JP2020510114A - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む擬共沸組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、擬共沸組成物であって、この組成物の総モル数に対して60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含み、1〜50バールabsの間の、好ましくは12〜20バールabsの間の圧力にて45℃〜80℃の間の沸点を有する、擬共沸組成物に関する。本発明は、伝熱用途におけるこの組成物の使用にも関する。
Description
本発明は、いくつかの利用分野において有用である、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む組成物に関する。
クロロフルオロカーボン類(CFC)の製造及び使用の削減を義務付ける議定書に調印がなされたモントリオールにおいて、大気中のオゾン層を減少させる物質によって引き起こされた問題が検討された。本議定書は、CFCの廃止を義務付け、主題が規制をハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)を含む他の製品に拡張する改正であった。
冷蔵及び空調業界では、これらの冷媒流体の代替への多額な投資が行われてきたため、ハイドロフルオロカーボン類(HFC)が実用化されている。
自動車業界では、多くの国々で実用化された車両の空調システムがクロロフルオロカーボン(CFC−12)冷媒流体から、オゾン層への有害性が低いハイドロフルオロカーボン(1,1,1,2−テトラフルオロエタン:HFC−134a)冷媒流体に移行している。しかし、京都議定書による設定目標に関しては、HFC−134a(GWP=1430)は、温暖化力が上昇していると見なされている。流体の温室効果への寄与は、1つの基準であるGWP(地球温暖化係数、Global Warming Potential)によって定量化され、GWPは二酸化炭素を基準値1とした温暖化力を示す。
非毒性、不燃性であり、GWPがきわめて低い二酸化炭素は、HFC−134aに代わる空調システムの冷媒流体として提案されている。しかし、特に既存の装置及び技術における冷媒流体としての二酸化炭素の、非常に高圧における実装に関連して、二酸化炭素の使用にはいくつかの欠点がある。
特許文献1は、伝熱流体、特にテトラフルオロプロペン及びトリフルオロプロペンとして、m、nが1〜5の整数を表し、m+n=6である、式C3HmFnのヒドロフルオロプロペンの使用について記載している。
特許文献2は、少なくとも1種の、好ましくは最大150のGWPを有する、3又は4個の炭素原子を有するフルオロアルカン、特にペンタフルオロプロペン及びテトラフルオロプロペンを含む組成物の、伝熱流体としての使用を開示している。
特許文献3は、膨張助剤、例えばジフルオロメタン(HFC−32)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、ペンタフルオロブタン、水及び二酸化炭素などの、テトラフルオロプロペン、好ましくは1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの添加を開示している。
特許文献4は、70.4重量%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)及び29.6重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)を含む共沸組成物を開示している。本文献は、91重量%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び9重量%のジフルオロエタン(HFC−152a)を含む共沸組成物も開示している。
特許文献5は、−25℃における1〜99%のHFO−1234yf及び99〜1%のトランス−HFC−1234zeからなる擬共沸組成物について記載している。特許文献6は、R32、R125、R134a、1234ze及び1234yfを異なる割合で含む冷媒組成物について記載している。
特に上述の欠点の少なくとも1つを克服することを可能にし、特にゼロODP及びR407C又はR134aなどの既存のHFCよりも低いGWPを有する、新規組成物を見出す必要がある。
本発明は、擬共沸組成物であって、組成物の総モル数に対して60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり(consisting of))、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは10〜40バールabsの圧力で、最も好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、擬共沸組成物に関する。
一実施形態では、本発明は、擬共沸組成物であって、組成物の総モル数に対して60mol%〜98.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、好ましくは71mol%〜98.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1.1mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、有利には71mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは10〜40バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、擬共沸組成物に関する。
別途明記しない限り、出願全体において、示した化合物の割合は、モルパーセントとして示す。
本発明の文脈において、「HFO−1234yf」は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを示す。
本発明の文脈において、「トランス−HFO−1234ze」は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを示す。
本発明の文脈において、用語「x〜yの間」又は「x〜y」又は「x〜yを含む」は、限界値x及びyが含まれる範囲を説明するために使用される。例えば「0〜0.5%」範囲には、特に値0及び値0.5%が含まれる。
本発明の文脈において、「abs」とは、「絶対」を意味する。
化合物Aの揮発度は、平衡条件(圧力と温度の平衡)下での液相のモル分率(xA)に対する気相中のモル分率(yA)の比によって表される:α=yA/xA。化合物Bの揮発度は、平衡条件(圧力と温度の平衡)下での液相のモル分率(xB)に対する気相中のモル分率(yB)の比によって表される:α=yB/xB。
相対揮発度により、特に、2つの化合物A及びBの分離の容易さを測定できる。これは2つの化合物の揮発度の比である:αA,B=yAxB/xAyB。特に揮発度が高いほど、混合物はより容易に分離可能である。
本発明の文脈において、混合物の相対揮発度が0.95〜1.05の間である場合、このことは混合物が共沸性であることを意味する。
本発明の文脈において、相対揮発度が0.85〜0.95の間(0.95を除く)又は1.05(1.05を除く)〜1.15の間である場合、このことは混合物が擬共沸性であることを意味する。
本発明による組成物は、例えば異なる化合物を互いに単純に混合することによってなど、任意の既知の方法によって調製することができる。
本発明の組成物は、ゼロODP及び既存のHFCよりも低いGWPを有利に有する。さらに、これらの組成物は、既存のHFCのエネルギー性能、特にR134aのエネルギー性能よりも優れたエネルギー性能を有利に有する。本発明による擬共沸組成物は、特に既存の設備、例えばヒートポンプにおいて、R134aを代替するために有利に使用することができる。
これらの組成物は、有利には、非常に低い可燃性を有するか又は23℃にて不燃性であり、輸送のために不燃性として有利に分類される。
本出願の文脈において、可燃性はASHRAE規格34−2007を参照して定義される。より具体的には、50%相対湿度における伝熱流体の可燃性を、(使用する装置に関するASTM規格E681について記載している)ASHRAE規格34−2007に記載されている試験に従って求める。
さらに本発明による組成物は、コンプレッサの出力での低い過熱のために、高い凝縮温度にて有利に使用することができる。
一実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、
70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、70mol%〜98.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び1.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、71mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び2mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、75mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び2mol%〜25mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、80mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び0.1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
