WO1991011821A1

WO1991011821A1 - Tape for tab

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Publication number: WO1991011821A1
Application number: PCT/JP1991/000066
Authority: WO
Inventors: Hitoshi Narushima; Yoshikazu Tsukamoto; Tadahiro Oishi; Atsushi Koshimura
Original assignee: Tomoegawa Paper Co. Ltd.
Priority date: 1990-01-23
Filing date: 1991-01-23
Publication date: 1991-08-08
Also published as: EP0551512A4; DE69108919T2; EP0551512B1; DE69108919D1; US5290614A; EP0551512A1; US5298304A

Description

一一明細書

T A B用テープ

[技術分野]

本発明は、半導体デバイスの組み立て工程において、デバイスの多ピン化、小型化、高密度実装に際し、注目されている T A B (Tape Automate d Bonding) 方式に用いられる保護層、接着剤層及び有機絶縁フィルムの 3層構造からなるテープ（以下、 T A B用テープという）に関する。

[背景技術]

従来、 T A B用テープは、次のよう Ίこ加工されてフィルムキャリアテープを形成する。

1 ) スプロケット ·デバイスホールをスタンビングにより穿孔する。

2 ) 穿孔されたテープに銅箔を熱圧着した後、加熱により接着剤を硬化させる。

3 ) フォトレジストを塗布し、マスクを通して紫外線等を照射した後、現像する。

4 ) デバイスホールの裏打ち、銅のエッチング、レジスト除去、裏打ちの除去を行い、回路を作製し、ソルダ一レジストをかける。

5 ) 錫、金メッキを行う。

以上の工程を経て作成されたテープに、チップがインナーリ一ドボンディングされた後、リードを切断し、プリント基板等にアウターリードボンディングし、樹脂で封止する。或いは、インナ一リードボンディングした後、樹脂で封止し、周辺回路も含め切断し、アウターリードボンディングする。

接着剤及び有機絶縁フィルムは、周辺回路、封止樹脂中に残ることが多い。この様な場合、益々高密度化が進む中、銅箔のパターン間の絶縁信頼性やチップの A 1配線の腐食に影響するイオン性不純物が問題になる。絶縁信頼性やイオン性不純物は主に接着剤の特性に起因するところが多い。即ち、イオン性不純物は、上記工程 3ないし 5において、接着剤がアルカリ（例えば、金メッキ時や、レジスト剥離時はカリウムイオンの含有）、酸（例えば、錫メツキ時は塩素イオン、硫酸イオンの含有）、エッチング液（塩素イオンの含有）などにさらされる為に生じたり、また接着剤そのものに含まれていたりする場合がある。また、絶縁信頼性は、接着剤の耐湿熱性、電気抵抗、上記イオン性不純物などにより支配される。

従来用いられてきた T A B用テープの接着剤はェポシキ系の樹脂を主成分としたものであるが、これは、 a ) 接着剤中の熱硬化成分比を増加させることにより絶縁信頼性、耐薬品性、耐熱性が向上するが、接着力が低下する。また逆に、 b) 熱硬化成分比を減少させることにより、接着力は上昇するが絶縁信頼性、耐薬品性、耐熱性が低下する。したがって、本発明の目的は、従来の T A B用テープに於ける上記のような問題を解決し、絶縁信頼性、耐薬品性、耐熱性、及び高い接着力を有する T A B用テープを提供することにある。

また、接着剤層がエポキシ系のものであるため、 a ) 加工中にイオン性不純物 (特に C Iイオン）が含有されやすい、 b ) 湿熱により加水分解されやすい、 c ) 電気抵抗が低い、等の性質によりパターン間の金属移行等を含め、絶縁劣化が問題になっている。

さらに、 T A B用テープに用いられる接着剤は、金属である C u箔と有機絶縁フィルムとの層間を構成するものであるため、金属及び有機絶縁フィルムの双方に高い接着力を持つことが要求される。

