ(1,793〜2,400位由来)を、鋳型DNAとして7.0−kb BamHIフラグメントを用いて、以下のプライマーを使用してPCR DIG Probe Synthesis Kit(Roche Diagnostics GmbH)によって調製した:
(順方向:
トランスジーンの染色体位置を、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)法(Matsudaら、Cytogenet Cell Genet,前出;Evans EP,前出)を用いて決定した。N15およびN20のTg−rasH2マウスから得られたマイトジェン活性化脾細胞由来の20の分裂中期を、ヒトc−Ha−ras遺伝子のビオチン−16−dUTP−標識7.0kb BamHIフラグメントを用いて分析した。ビオチン標識DNAを 抗ビオチンヤギ抗体(Vector Laboratories Inc,Burlingame,CA)およびフルオレセインイソチオシアネート標識抗ヤギ免疫グロブリンG(Nordic Immunological Laboratories,Capistrano Beach,CA)で可視化し、次いで、ヨウ化プロピジウム(Sigma−Aldrich Chemie GmbH,Steinheim,Germany)で対比染色した。MICROPHOTO−FXA(NIKON CORPORATION,Tokyo,Japan)で観察を行い、蛍光シグナルを有する染色体をG染色標準(Evans EP,前出)に従って同定した。
ゲノムDNAを、標準プロトコル(Sambrook J,Russell DW.Molecular Cloning,Third Edition:A Laboratory Manual.New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press;2001)に従って、プロテイナーゼKとの終夜インキュベーションおよび続くフェノール:クロロホルムでの抽出およびエタノール沈降によって、Tg−rasH2マウスおよび非トランスジェニックマウスの尾生検から調製した。ゲノムDNA(代表的には10μg)を、DNA1μg当たり3Uの制限酵素で37℃
にて一晩消化し、−20℃でエタノール沈降させた。沈降後、このゲノムDNAサンプルを10μlのTE緩衝液(10mM Tris、pH 7.5、1mM EDTA)中に再可溶化し、0.6%アガロースゲル上で一晩電気泳動した。このゲルを、75mM HCl中で逐次脱プリンさせ、1.5M NaCl/0.5M NaOH中で変性させ、1.5M NaCl/0.5M Tris−HCI、pH7.5中で中和させた。DNAを、25mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0中のキャピラリー転移によって、一晩、ゲルからナイロン膜(Hybond−N+,Amersham Pharmacia BiotechInc.)に転写した。この膜を風乾し、紫外線架橋させた。2×標準生理食塩水クエン酸(SSC;0.3M NaClおよび30mMクエン酸三ナトリウム、pH7.0)中で短時間リンスした後、この膜を、ハイブリダイゼーションオーブンにおいてChurchハイブリダイゼーション緩衝液(Church GM,ら、Proc Natl Acad Sci U S A 1984;81:1991−1995)中、42℃で6時間、プレハイブリダイズさせた。プローブを、5分間沸騰させることにより変性し、新たなChurchハイブリダイゼーション溶液中でブロットに加えた。このブロットを42℃で一晩ハイブリダイズさせ、次いで、50℃で0.2×SSC/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムで2回、および65℃で0.2×SSC/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムで2回洗浄した。ハイブリダイズしたプローブを、DIG Luminescent Detection Kit(Roche Diagnostics GmbH)を製造者の指示に従って使用することにより検出した。化学発光シグナルの検出のために、このブロットを、ECL−Plus X線フィルム(Amersham Pharmacia Biotech Inc.)に露光した。
全細胞RNAをTRIzol(Life Technologies Inc.Gaithersburg,MD).を用いて抽出した。このRNA溶液を、DNase I(Life Technologies Inc.)を製造者のプロトコルに従って用いて処理した。RNA(10μg)を1%アガロース/6%ホルムアルデヒドゲル上で分画し、Hybond−N+ナイロン膜上に転写した。以前に記載(Maruyamaら、Oncol Rep 2001;8:233−237)のように、ブロットを風乾し、紫外線架橋させ、ハイブリダイズさせた。ヒトc−Ha−ras遺伝子およびマウスグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼcDNA(7.0kb BamHIフラグメント)を、Random Primed DNA Labeling Kit(Roche Diagnostics GmbH)によって[α−32P]−dCTP で標識し、ハイブリダイゼーションプローブとして使用した。膜をKodak ARフィルムに露呈させた。
ゲノム/トランスジーン連結部のクローニングのために、標準的な手順(Sambrook J,ら、前出)によって、Tg−rasH2マウス由来のゲノムDNA100μgを、制限酵素HindIIIおよびBamHIで完全消化し、次いでフェノール:クロロホルムで抽出し、沈降させた。二重消化DNAの6〜9kbフラグメントを、スクロース濃度勾配上での超遠心分離によって分画し、pBSIIプラスミドの同じ部位に連結した。製造者の指示に従って、組換えTaq DNAポリメラーゼ(TaKaRa Inc.Shiga,Japan)を用い、鋳型としてベクター連結ゲノムDNAを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施した。PCRプライマー、
組み込まれたヒトc−Ha−ras遺伝子全体の範囲に及んだ5つの重複PCR産物を、プライマーD(上記参照)+E
(Tg−rasH2マウスにおけるトランスジーン安定性の検査)
トランスジェニックマウス系rasH2は、ヒトc−Ha−ras遺伝子を含む7.0kbの構築物(BamHIフラグメント)(図8Aに示される)を顕微注入することにより、Saitohら、1990によって確立された。この創始マウスは、元来、雑種(C57BL/6J×DBA/2J)系統として作出され、C57BL/6JJicに戻し交雑されて、遺伝的に均質な集団が作製された。その後、戻し交雑がN20を超えて進行し、30,000匹を超えるトランスジェニックマウスが生産された。多くの世代にわたる大規模繁殖の間に、Tg−rasH2マウスゲノムにおける組み込まれたトランスジーンの遺伝的安定性が調べられている。Tg−rasH2 マウスにおける組み込まれたトランスジーンの染色体局在をFISH法によってN15およびN20で決定した。両方の場合とも、このトランスジーン位置を表す対合した蛍光シグナルは、染色体15E3領域上で観察された(図7)。Tg−rasH2マウスはヘミ接合体であり、そのため、このハイブリダイゼーションシグナルは、一対の姉妹染色分体でのみ検出された。
