明 細 書 ァリル系架橋共重合体微粒子含有水系エマルション 発明の分野
本発明は塗料、 コーティング剤や接着剤として有用なほか、 樹脂改質剤 又は樹脂への充填剤としても有用なそれ自体造膜性を有し粒子内部が架橋 構造をもつァリル系架橋共重合体微粒子含有エマルションに関する。
関連技術
従来、 ジァリルフタレート樹脂化粧板は、 合板、 パーティクルボード、 中質繊維板 (MD F ) 、 スレー ト板等の基材の表面に、 ジァリルフタレー トプレポリマ—を含浸した化粧紙を当てて、 熱圧硬化一体化する事により 得られ、 高級化粧板として数多くの分野で使用されてきた。 この際、 使用 される含浸紙はジァリルフタレートプレポリマ一を主成分とする樹脂組成 物を、 それらを溶解する有機溶剤、 例えばアセトン、 メチルェチルケトン、 トルエンなどの溶媒に溶解させ、 含浸液を作り、 化粧紙へ含浸、 乾燥とい う工程を経て作られてきた。
しかし近年地球環境、 安全衛生上の観点から、 これら有機溶剤を使わな い方法への転換が強く望まれている。 しかも上記従来の方法はプレボリマ を樹脂組成物の主成分に使うため、 後工程の熱圧硬化で樹脂を固めるに は多量の過酸化物等の触媒が必要であるだけでなく、 重合を完結させるた めに比較的長時間を必要とし、 生産性に劣るという欠点を有する。
有機溶剤を用いない系としてァリル系モノマーとビニル系モノマー類と の乳化共重合に関する特許がこれまでにも開示されているが造膜性等にお いて多くの問題点を抱えている。
特公昭 4 5— 3 5 9 1 -4号公報には、 二塩基酸のジァリルエステルと付 加重合性モノマーに重合反応を円滑に行うための必須成分として不飽和酸 を加えたエマルション重合に関する記載がある。 この発明における不飽和 酸の量は全モノマー中 5〜2 0重量%と多量である。 し力、し、 不飽和酸の 多量の配合は得られた共重合体の耐水性に問題があり好ましくない。
特公昭 5 2— 4 9 0 3 2号公報に記載の発明はフタル酸ジァリル 3 0〜 9 0モル% (約 3 6〜9 6重量%) 、 ァクリル酸エステル 1 0〜7 0モル % (約 3〜6 4重量%) 、 ビニルモノマー 0 ~ 6 0モル% ( 0〜約5 6重 量%) からなる混合モノマーを乳化共重合し、 重合率 4 0〜9 0 %で止め、 意識的に未反応モノマ一を残して可塑化効果を発現させることにより造膜 性を得ている。 ただし、 この範囲で重合を停止する場合は、 成形時にラジ カル開始剤を後添加するという加工操作上の問題がある。 さらに、 上記よ り得られた塗膜は収縮が大きく、 熱圧成形が必要である。 また、 上記ビニ ルモノマ一として水酸基含有ビニルモノマーの具体的例示はなされていな い。
特公昭 5 1 - 1 8 4 7 5号公報に記載の発明はフタル酸ジァリル 5 0〜 9 0重量%、 ァクリル酸エステル 1 0〜5 0重量%をァニオンーノニオン 両性界面活性剤で乳化重合し、 これを他の高分子エマルションにブレンド して耐ブロッキング性を付与している。 この発明での重合率は 5 0〜9 0 %であり、 このエマルション組成物単独では造膜性がない。
特公昭 5 7 - 2 6 2 9 4号公報にはフタル酸ジァリル単独あるいは他の ビニル系モノマーとを重合率 5 0 %以上で重合したエマルションが挙げら れているが、 造膜性を出すために、 多量のアクリル酸エステル系エマルショ ンをブレンドした上に、 水溶性高分子を添加せねばならないという不都合 がある。 なお実施例には重合率が 7 0 %以下のものしか取り上げられてい
ない。 - その他に特公昭 5 2— 6 7 5 3号公報、 特公昭 5 2— 5 0 0 7 2号公報、 特公昭 5 1 - 3 1 2 5 9号公報、 特公昭 5 3— 2 8 2 9 4号公報等にはフ タル酸ジァリルノアクリル酸エステル系エマルション組成物の記載がある が、 いずれもフタル酸ジァリルの重合を途中で停止することで、 未反応モ ノマ一を残し、 これが各粒子間のバインダ一となつて造膜性を出している。 そのため未反応モノマーを塗膜形成時に再び反応させる必要があり、 過酸 化物触媒を加えて硬化反応を行っている。
特開平 6— 2 4 8 1 9 9号公報には、 a, S—エチレン性不飽和単量体 とビニルシランおよびァリル基を 2以上有する単量体を乳化重合して得ら れる共重合体が開示されているが、 該技術は、 目的の架橋形態を達成する ためにシラン基を必須とする。
発明の要旨
本発明は、 特定のモノマー組成で乳化重合を行うことによりフタル酸ジ ァリルを実質的に完全に重合させることを可能とし、 更にその場合でも、 すなわち、 未反応モノマーを残存させなくても良好な造膜性を有する共重 合体微粒子含有水系エマルシヨンを提供するものであり、 また、 水酸基含 有ビニルモノマ一を必須の共重合成分とすることによりァミノ樹脂架橋剤 だけでなくプロック化されたィソシァネート化合物架橋剤によっても架橋 を可能とし、 単に化粧板用途だけでなく、 一般的な塗料、 コーティング剤 や接着剤としても幅広く有用とならしめ、 又、 樹脂改質剤あるいは樹脂へ の充填剤としても有用な架橋共重合体微粒子含有水系エマルシヨンを提供 するものである。
本発明は (a ) フタル酸ジァリノレ 1 0〜4 0重量%、 (b ) 水酸基含有 ビニルモノマー 0 . 1〜1 5重量%及び ( c ) 残部が 1価アルコールの炭
素数が 1〜8のアクリル酸エステルからなるモノマーを、 (a ) フタル酸 ジァリルの重合率が 8 5 %以上まで乳化共重合して得られた平均粒子径 2 0 0 n m以下のァリル系架橋共重合体微粒子含有水系エマルション及び該 エマルシヨンに水酸基と反応可能な架橋剤を配合したエマルション組成物 に関する。
本発明は、 上記エマルションを乾燥して得られたァリル系架橋共重合体 粒状物にも関する。
発明の詳細な説明
本発明に用いるフタル酸ジァリル (a ) は、 オルソ、 イソ及びテレ体の 総称であり、 その中の 1つ或いは組み合わせで用いても良い。 フタル酸ジ ァリル (a ) は、 共重合体に対して、 1 0〜4 0重量%、 好ましくは 1 5 ~ 3 5重量%、 更に好ましくは 2 0〜3 5重量%が適当である。
水酸基含有ビニルモノマ一 (b ) としては、 2価以上のアルコールのァ クリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル、 ァリルアルコール、 メ タリルアルコール、 2価以上のアルコールのァリルエーテルもしくはメタ リルエーテルが好ましい。 2価以上のアルコールのァクリル酸エステルも しくはメタクリル酸エステルとしては、 例えば 2—ヒドロキンェチルァク リレート、 2—ヒ ドロキシプロピルアタリレート、 2—ヒ ドロキシェチル メタクリレート、 2—ヒ ドロキンプロピルメタクリレート、 3 —ヒ ドロキ シプロピルァクリレート、 3—ヒ ドロキシプロピルメタクリレー卜、 2— ヒドロキシブチルァクリレート、 2—ヒ ドロキシブチルメタクリ レート、 4ーヒ ドロキシブチルァクリレート、 4ーヒ ドロキシブチルメタクリレー ト、 グリセリンのァクリル酸もしくはメタクリル酸モノもしくはジエステ ル、 トリメチロールプロパンのァクリル酸もしくはメタクリル酸モノもし くはジエステル及びペンタエリスリ トールのァクリル酸もしくはメタクリ
