WO1998000521A1 - Serum-free media, method for culturing animal cells, and process for producing physiologically active substances - Google Patents
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- ⁇ ⁇ ⁇ May be a source of contamination such as viruses, mycoplasmas, or prions.
- a second object of the present invention is to provide a method for efficiently culturing animal cells.
- a third object of the present invention is to provide a method for producing a physiologically active substance in a large amount from animal cells capable of expressing and producing the physiologically active substance.
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Description
明細書
無血清培地、 動物細胞の培養方法および生理活性物質の製造方法
技術分野
本発明は無血清培地およびそれを用いた動物細胞の培養方法、 生理活性物質の 製造方法に関する。
背景技術
近年、 DNAの組み換え技術の進歩により、 タンパク質等の生理活性物質を細 胞産生物として製造する方法が研究されている。 この紬胞産生物の製造のために は動物細胞の培養がより重要になってくるが、 このような細胞培養を工業的規模 で行うには、 多量の培地が必要になる。
従来、 動物細胞を生育 (増殖) させる際の培地としては、 極めて多種の培地、 例えば、 ダルベッコの改変イーグル培地 (DMEM) CMorton. H. J. J. (1970) In vitro 6, 89〕 、 F 1 2培地 〔Hara, . 0. (1965) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 53. 288〕 および RPM I 1 6 4 0培地 CGoding, J. W. (1980) J. Immunol. Methods 39. 285 ; JAMA 199 (1957) 519 〕 等が使用されてきた。 しかし、 これ らの培地を使用して動物細胞を生育 (増殖) させるには、 培地に血清を加えなけ ればならない。 このため、 一般には、 ゥシ胎児、 ゥマまたはヒト等の血清を 1〜 1 5 %程度の濃度で使用しなければならなかった。
しかし、 血清含有培地を使用する際には以下の様な問題があった。
① 血清自体が高価なためコスト高となる。
② 血清にはロッ ト差があり、 再現性が要求される培養には不利である。
③ 細胞産生物の培養上清からの精製が困難となる。
④ ウィルス、 マイコプラズマあるいはプリオン等の汚染源となる恐れがある。
このような現状に鑑みて、 培地中の血清濃度を減少させる方法が検討されてい る。 しかし、 血清濃度の減少によって紬胞はその増殖性を著しく低下させるか死 滅し、 所望の細胞産生物 (例えばタンパク質等の生理活性物質) の収量が著しく 減少する等の問題があり、 培地中の血清濃度の減少は困難であった。
このような理由から、 血清を含まず、 尚且つ細胞が増殖性を失わずに培養され うる無血清培地に対して多大な関心が持たれるようになった。
しかしながら、 従来の無血清培地は、 細胞の増殖性を維持させるために血清に かわる成分としてアルブミン、 トランスフヱリン、 インスリン等の数多くのタン パク質成分のさらなる添加が必要であり、 該無血清培地を用いても培養物から目 的とするタンパク質等の生理活性物質のみを分離精製するためには複雑な工程が 必要となる等依然問題点が残されたものであった。 また、 これらのタンパク質成 分は往々にしてゥシゃブタ、 ヒ ト等の動物から分離、 精製されたものが使用され、 そのためその由来による汚染 (例えばウィルスあるいはプリオン等) が懸念され ている。
発明の開示