組み込まれたトランスジーンの構造を明確化するために、Tg−rasH2マウスゲノムDNAを、いくつかの制限酵素(HpaI、XhoI、XbaI、NcoI、NglII)で消化してトランスジーン中の公知の単一部位で切断させ、これをサザンブロット分析に供した。組み込まれたトランスジーンがヘッド−y−テイル配置で縦列に存在する場合、これらの制限酵素は7kbフラグメントを生じる。直接反復トランスジーンコピーのXbaI消化は7kbフラグメントを生じるが、逆方向反復は9.1kb(テイル−テイル)または4.9kb(ヘッド−ヘッド)のフラグメントを生じる。実際に、XbaIでのN20のTg−rasH2マウス由来ゲノムDNAの消化は、DIG標識5’プローブとハイブリダイズした7kbのバンドを生じた(図8C、レーン4)。トランスジーン中の公知の単一部位で切断する他の全ての制限酵素もまた、DIG標識5’プローブとハイブリダイズした7kbバンドを生じた(図8C、レーン2、レーン3、レーン5、およびレーン6)。これらの結果は、組み込まれたトランスジーンのいくつかのコピーがヘッド−テイル配置で縦列に存在することを示唆した。同じハイブリダイズバンドパターンはまた、N15のTg−rasH2マウスにおいても観察された(データは示さず)。
サザンブロット分析から得られた結果は、HindIIIおよびBamHI二重消化によるTg−rasH2ゲノムDNAに由来する7kbおよび8kbのフラグメントがゲノム/トランスジーン連結領域および/またはトランスジーン/ゲノム連結領域を含むことを示唆した。Tg−rasH2マウスゲノム中のゲノム/トランスジーン連結部の精密な構造を研究するために、6〜9kbのHindIII−BamHI二重消化フラグメント(これは、スクロース濃度勾配上の超遠心分離によって分画した)を、pBSIIプラスミドの同じ部位に連結した。2つのPCRプライマー間に位置する配列を、適切なプライマー(pBSII−revおよびC(5’ゲノム/トランスジーン連結部のため)、pBSII−revおよびD(3’トランスジーン/ゲノム連結部のため))を用いてPCR(第1PCR)によって増幅し、そしてPCR直接配列決定によって分析した(GenBank Accession NO.AB072334)。増幅されたDNAフラグメントがPCRクローニング手順の人工産物である可能性を取り除くために、ゲノム/トランスジーン連結部の各側を、Tg−rasH2マウスゲノムDNAから、第2PCRによって以下のプライマーセットを用いて再クローニングした(C+AおよびD+B、図11C)。プライマーセットC+AおよびD+Bを用いて増幅された各々のPCR産物はTg−rasH2マウスにおいてのみ観察され、それぞれ、867bp(図11A、レーン1)および804bp(図10A、レーン3)の推定サイズであった。第2PCR産物のヌクレオチド配列は、第1PCR産物でのヌクレオチド配列と一致した。これらの結果は、P
CRクローニングによって得られたゲノム/トランスジーン連結部配列が実際にTg−rasH2マウスゲノム中に存在することを示唆した。
コンカテマー内のトランスジーン/トランスジーン連結部を、PCR制限フラグメント長多型およびPCR直接配列決定によって分析した。プライマーDおよびプライマーCを用いて増幅されたPCR産物は、Tg−rasH2マウスのみで見られ、これは1.4kbの推定サイズであった(図11A、レーン7、および図11B、レーン1)。増幅された1.4kbのフラグメントは、BamHI消化によって2つの0.7kbフラグメントに分割された(図11B、レーン2)。PCR直接配列決定がまた、トランスジーン/トランスジーン連結部がTg−rasH2マウスゲノム中のBamHI認識配列を保存すること、およびこれらの連結部で配列欠失や再配置がなかったことを示した。
この7.0kb構築物を、ヒトメラノーマおよび膀胱癌細胞系由来のc−Ha−ras遺伝子の各正常部と連結させることにより調製した(Sekiyaら、PNAS USA
81:4771−4775(1984);Sekiyaら、Jpn Cancer Res 76:851−855(1985))。これらの細胞系中のc−Ha−ras遺伝子のヌクレオチド配列は公共のデータベース上に登録されている(GenBank Accession NO.M30539およびV00574)。この構築物の7.0kbはキメラ人工ras遺伝子であったので、本発明者らには、顕微注入のために使用したこの構築物の正確なヌクレオチド配列が分からなかった。従って、本発明者らは、顕微注入DNAのアリコートのヌクレオチド配列を再確認した。本発明者らは、キメラヒトc−Ha−ras遺伝子(=BamHIフラグメントの7.0kb、6,992bp)のヌクレオチド配列を決定した。このキメラヒトc−Ha−ras遺伝子をメラノーマおよび膀胱癌細胞系由来のヒトc−Ha−ras遺伝子配列と比較したとき、この遺伝子にはいくつかの些細な差異が見られた。しかし、本発明者らは、各エキソンにおいていかなる変化も検出し得なかった。本発明者らはまた、組み込まれたヒトc−Ha−ras遺伝子のヌクレオチド配列を決定した。組み込まれたヒトc−Ha−rasトランスジーン全体に及ぶ5つの重複PCR産物を、適切なプライマーを用いたPCRによって得(材料および方法を参照のこと)、これらをPCR直接配列決定によって分析した(GenBank Accession No.AB072334)。本発明者らは、N20のTg−rasH2マウス由来のヌクレオチド配列と、顕微注入したDNAのヌクレオチド配列との間に、縦列に並んだトランスジーンの両末端の小さな欠失を除いていかなる差異も検出し得なかった。
オリジナルrasH2マウス(C57BL/6J×DBA/2Jの雑種)は、遺伝的に均質な集団を作出するために、C57BL/6JJic系統に対して戻し交雑された。現時点では、この戻し交雑はN20を超えて進行している。このトランスジェニック系の遺伝的バックグラウンドはC57BL/6JJicバックグラウンドでほぼ置換されたようである(約99.9998%,(Silver LM,Laboratory Mice.Silver LM 編,Mouse Genetics,Concepts and
Applications,New York:Oxford University
Press;1995,p.46−48)。発癌性試験において使用される動物の遺伝的バックグラウンドを考慮することが重要である。なぜなら、偶発的な腫瘍の発生率および化学的に誘発された腫瘍の発生率はマウス系統間で異なるからである。短期発癌性試験のために、本発明者らは、雌性BALB/cByJマウスと雄性Tg−rasH2マウスとの交配によって得られたF1雑種rasH2トランスジェニックマウス(CB6Fl−Tg−rasH2)の使用を推奨している。この独特の育種システムは、2つの利点を有する:1つは、化合物に対する広範な種々の反応を達成できること、そしてもう一方は、検査コントロールとして同胞非トランスジェニック(CB6Fl−NonTg)マウスを使用できることである。