ル酸モノ、 ジもしくはトリエステルが挙げられる。 2価以上のアルコール のァリルエーテルもしくはメタリルエーテルとしては、 2—ヒ ドロキシェ チルァリルエーテル、 2—ヒドロキシェチルメタリルエーテル、 2—ヒ ド ロキシプロピルァリルエーテル、 2—ヒ ドロキシプロピルメタリルエーテ ル、 3—ヒ ドロキシプロピルァリルエーテル、 3—ヒ ドロキシプロピルメ 夕リルエーテル、 2—ヒドロキシブチルァリルエーテル、 2—ヒドロキン ブチルメタリルエーテル、 4ーヒ ドロキシブチルァリルエーテル、 4—ヒ ドロキシブチルメタリルエーテル、 グリセリンのモノもしくはジァリルェ 一テルまたはモノもしくはジメタリルエーテル、 トリメチロールプロパン のモノもしくはジァリルエーテルまたはモノもしくはジメタリルエーテル、 ペンタエリスリ トールのモノ、 ジもしくはトリアリルエーテルまたはモノ、 ジもしくはトリメタリルエーテルが挙げられる。
これらのうち、 特に好ましいものは 2—ヒ ドロキンェチルァクリレート、 2—ヒドロキンプロピルァクリレート、 2—ヒ ドロキシェチルメタクリレ ート、 2—ヒ ドロキシプロピルメタクリレート、 ァリルアルコール及びメ 夕リルアルコールである。 水酸基含有ビニルモノマー (b ) は上記の単独 又は 2種以上を組合わせて用いてもよい。
水酸基含有ビニルモノマー (b ) の配合量は、 共重合体に対して、 0 . 1〜1 5重量%、 好ましくは 0 . 5〜1 0重量%、 特に好ましくは 0. 5 〜7重量%でぁる。
ァクリル酸エステル (c ) は、 一価アルコールとァクリル酸のエステル であり、 水酸基を持たない。 一価アルコールの炭素数は 1〜8である。 ァ クリル酸エステル (c ) としては、 例えばアクリル酸メチル、 アクリル酸 ェチル、 ァクリル酸プロピル、 ァクリル酸ィソプロピル、 ァクリル酸プチ ル、 アクリル酸イソプチル、 アクリル酸 t—プチル、 アクリル酸 2—ェチ
ルへキシル、 アクリル酸ォクチル等が好ましく、 その中の 1つ或いは組み 合わせで用いても良い。 エステルの酸成分としてァクリル酸の代わりにメ タクリル酸を用いても造膜性を有する微粒子含有水系エマルションを得る ことができない。 アクリル酸エステル (c ) の配合量は、 共重合体に対し て、 (a ) 1 0〜4 0重量%、 (b ) 0. 1〜1 5重量%の残部である。 アクリル酸エステル (c ) の一部を造膜性を損なわない範囲で他のビニ ル化合物、 例えばメタクリル酸エステル、 炭素数が 9以上の一価アルコ一 ルのアクリル酸エステル、 マレイン酸エステル、 フマル酸エステル、 イタ コン酸エステル等の , 3—不飽和カルボン酸のエステル類;ァクリロ二 トリル、 メタクリロニトリル等の α、 β—不飽和二トリル類;酢酸ビニル、 プロピオン酸ビニル、 バーサチック酸ビニル等の長鎖カルボン酸ビニル (ベ ォバ 9、 べォバ 1 0 : シヱルジャパン社製商品名) 等のビニルエステル類 ;メチル (メタ) ァリルエーテル、 ブチル (メタ) ァリルエーテル、 ァリ ル (メタ) ァリルエーテル等のァリルェ一テル又はメタリルエーテル類; 酢酸 (メタ) ァリル、 酪酸 (メタ) ァリル等の (メタ) ァリルエステル類 ; ジビニルベンゼン、 エチレングリコールジ (メタ) ァクリレート、 プロ ピレングリコールジ (メタ) ァリルエーテル等の分子内に複数の不飽和結 合を有する架橋性モノマー等で置換してもよい。 その割合は (c ) 成分中、 3 0重量%以下、 好ましくは 2 5重量%以下、 さらに好ましくは 1 0重量 %以下である。
上記 (a ) 、 ( b ) 及び (c ) のモノマー組成において、 フタル酸ジァ リノレ (a ) の量が 1 0重量%より少ないと塗膜としたときその表面がタッ ク性を帯び、 耐溶剤性も劣るので実用性に乏しい。 フタル酸ジァリル (a ) が 4 0重量%を超えると、 すなわち、 アクリル酸エステル (c ) の量が減 少すると造膜性が乏しくなる。 また、 水酸基含有ビニルモノマー (b ) の
量が 0. 1重量%より少 いと架橋剤との反応効果が低下し耐溶剤性が不 足するようになる。 また 15重量%以上では耐水性またはエマルシヨンの 安定性が悪くなると共に耐溶剤性の向上効果が鈍化し、 物性バランス上好 ましくない。
本発明のァリル系架橋共重合体微粒子含有水系エマルションを製造する には、 水中、 上記 (a) 、 (b) 、 (c) モノマーの濃度 5〜60重量% において乳化剤及び重合開始剤を加えて重合温度 40〜100° (:、 好まし くは 50〜90。Cでフタル酸ジァリルの重合率が 85%以上に乳化重合さ せることによって得られる。 反応に際してモノマーは最初に一括して加え てもよく、 反応経過に従って逐次添加してもよい。 添加に際してモノマ一 はこれを乳化剤によってエマルションとしたものを用いてもよい。 反応は、 通常撹拌下で行われるが、 撹拌は通常の撹拌法の他にディスパー、 ホモミ キサ一等も用いることができる。 また超音波照射の条件下、 撹拌又は非撹 拌で行うこともできる。
フタル酸ジァリルの重合率は 90%以上、 特に 92%以上、 特別には 9 4%以上であることが好ましい。 共重合体のゲル分率は 88%以上、 特に 90%以上であってよい。
本発明のエマルションに含まれるァリル系架橋共重合体微粒子の粒子径 はその用途の面から平均粒子径 200 nm以下が好ましい。 平均粒子怪 2 00 nmを超えると光沢性ゃ艷が不足する。 平均粒子系は、 特に 150 η m以下、 例えば 100 nm以下であってよい。
平均粒子径 200 nm以下の微粒子のエマルションを得るには、 乳化剤 を全モノマ一に対して 0. 1〜10重量%、 好ましくは 0. 5~7重量% 使用して乳化重合を行うことによって達せられる。 乳化剤の添加は当初に 一括供給してもよく、 また反応の経過に従って分割し供給してもよい。 乳
化剤の使用量が 0. 1重量%より少ないと重合の途中で凝集物が生じやす くなる。 また 1 0重量%を超えてもそれによる反応安定性の向上は認めら れず、 返って樹脂の耐水性を低下させることとなる。
本発明に用いられる乳化剤はカチオン系、 ァニオン系、 ノニオン系、 両 性系、 ァニオンーノニオン混合系もしくは複合系の界面活性剤が用いられ るが、 通常ァニオン系、 ァニオンーノニオン混合系もしくは複合系の界面 活性剤が好ましい結果を与える。
カチオン系としては第 1級アミ ン塩酸塩、 第 2級アミン塩酸塩、 第 3級 ァミ ン塩酸塩、 第 4級アンモニゥム塩が挙げられる。
