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JP2025043661A - ニッケル水素二次電池 - Google Patents

ニッケル水素二次電池 Download PDF

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JP2025043661A JP2023151083A JP2023151083A JP2025043661A JP 2025043661 A JP2025043661 A JP 2025043661A JP 2023151083 A JP2023151083 A JP 2023151083A JP 2023151083 A JP2023151083 A JP 2023151083A JP 2025043661 A JP2025043661 A JP 2025043661A
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哲哉 山根
Tetsuya Yamane
洸 都築
Ko Tsuzuki
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Abstract

【課題】 水素吸蔵合金の耐食性を維持しつつ低温放電特性の低下を抑制するニッケル水素電池を提供する。【解決手段】 ニッケル水素電池1は、ニッケル水酸化物を含む正極活物質を含有する非焼結式の正極板3と、水素吸蔵合金を含有して正極板とセパレータ5を介して対向する非焼結式の負極板4とを備え、アルカリ電解液と共に外装缶2に収容されている。正極板は、イットリウム化合物及びイッテルビウム化合物のいずれか一方を含む添加剤を含む。負極板は、同じ種類の添加剤を含む。負極板に添加された添加剤は、正極板に添加された添加剤よりも、アルカリ電解液に対する溶解性が低い。【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル水素二次電池に関し、特に非焼結式ニッケル水素二次電池に関する。
ニッケル水素二次電池は、様々な用途に使用されており、特に、工業用途ではバックアップ電源や車載用電源など、環境温度が高温から低温までの幅広い温度帯で使用が求められている。
一般に、水系電解液を含む二次電池では、高温環境では、正極で酸素ガスが発生して副反応が支配的になって正極活物質に十分に充電されにくくなるという、いわゆる充電受入性の低下が生じる。そこで、正極にイットリウムやイッテルビウム、エルビウム化合物等を添加することにより、充電受入性の改善が図られている。
また、イットリウムやイッテルビウム、エルビウム化合物等には、水素吸蔵合金の腐食を抑制する効果があって電池の長寿命化に寄与する為、正極のみならず負極にも添加することがある。
特開平5-28992号公報 特開平6-215765号公報 特開平9-92279号公報
しかしながら、イットリウムやイッテルビウム、エルビウム化合物等を負極に添加すると、初期活性化後の水素吸蔵合金の反応性が低下して電池の低温放電性が低下することがあった。イットリウムやイッテルビウム、エルビウム化合物等を添加することにより腐食が抑制されることで、水素吸蔵合金表面の触媒層が少なくなり、特に低温放電環境では、放電時に極板界面の電子が不足するからである。
また、イットリウムやイッテルビウム、エルビウム化合物を正極のみに添加しても、負極の水素吸蔵合金の腐食を抑制する効果は認められたが、電池寿命の改善への寄与は少なかった。
本発明の目的は、高温充放電効率の維持と低温放電特性の改善との両方を図るニッケル水素二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のニッケル水素二次電池は、ニッケル水酸化物を含む正極活物質を含有する非焼結式の正極板と、水素吸蔵合金を含有し、且つ前記正極板とセパレータを介して対向する非焼結式の負極板と、を備え、アルカリ電解液と共に外装缶に収容されているニッケル水素二次電池であって、前記正極板は、イットリウム化合物及びイッテルビウム化合物のいずれか一方を含む添加剤を含み、前記負極板は、前記添加剤を含み、前記負極板に添加された添加剤は、前記正極板に添加された添加剤よりも、前記アルカリ電解液に対する溶解性が低い、ことを特徴とする。