に対して応答しない集団を有することが知られ(Thompsonら、Toxicol Pathol 26:548−555(1998);Weaverら、Toxicol Pahthol 26:532−540(1998);Blanchardら、Toxicol Pathol 26:541−547(1998))、この非応答者は、逆方向反復のヘッド−ヘッド連結部の尖端部近辺に遺伝子欠失を示した(Thompsonら、Toxicol Pathol 前出;Honchelら、Mol Carcinog 30:99−110(2001))。いくつかの研究は、トランスジーンにおいてパリンドローム構造を有するこの逆方向反復配列がこの遺伝子の不安定性を生じることを示した(Akgunら、Mol Cell Biol 17:5559−5570(1997);Collickら、EMBO J 15:1163−1171(1996);Ford
and Fried,Cell 45:425−430(1986))。運良く、Tg−rasH2マウスゲノム中の縦列に並んだヒトc−Ha−rasトランスジーン中にはパリンドローム構造は存在しなかったが、本発明者らには、多数の世代にわたる大規模繁殖の間にトランスジーン再配置が生じたか否かは分からない。Aignerらは、育種プログラムは、チロシナーゼ遺伝子トランスジェニックマウスのいくつかの系を観察することにより、確立されたホモ接合性トランスジェニック系においては厳密な分子分析をさらに行うことなく多数の世代まで続けられ得ると提唱した(Aignerら、前出)。しかし、彼らは、彼らの実験において非常に少ない個体ではあるがトランスジーンコピー欠失によって影響を受けることに言及した。本発明者らは、Tg−rasH2マウスにおいて組み込まれたトランスジーンが数世代にわたって、かつ大規模繁殖の間に安定に伝達されたことを本研究において決定した(図7および図8)。450匹のTg−rasH2マウスのサザンブロット分析において、本発明者らは、個々のDNAサンプル間でいかなる差異も見出さなかった(データは公開せず)。しかし、本発明者らは、発癌性試験のために使用されるTg−rasH2マウスにおいて、定期的に遺伝子型および表現型のチェックが必要であると考える。なぜなら、基礎コロニーにおける非応答者変異体による汚染の可能性が発癌性試験結果の信頼性に影響を及ぼすからである。従って、本発明者らは、各世代での親Tg−rasH2(C57BL/6JJic−TgN(RASH2))マウスの完全性を、発現されたヒトc−Ha−ras遺伝子の詳細な分子遺伝学分析(サザンブロットおよびノーザンブロットならびにPCR直接配列決定を含む)によって確認すべきである(N23での最新の結果は明白な変化がない、データは公開せず)。さらに、実際の試験モデルCB6Fl−Tg−rasH2マウスは、標準的な陽性コントロール化合物としてN−メチル−N−ニトロソ尿素を用いる発癌性試験に供されるべきである。
バンドを生じる。これらの領域特異的プローブの両方ともがハイブリダイズし、ランダムプライムプローブと同様の3つのバンドを生じた。これらの結果は、組み込まれたトランスジーンが3コピーを有することを示唆した。両末端でのゲノム/トランスジーン連結部の配列の存在(図12)がまた、環状形態の組み込みの可能性を否定する。
たが、RPL7のコード領域内では配列相同性は見られなかった。この欠失配列が種々のフレームおよび向きで対応するアミノ酸配列に翻訳されたとき、アミノ酸レベルでの配列相同性はみられなかった。本発明者らが決定した欠失配列がイントロンまたはプロモーター領域中に位置するという可能性も残っているが、宿主マウスゲノム配列中へのヒトc−Ha−ras遺伝子の挿入は、挿入変異を引き起こさない。Tg−rasH2マウスにおいては、基礎遺伝子発現は、トランスジーン挿入によって影響を受けなかった。この結論は、発現プロファイリングアプローチからの予備の証拠によって支持される。本発明者らは、9,514の単遺伝子(unigenes)の基礎遺伝子発現と比較して、Tg−rasH2マウス肝と非トランスジェニックマウス肝との間に目立った差異を見出すことはできなかった(データは公開せず)。
(神経毒性試験(NVT)のための動物モデルとしてのTgPVR21マウスのトランスジーン安定性)
ヒトポリオウイルスレセプター(PVR)遺伝子を有するトランスジェニックマウスは、Nomoto(PNAS,88:951−955,1991)によって作出された。このマウスは、財団法人実験動物中央研究所(Central Institute for Experimental Animals)(日本)でのサル神経毒性試験(MNVT)に対する代替法として、神経毒性試験(NVT)のための動物モデルとして開発された。トランスジーンの安定性は、NVTのための動物モデルとしてのTgPVR21トランスジェニックマウスの質の再現を保証するために必須の要因の1つである。TgPVR21マウスにおけるトランスジーンの安定性を調べるために、トランスジーンの分子構造をIQI系統に対するコンジェニックプロセスで異なる世代において分析した。
TgPVR21マウスにおけるトランスジーンの構造を、IQI系統に対する戻し交雑数N3、N15、およびN20で分析した(表A)。以下に記載のように、標準的な手順に従って、FISH、サザンブロットおよびノーザンブロット、およびRT−PCR分析を実施した(表A)。トランスジーンのコード領域のヌクレオチド配列もまた決定した。
(FISH(図16))
FISH分析を、プローブとしてビオチン標識HC5クローンを用いて実施し、そしてアビジン−FITC法によって可視化した。図16に示されるように、それぞれ、N15のトランスジェニックホモ接合体の第13染色体(13B3位)において2つのツインスポットが、そしてN20のヘミ接合体では1つのツインスポットが見られた。この分析において観察されたトランスジーンの染色体位置は、以前の結果(Nomoto,1991、前出)と一致した。
所見は、以前の結果と一致した。このことは、再配置が起こらなかったこと、およびトランスジーンが、TgPVR21系統においてコンジェニックプロセスで安定であったことを示唆する。
ノーザンブロット、PT−PCR、および直接配列決定を、TgPVR21系統の遺伝子発現プロフィールを調べるために実施した(図18)。組み込まれたトランスジーン遺伝子の構造、および遺伝子スプライシングによって生成された3つのmRNA産物、ノーザン分析のためのプローブ、プライマー、および配列決定の一部を図19に示す。全細胞RNAをゲル中に流し、膜上に転写した。この膜を、図17に示すプローブ(PVR−α
mRNAのcDNA)とハイブリダイズさせた。TgPVR21系統のN15およびN20の両方で、1つの3.3kバンドが検出された。ここで得られたデータは、以前の結果(Nomoto,1991、前出)と一致した。TgPVR21マウスのN3、N15、およびN20の脳、腎臓、および腸から得られたRNAをPT−PCR分析に供した。選択的スプライシングによる組み込まれたPVR遺伝子に由来する3タイプのRNA産物(PVR−α、PVR−β、およびPVR−γ)が期待サイズ(149bp、173bp、および308bp)として検出された。N15マウス脳のRNAから得られたcDNAを用いて、PCR直接配列法を実施した。この結果は、組み込まれたトランスジーンが、PVR遺伝子のコード領域(1,254bp、開始コドンのATGから終止コドンのTGAまで)に完全にマッチしたRNAを生じることを確認した。
(トランスジーン/マウスゲノム連結部位の分析)