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、 細胞の十分な増殖性が得られ ると共に、 培養物からの生理活性物質の分離精製が容易であり、 かつ汚染の可能 性の低い無血清培地を提供することを第 1の目的とする。
本発明の第 2の目的は、 効率的な動物細胞の培養方法を提供することである。 本発明の第 3の目的は、 生理活性物質を発現、 産生可能な動物細胞より該生理 活性物質を大量に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、 上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、 インスリンお よびぺプトンを含有し、 かつアルブミンおよびトランスフヱリンを実質的に含有 しない無血清培地を用いることにより、 さらに植物性ペプトンを用いた場合、 好 ましくは鉄塩を含めることにより細胞の十分な増殖性が得られると共に、 従来行 われてきたアルブミン等のタンパク質、 就中動物由来のタンパク質の添加を減ら すことができ、 培養物からの生理活性物質の分離精製を容易にし、 かつ汚染の可 能性を低減させることができること、 さらにこの無血清培地を用いることにより 目的とする生理活性物質を大量に、 効率よく生産できることを見出して本発明を 完成するに到った。
すなわち、 本発明は以下の通りである。
( 1 ) インスリンおよびペプトンを含有し、 かつアルブミンおよびトランスフヱ リンを実質的に含有しない無血清培地。
( 2 ) 動物細胞を上記無血清培地にて培養することによる動物細胞の培養方法。
( 3 ) 生理活性物質を産生可能な動物細胞を上記無血清培地で培養して当該生理 活性物質を産生させ、 培養物から該生理活性物質を採取することによる生理活性 物質の製造方法。
発明の実施の形態
本発明の無血清培地は、 実質的に血清を含有せず、 インスリン、 ペプトンを含 有するものである。 本発明の培地は特に実質的にアルブミンおよびトランスフヱ リ ンを含むことなく、 細胞 (特に動物細胞) の十分な増殖性を維持することがで き、 アルブミンおよびトランスフヱリンを含まないために培養物からのタンパク 質等の生理活性物質の分離精製が極めて容易になる。
本発明の無血清培地は、 常套の基本培地にィンスリンおよびぺプトンを含有さ せることによって調製される。 基本培地としては一般的に用いられる基礎培地が 挙げられる。 即ち、 通常動物細胞が同化しうる炭素源、 消化しうる窒素源および 無機塩等を含有させたものが用いられ、 また、 必要に応じて微量栄養促進物質、 前駆物質等の微量有効物質を配合してもよい。 かかる基礎培地としては、 細胞培 養のためのすべての公知培地を使用することができる。 例えば、 前述の D M E M 培地、 F 1 2培地および R P M 1 1 6 4 0培地が例示され、 特に R P M I 1 6 4 0培地が好適である。
本発明において使用されるインスリンは、 その由来に特に制限はなく、 好適に はゥシ由来インスリンあるいは組換えヒ 卜インスリン等が使用される。 インスリ ンの含有量は、 0 . 1〜 1 0 m g / L程度であり、 より好ましくは 0 . l〜2 m g Z L程度である。
ペプトンは種々なタンパク質を加水分解したものでポリべプチド、 ジぺプチド およびアミノ酸を含んでいる。 加水分解にはトリプシン、 ペプシン、 パパイン等 の酵素あるいは酸などが用いられる。 本発明において使用されるペプトンは、 そ
の由来および製造方法は特に限定はされない、 即ち、 水に可溶、 熱凝固しない、 硫酸アンモニゥム飽和溶液で沈澱しない、 ビゥレツ 卜反応が陽性である等の条件 を満たせばよい。 好適にはその汚染の可能性を低減させるためにも植物性タンパ ク質を加水分解して得られるぺプトンが用いられる。 具体的には小麦由来あるい は大豆由来のペプトン等が例示される。 また、 動物性ペプトンを使用することも できる。 具体的には牛肉由来ペプトン等が例示される。 ペプトンの含有量はその 由来、 製造の際に用いる酵素等の種類、 反応時間等の反応条件の違いに基づく品 質および組成によっても異なるが、 具体的には 0. 1〜 5 0 gZL程度である。 より好ましくは 1〜 1 0 g/L程度である。