ァニオン系としては脂肪酸塩、 高級アルコールの硫酸エステル塩、 液体 脂肪油の硫酸エステル、 脂肪族アミ ン及び脂肪族ァマイ ドの硫酸塩、 脂肪 族アルコールのリン酸エステル、 二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、 脂肪族アミ ドのスルホン酸塩、 アルキルァリールスルホン酸塩、 ホルマリ ン縮合ナフタリンスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン系としてはポリォキシエチレンアルキルエーテル、 ポリォキシ エチレンポリォキシプロピレンアルキルエーテル、 ボリォキシェチレンァ リールエーテル、 ポリォキシエチレンポリォキシプロピレンァリ一ルェ一 テル、 ポリオキシエチレンアルキルァリールエーテル、 ポリオキシェチレ ンポリオキシプロピレンアルキルァリールエーテル、 ポリオキシエチレン アルキルエステル、 ポリォキシエチレンポリォキシプロピレンアルキルェ ステル、 ソルビタンアルキルエステル、 ポリオキシエチレンソルビタンァ ルキルエステル等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはアミノ酸型、 ベタイン型、 硫酸エステル塩型、 スルホン酸塩型、 リン酸エステル塩型が挙げられる。
ァニオンーノニオン混合系としては、 上記のァニオン系及びノニオン系
の界面活性剤を適宣選択混合して使用することができる。 またァニオン一 ノニオン複合系としてはポリオキシエチレンアルキルァリ一ルエーテル類、 ポリォキシエチレンアルキルエーテル類、 ポリォキシエチレンポリォキシ プロピレンアルキルエーテル類、 ポリオキンエチレンァリールエーテル類、 ポリォキシェチレンポリォキシプロピレンァリ一ルエーテル類、 ポリォキ シエチレンポリオキシプロピレンアルキルァリールエーテル類等のノニォ ン系界面活性剤の硫酸エステルもしくはリン酸エステルのアンモニゥム塩、 ナトリウム塩、 カリウム塩等が挙げられる。
また乳化剤として 1分子中に重合性二重結合を有する反応性乳化剤を使 用することも本発明を妨げるものではない。 具体例として三洋化成工業 (株
) の商品名工レミノール J S-2, RS— 30、 第一工業製薬 (株) の商 品名アクアロン RN—20, RN- 30, R -50, HS— 10, HS 一 20, HS— 1025、 ニューフロンティア類、 日本乳化剤 (株) の商 品名 An t ox MS— 60, RMA—1120, RMA— 500シリー ズ等が挙げられる。
反応性乳化剤の使用形態としては単独、 2種以上の異種反応性乳化剤の併 用、 又は反応性乳化剤以外の乳化剤との併用等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤は水可溶型のラジカル発生剤がよく、 例 えば過硫酸アンモニゥム、 過硫酸カリウム、 過硫酸ナトリウム、 過酸化水 素、 水溶性ァゾ系又はレドックス系等が挙げられる。
水溶性ァゾ系重合開始剤としては 2, 2—ァゾビス (2—メチルー N— フエニルプロピオンアミジン) ジハイ ド口クロライ ド、 2, 2—ァゾビス
(N— (4一クロ口フエニル) 一 2—メチルプロピオンアミジン) ジハイ ドロクロライ ド、 2, 2—ァゾビス (2—メチルー N— (フエニルメチル) プロピオンアミジン) ジハイ ド口クロライ ド、 2, 2—ァゾビス (2—メ
チル一 N— (2—プロぺニル) プロピオンァミジン) ジハイ ドロクロライ ド等のアミノ基とイミノ基を含むァゾ化合物の塩酸塩類、 2, 2—ァゾビ ス (2— (5—メチルー 2—イ ミダゾリ ン一 2—ィル) プロパン) ジハイ ドロクロライ ド、 2 , 2—ァゾビス (2— (2—イミダゾリン一 2—ィル) プロパン) ジハイ ド口クロライ ド、 2 , 2—ァゾビス (2— (4 , 5 , 6 , 7—テトラハイ ド口一 1 H— 1 , 3—ジァゼピン一 2—ィル) プロパン) ジハイ ドロクロライ ド、 2 , 2—ァゾビス (2— (5—ヒ ドロキシー 3 , 4 , 5 , 6—テトラハイ ド口ピリ ミジン一 2—ィル) プロパン) ジハイ ド 口クロライ ド等の環状ァミノ基、 ィミノ基を含むァゾ化合物の塩酸塩類が 挙げられる。
レドックス系重合開始剤としては例えば過硫酸力リウムまたは過硫酸ァ ンモニゥムと亜硫酸水素ナトリウム、 メタ重亜硫酸ナトリウム、 酸性亜硫 酸ナトリウムまたはロンガリッ ト (ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ シレート 2水和物) との組み合わせ、 t一ブチルハイ ド口パーオキサイ ド、 クメンハイ ドロパ一ォキサイ ドなどの有機過酸化物と酸性亜硫酸ナトリゥ ムまたはロンガリッ ト等との組み合わせが挙げられる。 また必要に応じ過 酸化べンゾィル、 ターシャリーブチルヒ ドロパーォキサイ ドなどの親油性 過酸化物, 2 , 2 ' ーァゾビスイソプチロニトリル, 1, —ァゾビス (シクロへキサン一 1一カルボニトリル) などの親油性ァゾ化合物も開始 剤として用いることが出来る。
重合開始剤の使用量は通常モノマーに対して 0. 0 5〜5重量%で一括添 加でも逐次添加でもよい。
本発明のエマルションの製造に際し共重合によって共重合体にカルボキ シル基が生成する場合には、 そのカルボキシル基、 及び重合開始剤の分解 によって副生する酸基の一部または全部を中和剤によって中和することが
好ましい。 - 中和剤としては、 例えば水酸化カリウム、 水酸化ナトリウム等の無機ァ ルカリ、 ァンモニァ、 モノメチルァミ ン、 ジメチルァミ ン、 トリメチルァ ミ ン、 モノェチルァミ ン、 ジェチルァミ ン、 ト リエチルァミ ン、 モノー n プロピルァミ ン、 ジメチルー n—プロピルァミ ン、 モノエタノールァミ ン、 ジエタノールァミ ン、 トリエタノールァミ ン、 N—メチルエタノールアミ ン、 N—アミノエチルエタノールアミ ン、 N—メチルジェ夕ノールアミ ン、 モノイソプロパノールァミ ン、 ジイソプロパノールァミ ン、 トリイソプロ パノ一ルァミ ン、 N, N—ジメチルプロパノールァミ ン、 2—アミノー 2 一メチルプロパノール等のァミン類等が挙げられ、 これらから選ばれると ころの 1種または 2種類以上を使用することができる。
上記得られたエマルションに架橋剤を加えて架橋させることによって耐 溶剤性を上げることができる。 架橋は共重合体に導入した水酸基含有ビニ ルモノマーの水酸基が架橋点として行われるが、 他の反応性基が共存する 場合にはその反応性に基づいた自己架橋、 あるいは架橋剤による架橋形態 も妨げるものではない。
上記架橋剤としては水酸基と反応性を有するもので、 例えば、 アミノ樹 脂、 架橋性ポリイソシァネート化合物、 ブッロク化された架橋性ポリイソ シァネ一ト化合物が挙げられる。