本発明の生産方法に従えば、トランスジーンは、世代間で安定に伝達され得ることが確認された。この事実により、マウスを遺伝子型決定するための新規な方法を開発することができる。新規なトランスジェニックマウス系統(TgPVR21マウス−上記実施例4を参照のこと、およびrasH2マウス上記実施例3)におけるトランスジーン/マウスゲノム連結領域を含むトランスジーンの組み込み部位をクローニングおよび分析し、これらの系統を用いて新規な遺伝子型決定法の説明を行った。新規な遺伝子型決定法の一般の構想を図6に示す。この図において、濃い方の色の矢印は、野生型を検出するように設計されたPCRプライマーを示し、薄い矢印は、マウスのトランスジェニックタイプを検出するように設計されたPCRプライマーを示す。この方法に従うことにより、種々の遺伝子型(例えば、野生型ホモ接合体、ヘミ接合体(またはへテロ接合体)、およびトランスジェニックホモ接合体)が、容易かつ明確に区別され得る。DNAは、TgPVR21 マウスのトランスジェニックホモ接合体から得た。
サザンブロット分析を、トランスジーン/マウスゲノム連結部位の5’領域についての制限酵素マップを得るために実施した。BamHI、EcoRI、BglII、NcoI、HindII、およびXbaIをDNA消化のために使用した。トランスジーンのベクター部分の700bpセグメントを、サザンブロット分析のためのプローブとして使用した(図20)。
TgPVR21のトランスジェニックホモ接合体由来のゲノムDNAを、BglIIで完全消化した。2.9kbフラグメントを含むDNAを スクロース濃度勾配上での超遠心分離によって分画し、自己連結に供した(図22A)。5’ゲノム/トランスジーン連結部の増幅のために、連結されたDNAを用いて、逆PCRを実施した(図22B)。このPCR産物を直接配列決定に供し、連結部位のヌクレオチド配列情報を得た(第1PCR)。次いで、トランスジーン/マウスゲノム連結領域を含むDNAフラグメントを、プローブとして第1PCR産物を用いてゲノムDNAからクローニングした(図22C)。第2PCRを、鋳型としてクローニングされたDNAを用いて実施し、期待された1.5kbのPCR産物を増幅した(図22D)。最後に、ウォーキングプライマーを用いたPCR直接配列決定を実施し、トランスジーン/マウスゲノム連結点から1kb上流部のゲノム情報を得た(図22E)。
(広範な遺伝的多様性を達成するための遺伝的バックグラウンドの拡大)
実験動物を安全性試験において使用する場合、それらの遺伝的バックグラウンドを拡大(拡張)して、広範な遺伝的多様性を達成する(これは、順に、より広い範囲の感受性、多様な振る舞い、およびより広いスペクトルの表現型局面および演出型局面を生じる)ことが非常に望ましい。さらに、このシステムの再現性は、このような動物の連続的な遺伝子公正および安定性を検証することなく保証されない。広範な遺伝的バックグラウンドおよび連続的な遺伝子平等/安定性の両方を確実にするために、選択された近交系(および完全にコンジェニックの)系統からの雑種動物が生産される。遺伝的多様性のさらなる拡張が必要な場合、雑種系統は、他の雑種系統と交配されて、多交雑雑種が生産され得る。このように、広範な遺伝的多様性は雑種交配によって確実とされるが、連続的な遺伝的同一性/安定性は各選択系統の遺伝的モニタリングによって保証される。このプロセスにおける第一の工程は、第一世代(F1)動物について最も適切なバックグラウンドの選択である。異なる系統は標的疾患に関して異なる感受性、スペクトルおよび振る舞いを示すので、この選択は、種々の系統における標的疾患に関した情報の検討を包含する。このような情報は、例えば、Jackson Laboratoryデータベース(Bar Harbor,Maine,U.S.A.)、および当該標的疾患の当業者から入手可能である。バックグラウンド系統の選択の第二の構成要素は、種々の系統の生殖指標(reproductive index)に関して入手可能な情報の検討である。このような情報は、日本の財団法人実験動物中央研究所(Central Institute for
Experimental Animals)(CIEA)の生殖指標データベース(Reproductive Index Database)から入手可能である。
(TgPVR21)
霊長類のみがポリオウイルスに感受性であるので、経口ポリオウイルスワクチン(OPV)の神経毒性に対する安全性および一貫性は、サル神経毒性試験(MNVT)において従来アッセイされてきた。ヒトポリオウイルスレセプター(PVR)の遺伝子を有するトランスジェニック(Tg)マウスの開発の後、これらのマウスがOPV試験についてサルの代わりとなるのに適切であるかを評価した。Tgマウスの2つの系であるTgPVR1およびTgPVR21を試験した。脊髄に接種したTgPVR21マウスは、サル神経毒性試験を通過した3型および2型のOPVロットと、これに落ちたものとの間の識別においてサルと同程度に感受性であった。ポリメラーゼ連鎖反応および制限酵素切断によるこの新規な分子アッセイの結果は、各OPVロットが、ウイルスゲノム中に取るに足らない量の神経毒性復帰変異体を含むことを示した。サル神経毒性試験に落ちた全ての3型OPVロットは、この試験を通過したロットよりも高い割合の472−C復帰変異体を有した。多数の3型OPVロットの分析はまた、472−C 復帰変異体の含有量とTgPVR21マウス試験の結果との間に良好な相関があることを示した。有意なデータセットの全体像は、TgPVR21マウスモデルが3型および2型のOPVの評価に適切であることを示唆する。1型OPV(これは、3つのSabin株の中で最も安定である)の神経毒性についてのTgPVRマウス試験の必要性は、考慮中である。
;Renら、J.Virol.65:1377−1382,1991;Renら、J.Virol.66”296−304,1992;Racanielloら、Develop.Biol.Stand.78:109−116,1993;Koikeら、Develop.Biol.Stand 78:101−107.1993;Horieら、J.Virol.68:681−688,1994;Koikeら、Arch.Virol.139:351−362,1994)。1992年において、世界保健機関(World Health Organization)(WHO)は、異なる神経毒性度を有する3型ポリオウイルス株の使用により、TgPVRマウスの感受性(Koikeら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:951−955,1991)とサルの感受性とを比較することを推奨した(World Health Organization,Bull.W.H.O.,1:233−237,1992)。大脳内に接種されたTgPVR1マウス系に対して米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)(FDA)により実施された研究は、このマウスシステムが、野生型Leon/37株、Sabin 3ワクチン株、および糞便から単離されたワクチンウイルスの実質的に脱弱毒化された(de−attenuated)クローンの間を区別し得ることを示した(Dragunskyら、Biologicals 21:233−237,1993)。しかしながら、大脳内接種TgPVR1マウスは、MNVTを通過したOPVロットとこれに落ちたロットとの間を区別しなかった。