従来用いられてきた T A B用テープの接着剤層は、いずれも単層構成のものであって、これ等単層構成のものは、 a ) 上記工程において接着剤層がアルカリ（例えば金メッキ時、レジスト剥離時）、酸（例えば錫メツキ時）、エッチング液等にさらされることによる C u箔に対する接着力の低下、及び b ) インナ一リ一ド及びアウターリ一ドポンティング時、高温下での有機絶縁フィルムに対する接着力の低下、等の欠点があり、益々デバイスの高密度化、多ピン化が進む中で、多ピンチップのボンディングミスやリードの変形、剥がれ等が問題になっている。本発明は、従来の T A B用テープにおける上記のような問題を解決することを目的とするものである。

[発明の開示] 本発明の第 1の T A B用テープは、有機絶縁フィルム上に、少なくともポリアミド樹脂及びレゾール型フエノール樹脂を含有する接着剤層及び保護層を設け、該レゾール型フエノール樹脂が接着剤中に 2〜 3 5 %含有されていることを特徴とする。

第 1図は本発明の T A B用テープの模式的断面図であって、有機絶縁フィルム 1の片面に、半硬化状の接着剤層 2と、保護層となる保護フィルム 3が順次積層された層構成を有する。

有機絶縁フィルムとしては、厚さ 2 5〜 1 8 8 μ πι、好ましくは 5 0〜 1 2 5 /z mのポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフエ二レンサルファイド、ポリエ —テルエ一テルケトン等の耐熱性フィルムや、ェポシキ樹脂一ガラスクロス、ェポシキ樹脂—ポリイミド一ガラスク πス等の複合耐熱フィルムからなる有機絶縁フィルムが使用できる。

接着剤層は、熱硬化型のもので半硬化状であることが必要であり、少なくともポリアミド樹脂及びレゾ一ル型フエノール樹脂を含有する、膜厚 1 0〜4 0 μ πι、好ましくは 1 5〜3 0 μ πιの層よりなる。

この接着剤層において、ポリアミド樹脂は、主に有機絶緣フィルムとの接着性、フレキシビリティ一を得るために加えられるものである。

ポリアミド樹脂の分子量は、フレキシビリティー、テープと銅箔との熱圧着時や、接着剤の硬化時の溶融特性（デバイスホールからの接着剤のはみ出し）に関連するものであって、分子量が低すぎると溶融温度が低くなり、はみ出しの問題が生じる。また、分子量が高すぎると銅箔との熱圧着温度が高くなり過ぎるという問題が生じる。したがって、本発明においては、分子量 3 0， 0 0 0 - 1 5 0 , 0 0 0の範囲で、軟化温度 1 0 0〜 1 8 0 °Cのポリァミド樹脂を用いるのが好ましい。

更にまた、デバイスホールからの接着剤のはみ出し等に関連する溶融特性に影響を与える因子として、分子量分布があり、分子量分布が狭い場合には、熱による急激な粘度低下を起こし、テープと銅箔との熱圧時デバイスホールからのはみ出しのない熱圧条件が狭くなり好ましくない。したがって、本発明において使用するポリアミド樹脂は、'分子量分布の広いものが望ましい。本発明の接着層に配合するレゾ一ル型フエノ一ル樹脂は、フエノ一ル成分がビスフエノール A型及びアルキルフエノールから選択された 1種または 2種よりなるビスフエノール A型、アルキルフエノール型、またはそれらの共縮合型のフエノ—ル樹脂が使用できる。ァルキルフエノール型のレゾ一ルフエノール樹脂はフェノ一ル性水酸基の o—また p—位にメチル墓、ェチル基、プ口ピル基、 t -ブチル基、ノニル基等を有するものがあげられる。レゾ一ル型フエノールは加熱により反応し接着力を有する不溶不融の固体となり接着剤の接着力、絶縁信頼性、耐薬品性、耐熱性を向上させる。

又、本発明の接着層には上記レゾ一ル型フエノ一ル樹脂以外のフヱノ一ル樹脂、すなわちノボラック型フエノール樹脂に代表される全ての非熱反応型フニノール樹脂を使用することが出来、特にビフエノール A型及びアルキルフエノールから選択された 1種または 2種よりなるビスフエノール A型、アルキルフエノール型、またはそれらの共縮合型のノポラックフエノール樹脂を用いることが好ましレヽ。