を含む。
70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、70mol%〜98.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び1.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、71mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び2mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、75mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び2mol%〜25mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、80mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び0.1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
好ましくは、88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン及び7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、
を含む。
一実施形態では、擬共沸組成物は、特に1〜50バールabsの圧力で、好ましくは10〜40バールabsの圧力で、優先的には12〜20バールabsの圧力で、好ましくは12〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、優先的には15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、50℃〜75℃の、好ましくは55℃〜70℃の、優先的には55℃〜65℃の、特に58℃〜62°Cの沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して71mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して75mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜25mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して80mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
一実施形態では、擬共沸組成物は、組成物の総モル数に対して、60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する。
好ましい実施形態では、擬共沸組成物は、60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、有利には70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、優先的には80mol%〜99mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、より優先的には80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、さらに好ましくは85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、特に88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、好ましくは12〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、優先的には15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、50℃〜75℃の沸点を有する。
好ましい実施形態では、擬共沸組成物は、60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、有利には70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、好ましくは80mol%〜99mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、より優先的には80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、さらにより優先的には80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、さらにより優先的には85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、特に88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、好ましくは12〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、優先的には15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、50℃〜70℃の沸点を有する。
好ましい実施形態では、擬共沸組成物は、60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、有利には70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、好ましくは80mol%〜99mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、より優先的には80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、さらにより優先的には85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、特に88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、好ましくは12〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、優先的には15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、55℃〜65℃の沸点を有する。
好ましい実施形態では、擬共沸組成物は、60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、有利には70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、好ましくは80mol%〜99mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、より優先的には80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、さらにより優先的には85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、特に88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物は、1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、好ましくは12〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、優先的には15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、58℃〜62℃の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、64mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5mol%〜36mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、64mol%〜94mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、6mol%〜36mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、65mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、35mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、75mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、80mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、86mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、14mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、90mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
