明細書 空間光変調装置及び空間光変調方法 技術分野
本発明は、 光ビームの断面に特定の変調を生じさせる素子である空間 光変調器を用いた空間光変調装置及び空間光変調方法に関する。 背景技術
空間光変調装置は、 光情報処理やコンピュータ合成ホログラム (CG
H) などの用途に用いられ、 特に信号画像の作成の容易さから電気アド レスによって信号画像を作成する空間光変調装置が有用である。さらに、 これらの用途に関しては位相変調を効率良く行える装置が必要とされて いる。
このような空間光変調装置としては、 例えば透過型液晶素子による装 置が考えられる。 この場合比較的安価に入手できる等の利点があるが、 これまでにコンピュータ合成ホログラム等で必要とされる 2兀を超える 位相変調量は達成されていない。
電気ァドレスが可能な他の装置として、 光ァドレス型空間光変調器を 用い、 入射される書き込み光の生成に電気アドレス型素子を用いた空間 光変調装置がある。 このような空間光変調装置として、 例えば電子情報 通信学会信学技報 ( 1 9 9 7— 1 0) p 9 5— p 9 9に、 電気ァドレス 型素子として透過型液晶素子を用い、 また光ァドレス型空間光変調器と して光アドレス型平行配向液晶空間光変調器 (PAL— S LM) を用い たものが示されている。 この装置では、 透過型液晶素子及び光アドレス 型平行配向液晶空間光変調器の間にリレーレンズを設置して、 リレーレ
ンズを介して透過型液晶素子からの書き込み光が光ァドレス型平行配向 液晶空間光変調器に到達するようになっている。 平行配向液晶を用いた 光ァドレス型空間光変調器を用いることによって、 2 以上の位相変調 が可能となり、 また位相のみの変調を行えるため高い回折効率を得るこ とができる。
透過型液晶素子から光ァドレス型空間光変調器への書き込み光の伝達 方法としては、 リレーレンズによるものの他に、 透過型液晶素子の出力 端及び光ァドレス型空間光変調器の書き込み光入力端を各々ファイバ光 学プレートによって構成して、 それら二つのファイバ光学プレートを光 学的に接続する方法、 もしくは透過型液晶素子の出力端及び光アドレス 型空間光変調器の書き込み光入力端を単一のファイバ光学プレートによ つて構成 ·接続する方法が知られている (特開平 7— 7 2 5 0 3号)。 しかしながら、 上記二つの空間光変調装置の場合、 透過型液晶素子の 画素構造に起因して生じる信号成分が消去されず、 それによつて伝達さ れるべき信号画像が影響を受けるという問題がある。
本発明は、 上述の課題を解決するためになされたもので、 画素構造を 有する電気ァドレス型素子から光ァドレス型空間光変調器へ書き込み光 によって信号画像を伝達する空間光変調装置及び空間光変調方法におい て、 画素構造に起因する信号成分を消去し、 かつ信号画像の劣化を抑え ることができる空間光変調装置及び空間光変調方法を提供することを目 的とする。 発明の開示
上記課題を解決するために本発明の空間光変調装置は、 複数の画素が 所定のピッチ Ρで配列された画素構造を有して構成され、 書き込む情報 に関する電気信号によってァドレスされることにより入射された書き込
み光を変調するための電気ァドレス型空間光変調器と、 一対の透明電極 の間に光ァドレス層及び光変調層が順次積層され、 該光ァドレス層に入 射された書き込み光により、 該光変調層に入射した読み出し光を変調す るための光ァドレス型空間光変調器と、 該電気ァドレス型空間光変調器 で変調され出射した書き込み光を該光ァドレス型空間光変調器の該光ァ ドレス層に導くための光接続素子とを備え、 該光接続素子が所定の伝達 限界空間周波数レ (:を有し、 該伝達限界空間周波数レ cと、 該電気アドレ ス型空間光変調器の該画素構造が有する所定の画素構造空間周波数 1 / Pとの間に、 レ c < 1 / Pの関係が成り立つことを特徴とする。
このような空間光変調装置においては、 伝達限界空間周波数レ cと画 素構造空間周波数 1 Z Pとの間にレ c < 1 Z Pの関係が成り立つため、 光ァドレス型空間光変調器へ到達する書き込み光において電気ァドレス 型空間光変調器の画素構造に起因する信号成分を消去することができる ここで、 光接続素子の伝達限界空間周波数レ cと、 画素構造空間周波 数 1 Z Pとの間に、 さらに、 1 Z 2 P < v (:の関係が成り立つことが好 ましい。 電気アドレス型素子においては、 生成される信号画像の空間周 波数が画素構造のピッチ Pによって決まる最大空間周波数 1 / 2 P以下 に制限されるが、 伝達限界空間周波数レ eと画素構造空間周波数 1 Z P との間にさらに 1 / 2 P < v cという条件を付することによって、 この ような信号画像に含まれる空間周波数の全ての範囲について劣化を生じ ることなく書き込み光を伝達することができ、 したがって画素構造に起 因する信号成分を消去して、 かつ、 信号画像の劣化を生じない空間光変 調装置を実現することができる。
光ァドレス型空間光変調器の書き込み光波長感度特性が、 所定の波長 λにおいて所定の感度を有し、 かつ、 該所定の波長 λ以外の波長に対し て他の感度を有し、 該所定の感度が該他の感度より高い場合、 光接続素
子の伝達限界空間周波数レ eが、 光接続素子の開口数 N Aと該所定波長 λによって決定されることが好ましい。 伝達限界空間周波数レ cが、 光 ァドレス型空間光変調器の変調に主に寄与する所定波長 λと該光接続素 子の開口数 Ν Αによって決定され、 その決定された伝達限界空間周波数 レ cが 1 2 P<v c< l ZPを満たすことによって、 出力面で画素構造 の影響が非常に少なく、 効率的な空間光変調装置を実現することができ る。 ここで、 所定波長 λは、 所定の波長幅を有する波長領域であっても よい。
ここで、 光接続素子は、 前記電気アドレス型空間光変調器側の開口数 NAL を有するリレーレンズであり、 前記伝達限界空間周波数レ cが、 N Α^Ζλの値を有することが好ましい。
また、 光接続素子は、 互いに接続された光伝達層とファイバ光学プレ ―トとからなり、該光伝達層が電気ァドレス型空間光変調器に接続され、 該ファイバ光学プレー卜が光ァドレス型空間光変調器に接続され、 該フ アイバ光学プレートが開口数 NAFOPを有し、 該光伝達層が厚さ dと前 記所定の波長 λに対する所定の屈折率 nt;を有し、 伝達限界空間周波数 レ cが、 略 nt;Z (d · N AF0P) の値を有するのでもよい。
また、 本発明の空間光変調装置は、 複数の画素が所定のピッチ Pで配 列された画素構造を有して構成され、 書き込む情報に関する電気信号に よってアドレスされることにより入射された書き込み光を変調するため の電気ァドレス型空間光変調器と、 該電気ァドレス型空間光変調器から 出射された書き込み光を伝達するためのリレーレンズと、 一対の透明電 極の間に光ァドレス層及び光変調層が順次積層され、 該電気ァドレス型 空間光変調器から出射された書き込み光により、 読み出し光を変調する ための光アドレス型空間光変調器とを備え、 該光アドレス型空間光変調 器の書き込み光波長感度特性が、 所定の波長 λにおいて所定の感度を有
し、 かつ、 該所定の波長え以外の波長において他の感度を有し、 該所定 の感度が該他の感度より高く、 該リレ一レンズの該電気ァドレス型素子 側の開口数 NAt と、 該電気アドレス型空間光変調器の該画素構造の所 定ピッチ Pと、該光ァドレス型空間光変調器の該所定の波長 λとの間に、 NAL/A< 1 ZPの関係が成り立つことを特徴とする。
光ァドレス型空間光変調器の変調に主に寄与する所定波長 λにおいて、 リレーレンズの開口数 Ν Αしが Ν Αし/ λ < 1 /Ρを満たすことによつ て、 出力面で画素構造の影響が非常に少ない効率的な空間光変調装置を 実現することができる。 ここで、 所定波長 λは所定の波長幅を有する波 長領域であってもよい。
リレーレンズの電気アドレス型素子側の開口数 と、 該電気アド レス型素子の画素構造のピッチ Pと、 所定の波長 λとの間に、 さらに Ν AL/A > 1 /2 Pの関係が成り立つことが好ましい。 光ァドレス型空 間光変調器の変調に主に寄与する波長 λまたは波長領域 λにおいて、 リ レ一レンズの開口数 Ν Αしが、 さらに 1 /2 Pく ΝΑ^/λを満たすこと によって、 出力面で信号画像の劣化が略生じない効率的な空間光変調装 置を実現することができる。
電気ァドレス型空間光変調器は、 透過型液晶素子であることが好まし い。 電気ァドレス型素子として透過型液晶素子を用いることによって、 より信号画像の歪みの少ない書き込み光を生成することができる。
光ァドレス型空間光変調器は、 光ァドレス層として光導電層を用い、 光変調層として液晶層を用いた光ァドレス型空間光変調器であることが 好ましい。 光アドレス層として光導電層を用い、 光変調層として液晶層 を用いた光ァドレス型空間光変調器を用いることによって、 高い回折効 率を得ることができる。
また、 本発明の空間光変調装置は、 複数の画素が所定のピッチ Ρで配
列された画素構造を有して構成され、 書き込む情報に関する電気信号に よってアドレスされることにより入射した光を変調する電気ァドレス型 空間光変調器と、 一対の透明電極の間に光ァドレス層及び光変調層が順 次積層され、 該電気ァドレス型空間光変調器から出射された書き込み光 により、 読み出し光を変調するための光ァドレス型空間光変調器とを備 え、 該電気ァドレス型空間光変調器の前記光ァドレス型空間光変調器に 面する出力端が一様な屈折率を有する光伝達層によって構成され、 前記 光ァドレス型空間光変調器の前記電気ァドレス型空間光変調器に面する 書き込み光入力端が入射画像の解像度を保って画像が伝達される屈折率 分布を有するファイバ光学プレー卜によって構成されて、 該光伝達層と 該ファイバ光学プレートとが光学的に接続され、 該光ァドレス型空間光 変調器の書き込み光波長感度特性が、 所定の波長 λにおいて所定の感度 を有し、 かつ、 該所定の波長 λ以外の波長において他の感度を有し、 該 所定の感度が該他の感度より高く、 該ファイバ光学プレートの開口数 Ν AF 0 P と、 該電気アドレス型空間光変調器の該画素構造の所定ピッチ P と、 該光伝達層の厚さ dと、 該所定の波長 λに対応する該光伝達層の屈 折率 η (3 との間に、 N A F。P〉n fi · P Z dの関係が成り立つことを特徴 とする。