接着剤は、熱硬化型である必要があり、非熱反応型フユノール樹脂を用いる場合には、エポキシ樹脂及びイミダゾール化合物を配合する。ェポシキ樹脂はポリアミド樹脂の分子鎖末端で反応し、またィミダゾ一ル化合物の作用によりフエノール樹脂と容易に硬化反応を起こす。この硬化物は接着剤の耐薬品性、耐熱性を向上させる。使用できるェポシキ樹脂としては、ビスフエノール Aジグリシジルェ一タル、エポキシ化フエノールノボラック、エポキシ化クレゾ一ルノポラック等があげられる。

イミダゾ一ル化合物としては、 2—メチルイミダゾ一ル、 2—ェチル—4—メチルイミダゾ一ル等のメチルェチルケトン等、汎用溶剤に溶解するものや、 2 - フエニル— 4一ペンジル— 5—ヒドロキシメチルイミダゾ一ル等、汎用溶剤に難溶のもの等があげられる。

本発明においては前記レゾ一ル型フエノール樹脂は、接着剤層中において、 2 〜3 5 %の配合量であることが必要である。すなわち本発明の接着剤層を構成するレゾ一ル型フエノ一ル樹脂が 2 %以下であると銅箔に対する接着力の効果がなく、又、 3 5 %以上であるとエッチング処理等 T A B用テープの加工行程で要求される耐薬品性を満足することができない。

接着剤層の保護層となる保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムが使用できる。

次に、本発明の第 1の TAB用テープの製造法について説明する。第 2図は、製造工程を示すもので、保護フィルム 3の上に所定の配合の接着剤を、乾燥後の膜厚が上記の範囲になるように塗布する。この際、半硬化状の状態にするために、その加熱条件は 150〜1 80°Cで 2分間乾燥させることが必要である。

次に、形成された接着剤層 2の表面に、有機絶縁フィルム 1を重ね合わせ、 1 00〜130でで11^ 8/^/ ：1112以上の条件で熱圧着する。

得られた TAB用テープは卷回されて、例えば幅 30〜20 Ommで 30〜3 00 mの長さのものが得られる。 ―

また、本発明の第 2の TAB用テープは、有機絶縁フィルム上に、接着剤層及び保護層を設け、この接着剤層が少なくとも 2層より構成され、かつ、有機絶縁フィルムと接する側の接着剤層は、ポリアミド樹脂を主成分とし、保護層と接する側の接着剤層は、ポリアミド樹脂とレゾ一ル型フエノール樹脂を主成分とすることを特徴とする。

第 3図は本発明の TAB用テープの模式的断面図であって、有機絶縁フィルム 1の片面に、第 1の接着剤層 2 1及び第 2の接着剤層 22よりなる半硬化状の接着剤層 2と、保護層となる保護フィルム 3が順次積層された層構成を有する。図において、接着剤層 2は 2層構成になっているが、本発明においては、 2層以上の層構成を有するものであってもよい。

有機絶縁フィルムとしては、厚さ 25〜 188. /im、好ましくは 50〜 1 25 μ πιのポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフエ二レンサルファイド、ポリエ —テルエ一テルケトン等の耐熱性フィルムや、エポキシ樹脂—ガラスクロス、ェポキシ樹脂ーポリイミドーガラスクロス等の複合耐熱フィルムからなる有機絶縁フィルムが使用できる。

接着剤層は、熱硬化型のもので半硬化状であることが必要であり、少なくとも 2層より構成される。接着剤層の総膜厚は、 1 0〜50 ; m、好ましくは 1 5〜 30 / mの範囲にある。また、有機絶縁フィルムと接する側の接着剤層及び保護層と接する側の接着剤層は、それぞれ、少なくとも 1 μ ΠΙの膜厚を有するのが望ましい。

各接着剤層のうち、有機絶縁フィルムと接する側の接着剤層は、有機絶縁ブイルムに直接接するので、高温時においても高い粘着性を有し、有機絶縁フィルムとの高い接着力を示すような接着剤が使用される。そのような接着剤として、本発明においては、ポリアミド樹脂を主成分とするものが使用される。この接着剤層には、耐薬品性を付与する為に、エポキシ樹脂ゃノポラック型フエノール樹脂を併用することが可能である。更にまた、ポリエステル樹脂、 N B R、 S B R等の熱可塑性樹脂を配合することも可能である。いずれの場合においても、有機絶緣フィルムに直接接する接着剤層においては、ポリアミド樹脂は、 5 0重量％以上含有されるようにするのが好まし。