本発明においては前述のィンスリンおよびぺプトンを含有する無血清培地に、 さらに鉄塩を含めることができる。 特にぺプトンとして植物由来のぺプトンを用 いる場合、 鉄塩のさらなる添加が好ましい。 本発明において使用される鉄塩とし ては、 鉄の無機塩、 有機酸塩、 錯体 (錯塩) 等が挙げられる。 無機塩としては、 硫酸塩、 塩化物、 硝酸塩等が例示される。 有機酸塩としては、 酢酸塩、 クェン酸 塩等が例示される。 鉄錯体としては鉄と錯体を形成し、 細胞内に鉄を運搬できる ものであれば特に制限はないが、 水に溶けやすく、 培地の pH (中性付近) にお いて錯体が安定なもの、 即ち水酸化鉄として沈澱を生じない、 合成非タンパク性 のものが選択される。 具体的にはエチレンジァミン四酢酸ナトリウム—鉄錯体 (以下 EDTA鉄と略記する) 、 ニトロソ三酢酸鉄錯体、 エチレンジァミ ン · ジ (o—ヒ ドロキシフエニル酢酸) 鉄錯体等が挙げられる。 鉄塩の添加量は 0. 0 1〜 1 0 0 mgZL程度である。 より好ましくは 0. 1〜 5 0 mgZL程度であ o
本発明の無血清培地には、 さらに必要に応じてヒポキサンチン 0. 1〜 1 0 0 mg/L、 就中 1 0〜 1 S mgZL チミジン 0. 0 1〜 1 0 O mgZl^ 就中 2〜5 mg/L、 セレン 0 1〜 1 0 0 /z gZL、 就中 2〜5〃 gZL、 a - トコフヱロール (ビタミ ン E) 0. 0 0 1〜 1 0 mgZL、 就中 0. 1〜0. 5 m g Z Lを加えることができる。
また、 耐性遺伝子を有するべクタ一を含有する形質転換された動物細胞を培養 しょうとする場合には、 プラスミ ド形質転換の安定性を保っために該培地に更に ベクタ一中に含有された耐性遺伝子に相応する選択剤を加えることもある。 選択 剤としては、 当業者には周知のもの、 例えばネオマイシン、 ヒグロマイシン、 マ ィコフエノール酸、 ヒポキサンチン、 キサンチン、 ァミノプチリンまたはメ ト ト レキセィ ト (MTX) およびその誘導体が例示される。
本発明の無血清培地で培養可能な動物細胞としては、 その細胞自体が生理活性 物質産生可能なものでも、 遺伝子工学により形質転換され異種の生理活性物質を 産生するものであってもよい。 細胞自体が生理活性物質を産生するものとして、 例えば、 モノクローナル抗体を産生するハイプリ ドーマ、 インターフヱロン (I FN) —ひを産生する白血球、 ナマルバ細胞、 BALL— 1細胞、 I FN— Sを 産生する線維芽細胞、 I FN—ァを産生するリンパ球、 プロゥロキナーゼあるい はゥロキナ^ゼ (プロ UKあるいは UK) を産生するヒ ト腎細胞、 組織プラスミ ノーゲンァクチべ一タ (TPA) を産生するメラノーマ細胞 (例えば、 Bowe s細胞) 等が例示される。 遺伝子工学により形質転換される株化された宿主細胞 としては、 V e r o細胞、 H e 1 a細胞、 CHO細胞、 W I 38細胞、 BHK細 胞、 COS— 7細胞、 MDCK細胞、 C 1 27細胞、 HKG細胞、 ヒ ト腎細胞株 等が挙げられる。 具体的には、 CHO— K, (チャイニーズハムスター卵巣細胞 ATCC C C L 6 1 ) 、 BHK (ハムスター腎細胞: ATC C CCL 1 0) 、 COS- 7 (CV- 1 Or i g i n, SV— 40細胞: A T C C CRL 1 65 1) 、 V e r o細胞 (アフリカミ ドリザル腎細胞: A T C C C C L 8 1 ) 等があり、 更にはマウスミエローマ細胞 (X63— Ag 8— 653 ; P 3U 1) 、 ヒ トリンパ芽球細胞 ( I M— 9 : ATCC CCL 1 59) 、 ヒ 卜ヒ トハイプリ ドーマ作製用親細胞、 ならびにこれらの d h f r欠損株、 HGPRT欠損株、 ゥ アバイン耐性株等が例示される。
本発明の無血清培地を使用して動物細胞を培養する方法としては、 通常、 次の 通りにして行われる。 即ち、 本発明の無血清培地を使用する動物細胞の培養には、
培養用としてよく知られているディッシュ、 フラスコ、 ローラ一ボトル、 スピン ナーフラスコ、 マイクロキャリア一、 マイクロカプセルあるいは中空糸を用いた 培養装置等の培養容器が使用できるがこれらに限定されない。 培養方法としては、 上記の培養容器等で通常行われる継代培養のほか、 培養槽内から、 連続的に、 あ るいは間歇的に古い培養液を細胞を含んだまま、 あるいは細胞と分離して抜き出 しつつ、 それと見合う量の新しい培養液を供給して、 長時間培養条件を一定に制 御しつつ細胞を培養する連続的な培養法等が挙げられる。 また、 本発明の無血清 培地を用いる動物細胞の培養はいわゆる高密度培養の形態で行うことができる。 具体的には細胞数が 1 07 個 Zml以上の高密度で行う。 その他の培養条件とし て培養温度は 3 0〜3 7 °C、 培養時間は 1〜 1 0日間が例示される。 また、 当該 培地は適宜交換すれば、 さらに長期間の連続培養が可能である。