当該空間光変調装置によれば、 リレーレンズを用いずに、 電気アドレ ス型空間光変調器の出力端を構成する光伝達層と光ァドレス型空間光変 調器の書き込み光入力端を構成するファイバ光学プレー卜とを光学的に 接続して、 書き込み光の伝達を行う。 この場合、 光アドレス型空間光変 調器の変調に主に寄与する所定波長 λにおいてファイバ光学プレートの 開口数 N AF。P に N Af o p !^ · P / dという条件を付することによ つて、 リレーレンズの場合と同様に画素構造に起因する信号成分をほと んど消去することができる。 ここで、 所定波長 λは、 所定の波長幅を有
する波長領域であってもよい。
ファイバ光学プレートの開口数 NAF()P と、 電気アドレス型素子の画 素構造の所定ピッチ Pと、 光伝達層の厚さ dと、 所定の波長 λに対応す る該光伝達層の屈折率 nG との間に、 さらに NAF0Pく 2 nG · P/dの 関係が成り立つことが好ましい。 光アドレス型空間光変調器の変調に主 に寄与する波長 λまたは波長領域 λにおいて、 ファイバ光学プレートの 開口数 NAF。P にさらに NAF0P<2 nG ' PZdという条件を付する ことによって、 リレーレンズの場合と同様に信号画像の劣化をほとんど 生じない空間光変調装置を実現することができる。
ここで、 電気アドレス型空間光変調器は、 透過型液晶素子であること が好ましい。 また、 光アドレス型空間光変調器は、 光アドレス層として 光導電層を用い、 光変調層として液晶層を用いた光ァドレス型空間光変 調器であることが好ましい。
また、 本発明の空間光変調装置は、 書き込み光の生成に用いられる書 き込み用光源と、 複数の画素が所定のピッチ Pで配列された画素構造を 有して構成され、 書き込む情報に関する電気信号によってァドレスされ ると共に該書き込み用光源からの光が入射される電気ァドレス型素子と、 該電気ァドレス型素子において生成 ·出射された書き込み光を伝達する ためのリレーレンズと、 一対の透明電極の間に光ァドレス層及び光変調 層が順次積層されている光アドレス型空間光変調器と、 該光アドレス型 空間光変調器への読み出し光を発生させる読み出し用光源とを備え、 該 リレーレンズの該電気アドレス型素子側の開口数 NAL と、 該電気アド レス型素子の該画素構造の所定ピッチ Pと、 該書き込み用光源からの光 の波長 λとの間に、 NAL/ A < 1 /Pの関係が成り立つことを特徴と する。
このような空間光変調装置においては、 リレ一レンズの開口数に N A
/ λ < 1 Z Pという条件を加えることによって、 光アドレス型空間光 変調器へ到達する書き込み光において電気ァドレス型素子の画素構造に 起因する信号成分を消去することができる。
リレーレンズの前記電気アドレス型素子側の開口数 NAL と、 該電気 アドレス型素子の画素構造の所定ピッチ Pと、 書き込み用光源からの光 の波長 λとの間に、 さらに NALZ A > 1 / 2 Pの関係が成り立つこと が好ましい。 リレ一レンズの開口数にさらに ΝΑ^Ζλ 1ノ 2 Pとい う条件を付することによって、 信号画像に含まれる空間周波数の全ての 範囲について劣化を生じることなく書き込み光を伝達することができ、 したがって画素構造に起因する信号成分を消去して、 かつ信号画像の劣 化を生じない空間光変調装置を実現することができる。
書き込み用光源からの光の波長 λは、 波長範囲 λ !<λ <λ 2の波長幅 を有し、 前記リレーレンズの電気アドレス型素子側の開口数 NAL と、 該電気ァドレス型素子の画素構造の所定ピッチ Pと、 該書き込み用光源 からの光の波長範囲 λ 、 え 2との間に、 1 / 2 Ρ <ΝΑ^Ζλ2、 NAL / λ χ< \ ZPの関係が成り立つことが好ましい。
電気アドレス型素子は、 透過型液晶素子であることが好ましい。 光ァ ドレス型空間光変調器は、 光アドレス層として光導電層を用い、 光変調 層として液晶層を用いた光ァドレス型空間光変調器であることが好まし い。
また、 本発明の空間光変調装置は、 書き込み光の生成に用いられる書 き込み用光源と、 複数の画素が所定のピッチ Pで配列されている画素構 造を有して構成され、 書き込む情報に関する電気信号によってァドレス されると共に該書き込み用光源からの光が入射される電気ァドレス型素 子と、 一対の透明電極の間に光アドレス層及び光変調層が順次積層され ている光ァドレス型空間光変調器と、 該光ァドレス型空間光変調器への
読み出し光を発生させる読み出し用光源とを備え、 該電気ァドレス型素 子の該光ァドレス型空間光変調器に面する出力端が一様な屈折率を有す る光伝達層によって構成され、 該光ァドレス型空間光変調器の該電気ァ ドレス型素子に面する書き込み光入力端が入射画像の解像度を保って画 像が伝達される屈折率分布を有するファイバ光学プレートによって構成 されて、 該光伝達層と、 該ファイバ光学プレートとが光学的に接続され、 該ファイバ光学プレー卜の開口数 NAFC)P と、 該電気アドレス型素子の 該画素構造の所定ピッチ Pと、 該光伝達層の厚さ dと、 該書き込み用光 源からの光の波長 λに対する該光伝達層の屈折率 nfi との間に、 NA F。P〉ne · P/dの関係が成り立つことを特徴とする。
上記空間光変調装置は、 リレーレンズを用いずに、 電気アドレス型素 子の出力端を構成する光伝達層と光ァドレス型空間光変調器の書き込み 光入力端を構成するファイバ光学プレー卜とを光学的に接続して、 書き 込み光の伝達を行う。この場合、ファイバ光学プレー卜の開口数 NAF0P に NAF。P>na · P/dという条件を付することによって、 画素構造に 起因する信号成分を消去する空間光変調装置を実現することができる。 ファイバ光学プレー卜の開口数 NAF。P と、 電気アドレス型素子の画 素構造の所定ピッチ Pと、 光伝達層の厚さ dと、 書き込み用光源からの 光の波長 λに対する該光伝達層の屈折率 ne との間に、 さらに NAF。P <2 nG · PZdの関係が成り立つことが好ましい。 ファイバ光学プレ —卜の開口数 NAF0P にさらに NAF0Pく 2 nG ' P/dという条件を 付することによって、 画素構造に起因する信号成分を消去して、 かつ、 信号画像の劣化を生じない空間光変調装置を実現することができる。 電気アドレス型素子は、 透過型液晶素子であることが好ましい。 光ァ ドレス型空間光変調器は、 光アドレス層として光導電層を用い、 光変調 層として液晶層を用いた光ァドレス型空間光変調器であることが好まし
い。
本発明の空間光変調方法は、 複数の画素が所定のピッチ Pにて配列さ れた画素構造を有して構成されている電気ァドレス型空間光変調器を、 書き込む情報に関する電気信号によってァドレスする工程と、 所定の波 長 λの書き込み光を該電気アドレス型空間光変調器に入射させ、 該電気 ァドレス型空間光変調器により変調され出射した該書き込み光を、 伝達 限界空間周波数レ(の光接続素子で、 一対の透明電極の間に光ァドレス 層及び光変調層が順次積層されている光ァドレス型空間光変調器の該光 ァドレス層に導く工程と、 該光ァドレス型空間光変調器の該光変調層へ 読み出し光を入射して該読み出し光を変調させる工程とからなり、 該光 接続素子の伝達限界空間周波数 v eと、 該電気ァドレス型空間光変調器 の該画素構造が有する画素構造空間周波数 1 / Pとの間に、 レ (: < 1 / Pの関係が成り立つことを特徴とする。
このような空間光変調方法においては、 伝達限界空間周波数レ cと画 素構造空間周波数 1 Z Pとの間にレ c < 1 Z Pの関係が成り立つため、 光ァドレス型空間光変調器へ到達する書き込み光において電気ァドレス 型空間光変調器の画素構造に起因する信号成分を消去することができる。 光接続素子の伝達限界空間周波数レ eと画素構造空間周波数 1 Z Pと の間に、 1 / 2 P < v eの関係が成り立つことが好ましい。 伝達限界空 間周波数レ cと画素構造空間周波数 1 Z Pとの間にさらに 1 / 2 P < レ cという条件を付することによって、 信号画像に含まれる空間周波数の 全ての範囲について劣化を生じることなく書き込み光を伝達することが でき、 したがって画素構造に起因する信号成分を消去して、 かつ、 信号 画像の劣化を生じない空間光変調方法を実現することができる。
光接続素子の伝達限界空間周波数レ eが、 該光接続素子の開口数 N A と前記所定の波長 λによって決定されることが好ましい。
光接続素子が、 電気アドレス型空間光変調器側の開口数 NAt を有す るリレーレンズであり、 伝達限界空間周波数 vcが、 NAL /えの値を有 することが好ましい。
また、 光接続素子は、 互いに接続された光伝達層とファイバ光学プレ ートとからなり、該光伝達層が電気ァドレス型空間光変調器に接続され、 該ファイバ光学プレー卜が光ァドレス型空間光変調器に接続され、 該フ アイバ光学プレー卜が開口数 NAFOPを有し、 該光伝達層が厚さ dと前 記所定の波長 λに対する所定の屈折率 を有し、 伝達限界空間周波数 v cが、 略 n^Z (d - NAFOP) の値を有するのでもよい。
