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JPH11292810A - シス型不飽和アルコールの製造方法 - Google Patents

シス型不飽和アルコールの製造方法

Info

Publication number
JPH11292810A
JPH11292810A JP10117872A JP11787298A JPH11292810A JP H11292810 A JPH11292810 A JP H11292810A JP 10117872 A JP10117872 A JP 10117872A JP 11787298 A JP11787298 A JP 11787298A JP H11292810 A JPH11292810 A JP H11292810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
mol
group
cis
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10117872A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Mayahara
邦男 馬屋原
Toshiki Mori
俊樹 森
Hironobu Tamai
洋進 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP10117872A priority Critical patent/JPH11292810A/ja
Priority to AT99106205T priority patent/ATE220057T1/de
Priority to US09/289,395 priority patent/US6159928A/en
Priority to EP99106205A priority patent/EP0950652B1/en
Priority to DE69901979T priority patent/DE69901979T2/de
Priority to KR1019990012970A priority patent/KR19990083159A/ko
Priority to CNB991062965A priority patent/CN1135220C/zh
Publication of JPH11292810A publication Critical patent/JPH11292810A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭
素数が10以下のアルキル基、炭素数が10以下のアル
ケニル基、炭素数が10以下のアラルキル基、またはア
リール基を表す。また、nは1または2を表す。)で示
されるシス型不飽和アルコールを工業的に有利に純度よ
く得ることのできる方法を提供する。 【解決手段】 式(2) 【化2】 (式中、R1およびnは上記定義のとおりである)で示
される環状ビニルエーテルと式(3) R2MgX (3) (式中、R2は上記定義のとおりであり、Xは塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子を表す)で示されるグリ
ニヤール試薬とを、トリアリールホスフィンおよび式
(2)で示される環状ビニルエーテル1モル当たり0.
05モル以下のニッケル化合物の存在下に反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式(1)
【0002】
【化3】
【0003】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
表し、R2は炭素数が10以下のアルキル基、炭素数が
10以下のアルケニル基、炭素数が10以下のアラルキ
ル基、またはアリール基を表す。また、nは1または2
を表す。)で示されるシス型不飽和アルコールの製造方
法に関する。本発明の製造方法によって得られるシス型
不飽和アルコールは、香料、医薬品などの原料として有
用である。なかでも、シス−3−ヘキセン−1−オール
〔式(1)において、R1が水素原子であり、R2がエチ
ル基であり、かつnが1である場合の化合物〕は青葉ア
ルコールと呼ばれ、香料として工業的に使用されてい
る。
【0004】
【従来の技術】上記の式(1)で示される化合物の合成
法として、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ
−2H−ピランからなる群から選ばれる環状ビニルエー
テルを、トリフェニルホスフィン等のリン化合物を配位
子とするニッケル錯体からなる触媒(該環状ビニルエー
テル1モルに対して0.1モルの割合)の存在下に、メ
チルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロ
ミド等のグリニヤール試薬と20時間または15〜48
時間の範囲内の所定時間反応させる方法が報告されてい
る〔J. Org. Chem., 49, 4894 (1984)、J. Am. Chem. S
oc., 101, 2246 (1979) 参照〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の合成法では、
3,4−ジヒドロ−2H−ピランを原料とした場合、式
(1)で示されるシス型不飽和アルコールの収率は最高
で80%である。また、反応条件により上記の式(1)
で示されるシス型不飽和アルコール(以下、シス体と略
称することがある)の他に、炭素−炭素二重結合の立体
配置がトランス型である異性体(以下、トランス体と略
称することがある)が生成することがあり、トランス体
が最も多い場合には、シス体とトランス体の比率はシス
体/トランス体=76/24となる。一方、2,3−ジ
ヒドロフランを原料とした場合も、目的とする式(1)
で示されるシス型不飽和アルコールの収率は最高で71
%である。また、反応条件によりトランス体が生成する
ことがあり、最も多い場合には、シス体とトランス体の
比率はシス体/トランス体=33/67となる。従っ
て、上記の反応を利用して式(1)で示されるシス型不
飽和アルコールを工業的に有利に純度よく取得しようと
すれば、トランス体の生成の抑制、式(1)で示される
シス型不飽和アルコールの収率の改善など、反応成績を
向上させることが望まれる。
【0006】本発明は、かかる従来技術に鑑みてなされ
たものであって、上記の式(1)で示されるシス型不飽
和アルコールを工業的に有利に純度よく得ることのでき
る方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、式(2)で示される
環状ビニルエーテルをグリニヤール試薬と反応させるに
際し、触媒として使用されているニッケル化合物の量を
低減させると、トランス体の生成が抑制されるのみなら
ず、上記文献では15時間以上にセットされている反応
時間を短縮しても式(1)で示されるシス型不飽和アル
コールを良好な収率で得ることができることを見出し、
さらに検討した結果、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、式(2)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1およびnは上記定義のとおり
である)で示される環状ビニルエーテルと式(3) R2MgX (3) (式中、R2は上記定義のとおりであり、Xは塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子を表す)で示されるグリ
ニヤール試薬とを、トリアリールホスフィンおよび式
(2)で示される環状ビニルエーテル1モル当たり0.