細胞によるタンパク質等の生理活性物質の産生は、 自体既知の手段にて行えば よい。 かかる手段としては、 例えば特開昭 6 1 - 1 7 7 9 8 7号公報、 特開昭 6 3 - 1 4 6 7 8 9号公報等に記載の方法等が挙げられる。
本発明の生理活性物質の製造方法によれば、 例えばアンチトロンビン— ΙΠ 、 プロ UK、 TP A, B型肝炎表面抗原、 プレ S— B型肝炎表面抗原、 I FN、 コ ロニー形成刺激因子、 モノクローナル抗体等の生理活性物質を製造することがで きる。
以下に、 本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げるが、 本発明はこれ らによって何ら限定されるものではない。
実施例 1
基本培地として RPM I 1 6 4 0培地 〔 J. Immunol. Methods 39, 285, (198 0), JAMA 199 (1957) ) 1 0. 4 gを用い、 インスリ ン 1 m g、 牛肉由来ぺプト ン 5 g、 ヒポキサンチン 1 3 mg、 チミ ジン 4 mg、 一 トコフェロール 0. 1 3 mgおよびセレン 4 gを添加して無血清培地 1 Lを調製した。
実施例 2
ヒ ト腎細胞をマイク口キヤリアビーズに付着させたものを実施例 1で作製した
無血清培地中に細胞数として、 1 07 個 Zm 1 となるように添加した。 3 7°C 5 %C02 の条件下で培養したところ、 2日間で培養液中に 0. 6 2. 5 U/ m 1相当のプロゥロキナーゼの産生が確認できた。 その後、 2 3日毎に培養液 を交換し、 長期間 (すくなくとも 3ヶ月以上) の連続培養が可能であった。 実施例 3
基本培地として RPM I 1 6 4 0培地 1 0. 4 gを用い、 インスリ ン l mg 牛肉由来ペプトン 5 g、 グルコース 2 gおよび炭酸水素ナトリウム 2. 5 gを添 加して無血清培地 1 Lを調製した。
実施例 4
基本培地として R PM I 1 6 4 0培地 1 0. 4 gを用い、 インスリ ン 1 m g 大豆由来ぺプトン 5 g、 エチレンジアミ ン四酢酸ーナ ト リウム鉄 5 0 mg. グル コース 2 gおよび炭酸水素ナトリウム 2. 5 gを添加して無血清培地 1 Lを調製 7 ο
実施例 5
基本培地として RPM I 1 6 4 0培地 1 0. 4 gを用い、 インスリ ン l mg 大豆由来ぺプトン 5 g、 エチレンジアミン四酢酸ーナト リウム鉄 1 mg、 硫酸第 一鉄 1 0 mg、 グルコース 2 gおよび炭酸水素ナトリウム 2. 5 gを添加して無 血清培地 1 Lを調製した。
実施例 6
基本培地として RPM I 1 6 4 0培地 1 0. 4 gを用い、 インスリ ン l mg 大豆由来ぺプトン 5 g、 エチレンジアミン四酢酸ーナト リウム鉄 1 mg、 塩化第 二鉄 1 0 mg、. グルコース 2 gおよび炭酸水素ナトリウム 2. 5 gを添加して無 血清培地 1 Lを調製した。
実施例 7
基本培地として RPM I 1 6 4 0培地 1 0. 4 gを用い、 インスリ ン 1 mg 大豆由来ぺプトン 5 g、 硫酸第一鉄 1 0 mg、 グルコース 2 gおよび炭酸水素ナ トリウム 2. 5 gを添加して無血清培地 1 Lを調製した。
実験例 1
本発明の無血清培地 (実施例 3および 4 ) の細胞増殖性を検討した。
各々の培地中にプロゥロキナーゼ産生 C H O細胞株 p U H— 7細胞を 5 X 1 0 ' 個ノ m 1の細胞密度でフラスコに撒きこんだ。 4日間培養した後、 トリプシンで 処理し器壁から剝離し懸濁した後、 該懸濁液を 0 . 1 %エリス口シン B Z P B S で染色した。 染色後、 血球計算盤上で顕微鏡により生細胞数および死細胞数をそ れぞれ測定し、 細胞数の増殖の程度を調べた。
その結果、 実施例 3の培地では 0 . 9 6 X 1 0 6 個 Zm 1の細胞増殖性を示し たのに対して、 実施例 4の培地では、 1 . 1 4 X 1 0 6 個 Zm Iであった。 さら に本発明の無血清培地において E D T A鉄を 1 0 m g Lの濃度で含有させた場 合でも、 実施例 3の培地と同程度の細胞増殖効果が観察された。
実験例 2