本発明のニッケル水素二次電池によれば、水素吸蔵合金の耐食性を向上させて電池の長寿命化を維持しつつ、低温放電特性の低下を抑制することができる。
一実施の形態に係るニッケル水素電池の一部を破断した斜視図である。 実施例及び比較例の各電池の極板に含まれる添加剤の種類、粒子径、粒子径の比、低温放電特性及び寿命を示す表である。
本実施の形態に係るニッケル水素電池を円筒形電池に適用した場合について説明する。
1.ニッケル水素電池の構成
ニッケル水素電池(以下、「電池」と称す)1は、例えば図1に示すように、4/3FAサイズの円筒形の外装缶2に、渦巻状の電極群6がアルカリ電解液と共に収容されている。外装缶2は、上端が開口した有底円筒形状を有し、その上端は封口体7にて封止されている。
外装缶2は、底壁8が導電性を有して負極端子として機能する。封口体7は、蓋板9及び正極端子10を含む。蓋板9は、導電性を有して中央にガス抜き孔11を有し、蓋板9の外面上には、ガス抜き孔11を塞ぐゴム製の弁体12が配置される。蓋板9は、外装缶2の開口端部にリング形状のガスケット13を介して配置され、外装缶2の開口縁をかしめ加工することにより当該開口を閉塞する。蓋板9には、正極端子10が取付けられる。
電極群6は、それぞれ帯状の正極板3、負極板4及びセパレータ5からなり、正極板3と負極板4との間に、セパレータ5が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回され、ほぼ円柱形状をなしている。すなわち、正極板3及び負極板4は、セパレータ5を介して対向し、外装缶2の径方向に重ね合わせられている。
外装缶2内では、電極群6の一端と蓋板9との間に正極リード14が配置され、正極リード14の各端部は、それぞれ正極板3及び蓋板9に電気的に接続される。
正極板3は、多孔質構造を有する導電性の正極芯体と、ニッケル水酸化物を主に含んで正極芯体の表面及び空孔内に塗布された正極合剤とからなる。正極芯体としては、例えば、ニッケルめっきが施された網状、スポンジ状若しくは繊維状の金属体や発泡ニッケルが用いられている。
正極合剤は、正極活物質粒子、導電材、正極添加剤及び結着剤を含む。正極活物質粒子は、水酸化ニッケル(Ni(OH))粒子又は高次水酸化ニッケル粒子である。また、導電材として、水酸化コバルト(Co(OH))を用いる。正極添加剤は、酸化イットリウム(Y)または酸化イッテルビウム(Yb)のいずれか一方を用いる。
負極板4は、帯状をなす導電性の負極芯体と、この負極芯体に塗布された負極合剤とからなる。負極芯体は、貫通孔が分布されたシート状の金属材からなり、例えば、表面にニッケルメッキを施した鉄製のパンチドメタルシートを用いる。負極合剤は、負極芯体に塗布されると負極合剤層を構成する。負極合剤は、水素吸蔵合金の粒子、負極添加剤、導電材及び結着剤を含む。負極添加剤は、正極添加剤と同じ種類の添加剤を用いる。負極板4に添加される添加剤は、アルカリ電解液に対する溶解性が、正極板3に添加された添加剤のアルカリ電解液に対する溶解性よりも低くなるように、負極板4に添加される。
水素吸蔵合金は、負極活物質である水素を吸蔵及び放出可能な合金である。水素吸蔵合金としては、一般的な水素吸蔵合金を用いることができる。ここで、本開示においては、希土類元素、Mg、Niを含む、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金を用いることが好ましい。希土類元素としては、例えばLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Yが用いられる。
セパレータ5は、例えば、フッ素処理やスルホン化処理が施されたポリプロピレン繊維からなる不織布からなる。