また、 本発明の空間光変調方法は、 複数の画素が所定のピッチ Ρにて 配列された画素構造を有して構成されている電気ァドレス型素子を、 書 き込む情報に関する電気信号によってァドレスする工程と、 所定の波長 λの書き込み光を該電気ァドレス型素子に入射させ、 該電気ァドレス型 素子により変調され出射した該書き込み光を、 該電気ァドレス型素子側 の開口数 NAL のリレーレンズで、 一対の透明電極の間に光アドレス層 及び光変調層が順次積層されている光ァドレス型空間光変調器の該光ァ ドレス層に導く工程と、 該光ァドレス型空間光変調器の該光変調層へ読 み出し光を入射して該読み出し光を変調させる工程とからなり、 該リレ —レンズの該電気アドレス型素子側の開口数 NAL と、 該電気アドレス 型素子の該画素構造の所定ピッチ Pと、該書き込み光の波長えとの間に、 NAtZえぐ 1 ZPの関係が成り立つことを特徴とする。
このような空間光変調方法においては、 リレーレンズの開口数に N A L/A < 1 ZPという条件を加えることによって、 光アドレス型空間光 変調器へ到達する書き込み光において電気ァドレス型素子の画素構造に 起因する信号成分を消去することができる。
リレーレンズの電気アドレス型素子側の開口数 NAT と、 電気アドレ
ス型素子の画素構造の所定ピッチ Pと、 書き込み用光源からの光の波長 λとの間に、 さらに NAL /え〉 1 /2 Pの関係が成り立つことが好ま しい。 リレーレンズの開口数にさらに ΝΑ^Ζλ〉 1 / 2 Ρという条件 を付することによって、 信号画像に含まれる空間周波数の全ての範囲に ついて劣化を生じることなく書き込み光を伝達することができ、 したが つて画素構造に起因する信号成分を消去して、 かつ信号画像の劣化を生 じない空間光変調方法を実現することができる。
書き込み光入射工程は、 波長範囲 λ <λ 2の波長幅を有する書き 込み光を電気ァドレス型素子に入射させ、 リレーレンズの該電気ァドレ ス型素子側の開口数 NAL と、 該電気アドレス型素子の画素構造の所定 ピッチ Pと、 該書き込み光の波長範囲 λい λ 2との間に、 1 Ζ2 Ρ<Ν AL/ λ 2, N AL/A , < 1 /Pの関係が成り立つことが好ましい。 電気アドレス型素子は、 透過型液晶素子であることが好ましい。 光ァ ドレス型空間光変調器は、 前記光アドレス層として光導電層を用い、 前 記光変調層として液晶層を用いた光ァドレス型空間光変調器であること が好ましい。
また、 本発明の空間光変調方法は、 複数の画素が所定のピッチ Pで配 列された画素構造を有して構成されている電気ァドレス型素子を、 書き 込む情報に関する電気信号によってァドレスする工程と、 所定の波長 λ の書き込み光を該電気アドレス型素子に入射させ、 該電気アドレス型素 子により変調され出射した該書き込み光を、 厚み dで該所定の波長 λに 対し屈折率 n
cを有する光伝達層と開口数 NA
F o p のファイバ光学プ レートによって、 一対の透明電極の間に光ァドレス層及び光変調層が順 次積層されている光ァドレス型空間光変調器の該光ァドレス層に導くェ 程と、 該光アドレス型空間光変調器の該光変調層へ読み出し光を入射し て該読み出し光を変調させる工程とからなり、 該ファイバ光学プレート
の開口数 NA
F。
P と、 該電気アドレス型素子の該画素構造の所定ピッチ Pと、 該光伝達層の厚さ dと、 該書き込み光の該所定の波長 λに対応す る該伝達層の屈折率 n
fi との間に、
· P/dの関係が成り 立つことを特徴とする。
上記空間光変調方法は、 リレーレンズを用いずに、 電気アドレス型素 子の出力端を構成する光伝達層と光ァドレス型空間光変調器の書き込み 光入力端を構成するファイバ光学プレー卜とを光学的に接続して、 書き 込み光の伝達を行う。この場合、ファイバ光学プレートの開口数 NAF0P に NAF。P>n(; · PZdという条件を付することによって、 リレーレン ズの場合と同様に画素構造に起因する信号成分を消去することができる。 ファイバ光学プレートの開口数 NAF。P と、 電気アドレス型素子の画 素構造の所定ピッチ Pと、 光伝達層の厚さ dと、 書き込み光の所定の波 長 λに対応する該光伝達層の屈折率 nG との間に、 さらに NAF。P<2 nG · PZdの関係が成り立つことが好ましい。 ファイバ光学プレート の開口数 NAF。P にさらに NAF。Pく 2 nG ' P/dという条件を付す ることによって、 画素構造に起因する信号成分を消去して、 かつ、 信号 画像の劣化を生じない空間光変調方法を実現することができる。
電気アドレス型素子は、 透過型液晶素子であることが好ましい。 光ァ ドレス型空間光変調器は、 光アドレス層として光導電層を用い、 光変調 層として液晶層を用いた光ァドレス型空間光変調器であることが好まし い。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明の第 1の実施形態に係る空間光変調装置の構成図で ある。
第 2図は、 第 1の実施形態に係る空間光変調装置における透過型液晶
素子の拡大構成斜視図である。
第 3図は、 第 1の実施形態に係る空間光変調装置における光ァドレス 型平行配向液晶空間光変調器の拡大構成図である。
第 4 ( a ) 図は、 第 3図の光アドレス型平行配向液晶空間光変調器の 液晶層の液晶分子の配向状態を示す説明図である。
第 4 ( b ) 図は、 第 4 ( a ) 図の液晶分子の配向状態が変化する様子 を示す説明図である。
第 5 ( a ) 図は、 本発明の第 1の実施形態に係る空間光変調装置の使 用形態を示す構成図である。
第 5 ( b ) 図は、 本発明の第 1の実施形態に係る空間光変調装置の他 の使用形態を示す構成図である。
第 6図は、 無収差レンズに対する光学伝達関数曲線を示すグラフであ る。
第 7図は、 第 1の実施形態の第 1実施例のレンズに対する光学伝達関 数曲線を示すグラフである。
第 8図は、 第 1の実施形態の第 1実施例で行った実験において、 透過 型液晶素子 4に表示させたパターンの様子を 5倍程度に拡大して C C D カメラで撮像した撮像図である。
第 9図は、透過型液晶素子 4に第 8図のパターンを表示させた場合に、 そのパターンを第 1実施例の空間光変調装置によって伝達して得られた パターンの様子を 5倍程度に拡大して C C Dカメラで撮像した撮像図で ある。
第 1 0図は、第 1の実施形態の第 1実施例で行った他の実験において、 透過型液晶素子 4に表示させた指紋画像の撮像図である。
第 1 1図は、 透過型液晶素子 4に表示させた指紋画像をフーリエ変換 レンズにて直接フーリエ変換した場合に得られた回折パターンの撮像図
である。
第 1 2図は、 透過型液晶素子 4に第 1 0図の指紋画像を表示させた場 合に、 当該指紋画像を第 1の実施形態の第 1実施例の空間光変調装置に よって伝達しフーリエ変換して得られた回折パターンの撮像図である。 第 1 3図は、 第 1の実施形態の第 1実施例に対する比較例におけるレ ンズの光学伝達関数曲線を示すグラフである。
第 1 4図は、 第 1の実施形態の第 1の実施例の空間光変調装置の回折 効率を、 比較例と対比するグラフである。
第 1 5図は、 第 1の実施形態の第 2実施例のレンズに対する光学伝達 関数曲線を示すグラフである。
第 1 6図は、 第 1の実施形態の第 3実施例のレンズに対する光学伝達 関数曲線を示すグラフである。
第 1 7図は、 光アドレス型平行配向液晶空間光変調器の書き込み光波 長感度特性を示すグラフである。
第 1 8図は、 第 1の実施形態の第 4実施例のレンズに対する光学伝達 関数曲線を示すグラフである。
第 1 9図は、 書き込み用光源としてキセノンランプを使用する場合の 入射光学系の変更例を示す構成図である。
第 2 0図は、 本発明の第 2の実施形態に係る空間光変調装置の構成図 である。
第 2 1図は、 第 2の実施形態に係る空間光変調装置における、 透過型 液晶素子及び光ァドレス型平行配向液晶空間光変調器を一体化して構成 した電気ァドレス型空間光変調装置の拡大構成図である。
第 2 2図は、 第 2の実施形態に係る実施例の空間光変調装置の限界空 間周波数を説明するための拡大図である。
第 2 3 ( a ) 図は、 本発明の第 2の実施形態に係る空間光変調装置の
使用形態を示す構成図である。
第 2 3 ( b ) 図は、 本発明の第 2の実施形態に係る空間光変調装置の 他の使用形態を示す構成図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の実施形態に係る空間光変調装置を第 1図〜第 2 3 ( b ) 図に 基づき説明する。
なお、 図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、 重複する 説明を省略する。 また、 図面の寸法比率は、 説明のものと必ずしも一致 していない。
まず、 本発明の第 1の実施形態に係る空間光変調装置 1 0 0を第 1図 〜第 1 9図に基づき説明する。
第 1図に、 本発明の第 1の実施形態に係る空間光変調装置 1 0 0の構 成図を示す。
本実施形態の空間光変調装置 1 0 0は、 電気ァドレス型空間光変調装 置 5 0を備えている。 電気アドレス型空間光変調装置 5 0は、 電気アド レス型素子 4と光ァドレス型空間光変調器 6とを、 光接続素子たるリレ 一レンズ 5にて光接続したものである。 本実施形態の空間光変調装置 1 0 0は、 さらに、 電気アドレス型空間光変調装置 5 0へ書き込み光を入 射させるための書き込み用光源 1とコリメ一トレンズ 2, 及び、 電気ァ ドレス型空間光変調装置 5 0へ読み出し光を入射させるための読み出し 用光源 1 0 , 空間フィルタ 9, レンズ 8 , 及びハーフミラー 7を備えて いる。
電気ァドレス型空間光変調装置 5 0では、 電気ァドレス型素子 4が電 気信号発生器 3に電気的に接続されており、 電気信号発生器 3により電 気ァドレス駆動されるようになっている。 電気ァドレス型素子 4には、