好ましい実施形態では、本発明による擬共沸組成物は、92mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、8mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み(好ましくは、それらからなり)、前記組成物は、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する。
伝熱組成物
一実施形態では、本発明の共沸組成物は伝熱流体である。
一実施形態では、本発明の共沸組成物は伝熱流体である。
本発明による共沸組成物は、(検討される用途では本質的に伝熱化合物ではない)1種以上の添加剤を含むことができる。
添加剤は、特にナノ粒子、安定剤、界面活性剤、追跡剤(トレース剤)、蛍光剤、着臭剤、潤滑剤及び可溶化剤から選択することができる。
「伝熱化合物」、それぞれ「伝熱流体」又は「冷媒流体」という用語は、蒸気圧縮回路において、低温低圧で蒸発することにより熱を吸収しやすい流体、及び高温高圧で凝縮することにより、熱を放出しやすい流体をそれぞれ説明するために使用される。一般に伝熱流体は、1、2、3の又は3を超える伝熱化合物を含むことができる。
「伝熱組成物」という用語は、伝熱流体と、場合により、検討される用途では伝熱化合物ではない、1種以上の添加剤とを含む組成物を説明するために使用される。
本発明は、上述の発明による共沸組成物と、少なくとも1種の添加剤とを含む(好ましくは、それらからなる)伝熱組成物に関しており、添加剤は、特にナノ粒子、安定剤、界面活性剤、追跡剤、蛍光剤、着臭剤、潤滑剤及び可溶化剤から選択される少なくとも1種である。好ましくは、添加剤は潤滑剤、特にポリオールエステル系潤滑剤から選択される。
安定剤は、存在する場合、伝熱組成物の最大5質量%に相当することが好ましい。安定剤の中でも、特にニトロメタン、アスコルビン酸、テレフタル酸、トルトリアゾール又はベンゾトリアゾールなどのアゾール、トコフェロールなどのフェノール化合物、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−ter−ブチル−4−メチルフェノール、n−ブチルグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテルなどのエポキシド(場合によりフッ素化若しくは過フッ素化又はアルケニル若しくは芳香族アルキル)、ホスファイト、ホスホネート、チオール及びラクトンが挙げられる。
ナノ粒子として、特にカーボンナノ粒子、金属酸化物(銅、アルミニウム)、TiO2、Al2O3、MoS2などを使用することができる。
(検出されやすい)追跡剤としては、重水素化(又は非重水素化)ハイドロフルオロカーボン、重水素化炭化水素、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、ブロメート化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、窒素プロトキシド及びそれらの組合せを挙げることができる。追跡剤は、伝熱流体を形成する伝熱化合物とは異なる。
可溶化剤として、炭化水素、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレンエーテル、アミド、ケトン、窒化物、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテル及び1,1,1−トリフルオロアルカンを挙げることができる。可溶化剤は、伝熱流体を形成する伝熱化合物とは異なる。
蛍光剤として、ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナントラセン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセイン及びその誘導体並びにそれらの組合せを挙げることができる。
着臭剤として、アルキルアクリレート、アリルアクリレート、アクリル酸、アクリルエステル、アルキルエーテル、アルキルエステル、アルキン、アルデヒド、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、アリルイソチオシアネート、アルカン酸、アミン、ノルボルネン、ノルボルネンの誘導体、シクロヘキセン、複素環芳香族化合物、アスカリドール、o−メトキシ(メチル)フェノール及びそれらの組合せを挙げることができる。
本発明の文脈において、「潤滑剤」、「潤滑化油」及び「潤滑油」という用語は、同じものを意味するために使用される。
潤滑剤として、特に鉱物由来の油、シリコーン油、天然由来パラフィン、ナフテン、合成パラフィン、アルキルベンゼン、ポリアルファオレフィン、ポリアルケングリコール、ポリオールエステル及び/又はポリビニルエーテルを使用することができる。
ポリビニルエーテル(PVE)油は、以下の2つのモチーフのコポリマーであることが好ましい:
油の特性(特に流体の粘度、溶解性及び流体との混和性)は、比m/n及び合計m+nを変化させることで調整することができる。好ましいPVE油は、50〜95重量%のモチーフ1を有するものである。
一実施形態では、潤滑剤はポリオールエステル系である。特に、潤滑剤は1種以上のポリオールエステルを含む。
一実施形態では、ポリオールエステルは、少なくとも1種のポリオールと、カルボン酸又はカルボン酸の混合物との反応により得られる。
本発明の文脈において、別途明記しない限り、「ポリオール」という用語は、少なくとも2個のヒドロキシル(−OH)基を含有する化合物を説明するために使用される。
ポリオールエステルA)
一実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下の式(I)に相当し:
R1[OC(O)R2]n(I)
式中:
R1は、場合により少なくとも1個のヒドロキシル基によって置換され及び/又は−O−、−N−及び−S−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルであり;
各R2は、互いに独立しており、以下から成る群から選択され:
oi)H;
oii)脂肪族炭化水素ラジカル;
oiii)分枝炭化水素ラジカル;
oiv)ラジカルii)及び/又はiii)と、8〜14個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルとの混合物;
nは少なくとも2の整数である。
一実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下の式(I)に相当し:
R1[OC(O)R2]n(I)
式中:
R1は、場合により少なくとも1個のヒドロキシル基によって置換され及び/又は−O−、−N−及び−S−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルであり;
各R2は、互いに独立しており、以下から成る群から選択され:
oi)H;
oii)脂肪族炭化水素ラジカル;
oiii)分枝炭化水素ラジカル;
oiv)ラジカルii)及び/又はiii)と、8〜14個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルとの混合物;
nは少なくとも2の整数である。
本発明の文脈において、炭化水素ラジカルという用語は、炭素及び水素原子から構成されるラジカルを説明するために使用される。
一実施形態では、ポリオールは以下の一般式(II)を有し:
R1(OH)n (II)
式中:
R1は、場合により少なくとも1個のヒドロキシル基、好ましくは2個のヒドロキシル基によって置換され、及び/又は−O−、−N−及び−S−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルであり;
nは少なくとも2の整数である。
R1(OH)n (II)
式中:
R1は、場合により少なくとも1個のヒドロキシル基、好ましくは2個のヒドロキシル基によって置換され、及び/又は−O−、−N−及び−S−からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルであり;
nは少なくとも2の整数である。
好ましくは、R1は、4〜40個の炭素原子、好ましくは4〜20個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルである。
好ましくは、R1は、少なくとも1個の酸素原子を含む、直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルである。
好ましくは、R1は、2個のヒドロキシル基で置換された、4〜10個の炭素原子、好ましくは5個の炭素原子を含む分枝炭化水素ラジカルである。
好ましい実施形態では、ポリオールは、2〜10個のヒドロキシル基、好ましくは2〜6個のヒドロキシル基を含む。
本発明によるポリオールは、1個以上のオキシアルキレン基を含むことができ、この特定の場合、これらはポリエーテルポリオールである。
本発明によるポリオールはまた、1個以上の窒素原子を含むこともできる。例えば、ポリオールは、3〜6個のOH基を含むアルカノールアミンであることができる。好ましくは、ポリオールは、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個のOH基を含むアルカノールアミンである。
本発明では、好ましいポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリグリセロール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ヘキサグリセロール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明では、カルボン酸は、以下の一般式(III)に相当し得、