外装缶2内には、アルカリ電解液が注入される。アルカリ電解液は、正極板3、負極板4及びセパレータ5に含浸され、正極板3と負極板4との間の電気化学反応、いわゆる充放電反応に寄与する。アルカリ電解液は、KOH、NaOH及びLiOHを含む水溶液である。
なお、溶解性は、定性的な特性である。そこで、本開示において、「溶解性の大小」は、各極板の合剤層に含まれた添加剤の粒子が、アルカリ電解液に対する溶けやすさの程度をもって表すものとする。例えば、添加剤を含む所定量の正極合剤と、添加剤を含む同量の負極合剤とを、別々にアルカリ電解液中に置いたときに、アルカリ電解液中に溶解した添加剤の濃度(重量%)が高いほうが、他方に比べて溶解性が大きいものとする。
一例としては、アルカリ電解液と接触する添加剤粒子の単位体積当りにおける表面積が大きければ、表面積の小さなものよりは、アルカリ電解液に対する溶解性が大きくなる。単位体積当たりの添加剤粒子の表面積を大きくする方法としては、粒子径を小さくして単位体積当たりの粒子の密度を増やすことである。または、各極板の合剤層に含まれた添加剤をアルカリ電解液に浸漬させた瞬間から、アルカリ電解液中の添加剤の濃度増加率が大きいほうが、小さいほうに対して溶解性が大きいものとする。
2.電池の製造
次に、上記電池1の製造方法について以下に説明する。
(1)正極板の作製
硫酸ニッケル、硫酸アルミニウム及び硫酸コバルトを所定の組成に計量し、計量した硫酸ニッケル、硫酸アルミニウム及び硫酸コバルトを硫酸水溶液に加えて混合水溶液を作製する。この混合水溶液に、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液に徐々に添加して反応中の水溶液のpHを13~14に安定させて、水酸化ニッケルを主体としてAl及びCoを固溶させた水酸化ニッケル粒子を生成する。これにより、Al及びCoが固溶された水酸化ニッケル粒子の混合体である水酸化ニッケル粉末が、正極活物質粉末として得られる。
この水酸化ニッケル粉末に、水酸化コバルトからなる被膜層を形成する。水酸化コバルトからなる被膜層を持つ活物質粉末に対し、空気中で熱アルカリ処理を行い、表面の水酸化コバルトを3.2価と3価よりも高くする。また、添加剤として、酸化イットリウム(Y)または酸化イッテルビウム(Yb)を用いる。
添加剤として酸化イットリウムを用いる場合は、上記正極活物質と酸化イットリウムとを、重量比で100:0.5の割合で混合し、さらに親水性樹脂からなる結着剤を、正極活物質及び添加剤の全重量に対し0.2重量%で添加して混合し、この混合物100重量部に対して30重量部の水を加え混練することにより正極活物質スラリーを作製した。
一方、添加剤として酸化イッテルビウムを用いる場合は、上記正極活物質と酸化イッテルビウムとを、重量比で100:1.0の割合で混合し、さらに親水性樹脂からなる結着剤を、正極活物質及び添加剤の全重量に対し0.2%添加して混合し、この混合物100重量部に対して30重量部の水を加え混練することにより正極活物質スラリーを作製した。
上記正極活物質スラリーを発泡ニッケルからなる正極芯体に充填して乾燥させる。その後、スラリーが乾燥した正極芯体をロール圧延して裁断し、正極板3を作製した。この正極板3は、いわゆる非焼結式の極板である。
(2)負極板の作製
ランタン(La)及びサマリウム(Sm)を含む希土類成分と、Mg、Ni、Alとを混合した混合物を作製する。この混合物を誘導溶解炉で溶解し、その溶湯を鋳型に流し込み室温まで冷却されると、水素吸蔵合金のインゴットになる。
上記水素吸蔵合金のインゴットに対し、アルゴンガス雰囲気中、温度1000℃の熱処理を10時間施す。熱処理後、室温まで冷却されたインゴットをアルゴンガス雰囲気中で機械的に粉砕し、水素吸蔵合金粒子からなる水素吸蔵合金粉末を得る。