他方、保護フィルムと接する側の接着層は、フィルムキャリアテープへの加工時に、銅箔と接するようになるので、銅箔との高い接着性とフィルムキャリアへの加工時にさらされるような薬液に対する優れた耐薬品性を持つような接着剤が使用される。本発明においては、その様な接着剤として、ポリアミド樹脂及びレゾ一ル型フエノール樹脂を主成分とするものが使用される。

この接着剤層においては、ポリアミド樹脂とレゾール型フエノール樹脂との比率は、ポリアミド樹脂 1 0 0重量部に対し、レゾ一ル型フエノール樹脂 4〜 1 0 0重量部の範囲にあることが好ましく、また、ポリアミド樹脂は、全接着剤中の 5 0重量％未満であることが好ましい。

また、この接着剤層には、さらにエポキシ樹脂、ノボラック型フエノ一ル樹脂等の熱硬化性樹脂及びィミダゾ一ル等の硬化促進剤を併用することができる。本発明における上記各接着剤層において使用するポリアミド樹脂としては、公知の種々のものが使用できる。

使用するポリアミド樹脂の分子量は、フレキシビリティー、テープと銅箔との熱圧着時や、接着剤の硬化時の溶融特性（デバイスホールからの接着剤のはみ出し）に関連するものであって、分子量が低すぎると溶融温度が低くなり、はみ出しの問題が生じる。また、分子量が高すぎると銅箔との熱圧着温度が高くなり過ぎるという問題が生じる。したがって、本発明においては、分子量 3 0 , 0 0 0 〜 1 5 0， 0 0 0の範囲で、軟化温度 1 0 0〜 1 8 0。Cのポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。

さらにまた、デバイスホールからの接着剤のはみ出し等に関連する溶融特性に影響を与える因子として、分子量分布があり、分子量分布が狭い場合には、熱による急激な粘度低下を起こし、テープと銅箔との熱圧時デパイスホールからのはみ出しのない熱圧条件が狭くなり好ましくない。したがって、本発明において使用するポリアミド樹脂は、分子量分布の広いものが好ましい。

また、ポリアミド樹脂として、例えば、アミド基当量（分子量ノアミド基 1個）が 2 0 0ないし 4 0 0のポリアミド樹脂を用いると、接着剤層の吸湿性が低くなり、また、吸湿による電気抵抗の低下を 1桁程度に抑えることができ、そして、加水分解などの耐湿性が向上し、結果的に絶縁劣化を防止することができるので、特に好ましい。

また、ポリアミド樹脂としては、その 1分子鎖の中でアミド基間の炭化水素の分子量が 1 0 0から 8 0 0の広範囲にわたるもの、そして、異なる分子量をもつアミド基間炭化水素分子が不規則に並んで入ったものを用いてもよい。これ等のポリアミド樹脂は、アミド基当量が大きいにもかかわらず、接着性を有し、フレキシビリティも大きいので好ましく使用される。

上記ポリアミド樹脂と併用させるレゾ一ル型フエノール樹脂としては、フエノ —ル成分がビスフエノ一ル A及びアルキルフェノールから選択された 1種又は 2 種よりなるビスフエノール A型、アルキルフエノール型、又はそれらの共縮合型のものが使用できる。アルキルフエノール型のレゾ一ル型フエノール樹脂は、フエノ一ル性水酸基の 0—又は p—位に、メチル基、ェチル基、プロピル基、 t - ブチル基、ノニル基等を有するものがあげられる。レゾ一ル型フエノール樹脂は、加熱により反応して、接着力を有する不溶不融の固体になり、接着剤の接着力、絶縁信頼性、耐薬品制、耐熱性を向上させる作用をする。

接着剤層の保護層となる保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ一ト、ポリプロピレン等のフィルムが使用できる。

次に、本発明の第 2の T A B用テープの製造法について説明する。第 4図は、製造工程を示すもので、保護フィルム 3の上に、所定の配合を有する 2種類の'接着剤を、それぞれ乾燥後の膜厚が上記の範囲になるように塗布して第 1の接着剤層 21及び第 2の接着剤層 22を形成するか、又は、予め、単層に製膜した二種類の接着剤よりなるフィルムを、保護フィルム 3上に熱圧着により積層する。この際、半硬化状の状態にするために、その加熱条件は 150〜 180°Cで乾燥させることが必要である。