05モル以下のニッケル化合物の存在下に反応させるこ
とからなる、式(1)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1、R2およびnは上記定義のと
おりである)で示されるシス型不飽和アルコールの製造
方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において出発原料として使
用される式(2)で示される環状ビニルエーテルは、具
体的には、2,3−ジヒドロフラン(n=1、R1=水
素原子)、3−メチル−2,3−ジヒドロフラン(n=
1、R1=メチル基)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラ
ン(n=2、R1=水素原子)、4−メチル−3,4−
ジヒドロ−2H−ピラン(n=2、R1=メチル基)で
あり、市販されているものを使用してもよいし、文献記
載の方法で調製したものを使用してもよい。
【0014】式(2)で示される環状ビニルエーテル
は、後述する式(3)で示されるグリニヤール試薬1モ
ル当たり、通常0.8〜5モル、好ましくは0.8〜1
モルの割合で使用される。
【0015】また、本発明において使用するグリニヤー
ル試薬を表す式(3)において、R2が表す炭素数が1
0以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t
−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、
n−オクチル基などが挙げられ、炭素数が10以下のア
ルケニル基としては、例えば、ビニル基、2−プロペニ
ル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニ
ル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−オクテニル基
などが挙げられる。また、R2が表す炭素数が10以下
のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネ
チル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、
フェニル基、トリル基などが挙げられる。これらの中で
もR2としては、メチル基またはフェニル基が好まし
い。
【0016】式(3)で示されるグリニヤール試薬は、
ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランの溶液とし
て市販されているものを使用してもよいし、常法に従っ
てジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン中で、式
2X (式中、R2およびXは上記定義のとおりであ
る)で示される化合物と金属マグネシウムを反応させる
ことによって調製したものを使用してもよい。なお、反
応速度の観点から、式(3)で示されるグリニヤール試
薬と式(2)で示される環状ビニルエーテルを反応させ
る前の段階で、上記のジエチルエーテルまたはテトラヒ
ドロフランを可能な限り除去しておくことが好ましい。
ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランを除去する
方法としては、例えば、減圧下に蒸発させる方法、後述
する溶媒と置換する方法など、公知の方法を利用するこ
とができる。
【0017】本発明で使用するニッケル化合物として
は、例えば、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(I
I)、酢酸ニッケル(II)・四水和物、ニッケル(II)
アセチルアセトナート・二水和物、ジクロロビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケル(II)などの2価のニッ
ケル化合物;ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニ
ッケル(0)などの0価のニッケル化合物などが挙げら
れるが、トリフェニルホスフィン等の配位子を有するニ
ッケル錯体が好ましい。ニッケル化合物の使用量は、一
般式(2)で示される環状ビニルエーテル1モル当た
り、0.05モル以下である。ニッケル化合物の使用量
が、一般式(2)で示される環状ビニルエーテル1モル
当たり、0.05モルより多いと、反応成績の向上が認
められない。ニッケル化合物の使用量は、通常、一般式
(2)で示される環状ビニルエーテル1モル当たり0.