後に、Horieら(Horieら、J.Virol.68:681−688,1994)は、このマウスシステムがサルについて比較的低いが異なるレベルの神経毒性を有するポリオウイルス3型株間を識別できなかったことを見出した;この研究においてOPVロットは含まれなかった。TgPVR1マウスシステムはOPVを試験するのに不適切であるので、もう一方のマウス系(TgPVR21)に目を向けられた。MNVTにおけるのと同様に、ウイルスサンプルをマウス脊髄に接種した。MNVTにおけるワクチンバッチに対する合否判定は、サルの中枢神経系における組織学的病変のスコア付けに基づく(World Health Organization,WHO Tech.Rep.Ser.800;Appendix 3,annex 1,1990)。それに反して、MNVTに落ちたOPVロットを検出するためのTgPVR21マウスにおける試験は、灰白髄炎の臨床徴候の評価によって可能となった。有望な結果のため、1993年にはWHOにより共同研究が着手された(World Health Organization,WHO/MIM/PVD/94.1 World Health Organization,Geneva,1993)。この研究の目標は、TgPVR21マウスが、まず3型OPVについて、MNVTにおいてサルの代わりとなるのに適切であるかを評価することであった。財団法人実験動物中央研究所(Central Institute for Experimental Animals)の研究者は、制限された研究ツールから、大量にかつ規定の質標準を有して入手可能な信頼性のある動物供給源に、TgPVR21マウスを開発することに成功した(Hiokiら、Exp.Anim.42:300−303(和文),1993)。TgPVRマウスの維持、封じ込め、および輸送についての推奨は、ヒトウイルスに対して感受性のトランスジェニックマウスに関するWHOメモランダムにおいて与えられた(World Heath Organization,Bull.W.H.O..71:497−502,1993)。接種手順、臨床スコア付け法、統計学的解析の原理が記載された(Abeら、Virology 206:1075−1083,1995;Abeら、Virology 210:160−166,1995;Dragunskyら、Biologicals 24:77−86,1996)。それらの研究で使用されたウイルスサンプルは、まずMNVTにおいて試験され、そしてFDAで開発されたポリメラーゼ連鎖反応および制限酵素切断による非常に感度の高い分子アッセイを用いて、ウイルスゲノムにおける神経毒性復帰変異体の量について調べられた(Chumakocら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:199−203,1991)。後者の方法は、一価3型OPVの各ロットにおいて、取るに足らない量で472位(U→C)におよびより多い量で2493位(C→U)に復帰変異体を検出した
。3型OPVにおける472−C復帰は、MNVTにおける神経毒性の増大に対する重大な寄与因子として記録されている。MNVTに落ちたワクチンロットは、これらの復帰変異体を1%より多くで含んだ。3型OPVの472位のものと同様の戻り変異は、1型および2型のOPVロットにおいても見出されたが、神経毒性に対するそれらの寄与は、それほど強くはなかった(Rezapkinら、Virology 202:370−378,1994;Taffsら、Virology 209:366−373,1995)。Sabin1型および2型のウイルスのゲノムにおいて生じる神経毒性の原因となる他の変異が存在し得る。
VR21マウス試験は、これらのサンプル間を区別した(Dragunskyら、Biologicals 24:77−86,1996)。Abeら(Abeら、Virology 210:160−166,1995)は、TgPVR21マウスにWHO/IIIおよびF313参照を接種し、それらを38℃で増殖した2つのF313誘発調製物と比較した。彼らは、MNVTとマウス試験結果との密な相関を認めた。不運にも、38℃で増殖したこれら2つのウイルス調製物は、不良ワクチンに類似しているとはみなされることはなかった。なぜなら、それらはそれぞれ、78%および94%の472−C復帰変異体を含んでおり、弱毒のインビトロ温度感受性マーカーをrct40−からrct40+へ変更したためである。このことは、製造条件下のワクチンにおいて生じ得るよりも高い神経毒性であることを示した。OPV生産の要件(World Health Organization,WHO Tech.Rep.Ser.800:46−49,1990)によれば、細胞培養物におけるワクチンウイルス増殖は、35.5±0.5℃を超えることはない。これよりも高い温度は、より神経毒性であるウイルス粒子の選択的な増殖を生じさせる。
、MNVTおよびTgPVR21マウス試験に落ち、rct40マーカーが陰性から陽性に変化した。このことは、再度、3型を用いた彼らの研究(Abeら、Virology
210:160−166,1995)と同様に、これらサンプルの神経毒性が、いかなる不良ワクチンに対して予期されるよりも高かったことを示している。これらの調製物について、MNVTとTgPVR21マウス試験との間の相関があったという事実は、1型OPVについてTgPVR21 マウス試験に落ちたことが、マウスモデルの不適合性ではなく、株が製造条件下で増殖される場合のSabin 1株の安定性によるものであるという意見を強める。
(Tg cHa−ras)
迅速発癌性試験を、ヒト表現型c−HRAS遺伝子を有するトランスジェニック(Tg)マウス、すなわちBALB/cByJ×C57BL/6JF1−TgN(HRAS)2またはCB6F1−HRAS2マウスを用いて実施した。本研究を、迅速発癌性試験システムのためのモデルとしてのCB6F1−HRAS2マウスの評価における第一の段階として実施した。種々の遺伝子毒性発癌物質の短期試験の結果は、CB6F1−HRAS2マウスが、コントロールの非Tgマウスよりもこれらの発癌物質に対して感受性であることを示す。この第一段階評価研究によれば、コントロール非TgマウスよりもCB6F1−HRAS2マウスにおいて、種々の遺伝子毒性発癌物質での処理の後により高い確率で、より悪性の腫瘍がより急速に発症することおよびその発生率がより高いことが予期され得る。CB6F1−HRAS2マウスは、迅速発癌性試験システムの開発のための動物モデルとしての候補の見込みがあるようである。
発癌物質の同定の効率を改善するために必須である。
保持マウスの約60%が、血管肉腫を有する(Saitohら、Oncogene 5:1195−1200,1990)。肺腺癌、皮膚乳頭腫、ハーダー腺癌、およびリンパ腫もまた、18ヶ月齢で見られるが、よりずっと低い発生率である(Saitohら、Oncogene 5:1195−1200,1990)。しかし、いずれの腫瘍も前新生物病変も、6ヶ月齢のrasH2 マウスのF2トランスジェニック子孫では見られない(Saitohら、Oncogene 5:1195−1200,1990)。
1国立医薬品食品衛生研究所(National Institute of Health Sciences)(NIHS)。2山之内製薬株式会社。3中外製薬株式会社。4三共株式会社。5CIEA。6米国−日本共同研究。
a参考文献9;b未公開データ;c統計学的に有意でない。