さらに、カーボン1重量部に対し、正極添加剤として酸化イットリウムを用いた場合は、正極に添加した酸化イットリウム粒子よりも粒子径の大きい酸化イットリウムの1重量部を添加する。これに、さらに、親水性樹脂からなる結着剤の0.3重量部と、水の40重量部とを混合してペーストを作製する。このペーストに、上記水素吸蔵合金粉末100重量部を添加して混錬することにより、負極活物質スラリーを作製した。負極添加剤として、正極に添加した酸化イットリウムよりも粒子径の大きい酸化イットリウムを用いるのは、負極に含まれる酸化イットリウムの溶解性を、正極に含まれる酸化イットリウムの溶解性よりも低くするためである。
一方、正極添加剤として酸化イッテルビウムを用いた場合は、正極に添加した酸化イッテルビウムよりも粒子径の大きい酸化イッテルビウムの1重量部を添加する。
これに、さらに、親水性樹脂からなる結着剤の0.3重量部と、水の40重量部とを混合してペーストを作製する。このペーストに、上記水素吸蔵合金粉末100重量部を添加して混錬することにより、負極活物質スラリーを作製した。
上記負極活物質スラリーを、パンチドメタルシートの両面と貫通孔内とにそれぞれ塗布する。その後、塗布された負極活物質スラリーを乾燥させた後、パンチドメタルシートをロール圧延して所定サイズに裁断し、負極板4を作製する。この負極板は、非焼結式の極板である。
(3)電池の組立
正極板3及び負極板4をそれぞれの長手方向が同一となるように重ね合わせ、両電極板間にセパレータ5を挟んだ状態で渦巻状に巻回して電極群6を形成する。
電極群6は、負極板4が外装缶2の底壁8に接するように外装缶2に収容される。電極群6を外装缶2に収容した後、アルカリ電解液を注入する。本実施形態では、KOH、NaOH及びLiOHを混合してアルカリ電解液とした。
その後、封口体7で外装缶2の開口を塞いで、4/3FAサイズ(直径18mm、長さ68mm)の電池1(理論容量3200mAh)を組み立てた。その後の初期活性化処理を経て電池1を使用可能にした。
3.実施例及び比較例の電池
各極板に添加する添加剤の種類及び粒子径による電池特性を評価するために、図2の表に示す4つの実施例と6つの比較例との電池を作製した。実施例は、正極及び負極に同種の添加剤を用い、正極に添加した添加剤の粒子径(以下、「正極粒子径」という)を基準とする負極に添加した添加剤の粒子径(以下、「負極粒子径」という)の比(以下、「粒径比R」と称す)が1.5以上の電池である。なお、本開示において、粒子径の数値は、D50で表す。D50とは、いわゆるメジアン径(メディアン径)であり、粉体を一の粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径を意味する。また、本開示において、粒径比Rの上限を特に設定しないが、負極粒子比を正極粒子径に対して表に示す4.6を上回る数値にすると、放電反応を低下させることがある。(粒径比Rの上限については、8月24日付ご指示にて「使用する水素合金粒径より大きい粒径の添加剤が入ることで生産性を低下させる恐れがあると考えています。」とコメントを頂きました。しかし、本願明細書ではここまでの記載で水素吸蔵合金の粒径については言及していないので、添加剤粒径の上限の記載にあたり、水素吸蔵合金粒径を持ちだすには説明不足の懸念があり得ます。各極板に同じ添加剤を添加する場合に同じ粒径のものを用いることが通例であるならば、上限を限定しなくても差し支えないのでは考え、この記載については削除いたしました。ご確認お願いいたします。)
一方、比較例は、正極及び負極に同種の添加剤を用い、正極粒子径に対する負極粒子径の比が1.5未満の電池である。
(実施例1)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極に添加した酸化イットリウムの粒子径を2.3μm、負極に添加した酸化イットリウムの粒子径を3.5μmとした。粒径比Rは、1.5である。
(実施例2)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極に添加した酸化イットリウムの粒子径を2.3μm、負極に添加した酸化イットリウムの粒子径を9.5μmとした。粒径比Rは、4.1である。