次に、形成された接着剤層 2の表面に、有機絶縁フィルム 1を重ね合わせ、 1 00〜130°Cで 1 k gZcm2以上の条件で熱圧着する。

得られた TAB用テープは巻回されて、例えば幅 30〜20 Ommで 30〜3 00mの長さのものが得られる。

[図面の簡単な説明] 一

第 1図は本発明の第 1の TAB用テープの模式的断面図、第 2図は本発明の第 1の TAB用テープの製造工程図である。

第 3図は本発明の第 2の TAB用テープの模式的断面図、第 4図は本癸明の第 2の TAB用テープの製造工程図である。

[発明を実施するための最良の形態]

以下、本発明の台 1の TAB用テープの実施例について説明する。

なお、配合部数は全て重量部を示すものとする。

「実施例 1 J

厚さ 38 μπιのポリエチレンテレフタレ一トフイルムからなる保護フィルムに下記組成の接着剤層用塗料を塗布し、 160°C2分間乾燥して膜厚 20 μπιの接着剤層を形成した。

ポリアミド樹脂（トーマイド TXC— 232— Β 富士化成工業社製）の 25

%イソプロピルァルコール/水混合溶液 1 00部

エポキシ樹脂（ェピコート 828 油化シェル社製） 8部

ノボラック型フエノール樹脂（タマノル 752 荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 8部 -. レゾール型フヱノール樹脂（CKM— 1 282 昭和高分子社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 6部

2—ェチルイミダゾールの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

次に厚さ 50 μπιのポリイミドフィルムからなる有機絶縁フィルムを重ね合わせ、 130°ClKgZcm2の条件で加熱圧着して本発明の TAB用テープを作製した。

次に、この TAB用テープの保護フィルムを剥して 1オンスの電解銅箔（厚さ 35〜40 μπι) を貼り合わせ、 1 30°C、 1 K g c m2の条件で加熱加圧処理を行った。

その後更に 60 °C 6時間、 80 °C 6時間、 1 20 °C 3時間及び 1 50 で 5時間、順次加熱を行い接着剤層の硬化を行なった。更に、常法により銅箔上にフォトレジスト膜を形成して処理し銅箔をエッチングし、櫛形回路を形成しフィルムキヤリァテープを作成した。

「実施例 2」

接着剤層用塗料として、下記組成のものを用いた以外は実施例 1 と同様にして TAB用テープ及びフィルムキヤリァテープを作製した。

ポリアミド樹脂（卜一マイド TXC— 232 -B 富士化成工業社製）の 25 %イソプロピルアルコール Z水混合溶液 60部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 828 油化シェル社製） 14部

ノボラック型フエノール樹脂（タマノル 752 荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 14部

レゾ一ル型フエノール樹脂（CKM— 1 282 昭和高分子社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 6部

2—ェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

「実施例 3」

ポリアミド樹脂（トーマイド TXC— 232— B 富士化成工業社製）の 25 %イソプロピルアルコールノ水混合溶液 60部エポキシ樹脂（ェピコ一ト 828 油化シェル社製） 14部ノポラック型フエノール樹脂（タマノル 752 荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 14部

レゾール型フエノール樹脂（PR— 1 1 078 住友デュレズ社製） 6部 2ーェチルイミダゾールの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

「比較例 1J

接着剤層用塗料として、下記組成のものを用いた以外は実施例 1と同様にして比較用の TAB用テープ及びフィルムキヤリァテープを作製した。

ポリアミド樹脂（ト一マイド TXC— 232 -B 富士化成工業社製）の 25 %イソプ πピルアルコール/水混合溶液 1 00部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 828 —油化シェル社製） 10部

ノポラック型フエノール樹脂（タマノル 752 荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 10部

2ーェチルイミダゾ一ルの 1 °/₀メチルェチルケトン溶液 10部

「比較例 2 J

ポリアミド樹脂（ト一マイド TXC— 232— B 富士化成工業社製）の 25 %イソプロピルアルコ一ル/水混合溶液 60部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 828 油化シェル社製） 16部