書き込み用光源 1からコリメ一トレンズ 2を介して書き込み光が入射す るようになっている。 光アドレス型空間光変調器 6には、 電気アドレス 型素子 4で変調され出射した書き込み光がリレーレンズ 5を介して入射 するようになつている。 光アドレス型空間光変調器 6には、 また、 読み 出し用光源 1 0から、 空間フィル夕 9、 レンズ 8, 及び、 ハーフミラー 7を介して読み出し光が入射するようになっている。 光ァドレス型空間 光変調器 6で変調された読み出し光は、 光ァドレス型空間光変調器 6か ら出射しハーフミラー 7で反射することにより、 空間光変調装置 1 0 0 から出力される。
このような構成の空間光変調装置 1 0 0を用いて伝達する情報として は、 例えば計算機によって計算された画像やコンピュータ合成ホログラ ムなどがある。 電気信号発生器 3は、 このような情報をビデオ信号や R G B信号等に変換し、 透過型液晶素子 4に供給するためのものである。 電気ァドレス型素子 4は、 供給されたビデオ信号に応じて信号画像を 生成するためのものである。 電気アドレス型素子 4としては、 透過型液 晶素子や反射型液晶素子等が考えられるが、 本実施形態では、 画像歪み が無く、 高いコントラスト特性を持つ透過型液晶素子 (液晶ディスプレ ィ (L C D ) ) 4が採用されている。 ここで、 電気アドレス型素子 4は、 光入射層 4 0 , 光変調層 4 1 , 及び、 光伝達層 4 2とからなる。 光変調 層 4 1は電気信号発生器 3に接続され、 電気アドレス駆動されるように なっている。 書き込み用光源 1から出射された光はコリメ一トレンズ 2 によってコリメ一卜され、 コリメート光として透過型液晶素子 4の光入 射層 4 0を介して光変調層 4 1に入射するようになっている。 電気ァド レス駆動されている光変調層 4 1が、 当該コリメ一ト光を変調すること で、 信号画像を伝達する書き込み光を生成する。 このように信号画像を 担持した書き込み光は、 光伝達層 4 2を伝達されて出射する。
光アドレス型空間光変調器 6は、 読み出し用光源 1 0からの読み出し 光を、 電気ァドレス型素子 4で生成された信号画像にて変調するための ものである。 光アドレス型空間光変調器 6は、 書き込み部 6 aと読み出 し部 6 bとを有している。 ここで、 光アドレス型空間光変調器 6は、 透 過型液晶素子 4に対してリレーレンズ 5を介して光カツプリングされて おり、 透過型液晶素子 4から出射された書き込み光がリレーレンズ 5を 通過して光ァドレス型空間光変調器 6の書き込み部 6 aに入射 ·結像す るようになっている。 ここで、 リレーレンズ 5は、 透過型液晶素子 4側 の開口数 を有している。 また、 光アドレス型空間光変調器 6は、 読み出し用光源 1 0から出射された読み出し光が空間フィル夕 9、 レン ズ 8、 及び、 ハーフミラー 7を通じて読み出し部 6 bに入射されるよう に配置されている。 読み出し部 6 bは、 書き込み部 6 aに入射した信号 画像の情報に応じて読み出し光を変調する。 当該読み出し光は、 書き込 み部 6 aと読み出し部 6 bとの境界で反射し、変調画像として出射して、 ハーフミラ一 7で所定の方向へ反射されて出力される。
このようにして出力された変調画像には、 目的に応じた光学的処理が 施される。 例えば、 変調画像のフーリエ変換像を得たい場合には、 第 5 ( a ) 図に示すように、 ハーフミラー 7からの出力光をフ一リエ変換レ ンズ 1 1で空間的にフーリエ変換させ、 フーリエ面 (フーリエ変換レン ズ 1 1の後焦点面) 1 2にフーリエ変換像を形成させる。 また、 変調画 像を画像表示したい場合には、 第 5 ( b ) 図に示すように、 ハーフミラ —7からの出力光を結像レンズ 1 3にて結像面 1 5に結像させる。
次に、 第 2図を参照して、 電気アドレス型透過型液晶素子 4の構造を 詳細に説明する。
電気アドレス型透過型液晶素子 4は、 既述のように、 光入射層 4 0, 光変調層 4 1 , 及び、 光伝達層 4 2とから構成されている。 光入射層 4
0は、 透明ガラス基板 4 0 9と偏光板 4 1 3とから構成されている。 ま た、 光伝達層 4 2は、 他の透明ガラス基板 4 0 1 と偏光板 4 1 2とから 構成されている。 光変調層 4 1は、 透明ガラス基板 4 0 9上に形成され た対向電極 4 1 0と、 透明ガラス基板 4 0 1上に形成されたシリコン単 結晶フィルム 4 0 2と、 これら対向電極 4 1 0とシリコン単結晶フィル ム 4 0 2との間に形成されたッイストネマチック液晶層 4 1 1とから構 成されている。
シリコン単結晶フィルム 4 0 2上には、 所定のピッチ Pを有する画素 構造 4 1 5が形成されている。 より詳しくは、 シリコン単結晶フィルム 4 0 2上には、 複数の透明画素電極 4 0 3がピッチ Pにて 2次元マトリ ックス状に配列されている。 なお、 第 2図では、 9個の透明画素電極 4 0 3が示されているが、 実際には、 もっと多数の透明画素電極 4 0 3が 配列されている。 また、 各透明画素電極 4 0 3には、 薄膜トランジスタ T F Tからなるスィツチング素子 4 0 4が接続されており、 各スィッチ ング素子 4 0 4は図示しない遮光マスクにより覆われている。 各透明画 素電極 4 0 3が書き込み光に対する開口部として機能し、 各スィッチン グ素子 4 0 4が書き込み光を遮蔽する光遮蔽部として機能することで、 開口部 4 0 3がピッチ Pで配列した画素構造 4 1 5が形成されている。 各スィツチング素子 4 0 4は、 走査線 4 0 5及び信号線 4 0 6を介し て、 それぞれ、 走査回路 4 0 7及び信号回路 4 0 8に接続されている。 走査回路 4 0 7及び信号回路 4 0 8は、 電気信号発生回路 3に接続され ている。 かかる構成により、 走査回路 4 0 7及び信号回路 4 0 8は、 電 気信号発生回路 3からのビデオ信号により、 走査信号及び画像信号を生 成し、 当該走査信号及び画像信号により所望のスィツチング素子 4 0 4 を駆動して、 対応する画素 4 0 3を選択するようになっている。 以上の 構成により、 液晶層 4 1 1は、 電気信号発生器 3からのビデオ信号にて
選択駆動された画素 4 0 3と対向電極 4 1 0との間の領域にて液晶分子 の配向状態を変化させ、 もって、 入射書き込み光の偏光状態を変調させ る。 偏光板 4 1 2及び 4 1 3の作用により書き込み光を強度変調させ、 当該書き込み光に信号画像を担持させる。
次に、 第 3図を参照して、 光アドレス型液晶空間光変調器 6の構造を 詳細に説明する。 なお、 本実施形態では、 光アドレス型空間光変調器 6 として、 光ア ドレス型平行配向液晶空間光変調器 (P A L— S L M (Parallel- Aligned nematic-hquid-crystal Spatial Light Modulator) が採用されている。
光アドレス型平行配向液晶空間光変調器 6は、 誘電体多層膜ミラー 6
3を境に書き込み部 6 aと読み出し部 6 bとに分けられている。 書き込 み部 6 aは、 光導電層 6 1 と、 透明電極 6 4 aと、 書き込み光入力端で ある透明基板 6 5 a及び反射防止コート 6 6 aとから構成されている。 透明基板 6 5 aは好ましくはガラス製であり、 リレーレンズ 5からの書 き込み光を透過させて光導電層 6 1に入射させる。 光導電層 6 1は好ま しくはアモルファスシリコン製であり、 特定の波長域 (この場合、 略 6 0 0〜 7 0 0 n mの波長域) の光が入射されることによって結晶構造が 可逆的に変化し、 入射光の明暗に対応してインピーダンスが変化して導 電性を示す光導電性を有する。 なお、 必要に応じて光導電層 6 1 と誘電 体多層膜ミラ一 6 3との間に光遮蔽層を設置しても良い。
読み出し部 6 bは、 液晶層 6 2と、 透明電極 6 4 bと、 読み出し光入 力端である好ましくはガラス製の透明基板 6 5 b及び反射防止コート 6 6 bとから構成されている。 液晶層 6 2としては好ましくはネマティッ ク液晶が用いられ、 配向層 6 2 c及びスぺ一サ一 6 2 dによって配置 · 固定されている。 液晶層 6 2の両側に位置する配向層 6 2 cとしては、 例えばポリイミ ド等が用いられ、 液晶層 6 2の液晶分子が透明電極 6 4
a及び 6 4 bに対して平行に捻れなく一様に配向されている。 したがつ て、 光導電層 6 1に書き込み光が入射していないオフ状態においては、 液晶分子は、 第 4 ( a ) 図に示されているように、 捻れなく平行に配向 している。
透明電極 6 4 a及び 6 4 bとしては、 好ましくはインジウム錫酸化物
( I T O ) が用いられる。 透明電極 6 4 a及び 6 4 bは交流電源 6 0に 接続されており、 これら透明電極 6 4 a及び 6 4 bの間に数ボルトの交 流電圧が印加されるようになっている。 また、 誘電体多層膜ミラー 6 3 としては、 読み出し光の波長に対応する所定の波長域の光を反射させる ように多層膜として形成されたものを用いて、 これによつて読み出し光 を反射して出力を行う。
このような構成の光ァドレス型平行配向液晶空間光変調器において、 書き込み部 6 aに書き込み光が入射すると、 光導電層 6 1の結晶構造が 変化してその電気抵抗が変化する。 このとき、 透明電極 6 4 a及び 6 4 bの間には数ボルトの交流電圧が印加されているが、 光導電層 6 1の電 気抵抗が変化することによって、 液晶層 6 2に与えられる電圧が変化す る。 液晶層 6 2の液晶分子は、 液晶層 6 2に対して与えられた電圧の変 化によって、 第 4 ( b ) 図のように、 読み出し光の伝搬方向 Aに傾く。 これにより生じる液晶層 6 2の屈折率 (複屈折率) の変化 (E C B (Electrically Controlled Birefringence) 効果) 、 液晶層 6 2中を伝 搬する読み出し光の液晶分子の配向方向と平行な偏光面を位相変調させ る。 ただし、 当該屈折率の変化は、 液晶分子の配向方向に対して垂直な 偏光面に対しては位相変調を起こさせない。 読み出し光は、 誘電体多層 膜ミラー 6 3にて反射し、 液晶層 6 2中を再び伝搬して、 透明基板 6 5 bと反射防止コート 6 6 bとを経て、 位相変調された画像として出力す る。