ol 26,p 165−202,Lyon,France,1981)。10mg/kgまたは30mg/kgのシクロホスファミドの25週間の間、週に2回の慢性的な経口投与は、CB6F1−HRAS2マウスおよび非Tgマウスにおいて肺腫瘍を誘発した(Yamamotoら、Carcinogenesis 17:2455−2461,1996)。腺癌は、1匹のシクロホスファミド処理雄性CB6F1−HRAS2マウスにおいてのみ観察され、対応する非Tgマウスやビヒクル処理動物では観察されなかった。シクロホスファミド処理CB6F1−HRAS2マウスにおける肺腺腫の発生率は、対応する非Tgマウスとは有意な差異はなかった。他の器官(例えば、膀胱、乳腺、およびリンパ系)においては、いかなる腫瘍も観察されなかった(Yamamotoら、Carcinogenesis 17:2455−2461,1996)。
Res.52:978−982,1992)は、MNUの単回腹腔内(i.p.)注射後、rasH2マウスにおいて、対応する非Tgマウスに比較して噴門洞および皮膚の乳頭腫の発生率が高いことを報告した。リンパ腫の発生率は、75mg/kgのMNUで1回処理した雄性CB6F1−HRAS2マウスにおいて、対応する非Tgマウスにおける応答と比較して高かった(Yamamotoら、Carcinogenesis 17:2455−2461,1996)。
17:2455−2461,1996)。6ヶ月の観察期間の間、DEN処理非Tgマウスでは、これらの腫瘍は観察されなかった。CB6F1−HRAS2マウスにおける肺腺腫の発生率は、DEN投与の3ヵ月後では、非Tgマウスと同様であった。DEN投与の6ヶ月後、腺腫の発生率は、CB6F1−HRAS2マウスよりも非Tgマウスにおいて有意に高かった。このことは、CB6F1−HRAS2マウスにおいて肺腺癌の発生が増大したこと(Yamamotoら、Carcinogenesis 17:2455−2461,1996)に対応する。
のみで観察された。4HAQO処理Tgマウスも非TGマウスも、膵臓外分泌部(これまで、この発癌物質の標的組織であると考えられていた(Raoら、Int.J.Pancreatol.2:1−10,1987))においては腫瘍を発生させなかった。これらの迅速発癌性試験の結果を上記の表1に要約し、そして迅速発癌性試験に使用した化学物質のリストを表2に示す。
よびビニルカルバメート(Maronpotら、Toxicology 101:125−156,1995)は共に、肝腫瘍の強力な誘発因子として公知である。しかしながら、これらの化合物で処理したCB6F1−HRAS2マウスおよびコントロール非Tgマウスはともに、肝腫瘍を発生しなかった。マウスにおいて、多重遺伝子座が肝腫瘍発生を制御することが報告されている(Gariboldiら、Cancer Res.53:209−211,1993;Manentiら、Genomics 23:118−124,1994)。C57BL/6マウスは、C3Hマウス(肝臓癌形成に対して非常に感受性である系統(Diwanら、Carcinogenesis 7:215−220,1986;Draganiら、Cancer Res.51:6299−6303,1991))に比較して、化学的に誘発された肝臓癌形成に対して相対的に低い感受性を有する(Diwanら、Carcinogenesis 7:215−220,1986;Stanleyら、Carcinogenesis 13:2427−2433,1992)。BALB/cマウスは、肝臓癌形成に対して非常に耐性であり、雌性C57BL/6マウスと雄性BALB/cマウスとのF1雑種は、肝臓癌形成に対して低い感受性を有することが公知である(Maronpotら、Toxicology 101:125−156,1995,Stanleyら、Carcinogenesis 13:2427−2433,1992)。従って、CB6F1マウス(雄性C57BL/6マウスと雌性BALB/cマウスとのF1雑種)は、肝臓癌形成に対して、相対的に低い感受性を有するという可能性が非常に高いようである。
応答して、全くか、またはほんのわずかしか発生しなかった。このことは、CB6F1−HRAS2マウスが、コントロールCB6F1マウスと比較して、幾分かのさらなる肺腺腫の悪性進行をいくぶんかさらに加速させ得ることを示す。
施する予定である(表2)。上述の化学物質の中の6つの化学物質を、日本および米国で同時に試験したか、または試験予定である(表3)。
rasH2マウスモデルが、演出型レベルで再現性および反復性のある振舞いを備えるか否かを確認するため、特定の発癌物質に対する発癌性応答を多数の施設で調べ、腫瘍発生の発生率を施設間で比較した。
発癌物質:N−メチル−N−ニトロソ尿素(MNU)(アルキル化剤および遺伝子毒性発癌物質)を陽性コントロール発癌物質として使用した。陽性コントロール群中のマウスに、クエン酸緩衝生理食塩水(pH4.5)中に溶解した75mg/kgのMNUの単回腹腔内(i.p.)注射を与えた。75mg/kgの用量は、以前の用量発見研究に基づ
いて確立した。
噴門洞、皮膚、および膣における腫瘍(例えば、扁平上皮腫瘍)、ハーダー腺(Hardrian gland)における癌、肺における腺腫、ならびに悪性リンパ腫の発生率は、MNU処理rasH2マウスにおいて増大した。噴門洞腫瘍(図25)および悪性リンパ腫(図26)の高くて、一貫した発生率が、施設間で観察された。陽性コントロールとしてのMNUに対するrasH2マウスの発癌物質の振舞い全体が、質的および量的にも一貫した確固とした陽性応答に基づいて十分であると判断された(Usui,T.,ら、Toxicologic Pathology 29(Suppl.):90−108,2001)。
Claims (1)
- 本明細書に記載されるような発明。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US10/179,639 US20030237104A1 (en) | 2002-06-24 | 2002-06-24 | Methods for developing animal models |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004516199A Division JP2005530509A (ja) | 2002-06-24 | 2003-06-23 | 動物モデルの開発のための方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2010029219A true JP2010029219A (ja) | 2010-02-12 |
| JP2010029219A5 JP2010029219A5 (ja) | 2011-01-06 |
Family
ID=29734949
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004516199A Pending JP2005530509A (ja) | 2002-06-24 | 2003-06-23 | 動物モデルの開発のための方法 |
| JP2009259353A Pending JP2010029219A (ja) | 2002-06-24 | 2009-11-12 | 動物モデルの開発のための方法 |