ノボラック型フエノール樹脂（タマノル 752 荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 16部

2—ェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

「比較例 3 J

ポリアミド樹脂（トーマイド TXC— 232— B 富士化成工業社製）の 25 %イソプロ'ピルアルコール/水混合溶液 1 00部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 828 油化シェル社製） 8部ノボラック型フエノール樹脂（タマノル 752 荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 8部

レゾール型フエノール樹脂（C KM— 1 282 昭和高分子社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 60部

2—ェチルイミダゾールの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

実施例 1〜3、及び比較例 1〜3のフィルムキャリアテープに対し、下記の特性試験を行いその結果を第 1表に示す。

1. 線間 1 00 μ mパターンを用い、 12 1 °C、 2 a t m、 1 00 v o 1 t印加下での線間短絡が生じるまでの時間。

2. 耐薬品性…ァセトン及びメタノール浸漬による溶解量…接着剤層の配合物を加熱硬化させた後、アセトンもしく ¾ ^タノールにて 30°Cで 1時間（超音波下）浸漬した後の重量減少率（％) 。

3. 銅箔との接着力（1 cm巾 180° 剥離）。第 1 実施例 1 実施例 2 実施例 3 比較例 1 比較例 2 比較例 3

1 短絡時間（HRS) 21 7 250 24 1 04 1 25 250 耐アセトン（％) 2. 0 1. 7 6 4. 0 3. 2 3. 8

2 薬品

性メタノール（％) 2. 3 1. 6 1. 6 5. 2 3. 2 4. 0

3 接着力 (Kg/cm) 2. 5 2. 4 2. 4 2. 5 1. 4 2. 5 第 1表から明らかなとおり、本発明による TAB用テ一プは高い絶縁信頼性と耐薬品性および強い接着力を全て備えたものであることが確認された。

以上のように、本発明の台 1の TAB用テープは、絶縁信頼性に加え高い接着力を有するので、多ピン化が進み益々線巾が狭くなつているパターンと有機絶縁フィルムとを確実に接着し且つ高い絶縁信頼性によりリード間の絶縁性に問題が生じない。したがって、チップと外部回路との接続に使用される際に、リード-の数が増えてもリード部分にテープを残留させることができる。よって、多ピンチップを実装する場合、ボンディグミスが生じ難く、搬送工程、ボンディグ工程等に於いて、リ一ドの変形が少なく歩留が大巾に上昇する。

次に、本発明の第 2の TAB用テープの実施例について説明する。

「実施例 1 J

厚さ 3 8 μπιのポリエチレンテレフタレ一トフイルムからなる保護フィルムに下記組成の接着剤層用塗料を塗布し、 1 6 0°Cで 2分間加熱乾燥して膜厚 1 5 μ mの接着剤層を形成した。

ポリアミド樹脂（トーマイド TXC— 2 3 2— B 富士化成工業社製）の 2 5 %イソプロピルアルコ一ルノ水混合溶液 6 0部

レゾールフエノール樹脂（CKM_ 1 2 8 2、昭和高分子社製）の 5 0 %メチルェチルケトン溶液 6部

エポキシ樹脂（ェピコ一卜 8 2 8、油化シェル社製） 1 4部

ノポラックフエノール樹脂（タマノル 7 5 2、荒川化学社製）の 5 0 %メチルェチルケトン溶液 1 4部

2—ェチルイミダゾールの 1 %メチルェチルケ卜ン溶液 1 0部

次に、上記接着剤層の上に下記組成の接着剤層用塗料を塗布し、 1 6 0°Cで 2 分間乾燥して、膜厚 5 μπιの接着剤層を形成した。

ポリアミド樹脂（トーマイド TXC— 2 3 2—B 富士化成工業社製）の 2 5

%イソプロピルアルコール/水混合溶液 1 0 0部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 8 2 8、油化シェル社製） 8部