(実施例3)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極に添加した酸化イットリウムの粒子径を2.3μm、負極に添加した酸化イットリウムの粒子径を10.5μmとした。粒径比Rは、4.6である。
(実施例4)
正極及び負極添加材として酸化イッテルビウムを用い、正極に添加した酸化イッテルビウムの粒子径を1.0μm、負極に添加した酸化イッテルビウムの粒子径を3.5μmとした。粒径比Rは、3.5である。
(比較例1)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極及び負極のいずれにも粒子径2.3μmの酸化イットリウムを添加した。粒径比Rは、1.0である。
(比較例2)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極に添加した酸化イットリウムの粒子径を3.5μm、負極に添加した酸化イットリウムの粒子径を2.3μmとした。粒径比Rは、0.7である。
(比較例3)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極及び負極のいずれにも粒子径3.5μmの酸化イットリウムを添加した。粒径比Rは、1.0である。
(比較例4)
正極及び負極添加材として酸化イットリウムを用い、正極に添加した酸化イットリウムの粒子径を9.5μm、負極に添加した酸化イットリウムの粒子径を2.3μmとした。粒径比Rは、0.2である。
(比較例5)
正極及び負極添加材として酸化イッテルビウムを用い、正極及び負極のいずれにも粒子径1.0μmの酸化イッテルビウムを添加した。粒径比Rは、1.0である。
(比較例6)
正極及び負極添加材として酸化イッテルビウムを用い、正極及び負極のいずれにも粒子径3.5μmの酸化イッテルビウムを添加した。粒径比Rは、1.0である。
4.電池特性の評価
電池特性として、低温放電特性と、サイクル特性とを評価した。
4-1.低温放電特性
環境温度0℃で、2秒間に亘り放電電流を36A流すオン期間と、8秒間に亘り放電電流を止めるオフ期間とを1サイクルとする電池のパルス放電を繰り返す。電池のパルス放電を開始すると、電池電圧は、放電開始電圧値より時間の経過と共に下がり始めるが、放電による内部抵抗の発熱により電池温度が上昇すると増加に転じ、その後ほぼ一定値で安定し、放電末期には電池電圧は急激に低下する。放電初期に低下した電圧が増加に転じる時点での電池電圧を「ボトム電圧」として、電池毎に測定した。ボトム電圧が高い電池が、低温放電特性が優れていると考える。
4-2.サイクル特性
電池に対し、環境温度25℃で1Cの定電流充電(デルタピーク値10mV)を行い、その後の放電を放電電流15Aで終止電圧が0.8Vになるまで行う。この充電及び放電を1サイクルとして電池の充放電を繰り返す。サイクル毎に電池の1kHzでのAC内部抵抗を測定し、その測定値が20mΩまで増加すると電池が寿命になったと判断する。内部抵抗の測定値が20mΩになるまでのサイクル数を寿命とする。
実施例1-4及び比較例1-6の電池のそれぞれの低温パルス特性およびサイクル特性を測定したものを図2の表に示す。
4-3.評価
低温放電特性については、正極板及び負極板に対して同一の添加剤を添加しながらも、正極粒子径に対する負極粒子径の比が1.5以上となる実施例1-4の電池が、いずれもボトム電圧が0.75V以上と、比較例1-6のボトム電圧よりも高くなった。また、実施例1-4の電池については、いずれもサイクル数が480サイクル以上と寿命が長いことが確認された。すなわち、粒径比Rを1.5以上とすることで、サイクル寿命の向上を図りつつ、低温放電特性の低下を抑制することができることが分かった。
また、添加剤として酸化イットリウムを用いた場合、粒径比Rが1.5以上であれば、粒子径の絶対値に拘らず、ボトム電圧が0.75以上と高く且つ寿命も長くなった。