Family Applications Before (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004516199A Pending JP2005530509A (ja) | 2002-06-24 | 2003-06-23 | 動物モデルの開発のための方法 |
Country Status (7)
| Country | Link |
|---|---|
| US (3) | US20030237104A1 (ja) |
| EP (1) | EP1521520A4 (ja) |
| JP (2) | JP2005530509A (ja) |
| CN (1) | CN1323583C (ja) |
| AU (1) | AU2003279279A1 (ja) |
| CA (1) | CA2490753A1 (ja) |
| WO (1) | WO2004000011A2 (ja) |
Families Citing this family (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20050108048A1 (en) * | 2003-11-18 | 2005-05-19 | The Jackson Laboratory | Methods and system for managing mouse colonies |
| CN102487894A (zh) * | 2011-12-12 | 2012-06-13 | 陕西震丰农林科技有限公司 | 一种西镇牛的标准化生产方法 |
| JP5927588B1 (ja) | 2015-02-20 | 2016-06-01 | 国立大学法人 熊本大学 | 新規過排卵誘起処理によるマウス卵子の大量作製法 |
| CN109362223B (zh) * | 2016-03-25 | 2023-08-25 | 普瑞菲根公司 | 高转导hsv载体 |
| WO2018017774A1 (en) | 2016-07-19 | 2018-01-25 | Altius Institute For Biomedical Sciences | Methods for fluorescence imaging microscopy and nano-fish |
| WO2018041120A1 (en) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | Beijing Biocytogen Co., Ltd | Genetically modified non-human animal with human or chimeric tigit |
| AU2018304396B2 (en) | 2017-07-19 | 2025-01-23 | Altius Institute For Biomedical Sciences | Methods and compositions for viral Nano-FISH |
| CN110063294B (zh) * | 2018-01-24 | 2024-01-02 | 东北林业大学 | 一种湿地水鸟生境偏好度划分方法 |
| CN109136175A (zh) * | 2018-08-13 | 2019-01-04 | 阜阳师范学院 | 一种用于胚胎移植的小鼠模型的构建方法及构建系统 |
| CN111802326B (zh) * | 2020-07-09 | 2022-06-17 | 中山大学附属口腔医院 | 一种Kras突变相关口腔黏膜恶变动物模型的构建方法 |
| CN113016713B (zh) * | 2021-03-03 | 2022-12-02 | 新疆医科大学第一附属医院 | 从犬粪中分离细粒棘球绦虫虫卵及体外孵化出六钩蚴的方法 |
| CN113080140A (zh) * | 2021-04-20 | 2021-07-09 | 仁怀市黔北麻羊原种场 | 一种黔北麻羊疫病的综合防控方法 |
| CN114134178B (zh) * | 2021-12-10 | 2023-05-16 | 中国食品药品检定研究院 | 致癌性小鼠模型及其建立方法和应用 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0701127B1 (en) * | 1994-03-18 | 2001-05-23 | Japan Poliomyelitis Research Institute | Method of testing neurotoxicity of poliovirus vaccine |
| US5917124A (en) * | 1997-09-12 | 1999-06-29 | Washington University | Transgenic mouse model of prostate cancer |
| CN1226378A (zh) * | 1999-04-01 | 1999-08-25 | 旭日干 | 羊“试管内”杂交育种技术 |
-
2002
- 2002-06-24 US US10/179,639 patent/US20030237104A1/en not_active Abandoned
-
2003
- 2003-06-23 CN CNB038200503A patent/CN1323583C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2003-06-23 JP JP2004516199A patent/JP2005530509A/ja active Pending
- 2003-06-23 AU AU2003279279A patent/AU2003279279A1/en not_active Abandoned
- 2003-06-23 WO PCT/US2003/019899 patent/WO2004000011A2/en active Application Filing
- 2003-06-23 EP EP03742166A patent/EP1521520A4/en not_active Withdrawn
- 2003-06-23 CA CA002490753A patent/CA2490753A1/en not_active Abandoned
-
2007
- 2007-02-28 US US11/713,243 patent/US20070204354A1/en not_active Abandoned
-
2008
- 2008-07-11 US US12/172,090 patent/US20080289059A1/en not_active Abandoned
-
2009
- 2009-11-12 JP JP2009259353A patent/JP2010029219A/ja active Pending
Non-Patent Citations (8)
| Title |
|---|
| JPN6009022292; 実験動物ハンドブック(昭和58年9月1日養賢堂発行)第6〜17頁 * |
| JPN6009064148; 家畜繁殖誌,vol.26(2), pp.81-88 (1980) * |
| JPN6009064150; Histochem.J., vol.18, pp.541-550 (1986) * |