ノポラックフエノール樹脂（タマノル 7 5 2、荒川化学社製）の 5 0 %メチルェチルケトン溶液 8部

2ーェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

次に厚さ 50 μπιのポリィミドフィルムからなる有機絶緣フィルムを重ね合わせ、 1 3 0°C、 1 K g/ c m2の条件で加熱加圧して、 T A B用テープを作製した。次に、この TAB用テープの保護フィルムを剥離し、 1オンスの電解銅箔（厚さ 3 5〜4 0 /zm) を貼り合わせ、 1 3 0°C、 1 K g / c m2の条件で加熱加圧処理を行った。その後更に 6 0でで 6時間、 8 0でで 6時間、 1 2 0 °Cで 3時間、及び i scrcで 5時間、順次加熱を行い、各接着剤層の硬化を行った。更に、常法により銅箔上にフォトレジスト膜を形成して処理し、銅箔をエッチングし、櫛型回路を形成してフィルムキヤリァテープを作製した。

「実施例 2 J

接着剤層用塗料として、下記組成のものを用いた以外は、実施例 1と同様にして TAB用テープ及びフィルムキヤリァテープを作製した。

〈保護フィルム側の接着剤〉

ポリアミド樹脂（マクロメルト 6212 ヘンケル白水社製）の 25%イソプ πピルアルコール /水混合溶液 60部

レゾ一ルフエノール樹脂（C KM— 1282、昭和高分子社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 6部 ―

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 828、油化シェル社製） 14部

ノボラックフエノール樹脂（タマノル 752、荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 14部

2—ェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

〈有機絶緣フィルム側の接着剤〉

ポリアミド樹脂（マクロメルト 6212 ヘンケル白水社製）の 25 %イソプ πピルアルコ一ル Z水混合溶液 1 00部

エポキシ樹脂（ェピコート 828、油化シェル社製） 8部

ノポラックフエノール樹脂（タマノル 752、荒川化学社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 8部

2—ェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

「実施例 3 J

〈保護フィルム側の接着剤〉

ポリアミド榭脂（プラタボンダ M— 1 276 日本リルサン社製）の 25%ィソプロピルアルコール水混合溶液 60部

レゾ一ルフヱノール樹脂（PR— 1 1 078、住友デュレズ社製）の 50%メチルェチルケトン溶液 6部

エポキシ樹脂（ェピコ一卜 8 2 8、油化シェル社製） 1 4部

2—ェチルイミダゾールの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

〈有機絶緣フィルム側の接着剤〉

ポリアミド樹脂（プラタボンダ M— 1 2 7 6 日本リルサン社製）の 2 5 %ィソプロピルアルコール/水混合溶液 1 0 0部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 8 2 8、油化シェル社製） 8部

ノポラックフエノール樹脂（タマノル 7 5 2、荒川化学社製）の 5 0 %メチルェチルケトン溶液 8部 ―

2—ェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

「比較例： U

接着剤層用塗料として、下記組成のものを用い、接着剤層を単層構造として T A B用テープを作製した以外は、実施例 1と同様にしてフィルムキヤリァテープを作製した。

ポリアミド樹脂（トーマイド T X C— 2 3 2— B 富士化成工業社製）の 2 5 %イソプロピルアルコ一ル Z水混合溶液 6 0部

レゾールフエノール樹脂（C KM— 1 2 8 2、昭和高分子社製）の 5 0 %メチルェチルケトン溶液 6部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 8 2 8、油化シェル社製） 1 4部

2—ェチルイミダゾールの 1。/₀メチルェチルケトン溶液 1 0部

「比較例 2 J

ポリアミド樹脂（プラタボンダ M— 1 2 7 6、日本リルサン社製）のイソプロピルアルコールノ水混合溶液 1 0 0部

エポキシ樹脂（ェピコ一ト 8 2 8、油化シェル社製） 8部

ノポラックフエノール樹脂（タマノル 7 5 2、荒川化学社製） 8部

2ーェチルイミダゾ一ルの 1 %メチルェチルケトン溶液 1 0部

「特性評価試験」

上記実施例 1ないし 3及び比較例 1及び 2のフィルムキヤリァテープに対し、下記の特性評価試験を行った。

1. 耐薬品性試験

エツチング液及び無電界メッキ液に浸された際の銅箔と接着剤層との間の接着力を調べるために、エッチングによって 2 0 0 μΐη、 1 0 0 111及び5 0 111のパターン巾に形成した銅箔パターンの着力を測定し、さらに無電界メツキを行つた後の接着力を測定した。結果を第 1表に示す。なお、第 1表の数値は、 1 8 0 ° 剥離力をテンシロン引張り強度測定機によつて測定した値である。ノタ一ン幅 2 0 0 μ τη 1 0 0 μ m 5 0 μ m 実施例 1 エッチング後 3 0. 6 (g ) 1 4. 8 (g ) 7. 8 (g ) メツキ後 3 0. 6 1 4. 4 7. 4 実施例 2 エッチング後 3 7. 4 1 7. 8 9. 4