アミノ樹脂としては、 メラミン、 ベンゾグァナミン、 尿素等にホルムァ ルデヒ ド又はパラホルムアルデヒ ドを付加反応して得られた熱硬化性樹脂 及び該樹脂のメチロール基の一部又は全部をアルキルエーテル化したもの で、 具体的にはメチ口一ル化メラミン、 メチル化メチロールメラミン、 ブ チル化メチロールメラミンの如きメラミンホルムアルデヒ ド樹脂類、 メチ 口一ル化べンゾグアナミン、 ブチル化べンゾグアナミ ンの如きグアナミ ン
ホルムアルデヒ ド樹脂類、 メチロール化尿素、 メチル化メチロール尿素、 ブチル化メチロール尿素の如き尿素ホルムアルデヒ ド類樹脂類などが挙げ りれる
上記プロック化されたポリィソシァネー ト化合物とは、 ィソシァネート 化合物をプロック化剤でィソシァネート基をブロックしたものである。 該 イソシァネート化合物としては、 例えば m— , p—キシリレンジイソシァ ネート、 2, 4一または 2 , 6—ト リ レンジイソシァネート、 m—または p—フエ二レンメタンジイソシァネート、 4 , 4 ' —ジフエニルメタンジ イソシァネート等の芳香族ジイソシァネー ト化合物; 4 , 4 ' ーメチレン ビス (シクロへキシルイソシァネート) 、 メチルシクロへキサン一 2, 4 一 (又は一 2 , 6—) ジイソシァネート、 1, 3—ジ (イソシアナトメチ ル) シクロへキサン、 へキサメチレンジイソシァネート、 イソホロンジィ ソシァネー卜、 ダイマー酸ジイソシァネ一卜等の脂肪族又は脂環族ジィソ シァネート化合物および上記ジィソシァネート化合物とエチレングリコ一 ル、 トリメチロールプロパン等のポリオールとの付加体および上記ジィソ シァネート化合物の重合体及びビュレツ ト型ポリイソシァネート化合物等 が挙げられる。
イソシァネート化合物のブロック化剤としては、 揮発性の低分子活性水 素化合物が用いられ、 これらの例としてはメタノール、 エタノール、 プロ パノール、 ブタノール、 へキサノール、 シクロへキサノール、 ベンジルァ ルコール、 エチレングリコ一ルモノェチルエーテル、 エチレングリコ一ノレ モノブチルエーテルのような脂肪族または芳香族モノアルコール類、 ェチ レンクロルヒドリン、 1, 3—ジクロロー 2—プロパノールなどのハロゲ ン置換アルコール類、 ジメチルアミノエ夕ノール、 ジェチルアミノエタノ ールのようなヒドロキシ第三級ァミン類、 ァセトォキシム、 メチルェチル
ケトォキシム、 シクロへキサノンォキシムのようなォキシム類、 ァセチル アセトン、 ァセ卜酢酸エステル、 マロン酸ェチルエステルのような活性メ チレン化合物、 £—力プロラクタムのようなラクタム類、 フユノール、 t —ブチルフヱノール、 p—ヒ ドロキシ安息香酸メチルのようなフヱノール 誘導体類を挙げられ、 その他にも芳香族ァミン類、 イミ ド類、 メルカプタ ン類、 ィミ ン類、 尿素類、 ジァリール化合物類亜硫酸ソーダ等も挙げられ る。 。 ブロック化されたイソシァネートとしては又、 2個以上のイソシァ ネート基を含む同一分子又は集合体中にアルキル基、 ポリオキシエチレン 又はポリォキシプロピレンを配置させたり、 微粒子のコア部にィソシァネ 一ト基を配置させたりすることによりイソシァネートの反応性を制御した ものも挙げることができる。 これらのプロック化されたィソシァネートは 液状、 固体、 エマルシヨン等いずれの形態のものも使用できる。
本発明で使用することのできる架橋性ポリイソシァネートは、 上記の如 く化学結合でブロックされたポリイソシァネー卜の他に、 イソシァネ一ト 基の周辺に親水基又は疎水基を備えてィソシァネート基の反応性を制御さ せたものも含む。 このような例としては、 例えばタケネート A T H— 4 0 0、 NW- 4 ( 2 ) 又は NW— 4 (以上武田薬品工業 (株) 製商品名) 、 及びアクアネート 2 0 0又は 2 1 0 (以上日本ポリウレタン工業 (株) 製 商品名) 等が挙げられる。
更に短いポッ トライフが可能な使用目的の場合には、 例えば特開昭 6 3 - 8 3 3 7 4号公報又は特開平 8— 1 5 7 7 6 9号公報に開示されている が如く、 通常の架橋性イソシァネートをそのまま又は溶剤に希釈した状態 で加えることもできる。 その際の架橋性イソシァネートとしては例えばト ルェンジィソシァネ一ト (T D I ) 、 水素化 T D I、 キシリ レンジィソシ ァネート、 1 , 3 —ビス (イソシアナトメチル) シクロへキサン、 1, 3
—ビス (な, 一ジメチソレイソシアナトメチル) ベンゼン、 トリメチロー ルプロパン (TM P ) - T D I ァダク ト、 トリフヱニルメタン卜リイソシ ァネート (T P I ) 、 メチレンビスフエニルジイソシァネー ト (MD I ) 及びその重合体、 水素化 MD I、 へキサメチレンジィソシァネート等通常 用いられる分子中にィソシァネート基を 2個以上含む化合物が挙げられる。 又上記希釈溶剤としては例えばトルエン、 キシレン、 塩素化パラフィン、 ジォクチルフタレート、 ジブチルフタレート等が挙げられる。
更に特殊な架橋形態として例えば物質 Aの表面に架橋剤を含まない本発 明のエマルシヨンを塗布し、 物質 Bに上記反応性の制御された架橋性ポリ ィソシァネート又は通常のポリィソシァネートを含む樹脂を塗布した後、 物質 Aと物質 Bの塗布面を圧着させ、 必要に応じ加熱することにより架橋 させ、 一体化させる方法も本発明の範囲を妨げるものではない。
また上記架橋時に硬化促進剤を使用することも差し支えない。 このよう な硬化促進剤として、 アミノ樹脂架橋剤に対してはパラトルエンスルホン 酸、 ドデシルベンゼンスルホン酸、 リ ン酸、 リ ン酸の部分アルキルエステ ル、 シユウ酸、 クェン酸又はこれらとアンモニア、 1級ァミン、 2級アミ ンもしくは 3級ァミン又はモノ、 ジ又はトリアルキルホスフィンとの中和 物、 塩化アンモニゥム、 硝酸アンモニゥムなどの無機塩が挙げられる。 又 ブロック化されたイソシァネートに対する促進剤としては、 錫系、 亜鉛系、 アミン系等の公知の化合物が挙げられる。 硬化促進剤の使用量はエマルショ ンの固形分に対し 0. 1 ~ 1 0重量%の範囲が適当である。
本発明のエマルションに架橋剤を配合したエマルション組成物はこれを
7 0〜 2 8 0 °C、 好ましくは 8 0 ~ 2 5 0 °Cで加熱処理することで目的の 物性が得られる。 架橋剤は、 これをそのまま添加する方法、 予め乳化剤を 用いてエマルショ ンとして添加する方法などが挙げられる。 架橋剤の配合