| JPN6009064153; J.Anim.Sci., vol.69, pp.4299-4305 (1991) * |
| JPN7009002285; Manupulating the Mouse Embryo, A laboratory manual 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1 , pp.116-126 * |
| JPN7009002286; Manupulating the Mouse Embryo, A laboratory manual 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1 , pp.292-308 * |
| JPN7009002287; Toxicol.Lett., vol.102-103, pp.473-478 (1998) * |
| JPN7009002288; Virol., vol.206, pp.1075-1083 (1995) * |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| AU2003279279A1 (en) | 2004-01-06 |
| EP1521520A4 (en) | 2011-12-14 |
| CN1678189A (zh) | 2005-10-05 |
| JP2005530509A (ja) | 2005-10-13 |
| CN1323583C (zh) | 2007-07-04 |
| AU2003279279A8 (en) | 2004-01-06 |
| EP1521520A2 (en) | 2005-04-13 |
| WO2004000011A2 (en) | 2003-12-31 |
| US20070204354A1 (en) | 2007-08-30 |
| WO2004000011A3 (en) | 2004-03-25 |
| CA2490753A1 (en) | 2003-12-31 |
| US20030237104A1 (en) | 2003-12-25 |
| US20080289059A1 (en) | 2008-11-20 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2010029219A (ja) | 動物モデルの開発のための方法 | |
| CN108660161B (zh) | 基于CRISPR/Cas9技术的制备无嵌合基因敲除动物的方法 | |
| Burright et al. | SCA1 transgenic mice: a model for neurodegeneration caused by an expanded CAG trinucleotide repeat | |
| JP2007312783A (ja) | Dnaミスマッチ修復経路における変化の検出方法 | |
| CN104797132B (zh) | 基因敲入非人动物 | |
| WO2020240876A1 (ja) | エクソンヒト化マウス | |
| WO2005003359A1 (ja) | トランスジェニック生物を作製する方法およびシステム | |
| US7897834B2 (en) | Mutation in the rat adenomatous polyposis coli gene within the human mutation hotspot region | |
| JP2001211782A (ja) | tob遺伝子欠損ノックアウト非ヒト哺乳動物 | |
| CN111849977A (zh) | 一种精子载体制备转基因动物的方法以及一种制备矮小型转基因鸡的sgRNA和制备方法 | |
| US6307121B1 (en) | Bacteriophage-based transgenic fish for mutation detection | |
| US6642433B1 (en) | Fgl-2 knockout mice | |
| WO1993019166A1 (en) | Small animal model for studying cholesterol metabolism | |
| JP2000515386A (ja) | Ku欠損細胞と非ヒトトランスジェニック動物 | |
| US6472583B1 (en) | Plasmid-based mutation detection system in transgenic fish | |
| WO2003002746A2 (en) | Perv screening method and use thereof | |
| WO2006090918A1 (ja) | 糖尿病モデル動物 | |
| KR20050024393A (ko) | 동물 모델을 개발하는 방법 | |
| CN115896176B (zh) | 一种多靶位点基因组编辑获得原代100%基因突变黄鳝的方法及应用 | |
| US20080260753A1 (en) | Mouse Models of Crohn's Disease and a Method to Develop Specific Therapeutics | |
| US20040237128A1 (en) | Transgenic non-human animal having a disruption of at least one allele to the ceacam 1 gene and method of making same | |
| JP2004267002A (ja) | セネッセンスマーカープロテイン30欠損動物、抗体およびその作製方法 | |
| EP1454524A1 (en) | Hcv gene transgenic animal | |
| CN118525810A (zh) | 一种通过敲除spo11基因创制多倍体鱼类的方法 | |
| CN118956959A (zh) | 一种ifnar1和/或ifnar2基因修饰的非人动物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091112 |
|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091112 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100415 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101105 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120613 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20120912 |
|
| A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20120918 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120921 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130521 |