本発明の無血清培地 (実施例 3、 5、 6および 7 ) の細胞増殖性を検討した。 細胞密度を 1 5 X 1 0 4 個 Zm 1、 培養日数を 3日間とする以外は全て実験例 1に準じて行った。 その結果、 実施例 3の培地では 1 . 2 5 X 1 0 6 個 Zm 1の 細胞増殖性を示したのに対して、 実施例 5の培地では 1 . 2 8 X 1 0 6 個/ m l、 実施例 6の培地では、 1 . 4 X 1 0 6 個ノ m 1、 実施例 7の培地では、 1 . 4 4 X 1 0 6 個 Zm 1であった。 本発明によれば、 細胞を十分に増殖させることができ、 かつ細胞が産生したタ ンパク質を培地から分離精製することが容易な無血清培地を提供することができ る。 さらに、 本発明の無血清培地では、 細胞を徐々に順化させる必要がなく、 そ のまま増殖させることができる。 したがって、 細胞培養を効率よく行い、 タンパ ク質を大量にかつ効率よく得ることができる。
また、 本発明の無血清培地において、 特に植物由来ペプトンおよび鉄塩を含有 させることにより、 従来の無血清培地と同等あるいはそれ以上の細胞増殖性、 生 理活性物質産生性等の効果を維持するとともに、 いままで懸念されていた添加物
に由来するウィルス、 マイコプラズマ、 プリオン等の汚染の可能性を低減するこ とが可能となる。 本出願は日本で出願された平成 8年特許願第 1 6 8 7 5 9号を基礎としており それらの内容は本明細書に全て包含されるものである。
Claims
1 . イ ンスリンおよびペプトンを含有し、 かつアルブミンおよびトランスフヱリ ンを実質的に含有しないことを特徴とする無血清培地。
2 . インスリンおよび動物由来ペプトンを含む無血清培地と同等もしくはそれ以 上の動物細胞での増殖能を発揮できる請求の範囲第 1項記載の無血清培地。
3 . ぺプトンが植物由来のぺプトンである請求の範囲第 2項記載の無血清培地。
4 . さらに鉄塩を含む請求の範囲第 3項記載の無血清培地。
5 . 鉄塩が鉄無機塩、 鉄有機酸塩あるいは鉄錯体である請求の範囲第 4項記載の 無血清培地。
6 . 動物細胞を請求の範囲第 1項記載の無血清培地にて培養することを特徴とす る動物細胞の培養方法。
7 . 生理活性物質を産生可能な動物細胞を請求の範囲第 1項記載の無血清培地で 培養して当該生理活性物質を産生させ、 培養物から該生理活性物質を採取するこ とを特徴とする生理活性物質の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8/168759 | 1996-06-28 | ||
| JP16875996 | 1996-06-28 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| WO1998000521A1 true WO1998000521A1 (en) | 1998-01-08 |
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|---|---|---|---|
| PCT/JP1997/002167 Ceased WO1998000521A1 (en) | 1996-06-28 | 1997-06-23 | Serum-free media, method for culturing animal cells, and process for producing physiologically active substances |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| WO (1) | WO1998000521A1 (ja) |
Cited By (3)
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Legal Events
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| AL | Designated countries for regional patents |
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| 121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application | ||
| 122 | Ep: pct application non-entry in european phase | ||
| NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: CA |