量はベースのエマルシヨンの固形分 1 0 0重量部に対し 1〜4 5重量部、 好ましくは 2〜3 5重量部の範囲が適当である。 配合量が 1重量部より少 ないと耐溶剤性の効果が不十分であり、 4 5重量部を超えると超過分に見 合う性能の向上が発現しない、 塗膜としたとき膜自体が脆くなる、 屈曲性 が乏しくなる、 耐溶剤性が乏しくなる等の好ましかざる影響がでてくる。 上記エマルシヨン組成物には必要に応じて添加剤を加えることができる。 添加剤としては、 通常塗料に用いられている顔料、 例えば二酸化チタン、 炭酸カルシウム、 炭酸バリウム、 カオリン鉛白、 黄鉛、 鉛丹、 ストロンチ ゥムクロメート、 ジンククロメート、 チタニウムイエロ一、 カ ドミウムィ エロー、 紺青、 群青、 タルク、 マイ力、 硫酸バリウム、 シリカ、 チタンブ ラック、 鉄黒、 モリブテン赤、 モリブテンホワイ ト、 ベンガラァニン系な どの有機顔料が挙げられる。 その他の添加剤としては、 造膜剤、 コロイダ ルシリカ、 テトラエトキシシラン等の無機系の変性剤、 可塑剤、 溶剤、 分 散剤、 増粘剤、 光沢向上剤、 つや消し剤、 消泡剤、 防腐剤、 抗菌剤、 殺菌 剤、 防かび剤、 紫外線吸収剤、 酸化防止剤、 発泡剤、 難燃剤など通常の塗 料用組成分として使用されている添加剤を配合することは自由である。 ま た、 市販されている水系のエマルション、 塗料等とプレンドすることもで さる。
上記乳化共重合によって得られたァリル系架橋共重合体微粒子含有水系 エマルションはこれを乾燥させて固形粒状体としても用いることができる 乾燥方法としては、 当技術分野で通常行われている方法でよく、 例えば凍 結乾燥、 スプレードライヤーが用いられるが、 塩析等によって凝集分離し、 乾燥する方法も用いることができる。 経済的にはスプレードライヤーが好 ましい。 得られた固形粒状体の平均粒子径は乾燥法によっても異なるが、 本発明においては 5〜1 0 0 / mのものが得られる。 又これをペレツ ト状
に成形して用いることもできる。 この固形粒状体は熱可塑性樹脂又は熱硬 化性樹脂又は塗料等にに配合して、 低収縮剤、 架橋剤、 増粘剤、 チクソ ト 口ピック性付与剤、 硬化促進剤、 つや消し剤、 光沢付与剤、 有機フイラ一 などの樹脂改質剤として使用することができる。
発明の好ましい態様
以下実施例によって本発明を説明する。 例中%は重量基準である。 各モ ノマーの括弧内の数値は (a )、 ( b ) 及び (c ) の合計量中の組成比 (重 量%) を表す。
実施例 1 - 攪拌器、 温度計、 コンデンサ一、 ガス導入口及びサンプリング口を備え た 1 Lセパラブルフラスコ中へ次に示す材料を加え、 乳化剤水溶液を調製 した。
ドデシルべンゼンスルホン酸ソ―ダ (第一工業製薬 (株)製ネォゲン R )
2. 2 g 水 250 g 別に次の組成の乳化モノマー (1)、 (2) を用意した。
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 2. 5g 水 90s オルソフタル酸ジァリノレ (DAP) 45 g (12.5%モノマー) アクリル酸ェチル (EA) 130. 5 g (36.25%モノマ一) メタクリノレ酸 2—ヒ ドロキシェチル (HEMA)
1. 8g (0.5%モノマー)
(2) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2. 5g 水 90 g DAP 45 g (12.5%モノマー) EA 130. 5 g (36.25%モノマー) HEMA 7. 2g (2.0%モノマ一) フラスコの内温を 70°Cに加熱し、 半月型攪拌翼で 300 r pmの攪拌 下、 窒素置換を十分に行った後、 用意した乳化モノマー (1) の 10%を 仕込み、 過硫酸ァンモニゥム 1. 26 gを水 10 gに溶かした溶液を加え 1時間反応を行い、 続いて残りの乳化モノマー (1) を 2時間で逐次添加 し、 続いて乳化モノマー (2) を 2時間 30分で逐次添加した (エマルショ ン添加法) 。 触媒添加から 9時間、 70°Cでの重合を行った。 得られたェ
マルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率 DAP94. 5%, EA100 %、 平均粒径 105nm、 ゲル分率 97%であった。
ここで重合率はガスクロマトグラフィーにて残存 DAP及び E Aを測定 し以下の計算で求めた。
重合率 (%) = (仕込みモノマー重量一未反応モノマー重量)
X 100 仕込みモノマー重量
平均粒径はレ一ザ一粒径解析システム PHOTON CORRELAT OR LPA-3000 (大塚電子 (株) 製) を用いて測定した。
上記ゲル分率の測定は以下のようにして行った。
エマルシヨンを 80°Cのオーブンで乾燥させたプロック状固形物約 5 g をサンプルとし、 これをアセトンを溶媒として 18時間ソックスレー抽出 を行い、 得られたろ過残査と、 抽出液を超遠心分離器にかけて得られた少 量の沈澱物を加えたものをゲル分として下記式により計算した。
ゲル分率 (%) =ゲル分重量 X 100 (乾燥サンプル重量 X補正値) 上記式において補正値は (1—未反応 DAP重量割合) であり、 未反応 DAP重量はガスクロマトグラフィー分析により求めた。
実施例 2
攪拌器、 温度計、 コンデンサー、 ガス導入口及びサンプリング口を備え た 1 Lセパラブルフラスコ中へ次に示す材料を加え、 乳化剤水溶液を調製 した。
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2. 2 g 水 250 g 別に次の組成の乳化モノマーを用意した。 ― ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 5. 0 g 水 180 g
DAP - δ 4 g (15%モノマー)
EA 291 g (82.5%モノマー)
HEMA 9 g (2.5%モノマー) フラスコの内温を 70°Cに加熱し、 半月型攪拌翼で 300 r pmの攪拌 下、 窒素置換を十分に行った後、 用意した乳化モノマーの 10%を仕込み、 過硫酸アンモニゥム 1. 26 gを水 10 gに溶かした溶液を加え 1時間反 応を行い、 続いて残りの乳化モノマーを 4時間 30分で逐次添加した (ェ マルシヨン添加法) 。 触媒添加から 9時間、 70°Cでの重合を行った。 得 られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DAP 94. 7%. E A 100 %、 平均粒径 101 n m、 ゲル分率 91 %であった。
実施例 3
実施例 2と同様の装置および乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノ マーを用いた以外は実施例 2と同様な方法によって乳化重合を行った。
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 5. 0 g 水 180 g
DAP 126 g (35%モノマー)
EA 225 g (62.5%モノマー)
HEMA 9 g (2.5%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45 %、 重合率は DAP 92. 4%, E A 100 %、 平均粒径 121 n m、 ゲル分率 96 %であつた。
実施例 4