かかる構成の光ァドレス型平行配向液晶空間光変調器 6は、 読み出し 光源 1 0からの読み出し光の偏光方向が液晶層 6 2の液晶分子の配向方 向と平行である場合、読み出し光の位相のみの変調を行うことができる。 また、 読み出し光源 1 0からの読み出し光の偏光方向が液晶層 6 2の液 晶分子の配向方向に対し 4 5度傾いている場合には、 偏光面の変化が起 こるため、 出力側に偏光板を置くことで、 強度変調出力を得ることがで さる。
次に、 以上の構成を有する空間光変調装置 1 0 0の動作を説明する。 電気信号発生回路 3が所望の信号情報に関する電気ビデオ信号を出力 することにより、 走査回路 4 0 7及び信号回路 4 0 8を介して透明画素 電極 4 0 3をアドレス駆動する。 書き込み用光源 1からの書き込み光が コリメ一卜レンズ 2にてコリメ一卜され、 電気ァドレス型素子 4の光入 射層 4 0を介して液晶層 4 1 1に入射する。 書き込み光は、 液晶層 4 1 1内で変調され、 光伝達層 4 2を介して出射する。 この出射書き込み光 には所望の信号画像が担持されている。 すなわち、 この時、 電気アドレ ス型素子 4は当該所望の信号画像を表示している。 このようにして、 信 号画像を伝達する書き込み光が生成される。
以上のように電気ァドレス型素子 4により変調され出射した書き込み 光は、 リレーレンズ 5により、 光アドレス型空間光変調器 6の光ァドレ ス層 6 1に導かれる。 読み出し用光源 1 0からの読み出し光が光変調層 6 2に入射すると、 当該読み出し光は、 該光アドレス層 6 1に入射した 書き込み光に応じて変調され出射する。 当該読み出し光は、 ハーフミラ — 7で反射され、 空間光変調装置 1 0 0から出力する。
ここで、 空間光変調装置 1 0 0を信号画像の回折現象の測定等に使用 したい場合には、 第 5 ( a ) 図のように、 空間光変調装置 1 0 0をフー リエ変換レンズ 1 1に接続する。 すなわち、 ハーフミラ一 7からの出力
光をフーリエ変換レンズ 1 1にてフーリエ変換し、 フーリエ変換像をフ —リエ面 1 2にて観測するようにする。 この場合、 電気アドレス型空間 光変調装置 5 0を、 読み出し光に対し位相のみの変調を行わせるよう動 作させる。 具体的には、 読み出し用光源 1 0が直線偏光の読み出し光を 出射するものである場合、 読み出し用光源 1 0を、 その偏光方向が液晶 層 6 2の液晶配向方向 (第 4 ( a ) 図に示すオフ状態の液晶配向方向) と平行になるように配置する。 この結果、 液晶層 6 2は読み出し光に対 し位相のみの変調を施す。 位相のみを変調された読み出し光は、 フ一リ 工面 1 2上に、 高い回折効率で回折像を形成する。 なお、 光源 1 0の後 段に偏光子を配置してもよい。
一方、 空間光変調装置 1 0 0を信号画像のプロジェクシヨン表示等に 使用したい場合には、 第 5 ( b ) 図のように、 空間光変調装置 1 0 0を 結像レンズ (例えば拡大レンズ) 1 3と検光子 1 4に接続する。 すなわ ち、 ハーフミラ一 7からの出力光が結像レンズ 1 3及び検光子 1 4を通 過するようにし、 結像面 1 5に得られた信号画像を観測する。 この場合、 電気アドレス型空間光変調装置 5 0には、 読み出し光に対し強度変調を 行わせるように動作させる。 具体的には、 読み出し用光源 1 0が直線偏 光の読み出し光を出射するものである場合、 読み出し用光源 1 0を、 そ の偏光方向が液晶層 6 2の液晶配向方向 (第 4 ( a ) 図に示すオフ状態 の液晶配向方向) に対し 4 5度傾いているように配置する。 この結果、 液晶層 6 2は読み出し光に対し偏光面の変調を施す。 検光子 1 4を、 読 み出し用光源 1 0に対し、 その偏光方向が 9 0度ずれるようクロスニコ ルに配置することで、 強度変調された読み出し光による信号画像が結像 面 1 5に形成される。 なお、光源 1 0の後段に偏光子を配置してもよい。 本実施の形態では、 透過型液晶素子 4は、 透明画素電極 4 0 3が第 2 図に示すようにピッチ Pにて配列された画素構造 4 1 5を有している。
したがって、 透過型液晶素子 4によって生成 ·伝達可能な信号画像の最 大空間周波数 (すなわち、 画素構造 4 1 5の透明画素電極 40 3に交互 に白黒を表示した場合の空間周波数) は 1 /2 Pである。 一方、 画素構 造 4 1 5を構成する透明画素電極 40 3自体に起因する信号成分の空間 周波数は 1 /Pであり、 当該信号画像最大空間周波数の 2倍である。 ここで、 本実施形態の電気アドレス型空間光変調装置 5 0において、 リレーレンズ 5が透過型液晶素子 4からの信号画像をいかに光ァドレス 型空間光変調器 6に伝達するかについて、 詳細に説明する。
第 6図に、 理想的な無収差レンズに対する光学伝達関数 (OTF) 曲 線を様々な σについて示す。 ここで、 入射光学系の開口数を σ 1、 レン ズ系の開口数を σ2 (この場合、 リレーレンズ 5の電気アドレス型素子 4側の開口数 NAL に 対 応 す る ) とすると、 σは一般に σ = σ 2 によって定義される。 また、 横軸は規格化空間周波数 sであり、 空間 周波数レ を用いて s = v · λ/σ2 により定義される。 ここで、 λは、 書き込み用光源 1からの書き込み光の波長である。
このとき、 空間周波数について、 規格化空間周波数 s = 1に対応する 限界空間周波数 v c =NAL/Aが定義される。限界空間周波数レ。 より も大きい空間周波数を持つ成分については、 光学伝達関数は略 0となり 伝達されにくレ^ 一方、 リ e よりも小さい空間周波数を持つ成分につい ては光学伝達関数は略 1となり伝達されやすい。
したがって、 本実施形態においては、 リレーレンズ 5の電気アドレス 素子側の開口数 NA
L と書き込み用光源 1の波長えとを、 画素構造 4 1 5のピッチ Pの値に基づいて決定し、 限界空間周波数レ c ( =NA
L/ λ) を画素構造のピッチ Ρに対して設定している。 具体的には、 限界空 間周波数レ c
を画素構造成分の空間周波数 1 /Pより小さ く (NA
tZA< 1 ZP) すれば、 画素構造 4 1 5に起因する信号成分
(ノイズ) を伝達せずに消去することができる。 また、 限界空間周波数 レ 。 ΝΑ^Ζλを信号成分の最大空間周波数 1 /2 Pより大きく ( 1 / 2 P<NA
L/A) すれば、 信号画像を劣化させることなく伝達させ ることができる。
以下、 実施例により本実施形態をさらに詳細に説明するが、 本実施形 態は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例 1)
透過型液晶素子 4 (第 2図) として、 画素数 640 X 480、 画素構 造 41 5のピッチ P = 40 m、 対角 3 2 mm の透過型液晶素子 4を用 い、 書き込み用光源 1には波長 λ = 68 Onm の半導体レーザ、 読み出 し用光源 1 0には波長 λ = 633nmの He— Ne レーザを用いた。 この とき、 画素構造 4 1 5に起因する信号成分の空間周波数は 1/P = 2 5 [lp/mm (=line pairs per millimeter)]であり、 信号画像の最大空間周波 数は 1 Z2 P= 1 2. 5 [lp/mm]である。 また、 リレーレンズ 5として 結像倍率 1. 0、 開口数 ΝΑ^= 0. 0 1 3のものを用いた。 このとき N AL/A = 1 9 [lp/mm]であり、 この開口数 N AL は、 条件 1 / 2 P< ΝΑ Ζλ < 1 / Pを満たしている。
本実施例においては、 リ レーレンズ 5の開口数が NAL= 0. 0 1 3 と小さな値であり、その特性はほぼ無収差レンズとみなすことができる。 また、 光源の半導体レーザ一 1はコリメートレンズ 2によって平行光と なされており、 また半導体レーザ 1の発光面積は非常に小さく点光源と みなせるため、 非常に精度の高い平行光照明が実現されている。 このよ うな照明においては、 at はほぼ 0であり、 よって σもほぼ 0である。 したがって、 本実施例におけるリレーレンズ 5の光学伝達関数は、 第 6 図に示す σ = 0の場合とみなすことができる。 このとき、 規格化空間周 波数 s = 1に対応する限界空間周波数レ e = NAL/Aよりも大きい空
間周波数を持つ成分については、 光学伝達関数が完全に 0となって、 こ のような光学系においては完全に伝達されない。 一方、 限界空間周波数 vc二 NALZAよりも小さい空間周波数を持つ成分については、 光学伝 達関数が完全に 1となって、 このような光学系においては信号画像は劣 化することなしに完全に伝達される。 すなわち、 本実施例の場合、 リレ —レンズ 5の光学伝達関数は、 第 7図に示すように、 限界空間周波数レ c ( = ΝΑ!^Ζλ) 以下の領域では〇TF= 1. 0、 限界空間周波数レ c 以上の領域では〇TF= 0. 0となる。 本実施例においては、 レ e=N Ah/ λ = 1 9 [lp/mm]であるため、 空間周波数 2 5 [lp/mm]である画素 構造に起因する信号成分は伝達されずに完全に消去され、 一方、 信号画 像は 1 2. 5 [lp/mm]以下の空間周波数で形成されているため、 劣化す ることなく完全に伝達される。