R2COOH (III)
式中:
R2は、以下から成る群から選択され:
oi)H;
oii)脂肪族炭化水素ラジカル;
oiii)分枝炭化水素ラジカル;
oiv)ラジカルii)及び/又はiii)と、8〜14個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルとの混合物。
R2COOH (III)
式中:
R2は、以下から成る群から選択され:
oi)H;
oii)脂肪族炭化水素ラジカル;
oiii)分枝炭化水素ラジカル;
oiv)ラジカルii)及び/又はiii)と、8〜14個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルとの混合物。
好ましくは、R2は、1〜10個、好ましくは1〜7個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルである。
好ましくは、R2は、4〜20個の炭素原子、特に5〜14個の炭素原子、好ましくは6〜8個の炭素原子を含む分枝炭化水素ラジカルである。
好ましい実施形態では、分枝炭化水素ラジカルは以下の式(IV)を有し:
−C(R3)R4)(R5) (IV)
式中、R3、R4及びR5は、互いに独立してアルキル基であり、アルキル基の少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子を含む。そのような分枝アルキル基は、カルボキシル基に結合すると、「ネオ基」という名前で知られ、対応する酸は「ネオ酸」として知られている。好ましくは、R3及びR4はメチル基であり、R10は少なくとも2個の炭素原子を含むアルキル基である。
−C(R3)R4)(R5) (IV)
式中、R3、R4及びR5は、互いに独立してアルキル基であり、アルキル基の少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子を含む。そのような分枝アルキル基は、カルボキシル基に結合すると、「ネオ基」という名前で知られ、対応する酸は「ネオ酸」として知られている。好ましくは、R3及びR4はメチル基であり、R10は少なくとも2個の炭素原子を含むアルキル基である。
本発明では、ラジカルR2は、1個以上のカルボキシ基又は例えば−COOR6などのエステル基を含むことができ、R6はアルキル基、ヒドロキシアルキルラジカル基又はヒドロキシアルキルオキシアルキル基を表す。
好ましくは、式(III)の酸R2COOHはモノカルボン酸である。
炭化水素ラジカルが脂肪族であるカルボン酸の例は、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸及びヘプタン酸である。
炭化水素ラジカルが分枝であるカルボン酸の例は、特に:2−エチル−n−酪酸、2−ヘキシルデカン酸、イソステアリン酸、2−メチル−ヘキサン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、3,5,5−トリメチル−ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオヘプタン酸、ネオデカン酸である。
式(I)のポリオールエステルの調製に使用できる、第3の種類のカルボン酸は、8〜14個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカルを含むカルボン酸である。例えば、以下の、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸などを挙げることができる。ジカルボン酸の中でも、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などを挙げることができる。
好ましい実施形態では、式(I)のポリオールエステルの調製に使用されるカルボン酸は、モノカルボン酸とジカルボン酸との混合物を含み、モノカルボン酸の割合が大部分を占める。特に、ジカルボン酸が存在すると、粘度が上昇したポリオールエステルが形成される。
特に、カルボン酸とポリオールとの反応による式(I)のポリオールエステルの形成反応は、酸によって触媒される反応である。特に、これは可逆反応であり、大量の酸を使用することにより、又は反応中に形成された水を除去することにより完了させることができる。
エステル化反応は、硫酸、リン酸などの有機酸又は無機酸の存在下で行うことができる。
好ましくは、反応は触媒の不存在下で実施される。
カルボン酸とポリオールの量は、所望の結果に応じて混合物中で変化させることができる。すべてのヒドロキシル基がエステル化される特定の場合、十分な量のカルボン酸を添加してすべてのヒドロキシルと反応させる必要がある。
一実施形態では、カルボン酸の混合物の使用中に、これらはポリオールと連続的に反応することができる。
好ましい実施形態では、カルボン酸の混合物の使用中に、ポリオールは最初にカルボン酸、通例、より高分子量のカルボン酸と反応し、続いて脂肪族炭化水素鎖を有するカルボン酸と反応する。
一実施形態では、エステルは、高温にて酸の存在下で、反応中に形成される水を除去しながら、カルボン酸(又はその無水物若しくはそのエステル誘導体)とポリオールとの反応によって形成することができる。通例、反応は75〜200℃の温度で実施することができる。
別の実施形態では、形成されたポリオールエステルは、すべて反応しているわけではないヒドロキシル基を含むことができ、この場合、これらは部分エステル化されたポリオールエステルである。
好ましい実施形態では、ポリオールエステルは、ペンタエリスリトールアルコールと、カルボン酸:イソノナン酸、8〜10個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルを有する少なくとも1種の酸、及びヘプタン酸の混合物と、から得られる。好ましいポリオールエステルは、ペンタエリスリトールと、70%のイソノナン酸、15%の8〜10個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素ラジカルを有する少なくとも1種のカルボン酸及び15%のヘプタン酸の混合物とから得られる。例えばCPI Engineering Services Inc.によって商品化されているSolest68オイルを挙げることができる。
ポリオールエステルB)
別の実施形態では、本発明のポリオールエステルは、最大8個の炭素原子を含む1つ以上の分枝カルボン酸の少なくとも1種のエステルを含む。エステルは、特に前記分枝カルボン酸と1種以上のポリオールとの反応によって得られる。
別の実施形態では、本発明のポリオールエステルは、最大8個の炭素原子を含む1つ以上の分枝カルボン酸の少なくとも1種のエステルを含む。エステルは、特に前記分枝カルボン酸と1種以上のポリオールとの反応によって得られる。
好ましくは、分枝カルボン酸は少なくとも5個の炭素原子を含む。特に、分枝カルボン酸は5〜8個の炭素原子を含み、好ましくは5個の炭素原子を含む。
好ましくは、上記分枝カルボン酸は9個の炭素原子を含まない。特に、前記カルボン酸は3,5,5−トリメチルヘキサン酸ではない。
好ましい実施形態では、分枝カルボン酸は、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸及びそれらの混合物から選択される。
好ましい実施形態では、ポリオールは、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、ポリオールエステルは:
i)2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸及びそれらの混合物から選択されるカルボン酸;と、
ii)ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリオールと、
から得られる。
i)2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸及びそれらの混合物から選択されるカルボン酸;と、
ii)ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリオールと、
から得られる。
好ましくは、ポリオールエステルは、2−メチルブタン酸とペンタエリスリトールとから得られるものである。
好ましくは、ポリオールエステルは、2−メチルブタン酸とジペンタエリスリトールとから得られるものである。
好ましくは、ポリオールエステルは、3−メチルブタン酸とペンタエリスリトールとから得られるものである。
好ましくは、ポリオールエステルは、3−メチルブタン酸とジペンタエリスリトールとから得られるものである。
好ましくは、ポリオールエステルは、2−メチルブタン酸とネオペンチルグリコールとから得られるものである。
ポリオールエステルC)
別の実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下によって得られるポリ(ネオペンチルポリオール)エステルである:
i)以下の式(V)を有するネオペンチルポリオールを、
(式中:
各Rは、互いに独立して、CH3、C2H5又はCH2OHを表す;
pは1〜4の整数である)
2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸と、酸触媒の存在下、カルボキシル基とヒドロキシル基とのモル比が1:1未満で反応させて、部分エステル化ポリ(ネオペンチル)ポリオール組成物を形成する;
ii)ステップi)で得られた部分エステル化ポリ(ネオペンチル)ポリオール組成物と、2〜15個の炭素原子を有する別のカルボン酸とを反応させて、ポリ(ネオペンチルポリオール)エステルの最終組成物を形成する。