実施例 1と同様の装置および乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノ マー (1) 、 (2) を用いた以外は実施例 1と同様な方法によって乳化重 合 ·¾■行った。
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2. 5 g
水 - 90g DAP 45 g (12.5%モノマー) アクリル酸ブチル (B A) 130. 5 g (36.25%モノマー) HEMA 1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) '酸ソーダ 2. 5 g 水 90 g
DAP 4 δ g (12.5%モノマー) BA 130. 5 g (36.25%モノマー)
HEMA 7. 2 g (2.0%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DAP 94. 5% B A 100 %、 平均粒径 105 n m、 ゲル分率 92 %であつた。
実施例 5
実施例 1と同様の装置および乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノ マー (1)、 (2) を用いた以外は実施例 1と同様な方法によって乳化重 合を行った。
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 2. 5g 水 90 g DAP 45 g (12.5%モノマー) アクリル酸 2—ェチルへキシル (E tHA)
130. 5 g (36.25%モノマー) HEMA 1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 2. 5g 水 90 g DAP 45 g (12.5%モノマー) EtHA 130. 5 g (36.25%モノマー)
HEMA - 7. 2 g (2.0%モノマ一) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DAP 91. 7%> E t H A 100 %、 平均粒径 89 n m、 ゲル分率 98 %であつた。
実施例 6
実施例 1と同様の装置を用い、 下記組成の乳化剤水溶液、 下記組成の乳 化モノマー (1)、 (2) を用い、 過硫酸アンモニゥム 0. 72gを用い た以外は実施例 1と同様な方法によって乳化重合を行った。
乳化剤水溶液
ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 3. 2g 水 250 g 乳化モノマー
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 3. 8g 水 90 g テレフタル酸ジァリル (DATP) 45 g (12.5%モノマ—) EA 130. 5 g (36.25%モノマー) HEMA 1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 3. 8g 水 90s DATP 45 g (12.5%モノマー) EA 130. 5 g (36.25%モノマー) HEMA 7. 2 g (2.0%モノマ一) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DATP92. 8 %、 EA 100%、 平均粒径 95 nm、 ゲル分率 94%であった。
実施例 7
実施例 1と同様の装置を用い、 下記の乳化剤水溶液及び下記組成の乳化
モノマー (1)、 (2) を用いた以外は実施例 1と同様な方法によって乳 化重合した。
乳化剤水溶液
高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩
(第一工業製薬 (株) 製、 商品名モノゲン Y— 500) 1. 4 g 水 250 g 乳化モノマー
(1)高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩 1. 65g 水 90s DAP 45 g (12.5%モノマー) EA 129. 6 g (36%モノマー) HEMA 1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) 高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩 1. 65g 水 90 g DAP 45 g (12.5%モノマー) EA 129. 6 g (36%モノマ一) AA 1. 8 g (0.5%モノマー) HEMA 7. 2 g (2.0%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率 DAP 91. 5%、 E A 100 %、 平均粒径 125 n m、 ゲル分率 92 %であつた。
実施例 8
実施例 1と同様の装置を用い、 下記の乳化剤水溶液及び下記組成の乳化 モノマー (1)、 (2) を用いた以外は実施例 1と同様な方法によって乳 化重合した。 乳化剤水溶液
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニゥ厶塩
(第一工業製薬 (株) 製、 商品名ハイテノール NE— 05) 2. 2 g 水 250 g 乳化モノマー
( 1 ) ポリオキシェチレンアルキルエーテル硫酸エステルァンモニゥム塩
2. 5 g 水 90 g
DAP 45 g (12.5%モノマー)
EA 130. 5 g (36.25%モノマー) ァクリノレ酸 2—ヒ ドロキシェチル (H EA)
1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニゥム塩
2. 5 水 90 g
DAP 45 g (12.5%モノマ一)
EA 130. 5 g (36.25%モノマー)
HEA 7. 2 g (2.0%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率 DAP94. 5%、
E A 100 %、 平均粒径 119 n m、 ゲル分率 91 %であつた。
実施例 9
実施例 2と同様の装置を用い、 下記組成の乳化剤水溶液及び下記組成の 乳化モノマ一を用いた以外は実施例 2と同様な方法によつて乳化重合を行つ た。
乳化剤水溶液
ポリォキシェチレンアルキルエーテルリン酸エステルァンモニゥム塩 (第一工業製薬 (株) 製、 商品名プライサーフ M—208 B) 2.2 g
乳化モノマー
ポリォキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルァンモニゥム塩
5. 0 g 水 180 g
DAP 90 g (25%モノマー)
EA 261 g (72.5%モノマ一)
HEMA 9 g (2.5%モノマ一) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DAP 96. 4%、