ここで、 本実施例の空間光変調装置 1 0 0による光学画像の伝達につ いて実験を行った。
まず、 上記画素構造ピッチ Pが 40ミクロンの透過型液晶素子 4に、 第 8図に示す画像表示を行わせた。 なお、 第 8図は、 透過型液晶素子 4 上の表示パターンを 5倍程度に拡大して C CDカメラで撮像した撮像図 である。
次に、 この透過型液晶素子 4を備えた本実施例の空間光変調装置 1 0 0を、 第 5 (b) 図に示すように、 結像レンズ 1 3及び検光子 1 4に接 続した。 そして、 この透過型液晶素子 4に表示された画像のうち信号成 分と画素構造成分とがどのように出力面 (結像面) 1 5に伝達されたか について実験を行った。 具体的には、 伝達するべき信号画像として第 8 図に示す画像を透過型液晶素子 4に表示して当該信号画像を伝達する書 き込み光を生成し、 光アドレス型平行配向液晶空間光変調器 6に入射さ せた。 書き込み用光源 1の強度及び空間光変調器 6の駆動電圧を調整し
て、 画像の白部分に対して読み出し光を π位相変調させるようにした。 読み出し用光源 1 0を、 読み出し光の偏光方向が液晶層 6 2の液晶分子 の配向方向に対して 4 5 ° 傾くように配置した。 また、 検光子 1 4をク ロスニコルに配置することによって、 読み出し光の強度変調出力を得ら れるようにした。 この強度変調された光が出力面 1 5で像として観測さ れた。 その結果、 第 9図に示すように、 出力面 1 5に、 信号成分の劣化 がほとんどなく、 しかも、 画素構造が消去された像が得られた。 なお、 この図は、光ァドレス型平行配向液晶空間光変調器 6の出力パターンを、 結像レンズ 1 3にて 5倍程度に拡大し、 結像面 1 5上に配置した C C D カメラで撮像した撮像図である。 レンズ 5の〇T F特性によって、 画素 構造は完全に消去し、 かつ、 信号成分についてはほとんど劣化無しで出 力されていることがわかる。 すなわち、 信号成分の最大空間周波数であ る一本おきの縦縞、 横縞がきれいに出力されていることが確認できる。 次に、 電気ァドレス型素子 4上に表示した画像のうち信号成分及び画 素構造成分による回折が、 フーリエ面 1 2上にどのように生じるかにつ いて実験を行った。
より詳しくは、 第 1 0図に示すような指紋画像を透過型液晶素子 4に 表示させた。 まず、 比較実験として、 この透過型液晶素子 4の表示画像 をフーリェ変換レンズにて直接フーリエ変換した。 この場合に得られた 出力画像の撮像図を第 1 1図に示す。 指紋画像の回折パターン (フ一リ ェ変換像) の周辺部分に、 画素構造による回折パターンが観測され、 そ れらの信号がノイズ及び信号成分のロスになっているのがわかる。
次に、 この透過型液晶素子 4を備えた本実施例の空間光変調装置 1 0 0を、 第 5 ( a ) 図に示すように、 フーリエ変換レンズ 1 1 と接続した。 すなわち、 透過型液晶素子 4をリレーレンズ 5を介して光アドレス型平 行配向液晶空間光変調器 6に光接続させた。 伝達する信号画像として透
過型液晶素子 4に第 1 0図の指紋画像を表示して当該信号画像を伝達す る書き込み光を生成し、 光ァドレス型平行配向液晶空間光変調器 6に入 射させた。 書き込み用光源 1の強度及び空間光変調器 6の駆動電圧を調 整して、 画像の白部分に対して読み出し光を 7T位相変調させるようにし た。 この時、 読み出し光の偏光方向を、 液晶層 6 2の液晶分子の配向方 向と平行とし、 読み出し光の位相のみの変調を行うようにした。 この位 相変調された光が、フーリエ変換レンズ 1 1によってフーリエ変換され、 フーリエ面 1 2で回折像として観測された。 このようにして空間光変調 装置 1 0 0からの出力をフーリエ変換した場合に得られた出力画像を第 1 2図に示す。 透過型液晶素子 4の画素構造による回折パターンが生じ ていないことがわかる。
さらに、 第 5 ( a ) 図の光学系において、 本実施例の空間光変調装置 1 0 0の回折効率についての測定を行った。 また比較のため、 リレーレ ンズ 5として、 結像倍率 1 . 0で N AL / A〉 1 Z Pである開口数 N AL = 0 . 0 2のレンズを用いた場合についても同様の測定を行った。 なお、 当該比較例の場合のレンズの光学伝達関数は、 第 1 3図に示す通りであ る。 この場合、 限界空間周波数レ。 = Ν Α ^ / λ = 2 9 [lp/mm]であるた め、 空間周波数 2 5 [lp/mm]である画素構造に起因する信号成分、 及び、 1 2 . 5 [lp/mm]以下の空間周波数を持つ信号画像は、 両方とも、 劣化 することなく完全に伝達されてしまうことがわかる。
測定においては、 伝達する信号画像として透過型液晶素子 4に矩形波 格子を表示して信号画像を伝達する書き込み光を生成し、 光ァドレス型 平行配向液晶空間光変調器 6に入射させた。 読み出し光の偏光方向を、 液晶層 6 2の液晶分子の配向方向と平行とし、 読み出し光の位相のみの 変調を行わせた。 この位相変調された光が、 フーリエ変換レンズ 1 1に よってフ リエ変換され、 フーリエ面 1 2で回折像として観測されて回
折効率が測定された。 得られた回折像では、 開口数 NAL- O . 0 2の 比較例のレンズを用いた場合において画素構造に起因する回折成分が生 じたのに対して、 本実施例による開口数 NAL 0. 0 1 3のレンズを 用いた場合においてはそのような回折成分は観測されなかった。
第 1 4図は、 一次回折光についての回折効率の測定結果をいくつかの 空間周波数に対して示したものであり、 比較例のレンズ及び本実施例に よるレンズを用いた場合についてそれぞれ示している。 回折効率は、 得 られた回折像について、 (一次回折光強度/全光量) X 1 0 0 %によって 定義される。 開口数 NAL = 0. 0 1 3のレンズ 5を用いた本実施例に よる装置についての測定結果では、 最大空間周波数である 1 2. 5 [lp/mm]を含めて、 理論限界の 4 0. 5 %に近い高い回折効率がすべて の測定点において得られている。 一方、 開口数 NAL = 0. 0 2のレン ズを用いた比較例の装置についての測定結果では、 画素構造に起因する 回折成分が生じているために、 本発明による装置よりも回折効率が低く なっている。
以上の結果から、 条件 1 Z 2 Pく N Α^Ζλ < 1 /Pを満たす開口数 NAL を有するリレーレンズ 5を用いて構成された本実施例の空間光変 調装置 1 0 0によって、 画素構造に起因する信号成分を消去して、 かつ、 透過型液晶素子 4において生成可能な信号画像のすべての空間周波数の 範囲について劣化を生じないようにすることができることがわかる。 以上のように、 本実施例によれば、 電気アドレス型素子 4と光ァドレ ス型空間光変調器 6との間の書き込み光の伝達にリレ一レンズ 5を用い た場合において、リレ一レンズ 5の開口数 NAL に対して ΝΑ!^Ζλ< 1 ΖΡという条件を付することによって、 電気ァドレス型素子 4の画素構 造 4 1 5に起因する信号成分を消去することができ、 さらに NALZA > 1 / 2 Pという条件を付することによって、 ピッチ Pの電気アドレス
型素子 4によって生成可能な信号画像に含まれる空間周波数の全ての成 分範囲について、 劣化を生じることなく信号画像を伝達することができ る。
(実施例 2)
第 2の実施例として、 開口数 NAL= 0. 0 0 7のリレーレンズ 5を 用いた場合について説明する。 その他の条件は第 1の実施例と同様であ る。
この場合、 第 1 5図に示すように、 限界空間周波数!^ = 1 0. 3 [lp/mm]となり、 限界空間周波数レ c は画素構造 4 1 5の空間 周波数である 2 5 [lp/mm]よりも小さく ( レ t< l ZP)、 したがって、 画素構造に起因する信号成分については、完全に消去することができる。 一方、 この限界空間周波数レ。 は信号画像の最大空間周波数である 1 2. 5 [lp/mm]よりも小さい ( レ e < 1 Z 2 P ) ため、 信号画像の一部を損な うこととなる。 しかし、 1 0. 3 [lp/mm]以下の空間周波数の信号画像 成分については、 劣化することなく完全に伝達することができる。 この ように、条件 ΝΑτ^Ζλ< 1 /Ρを満たす開口数 N を有するリレ一レ ンズ 5を用いることによって、 少なくとも、 画素構造 4 1 5に起因する 信号成分については完全に消去することができる。
(実施例 3)
第 3の実施例として、書き込み用光源 1として中心発光波長 6 6 0nm、 半値幅 3 Onm (λ = 6 6 0 ± 3 Onm) の赤色 L E Dを用いた場合につ いて説明する。 その他の条件は第 1の実施例と同様である。
この場合においても、 赤色 L EDからの光はコリメ一トレンズ 2によ つてコリメ一トされており、 ほぼ点光源とみなせるので、 入射光学系の 開口数 はほぼ 0であり、 したがって第 1の実施例と同様に σはほぼ 0である (第 6図)。 この光源 1及び開口数 Ν Ατ = 0. 0 1 3のリレ一
レンズ 5を用いた場合の限界空間周波数レ c は、第 1 6図に示すように、 一番短い波長 λである 6 3 Onmの光に対して 2 0. 6 [lp/mm]、 一番長 い波長 λである 6 9 Onmの光に対して 1 8. 8 [lp/mm]であるので、 当 該光源 1からの光の全波長域にて、 条件 1 Z2 P<NALZAぐ 1 ZP を満たしている。