00001〜0.05モルの範囲内であるが、トランス
体の生成量をより低くするという観点からはニッケル化
合物の使用量は少ない方がよく、一般式(2)で示され
る環状ビニルエーテル1モル当たり、好ましくは0.0
0001〜0.02モルの範囲内であり、より好ましく
は0.0001〜0.01モルの範囲内である。
【0018】本発明によれば、前記の文献におけるニッ
ケル触媒の使用量(2,3−ジヒドロフランまたは3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン1モルに対して0.1モ
ル)に比べてニッケル化合物の使用量が低減されてい
る。このように、高価なニッケル化合物の使用量を低減
できるので、反応成績が向上することと相俟って、本発
明の製造方法は、工業的に有利な方法であるといえる。
【0019】また、本発明で使用するトリアリールホス
フィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、ト
リス(p−トリルフェニル)ホスフィン、トリス(2,
4−ジメチルフェニル)ホスフィンなどが挙げられる
が、工業的には安価なトリフェニルホスフィンが好まし
い。トリアリールホスフィンの使用量は、上記のニッケ
ル化合物におけるニッケル原子1モル当たり、通常0.
1〜3000モルとなる範囲の量であるが、反応速度お
よびシス体への選択率を高めるという観点からトリアリ
ールホスフィンの使用量は多い方がよく、ニッケル原子
1モル当たり2〜2000モルとなる範囲の量であるこ
とが好ましい。なお、使用するニッケル化合物の種類に
もよるが、反応系中でトリアリールホスフィンが該ニッ
ケル化合物に配位子として取り込まれることがある。そ
の場合には、配位子として取り込まれる分を考慮してト
リアリールホスフィンの使用量を増加させるのがよい。
【0020】本発明に従う反応は、通常、溶媒の存在下
に実施される。使用可能な溶媒としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化
水素;t−ブチルメチルエーテル等のニッケルに対する
配位力の小さいエーテル系溶媒などの反応に悪影響を及
ぼさないものが挙げられる。溶媒の使用量は、特に制限
されるものではなく、反応に悪影響を及ぼさない範囲と
するのがよい。なお、本発明に従う反応は、上記の溶媒
に代えて原料として使用される式(2)で示される環状
ビニルエーテルを多量に使用し、溶媒としての機能を兼
ねさせることも可能である。
【0021】本発明に従う反応は、通常30〜100
℃、好ましくは50〜90℃の範囲内の温度で実施され
る。また、反応時間は、通常30分〜10時間の範囲内
である。
【0022】本発明に従う反応は、窒素、アルゴン等の
不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
【0023】反応終了後、式(1)で示されるシス型不
飽和アルコールは、例えば、反応混合物を塩化アンモニ
ウム水溶液、希塩酸などに投入した後、n−ヘキサン、
ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチエルエ
ーテル等のエ−テル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系
溶媒;ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒な
どの有機溶媒で抽出し、次いで該有機溶媒を留去する方
法などの常法に従って分離取得することができる。
【0024】かくして得られた式(1)で示されるシス
型不飽和アルコールは、必要に応じて蒸留、カラムクロ
マトグラフィー等の公知の手段により、さらに純度を高
めることができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0026】実施例1 内容積2リットルの三口フラスコにジクロロビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケル(II)を2.88g
(4.4ミリモル、4−メチル−2,3−ジヒドロ−2
H−ピランに対して0.5モル%となる量)、トリフェ
ニルホスフィンを2.31g(8.8ミリモル、ニッケ
ル原子1モル当たり2モルとなる量)およびトルエンを
1000ml仕込み、窒素雰囲気下、室温でメチルマグ
ネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液400ml
(濃度:2.2モル/リットル、0.88モルのメチル
マグネシウムブロミドを含む)を加え、15分間撹拌し
た。その後、25℃以下の温度、約1mmHgの条件下
でジエチルエーテル約400mlを留去し、次いでトル
エン200mlを加えた。得られた混合物に、窒素雰囲
気下、20℃で4−メチル−2,3−ジヒドロ−2H−