E A 100 %、 平均粒径 131 n m、 ゲル分率 97 %であつた。
実施例 10
実施例 2と同様の装置を用い、 下記組成の乳化剤水溶液及び下記組成の 乳化モノマーを用いた以外は実施例 2と同様な方法によつて乳化重合を行つ た。
乳化剤水溶液
ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩
(三洋化成工業 (株) 製、 商品名サンモリン OT— 70) 2. 2 g 水 250 g 乳化モノマー
ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩 5. 0g 水 180 g
DAP 90 g (25%モノマー)
EA 261 g (72.5%モノマー)
HEMA 9 g (2.5%モノマ一) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45 %、 重合率は DAP 94. 4%、
E A 100 %、 平均粒径 123 n m、 ゲル分率 92 %であつた。
実施例 11
実施例 2と同様の装置を用い、 下記組成の乳化剤水溶液及び下記組成の 乳化モノマーを用い、 過硫酸アンモニゥム 0. 72 gを用いた以外は実施 例 2と同様な方法によつて乳化重合を行つた。
乳化剤水溶液
高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩 2. 2g 水 250 g 乳化モノマ一
高級アルコール硫酸エステルナトリウム塩 5. 0g 水 180 g
DATP 90 g (25%モノマー)
EA 261 g (72.5%モノマー)
HEMA 9 g (2.5%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DATP96. 0
%、 E A 100 %、 平均粒径 99 n m、 ゲル分率 95 %であった。
比較例 1
実施例 2と同様の装置及び乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノマ 一を用いた以外は実施例 2と同様な方法によって乳化重合を行った。
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 5. 0g 水 180 g
DAP 18 g (5%モノマー)
EA 333 g (92.5%モノマー)
HEMA 9 g (2.5%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DAP 97. 5%-
EA99. 8%、 平均粒径- 97nm、 ゲル分率 79%であった。
比較例 2
実施例 1と同様の装置及び乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノマ ― (1)、 (2) を用いた以外は実施例 1と同様な方法によって乳化重合 ¾·行った。
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 2. 5g 水 90 g DAP 90 g (25%モノマ一) EA 85. 5g (23.75%モノマー) HEMA 1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) ドデシルベンゼンスルホン酸ソ一ダ 2. 5g 水 90 g DAP 90 s (25%モノマー) EA 85. 5 g (23.75%モノマー) HEMA 7. 2 s (2.0%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45 %、 重合率は DAP 90. 5% E A 100 %、 平均粒径 147 n m、 ゲル分率 94 %であった。
比較例 3
実施例 1と同様の装置及び乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノマ 一 (1)、 (2) を用い、 過硫酸アンモニゥム 0. 54 gを用いた以外は 実施例 1と同様な方法によって乳化重合した。
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2. 5 g 水 90 g
DAP 45 g (12.5%モノマー)
EA 101. 7 g (28.25%モノマー)
ァクリル酸 (AA) 0. 9 g (0.25%モノマー) HEA 13. 0 g (3.6%モノマー)
(2) '酸ソーダ 2. 5g 水 90 g
DAP 45 g (12.5%モノマー) EA 101. 7 g (28.25%モノマ一) AA 0. 9g (0.25%モノマー) HEA 51. 8 g (14.4%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率は DAP 9 ] 7%、 EA 100%、 平均粒径 121 nm、 ゲル分率 92%であった。
比較例 4
実施例 1と同様の装置および乳化剤水溶液を用い、 下記組成の乳化モノ マー (1) 、 (2) を用いた以外は実施例 1と同様な方法によって乳化重 合を行った。
(1) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2. 5g 水 90 g DAP 45 g (12.5%モノマー) メタクリル酸メチル (MMA) 129. 6 g (36%モノマー) AA 0. 9 g (0.25%モノマー) HEMA 1. 8 g (0.5%モノマー)
(2) ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2. 5g 水 90 g DAP 45 g (12.5%モノマー) MMA 129. 6 g (36%モノマー) AA 0. 9 g (0.25%モノマー)
HEMA - 7. 2 g (2.0%モノマー) 得られたエマルシヨンは固形分濃度 45%、 重合率 DAP 92. 5%、 MM A 100 %、 平均粒径 107 n m、 ゲル分率 96 %であつた。
実施例 1〜11及び比較例 1〜4によって得られたエマルシヨンに関す る結果を表 1に示した。 なお、 表 1中 EAはァクリノレ酸ェチル、 BAはァ クリル酸プチル、 2— E t HAはアクリル酸 2—ェチルへキシル、 MMA はメタクリノレ酸メチル、 DAPはオルソフタル酸ジァリル、 DAT Pはテ レフタル酸ジァリル、 A Aはアクリル酸、 HEMAはメタクリル酸 2—ヒ ドロキシェチル、 HEAはアクリル酸 2—ヒ ドロキシェチルをそれぞれ表 す。
また、 表 1中の乳化剤種の (1) はアルキルァリールスルホン酸塩、 (2 ) は高級アルコールの硫酸エステル塩、 (3) はポリオキシエチレンアル キルエーテル硫酸エステル塩、 (4) はポリオキシエチレンアルキルエー テルリン酸エステル塩、 (5) は二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩 をそれぞれ表す。 表 1中の添加法の項の OH及び COOHの数値は、 それ ぞれ水酸基含有ビニルモノマー及びアクリル酸 (AA) の乳化モノマー (1 ) および (2) 中の重量分配比を示す。