より詳しくは、 本実施例の場合、 書き込み用光源 1からの書き込み光 の波長 λは波長範囲の波長幅 λ 1<λ<λ 2を有している。 一番短い波長 λ iである 6 3 Οηπι の光に対して限界空間周波数レ c ! =Ν Α^/λ丄 = 2 0. 6 [lp/mm], 一番長い波長 λ 2である 6 9 0 nmの光に対して限 界空間周波数レ C 2 =NAL/ A 2= 1 8. 8 [lp/mm]である。 したがつ て、 信号画像の空間周波数 1 Z 2 P = 1 2. 5 [lp/mm]は条件 1 Z 2 P <NAL/ A 2を満たしており、 また、 画素構造 4 1 5の空間周波数 1 Z P = 2 5 [lp/mm]は条件 NAL/ A ,< 1 ZPを満たしている。 したがつ て、 全波長範囲 λ <λ 2の波長 λに対して、 1 Z 2 P<NAL/A < 1 ΖΡが満足されている。 したがって、 本実施例においても画素構造 4 1 5に起因する信号成分を消去し、 かつ、 透過型液晶素子 4において 生成可能な信号画像のすべての空間周波数の範囲について劣化を生じな いようにすることができる。
(実施例 4)
第 4の実施例として、 書き込み用光源 1として白色光源であるキセノ ンランプを用いた場合について説明する。 用いたキセノンランプのギヤ ップ長は 1 mmで、焦点距離 1 0 Ommのコリメ一トレンズ 2を用いた。 この場合、 入射光学系の開口数 σ i = 0. 0 0 5であり、 リレーレンズ 5の開口数が NAL = 0. 0 1 3であるとき、 σは 1に近い値となる (第 6図)。 このとき、 σ = 1に対する第 6図に示した光学伝達関数曲線にお いて、 光学伝達関数は、 画素構造 4 1 5に起因する信号成分の空間周波
数である 1 Z P = 2 5 [lp/mm]前後の領域においても 0にはならないが、 そのような空間周波数領域に対する光学伝達関数の値は小さく、 伝達さ れた画素構造に起因する信号成分はつぶれたものとなる。 したがって画 素構造 4 1 5による影響を低減することができる。
また、 書き込み光の波長 λについては、 光アドレス型平行配向液晶空 間光変調器 6の書き込み光に対する感度特性が波長 6 0 0〜 7 0 O mn の光に対して高いので、 その領域の光を主に考慮すれば良い。 より詳し くは、 光アドレス型平行配向液晶空間光変調器 6は光導電層 6 1の抵抗 率変化が照射される光の波長によって異なるため、 書きこまれる波長に よって感度は大きく異なる。 光アドレス型平行配向液晶空間光変調器 6 の書き込み光波長感度特性を第 1 7図に示す。 ここで、 光アドレス型空 間光変調器 6の書き込み光波長感度特性とは、 一定の駆動電圧が印加さ れている場合において、 所定の変調 (この場合、 π位相変調) を起こさ せるために書き込まなければならない光量が、 書き込み光波長に対して どのように変化するかを示すものである。 第 1 7図は、 横軸に書き込み 光波長、 縦軸に π位相変調を起こさせるのに必要な書き込み光量をとつ ている。 例えば波長 6 6 0 n mの書き込み光を書き込む場合、 0 . 0 1 mWZ c m 2の光量を書き込むことで π位相変調が達成される。 これに 対して、 波長 6 0 0 n mの書き込み光を書き込む場合には、 0 . 1 mW Z c m 2の光量を書き込まなければ π位相変調を達成することができな い。 第 1 7図より明らかなように、 光アドレス型平行配向液晶空間光変 調器 6においては、 波長 6 6 0 n m付近で感度は最高となっており、 そ れより短波長側、 長波長側の両方向で感度は低くなり、 波長 6 0 0 n m 及び 7 0 0 n mで感度は約 1 1 0となっている。
本実施例のように白色光等ある程度波長幅のある光源を書き込み用光 源 1に用いた場合においては、 リレーレンズ 5の開口数 を、 空間
光変調器 6の書き込み光波長感度特性において感度が最高となる波長 λ に対して決定することが好ましい。 光ァドレス型平行配向液晶空間光変 調器 6の場合、 上述のように、 波長 6 6 0 nmの光に対して感度が最良 となることから、 λ = 6 6 0 nmに対して、 lZ2 POc (- AL/ λ) < 1 ΖΡの条件が満たされるようなリレーレンズ 5を用いることが 好ましい。 そこで、 本実施例の場合、 NAL== 0. 0 1 3のリレーレン ズ 5を用いた。
キセノンランプ 1を用いた上述の書き込み光学系において、 波長 6 6 0 nmの光に対する当該 N
0. 0 1 3のレンズ 5の光学伝達関数 を第 1 8図に示す。 アーク長 1 mmなため完全な平行光を実現すること ができないことから、 光学伝達関数の形は、 LDや L EDを用いた場合 とは異なり、 OTF= l . 0から 0に推移する際にやや傾きを持った形 となっている。 但し、 コリメートレンズ 2に焦点距離の大きいレンズを 用いたり、 第 1 9図のように、 キセノンランプ 1とコリメ一トレンズ 2 との間に集光レンズ 2 1 とピンホール板 2 2とを設け、 キセノンランプ 1からの光を集光レンズ 2 1で結像させ、 当該結像面における最高輝度 点上に小さい直径のピンホール 2 2a を配置することで、 見かけ上キセ ノンランプ 1のアーク長を短くして点光源に近い光源とすることができ る。 この方法を用いることによって、 〇TF= 1. 0から 0に推移する 際の傾きを急にすることが可能となり、 画素構造の消去に非常に有効で ある。
本実施例の場合、 白色書き込み光源 1の波長の全部にわたって上記条 件 1 Z2 P<NAL/A < 1 ZPが満たされている訳ではないが、 光ァ ドレス型平行配向液晶空間光変調器 6の変調に主に寄与する波長領域に おいて 1 Z2 P <NAL/ A< 1 /Pを満たすことによって、 出力面で 画素構造の影響が非常に少なく、 効率的な空間光変調装置が実現されて
いる。
次に、 本発明の第 2の実施形態に係る空間光変調装置を第 2 0図〜第 2 3 ( b ) 図に基づき説明する。
第 2 0図は、 本発明の第 2の実施形態に係る空間光変調装置 2 0 0の 構成図である。 なお、 第 1の実施形態の空間光変調装置 1 0 0と同一又 は同等な構成部分には同一符号を付し、 その説明は省略する。
以下、 第 2 0図を参照して、 当該第 2の実施形態の空間光変調装置 2 0 0が第 1実施形態の空間光変調装置 1 0 0と異なる点を述べる。 本実施形態においては、 空間光変調装置 2 0 0は、 一体型の電気アド レス型空間光変調装置 5 5を備えている。 すなわち、 透過型液晶素子 4 及び光ァドレス型平行配向液晶空間光変調器 6力 リレーレンズ 5を用 いずに直接接続され一体型の電気ァドレス型空間光変調装置 5 5を構成 している。 なお、 本実施形態の空間光変調装置 2 0 0も、 第 1実施形態 の空間光変調装置 1 0 0と同様、 第 2 3 ( a ) 図のように、 フーリエ変 換レンズ 1 1と接続して回折現象等の測定に使用したり、 第 2 3 ( b ) 図のように、 結像レンズ 1 3と検光子 1 4に接続して画像表示等に使用 したりできる。
第 2 1図に、 第 2 0図に示す一体型電気ァドレス型空間光変調装置 5 5において用いられる透過型液晶素子 4及び光ァドレス型平行配向液晶 空間光変調器 6の構造及びその接続方法の拡大構成図を示す。
透過型液晶素子 4は第 2図に示したものと同じ構成であり、 その出力 端である光伝達層 4 2は、 透明ガラス基板 4 0 1と偏光板 4 1 2とから 構成されている。 ここで、 透明ガラス基板 4 0 1と偏光板 4 1 2とは、 互いに略等しい一様な屈折率を有している。 したがって、 光伝達層 4 2 は、 略一様な屈折率を有している。
また、 光アドレス型平行配向液晶空間光変調器 6は、 第 3図に示した
ものとほぼ同じ構成であるが、 書き込み部 6 aの書き込み光入力端とし て、 反射防止コート 6 6 a付透明ガラス基板 6 5 aの代わりに、 フアイ バ光学プレート 6 7が用いられている。 第 2 2図に示すように、 透過型 液晶素子 4の光伝達層 4 2 (より詳しくは偏光板 4 1 2 ) と、 光ァドレ ス型平行配向液晶空間光変調器 6のファイバ光学プレート 6 7とが直接 接続されている。 このように光学的に接続された光伝達層 4 2及びファ ィバ光学プレート 6 7により、 透過型液晶素子 4の光変調層 4 1から光 ァドレス型平行配向液晶空間光変調器 6の光導電層 6 1へ書き込み光を 伝達するための光接続素子が構成されている。
なお、 透明ガラス基板 4 0 1と偏光板 4 1 2の位置を逆にし透明基板
4 0 1が透過型液晶素子 4の最外層となるようにして、 当該透明ガラス 基板 4 0 1をファイバ光学プレート 6 7に接続させるようにしても良レ^ また、 透明ガラス基板 4 0 1とファイバ光学プレート 6 7との間に、 必 要に応じて、 透明な液状もしくはグリース状等のものを封入して用いて も良い。
かかる構成の一体型電気ァドレス型空間光変調装置 5 5を備えた本実 施形態の空間光変調装置 2 0 0は、 以下のように動作する。
電気信号発生回路 3が、 書き込む情報に関する電気ビデオ信号によつ て、 透過型液晶素子 4を電気アドレス駆動する。 透過型液晶素子 4に波 長 λの書き込み光を入射させると、 書き込み光は透過型液晶素子 4によ つて変調され、光伝達層 4 2及びファイバ光学プレート 6 1を伝搬して、 信号画像として光ァドレス型空間光変調器 6の光電導層 6 1に入射する。 読み出し用光源 1 0からの読み出し光が液晶層 6 2に入射し、 信号画像 に応じた変調を受けて出射し、 ハーフミラ一 7で反射して出力する。 ここで、 第 2 3 ( a ) 図のように、 空間光変調装置 2 0 0からの出力 光をフーリェ変換させそのフーリエ像を測定する際には、 読み出し用光