別の実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下によって得られるポリ(ネオペンチルポリオール)エステルである:
i)以下の式(V)を有するネオペンチルポリオールを、
(式中:
各Rは、互いに独立して、CH3、C2H5又はCH2OHを表す;
pは1〜4の整数である)
2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸と、酸触媒の存在下、カルボキシル基とヒドロキシル基とのモル比が1:1未満で反応させて、部分エステル化ポリ(ネオペンチル)ポリオール組成物を形成する;
ii)ステップi)で得られた部分エステル化ポリ(ネオペンチル)ポリオール組成物と、2〜15個の炭素原子を有する別のカルボン酸とを反応させて、ポリ(ネオペンチルポリオール)エステルの最終組成物を形成する。
好ましくは、反応i)は、1:4〜1:2のモル比で実施される。
好ましくは、ネオペンチルポリオールは以下の式(VI)を有する:
式中、各Rは、互いに独立して、CH3、C2H5又はCH2OHを表す。
式中、各Rは、互いに独立して、CH3、C2H5又はCH2OHを表す。
好ましいネオペンチルポリオールは、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン及びネオペンチルグリコールから選択されるものである。特に、ネオペンチルポリオールはペンタエリスリトールである。
好ましくは、単一のネオペンチルポリオールを使用して、POE系潤滑剤を製造する。ある場合には、2種以上のネオペンチルポリオールが使用される。このことは特に、ペンタエリスリトールの市販品が少量のジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール及びテトラエリスリトールを含む場合に当てはまる。
好ましい実施形態では、上述のモノカルボン酸は、5〜11個の炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子を含む。
モノカルボン酸は、特に、以下の一般式(VII)を有する:
R’C(O)OH (VII)
式中、R’は、直鎖又は分枝のC1−C12のアルキルラジカル、C6−C12のアリールラジカル、C6−C30のアラルキルラジカルである。好ましくは、R’はC4−C10、好ましくはC5−C9のアルキルラジカルである。
R’C(O)OH (VII)
式中、R’は、直鎖又は分枝のC1−C12のアルキルラジカル、C6−C12のアリールラジカル、C6−C30のアラルキルラジカルである。好ましくは、R’はC4−C10、好ましくはC5−C9のアルキルラジカルである。
特に、モノカルボン酸は、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、3−メチルブタン酸、2−メチルブタン酸、2,4−ジメチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,3,5−トリメチルヘキサン酸、安息香酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、モノカルボン酸は、n−ヘプタン酸、又はn−ヘプタン酸と別の直鎖モノカルボン酸、特にn−オクタン酸及び/又はn−デカン酸との混合物である。そのようなモノカルボン酸混合物は、15〜100mol%のヘプタン酸と、85〜0mol%の他のモノカルボン酸とを含むことができる。特に、混合物は、75〜100mol%のヘプタン酸と、25〜0mol%の、モル比3:2のオクタン酸とデカン酸との混合物とを含む。
好ましい実施形態では、ポリオールエステルは:
i)45〜55重量%の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのモノペンタエリスリトールエステル;
ii)13重量%未満の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのジペンタエリスリトールエステル;
iii)10重量%未満の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのトリペンタエリスリトールエステル;及び
iv)少なくとも25重量%の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのテトラエリスリトールエステル及び他のペンタエリスリトールオリゴマー;
を含む。
i)45〜55重量%の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのモノペンタエリスリトールエステル;
ii)13重量%未満の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのジペンタエリスリトールエステル;
iii)10重量%未満の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのトリペンタエリスリトールエステル;及び
iv)少なくとも25重量%の、2〜15個の炭素原子を有する少なくとも1種のモノカルボン酸とのテトラエリスリトールエステル及び他のペンタエリスリトールオリゴマー;
を含む。
ポリオールエステルD)
別の実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下の式(VIII)を有する:
式中:
R7、R8、R9、R10、R11及びR12は互いに独立して、H又はCH3であり;
a、b、c、y、x及びzは互いに独立して、整数であり;
a+x、b+y及びc+zは互いに独立して、1〜20の整数であり;
R13、R14及びR15は互いに独立して、脂肪族又は分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールシクロアルキル、シクロアルキルアリール、アルキルシクロアルキルアリール、アルキルアリールシクロアルキル、アリールシクロアルキルアルキル、アリールアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキルアリール及びシクロアルキルアリールアルキルからなる群から選択され、R13、R14及びR15は1〜17個の炭素原子を有し、場合により置換され得る。
別の実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下の式(VIII)を有する:
式中:
R7、R8、R9、R10、R11及びR12は互いに独立して、H又はCH3であり;
a、b、c、y、x及びzは互いに独立して、整数であり;
a+x、b+y及びc+zは互いに独立して、1〜20の整数であり;
R13、R14及びR15は互いに独立して、脂肪族又は分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールシクロアルキル、シクロアルキルアリール、アルキルシクロアルキルアリール、アルキルアリールシクロアルキル、アリールシクロアルキルアルキル、アリールアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキルアリール及びシクロアルキルアリールアルキルからなる群から選択され、R13、R14及びR15は1〜17個の炭素原子を有し、場合により置換され得る。
好ましい実施形態では、R13、R14及びR15はそれぞれ互いに独立して、直鎖又は分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基は、N、O、Si、F又はSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含むことができる。好ましくは、R13、R14及びR15はそれぞれ互いに独立して、3〜8個の炭素原子、好ましくは5〜7個の炭素原子を有する。
好ましくは、a+x、b+y及びc+zは互いに独立して、1〜10の、好ましくは2〜8の、さらにより好ましくは2〜4の整数である。
好ましくは、R7、R8、R9、R10、R11及びR12はHを表す。
上記式(VIII)のポリオールエステルは、典型的には、WO2012/177742の段落[0027]〜[0030]に記載されているように調製することができる。
特に、式(VIII)のポリオールエステルは、グリセロールアルコキシレート(WO2012/177742の段落[0027]に記載されているものなど)と2〜18個の炭素原子を有する1種以上のモノカルボン酸とのエステル化により得られる。
好ましい実施形態では、モノカルボン酸は以下の式の1つを有する:
R13COOH
R14COOH及び
R15COOH
式中、R13、R14及びR15は上で定義されたようなものである。無水物、エステル及びアシルハライド(酸ハロゲン化物)などのカルボン酸の誘導体も使用できる。
R13COOH
R14COOH及び
R15COOH
式中、R13、R14及びR15は上で定義されたようなものである。無水物、エステル及びアシルハライド(酸ハロゲン化物)などのカルボン酸の誘導体も使用できる。
エステル化は、1種以上のモノカルボン酸を用いて行うことができる。好ましいモノカルボン酸は、酢酸、プロパン酸、酪酸、イソブタン酸、ピバル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,3,5−トリメチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、シトロネリン酸、ウンデカン酸、ベヘン酸、テトラヒドロ安息香酸、水素化(又は非水素化)アビエチン酸、2−エチルヘキサン酸、フロ酸、安息香酸、4−アセチル安息香酸、ピルビン酸、4−tert−ブチル安息香酸、ナフテン酸、2−メチル安息香酸、サリチル酸、それらの異性体、それらのメチルエステル及びそれらの混合物からなる群から選択されるものである。