メツキ後 3 8. 4 1 7. 8 7. 5 実施例 3 エッチング後 3 7. 8 1 8. 2 8. 5

メツキ後 3 7. 8 1 7. 2 7. 9 比較例 1 エッチング後 2 9. 0 1 2. 5 6. 9

メツキ後 2 7. 5 1 3. 0 6. 2 比較例 2 エッチング後 3 0. 6 1 4. 0 7. 2

メツキ後 2 0. 6 7. 5 3. 0

2. 耐熱接着性

1 c m幅の C u箔が形成されたフィルムキヤリァテ一プを、 3 5 0°Cの熱板上に、その有機絶縁フィルムの背面が接するように固定し、 C u箔を 1 8 0° の方向に 5 cmZm i nの剥離速度で剥離して、その際の剥離力を測定した。結果-を第 2表に示す。

第 2表 .

剥離力（g Z c m)

実施例 1 3 0 0

実施例 2 3 4 0

実施例 3 2 9 0

比較例 1 5 0

比較例 2 2 8 0 第 1表及び第 2表の結果から明らかなように、本発明の T A B用テープは、上記試験によって、優れた耐薬品性及び耐熱接着性を示すことが確認された。

以上のように、本発明の第 2の T A B用テープは、接着剤層が 2層以上の積層構造を有し、かつ、有機絶緣フィルムに接する側の接着剤層と保護層に接する側の接着剤層とが、前記した接着剤組成を有するから、接着剤が、エッチング、メツキ、レジス卜剥離等の加工工程中にアルカリ、酸或いはエッチング液などにさらされても、 C u箔に対する接着力の低下を引き起こすことがない。また、インナ一リ一ド及びァウタ一リ一ドボンディング時の高温下で、有機絶縁性フィルムに対する接着力の低下が生じることもない。

したがって、本発明の T A B用テープは、高密度化した回路に適用することが可能になる。また、本発明の T A B用テープは、絶縁信頼性が高く、リード間の絶縁性に問題が生じないので、チップと外部回路との接続に使用される際に、リ —ドの数が増えても、リード部分にデ一プを残留させることができる。したがつて、多ピンチップを実装する場合、ボンディングミスが生じ難く、搬送工程、ボンディング工程等において、リ一ドの変形が少なく歩留まりが大幅に上昇する。

Claims

請求の範囲

1. 有機絶縁フィルム上に、少なくともポリアミド樹脂及びレゾール型フエノ一ル樹脂を含有する接着剤層及び保護層を設けてなり、該レゾール型フエノール樹脂が接着剤層中に 2〜 35%含有されていることを特徴とする TAB用テープ。

2. 接着剤層がェポシキ樹脂を含有することを特徴とする請求項 1記載の TAB 用テープ。

3. 接着剤層がィミダゾ一ル化合物を含有することを特徴とする請求項 1記載の TAB用テープ。

4. 有機絶縁フィルム上に、接着剤層及び保護層を設けてなり、該接着剤層が少なくとも 2層より構成され、かつ、有機絶縁フィルムと接する側の接着剤層は、ポリアミド樹脂を主成分とし、保護層と接する側の接着剤層は、ポリアミド樹脂とレゾ一ル型フエノール樹脂を主成分とすることを特徴とする TAB用テープ。

5. 有機絶縁フィルムと接する側の接着剤層におけるポリアミド樹脂の含有量が 50重量。 /₀以上であることを特徴とする請求項 4記載の T A B用テープ。

6. 保護層と接する側の接着剤層におけるポリアミド樹脂の含有量が 50重量％未満であることを特徴とする請求項 4または 5記載の TAB用テープ。