源 1 0からの読み出し光の偏光方向を液晶層 6 1の液晶配向方向 (第 4 ( a ) 図に示すオフ状態の液晶配向方向) と平行として、 液晶層 6 1に 位相のみの変調を行わせる。 また、 第 2 3 ( b ) 図のように、 空間光変 調装置 2 0 0からの出力光を結像させて表示する際には、 読み出し光の 偏光方向を液晶層 6 1の液晶配向方向に対して 4 5度傾けて、 クロス二 コルに配置した検光子 1 4にて強度変調を行わせる。
ここで、 本実施形態の場合、 ファイバ光学プレート 6 7は、 所定のピ ツチ F Pの屈折率分布を有している。 当該ピッチ F Pは透過型液晶素子 4 のピッチ Pに比べて充分小さい。 したがって、 ファイバー光学プレー卜 6 7の伝達可能な限界空間周波数はピッチ F Pによって 1 Z 2 F pとし て求まる。 換言すれば、 ファイバ光学プレート 6 7は、 入射画像を、 そ の解像度 (限界空間周波数 1 / 2 F Pより十分小さい空間周波数) を保 つたまま伝達できるような屈折率分布を有している。 例えば、 ピッチ F Pが 3 /z m の場合、 その伝達可能な限界空間周波数はおよそ 1 6 7 [lp/mm]と求められる。 しかし、 実際には、 書き込み光信号画像はファ ィバ光学プレート 6 7に入射する前に光伝達層 4 2において広がるので、 本実施形態における限界空間周波数レ C はファイバ光学プレート 6 7の 限界空間周波数 1 Z 2 F Pよりも低い値となる。
以下、 第 2 2図の接続部分の拡大図を参照して、 本実施形態における 限界空間周波数レ c について、 より詳細に説明する。
限界空間周波数レ 。 は、 透過型液晶素子 4の画素構造 4 1 5のピッチ P (第 2図)、 光伝達層 4 2の厚さ d (透明ガラス基板 4 0 1と偏光板 4 1 2の厚さの和)、書き込み用光源 1からの書き込み光の波長 λに対する 光伝達層 4 2の屈折率 (透明ガラス基板 4 0 1と偏光板 4 1 2の書き込 み光の波長 λに対する屈折率) η 6、 入射光学系の開口数ひ い 及び、 フ アイバ光学プレー卜 6 7の開口数 N AF。P によって決定される。 本実施
形態においては、 入射光として散乱光を用いているため、 入射光学系の 開口数 はファイバ光学プレー卜 67の開口数 NAF0P に比べて大き い。 この時、 透過型液晶素子 4の画像表示部 (光変調層) 4 1の透明画 素電極 403 (開口部) から出射される書き込み光のうち、 光伝達層 4 2 (透明ガラス基板 40 1と偏光板 41 2) を通過後ファイバ光学プレ ート 67に入射して伝達される光の最大角度を 0とすると、 限界空間周 波数 v c = 1Z ( t a n 0 · d) であり、 したがって、 限界空間周波数 レ c は、 田各 lie/ (d · NAF。P) と求められる。
このため、 画素構造 4 1 5に起因する信号成分を消去するためには、 条件レ c (=neZ (d · NAF0P) < 1 /Pを満たす必要があり、 その 場合、 ファイバ光学プレー卜 6 7の開口数 NAF0P は条件 NAF0P>n G · PZdを満たす必要がある。 同様に、 信号画像をその最大空間周波 数まで劣化させないためには、 条件レ じ (=nG/ (d · NAF0P) > 1 / 2 Pを満たす必要があり、 したがって、 ファイバ光学プレート 6 7の 開口数 NAF0P は、 条件 NAF0Pく 2 · PZdを満たす必要がある。 以下、 実施例により本実施形態をさらに詳細に説明するが、 本実施形 態は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
透過型液晶素子 4として、 第 1の実施形態の第 1の実施例と同様のピ ツチ P = 40 mのものを用いた。 光伝達層 42の厚さ (透明ガラス基 板 40 1と偏光板 41 2の厚さの和) は lmmであった。 また、 フアイ バ光学プレー卜 67として、 ピッチ F Pが 3 m で厚さが 5 mm のもの を用いた。 書き込み用光源 1には、 波長 λ = 680 nmの半導体レーザ を用いた。 また、 光伝達層 42を構成する透明ガラス基板 40 1と偏光 板 41 2の屈折率は互いに略等しく、 λ = 680 nmの波長に対して n G= 1. 5であった。 本実施例では、 開口数 NAF0P が 0. 06く NA
FOP<0. 1 2を満たすファイバ光学プレー卜 6 7を用いた。 この場合、 nG · P/d<NAF0P< 2 nG · P/dを満足する (nG · P/d = 0. 0 6、 2 nG · P/d = 0. 1 2 ) ため、 本実施例においても画素構造 4 1 5に起因する信号成分を消去し、 かつ、 透過型液晶素子 4において 生成可能な信号画像のすべての空間周波数の範囲について劣化を生じな いようにすることができる。
以上のように、 本実施例によれば、 書き込み光の伝達に電気アドレス 型素子 4の出力端の光伝達層 42と光ァドレス型空間光変調器 6の書き 込み光入力端のファイバ光学プレート 6 7とを用いた場合において、 フ アイバ光学プレート 6 7の開口数 NAF0P に対して NAF0P〉nG · P という条件を付することによって、 画素構造に起因する信号成分を 消去することができ、 さらに NAF。P<2 nG · P/dという条件を付す ることによって、 信号画像に含まれる空間周波数の全ての成分範囲につ いて、 劣化を生じることなく信号画像を伝達することができる。
なお、 第一の実施形態の第 2の実施例のように、 ファイバ光学プレー 卜 6 7の開口数 N AF。P を例えば 0. 1 5とすれば、 電気ァドレス型素 子 4の画素構造 4 1 5のピッチ Pと、 光伝達層 42の厚さ dと、 書き込 み光の波長 λに対する光伝達層 42の屈折率 nQ との間に、 NAFC)P〉 ηα · P/dの関係が成り立つため、 少なくとも、 画素構造 4 1 5に起 因する信号成分を消去することができる。
また、 書き込み用光源 1 として、 白色光等ある程度波長幅のある光源 を用いた場合には、 ファイバ一光学プレー卜 6 7の開口数 N AF0Pを、 光ァドレス型平行配光液晶空間光変調器 6の書き込み光波長感度特性に おいて最高となる感度の波長 λ (= 6 6 0 nm) に対する光伝達層 42 の屈折率 nG に対して、 ne · PZdく NAF0P< 2 nG · PZdを満足 するように、 決定することが好ましい。 このように、 光アドレス型平行
配向液晶空間光変調器 6の変調に主に寄与する波長領域において · P / d < N AF 0 P < 2 n G · P / dを満足することによって、 出力面で画 素構造の影響が非常に少なく、 効率的な空間光変調装置が実現できる。 本発明に係る空間光変調装置は、前述した実施形態に限定されず、種々 の変更が可能である。
例えば、 透過型液晶素子 4としては、 第 2図の構造のものに限らず、 様々な構造でピッチ Pの画素構造を有する透過型液晶素子 4を採用でき る。
前述した実施形態では、 透過型液晶素子 4をコリメートレンズ 2及び リレーレンズ 5に対して第 2図に示す向きに配置したため、 基板 4 0 9 及び偏光板 4 1 3が光入射層 4 0として機能し、 基板 4 0 1及び偏光板 4 1 2が光伝達層 4 2として機能している。 しかしながら、 透過型液晶 素子 4を第 2図に示す向きとは反対の向きに配置し、 基板 4 0 1及び偏 光板 4 1 2を光入射層 4 0として機能させ、 基板 4 0 9及び偏光板 4 1 3を光伝達層 4 2として機能させても良い。 この場合、 コリメートレン ズ 2からの書き込み光は偏光板 4 1 2から入射し、 液晶層 4 1 1で変調 された後、 透明基板 4 0 9及び偏光板 4 1 3を経て出射してリレーレン ズ 5へ向かうことになる。 また、 この場合、 透明基板 4 0 9と偏光板 4 1 3の位置を入れ替え、 透明基板 4 0 9を透過型液晶素子 4の最外層と なるようにしてもよい。 第 2の実施形態の場合には、 この最外層となつ た透明基板 4 0 9をファイバ光学プレート 6 7に接続させれば良い。 ま た、 その際、 透明ガラス基板 4 0 9とファイバ光学プレート 6 7との間 に、 必要に応じて、 透明な液状もしくはグリース状等のものを封入して 用いても良い。
前述した実施形態では、 光アドレス型空間光変調器 6として光ァドレ ス型平行配向液晶空間光変調器を採用したが、 他の様々な光ァドレス型
空間光変調器を採用できる。 その場合において、 白色光等ある程度波長 幅のある光源を書き込み光源 1として用いる場合には、 リレーレンズ 5 (第一の実施形態) の開口数 NALやファイバー光学プレート 6 7 (第 2の実施形態) の開口数 NAF。Pを、 光アドレス型空間光変調器 6の書 き込み光波長感度特性において感度が最高となる波長に対し、 対応する 条件 1 Z 2 P<NALZA < 1 ZP、 または、 nG · PZd<NAF0Pく 2 ne · P/dを満足するように、 決定することが好ましい。 また、 光 ァドレス型空間光変調器 6の書き込み光波長感度特性が、 所定の波長幅 を有する所定の波長域において、 他の波長域に比してその感度が高いも のである場合には、 開口数 N や N AF。Pを、 当該所定の波長域におい て対応する条件 1 Z 2 P <Ν Α^Ζλ < 1 ZP、 または、 PZd< NAF0P< 2 nG · P/dを満足するように、 決定すればよい。 光ァドレ ス型空間光変調器 6の変調に主に寄与する波長領域においてこれら条件 を満足することによって、 出力面で画素構造の影響が非常に少なく、 効 率的な空間光変調装置が実現できる。 産業上の利用可能性
本発明に係る空間光変調装置は、 画像プロジェクタ表示装置や、 空間 的フーリエ変換のような回折現象を用いる光学的情報処理装置、例えば、 回折効率測定装置や、 光相関演算による指紋照合等を行う画像認識装置 や変位 ·速度計測装置等に幅広く用いられる。