好ましくは、エステル化は、ペンタン酸、2−メチルブタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、3,3,5−トリメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸及びイソノナン酸からなる群から選択される1種以上のモノカルボン酸を用いて行われる。
好ましくは、エステル化は、酪酸、イソ酪酸、n−ペンタン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,3,5−トリメチルヘキサン酸、n−ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される1種以上のモノカルボン酸を用いて行われる。
別の実施形態では、本発明によるポリオールエステルは、以下の式(IX)を有する:
式中:
R17及びR18はそれぞれ互いに独立して、H又はCH3であり;
m及びnはそれぞれ互いに独立して整数であり、m+nは1〜10の整数であり;
R16及びR19は互いに独立して、脂肪族又は分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールシクロアルキル、シクロアルキルアリール、アルキルシクロアルキルアリール、アルキルアリールシクロアルキル、アリールシクロアルキルアルキル、アリールアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアリール及びシクロアルキルアリールアルキルからなる群から選択され、
R16及びR19は1〜17個の炭素原子を有し、場合により置換され得る。
式中:
R17及びR18はそれぞれ互いに独立して、H又はCH3であり;
m及びnはそれぞれ互いに独立して整数であり、m+nは1〜10の整数であり;
R16及びR19は互いに独立して、脂肪族又は分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールシクロアルキル、シクロアルキルアリール、アルキルシクロアルキルアリール、アルキルアリールシクロアルキル、アリールシクロアルキルアルキル、アリールアルキルシクロアルキル、シクロアルキルアリール及びシクロアルキルアリールアルキルからなる群から選択され、
R16及びR19は1〜17個の炭素原子を有し、場合により置換され得る。
好ましい実施形態では、R16及びR19はそれぞれ互いに独立して、直鎖又は分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基は場合により、N、O、Si、F又はSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む。好ましくは、R16及びR19はそれぞれ互いに独立して、3〜8個の炭素原子、好ましくは5〜7個の炭素原子を有する。
好ましい実施形態では、R17及びR18はそれぞれHを表し、及び/又はm+nは2〜8、4〜10、2〜5若しくは3〜5の整数である。特に、m+nは2、3、又は4に等しい。
好ましい実施形態では、上記式(IX)のポリオールエステルは、特に4〜9個の炭素原子を有する1種又は2種のモノカルボン酸を有するグリコールトリエチレンジエステル、グリコールテトラエチレンジエステルである。
上記式(IX)のポリオールエステルは、エチレングリコール、プロピレングリコール又はオリゴ若しくはポリアルキレングリコール(オリゴ若しくはポリエチレングリコール、オリゴ若しくはポリプロピレングリコール又はグリコール−プロピレンエチレンブロックコポリマーグリコール)と、2〜18個の炭素原子を有する1種又は2種のモノカルボン酸とのエステル化によって調製することができる。エステル化は、上記式(VIII)のポリオールエステルを調製するために実施されるエステル化反応と同様に行うことができる。
特に、上記式(VIII)のポリオールエステルの調製に使用されたものとの同じモノカルボン酸を使用して、式(IX)のポリオールエステルを形成することができる。
一実施形態では、本発明によるポリオールエステル系潤滑剤は、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、優先的には40〜60重量%の少なくとも1種の式(VIII)のポリオールエステルと、80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%、優先的には60〜40重量%の少なくとも1種の式(IX)のポリオールエステルとを含む。
一般に、あるアルコール官能基をエステル化反応中にエステル化することはできないが、その割合は低いままである。したがって、POEは、−CH2−O−C(=O)−モチーフに対し、CH2OHモチーフを0〜5mol%含むことができる。
本発明による好ましいPOE潤滑剤は、40℃で1〜1000センチストークス(cSt)、好ましくは10〜200cSt、さらにより好ましくは20〜100cSt、有利には30〜80cStの粘度を有するものである。
オイルの国際分類は、特に規格ISO3448−1992(NF T60−141)で規定され、これに従って40℃の温度で測定した平均粘度クラスによりオイルが命名される。
一実施形態では、伝熱組成物中の本発明による共沸組成物の含有量は、伝熱組成物の総重量に対して、1〜5重量%、又は5〜10重量%、又は10〜15重量%、又は15〜20重量%、又は20〜25重量%、又は25〜30重量%、又は30〜35重量%、又は35〜40重量%、又は40〜45重量%、又は45〜50重量%、又は50〜55重量%、又は55〜60重量%、又は60〜65重量%、又は65〜70重量%、又は70〜75重量%、又は75〜80重量%、又は80〜85重量%、又は85〜90重量%、又は90〜95重量%、又は95〜99%重量、又は99〜99.5重量%、又は99.5〜99.9重量%、又は99.9重量%超となる。本発明による共沸組成物含有量は、上記の範囲のいくつか、例えば50〜55%及び55〜60%、即ち50〜60%などで変化させることもできる。
好ましい実施形態では、伝熱組成物は、伝熱組成物の総重量に対して50重量%を超える、特に50重量%〜99重量%の本発明の共沸組成物を含む。
本発明による伝熱組成物において、潤滑剤、特にポリオールエステル系潤滑剤(POE)の質量割合は、特に組成物の1〜5%、又は組成物の5〜10%、又は組成物の10〜15%、又は組成物の15〜20%、又は組成物の20〜25%、又は組成物の25〜30%、又は組成物の30〜35%、又は組成物の35〜40%、又は組成物の40〜45%、又は組成物の45〜50%、又は組成物の50〜55%、又は組成物の55〜60%、又は組成物の60〜65%、又は組成物の65〜70%、又は組成物の70〜75%、又は組成物の75〜80%、又は組成物の80〜85%、又は組成物の85〜90%、又は組成物の90〜95%、又は組成物の95〜99%、又は組成物の99〜99.5%、又は組成物の99.5〜99.9%、又は組成物の99.9%超を示すことができる。潤滑油の含有量は、上記の範囲のいくつか、例えば、50〜55%及び55〜60%、即ち50〜60%などで変化させることもできる。
使用
本発明は、伝熱流体として上で定義したような擬共沸組成物の使用に関する。
本発明は、伝熱流体として上で定義したような擬共沸組成物の使用に関する。
本発明は、蒸気圧縮回路を含む伝熱システムにおける、本発明による擬共沸組成物又は伝熱組成物の使用にも関する。
一実施形態では、伝熱システムは:
空調システム;又は
冷蔵システム;又は
冷凍システム;又は
ヒートポンプシステム
である。
空調システム;又は
冷蔵システム;又は
冷凍システム;又は
ヒートポンプシステム
である。
本発明は、本発明による擬共沸組成物又は伝熱組成物を含む蒸気圧縮回路を備えた伝熱設備の使用に基づく、伝熱方法にも関する。伝熱方法は、流体又は本体を加熱又は冷却する方法であり得る。
擬共沸組成物又は伝熱組成物は、特にランキンサイクル下で機械的仕事又は電気を生成する方法でも使用できる。
本発明は、本発明による擬共沸組成物又は伝熱組成物を含む蒸気圧縮回路を備える伝熱設備にも関する。
一実施形態では、この設備は、可動式又は定置式冷蔵設備、熱(ヒートポンプ)設備、空調設備及び冷凍設備、並びに燃焼機関から選択される。
特に、これはヒートポンプ設備であり得、この場合、加熱される流体又は本体(一般に空気及び場合によりは1つ以上の製品、物体又は本体)は域内又は車両キャビン(可動式設備の場合)内に配置される。好ましい実施形態では、この設備は空調設備であり、この場合、冷却される流体又は本体(一般に空気及び場合によりは1つ以上の製品、物体又は本体)は域内又は車両キャビン(可動式設備の場合)に配置される。設備は冷蔵設備又は冷凍設備(又は極低温設備)であり得、この場合、冷却される流体又は本体は、一般に空気及び1つ以上の製品、物体又は本体を含み、それは域内又はコンテナ内に配置される。
特に、伝熱設備はヒートポンプ、又は空調設備、例えばチラーである。
本発明は、伝熱流体又は伝熱組成物を含む蒸気圧縮回路によって流体又は本体を加熱又は冷却する方法にも関し、前記方法は、流体又は伝熱組成物の蒸発、流体又は伝熱組成物の圧縮、流体又は伝熱組成物の凝縮及び流体又は伝熱組成物の膨張を連続的に含み、伝熱流体は、本発明による擬共沸組成物であり、又は伝熱組成物は上記の伝熱組成物である。
本発明はまた、燃焼機関によって電気を生成する方法にも関し、前記方法は、伝熱流体又は伝熱組成物の蒸発、電気の発生を可能にするタービンにおける流体又は伝熱組成物の膨張、流体又は伝熱組成物の凝縮及び流体又は伝熱組成物の圧縮を連続的に含み、伝熱流体は本発明による擬共沸組成物であり、伝熱組成物は上記の伝熱組成物である。