ピラン82.6g(0.84モル)を5分間かけて滴下
した。得られた反応混合物の温度を50℃に上げ、同温
度で4時間、更に70℃で6時間撹拌を行った。得られ
た反応混合物を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液4リットル中に注ぎ込み、静置して二層に分
離させた。有機層と水層を分離し、水層をトルエン20
0mlで2回洗浄した。有機層とトルエン層を一つに
し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−メ
チル−シス−4−ヘキセン−1−オールが90.97g
(800ミリモル、収率:95.2%)、3−メチル−
トランス−4−ヘキセン−1−オールが0.78g(7
ミリモル、収率:0.8%)含まれていることが分かっ
た(シス体/トランス体=99.1/0.9)。
【0027】ガスクロマトグラフィー分析条件 カラム:PEG−HT (5%、80/100メッシ
ュ、クロムソルブ WAW DMCS: ガスクロ工業(株)社
製、 長さ:4m) カラム温度: 80℃で8分間保持した後、5℃/分の
割合で230℃まで昇温する。 インジェクション温度:230℃ 検出器: FID キャリアガス: 窒素
【0028】上記の有機層とトルエン層を一つにしたも
のを減圧下に蒸留することにより、3−メチル−シス−
4−ヘキセン−1−オール(沸点:62℃/9mmH
g、純度:98.5%)を82.04g得た。このもの
の物性値を以下に示す。
【0029】 1H−NMR(300MHz,CDCl3
TMS) δ(ppm): 0.97(d,3H)、1.63
(d,3H)、1.41〜1.67(m,2H)、2.
59〜2.70(m,1H)、3.55〜3.69
(m,2H)、5.14〜5.23(m,1H)、5.
38〜5.48(m,1H)
【0030】実施例2 内容積100mlの三口フラスコにジクロロビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケル(II)を3.2mg
(0.005ミリモル、2,3−ジヒドロフランに対し
て0.02モル%となる量)、トリフェニルホスフィン
を2.623g(10ミリモル、ニッケル原子1モル当
たり2000モルとなる量)およびトルエンを30ml
仕込み、窒素雰囲気下、室温でメチルマグネシウムブロ
ミドのジエチルエーテル溶液11.8ml(濃度:2.
37モル/リットル、28ミリモルのメチルマグネシウ
ムブロミドを含む)を加え、15分間撹拌した。その
後、25℃以下の温度、約1mmHgの条件下でジエチ
ルエーテル約10mlを留去し、次いでトルエン10m
lを加えた。得られた混合物に、窒素雰囲気下、20℃
で2,3−ジヒドロフラン1.73g(24.7ミリモ
ル)を5分間かけて滴下した。得られた反応混合物の温
度を50℃に上げ、同温度で5時間、さらに70℃で1
時間撹拌を行った。得られた反応混合物を室温まで冷却
した後、飽和塩化アンモニウム水溶液120ml中に注
ぎ込み、静置して二層に分離させた。有機層と水層を分
離し、水層をトルエン20mlで2回洗浄した。有機層
とトルエン層を一つにし、実施例1と同じ分析条件下の
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、シス−3−
ペンテン−1−オールが2.03g(23.6ミリモ
ル、収率:95.5%)含まれていることが分かった。
なお、トランス−3−ペンテン−1−オールに対応する
ピークは認められなかった(シス体/トランス体=10
0/0)
【0031】上記の有機層とトルエン層を一つにしたも
のを30g取り、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製して、3−メチル−シス−4−ヘキセン−1−オ
ール(沸点:53℃/17mmHg)を得た。このもの
の物性値を以下に示す。
【0032】 1H−NMR(300MHz,CDCl3
TMS) δ(ppm): 1.64〜1.67(m,3H)、
2.34(q,2H)、3.65(t,2H)、5.3
5〜5.45(m,1H)、5.59〜5.69(m,
1H)
【0033】実施例3 実施例2において、ジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル(II)およびトリフェニルホスフィンの
使用量をそれぞれ163.6mg(0.25ミリモル、
2,3−ジヒドロフランに対して1モル%となる量)お
よび2.625g(10ミリモル、ニッケル原子1モル
当たり40モルとなる量)に変え、かつメチルマグネシ
ウムブロミドのジエチルエーテル溶液11.8mlに代
えてエチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶
液13.9ml(濃度2.13モル/リットル、29.