上記実施例 1〜11及び比較例 1〜4によって得られたエマルシヨンを 用い、 これに表 2に示す割合で架橋剤を配合してエマルシヨン組成物を調 整した。 該組成物をエポキシプライマーを 2〜5 /塗布した 70 X 150 X 0. 3 mmのリン酸亜鉛処理鋼板に膜厚約 15 //となるようにバーコ— ターで塗布したのち、 80°Cで 10分乾燥後 150°Cで 15分焼き付けを 行い、 塗装鋼板を得た。
使用した架橋剤は、 メラミン樹脂 (完全アルキル化メチル化メラミン樹 脂 「サイメル 303」 三井サイテック (株) 製) 、 ブロックイソシァネー
ト化合物 A (イソシァネ ~トプレポリマーメチルェチルケトォキシムブ口ッ ク体 「B P— 1 1」 明成化学工業 (株) 製) 及びブロックイソシァネート 化合物 B (水分散性ポリイソシァネート (へキサメチレンジイソシァネー ト系) 「タケネート NW— 4 ( 2 ) 」 武田薬品工業 (株) 製) である。 上記得られた塗装鋼板について以下の塗膜物性を評価して、 表 2に示し た。
各測定項目は以下の方法に従つた。
( 1 ) 造膜性に関しては該塗装鋼板自体について以下の 3項目の 3段階評 価を以下の判定基準によって行った。
クラック
〇:全くクラックが認められない。
Δ:軽微なクラックが認められる。
X :多数のクラックが認められる。
タック性
〇:指で強く押しても全く粘着性がない。
Δ:指で強く押すとわずかに粘着性がある。
X :指で軽く押しても粘着性がある。
( 2 ) 鉛筆硬度
J I S K 5 4 0 0に基づき判定した。
( 3 ) 耐屈曲性
塗装鋼板を万力を用い 1 8 0度折り曲げ、 屈曲部に発生する割れを 1 0 倍のルーペを用いて判定した。 n Tとは折り曲げ部に同じ板厚のものを n 枚挟んで折り曲げた際にクラックが発生しないことを示す。 数字が小さ 、 程加工性が良好であることを示す。
( 4 ) 耐汚染性
赤、 黒マジックインキで塗面に着色し、 24時間後にエタノールをしみ こませたガーゼでふきとり、 着色の程度を観察した。 結果は次のように表 した。
〇:良好 (インキ跡なし)
△:やや良好
X :不良 (インキ跡明らかに残る)
(5)耐溶剤性
トルエンをしみこませたガーゼを用 、付加荷重 3kgで塗膜をこすり、 基盤が露出するまでの回数で示した。
(つづき)
比 較 例
1 2 3 4 モノマー(重量%)
E A 92.5 47.5 59.5
B A
一 b tH A
MM A 72
D A F 5 50 25 25
D A T P
A A 0.5 0.5
HEA 18
HEMA 2.5 2.5 2.5 乳化剤種 ァニオン系 ァニオン系 了 -オノ系 了二オン系
(1) (1) (1) (1) 乳化剤量 (重量%) 2.0 2.0 2.0 2.0 開始剤量 (重量 0.35 0.35 0.15 0.35 添加法 0H —括 1 : 4 1 : 4 1 : 4
COOH 1 : 1 1 : 1 エマルショ ン濃度 45 45 45 45
(重量%)
重合率(%) 97.5 90.5 91.7 92.5 粒子径 (mn) 97 147 121 107 ゲル分率(重量%) 79 94 92 96
2 実 施 例
12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 a— 八
配合(重量部)
击tl田i^ "1 ":フ /し: '主
ノノ = -a» V 大'添 Hii ま ¾fe 'ギ, 添 ま ife 宝 : Α;施ノ 1ϋ ギ添 审添 例 1 例 2 例 3 例 4 例 5 例 6 例 7 例 8 例 9 例 10 例 11 エマルション配合量 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 : /Hj匕
曰 丄 1 Π on
フ 、 ノ1 U 丄 u ou
ノ 、 / - 'マ ― L Λ
Λ ノ ン ノ づ; 1し口 Tク J A 丄^) 丄 丄 ϋ 丄0
1 1 n
1 πU 造膜性 クラック 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 タック 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 鉛筆硬度 3H 2H 4H 3Η 2H 4Η 3H 3Η 3H 3H 4H 耐屈曲性 4T 3T 4T 3Τ 3T 3Τ 4T 3Τ 6T 3T 3T 耐汚染性 赤マジック 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 黒マジック 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐溶剤性 トルェン 320 300 300 450 400 500く 350 500く 500く 350 500く
2 (つづき) 比 較 例
5 6 7 8 配合(重量部)
使用エマルション 比較例 1 比較例 2 比較例 3 比較例 4 エマルション配合量 100 100 100 100 メラミン樹脂 10 10
イソシァネ一ト化合物 A 13
B 20 造膜性 クフック 〇 X △ X
タック △ 〇 鉛筆硬度 H 3 H
耐屈曲性 3 T 8 T
耐汚染性 赤マジック Δ 〇
黒マジック 〇 〇 耐溶剤性 トルエン 50 400
表 2から明らかなように、 本発明のエマルシヨンに架橋剤を配合したェ マルシヨン組成物は、 造膜性、 鉛筆硬度、 耐屈曲性、 耐汚染性、 耐溶剤性 のいずれにも優れた性能を示している。 これに対して、 フタル酸ジァリル の量が本発明より少ない 5重量%の比較例 1のエマルシヨン組成物は、 タツ ク性に劣り、 耐溶剤性も本発明より明らかに劣っている。 またフタル酸ジ ァリルの量が本発明より多い 5 0重量%の比較例 2はクラックが多量に発 生し造膜性に乏しいため耐溶剤性の評価は行わなかった。
水酸基含有ビニルモノマーの量が、 本発明より多い 1 8重量%の比較例 3のエマルシヨン組成物は、 耐溶剤性の向上が認められず、 また造膜性も 悪くなる。
また、 ァクリル酸エステルの代わりにメタクリル酸エステルを用いた比較 例 4のエマルション組成物はクラックの発生が著しく造膜性が全くなかつ た。
実施例 2 3
実施例 1で得られたエマルシヨン 1 0 gを 6 0時間凍結乾燥し 4. 5 g の白色粉体を得た。 この粉体の平均粒子径は約 3 0 z mであった。
発明の効果
本発明のァリル系架橋共重合体微粒子含有エマルションはフタル酸ジァ リルの重合率が 8 5 %以上にもかかわらず造膜性に優れるため、 塗料、 コ 一ティング剤、 接着剤、 印刷インキ、 紙加工及び繊維加工等に用いること ができ、 機能性材料として有用である。