本発明による流体又は伝熱組成物を含む蒸気圧縮回路は、少なくとも1つのエバポレータと、好ましくはスクリュー型のコンプレッサと、コンデンサ又はエキスパンダと、これらの要素間の、流体又は伝熱組成物の輸送ラインとを備える。エバポレータ及びコンデンサは、流体又は伝熱組成物と別の流体又は本体との間の熱交換を可能にする熱交換器を備える。
本発明の文脈で使用されるエバポレータは、過熱式エバポレータ又は満液式エバポレータであり得る。過熱式エバポレータにおいて、上述の流体又は伝熱組成物すべてがエバポレータの出口で蒸発し、蒸気相が過熱される。
満液式エバポレータにおいて、液体の流体/伝熱組成物は完全には蒸発しない。満液式エバポレータは、液相・蒸気相分離器を備える。
コンプレッサとして、特に1つ以上の段を備えた遠心式コンプレッサ又は遠心式小型コンプレッサを使用することができる。回転ピストン又はスクリュコンプレッサも使用できる。
別の実施形態では、蒸気圧縮回路は、スクリュコンプレッサ、好ましくは2軸又は単軸コンプレッサを含む。特に、蒸気圧縮回路は、大量のオイルフロー、例えば最大6.3L/秒のオイルフローを実現できる2軸コンプレッサを備えている。
遠心式コンプレッサは、回転要素を使用して、流体又は伝熱組成物を半径方向に加速することを特徴とする。通常、それは、筐体内に収容された少なくとも1個のロータとディフューザとを備える。伝熱流体又は伝熱組成物は、ロータの中心に導入され、加速を受けてロータの外周に向かって循環する。このため、一方ではロータにおいて静圧が上昇し、特に他方では、ディフューザのレベルにて、速度が静圧の上昇に変換される。各ロータ/ディフューザアセンブリは、コンプレッサの段を構成する。遠心式コンプレッサは、所望の最終圧及び処理される流体量に従って、1〜12段を備えることができる。
圧縮率は、入口における流体又は伝熱組成物の絶対圧に対する、出口における流体/伝熱組成物の絶対圧の比として定義される。
大型遠心式コンプレッサの回転速度は、毎分3000〜7000回転である。小型遠心式コンプレッサ(又は遠心式ミニコンプレッサ)は、通常、毎分40000〜70000回転の範囲に及ぶ回転速度で機能し、小型ロータ(通常0.15m未満)を備える。
複数段ロータを使用すると、(単段ロータと比較して)コンプレッサの効率が改善され、エネルギーコストを制限できる。2段システムの場合、ロータの第1段の出口が第2のロータの入口となる。2個のロータを一つの軸に取り付けることができる。各段は、約4/1の流体の圧縮率を供給することができ、即ち、絶対出口圧は、吸引に対する絶対圧の約4倍に等しくすることができる。特に自動車用途向けの、2段遠心式コンプレッサの例は、US5,065,990及びUS5,363,674に記載されている。
遠心式コンプレッサは、電動エンジンにより、又は(例えば可動用途向けの、車両排ガスにより供給を受ける)ガスタービンにより、又は伝動装置により駆動できる。
設備は、電気を生成するための、エキスパンダとタービンとの連結体(ランキンサイクル)を備えることができる。
設備は場合により、少なくとも1つの伝熱流体回路も備えることができ、伝熱流体回路は、伝熱流体回路又は伝熱組成物と、加熱又は冷却される流体又は物体との間で(状態変化を伴って又は伴わずに)熱を伝達するために使用される。
設備は場合により、同一又は別個の流体/伝熱組成物を含有する、2個(以上)の蒸気圧縮回路も備えることができる。例えば、複数の蒸気圧縮回路を共に連結することができる。
蒸気圧縮回路は、従来の蒸気圧縮サイクルに従って機能する。サイクルは、液相(又は液相/蒸気相の2相)の流体/伝熱組成物の、比較的低圧における蒸気相への状態変化、次いで、流体/蒸気相組成物の、比較的高圧までの圧縮、蒸気相の流体/伝熱組成物の、比較的高圧における液相への状態変化(凝縮)、及びサイクルを再開するための減圧を含む。
冷却方法の場合、冷却される流体又は物体から(伝熱流体を介して直接的又は間接的に)の熱は、周囲環境と比べて比較的低い温度で、伝熱組成物の蒸発中に、流体/伝熱組成物によって吸収される。冷却方法としては、空調法(例えば、車両などの可動式設備又は定置式物体)、冷蔵及び冷凍又は極低温が挙げられる。空調分野では、家庭用、商用又は産業用の空調を挙げることができ、使用される機器はチラー又は直接膨張機器のいずれかである。冷蔵分野において、家庭用、商用冷蔵、冷蔵室、アグリビジネス産業、冷蔵輸送(トラック、船)を挙げることができる。
加熱方法の場合、熱は、流体/伝熱組成物から、その凝縮中に、周囲環境と比べて比較的高温で、加熱される流体又は物体に、(伝熱流体を介して直接的又は間接的に)伝達される。伝熱を実施可能にする設備は、この場合、「ヒートポンプ」と呼ばれる。これらは、特に、中温及び高温のヒートポンプであることができる。
本発明による組成物(共沸又は伝熱)を実現するために、任意の種類の熱交換器、特に並流熱交換器、好ましくは向流熱交換器を使用することが可能である。
しかし、好ましい実施形態では、本発明は、冷却及び加熱方法並びに対応する設備が、コンデンサ又はエバポレータのいずれかを備えた向流熱交換器を備えることを提供する。実際、本発明による組成物(上で定義した擬共沸組成物又は伝熱組成物)は、向流熱交換器によって特に有効である。好ましくは、エバポレータとコンデンサの両方が向流熱交換器を構成する。
本発明では、「向流熱交換器」という用語は、第1流体と第2流体との間で熱が交換され、交換器の入口における第1流体が交換器の出口における第2流体と熱を交換し、交換器の出口における第1流体が交換器の入口における第2流体と熱を交換する、熱交換器を説明するために使用される。
例えば、向流熱交換器は、第1流体の流れと第2流体の流れが反対方向又はほぼ反対方向である装置を含む。向流傾向を有する、交差流で機能する交換器も、本願の意味における向流熱交換器の一部である。
「低温冷蔵」方法において、エバポレータへの本発明の組成物(擬共沸又は伝熱組成物)の入口温度は、好ましくは−45℃〜−15℃、特に−40℃〜−20℃、より特に好ましくは−35℃〜−25℃、例えば約−30℃であり、コンデンサへの本発明による組成物(擬共沸又は伝熱組成物)の凝縮開始温度は、好ましくは25℃〜80℃、特に30℃〜60℃、より具体的には好ましくは35℃〜55℃、例えば約40℃である。
「中温冷却」方法において、エバポレータへの本発明による組成物(擬共沸又は伝熱組成物)の入口温度は、好ましくは−20℃〜10℃、特に−15℃〜5℃、より特に好ましくは−10℃〜0℃、例えば約−5℃であり、コンデンサへの本発明による組成物(擬共沸又は伝熱組成物)の凝縮開始温度は、好ましくは25℃〜80℃、特に30℃〜60℃、より特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約50℃である。これらの方法は、冷蔵方法又は空調方法である。
「中温加熱」方法において、エバポレータへの本発明の組成物(擬共沸又は伝熱組成物)の入口温度は、好ましくは−20℃〜10℃、特に−15℃〜5℃、より特に好ましくは−10℃〜0℃、例えば約−5℃であり、コンデンサへの本発明による組成物(擬共沸又は伝熱組成物)の凝縮開始温度は、好ましくは25℃〜80℃、特に30℃〜60℃、より特に好ましくは35℃〜55℃、例えば約50℃である。
本発明による組成物は、冷蔵輸送に特に有用である。
冷蔵スペース内の生鮮品のいずれの移動も、冷蔵輸送とみなされる。食品又は医薬品は、生鮮品のかなりの部分を占める。
冷蔵輸送はトラック、鉄道又は船によって、場合によりトラック、列車、又は船に等しく良好に適合するマルチプラットフォームコンテナを使用して行うことができる。
冷蔵輸送では、冷蔵スペースの温度は−30℃〜16℃である。トラック、鉄道又はマルチプラットフォームコンテナによる輸送における冷媒荷重は、4kg〜8kgの間で変化する。ボート内の設備は、100kg〜500kgを収容することができる。
冷媒設備の動作温度は、冷蔵温度のニーズと外部の気候条件の関数である。同じ冷媒設備は、−30℃〜16℃の広範な温度範囲を含むことが可能であり、寒冷気候でも高温気候と全く同様に動作する必要がある。
最も制限的な蒸発温度条件は−30℃である。
本発明による組成物は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)などの各種の伝熱用途における各種の伝熱流体の代わりに使用することができる。
また、本発明は、冷蔵及び/又はヒートポンプのR134aを代替することによる、本発明による擬共沸組成物の使用にも関する。
図1は、HFO−1234yf及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの組成物の、T=60℃(±0.1℃)に対する、HFO−1234yf中の液体モル分率による相対揮発度を示すグラフである。
図2は、HFO−1234yf及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの混合物の、T=60℃(±0.1℃)に対する、HFO−1234yf中の液体モル分率による液体/蒸気平衡曲線を示すグラフである。
以下の実施例は本発明を例示するものであるが、それを限定するものではない。
実施例
以下の表で、「Tsat evap」はエバポレータの出口における蒸気飽和流体温度の温度を意味し、「Tinlet evap」はエバポレータの入口における流体の温度を意味し、「T outlet comp」はコンプレッサの出口における流体の温度を意味し、「T sat liq cond」はコンデンサの出口における液体飽和流体の温度を意味し、「T sat ste cond」はコンデンサにおける蒸気飽和流体の温度を意味し、「Pevap」はエバポレータ内の流体の圧力を意味し、「Pcond」はコンデンサ内の流体の圧力を意味し、「Tslide evap」はエバポレータの温度スライドを意味する。