添加剤として酸化イッテルビウムを用いた場合でも、粒径比Rが3.5の実施例4では、0.750Vの高いボトム電圧と680サイクルという長い寿命が得られている。これは、粒子径の大小にかかわらず粒径比Rが1の比較例5及び6の電池では、寿命が720サイクル、690サイクルと長くても、ボトム電圧が0.750V未満と小さく、十分な放電電圧が実施例4に対して得られていない。したがって、酸化イットリウムまたは酸化イッテルビウムのいずれを添加剤として使用する場合であっても、粒径比を1.5以上にすることによって、電池の低温放電特性が改善されると共に長寿命化を図ることができることが分かる。
5.考察
負極板の合剤層に含まれる酸化イットリウム又は酸化イッテルビウムからなる添加剤は、電池の充放電に伴いアルカリ電解液に溶解し、水酸化物になる過程で水素吸蔵合金の表面に作用して合金表面の腐食を抑制する。負極板に添加された酸化イットリウムの粒子径は、正極板に添加された酸化イットリウムの粒子径よりも1.5倍以上大きいために、アルカリ電解液に対して溶解しにくい。そのため、電池の組立て後から初期活性化処理の終了までは、添加材の水素吸蔵合金の表面への作用は少ないので、水素吸蔵合金は腐食されやすい。その結果、水素吸蔵合金の表面にニッケルからなる触媒層が形成される。この触媒層により、低温環境下でのパルス放電時のボトム電圧の低下を抑制することができる。また、放電開始からの経過時間が長くなるに従い、負極板からアルカリ電解液に溶解する添加剤が増えて濃度が上昇するために水素吸蔵合金の表面に作用するので、高温充電高率を維持しつつ長寿命化に寄与する。
同様な現象が、添加剤として酸化イッテルビウムを添加した場合にも生じて、電池の組立て後から初期活性化処理の終了までに水素吸蔵合金の表面にニッケルからなる触媒層が形成され、その後に添加剤が水素吸蔵合金に作用するので、低温環境下でのパルス放電時のボトム電圧の低下を抑制する。
上記のように、負極板に添加された添加剤を、正極板に添加された添加剤よりもアルカリ電解液に対する溶解性を低くすることによって、電池の長寿命かと高温充電効率の安定化に加え、低温充電特性を改善することができる。
また、負極板に添加された添加剤の粒子径を、正極板に添加された添加剤の粒子径よりも1.5倍以上大きくすることにより、低温放電特性と長寿命化との両立を図ることができる。
さらに、イットリウム化合物は酸化イットリウムとし、イッテルビウム化合物は酸化イッテルビウムとすることによって、正極活物質スラリー及び負極活物質スラリーのいずれも容易に作製でき、非焼結式の正極板及び負極板を容易に作製することができる。
また、正極を構成するニッケル水酸化物の粒子を、3価よりも高いコバルト化合物で被覆することによって、電池の電池容量を高くすることができる。
1 ニッケル水素二次電池
2 外装缶
3 正極板
4 負極板
5 セパレータ

Claims (4)

  1. ニッケル水酸化物を含む正極活物質を含有する非焼結式の正極板と、
    水素吸蔵合金を含有し、且つ前記正極板とセパレータを介して対向する非焼結式の負極板と、
    を備え、アルカリ電解液と共に外装缶に収容されているニッケル水素二次電池であって、
    前記正極板は、イットリウム化合物及びイッテルビウム化合物のいずれか一方を含む添加剤を含み、
    前記負極板は、前記添加剤を含み、
    前記負極板に添加された添加剤は、前記正極板に添加された添加剤よりも、前記アルカリ電解液に対する溶解性が低い、ことを特徴とするニッケル水素二次電池。
  2. 前記負極板に添加された添加剤の粒子径は、前記正極板に添加された添加剤の粒子径よりも1.5倍以上大きい、請求項1記載のニッケル水素二次電池。
  3. 前記イットリウム化合物は、酸化イットリウムであり、
    前記イッテルビウム化合物は、酸化イッテルビウムである、請求項1または2記載のニッケル水素二次電池。
  4. 前記ニッケル水酸化物の粒子は、3価よりも高いコバルト化合物で被覆されている、請求項1または2記載のニッケル水素二次電池。

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