6ミリモルのエチルマグネシウムブロミドを含む)を使
用し、反応混合物の撹拌を50℃で3時間実施したこと
以外は実施例2と同様の操作を行い、得られた反応混合
物を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液
120ml中に注ぎ込み、静置して二層に分離させた。
有機層と水層を分離し、水層をトルエン20mlで2回
洗浄した。有機層とトルエン層を一つにし、実施例1と
同じ分析条件下のガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、シス−3−ヘキセン−1−オール(青葉アルコー
ル)が0.71g(7.1ミリモル、収率:29.0
%)、トランス−3−ヘキセン−1−オールが0.02
g(0.2ミリモル、収率:0.8%)含まれているこ
とが分かった。(シス体/トランス体=97.3/2.
7)
【0034】実施例4 実施例2において、ジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル(II)およびトリフェニルホスフィンの
使用量をそれぞれ81.8mg(0.125ミリモル、
2,3−ジヒドロフランに対して0.5モル%となる
量)および655.8mg(2.5ミリモル、ニッケル
原子1モル当たり20モルとなる量)に変え、かつメチ
ルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液11.
8mlに代えてフェニルマグネシウムブロミドのジエチ
ルエーテル溶液28.9ml(濃度0.90モル/リッ
トル、26ミリモルのフェニルマグネシウムブロミドを
含む)を使用し、反応混合物の撹拌を50℃で2時間実
施したこと以外は実施例2と同様の操作を行い、得られ
た反応混合物を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液120ml中に注ぎ込み、静置して二層に分
離させた。有機層と水層を分離し、水層をトルエン20
mlで2回洗浄した。有機層とトルエン層を一つにし、
実施例1と同じ分析条件下のガスクロマトグラフィーで
分析したところ、シス−4−フェニル−3−ブテン−1
−オールが2.59g(17.5ミリモル、収率:7
1.0%)含まれていることが分かった。なお、トラン
ス−4−フェニル−3−ブテン−1−オールに対応する
ピークは認められなかった(シス体/トランス体=10
0/0)。
【0035】比較例1 実施例2において、ジクロロビス(トリフェニルホスフ
ィン)ニッケル(II)の使用量を1.616g(2.4
7ミリモル、2,3−ジヒドロフランに対して10モル
%となる量)とし、かつトリフェニルホスフィンを使用
しなかったこと以外は実施例2と同様の操作を行い、得
られた反応混合物を室温まで冷却した後、飽和塩化アン
モニウム水溶液120ml中に注ぎ込み、静置して二層
に分離させた。有機層と水層を分離し、水層をトルエン
20mlで2回洗浄した。有機層とトルエン層を一つに
し、実施例1と同じ分析条件下のガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、シス−3−ペンテン−1−オール
が1.72g(20.0ミリモル、収率:81.0
%)、トランス−3−ペンテン−1−オールが0.30
g(3.5ミリモル、収率:14.0%)含まれている
ことが分かった(シス体/トランス体=85.3/1
4.7)。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、式(1)で示されるシ
ス型不飽和アルコールを工業的に有利に純度よく製造す
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(2) 【化1】 (式中、nは1または2を表し、R1は水素原子または
    メチル基を表す)で示される環状ビニルエーテルと式
    (3) R2MgX (3) (式中、R2は炭素数が10以下のアルキル基、炭素数
    が10以下のアルケニル基、炭素数が10以下のアラル
    キル基、またはアリール基を表し、Xは塩素原子、臭素
    原子またはヨウ素原子を表す)で示されるグリニヤール
    試薬とを、トリアリールホスフィンおよび式(2)で示
    される環状ビニルエーテル1モル当たり0.05モル以
    下のニッケル化合物の存在下に反応させることからな
    る、式(1) 【化2】 (式中、R1、R2およびnは上記定義のとおりである)
    で示されるシス型不飽和アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 トリアリールホスフィンの使用量が、ニ
    ッケル原子1モル当たり0.1〜3000モルとなる量
    である請求項1記載の製造方法。
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