以下の表で、「Tsat evap」はエバポレータの出口における蒸気飽和流体温度の温度を意味し、「Tinlet evap」はエバポレータの入口における流体の温度を意味し、「T outlet comp」はコンプレッサの出口における流体の温度を意味し、「T sat liq cond」はコンデンサの出口における液体飽和流体の温度を意味し、「T sat ste cond」はコンデンサにおける蒸気飽和流体の温度を意味し、「Pevap」はエバポレータ内の流体の圧力を意味し、「Pcond」はコンデンサ内の流体の圧力を意味し、「Tslide evap」はエバポレータの温度スライドを意味する。
COP:成績係数であり、冷蔵システムに関する場合、システムによって使用又は消費される電力に対する、システムによって供給される有用な冷却能力として定義される。
コンプレッサの等エントロピー効率:これは、流体に伝達された実際のエネルギーと等エントロピーエネルギーとの間の比である。この等エントロピー効率は、圧縮率の関数である。これは代表的な効率曲線に従って求める。“Handbook of air conditioning and refrigeration.Shan K.Wang”による。
−20℃の平均蒸発温度、30℃の平均凝縮温度、17℃の過熱の間で動作する内部交換器を備えた、加熱モードでのヒートポンプ設備を検討する。
表により、本発明の組成物がR134aと比較して、より良好な成績係数COPを有利に有することが明らかとなる。
さらに、本発明の組成物は、R134aよりも低い、コンプレッサの出口温度を有利に有する。したがって、本発明による組成物によって、コンプレッサの技術を変更せずに、R134aの代替を可能にすることができる。これにより、コンプレッサへの機械的応力を有利に制限し、その加熱を有利に制限することも可能となる。
Claims (13)
- 擬共沸組成物であって、前記擬共沸組成物の総モル数に対して、60mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物が1〜50バールabsの圧力で、好ましくは10〜40バールabsの圧力で、優先的には12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、擬共沸組成物。
- 前記擬共沸組成物の総モル数に対して、60mol%〜98.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1.1mol%〜40mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、好ましくは71mol%〜98.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1.1mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、有利には71mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物が1〜50バールabsの圧力で、好ましくは10〜40バールabsの圧力で、有利には12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記擬共沸組成物の総モル数に対して、70mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜30mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、好ましくは71mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜29mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、優先的には75mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜25mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物が1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の間の沸点を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記擬共沸組成物の総モル数に対して、80mol%〜99.9mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、0.1mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、好ましくは80mol%〜98mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、2mol%〜20mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物が1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記擬共沸組成物の総モル数に対して、85mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5mol%〜15mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物が1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記擬共沸組成物の総モル数に対して、88mol%〜93mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、7mol%〜12mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記擬共沸組成物が1〜50バールabsの圧力で、好ましくは12〜20バールabsの圧力で、45℃〜80℃の沸点を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 64mol%〜95mol%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5mol%〜36mol%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、前記組成物が15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
- 65mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、35mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、擬共沸組成物;
75mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、25mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、擬共沸組成物;
80mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、擬共沸組成物;
86mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、14mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、擬共沸組成物;
90mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、擬共沸組成物;
92mol%(±3%)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、8mol%(±3%)のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含み、15〜17バールabs(±0.5%)の圧力で、60℃(±0.1℃)の沸点を有する、擬共沸組成物;
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の擬共沸組成物と、ナノ粒子、安定剤、界面活性剤、追跡剤、蛍光剤、着臭剤、潤滑剤及び可溶化剤から選択される少なくとも1つの添加剤とを含む、伝熱組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の擬共沸組成物又は請求項9に記載の伝熱組成物を含む蒸気圧縮回路を備える、伝熱設備。
- ヒートポンプ、空調、冷蔵、冷凍及び燃焼機関に依拠する可動式又は定置式加熱設備から選択される、請求項10に記載の設備。
- 燃焼機関によって電気を生成する方法であって、伝熱流体又は伝熱組成物の蒸発、電気の発生を可能にするタービンにおける前記流体又は前記伝熱組成物の膨張、前記流体又は前記伝熱組成物の凝縮及び前記流体又は前記伝熱組成物の圧縮を連続的に含み、前記伝熱流体は請求項1〜8のいずれか一項に記載の擬共沸組成物であり、前記伝熱組成物は請求項9に記載の伝熱組成物である、方法。
- 伝熱流体又は伝熱組成物を含む蒸気圧縮回路によって流体又は物体を加熱又は冷却する方法であって、前記流体又は前記伝熱組成物の蒸発、前記流体又は前記伝熱組成物の圧縮、前記流体又は前記伝熱組成物の凝縮及び前記流体又は前記伝熱組成物の膨張を連続的に含み、前記伝熱流体は請求項1〜8のいずれか一項に記載の擬共沸組成物であり、前記伝熱組成物は請求項9に記載の伝熱組成物である、方法。
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